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【ONE130】ルオトロ兄弟、マイキーらグラップリング路線、異種格闘技路線がONEの第3&4の軸となる?!

【写真】ルオトロ兄弟、マイキー、ゴードン・ライアンがONEのサークルケージでレギュラーとなるのか(C)ONE & FLOGRAPPLING

17日(木)、26日(土・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアセンターで開催されるONE130「ONE X」に向け、日本のメディアとリモート会見を行った。

MMAPLANETではONE Xでダニエラ・ケリー×山口V.V芽生、そしてライニア・デリダー×アンドレ・ガルバォンという2試合が組まれたグラップリング戦と、フリースタイルと呼ばれるようになったミックスファイトに関してチャトリに尋ねた。

マーカス・ブシェシャ・アルメイダ、ユーリ・シモエス、ガルバォン、ゴードン・ライアン、デニエラ・ケリー、マキシー・ムスメシ、タイ&ケイドのルオトロ兄弟とサインアップを進めてきたONEのグラップリング部門の勝利をチャトリはどのように考えているのか。


──マイキー・ムスメシ、ルオトロ兄弟、そしてONE Xに出場するアンドレ・ガルバォンと多くのグラップラーとサインを進めて来ました。一般ファンの理解を得ることは簡単ではないグラップリングマッチをONE Xだけでなく、今後もONEは組んでいくということでしょうか。

「ONEはマーシャルアーツの本家で、私は常に全てのマーシャルアーツを一つの世界的プラットフォームの傘下で実施していきたいと考えている。既にONEは視聴者エンゲージ数で世界最大のマーシャルアーツプロモーションになっており、MMAにはデメトリウス・ジョンソン、キックではジョルジオ・ペトロシアンやスーパーボン、ムエタイにはノンオー、タワンチャイ、ロッタン、その他大勢のオールタイム・グレーテストがロースターにいる。

そしてグラップリングではゴードン・ライアン、アンドレ・ガルバォンらがいる。全ての分野の世界最高峰の選手が揃っている。それがONEなんだ。そしてファンも本当のベストの選手達の試合を見たいはずだ。

と同時に、これらの競技間をアスリート達が行き来できる。スタンプ・フェアテックスはムエタイとキックの世界王者だったけど、今はMMAの世界王座を目指している。今、ONEのアスリートは自由に柔軟性を持って競技に臨むことが可能になっている。サブミッション・グラップリングに専念したい選手もいれば、サブミッション・グラップリングとMMAで世界王座を目指す選手もいる。それを我々のプラットフォームは可能にしているんだ。世界を代表する選手が試合をする。それが私にとってもっとも大切なことなんだ。だからONE Xには日本の最高の選手が揃って出場する。

それが私にとって大切なこと。彼らが世界的なステージで戦うことが、ね。最高峰の世界タイトルを彼らが狙える環境を提供することは私にとっても非常に重要なことなんだよ。

それぞれの分野のワールドベストの選手達が、それぞれの分野で最高の試合をすることで、ファンがそれぞれのストーリーを楽しめる。そういう他に例のない機会を提供できると思っている。世界最高峰の戦い、ワクワクするような試合をマーシャルアーツの本家として、ファンに提供していきたい」

──チャトリさんの言ったように選手たちの異なったルールの挑戦がONEのダイナミズムでもありますが、今回フリースタイルという名のミックスファイトマッチを実現させます。将来的にこの混合ルールでもタイトルを制定していることは考えていますか。

「ロッタン×DJのようなスペシャルルールの試合を組む機会が増える可能性は高い。ただ今回が初めての試みだけど、この試合は世界中から注目を集めている。凄くバズっているんだ。これだけの最高に高いレベルでこの手の戦いは行われたことはないからね。また組むことになるのか、とにかくロッタン×DJを見てみよう」

■放送予定
3月26日(土・日本時間)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時00分~ABEMA PPV ONLINE LIVE

■ONE130 「ONE X」対戦カード

<ONE世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アンジェラ・リー(米国)
[挑戦者]スタンプ・フェアテックス(タイ)

<フリースタイル・フライ級(※61.2キロ)/3分4R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
デメトリウス・ジョンソン(米国)

<ONE世界フライ級 (※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
[挑戦者] 若松佑弥(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
秋山成勲(日本)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
ウェイン・パー(豪州)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者]マラット・グレゴリアン(アルメニア)

<ムエタイ世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
[挑戦者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】秋元皓貴(日本)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
ジヒン・ラズワン(マレーシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キジュ・ジェウン(韓国)
タン・カイ(中国)

<キック・フェザー級ワールドGP決勝/3分5R>
チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<グラップリング・ミドル級 (※93.0キロ)/15分1R>
ライニア・デリダー(オランダ)
アンドレ・ガルバォン(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ジャレミー・ミアド(フィリピン)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
高橋遼伍(日本)

<ヘビー級(※70.3キロ)/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
ポール・エリオット(英国)

<グラップリング女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
山口V.V芽生(日本)
ダニエラ・ケリー(米国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
澤田龍人(日本)
仙三(日本)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アシャ・ロカ(インド)
アリス・アンダーソン(米国)

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【ONE129】タン・リーに挑戦、ゲイリー・トノン―02―「ONEでグラップリング戦? 楽しみだ」

【写真】 この攻防で東南アジアのファンがわくようになればグラップリングだけでなく、ONEも大きな武器を手にすることができる(C)ONE

11日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE129「Lights Out」で、ONE世界フェザー級王者タン・リーに挑戦するゲイリー・トノン・インタビュー後編。

ここでは第2部として、タイトル挑戦への意気込み以外にONEが食指を伸ばし始めたグラップリングに関して、話を訊いた。

<ゲイリー・トノン・インタビューPart.01はコチラから>


――金曜日の世界戦、どのような試合を世界に披露したいと考えていますか。

「自分自身がチャンピオンシップで戦う技量があることを見せたい。僕は世界のベストだということを証明したいんだ。MMAには大したことないレベルの戦いでも、世界という冠がついたベルトがたくさん存在しているけど、僕は世界王者を名乗るに相応しいMMAでベストの1人だと今回の試合を通して認知されることを楽しみにしている。

ここでチャンピオンになれば、4年間7試合目でベルトを巻くことになる。過去6戦で色々なことを急激に学んだ。ただチャンピオンシップというだけでなく、僕がこれまでにしっかりと白黒をつけて勝ってきたことを含め、さっきから言っているように世界のベストの1人だと証明したい。そして、ここで勝ってからさらに大きなことをやっていきたいと考えている」

――そんなMMAのワールドタイトル・ショットを控えているゲイリーに、このタイミングでする質問ではないかもしれないですが、今年はADCCイヤーです。グラップリングでは新しい才能の台頭が目覚ましく、ONEもマイキー・ムスメシと契約するなど、軽量級でMMAと関係のなさそうなグラップラーも確保し始めました。今後、組み技での活動については、何か考えていますか。

