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【UFC】中村倫也のMMAファイター科学─02─「タルボット戦うには、本気の嘘をつくしかない」

【写真】1時間の及ぶインタビューの終了をスタバのテラス席で待っていてくれた盟友=中村京一郎と。好きなことをやっている男は、子供みたいだ。この後、2人でシングルレッグをかけてじゃれあっていた (C)MMAPLANET

右の拳も癒えつつあり、オクタゴン3戦目を睨み河名マストのRoad to UFC準決勝のセコンドを務めた後、ATTで2カ月の出稽古に挑む中村倫也インタビュー第2弾。
Text by Manabu Takashima

自然治癒という選択の裏に体の構造を理解した中村のMMAとの向き合い方が理解できたうえで、今回はUFCで求められているアグレッシブ・フィニッシュMMAに関して尋ねた。この一点においても、心と体の繋がりという着眼点を持つ中村倫也の独特のMMAの捉え方が伝わってきた。

<中村倫也インタビューPart.01はコチラから>


──UFCでもRIZINでもファイターが『出たい』というのは自由ですが、そこで戦うには結果は当然として、何を求められているのか理解したファイトをしないといけない。

「ハイ。勝てば良いというのは、UFCではRoad to UFCだけだと思います。コンテンダーシリーズでは、それはできないです」

──コンテンダーシリーズに出るためのLFAやCombate Global、あるいはEternal MMAなどフィーダーショーでも同じことが求められてきます。結果としてコンテンダーシリーズから契約した選手は、安定性が欠けるのかという風にも見えます。

「勝って、負けてという風になるかもしれないですが、それでもそういうファイトを求められていて、そういう戦い方でも勝ち続ける選手がやはりいます。ショーン・オマリーなんかが、その最たるものですよね」

──その部分でいえばUFCバンタム級でもペイトン・タルボットがUFC303で19秒KO、UFC ESPN59ではモンテル・ジャクソンが18秒KO勝ちとDWCS出身ファイターが印象的な勝利を挙げています。タルボットにインタビューをしたのですが、勝ち負けが二の次でなく、そういう試合をして勝つというメンタルになっていると感じました。彼らのマインドと、倫也選手のマインドを比較すると、違いはあるのでしょうか。

「いや……それ、良いところをついてきますよね(笑)。そうなんですよ、そこは……。いやぁ……。今も言ったようにショーン・オマリーは、そういうスタイルで勝ち続けている。上の方はそういうヤツらばかりなんですよね。

本当に我儘なヤツしか、いないです。自由で我儘で、相手のことを考えないように生きている……からこそ、あの場にいて先に当てることができる。そういうことはあると思います。協調性なんて、ない。

同時にオクタゴンに入ってホーンが鳴った時に、本当に本当の準備ができているヤツなんて、なかなかいないんです。僕がデビュー戦で戦ったファーニー・ガルシアも、そこまでできていなかった。2戦目のカルロス・ヴェラも最初は、ちょっと準備ができていなかった。

試合開始が告げられた時、喧嘩のようにいつでもいけるという熱量があって、でも落ち着いている。そういう状態を対戦相手と共存している感じで、始めたい。でも、それってめっちゃ難しくて。こういうことは、UFCで戦うようになって分かりました。

第一その前段階でオクタゴンの出口に鍵がかかる。リングだと試合中のロープから頭が出たり、キャンバスから体を出すことができます。でもケージはドアを閉められると、逃げ道が無くなるんですよね」

──撮影をしていても、あのカチン、カチンと錠が掛かる時に『もう、この子たちは逃げるところなない』と感じます。

「それって、セコンドでも感じることなんです」

──それでもホーンが鳴った時でも、完全な準備はできていないということなのですね。

「あの音が本当に心の底から心地良い音に感じるのか。ワクワクする音になっているのか。名前が挙がった2人。特にペイトン・タルボットは『みんなに喜んでもらえる時間がやってきた』という風に心の底から思っている。そういうヤツ。100パーセント、ハリウッドスター並みになりきっている感じがあります」

──倫也選手は、そこまでの心境はなかった?

「そこを目指してはいますが、上手くカチーンとハマったかというとそうではないです」

──UFCで生き残るには、何をしないといけないか分かっていても、その心境になれるわけではないと。

「それができるかどうか。その差はデカいです。上の方にいるヤツら、下の方で今から上がって行くヤツら、ああいう風に天性でそういうモノを身に着けているヤツがいる。それがUFCですね。

そうでないと、いくら備わっているからといって、相手云々でもなくUFCでそれができるのかっていうことですよ。本当に難しい。落ち着いていると、利用できる体重の比重も多い。地に足が着いている。『相手、浮いてんな』って分かると、自分の方が根っこが張っているんだから『やってみよっ』と多分思える。逆に自分が浮いていると、『いや、ちょっと待って』という気持ちになる」

──自分が浮いていると自覚して、迷いが生じる選手が多くいるとも思えないのですが。スタンスと、腰の位置でなく。重心……心の位置を把握できるものですか。

「ハイ、ハイ。ハイ。そうですね。僕は足の裏の動きとかを見つめ直して、そういう心技体が繋がっていることが意識できるようになりました。体を見直すことで、心を落とし方が分かる。繋がっていることが分かったんです。ペイトン・タルボットが、そういう風に考えているとは思わないです。ただ、自然体でデキているのかと。

