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UFCへの登竜門!ROAD TO UFC シーズン3 日本人出場選手 大解剖! 鶴屋怜 UFC初陣への意気込みも!

ROAD TO UFC シーズン3
5月18日(土)&19日(日) U-NEXTで全試合完全生配信!

5月18日(土)【ROAD TO UFC シーズン3 エピソード1,2】
詳細はこちら↓↓↓
https://video.unext.jp/genre/martial?lc=LIV0000005408?=FS00001

5月19日(日)【ROAD TO UFC シーズン3 エピソード3,4】
詳細はこちら↓↓↓
https://video.unext.jp/genre/martial?lc=LIV0000005409?=FS00001

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エピソード1,2 対戦カード
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【エピソード1:日本時間19時開始】
男子フェザー級(65.8kg以下)
ズー・カンジエ vs 安藤達也

男子フェザー級(65.8kg以下)
原口伸 vs ホン・ジュニョン

女子ストロー級(52.2kg以下)
フォン・シャオツァン vs キラン・シン

女子ストロー級(52.2kg以下)
ホアン・フェイル vs 本野美樹

ウェルター級(非トーナメント)
バテボラティ・バハテボラ vs キム・ハンスル

【エピソード2:日本時間21時開始】
男子フェザー級(65.8kg以下)
シエ・ビン vs イーブーゲラ

女子ストロー級(52.2kg以下)
シー・ミン vs ソ・イェダム

男子フェザー級(65.8kg以下)
河名真寿斗 vs ソン・ヨンジェ

女子ストロー級(52.2kg以下)
プリヤ・シャルマ vs ドン・フアシャン

女子フライ級(非トーナメント)
ワン・ツォン vs パウラ・ルナ

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エピソード3,4 対戦カード
======================
【エピソード3:日本時間19時開始】
男子バンタム級(61.2kg以下)
ダーエミィスウ・ザウパースー vs 小崎連

男子フライ級(56.7kg以下)
ジョン・アルマンサ vs アンガド・ビシュト

男子バンタム級(61.2kg以下)
ユ・スヨン vs 野瀬翔平

男子フライ級(56.7kg以下)
ジー・ニウシュイエ vs チェ・ドンフン

ライト級(非トーナメント)
キ・ウォンビン vs. 雑賀達也

【エピソード4:日本時間21時開始】
男子バンタム級(61.2kg以下)
バーエゴン・ジェライスー vs カンタラージ・アガーサ

男子フライ級(56.7kg以下)
キルー・シング・サホタ vs イン・シュアイ

男子バンタム級(61.2kg以下)
キム・キュサン vs 中西透暉鷹

男子フライ級(56.7kg以下)
松井斗輝 vs ルエル・パニャレス
※松井斗輝選手の体重超過により試合中止

女子フライ級(非トーナメント)
ヤン・チーフイ vs リサ・キリアコウ

※対戦カード・対戦順は直前まで変更する場合があります。
※直前の変更により当日の内容が異なる場合があります。

【目次】
0:00 オープニング
1:42 鶴屋怜 UFC初陣への意気込み
5:11 日本人出場選手 大解剖
10:07 フライ級トーナメント 出場選手
12:08 バンタム級トーナメント 出場選手
18:56 フェザー級トーナメント 出場選手
25:47 ライト級 出場選手
27:22 ROAD TO UFC “ここを見ろ!”
28:54 鶴屋怜 デビュー戦への意気込み

格闘技観るならU-NEXT!
#UFC #ROADTOUFC #MMA #鶴屋怜 #岡田遼 #高阪剛

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【Road to UFC2024Ep03&Ep04】計量終了。フライ級は松井斗輝が体重超過で試合中止に……

【写真】フライ級、バンタム級、フェザー級、非トーナメント戦のライト級まで勢ぞろい(C)Zuffa/UFC

19 日(日・現地時間)に中華人民共和国は上海のUFC PI上海で開催されるRoad to UFC2024 Ep03&Ep04の計量が18日(土・同)に行われた。トーナメント参加の小崎連、野瀬翔平、透暉鷹ならびに非トーナメント戦出場の雑賀ヤン坊達也は計量をクリアしている。しかしフライ級出場の松井斗輝は計量オーバーで試合が中止となった。
Text by Shojiro Kameike

海外勢も全員計量をパスし、フェイスオフではバンタム級トーナメントで戦う中国のダールミス・チャウパスゥイが、小崎連に顔面を近づけ挑発する場面も見られた。


非トーナメント戦も含めてEp03&Ep04に出場する全選手が計量をパスするなか、松井は132ポンド=59.87キロ――フライ級リミットから7ポンド(3.17キロ)となった。1ポンドオーバーまでは認められているなか、この結果は如何ともし難い。

今年2月にパンクラス大阪大会で秋葉太樹と対戦予定であった松井は、計量に向けた水抜き中に倒れ、病院に救急搬送されている。点滴や食事を受けて計量会場に戻ると6.8キロオーバーで、公式ルール(5ポンド以上は試合不成立)に則り試合は中止となってしまった。

起こってしまったことは仕方ない。そんな松井にとって秋葉戦の計量オーバーを乗り越えてのRoad to UFC出場であったが、今回のパナレス戦も中止に(パナレスがトーナメント準決勝に進出)。どのような事情があるかは分からないが、やはり2試合連続で計量オーバーは残念でならない。世界最高峰の舞台で戦うチャンスを逃してしまった松井と陣営には、バンタム級転向も含めて今後を検討してほしい。

一方、バンタム級トーナメントの透暉鷹は、キム・キュソンと並ぶと体格差は一目瞭然だが、その差をアドバンテージに変えることはできるか。野瀬×ユ・スヨン、雑賀×キ・ウォンビンと日本勢が日本でも馴染みのあるファイターと対戦するマッチアップも含めて要注目だ。

■視聴方法(予定)
5月19日(土)
Ep01午後7時~ UFC Fight Pass
Ep02午後9時~UFC Fight Pass
Ep01&02午後6時45分~U-NEXT

■Road to UFC 2024 Episode04対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
リー・ユンフン(中国):61.69キロ
チィルイイースー・バールガン(中国):61.69キロ

<Road to UFCフライ級T準々決勝/5分3R>
キル・シン・サホタ(英国):57.15キロ
イン・シュアイ(中国):56.93キロ

<Road to UFCバンタム級T準々決勝/5分3R>
キム・キュソン(韓国):61.46キロ
透暉鷹(日本):61.69キロ

<Road to UFCフライ級T準々決勝/5分3R>
ルエル・パニャーレス(フィリピン):56.70キロ
松井斗輝(日本):59.87キロ
※松井の計量オーバーで試合中止

