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45 AB MMA MMAPLANET o ONE ONE Championship ONE FN15 ONE FN19 グスタボ・バラルト ジョシュア・パシオ ジョナサン・ハガティー ジン・テホ ダニエル・ウィリアムス ダヤニ・カルドゾ マンスール・マラチェフ リト・アディワン ルンピニー ヴァウミール・ダ・シウバ 手塚裕之 猿田洋祐

【ONE FN19】猿田洋祐、1年10カ月振りの実戦で難敵マラチェフと。手塚はダ・シウバ撃破でタイトル接近?

【写真】猿田、手塚、それぞれのONEへの想いがある(C)MMAPLANET

6日(火・現地時間)、ONE Championshipが17日(土・同)にタイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE FN19の全対戦カードを発表している。
Text by Manabu Takashima

これまでメインのONEムエタイ世界バンタム級選手権試合=王者ジョナサン・ハガティー✖挑戦者フィリッピ・ロボ、女子ストロー級でワンダーガール・ナット・ジャルンサック✖ダヤニ・カルドゾのミックスルール、ストロー級MMA戦のダニエル・ウィリアムス✖リト・アディワンなどが明らかとなっていたが、今回のアナウンスで全9試合が出揃い手塚裕之と猿田洋祐の参戦がオフィシャルなモノとなった。


昨年10月のONE FN15で10日前のオファーを受け、ジン・テホを腕十字で下したものの熱望していた日本大会の出場が叶わなかった手塚は、今後の進路を真剣に考えるようになっていた。しかし、バジェッドの関係で出場を逃したことで直後のFN大会への出場が決まり、心も晴れてヴァウミール・ダ・シウバ戦に臨むこととなった。

一方の猿田は2022年4月以来、1年10カ月振りの実戦復帰となる。グスタボ・バラルトに判定負けを喫した後、自らのジム「Fight Beat Workout」と開き現役生活に区切りをつけるという想いもあった。そんな猿田だが、ONEとの契約が残っていることで再び戦いの舞台に戻ってくることを決めており、今回マンスール・マラチェフを相手に再びグラブをつけることに。

(C)ONE

手塚と戦うダ・シウバはONEでは1勝2敗、通算9勝3敗のブラジル人ファイターだ。

元王者ゼバスチャン・カデスラムに86秒で敗れているダ・シウバを相手に4試合連続のフィッシュ勝利を挙げられれば、タイトル挑戦に繋がる舞台に進める──手塚にとって、終わらせることが大切になる試合だ。

(C)ONE

猿田と対戦するマラチェフは10月7日にジョシュア・パシオと対戦し判定負け、プロ12戦目で初黒星を喫している。

とはいえテイクダウン&コントロールで試合を支配しており、極め切れなかったギロチンのキャッチで星を落とした感はある。

MMAではパシオを上回っていたといっても間違いでないマラチェフに対して、猿田は組み勝つことを狙う選択をするのか。今やONEで判定勝ちを手にするには、MMAで総合的に支配するよりも、一発狙いの大砲で印象点を稼ぐ必要がある──と割り切ることも必要なほど、偏った裁定を考慮しなければならない。

とはいえ、ファイターは一発狙いの練習を日々課しているわけではない。そこには勝利を得るための組み立てが存在する。その組み立ての部分で、猿田が如何にマラチェフを攻略するのか。要注目のファイトとなる。

なお今週金曜日に開催されるONE Friday FightはU-NEXTでライブ中継されることが明らかとなっているが、このFight Night大会に関しては中継及び配信の発表はなされていない。果たして、どのアプリをクリックすればONE中継が視聴できるようになるのか、正式発表を待ちたい。

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45 AB MMA MMAPLANET o ONE ONE X ONE166 アンジェラ・リー イリャ・フレイマノフ ジャレッド・ブルックス ジョシュア・パシオ スタンプ・フェアテックス タイ・ルオトロ タン・カイ タン・リー デニス・ザンボアンガ ハム・ソヒ マイキー・ムスメシ マンスール・マラチェフ ライニア・デリダー

【ONE166】初のカタール大会、重要拠点構築へ豪華カード。スタンプ×ザンボアンガが追加、タイも投入

【写真】4つ目のMMAの世界タイトル戦 in カタールが決定した(C)ONE

16日(火・現地時間)、ONEが3月1日(金・同)にカタールの計画都市ルサイルのルサイル・スポーツ・アリーナで開催されるONE166「Quatar」でONE世界女子アトム級選手権試合=王者スタンプ・フェアテックス×挑戦者デニス・ザンボアンガ、サブミッショングラップリング世界ウェルター級選手権試合=王者タイ・ルオトロ×挑戦者アイザック・ミッチェルを組むことを発表した。
Text by Manabu Takashima

ONEにとって新たな投資筋というだけでなく、カタールは欧州標準時間帯と3時間しか変わらずヨーロッパという新たなマーケット開拓への足掛かりとなる大切なイベントだ。カタールを今後、拠点とできるのか。その重要度たるや、既に発表された試合からも十分に伝わってくる。