「とても興味深く、この状況を眺めているよ。今はMMAを優先しているし、世界チャンピオンになれば防衛する必要がある。でも、ADCCにチャレンジできるならしたい。そこでも世界チャンピオンになれば、これほどのビッグイヤーは僕にとってないだろうからね。

それにONEでもこれだけグラップラーとサインしているのだから、彼らとグラップリングで戦ってみたいとも思っている。とにかく、ONEでグラップリングが盛んになることは楽しみだよ。実は昨日、マット・ヒュームから電話を貰ってね――今後もグラップリングマッチを定期的にショーに組み込みたいということで、ルールの部分で改善すべきことはないかって意見を求められたんだ」

――おおっ!! 世界タイトルに挑戦する選手に(笑)。

「アハハハ。シンヤ・アオキと戦ったように、ONEでまたグラップリングを戦えることになれば、それは楽しいだろうね」

――とはいえ一般のファンはグラップリングに対して、それほどポジティブな印象を持っていないと思います。ONEではムエタイやキックボクシングなど立ち技もありますし、もちろんMMAもある。そのなかで、ゲイリーはグラップリングでキックやMMAに負けないファンの支持を得る自信はありますか。

「鋭い指摘だよ。グラップリングが常に抱える現状が、どうやってボクシング、ムエタイが好きなファンの理解を得られるのか――だからね。殴ってダメージを与えるという分かりやすさとは対極にあるのがグラップリングだ。拳で殴るって、実は誰もがもっとも身近に感じる攻撃で。アジアでは、それがキックなのかもしれないけど……。

僕が柔術を始めたとき、誰もグラップリングを戦って生活をできる環境なんてなかった。ただし、ここ数年新しいテクノロジーの発展と足並みを揃えるように、従来のルールとは違うグラップリング大会が始まり、フィニッシュという皆がより分かりやすい戦いが増えてきた。ただし、試合内容はグラップリングを戦う個々の意思によって決まる。

サブオンリーでも戦わない選手はいる。そういう選手がファンの喜ぶ試合ができるわけがない。いかなるルールだろうが、ね。エキサイトな試合ができる……ファンに喜んでもらいたいというグラップラーをどれだけ投入できるのか。そういう正しい人材がONEに集まってくれば、世界的に見てムエタイやキックより、グラップリングが注目を浴びる可能性はあると、僕は思っている」

――ゲイリーがハニーホールに入った刹那、1万人の大歓声が起こる――そんな夢のような場面がONEで見られるようになることを夢見ます(笑)。

「Sure。任せてくれ!!」

――では、最後に日本のファンに一言お願いします。

「日本のファンのサポートに感謝している。また近いうちに日本に行きたい。シンガポールに来る際にトランジットで滞在する日本の空港は世界一番キレーなエアポートだ。日本の空港ではロイス・チョコを買い込むんだ。ホテルの部屋にある冷蔵庫にロイス・チョコがある。試合が終わって、ロイス・チョコを食べるのが楽しみでならない(笑)。COVID19騒ぎが集結し、また日本で戦えることを心から願っている。皆、応援ありがとう」

■放送予定
3月11日(金・日本時間)
午後8時00分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時00分~ONE Super App

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]タン・リー(米国)
[挑戦者]ゲイリー・トノン(米国)

<ONE世界バンタム級(※65.8キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)
[挑戦者]ジョン・リネケル(ブラジル)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
マーチン・ウェン(豪州)
キリル・ゴロベッツ(ウクライナ)

<キック・ヘビー級/3分3R>
イスマエル・ロント(オランダ)
イラジ・アジズプール(イラン)

<キック・ストロー級/3分3R>
ジョシュ・トナー(豪州)
ジャン・ペイメン(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
チャン・ロタナ(カンボジア)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
イマン・バーロウ(英国)
ダニエラ・ロペス(アルゼンチン)

<ムエタイ79キロ級契約/3分3R>
リアム・ノーラン(英国)
キム・キョンロック(韓国)

<キック女子ストロー級/3分3R>
リン・ホーチン(中国)
ミラグロス・ロペス(アルゼンチン)

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MMA MMAPLANET WNO13 エステファン・マルチネス マイキー・ムスメシ

【WNO13】先手のバック奪取、刻みのサブミッション。マイキーがノーギワールズ王者を下し王座防衛

<WNOバンタム級選手権試合/15分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
Def.3-0
エステファン・マルチネス(米国)

新鋭マルチネスは28歳で、実はマイキーより3歳年上だ。開始と同時に座ったマイキーは、ジャンピングパスを狙ったマルチネスにマイキーロックを狙う。離れて立ちあがったマルチネスはまたもジャンプを見せる。クローズドに取ったマイキーは、左足を取って50/50から再びマイキーロックへ。これも防いだマルチネスが横回転で上を取り、側転パスへ。ここもマイキーが足を取りトーホールドを仕掛ける。

離れて立ったマルチネスがパス狙いも、腰を切ったマイキーはオモプラッタ気味のアームサドルから足狙い。マルチネスもストレートフットロックを繰り出し、解除してトップへ。マイキーのアームサドルに自らマルチネスが下になる。チョイバーを仕掛け、解除してバックを取ったマイキーは、ワンフックに持ち込む。

肩をつけ、尻をずらそうとするマルチネスをトライアングルボディロックに捉えたマイキーはシートベルトのままRNCを仕掛ける。セットを解き、立ち上がったマルチネスは両ワキを許した形で前転し、ついにマイキーを前方に振り落とす。マイキーは四の字でクローズド、割れるとマルチネスがパスの圧力を強める。

マイキーはオモプラッタから、足を跨いでパス。マルチネスはフックスイープの要領で上を取る。パス狙いにカウンターのアームロックのマイキー、マルチネスの動きが多くなる。マイキーはここもクローズドを取り、ストレートアームロック。マルチネスは腕を抜くと、立ち上がりスイープを潰してトップを維持する。

ダブルオーバーフック&クローズドガードのマイキー、10分を過ぎマットアナから優勢にあることが会場に告げられる。ハイガード、足をすくいにいったマイキーだが、マルチネスが耐えるとトライアングルからストレートアームロックを狙う。前転で逃れたマルチネスはダブルガードでの足を取り合いで、カウンターのベリンボロ。ならばとマイキーもバックを狙うが、マルチネスがトーホールドへ。バックを取ったマイキーがワンフック&シートベルトを取るが、マルチネスが立ち上がり前方に落とされる。

旋回するようにジャンプしてパスを狙うマルチネスに対し、マイキーは慌てることなく足関へのエントリーへ。マルチネスも足を取り、横回転からトップ。くるくると回ってパスを狙うマルチネスだが、ここもマイキーが足を取ってマイキーロックをセットしようとする。

回転を続けてマルチネスが逃げて時間に――結果、ジャッジは3者ともマイキーを支持しバンタム級王座の初防衛に成功した。終盤の動きはマルチネスが王者を上回っていたが、2度のバック奪取、要所でサブミッションの刻みを入れたマイキーの文句なしの勝利だった。


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MIKE MMA MMAPLANET UFC WNO13 クレイグ・ジョーンズ タイ・ルオトロ デヴィッド・ガルモ ニック・ロドリゲス ハイサム・リダ ブリアナ・ステマリー ペドロ・マリーニョ マイキー・ムスメシ リーヴァイ・ジョーンズレアリー ロベルト・ヒメネス

【WNO13】ムンジの翌月にWNO王座防衛戦=マイキー・ムスメシ。ADCCへ、無名のピクスリーに注目!!

