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【PFL2024#10】デイビスのパンチ&ステップに苦戦も、ベルナウイが至近距離打撃を効かせてからRNC葬

【写真】ペースを奪われながらも最終回に勝利をもぎとったベルナウイ(C)PFL

<ライト級/5分3R>
マンスール・ベルナウイ(フランス)
Def.3R3分41秒 by RNC
アルフィー・デイビス(英国)

ベルナウイが左ジャブでプレスをかける。左ジャブから右クロスに繋げると、早くもデイビスがケージを背負った。右ボディを入れてサークリングし、ケージ際を脱したデイビス。しかしベルナウイがワンツーで追いかける。デイビスは時おりスイッチを見せるも、ベルナウイが右を狙う展開は変わらず。至近距離で組みの展開を見せた両者だが、すぐに打撃に戻る。サウスポーにスイッチしたデイビスの左ストレートをかわし、右を打ち込むベルナウイ。左ジャブで下がらせ、幾度も右を狙う。デイビスはハイを狙うもクリーンヒットせず。

ベルナウイは右ローをキャッチされたが、デイビスの足払いをかわした。足を滑らせたデイビスは背中を着いてしまい、ベルナウイがトップに回る。デイビスは左目じりから出血が見られる。デイビスはクローズドガードからベルナウイを抱え込む。ベルナウイがコツコツとパウンド&ヒジで削りながらパスを狙う。左側にパスしたベルナウイがサイドから袈裟固めへ。一瞬デイビスの右腕に対してスカーフホールド&アメリカーナを狙う場面もあったが、そのまま押さえ込んで初回を終えた。

2R、デイビスはプレスをかけてくるベルナウイに二段蹴りから左ストレートに繋げる。右フック、ミドル、さらに左フックからバックステップで距離をつくるデイビス。足を動かし続けるデイビスに対し、ベルナウイは強引に距離を詰めるも捕まえきれない。デイビスが詰めて来ると、デイビスが右を返した。ベルナウイはボディロックでデイビスをケージに押し込む。デイビスは右オーバーフックから左腕を差し返した。ベルナウイはボディへのヒザ蹴りで削った。

最終回、両者の左が相打ちに。デイビスは離れて左ストレート、左テンカオでベルナウイを迎え撃つ。ベルナウイは右ストレート、右ハイで追いかけるも捕まえることができない。右フックを打ち込んでから右に、左フックから左に回るデイビス。ケージ中央では二段ヒザでベルナウイの前進を止めるデイビス。右腕を回しながら左を打ち込むなど、デイビスがベルナウイを捌く。しかし残り2分でベルナウイがデイビスにケージを背負わせ、右を効かせた。捕まえると首相撲からボディへのヒザ連打とダーティボクシングでダメージを与える。さらに右ヒジ連打で動きを止めると、すぐにグラウンドに持ち込みRNCでタップを奪った。


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【PFL2024#10】MENAバンタム級決勝へ、UFC級=アリ・タレブ「拳が爆発するところを楽しみにしてくれ」

【写真】UAEWバンタム級のベルトと。あのヴィニシウス・オリヴェイラに勝っている──弱いわけがない。MENAで優勝し、北米進出を目指すアリ・タレブ。果たしてバンタム級ファイターに、その機会は与えられるのだろうか (C)PFL

29日(金・現地時間)、サウジアラビアはリヤドのKSU(キング・サウジ大学)アリーナで開催されるPFL2024#10「Championships」。同大会では今年から活動を介したPFL MENAの決勝戦4試合も組まれている。
Text by Manabu Takashima

中東&北アフリカの地区リーグ=MENAは、当然のようにアラビック&ムスリム人選手が中心に活躍している。そして、その地を持ち当地で戦うファイターも少なくない。バンタム級決勝でラシッド・ハズと対戦するアリ・タレブもその1人だ。

戦禍のイラクを逃れ、スウェーデンに移住したタレブはUAEW時代に吉野光を倒し、コンテンダーシリーズからUFCにステップアップしたヴィニシウス・オリヴェイラをKOしバンタム級のベルトを巻いた実力者だ。そのタレブ、PFLファイナルとの合体したビッグショーで、その名を世界に轟かせようと気概に満ち溢れていた。


(C)PFL

――PFL MENAバンタム級決勝でラシッド・ハズと対戦します。

アリの国籍がイランだったりスウェーデンになっていたりするのですが、スウェーデン生まれのイラク系ということで宜しいでしょうか。

「いや、俺が生まれたのはイラクだよ。1997年に生まれて、2009年にスウェーデンに移住した。イラクは米国とサダム・フセインの間で紛争状態に陥り、逃れるために父、弟、妹と一緒にスウェーデンに移り住んだ。でも兄は今もイラクに住んでいるよ。より良い人生を求めて、スウェーデンにやってきたんだ」

──コンバットスポーツに出会ったのは、スウェーデンに移り住んでからですか。

「ブラザー。今、言ったように俺は5年間も紛争状態の国に住んでいたんだ。ガキのころから、頭の中も戦争状態だった。言葉が通じないスウェーデンにやってきて、拍車がかかった。でもスウェーデン語が分かるようになってから、落ち着いてサッカーにこうじるようになった。そのうち週に2度ほど、格闘技のトレーニングを始めるようになったんだ」

──どのようなスタイルの格闘技の練習を始めたのでしょうか。

「ノーギグラップリングだ。ただ楽しむために始めて、シリアスではなかった。でも2年、3年と練習をすると、真剣さが増してアマチュアの試合に出るようになった。プロデビューは2019年だ。2勝したらコロナになった。そして2021年の3月に10日前のショートノーティスでUAEWからオファーがあった。相手は7勝2敗のヌーラズ・アブザグだ。その試合に勝って、ブラザー。俺はそのままUAEWと契約をした。強い相手が続いたけど4連勝して5戦目で今はUFCで戦っているヴィニシウス・オリヴェイラとバンタム級王座決定戦を戦い、3RKO勝ちでチャンピオンになった。UAEWではほんとうに良い経験をさせてもらったよ」

──イラクの血もあってUAEWと契約したのですか。そのまま欧州でキャリアップということは考えずに?

