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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC303 キック ダナ・ホワイト ボクシング マイラ・ブエノ・シウバ メイシー・シェエソン

【UFC303】1Rは劣勢のシェアソンが、2RにTDから左ヒジでシウバの顔面を切り裂き流血ストップ

<女子バンタム級/5分3R>
マイラ・ブエノ・シウバ(ブラジル)
Def.2R1分58秒 by TKO
メイシー・シェエソン(米国)

サウスポーのシェエソンがサークリングする。シウバが距離を詰めると左ストレートを伸ばした。シウバも首相撲から離れ際にヒジ打ちを繰り出す。再び距離を取ったシェエソンは左右ローから、時おり左ストレートを放っていく。しかしシウバが左ハイを当ててから組みつき、ケージに押し込みながら左ヒジを繰り出す。離れたシェエソンの顔面を、シウバの右スピニングバックキックがかすめる。ダーティボクシングでダメージを与えてから組んだシウバは、右腕を差し上げてドライブした。

首相撲から右ボディを連打するシウバ。シェエソンの表情からはボディが効いているようにも見える。首相撲から押してくるシェエソンに、シウバが右ヒザをボディに突き上げた。シェエソンも左右のパンチを振るってシウバを下がらせる。シウバは首相撲で優勢に立つと、シェエソンの首相撲をかわしてパンチを当て、ダブルレッグでケージに押し込んだ。シェエソンはシウバの右腕をキムラで抱えるも、シウバが尻もちを着かせた。すぐに立ち上がったシェエソンがシウバをケージに押し込み、初回を終えた。

2R、シェエソンが左ジャブから首相撲へ。ヒザを突き上げ、離れたシウバのミドルを食らうもテイクダウンに成功した。シウバは下から三角をセットアップするも、足を組み切れない。シェエソンの左ヒジでシウバの右目上から大出血。シウバはシェエソンの右腕に十字を狙うも、これは潰された。立ち上がったシェエソンが、背中を着けたままのシウバにローを打ち込む。シェエソンがスタンドを要求するとシウバも立ち上がったが、ここでドクターチェックが入った。シウバはファイト継続をアピール。しかし出血は激しく、レフェリーが試合をストップした。

ストップに不満のシウバはケージを飛び出し、ダナ・ホワイトの下へ駆け寄るも、ダナがシウバを諭す。シウバは勝敗コールのあと、親指を下に向けてケージを後にしたが、この傷ではストップも致し方ない。


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【UFC303】バンタム級の新鋭ペイトン・タルボット「安全なポイントゲームなんて、やりたくない」

【写真】スクショを撮る際に、5秒以上も目を剝いて待ってくれていたタルボット。実はいいヤツ (C)MMAPLANET

29日(土・現地時間)、米国ネヴァダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催されるUFC303「Pereira vs Prochazka 2」で、ペイトン・タルボットがヤニス・ゲムリと戦う。
Text by Manabu Takashima

2023年のコンテンダーシリーズでUFCと契約し、2試合連続でKO勝ちのタルボット。キャリアは8戦8勝、負け無しの新鋭は自らの一番の武器はペースだと言い切った。


MMAに求められるのは、アクションだから

――今週末にヤニス・ゲムリ戦を控えたペイトンです。調子はいかがですか(※取材は26日に行われた)。

「最高だよ。ヤニス・ゲムリとは良い顔合わせだと思う。殴り合って、エキサイティングなファイトをするよ」

──UFCで2度戦って2つのKO勝ち、判定勝ちだったコンテンダーシリーズのファイトも素晴らしいパフォーマンスでした。そんなペイトンのことを我々は、まだまだ分かっていないのですが、なぜMMAを始めたのですか。

「2017年、18歳の時にコナー・マクレガーの影響を受けて、試しにジムに行くようになった。すぐにマーシャルアーツに夢中になったよ。トレーニングをしていると、試合に出るようになって。そうなると、日に日にMMAへの想いが強くなっていった」

──MMAを始める前に格闘技の経験はあったのでしょうか。

「凄く小さな時にボクシングをやったことがあったけど、全然ダメで2カ月ほどで辞めてしまった。経験という経験があったのはレスリングだけで。レスリングはハイスクールを中心に4年ほどやっていた。けど、コレといって目立った戦績は残していない」

──それでもレスリングというベースがあったのですね。ファイトスタイルから、打撃系格闘技の経験の持ち主だと勝手に思っていました。

「う~ん、打撃が自分の一番の武器だとは思っていないよ」

──そうなのですか。

「僕の武器は体力だ。ハイペースで15分間、戦い続けることができる。結果、対戦相手は疲れて僕の打撃の餌食になるんだ」

──まさに現代MMAの申し子ですね。

「だって皆、それが見たいだろう? テイクダウンをされて、ガードの中に相手を入れて止まるなんて試合は誰も見たくないはずだ。MMAに求められるのは、アクションだから。それにケージのなかでは動きが多い方が、勝つ確率も高くなる。だから、常に動いてペースの速い試合を心掛けている」

──そして、フィニッシュを狙うのがコンテンダーシリーズ世代ですね。

「もちろん、フィニッシュを狙うのは当然だ。もともと、組んで倒してコントロールする試合なんか、好きじゃなかったし。そうやって勝つファイターがいることは分かっている。それはそれで構わないけど、そんなことがしたくてMMAを戦っているわけじゃないから。

結果的に僕は自分がやりたいことをするためにオクタゴンに上がっている。それこそが、コレをやって金を稼ぐのに相応しいファイトだと思っている。安全なポイントゲームなんて、やりたくない」

日本のアニメから受けた影響も絶大だよ

──それこそ、コナー・マクレガーに感化されてMMAを始めたペイトンらしいファイト・フィロソフィーですね。

「実際にMMAのトレーニングを始めてからも、コナーから受けた影響は大きい。あとはマックス・ホロウェイ、そしてネイト・ディアズ……でも、子供の頃に日本のアニメから受けた影響も絶大だよ(笑)。ドラゴンボールZに、幽遊白書からファイティング・スプリットとは何かを学んだんだ」

──なるほどぉ。では日本のMMAに興味を持ったことは?