<女子フライ級/5分3R>
リサ・キリアコー(豪州):56.93キロ
ヤン・チーフイ(中国):57.15キロ

■Road to UFC2024 Ep03対戦カード

<Road to UFCバンタム級T準々決勝/5分3R>
ダールミス・チャウパスゥイ(中国):61.46キロ
小崎連(日本):61.46キロ

<Road to UFCフライ級T準々決勝/5分3R>
ジョン・アルマンザ(フィリピン):57.15キロ
アンガド・ビシュト(インド):56.70キロ

<Road to UFCバンタム級T準々決勝/5分3R>
ユ・スヨン(韓国):61.46キロ
野瀬翔平(日本):61.46キロ

<Road to UFCフライ級T準々決勝/5分3R>
チーニョーシーユエ(中国):571.5キロ
チェ・ドンフン(韓国):57.15キロ

<ライト級/5分3R>
キ・ウォンビン(韓国):70.53キロ
雑賀ヤン坊達也(日本):70.53キロ

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【Road to UFC2024Ep03】3年連続出場・野瀬翔平、スヨン戦へ「お互い得意なところでどちらが勝るか」

【写真】柔術黒帯のスヨン相手にも組みでの真っ向勝負を宣言し、勝利への執念を語った(C)MMAPLANET

18日(土・現地時間)&19日(日・同)に中国は上海のUFC PIで開催されるRoad to UFC2024。2日間で4エピソードが実施されるアジア発、世界最高峰への道──その2日目、エピソード03で野瀬翔平が韓国のユ・スヨンと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

2年連続でRoad to UFCに出場するも、UFCとの契約まで手が届かなかった野瀬。2024年はRIZIN佐賀大会に出場するなど、キャリアを積んでUFC再挑戦につなげる1年にすると位置付けていたが、本人も予想していなかった3年連続となるRoad to UFC出場が決まった。しかも対戦相手は元DEEP王者であり、日本でもその強さが知られているスヨンだ。バンタム級屈指の好カード、そして悲願のUFC契約に向けた戦いを前にした野瀬が心境を語った。


――RIZIN佐賀大会後に取材したときには「今年はRoad to UFCに出場することは難しいと思うので、色んな大会でキャリアを積む1年にしたい」とおっしゃっていました。そんな中で急転直下Road to UFC出場が決まり、率直に出場が決まったときはどんな心境でしたか。

「全く思いもよらなかったというか、まさかオファーをいただけるとは思っていなかったのでびっくりしました」

――こんなチャンスはないという気持ちでしたか。

「そうですね。ジムで先生と『Road to UFCのオファーがあるけどどうする?』という話をして、本来は期間を空けて経験を積んで強くなってから再挑戦と思っていたんですけど、その時に怪我をしていないとも言えないし、元気かどうかも分からない。やりたいときにできるとは限らないし、極端な話、格闘技そのものをやっていないかもしれない。実際に僕はそれが身に染みて分かっているので(※高校時代に柔道の試合で首の骨を骨折した経験がある)、オファーが来たからには出ます、出たいですと伝えました」

――ある意味、神様に出ろと言われているようなものですよね。

「はい。3年連続でRoad to UFCに出させてもらえるなんて、普通はないことですからね」

――RIZINにも出場して、色んな試合のチャンスがあったと思いますが、UFCを目指すという気持ちは変わらなかったですか。

「そうですね。この話を聞いたときに、即答で(Road to UFCに)出ると答えたので。それだけUFCに出たい気持ちが強いです」

――過去2回のチャレンジで、ここを勝ち抜いてUFCと契約することが最大のゴールだということを身を持って知っているのが野瀬選手です。過去2回トーナメントを勝ち抜けなかった経験が生かせるかどうか。それが今回のトーナメントで試されると思います。トーナメントを勝ち抜くために何が必要と思って取り組んできましたか。

「一番は気持ち、心だと思います。Road to UFCは普通と違って独特の雰囲気なんですよ。みんなUFCとの契約を勝ち取るために飢えているというか。1回戦では同じ国同士の戦いもあるし、そういう独特の雰囲気の中でどっちが相手を飲み込むか。気持ちの強さが大事だと思ってます」

――試合までの環境も他と空気は違いますか。

「対戦相手と一週間同じホテルですし、独特の雰囲気はありますね。何回経験しても」

――でもそれを2度経験しているというアドバンテージはありますよね。

「そうですね。そんなにフワフワもせずに、いつもと変わらず淡々と試合の準備ができます」

――ちなみに1週間も相手と同じホテルにいると顔を合わせることもありますよね。

「はい。今回もすでに何度かあって。ちょうど僕がPIに練習行ったときに、相手のユ・スヨンの練習終わりと重なって、軽く挨拶する、みたいな。でもそのおかげで、練習のときに相手をイメージしやすかったです。試合前に現物の相手を見て、相手のサイズ感を思い浮かべることができるので」

――この試合に向けた準備という部分ではどんな対策をしてきましたか。

「相手は柔術黒帯で得意な部分、組んでテイクダウンして…というところが見えているので、そこでどちらが勝つか。相手が組みが強いからといって、びびって打撃でいっちゃうとその時点で気持ちで負けてるじゃないですか。そうじゃなくて、いつも通り組んで極めることを意識してやってきました」

――スヨン選手が組みが強いタイプだからこそ、野瀬選手も自分のスタイルを貫く方が勝利への近道になる、と。

「その方が相手も嫌だと思うし、そこでどちらが勝つか。お互い得意なところでどちらが勝るか勝負します」

――スヨン選手はDEEPでも試合をしていて、今大会の出場選手の中でも屈指の実力者だと思います。

「3団体でチャンピオンになっているので、かなり強い相手だと思ってます。むしろ優勝候補の一人だと思うし、試合を見てもすごく強いので、そこは相手の強さを認めた上で、僕が勝ちにいきます」

――先ほどもテイクダウンやグラウンドゲームが試合のキモにはなると思うのですが、やりやすいイメージはありますか。

「僕もそこでどちらが主導権を握るかだと思っていて。僕の得意な形、4の字クラッチしてのバックキープができれば勝てるかな、と。僕はバックキープの形に入れば、絶対に逃がさずに、削るなり極めるなりできると思っているので、そこまでどういくかですね」

――この試合は日本のファンも注目しているカードです。野瀬選手自身は周囲の声や期待の声を感じていますか?