ONE世界ミドル級選手権試合王者ライニア・デリダーが、ライトヘビー級王座を失った相手=ヘビー級&ライトヘビー級2冠王アナトリー・マレキンにリベンジに挑む――誰がどのベルトを巻いているのか、謎解きのような――王座防衛戦。またデリダ―×マレキン1と同様に2022年12月4日のフィリピン大会と立場を変えて再戦となるのが、世界ストロー級選手権試合=王者ジャレッド・ブルックス×挑戦者ジョシュア・パシオの一戦だ。

パシオは10月にマンスール・マラチェフのTD&トップコントロールに苦戦を強いられたが、ギロチンの仕掛けを評価され、リベンジ戦にこぎ着けた。対してチャンピオンはベルトを巻いてからMMAの試合は1年以上なく、8月にマイキー・ムスメシのサブミッショングラップリング世界フライ級王座にチャレンジし、腕ひしぎ腕固めに敗れて以来の実戦となる。

さらに、これも2022年8月以来の再戦となるのが世界フェザー級王座統一戦=正規王者タン・カイ×暫定王者タン・リーのタンタン対決だ。前回は王者タン・リーが、挑戦者タン・カイのカーフで削られジェネラルシップを譲ってベルトを手放した。その後、7月にリマッチが組まれていたが、王者の負傷欠場によりタン・リーは、イリャ・フレイマノフと暫定王座決定戦を戦い、内ヒールで斬って落とした。

このように既報の世界タイトル3試合のテーマが再戦なのに対し、スタンプ×ザンボアンガは初顔合わせとなる。といっても彼女たちの間に因縁がないかといえば、そうではない。彼女たちはフェアテックスジムで共に汗を流した期間のあり、元チームメイト対決となる。

さらにいえばコ2020年2月28日にV.V.Meiを破ったザンボアンガは時のチャンピオン、アンジェラ・リーへの挑戦権を獲得したが、ロナ禍によりイベントスケジュールが大幅に狂い権利を行使できないまま挑戦権を賭けたアトム級GPが開催され、そこ参戦することとなった。

そのGPで優勝したスタンプは、アンジェラにONE Xで挑戦も逆転負けを喫し、アンジェラ引退により王座決定戦が組まれると、ザンボアンガと因縁少なからずのハム・ソヒをボディで沈めベルトを手にした。

ザンボアンガはGPでハム・ソヒを相手に大論争となった判定負けをし、再戦も接戦ながら返り討ちとなった。ハム・ソヒと接戦だったザンボアンガ、仕留めたスタンプ。現状の両者には、それだけの差は存在すると思われる。が、圧倒的なフィジカルを誇るスタンプに引けを取らないザンボアンガだけに、三段論法は当てはまらない可能性もある。

アブダビでなくカタールで行われるサブミッショングラップリングの世界戦。ルオトロ・ブラザースの兄=タイに挑むミッチェルは2022年の茶帯ノーギワールド優勝しており、昨年11月のADCCアジア&オセアニア予選88キロ級を制したばかりの豪州人組技師だ。

アジア&オセアニアを無双するミッチェルが、世界の最高峰に如何に挑むか。とはいえサークルケージやリングでタイが最近戦ってきた(つまりONEでの試合)相手はロシア系やMMAファイターのデリダ―で、いわゆるADCCを頂点とした組技ヒエラルキーのトップにある選手たちではなかった。

いってみるとタイは一昨年9月のADCC世界大会でニコラス・マレガリに敗れて以来、世界の潮流にある選手と戦ってこなかったになる。ミッシェルはダナハー門下であった当時に、米国に拠点を置きWNOの人材発掘リアリティショーなどで、しっかりと経験を積んでいる。ネームバリューとタイトル歴以上の強敵であり、タイにとってADCCイヤーの幕開けに相応しい、タフな挑戦者といえよう。

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MMA MMAPLANET o ONE ONE FN15 キック ジャレッド・ブルックス ジョシュア・パシオ マンスール・マラチェフ

【ONE FN15】パシオのギロチンがマラチェフのTD&トップキープより評価されて判定勝利

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ジョシュア・パシオ(フィリピン)
Def.3-0
マンスール・マラチェフ(ロシア)

パシオが右フック、右ロー、右ミドル。マラチェフがダブルレッグで組み付くが、パシオはそれを切る。試合がスタンドに戻るとパシオが右ボディストレート、左ジャブから右ロー・カーフを蹴る。ここでマラチェフが足を負傷したか、ステップを踏むとバランスを崩す。レフェリーに問題ないとアピールするマラチェフだが明らかに動きがおかしい。

そこにパシオは右カーフキック。マラチェフはシングルレッグからテイクダウンし、インサイドガードでトップキープする。マラチェフはコツコツとパンチを落とし、パシオはギロチンチョークを狙った。

2R、パシオは右のカーフキック。マラチェフもジャブを伸ばしてダブルレッグに入るが、脇を差して立つ。マラチェフはスピニングバックキック。パシオがシングルレッグに入るが、マラチェフががぶってギロチンへ。