「それは……余りないかなぁ。なんか、凄いステージがあって、ダンスをしたりしているのは受けたけど(笑)。ファイターでは、UFCとサインをしたばかりの……。そう、カイ・アサクラだ。彼のハイライトは見たよ。良い選手だよね」

──では同じバンタム級でUFCデビューを果たし、連勝中の中村倫也選手の印象を教えてください。

「う~ん、ちょっと分からないなぁ……。あのレスラーかい?」

──そうです、レスリングがベースです。

「まぁ、視界に入ってくれば気にかけるようにするよ」

──……押忍。では、土曜日に戦うゲムリの印象は?

「きっと、たくさん蹴ってくるだろうね。そしてカウンターの一発を狙って、我慢強く戦ってくるはずだ。ちょっとフラストレーションがたまる試合になるかもね。あの動きを僕のグルーブに誘い込むのは、ちょっと面倒くさいと思う。

ちょっと変な打撃だろう? なんか蹴りとパンチのコンビネーションがおかしいんだよ」

──確かに。構えも特徴的で。ただ、時折り力強いクリンチゲームも展開します。

「あんまり寝技の展開は見たことがないけど、上半身を固める組みを使うのは確かだ。でも、あんな風に固めてくるとスタミナを無駄にするだけだ。そこから先は、彼のやりたい試合にはならない。まぁ、何分間も相手をケージに押し込むようなヤツだよ。

だからこそ、動きまくって肉弾戦を皆に見てもらいたい。まだ僕のことを認識していないファンがいれば、きっと考え方が変わる試合になる。もう意識しないわけにはいかなくなるよ。しっかりと皆が喜ぶ試合をし続けるよ」

──その先に狙うは、タイトル挑戦と。

「そうだね、上手くいけば1年半後ぐらいにはトップに立っているだろう」

──ペイトン、今日はインタビューに時間を割いてくれてありがとうございました。最後に日本のファンに一言お願いします。

「ハイ。アリガトゴザイマス。オヤスミ」

■視聴方法(予定)
6月30日(日・日本時間)
午前7時分~UFC FIGHT PASS
午後11時~PPV
午前6時30分~U-NEXT

■ UFC303対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]アレックス・ポアタン・フェレイラ(ブラジル)
[挑戦者] イリー・プロハースカ(チェコ)

<ライト級/5分3R>
ブライアン・オルテガ(米国)
ディエゴ・ロピス(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
アンソニー・スミス(米国)
ロマン・デリツ(ジョージア)

<女子バンタム級/5分3R>
マイラ・ブエノ・シウバ(ブラジル)
メイシー・シェエソン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
イアン・ギャリー(アイルランド)
マイケル・ペイジ(英国)

<ミドル級/5分3R>
ジョー・パイファー(米国)
マフクアンドレ・バリユー(カナダ)

<フェザー級/5分3R
カブ・スワンソン(米国)
アンドレ・フィーリ(米国)

<フェザー級/5分3R>
シャルル・ジョーダン(カナダ)
ジアン・シウバ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
ペイトン・タルボット(米国)
ヤニス・ゲムリ(フランス)

<女子ストロー級/5分3R>
ミッシェレ・ウォーターソン・ゴメス(米国)
ジリアン・ロバートソン(カナダ)

<ヘビー級/5分3R>
アンドレイ・オルロフスキー(ベラルーシ)
マルティン・ブダイ(スロバキア)

<フライ級/5分3R>
カーロス・ヘルナンデス(米国)
鶴屋怜(日本)

<バンタム級/5分3R>
リッキー・シモン(米国)
ヴィニシウス・オリヴェイラ(ブラジル)

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45 MMA MMAPLANET o UFN UFN239 パニー・キンザッド メイシー・シェエソン

【UFN239】シェエソンがキンザッドとのスクランブル&寝技戦を制してRNCで一本勝ち

<女子バンタム級/5分3R>
メイシー・シェエソン(米国)
Def.1R3分54秒 by RNC
パニー・キンザッド(スウェーデン)

キンザッドがジャブから距離を詰める。シェエソンがジャブ・ヒザ蹴りで前に出るとキンザッドが首相撲。そのまま組の攻防になり、キンザッドが両差しをとるが、シェエソンがテイクダウンする。キンザッドがガードから腕十字を狙うと、シェエソンが腕を抜きながら横三角へ。キンザッドはそのまま立ち上がり、シェエソンも足のクラッチを外す。

キンザッドがスタンドでバックをとってテイクダウン。シェエソンは足関節を狙いつつ、キンザッドの脇をくぐるようにしてバックへ。足をかけてグラウンドに持ち込むと、シェエソンがRNCを極めて一本勝。約6年ぶりの再戦は前回と同じRNCでシェエソンが勝利した。


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【UFN239】唯一のUFCキプロス人戦士は井上&平田=ダブル直樹の練習仲間、ハラランポス・グレゴリユウ

【写真】(C)MMAPLANET

16日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN239:UFN on ESPN+97「Tuivasa vs Tybura」が開催される。そのオープニングバウトでオクタゴン・デビュー戦を戦うハラランポス・グレゴリユウは現在、唯一のキプロス人UFCファイターだ。
Text by Manabu Takashima

昨年8月にコンテンダーシリーズからUFCとサインしたグレゴリユウは、コスタ・フィリッポウに続く史上2人目のUFC契約下選手でもある。エーゲ海に浮かぶ島、そんなイメージしかないキプロスで如何にグレゴリユウはMMAファイターとなり、世界の最高峰に辿り着いたのか。チャド・アンヘリガー戦を控えたグレゴリユウに初インタビューを試みた。


──今日はインタビューをさせていただきありがとうございます。最初に名前の発音を教えていただけないでしょうか。

「ファーストネームはハラランポス。ラストネームはグレゴリユウだよ」

──チャラランポスではないのですね!!