「RIZINに出たことで色んな方に自分を知ってもらえて、前回よりも応援してくれる人が増えたなとは感じてます」

――どんな試合をして次に繋げたいですか。

「もちろんフィニッシュして勝つのが一番だし、フィニッシュも狙いますけど、どうなってもいいから勝ち切りたいです。全試合スプリット判定でも3回勝てば契約なので。どんな試合になってもいいから勝つという気持ちでいます」

――UFCに直結する機会はそう何度も来るものではないと思います。そこに臨む覚悟は決まっていますか。

「全部の試合がそうですけど、この試合でも大きな怪我して競技生活が終わりになるかもしれない。実際に僕は大怪我をして、歩けなくなるかもしれないという経験をしています。本当に試合でどんなことが起こるか分からないので、一戦一戦を大切にして、そして最後になるかもしれないと思ってやってきました。だからこのチャンス断る選択肢はなかったです」

――それでは最後に日本のファンにメッセージをいただけますか。

「応援してくださっている皆さん、日本人の強さを証明して、そして僕自身の強さを証明して1回戦を突破します」

■視聴方法(予定)
5月19日(日)
午後7時~UFC Fight Pass
午後6時45分~U-NEXT

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【Road to UFC2024 Ep03】野瀬翔平と対戦、本命!?ユ・スヨン「道着の柔術なら、自分が二段階上」

【写真】試合運びから、野瀬の性格を見抜く──恐ろしい洞察力だ(C)MMAPLANET

18日(土・現地時間)&19日(日・同)に中国は上海のUFC PIで開催されるRoad to UFC2024。2日間で4エピソードが実施されるアジア発、世界最高峰への道──その2日目、エピソード03で韓国のユ・スヨンが、日本の野瀬翔平と対戦する。
Text by Manabu Takashima

この4月に返上をしたが、DEEPバンタム級のベルトを巻いたユ・スヨンはBlack CombatとNAIZA FCとアジアのバンタム級三冠だったこともある。

12月の敗北、1月のノーコンテストにもRoad to UFCの門が閉ざされることがなかった。3年連続、Road to UFCに挑む野瀬との対戦を前に本命といっても過言でない実力者ユ・スヨンの話を訊いた(※取材は3日に行われた)。


──Road to UFC出場が決まったユ・スヨン選手ですが、昨年12月にカザフスタンのNAIZA FCでダスタン・アマンゲルジ戦に敗れベルトを失い、1月のBlack Combatではフェザー級でキム・ミンウ選手とNC。直近の試合結果が良くないなかで、Road to UFCへの出場が決まった時はどのような気持ちでしたか。

「カザフスタンでの敗北、キム・ミンウ戦のノーコンテストは自分のなかで、良い経験になりました。あの2試合があったので練習に凄く集中できています。試合もそうですが、それまでの取り組みに関して自分が何をやって行けば良いのか、何をすれば良いのかが分かって良かったです。

カザフスタンでの試合は、今からするとMMAへの気持ちが弛んでいました。練習にも集中できていなくて、MMA熱が下がっていました。あの試合に負けて、キム・ミンウ戦では絶対に負けてはいけない。そういう風にMMAを始めた時の気持ち、初心に返ることができました」

──キム・ミンウ戦のユ・スヨン選手を見て、バンタム級が適正と感じました。

「今、仰っていただいた通りです。キム・ミンウと戦ってフィジカル面で厳しく、フェザー級ではパフォーマンスもバンタム級の時より落ちると思います」

──リーチなど、サイズ感も。

「本音を言えば、自分はバンタム級でも小さいと感じています(笑)」

──そしてRoad to UFCですが、初戦の相手は野瀬翔平選手。日本人選手と戦うこととなりました。野瀬選手の印象を教えてください。

「試合を見ている限り、勤勉で誠実な選手なんだと思います」

──えっ、試合を見てそのように感じるのですか、

「ハイ。常に基本を大切にしています。そして、不利な状態になっても決して心が折れることがない。そういう姿が度々確認できました。本当に普段から、地道な練習を頑張っているのだと思います」

──なんと……凄まじい洞察力ですね。野瀬選手の師匠の弘中邦佳さんは柔術で紫帯の力がないとMMAは戦わせないという基本を大切にする指導者です。

「MMAの試合を見てもレスリングより、グラップリング。打撃を使うグラップラーですよね。自分もそうです。好きなモノが同じファイター同士、どのような試合になるのか楽しみです」

──とはいえ、表情から余裕が感じられます。

「それはどんな相手と戦っても、自信を持って挑まなければならないです。そうできるように、日々の練習をしています。それでも野瀬選手は強いので、油断は禁物です」

──グラップリングはMMAより、番狂わせが少ないと思っています。この試合はMMAなので打撃もあるのですが、純粋にグラップリング力だと、野瀬選手と比較してご自身の力はどれだけだと考えていますか。

「サブミッションで仕留めることはできると思います。MMAでなく、道着の柔術なら自分の方が二段階は上です。それに野瀬選手はグラップリング偏重ですが、自分はもっと打撃とのバランスが良いです。なので打撃という部分では、スピニングバックフィストぐらいですね。注意すべき攻撃は」

──では、初戦で戦う野瀬選手以外にマークすべき相手は誰でしょうか。

「韓国のキム・キュソンと中国のダールミス・チャウパスゥイのいずれかと決勝で戦うことになるかと思います」

──つまりキム・キュソンと戦う透暉鷹選手、ダールミスと対戦する小崎連選手は初戦敗退だと。

「そうですね」

──キム・キュソン選手がパンクラス王者に勝つと?

「えぇ? パンクラスのチャンピオンなのですか」

──パンクラスを2階級制覇し、フェザー級でパン・ジェヒョク選手にも勝っていますが……。

「あっ……しっかりと試合を見直します(笑)」

──押忍(笑)。では野瀬選手との試合を非常に注目している日本のファンにメッセージをお願いします。

「野瀬選手が日本のファンに愛されていることは百も承知していますが、その日本で歴史ある大会=DEEPで自分はチャンピオンでした。日本の皆さん、応援よろしくお願いします」

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【Road to UFC2024】松井、小崎、透暉鷹、野瀬、安藤、河名、原口、本野。MMAPLANET調べRTU出場選手

【写真】(C)MMAPLANET

5月18日(土・現地時間)&19日(日・同)に中国は上海のUFC PIで開催されるRoad to UFC2024。UFCから正式発表がないが、選手及びマネージメント関連から確認が取れている日本人出場選手と対戦相手を纏めてみた。
Text by Manabu Takashima

アジアでは唯一のUFCへの公式ルート=Road to UFC。しかし、選手の選考基準は曖昧で、3度目の開催を迎える今回も多くの出場希望選手がやきもきしてきた。3月31日を選考の〆とする。4月3日が中国のビザ取得のためにタイムリミット。選ばれた選手はビザ取得のため即連絡が入るが、選考に漏れた選手は連絡がないことで不出場を意味する──などなど、今年も情報が錯そうしまくっていた。