【写真】哲人であり、鉄人のマイキー・ムスメシ (C)MIKE CALIMBAS/FLOGRAPPLING

21日(金・現地時間)、WNOの2022年が始まる。テキサス州フリスコにあるUFC PIを彷彿させる設備を誇るスポーツ・アカデミー・アット・ザ・スターが舞台となるWNO13は、3つのタイトル戦を含み注目カードが揃っている。

WNOライトヘビー級王座決定戦=クレイグ・ジョーンズ×ペドロ・マリーニョ、当初WNOミドル級選手権試合と伝えられたタイ・ルオトロ×リーヴァイ・ジョーンズレアリーはウェルター級王座決定戦となり、WNO史上初のチャンプチャンプをルオトロが目指す。

さらに当初の予定ではジョン・カレスティンとワンマッチを戦うと発表されていたエステファン・マルチネスが、バンタム級王者マイキー・ムスメシに挑むこととなった。


その一方で残念なのがハイサム・リダの欠場だ。ジェイソン・カウチとライトヘビー級で戦う予定だったハイサムの代役を務めるのは、カルペディエムからアッセンブリー柔術に掛けて盟友デヴィッド・ガルモとなった。

昨年9月のミドル級トーナメントでロベルト・ヒメネスをヒールで下し一躍注目されるようになったカウチとガルモは普段から電話で話す仲らしく、友人対決となる。カウチが「アイツはチビだから」と言える関係でもあるが、「試合運びが上手い……でもレッグロックを少しでも早く極めるよ」とカウチは自信のほどを伺わせている。

ノーギワールズ・ルースター級優勝で2021年を飛躍の年としたマルチネスと急遽タイトル防衛戦を戦うこととなったマイキー。WNOのポッドキャストで「この一戦が組まれるべきだ」という声を聞き、主催者に「やるよ」とテキストを送り、世界戦が決定したという……。

「毎月のようにベストガイと戦って、自分を試したい」というマイキーは、12月にムンジアルで道着の世界イチに輝いたばかりだ。マルチネスはサブオンリーよりも、ノーギ柔術家というスタイルで、プレッシャーが強い。その攻めのスタイルにマイキーの防御&カウンター攻撃──極めでそれを可能にする能力が見られるのか、あるいはマルチネスが突破するのか要注目だ。

この他、ニッキー・ロドリゲスとプレリミ出場のマイケル・ピクスリー、レスリングで実績を残す新鋭グラップラーも見逃せない。とはいニック・ロッドは既にトップの1人、その力は誰もが認めるところだ。他方ピクスリーはまだ無名といっても過言でない。

柔術では青帯ながら、ノーギワールズではヘビー級で3位、そして無差別級を制したピクスリーはディヴィジョン2の184ポンド級NCAA王者だ。テイクダウンやスクランブルでのマルセロチンやダースの切れ味が抜群──のカウチの同門ピクスリー。ADCCイヤーのWNO13──今大会随一の青田買い候補だ。

■視聴方法(予定)
12月12日(土・日本時間)
午前10時00分~Flo Grappling

■ 対戦カード

<WNOライトヘビー級王座決定戦/15分1R>
クレイグ・ジョーンズ(豪州)
ペドロ・マリーニョ(ブラジル)

<WNOウェルター級王座決定戦/15分1R>
タイ・ルオトロ(米国)
リーヴァイ・ジョーンズレアリー(豪州)

<ヘビー級/15分1R>
ニック・ロドリゲス(米国)
エルダー・クルーズ(ホンジュラス)

<女子フライ級/15分1R>
ブリアナ・ステマリー(カナダ)
トビー・アレキン(米国)

<ライトヘビー級/15分1R>
ジェイコブ・カウチ(米国)
デヴィッド・ガルモ(米国)

<WNOバンタム級選手権試合/15分1R>
[王者]マイキー・ムスメシ(米国)
[挑戦者]エステファン・マルチネス(米国)

<女子フライ級/15分1R>
ジェシカ・クレイン(米国)
アレクサ・ヤネス(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
マイケル・ピクスリー(米国)
キャメロン・リード(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジノ・モレリー(米国)
カモイ・アンダーソン(米国)

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ABEMA Report WJJC2021 ブルーノ・マルファシーニ ブログ マイキー・ムスメシ

【WJJC2021】止まらないマイキー・ムスメシ。マルファシーニに明確な差をつけムンジアル4冠達成

【写真】道着の練習1カ月でムンジアルを制したマイキー。来年はいよいよADCCを獲りに行く(C) SATOSHI NARITA

8日(水・現地時間)から12日(日・同)まで、カリフォルニア州はアナハイムのアナハイム・コンベンションセンターにて、IBJJF主催の世界ブラジリアン柔術選手権が行われた。
Text by Isamu Horiuchi

2年半ぶりに開催された、道着着用柔術の世界最高峰の大舞台。レポート第9回は、橋本知之が頂点を目指したルースター級決勝戦──結局のところ、この2人が相対した──マイキー・ムスメシ✖ブルーノ・マルファシーニの対戦を振り返りたい。


<ルースター級決勝/10分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
Def. 6-0
ブルーノ・マルファシーニ(ブラジル)

強豪ひしめく大激戦区となったこの階級だが、決勝まで辿り着いたのはやはりレジェンド2人だった──前回王者のムスメシは、初戦のカーロス・オリヴェイラ、準決勝の橋本知之を倒したジョナス・アンドラージ戦とどちらも強烈無比なストレート・フットロックで一本勝ちして圧巻の決勝進出を決めた。

対するムンジアル10タイムス王者のマルファシーニは、準々決勝では昨年のヨーロピアンで敗れたタリソン・ソアレスと対戦、下からの仕掛けを上から防ぎ続けてレフェリー判定勝ちを収めた。

そして準決勝では、ホドネイ・バルボーザ相手にやはり上をキープしてアドバンテージ1差での勝利。往年の頭抜けた強さこそ影を潜めているものの、大半が下攻めにこだわる最軽量級において、平然と上を選択してなお崩されないその強靭なベースと身体操作は健在だ。