「それは関係ない。チャンスがあったから、跳びついた。とにかく強い相手と戦いたかった。だからUAEWと契約して良かった。正直、それからCage WarriorsやUFCに進もうという考えは持っていた。でもオリヴェイラに勝った後に、PFLから連絡がきたんだ。PFLと契約できて満足している。彼らとはファミリーのような人間関係を築くこともできた」

──ただPFL欧州でなく、PFLレギュラーシーズンに参戦したいという想いはなかったですか。

「ブラザー、それはどうでも良かった。強いヤツと戦いたいというのが一番だったから。実際、PFLヨーロッパでキャリア初黒星を喫したわけだし。PFLはベストファイターを用意してくれ、俺は負けた。そして今年はMENAでのチャンスを貰ったんだ。

戦って稼いでいるんだ。文句はない。それにMENAにも良い選手が揃っている。なんといっても選手へのケアが違う。ヨーロッパの多くの大会は、ここまで選手ファーストのイベントを開くことはできない」

──MENAが活動開始をした。抜群のタイミングでしたね。

「中東のMMAは日々、成長している。サウジアラビアは多くのスポーツに投資をしていて、MMAやボクシングにも力をいれているんだ。レベル的にもUAEWが次々とUFCに選手を送りだしたように、中東のMMAはコンペティションとしても成長し続けている。ローカルファイターも力をつけているしね。ファンも熱狂的だ」

──今大会はMENAのファイナルだけでなく、PFL Globalシーズンの決勝戦も行なわれるビッグショーになりますね。

「ブラザー、これは大きな一歩だよ。ここで勝って、もっと前に進む。このショーで戦うことで、多くの人がアリ・タレブの名をその胸に刻み込んで欲しい」

(C)PFL

──では対戦相手の印象を教えてください。

「ブラザー、ラシッドは良い相手だ。でも俺の方が優れている。どこが優れているかは、試合を見てもらうと分かるだろう。ブラザー、俺の拳が爆発するところを楽しみにしてくれ。試合に関してベラベラと話すつもりはない。日本のファンにもファイトをしっかりとチェックしてもらえると、アリ・タレブがどういうファイターが分かってもらえると信じている」

■視聴方法(予定)
11月29日(金)
午後11時15分~U-NEXT

■PFL2024#10対戦カード

<フェザー級決勝/5分5R>
ブレンダン・ラウネーン(英国)
チムール・カイズリエフ(ロシア)

<女子フライ級決勝/5分5R>
ダコタ・ディチェバ(英国)
タイラ・サントス(ブラジル)

<ライトヘビー級決勝/5分5R>
インパ・カサンガネイ(米国)
ドブレジャン・ヤギュシュムラドフ(トルクメニスタン)

<ウェルター級決勝/5分5R>
マゴメド・ウマラトフ(ロシア)
シャミル・ムサエフ(ロシア)

<ライト級決勝/5分5R>
ブレント・プリマス(米国)
ガジ・ラバダノフ(ロシア)

<ヘビー級決勝/5分5R>
デニス・ゴルソフ(ロシア)
オレッグ・ポポフ(ロシア)

<ミドル級/5分3R>
コステリョ・ファン・スティーニス(オランダ)
ジョアォン・ヴィトー・ダンタス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ガブリエル・ブラガ(ブラジル)
ジェレミー・ケネディ(カナダ)

<フェザー級/5分3R>
アザエル・アジョウジ(フランス)
ホセ・ペレス(米国)

<MENAウェルター級決勝/5分5R>
ムハマド・アラクラー(クウェート)
オマール・エル・ダフラウイ(エジプト)

<アマチュア女子アトム級/3分3R>
ハッタン・アルセイフ(サウジアラビア)
リリア・オスマニ(アルジェリア)

<MENAバンタム級決勝/5分5R>
アリ・タレブ(スウェーデン)
ラシッド・ハズ(スペイン)

<MENAライト級決勝/5分5R>
ムーセン・ムハマドサイファイ(イラン)
ジョージ・エイド(レバノン)

<ライト級/5分3R>
マンスール・ベルナウイ(フランス)
アルフィー・デイビス(英国)

<ライトヘビー級/5分3R>
スリム・トラベルシ(チュニジア)
アブラハム・バブリー(英国)

<MENAフェザー級決勝/5分5R>
アブドゥルラフマン・アリヤサット(ヨルダン)
アブドゥラ・アルカタニ(サウジアラビア)

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45 AB ABEMA BELLATOR MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN48 UFC マンスール・ベルナウイ 宇佐美正パトリック 海外 白川陸斗 矢地祐介

【RIZIN48】有言実行なるか。宇佐美正パト戦へ、矢地祐介「今の時代の風潮と戦うにはちょうどいい相手」

【写真】気持ちの良いポジティブ思考。矢地の言葉は、人々を幸せにできる (C)TAKUMI NAKAMURA

29日(日)さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで行われるRIZIN48にて、矢地祐介が宇佐美正パトリックと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

2023年は1試合に終わった矢地だが、今年は2月のRIZIN佐賀大会の白川陸斗戦、5月のBellatorフランス大会のマンスール・ベルナウイ戦に続いて、早くも3戦目となる。ベルナウイ戦での反省を踏まえて、フィニッシュへの意識を高く持って練習に取り組んできたという矢地。それは打撃への評価が高くなった最近のMMAへの対応という意味も含まれる。

そのなかで迎える宇佐美との一戦を「時代への挑戦。新世代のMMAファイターと戦って、そこに抗えるか」と位置づけた。

──5月のBellator CSにおけるマンスール・ベルナウイ戦後のインタビューでは「今年はドンドン試合をしたい」と話をしていて、3試合目=宇佐美正パトリック戦が決まりました。矢地選手としては常に試合ができる状態で準備していたのですか。

「そうですね。体重含めて常に試合の準備はできているんで、今年はトントントンと試合が決まって嬉しいです」

──Bellator CSのベルナウイ戦の敗戦を踏まえて、どんなことを意識して練習をしているのですか。

「一本勝ちを目指してテイクダウンするとか、ラウンドの中で極めきるとか、練習中の1Rのなかでも勇気を出して失敗してもいいから極めに行く姿勢でやるようにしています」

──より試合をイメージしてスパーリングしているのですか。

「自然にそうなってきていると思います」

──試合は5分3Rなので、ラウンド数もそれに合わせる形にして、短いラウンドを集中してやるようにしているのですか。

「なぜかこの夏、ロータスはエアコンをつけない方針だったんですよ、理由は分からないんですけど(苦笑)。あまりにも暑すぎて、連続では2本やるのが限界みたいな感じでした」

