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AB MMA o ONE UFC カイラット・アクメトフ キック ジョシュア・パシオ ビビアーノ・フェルナンデス マイキー・ムスメシ ムイン・ガフロフ 中村倫也

ONE Fight Night26:第8試合・リース・マクラーレン vs. ジャレッド・ブルックス

フライ級。マクラーレン4位。ブルックスストロー級暫定王者

ONEベテランのマクラーレン。2016年にバンタム級ビビアーノ・フェルナンデスのタイトルに挑戦者がスプリット判定負け。来月のUFC中村倫也と対戦するムイン・ガフロフにも勝利している。フライ級に落としてからは8勝3敗。敗れた相手はダニー・キンガッド、若松、カイラット・アクメトフ。33歳。

ブルックスはONE参戦から4連勝でストロー級王座を獲得したが、昨年はMMAの試合が組まれず、フライ級サブミッショングラップリング王者のマイキー・ムスメシの王座に挑戦し三角絞めで一本負け。今年3月のカタール大会でジョシュア・パシオとのダイレクトリマッチが組まれたが、ONEでは反則の頭から落とす投げを放ってしまい、反則負けで王座から陥落した。今年8月にグスタホ・バラートとの暫定王座決定戦で1R一本勝ち。王者パシオが復帰しない中、階級を上げての2階級制覇を狙う。ストロー級で戦っていたのはアジアでの試合のみで、ストロー級がない北米ではフライ級で戦っていた。31歳。

ローを蹴るブルックす。パンチで飛び込んでタックルに入るとすぐにスタンドバック。コーナーに頭を付けてこらえるマクラーレン。片足をフックしてバックからパンチ尾を入れるブルックス。足のフックを解除してヒザを入れるブルックス。また片足フック。正対しようとしたマクラーレンだがバックについているブルックス。ようやく小手に巻いて正対したマクラーレン。四つからヒザの入れ合い。離れた。マクラーレンがプレスしていく。右のヒジを入れたが、ブルックスが飛び込んでワンツーをヒット。しかしまたマクラーレンが出る右を入れた。パンチで出たマクラーレン。飛びヒザを出した。受け止めるブルックス。四つの体勢でゴング。

2R。間合いを詰めるマクラーレン。左ハイ。キャッチしたブルックスがテイクダウンを狙う。組み付いたが倒れ込んだマクラーレンが上になっている。後ろ袈裟固めの体勢。しかし正対したところでブルックスがドライブしてバックに回った。スタンドバックからダブルレッグでテイクダウン。足をホールドしているブルックスマクラーレンコーナーを使って立って四つに。離れた。アッパーを入れるマクラーレンブルックスバックヒジ。ブルックス飛び込んだ。しかし脇を差して四つに組み止めるマクラーレン。コーナーに詰めたマクラーレンがアッパーを打ち込む。ブルックス飛び込むとワンツー。パンチで飛び込んだブルックス首相撲からヒザを入れ離れる。コーナーに詰めるマクラーレン。ジャブをヒット。ブルックスはサイドにステップ。ブルックス飛び込んでパンチを入れる。ゴング。

3R。ステップしながらジャブを入れるブルックスマクラーレンがジャブを出すが、ブルックスが飛び込んで左フック。ジャブを入れたマクラーレンだがブルックスも左を返す。パンチから組もうとしたブルックスだがマクラーレン組ませず離れる。マクラーレン飛びヒザ。カーフキック。余裕を見せるマクラーレンブルックス右をヒット。ワンツー。ブルックスパンチから左脇を差してコーナーに押し込む。ブルックス額をカットしている。マクラーレンパンチで詰めるがちょっと手数が少ない。右を入れたマクラーレン。残り1分。ブルックス左から右ロー。ブルックスタックル。しかしマクラーレンがぶってアナコンダチョーク。回転しようとするがこらえたブルックスがヒザ。外れて離れた。残りわずかで距離を取って勝利アピールするマクラーレン。タイムアップ。

コーナーに乗って勝利アピールするマクラーレン。後半マクラーレンペースではあったが、手数は多くなかった。

判定2-1のスプリットでマクラーレン勝利。

後半は体格差の影響が見えたブルックスマクラーレンはアピールがやけに多かったが、勝ちを確信してのものだとしたら、実際の判定は割れていたし、自己評価があますぎる。

残りの試合は後ほど。

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MMA o ONE ONE168 UFC クレイグ・ジョーンズ セイジ・ノースカット ハリル・アミール ブレイク・クーパー マイキー・ムスメシ リー・カイウェン

ONE169:第6試合・ケイド・ルオトロ vs. アフメド・ムジタバ

ライト級。

サブミッショングラップリングライト級王者ルオトロのMMA2戦目。サブミッションではONEで5連勝中で、8月に行われたクレイグ・ジョーンズ・インビテーショナルでは80kg以下級で優勝し、名実ともにグラップリング世界一の座に着く。が、その時の負傷により、9月のONE168でのマイキー・ムスメシ戦は欠場した。MMAは6月にブレイク・クーパー戦でデビュー。MMAキャリア4戦目のクーパーに対し、打撃もけっこう打ち合った末に、バックを取ってグラウンドに持ち込みチョークで一本勝ちした。

パキスタンのムジタバはMMA10勝4敗。ONEには2016年から出場し4勝4敗。4勝のうちには、後にRoad To UFCで準優勝するリー・カイウェン戦の反則勝ちも含まれている。昨年はセイジ・ノースカット、ハリル・アミールに連続フィニッシュ負け。前回の試合から1年ぶりとなる。31歳。

前回より対戦相手のレベルが上ったルオトロ。よりMMAの適正が測れる試合。

じわじわ詰めるルオトロ。ロー、ハイ。ムジタバは様子見。右オーバーハンドを見せたが、ルオトロが逆に右オーバーハンドでダウンを奪う。足にしがみつくムジタバにヒザ!さらにパウンドラッシュ!こらえるムジタバにダースチョーク!耐えていたムジタバだがタップ!

