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BELLATOR Bellator285 MMA MMAPLANET o ペドロ・カルバーリョ マス・ブーネル

【Bellator285】自らのスクランブルゲームで削られたブーネルが、カルバーリョに判定負け

<フェザー級/5分3R>
ペドロ・カルバーリョ(ポルトガル)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28
マス・ブーネル(デンマーク)

サウスポーのカルバーリョが右ローを使ってジャブを伸ばす。構えを変えながら前蹴りを繰り出すカルバーリョに対し、ブーネルは一気に組み付いてバックに回る。正対したカルバーリョをケージに押し込んで、ダブルレッグで倒したブーネルが再びバックに。カルバーリョは胸を合わせて離れると左ミドルを蹴っていく。続いて左フックを当てたカルバーリョが、直後にダブルレッグでテイクダウンを奪われワンフックでバックを譲る。

ケージ際で立ち上がったカルバーリョはハイクロッチでリフトされ、ここもバックを取られる。ブーネルが倒しては、立ってきたカルバーリョからテイクダウン、あるいはバックという展開を続ける。右を当てて離れたブーネルだが、アッパーからコンビを被弾。ここもダブルレッグでテイクダウンしてバック、胸を合わせたカルバーリョはスクランブルでギロチンに入り下にされる。立ち上がり際にバックに回り、寝技に持ち込んだブーネルは極めへの意識は低く、左のパンチをコツコツと当ててラウンド終了となった。

2R、ブーネルが右をヒット。続いて右アッパーからダブルレッグでケージにカルバーリョを押し込む。ウィザーで耐えるカルバーリョの足を払ったブーネルがテイクダウンからバックに意識的にワンフックでカルバーリョを動かせている感もあるブーネルは、バックコントロール&足払いでトップへ。スクランブルでバックコントロール、胸を合わされると離れる。直後にダブルレッグのブーネルはギロチンを抜けて、スクランブルでバックに。

足のフックが遅く、落とされたブーネルはハーフガードから潜ってリバーサル、上を取り返す。ここもバックに回ったブーネルは足のフックはせず、カルバーリョが立ち上がる。と、シングルレッグで倒してバックに回ったブーネルは、左フックを打って距離を取り直した。カルバーリョはボディを殴り、右ロー、さらに左ボディを効かせると逆にダブルレッグでテイクダウンを奪う。サイドからエルボーを連打するカルバーリョがマウントに入ろうとしたところで時間に。カルバーリョが逆転の目を見せた――と同時に、ブーネルのただ攻められるという終盤の淡泊さが気になった。

最終回、ワンツーを入れたカルバーリョが左ハイ。ブーネルが右フックを返す。左右のフック、ボディを殴ったカルバーリョはダブルレッグを切り、ヒザ蹴り、ボディショットでケージにブーネルを押し込む。ヒザをボディに連続で突き刺したカルバーリョは、ダブルレッグでテイクダウンを奪う。

圧倒的なコントロールも、自らが削られたブーネルは防戦一方に。ハーフからの潜りをウィザーで制したカルバーリョは、エルボーを落とす。Zハーフから背中をマットにつけたブーネルは、バタフライスイープ狙いも、カルバーリョはオーバーフック&スプロールでトップをキープする。カルバーリョのパス狙いを一瞬の腹ばいから、ガードを取り直して防いだブーネルは、ガードで耐える展開が続く。カルバーリョもトップをキープするためにパウンドが少ないラウンド終盤となった。

結果、意味不明の30‐27というジャッジは論外としても、他の2人も2Rをカルバーリョのラウンドとして、そのカルバーリョが3‐0の判定勝ちを手にした。


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【Bellator285】敵地でクイリーと対戦。ベンヘン「この惑星の誰にでもスタミナ勝負を挑むことができる」

【写真】 あのフランキー・エドガーと同じエネルギーを持って、同じペースで戦えるとベンヘンは断言した(C)MMAPLANET

23日(金・現地時間)、アイルランドはダブリンの3アリーナ・ダブリンで開催されるBellator285「Henderson vs Queally」。そのメインのライト級5回戦でベンソン・ヘンダーソンが、ピーター・クイリーと戦う。

38歳を迎えたスムーズだが、10年前と同じペースで戦うと断言した。そして、敵地ダブリンでクイリーを仕留めてタイトル挑戦への足掛かりにしようするベンヘンは、何よりもMMA、いやコンペティションで戦うことに対して枯渇することのない、強い意志と楽しむ心を持ち続けていた。


――ピーター・クイリーとの対戦が来週に迫ってきました(※インタビューは9月15日に行われた)。今の気持ちを教えてください。

「とても良い感じだよ。体重を落として、アイリッシュガイをぶっ飛ばしに行くよ」

──多くのMMAファイターが日本のファンは最高だと言ってくれますが、自分は最高のファンはホームタウンのファンだと思っています。過去2戦はフィニックスでの試合でしたが、今回はクイリーの母国アイルランドでの試合となります。

「確かにそうだね。でも、あの熱狂的なアイルランドのファンの前で戦うのは、きっと楽しいよ。ビールを飲んで、大声で叫びまくりだから凄い雰囲気のなかで戦うことになるだろう。次のタイトル・チャレンジャーになるには、そういうファンの中でクイリーをしっかりと倒さないといけない。問題ないよ。彼を母国のファンの前で倒すことが、タイトルショットに繋がるんだ」

──とはいえ入場時のゾンビの大合唱など、クイリーに特別なエネルギーを与えることにならないでしょうか。

「確かにそうなるだろうね。でも、僕はファイターだからね。ファンが熱狂は、僕にとっても凄くエネルギーになる。騒いで、野次って、猛プッシュする。そうなるとブーイングだろうが、拍手だろうが、僕もノリノリになるからね。あの雰囲気は本当にファイターを高揚させる。僕はアイルランドのような会場で戦うのはアウェイでも大好きさ」