──エアコンをつけない!? 毎年恒例でやっているわけではないんですよね。

「はい。いきなりなんちゅうことを企画しているんだよっていう感じですよ。ただボス(八隅)が決めたことだから反対できないし、ジムから外に出て『あっ、涼しいな』と思うぐらいの暑さでした。外の気温は36度とかなのに(笑)。しかも今年は湿気も凄かったし、マジでバテてました。9月に入ってから少し涼しくなってきて、今日も3本連続で集中してやったんですけど。まあ大変な夏を過ごしました」

──想像するだけでも過酷な練習環境ですね……。よりフィニッシュを意識して練習するようになったのはどういった理由からですか。

「最近のMMAの判定基準が、やっぱりUFCをはじめ世界的にストライキング重視になっていて、寝技でのコントロールがあまり評価されないようになってきていますよね。そういう中で組み技の選手としてはしっかり一本を取るとか、パウンドやヒジでダメージを与える展開を作らないといけない。

特にRIZINの場合はトータルマストなので、3R終盤までずっと相手を組み技でコントロールし続けていても、最後の最後に立ち上がられて1発食らってふらついちゃったら、それだけで相手に判定を持っていかれていて負けになる可能性があるわけじゃないですか。そういう意味で、寝かせたらダメージを与える・一本取ることを意識するようになりました」

──最近のMMAのトレンドを抑えたうえでのことだったのですね。やはりそこは一本を狙う・ダメージを当たると“意識”するだけじゃなくて、体がそうなるように練習から作っておかなければいけないということですね。

「はい。そういう判定基準がどうかは別にして、世界的にそうなってきているわけだから、僕ら選手としてはそれに従わなきゃいけないし、順応しなきゃいけない。そういう意味でも自然にそうなってきました」

──矢地選手はそういった判定基準は分かりやすくていいと思いますか。

「分かりやすいんでしょうけど、その事実を認められていない選手も多いと思います。特にグラップラーの選手は。今までそれ(コントロール重視)で勝ててきた分、あれ?と思って対応しきれていない選手が多いイメージですよね。でも選手はそれに従ってやるだけですよ。そうじゃなかったら勝てない」

──フィニッシュやダメージへの意識が高くなって、動き自体も変わってきましたか。

「良くも悪くも相手に隙を与えてしまう場面もあったりするんですけど、今までよりフィニッシュできるようになったし、そこを狙っていくことで、技術体系も変わってきて、新たな発見もありますね」

――よりアグレッシブになっていますか。

「好戦的になりますよね。練習の時点で自分からフィニッシュに向かって展開を作っていこうというマインドになっているので。例えばボイド・アレン戦なんかは、固めて勝とうみたいな意識だったんですけど、今はあれじゃ勝てないと思うんですよ。練習の時点でフィニッシュを意識して、それができるようになってきた感覚はあります」

──フィニッシュにトライするからこそ、今までに気づかなかった一本の取り方やダメージの与え方も見えてきましたか。

「それもありますね。(一本を取りに)行ってみたら割と行けるんだみたいな場面はありました。自分は心配性でビビリだから、なかなか一歩前に出られないタイプなんですけど、練習でフィニッシュを狙うことによって、こういうところからでも極められるんだとか、今までは自信がなかったところでも、全然(一本)取れるんだ!みたいな発見はあったかもしれないです。一歩踏み出さなかったから分からなかったけど、一歩踏み出してみたらこんな楽園があった、そんなノリですよ」

──言い方は難しいですけど、変にキツいことをやらなくても、決着つけられる道があるということですよね。

「自信がないからキープしようとか、ちょっとチープに手を打ってラウンドを終わろうみたいな感じだったのが、行くしかないんだとなったら、『なんだ、俺って意外とできるじゃん!』みたいな」

──しかもそれが失敗したとしても、今はトライしたことが判定で評価に繋がるかもしれないわけですからね。

「そうそうそう。それもあると思うし、そういう意味で今の判定基準に順応していますね」

──去年は試合数が少なくて、決まっている試合に勝つための練習ではない、技術そのものを伸ばす練習ができた時期だったと思います。逆に今年は試合がコンスタントに続いていて、勝つための練習にシフトできている部分もあるのかなと思いました。

「確かに…そう言われるとそうですね。いい流れができていると思います」

――今はまた充実して練習ができていますか。

「相変わらず楽しいですね。ただ最近は楽しいのが良くないのかなと思っちゃって。楽しい格闘技になっているから、いま一歩、もう一歩上に上がれていないのかなって思うし、格闘技のことが嫌いになるまで突き詰めないとダメなのかなとか。最近そういう風に思っているんですよ」

──練習するのも嫌になるくらいじゃないとダメだ、と。

「そう、そうなるぐらいまでやらないといけないのかなって。でも………いくらやっても楽しいものは楽しいんで」

──先ほどの判定基準の話にもつながるかもしれませんが、見ている側からすると今のMMAは楽しいMMAになりつつあると思います。

「ちょっと競技、競技しすぎていたのが、またファイトっぽくなってきますよね」

──打撃重視になると言っても、組み技・寝技のスキルがなければ勝てないわけで、逆に組み技・寝技のレベルが上がる部分もあるはずで。

「そうなると柔術の時代や寝技が評価される時代が来るだろうし」

──そういう時代の流れがありつつ、今回はパトリック選手と試合が決まりました。

「まさに今の時代の風潮と戦うにはちょうどいい相手ですよね。彼は打撃の選手で、俺に1発当てればいいと思っているだろうし。その中で俺はしっかり、もちろんMMAなんで打撃も寝技も全部なんですけど、その中でフィニッシュするっていう。時代への挑戦ですよね」

――なるほど。まさに先ほど矢地選手が言っていたように、パトリック選手は試合のほとんどをコントロールされても、最後の最後で一発当てればひっくり返せるというマインドを持って戦ってくるでしょうね。