迎えたファイナル。試合開始すぐにムスメシが引き込むと、マルファシーニも一瞬座るが、すぐに上を取り返し、すかさず右にパスを仕掛ける。この攻撃で横に付きかけたマルファシーニが、最初の上選択と含めて2つのアドバンテージを得た。

下から潜るムスメシに対し、マルファシーニは上からダイブするように足を狙う。マルファシーニの右足とムスメシの左足が絡まった複雑な状態になる。ここからムスメシは、マルファシーニに背を向けるような格好で一瞬上になって2点獲得すると、すぐに体勢を戻し、お互い足を絡めたったまま横向きに。ムスメシはあいかわらずの試合巧者ぶりを見せる。

しばらく同じ体勢が続くが、やがて両者の足の絡みが解けると、ムスメシが素早く動き、両足でマルファシーニの両足を挟みこむ。そのままマルファシーニの尻に付いてのベリンボロ狙を仕掛けるムスメシ。

マルファシーニも逆にムスメシの背後を狙うが、両足を挟み付けている分だけ有利なのはムスメシの方だ。ムスメシは登って体勢を進めると、マルファシーニの首元の襟を取って背後に回り、襷掛けを作る。

マルファシーニはすかさず立ち上がり、ムスメシに右足のフックを作らせずに前に落とそうとするが、しっかりと密着しているムスメシは崩れず。そのままムスメシはマルファシーニをグラウンドに持ち込むと、ついに右足のフックをイン。バックグラブの4点を奪ってみせた。

2008年に宿命のライバル・テハにチョークで一本負けして以来、たとえポイントゲームで出し抜かれることはあっても、決して不利な状況に追い込まれることのなかったマルファシーニ。そんな絶対王者の牙城をムスメシは完全に崩したのだった。

さらに足を四の字にフックして体勢をキープするムスメシに対し、仰向けになったマルファシーニは徐々に体をずらしてゆく。そこからムスメシをリフトするように体勢を起こしたマルファシーニはヒザ立ちに。

これで正対に成功したかと思われたが、足の四の字ロックをキープするムスメシは、右手をマルファシーニの後頭部に回して襟を取り、左手では左膝を掴んでそれ以上の進展を許さない。やがて左腕をさらに深く入れてマルファシーニの左ヒザを抱えたムスメシは、完全に下にならないまま体制を固めた。

逆転を狙いたいマルファシーニだが、ムスメシに固められて動けないまま時間が過ぎてゆく。残り3分を切った時点でペナルティが与えられたムスメシだが、意に介さずポジションを保つ。残り2分近くのところで二つ目のペナルティを宣告されると、ムスメシは動き始める。右手でマルファシーニのラペルを引き出し、左ヒザにこじ入れている左手に渡して体勢を固めてから足の四の字ロックを解除し、クローズドガードに変更した。

ここでインサイドガードとなったマルファシーニだが、自らのラペルで強固に左足を固められているために動けない。残り30秒で立ち上がるも、ムスメシはガードを開かず。マルファシーニはムスメシのガードを押し下げて開かせ、最後にトーホールドを狙うが通じず、試合終了に。

ライトフェザー級2連覇に続き、ルースター級でも2連覇を果たしたムスメシは、勝利と同時に四本の指を伸ばして自らの偉業をアピールした。

絶対王者マルファシーニをポジションで制圧という、過去10数年に誰も達成できなかった偉業を成し遂げての4連覇。今年の春からずっとノーギに専念していたということを考えると、まさに驚愕の強さを見せつけた。

ムスメシは試合後、「ブルーノのようなレジェンドと戦えて光栄だよ。彼の動きは凄く速く、そして精確だった。でも、僕の持っているベリンボロの流れの一つで捉えることができたよ。決勝でもフィニッシュしたかったんだけど、あのクールなボロを決められたから十分だよ。

ここまで8カ月ノーギをやって、1カ月だけギの練習に戻ったら、道着柔術では過去最高のパフォーマンスができた。ノーギの練習が役にたったんだろうね。僕はこれで2つの階級で2度ずつ、4度の王者だ。これはホール・オブ・フェイム(殿堂)に値するよね。アメリカ人として初のIBJJFホール・オブ・フェイムをもらえたら嬉しいね。

次はどうするかな。今回初めて、このルースター級で減量の問題がなかったんだ。だからこの階級にとどまるのも良いし、ライトフェザーでパト(今回ライトフェザー級優勝のジエゴ・オリヴェイラ)とかと戦うのもいいね。僕はすでにライトフェザーも2度獲っているから、別に優勝へのモチベーションはないんだけど、彼らのようなニューモンスターズと戦うことが、僕にとってチャレンジになるからね。

ここのところ毎月のようにWNOで135、145、155パウンドの強豪たちと戦ってきたから、僕のタフネスのレベルも上がったんだよ。それで今回125で戦って素晴らしい戦果が出せた。これが僕の適性体重なんだよ」とコメント。

有り余る才能の持ち主が、日々常人には計り知れぬほどの努力を重ね、試合のたびに驚くべき進化を見せつける──あらゆる面で我々を驚嘆させ続けるこの男は、来年体重差を超えてADCC制覇をも成し遂げてしまうのか。ムンジアルが終わってなお、2022年もマイキー・ムスメシはグラップリング界軽量級の話題を独占し続けるだろう。

【ルースター級リザルト】
優勝:マイキー・ムスメシ(米国)
準優勝:ブルーノ・マルファシーニ(ブラジル)
3位:ジョナス・アンドラージ(ブラジル)、ホドネイ・バルボーザ (ブラジル)

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【WJJC2022】今や神階級=最大激戦区と化したルースター級。橋本知之と6人の強敵!!

【写真】とんでもない神階級となったルースター級で、この3者とも本命とはならない (C)MMAPLANET

8日(水・現地時間)から12日(日・同)まで、カリフォルニア州はアナハイムのアナハイム・コンベンションセンターにて、IBJJF主催の世界ブラジリアン柔術選手権が行われる。
Text by Isamu Horiuchi

通常は毎年初夏に開催されるムンジアルだが、昨年はコロナ禍により中止。今年度もこの時期まで延期された末の開幕となった。実に2年半ぶりに実現する、道着着用柔術の世界の頂点を争う大舞台。その見所を、まずは最軽量ルースター級から紹介したい。

日本のグラップリング界にとって最大の注目は、2017年と2018年に2年連続で世界大会3位入賞を果たしている橋本知之の出場だ。近年、世界一に最も近い日本人の座にあり続けている橋本は世界の柔術が一時停止陥る直前──昨年1月のヨーロピアン大会に参戦時に、これまで以上に徹底的にボトムポジションを狙い、勝利に拘った戦いを展開した。


