カテゴリー
45 Report UFC UFC309 ジョナサン・マルチネス ブログ マーカス・マギー

【UFC309】最終回にローを効かせたマルチネスだが時すでに遅し。1・2Rを手数で圧倒したマギーが判定勝利

<バンタム級/5分3R>
マーカス・マギー(米国)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
ジョナサン・マルチネス(米国)

サウスポー同士の両者。マギーが右ミドルと左ロー、ジャブから左ミドルと左前蹴りで距離を取る。マルチネスも左カーフを蹴るが、マギーはパワフルなパンチで前に出る。一旦距離が離れるとマルチネスは左右のローを蹴って、ワンツーから右フック、ジャブをボディに振って、体を沈めての右ハイキックと手数を増やす。

マルチネスはじりじりと前に出て、マギーはジャブと左ロー、ワンツー、細かくジャブを突く。その後もマギーが距離を取りつつジャブから左ミドル、左ロー、インローと細かく攻撃を繰り返す。前に出るマルチネスもジャブと左ローを見せるが攻撃の数は少ない。逆にマギーはクリーンヒットはないものの、ワンツー、ジャブと前蹴り、左ストレートから右アッパー、左ロー、ワンツーと攻撃の手を休めなかった。

2R、マギーがジャブから左ハイ、ワンツー、左から右フック。マルチネスが左ローを返すも、マギーはジャブから細かいパンチで前に出ていく。その後も前には出るマルチネスだが、マギーが左ストレート、右ボディ、左ロー、ジャブ、ワンツーと攻撃を繰り出す。マルチネスがスピニングバックフィストを見せると、マギーはしっかりとブロックする。

マギーは前に出るマルチネスに対してパンチからヒザ蹴りを突き上げ、細かいパンチから左ロー、ボディブローにつなげる。マルチネスは左ストレートを振り抜き、マギーのパンチに左の縦ヒジを狙う。やや手数が増え始めたマルチネスだが、マギーは距離を取りつつジャブを返す。終了間際、マルチネスが強烈な左ローを蹴った。

3R、じりじりと前に出るマルチネス。マギーはジャブを顔とボディに打ち分けて左カーフ、ワンツー、左ストレートからパンチをまとめてボディブローにつなげる。なかなか手数が増えないマルチネスだったが左ローを蹴ると、この一発でマギーが大きくバランスを崩す。明らかに右足にダメージを追ったマギーはオーソドックスにスイッチし、右ストレートから前に出る。組みついたマルチネスは右腕を差してマギーをケージに押し込むと、マギーもテイクダウンを許さない。

試合がスタンドに戻るとマルチネスがすかさず左ロー。再びこれでマギーがバランスを崩す。踏ん張るマギーも右ストレートで突っ込んでマルチネスにローを蹴らせない。前に出るマルチネスに対し、マギーは細かいパンチで追撃を許さず試合終了。3Rにローを効かされたマギーだったが、1・2Rを手数で圧倒して判定勝利を収めた。


The post 【UFC309】最終回にローを効かせたマルチネスだが時すでに遅し。1・2Rを手数で圧倒したマギーが判定勝利 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 MMA MMAPLANET o ONE UFC UFC309 YouTube   アレクサンダー・グスタフソン エドゥアルダ・モウラ エリク・アンダース オーバン・エリオット カリーニ・シウバ ゴードン・ライアン シャーウス・オリヴェイラ シリル・ガンヌ ジム・ミラー ジョナサン・マルチネス ジョナタ・ジニス ジョン・ジョーンズ スタイプ・ミオシッチ セルゲイ・パブロビッチ デヴィッド・オナマ トム・アスピナル ドミニク・レイエス ハメ・ジョントップ バシル・ホフェス ファブリシオ・ヴェウドゥム フランシス・ガヌー ボー・ニコル ポール・クレイグ マイケル・チャンドラー マウリシオ・ショーグン マウリシオ・ルフィ マルチン・ティブラ マーカス・マギー ミッキー・ガル ラミズ・ブラヒメジ ロベルト・ロメロ ヴィヴィアニ・アロージョ

【UFC309】展望 余人をもって代え難き存在=ジョーンズ×普通の男であることに価値を置くミオシッチ

【写真】持ち過ぎた才能が、人生を狂わせながら強さは絶対のジョン・ジョーンズ。そして強さを求めて、幸福な人生を歩むこととなったミオシッチ。対照的な強者の戦いだ(C)Zuffa/UFC

16日(土・現地時間)ニューヨーク州ニューヨークシティのマジソン・スクエア・ガーデンにてUFC 309「 Jones vs Miocic」が行われる。由緒ある大会場におけるメインイベントは、事実上無敗で二階級制覇を達成したジョン・ジョーンズに、元王者のスタイプ・ミオシッチが挑むヘビー級タイトルマッチだ。
Text by ISAMU HORIUCHI

王者JJは、実に13年半前の2011年3月にマウリシオ・ショーグン・フアを3RTKOに下してライトヘビー級王座を獲得すると、6度の防衛に成功し長期政権を築いた。しかし、その後はコカイン使用、ひき逃げ、禁止薬物使用といったさまざまな問題行動を起こして3度に渡って王座を剥奪されてしまう。だがそのたびに復活しては、恐るべき強さで王座復帰を果たしてきた。

さらに2020年には飲酒運転&発砲事件による逮捕を経て、自ら王座を返上。ヘビー級への転向の意志を明らかにするが、その翌年にフィアンセへの家庭内暴力で再逮捕された。


それでも昨年3月には宣言通りヘビー級で復帰。シリル・ガンヌとの王座決定戦において1Rわずか2分でギロチンチョークで仕留め、二階級制覇を達成している。オクタゴン内での絶対的な強さにおいても、その内面に棲まうデーモンの巨大さにおいても余人をもって代え難き、格闘技の矛盾を最大限に体現する存在だ。

対するミオシッチは、8年半前の2016年5月にファブリシオ・ヴェウドゥムを敵地クリチバで1RKOに下し、ヘビー王座を獲得。その後アリスター・オーフレイム戦ジュニオール・ドスサントス戦フランシス・ガヌー戦とヘビー級王座3連続防衛というUFC新記録を樹立した。その後ダニエル・コーミエに敗れるも、リマッチで勝利して王座奪還に成功。が、21年3月にフランシス・ガヌーとの再戦に敗れて再び王座を明け渡している。

ちなみにミオシッチは、以前からファイターであると同時に消防士としての職を持ち続けている。仕事で地域に貢献し、家庭でも妻と子供を大切にする「普通の男」であることに何よりも価値を置く、JJとはあらゆる意味で対照的な生き方を実践している。