「だと思いますよ。あっちは俺が被弾する場面が多いのを見ているだろうし、1発テンプルに当てちゃえば、アゴに当てちゃえばって思っていると思います。だから、そこをしっかりディフェンスして、MMAだから俺のパンチが当たることもあるかもしれないし、打撃にせよ寝技にせよ、しっかり極めきることが大事だなと思います」

──カード発表会見で「若い選手とやることに意味がある」とおっしゃっていましたが、今日話を聞いていてもっと大きなテーマの話になってきたなと思いました。今の時代のMMAとの勝負ですよね。

「そうですね。まさにそう。新世代、今の時代のMMAファイターと戦うっていうことですよね。だからいいっすよね。そこで抗えるかどうか」

──今年はそういった意味で試合も多いですけど、それこそいろんなテーマがありますよね。

「はい。続けているとテーマは増えますよね、結局」

──そうやって試合の度にテーマが出てくるのは矢地選手が格闘技にしっかりと向き合っているからだろうし、地震の被弾数が多いということも理解したうえで練習しているからですよね。相手はその弱点を突いて攻めてくると思いますが、そうさせずに一本を取るという部分は入念に練習しているところですか。

「そこは(ルイス・)グスタボに負けて以来ずっと取り組んでいることで、俺が被弾しているのは相手のプレッシャーに負けて下がってしまって…という場面なんで、不用意に下がらずにしっかりプレッシャーをかける。組むにしろ打撃を当てるにしろ、自分からプレッシャーをかけて攻撃を作っていくことがテーマです」

──それも決して昨日今日で修正しようとしていたことではない、と。

「最近それを試すのにちょうどいい相手と試合を組んでもらえているから、RIZINからの俺への課題というか。これを乗り越えないと君は上に行けないよというのを試されていると思っています」

──同じ日にライト級のタイトルマッチもありますが、そこは意識していますか。

「シンプルにどっちが勝つんだろうと思って気になりますね。凄い楽しみです」

──それこそあのカードも今のMMA的な打撃=グスタボ×組み技=サトシという試合かもしれないですね。

「確かに確かに。でもサトシもパンチは強いですからね、上手くはないけど」

──喧嘩が強い系ですよね。

「体の節々がでかいし、パンチが硬いんですよね。本当にいい試合になると思います」

──もちろん矢地選手もパトリック戦をクリアして、そのベルトを狙っていると思います。

「もう1発ここで勝って、大晦日に試合を組んでもらって。何度も言うけど俺は強豪外国人と戦って、乗り越えたいって気持ちが強いんで、また海外の選手と大晦日にやりたいなって今は思っています。もちろん次勝たないと何も始まらないんで」

──分かりました。この夏、冷房を切った中で練習してきた成果をぶつけてください。

「本当そう! 冷房の中で試合ができるだけで天国ですよ(笑)!」

■RIZIN48視聴方法(予定)
9月29日(日)
午後2時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

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2024#02 45 BELLATOR Bellator CS2024#02 MMA MMAPLANET o ベラトール ボクシング マンスール・ベルナウイ 矢地祐介

【Bellator CS2024#02】開始直後のヒジでペースを奪われた矢地、ベルナウイのダースチョークで一本負け

<ライト級/5分3R>
マンスール・ベルナウイ(フランス)
Def.1R4分08秒 by ダースチョーク
矢地祐介(日本)

ベルナウイがジャブと右フック。矢地が左ミドルとインロー、左ボディストレートから右フックにつなげる。ここから距離を詰めて組んだ矢地だが、ベルナウイが首相撲のような形でヒジを連打する。これを受けた矢地が引き込むように下になる。

矢地はハーフガードからベルナウイの脇をくぐるように身体を起こし、右腕を差して立ち上がる。ケージを背負いながらも矢地がヒザ蹴りを入れて離れる。ベルナウイが右の前蹴りと左フック、矢地が左ミドルを蹴ってワンツーから組みつく。ベルナウイは左腕を差して矢地をケージに押し込み、右腕で足をすくようにしてテイクダウンする。

サイドを奪われた矢地がケージを蹴ってポジションを返そうとするが、ベルナウイはサイドポジションでトップキープしてヒジを落とす。矢地が左腕を差して体を起こすと、ベルナウイがダースチョークへ。これががっちりと極まって矢地がタップ。矢地のベラトール初参戦は無念の一本負けに終わった。そして勝者は「作戦は単に対戦相手に合わせて、ボクシングでもグラップリングでも戦うことだった。そしてグラップリングできたから~、そこで戦った。次はチャンピオンと戦ってチャンピオンになりたい」と話した。


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BELLATOR MMA o マンスール・ベルナウイ 矢地祐介

【べラトール】速報中!Bellator Champions Series Paris 矢地祐介出場!

IMG_9248



【ライト級】
○マンスール・ベルナウイ
(1R ダースチョーク)
×矢地祐介
1R、開始と同時に間合いを詰める矢地。ハイを放つなど果敢に攻める。さらに組みつく矢地。しかしベルナウイは至近距離での肘を連打。これが効いたか矢地は崩れるところでテイクダウンしたベルナウイ。矢地はケージを背にしてなんとか立ち上がる。差し合いから突き放して脱出。矢地はパンチの連打から組み付く。しかし逆にベルナウイがリフトしてテイクダウンしてサイドを奪取。上から矢地をコントロールしてダースチョーク。これがガッチリ極まると矢地はタップ!ベルナウイが一本勝ち。べラトール初戦の矢地は無念の敗退。
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2024#02 45 AB BELLATOR Bellator CS2024#02 MMA MMAPLANET o PFL RIZIN ROAD FC Road to UFC UFC アレックス・ヴォルカノフスキー ブレント・プリマス マンスール・ベルナウイ 海外 矢地祐介 金原正徳

【Bellator CS2024#02】待望の海外進出=パリでベルナウイ戦、矢地祐介「近い距離の方が安全じゃん」

【写真】終始楽しそうだった矢地。ベルナウイを相手に、見て、殴ることができるか(C)MMAPLANET

17日(金・現地時間)、フランスはパリのアコー・アリーナで開催されるBellator Champions Series 2024#02に矢地祐介が出場し、マンスール・ベルナウイと対戦する。
Text by Manabu Takashima

