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【DEEP Nagoya Impact2024#04】MMAから組み技に変更、マユミGSB「アルドのローのイメージが……」

【写真】表情の堅さも魅力的(?)なマユミGSBさんです (C)SHOJIRO KAMEIKE

25日(日)、愛知県刈谷市の産業振興センターあいおいホールでDEEP Nagoya Impact2024#03ならびに#04が昼夜に分けて開催される。夜の部となる#04では、マユミ・グラップリングシュートボクサーズジムがグラップリングマッチで、神田麻梨乃と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

今年4月、初のMMAで富松恵美に判定負けを喫したマユミGSBは当初、今大会でアレッサンドラ・イナシオを相手に2度目のMMAに挑む予定であった。しかしイナシオが急きょ欠場となり、グラップリングルールで神田と対戦することに。そんなマユミGSBにMMA初戦の感想と次の試合について訊くと、意外な「フィジカルの強さ」が浮かび上がってきた。しかも以前はなかなか口が重たくネガティブな発言が多かった彼女から、具体的で力強い言葉も聞かれるように――格闘技を通じた物語が、ここにある。


――今年4月、富松恵美選手を相手に初のMMAを戦った感想から教えてください。まず前回のインタビューから試合当日までに、不安は拭えていたのでしょうか。

「追い詰められて、不安で仕方なかったです(苦笑)。もう試合直前で、やるしかなくなって……。逃げられるものなら逃げたかったですし、怯えたまま試合をしました。試合も最初からワケが分からなくなってしまい、予定にない動きばかりしていました」

――予定にない動きというと?

「富松選手のほうが打撃は巧いので、私は打ち合わずにテイクダウンしたいと思っていました。でも試合前に気分を上げるために格闘技の動画を視た時、偶然ジョゼ・アルドの名場面集動画が上がってきたんです。そこで視たアルドのローのイメージが残っていて、試合ではローを蹴っていました」

――えぇっ!? あのローの連打はジョゼ・アルドの影響だったのですか。しかも試合直前に視た映像の……。富松戦はまず、マユミ選手の右ローが一番印象に残りました。あの右ローは普段から練習していたものではないのですか。

「ミットではローの練習はしていました。でもスパーリングでは、あまり使わなくて。ミットの動きが試合で出た……のでしょうか。私は試合中もパニックで何も分からなかったです(苦笑)。ただ歓声が聞こえたので、『このまま蹴って良いんだ』と蹴り続けました」

――歓声に乗せられるとは、もうプロファイターじゃないですか。

「いえ、そんな(苦笑)。主体性がないので、歓声とかはありがたかったです」

――練習時にローのミットを受けていたのは誰でしょうか。

「ユニオン朱里選手です。ジムで打撃のインストラクターをやっていただいていて。ユニオン選手のミットの持ち方がすごく巧いと思います」

坪井淳浩GSB代表 ユニオン朱里のミットもそうですし、大野さん(マユミGSB)もローは巧いですよ。要は今まで試合で一度も使ったことがないから、自分のローがどんなものか分からなかっただけで。打撃のセンスはあると思います。

――なるほど。あの右ローのおかげで、まず組手はマユミ選手が制したように思いました。

「お互いにパンチを打ってから偶然、四つになったような感じでした。私のほうがフィジカルは強かったので、コーナーに押し込めたんだと思います。自分は打撃に自信がなかったので、テイクダウンできるならしてパウンドを落としたい。でも実際にテイクダウンできた瞬間はビックリしてしまいました。『プロ選手を相手にテイクダウンできた』って(笑)」

――右ローのイメージはジョゼ・アルドで、テイクダウンでイメージした選手は?