そういう意味ではモンテル・ジャクソンの方が、最初は固かったですね。そこを身体能力の高さでカバーできていました。ペイトン・タルボットは、そういうこともなかったです」

──いやぁ、興味深いです。

「モンテル・ジャクソンだと、あそこを外して合わせることができれば倒せる。ペイトン・タルボットはそこすら、いなしてくるイメージです。モンテル・ジャクソンは、自分より質量が高い相手に対して、攻撃を仕掛けてガツンとやれることはあるかと思います。彼には力みがあるので。それが表情、顔に出ています。歯の食いしばりがあったのがモンテル・ジャクソンで、ペイトン・タルボットは力みが無かったです」

──もの凄く高い殺傷能力があっても冷静、そしてその場が楽しめているのがペイトン・タルボットということですか。

「ハイ。体がスムーズに動きます。固まっている場所がない。感覚なんですけど、そうするとエネルギーが途切れない。力むと、そこで遮断されますからね。結局、水の中を走っている電気信号だから。どこかで止めちゃうと、走れなくなってしまいます。

だからペイトン・タルボットを倒すには、本気の嘘をつくしかないよなって」

──あぁ、浮気じゃないよ。毎回、本気だよっていうヤツですね。

「……。それと同じかどうかは分からないですけどね(苦笑)。本気の嘘に付き合ってもらうか。もしくは組んで漬けて、それまでの自分の考えを捨てよっかなという気持ちにさせるのか(笑)。そうしないと、ダメですね。タルボットを相手にした時は」

──騙し合いとか、そういうことでなく自己肯定すら利用するか、それを諦めさせるのか。いやぁ、それは凄まじいですよ。

「MMAだから、ここまで人間の生の感情が出ると僕は思っています。レースのことは分からないですけど、F1レーサーとか300キロ以上でドライブして、ずっと張り詰めたままだと思うんです。でも、全てが見えてないといけない。命が掛かっているからこそ、どれだけのハイスピードで走らせていても、ドライブは丁寧で。そういう究極の状態で、僕は戦いたい。そして、自分のアートを相手に押し付ける」

<この項、続く>

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45 AB DWCS DWCS S08 F1 LFA MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase345 Road to UFC UAEW UFC YouTube   アリ・カラダギィ アンソニー・ドリリッチ アン・トゥアン・ホー アーセグ カイ・カラフランス クァン・リー コ・ソクヒョン ショーン・オマリー ショーン・ガウシー ショーン・シェルビー ジャマール・ヒル スティーブ・アーセグ ダナ・ホワイト チャンネル パンクラス ペイトン・タルボット モンテル・ジャクソン 中務修良 内藤由良 木下憂朔 猿飛流

【DWCS S08】Must Watch!! パンクラスがミドル級KOP内藤由良のコンテンダーシリーズ出場を公表

【写真】人生を賭けた一発勝負、痺れる展開になってきた(C)MMAPLANET

18日(水)、パンクラスが公式YouTubeチャンネルで「内藤由良選手がUFCに挑戦! 内藤選手は、ダナ・ホワイト・コンテンダーシリーズ2024に出場することが決まりました。詳細は追って発表されますが、一足先にパンクラスでの軌跡をご覧ください!」と公表した。
Text by Manabu Takashima

6月30日(日)のPancrase345のメインで、2年3カ月振りの実戦を戦ったミドル級KOP内藤。キルクリフFC所属のディラン・オサリバンの代役アリ・カラダギィを相手に、1R1分52秒でマウントからのエルボーでTKO勝ちを収め、改めてUFCを目指すことを宣言していた。


LFA、UAEW、TUF出演など実現しそうで流れたUFCへの道が、結果的に内藤にとって最上の形で歩を進めることになった。Dana White’s Contender Series=DWCSは、その名の通りダナ・ホワイト、ショーン・シェルビー、ミック・メイナードというUFC首脳の前の行われる御前試合で、1年に10大会が火曜日の夜にUFC APEXで実施される。

1大会=5試合というフォーマットで、UFCとの契約が審査される真剣勝負の場だ。2017年からスタートしたコンテンダーシリーズからは既にショーン・オマリーとジャマール・ヒルがUFCの頂点に立っている。そんなUFCに直結する今年の登竜門は8月13日にスタートし、10月15日まで10週に渡って鎬が削られる。

既にEp01とEp02&Ep04は5試合が決定しており、第3週と第5週は3試合が埋まっている状況だ。あとは第9週と第6週で1試合が決まっているがEp07 、08&10は5試合全て10人のスポットが空いたままなので、これらの週に内藤の雄姿が見られることになるだろう。

アジア勢にとってUFCとの契約を賭けた戦いはRoad to UFCが並行して開催しされているが、従来はフライ級からライト級、今年はフェザー級までの3階級しか実施されず、事実上ミドル級の内藤には、アジア勢で競い合ってUFCへ進むというルートは存在していなかった。

事実今年のシーズン8では既にEp01のウェルター級戦で中国のJCKウェルター級王者ティン・ワン、Ep4では韓国Angel’s FCウェルター級王者のコ・ソクヒョンと、中量級のアジアン・ファイターの出場が決まっている。