RIZINで日本中に認知されるファイターとなった矢地だが、PXCからUFCを目指した若き日々があった。前UFC世界フェザー級王者アレックス・ヴォルカノフスキーに敗れ、その道を断たれた矢地だが、9年を経てなそ北米の強豪との対戦という想いを持ち続けてきた。

Road to UFCの選考に漏れ、3連敗や2度の連敗もRIZINで経験している矢地は、現在3練習中でベルナウイの地元パリでBellator CSに出場が叶った。33歳、今もMMAが楽しくてしょうがなく、成長過程にある矢地の海外進出、国際戦への拘りと勝利を手にするための悪癖の克服について尋ねた。


──試合まで10日を切りました(※取材は8日に行われた)。まず、このタイミングでPFL傘下のBellator Champions Seriesで戦うことを決めた背景には、どのような想いがあったのでしょうか。

「北米に挑戦にしたいというのはRIZINの方にも、2年ぐらい前から言っていて。RIZINはBellatorと仲が良いからBellatorの選手とRIZINで戦いたい。機会があれば、米国で戦いたいとずっと伝えていました。でも、俺の結果が振るわない時期もあり、なかなかそういうチャンスがなかったんですけど、ここ最近の結果とか色々とタイミングが重なった形でオファーを頂いた時は、もう二つ返事でした」

──今のMMA界の構造にあってRIZINとBellatorと掛け持ち云々という言葉を聞くと、大抵の選手に対しては『そんな立場じゃないだろ』というのが自分の本音でした。Bellatorのビジネスに役立たないとチャンスはないわけで。なら向うでの戦いに専念して名前をあげる気概がないと、勝ち残ることができるかと。

「う~ん(苦笑)」

──ただ矢地選手に関しては、Road to UFCを狙って実現しなかった過去があります。純粋に強さを求めているなかで、パリでマンスール・ベルナウイと戦う。アッパレだと感じます。

「北米メジャーに出たいとずっと思っていました。僕の階級では強いヤツがゴロゴロいるので。最近、自分自身で実力もついてきたと思っているし。本当に良いタイミングだったと思います」

──実力がついてきた。これはもう、矢地選手の試合前のインタビューで恒例となっている言葉のようにも感じられますが(苦笑)。

「アハハハハ。ちょっとぉ……でもケージやリングでは『アレ?』ってなるって、言いたいんですよね(笑)」

──その通りです(笑)。

「絶対にそう言われると思いましたよ。まぁ、そうなんですけどね(笑)」

──2月のLANDMARK佐賀大会では、解説の金原正徳選手がダメだしのオンパレードでした。矢地選手のこと、丸裸にしていましたね。

「ハハハハ。前回の試合で学んだことって大きいです。打撃の面では。皆が知っているように体を傾けて、顔を背けて打つ癖だとか──そこがやっぱり出てしまって。でも、1Rの途中から修正できました。現場のリアルななかで、感覚を得ることができた。それは凄く良かったと思います」

──相手の攻撃が見えるようになった。そこから如何に攻撃に出るのか。相手が見えるようになると、まず身を守る。だから攻撃に出られない。そういうこともMMAではあるかと思います。

「そこはねぇ……。見えて反応ができることで手が出ない。なんて、俺はビビりなんだろうって思った時期もありました。あの白川ダーク陸斗戦でも、そこがあったような無かったような。曖昧な感覚でしたね。前回の試合は自分の反応の良さがあって、そのなかで悪い癖をだしちゃいけないという部分で、『やればできんじゃん』という自信にはなりました。

試合でもちょっと勇気を出して……じゃないけど、頑張ってじっと見つめれば、『パンチって見えるじゃん』みたいな。そこの壁を、ポンと飛び越えることができました。試合というプレッシャーのなかで、特に相手は捨て身でやってくる。パンチに自信がある選手だし、なかなかの圧力でした。でも、そういう選手の攻撃を見ることができた。『できるじゃん』ってなれたのは、デカいです」

──その自信は持続できているのでしょうか。

「それが、この1、2カ月で自分の目の良さがディフェンスとか、打撃の攻防において凄く生きるじゃんって思えるようになったんですよ。それこそ2月の試合の経験が生きて、練習でも落ち着いて対処できるようになったし、何よりも近い距離って安心して良いじゃんって。自分のなかでの常識がひっくり返って『近い距離の方が安全じゃん』ってなりました」

──おぉ。

「それぐらいまで、来ることができているんで。もちろん、あの距離に入ったらパンチを貰うし、危ないです。気を張らないといけない。今までは、その前段階で嫌がって下がり、心地良い距離を保とうとした結果、詰められてバランスを崩す。そして、相手の一番良い距離でパンチを被弾しちゃう。その思い切り受けていたパンチも、ちょっと前に出ると……貰うのは良くないのですが、こんな感じなんだと自分のなかの常識がポーンとひっくり返って。

下がらないで、前に出た方が良い。俺は最近、組みに自信を持っているので、なおさら前に出た方が良いという風に今はなれています」

──それにしても、嬉しそうに話しますね(笑)。

「いや、楽しいです。今は本当にMMAをやっていて楽しい。ゲームをやっている感覚なんです。どんどんアイテムをゲットできている。そんな感覚がずっと続いているから」

──ベルナウイと戦う上で、その感覚がどう生きるのか。どのような印象を持っていますか。

「ある程度トータルファイターで、手足が長い。昔の方がイケイケだったと思います。Road FCで戦っていた時とか。最近は打撃の方は、そんなに勢いがないですよね。でも下からのスイープには自信を持っている。あのジョンウェイン・スイープってやつですね。それでも全体的に粗めかなぁ、組み技も」

──おお。別名ギグラー・スイープの名手も、組み技が粗いと。

「八隅(孝平)さんとも研究しているのですが、そのスイープにしても手札は多くない。そこを封じ込むことができる相手、ブレント・プリマスとかには勝てなかったじゃないですか」

──ハイ。さきほど組みに自信がついたと言われていましたが、テイクダウンを取ると相手の土俵になるかと。

「まぁ、大半の選手が彼のスタイルが分かっていても、あのスイープの餌食になっていますよね。だから触ってみないと分からない。そこに関しては、現場合わせです。手足が長いから、想定以上に包み込まれているのだろうと思います。でも、そこのところは正直分からないです。

だから住村(竜一朗)さん、イゴール(タナベ)とかサイズがベルナウイに近い選手と練習をして。背が高い選手と戦うと、アジャストが必要になります。テイクダウンを狙っても腰の位置が違う。四つの展開でも、肩の位置が違う。その辺りの感覚の違いの擦り合わせはやってきました。

もちろんスイープをされないことは大切ですけど、された時の準備もしているので」

──そういう相手に、どのように戦うつもりでいますか。

「何があろうと、最近の僕の戦いをぶつけるだけです。打撃の攻防をして、テイクダウンして絞める。そういうプランは一応あります」

──では、ベルナウイ戦後の青写真は?