パシオはマラチェフのガードに入らず、すぐにパスしてサイドポジションで抑え込む。マラチェフが身体を起こし、パシオがバックを狙うと、最終的にマラチェフが上にポジションを取り返す。マラチェフはインサイドガードで頭をつけてトップキープ。細かく鉄槌を落としつつパスガードを狙う。

3R、パシオがワンツーから右カーフキック。マラチェフはその蹴り足を取ってテイクダウンするが、パシオがギロチンチョークを狙う。苦しそうな表情を浮かべるマラチェフだが、頭を抜いて脱出する。

ここで試合終了のゴングが鳴るアクシデントが起こるが試合は続行。マラチェフはインサイドガードでトップキープすると、レフェリーがブレイクを命じ、両者を立たせる。かなり早いタイミングでのブレイクで、マラチェフは納得のいかない表情を浮かべた。

パシオが右アッパーから左フック、マラチェフは離れた間合いからテイクダウンを狙うがパシオは深く組ませない。パシオがパンチから右ハイにつなげ、マラチェフがダブルレッグを切ってがぶる。マラチェフはがぶられたまま、身体を返してポジションを取り返そうとするが、パシオがそこに再びギロチンを狙う。絞めるパシオ、極まってないとアピールするパラチェフ。この態勢で試合終了となり、パシオが判定でマラチェフを下した。

試合後、パシオは「長くてタフな10カ月だった。ジーザス、会場に来てくれたファン、ライオンネイションMMAの皆に感謝している。最初のバックフィストは見えていなかったよね。判定は自信があったよ。ギロチンを仕掛けた時に、うめき声が聞こえたから。彼はガードのなかでそれほど動きはなかった。ジャレッド・ブルックスの重さと比較してもね」と振り返った。


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ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE FN15 イリャ・フレイマノフ エコ・ロニ・サプトラ キック ジャン・リーポン ジョシュア・パシオ ジン・テホ タン・カイ タン・リー ダニエル・ウィリアムス チャンネル ティモフィ・ナシューヒン フー・ヨン ボクシング マイキー・ムスメシ マンスール・マラチェフ マーチン・ウェン ルンピニー 手塚裕之 若松佑弥 青木真也

【ONE FN15】暫定フェザー級王座決定戦は、実はパンチのタン・リー✖足・ヒザ・拳の連動フレイマノフ

【写真】どちらがコーナーに詰まるのか。そんな見所もある(C) ONE

7日(土・現地時間)、ONE Fight Night15「Le vs Freymanov」がタイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催される。日本からMMAで手塚裕之、青木真也がグラップリング戦に出場する今大会は、10試合中MMAが5試合組まれている。
Text by Manabu Takashima

10日間のショートノーティス出場となる手塚はジン・テホと戦い、全ストロー級王者ジョシュア・パシオの再起戦=マンスール・マラチェフ戦。若松佑弥に敗れたフー・ヨンが、インドネシアのレスラー=エコ・ロニ・サプトラと戦う一戦など興味深いカードが続くMMAマッチ、とりはメインイベント=ONE暫定世界フェザー級王座決定戦=タン・リー✖イリャ・フレイマノフ戦だ。


7月15 日のバンコク大会で王者タン・カイに、前王者タン・リーが挑む──タン・タン対決第2弾は、チャンピオンのヒザの負傷で延期となり、すぐに回復とならなかったため暫定王座が認定されることとなった。

今回のタイトル戦、タン・リーにとっては昨年8月にベルトを失って以来の実戦となる。フレイマノフのこの間に元二階級王者のマーチン・ウェン、草原の豪腕シネチャグタガ・ゾルツェツェグをTKO、そしてRNCで破っている。

オーソ基調のスイッチヒッターのフレイマノフは、蹴り終わりで構えを変えてパンチに繋げる動きに長けている。同様の動きはパンチへの連係だけでない。スレイマノフは蹴りからヒザ蹴り、そしてウェンに決定的なダメージを与えたヒザ蹴りからストレートというバラエティに富んだ足、ヒザ、拳のコンビネーションを有している。

このスイッチはテイクダウンにも応用でき、対戦相手からすればフレイマノフの攻撃は非常に予期しづらい。その一方でテイクダウンディフェンスにも長けており、倒されてからはスクランブルよりも背中をつけて極めとスイープの連係プレーも得意な流れといえる。

そんな万能ファイターのフレイマノフだが、シネチャグタガ戦では下がったところを追いかけて左を被弾したシーンがあった。この動きを見る限り、誘って左ミドルから左の追い突き、右の返しのフックというタン・リーの鉄板パターンにハマるケースも十分にあり得るだろう。

とはいえ、下がる相手に対してフレイマノフは圧倒的な強さを発揮するファイターだけに、タン・リーとしてはより中に入る打撃戦を繰り広げたいところだ。そこから組み&柔術もタン・リーにとってオプションの一つではあるが、組みぎわにスピニングバックエルボーを合わせる達人系の技を持つのが、フレイマノフ。