(C)LFA

広義でアジア系でいえばLFAで戦うベトナム人ファイター(アリゾナ州在住)のアン・トゥアン・ホーが第1週のフライ級に、同じくLFAからチャンスを掴んだクァン・リーも米国に住むベトナム人選手だ。

また、ここでこのカードを組むのか──と豪州のMMAファンが歯ぎしりをしつつ、注目せざるを得ないのがEp09で決まったショーン・ガウシーとアンソニー・ドリリッチのダウンアンダー対決だ。

ガウシーはHEX FSフライ級王者で、今年の5月に中務修良を右クロスで一蹴している。対してEternal MMAフライ級王者ドリリッチは3月に猿飛流を2Rに、6月には1Rでマックス・リアリをKOしている。しかも今、豪州MMA界ではHEX FSとEternal MMAがドメスティック大会#01の称号を得るために、チャンピオンの引き抜き合戦を繰り広げるなど、骨肉の争いを展開している。

とはいえ破壊力十分の右を持つガウシー、必ず当たる左の持ち主ドリリッチが、わざわざコンテンダーシリーズで戦う必要があるのか。なんせガウシーは戦績9勝1敗で5KO勝ち、ドリリッチは8勝1敗で4つのKOと2つの一本勝ちを誇っており、揃ってUFCが求めるフィニッシャーだ。

恐らく両者は8月18日にパースで行われるUFC305出場に標準を合わせていたはず。加えていえば、2人ともカイ・カラフランスとスティーブ・アーセグの両者のうち、どちらかが欠場となればショートノーティスで母国でオクタゴンに足を踏み入れる気持ちでいることも間違いない。

UFC側として、両者ともその力があるからこそ、8月でなく10月にガウシー×ドリリッチの試合を組んだとしか考えられない。

日本からは2年前の木下憂朔に続き、内藤が挑戦することで注目度も上がるに違いないDWCS S08だが、内藤以外の出場ファイターも状況としては、ガウシー×ドリリッチ戦ほどお膳立て揃っていなくても、世界中から人生を賭けて集まって来る。それらの戦いが熱い激闘にならないはずがない。

それらの戦いから明日のショーン・オマリー、ペイトン・タルボット、モンテル・ジャクソンが生まれる可能性が高い。日本のMMAファンにとって、2時間のコンパクトな大会ということも含めて、DWCSはマストウォッチと断言できる。

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MMA o UFC   ジアン・シウバ チャールズ・ジョンソン モンテル・ジャクソン

『UFC on ESPN 59: Namajunas vs. Cortez』パフォーマンスボーナス




 UFCが『UFC on ESPN 59: Namajunas vs. Cortez』のパフォーマンスボーナスを発表。

▼ファイト・オブ・ザ・ナイト
・ジアン・シウバ vs. ドリュー・ドーバー

▼パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト
・チャールズ・ジョンソン、モンテル・ジャクソン


 4選手には各5万ドルのボーナス。続きを読む・・・
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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN59 デモン・ブラックシアー ブラック モンテル・ジャクソン

【UFC ESPN59】18秒でブラックシアーをKO!!!!!!。モンテル・ジャクソン、UFC8勝2敗&5連勝

<バンタム級/5分3R>
モンテル・ジャクソン(米国)
Def.1R0分18秒by KO
デモン・ブラックシアー(米国)

サウスポーのジャクソンが、左前蹴りを蹴る。と、ブラックシアーのステップインにジャブを伸ばして左ストレートを打ち抜く。この一発でブラックシアーが腰から崩れ落ち、馬乗りからパウンドを2発入れたところでレフェリーが急ぎ試合を止めた。

「デモン、ショートノーティスで試合を受けてくれてありがとう。この階級で僕はなかなかチャンスが回ってこないから感謝している。コールアウト? ないよ。契約を更新しよう。誰とだって戦う。その前に契約更新だよ。そうすれば、誰が相手でも僕は戦う」と、オクタゴン通算8勝2敗&5連勝とした勝者は淡々と語った。


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AB o UFC UFC302 UFC303 アブドゥル・ラザク アレックス・ペレス ガブリエル・ボンフィム クリスチャン・ロドリゲス ジョシュア・ヴァン ジョシュ・フレムド ダリウス・フラワーズ チャールズ・ジョンソン ティム・エリオット ブラック マイク・デイヴィス メイシー・バーバー モンテル・ジャクソン ルアナ・サントス 平良達郎

UFC on ESPN59:オッズ/予想と展望

ローズ・ナマユナス 1.46
トレイシー・コルテス 2.80
サンチアゴ・ポンジニッビオ 1.52
ムスリム・サリコフ 2.60
ドリュー・ドーバー 1.91
ジェアン・シウバ 1.91
ガブリエル・ボンフィム 1.29
アンジュ・ルーサ 3.70
ジュリアン・エローサ 2.70
クリスチャン・ロドリゲス 1.49
アブドゥル・ラザク・アルハサン 1.59
コーディ・ブランデージ 2.40
ジョシュア・ヴァン 1.46
チャールズ・ジョンソン 2.80
ジャスミン・ジャスダビシアス 1.91
ファティマ・クライン 1.91
モンテル・ジャクソン 1.70
ダモン・ブラックシア 2.20
ルアナ・サントス 1.26
マリヤ・アガポバ 4.00
ジョシュ・フレムド 1.89
アンドレ・ペトロスキー 1.93
エヴァン・エルダー 1.33
ダリウス・フラワーズ 3.50