「ここを越えたら、継続参戦をしたいです。やっぱり憧れが強いんで。それにまだ本国、米国の試合じゃない。米国の地で戦いたい。なので、この試合に勝って継続参戦をしたいです。とにかくベルナウイに勝たないと始まらないので」

──勝敗でいえば勝利が絶対。と同時に成長した姿を見せて欲しいです。

「そういう意味では前回ズッコケた分、今回は出したいです。誰よりも僕自身が練習してきたことを出して、成長を試合で見せたい。ホントに。最初の10秒、見逃さないでください。『あっ!!』ってなると思うんで(笑)。そこで『変わったぞ』となるのか、『また始まったぞ』となるのか」

──アハハハ、自分で言っちゃいますか(笑)。

「確実に1ミリずつ成長していますから」

──1ミリで間に合いますか。目標に?

「ホントだ、1センチぐらいは(笑)。でも1ミリの成長を見届けて欲しいです。深夜になっちゃうと思いますけど、ライブで視て欲しい。今回のテーマは根性と魂。そういう部分を見てもらえたら嬉しいです。

あと金原さんに解説をしてもらって、今度はお褒めの言葉を貰えるように戦います」

■視聴方法(予定)
5月18日(土)
午前0時30分~U-NEXT

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BELLATOR F1 o RIZIN ベラトール マンスール・ベルナウイ 矢地祐介

【朗報】BELLATORパリ大会に矢地が参戦 強豪ベルナウイと対戦

90: 実況厳禁@名無しの格闘家 2024/03/07(木) 06:57:05.42 ID:wLIKGLt+0
矢地ベラトールパリとかもうよくわかんねぇな
ベラ側から選手貸してって言われたんだろうけど


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45 BELLATOR MMA o RIZIN ベラトール マンスール・ベルナウイ 榊原信行 海外 矢地祐介

【ベラトール】矢地祐介 5.17Bellatorパリ大会参戦決定!

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川口春奈との破局が報じられたばかりの矢地祐介に吉報が!?5月17日にパリで開催されるBellator Champions Series PARISに参戦しる事が発表されました。試合はライト級で地元フランスのマンスール・ベルナウイと対戦します。

先日のRIZIN佐賀大会の直後に榊原信行CEOから海外挑戦が発表されていた矢地。こんなにも早く、しかもベラトールに参戦が決まるとは、スピード感の速さにいささか驚いています。

対戦相手のベルナウイは知名度こそ低いものの、英国「BAMMA」、韓国「ROAD FC」、ロシア「Mー1 Global」の3団体のベルトを獲得した猛者というじゃありませんか。

立って良し寝て良しのオールラウンダー。20勝のうち19フィニッシュというから実績に偽りなしという事か。いきなりガチの難敵と対峙する矢地の結末やいかに!?詳細は追って!
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BELLATOR Bellator299 MMA MMAPLANET o キック ジェイジェイ・ウィルソン マンスール・ベルナウイ

【Bellator299】beautifulな寝技が見られた一戦は、荒い打撃戦を制したジェイジェイがマンスールを下す

<ライト級/5分3R>
ジェイジェイ・ウィルソン(ニュージーランド)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
マンスール・ベルナウイ(フランス)

サウスポーに構えたジェイジェイがローから組んでいく。ケージ際でポジションを入れ替えた両者、ジェイジェイがヒザをベルナウイのボディに突き上げてレベルチェンジ、ダブルレッグからリフトしてテイクダウンを決める。ハーフから足を抜いてサイド、即マウントに移行したジェイジェイだが、ベルナウイはケージキックでリバーサルを決める。ベルナウイがワキ腹を殴り、下からエルボーを打ったジェイジェイが腕十字へ。腹ばいになったジェイジェイに対し、腕を抜いたベルナウイがバックに回る。

ジェイジェイは立ち上がるが、ボディトライアングルに捕えられる。後方から殴って絞めの機会を伺うベルナウイがネッククランク気味に絞めていく。外して手首を取り、肩をマットにつけて防ぎ切ったジェイジェイは、最後に胸を合わせることに成功しパウンドの連打で初回を終えた。

2R、右フックに組まれたジェイジェイが、ベルナウイを腰に乗せて払い腰を決める。ベルナウイはハーフバタフライも、ジェイジェイは右足を抜き、ベルナウイの得意のスイープにオモプラッタを合わせる。体を跨がせず逆に反転してトップを取ったジェイジェイがサイドで抑え、ここもマウントへ。さらにブリッジで返したベルナウイに対し、ジェイジェイは腕十字をセットへ。足をすくいにきたジェイジェイにエルボーを落とすベルナウイが腕を抜く。同時に三角に入ったジェイジェイは再び腕十字に移行し、腕の抜いたベルナウイのスクランブルにバックに回る。

半身のベルナウイからバック&ロールにも三角狙いのジェイジェイはクローズドガードを取り、下からエルボーを打ち込む。執拗に三角を仕掛けるジェイジェイは、起き上ったベルナウイの足を取る。ベルナウイが体を起こしてトップも、ここで時間に。

最終回、ジェイジェイが左ミドル、左前蹴りを繰り出す。互いにフックを繰り出し、ジェイジェイの左ミドルが決まる。ベルナウイがジャブ、右を被弾したジェイジェイが左右のフックでラッシュをかける。ベルナウイも右を当てるが、ジェイジェイが構わずフックを振りまわしダブルレッグを決めて両足を束ねていく。ボディロックを許し、半身のベルナウイは後方からパンチを受けて背中をマットにつける。