準決勝で前年の世界柔術で敗れたクレベル・ソウザに競り勝つと、決勝では世界10連覇のスーパー王者ブルーノ・マルファシーニを下して勝ち上がってきた超新星タリソン・ソアレスが彼を待ち受けていた。何度もソアレスの担ぎパスに合わせて三角絞めを完全にロックオンした橋本は、タップするくらいならと場外逃避を選んだソアレスから、一本勝ちに等しい値千金の勝利を収めてみせた。

こうして、昨年早々パン大会や世界大会の優勝候補に躍り出た橋本だが、前述したようにコロナ禍によってこれらの大会は中止となってしまう。

その間はQUINTETやFinishといった国内のノーギ大会に参戦。2階級上の森戸新士からはレフェリー判定勝ちを収め、今成正和は極めきれなかったものの終始圧倒してのドロー、そしてMMAファイターの和田竜光からはヒールで一本勝ちと、階級が上の選手を相手に確かすぎる力を見せつけている。

とはいえ、この実力固辞も他の大半の日本の格闘家と同様に橋本もこの2年間、IBJJFの国際大会のような競り合う試合からは遠ざかっていることになる。

先月下旬からから米国入りし、師カイオ・テハの下で試合に向けてハードな練習を積んできている橋本。現地から本人がアップした動画においては、強豪ひしめくこの最高峰の舞台にいて自分の実力が一番とは思わないと言いつつも、稀代の戦術家テハから各強豪選手用の対策を授かり、誰に対しても勝機はあると見ているというメッセージを発信している。

テハというスーパーセコンドの支援を受け、約2年ぶりに、世界の超強豪たちを相手にギリギリの凌ぎ合いを臨む橋本の戦いに刮目したい。

だがその橋本の前には、恐るべき世界の超強豪たちが立ちはだかっている。第一に名前を挙げるべきは、前人未到の10度世界制覇を達成したブルーノ・マルファシーニだろう。橋本とは2017年、2018年の世界大会で対戦し、ガードを取らせてなお超人的な反応速度と、複数の動きを一瞬でこなす驚愕の身体操作でそれを突破、一本勝ちを収めている。

2019年の世界大会準決勝ではマイキー・ムスメシに、2020年のヨーロピアン準決勝ではタリソン・ソアレスに競り負けてしまったマルファシーニ。長年築き上げた不敗神話こそ崩れてしまったが、どちらの試合も、終盤に相手のなりふり構わない膠着戦法に捕まって逃げ切られた形の敗戦であり、柔術の地力で相手に引けを取った姿はまだ見せていない。

一時はMMA転向を試み、柔術からの引退を発表していた35歳の元王者が、今なお全盛期に匹敵する身体能力を保持しているかどうか、世界が注目するところだろう。

もう一人の大注目選手は、上述の通り19年の世界大会のこの階級にてマルファシーニを攻略し、17-18年のライトフェザー級と合わせて3年連続優勝&2階級制覇を成し遂げたマイキー・ムスメシだ。

アドバンテージ一つを奪って相手を出し抜くポイントゲームが展開されがちな軽量級において、きわめてタイトなトップゲームとガードからの極めという、柔術ファンダメンタルの強さにおいて抜きんでた強さを誇る。

道着着用の柔術で頂点を極めたムスメシは、今年に入って最後の目標であるADCC世界大会制覇に向けてノーギに本格転向。瞬く間に凄まじい精度の足関節技を習得して、ジュニー・オカシオやジオ・マルティネスといったノーギのトップ選手たちを圧倒してきた。

普段は柔らかい物腰の持ち主でありながら、マルティネス戦後には突然怒りを爆発させ、周囲を呆然とさせるほどの過剰さで相手を罵ってみせたそのギャップのインパクトもあいまって、一躍グラップリングシーンの最注目選手となった。

そうして優勝本命と思われた9月のWNOチャンピオンシップでは、ガブリエル・ソウザにパスを許しまさかの一本負けしたムスメシ。が、後にコロナに感染していたことが判明。翌月の復帰戦では、自らのワキの下ではなく首の窪みを使って相手を極めるオリジナル足関節技「マイキーロック」を炸裂させて鮮烈に復活、あっさりとシーンの主役の座を取り戻し、WNOバンタム級王座を奪取している。

ここ半年ほどムスメシはノーギの練習に専念してというが、一瞬のミスが命取りになるこの世界最高峰の舞台において、どこまで道着着用への対応力が戻っているのか。

また、もともとは橋本同様にカイオ・テハ門下だったムスメシだが、今回はデイジー・フレッシュことペディゴ・サブミッション・ファイティング所属としての出場となる。元チームメイト対決が実現した際、元弟子のことを誰よりもよく知るテハが、どのような策を橋本に授けるかも見ものとなる。

そのほか、昨年のヨーロピアン準決勝で打倒マルファシーニに成功したタリソン・ソアレスや、そのチームメイトにして、今年のアブダビ・ワールドプロを制したジョナス・アンドレイジも優勝の有力候補だ。

さらに今年のパン大会決勝でイアゴ・ガマを倒して初優勝を遂げたシセロ・リヴィオ・ヒベイロ、2018、2019年と2年連続世界柔術準優勝の座に輝き、19年のヨーロピアン決勝にて橋本に競り勝って制したホドネイ・バルボーザも参戦するというルースター級は、いつの間にかムンジアルでも最大激戦区となった感もある。

上記の面々が順当に勝ち上がると想定すると、橋本は初日を突破して日曜日を迎えると準々決勝でジョナス・アンドレイジ、準決勝でムスメシとのマッチアップが待っている。他方、別の山の2回戦でヒベイロ✖ホドネイが当たり、マルファシーニ✖タリソンの再戦が実現するのが濃厚だ。

これはもう7人の総当たり戦が見たくなる──本命不在、超強豪がひしめく凄まじい顔ぶれによる世界一決定戦が、いよいよ幕を開ける──。

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ABEMA LFA LFA117 MMA ONE UFC VTJ   チャンネル チャールズ・ジョンソン ヒカルド・ディアス マイキー・ムスメシ マーク・クライマコ リチャード・アラルコン 修斗 堀内佑馬 平良達郎 田中路教

【LFA117】クライマコと対戦、リアル・シン日本人=堀内佑馬「田中選手、平良選手。俺が全てを掻っ攫う」

【写真】気合が入りまくっていることが伝わってくるインタビューだった(C)t.SAKUMA

5日(金・現地時間)、カリフォルニア州ヴァイセイリアのヴァイセイリア・コンベンションセンターで開催されるLFA117「Dias vs Tanaka」で、堀内佑馬がコ・メインに出場しマーク・クライマコと対戦する。

UFCを目指し、カリフォルニアを拠点に置く堀内は、7月に暫定王座決定戦で惜敗。今回が再起戦となる。対戦相手のマーク・クライマコは6勝0敗の新鋭だ。UFCに行くために毎試合、しっかりと勝つと断言する堀内は、リアルにこだわる。