一点、タン・リーもスイッチヒッターだが、前手のパンチは粗く、奥手は真っ直ぐ綺麗に相手を射抜くシーンをたびたび見せてきた。これは左右どちらにも関係なく、大きな振りで釣って、奥からのストレートを打ち抜くという計算に基づいた攻撃手段のように感じられる。

武器の多さでフレイマノフ有利と予想される一戦をひっくり返すことができるタン・リーの攻撃は、このスラッピーな右からシュアな左ストレートと、蹴り&追い突きから&返しのフックというコンビだ。

それでもフレイマノフは常に蹴りと拳が連動しており、乱打戦になるとパンチに頼りがちになるタン・リーと勝負どころで差が出ることが十分に感がられる。結果、やはりフレイマノフに分がある暫定王座決定戦といえよう。

■放送予定
10月7日(土・日本時間)
午前8時30分~ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN15対戦カード

<ONE暫定世界フェザー級(※70.3キロ)王座決定戦/5分5R>
タン・リー(米国)
イリャ・フレイマノフ(ロシア)

<ONEキックボクシング世界ストロー級選手権試合/3分5R>
[王者]ジョン・ディベラ(カナダ)
[挑戦者]ダニエル・ウィリアムス(豪州)

<キック・フェザー級/3分3R>
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)
ジョー・ナタワット(タイ)

<サブミッション・グラップリング無差別級/10分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
青木真也(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ジョシュア・パシオ(フィリピン)
マンスール・マラチェフ(ロシア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
フー・ヨン(中国)

<ムエタイ121ポンド契約/3分3R>
ペッディージャー・ルクジャオポーロントン(タイ)
セレステ・ハンセ(豪州)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
ジャン・リーポン(中国)

<ムエタイ174.5ポンド契約/3分3R>
バムパラ・クヤテ(フランス)
シャキル・アルテクレティ(イラク)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
手塚裕之(日本)
ジン・テホ(韓国)

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ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE FN15 RWS イリャ・フレイマノフ エコ・ロニ・サプトラ キック シッティチャイ・シッソンピーノン ジャン・リーポン ジョシュア・パシオ ジョー・ナタウット ジン・テホ タワンチャイ・PK・センチャイ タン・リー ダニエル・ウィリアムス チャンネル ティモフィ・ナシューヒン フー・ヨン ボクシング マイキー・ムスメシ マンスール・マラチェフ モハメド・シアサラニ ルンピニー 手塚裕之 海外 青木真也

【ONE FN15】タワンチャイがカード変更前に語ったこと「ONEでは純粋に勝ち負けを争うことができる」

【写真】スーパーボン戦は延期となったタワンチャイだが、彼が語ってくれたことをぜひ試合前に読んでいただきたい (C)TAKUMI NAKAMURA

7日(土・現地時間)タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Fight Night 15。今大会でタワンチャイ・PK・センチャイがジョー・ナタウットと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

当初ONEムエタイ世界フェザー級(70.3キロ)王者のタワンチャイはスーパーボン・シンハ・マウインとの防衛戦を予定していたが、スーパーボンの負傷欠場により延期。米国在住のムエタイファイター=ナタウットとのワンマッチに変更となった。

2021年のONE参戦以降、シッティチャイ・シッソンピーノンにスプリット判定で敗れた以外はすべて勝利を収めているタワンチャイ。しかも判定勝利はペットモラコット・ペッティンディー戦のみと圧倒的な強さを見せている。スーパーボン戦は延期となったが、スーパーボンを含むフェザー級のトップ選手たちとの対戦が期待されていることは変わらない。

今回のインタビューはスーパーボン欠場前の9月9日に行われたもので、スーパーボンとの対戦だけでなく、ムエタイの中量級を取り巻く状況、賭けの対象からスポーツへと変わりつつあるムエタイについても及んだ。MMAPLANETとして伝えたいことが詰まっている――そんなタワンチャイのインタビューをお届けしたい。


――前回8月ONE Fight Night 13でのダビッド・キリア戦は左ミドルでキリアの腕を壊してTKO勝利という試合結果でした。あの試合を振り返っていただけますか。

「彼はもともとパンチャーなので腕を蹴ることが作戦だった。その作戦通りに勝つことができたと思う」

――ヨーロッパをはじめタイ以外の選手はミドルキックををヒザ・足でカットするのではなく、腕でブロック選手が多いです。そういう選手はずばり戦いやすいですか。

「特にそういう相手が戦いやすいというわけではないよ。選手は皆それぞれファイトスタイルを持っていて、キリアはパンチを使う選手だから腕が上がる傾向がある。だから腕を蹴ろうと思ったに過ぎない。もしキリアとは違うタイプの選手が来たとしても、自分はその選手に合わせた対策を練って戦うことができる」

――ONEのワンマッチは3Rで試合時間が短いですが、それでも蹴りを効かせる自信はありますか。

「自分にとって蹴りはメインの武器であり、キリア戦で蹴りを使ったのは彼がパンチャーだからだ。彼はいつもパンチで相手をKOしようとして前に出てくる。だから僕は自分の距離を大切にして、キリアが前に出てこられなように蹴りを使ったんだ」