またも底を見せること無く勝利したルオトロ。ムジタバもグラウンドは出来る選手ではあるが、やはりルオトロ相手だと分が悪い。

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45 AB DWCS Gladiator MMA MMAPLANET o ONE RIZIN Special ガントゥルム・バヤンドゥーレン チウ・ルェン ブログ マイキー・ムスメシ

【Special】アジアの猛者たち─01─ヒザ神バヤンドゥーレン「あの足関節ではタップはしません」

【写真】迫力がある面構えのバヤンドゥーレン(C)MMAPLANET

UFC、RIZIN、北米フィーダーショー、日本のプロモーションと世界中のMMAを見渡してアジア勢が台頭しつつある。もちろん、アジアといっても広い。その勢いの中心は東アジアではなく、中央アジアだということも百も承知だ。MMAPLANETでは6月から日本人ファイターと肌を合わせた経験がある──あるいは今後その可能性が高いアジアのファイター達にインタビューを続けてきた。

題して「アジアの猛者たち」──第1弾はモンゴルからガントゥルム・バヤンドゥーレンのインタビューをお届けしたい。
Dedicated to Mr.Junichi Aarai
Text by Manabu Takashima

2022年世界サンボ選手権コンバットサンボ58キロ級優勝のバヤンドゥーレンは、MMA戦績も3勝0敗ながらONEでMMAでなくグラップリング世界戦をマキシー・ムスメシと戦った。左ヒザが異様な方向に捩じれ、バキバキと音が鳴り続けてもタップをしない対戦相手に対し、マイキーが困惑して技を解く場面も見られた一戦でバヤンドゥーレンは判定負けに終わり、交通事故なみの負傷を追い長期欠場を強いられた。

その後の情報は日本に届かず、選手生命が断たれたという見方もされていたが、実際にはバヤンドゥーレンは昨年の夏からモンゴル国内のアマ大会で腕試しを行っていた。

コンバットサンボやガルダントラン(徒手格闘技)のトーナメントで打撃と組みの融合、MMA前哨戦も済ませた。そんな──ある意味、ヒザ神バヤンドゥーレンを所属するガルーダMMAではなく、ガルダントランの本拠地であるDeasand Bambar Clubに尋ねた。

あくまでもMMAに拘っていたバヤンドゥーレンは、インタビュー後に今週末10日(土・現地時間)に中国はシャンシー省ルーリャンで開催されるJCK FN90に出場し、メインのフライ級マッチでDWCS、Rod to UFC、そしてUAEWに出場経験のあるチウ・ルェンと戦うことが決まった。

再び世界に向けて歩み始めた──バヤンドゥーレンが語ったマイキー戦、そのヒザの真実とは。


──バヤンドゥーレン選手、今日は取材を受けていただきありがとうございます。

「こちらこそ、わざわざ練習場所まで来てトレーニングを見てもらう機会が得らえて嬉しいです。ありがとうございます」

──バヤンドゥーレン選手といえば、やはり気になるのはヒザの具合です。昨年1月にONEでマイキー・ムスメシの持つサブミッショングラップリング世界フライ級王座に挑戦し、左ヒザがえげつない方向に捩じれるほど足関節を仕掛けられましたが、タップをしませんでした。なぜ、あの状況でタップをせずに戦い続けることができたのでしょうか。

(C)ONE

「あの足関節は完璧には極まっていなかったです。

だからタップをする必要がなかった。それに試合の時は最後まで勝負を諦めないというのが、自分のポリシーなのでタップをすることは絶対にないです。

途中で戦い方を切り替えられて、RNCを仕掛けられて落ちることはあるかもしれない。でも、あの足関節ではタップはしません」

──あのう……極まっていないと言われましても、あれだけヒザが捩じれていましたしマイキーは「20回はポップしていた」と言っていました。結果、交通事故並みの負傷だという情報も入ってきました。実際にタップをするだけの痛みもなかったということでしょうか。

「完全に入ったという感覚はなかったです。確かに最初に仕掛けられた時は痛かったですが、途中から麻痺したように痛みも感じなくなったのでタップでなく、どうやってこの状況から脱しようかと考えていまし」

──それは……感覚が麻痺してしまっていたということですよね……。

「まぁ結果として、ケガをしてしまったのは確かです。でも、自分としてはマイキー・ムスメシのように世界的に知名度がある相手に対して、どれだけ戦えるのかを試したかった。試合前は簡単に極められてしまうかと不安に思うこともありましたが、予想に反してそれほどでもなかったので、できる限り戦いたいという気持ちになっていました」

──今日は打撃の練習をされていましたが、左ヒザの状態はいかがですか。

「ヒザの方はケガをする前の状態に戻っています。5カ月後には回復していたので、去年の夏にモンゴルで開催された柔術の国際大会に出場して回復具合を確かめました。結果、問題はなかったです。

今年に入ってから試合勘を取り戻すために、柔術、グラップリング、コンバットサンボ、ガルダントランなど色々な試合に出ています。そのうち3大会で優勝をしているので回復もして、試合勘も戻ってきました」

──ONEにおけるマイキーとのグラップリング戦前にMMAの試合をカリフォルニアで3度戦っています。ONEでの組み技戦後、コンバットサンボやガルダントランという道着有りで打撃、投げ、寝技がある試合に出て如何に役立ちましたか。

「MMAの試合は1日に1試合です。コンバットサンボやガルダントランは1日に4試合ほど戦うので、さっきも言ったように試合勘を養うことができます。そして、対戦相手のタイプも違うので経験値を高めることにも役立っています」