2週間ぶりのUFCは旗揚げの地デンバーで開催。

メインは女子フライ級。元ストロー級王者ナマユナスは前回フライ級に上げて初勝利。今回はランキング4位のメイシー・バーバーとの対戦が組まれていたが、2週間前にバーバーが欠場。来週ミランダ・マーヴェリックとの対戦が組まれていたランキング14位のトレイシー・コルテスとの対戦に変更されている。

代役のコルテスはUFC初メイン。現在、UFCデビューから5連勝中だが、ほぼ年1の試合ペースのため、なかなか上位との対戦が組まれず、これまでの相手は全部ノーランカー。テイクダウンから押さえ込みするスタイルで、キャリア11勝のうち、KO勝ちと一本勝ちが1試合のみで、残り9試合は判定勝ち。UFCでの5勝もすべて判定勝ちとなっている。かつては打撃が弱点だったが、昨年9月の前戦ではパンチで打ち合う場面を見せるなど打撃が向上していた。

現在もストロー級で戦える体格のナマユナスに対し、コルテスは逆にバンタムから落としてきた選手。身長・リーチは同じだが、フィジカルではコルテスが上回るので、コルテスとしては組みで体力を削る展開にしたいところ。とはいえ、5戦全勝でもこれまでノーランカーとしか対戦していないコルテスでは、ナマユナスの相手は厳しいか。

ナマユナス判定勝ち。

セミ前に出場する元ランカーのドリュー・ドーバーはマイク・デイヴィスと対戦予定だったが、デイヴィスが欠場。ドーバーの相手が先週まで決まらず、急遽UFC303に出場したジェアン・シウバの出場が決まった。

シウバは本来フェザー級だが、前戦では体重オーバーしている。13勝中10KOのハードパンチャーで、前戦では中堅のシャルル・ジョーデインから2RKO勝ちし、UFCデビューから2連続KO勝利。ドーバーもKOパンチャーだが、オッズは本来階級下のシウバとイーブンになっている。今後もライトで戦うのか、フェザーに戻すのかは不明だが、元ランカーのドーバー相手にショートノーティスで勝つなら、ランカーとの対戦にも期待できる。

プレリムにはフライ級期待の新星のジョシュア・ヴァンが登場。昨年11月にUFCデビューし、今年1月にも勝利して2連勝としたが、4月の試合は相手の怪我で消滅。先月のUFC302ではスムダルジ戦が組まれていたがスムダルジが欠場。前月のティム・エリオット戦がエリオットの怪我で消滅していた平良達郎との対戦に入れ替わったが、その後試合のシャッフルがあり、平良はアレックス・ペレスと、ヴァンは当初ペレスと対戦予定だったランカーのウランベコフとの対戦に変更。が、その試合もまた、ウランベコフの欠場により消滅と、4試合続けて自分に責任のない試合消滅が続いている。

今回の相手チャールズ・ジョンソンUFCで3連敗していた時、無敗のカザフスタンファイター・アザト・マクスム相手に代打出場し、打撃で攻めてマクスムを失速させて判定勝ち。5月の前戦は地元セントルイスでUFC2勝2敗のジェイク・ハドリー相手に打撃の手数で上回っての判定勝ちで2連勝。2試合連続でオッズではアンダードッグだったが、アップセット勝利している。ヴァンにとっても油断できない相手。

第1試合開始は14日朝8時から。速報します。

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DEEP MMA o UFC エイマン・ザハビ トニー・グレーブリー ハオーニ・バルセロス モンテル・ジャクソン

UFC on ESPN55:第7試合・ハニ・ヤヒーラ vs. ビクター・ヘンリー

バンタム級。日本で7試合しているヤヒーラ vs. 12試合しているヘンリー。

ヤヒーラはキャリア41戦で28勝中KO勝ちゼロ、一本勝ちが21回ある生粋の柔術家。一本勝ちの多さに反して、UFCからの評価は低く、ランキングに入っていたこともあるのに21戦中18回がプレリム送り。近年は負傷欠場もあり、21年1試合、22年0試合、23年1試合と試合ペースが落ちている。前戦は同じランカー目前ポジションのモンテル・ジャクソンとの対戦で、1Rにパンチでダウンを喫しパウンドでKO負け。13年前、WECでのジョセフ・ベナビデス戦以来となるフィニッシュ負けを喫した。オッズは前回に続いて大幅なアンダードッグとなっている。39歳。