――日本では3R制は蹴りよりもパンチの方が有効だという考えも多く、パンチ主体になる選手が多いです。タワンチャイ選手はそれについてどう思いますか。

「それも人それぞれの問題だと思う。自分は3Rの戦い方にアジャストすることは難しくないし、蹴りで勝つことが不可能だとも思っていないよ」

――では次戦についても聞かせてください。スーパーボン選手にはどんな印象を持っていますか。

「彼はとてもいい選手で技も多彩だ。ファイトIQも高いし、見栄えのいい試合もできる。彼と戦うことが楽しみだよ」

――スーパーボン選手も蹴りが得意なテクニシャンで、日本のファンは2人の試合がハイレベルな技術戦になることを期待しています。タワンチャイ選手はどんな試合になると予想していますか。

「本当にいい試合になると思うよ。お互いアグレッシブで攻め合うと思うから、みんなにはこの試合を楽しみにしていて欲しい」

――これまでタイの中量級(70キロ)以上の選手はタイで活躍する舞台がなく、タイ以外で戦わなければ注目を集める・稼ぐことが難しい状況でした。そのなかでONEが70キロの選手を世界中から集めて、試合を組んでいることをどう感じていますか。

「すごく良いことだと思っている。ONEのおかげで我々の階級の選手たちは海外に行かなくていいし、タイにいたまま階級を変えることなく海外の強豪と戦えることは喜ばしいことだよ」

――同じ階級のシッティチィがONE Friday Fights 32でイランのモハメド・シアサラニにダウンを奪われて敗れる波乱が起きました。タワンチャイ選手から見て、タイ以外の選手のレベルは上がっていると思いますか。

「ここ数年でタイ以外の選手のレベルはものすごく上がっていると思う。多くの選手がムエタイの流儀を学び、強くなっていることを感じている」

――ムエタイを取り巻く環境についても聞かせてください。ルンピニースタジアムでONEが毎週大会を開催し、ラジャダムナンスタジアムでもRWSがスタートしました。ムエタイ=賭けという状況が変わりつつあると思います。タワンチャイ選手はこれについてどう感じていますか。

「ムエタイがギャンブルからリアルスポーツになることは本当にうれしいよ。ギャンブルの対象としてお金が関わると、色んな人たちが試合に絡むようになるんだ。でもムエタイがリアルスポーツになれば、そういったことがない。選手は純粋に自分のスキルで勝ち負けを争うことができる。本当にムエタイが良い方向に向かっていると思う」

――例えば今の若い選手・人たちもギャンブルとしてのムエタイよりもスポーツとしてのムエタイに興味を持っていますか。

「絶対的にそうなっていると思う。ここ数年でムエタイがギャンブルからスポーツに変わり、間違いなくタイの若い人たちはムエタイに興味を持つようになった。ムエタイがスポーツになることは非常にポジティブなことだし、選手のキャリアそのものもポジティブにしてくれると思う。多くのタイ人はムエタイが賭けの対象ではなくなることを歓迎しているよ」

――今回はご自身の試合だけでなく、ムエタイの現状についてまで話を聞かせていただき、ありがとうございます。試合を楽しみにしています。

「アリガトウゴザイマス!」

■放送予定
8月5日(土・日本時間)
午前8時30分~ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN15対戦カード

<ONE暫定世界フェザー級(※70.3キロ)王座決定戦/5分5R>
タン・リー(米国)
イリャ・フレイマノフ(ロシア)

<ONEキックボクシング世界ストロー級選手権試合/3分5R>
[王者]ジョン・ディベラ(カナダ)
[挑戦者]ダニエル・ウィリアムス(豪州)

<キック・フェザー級/3分3R>
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)
ジョー・ナタワット(タイ)

<サブミッション・グラップリング無差別級/10分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
青木真也(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ジョシュア・パシオ(フィリピン)
マンスール・マラチェフ(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
ジャン・リーポン(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
フー・ヨン(中国)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
手塚裕之(日本)
ジン・テホ(韓国)

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【ONE FN15】急遽タワンチャイと対戦。米国在住ムエタイ戦士・ナタウット「焦ることも、驚くこともない」

【写真】インタビューもすべて英語、淡々と試合に向けて意気込みを語ったナタウット (C)TAKUMI NAKAMURA

7日(土・現地時間)タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Fight Night 15。今大会でジョー・ナタウットがタワンチャイ・PK・センチャイがと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

当初ONEムエタイ世界フェザー級王者タワンチャイ×スーパーボン・シンハ・マウインのタイトル戦が予定されていたが、スーパーボンの負傷欠場により延期。ナタウットがタワンチャイとワンマッチで対戦することになった。

ナタウットは活躍の場を広げるべく、2014年から米国Lion Fightに参戦。そのまま米国に移り住み、ONE契約後も米国に拠点を置き続けている。急遽決まったタワンチャイとの対戦を前にしても「一つの試合がブックされて、それを戦うだけ」と泰然自若に語った。またナタウットに米国のムエタイ事情も訊いた。