──クライマコ戦を6日後に控えています(※取材は現地の10月30日に行われた)。今の調子はいかがでしょうか。

「イィ感じできています。明日の朝に練習すると、あとは減量ですね」

──リモートや試合映像よりも実物の方が大きく感じられる堀内選手ですが、上背よりもフレームが大きくて減量はなかなかハードなのかと。

「そうなんですよね。これまで水抜きをしないできたので、今回はこれからのために水抜きを試そうと思っています」

──最後のドライアウトなしで、あの大きさからフライ級に落としていたのですか!! だから計量の時は筋肉まで落ちているように見えたのですね。

「体が結構小さくなっているので、『ヤバいね』って驚かれます。結構、無理な減量はしてきたかと……。厚着して走って落としていたので、水抜きは水抜きですね。LFAの場合はホテルに入る時には、もう体重を落としていました」

──計量前夜からのドライアウトでなく、それ以前に走って徐々に落としていたらリカバリーも少なくないですか。

「だから今回は色々な人のアドバイスを受けて、ホテルに入ってから水抜きをすることにしました。ただこれまでの試合で力負けを感じたことはないので、体格的には恵まれていると思っています」

──LFAの場合、現地入りは試合の何日前なのですか。

「計量の1日前なので、試合の2日前ですね」

──なるほど、そこはビッグプロモーションとは違いますね。

「ハイ。今回は飛行機で移動できる他の州での大会でなくて、(コリン)オーヤマ・コーチの運転で、もう1人出る選手と一緒に4時間のドライブで現地に行きます。けっこう、きついですよね」

──そして7月の暫定王座決定戦の厳しい判定負け以来の試合です。この間、タイトルを賭けて戦ったチャールズ・ジョンソンは初防衛に成功して、正規王者のヴィクトー・アルタミラノはコンテンダーシリーズからUFCへステップアップを果たしました。

「コンテンダーシリーズって時期が集中しているし、あの一発勝負の博打的な試合よりも、普段のLFAで毎試合しっかりと良い勝ち方をして、ショートノーティスだろうがUFCの空きをつく方が良い──というのがオーヤマ・コーチの考えなんです。

タイトル戦で負けてからの再起戦で6勝0敗っていう良い相手を当ててくれたので──、田中選手の相手もオーヤマのコンテンダーシリーズに出ているデスモンド・トーレスに勝っているので、『凄い相手とやるな』って思っていたら、自分にも強いのがきて(笑)。最初は12日だと聞いていたのに、契約書には5日になっていて。でも良い相手だし、良い勝ち方をしてここから先に繋げたいですね。それを想像すると、楽しくてしょうがないです」

──クライマコ、日本では当然のように無名ですが、どのような印象を持っていますか。

「ムエタイベースなのに、テイクダウンをよく使っていますよね。オファーが来た時はムエタイで打撃が強いっていう情報だったのが、最近の試合を見るとがっつりレスラーで(笑)。まぁ何でもできますね。

打撃は普通に上手くて、クリンチからのテイクダウンとそこからバック奪取してRNCですかね。ただし粗いです。僕も日本からも戻ってきて全てを見直してきたので、結構手応えを感じています。スクランブルで削って、削って……極めたいです。そうですね……ジャパニーズMMAを見せたいです」

──ジャパニーズMMA?

「僕が子供の頃に見ていたMMAは、寝技で仕留めることができるけど打撃も使う。それが日本人が創り出した究極のMMAなのでそこを見せたいと思います」

──確かに一本勝ちもありますが、堀内選手は圧倒的に打撃のイメージが強いです。今回の相手は打撃のサウスポーの構えから、テイクダウン狙いは右手前一本槍。左ワキを取らせず、組みへの準備を怠らないで打撃で削るのかと思っていました。

「最近、寝技の調子が良くて。ONE柔術のジヴァ・サンタナのところで練習していて、極める数も増えてきました。グラップリングとMMAのグラップリングはフットサルとサッカーぐらい違うと思います。リチャード・アラルコン……レッドってメチャクチャ強いんです。それがマイキー・ムスメシに足関節で秒殺されるし。どうなっているんだって」

──別物です、ね。

「ハイ。寝技は奥が深すぎます。それだけやっている人と、MMAファイターはやはり違っていて。ジヴァさんのテクニックも本当に凄いです。体格差はあるのですが、アレックス(ペレス)とか極められるし、力でなく技術で僕も取られまくっています。レッドにもボコボコにされますが、オーヤマではUFCファイターと極められ、極めるこという感じになっています。

だから今回の試合は全部対応して、なんかチョット成長したなってところを見せたいです。ここからリアルになりたくて。リアルになるためには全部できるようにならないといけないですし……。リアルな選手になることを目標にやっています」

──リアル……ですか。暫定王者はまだUFCと契約しておらず、正規王者になる見込みです。

「今度の試合、無傷で勝って12月も勝って、ジョンソンにはやり返さないと気が済まないです。アイツには絶対にリベンジをします」

──今回、日本ではLFAから修斗、そしてVTJと中継が続きます。VTJのメインは同じフライ級の平良達郎選手です。嫌らしい見方ですが、若い選手も多く出場する。この日は堀内選手も含め、誰が一番期待できるのかというショーケースだと思っています。

「VTJも修斗もありますけど、僕はリアルなところを見せたいです。田中選手、平良選手が話題にならないような試合をして、全てを搔っ攫うつもりで戦います。正直な話、平良選手の相手の試合映像を見た時、俺がやる選手の方が強いと思いました。そこで俺が良い勝ち方をして、全ての視線を俺にもって来させたいです。それは田中選手にしても平良選手にしても、同じことです。

田中選手の試合が見たくてABEMAを視る人が多いだろうから、そこで俺が全部を掻っ攫います」

──では日本のファンに一言お願いします。

「頑張ります」

──ホントに一言じゃないですか!!

「あっ……もうちょっとの辛抱、気合が凄く入っていて。俺が一番、リアルだということを見せたいと思います」

──今回リアルという言葉が多いですが、前にいっていたシン日本人というのは?