──同時に、ベンソンがジャブを当ててもリアクションはなく。クイリーの攻撃は空振りでも大歓声が起こるかもしれない。そして、ジャッジがその声に影響されることも。

「ファイターにとっては、とても奇妙な現象なんだよ。だからこそ、クイリーをストップしないといけない。そうなればファンの声援も関係ない。絞め落とすよ」

──ベンソン・ヘンダーソンのストロングポイントは、ハイペースとガス。接戦になれば、なるほど、その強味を生かしてジャッジの裁定をもぎ取る。それゆえにダブリンのファンの声援がジャッジを惑わせないかと思った次第です。

「僕のやることは変わりないよ。38歳になっても、10年前と同じエネルギーで、28歳の時と同じペースで戦う。僕に勝つために作戦を立てるなら、僕が殴りたいときに殴り終えていること。サブミッションを仕掛けようとしたときには、僕をサブミットしようとすること。僕の動きを止める、そして落ちるように戦うんだ。レスリングでも柔術でも、スクランブルでも。僕の動きを落とさせる。あとね、打撃ならゆっくりと攻撃を繰り出して、ハイペースを狂わせることなんだ。

だからこそピーター・クイリーは手の合う相手になる。特に母国のファンの応援に背中を押されて、絶対にハイペースで戦うから。それは僕とっても都合が良いことだよ。だから会場のファは思い切りクイリーを応援して、彼がどんどん動くように後押ししてほしい」

──10年前と同じペースで戦うという言葉に鳥肌が立ってしまいました。2012年にさいたまスーパーアリーナでベンソン・ヘンダーソン×フランキー・エドガーを実際にその目で見たファンも、このインタビューを読んでいると思います。

「僕はちょっとラッキーなんだよね。ずっとヘルシーでいることができた。あの時と同じ戦いができて、しかもハイレベルな相手と戦い続けられている。スタミナも動きも落ちてない。とにかくMMA、柔術、グラップリング、レスリングとコンペティションで戦うことが大好きなままなんだ。心の底から楽しんでいるよ」

──Polarisではデミアン・マイアとグラップリングマッチを戦いました。

「ホント、夢みたいだったよ(笑)。オファーがあった時に『えっ? デミアン・マイアと戦えるのか? もちろん、やるよ』って即答だったよ。『彼は大きいけど?』なんて念を押されたけど、全く問題じゃなかった。デミアン・マイアは僕にとってレジェンド。ADCCチャンピオン、柔術世界チャンピオン、彼はこのスポーツの最高の親善大使だよ。彼と試合ができて、これ以上なく光栄だった」

──今も出場費を払って、ローカル・トーナメントに出ているのですか。

「最近は出ていないんだ。最後に出たのは1年半前から。でも、今でもタイミングがあえばジムの生徒たちと一緒に大会に出たいと思っている。そうすると『コーチと一緒の大会に出られるなんて最高だ』って800人の生徒たちも、トーナメントを楽しめると思うんだ」

──ベンソン、ちょっと待ってください。今、800人と言いましたか。

「約800人だよ。確か2日前で841人だったはずだ」

──OMG!! 凄いですね。では、また質問をクイリー戦に戻らせてください。技術的にはどのような選手だと思っていますか。

「ピーター・クイリーは距離の長い右ストレートが最大な武器かな。スピードもある。ジャブも良い。左フックもあるけど、やっぱり右だろうね。それと蹴りも多彩だ。蹴りの距離も長い」

──左ミドルと右のコンビネーションが印象深いです。

「スイッチしての蹴りも良いね。あれで距離を詰めるから、パンチとのコンビが有効になっている。でもね、それは彼がスイッチキックを見せた時にブロックして、その場に留まっているからだ。距離を詰めてきたら、こっちが距離を取らないと。立ち止まって戦うのは、ダメだよ」

──この試合に勝てば、先ほども言われていたようにタイトル挑戦権を得ることができると考えているわけですね。

「前回の試合でイスラム・マメドフという10年間負け知らずの相手に勝った。だから『次は誰に勝てばタイトルに挑戦できるんだ?』と尋ねた。そうしたら『ピーター・クイリーを倒せば』と言う返答だったんだ。ダブリンで戦うことも全く問題ない」

──では、どのような試合をしたいですか。

「レスリングで勝負したい。僕のスタミナ、ペース、5Rかけてピーターを削り、打撃も当てる。そして動きが落ちたところで仕留めたい」

──今やレスリングでハードな動きをして、スタミナをロスしないことが鉄則のようになっているなかで、さすがのベンソン・ヘンダーソンです。

「ファイトではスタミナこそ、王様なんだ。僕はこの惑星の誰にでも、スタミナ勝負を挑むことができるよ。そして、絶対に負けない」

■視聴方法(予定)
9月24日(土)
午前1時30分~ U-NEXT

■Bellator285対戦カード

<ライト級/5分5R>
ベンソン・ヘンダーソン(米国)
ピーター・クイリー(アイルランド)

<ライトヘビー級/5分3R>
ヨエル・ロメロ(キューバ)
メルヴィン・マヌーフ(オランダ)

<女子フェザー級/5分3R>
リア・マコート(英国)
ダイアナ・シウバ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
マス・ブーネル(デンマーク)
ペドロ・カルバーリョ(ポルトガル)

<フェザー級/5分3R>
キアラン・クラーク(アイルランド)
ハファエル・ウジソン(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
ブレット・ジョンズ(英国)
ジョーダン・ウィンスキー(米国)

<バンタム級/5分3R>
ブライアン・ムーア(アイルランド)
アリヴァウド・リマ・ダ・シウバ(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
カール・アルベクツソン(スウェーデン)
カール・ムーア(米国)

<ライト級/5分3R>
ジョージ・カラキャニャン(米国)
キーン・ムサ(英国)

<ライト級/5分3R>
デラー・ケリー(アイルランド)
カイ・スティーブンス(英国)

<フェザー級/5分3R>
アレックス・ボロナル(スロバキア)
ケニー・モホノアナ(アイルランド)

<フェザー級/5分3R>
ジョーダン・バートン(英国)
アザエ・アジョージ(フランス)

<ウェルター級/5分3R>
ダンテ・シーロ(米国)
ルカ・ポクリ(モルドバ)