元DEEPバンタム級王者ヘンリー。代役でのUFCデビュー戦でいきなり中堅のハオーニ・バルセロスに勝ったが、次戦ではベテランのハファエル・アスンサオに判定負け。勝ち越し・負け越しの分かれ目となる3戦目は、UFC4勝3敗のトニー・グレーブリー相手に3Rフルに動き続ける試合となり、接戦を制してスプリット判定勝ち。前戦はアブダビで行われたバシャラート兄との対戦。無敗のバシャラート兄弟相手にオッズでは大差でアンダードッグの厳しい試合だったが、2Rにローブローをもらい、タマがサツマイモくらい腫れて続行不能となりノーコンテストに。こういった場合、多くは決着戦が組まれるが、両者とも別の相手との対戦に(なお、バシャラートは先月エイマン・ザハビと対戦しMMA初黒星を喫している)。UFCキャリア13年のヤヒーラに対し、ヘンリーはまだ2年だが、年齢は来週37歳となり、あまり差がない。

タックルのフェイントで詰めるヤヒーラ。ローを出したがヘンリーも右を返す。飛び込んで組もうとしたヤヒーラ。右を入れ離れる。タックルに入ったヤヒーラ。懐に入りスタンドバック。リフトして倒したが、ヘンリー寝かされずに立って正対。離れる。右を入れるヤヒーラ。ヘンリーのローをキャッチしてシングルレッグに入るヤヒーラ。シングルレッグで倒したヤヒーラだが、すぐに立って逆にバックを狙うヘンリー。ヤヒーラ正対。打撃戦から組みに行くヤヒーラだが、差し勝ったヘンリーがケージに押し込む。テイクダウン狙いから引き込んだヤヒーラ。付き合わず離れるヘンリー。スタンドに。パンチ連打を入れるヘンリー。ケージを背負ったヤヒーラだが、ヘンリーが打撃を打ち込むとヤヒーラも打ち返す。ホーン。

1Rややヤヒーラだが、テイクダウンしてもポジションを取れず、後半は打撃で押されてきた。ヤヒーラはやはりグラウンドで攻められないと厳しい。

2R。タックルに入るヤヒーラだが切られた。またタックル。完全に見切られて切られる。ヤヒーラも打撃を出していくが、最終的にはタックル。そして切られる。ヘンリーの打撃をもらうヤヒーラ。打ち返していくが、ヘンリー打撃で引かない。ケージを背負うヤヒーラ。右を入れたヘンリー。ヤヒーラ打撃戦では防戦一方に組み付いていったが引き剥がされる。倒れたヤヒーラだがヘンリー立たせる。ケージを背負わせてボディにパンチを入れるヘンリー。右が入りヤヒーラ効いた。膝をついたヤヒーラ。パウンド連打。なんとかしのぐヤヒーラ。ホーン。

2Rヘンリー。ダメージもあり厳しいヤヒーラ。

3R。ヤヒーラタックル。切られたが引き込んでグラウンドに持ち込もうとする。しかしヘンリーパウンドを入れる。離れて立った。スタンドに。右をもらいヤヒーラダウン!ヘンリーバックからパウンドラッシュ。なんとかハーフでしのごうとするヤヒーラ。もぐろうとするがヘンリー肘・鉄槌。離れて立った。ヤヒーラもうグロッキー。腹を効かされた。パンチ・ハイをもらい動きがなくなったヤヒーラを見てレフェリーストップ!

ヘンリーはUFCで初めてのフィニッシュ勝利。3勝1敗とし、次はまたランキング直前くらいの相手との対戦か。

ヤヒーラはWECでの水垣戦以来、そしてUFCで初となる連敗。2試合連続のフィニッシュ負けで厳しくなった。

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【UFC ESPN55】ビクター・ヘンリーと対戦、極める世界遺産ハニ・ヤヒーラ「極めることが一番安全な戦い」

【写真】柔術をMMAに落とし込んできた年輪が刻まれた――渋い大人になったハニ (C)MMAPLANET

27日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFC on ESPN55「Nicolau vs Perez」が開催され、ハニ・ヤヒーラがビクター・ヘンリーと戦う。
Text by Manabu Takashima

WECがUFCに一本化された2011年からオクタゴンで戦うようになり、12年以上が過ぎ20戦を戦ってきた。完全グラップリング、いや絶対的な柔術スタイルでUFCを戦い続けるハニは今やMMA界の組み付く天然記念物――極める世界遺産といえる。

ある意味、MMA界の奇跡といえるハニ・ヤヒーラは柔術家として21度目のUFCでのファイトに挑む。


──ハニ、お久しぶりです。

「やぁ、元気だったかい?」

――変わりないです(笑)。ハニに最後にインタビューをさせてもらったのが、2021年の11月でした。あれから2年半分、年を取りました。

「ハハハハ。僕もだ。僕もあれから、2年半分年を重ねたよ(笑)」

──ハハハハ。去年の4月にモンテル・ジャクソンにKO負けを喫し、10月のアラテンヘイリ戦もキャンセル。実際のところ、引退してしまうかもしれないと思っていました。

「そうやって心配をしてくれていることに感謝しているよ。これだけ時間を置いたのは、本当に体調の良いときにオクタゴンに戻るべきだと考えたからなんだ。そして、今のコンディションはUFCと契約した26歳の時よりも良いぐらいだよ。しっかりと体の不具合を治し、ファイトキャンプに入る前段階の練習をじっくりとできた。