ベルナウイはスイープでトップを取ると背中越しにジェイジェイの腕を取ってパンチを落とす。振りほどいたジェイジェイが腕十字へ。極まらずハイガードも、細かいヒジを受ける。ケージを蹴って腕十字のジェイジェイだが、ここもエルボーを被弾する。もう一度、ケージキックから腕十字を仕掛けたジェイジェイは左腕を伸ばす。ヒジが逆に曲がりながら、反則気味の顔面蹴りまで見せて耐えきったベルナウイ。素晴しい寝技の攻防が見られた一戦は、結果的に粗い打撃戦を制したジェイジェイが3-0の判定勝ちを決めた。

「アメージング。ATTは僕のゲームを成長させてくれた。誰も僕を止めることはできない」とジェイジェイは話した。


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BELLATOR Bellator299 GLORY MMA MMAPLANET o UFC   アナトリー・トコフ アーロン・ピコ イスラエル・アデサニャ オットー・ホドリゲス カサン・マゴメドシャリポフ カマル・ウスマン キック ゲガール・ムサシ サバウ・ホマシ ショーン・ストリックランド ジェイジェイ・ウィルソン ジョニー・エブレン ダニエル・ヴェイケル チャーリー・ウォード デヴィ・ギャロン ピーター・クイリー ファビアン・エドワーズ ベラトール ベンソン・ヘンダーソン ペドロ・カルバーリョ マス・ブーネル マンスール・ベルナウイ リョート・マチダ レオン・エドワーズ レヴァン・チョクヒリ

【Bellator299】展望。兄弟でUFC & Bellator制覇へ─ファビアン・エドワーズ×ミドル級最強の声=エブレン

【写真】昨日の計量でエブレンは184.6ポンド。エドワーズは185ポンドのリミット丁度でパスしている (C) BELLATOR

23日(土・現地時間)、アイルランドはダブリンの3アリーナ・ダブリンでBellator299「Eblen vs Edwards」が行われる。
Text by Isamu Horiuchi

大会名が示す通り、メインイベントは米国人王者ジョニー・エブレンに英国のファビアン・エドワーズが挑戦するミドル級世界選手権試合だ。


背中に韓国の太極旗と米国の星条旗が陰陽を形作るタトゥーを抱くエブレンは、韓国人の母と米国人の父を持つ。生まれはアイオワ州だが、両親が出会ったのは父親の駐屯先だった韓国だ。これは韓国と米国にルーツを持つ元UFC世界王者ベンソン・ヘンダーソンの両親が出会った形と同様のものだ。

とまれ高校時代にレスリングでカンザス州王者に就き、ミズーリ大学でもNCAA D-1で活躍したエブレンは、大学卒業後に出会った五輪レスラー、スティーブ・モッコの紹介でATT入りしてMMAを学び、2017年にプロデビューを果たす。デビュー4連勝後の2019年からベラトールに参戦し、その後も持ち前の無類の圧力とテイクダウン力を活かした戦いで連勝した。

勝ち星を重ねるうちに打撃との連係も上達し、パンチによるKO勝利も複数記録したエブレンは、昨年6月にゲガール・ムサシのミドル級王座に挑戦。

スイッチも駆使した戦いで初回に右フックを当ててダウンを奪うと、その後もテイクダウンと打撃を混ぜてペースを完全に支配──スタンド&グラウンドの双方において終始優勢に試合を進めて判定3-0(三者とも50-45のフルマーク)で完勝。世代交代を印象付ける戴冠となった。

さらに今年の2月には、当時ベラトール7連勝中にしてプロ戦績31勝2敗の戦績を誇っていたロシアのアナトリー・トコフを相手に初防衛戦に臨む。

被弾する場面こそあったものの要所でテイクダウンを決めて上から試合をコントロールし、これまた判定3-0で完勝、デビュー以来の連勝記録を13に伸ばした。

先日UFCのミドル級絶対王者といわれていたイスラエル・アデサニャがショーン・ストリックランドにまさかの完敗を喫し、またアデサニャのライバルと目されていたアレックス・ペレイラがライトヘビー級に転向した現在、無敗のエブレンを現在のミドル級世界最強候補に推す声も出始めている。

この王者に挑戦するファビアン・エドワーズは、言わずと知れた現UFCウェルター級王者レオン・エドワーズの2歳下の弟だ。兄同様にジャマイカで生まれ、幼少時に英国に移住。

昨年8月に兄が当時PFP1位と呼ばれた絶対王者カマル・ウスマンを5Rに大逆転の左ハイでKO勝利した後に叫んだ「俺は the trenches(塹壕=弾丸が飛び交うが如く犯罪と暴力に満ちた生活環境の例え)出身だが、そんなのは関係ねえ! そうして強くなってきた! 人生でずっと虐げられてきたんだ! でも今のこの俺を見ろ!」という言葉はUFC史上に残る名マイクパフォーマンスとなったが、当然兄と共にいたファビアンも”the trenches”育ちだ。

父は彼が11歳、兄が13歳の時にロンドンのナイトクラブで射殺されている。格闘技と出会うことで犯罪から身を離すことができたという兄に遅れてMMAを始めたファビアンだが、その戦い方は最も身近なコーチである兄とよく似ている。すなわち、サウスポーで距離を取り無数のフェイントを交えつつ、強烈かつ多彩な左の打撃を軸とするもの。主武器は左ストレートだが、兄がウスマンをKOした左ストレートを見せてからの左ハイも以前からファビアンは使っている。

2017年5月にいきなりベラトールのロンドン大会でプロ第一戦に臨み、見事な飛びヒザで衝撃のデビューを飾ったファビアンは、その後BAMMAで4試合(1KO&3つの一本勝ち)を挟んだ後、2019年2月にベラトール再登場を果たす。その後は同年5月のファルコ・ネト戦におけるアップキックでダメージを与えての鮮烈なKO勝利を含めて4連勝を果たす。

直後に2連敗を喫したものの、昨年5月にはUFCレジェンドのリョート・マチダと対戦。ケージに押し込んでからの離れ際の左ヒジを痛烈にヒットさせ、ふらついたリョートに左ストレートを連打で叩き込んで1RKOに下し、デビュー以来最大の勝利を掴んだ。