また本来UFCはカードの正式発表等のリリースは通常はなく、選手やマネージメントの自己発信に任されている。対して日本国内はプロモーションとメディアのなかでオフィシャル発表を待つという慣例が存在している。Road to UFC出場メンバーの公式発表がなかなか行われないのは、ビザ取得など選手の顔触れが変更されることなども考慮されているという話も伝わってくるが、そのような状況下で選手個人や出場していた団体が公にするケースも出てきた。ここではソースが明らかでない選手を除き、MMAPLANETが選手及びマネージメントに出場の確約があることの確認を取れた選手について言及したい。


【フライ級】
松井斗輝
対戦相手ルエル・パナレス

Grachanでデビューしンクラスでキャリアを積んできたTHE BLACKBELT JAPAN所属の松井が、昨年の鶴屋怜に続き同ジムよりも出場権を得た。キャリア6勝1敗の24歳、伊藤盛一郎や福田龍彌が選外となったことを考えると、このレコードと若さは今のUFCが欲しているゾーンにいるということだろう。

(C)BRAVE CF

松井の対戦相手はフィリピンのルエル・パナレスだ。

レコードは松井と同じく6勝1敗。松井が初めて海外で戦うのに対し、パナレスはUAEWでUAE、BRAVE CFでバーレーンとインドネシアでの試合を経験してきた。ゴリゴリのテイクダウン・ファイター=ムハンマド・サロハイディノフとの敗北から再起戦がUFCを賭けた戦い。スタイル的に初戦以降の対戦相手、つまりは他の出場選手が気になるところだ。

そのフライ級では日本でも一部で猛烈に注目されていたチェ・ドンフンの出場も決まった。

韓国のDouble GFCフライ級王者で、GLADIATORフライ級王座決定トーナメント準決勝出場を決めていたチェ・ドンフンもUFC行きを賭けた戦いにステップアップ。

堅実な戦いができるフィニッシャーの初戦の相手は、前回の準優勝者チーニョーシーユエだ。

エンボー・ファイトクラブ出身、UFC PI所属の中国MMA界のエリートコースを行くチーニョーシーユエと、韓国海軍出身のイケメン=これは興味深い顔合わせとなる。

【バンタム級】
透暉鷹
対戦相手キム・キュソン

小崎連
対戦相手ダールミス・チャウパスゥイ

野瀬翔平
対戦相手ユ・スヨン

Road to UFC出場を狙い、フェザー級からバンタム級に落とした透暉鷹は、昨年のクリスマスイブに河村康博を初回肩固めで斬って落とし、パンクラス二階級制覇を果たした。

大手エージェントとの契約もなく、所属ジムの代表がコーチング修行で得た人脈からの出場権獲得。透暉鷹の意思の強さと周囲の向上心と合致しての挑戦となる。

透暉鷹の初戦の相手は、韓国のキム・キュソンだ。母国ではTOP FC、そして日本、ONEでキャリアを積んできた元Evolve MMAファイターだ。キャリア12勝5敗でHEATで加マーク納、春日井たけし、TOP FCでNavE、ONEで藤沢彰博、若松佑弥と日本人選手との対戦も多い。×日本勢の戦績は3勝2敗で透暉鷹としては、当然遅れを取ることはできない

そんなキム・キュソン、一番最近の試合で魔のNAIZA FCでカザフスタン人選手に勝っているのが不気味だ。

意外というと失礼だが、小崎の選出には驚かされた。KROSS X OVERとDEEPで活躍中の小崎は戦績6勝0敗2分で、フィニッシュが5つの22歳。

彼もまたUFCが求めるゾーンのファイターといえる。

その小崎と相対するのは、昨年の準決勝でイ・チャンホに敗れたダールミス・チャウパスゥイ。とはいえ、イ・チャンホを序盤は圧倒したテイクダウン能力の高さは、小崎が未経験の世界といえる。カザフスタン国境ウィグル出身のフィジカルモンスター超えなるか──小崎のフレッシュさに期待だ。

小崎以上のサプライズは3年連続出場となった野瀬だろう。

これまで準決、初戦敗退も2月のRIZIN LANDMARKで改めて国内バンタム級のトップクラスである強さを見せつけた野瀬。

対するは一時はDEEP、Black Combatとアジア3カ国のバンタム級を制したユ・スヨンだ。UFC行きが掛かっていなくとも、興味深いマッチアップといえるタフファイト。当然、野瀬としてはグラウンドに持ち込めば、勝機が増す。その一方で、ユ・スヨンもれっきとした柔術黒帯で、しっかりとMMAに適合した寝技を持つ。それでも野瀬としては組み技勝負、いかに自分の庭に持ち込み、その庭での力比べとなる。

【フェザー級】
安藤達也
対戦相手チュウ・カンチエ

河名マスト
対戦相手ソン・ヨンジェ

原口伸
対戦相手ホン・ジュンヨン

(C)ONE

昨年3月のONE FFのアリ・モタメド戦の逆転勝利もチャトリCEOに評価されず、昨年のRoad to UFCのオファーを蹴っても安藤のONE本戦出場はならなかった。

この間、コンテンダーシリーズからのオファーもあった安藤が、34歳にして最後の挑戦に挑む。

その行く手を阻もうとするのは中国のチュウ・カンチエだ。レコードは18勝4敗の28歳。中国国内でしか試合をしておらず、実力を推し量るのが困難な相手だ。昨年7月に20秒で勝利している韓国のイ・ミンヒョクはパン・ジェヒョクにスプリット判定負け、工藤諒司にも判定負けをしているファイターで、中国人ファイターはもう強くて当たり前という想いで戦う必要がある。

デビュー戦、LFA、GLADIATORフェザー級王座決定トーナメントと躓く度に力をつけてきた河名マストも、いよいよ盟友・中村倫也の背中が見えていた。

特にパン・ジェヒョクとの連戦で競り負けから、完勝と河名は自身のポテンシャルを最大限に使うことができるようになった。対するソン・ヨンジェは6勝0敗5つのKO勝ちと1つの一本勝ちを誇るフィニッシャーだ。全て試合をAngel’s FCで戦い、バンタム級とフェザー級の王座を獲得している。

豪腕ファイターのソン・ヨンジェだが、一時期4年近いブランクもあり、ここ2試合は秒殺で組み力に関しては判断材料が少ない。ともあれ一発で試合を終らせる力を持つソン・ヨンジェを相手に、河名がいかにオアシスに突っ走れるのかに勝負は掛かってくるだろう。