「リアル・シン日本人で、お願いします(笑)。絶対良い試合をして、リアル・シン日本人を皆に見せたいです。応援、宜しくお願いします」

■視聴方法(予定)
11月6日(土・日本時間)
午前11時00分~UFC Fight Pass
午前11時00分~ABEMA格闘チャンネル

■LFA117対戦カード

<バンタム級/5分5R>
ヒカルド・ディアス(ブラジル)
田中路教(日本)

<フライ級/5分3R>
堀内佑馬(日本)
マーク・クライマコ(米国)

<160パウンド契約/5分3R>
エミリオ・ウィリアムス(米国)
バットスムベレル・ダグワドルジ(モンゴル)

<150ポンド契約/5分3R>
ハイダー・アミル(米国)
ホブソン・ジュニオール(ブラジル)

<175ポンド契約/5分3R>
クリスチャン・アヴァロス(米国)
ジェフリー・クレイグ(米国)

<175ポンド契約/5分3R>
アルバート・ゴンザレス(米国)
ドミニク・サマー(米国)

<フェザー級/5分3R>
ブロック・ディアス(米国)
カーロス・フィゲロア(米国)

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MMA ONE WNO12   マイキー・ムスメシ リチャード・アラルコン

【WNO12】ワキの下でなく、首の窪みで使う足関=マイキーロックで、ムスメシがバンタム級王者に

【写真】普段の練習の足のコントロールから、極め技を創造する。素晴らし過ぎる(C)CLAYTON JONES/FLOGRAPPLING

20日(水・現地時間)、テキサス州オースチンでWNO12「Return of Gordon Ryan」が開催された。サブオンリー・グラップリング最高峰のプロイベントに君臨するWho’s Number Oneでは9月に5階級の王座決定戦を行った。その後も2021年グラップリング界の頂点を決めるトーナメントでチャンピオンが誕生した以外の階級でも、ワンマッチの王座決定戦が男女で組まれている。
Text by Isamu Horiuchi

ここではライト級トーナメントでまさかの初戦敗退を喫したマキシー・ムスメシが、コンバット柔術バンタム級ワールドを制したリチャード・アラルコンと戦ったWNOバンタム級王座決定戦の模様をお届けしたい。


<WNOバンタム級王座決定戦/15分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
Def.0分56秒 by マイキーロック
リチャード・アラルコン(米国)

試合後すぐに寝転んだムスメシに対し、アラルコンは左右に動きながらその足を捌きにかかる。ムスメシはアラルコンの右手首を両手でキャッチし、クローズドガードに引きずり込むことに成功した。

ムスメシは、やることは決まっているとばかりにすぐにアラルコンの右足を内側から抱えて横回転し、50/50を作る。そこからアラルコンの左足を伸ばして捕獲したムスメシは、自ら頭をマットにつけるような格好をとりながら、アラルコンの左足のカカトと爪先を両手で掴んで捻りあげると、アラルコンはすぐにタップ。

僅か56秒、先月のトーナメントのまさかの敗戦から1カ月、ムスメシが新たな足関節技とともに見事な復活を果たした。

ベルトを得て放送席にやってきたムスメシは、「試合前に予告していたミステリーサブミッションは、これだったのかい?」との司会者の質問に対し「そうさ! マイキーロックっていうんだ。通常のヒールフックのようにアームピット(ワキの下)を用いるんじゃなく、ネックピット(首の窪み)を使って極めるんだよ。(ヒールフックと)インサイドトーホルドとのハイブリッドみたいな技で、足首にもヒザにもプレッシャーがかかるんだ。練習ではもういつもこれで極めているんだよ」と新必殺技について説明した。

さらにムスメシは「僕は6週間前にコロナにかかってしまい、その後も予後の後遺症に悩まされていて筋肉、腕、足がまだ通常の状態に戻ってはいないんだ。前の試合から2週間はベッドの中で全く動けない状態だったんだよ。それでも今回2週間前に練習を開始したんだ」と状況を説明。

さらに控室でのインタビューでは、体調が悪くなったのは先月のWNOの1週間前からだと述べており、トーナメント敗戦と無関係ではないという見方と、それで出場したのかという疑問も残るカミングアウトだった……。

続いてマイキーロックについて尋ねられると「カウンターがさんざん発達しているヒールフックと違い、現在この技のカウンターは存在しない。だからグラップリング界に革命を起こす技となるはずだ。今日は単にお披露目したにすぎないよ。練習中、相手の足をコントロールするために自分の首を使っていた時、ここからサブミッションができるぞと思い至ったんだ。僕が今まで学んだ中でもっとも強力なサブミッションだ。そして僕が引退してからもみんなこの技を使い続けるだろうね。そんな技の創設者となれて光栄さ!」とコメントしたマイキー。

今回から所属をデイジー・フレッシュことペディゴ・サブミッション・ファイティングに代えたことで、自分と同じテンションで毎日練習に没頭する仲間に囲まれて最高だとも述べた。やはりこの選手からは、今後も目が離せない──

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ABEMA MIKE MMA ONE ONE Championship WNO Championships   ガブリエル・ソウザ マイキー・ムスメシ ルーカス・ピニェーロ

【WNO Championships】レポート─02─ライト級この一番。マイキーがファンダメンタル柔術でソウザに下る

【写真】衝撃のマイキー・ムスメシの一本負け (C)MIKE CALIMBAS/FLOGRAPPLING

25&26日(土&日・現地時間)にテキサス州オースチンのパーマー・イベンツセンターで開催されたWho’s Number One Championships。ライト級、ミドル級とヘビー級、女子はストロー級及びヘビー級で賞金3万ドルとチャンピオンベルトを賭けた2days 8人制トーナメント──は2021年グラップリング界の最大のイベントとなった。
Text by Isamu Horiuchi

レビュー第2回はライト級のこの一番──大アップセットとなったガブリエル・ソウザ✖マイキー・ムスメシ戦の模様をお伝えしたい。


<ライト級1回戦/15分1R>
ガブリエル・ソウザ(ブラジル)
Def. 10分10秒by ノースサウスチョーク
マイキー・ムスメシ(米国)

試合開始後、すぐにマットに横たわったムスメシ。体格に勝るソウザは、素早い動きで左右へのパスを仕掛けてゆく。

ムスメシは両手でソウザの左足首を掴んでグラウンドに引き摺り込むが、ソウザは腰を引いて距離を取り、やがて立ち上がって背中を向けて距離を取った。猛威を振るうムスメシの足関節に、ソウザは一切付き合うつもりはないようだ。

再びソウザがパスを仕掛けるために近づくと、ムスメシはKガードからソウザの右足を腕で内側からホールドして捕獲する。

逃げようとするソウザを強引に引っ張り込んで崩し、右足を両足で挟み込むと、強烈なヒザ十字に。一瞬ヒヤリとしたソウザだが、右足でムスメシのヒザ裏を蹴りながら角度を変え、やがて距離を取ることに成功した。

危機を脱したソウザは、左右に低く体を預けてのパスを狙うが、ムスメシは左腕のフレームと足を利かせて距離を作る。その後も足を狙いにゆくムスメシだが、付き合うつもりのないソウザは未然に対処して距離を取ると、逆に左右のパスを仕掛けてゆく。

やがて体格差が響いてきたか、ソウザがパスの攻勢に出る場面が目立ち始め、頭まで回られてしまったムスメシがインヴァーテッドガードで対処する場面が出てくる。ムスメシは足を極めるのは難しいと判断したか、ソウザの腕を下からたぐろうとするが、ソウザこれも素早く切ってはパス攻撃を繰り出していった。