──現状ではMMAで戦うことを念頭に置いているということでしょうか。

「ハイ。MMAファイターですし、世界中の全てのMMAファイターと同じようにUFCで戦いたいと思っています。UFCのチャンピオンになることが夢です。国内で様々なルールの試合に出て、もう準備は整っているので次は海外のMMAプロモーションと契約をしてUFCを目指したいです」

──モンゴル人ではニャムジャルガル・トゥメンデムベレルがGLADIATORからRoad to UFCワンマッチ戦を経てUFCファイターになりました。そのグラジにはオトゴンバートル・ボルドバートルがタイトルマッチ出場を決めています。

「自分としては米国で戦いたいです。ただし日本でチャンスがあるなら当然、日本で戦うことになります」

──ONEではMMAを戦うということは考えていなかったのですか。

「実はグラップリングだけの契約だと思って、サインをしました。でも、ONEとの専属契約になっていたので、MMAもONEで戦わないといけない状況だったんです。なので復調してからMMAの試合を組んで欲しいと打診をしているのですが、芳しい返答はないままです。

ONEのジャッジにはモンゴル人も1人いるので、その人を通しても試合がしたいと尋ねました。それでも返事がなくて、相手にされていないようです。無視をされているように感じるので、正直なところ心穏やかではないです。

これからONEとの契約を見直して、どういう風にしていくのかを進めていくつもりです。モンゴルはMMA人気が高まっていて、良い指導者も増えています。モンゴル人はもともとファイターです。この強い気持ちがあって練習環境も整ってきているので、もっともっとモンゴル人ファイターは海外で活躍できると信じています。自分たちのファイター気質は、そういうプロモーターたちにも気に入ってもらえるはずです」

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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE167 ガブリエル・ソウザ ケイド・ルオトロ マイキー・ムスメシ

【ONE167】マイキーがカーフスライサーでソウザにリベンジ。9月にケイド・ルオトロとSG頂上対決へ

<サブミッショングラップリング・バンタム級(※65.8キロ)/10分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
Def.3分07秒 by カーフスライサー
ガブリエル・ソウザ(ブラジル)

サウスポーに構えるソウザが、開始早々に飛び込みテイクダウンを奪った。背中を着けたマイキーはケージ際まで下がり、下から右腕を差し上げてソウザの左腕を抱える。さらに対角線で逆の右足を抱え、ストレートフットロックへ。ソウザが起き上がると、その足を巻き取ったままバックを狙うマイキー。背中を着けたソウザがアンクルロックを狙うが、マイキーが足を巻き付けてカーフスライサーの形で利かせている。何とか脱しようとマイキーの足を触るソウザだが、マイキーからバックからボディロックで抱え、背中を反らせるとカーフスライサーがキッチリと極まってタップした。

両者は3年前——2021年9月にwnoで対戦しており、ソウザがノウスサウスチョークで勝利していた。マイキーが今回リベンジを果たした形だが、試合終了後から両者が何か言い合っている。試合後のインタビューでもfワードを使って、怒りとともに語り続けるマイキー。そこにMMAデビュー戦で勝利したケイド・ルオトロがケージインすると、マイキーも笑顔に。両者は9月6日(金・現地時間)、米国デンバーで開催されるONE168にて、ケイドの持つサブミッショングラップリングのライト級王座を賭けて対戦する。


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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE167 ケイド・ルオトロ ブレイク・クーパー マイキー・ムスメシ

【ONE167】ケイド・ルオトロがMMAデビュー。ムエタイ打撃を見せつけてからRNCでクーパーを仕留める

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ケイド・ルオトロ(米国)
Def.1R3分20秒 by RNC
ブレイク・クーパー(米国)

サウスポーのクーパーに対し、ケイドが右ハイを見せた。クーパーがプレスをかけてくると、左ジャブから右ハイ、そしてスイッチして左の蹴りに繋げる。ケージを背負わされたケイドがオーソドックスに戻し、中央に戻って右ローを当てる。組まれたクーパーがシングルレッグに切り替えると、ケイドが離れた。ケイドの右カーフが当たる。右前蹴り、右ハイを散らすケイドに、クーパーが左ストレートを当てた。距離を詰めてくるクーパーを右ミドルで止めるケイド。右ストレート、首相撲からのヒザとムエタイ技術を見せるケイドは、組むとバックに回ってグラウンドに引き込み、バックマウントへ。最後は左腕をクーパーの首に回し、RNCでタップを奪った。

12歳から学んでいたというムエタイの技術を存分に見せつけた末、得意のグラウンドでフィニッシュしたケイドに、当然のごとくボーナスが与えられた。次は9月にマイキー・ムスメシとグラップリングマッチで、王者対決に臨む。


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MMA o ONE PFL ブレイク・クーパー マイキー・ムスメシ モーリス・アベビ レイ・クーパー3世

ONE167:第6試合・ケイド・ルオトロ vs. ブレイク・クーパー

ライト級。

ルオトロのMMAデビュー戦。どれだけ需要があるか不明のグラップリングマッチだが、門外漢のMMAファイターが咬ませ犬となることが多かった。ルオトロもONEデビュー戦で青木と対戦している。今回ついにグラップリングマッチ出場者のMMAデビュー戦が行われる(ただし、ルオトロは9月にフライ級王者のマイキー・ムスメシとグラップリングマッチが組まれており、MMAへの完全転向ではない)。21歳。