また前回のライト級決勝でロン・チュウに敗れ、キャリア初黒星を喫した原口伸も、ビザ取得ギリギリの段階でオファーがきた。Road to UFCファイナルに敗れた後は、そのまま本戦出場という交渉もあった原口だが、適正体重のフェザー級での出場は今後のことを考えると──それでも簡単ではないが、好判断と思われる。

対する対戦相手のホン・ジュンヨンは2022年の初戦で松嶋こよみに接戦の末敗れている選手だ。その後はマーシー・グローブTVとインドネシア人ファイターを破り、Angel’s FCライト級王座を奪取──も、現状の力は測定が難しい。とはいえ簡単な相手でないことは明らかで、松嶋戦でも見せた様にタフファイトになった時の心の強さを原口は凌駕しなければならない。

【女子ストロー級】
本野美樹
対戦相手フォン・フェイアール

今年からライト級でなく女子ストロー級が実施されることとなり、日韓有数の女子ファイターに声がかかるなか、日本では出場を固辞する選手もあったようだが、本野美樹のチャレンジが決定した。

準々決勝で戦うフォン・フェイアールは、本野ともにフン・シャオカンに敗れている。未確認情報だがフォン・フェイアールを含め4選手が出場するという中国人女子選手、その中の一人にフン・シャオカンも含まれているという。

つまり本野とフォンにとって、Road to UFCはRoad to フン・シャオカンへのリベンジでもある。またかつてパンクラスに参戦経験のある韓国のソ・ユダンも出場し、中国のシー・ミン戦が決まっている。

現状、8人の日本人選手出場。今年はワンマッチも1日に4試合組まれるという話もあり、この他にも日本人選手の出場もあるかもしれない──中国、インド、タイ、インドネシア、そしてついにあるのか中央アジア勢の参戦等々、オフィシャル・アナウンスを待ちたい。

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Black Combat CORO DEEP DEEP Tokyo Impact o RIZIN ユ・スヨン 平松翔 石司晃一 金太郎 魚井フルスイング

【DEEP】5.26ニューピアホール大会 石司晃一×平松翔決定!

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5月26日にニューピアホールで開催されるDEEP TOKYO IMPACT 2024 3rd ROUNDで石司晃一(フリー)×平松翔(THE BLACKBELT JAPAN)のバンタム級マッチが行われる事が発表されました。

元DEEPバンタム級王者の石司は BLACK COMBATとの対抗戦でユ・スヨンにパウンドでTKO負けして以来の復帰戦。テイクダウンされると防戦一方に追い込まれましたが、それまでは金太郎やCOROなどに6連勝。スタンドでの打撃でもKO出来るし、グラウンドになっても三角やチョークでも仕留める事が出来るオールラウンダーです。

対する平松。勝ったり負けたりが続いていましたが、転機を迎えたのが3月のDEEP 118 IMPACTで行われた魚井フルスイングとの一戦。魚井にニータップでテイクダウンを許すも、それに合わせてギロチンチョークを極めて一本勝ち。RIZINに出場した魚井を下した事で一躍脚光を浴びる事となりました。

石司は王座から陥落して以来の負けられない一戦。対する平松は勝てば一気にタイトル戦線に浮上する重要な一戦。石司が踏み止まるか、平松が勝って世代交代か。いきなり楽しみなカードが組まれました。
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【DEEP】元谷友貴×福田龍彌 バンタム級王者決定戦!

ゴールデンウィーク真っ只中の5月3日に後楽園ホールで開催されるDEEP 119 IMPACT。これまでに北岡悟(パンクラスイズム横浜)×倉本大悟(JAPAN TOP TEAM)、水野竜也(フリー)×ANIMAL☆KOJI(HIGH ROLLER ENTERTAINMENT)、村元友太郎(ALIVE)×KENTA(K-Clann)など対戦カードが発表されていました。

決して悪くはなんだけど、RIZIN参戦経験者を上手く絡めて波に乗る最近のDEEPのマッチメイクを考えたら、もうひと盛り上がりほしいと欲張っていたら、極上カードがやってきました。
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【DEEPバンタム級王者決定戦】
元谷友貴(アメリカン・トップチーム)
福田龍彌(MIBURO)

RIZINで結果を出している者同士の贅沢な一戦。RIZINで組まれていて何ら不思議ではない好カードがDEEPで実現するとは。。。RIZIN隆盛の中でのDEEPの存在感を改めて思い知らされました。BLACK COMBATからの刺客ユ・スヨンがDEEPバンタム級王座を返上した事により、王者決定戦として行われます。

元谷は言わずと知れたバンタム級国内トップクラスのファイター。RIZINでは朝倉海の膝蹴りに屈したものの、金太郎、ヒロ・ヤマニハ、太田忍、倉本一真、CORO、ホジェリオ・ボントリンといったうるさ型の選手を連破。一見すると地味にも見えますが、決して簡単に出来る芸当ではないでしょう。

対する福田は現在絶賛売り出し中。元修斗フライ級王者にしてDEEPフライ級GP王者という肩書きもすごいですが、ファイトスタイルも凄味がハンパない。的確に蓄積させる左ジャブで相手の顔面を削り、時折織り交ぜるボディやアッパーの威力も精度の高さも卓越したスキルを感じます。

フライ級からバンタム級に階級を上げた雅駿介戦ではムエタイ出身の雅のお株を奪う打撃の猛攻で雅を圧倒。パンチでダウンを奪ってからのパウンドアウトでバンタム級転での試運転もは滑り出し上々。しかもストライカーを相手に打撃でKOする姿は衝撃的でした。バンタム級王座奪取に向けて調整は順調と見て間違いなさそうです。

ボクシングテクニックはDEEPフライ級最上位の福田を相手に元谷はどう出るか。ある程度スタンドの打撃に向き合いつつ、テイクダウンの糸口を探るのが常套手段か。

レスリングをバックボーンに持つ山本アーセンも福田をテイクダウンするのには手を焼いていただけに、予定通りにはいかないでしょうが、ヒントになりそうなのは昨年12月に行われたNaiza FCでのディアス・エレンガイポフ戦。

エレンガイポフは福田の打撃に臆せずに応戦しつつ、要所要所で組み付くとテイクダウンに成功。立ち上がられてもしつこく捕獲して福田の動きを封じて判定勝ちを収めました。

同じようにはいかないでしょうが、悔しいかな福田の打撃を封じるお手本のような試合。立っても寝てもそつなく試合を運ぶ元谷なら再現しても不思議ではありません。

逆に福田が元谷を駆逐するような事があれば、いよいよ地殻変動。DEEPどころかRIZINの地図にも影響を及ぼすのは間違いないでしょう。日本のバンタム級戦線を占う意味でも重要な一戦。ゴールデンウィークも後楽園ホールだな。
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【DEEP119】ユ・スヨンが王座返上→元谷友貴×福田龍彌で、DEEPバンタム級王座決定戦