2022年にはフルタイムの消防士となったことが報じられ、ミオシッチは幸せな引退を果たしたと考える向きも多かった。しかし昨年3月、上述のようにガンヌを倒したJJがオクタゴンの上で「みんな、俺がスタイプを倒すところが見たいか? スタイプよ、練習してくれていると嬉しいぜ。あんたは歴史上のグレーテイストヘビーウェイトだ。あんたと戦いてえんだ。ものすごくな!」と不敵な笑顔で宣戦布告。11月に復帰してJJへの王座挑戦が決まった。

だが、この大一番に向けての練習中にJJが胸筋断裂の大怪我を負ってしまい、手術と半年以上の治療期間を要することが判明し欠場を余儀なくされてしまう。ここでUFCは、当日のバックアップファイターとして用意されていたセルゲイ・パブロビッチとミオシッチの暫定王座戦を行うことはせず、パブロビッチとトム・アスピナルによる暫定王者決定戦を敢行し、1R1分でKO勝利したアスピナルが王座に就いた。

強引な措置とも言えるが、デイナ・ホワイトUFC代表は「ミオシッチ対JJはレガシーファイト。歴史上最も偉大なヘビー級王者と、歴史上最も偉大なミックストマーシャルアーティストの激突だぞ。レジェンド二人の対決をファンも見たいし、私も見たいし、両者ともやりたがっている。スタイプに暫定王座戦を戦ってくれなどと頼むこと自体、まったくもって失礼な話だよ」と説明した。両者のカードは、競技の理屈をスキップしてでもUFCが実現させたいメガファイトということだ。

その後アスピナルがまたしても1分KOにて暫定王座を防衛する間に、正規王座のJJは手術を経てリハビリを完了。一年の延期を経て、今回──暫定王者として圧倒的に勝ち続けているにもかかわらず挑戦できない気の毒なアスピナルが「老いぼれどもによる、異議にまみれたタイトル戦だ」と毒づくのをよそに──ついにミオシッチとの防衛戦がついに実現することとなった。

長年パウンドフォーパウンドランキングのトップに君臨し、一年前には体にかなり脂肪が乗ったヘビー級としても圧巻の強さを見せつけた37歳のJJと、片や42歳にして3年8ヶ月ぶりの復帰戦となるミオシッチ。当然下馬評は圧倒的にJJ有利だ。

が、もしミオシッチが王者時代に劣らぬコンディションでJJの前に現れれば話は別だ。全てに卓越した王者JJだが、最大の武器はレスリングをベースとした圧巻のグラップリング力。相手が組みを警戒するからこそ、JJはスタンドでオクタゴン中央を取りプレッシャーをかけつつ、他の追従を許さない創造性に溢れた攻撃を交えて距離を支配することができる。

ただし体格に勝りレスリングにも長けたミオシッチは、JJのテイクダウンを恐れずスタンドで逆に圧をかけてくるだろう。仮にミオシッチがJJのテイクダウンや寝技を凌ぎ、スタンドで前に出る展開が生まれれば、俄然試合は興味深いものとなる。アルロフスキー、ヴェウドゥム、オーフレイム、ドスサントスといった名だたるヘビー級王者たちを沈めてきた一撃必殺の右を持つミオシッチの圧力を、手を開いた柔らかい構えと関節蹴り等独自の武器を用いて間合いを作る──しかしライトヘビー時代の機動力はないと思われる──JJがいかに捌くのか。

ここで忘れてはならないのは、苦境に陥った時の強さこそがJJの真骨頂だということだ。かつてJJは、1度目のアレクサンダー・グスタフソン戦ドミニク・レイエス戦で前半は思うようにテイクダウンを取れず大苦戦を強いられたことがある。が、いずれも後半に驚くべき精神力とスタミナを発揮。何より勝利への執着心が試される極限状況下にて、前に出て挑戦者を削り続けて圧倒して逆転勝利をもぎ取っている。

また、JJと組技の練習を重ねる世界最強のグラップラー、ゴードン・ライアンは、「グラップリングのみの練習でも、ジョンは展開に応じて直感的にゲームプランを変えることができるんだ。また、一つのことを教えると、たちまちそれを別の部分でも応用できてしまう」とJJの真の強さは試合中の適応力や応用力にあると語る。

試合が競った展開になればなるほど、JJの恐るべき勝利への執念、適応力、創造力を我々が目にする可能性は高まる。

今回、JJ自身も己の全てを出し尽くすフルラウンドの戦いを予期している模様だ。「お互いにとって長い夜になるだろう。相手の心臓を皿に盛りつけてみんなの前で食らうのは格別だ。奴を深海に引き摺り込んで溺死させてやる。スタイプの技術じゃなく、心臓に襲いかかるつもりだ」と、心にダークサイドを秘めた者ならではの発言でその覚悟を語っている。

相手を罵ることはもちろん、試合前には多くを語りたがらないミオシッチも「ライトヘビーで戦ってきたジョンは、俺のような相手と戦ったことはない。試合が開始すればすぐに体感するはずだ」と自信をのぞかせている。

適正階級ではない怪我上がりの38歳と、3年8ヶ月ぶりに戦う42歳の戦いでありつつも、まごうことなきMMAレジェンド二人による重量級スーパーファイトであるこの試合。UFCヘビー級最多防衛記録を持つミオシッチが、MMA史上最高のファイターと呼び声高いJJを追い詰めることで、その奥深くにさらに眠っている力が呼び覚まされる──そんな極限の戦いを期待したい。

■視聴方法(予定)
11月17日(日・日本時間)
午後8時00分~UFC FIGHT PASS
午前11時~PPV
午後7時 30分~U-NEXT

■UFC309対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] ジョン・ジョーンズ(米国)
[挑戦者] スタイプ・ミオシッチ(米国)

<ライト級/5分5R>
シャーウス・オリヴェイラ(ブラジル)
マイケル・チャンドラー(米国)

<ミドル級/5分3R>
ボー・ニコル(米国)
ポール・クレイグ(英国)

<女子フライ級/5分3R>
カリーニ・シウバ(ブラジル)
ヴィヴィアニ・アロージョ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
マウリシオ・ルフィ(ブラジル)
ハメ・ジョントップ(ペルー)

<バンタム級/5分3R>
ジョナサン・マルチネス(米国)
マーカス・マギー(米国)

<ミドル級/5分3R>
クリス・ウェイドマン(米国)
エリク・アンダース(米国)

<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー(米国)
デイモン・ジャクソン(米国)

<フェザー級/5分3R>
ロベルト・ロメロ(メキシコ)
デヴィッド・オナマ(ウガンダ)

<ヘビー級/5分3R>
マルチン・ティブラ(ポーランド)
ジョナタ・ジニス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ミッキー・ガル(米国)
ラミズ・ブラヒメジ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
オーバン・エリオット(英国)
バシル・ホフェス(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ベロニカ・ハルディ(ベネズエラ)
エドゥアルダ・モウラ(ブラジル)