相手はハワイアンレジェンドMMAファイター・レイ・クーパーの息子でPFLウィナーのレイ・クーパー3世の弟であるブレイク・クーパー。ローカルで2勝(相手はいずれも未勝利)して昨年9月にONEに参戦したが、MMA6勝1敗(ONE0勝1敗)のモーリス・アベビにパンチでダウンを喫してパウンドでKO負けしている。親族がプチ有名人ではあるが、MMAキャリアはルオトロと大差ないビギナー枠の選手。27歳。

MMAでは髪を編み込んでいるルオトロ。

ルオトロはオーソドックス、クーパーはサウスポー。ジャブを入れたルオトロ。右ハイ。左ミドル。しかしクーパーが詰めてくると下がる。飛び膝で出たルオトロ。クーパーはカーフを蹴る。飛び込んだところで組み付いたルオトロ。腕を小手に巻いて組み付いたが、クーパー引き剥がした。クーパー前蹴り。ルオトロも前蹴りを腹に入れる。左を打ち込むクーパー。アッパーで出てきたルオトロにフックを引っ掛ける。パンチで出たルオトロ。組んでパンチを入れると離れ際にハイ。また出ると今度は組み付いた。四つになるとスタンドバックへ。そのまま後方に倒れ込む。ハーフバックからフルバックにしてチョーク。マタレオンで絞めてタップアウト!

打撃もけっこう見せたルオトロ。組んでからはあっさりと仕留めた。

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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE167 X-1 ガブリエル・ソウザ キック ケイド・ルオトロ シッティチャイ・シッソンピーノン ジョー・ナタウット デニス・ザンボアンガ ノエル・グホンジョン ブレイク・クーパー マイキー・ムスメシ ヴィクトリア・ソウザ 北野克樹 平田樹 武尊 野杁正明

【ONE167】ロッタン×ピューリックはキャッチウエイトに変更、リアム・ハリソン×北野克樹は中止

【写真】武尊戦の負傷欠場からの復帰戦となったロッタンだが計量オーバー……。(C)MMAPLANET

明日8日(土・現地時間)、タイはバンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE167の公式計量&ハイドレーションが行われた。
Text by Takumi Nakamura

野杁は計量・ハイドレーション共にクリア(C)ONE

野杁正明のONEデビュー戦で注目を集める今大会だがロッタン・ジットムアンノン、リアム・ハリソン、北野克樹の3選手がハイドレーションテストをクリアするも計量オーバーという事態が発生した。

ONEから届いたプレスリリースによれば、ロッタンはフライ級のリミット135ポンド(61.2キロ)を6.25ポンド超過する141.25ポンド(64.07キロ)で最終的に計量を終了。対戦相手のデニス・ピューリックがキャッチウエイトでの試合を受けたことで、141.25ポンド契約のキャッチウエイトで行われることになった。(ロッタンの報酬の25%が対戦相手に渡される)

平田も計量・ハイドレーションしっかりとクリア(C)ONE

またハリソンと北野についても対戦者同士がハイドレーションテストをクリアするも計量オーバーという事態となり、キャッチウエイトでの試合も成立せず。試合そのものが中止となった。(ONEから届いた公式計量&ハイドレーションテスト結果では両者の体重は記載なし)

なお日本から参戦している野杁、平田樹は計量&ハイドレーションテストともにクリアしている。

■放送予定
6月8日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

■ONE167計量結果

<ムエタイ・フェザー級/ 3分3R>
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム:70.3キロ
ジョー・ナタウット:69.05キロ

<キック141.25ポンド契約/3分3R>
ロッタン・ジットムアンノン:64.06キロ
デニス・ピューリック:61.12キロ

<サブミッショングラップリング・バンタム級(※65.8キロ)/10分1R>
マイキー・ムスメシ:65.31キロ
ガブリエル・ソウザ:65.54キロ

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ケイド・ルオトロ:76.77キロ
ブレイク・クーパー:74.95キロ

<キック・フェザー級/3分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン:69.28キロ
野杁正明:69.73キロ

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
デニス・ザンボアンガ:51.70キロ
ノエル・グホンジョン:51.93キロ

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エイドリアン・リー:75.97キロ
アントニオ・マンマレッラ:76.31キロ

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ジョン・ガザリ:60.55キロ
ウェン・トゥラン・ユイニョク:61.12キロ

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹:51.82キロ
ヴィクトリア・ソウザ:51.82キロ

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ジョハン・エストゥピニャン:65.31キロ
ザファー・シャイック:65.77キロ

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45 ADCC2022 CJI Interview MMA MMAPLANET o ONE ONE167 アレックス・ペレス アンドレ・フィーリ キック クレイグ・ジョーンズ ケイド・ルオトロ トニー・ファーガソン ブレイク・クーパー ボクシング マイキー・ムスメシ ライカ レイモンド・ダニエルズ

【ONE167】MMAデビュー戦前のケイド・ルオトロ「数年でトップファイターに。ADCCかCJIか……」

【写真】いよいよ。本当にインタビュー中の表情、声はリラックスしていたケイドだ (C)CHOI WOO SUK

8日(土・現地時間)、タイはバンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE167でケイド・ルオトロがブレイク・クーパーとMMAデビュー戦を戦う。
Interview by Choi Woo Suk

ADCC2022、77キロ級優勝。ONEではサブミッショングラップリングで世界ライト級王者に君臨しているケイドが、MMAに挑む。強い――だけでなく、フィニッシュ能力の高さ――だけでもない。正確無比ならが、無機質でなく華麗なグラップリングで組み技ワールドを変革した天才。もちろん、組んでしまえば圧倒的に強いだろう。ただし、グラップリングはない要素がMMAには存在する。

そんなMMAに対し、柔術家ではなくマーシャルアーチストとして全てに対応できる姿を見せたいというケイドにMMA、そしてADCCかCJIが揺れるグラップリング界について話を訊いた。


12歳の時からムエタイをやってきた

──MMAデビューを土曜日に控えているケイドです(※取材は5日に行われた)。今の気持ちを教えてください。

「そうだね、今の気持ちの大部分はワクワクしている――ということかな。実は柔術の時と比較すると、もっとナーバスになると思っていたから自分でも驚いているんだ。正直なところ、柔術の試合の時よりも緊張していない。きっとキャンプでの仕上がりが最高で、ワールドベストのコーナーマンがいてくれるから、凄く自信があるんだと思う。試合が楽しみでしょうがないんだ」

――ところでMMAを真剣に戦おうと思ったのは、いつからだったのでしょうか。そして、このタイミングになったのは?