「やっぱり好きなヌルマゴ(カビブ・ヌルマゴメドフ)です。打撃だけでなくテイクダウンも自信はなかったけど、ヌルマゴのようにテイクダウンして潰していきたいと思いました」

――グラウンドに持ち込んだ瞬間、気持ちは落ち着かなかったのですか。

「いえ、ずっと『早く試合が終わってほしい』と思っていました。早く5分2Rが終わって、リングから逃げ出したかったです」

――う~ん、それにしてはポスチャーもしっかり出来上がっていました。先ほど仰ったフィジカルの強さも表れていたように思います。

「あれもイメージでやっていただけで……。でも坪井代表にずっとパウンドミットを持っていただいていたので、その成果が出たかもしれないです。あと普段からUFCとかを視ていて、イメージしながらパウンドを打っていました」

――パウンドも映像からイメージを! 普段からフィジカルトレーニングに取り組んでいるのでしょうか。

「何年か前まではそこそこ筋トレもやっていたのですが、最近は面倒くさくなってしまって……」

坪井 面倒くさいって(笑)。彼女のトレーニングを見ていると、フィジカルが強いことは分かります。ウェイトでは何キロを上げているんでしたっけ?

「デッドリフトはMAXで107.5キロです。プロ選手であれば、女子でもそれぐらい上げると思います。自分も普通の練習をしているだけで……。マッチョにはなりたいですけど」

坪井 まぁ、普通の練習をしている女性がそれぐらい上げているのを見ているわけですから。彼女のフィジカルがプロのリングで通用することは分かりますよね。

――今回、もともとMMAの試合が決まっていました。4カ月というインターバルで次もまたMMAを戦おうと決めたのは、何か気持ちの変化があったのでしょうか。

「坪井代表からMMAの試合の話をされて、断れなかっただけです(笑)。打撃があるのは怖いので、グラップリングマッチに変更されて安心しました」

――アハハハ。では対戦する神田麻梨乃選手の印象を教えてください。

「過去の試合映像は、柔術の試合しか見当たらなくて……。レスリングをやっているんですよね」

――レスリングの全日本大会経験者です、TORAOでサブオンリーの試合に出場した時は、開始早々テイクダウンを奪っていました。

坪井 ここは僕から言わせていただきたいのですが、今回の試合については大野さんが練習ではやっていて、試合でまだ出したことのないものを見たいと思ったんです。というのも、彼女はいつもウチで70キロ以上の男子選手と練習していて。その男子選手を相手にやっていることが、試合でも出せるのかどうか。

男子との練習を通して、大野さんが「まだ何もできない」と言うのは分かります。だけど普段、同じくらいの体重の女子選手と練習する機会は少ない。であれば実際の試合になれば、どれだけ動けるのかが見たいんですよ。大野さんならやれると思っていますし。

――ということは、70キロ台の男子選手も軽々と持ち上げたりするのでしょうか。

「そうですね。男性と練習していて、パワーで挑んでも勝てないので『相手を持ち上げるコツ』みたいなものは身についていると思います。坪井代表から、そういうふうに期待していただいて嬉しいです。次は試合の内容と結果で恩返ししたいです」

――おぉっ! 初めて力強い言葉が出ました。

「最初の頃は緊張して喋れずにスミマセン(苦笑)。MMA興行でグラップリングマッチの5分2Rは、『つまらない』という印象を持っている方もいると思います。そんななかでも私は、なるべく良い試合、面白い試合をしたいです。よろしくお願いします」

■DEEP Nagoya Impact2024#04視聴方法(予定)
8月25日(日)
午後16時30分~NAGOYA FIGHT FES YouTube Channel

■ DEEP Nagoya Impact2024#04対戦カード

<フェザー級/5分2R>
TATSUMI(日本)
ヴィニシウス(ブラジル)

<ライト級/5分2R>
今村滉(日本)
Street♡★Bob洸助(日本)

<グラップリング56キロ契約/5分1R>
マユミ・グラップリングシュートボクサーズジム(日本)
神田麻梨乃(日本)

<フェザー級/5分2R>
石田ガリット勝也(日本)
平澤克明(日本)

<バンタム級/5分2R>
大岩翔哉(日本)
Akiyoshi(日本)

■DEEP Nagoya Impact2024#03視聴方法(予定)
8月25日(日)
午後12時30分~NAGOYA FIGHT FES YouTube Channel

■ DEEP Nagoya Impact2024#03対戦カード

<フェザー級/5分3R>
GINJI(日本)
畠山祐輔(日本)

<フライ級/5分2R>
今村滉(日本)
Street♡★Bob洸助(日本)

<バンタム級/5分2R>
脇田仁(日本)
寺崎昇龍(日本)

<54キロ契約/5分2R>
鶴斗(日本)
太一(日本)