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BELLATOR Bellator286 Cage Warriors MMA MMAPLANET o UFC アダム・ボリッチ ダリオン・コールドウェル パトリシオ・フレイレ ベラトール ボクシング マス・ブーネル

【Bellator286】フロリダ発。フレイレ弟に挑戦、アダム・ボリッチ─01─「AJとの試合は酷い内容だった」

【写真】 2日間、現地でキルクリフFCの練習を見たが、とにかくボリッチは手を抜かない。凄まじい集中力で全セッション、全パ―リングに向き合っていた(C)MMAPLANET

10月1日(土・現地時間)、カリフォルニア州ロングビーチのロングビーチ・コンベンション&エンターテインメントセンターでBellator286を開催、メインでアダム・ボリッチがパトリシオ・フレイレの持つBellator世界フェザー級のベルトに挑戦する。

キャリア15連勝、ベラトールでも5連勝中でフェザー級ワールドGP準々決勝に挑んだボリッチは、圧倒的優位と見られながらダリオン・コールドウェルに2年9カ月、4つの勝利を重ねてタイトル戦に挑むボリッチをフロリダはディアフィールドのキルクリフFCでキャッチ。

誰よりもハードワーカーであることが、そのトレーニングを眺めるだけで理解できたボリッチの世界戦に向けての意気込みとは。


──10月1日にBellator世界フェザー級王座への挑戦が決まりました。アダムとしてはフェザー級ワールドGPの間にチャンピオンになるという青写真があったかと思います。

「そうだねぇ(笑)。その通り、これは2度目のチャンスだよ。そして、色々とケガを経てこの機会を手にデキたことが本当に嬉しい。ハンガリーでも凄く話題になっていて、10月1日にはロングビーチの会場に多くのハンガリー人応援団が集まりそうなんだよ。今、聞いているだけでも500人はやってくるって話なんだ」

──えっ、ハンガリーから500人にもサポーターが米国にやって来るのですか。

「現時点で、ね(笑)。でもハンガリーからだけじゃないよ。米国在住のハンガリー人もそうだし、豪州、ヨーロッパの国々からも僕のタイトル奪取を後押しするために集まってくれるんだ。どの国でも、ハンガリー人社会はめちゃくちゃ盛り上がっているそうだよ」

──マジャール民族の大移動、そして大集結ですね。

「ホントに(笑)。嬉しいことだよ。ハンガリーのためにも絶対にベルトを獲るよ」

──今、GPで敗北を喫したダリオン・コールドウェルとのキルクリフFCのチームメイトになっていますが、改めてあの敗北で何を学んだのかを振り返ってもらえますか。一つのテイクダウン、一つのバックテイク、そしてサブミッションという試合でした。

「その通りだね。あの負けは、精神面で色々と勉強になった。僕はあの時、ダリオン・コールドウェルを少し軽く見てしまっていた。色々な人からワンミリオンダラー・キッドと囃し立てられ、『絶対に優勝できる』と言う言葉に浮ついてしまっていたんだ。そして、試合前なのにダリオンに集中していなかった。ダリオンにサクッと勝って、準決勝はAJ、決勝はパトリシオ・フレイレだって思っていたんだ。

ただダリオンがケージに足を踏み入れた瞬間、『フ〇ック。コイツ、やる気満々じゃん』って……驚かされた。あの時点で、もうメンタルが崩れてしまっていた。それこそが僕にとって最大の問題だった。どの試合だって、ワールドチャンピオンシップのつもりで戦わないといけなかったんだ。

それもあって、今は世界挑戦が決まっても落ち着いていられるんだ。あの敗北以降、4試合を戦ってきたけど、それらの試合と同じ気持ちで世界戦に臨むことができている。また試合が決まったな──って感じでね」

──実はGPで敗れて、アダムはライト級に階級を上げるのではないかと思っていたんです。確かマイク・ハメル戦とエリック・サンチェス戦は150ポンドのキャッチウェイト戦でしたよね。今、目の前にアダムが座っていても……『本当にフェザー級かよ!!』と思ってしまうほど大きいです。

「アハハハハハ。きっとMMAを引退する時はライト級で戦っているはずだよ。でも、今もフェザー級に落とせるからね。まだ1年、いや2年はフェザー級で戦っていくと思う。それからだね、ライト級に階級を上げるのは」

──その前にフェザー級王座という目標がありますしね。アダムが挑戦するチャンピオンはパトリシオ・フレイレです。4月15日のAJとの世界戦、正直なところどのような印象を持ちましたか。裁定、試合内容の両面に関して。

「動きの少ない退屈な試合だったよ。あの内容じゃジャッジも判断するのが、難しくなる。でも、ああいう試合って起こりえるんだ。凄い接戦で、結果はパトリシオが勝った。そういうことだよ。どっちが勝とうが、酷い内容だった(笑)」

──3回戦から5回戦になると、やはり試合のペースなど変わってくるかと思います。その一方でGPは5回戦で組まれてきたにも関わらず、両者が様子見に終始しました。やはり決勝だと慎重になるのでしょうか。

「そんなの言い訳にもならないよ。僕の前回の試合を見て欲しい。5Rの間、動き続けたよ。それがファンの見たい試合だからね」

──ベラトールもUFCに続き、メインは5分5Rに変更されましたね。競技としては、ベルトが掛かっていない試合がメインだから5回戦というのは、どうにも違うと思うのですが……。

「まぁ違和感は残るよね。それは僕も同じだ。メインイベントとタイトル戦は同じじゃない。重みが違う。メインだろうが3Rで、タイトル戦だけが5Rだろうっていう気持ちはあるよ。でも、決まってしまったことだからね」

──5分5Rはタイトル戦を戦う選手の特権で、その数が多いチャンピオンが経験値で優位になる。そこを挑戦者は乗り越えて行かなければいけないというは、ストーリーとしても良かったです。だからこそ、アダムも5Rの経験ができたことはチャレンジャーの立場で良い経験になっているのではないでしょうか。

「そうなんだよ(笑)。僕は5Rを戦ったことで、不安材料が減り自信を手にすることができた。マス・ブーネル戦を経験したことで、本当に多くの自信を手にすることができたんだ。5R戦を3R戦と同じように戦えたからね」