「子供の頃から、いつかMMAを戦いたいと思っていた。MMAの練習もしていたけど、定期的っていうことじゃなかったんだ。去年ぐらいからは週に1度、あるいは2度ほどトレーニングをするようになっていたけどね。よりシリアスにMMAの準備をするようになったのは3カ月前から。前戦のキャンプ後、MMAを戦う時が来たと思ったから、今回のタイミングになったんだ」

――やはり気になるのは、打撃です。どれだけ準備ができているのでしょうか。

「その質問に対して、求められている答えにならないかもしれないけど、12歳の時からムエタイをやってきた。柔術のジムでやってきたから、それほど高度ではない。それでもMMAっぽい動き、MMAを考えた練習をずっとタイとやっていたんだ。MMA的な動きに関しては、適応できていると思っている。もちろん、過去3カ月ほど集中してやってきたわけじゃないけど、MMAに関しては週に1度とか2度トレーニングをしてきたことも生きるんじゃないかと思っている」

――このファイトキャンプで、打撃は誰の指導を受けてきたのでしょうか。

「タイラー・ウォンブルス(へナート・ババルの黒帯ムエタイ選手。クラシック・ファイトチームのヘッドコーチでレイモンド・ダニエルズ、アンドレ・フィーリ、トニー・ファーガソン、アレックス・ペレスらを指導してきた)だよ。ハンディントンビーチはムエタイ、キックボクシングで優れたストライカー、そして指導者がいる。なかでもエリック・パーソンには打撃単体だけでなくて打撃と柔術、そしてレスリングをミックスした動きを教えてもらってきた」

――ウォンブルス・コーチやエリックの指導を受けたということですが、主な練習場所や練習パートナーは誰だったのですか。

「タイはいつも一緒に練習してきたけど、タイラーとエリックのジムで彼らの生徒とやってきたよ。2つのジムの皆が僕をサポートしてくれたから、凄く成長が早かった。本当に彼らには感謝している」

――柔術、レスリングと同様に打撃もMMAの一部です。どのようなMMAを戦いたいと思っていますか。

「全てだよ。本当のマーシャルアーチストは、何か一つのことが特別に秀でているのではなくて何でも対応できないと。もちろん柔術は僕にとって最高の武器だ。でも柔道の投げ、レスリングのテイクダウン、特にパンチ、打撃の能力を……キックも含めて皆に披露したい。全てを見せることなく、試合を終わらせることになるかもしれない。それでも全力で今持ちうる力を使いたい」

――打撃は主に押す力。グラップリングは引く力。そういう筋肉の使い方をすると言われています。

「その通りだ」

――両方を使う時、タイムラグが生じることがあるという指摘もありますが、そのように感じることはありますか。

「それはあくまでも普通の生活における筋肉の使い方、その範疇の話だよ。僕らの肉体や心肺機能は、決定的に普通の人たちとは違う。打撃を使って組みつく。グラウンドで攻めていて、スタンドに戻ってすぐに打撃を使う。全てのスポーツで肉体の使い方は違っているけど、MMAはあらゆるスポーツの体の使い方が一体化している。そういうラグをなくすためにドリル、スパーリングで時間を費やしているんだよ。いkなる動きをしていても、肺機能を活発しないといけない。パンチ一つをとっても、脹脛だって連動している。そういう普段の生活にはない動きが、徐々に見についてくる。それこそがマーシャルアーツの練習の素晴らしい点だよ」

――なるほど、です。ではブレイク・クーパーの印象を教えてください。

「クーパー一族の一人だよね。一族の全員が重いパンチ、ノックアウトパワーを持っている。ハワイらしくて、家族の絆が太い。人生の中心にレスリングがあって、凄く尊敬しているファミリーだよ」

――では現状、ケイドにとってMMAでの目標は?

「チャンピオンになること。サークルケージに足を踏み入れ始めたばかりの僕が、こんな風に言うのは無礼なことかもしれないけどね。でも、数年以内に自分の階級のトップファイターになる」

――では、これからもMMAを続けていくということですね。

「絶対的に続けるよ。今年中にもう1試合戦いたいと思っている。この試合のあと、タイがONEで柔術マッチが控えている(※ケイドはグラップリングの試合も柔術と呼ぶことがある)。そして、1度柔術トーナメントに出るだろう。9月にはコロラドでマイキー・ムスメシとグラップリングマッチも決まっているし、どんどん試合をしていきたいんだ。希望としてはONEが11月にアトランタで開くUS大会で、MMAの2戦目を戦いたい」

ADCCかCJI、今はまだ心が揺れている状態。来週には答を出す

――今週末にMMAを控えているケイドですが、今、グラップリング界が揺れています。クレイグ・ジョーンズがADCC世界大会に100万ドルの賞金が懸かったトーナメントをぶつけてきました。

「ADCCは五輪のように世界最大の柔術トーナメントだ。未来永劫に、ね。クレイグ・ジョーンズは2階級で優勝賞金100万ドルの16人制トーナメントを行う。賞金目的で多くの選手がADCCを離れるだろう。僕とタイはADCCで戦うのか、クレイグ・ジョーンズ・インビテーショナルで戦うのか。まだ決めていない。

