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【LFA197】初回の腕十字で左ヒジが破壊されたギマリャエス、5Rを戦い抜くもクジウチナが王座防衛成功

<LFA暫定女子ストロー級選手権試合/5分5R>
ナターシャ・クジウチナ(ロシア)
Def.3-0:49-43.48-45.47-45
ヤズミン・ギマリャエス(ブラジル)

ケージの中央を取ったギマリャエス。慎重な立ち上がりのなかで、ギマリャエスが右を伸ばす。ここで組んだクジウチナだが、ケージに押し込まれたギマリャエスが体を入れ替える。ギマリャエスがボディロックテイクダウンへ。クジウチナはケージを掴んで耐える。ここでレフェリーは1Pのペナルティを与えるが、そのまま試合を続行させて払い腰から腰車を決める。

ここはアンフェアなレフェリングではあったが、ギマリャエスはバックに回りつつ立ち上がることに成功する。ヘッドロックから胸を合わせたクジウチナは、前蹴りから離れると明らかに疲れを見せている。それでも組んだクジウチナが腰車で投げを決め、腕十字へ。体を跨いで逃げようとするギマリャエスだが、左腕は伸びている。

頭を刈って耐えるが、完全にヒジはが逆側に曲がっているギマリャエス。体が並行となり、ついに腕を抜くことに成功。クジウチナはもう一度、腕十字を狙ったところで時間に。

左ヒジは脱臼しているように見えたギマリャエス……レフェリーは手をクロスしたように見えたが、なんと試合は2Rに突入する。蹴りをキャッチして殴りにいったチャンピオンに対し、挑戦者は右カーフを蹴る。ギマリャエスは右ストレート、そして右ローを蹴る。やはり左は使えないギマリャエスがローを続ける。さらに右を当てると、ファンが大きな声援を送る。

焦る必要がないクジウチナも、全力で極めを狙っていたために息を整えているか。互いに右を打ち、ギマリャエスが右ロー。クジウチナが飛びこんでワンツーを打つ。我慢比べの様相をていしてきたなかで、クジウチナがシングルレッグへ。ここでギマリャエスもケージを掴み1Pを失う。どう見ても左ヒジが抜けているギマリャエスは組みに対応できない。下になって何発がパンチを受けて2Rが終了すると――セコンドのマーシオ・クロマドが左ヒジをアイシング……そして、試合は次のラウンドへ。

3R、ギマリャエスのローにワンツーを合わせようとするクジウチナ。ジャブがなく右をフルスイングするギマリャエスの頭を抱えたチャンピオンが、投げを狙う。バックに回るが、頭が抜けないギマリャエス。ここでクジウチナが離れて、打撃の間合いへ。

あえて左腕を狙うことはない――もしくは、できないクジウチナが右に右を合わせ、前蹴りに組んでいく。クジウチナは左腕を差し、胸をつける。残り55秒でレフェリーがブレイクを命じる。組みなおしたクジウチナがアッパー、ここも離れる。右フック、ローのギマリャエスをクジウチナがボディロックに捕らえたところで時間となった。

4R、ギマリャエスは左インロー。クジウチナは組んで頭を固めて投げ袈裟固めへ。ここでギマリャエスがロールしてバックを取り、試合はスタンドに戻る。クラッチを組むギマリャエスがヒザ蹴り。クジウチナは左腕を狙うことなく、腰車をしかけてすっぽ抜ける。バックキープのギマリャエスに対し、クジウチナは右腕にキムラを仕掛ける。動きが止まり、レフェリーがブレイクを命じた。

すくに組みなおしたクジウチナに対し、ボディロックのギマリャエス。やはり、クジウチナは意識的に左腕を攻撃していないか。正対して左腕を差し、左足を払おうとする。ワンツーを打って離れたチャンピオンをギマリャエスが追ったところでラウンド終了に。

右腕一本で2Rから4Rを戦い抜いたギマリャエスは、最後の5分間に。組みから離れ際にギマリャエスが右エルボーを放つも空を切る。右を見せ、スピニングバックフィストのクジウチナの攻撃も当たらない。と右を2発入れたギマリャエスだが、クジウチナも右を当て返す。ギマリャエスは右ミドル、クジウチナの前進に右カウンターを当てる。前に出るギマリャエスに対し、組まずに回るクジウチナがジャブを伸ばす。

クジウチナは左ハイも、キャッチしたクジウチナが投げを打つように倒して上を取る。右腕で頭を捕らえ、クラッチしてネッククランクのギマリャエスがギロチンに移行する。頭を抜いたクジウチナが立ち上がり、タイムアップとなった。