【写真】ユ・スヨンが見られないのは、残念。だが国内屈指の実力者対決組まれた(C)MMAPLANET

30日(土)、DEEPより5月3日(金・祝)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP119 Impactでバンタム級王座決定戦=元谷友貴×福田龍彌が組まれることが発表された。
Text by Manabu Takashima

福田は昨日29日(金)にフライ級暫定王者から、神龍誠の王座返上を経て正規王者になったばかりだ。


その神龍と同様にバンタム級王座もユ・スヨンが防衛戦のスケジュールの目途が立たないためにベルトが返上されることとなった。

今回の後楽園ホール大会、実のところ元谷がユ・スヨンに挑戦するという形を第一に話が進められていたが、福田が3月大会で雅駿介に勝利したことで対抗馬に浮上していた。

ユ・スヨンは昨年9月に石司晃一を下し、DEEPとBlackcombatのバンタム級王座を獲得。12月にはNAIZAバンタム級王座をダスタン・アマンゲルジに明け渡した。さらに今年1月にフェザー級シングルマッチでキム・ミンウと対戦し、延長4Rに急所蹴りを受けて試合続行不可能となり、NCという結果に終わっている。

半年間でこのハードなスケジュールをこなしてきたユ・スヨンの防衛戦を行われない場合、元谷と福田の間で暫定王座決定戦が組まれるのではないかという憶測もあった。が、ここにきての王座返上、その理由は推して知るべしといったところか。

元谷は大晦日のヴィンス・モラレス戦における敗北からの再起戦となるが、ATTでどれだけアップデートができているのか。また福田もこの試合に向けて、来週より3週間の予定でファイター福田龍彌生誕の地ともいえる──タイで出稽古を敢行することが決まっているという。

なお同大会では既にメガトン級の水野竜也×ANIMAL☆KOJI、ライト級で北岡悟×倉本大悟という3回戦、関原翔の復帰戦となるマサト・ナカムラ戦=フライ級、バンタム級の窪田泰斗×橋本ユウタ&日比野エビ中純也×木下尚祐戦と2回戦3試合が実施されることが発表されている。

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【DEEP118】バンタム級進出の福田龍彌─02─「雅選手は努力家。だから僕は試合を楽しむことができる」

【写真】プロフェッショナルファイターとして、MMAを戦う職人としての福田の言葉から気づかされることは多い(C)SHOJIRO KAMEIKE

9日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP118にて、雅駿介と対戦する福田龍彌がインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

福田は1月の平良達郎との練習で「殴り合いの強さ」を再確認したという。殴り合いの強さを生み出す理由の一つは、福田の練習への取り組み方にある。その最たるものがボクシンググローブとMMAグローブの違いだ。バンタム級の戦いでも、殴り合いの強さを発揮できるか。雅のムエタイMMAとの邂逅で、そうした技術ポイントにも注目してほしい。

<福田龍彌インタビューPart.01はコチラから>


――殴り合いといっても、福田選手の場合はパンチをブンブン振り回しているわけではないですよね。振り回す相手に対して、カウンターでインサイドから急所を突くことができる。

「そういう能力がある、とは自分でもそう思っています。みんながガムシャラに打ち合っちゃうときに、ちゃんと相手の動きを最後まで見ることができるというか」

――しかも、そんななかで正確に自分のナックルを当てきることができる。たとえば2月18日のパンクラス大阪大会では、メインとコメインは正確な左ジャブの積み重ねがフィニッシュに結びつきました。

「あぁ、なるほど。まさに基本どおりで」

――はい。UFCを見ると、その正確性は究極的に高まりますよね。試合写真も左ジャブがまっすぐ伸び、ナックルが相手の鼻突を捉えているものばかりで。国内のファイターの中で福田選手は、右ジャブも左ストレートもその正確性が飛び抜けていると思います。

「そうですね。やっぱりパンチについては――僕、ボクシンググローブを着けて練習することが、ほとんどないんですよ。ボクシンググローブでスパーするのは止めました。ボクサーやキックボクサーの人と、ボクシンググローブをつけてマススパーをやることはありますよ。でもガチで倒し合うスパーはやらないです。しっかり当てる練習をする時ほど、MMAグローブでやらな意味ないと思っているんで」

――ボクシンググローブを使わなくなったのは、いつ頃からでしょうか。

「3年前ぐらいじゃないですかね。そもそもパンチの練習って、そんなにスパーは必要ない。MMAファイターはスパーリングをしすぎやと思っています。ボクシンググローブの練習に時間を割きすぎても良くない。確かにそのバランスは難しいところではありますけど、ちゃんと考えて練習しているファイターもいるから。MMAグローブでフォームや当てる時のインパクトの練習をするほうが大事じゃないですか。本来、MMAってジムに持って行く練習用具が少ないはずなんですよ」

――というと?

「持って行くのはMMAグローブ、マウスピース、あとファウルカップぐらいじゃないですか」

――レガースは持って行かないのですか。

「僕はレガースを着けないです。レガースを着けていると、組まれた時の足の抜き方も違ってきますからね。スパーリングで相手に生のスネで蹴られても文句は言わないし、僕も生スネで蹴ります。パンチと同じように蹴りでも思いっきりやらないというか、練習に威力は必要ないと思うんですよ。どちらかといえばフォームやタイミング、距離感、角度のほうが大事で。スパーでそれらを掴むことができていたら問題ないです」

――柔道やレスリングなど組み技競技は乱取り稽古がある影響で、MMAでもいわゆるガチスパーが多くなっているのでしょうか。ジムの指導方針にもよりますが、ボクシングやキックボクシングの場合は練習の中でガチスパーの割合は高くないですよね。

「もちろんガチスパーも大切ではありますよ。でもその割合をMMAに適用するのはどうかな、って思います。ファイターのタイプにもよるけど。組技でも乱取りだけでなく打ち込みがあって、スパーリングばかりしているわけじゃない。でもMMAはスパーが多くなるという面はあって」