<バンタム級/5分2R>
太田翔一郎(日本)
時任流架(日本)

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45 DEEP MMA MMAPLANET o ブログ マユミ・グラップリングシュートボクサージム 富松恵美

【DEEP Nagoya2024#02】富松が1Rは不利も、2Rにキムラを狙ってマユミにスプリット判定勝ち&結婚報告

<女子51キロ契約/5分2R>
富松恵美(日本)
Def.2-1:20-18.19-19(マスト富松).19-19(マスト:マユミ).
マユミ・グラップリングシュートボクサーズジム(日本)

富松が左ジャブを突生きながら距離を詰める。マユミは左右ローを連打し、距離が近くなるとバックに回った。ボディロックでコーナーに押し込んだマユミが、ハイクロッチに切り替えてグラウンドに持ち込む。クローズドガードで体勢を整えてから足を上げていく富松が、三角絞めをセットアップする。左腕を掴まれ、パンチを浴びるマユミは一度立ち上がり離れた。腰を上げて右のパウンドを打ち込み、パスしたマユミはバックコントロールへ。富松はマユミの右腕をキムラで抱えている。マユミが前転してバックテイクを狙うと、富松が立ち上がる。すかさず組んでコーナーへドライブしたマユミに対し、富松はヒザ蹴りを受けながらウィザーで耐える。残り時間30秒でレフェリーがブレイクをかけた。再開後、マユミは足を使って富松の左ジャブをかわし、左右ローを連打していった。

最終回、距離を取って右ローから右スイングを振るうマユミ。右ショートから組んだ富松だが、反対にコーナーへ押し込まれてしまう。ハイクロッチを狙うマユミに対し、富松はウィザーで耐える。互いにヒザを打ち合うとレフェリーがブレイクをかけた。リング中央で向かい合う両者、マユミの右が富松の顔面をかすめる。そしてバックに回ったマユミの右腕を、富松がキムラで抱える。耐えたマユミだったが、富松が反転してキムラのままグラウンドに持ち込む。マユミの右腕がロープを超える形で富松が極めにかかるも、ロープが邪魔をして絞りこむことができない。ならばと腕をリングの中に入れ、肩を絞りこむ富松。体をずらしたマユミが富松の左足を取り、ヒールを狙ったところで試合終了のゴングが鳴った。

判定はジャッジ1名がフルマークで富松へ。残り2名はマスト判定で割れた結果、富松がスプリットで勝利した。マイクを握った富松は、第1部に出場した小林ゆたかと結婚していることを明かした。


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DEEP DEEP Nagoya Impact2023 DEEP Nagoya Impact2023#04 MMA MMAPLANET o UFC YouTube   ブログ マユミ・グラップリングシュートボクサージム

【DEEP Nagoya Impact2023#04】マユミ・グラップリングシュートボクサーズ─02─「ヌルマゴが好き」

【写真】本当に彼女自身の人生なので、試合に出る・出ないなど個人の自由です。が、このような話を聞くと試合がもっと見たくなります(C)TAKASHI SATO/GSB

8月6日(日)、愛知県春日井市の勝川プラザホテルにて開催されたDEEP Nagoya Impact2023公武道ファイト04で、グラップリングマッチで須田萌里に勝利したマユミ・グラップリングシュートボクサーズジムのインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

取材中も緊張した面持ちで、かつ「試合には出たくない」と連呼するマユミGSBだが、実際に試合となれば表情が一変する。さらに話を訊いていくと、格闘技ジャンキーっぷりが明らかになった。次の試合出場が待ち遠しい。

<マユミ・グラップリングシュートボクサーズジム・インタビューPart.01はコチラから>


須田戦後に尾関昭宏氏(左)、木部亮氏に囲まれて

――マユミ選手は現在、柔術は誰に習っているのですか。

「柔術は加古拓渡先生、グラップリングは尾関昭宏先生に教わっています。スプラッシュの木部亮先生にも習っています」

――須田戦ではガードワークから、ストレートフットロックなど相手の足へのプレッシャーが目立っていました。加古選手と木部選手に習っていると聞き、それも納得です。

「ありがとうございます」

――取材前に須田選手のお父さんである智行さんに試合について訊いたところ、智行さんは「足関節のプレッシャーが強く、こちらから攻めることができなかった」と仰っていました。それはマユミ選手も実感がありましたか。