ADCCがなければ、ここまで柔術が脚光を浴びることはなかった。同時に100万ドルは大きいよ」

――8月、ケイドとタイがTモバイル・アリーナ、あるいはトーマス&マック・センター――どちらに姿を現すのか。いずれにしても、楽しみでならないです。

「2年前、トーマス&マック・センターでADCC世界大会を戦った時、4試合で4つの一本勝ちを収め生涯最高のパフォーマンスを見せることができたと思っている。あの会場は本当に思い入れがある。クレイグ・ジョーンズが、あの会場を使用する。そして、より大きなTモバイル・アリーナで開かれるADCC世界大会はチケットもほとんどソールドアウトらしい。二つのショー、それぞれが最高になるだろう。

ほんと、難しいよ。タイとずっと話し合ってきた。来週には答えを出さないといけないけど、今はまだ心が揺れている状態だよ」

■放送予定
6月8日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

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45 AB ADCC2024 CJI MMA MMAPLANET o ONE YouTube エルダー・クルーズ クレイグ・ジョーンズ フィオン・デイヴィス マイキー・ムスメシ

【ADCC2024 & CJI】ADCC世界大会にクレイグ・ジョーンズが優勝賞金$100万Tをぶつける

【写真】CJIをいち早く選択したアンドリューとウィリアムのタケット兄弟(C)MMAPLANET

グラップリング界に激震が訪れようとしている?! 世界のグラップリング界の頂点といえば、四半世紀以上ADCC世界選手権がその座にあった。前世紀はMMAファイターとトップ柔術家の戦いが軸のADCCだったがTUF以降、MMAファイターのファイトマネーが急騰し、他分野にチャレンジする選手は減少していった。
Text by Manabu Takashima

柔術家の独壇場となったADCCだが、新足関節時代の到来とともにEBIなどノーギに特化したグラップリング大会が台頭し、特にコロナ禍でトーナメント方式の柔術に代わり、WNOのようなワンマッチ&プロイベント大会が活動を活発化してきた。同時に道着とノーギは競技として別モノという認識が定着するや、2022年のADCC世界大会はケイド&タイのルオトロ兄弟の活躍などもあり、ついにはDoスポーツから観賞用スポーツに昇華されラスベガスのトーマス&マック・センターには1万人以上の観客が集まった。


今年の世界大会からは米国、ブラジルに続き、欧州やアジア&オセニアも予選が2度開かれ男子5階級は16人の参加選手中8名が地区予選ウィナーで、残り8選手が過去の実績を考慮された招待選手というフォーマットになっている。

他方、ONEがサブミッション・グラップリングの王座を認定し、トップ選手と契約。ルオトロ兄弟やマイキー・ムスメシらが世界王者に君臨し、毎試合のように5万ドルのボーナスを手にしている。

適正体重がADCCにないムスメシはともかくとして、ルオトロ兄弟はONEとはエクスクルーシブ契約にあるなかで、ADCC世界大会だけは例外で、ムンジアルと同様にファイナンシャルでなく、世界最強の勲章を手にするために出場しているといえる。

盛り上がり続けるグラップリング界を牽引、もしくは頂点に君臨するADCC世界大会は8月17日(土・現地時間)&18日(日・同)にネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催が決まっているが、なんと──そのADCCでの活躍もあり名を馳せるようになったクレイグ・ジョーンズの名を冠したクレイグ・ジョーンズ・インビテーショナル(CJI)が同じ週末の金曜=16日と土曜=17日に開かれることが、24日(金・同)に明らかとなった。

ショーアップだけで、ADCC優勝賞金より1ドル多いCJI!!

クレイグ・ジョーンズ(C)SATOSHI NARITA

CJIの売りはグラップリング史上、最高額の支払いがあるというモノ。

80キロ以下と以上の2階級の16人制トーナメントの優勝賞金は驚愕の100万ドル(※1億5600万円)を数える。しかも出場するだけ1万1ドルのファイトマネーが用意されているという。しかも、昨年のADCC世界大会で用いられたトーマス&マック・センターが会場となっている。

世界最高峰のADCC世界大会の各階級の優勝賞金は1万ドル、8人制の女子は6000ドル。金額的な差は絶対といえる。このCJIの開催にいち早く、ADCCワールドから転じたのがウィリアムとアンドリューのタケット兄弟だ。

ウィリアムは米国西海岸予選の88キロを制し、アンドリューは同予選で77キロ級を制している。両者が戦場を変えたのは、ズバリ優勝賞金が目当てだ。アンドリューは「公式にADCCから離れ、CJIに出場する」とSNSに宣言し、「子供の頃からADCCで優勝することは夢だった。ただし、100万ドルは人生を変えることができる額だ。そのチャンスがあるなら、そこにトライする。ADCCの成功を願っている」と言葉を続けている。

兄ウィリアムも「凄くタフな判断だった。特にADCCで勝てる自信があったから。でも100万ドルは僕だけでなく、家族の人生を変えることができる。8月の16日と17日に人生のために体を張る準備はできている」とSNSで発言した。これに伴いADCCでは77キロ級にアンディ・ヴァレラ、88キロ級でエルダー・クルーズの出場が発表されている(とはいえ88キロ級はまだ12人しか選手が埋まっていない)。

(C)SATOSHI NARITA

タケット兄弟に続き、フィオン・デイヴィスもワンマッチでCJIに参戦することを明言した。

前回大会の女子60キロ級優勝でムンジアル二連覇中、ノーギワールズも2021年に制しているデイヴィスは、女子グラップリング界のP4Pといっても過言でない存在だ。今年の世界大会は55キロ級が設けられ、65キロ級、65キロ超級と階級に変化が生じたが、デイヴィスは65キロ以下級に出ても優勝候補に挙げられていたはず。その彼女は「ガザ地区の救援基金をサポートするイベントに参加することを誇りに思う。つまり、私はADCCには出ない」とSNSで所信表明を行っている。