――福田選手がタイにいた頃のムエタイジムはどうでしたか。

「スパーはやりますよ。でもスパーの中で、騙し合いみたいなものをメインにしていました。ガツガツと倒し合うスパーは週2回ぐらいったかなぁ。もうだいぶ昔の話ですけど。タイの場合は特にトレーナーさんがミットを持ってくれる量がハンパないから。トレーナーさんがミットで受けながら、しっかりと打ち返してくれるじゃないですか。ミット打ちの中にスパーに近い要素がありますよね。僕とウエタユウ(MIBURO代表)さんのミットも、そんな感じで。自分のファイトスタイルが固まっている選手であれば、実戦に沿ってそのスタイルの質を上げるための練習をするべきやなって思います」

――国内でいえば、リオン武選手はMMAグローブでナックルの当て方が最も巧いファイターの一人だと思います。これは10年前に取材で訊いたことではありますが、リオン選手もボクシンググローブで練習したことはなかったそうです。そして、拳を骨折したこともないという。

「リオン選手は巧いですよねぇ。ボクシンググローブを使わないのも、よく分かります。何が一番違うかといえば、ボクシンググローブってしっかりと握りこまないんですよ。というか、握り込めない。特に親指が浮いた状態になって――その感覚やとMMAグローブでは、しっかり殴れないです。あと骨折も自分は一度ぐらいで、それ以外は怪我をしたことがなくて。

サンドバッグもMMAグローブでやったほうが良いですよ。ボクシンググローブでやると、どうしても腕の振りだけで強く当てようとしますから。すると『バーン!』という表面的な音だけで、みんな酔いしれてしまう。その打ち方では、頭やヒジとか堅い箇所に当たると拳が折れてしまうんです。正確にナックルを当てる感覚も、微妙な拳の握り具合の感覚も身に着かない。僕のことを理解して、大切にしてくれている人にはOFGの練習を推奨していますね。……今日、こういう話で良いんですか?」

――そうした練習の取り組み方こそが、プロフェッショナルファイターの証ではないでしょうか。以前のインタビューで福田選手が仰っていた、「料理している姿を見ていているだけでも面白い」という料理人さんの姿と同じで。

「なるほど。その所作が重要ですよね。ブンブン振り回してKOしているところを切り抜いただけでは、『オレも勢いだけで行けるんちゃう?』と勘違いされてしまう。僕は試合で『福田のテクニックって凄いなぁ』と思ってもらえるようなものを提供したいです。それがプロフェッショナルやし、プロとしてこだわる部分じゃないですかね」

――なるほど。貴重なお話をありがとうございます。そこで次の試合に関してですが、最初のオファーからバンタム級で雅選手と対戦というお話だったのですか。

「最初は1月のBlack Combatが終わるまで分からへん、って感じでした。もちろん雅選手との試合という案も最初からあったでしょうし、たぶんユ・スヨンの試合がどうなるかによって変わるのかなと思っていて」

――今回の試合で重要なポイントは、対戦相手が雅選手であることはもちろん、福田選手がバンタム級で戦うという点だと思います。

「現状、神龍君とのフライ級王座統一戦はないでしょうからね。GPが終わって、フライ級で戦いたい相手もおらへんし。それと最初の話にもあったように、やっぱりカザフスタンの試合からダメージが残っていて。ここでフライ級まで落とすために労力を使うのも違うのかなと思ったんですよ。

僕も30歳を過ぎて、フライ級まで落とした翌日にベストコンディションで試合できるかどうかは――正直言って自信はないです。カザフスタンの経験も生かしたうえで、多少は体格が小さくてもバンタム級で試合をしようと決めました。

もしかしたらバンタム級では組んでグシャグシャにされるかもしれないし、『やっぱりフィジカル差があるよね』と言われるかもしれない。でも僕にとってのMMAは、そういうものだけじゃないと思っているので」

――実際に試合をしてみないと分かりませんが、グシャグシャにされるかどうかは当日のコンディションに依るところも大きいのではないですか。先ほど福田選手ご自身が言われたとおり、フライ級まで落とした翌日のコンディションと、バンタム級で臨む当日のコンディションも違うでしょう。

「ぶっちゃけフライ級の時は、翌日までにコンディションを戻せる自信はなかったです。GP決勝戦はコンディションも最悪で……。体の中で何かが固まっている感覚があったんですよ。呼吸も浅くなっていたりとか。計量後にそれほど食べたり飲み物を摂取していたわけでもないのに。

そこまでの減量をしてまで、フライ級にこだわる気持ちはなかったです。僕はもう名声やタイトルは求めていないわけですよ。とにかく戦うことを生業として、戦いを楽しみたい。でもフライ級で続けると、戦いを楽しむことができないと思って」

――……。

「決してバンタム級をナメているわけじゃないです。バンタム級だと相手の体も大きくて、強い選手も多い。そっちのほうがヒリヒリした試合ができるんじゃないかと思っています。次の対戦相手の雅選手なんて、特に最近は良い勝ち方をしているじゃないですか」

――雅選手もムエタイを生かした自分のMMAスタイルが固まってきて、一気に勝ち星が増えてきたと思います。

「そうそう。ナックモエとかじゃなくて、完全なMMAファイターになっている。レスリングもしっかりしているじゃないですか。最近は首相撲よりレスリング技術のほうが印象に残っていますね。MMAを始めて、本当に一つひとつ積み上げてきたんやなって思います。雅選手は、そういう努力家の面が試合で見えるファイターで。だから僕としては純粋に試合を楽しむことができると思いますよ。雅戦は良いセッションにしたいです」

■視聴方法(予定)
3月9日(土)
午後5時45分~YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、U-NEXT、サムライTV

■ 対戦カード

<DEEPメガトン級王座統一戦/5分3R>
[正規王者]ロッキー・マルチネス(グアム)
[暫定王者]酒井リョウ(日本)

<DEEPフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]神田コウヤ(日本)
[挑戦者]青井人(日本)

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者]イ・ソンハ(韓国)
[挑戦者]江藤公洋(日本)

<バンタム級/5分3R>
福田龍彌(日本)
雅駿介(日本)

<フェザー級/5分2R>
五明宏人(日本)
木下カラテ(日本)

<ライト級/5分2R>
川名 TENCHO 雄生(日本)
倉本大悟(日本)

<バンタム級/5分2R>
平松翔(日本)
魚井フルスイング(日本)

<バンタム級/5分2R>
力也(日本)
小崎連(日本)

<アマチュア・フェザー級/3分2R>
信原空(日本)
菅涼星(日本)

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【DEEP118】雅駿介と対戦、福田龍彌─01─「達郎との練習で自分の武器を再確認できたなって」

【写真】色気、そして味がある両者の融合 (C)RYUYA FUKUDA

9日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP118にて、同フライ級暫定王者の福田龍彌で雅駿介と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