初回は減点があってなお9-9か9-8でクジウチナ。2Rはギマリャエスに減点があり10-8でクジウチナ。3Rも王者。4Rと5Rはギマリャエスの可能性もあるが、それでもチャンピオンの勝利が間違いないか。

結果、3-0で王座防衛に成功したクジウチナは左ヒジの脱臼していたことには気づいていたかという問いには答えず、「フィニッシュを狙ったけど、タフだった」とだけ話し、UFCを目指すと宣言した。


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【LFA197】リオ五輪銅メダリストで、ブラジル人を連破=ストロー級王者クジウチナにギマリャエスが挑む

【写真】喧嘩馴れをしているのは挑戦者か。3Xオリンピアン柔道家の軸の頑強さは相当なはず (C)LFA

22日(金・現地時間)、ブラジルはサンパウロ州カジャマルのジナージオ・ド・ポヴィーリョでLFA197「Kuziutina vs Guimaraes」が開催される。メインは大会タイトル名にある通り、王者ナターシャ・クジウチナ×挑戦者ヤズミン・ギマリャエス= LFA暫定女子ストロー級選手権試合が組まれている。
Text by Manabu Takashima

チャンピオンのクジウチナにとって、ブラジルは思い出の地だ。ロシア代表として2016年のリオデジャネイロ五輪に出場した彼女は、女子柔道52キロ級で銅メダルと獲得している。

2019年に東京で開かれた世界選手権では、決勝で阿部詩に敗れ銀メダルに終わったものの3度も五輪を経験している世界トップクラスの柔道家だった。


キャリア6戦目でジジ・カヌートを下して同王座を獲得したクジウチナは、今年の8月に元Bellatorファイターのブルーナ・エレンを相手に初防衛に成功している――ブラジリアン・キラーだ。

そのブラジルの敵を倒すべき、チャレンジするギマリャエスは8勝1敗の成績を残している。マーシオ・クロマド率いるRFT内の女子軍団=MSPに所属し、ルタリーブリはそのクロマドから。柔術はブルーノ・クリゴリ、打撃はハファエル・ヴィニシウスの指導を受けている。

ギマリャエスはスティール・レディ・ムエタイ王座など国内打撃シーンで4つのベルトを獲得し、WBCムエタイ世界女子スーパーバンタム級王座に挑戦経験もある。その一方でCBJJE柔術やFJJRIOノーギ選手権などグラップリング競技でも結果を残している。

MMAではアマを経てプロ戦うようになると、6戦目と7戦目ではポーランドのKSWで連勝を飾っている。既に海外の著名プロモーションを経験したギマリャエスは、今年の3月にLFA初陣を判定勝ちして今回のベルト挑戦となった。

クリンチや首相撲でヒジ&ヒザ、トップをとると強烈なエルボーを叩きこむギマリャエスはパワフルな打撃の持ち主だが、その強烈さはスタンドよりも、グラウンドでのパウンドにある。つまりは組んで上を取ることが勝利への近道だが、オリンピアン柔道家からトップを奪うことはできるのか。と同時に組むまでの打撃は、まだまだ完成度は低く防御に穴もあるクジウチナであれば、中間距離からやや外のレンジでパワーに頼らない打撃を続け、ワンパンでなく削って倒すことも可能だろう。

対して王者は被弾覚悟で組めるのか。その覚悟を持った上での被弾のダメージがどれほどになるのか。特に勝負が長引くと、組みへのアプローチにおいてバリエーションが少ないクジウチナと、決してテクニカルな打撃でないギマリャエスのタイトル戦は、相当な削り合い――体力と集中力の勝負となりそうだ。

なおコメインのフェザー級、10勝3敗のフィリッピ・オリヴェイラと15勝2敗のマーシオ・バルボーザの一戦も注目――だったが、前者が3.6ポンドの大幅オーバーでキャッチ戦として実施される。

またコメイン前の一戦――LFAで3連勝中のヴィニシウス・ピレスが、コロンビアのエンパイアMMAのバンタム級チャンピオン=ジョン・タチャを迎え撃つ国際戦も気になる。際がない完全融合体MMAでバック奪取はお手のモノのピレスに対し、ややリズムの悪いキックの構えからテイクダウン&パウンドを武器にするタチャがどこまで通じるのか。

タチャのLFA入り前の試合はメキシコだったが、ラテンアメリカ圏の急成長が王国のLFAのラインアップにいかに影響を与えるのか。そんな視点も持てるピレス×タチャ戦だ。

■視聴方法(予定)
11月23日(土・日本時間)
午前10時00分~UFC FIGHT PASS

■ メイン対戦カード

<LFA暫定女子ストロー級選手権試合/5分5R>
[王者] ナターシャ・クジウチナ(ロシア)
[挑戦者]ヤズミン・ギマリャエス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
フィリッピ・オリヴェイラ(ブラジル)
マーシオ・バルボーザ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
ヴィニシウス・ピレス(ブラジル)
ジョン・ロドリゲス・タチャ(コロンビア)