──あの試合はCage Warriorsでの4連勝があったとはいえ、それ以前にUFCで1勝2敗だったブーネルが、Bellatorでは2連勝。アダムとしては、本当に負けられないファイトだったと思います。ベラトール生え抜きより、UFCから移籍組の方が強いという印象をファンに持たれてしまうので。

「僕はもうジャレミー・ケネディにも勝っていたし、ベラトールとUFCはボクシングと同じように他の組織でもレベルは違わないと思っている。UFCがベラトールよりポピュラーなのは認めるけどね。そして量でいえば、UFCの方が上だ。それも分かっている。でもトップ5やトップ10の力は同じだよ。質は同じ。量では敵わないけどね」

──では今回の世界戦ですが、実際のところAJとパトリシオ──どちらに挑戦したいと3月にブーネルに勝った時点では思っていましたか。

「パトリシオだよ」

<この項、続く>

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AJ・マッキー BELLATOR Bellator276 MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN TRIGGER03 Special UFC アダム・ボリッチ パトリシオ・フレイレ ベラトール マス・ブーネル ルイス・グスタボ 柏木信吾 矢地祐介

【Special】月刊、柏木信吾のこの一番:3月:ボリッチ✖ブーネルからのグスタボ✖矢地祐介

【写真】「その実力の出し方が分からなかった。導き方が分からなかった」という印象を矢地に持っていた柏木さんだからこそ、今の矢地に期待したいこととは…… (C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。3人の論客から、柏木信吾氏が選んだ2022年3月の一番。12日に行われたBELLATOR276より、アダム・ボリッチ✖マス・ブーネル──からのRIZIN TRIGGER03のメイン=ルイス・グスタボ✖矢地祐介戦について語らおう。

<月刊、柏木信吾のこの一番:3月:アダム・ボリッチ✖マス・ブーネルPart.01はコチラから>


──柏木さんのお気に入りアダム・ボリッチがマス・ブーネルを破りました。とはいえ15日にBellatorはAJ・マッキーJrとパトリシオ・フレイレのダイレクトリマッチの世界戦を組んでいます。マッチメイカーとしての柏木さんにお伺いしますが、一本決着だったタイトル戦だったにも関わらず、ダイレクトリマッチが組まれるというのは?

「人情的に分からないでもないです。人情ですね、理屈ではなくて。やはりパトリシオ・フレイレがベラトールに果たしてきた貢献度は高いです。タイトルを失う試合までずっと勝っていて、固定ファンもついている。そういう部分も考慮すると、スコットなりのリスペクトだと僕は思います。

あとは一本負けですけど、地力で負けた試合でもなかった。言ってしまえば事故系の負け方でした。完膚なきまで負けたわけでもない。一発入ってからギロチンですしね。まぁ左ハイを一発当てたマッキーが素晴らしいのですが、あれが当たっていなかったら──どうなっていたんだろうという風に、プロモーターやマッチメイカー目線でも言える試合でした」

──マッキーのモチベーションはどうでしょうか? 一度、タップを奪っている相手です。

「マッキーもビッグネームのパトリシオともう1試合やって、ファイトマネーも高くなる。だからモチベーションは上がると思いますよ」

──それは明快で良いですね……という再戦をキーワードに、ここは16日のRIZIN TRIGGER03に関してですが、ついに国際戦が組まれます。

「あぁ、そういう流れですか(笑)。ありがとうございます。ついに来ましたね。MMAPLANETで高島さんとお話をするきっかけになったTRIGGERですが、ついに外国人選手の試合……国際戦を組めます。あの時は2人ぐらい呼びたいと言っていましたけど、色々と事情もあって今回はまずルイス・グスタボと矢地選手の再戦ですね」

──正直2試合、見たかったです。

「2人ぐらい──ですから、僕が口にして活字になったのは。グレーですけど、僕は嘘を言っていないですよ(笑)」

──アハハハ。柏木さんの口から説明していただくと、ルイス・グスタボとはどのようなファイターでしょうか。

「良い意味で昔のシュートボクセを引き継いでいる選手です。悪くいえば、まだ粗い。当時のシュートボクセの選手が、今通用するかと言えばクエスチョンじゃないですか?」

──トーマス・アルメイダをより荒くしたような。ただ、そのアルメイダも柏木さんの言われているように、UFCで序盤は4連勝したのですが、最終的に4連敗で5勝5敗となりリリースとなりました。

「でも、魅力的な部分を持っている。見ている人が楽しめる戦いをします。遠いところからパンチを振りまわし、遠近両方でヒザを使います。巧い選手は苦手ですが、その尖がっている部分が魅力的ですね。そんな魅力を最大限に生かすためにもレスリングをすれば良いなと思っていたのですが、この2年間は試合がなくずっとトレーニングを積んできたので、どこをどう強化してきたのか。そこが見ものです」

──そこで矢地選手と再戦を組んだ故というのは?

「今回、RIZIN35のカードを見てもらうと分かるようにリベンジがテーマで……ソウザ選手とジョニー・ケースもそうですし、本来は大晦日で考えていたモノが、新規ビザ申請は受け付けないという外国人選手が入国できない状況になりました。岸田首相が発表した時に、まさに米国に発つ直前で……。

『嘘でしょ!!』っていう心境でした。外国人選手も当然、大晦日に向けてコミットしていて、時間もお金も掛けてトレーニングをしてきた。その選手たちが入国できるようになったのであれば、まず同じテーマで試合を組む。『だから少し待っていて』という連絡をして、ようやく状況が整いリブッキングしたという形ですね」

──つまりはリベンジマッチを組みたかったけど、できなかった。そのリベンジでもあるのですね。

「そうなんです。そういうなかでTRIGGERとの連日興行を打つ。グスタボも矢地選手も前回の試合で──それぞれGPとタイトル戦という大勝負ですが、負けてしまっているので。TRIGGERで再起を図るという形でメインになりました」

──いやぁ、ありがとうございます。矢地選手の試合、ケージで見たかったので。

「これまで本能に任せて戦っていたのが、八隅さんの指導を受けるようになり、組み立ててスマートに戦えるようになった。そういう評判ですよね。もともとポテンシャルの高い選手だったけど、その実力の出し方が分からなかった。導き方が分からなかったというか……導く人がいなかったのだと思います。導くシステムになかったのでしょうね」