「ギリシャ語ではハラランポスで、ヨーロッパではハラランポスと呼ばれるんだけど、米国にくるとチャラランポスになってしまうんだ(笑)」

──なるほどです。米国では英語流の発音に改められることがほどんどですね。ところでキプロスの格闘技、MMAに関して全く知識がありません。ハラランポスがMMAを始めたきっかけを教えてもらえますか。

「僕は6歳の時に松濤館空手を学び始めた。黒帯になり、キプロスやギリシャのチャンピオンになった。ヨーロピアン選手権では5位になり、もっとアクションのある戦いを欲したら、父に空手を辞めたいと伝えたんだ。でも父からは『お前が空手を続けるのに、どれだけお金を使ってきたと思うんだ』と言われ、他のコンバットスポーツをやることを許してもらえなかった。しょうがない。僕は戦いをストリートに求めたんだ」

──……。なんとも。

「毎週のようにポリスが家にやってくるもんだから、ついに父は『もう外で暴れるのは止めろ。何がしたいんだ』と言って来たよ(笑)」

──空手で何を学んだことやら……。

「ハハハハハ。父にはプロファイターになりたいと伝え、キックとムエタイを始めた。腹を殴ることしか認められない空手に満足できなくなっていたんだ」

──MMAを始めてから、長い距離にあるポイント空手は生きることはなかったですか。

「う~ん、空手は蹴りを多用するから距離が遠くなるけど、またMMAとは違うよ。まぁ、UFCでも空手がバックグラウンドの選手は距離を取って戦ってきたけどね」

──押忍。ではキックやムエタイでも空手時代のように欧州を舞台に戦ってきたのですか。

「ノー。キプロス国内だけだ。キプロスでキックの王者になり、もっともっとアクションを欲した。結果、MMAを戦うようになったんだ。ただキプロスは打撃のレベルは高くても、MMAのレベルは低かった。すぐにキプロスのMMAチャンピオンになり、より高度な練習が必要だと思って米国に移り住むことにした。僕の目標はUFCファイターになることだったから。

米国にやってきて、まずは友人が持っていたジムで練習を始めた。でも彼がジムを閉めて違うジムに移ったけど、そこでは僕が一番強かった。そんな環境では成長できないから、ロンゴ&ワイドマンを訪れた。アルジャメインとスパーリングをして、ここで練習しようって決めたんだ。2018年のことだよ」

──ロンゴ&ワイドマンだと、日本人選手との交流もあったということですね。

「ミズキ(魅津希)、ナオキ(井上直樹)、ササキ(佐々木憂流迦)、皆、僕の友達だよ。イツキ(平田樹)と一緒にもう1人のナオキ(平田直樹)もやってきた。背の高い方のナオキとは、本当によく練習した。日本の選手はとても優れているけど、彼は本当に良いファイターだよ。もう1人のナオキとは、試合でフロリダにも一緒にいった。彼もタフな素晴らしい可能性を持った選手だった。

また、2人のナオキと練習をしたいね。日本の選手が僕らのジムにきて練習することを歓迎するよ。もっともっと多くの日本人選手と一緒に練習したい」

──ところでハラランポスがUFCとサインをしたことに対して、母国での反響は?

「マイ・ゴッド!! 唯一のキプロス人UFCファイターを国中あげて応援してくれている。僕自身、キプロスを代表して戦うことに誇りを持っているし。その想いを胸に今週末も戦うよ」

──UFCには以前、コスタ・フィリッポウが在籍していました。当時とはキプロスも様子が違うのでしょうか。

「彼も僕と同じようにキプロスから、米国に渡ってUFCで活躍していた選手だ。ただ10年前は、UFCやMMAの認知度が今とは違っていた。当時、キプロスではMMAが浸透していなかった。それが今では、UFCのドキュメンタリー撮影のために3日間帰国したら、毎日のように僕はテレビやラジオに出演していた。

キプロスのMMA熱が高まり、米国に追いつけるようになるのが僕の夢であり、使命だ。まだ口にするのは早いかもしれないけど、UFCで活躍して僕がUFCキプロス大会を開く原動力になる。コスタ・フィリッポウは過去、僕は現在。そして、未来になるつもりで努力している」

(C)Zuffa/UFC

──そんなハラランポスですが、今週末にチャド・アンヘリガーと対戦します。

印象を教えてもらえますか。

「彼は今回が契約最後の試合だから、必死に戦ってくるだろうね。ただ、僕が心配するようなことは一切ない。どの局面でも、気になる攻撃や技術を持っていない。ただタフでスタミナがあるだけだ。立ち技でも、寝技でも勝てる。何も問題ない。どこでも戦える。気の毒だけど、彼のUFCキャリアは土曜日の夜に終わるよ。

打撃、パワー、自分のスキルを信じている。誰も僕のようなパワーのある打撃を使うことはできない。パンチ一発で、試合を終らせる。そして、僕の名前と同時にキプロスという国を世界中にアピールしたい」

■視聴方法(予定)
3月17日(日・日本時間)
午前5 時00分~UFC FIGHT PASS
午前4時30分~U-NEXT

■ UFN239対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
タイ・ツイバサ(豪州)
マルチン・ティブラ(ポーランド)

<ウェルター級/5分3R>
ブライアン・バトル(米国)
アンジェ・ルーザ(スイス)

<ライトヘビー級/5分3R>
ケネディ・ンゼチェクウ(米国)
オヴァンス・サンプレー(ハイチ)

<フェザー級/5分3R>
クリスチャン・ロドリゲス(米国)
アイザック・ドルギャリアン(米国)

<バンタム級/5分3R>
パニー・キンザッド(スウェーデン)
メイシー・シェエソン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジェラルド・マーシャート(米国)
ブライアン・ベルベレナ(米国)