ムスメシの足を捌きながら左右の動きを加速してパスのプレッシャーを強めたソウザは、6分過ぎに右方向に動いてムスメシの頭側に付くと、インヴァーテッドからこじ入れようとするムスメシの足を払いのけて胸を合わせることに成功する。

ムスメシは下から動き続け、なんとか隙間を作ってオープンガードに戻してみせたものの、ソウザが大きな印象点を得た。

その後四つ足で素早く歩くように右にパスを仕掛けたソウザは、そのままムスメシの頭に回り、インヴァーテッドから絡もうとするムスメシの足を完全に押し除け、なんと上四方で完全に押さえ込むことに成功する。階級別の試合でムスメシがパスガードを許したのは、おそらく16年のパン大会におけるルーカス・ピニェーロ戦以来だろう。

ムスメシは懸命に下から腕を伸ばして距離を作ろうとするが、体格に勝るソウザは重心を低くして密着し、上から巧みに動き続けてムスメシに隙間を与えない。さらに上からムスメシのワキに腕をこじ入れてチョークを狙うソウザ。

完全に上半身を殺されながらも、腕を差し返して守っていたムスメシだが、とうとうソウザが左腕をムスメシのワキに入れ、右腕で首を巻いてノース&サウスチョークをロックオン。

これで万事休すに追い込まれたムスメシがタップ──試合時間は10分10秒だった。立ち上がって咆哮したソウザ。ノーギ転向以来のムスメシの快進撃を止めたのは、意外にもグラップリングの専門家ではなく、階級上の柔術家ソウザだった。

ここまで、名だたるグラップラーたちを相手に足関節で圧倒してきたムスメシ。試合前はブレイキング・メカニズムをさらに徹底追求してきたと語っており、この試合も序盤から露骨に足関節のみを狙っていった。狙いが明白だっただけに、ソウザには対処しやすかった面もあるだろう。

またムスメシとしては、急速に熟達中である足関節技の完成に練習を集中してしまい、本来の強みであるガード&パスガードの攻防の準備が疎かになった面もあるしれない。最強の柔術ファンダメンタルを持つと思われたムスメシが、ノーギの舞台にて、同じく柔術をベースに持つソウザにファンダメンタルの攻防で完全に制されての敗戦。組技の奥深さを思い知らされた試合だった。

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MIKE MMA ONE ONE Championship WNO Championships   ガブリエル・ソウザ ケイド・ルオトロ コール・アバテ ジオ・マルチネス ジョシュ・シスネロス デミアン・アンダーソン マイキー・ムスメシ

【WNO Championships】レポート─01─波乱続出、ライト級準々決勝~準決。ファイナルはソウザ✖ケイド

【写真】準決勝でアバテを下し、ドヤ顔のソウザ(C)CLAYTONE JONES/FLOGRAPPLING

25&26日(土&日・現地時間)にテキサス州オースチンのパーマー・イベンツセンターで開催されたWho’s Number One Championships。ライト級、ミドル級とヘビー級、女子はストロー級及びヘビー級で賞金3万ドルとチャンピオンベルトを賭けた2days 8人制トーナメント──は2021年グラップリング界の最大のイベントとなった。

WNO Championshipsレビュー、第1回はライト級準決勝までの痕跡を辿りたい。
Text by Isamu Horiuchi


ライト階級は1回戦から波乱続出となった。まず、優勝候補大本命と思われたマイキー・ムスメシが、当初は補欠扱いだったガブリエル・ソウザにまさかの一本負け(別稿で詳述)。

(C)MIKE CALIMBAS/FLOGRAPPLING

さらに、準決勝におけるムスメシとの因縁の再戦が期待されていたジオ・マルチネスまでも1回戦敗退。

土壇場で代打出場が決まったAOJの16歳、コール・アバテと対戦したマルチネスは、序盤から素早く力強いアバテの下からの足関節の仕掛けに防戦を強いられる。さらに上から強引に腕を取りに行ったところで、体をずらされてバックを許してしまった。結局最後までアバテの足狙いに手を焼き、攻め手を見つけられないままマルチネスは判定0-3で完敗した。

(C)CLAYTONE JONES/FLOGRAPPLING

かくて伏兵同士の顔合わせとなった準決勝では、ソウザとアバテが一進一退の攻防を展開。

前半はアバテが下からの足関節の仕掛けでペースを握る。が、後半はパターンを読んだソウザが徐々に上からのプレッシャーを強める展開に。結局、途中内ヒールを深く入れる場面も作ったソウザが、スプリット2-1で判定をものにして決勝進出した。が、15分間を通して攻勢に出る場面が多かったのはアバテの方だっただけに、異論を唱える声も多く聞かれたジャッジングだった。

(C)MIKE CALIMBAS/FLOGRAPPLING

もう一方のブラケットの1回戦では、ムスメシ本人が最大のライバルとして名前を挙げていたケイド・ルオトロが、今年のアブダビ・ワールドプロ大会覇者であるパトことディエゴ・オリヴェイラと対戦。

序盤にパトの下からの迅速の抱え十字で腕を伸ばされかける場面もあったものの、その後は持ち前のノンストップ・パス攻勢で徐々にパトを削ってゆく。残り2分でついにインヴァーテッドガードを突破してパスに成功したケイドは、すぐにダースチョークを仕掛け、鮮やかな一本勝ちを収めた。

(C)MIKE CALIMBAS/FLOGRAPPLING

もう一つの1回戦は、やはり注目株のジョシュ・シスネロスが代打出場のデミアン・アンダーソンと相対した。

下から足を絡めてくるアンダーソンの仕掛けを、素早い反応のダースチョーク狙いで切り返したシスネロスは、うつ伏せで耐えるアンダーソンのバックへ。そのまま右腕をとって腕十字を極め、2分弱で会心の勝利。

(C)CLAYTON JONES/FLOGRAPPLING

続く準決勝──ケイドとシスネロスによる注目の新世代対決──では、残念なアクシデントが起きてしまう。

シングルを仕掛けたシスネロスに対し、ケイドがスピード感溢れるカニバサミで切り返すと、シスネロスは不自然な形で崩れてしまう。ここでレフェリーは即座に試合をストップすると、倒れこんだシスネロスが痛みに絶叫し、それを見ているケイドも頭をかかえてしまう状況となった。

スロー再生を見ると、シスネロスが重心をかけた右足のヒザ下に、横から勢いよくケイドの上半身がぶつかっている。これにより、右ヒザが曲がらない方向に大きな力が一瞬でかかってしまったようだ。やがて立ち上がり歩けるようになったシスネロスだが、負傷棄権によりケイドが決勝に進出。本命のムスメシ、新星アバテを倒したガブリエル・ソウザと決勝を争うことになった。

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