またCJIはYouTubeで無料配信が実施されるとのこと。グラップリング界の地殻変動ともいえるCJIの出現だが、どのような背景を持ち、如何にマネタイズをしていくのかも気になるところ。残り2カ月半、ADCC世界大会はグラップリング界の最高峰の地位を維持できるのか。CJIにどのようなメンツが揃うのか注視したい。

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【ONE166】パシオの挑戦を受けるジャレッド・ブルックス「フ〇ック、柔術。ファ〇ク、ムエタイ」

【写真】舌好調なジャレッド・ブルックスでした(C)MMAPLANET

3月1日(金・日本時間)にカタールはルサイルのルサイル・スポーツ・アリーナで開催されるONE166「Qatar」でONE世界ストロー級王者ジャレッド・ブルックスが、ジョシュア・パシオの挑戦を受ける。
Text by Manabu Takashima

2022年にそのパシオからベルトを奪ったブルックスだが、昨年はMMAの試合はなくマイキー・ムスメシの持つサブミッショングラップリング世界フライ級王座に挑んで敗れた。そのブルックスが、1年3カ月振りのMMAでの試合に向けて胸の内をダイレクトにぶつけた。

かつてのようなトラッシュ・トーカーではない。それでも、相手をこき下ろす言葉はリズムに乗ってスラスラと口をつく。それでいて、変わらない日本への想い。アスリート然としていない実力者、それがブルックスの魅力だと再確認できた。


──カタールでの試合になりますが、中東を過去に訪れたことは?

「ないよ。今回が初めてだ。でも、ホテルは本当に綺麗で食事も最高だ。こうやって旅をするのは大好きだけど、本当にカタールに来ることができてハッピーだよ」

──東南アジアと中東、どちらの方が移動は大変ですが?

「そこは特にどちらが良いっていうことはないかな。やはり試合前は少しでも早く現地入りをして、調整をしたいから。ただ試合の2日前にシンガポールに入った時も問題なかった。どんな状況でも開催地に行って、試合をする。それが僕の仕事だから。さっきも言ったように、どこへ行くのも最高だからね。ただし、これまでの人生で一番の訪問先は日本であることは譲りようがないよ」

──ありがとうございます。サービストークでない感じが伝わって来て、嬉しい限りです。

「だって2016年にWSOF-CG、そしてパンクラスで戦った時から、ずっとこうやって取材をしてくれるメディアもいて」

──そのMMAメディアとして、昨年のONEにはフラストレーションがたまりました。ムエタイやサブミッショングラップリングを盛り上げるために、MMAファイター……しかもチャンピオンが使われたような感じで。

「僕だってMMAをもっと戦いたかった。そして僕のスター性を重視し、米国大会でプッシュするべきだろうって思っていたよ。僕が防衛戦を行わないことで、ストロー級の動きも止まってしまう。選手たちもフラストレーションがたまる。でもプロとして、求められることをするのも僕の役割だ。MMAの試合が少ないことで不満が起こるのは、僕の責任ではなくてプロモーションの問題だから。僕自身は少しでも多くファイトをしたい。30歳、これからの5年間が僕にとってピークとなるだろうから。これからの5年は、可能か限りの試合数をこなしたい。

スーパースターになって皆を引っ張りたい。でも、米国人だ。アジアベースのプロモーションでその役割は求められていない。結果として自分のために戦うわけで、そこも気にしていないよ、もう。皆が僕を嫌っていても構わない。僕はリング、ケージに上がって戦うだけで。

ONEはムエタイと柔術をMMAのように大きなスポーツにしたいという考えがあるわけだし、MMAファイターがそこに交わるのは最上のアイデアなんだよ。だってMMAこそが、最も世界で知られたファイトなんだから。UFCがあり、日本にだってPRIDEがあってRIZINがある。ムエタイと柔術は、そこまでの大きな存在になっていない。まだ、スーパースタースポーツにはなり得ていない。だからね、そこに力を入れられて、MMAファイターがムエタイや柔術が知られるためのツールにされるなんて、実際はファッ〇〇フって気持ちだよ」

──アハハハハ。

「フ〇ック、柔術。ファ〇ク、ムエタイ。僕が最高のショーを見せてやるから」

──最高です。ところで今回の挑戦者はジョシュア・パシオになりました。タイトルを奪取したときに、初防衛の相手がジョシュアになると思っていましたか。

「僕はストロー級でやるべきことは、やり尽くした。ボカン・マスンヤネ、リト・アディワンをフィニッシュし、ヒロバ・ミノワも判定だったけどニア・フィニッシュまで追い込んでいる。ジョシュア・パシオをそうだ。他の試合よりは少し接戦だったけど、文句のない勝ち方だった。だから、なぜONEがまた彼と戦わせたいのか分からない。

とにかくジョシュア・パシオを再び倒し、僕はDJとの試合に向かう。今回、ストロー級最強だと証明し、DJを指名する。柔術なんてやっている暇はないぞってね。そして、もう2度とジョシュア・パシオと戦うことはない。ONEはジョシュア・パシオにチャンスを与え過ぎだ。今回の試合で皆を黙らせ、ジョシュア・パシオが二度と大口を叩けないようにする。フィリピン人のファンの皆がリアル・ファイター、本物のミックスマーシャルアーチストとはどういう人間なのか、正しい道に導いてやろうと思っている」