「試合中は、とにかくやるだけで--足関節のプレッシャーが掛かっていたとは気づかなかったです。極めて勝ちたいと思っていたのですが、緊張しすぎて技が飛んでいて。序盤に腕をすくっていたのに『あれ、どうするんだっけ?』とパニックになっていました(苦笑)」

――こちらとしては試合映像を視ていて、それほどマユミ選手が緊張しているとは気づきませんでした。

「あぁ、そうなんですね……。それはよく言われるのですが、私自身はすごく緊張していました。試合中のことも、ところどころ覚えているっていう感じで」

――とにかく緊張するタイプなのですね。このインタビュー中も、今は表情も柔らかくなりましたが、あまり画面を真っ直ぐ見てくれないですし(笑)。

「……自分に自信がないんです」

――とはいえ、試合でそれだけの動きが出るというのは、練習でやっていることが体に染みついているということですよね。現在はどのようなペースで練習しているのでしょうか。

「基本は週5です」

――1週間のうち5日……もうガッツリ通っていますね。

「練習は楽しくて。緊張することもなく、本当に楽しく練習させていただいています。やっぱり人前で試合をするということが苦手なんです。4月の試合も、試合中はずっと『早く終わりたい。早く終わりたい……』と思うばかりで(苦笑)」

――そのような気持ちのなかで勝利し、次に須田戦のお話が来た時は……。

「うわぁ……、っていう気持ちでした。あまり国内のMMAは視ていないのですが、もちろん須田選手のことは知っていたので」

――国内のMMAを視ていない、とは?

「UFCファイトパスで、UFCばかり視ています」

――UFCファイターの中では、誰のファンですか。

「カビブ・ヌルマゴメドフです。ケージレスリングで削りながらコントロールしていく、あのファイトスタイルが好きなんです。それと『MMAでは負けたことがない』というのも幻想が膨らむので、ヌルマゴが一番好きです。他のダゲスタン選手の試合も全て好きで。私もグラップリングの試合で、スタイルは違いますけど相手に何もさせずに勝つのが理想です」

――須田戦ではボトムから攻めていました。一方で、ヌルマゴのようにトップから潰していくスタイルも好きなのでしょうか。

「どちらかといえば、トップから攻めるほうが好きです。でも前回の試合は1Rが5分だったので、5分の間に極めるなら自分が得意な足関節で攻めたほうが良いと思いました。もっと1Rの時間が長ければ、テイクダウンから極めに行きます。せっかくプロ興行に出場させてもらっているので、できれば極めて勝ちたいです」

――ヌルマゴの話になると、一気に目が輝き始めましたね。

「昼の仕事が終わったらジムに来て、休みの日はファイトパスでUFCを視るという生活を送っています。ジム以外ではUFCの話ができる相手もいなくて……ファイトパスに入っている人がいないので。だからジムで練習して、UFCの話をするのが本当に楽しいです」

――坪井さんはマユミ選手のキャリア形成について、どのように考えていますか。

坪井 別にMMAにこだわってはいないです。このままグラップリングで勝ち続けるのであれば、国内からも彼女に食いついてくる選手も出て来るでしょうし。あるいは海外から強いグラップラーを呼んでみたいとも思っています。MMAに限らず何の競技であれ、マユミ・グラップリングシュートボクサーズジムという一人の選手が上がっていくことを大切にしたいですから。ジムとしても興行としても、できることをやっていきたいです。

――マユミ選手としては、誰か対戦相手はいますか。

「いえ、あまり試合をしたくないので……」

――ここまで坪井さんが仰っているのに!

坪井 選手名に『グラップリングシュートボクサーズジム』が付いているのも、本人が本名では試合をしたくないという理由からなんです。本名を隠すこともできるし、名前にインパクトもあるので良いと思っていますけど。

――なるほど(笑)。では最後にマユミ選手から、MMAPLANETを呼んでいる方へメッセージをお願いします。

「えぇ、メッセージ……正直なことを言って良いですか」

――はい、もちろんです。

「これから試合に出て、ネットに悪口を書かれるようになってしまうと――落ち込んでしまうので、優しくしてください(笑)。よろしくお願いします」

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