<ヘビー級/5分3R>
エジヴァン・サントス(ブラジル)
ジョゼ・アウグスト(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ルアン・サルジーニャ(ブラジル)
マルセーロ・マルケス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
マイコル・オリヴェイラ(ブラジル)
アルド・ペレイラ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
フアン・パブロ・ヴィエイラ(ブラジル)
マイコン・ケヴィン(ブラジル)

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【LFA183】UFCファイト週末のLFA。綺麗なレコードの持ち主達の中でマルロン・ブラジリオに要注目

【写真】マルロン・ブラジリオ=9勝1敗、ブラジルの10戦前後の記録の選手──北米や日本より上という見方もできる(C)LFA

3日(金・現地時間)、ブラジルはリオデジャネイロのコンプレクソ・ヒバウタでLFA183「Cantanhede vs Guimaraes」が開催される。

同じリオのバッハ地区で翌4日(土・同)に行われるUFC301の会場=ファルマージ・アリーナとはジャカレバグァー湖の対岸に位置するLFAの会場=プレクソ・ヒバウタ。湖を迂回すると10キロ程度離れているが、直線ではその間僅か2キロの距離でしかない。

また2日(木・同)にはShooto Brazilの大会がフラメンゴ地区のアッパーアリーナで行われており、リオでダナ・ホワイト・ルッキング・フォー・ア・ファイトが2大会も実施されたといっても過言でない。

これは日本に例えると、さいたまスーパーアリーナでUFC PPV大会が実施される前日や2日前にDEEP、修斗、パンクラスが浦和駒場体育館やサイデン科学アリーナさいたま等でイベントを開くようなものだ。


UFCを頂点としたMMAヒエラルキーが根付いているブラジルならでは──のLFA in UFCファイトウィーク大会はレコードが綺麗なファイターを集まっている。メインの女子ストロー級戦で戦うナイジ・カンタンエジは7勝0敗で、対戦相手のヤズミン・ギマリャエスが7勝1敗。コメインのミドル級では9勝3敗のルカス・フェルナンデスと8勝2敗のジョアオ・パウロ・シウバが相対する。

その前に組まれたバンタム級のマルロン・ブラジリオとヴィニシウス・ピレスは9勝1敗と8勝1敗の対決となる。上位3試合で戦うファイターの合計戦績は48勝8敗。メインカード全体では83勝17敗だ。

コンテンダーシリーズを狙うなら、ライト級でクリスチアーノ・フランサと戦うガブリエル・コスタが8勝1敗、グスタヴォ・エンヒッキと戦うマルセロ・マルケスは9勝0敗というレコードの持ち主だ。加えてメインカード第1試合のヘビー級でマテウス・フォンセカと戦うタリソン・テイシェイラもデビューから5連勝中という期待の重量級ファイターだ。

そんなレコードが綺麗なファイターたちのなかで、特に注目したいのはブラジリオだ。LFAでは現UFCファイターのジアン・マツモトに敗れているが、9勝のうち8つの試合がKO勝ち。ブラジリオは一発よりも素早いコンビネーションで、KO勝ちを積みかさねている。

彼も含めコンテンダーシリーズ経由でUFCを目指す層が多いのが実際のところだが、今大会はUFC301の前夜ということもあり、UFC首脳の目に留まって即・世界の最高峰行きという選手が現れるかもしれない。そういう意味でも見逃せないUFCファイトウィークのリオ同時開催=LFAだ。

なおフライ級でマルコス・デリと戦う予定だったレノ・ホドリゴが5.8ポンド・オーバー。フェザー級でイカロ・ブリトと対戦予定だったカイオォン・バチスタが6ポンドと、大幅な計量失敗でメインカードは2試合が減り、6試合が行われることとなった。

■視聴方法(予定)
5月4日(土・日本時間)
午前9時~UFC Fight Pass

■ LFA183メイン対戦カード

<女子ストロー級/5分3R>
ナイジ・カンタンエジ(ブラジル)
ヤズミン・ギマリャエス(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
ルカス・フェルナンデス(ブラジル)
ジョアオ・パウロ・シウバ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
マルロン・ブラジリオ(ブラジル)
ヴィニシウス・ピレス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ガブリエル・コスタ(ブラジル)
クリスチアーノ・フランサ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
グスタヴォ・エンヒッキ(ブラジル)
マルセロ・マルケス(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
マテウス・フォンセカ(ブラジル)
タリソン・テイシェイラ(ブラジル)

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