──矢地選手自身も、人の良さというか……ファイターとして、甘い部分もありました。

「天真爛漫ですよね。良い感じで。人として凄く良くて、このままおじいちゃんになって欲しいというか(笑)」

──ただし、彼の良さがMMAでは巧く機能していなかった。それが八隅さんのコーチングで変わってきたと。最近では、荒々しさもあると聞きます。

「ほぉ。そういう面が出てきたのですか。それは楽しみです。緩急がつけられるようになったのですね!!」

──そのような戦いを、グスタボを相手にしてデキるのか。日本人相手にデキる戦いが、外国人選手を相手にしてもデキるのか。これは永遠のテーマです。

「そうですね。変に考え込まず、思い切りの良さと爆発力がある選手なので。そこは大切にしてほしいです。贅沢な話ですけど、自分の良いところを全て出して融合して欲しいですね」

──ではグスタボ✖矢地、生か映像がどちらでファンに楽しんで欲しい試合ですか。

「この試合は生です。この試合は生でやらないと……じゃない、生で見ないと勿体ない試合です!!」

──とりあえず自発的な発言ですし、そのまま書かせていただきます(笑)。

「やるじゃないですよ。見ないと、ですよ(笑)」

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【写真】「その実力の出し方が分からなかった。導き方が分からなかった」という印象を矢地に持っていた柏木さんだからこそ、今の矢地に期待したいこととは…… (C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。3人の論客から、柏木信吾氏が選んだ2022年3月の一番。12日に行われたBELLATOR276より、アダム・ボリッチ✖マス・ブーネル──からのRIZIN TRIGGER03のメイン=ルイス・グスタボ✖矢地祐介戦について語らおう。

<月刊、柏木信吾のこの一番:3月:アダム・ボリッチ✖マス・ブーネルPart.01はコチラから>


──柏木さんのお気に入りアダム・ボリッチがマス・ブーネルを破りました。とはいえ15日にBellatorはAJ・マッキーJrとパトリシオ・フレイレのダイレクトリマッチの世界戦を組んでいます。マッチメイカーとしての柏木さんにお伺いしますが、一本決着だったタイトル戦だったにも関わらず、ダイレクトリマッチが組まれるというのは?

「人情的に分からないでもないです。人情ですね、理屈ではなくて。やはりパトリシオ・フレイレがベラトールに果たしてきた貢献度は高いです。タイトルを失う試合までずっと勝っていて、固定ファンもついている。そういう部分も考慮すると、スコットなりのリスペクトだと僕は思います。

あとは一本負けですけど、地力で負けた試合でもなかった。言ってしまえば事故系の負け方でした。完膚なきまで負けたわけでもない。一発入ってからギロチンですしね。まぁ左ハイを一発当てたマッキーが素晴らしいのですが、あれが当たっていなかったら──どうなっていたんだろうという風に、プロモーターやマッチメイカー目線でも言える試合でした」

──マッキーのモチベーションはどうでしょうか? 一度、タップを奪っている相手です。

「マッキーもビッグネームのパトリシオともう1試合やって、ファイトマネーも高くなる。だからモチベーションは上がると思いますよ」

──それは明快で良いですね……という再戦をキーワードに、ここは16日のRIZIN TRIGGER03に関してですが、ついに国際戦が組まれます。

「あぁ、そういう流れですか(笑)。ありがとうございます。ついに来ましたね。MMAPLANETで高島さんとお話をするきっかけになったTRIGGERですが、ついに外国人選手の試合……国際戦を組めます。あの時は2人ぐらい呼びたいと言っていましたけど、色々と事情もあって今回はまずルイス・グスタボと矢地選手の再戦ですね」

──正直2試合、見たかったです。

「2人ぐらい──ですから、僕が口にして活字になったのは。グレーですけど、僕は嘘を言っていないですよ(笑)」

──アハハハ。柏木さんの口から説明していただくと、ルイス・グスタボとはどのようなファイターでしょうか。

「良い意味で昔のシュートボクセを引き継いでいる選手です。悪くいえば、まだ粗い。当時のシュートボクセの選手が、今通用するかと言えばクエスチョンじゃないですか?」

──トーマス・アルメイダをより荒くしたような。ただ、そのアルメイダも柏木さんの言われているように、UFCで序盤は4連勝したのですが、最終的に4連敗で5勝5敗となりリリースとなりました。

「でも、魅力的な部分を持っている。見ている人が楽しめる戦いをします。遠いところからパンチを振りまわし、遠近両方でヒザを使います。巧い選手は苦手ですが、その尖がっている部分が魅力的ですね。そんな魅力を最大限に生かすためにもレスリングをすれば良いなと思っていたのですが、この2年間は試合がなくずっとトレーニングを積んできたので、どこをどう強化してきたのか。そこが見ものです」

──そこで矢地選手と再戦を組んだ故というのは?

「今回、RIZIN35のカードを見てもらうと分かるようにリベンジがテーマで……ソウザ選手とジョニー・ケースもそうですし、本来は大晦日で考えていたモノが、新規ビザ申請は受け付けないという外国人選手が入国できない状況になりました。岸田首相が発表した時に、まさに米国に発つ直前で……。

『嘘でしょ!!』っていう心境でした。外国人選手も当然、大晦日に向けてコミットしていて、時間もお金も掛けてトレーニングをしてきた。その選手たちが入国できるようになったのであれば、まず同じテーマで試合を組む。『だから少し待っていて』という連絡をして、ようやく状況が整いリブッキングしたという形ですね」

──つまりはリベンジマッチを組みたかったけど、できなかった。そのリベンジでもあるのですね。

「そうなんです。そういうなかでTRIGGERとの連日興行を打つ。グスタボも矢地選手も前回の試合で──それぞれGPとタイトル戦という大勝負ですが、負けてしまっているので。TRIGGERで再起を図るという形でメインになりました」