The post 【UFC309】展望 余人をもって代え難き存在=ジョーンズ×普通の男であることに価値を置くミオシッチ first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 AB MMA MMAPLANET o ONE UFC UFC300 UFC309 YouTube エドゥアルダ・モウラ エリク・アンダース オーバン・エリオット カリーニ・シウバ コディ・ブランデージ シャーウス・オリヴェイラ ジム・ミラー ジョナサン・マルチネス ジョナタ・ジニス ジョン・ジョーンズ デヴィッド・オナマ ハメ・ジョントップ バシル・ホフェス ボクシング ボー・ニコル ポール・クレイグ マイケル・チャンドラー マウリシオ・ルフィ マルチン・ティブラ マーカス・マギー ミッキー・ガル ラミズ・ブラヒメジ ロベルト・ロメロ ヴィヴィアニ・アロージョ

【UFC309】UFC300の次はMSG、6勝6フィニッシュのNCAA3冠=ボー・ニコル「マッシブなポスチャーを」

【写真】とても穏やか。そして拙い英語へもPatienceしてくれます (C)MMAPLANET

16日(土・現地時間)、ニューヨーク州ニューヨークシティのマジソン・スクエア・ガーデンでUFC 309「Jones vs Miocic」が開催される。
Text by Manabu Takashima

同大会のメインカード、コメイン前でキャリア7戦目、UFCでは4戦目となるボー・ニコルがポール・クレイグと戦う。NCAAを制すること3度、MMAに転向後は5試合連続で初回フィニッシュ。前回のUFC300におけるコディ・ブランデージ戦で初めて2Rを経験も、全試合フィニッシュ記録は更新している。

ガードからの三角絞めと腕十字に特別な強さを見せるクレイグ戦を前にニコルにインタビューをすると、MSGで戦うことの特別さが伝わってきた。


──今週末のポール・クレイグ戦に向けて、今の気持ちを教えてください。

「最高の気分だよ。ただ減量という一番気が滅入る時間帯を向けているけどね。そこ以外は何かも素晴らしいよ」

──NCAAを3度制したレスラーなので減量は手慣れたモノという印象があるのですが、それでもやはり気が滅入るものなのですね。当日計量だったレスラー時代と、前日計量のMMAとはまた違うものですか。

「そりゃあレスリング時代の方がきつかったね。試合まで時間もなくて、リカバリーもそれほどできない。と同時に、レスリングではMMAほど体重を落とさない。レスリングもMMAも直接比較すると楽な部分もどちらにもある。でも、全てをひっくるめるとレスリングの減量の方がしんどいね。とにかく計量後1時間で試合が始まる。これはタフだよ」

──ではMMAを戦うようになってリカバリーには、レスリング時代にない知識も必要になったということは?

「そこに関しては、凄く科学的な減量方法を取り入れているから問題ないよ。確かに細かい失敗はあったけど、全ての経験が生きてきている。毎回、しっかりとその時に合ったカットとリカバリーをしてきたしね」

──ところで前回の試合は初めて2Rを経験しました。5分以上戦ってどのような印象を持ちましたか。

「ハハハハ。いう間でもなく、良い経験になったよ。ケージの中に以前より長くいることができたのは良かった。9分間戦っても何も問題はないばかりか、より動けることが確認できたんだ。フレッシュなままだったよ。コンディションとスタミナに自信が持てるようになった」

──押忍。前回のUFC300は誰もが認める歴史的なショーでした。そして今回はMSGでのファイトになります。28歳のボーにとって、MSGで戦うことは特別なのでしょうか。

「そりゃあそうさ。この機会を得られたことは、最高に光栄に感じている。ものすごく歴史のある会場……MMAだけでなくバスケットボール、アイスホッケー、ボクシングの名勝負が繰り広げられた来た。ガーデンに一歩足を踏み入れると、その伝統と威厳が感じられるんだ。そういうエネルギーを得て、今週末は戦えると思うとワクワクしてくるよ。

ただ大観衆の前で戦うのとは、違う。なんというのか、特別な感覚……それを心の底から感じられそうだ。確かに米国にはもっと大きくて、近代的な会場も増えている。スフィアなんて、その最たるものだよね。

ただニューヨーク、マンハッタンのど真ん中で戦うことは特別だ。アリーナの壁に飾れた数々のポスターからも、あの場で何が行われたのかが伝わってくる。その歴史の重みは皆が共有しているんだよね。今回の試合にサインしたことを伝えると、皆が『おぉ!! MSGで戦うのか!!』って興奮していたから」

──米国の人は格別、その感覚を持っているのでしょうね。そのMSGで戦う相手ポール・クレイグは、ボトムからの三角絞めと腕十字に特別な強さを見せるファイターです。

「危険な相手だ。UFCにおける戦績を見ても、それが証明されている。経験に裏付けされたサブミッションの使い手で、僕としては冷静かつ自信を持って戦う必要がある。焦って戦いたくない。過去に経験したたことがない試合になるだろうから、我慢強く戦うことが自分を助けてくれると思う。それでも、しっかりとポジションを考えて戦うと、サブミッションの餌食なることはないだろう」

ポール・クレイグはUFCで9勝8敗。4試合が三角絞めで勝っている(C)Zuffa/UFC

──ボーも既に仕留め方を心得ているかと思います。

ただし、ボーはレスラーです。テイクダウンからトップコントロールという常套手段が、クレイグの望む戦場になるということが特異な状況です。

「アームバーやトライアングルをセットするまでに、上手くパンチやエルボーを使っている。辛抱強く、三角絞めや腕十字の機会が訪れるのを待つことができるファイターだ。その時が来たら、全力でフィニッシュに掛かる。その機会を与えない。それが僕に必要になってくることは間違いない。あのハイガードを取れないと、彼にはチャンスはない。そのためのコントロールを僕ができるのかだよ」

(C)Zuffa/UFC

──ボーのポスチャーに要注目です。

「そこはしっかりと、やってきた。ポスチャーが悪くて、頭が下がっていることを僕らはデンジャーゾーンと呼んでいるんだ。しっかりとポスチャーができていれば、打撃を叩きこむことができる。ポスチャーに関しては、トレーニングキャンプの軸だったといえる。徹底的に考え、対策をこうじてきた。マッシブなポスチャーを見せるよ」

──ただ寝技に付き合わない戦いもMMAには存在しています。

「つまりは打撃だよね。今回のファイトキャンプ以前から、最高のコーチの下でストライキングを学んできた。打撃に関しては、僕にアドバンテージがある。彼の方が経験値は高いけど、僕の方が若くて速く、パワーもある。スタンドでの勢いのある打撃のある攻防は、ポールの弱点だ。立ち技は絶対的に僕の方が上だよ。

テイクダウンの機会があればするし。そうでなかったとしても、どの局面でも問題ない。それだけファイトキャンプで準備は整えてきたからね」

──ボー、今週末の試合を楽しみにしています。最後に日本のファンにメッセージをお願いできますか。

「UFC309を日本のファンにも楽しんでもらいたい。いつか日本を訪れて東京、地方、富士山に行きたいんだ。僕はMMAもそうだし、日本のレスリングの大ファンでもあるんだ。レスリング時代はタツヒロ・ヨネミツ(米満達弘。2012年ロンド五輪フリースタイル66キロ級金メダリスト)、今はリンヤ・ナカムラ、キョージ・ホリグチという友人がいる。日本のファンの応援に感謝しているよ」