――スーパーボン選手の欠場により、急遽出場が決まりました。試合に向かた準備やコンディションはいかがですか。

「ショートノーティスで戦うことは分かっているし、ずっと練習は続けていた。彼と戦う準備はできているよ」

――対戦相手はONEムエタイ世界フェザー級王者のタワンチャイです。

「相手がタワンチャイだからと言って焦ることもないし、驚くこともないし、興奮することもない。一つの試合がブックされて、それを戦うだけだよ」

――対戦相手としてタワンチャイにはどんな印象を持っていますか。

「彼はとてもいいファイターだよ。みんなが知っている通り、蹴りが強い。でもそれ以外の印象は特にないね」

――彼はONEの現役チャンピオンであり、この階級のトップ選手ですが、特別な選手だとは思っていないですか。

「ONEには世界から強いファイターたちが集まっていて、彼はそのなかでチャンピオンになっている。それだけ彼はすごいファイターだと思う。ただしONEで戦うファイターは全員素晴らしいファイターだ」

――ナタウット選手は2014年~2017年まで米国のLion Fightに参戦していて、当時から米国に拠点を移して、現在も米国在住なんですよね。

「試合の機会を求めて米国に住むようになった。今は生活も、トレーニングも、仕事も、すべて米国が拠点になっている。だから試合が決まると、試合ときに米国から移動しているよ」

――タイの中量級(70キロ)以上の選手はタイで活躍する舞台がなく、タイ以外で戦わなければ注目を集める・稼ぐことが難しい状況だったと思います。それもあって米国に活動の拠点を移そうと思ったのですか。

「僕がアメリカに住んだのは試合のためだけでなく、それまでとは違う人生を送りたいと思ったからだ。強いファイターであれば、世界中どこにいてもオファーが来るし、活躍の舞台があると思う」

――米国を中心に活動しているナタウット選手ですが、最初にONEからオファーを受けた時の心境はいかがでしたか。

「今ムエタイに関してはONEが世界で一番大きな組織だから、そのONEからオファーがあるんだったら、自分もそこに飛び込みたいと思った」

――米国ではファイターとしての活動以外に指導もされているのですか。

「ムエタイを指導することがメインの仕事だ。色んな街を渡り歩き、あらゆる目的の生徒にムエタイを教えているよ」

――米国ではムエタイの試合・大会はどのくらい行われているのですか。

「米国でもプロ・アマ問わず多くの大会が開催されている」

――ナタウット選手も参戦していたLion Fightのような、いわゆるビッグプロモーションは他にもあるのですか。

「Lion Fightも大会数が減って、定期的に大会が開催されていないし、他にLion Fightのように世界各国から選手を招聘する規模の大会は行われていない。どうしても米国にはUFCがあって、格闘技においてはUFCの影響が大きい。米国でムエタイを普及・定着させるためには長い時間が必要だと思う」

――ONEは米国でもAmazonプライムで試合を見ることができます。ONEが世界的なムエタイイベントを開催していることをどう思いますか。

「ONEが大きな大会を開催することはムエタイにとっていいことで、世界的にムエタイの普及が進むと思うし、米国でもONEのおかげで毎週ムエタイの試合が見られることはとても大きい。ただし繰り返しになるけれど、米国に関して言えば、それと比較にならないほどUFCが巨大なものなんだ。米国でも少しずつムエタイが認知され始めているけれど、まだまだ時間がかかるだろうね」

――ナタウット選手はMMAの試合をやろうとは思わなかったのですか。

「それは思わなかったね。自分は立ち技・打撃が本当に好きだから。趣味程度にグラップリングの練習はしているけど、試合をするのであれば打撃の試合しかやるつもりはない」

――ムエタイを取り巻く環境についても聞かせてください。ルンピニースタジアムでONEが毎週大会を開催し、ラジャダムナンスタジアムでもRWSがスタートしました。ムエタイ=賭けという状況が変わりつつあると思います。ナタウット選手は米国在住ですが、この状況をどう感じていますか。

「自分もそれはすごく良いことだと思う。ムエタイがギャンブルではなくなることで、タイ国内でムエタイに興味を持つ人が増えているし、それはアメリカでも同じだよ」

――これからの選手としての目標、引退した後の目標はありますか。

「引退したらムエタイ以外ことも考えたいけど、それまではムエタイ選手として戦い、ムエタイをたくさんの人に教えていきたい」

――引退後もずっと米国に住む予定ですか。

「アメリカの市民権を持っているから、アメリカにも住んでいたいし、いずれはタイにも家を買って、アメリカとタイ両方で生活したいと思っている」

――それでは最後にこの試合を楽しみにしているファンのみなさんにメッセージをいただけますか。

「試合は目前に迫っているから、もうこれ以上言うことはない。僕もタワンチャイも戦う準備ができているから、あとは試合を見てほしい」

■放送予定
8月5日(土・日本時間)
午前8時30分~ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN15対戦カード