<ライト級/5分3R>
マイク・デイヴィス(米国)
ナタン・レヴィ(イスラエル)

<女子バンタム級/5分3R>
ジョシアニ・ヌネス(ブラジル)
チェルシー・チャンドラー(米国)

<フライ級/5分3R>
オーデ・オズボーン(米国)
ジェフェウ・フィリョ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ジョシュ・クリバオ(豪州)
ダニー・シルバ(米国)

<ライト級/5分3R>
チアゴ・モイゼス(ブラジル)
ミッチ・ラミレス(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
コリー・マッケナ(英国)
ジャケリン・アモリン(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
チャド・アンヘリガー(カナダ)
ハラランポス・グリゴリユウ(キプロス)

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MMA MMAPLANET o RENA UFC uFC289 アイリーン・アルダナ アマンダ・ヌネス アレクサ・グラッソ キック ケイラ・ハリソン ケトレン・ヴィエイラ シャーウス・オリヴェイラ ジュリアナ・ペニャ ベニール・ダリューシュ ボクシング メイシー・シェエソン ヤナ・クニツカヤ ヴァレンチーナ・シェフチェンコ

【UFC289】UFC世界女子バンタム級選手権試合、聖域得た王者ヌネス✖「I’m Mexican」挑戦者アルダナ

【写真】そりゃあ下馬評は圧倒的にヌネス。ただし、シェフチェンコ✖グラッソ戦でもメキシコ女子は下馬評を覆した (C)Zuffa/UFC

10日(土・現地時間)カナダのブリティッシュコロンビア州バンクーバーにあるロジャース・アリーナにてUFC 289「Nunes vs Aldana」が開催される。
Text by Isamu Horiuchi

元UFC世界ライト級王者のシャーウス・オリヴェイラとベニール・ダリューシュの注目の一戦をコメインとする今大会のメインは、バンタム&フェザーの女子2二階級王座を同時に保持するアマンダ・ヌネスが、ランキング5位のアイリーン・アルダナを挑戦者に迎える女子バンタム級タイトルマッチだ。


ヌネスは、誰もが認める女子MMAにおけるGOAT(Greatest of all time)。2016年にバンタム級王座を、2018年にフェザー級王座を獲得して以降、3年に渡って2階級を行き来して両王座を防衛し続ける離れ業を見せていた。一昨年12月、ジュリアナ・ペニャにまさかの2R一本負けを喫してバンタム級王座を失ったものの、昨年7月の雪辱戦では5R全てを圧倒して勝利、健在を見せつけている。

今大会は当初ヌネスとペニャの第3戦が予定されていたが、ペニャが練習中に肋骨を負傷。代わりに挑戦者として抜擢されたのが、現在2連勝中のアイリーン・アルダナだ。ヌネスと同じ88年生まれのアルダナは、ヌネスが初戴冠をした2016年にUFCデビュー。ファイト・オブ・ザ・ナイトとパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを2度ずつ受賞する激闘を重ねながらランキングを上げてきた選手だ。

前戦では、体格上の(計量オーバーした)メイシー・シェエソンと対戦。仰向けの体勢からのアップキックをレバーに突き刺すという前代未聞のフィニッシュを決めており、試合後のインタビューでは「いつも練習しているグレイシー・クラシカル・テクニックよ!」という卓越したコメントを残している。

とまれ、実績&知名度ともに大きな差がある両者だけに、下馬評では王者が圧倒的に有利となっている。

ペニャとの初戦ではヒザの怪我も響いて不覚を取り「引退も考えた」と語るヌネス。「他の選手ならともかく、アイツにタイトルを渡したまま去るわけにはいかない」という個人的な思いも込めて臨んだ再戦では、サウスポー中心の戦いを初披露。ペニャが前に来るたびに右フックを合わせ、最初の2Rで実に5度もダウンを奪ってみせた。さらに後半はテイクダウンを何度も決めて上を取り、ペニャの下からの攻撃を遮断。全局面での強さを見せつけての復活劇だった。

DALLAS, TEXAS – JULY 30: in their women’s bantamweight title fight during UFC 277 at American Airlines Center on July 30, 2022 in Dallas, Texas. (Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC)

破壊的な威力の右オーバーハンドで世界を制圧した王者が、新たにサウスポーからの精度の高いカウンターを武器に加え、さらに強力なテイクダウンまで織り交ぜてくるのだから、対戦相手からすればこれほどの脅威はないだろう。世界の頂点に君臨しなお進化し続けるヌネスの戦いを通して、我々は今この瞬間における世界女子MMAの最高到達点を見ることができる。

この見事な復活劇の最大の要因は、練習環境を変えたことにあるという。長年拠点としてきたATTに、UFC女子フェザー級への転出が囁かれていたケイラ・ハリソンらが加入したことに「身の安全を脅かされる気がした」というほど気分を害していたというヌネス。

ペニャとの再戦に臨む際に、フロリダ州内に自らのプライベートジム「ライオネス・スタジオ」を設立し、移籍した。

「私と同階級の女子選手が、私の所属ジムに来て私のコーチと練習するような環境は好ましくなかった。このライオネス・スタジオに出入りできるのは私の親しい友人とコーチだけ。このジムで私が失っていたスピリットを取り戻すことができたし、サウスポーで戦うという発想も思いついたのよ」と語るヌネス。

「私の聖域」と呼ぶ専用スペースを手に入れ、私生活でもパートナーのニーナ・アンサロフ(※現在はヌネス姓)が二人目の子供をお腹に宿している。公私ともに充実した最強王者の牙城を崩すのはきわめて難しそうだ。