■視聴方法(予定)
11月17日(日・日本時間)
午後8時00分~UFC FIGHT PASS
午前11時~PPV
午後7時 30分~U-NEXT

■UFC309対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] ジョン・ジョーンズ(米国)
[挑戦者] スタイプ・ミオシッチ(米国)

<ライト級/5分5R>
シャーウス・オリヴェイラ(ブラジル)
マイケル・チャンドラー(米国)

<ミドル級/5分3R>
ボー・ニコル(米国)
ポール・クレイグ(英国)

<女子フライ級/5分3R>
カリーニ・シウバ(ブラジル)
ヴィヴィアニ・アロージョ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
マウリシオ・ルフィ(ブラジル)
ハメ・ジョントップ(ペルー)

<バンタム級/5分3R>
ジョナサン・マルチネス(米国)
マーカス・マギー(米国)

<ミドル級/5分3R>
クリス・ウェイドマン(米国)
エリク・アンダース(米国)

<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー(米国)
デイモン・ジャクソン(米国)

<フェザー級/5分3R>
ロベルト・ロメロ(メキシコ)
デヴィッド・オナマ(ウガンダ)

<ヘビー級/5分3R>
マルチン・ティブラ(ポーランド)
ジョナタ・ジニス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ミッキー・ガル(米国)
ラミズ・ブラヒメジ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
オーバン・エリオット(英国)
バシル・ホフェス(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ベロニカ・ハルディ(ベネズエラ)
エドゥアルダ・モウラ(ブラジル)

The post 【UFC309】UFC300の次はMSG、6勝6フィニッシュのNCAA3冠=ボー・ニコル「マッシブなポスチャーを」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 MMA MMAPLANET o UFN UFN234 ガストン・ボラノス キック ショーン・シェルビー マーカス・マギー

【UFN234】前に出るボラノスを的確に打ち抜いたマーカス・マギーが、最後は左ストレートで仕留める

<バンタム級/5分3R>
マーカス・マギー(米国)
Def.2R3分29秒by TKO
ガストン・ボラノス(ペルー)

スイッチするボラノスが、蹴り足を掴んでマギーを崩す。ボラノスはスタンドで待ち受け、様子見の打撃を両者が遠い距離で続ける。マギーの左に右を被せて行ったボラノスはスイッチを繰り返す。ボラノスの右にワンツーを返したマギーが、同じコンビからダブルレッグへ。ケージに押し込まれたボラノスは、テイクダウンを許さず打撃の間合いに戻った。

飛びヒザ見せたマギーが、近い距離のパンチのコンビで左を当てる。続いてボラノスが前に出てきたところに左を合わせたマギーは、ワンツーからフックの連打で優勢に。笑顔を見せたボラノスは左右のフックを被弾して姿勢を乱しながら組んでいったが、崩されてトップを取られる。立ち上がって足を捌きつつパウンドを落とすマギーは、立ち上がろうとしたボラノスに右を打ち込む。そのままバックを取り、左のパンチをワキの下か連続で打ちこむ。足を止めての打ち合いに応じたボラノスがサバイブした。

2R、ボラノスの前進に左右のフックを放ち、右をヒットさせたマギー。ガードを固めるボラノスだが、足が止まっておりパンチの打ち終わりに姿勢が乱れるようになっている。果敢に前に出るが、被弾する数も増えたボラノスは左目尻をカットし、流血も目立つ。ショートフックのコンビから、一旦間合いを取り直したマギーが、左からスピンングバックキックをボディに決める。

ボラノスも右を当て、積極的に前に出る。しかし、マギーの左ハイのあとで右を伸ばすと、前のめりでノーガードとなり右フックを打ち抜かれ前方にダウン。立ち上がったボラノスはハイをガードするが、近距離でパンチの餌食に。間合いを測ろうと右に回ったボラノスは後ろ回し蹴りから左ストレートで腰が落ち、レフェリーが試合を止めた。

「次の相手、僕は誰も使命しない。ショーン・シェルビーの決めてくれる。彼の仕事を信じている」と攻撃だけでなく、コメントも見事にまとめた。


The post 【UFN234】前に出るボラノスを的確に打ち抜いたマーカス・マギーが、最後は左ストレートで仕留める first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 AB BELLATOR DEEP MMA MMAPLANET o PFL UFC UFN UFN233 UFN234   アンドレイ・オルロフスキー ウェスティン・ウィルソン ガブリエル・ベニテス ジアン・シウバ ジム・ミラー ジャック・ショア ジョシュア・ヴァン ジョニー・ウォーカー ソン・ヤードン トム・ノーラン ハファエル・アスンソン ファリド・バシャラット フィリッピ・ブニス フィル・ホーズ ブライアン・ケレハー ブルーノ・フェヘイラ ベニト・ロペス マゴメド・アンカラエフ マテウス・ニコラウ マネル・ケイプ マラブ・デヴァリシビリ マリオ・バウティスタ マーカス・マギー リッキー・シモン ワルド・コルテスアコスタ

【UFN234】計量終了 マネル計量失敗。ジム・ミラー=最多勝利更新は? シモン✖バウティスタも注目

【写真】BellatorやPFLでも世界戦クラスの対戦といえるシモン✖バウティスタ(C)Zuffa/UFC

13日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN234:UFN on ESPN+92「Ankalaev vs Walker2」の計量が12日(金・同)に行われマネル・ケイプがクリアできず、マテウス・ニコラウ戦がキャンセルされている。
Text by Manabu Takashima

ファイトウィークに入ってからも、インタビューでリベンジに自信満々だったケイプだったが、129.5ポンドと1ポンド・オーバー規約からも3.5ポンドも超過。

一応、フェイスオフまで済ませたが試合は不成立となり不戦敗、あるいは失格に等しい計量失敗劇となってしまった。


日本のファンからすれば今大会の一番の注目ファイトが消滅したわけだが、残す12試合にはニコラウ✖ケイプに代わるというわけにもいかないが、世界最高峰だけあった楽しみなカードは十分に残っている。

とりわけ注目したいのはリッキー・シモンとマリオ・バウティスタのバンタム級マッチだ。オクタゴン8勝3敗のシモンと同7勝2敗のバウティスタ、シモンがランキング13位でバウティスタはランク外の対決ではあるが、Bellatorなら世界タイトル戦線、PFLではプレーオフというステージで戦っていもおかしくない実力者がぶつかる。

シモンは4月にソン・ヤードンに敗れたものの過去にジャック・ショアに17戦目でキャリア初黒星をつけ、ハファエル・アスンソン、ブライアン・ケレハー──なんといっても、今や同級を代表する実力者マラブ・デヴァリシビリをも破っている。