<ONE暫定世界フェザー級(※70.3キロ)王座決定戦/5分5R>
タン・リー(米国)
イリャ・フレイマノフ(ロシア)

<ONEキックボクシング世界ストロー級選手権試合/3分5R>
[王者]ジョン・ディベラ(カナダ)
[挑戦者]ダニエル・ウィリアムス(豪州)

<キック・フェザー級/3分3R>
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)
ジョー・ナタワット(タイ)

<サブミッション・グラップリング無差別級/10分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
青木真也(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ジョシュア・パシオ(フィリピン)
マンスール・マラチェフ(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
ジャン・リーポン(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
フー・ヨン(中国)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
手塚裕之(日本)
ジン・テホ(韓国)

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【ONE FN15】10日前のオファー。手塚裕之「試合がしたい。準備期間だなんだって言ってられねぇ」

【写真】火曜日の朝にバンコクに入った手塚。まさに試合のオファーから6日しか経っていない。パスポートが切れないようにも気にしていたのだろう (C)MMAPLANET

7日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE Fight Night15に手塚裕之が出場し、ジン・テホと対戦する。
Text by Manabu Takashima

2022年1月のエジソン・マルケス戦以来、実戦から遠ざかっていた手塚は、自身のキャリアの積み方に関して本気で悩んでいた。そんな彼の下に10日後のファイトという緊急オファーが届いたのは、9月27日のことだった。とにかく試合がしたい、そのために日々のトレーニングを怠ることがなかった手塚は、自分の素直な気持ちに従いバンコクへ向かった。


──9月20日に万智選手の取材で、手塚選手の実家のジムを訪れた際には「試合がない」という苦悩がにじみ出ていました。急転直下、まさかの10月7日に試合決定です。

「あの1週間後にオファーが来て……決まりました(笑)。水曜日に打診があって、木曜日に契約書にサインをしました」

──ここが不思議なのですが、代役出場でショートノーティスということではないわけですよね。

「ハイ。僕が試合をするなら、相手を探すという連絡だったんです」

──スイカで食あたりした選手がいたわけではないと(笑)。

「アハハハハ。でも、間に入ってくださった方がマット・ヒュームにも連絡をしてくれたそうなので……マット・ヒュームが動いてくれたのかなぁと。それは分からないですけど、水曜日にガレージでの練習を終えて、車で家に戻る途中にマネージャーから電話があって、『さすがに来週はないよなぁ』って。

まぁ急だったので、少し考えたいと返答して。2時間ぐらい考えて、ここで来るのも逆にいえばチャンス。急だとかなんとか言っていられないよなって。準備期間だ、なんだって言ってられねぇと思って受けることにしました」

──2日間飯を食べていないと、何を出されても食べますよね。

「まぁ、試合に関してはそれぐらいハングリーだったので」

──オファーの時点からウェルター級で?

「キャッチウェイトでも構わないということでしたけど、僕はウェルター級でアンダーなので。ウェルター級で構わないですって伝えました」

──これは私の個人的な意見です。代役でもなくて、10日の意思確認と試合決定──ファイト直前ですが、手塚選手が気の毒でならないです。選手に対して、配慮や思いやりが欠けています。周囲はどのような反応でしたか。

「驚いていました。練習を一緒にしている梅田(恒介)さんにも電話をしましたけど、『来週? 嘘でしょ』みたいな。皆、そうなりますよね。だからセコンドも見つからなくて。『来週、バンコクに行けますか』って尋ねても、行ける人はなかなか見つからないですよね。最終的には妻に頼んで、時間だけでも読み上げてもらおうかとも考えました。でも娘が今年に生まれたばかりで、水とか怖いということになって。そんななかで岡田遼選手が、セコンドに就いてくれることになったんです」

──えっ、あの独身貴族の岡田選手ですか? 

「ハハハハ。ハイ。一度、出稽古でお会いしてから同い年で仲良くさせていただいていて。今年になっても2回ぐらい栃木まで遊びに来てくれて。キャンプとかしているんですよ」

──それは意外な顔合わせでした。岡田選手は自らのジムもありますし、よくバンコク行きが可能になりましたね。

「ハイ。試合の前日に来てくれて、試合は朝なので夜には戻るっていうスケジュールで来てくれます。日曜日の朝に東京に着いて、その日はアマチュアの大会でセコンドに就かないといけないそうです。でも岡田さんは『バンコクも栃木も変わらないです』と言ってくれて」

──おお、漢ですね。

「感謝しかないです」

──と同時に、先日お邪魔した時に1年8カ月も試合から遠ざかっているのに、グッドシェイプを保っているのだと感心させられました。

「ありがとうございます。練習をし続けていたからこそ、チャンスが巡ってきた時に行くことができました。準備をしていれば、いつかチャンスが回ってくると信じるしかなかったです。そこを信じることができなくなると、続けられなかった。練習自体も好きですけど、いつでも行ける準備はしていました。だから、ありがたいです」