──押忍。ところでジョシュアとマンスール・マラチェフの試合は、どのように見ましたか。あそこでマラチェフが勝っていれば、今大会の挑戦者も違っていたかと。

「あの試合はライブで視聴していたんだけど、ジョシュア・パシオが勝ったと思ったよ。なぜか、僕はONEのルールを知り抜いているからだ。ギロチンのキャッチ、あれだけ勝った。ラウンド・バイ・ラウンドならマラチェフの楽勝だ。マラチェフはトップを取ってから、疲れてしまった。あの試合はマラチェフにとって、良いレッスンになったはずだ。ボディロックを懸命に続けていても、ONEでは勝てないってね」

──ギロチンのキャッチで勝てる……。ポジションを取ってサブミットできなくても、自分の優位が変わらない。そこが真のキャッチポイントで、逃げられると下になって不利な位置にいる仕掛けは掛け逃げに通じると思います。

「良い見方だと思う。ボトムになる仕掛けでも、腕十字ならキャッチがあっても良いかもしれない。ケガをさせる攻撃だからだ。でも、ギロチンに関してはキャッチの評価を下すのが凄く曖昧だ。と同時に、ONEでは下になることがユニファイドのようにマイナス要因にならない。ギロチンを防がれても、下からエルボーやパンチを入れると挽回できる。それがONEのMMAだ。ジョシュア・パシオはそこを頭に入れて戦っている。でもジャッジに関しては、何が有効な攻撃かはもう少し勉強してほしいところだ」

──ジョシュアもONEの裁定基準をよく理解して戦っていたと。そして挑戦権を手にできたわけですね。

「ただマラチェフとヨースケ・サルタとの試合を見て、今回のジョシュア・パシオ戦に向けてさらなる自信になったよ。この1年半で、僕が何を身ににつけたのか。しっかりと披露する良い機会になると思う。マイキー・ムスメシ戦のために、これまで以上に柔術に取り組んだ。そこで学んだものに、拳の利用方法を融合させてジョシュア・パシオと戦うことになる。

実はマラチェフはムスリムだし、カタールで挑戦者になるのはビジネスとして正しいと思っていた。でも、こっちに来てみて分かったよ。この国には凄い数のフィリピン人が住んでいる。

■2022年のワールドカップの際に話題になったが、カタールにおけるカタール人が占める人口は全体の1割程度で外国人労働者の人権問題が起こっていた。フィリピン人はカタールでインド人に次ぐ労働者数を誇る。

ジョシュア・パシオは人々を熱狂させることができるファイターじゃない。ただ単にフィリピンの同朋が、彼に思い入れを持っているだけなんだ。ジョシュア・パシオはグレートファイターだ……東南アジアではね。僕は合衆国からやって来て、与えられた試合を戦う。第1試合だろうが、誰が相手だろうが、戦う。ジョシュア・パシオはフィリピンの人達のサポートがあるから、この位置で戦うことができているに過ぎない。

ストロー級最強はジャレッド・ブルックスだ。誰も僕を倒すことはできない。ジョシュア・パシオが僕をKOしたり、サブミットすることは今回の試合も、これからも未来永劫に、絶対にない。どうすればアゴを砕くことができるのか、試合で見せてやる。そうすれば、ストロー級でもう誰も俺と戦いたいとは思わないようになるだろう。

ストロー級をドミネイトしているのは俺だ。徹底的にジョシュア・パシオを苦しめぬく。もうONEチャンピオンシップがどれだけジョシュア・パシオをプッシュしても、再浮上できないようにする。そして、フライ級に転向だ。ジョシュア・パシオは体だけは、俺よりデカい。バカみたいに減量している。本来はプロモーションが認めていないことをやって、ケージに上がってくる。通常体重で戦うという建前は、どこにいった?(笑)。ジョシュア・パシオが脱水をしていないわけがない。ワハハハハ。

試合の時は、きっと142ポンド(※64.86キロ。ストロー級リミットは56.7キロ)くらいはあるだろう。でも、そんな体の大きさは本物の前では問題ない。そして、俺はONEの米国大会で自分の今後を賭けた試合に挑む。米国はUFC、MMAにとって一番大きな市場だ。そこで俺が抜きん出ないと、どうなる? そうやって自分のキャリアを賭けた、ギャンブルに挑む。通じなければ、それで終わりだ」

山北渓人と。口が悪いが、良いヤツ(C)MMAPLANET

──さすがのブルックス節。

そして素晴らしい覚悟です。では、日本のファンに一言お願いします。

「アリガトーゴザイマース。2016年から僕のインスタ、フェイスブックをフォローしてくえる日本の皆、僕の君たちへの想い、愛は変わることはない。いつも、本当にありがとう」

■放送予定
3月1日(金・日本時間)
午後9時15分~U-NEXT

■ONE166対戦カード

<ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ライニア・デリダー(オランダ)
[挑戦者] アナトリー・マリキン(ロシア)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] タン・カイ(中国))
[挑戦者] タン・リー(米国

<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ジャレッド・ブルックス(米国)
[挑戦者] ジョシュア・パシオ(フィリピン)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アージャン・ブラー(カナダ)
アミール・アリアックバリ(イラン)

<ボクシング147ポンド契約/3分3R>
ズハイール・カハタニ(サウジアラビア)
メディ・ザトゥー(アルジェリア)

<サブミッショングラップリング・フライ級(※61.2キロ)/12分1R>
オサマ・アルマルワイ(イエメン)
クレベル・ソウザ(ブラジル)

<ムエタイ147.75ポンド契約/3分3R>
ザファー・シャイック(トルコ)
ウラジミール・クズミン(ロシア)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ザカリア・ジャマリ(モロッコ)
アリ・サルドエフ(ロシア)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
鈴木真治(日本)
ハン・ズーハオ(中国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
ジェレミー・ミアド(フィリピン)

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