──いやぁ、ありがとうございます。矢地選手の試合、ケージで見たかったので。

「これまで本能に任せて戦っていたのが、八隅さんの指導を受けるようになり、組み立ててスマートに戦えるようになった。そういう評判ですよね。もともとポテンシャルの高い選手だったけど、その実力の出し方が分からなかった。導き方が分からなかったというか……導く人がいなかったのだと思います。導くシステムになかったのでしょうね」

──矢地選手自身も、人の良さというか……ファイターとして、甘い部分もありました。

「天真爛漫ですよね。良い感じで。人として凄く良くて、このままおじいちゃんになって欲しいというか(笑)」

──ただし、彼の良さがMMAでは巧く機能していなかった。それが八隅さんのコーチングで変わってきたと。最近では、荒々しさもあると聞きます。

「ほぉ。そういう面が出てきたのですか。それは楽しみです。緩急がつけられるようになったのですね!!」

──そのような戦いを、グスタボを相手にしてデキるのか。日本人相手にデキる戦いが、外国人選手を相手にしてもデキるのか。これは永遠のテーマです。

「そうですね。変に考え込まず、思い切りの良さと爆発力がある選手なので。そこは大切にしてほしいです。贅沢な話ですけど、自分の良いところを全て出して融合して欲しいですね」

──ではグスタボ✖矢地、生か映像がどちらでファンに楽しんで欲しい試合ですか。

「この試合は生です。この試合は生でやらないと……じゃない、生で見ないと勿体ない試合です!!」

──とりあえず自発的な発言ですし、そのまま書かせていただきます(笑)。

「やるじゃないですよ。見ないと、ですよ(笑)」

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【Special】月刊、柏木信吾のこの一番:3月:アダム・ボリッチ✖マス・ブーネル「5R制」

【写真】この距離で打撃戦を続けたボリッチとブーネル (C)BELLATOR

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。3人の論客から、柏木信吾氏が選んだ2022年3月の一番。12日に行われたBELLATOR276より、アダム・ボリッチ✖マス・ブーネル戦について語らおう。


──柏木さんが選んだ3月の一番は?

「Bellatorフェザー級のアダム・ボリッチ✖マス・ブーネル戦です。これは良い試合でしたねぇ。面白かったです。ただ、この試合は生より映像で視た方が面白いのかなって思いました」

──まさに洋モノですね(笑)。実際だと躊躇してしまいそうで、でも映像なら大丈夫というか……。

「何を言っているんですか!! 水垣さんにはF1が出てきて、なんで僕にはエロ方向へ、振るんですか(笑)」

──いやいやいや……我々の過去の10年の付き合いでMMAに次ぐ話題がそうだったので(笑)。

「僕、今ではそういうキャラじゃないので(笑)。でも、すぐにボロがでるでしょうし。まぁ、生では……」

──野獣みたいで怖いじゃないですか……。

「それよりボリッチ✖ブーネルの話をしましょうよ」

──そういう意味では個人的に両者揃って野獣的ではなかったかと。

「えぇ? そうですか。凄くハイレベルで面白かったと僕は思いました。この試合は日本では見ることはできない。あの内容は……。それが正直な感想です。ここまでの試合、日本で見ることができますか?

あれを5Rやり抜く、凄まじいです。5Rを意識した戦い方、あれを25分やり切るのは本当に凄いと思いました。MMAグローブで、あの距離で殴り合うなんて」

──私は正直、これなら怖くないと思ったんです。2人とも強くて、上手くて、タフです。ただぶっ殺してやるという怖さのある殴りではなかった。このボリッチなら朝倉未来選手、松嶋こよみ選手らは臆することなく戦えると。

「あぁ5Rを考えて、僕が上手く戦ったというところが、そういう風に見られたわけですね。クリーンヒットの数は凄く多かったですけど、試合が終わる空気はなかったです。それも確かです」

──当てるけど、終わらせる意識が少ない。それは疲れないため。5Rを想定してそうなったのかと自分は感じました。勝てる、負けるは別にして──なら朝倉未来、松嶋こよみなら対抗できると。あれぐらいの気迫指数なら。

「なるほどぉ。それとグラップリングをしていないですよね。組みに行かないし、組んでも長続きしない。5Rを戦い抜くためにセーブしている部分があったのは確かです。疲れることをせずに、離れてリセットしていたようで」

──柏木さんはそこも踏まえて両者が巧くて、素晴らしかったと。

「そうなんです。いやぁ、面白いですね。一つの試合で、両者の強さを認めたうえで意見が相反してくる。これが3Rだと彼らも違う戦い方をしていたでしょうね。それが5Rだと殺気が薄れた、野獣のようではなかったということですね。そこは分かります。綺麗に戦って、イカレた部分がなかったですから」

──ハイ。なら日本人選手も立ち会える。ボクシングなら12R戦って、勝てますし。それとブーネルに関しては、もっと組むと思っていました。あれだけ近距離でボクシングができるとは露知らず、ジョン・フィッチのコントロールにパウンドが加わるようなファイトをするのだと。

「まぁジョン・フィッチになるとプロモーター側は、それが良い戦い方だとは言い辛いですけど(苦笑)」

──アハハハ。結果、テイクダウンを奪ったり、クリーンヒットの数が多いという判断でしょうか。ボリッチが3-0で判定勝ちを収めました。ただ……。

「50-45はないですよね(笑)」

──あり得ないと思います。

「2Rもブーネルが失って48-47もあるかと思いましたけど、49-46が2人いましたね。とはいえ3Rがボリッチというのはないです」

──あの3Rがボリッチなら、どういう風に戦えば攻勢と判断されるのか分からないですね。

「本当にそうだと思います。ボリッチの勝ちで良いかと思いますけど、あの試合で50-45は……。にしてもボリッチの良さが出ましたね。打撃の選手は数多くいても、ボリッチのように遠距離、中距離、近距離の全てで武器を持っているファイターはそんなにいないと思います。どの距離でも攻撃できて、25分間やりきった。アレをやられると、ブーネルは全ての距離がボリッチになるので難しいだろうなと思いました」