──この間、ショートノーティス出場は常に頭にあったでしょうが、それでもやはり2週間ぐらいを想定していなかったですか。

「ハイ。このオファーが来て、2週間じゃショートノーティスではないと思うようになりました(笑)。前回の試合も1週間前に相手が代わりましたし。だから対戦相手の研究とか関係ないですよね。何が起きてもやっていける自信があります。海外で戦っていくということは、こういうことなんだと。ここで戦うモノなんだと」

──同じく急遽試合が決まった対戦相手のジン・テホに関して、どのような印象を持っていますか。

「彼はインスタで『全然試合が決まらないから、やろうぜ』ってメッセージを送って来ていて。だから、彼も試合機会に恵まれていなくて同じ境遇だったのでしょうね。選手としてはリーチが長い。ワンツーとか遠い距離で戦うけど、蹴りはない。かといってボクシング&レスリングでもなくて、自分からテイクダウンは狙わない。四つ組みでも背中を見せてバックを取らせてアームロックを狙う──そんなイメージです」

──桜庭和志選手と同じようなファイトショーツを履いている選手ですね。

「桜庭選手リスペクストが凄いです。だから、ああいうアームロックを狙うのか。変則的で、現代MMAではなくてUWFの回転体という印象を持っています」

──Double GFCの元ウェルター級王者です。

「元々はライト級みたいで、DEEPと修斗に来日して大原樹理選手、川名雄生選手に負けています。対戦相手の対策の時間もなかったですけど、何もさせずに圧倒します。自分のやるべきことをやる。自分の動きができれば必ず勝てます。打撃、組み技でも劣っているところはないです。一発のキムラとか気を付けて舐めることなく、大きく見ることもなく戦えば、必ずフィニッシュできます。

あと無観客が2試合、前回は少しだけお客さんに席が開放されていた大会で。今回は満員のルンピニー・スタジアムで久しぶりに戦えるのは楽しみです」

──ところで手塚選手がリングで試合をしているというイメージが一切ないのですが、今大会はリングが使用されます。

「アマチュアも米国でケージだったので、リングで試合をしたことはないんですよ。なんでまぁ、初めてなんです。けれども壁レスを使って倒すタイプでもないし、リングだとコーナーがあるのでプレッシャーをかけて詰めやすい。だから不安要素としては捉えていなくて、自分にとってメリットというか、優位に働くかと思います」

──ここで勝てば、言いたいことがあるかと思います。

「もっと試合させてくれってことですね(笑)」

──その権利を得るために、どのような試合をしたいと思っていますか。

「ここまで積み上げたモノと溜まったモノを、全部ぶつけて勝利を掴もうと思います。しっかりやります。それに海外で日本人選手が勝てていないんで、このままだと日本のMMAが舐められてしまいます。ここでジャパニーズ・ビーストが、盛り上げようという気持ちで戦います」

■放送予定
8月5日(土・日本時間)
午前8時30分~ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN15対戦カード

<ONE暫定世界フェザー級(※70.3キロ)王座決定戦/5分5R>
タン・リー(米国)
イリャ・フレイマノフ(ロシア)

<ONEキックボクシング世界ストロー級選手権試合/3分5R>
[王者]ジョン・ディベラ(カナダ)
[挑戦者]ダニエル・ウィリアムス(豪州)

<キック・フェザー級/3分3R>
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)
ジョー・ナタワット(タイ)

<サブミッション・グラップリング無差別級/10分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
青木真也(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ジョシュア・パシオ(フィリピン)
マンスール・マラチェフ(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
ジャン・リーポン(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
フー・ヨン(中国)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
手塚裕之(日本)
ジン・テホ(韓国)

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【ONE FN11】ストロー級にダゲスタンの脅威現れる。マンスール・マラチェフ、ミアドをダース葬

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
マンスール・マラチェフ(ロシア)
Def.1R4分31秒by ダースチョーク
ジャレミー・ミアド(フィリピン)

左ジャブを伸ばすミアドに対し、マラチェフはスピニングバックフィストスピを繰り出し人ダブルレッグへ。リフトして倒したマラチェフは、ミアドはウィザーで立ち上がる。ヒザを狙いつつ離れたミアドが、左フックを当ててダウンを奪う。すぐに立ち上がったマラチェフは組んでボディロックへ。そのままテイクダウンを決めると、ミアドがクローズドガードを取る。

ニーシールドを蹴り上げのミアドだが、マラチェフはスペースを与えず潰してトップをキープする。パスを決めたマラチェフに対し、背中を預けた立ち上がったミアドが胸を合わせて離れる。ミアドはテイクダウン狙いを切って右カーフ、アッパーが空を切りマラチェフがダブルレッグを決めた。足を束ねて、コーナーに押し込んだマラチェフがヒザ眼目に入れ、起き上がろうとしたミアドを一瞬にしてダースに捕らえる。

反転して絞めあげたマラチェフがタップを奪い、ONE初陣で一本勝ち。「インスタでチャンピオンにテキストを送ると、『まずこの試合に勝て』と返事された。挑戦する準備はできている。チャンピオンが受けなくても、次の試合を戦う。誰が来ても自信は十分にある」と勝者話した。


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