対してバウティスタはDEEPで強さを見せつけたソン・ジンス、そしてマイルス・ジョンズ、ベニト・ロペスというフィーダーショーのチャンピンクラスを下しており、トップ15と変わりない実力者と断言できる。

シモンの強味は回遊魚ファイトと称してしまいたくなる、止まらないスタイルだ。瞬発力、耐久力、そして無駄を省いた動き、体力のロスを少なくしたエフィシェンシー(効率性)の高さで、対戦相手を追い込んでいく。豪快なスラムも、タイミングの良さで力を使うという風ではない。とにかく動き続け、相手にリアクションさせることで自分を貫くのがシモンのスタイルだ。

バウティスタも打、テイクダウン、寝技&極めのあるファイターで、動きを止めない。ただし、シモンと比べるとフィニッシュへの筋道のあるファイトといえる。バウティスタのアクションは、対戦相手もリアクションを取りやすい。つまり想定内の攻撃が多く、相手が崩れることはそれほど期待できない。よって頼りは自らのアクション。それがバウティスタの突破力となる。

バウティスタの動きがアクションなのか、リアクションなのか。ここがノンストップファイトの鍵を握るといえるだろう。

またコメインに昇格しガブリエル・ベニテスと相対するジム・ミラーは、UFC歴代1位の勝ち星を26に伸ばすことができるのか。

ここも見逃せない対戦といえよう。オクタゴン実働15年の鉄人は、過去5戦を4勝1敗と大きく勝ち越しており15年もの間、年に2試合もしくは3試合とコンスタントに実戦を経験してきた。

それだけケガがなく、良好なコンディションをキープできているミラーは、23勝のうち9試合でKO、10試合で一本勝ちというフィニッシャー=ベニテスといかに戦かうか。

同じサウスポーでも、より積極的な姿勢のベニテスに対し、ミラーは打と組みのどちらで迎え撃つのか。フィニッシュ力の高さと同様に、フィニッシュされる率も高いベニテスは、攻撃すると自らも攻撃される選手ともいえる。積極的な分、隙を見せるてしまうことが予想されるベニテス。そこを付け入ることができれば、ミラーの最多勝記録更新に欠かせない。

■視聴方法(予定)
1月14日(日・日本時間)
午前6時00分~UFC FIGHT PASS
午前5時30分~U-NEXT

■UFN233対戦カード

<ライトヘビー級/5分5R>
マゴメド・アンカラエフ: 204.5ポンド(92.76キロ)
ジョニー・ウォーカー: 205.5ポンド(93.21キロ)

<フライ級/5分3R>
マテウス・ニコラウ: 126ポンド(57.15キロ)
マネル・ケイプ: 129.5ポンド(58.74キロ)

<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー: 155.5ポンド(70.53キロ)
ガブリエル・ベニテス: 155ポンド(70.31キロ)

<バンタム級/5分3R>
リッキー・シモン: 136ポンド(61.69キロ)
マリオ・バウティスタ: 135.5ポンド(61.46キロ)

<ミドル級/5分3R>
フィル・ホーズ: 185ポンド(83.91キロ)
ブルーノ・フェヘイラ: 185ポンド(83.91キロ)

<ヘビー級/5分3R>
アンドレイ・オルロフスキー: 247ポンド(112.03キロ)
ワルド・コルテスアコスタ: 261.5ポンド(118.61キロ)

<ウェルター級/5分3R>
マシュー・セメルスバーガー: 170.5ポンド(77.34キロ)
プレストン・パーソンズ: 170.5ポンド(77.34キロ)

<バンタム級/5分3R>
マーカス・マギー: 135.5ポンド(61.46キロ)
ガストン・ボラノス: 135.5ポンド(61.46キロ)

<バンタム級/5分3R>
ファリド・バシャラット: 136ポンド(61.69キロ)
テイラー・ラピルース: 136ポンド(61.69キロ)

<フェザー級/5分3R>
ウェスティン・ウィルソン: 145.5ポンド(66.0キロ)
ジアン・シウバ: 145.5ポンド(66.0キロ)

<ライト級/5分3R>
トム・ノーラン: 155.5ポンド(70.53キロ)
ニコラス・モッタ: 155.5ポンド(70.53キロ)

<フライ級/5分3R>
フィリッピ・ブニス: 125.5ポンド(56.92キロ)
ジョシュア・ヴァン: 125.5ポンド(56.92キロ)

The post 【UFN234】計量終了 マネル計量失敗。ジム・ミラー=最多勝利更新は? シモン✖バウティスタも注目 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 AB MMA MMAPLANET o UFC UFN UFN234   アンドレイ・オルロフスキー ウェスティン・ウィルソン ガブリエル・ベニテス キック コナー・マクレガー ジアン・シウバ ジム・ミラー ジョシュア・ヴァン ジョニー・ウォーカー ダニエル・ピネダ トム・ノーラン ナスラ・ハクパレス ファリド・バシャラット フィリッピ・ブニス フィル・ホーズ ブルーノ・フェヘイラ ボクシング マゴメド・アンカラエフ マテウス・ニコラウ マネル・ケイプ マリオ・バウティスタ マーカス・マギー リッキー・シモン ワルド・コルテスアコスタ 堀内佑馬 平良達郎 水垣偉弥

【UFN234】要注目ミャンマー出身MMA歴3年ジョシュア・ヴァン「ミャンマーは血生臭い歴史を持っている」

【写真】タフな幼少期を微塵にも感じさせない明るさいっぱいのジョシュア・ヴァンだった (C)MMAPLANET

13日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN234:UFN on ESPN+92「Ankalaev vs Walker2」が開催される。同大会のオープニングファイトでフィリッピ・ブニスと対戦するジョシュア・ヴァンは、元UFCファイターで現MMAアナリストの水垣偉弥氏がMMAPLANETの「月刊、この一番」に挙げた注目ファイターだ。
Text by Manabu Takashima

ミャンマー出身、MMA歴は3年という未知すぎるファイターに初インタビュー。その過酷な生い立ちと、ファイトに目覚めた歴史に触れた。日本にはない環境で育ったファイターの拳が、堀内佑馬を下したブニスと如何に戦うのか。その前にジョシュア・ヴァンの人となりに触れておきたい。


――元UFCファイターの水垣偉弥さんがジョシュアのミャンマー出身、MMA歴は3年という経歴に着目し注目度が日本で挙がっています。

「おお、ありがとう。それでインタビューをしてくれるんだね」

──同時に我々は全くジョシュアのことが分かっていません。まずジョシュアという名前自体がミャンマー人っぽくないのですが、いつ頃から米国で暮らすようになったのでしょううか。

「ジョシュアは僕の本当の名前だよ。僕のファミリーはクリスチャンだから」

──ということは、出身は?