2021年7月4日、修斗フライ級のベルトを賭けて戦った両者

昨年12月のジアス・エレンガイポフ戦の前から階級変更を示唆していた福田にとって、本格的なバンタム級戦は今回が初となる。

この雅戦が正式発表された2024年1月、福田は沖縄で、かつて敗れた平良達郎との練習に臨んでいた。さらに同じタイミングで、平良と鶴屋怜をマネージメントするイリディウアム社との契約も発表――そんな気になる情報を福田に訊いた。


――次の試合や、沖縄で平良達郎選手と練習したというお話の前に、まずイリディアムと契約したことが驚きでした。

「そうなんですよ。なんか……契約する流れになりました」

――沖縄で平良選手と練習したことは、イリディアムとの関係もあったのでしょうか。

「いえ、それは関係ないです。去年の12月にNAIZA FCで試合をした時にお世話になった方が、松根良太さんに話をしてくださって――僕自身は、そういう話をしていることは知らなかったんですけど(苦笑)。するとイリディアムからも契約OKが出て。だから契約の内容は喋られへんというか、僕も流れをイマイチ分かっていないんですよ。アハハハ」

――なるほど(笑)。ただ、イリディアムと契約したということは、やはり今後は海外の試合を目指すということですか。

「そういうわけでもないですね。海外の試合は、あくまで選択肢の一つで。自分としては『残りの競技生活を悔いなくやり切りたい』って、ずっと考えています。ただ、引退して40歳や50歳になったとき『あの時、海外で試合をしていればなぁ……』と思うことがあるかもしれない。その逆も然りですけど」

――日本でこの選手と対戦しておけば良かったなぁ、と。

「そうです。国内でも海外に関しても、『やりきったな』と思える競技生活にしたいと思っていて」

――そう考えると、敗れはしましたがNAIZA FC出場から繋がった契約ではあるのですね。

「どうなんやろう……。自分の中では『NAIZAの試合は負けて自分自身の価値を落としただけ』と思っていますけどね。仕方ないです。それが僕の今の実力なので」

――もちろんファイターとして、試合の結果と内容に満足はいかないでしょう。一方、海外で試合をしてみないと分からないこともあるわけで。

「あぁ、そうかもしれないですね。カザフスタンで試合するぐらいやから、フットワークが軽い選手やとは思ってもらえたかもしれない(笑)」

――アハハハ。NAIZA FCのお話でいえば、当初はターゲットとしていたユ・スヨンが、グスタン・アマンゲルティに敗れてNAIZA FCバンタム級王座から陥落しました。

「あの試合を視たら、ホンマにNAIZAって魔界やなって感じでしょう。ユ・スヨンってメチャクチャ強いと思いますよ。でも1Rで、いきなり吹っ飛ばされていて」

――福田選手はNAIZA FCで戦ったあと、ダメージは残っていなかったのですか。

「ダメージはありました。試合後も帰国してから、いろんなことがあって……。まず風邪をひいていたじゃないですか(苦笑)。あとはどこか体が痛いとか、ちょっと酔った感じがあるとか、そういう不調の時期は長かったですね」

――ジアス・エレンガイポフのカクテル疑惑はあるとしても、やはりフライ級では減量の影響もあったのではないでしょうか。水抜きを含めた過酷な減量の翌日に試合をすれば、余計にダメージが溜まるのではないかと思います。

「キツイですよ。試合後は飛行機に乗って長時間移動やし、帰国してから風邪を引くし。そんなんが重なって、しばらくダメージというか不調の状態は続きましたね」

――その状態から体を動かすことができるようになったのは、沖縄へ行く直前ですか。

「そうかもしれないですね。一応、体は動かしてはいたけど、ガッツリとした練習はできていなかったので」

――では、その状態で沖縄での練習と試合のオファーが届いた時、「今の状態でやれるかな……」という不安はなかったのでしょうか。

「不安はありましたよ。でも、しょうがないんで。試合は3月やけど、達郎との練習は超ハードでした(笑)。あれは達郎のチーム内で、『練習相手として誰か沖縄に来てもらうなら、誰を呼びたいか』という話になり、僕にお呼びが掛かったんです。僕としても『ぜひ!』という感じで、9日間つきっきりで達郎と練習させてもらいました」

――最初に平良選手と練習していると聞き、次の相手が福田選手に近いタイプなのかと思いました。ただ、海外に福田選手と同じタイプの選手がいるのかどうか。

「アハハハ、俺の試合って独特ですからね。なかなかMMAファイターにはいないタイプじゃないですか」

――ムエタイをベースとしたMMAファイターは多いです。しかし福田選手の場合はムエタイがベースにあっても、いわゆるムエタイMMAではなくて。

「どっちかといえば殴り屋やと思います。相手の嫌なことをしながら、しっかりと効かせる。隙があれば仕留める――ということに特化してMMAをやってきましたから。MMAやとコントロールに重点を置く選手もいるじゃないですか。なるべく試合時間をフルに使って自分が有利に試合を進める=コントロールする、と」

――ユニファイドルールでは、支配率が採点に影響を及ぼしますからね。

「そうそう。でも自分のMMAは、そこに重きを置いていない。そんな自分を練習相手として沖縄に呼んだことが、達郎にとって良かったのかどうかは分からなくて。ただ、達郎も関東が苦手なんじゃないかと」

――……えっ!?

「よくパラエストラ千葉ネットワークでも練習しているじゃないですか。でも――関東が苦手というか、やっぱり沖縄が好きなんやろうと思います。地元が好きで、家族も近くにいる。僕自身も今は京都市内から離れたところで生活をしていて、都会に行くと疲れる時もあったりするんですよ。那覇も都会やけど、やっぱり東京とは違う。それこそ東京に関しては、僕は高校生ぐらいの時に初めて行って『ここで生活するのは無理や』って思いました(苦笑)。

あの街で暮らすことが標準になっている人は、本当に凄いと思います。これは悪い意味ではなく。それって性格の問題みたいなものやから。沖縄では、そんな達郎の人間性にも触れることができて良かったですよ。朝からずっと一緒に練習して、オフの日には二人きりでデートもしましたから」

――デートですか!

「達郎と二人で沖縄そばを食べて、観光地を巡りました(笑)」

――では平良選手との練習の感想を教えてください。

「やっぱり達郎は強いですよ。組みも進化しているし、いろんなことを考えて練習していて。これからも負けてほしくないって思える選手です。まだまだ絶賛成長しているやろうから、どんどん上に行ってほしい」

――対して、ご自身についてはいかがですか。

「もちろん僕も成長しているし、達郎との練習で自分の武器を再確認できたなって思います。やっぱり殴り合いは強いんやな、って」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
3月9日(土)
午後5時45分~YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、U-NEXT、サムライTV

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