さらに1勝を重ねた後、今年5月には(昨年6月にエベレンに敗れてタイトルを失った)ゲガール・ムサシとのミドル級王座挑戦者決定戦に臨む。スピード差を活かして鋭い左ストレートを幾度となく当てたファビアンは、さらに左からニータップにつないでテイクダウンを奪う等優勢に進め3-0(三者とも49-46)で快勝し、今回のタイトル挑戦権を得た。

そして迎える両者の世界戦だが、下馬評は圧倒的にファビアン不利となっている。戦績差、相性やこれまでの両者のケージ内のパフォーマンスを比較したも、妥当といえるだろう。ファビアンとしては、当然スタンドで間合いを保って打撃で勝負を賭けたいところだ。が、それはこれまでのエブレンの対戦相手のほぼ全員が試みてきた戦い方であり、ただの1人として成功していない。

エブレンはそのMMAキャリアのほぼ全てにおいて、離れて打撃勝負を試みる相手に圧力をかけてコーナーに詰め、テイクダウンを奪ってみせている。グラウンドでのトップコントロール力も突出していて、寝技で相手に上のポジションを取られた場面自体ほとんどないほどだ。

対するファビアンは、お互い打撃を交換し合う場合の間合いの取り方は超一級品だが、距離を詰めてくる相手にケージ側に追い込まれることは少なくない。そして腰が抜群に強いとも言えず、そこから組み付かれてテイクダウンを許すこともしばしばだ。

さらにいえば、倒されてガードポジションを取った後で足を利かせて立ち上がる術に長けてはいるものの、完全にハーフで胸を合わされて背中を付けさせられてしまうと防戦一方になりがちだ。

実際ファビアンは2021年5月には、エブレンの同門ATT所属レスラーのオースティン・ヴァンダーフォードにそうやって「漬け」られて完敗している。エブレンはテイクダウン&コントロール力においてヴァンダーフォードに劣らぬばかりか、打撃で圧力をかけ、距離を詰めるスキルにおいてははるかに上回る。

さらにエブレンは、今回のキャンプで元Gloryミドル級王者のロシア人キックボクサー、アルテム・レヴィン──Gloryのリングではアレックス・ペレイラにも3-0で勝利している──とみっちり打撃スパーを繰り広げたとのことで、デビュー以来上達の一途を辿るスタンド打撃にさらに自信を深めている模様だ。

その打撃とテイクダウンを臨機応変に織り混ぜるエブレンの攻撃に、ファビアンが苦戦いを強いられる可能性は高い。

が、熱心なファンなら思い当たることだろうが、この状況はファビアンの兄レオンがウスマン相手に大番狂わせをやってのけた時のそれによく似ている。打撃で圧力をかけてくるウスマンにコーナーに詰められては、何度となくテイクダウン&コントロールを許す絶対不利の状況を耐え忍んだレオンは、最終5Rに大逆転のハイを炸裂させた。

そして7ヶ月後の再戦では、スタンドでウスマンの圧力に屈せず多くの打撃を当て、テイクダウン防御にも複数回成功して五分以上に渡り合うと、堂々の2-0判定勝利を収めたのは誰もが知るところだ。

今回の弟の大勝負に向けて兄は、ウスマン2連戦で得た経験の全てを伝えていることだろう。兄の教えがファビアンの大きな武器となることは間違いない。仮にファビアンが勝利すると、UFC&ベラトール兄弟同時王者という前人未到の快挙の達成することになる。

アイルランドで勝利し、2人でUFC&ベラトールの二本のベルトを持って英国での地元バーミンガムに凱旋、そしてかつての自分たち同様に過酷な境遇にいる人々、移住した異国で苦労する家族たちにインスピレーションを与えるという兄弟の夢は叶うだろうか。決戦の時は迫ってきた。

■視聴方法(予定)
8月23日(土)
午前11時30分~ U-NEXT

■ Bellator299対戦カード

<Bellator世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者] ジョニー・エブレン(米国)
[挑戦者]ファビアン・エドワーズ(英国)

<フェザー級/5分3R>
アーロン・ピコ(米国)
ペドロ・カルバーリョ(ポルトガル)

<女子フェザー級/5分3R>
シネード・カヴァナウ(アイルランド)
サラ・コリンズ(豪州)

<フェザー級/5分3R>
マス・ブーネル(デンマーク)
ダニエル・ヴェイケル(ドイツ)

<ウェルター級/5分3R>
レヴァン・チョクヒリ(ジョージア)
サバウ・ホマシ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ピーター・クイリー(アイルランド)
ダニエレ・ミチェーリ(イタリア)

<ライト級/5分3R>
マンスール・ベルナウイ(フランス)
ジェイジェイ・ウィルソン(ニュージーランド)

<ミドル級/5分3R>
チャーリー・ウォード(アイルランド)
グレゴリー・バベン(フランス)

<140ポンド契約/5分3R>
キアラン・クラーク(アイルランド)
プシェミスワフ・グルヌイ(ポーランド)

<ウェルター級/5分3R>
ルカ・ポクリ(モルドバ)
ロマン・ファラルド(米国)

<フェザー級/5分3R>
カサン・マゴメドシャリポフ(ロシア)
ピオトル・ニジェルスキー(ポーランド)

<フェザー級/5分3R>
デラー・ケリー(アイルランド)
ヤラ・ゼイハース(オランダ)

<フェザー級/5分3R>
ブライアン・ムーア(アイルランド)
オットー・ホドリゲス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
デヴィ・ギャロン(フランス)
アッティラ・コクマス(ドイツ)

<フェザー級/5分3R>
アザエラ・アジョウジ(フランス)
イブラヒム・アルファキ・ハッサン(リビア)

<フェザー級/5分3R>
ケニー・モホノアナ(アイルランド)
ジョシュ・オコーナー(英国)

<ウェルター級/5分3R>
ニコロ・ソッリ(イタリア)
フーマン・ドゥビエンヌ(フランス)

<ヘビー級/5分3R>
セルゲイ・ビロシチェニ(ロシア)
カシム・アラス(ドイツ)

<ライト級/5分3R>
マーク・イーウェン(英国)
ノア・ギュニョン(フランス)

<女子ストロー級/5分3R>
キアラ・ペンコ(イタリア)
マッケンジー・スティラー(米国)
ミレス・ヴィダウ(ブラジル)

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