「チン州のハカだよ」

──つまり、チン州出身のキリスト教徒。それが国を離れた要因になっているのでしょうか。

「そうだね、9歳までハカに住んでいた。当時の……今もだけど、ミャンマーには色々なことが起こっていて僕らの家族は、ミャンマーで生きていくことが困難になっていた。国にいることができなくなり、国外に出ていく必要があったんだ(ミャンマーでマイノリティであるキリスト教徒は、チン州やカチン州に多い。軍事政権の少数民族への迫害と相まって、要職に就くことができないばかり暴力事件など差別が確認されている)。

まずマレーシアに行き、難民キャンプで3、4年生活をした。僕らだけでなく、多くの難民がいて。マレーシアに行く時は、自分たちがどこに向かっているのかも分からなかった。大変な状況だったけど、そこで友人を見つけることもできたよ。僕らの家族は結果的に2013年にテキサス州ヒューストンに移り住むことになったんだ。でもね、今の方がミャンマーの状況は凄く悪くなっている」

──私は2度ほど取材でヤンゴンを訪れたことがあるのですが、国内の宗教間や民族間には問題は存在したのでしょうが、我々のような外国人には本当に皆が親切でした。その優しさが他の国を抜きんでているという印象すら持ちました。ただ、あの優しかった人達が軍事政権下であれだけの激しさを見せている。

「ミャンマーという国は、つねに外国の侵略を受けてきた。血生臭い歴史を持っている。だから優しさと勇敢さを僕らは持ち合わせているんだと思うよ」

──……。仰る通りかもしれないです。とはいえ13歳でテキサスに移住。保守的な土地柄もあって米国では米国で苦労があったのではないでしょうか。

「最悪だったよ(笑)。いつも両親に『自分たちの国に帰りたい』って頼んでいたよ。言われたように英語は分からなかったし、自分がどういう状況にあるのかも分からない。本当にタフな時期を過ごした。環境的には、凄くラフだったよ。

まず学校に行ってイジメにあった。彼らは僕が何を言っているのか分からないし、僕も彼らが何を話しているのか分からなかった。テキサスってアジアの人間が少ないから、アジア系の子供が学校でイジメられることは……いえば普通にあった。でも、僕はイジめられっぱなしでは終わらなかったよ。ファイトした。言葉が通じないから、体で示すしかなかったんだ。それだけが自分を守る術だったんだよ」

──……。

「正直、暴力沙汰は日常茶飯事だったよ……。そんな時、叔母が『それなら国のために戦いなさい。皆に認められる場所で戦うのよ。そう、マニー・パッキャオのように国や民族を代表して』って言われて。その言葉によって……僕の物事の見方が変わった。自分が置かれた状況をより理解し、テキサスで生きていく覚悟を決めた。それからはこの国での生活も楽しくなった。今では米国を愛しているよ」

──叔母さんのアドバイスからMMAを始めたのですか。

「あの時はMMAのことは分かっていなかった。ボクシングしか知らなかったんだ。僕がMMAを知ったのはフロイド・メイウェザーとコナー・マクレガーが戦った時で(2017年8月)。コナーのことを調べて、MMAを知った。『あぁ、これこそ俺が求めていたものだ』と直感したよ。

でもすぐにMMAを始めたわけでなく、キックボクシングと柔術を始めたんだ。家の近くにあったフィットネスジムで。そこから友人たちと悪さをすることもなくなり、とにかくジムで凄く時間が増えた。まずはジムで一番になりたかった。やられたままで家に帰り、眠ることが嫌だったんだ。だから夜遊びに誘われても、断るようになった。トレーニングを始めたことで、僕のなかでそれまでなかった自信が芽生えてきて生活が一変した」

──とはいえ練習をすることと、プロMMAファイターになることは別次元です。格闘技の練習を始めた時、その先に何を見ていたのでしょうか。

「さっきも言ったように最初に始めた場所は、フィットネスジムで。普通の人ばかりだったから、僕はやり込まれることがなかった。そんな時、見たことがないヤツがやってきてボコられたんだ(笑)。どうやったら、彼のように戦うことができるのか素直に尋ねた。そうしたら、その彼がちょうどMMAのジムの開くというから、もともとのコーチに事情を説明して練習場所を変えることにしたんだ。

練習を始めてから2年ほど経っていたよ。だから、僕が本格的にMMAの練習を始めたのは2019年なんだ」

──それが今、所属する4オンス・ファイトクラブだったのですか。

「いや、そのジムは2021年に閉められることになって、僕は自分1人で練習を続けていた。そしてプロ7戦目にテキサス州最強と言われていたパリス・モランと戦うことになった時(2022年8月@Fury FC67。結果は2R0分36秒KO勝ち)、ちゃんとした練習環境が必要だと思ってジムを探し始めたんだ。結果ダニエル・ピネダの下──4オンス・ファイトクラブでトレーニングするようになった。最高のジムに出会えたよ」

──プロ集団で練習するようになって1年半に満たないということですね!! 

「そうだね。多くの素晴らしいジムが米国にはあるけど、軽量級の選手が集まる場所は決して多くない。4オンス・ファイトクラブはフライ級からフェザー級の選手が多くて、凄く僕に適している」

──ところでUFCで戦うようになって、生活に変化は生じましたか。

「変わらないよ。僕はごくごく普通の人間だから(笑)。ジムや色々な場所で同じように聞かれるんだ。でも戦う舞台が大きくなっただけで、僕自身は何も変わらないから」

──オクタゴン3戦目、フィリッピ・ブニス戦が土曜日に迫ってきました。対戦相手の印象を教えてください。

「1年間戦っていないし、どれだけの力を持っているか測りようがない。だから、あまり予測は立てないでいる。あの時より良くなっているかもしれないし、ダメになっているかもしれない。とにかくファイトは予想できないことが起こるからね。

(C)Zuffa/UFC

でも僕のスタンド、打撃に注目してほしい。

ストライキングで勝負したいと思っている。KOするよ、いやサブミッションでも構わない。いずれにせよ、フィニッシュする」

──スポーツと政治を一緒にするなという意見がありますが、試合を通してミャンマーの人々にメッセージを送りたいと思っていますか。

「もちろん、そう思っている。僕はミャンマーの皆のために戦う。最後まで戦い抜こうと伝えたい」

──押忍。MMAPLANETではフライ級の選手には、共通の質問として平良達郎選手の印象を伺っています。ジョシュアの平良達郎選手評を教えてください。

「実はあんまり知らないんだ。きっと、良い選手なんだと思うよ(笑)」

──ハハハハ。では最後に日本のファンに一言お願いします。

「皆と同じアジア人の僕が、駆け上がっていくところを見続けて欲しい」

■視聴方法(予定)
1月14日(日・日本時間)
午前6時00分~UFC FIGHT PASS
午前5時30分~U-NEXT

■UFN234対戦カード

<ライトヘビー級/5分5R>
マゴメド・アンカラエフ(ロシア)
ジョニー・ウォーカー(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
マテウス・ニコラウ(ブラジル)
マネル・ケイプ(アンゴラ)