ただ引退に関しては去年だけでなく、もう何度も考えてきたことだよ。WECがUFCに買収される前ですら、既に考えていた」

──えっ、26歳の時にですか。

「そうだよ。あの時、僕はもう21試合もMMAを戦っていた。何度も手術を経験していたし、このまま現役を続けても体がもつのか。そこは常に自問自答していた。でもUFCとの契約時もそうだし、やっぱり戦うフィールドに気持ちが戻ってしまうんだ。僕の人生のなかでMMAを戦うことが、いかに大きな割合になっているのか。そのたびに、思い知らされたんだ。より強い相手、ビッグファイトをしたい。その気持ちがあるからこそ、ここまで戦い続けることができているんだと思う。

そうだね……26歳の時に初めて引退を本気で考えた。実際、もうその状態に入っていた。それがWECからUFCに契約を移管するファイターのリストに僕の名前もあった。UFCでのファイトは、僕のMMAファイター人生において一番の大きな試合になる。その機会を逃すことはできなかった。結果、UFCで戦うようになり新しい人生を得た。生まれ変わることができたんだ。

そんなUFCでのキャリアも、やはり引退を考えながら積み重ねてきたモノなんだ。30歳という区切りの時も、引退が頭にあった。ジョニー・ベッドフォードに勝った時、これで戦い納めにしようと思った。ただ、戦うことはきっと僕という人間本質なんだ。引退を考える以上に、競争を求めている。いつだって競技者の気持ちでいる。

ただ、戦っていないと生きていけないというわけじゃないんだよ。それなら引退なんて考えない。僕は違う人生を歩める機会も場所もある。でも、結局のところファイトを求めてしまう。そんなことを繰り返していると、ファイトに情熱を傾けることがハニ・ヤヒーラという人間の本質だと思うようになったんだ。試合に出るだけじゃない、試合があるからジムへ行って必死になってトレーニングをする。それが僕の人生で一番大きなパートを占めている。結果、何を求めているんだと言われると、自分への挑戦なんだと思う。だから、今もここにいるんだよ」

──胸に響く言葉です。いやぁ、ハニは格好良いですね。ところでファイトキャンプまではブラジルで過ごしているのですか。

「そうだよ。ブラジリアには自分のチーム、ハニ・ヤヒーラ・ファイティングチームがあるから指導も練習もしている。MMAファイターだけでなく柔術コンペティターも所属していて、打撃コーチ、フィジカル&コンディション・コーチ、柔術インストラクターもいる。僕自身は柔術の練習をよくやっているよ」

――つまり普段は道着を着て練習もしているということですか。

「もちろんだ。毎日、道着を着て練習している」

――おお、ハニは今も柔術家なのですね。

「その通り、柔術家だ。ジウジツ・カという呼び方をしてくれたのは、人生で2人目だ。皆、ジウジテーロと呼ぶようになってしまった。でも、僕は柔術家だ。空手家や柔道家と同じように」

――日本では普通は柔術家と呼ぶので……ジウジテーロですか……。

「そうだよね、柔術家だよ」

――ではATTでのファイトキャンプはどれぐらい行ってきたのですか。

「5週間だよ。素晴らしいトレーニングを積むことができた。最高のトレーニングパートナーがいて、過去に戦ったことがある選手、そして今回の相手と戦ったことがある選手もいる」

――そのうちの1人が元谷友貴選手だと思います。

「そうだ。これまで通りキョージ(堀口恭司)もそうだし、ユーキ・モトヤとも1日に2度練習してきた。モトヤは今、言っていたようにビクター・ヘンリーと戦ったことがあるから、いくつか凄く良いアドバイスしてくれたよ。モトヤが助けてくれて、今回の試合はしっかりと自信を持って戦うことができる。あとはジュンタロウ(牛久絢太郎)もそうだし、最近もう1人日本からやってきた21歳のキッドとも何度か練習をした」

――鶴屋怜選手ですね。

「そうそう、レイ・ツルヤだ。皆、真剣にMMAに向き合うウォリアーだ」

――それにしても打撃が進歩し、テイクダウン防御能力も上がり続けているMMAでハニは、組んで倒してコントロールというハードワークを13年に渡り続け、UFCで20戦も戦ってきたことは凄まじいことかと。

「僕は柔術家だよ。今も柔術を代表してUFCで戦っているつもりだ。柔術が僕をUFCに連れてきてくれて、柔術の技がオクタゴンで戦い続けることを可能にしてくれている。組んで、倒して、極める。それが僕とってはベスト、もっとも簡単に勝利できる戦い方なんだ。だから、僕が勝った試合は一本勝ちが一番多い(UFCで13勝のうち7試合が一本勝ちで、キャリア28勝のうち21試合が一本勝ち)。もう20年以上、柔術をMMAに落とし込むことに人生を賭けてきた。組んでテイクダウンすれば、寝技で仕留める。試合でも練習でも、ずっと続けてきたことだよ」

――とはいえ、世界中のプロモーターが打撃戦を好み、MMAもレベルアップし続けるなかで、このスタイルを貫き通せるのは偉業かと。

「皆、打撃戦が見たい。それは絶対だ。ファンはKOを見たいんだ。でも組んで寝技がなくなれば、もうMMAとはいえない。UFC……MMAは、打撃でKOするだけでなく、組んで倒して極めることができる戦いだ。極めにも、人々は熱狂できる。仮に僕が判定勝ちばかりだと、UFCで戦い続けることはできなかっただろう」