──下がって誘うことができるのもボリッチの強味ですね。その一方で、接近戦ではブーネルの左ボディが相当に効いていたようにも見えました。

「あれ、なぜブーネルが打つのを止めたのか。腹を意識させて、テイクダウンを狙うとか行って欲しかったです。そうすればボリッチが受け身になる展開もあったかと思います。優勢の間に組まない。逆にテイクダウンを取られましたからね。やっぱり5R制という部分が影響したのでしょうかね。

あのハイペースで組みから寝技をなるとヘトヘトになるから、あえてしなかったのか。ボリッチの苦手な部分で勝負しなかったのはそういうことなのかもしれないですね」

──5R、テイクダウンとスクランブル、寝技もあって殴り合いもある。それって今やACAだけではないかと。もう、どういうことなのか明白ですよね。

「……そうですよね(笑)。凄く分かりやすいです」

──サムシング・スペシャルのない人間の戦い。凄くリアルなボリッチ✖ブーネルだったかと思います。加えて15日のAJ・マッキー✖パトリシオ・フレイレの再戦、その勝者への挑戦はほぼ決定でしょうし、ボリッチは5Rを試したのか。

「そうなりますよね。挑戦者決定戦とはいわずタイトル・イリミネーションマッチと名乗っていたので、ズルいですけど(笑)。ブーネルの脱落は決定ですよね。勝ったボリッチは、こういうこともデキたのか、と。こうやって25分戦えるボリッチの世界王座挑戦、個人的にも凄く楽しみです」

<この項、続く>

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BELLATOR Bellator276 MMA MMAPLANET o アダム・ボリッチ キック ボクシング マス・ブーネル

【Bellator276】ブーネルは左ボディを生かせず。アウトボクシング&TDで捌き続けたボリッチが判定勝ち

<フェザー級/5分5R>
アダム・ボリッチ(ハンガリー)
Def.3-0:50-45.49-46.49-46.
マス・ブーネル(デンマーク)

ブーネルが右ロー、ボリッチは左ジャブを突く。ボリッチは下がりながら右カーフを当て、さらに右飛びヒザを繰り出した。ブーネルはこれをキャッチするも組み付くことはできず。ボリッチの右カーフをもらうブーネルは、細かいパンチを出しながらダブルレッグで組みついた。ケージに押し込まれながら離れたボリッチは右ヒジ、さらにパンチを当てながら右飛びヒザを見せる。中に入ってくるブーネルに左右からパンチを散らしながら、右カーフ。ブーネルの足が流れ始めた。

ブーネルは潜りこんで左ボディを突き刺すも、ボリッチのパンチは止まらない。組みついたブーネルがボリッチをケージに押し込む。しかしボリッチはオーバーフックでディフェンスして離れた。左右ボディを当て、さらに左右フックをボリッチの顔面に叩き込むボリッチ。ブーネルは右ヒジからヒザ、そして右カーフキックで攻め立てる。ボリッチの首相撲から離れたブーネルは、前に出て左右フックを振るう。ボリッチは右カーフキック、右前蹴り、右ハイと蹴りを散らすが、ブーネルもクラウチングスタイルから上下にパンチを打ち込んでいった。

2R、ボリッチの前蹴りにパンチを合わせるブーネル。ボリッチは右カーフからストレートで相手を中に入れさせない。左右ストレートから左フックを返すボリッチが首相撲に持ち込むも、ブーネルはボディブローとアッパーを突き上げる。離れるとブーネルも右カーフキック。ブーネルの右カーフに合わせて組みついたボリッチが、足をすくい上げてテイクダウンする。ハーフガードを取るブーネルが立ち上がった。ケージ中央で打ち合う両者、ブーネルがダブルレッグで飛び込むも、ボリッチがかわしてヒジを叩き込んだ。

スタンドではボリッチの首相撲を突き放し、左右ボディから顔面へパンチをつなげるブーネル。ニータップで組みつき、ボリッチをケージに押し込むが、テイクダウンすることはできない。右縦ヒジから右飛びヒザを見せたボリッチは、右カーフキックと左の前蹴り。しかしブーネルの左ボディを食らったボリッチが、体勢を崩し始めた。明らかにボディをガードして下がるボリッチ。ブーネルは距離を詰めていくが、ここで突き放されて尻もちを着いてしまう。そのままボリッチがトップを奪ってラウンドを終えた。

3R、左ジャブを突くボリッチに対して、ブーネルの右カーフが当たる。さらに左フックがボリッチの顔面を捉える。ケージを背にしてパンチを返すボリッチ。しかしブーネルの右カーフが効き始めたか、動きの落ちたボリッチにブーネルの左ボディが突き刺さる。左ヒジを空振りしたボリッチは、首相撲からヒザを突き上げるがキレはない。抱えられながらブーネルがボディブローを返す。ボディを受けたボリッチはサウスポーにスイッチ。オーソドックスに戻したところでブーネルの右クロスがクリーンヒットした。ボリッチは右カーフを返すも、ブーネルが距離を詰め続ける。

ケージ際でボリッチのヒザ蹴りをキャッチしたブーネルだが、無理にテイクダウンには行かない。ボリッチにケージを背負わせて右カーフを蹴り続けるブーネル。右フックからの左ボディがクリーンヒット。ボリッチは左右のローを当てるも、ブーネルの前進が止まらない。上下にパンチを散らすボリッチ、ブーネルはサークリングしながらパンチを顔面に集め、さらにヒザを突き上げる。しかしブーネルが前進してボリッチにケージを背負わせる。ボリッチはケージから離れて右バックスピンキックを見せて相手を離した。

4R、クラウチングスタイルで前に出るブーネル。ボリッチはブーネルの蹴り足を掴むが、そのまま打撃戦を選択する。右バックスピンキックをブーネルのボディに突き刺しボリッチ、ブーネルは相手の攻撃を受けながら前に出るも3Rほどの攻勢はない。ストレートのボリッチと、フックのブーネル。クラウチングスタイルのブーネルのアゴを、ボリッチの下からのヒザが跳ね上げさせる。サークリングしながらボリッチがブーネルの右ストレートに右ローを合わせた。ブーネルも右ショートを当てるも、ブーネルが細かいパンチを使って手数では上回る。