さて、大会前の記者会見。「あなたが偉大な王者にもたらすことのできる最大の脅威はどこにありますか?」との質問を受けた挑戦者アルダナは、微笑みながら一言だけ返した。

「I’m Mexican」。この言葉には、単に国の誇りといった精神的なものだけでなく、技術的な含意も込められていそうだ。実際、別の場でアルダナは「メキシカン・テクニックには特別なものがある。私はそんなメキシカンスタイルをオクタゴンに持ち込みたい」と語っている。

LAS VEGAS, NEVADA – JULY 10: in their women’s bantamweight bout during UFC 264 at T-Mobile Arena on July 10, 2021 in Las Vegas, Nevada. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC via Getty Images)

アルダナの言うメキシカンスタイルとは、主に彼女の最大の武器であるボクシングのことだろう。20歳を過ぎてから運動のためMMAをはじめたというアルダナだが、所属先のロボジムのヘッドコーチにして、元プロボクサーのフランシスコ・グラッソ氏に仕込まれたボクシング技術の洗練度は女子MMAファイターの中でトップクラスだ。

メキシカンボクシングの特徴と言われる、腰を柔らかく使った滑らかな動きや踏み込んでの伸びるジャブ、距離の長いストレートを見事に使いこなすアルダナ。さらに上下の打ち分けやアッパーを交えたコンビネーションも多彩で、ケトレン・ヴィエイラやヤナ・クニツカヤを一撃で倒した威力抜群のカウンターの左フックも持っている。

またヌネスがあまり使わないスムーズな左右へのフットワークにも長けており、常にガードを上げ固いブロッキングとヘッドムーブメントを駆使する等、パンチのディフェンスも優れている。多少の被弾はあれど常に致命打は回避し、抜群のコンディショニングと不屈の闘志をもって相手に打ち勝ってきたアルダナは、桁外れの破壊力を誇るヌネスの打撃をもってしても、簡単に倒せる相手ではない。女子MMA最高レベルの拳の応酬こそ、この試合最大の見所だ。

ただし王者ヌネスには、前戦でも猛威を奮った強力なテイクダウンという武器もある。打撃での制圧が困難と見るや、ヌネスがテイクダウンを仕掛けてくることは容易に想像できる。柔術黒帯を持つ王者のテイクダウン&トップコントロールをアルダナがいかに凌ぐかも、この試合の大きな鍵となりそうだ。

総合的な不利は否めないアルダナだが、所属先のロボジムは、今年の3月にアレクサ・グラッソがヴァレンチーナ・シェフチェンコから4RにRNCを極める大番狂わせを起こし、メキシコ人初のUFC女子王者を輩出したばかり。

王者が不用意なスピンキックを放ったが故に起きた奇跡、と解釈されがちなフィニッシュだが、ロボジム側から言わせると決して偶然ではない。

シェフチェンコの試合映像を寝る暇も惜しまず研究したフランシスコ・グラッソ氏(※アレクサの叔父でもある)が、シェフチェンコがスピンキックを放つ癖があることに気づき、それを避けてバックを奪いチョークを極めるシークエンスをチームで練り上げ、無数の反復練習を重ねてきた成果だったとのこと。

わずか3ヶ月前に世界を揺るがせた名伯楽の目には、もう一人の女子絶対王者のいかなる死角が見えているのだろうか。

アルダナは以前から──ヌネスが名を挙げた(そして離れた)メガジムATTとは対照的に──祖国の小さなチームにて、結束の固い仲間たちと共にあることにこそ自分の優位点があると語っている。

自分の入門初日からの練習パートナーであり、苦楽を共にしてきた盟友アレクサに続いて、2人目のメキシコ人女子王者を目指す気持ちの強さは、全てを成し遂げた王者の防衛への意志に決して劣らないだろう。

「この試合はブラジリアン・ライオネスとメキシカン・ジャガーの戦いなのよ!」と話すアルダナ。そのしなやかな牙が百獣の王の首に食い込み、多くの予想を裏切る大死闘となることを期待したい。

■視聴方法(予定)
6月11日(日・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS
午前11時~PPV
午前7時30分~U-NEXT

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MMA MMAPLANET o UFC UFC279   アイリーン・アルダナ キック メイシー・シェエソン

【UFC279】「グレイシークラシカル」!! わき腹への蹴り上げで、シェエソンが悶絶。アルダナがTKO勝ち

<140 ポンド契約/5分3R>
アイリーン・アルダナ(メキシコ)
Def.3R2分21秒by TKO
メイシー・シェエソン(米国)

構えを変えて右ジャブを伸ばすシェエソン。さらに左ローから左ハイを狙う。アルダナのローに左を合わせようとするシェエソンだが、動きが大きいか。ダブルレッグでアルダナをケージに押し込んだシェエソンに対し、ヒザ蹴りを入れたアルダナが離れる。右ストレートを入れたアルダナは、左の蹴りを受け流して左ローを蹴る。アルダナはテイクダウン狙いを切ってヒザを入れる。圧を高めたアルダナの右ストレートを被弾したシェエソンが、ケージの前で左右に回るようになる。

ヘッドムーブでパンチをかわしたシェエソンのダブルレッグに、アルダナはケージの反動を利してステップオーバー&左腕をワキに抱えて腕十字に取る。そのまま上を向かされたシェエソンを左腕が伸び、タップをしたように見えたが、レフェリーは試合を流す。十字からマウント狙いに転じたアルダナが、パンチを連打してラウンドを締めた。

2R、左ハイから前に出るシェエソンがワンツー、アルダナが右アッパー、そして右フックを返す。シェエソンはハイから左フックを振り、左ストレートを伸ばす。パンチを見せてダブルレッグに出たシェエソンが一気にテイクダウンを奪うが、ここでアルダナは足関節からトップ狙いへ。背中にしがみついたシェエソンだが、右足をワキに抱えられた状態が続いている。