――これだけ組み伏せて極めて勝てるハニなら、パウンドアウトもできるのではないかと。ただ、これまでパウンドで勝ったことはないですよね。

「パウンドを有効に使ったとしても、狙うのはサブミッションだ。殴って勝とうとすると、隙ができる。倒しきれないと、立ち上がられてしまう。つまりドミネイトして、極めることが一番安全な戦い方なんだよ」

――ではビクターとの試合も、倒して極める。その戦い方を貫くと。

「土曜日の夜、良い試合をすること。勝利すること。そしてフィニッシュすること。自信を持って戦うよ。それだけの準備をしてきた。僕の戦いをして、極めるよ」

■視聴方法(予定)
4月28日(日・日本時間)
午前5時00分~UFC FIGHT PASS
午前4時30分~U-NEXT

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AB F1 MMA o UFC UFC Fight Night   ハニ・ヤヒーラ ビクター・ヘンリー ブラック マテウス・ニコラウ マネル・ケイプ モンテル・ジャクソン

4.27『UFC on ESPN 55』でハニ・ヤヒーラとビクター・ヘンリーが対戦

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4.27『UFC Fight Night 243』のメインイベントはマテウス・ニコラウ vs. マネル・ケイプの3年1ヶ月ぶりの再戦(2024年03月08日)

 こちらの続報。


 UFCが4月27日にネバダ州ラスベガスのUFC APEXで開催する『UFC on ESPN 55: Nicolau vs. Kape 2』でハニ・ヤヒーラ vs. ビクター・ヘンリーのバンタム級マッチが行われるとのこと。

 ヤヒーラは昨年4月の『UFC Fight Night 222: Pavlovich vs. Blaydes』でモンテル・ジャクソンに1R KO負けして以来1年ぶりの試合。ヘンリーは10月の『UFC 294: Makhachev vs. Volkanovski 2』で行われたジャヴィッド・バシャラット戦が急所攻撃により試合続行不能となったためノーコンテストになって以来の試合。続きを読む・・・
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【UFN222】ハニ・ヤヒーラ、左のカウンターを打ち抜かれモンテル・ジャクソンに初回パウンドアウト負け

<バンタム級/5分3R>
モンテル・ジャクソン(米国)
Def.1R3分42秒by TKO
ハニ・ヤヒーラ(ブラジル)

サウスポーのジャクソンに対し、右ローを蹴るハニ。ジャクソンは右を伸ばし、ローの蹴り合いから圧を掛ける。ハニは左をガードしてケージを背負うと、蹴りで前に出る。シングルでケージにジャクソンを押し込んだハニは、足を取られてリバーサルされ下になる。ジャクソンの右腕を抱えるが、抜かれて試合はスタンドに戻る。

ジャクソンが左ミドルを入れ、ハニは右を届かせる。ジャクソンは左ハイを狙い、右ジャブに左をカウンターでいれ、そのまま右を当てる。後方に倒れたハニに、速射砲のようなパウンドを連打し試合は決した。

反応、敏捷性と明白な違いが見られた両者、ジャクソンは「彼は距離を詰めてくるので、少し下がって左を入れるタイミングを待っていたんだ。イージーだったり、ハードだったり、勝ったり負けたりするけど、ここにいることが楽しいんだ」と話した。


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【UFN222】ヒースタンド戦へ、チンギス・ハンの末裔バットゲレル・ダナー「レスリング勝負になっても」

【写真】ちょっとゲッツなダナー(C)MMAPLANET

22日(土・現地時間)、あと4時間でスタートするネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN222:UFN on ESPN+80「Pavlovich vs Blaydes」。その第 1試合でバットゲレル・ダナー✖ブレディ・ヒースタンドのバンタム級戦が組まれている。

キャリア6勝2敗の新鋭を迎え撃つダナーは、3試合連続初回KO勝ちから一転、現在2連敗中だ。アリゾナのファイトレディーで倉本一真とスパーリングを数多くしてきたというダナーに、モンゴル人の強さの秘密と今大会の試合の意気込みを訊いた。


──ダナー、ブレディ・ヒースタンドと土曜日に戦います。今の気持ちを教えてください。

「ファイトウィークに入って、最高の気分です。エネルギーが熱を帯びてきていて、もう戦う準備は出来ています」

──アリゾナのファイトレディーでは、日本の倉本一真選手と随分と練習してきたと聞きました。

「カズマとは、本当にたくさんスパーリングをしました。RIZINで戦うために、カズマももう日本に戻っているはずです。素晴しいファイターで、本当に強いレスラーなので、カズマとはとても良い練習ができました。カズマもアリゾナで次の試合に向けて、素晴らしいキャンプができたはずです」

──ところでダナーがジャクソン・ウィンクMMAからファイトレディに移ったのは、なぜなのですか。

「ジャクソン・ウィンクも素晴らしいジムでしたが、ファイトレディーの方がヘンリー・セフードを始め、自分と同じような体格の選手が多く練習しています。それと仲が良いアラテンヘイリがアリゾナで練習していたことも、ジムを移った要因の一つです。ジャクソン・ウィンクでは打撃をしっかりと学ぶことができたので、レスリングがベースのファイトレディーで、しっかりとレスリングを見直してきました。結果、今週末は打撃だけでなくレスリングを融合したスタイルを見てもらえると思います」