<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー(米国)
ガブリエル・ベニテス(メキシコ)

<ライト級/5分3R>
ナスラ・ハクパレス(ドイツ)
ジェイミー・バラーキー(豪州)

<バンタム級/5分3R>
リッキー・シモン(米国)
マリオ・バウティスタ(米国)

<ミドル級/5分3R>
フィル・ホーズ(米国)
ブルーノ・フェヘイラ(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
アンドレイ・オルロフスキー(ベラルーシ)
ワルド・コルテスアコスタ(ドミニカ)

<ウェルター級/5分3R>
マシュー・セメルスバーガー(米国)
プレストン・パーソンズ(米国)

<バンタム級/5分3R>
マーカス・マギー(米国)
ガストン・ボラノス(ペルー)

<バンタム級/5分3R>
ファリド・バシャラット(アフガニスタン)
テイラー・ラピルース(フランス)

<フェザー級/5分3R>
ウェスティン・ウィルソン(米国)
ジアン・シウバ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
トム・ノーラン(豪州)
ニコラス・モッタ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
フィリッピ・ブニス(ブラジル)
ジョシュア・ヴァン(ミャンマー)

The post 【UFN234】要注目ミャンマー出身MMA歴3年ジョシュア・ヴァン「ミャンマーは血生臭い歴史を持っている」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 AB BELLATOR MMA MMAPLANET o UFC UFN UFN234 アミール・アルバジ アンドレイ・オルロフスキー ウェスティン・ウィルソン カイ・カラフランス ガブリエル・ベニテス ジアン・シウバ ジム・ミラー ジョシュア・ヴァン ジョニー・ウォーカー トム・ノーラン ナスラ・ハクパレス ファリド・バシャラット フィリッピ・ブニス フィル・ホーズ ブルーノ・フェヘイラ マゴメド・アンカラエフ マテウス・ニコラウ マネル・ケイプ マリオ・バウティスタ マーカス・マギー リッキー・シモン ワルド・コルテスアコスタ 平良達郎

【UFN234】UFC2024年スタート。ニコラウと再戦、マネル・ケイプ「試合の見所は如何に僕がKOするか」

【写真】常に物静か、そして揺るぎない自信(C)MMAPLANET

13日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN234:UFN on ESPN+92「Ankalaev vs Walker2」が開催され、マネル・ケイプがコメインでマテウス・ニコラウと対戦する。
Text by Manabu Takashima

両者は2021年3月に1度対戦しており、ケイプは1-2のスプリット判定負けを喫している。当時から裁定に納得がいかず、自分が勝者と明言し続けてきたケイプは、この再戦に何を想うのか。そこには絶対の自信が存在した。


――2024年UFC最初のイベントで戦うマネルです。1月に試合があるとクリスマスとニューイヤーホリデーはお預けになりますね。

「僕はもともと宗教上、クリスマスを祝うことはない。とはいってもクリスマス、ニューイヤーとなると回りは最高に楽しんで、飲み食いをしていた。でもファイターは、その中に入ることはできない。新年を迎えると、試合まで2週間だ。より集中しないといけなかった。皆のように新しい1年の始まりを祝えないのは淋しいことだけど、それが僕の仕事だからね」

──日本では以前から1月に試合があると、練習仲間を見つけることが難しいという話が聞かれてきました。

「日本ではそうかもしれないね。新年の祝い事が大切にされているようだったし。でも、僕らは違う。僕はUFCファイターやBellatorファイターのなかで、練習をしている。皆が試合に向けて、コンディションが落ちるようなお祝いの時間は作らない。皆、練習していたよ」

──ところで以前、ベルトのために戦っているのであってリベンジのために戦っているのではないという発言がありましたが、今回はニコラウとの再戦となりました。

「この対戦は、僕にとって完璧だよ。僕は既に一度、彼に勝っている。もう一度、勝つだけだから。まぁ本音をいえば彼ではなくて、カイ・カラフランスと戦いたいと思っていた。でもね、カイ・カラフランスを含め誰もが僕との対戦を避ける。そしてマテウス以外、僕の前に残らなかった。この試合はタイトルショットに直結するし、受けないわけはなかったよ。あとはマテウスを倒すだけだ」

──ランクが下の選手と戦わないというケースは多く見られるようになりましたね。

「いつも言っているけど、ランキングなんてただ数字だ。問題は勝つか、負けるかなんだ。ランク外にも無敗のファイターがいて、彼らはランク3位ぐらいの力があるかもしれない。ランキングを上り詰めるには、時間が必要なんだ。要は勝つか、負けるか。そして勝利を手にするために全力で戦う。ベストになるは、勝者になることが第一だからね」

──常にニコラウとの最初の試合で勝っていたと発言していますが、オフィシャルの結果は判定負けです。だからこそ、ここで星を取り返したいという気持ちになりますか。

「前回の試合から、僕がどれだけ成長したかを見せつける。ファンの皆は、もう充分に見てきたはずだ。もちろん、この試合に集中しないといけないけど、頭の中ではタイトル戦のことばかり考えている。マテウスのことは軽視していない。それでも、僕の方が優れたファイターであることは間違えようがない。そういうことなんだ」

──2021年3月のマネル・ケイプと比較して、どこが最も成長したと思いますか。

「全てだ。MMAファイターだから、どの局面も強くなっている。どのような試合展開になっても、成長した姿を見てもらえるだろう」

──同様にマテウス・ニコラウも成長しているのではないでしょうか。

「う~ん、そんなことはない。彼は変わっていない。前回の試合、何が悪かったのかと言えばジャッジの裁定が悪かったんだ。彼が強くなっているとは思えない。良いファイターだよ、でも僕のように優れたファイターではないからね。エクセレントな戦い、優秀な戦いを僕は実行する。

この試合の見所は、いかに僕がKO勝ちするかだ。彼は僕のパンチを怖がっている。前の試合で一発でも被弾すれば、試合が終わると思ったに違いないよ」

──では技術的に勝負の鍵を握るのは、どこになるかと思っていますか。

「移動と角度──かな。彼の動きをカットする。僕は長い間、日本で戦ってきた。リングでシューズを履いて。オクタゴンで戦うようになった当初、リングとケージの違いに慣れる必要があった。ただ、あの時点でも十分に戦えていたからね。あの時、僕の未来は開けていると自信を持てたよ」

──パントージャはアミール・アルバジと防衛戦を行うのではないか、そんな話も聞かれます。

「誰がパントージャに挑戦するのか、分からない。だからこそ、この試合を戦う意味がある。この試合でどれだけ僕がスマートで、優れているのかを証明しつつファンに喜んでもらえる試合をする」