アルダナは後方にパンチを入れ、ヒールを仕掛ける。シェエソンが左腕を差しいれており、これはさすがに極まらない。と、足を抜いたシェエソンがスクランブルでバックを制して、両足をフックしつつパンチ、エルボーを連打する。前方に落とされそうになりながら、背中に乗り直したシェエソンがエルボーを耳の辺り連続で打ちつける。残り90秒、胸を合わせにいったアルダナは、腹ばいにされそうになりエルボーをさらに連打される。

回転数の早いパンチ&エルボーからハーフでトップになったシェエソンが、エルボーを太腿に打っていく。ここから肩固めに移行したシェエソンが、マウントへ移行へ。懸命に足を効かせたアルダナだが、この回は落とした。

最終回、打撃からテイクダウンを狙ったシェエソン。アルダナは切って、ヒザ蹴りに右を合わせる。即座に左を返したシェエソンは、右ジャブから左オーバーハンドを前傾姿勢で打っていく。オーバーハンド&ダブルレッグの狙いを察知したシェエソンだが、逆にその動きで左オーバーハンドを被弾する。

シェエソンのダブルレッグに、クローズドガードを取ったアルダナ。シェエソンは立ち上がって離れようとしたところで、倒れ込む。アルダナの蹴り上げ=ヒールキックが、レバーショットとなり──UFC史上初のフィニッシュで勝負は決した。「グレイシー・クラシック・テクニック。もちろん、全て練習してきた技よ」と勝者は話した。


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【UFC279】前代未聞、本計量結果を受けて上位カードが大シャッフル。メインはネイト×ファーガソンに

【写真】世界一のMMA組織が下した判断が、このスポーツの悪しき風習の第一歩にならないことを願いたい(C)MMAPLANET

10日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナでUFC 279「Chimaev vs Diaz」の公式計量が9日(金・同)に行われ、メインでネイトディアズと戦う予定だったカムザット・チマエフが8.5ポンドの大幅オーバーになったことを受け、メインカードが大幅にシャッフルされるという前代未聞の事態に陥っている。

上位3カードの計量結果は以下の通り。

<ウェルター級/5分5R>
カムザット・チマエフ: 178.5ポンド(80.96キロ)
ネイト・ディアス: 171ポンド(77.56キロ)

<ウェルター級/5分3R>
リー・ジンリャン: 170.5ポンド(77.34キロ)
トニー・ファーガソン: 171ポンド(77.56キロ)

<180ポンド契約/5分3R>
ケヴィン・ホランド: 179.5ポンド(81.41キロ)
ダニエル・ロドリゲス: 179ポンド(81.19キロ)


つまり体重オーバーはチマエフ1人。2018年5月に女子ストロー級で8ポンドオーバーだったマッケンジー・ダーンが、キャッチウェイトで──計量時に7ポンド差だったアマンダ・クーバーと対戦し、RNCで一本勝ちしたことがあったが、チマエフとネイトの体重差は7.5ポンドで、舞台裏でどのようなやりとりがあったのか分からないが、結論としてUFCが下した判断は上位カードをシャッフルすることだった。

メインはウェルター級5回戦でネイト・ディアス✖トニー・ファーガソン、コメインは180ポンド契約でケヴィン・ホランド×カムザット・チマエフ、そしてファーガソンと対戦予定だったリー・ジンリャンはホランドと戦うはずだったダニエル・ロドリゲスと180ポンド契約3回戦で対戦。

というように上位カードが本計量の結果に伴い、計量オーバーがない形で大改造され、PPVショーは実施されることに。

チマエフはスケールの上で薄ら笑いを浮かべ、ガッツポーズも見せていたが、UFCの発表では体調管理問題を理由にUFC医療チームから減量を中止するよう指導があったとのこと。

UFCではダナ・ホワイトがこの件について現地で取材を受けた模様をUFC公式SNSにアップし、「10年前とは違う。我々はドクターの指示を仰いだ。違う相手と戦うために時間を掛けてきた。そして、そうじゃない相手と戦う。でも我々はそうすることにしたんだ。ネイト・ディアスとトニー・ファーガソンの試合は、(※契約最終試合の)ネイトがUFCを離れるとファンが永遠に見ることができなくなる。チマエフとホランドは記者会見(※対戦カードごとに行われる予定が、5分で中止に)の時にバックステージでやりやった。なら試合で白黒つけさそうと。リー・ジンリャンとロドリゲスも良い試合だ。(※セレモニアル)計量が待ち切れない」という言葉が確認できる。

まさに何でも有り。UFCなら何でも許されるのか──ということだが、結論としてそうなのだろう。結果オーライの大シャッフルをファンは受け入れ、PPVの売り上げへの影響も最小限に止めることもできるに違いない。

とはいえ、階級制の格闘技としては全くもって好ましくない事態だ。今後、目玉カードで計量をオーバーをしても、UFCは大会を続けるために計量結果に伴ったカードの再編成をする──そんな風にファイターが考えるようになると、階級制の意義は崩壊してしまう。体重無差別から階級制に移行していったのは、選手の安全を守るためだ。

それでもUFCがイベントを決行するのは巨大化したビジネスを守るため。たった1つの体重オーバーで、業界の斜陽に向かう可能勢はゼロとはいえない。そしてUFCではオリジナル・ラインナップと見劣りしない対戦カードが揃えることができる。ファイターも試合を欲し、ファイトマネーを手にデキる。大シャッフルを全面的に否定はできない。とはいえ良識の最後のラインとして、5Rの準備をしてこなかった選手が5Rを戦うことだけは避けるべきではないのか。その準備をしてこなかった選手に5Rを戦わせるのは、それこそMMAがNHBと呼ばれていて時代に世間が受けれいなかった最大の要因、安全性という部分を蔑ろにしていることに通じる。せめてメインとコメイン、揃って3R制にしてほしかったところ。選手の安全を守るため、5Rを3Rにしてもファンは不満に思わないはずだ。