──実は1月にウランバートルを訪れたのですが、ケージレスリングに関してセントラルヒーティングがあるために、壁レスができないジムが多かったです。

「モンゴル人の男の殆どが、幼少期からモンゴル相撲をやってきたので自然とファイティングスピリットが養成されます。ただし、MMAに関しては今指摘されたように環境がまだまだ整っていません。だからケージレスリングや壁レスという部分で、モンゴルのMMAは他の国の後塵を拝することになっています。

ただしモンゴルではMMAの人気は上がっていて、ケージのあるジムも出てきました。そして、優秀なコーチも増えています。だから壁レスやクリンチワークという点でも、モンゴル人ファイターはこれから強くなることは間違いないです。

自分も試合が決まれば、米国のジムでキャンプを行いますが、普段はウランバートルに戻って練習しています。モンゴル人MMAファイターの第一世代として、自分は海外で練習をして壁レスやクリンチの習得に努めてきました。そしてウランバートルではボクシングやテコンドーのジムで、MMAjは何かを説明してきました」

──MMAの普及にダナーは務めてきたのですね。ところでマイナス30度の極寒の地で、肉と麺類やお米を食べまくり、タンパク質と炭水化物を取り続ける。この2つの要素がモンゴル人を精神的、肉体的に強くするのだと勝手に結論づけました。

「アハハハハ。気候に関してはモンゴルには四季があり、夏は相当に暑くて冬はとんでもなく寒いです。本当に極端な気候で、あのタフな環境で生まれ育つと人間を強くしてくれると思います。食事に関しては、モンゴル人は自生した植物をよく食べています。それに肉に関しても、緑を食べて育った羊、牛を食べているので。野菜を食べているのと同じです(笑)」

──まさか(笑)。

「ただ気候と食事がモンゴル人を強くしているというのは、100パーセント賛成します。それとモンゴルの歴史ですね。チンギス・ハンの時代から、我々はウォリアー・スピリッツが受け継がれてきました」

──そんなウォリアーズ・スピリットを持つダナーですが、3試合連続1RKO勝ちのあと、現在連敗中で今週末の試合はとても重要かと思います。

「全ての試合が重要です。どの試合も真剣に向き合ってきました。ただし、今回の試合は特に大切です。ですから、1Rでフィニッシュすることを約束します。対戦相手は将来性豊かな若いファイターで、完全にグラップラーです。優秀なレスラーですが、我々モンゴル人にはモンゴル相撲で養われた、組み合いで強さを発揮する血が流れています。

そして、自分が初回でKO勝ちするので、彼がレスリングの技術を使う機会は訪れないです。ただ、レスリング勝負になっても自分のレスリングの強さを見せつけます。モンゴル相撲が、モンゴル人の根底にあるファイティングスピリットを養ってくれるので、あらゆる組技、柔道、柔術、レスリングでモンゴル人は常に強さを発揮します。

だから自分も土曜日の夜にはファンに再び、KO勝ちをお見せします」

■視聴方法(予定)
4月23日(日・日本時間)
午前5時30~UFC FIGHT PASS

<ヘビー級/5分5R>
セルゲイ・パブロヴィッチ: 260.5ポンド(118.16キロ)
カーティス・ブレイズ: 262.5ポンド(119.06キロ)

<ミドル級/5分3R>
ブラッド・タヴァレス: 185ポンド(83.91キロ)
ブルーノ・シウバ: 186ポンド(84.37キロ)

<ライト級/5分3R>
ボビー・グリーン: 156ポンド(70.76キロ)
ジャレッド・ゴードン: 155.5ポンド(70.53キロ)

<女子フライ級/5分3R>
イアズミン・ルシンド: 126ポンド(57.15キロ)
ブローガン・ウォーカー: 126ポンド(57.15キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ジェレマイア・ウェルス: 171ポンド(77.56キロ)
マシュー・セメルスバーガー: 171ポンド(77.56キロ)

<ライト級/5分3R>
リッキー・グレン: 155.5ポンド(70.53キロ)
クリストス・ギアゴス: 155.5ポンド(70.53キロ)

<バンタム級/5分3R>
ハニ・ヤヒーラ: 136ポンド(61.69キロ)
モンテル・ジャクソン: 136ポンド(61.69キロ)

<女子フェザー級/5分3R>
カロス・ホサ: 144.5ポンド(65.54キロ)
ノルマ・デュモンチ: 145ポンド(65.77キロ)

<ヘビー級/5分3R>
モハメド・ウスマン: 239.5ポンド(108.63キロ)
ジュニオール・タファ: 252ポンド(114.3キロ)

<フェザー級/5分3R>
フランシス・マーシャル: 146ポンド(66.22キロ)
ウィリアム・ゴミス: 147ポンド(66.67キロ)

<女子フライ級/5分3R>
プリシーラ・カショエイラ: 130ポンド(58.96キロ)
カリーネ・シウバ: 126ポンド(57.15キロ)

<バンタム級/5分3R>
バットゲレル・ダナー: 136ポンド(61.69キロ)
ブレディ・ヒースタンド: 136ポンド(61.69キロ)

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