──ところでUFCフライ級には平良達郎選手という日本人ファイターがいます。現在、オクタゴンで5連勝中です。彼のことが気になることはありますか。

「素晴らしいウェルラウンダーだ。彼のこれからに期待している。近いうちにトップ3になるだろう。それだけの可能性を秘めている。彼がちゃんと練習して勝ち続ければ、フライ級トップと戦うようになる。そして、僕はフライ級のトップだ」

──マネル、今日は時間を割いてもらってありがとうございました。最後に日本のファンに一言お願いします。

「いつも日本のファンには感謝している。次も勝つから、僕の試合を視て欲しい」


■視聴方法(予定)
1月14日(日・日本時間)
午前6時00分~UFC FIGHT PASS
午前5時30分~U-NEXT

■UFN234対戦カード

<ライトヘビー級/5分5R>
マゴメド・アンカラエフ(ロシア)
ジョニー・ウォーカー(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
マテウス・ニコラウ(ブラジル)
マネル・ケイプ(アンゴラ)

<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー(米国)
ガブリエル・ベニテス(メキシコ)

<ライト級/5分3R>
ナスラ・ハクパレス(ドイツ)
ジェイミー・バラーキー(豪州)

<バンタム級/5分3R>
リッキー・シモン(米国)
マリオ・バウティスタ(米国)

<ミドル級/5分3R>
フィル・ホーズ(米国)
ブルーノ・フェヘイラ(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
アンドレイ・オルロフスキー(ベラルーシ)
ワルド・コルテスアコスタ(ドミニカ)

<ウェルター級/5分3R>
マシュー・セメルスバーガー(米国)
プレストン・パーソンズ(米国)

<バンタム級/5分3R>
マーカス・マギー(米国)
ガストン・ボラノス(ペルー)

<バンタム級/5分3R>
ファリド・バシャラット(アフガニスタン)
テイラー・ラピルース(フランス)

<フェザー級/5分3R>
ウェスティン・ウィルソン(米国)
ジアン・シウバ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
トム・ノーラン(豪州)
ニコラス・モッタ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
フィリッピ・ブニス(ブラジル)
ジョシュア・ヴァン(ミャンマー)

The post 【UFN234】UFC2024年スタート。ニコラウと再戦、マネル・ケイプ「試合の見所は如何に僕がKOするか」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
AJ・ドブソン Column JP・ベイス MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN51   イアズミン・ルシンド カブ・スワンソン ジェイミー・ピケット ジュリアナ・ミラー タフォン・エヌシュクウィ テレンス・マッキニー ハファエル・ドスアンジョス ブラック ポリアナ・ヴィエイラ マイク・ブリーデン マルティン・ブダイ マーカス・マギー ルアナ・サントス ヴィセンチ・ルケ

【UFC ESPN51】試合結果 進む身体代謝──を許さず、カブ・スワンソンが踏み止まる判定勝ち

【写真】23歳ルアナ・サントスが第1試合でUFC初陣をKO勝ちで飾った(C)Zuffa/UFC

12日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC ApexでUFC on ESPN51「Luque vs Dos Anjos」が開催された。

メインでヴィセンチ・ルケがハファエル・ドスアンジョス越えを果たし、コメインでカブ・スワンソンが微妙な判定ながらハキーム・ダラドゥを跳ね返しベテランが意地を見せた同大会は、プレリミ7試合が全てフィニッシュ決着となっている。。

パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト: カリル・ラウントリー、イアズミン・ルシンドマーカス・マギー、デイモン・ブラックシアー

UFC ESPN51
<ウェルター級/5分5R>
○ヴィセンチ・ルケ(ブラジル)5R
判定
詳細はコチラ
×ハファエル・ドスアンジョス(ブラジル)
<フェザー級/5分3R>
○カブ・スワンソン(米国)3R
判定
詳細はコチラ
×ハキーム・ダラドゥ(カナダ)
<ライトヘビー級/5分3R>
○カリル・ラウントリー(米国)1R2分40秒
KO
×クリス・ダウカウス(米国)
<女子ストロー級/5分3R>
○イアズミン・ルシンド(ブラジル2R3分42秒
肩固め
詳細はコチラ
×ポリアナ・ヴィエイラ(ブラジル)
<189.5ポンド契約/5分3R>
○AJ・ドブソン(米国)3R
判定
詳細はコチラ
×タフォン・エヌシュクウィ(カメルーン)
<189ポンド契約/5分3R>
○ジョシュ・フレムド(米国)3R
判定
×ジェイミー・ピケット(米国)
<バンタム級/5分3R>
○マーカス・マギー(米国)1R2分19秒
KO詳細はコチラ
×JP・ベイス(南アフリカ)
<ライト級/5分3R>
○テレンス・マッキニー(米国)1R1分25秒
TKO
詳細はコチラ
×マイク・ブリーデン(米国)
<フェザー級/5分3R>
○アイザック・ドルギャリアン(米国)1R4分48秒
KO
×フランシス・マーシャル(米国)
<ヘビー級/5分3R>
○マルティン・ブダイ(スロバキア)1R4分11
キムラ
×ジョシュ・パリジアン(米国)
<女子ストロー級/5分3R>
○ジャケリン・アモリン(ブラジル)3R3分41秒
KO
×モントセラ・ルイス(メキシコ)
<バンタム級/5分3R>
○デイモン・ブラックシアー(米国)3R
判定
×ホゼ・ジョンソン(米国)
<女子フライ級>
○ルアナ・サントス(ブラジル)1R3分41秒
KO
×ジュリアナ・ミラー(米国)
The post 【UFC ESPN51】試合結果 進む身体代謝──を許さず、カブ・スワンソンが踏み止まる判定勝ち first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
JP・ベイス MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN51   ブログ マーカス・マギー

【UFC ESPN51】スイッチとステップからの──拳が強いッ!! マーカス・マギーが右でJP・ベイスを沈める

<バンタム級/5分3R>
マーカス・マギー(米国)
Def.1R2分19秒by KO
JP・ベイス(南アフリカ)

サウスポーのマギーに、右ミドルを蹴るベイス。マギーはオーソに構え直すと、スイッチを繰り返して右ローを蹴っていく。左ハイを返したベイスが、右ストレートに組みに行く。すぐに離れたベイスが右を当て、マギーも右を返す。テイクダウンに拘ることなく、組みを見せながらパンチを繰り出すベイスだが、ワンツーを被弾して一瞬腰が落ちる。マギーは攻め急がず、左右に動いて構えを変えつつ、ベイスの右に右フック一閃。動きを止めたベイスを見て、レフェリーが試合を止めた。

「ハードワークがあったから。さぁ、次だよ。もう終わっていたから、追撃のパウンドはいらなかった。色々できるし、触らせない。これが好きでやっているんだ。永遠じゃない、今を皆に感謝にしている。誰もできることじゃないし。困難な時期があっても、それが人生だから」とマギーは話した。


The post 【UFC ESPN51】スイッチとステップからの──拳が強いッ!! マーカス・マギーが右でJP・ベイスを沈める first appeared on MMAPLANET.