■視聴方法(予定)
9月11日(日・日本時間)
午前7時00分~UFC FIGHT PASS
午前11時00分~PPV
午前11時00分~WOWOWライブ

■UFC279対戦カード

<ウェルター級/5分5R>
トニー・ファーガソン(米国)
ネイト・ディアス(米国)

<180ポンド契約/5分5R>
カムザット・チマエフ(スウェーデン)
ケヴィン・ホランド(米国)

<180ポンド契約/5分3R>
リー・ジンリャン(中国)
ダニエル・ロドリゲス(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
アイリーン・アルダナ(メキシコ)
メイシー・シェエソン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ジョニー・ウォーカー(ブラジル)
イオン・クテレバ(モルドバ)

<フェザー級/5分3R>
ハキーム・ダラドゥ(カナダ)
ジュリアン・エロサ(米国)

<220ポンド契約/5分3R>
ジャイルトン・アルメイダ(ブラジル)
アントン・トゥルキャリ(スウェーデン)

<ミドル級/5分3R>
ジェイミー・ピケット(米国)
デニス・チュルリン(ロシア)

<ヘビー級/5分3R>
ジェイク・コリアー(米国)
クリス・バーネット(米国)

<女子フェザー級/5分3R>
ノルマ・ドゥモント(ブラジル)
ダニエル・ウォルフ(米国)

<バンタム級/5分3R>
チャド・アンヘリガー(カナダ)
アラテンヘイリ(中国)

<女子ストロー級/5分3R>
エリース・リード(米国)
メリッサ・マルチネス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ダリアン・ウィークス(米国)
ユアン・リネス(カナダ)

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【UFC279】ファーガソンと対戦、リー・ジンリャンから学ぶべきこと「居心地の良い場所から離れる」

【写真】アジアを代表するファイターであり続けるリー・ジンリャン(C)MMAPLANET

10日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催されたUFC 279「Chimaev vs Diaz」で、アジアの大砲=リー・ジンリャンがトニー・ファーガソンと対戦する。

UFC在籍も8年以上、手にした勝ち星は11となった彼は現在、中国を離れてフロリダに拠点を置き、キルクリフFCでトレーニングを積んでいる。彼個人でなく、若いチームメイトを帯同しての米国滞在──我々は世界の最高峰のPPV大会でコメインを戦うリー・ジンリャンから学べることがあるはずだ。


リモート取材後にスクショをお願いすると、必ず通訳をしてくれるマネージャー氏とツーショットを彼は欲する

──キャリア最大の一番といっても過言でないトニー・ファーガソン戦が迫ってきました。今の調子はいかがですか。

「最高だよ。前回の試合では全くケガもなかったから、すぐにトレーニングに戻った。そしてUFCに少しでも早くオクタゴンに戻りたいって伝えていたんだ。個人的には来週のソン・ヤードンがコリー・サンドハーゲンとメインで戦う大会で戦いたいってね。でもUFCのオファーは、それより早かった(笑)。4月に米国にやってきた目的は、今年はもっと試合をするためだったから、その通りになっているよ。しかもファーガソンのようなレジェンドとオクタゴンをシェアできるって、完璧だよ。光栄だし、彼と全てのMMAが喜ぶ試合をするよ」

──ファーガソンは4連敗中です。ただし、その相手は世界のトップ中のトップでした。その彼がウェルター級に階級を上げてくることをどのように思っていますか。

「彼の直近の試合、4つの敗戦は全てチェックした。敗因はゲームプランを実行できていないからだ。そして対戦相手はファーガソンを研究しているのに対し、彼はそこまで相手のことを学習していなかった。そうなると凄くハイレベルな相手には勝てない。ただし、今回はウェルター級で階級を上げてきたこともあり、きっと自分のことも十分に研究しているに違いない。それでもファーガソン云々ではなく、自分が如何に戦うかだよ。僕は自分の戦いを貫く。今、思っていることはそれだけだよ。

確かにファーガソンは4連敗中だ。でも、そこはこの試合に関係ない。その4試合でファーガソンは色々なことを学んできたはずだから。僕らプロアスリートの活動期間は長くない。だからファイターはしっかりとコンディションを整えて戦わないといけない。UFCはそういう選手たちの集まりだ。それでも、選手っていうのはいつか負ける日がやってくるんだ。

だから僕らは他人が何を言おうが、気にする必要はない。自分を信じることさ。自分がベストだということに疑いを持つと、試合で勝てなくなる。そこがMMAを戦い続ける上で最も重要なことだよ。自分を嫌う人間のことなんて無視すれば良い。自分のことを大切に思ってくれる家族、コーチ、チームメイトとの関係を信じて、SNSでゴチャゴチャうるさいことを言ってくる連中のことなんて気にしなければ良いんだ。

それでも許せないことを書きこむなら、こう言ってやれば良い──「おい、オクタゴンで言ってみろ」ってね(笑)」

──アハハハ。実は先月キルクリフFCで練習を見せてもらったのですが、本当に懸命に取り組んでいましたね。

「南フロリダは最高の場所だよ。暑くて、汗をいくらでもかけるから体重を落としやすい。ジムのチームメイトもコーチも、素晴らしいよ。特にウェルター級は世界中からトップファイターが集まっている。最高の練習ができるんだ。フーフト夫妻はいつもジムに来て、全選手のケアをしてくれる。これ以上の練習環境はないよ」

──他の中国人選手をキルクリフFCに帯同していますね。

「今回、シャイラン・ヌルダンベクとバハトプールゥ・バトボラティという僕より若い選手をチャイナ・トップチームから連れてきたんだ。彼らを米国に連れてきたのは、しっかりと米国の現実を見て欲しかったから。MMAファイターは海外での練習が必要だと思っている。色々な国の選手とスパーリングをするためにもね。経験を積むために欠かせないことだよ。

シャイランは既にUFCで戦っている。バハトプールゥはLFAと契約しているんだ。彼にとって初めての米国の練習であり、試合でもあった。最初の試合は減量に問題があって負けてしまった。全く米国で戦うこと全てに慣れていなかったよ。でも2試合目は勝てた。1試合目の経験が生きたんだ。彼は凄く成長している。米国での滞在の全てが、バハトプールゥの成長を促しているんだよ」