ややボリッチがアウトボクシングでペースを握り始めたか。右ストレートから左フックでブーネルのアゴを跳ね上げる。さらに飛びヒザから右ヒジ。ブーネルは中に潜り込むことができない。ボリッチの左右パンチを受けて、謎のダンスを見せたブーネル。本当に謎だ。ラスト10秒でボリッチがシングルレッグでブーネルに背中を着かせた。

最終回、ブーネルの右目が大きく腫れている。ブーネルの前蹴りを捌いたボリッチが左右上下とパンチを散らす。ブーネルは右ローを効かされたか、足のダンスを見せる。しかしブーネルも右カーフを当てていく。ステップワークでブーネルの前進を捌くボリッチ。ブーネルは前に出るも右ロー以外の攻撃は少ない。距離が近くなるとボリッチが飛びヒザから首相撲に持ち込み、離れる。ここでようやくブーネルが手を出し始めた。左右フックを繰り出すも、ボリッチはブロックで防ぐ。ならばとブーネルはアッパーを突き上げた。

ボリッチにケージを背負わせるも、飛びヒザからの首相撲で距離を取られてしまうブーネル。左フックがボリッチの顔面を捉えるも、ボリッチのクリンチにごまかされる。足を使って左右ストレートで自分の距離を保ち続けるボリッチは、完全に逃げ切り体勢か。ブーネルは右ストレートをクリーンヒットするも、後が続かない。打ち合いに持ち込もうとしたブーネルに対し、ボリッチはダブルレッグから組み付いた。切り返したブーネルはリフトアップを試みるも、離れたボリッチが足を使いながら試合終了のゴングを聞いた。


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【Bellator276】計量終了 ベラトールの威信を賭けて。ボリッチはどこまで我儘なヒザ神となれるか

【写真】ブーネルがどうこうでなく、どこまでボリッチを貫けるか(C)BELLATOR

12日(金・現地時間)、ミズーリ州セントルイスのザ・ファミリー・アリーナで開催されるBellator276「Borics vs Burnell」の計量が行われた。

メインはAJ・マッキー時代のフェザー級戦線サバイバルマッチ=アダム・ボリッチ×マス・ブーネルの一戦だ。


UFCで1勝2敗、英国Cage Warriorsで4連勝からベラトールと契約したブーネルは、ここまで3連勝中。同じ欧州勢のソウル・ロジャース、エマニュエル・サンチェスといったフェザー級ワールドGP出場組を連破してのボリッチ戦となった。

対して、ワールドGPではその負け方しかない――というテイクダウンからバック&チョークでダリオン・コールドに敗れ、準々決勝敗退に終わるも、その後は3連勝中のボリッチにとって、今回の一戦はベラトールの生え抜きの威信を賭けた戦いといえる。

直近の試合――昨年4月には、UFCとPFLで実力者ぶりを発揮してきたジェレミー・ケネディを下しており、2試合連続で外敵を迎え撃つこととなった。打撃と組み、寝技が回転し始めると厄介なボーネルとの3連勝対決は、ボリッチにとって同世代のチャンピオンに挑戦するために絶対に落とせない試合だ。

もちろん個人差もあるが、UFCで結果を残してきたわけでなくベラトールを選択したファイターは、バンタム級のエンリケ・バルゾラもそうだが、動きに波ができても気持ちが途切れることが少ない。乱暴な言い方をすると、ここがUFCファイターとベラトール生え抜きファイターから感じられるタフさんの違いとも思える。

とはいえハンガリーから、勤め先の仲間やお客のカンパでフロリダにやってきて運命を切り開いたボリッチが、気持ちでブーネルに遅れを取ることはないだろう。しかし、一瞬でも間が空くとそこをついてくるのがブーネルだ。気を抜くというよりも、迷いが生じた時こそ危ない。ヒザ神がどれだけ我儘なファイトをやりきるか。そこが勝負のカギとなる。

またライト級転向のマオリキッド=ジェイジェイ・ウィルソンは、ガジヒ・ラバダノフというガチな相手が与えられた。

裸の柔道とVT時代&モダン柔術の融合体ジェイジェイが、パンチがテイクダウンの一部と化したコントロール軍団のラバダノフと下にならずに戦うことができるか。

下になれば攻撃でなく、守り。それがVT柔術といっても過言なく――デビュー以来最強の相手に対し、どのようなアプローチでジェイジェイが9連勝を目指すか見ものだ。

■視聴方法(予定)
3月13日(日)
午前8時00分~ U-NEXT

■Bellator276計量結果

<フェザー級/5分5R>
アダム・ボリッチ: 145.8ポンド(66.13キロ)
マス・ブーネル: 145.5ポンド(66.0キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
フィル・デイヴィス: 206ポンド(93.44キロ)
ジュリアス・アンリカス: 206ポンド(93.44キロ)

<ミドル級/5分3R>
ジョニー・エブレン: 185.8ポンド(84.27キロ)
ジョン・ソルター: 185.8ポンド(84.27キロ)

<ライト級/5分3R>
ジェイジェイ・ウィルソン: 156ポンド(70.76キロ)
ガジヒ・ラバダノフ: 155.8ポンド(70.66キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
アレックス・ポリジ: 204.4ポンド(92.7キロ)
ジョゼ・アウグスト・アゼヴェド: 206ポンド(93.44キロ)

<ミドル級/5分3R>
ロメロ・コットン: 185.2ポンド(84.0キロ)
フレディ・サンドヴァル: 185.2ポンド(84.0キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ジアナ・アフサラゴワ: 125.8ポンド(57.06キロ)
キーラ・バタラ: 124.6ポンド(56.51キロ)

<フェザー級/5分3R>
ジャムス・アドコック: 145.4ポンド(65.95キロ)
コディ・ロー: 145.6ポンド(66.0キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ローマン・ファラルド: 171ポンド(77.56キロ)
ケルヴィン・レイフォード: 171ポンド(77.56キロ)

<バンタム級/5分3R>
ジョーダン・ハワード: 135.8ポンド(61.59キロ)
トレヴァー・ワード: 136ポンド(61.69キロ

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