──今、UFCでは中国勢はアジアの最大の勢力です。日本人の契約は5人。日本人ファイターもリー・ジンリャンの学ばないといけないですね。日本が中国から学ぶべきことは何でしょうか。

「中国となると、僕も分からないけど──自分の経験を日本の若い選手とシェアできるなら、居心地の良い所から離れろってことかな。犠牲を伴うことで、視野が広がる。海外に行って、レベルの高い選手と練習することで当然成長できるけど、それには日本で生活するよりもコストが掛かる。家族と一緒にいることもできない。自分達の食べ物も気軽に食べるは不可能だ。色々なことを犠牲にしないといけないけど、成功を掴むには必要なこと。

僕は2000年代の初めにPRIDEによって、MMAを知った。このスポーツを愛してしまった。それからはMMAをやり抜くために、ありとあらゆる困難と向き合ってきたよ。心地良い場所に居続けていたら、成功はできないということだよ」

──今日はありがとうございました。次回、フロリダに行った時はぜひとも手料理を食べさせてください。佐藤天選手が、リー・ジンリャンは素晴らしいシェフだと言っていました(笑)。

「もちろんだよ。ノープロブレム。ウェルカムだ。サトーは最高のヤツだな(笑)」

■視聴方法(予定)
9月11日(日・日本時間)
午前7時00分~UFC FIGHT PASS
午前11時00分~PPV
午前11時00分~WOWOWライブ

■UFC279対戦カード

<ウェルター級/5分5R>
カムザット・チマエフ(スウェーデン)
ネイト・ディアス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
リー・ジンリャン(中国)
トニー・ファーガソン(米国)

<180ポンド契約/5分3R>
ケヴィン・ホランド(米国)
ダニエル・ロドリゲス(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
アイリーン・アルダナ(メキシコ)
メイシー・シェエソン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ジョニー・ウォーカー(ブラジル)
イオン・クテレバ(モルドバ)

<フェザー級/5分3R>
ハキーム・ダラドゥ(カナダ)
ジュリアン・エロサ(米国)

<220ポンド契約/5分3R>
ジャイルトン・アルメイダ(ブラジル)
アントン・トゥルキャリ(スウェーデン)

<ミドル級/5分3R>
ジェイミー・ピケット(米国)
デニス・チュルリン(ロシア)

<ヘビー級/5分3R>
ジェイク・コリアー(米国)
クリス・バーネット(米国)

<女子フェザー級/5分3R>
ノルマ・ドゥモント(ブラジル)
ダニエル・ウォルフ(米国)

<バンタム級/5分3R>
チャド・アンヘリガー(カナダ)
アラテンヘイリ(中国)

<女子ストロー級/5分3R>
エリース・リード(米国)
メリッサ・マルチネス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ダリアン・ウィークス(米国)
ユアン・リネス(カナダ)

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MMA MMAPLANET o UFC UFC274 ノルマ・ドゥモント メイシー・シェエソン

【UFC274】メイシー・シェエソン、ノルマ・ドゥモントに打撃の間合いを創らせずスプリット判定勝ち

<146.5ポンド契約/5分3R>
メイシー・シェエソン(米国)
Def.2-1:30-27.30-27.28-29
ノルマ・ドゥモント(ブラジル)

ドゥモントの計量失敗でキャッチウェイト戦となった1戦。シェエソンが左の蹴りを見せ、間合いを測る。右ジャブで前に出るシェエソンを右で迎え撃つドゥモントは、ローにワンツーを合わせていく。ドタバタとした感のある序盤の先手を争う展開のなかでシェエソンが左ミドル、ドゥモントの右オーバーハンドが目立つ。シェエソンが組んでボディロック、離れ際にドゥモントが右を狙う。

右オーバーハンドに続く左フックを当てたドゥモントは、ハイをブロックしてみぎおーばーハンドを振るう。シェエソンも右をヒットさせ、圧争いで挽回を計る。前進力で打撃を入れるシェエソンに対し、待ち構えてパンチを打っていくドゥモントだが右を空振りし最後にテイクダウンを許した。

2R、ワンツーから左ミドルを放つシェエソンに、ドゥモントが前蹴り。カウンター狙いのドゥモントは、打撃に注意を払い過ぎか簡単に組みを許してしまう。ケージに押し込まれたドゥモントはダブルレッグを切ったが、ボディロックから前方に崩されバックを取られそうになる。前方に落とされたシェエソンは、打撃戦でなく組みを選択するように。打撃の威力のある距離、空間を潰されたドゥモントはケージに詰められた状態が多いラウンドとなった。

最終回開始早々、右とワンツーを打ち込んだドゥモントだが、シェエソンは組んでボディロックに取りテイクダウンを決める。すぐに立ち上がったドゥモントは掌底を打ち、左腕を差し返す。右も差してスペースを創ったドゥモントだが、すぐにシェエソンが組んでいく。

ブーイングのなか、ボディロックテイクダウンを続けるシェエソンは倒した瞬間に切り返され下になる。即、リバーサルからスクランブルに持ち込んだシェエソンだが、しっかりと距離を取ったドゥモントがワンツーを決める。懸命に殴るスペースを創ろうとするがシェエソンが組んで潰す。打撃はパワーが分散するシェエソンだが、組みでは圧が増してドゥモントに自由を許さなかった。

とはいえ、あの押し込むをジャッジがどこまで評価するか。スプリットに割れ、結果はシェエソンが判定勝ち──ファンはブーイングで反応したが、ファンの目でなくジャッジの目として組みを評価する北米MMAらしさが見られた裁定。殴りたければ、殴る距離を組みに対して創らなければいけない──MMAがMMAとして存在するための裁定だったといえる。


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