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【UFC309】「15分間支配できてハッピー」。TDは狙わず3-0でクレイグ破ったボー・ニコルに大ブーイング

<ミドル級/5分3R>
ボー・ニコル(米国)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
ポール・クレイグ(英国)

₋1600のニコル。クラウチングのニコルが左ジャブを伸ばし、クレイグが距離を取る。スイッチしたニコルはオーソに戻しロー左オーバーハンドを伸ばす。長身のクレイグが右ハイ、左ヒザを見せて右インローを蹴る。ローに右を合わせようとしたニコルはハイをかわしつつ、左ミドルを見せる。左オーバーハンドを伸ばし、組まないニコルは右ローを連続で繰り出す。グラップラー同士の打撃戦、クレイグが右インローから右を当てる。ニコルも左オーバーハンドを伸ばし、組みがないまま初回が終わった。

2R、左ハイでバランスを崩したクレイグを追ったニコルは、ここも組まずにパンチ勝負。クレイグも引き込むことなく、スタンドの展開が続く。ニコルは左オーバーハンドと左ミドルを続け、オーソに戻して右オーバーハンドを届かせる。スイッチして左ボディを入れたニコルは、右ミドルをブロックする。右ミドル、ローのクレイグは左インローをチェックする。

残り1分、ニコルが左を当て、間合いを取ったところでクレイグも左フックをヒット。テイクダウンダウンでポイントメイクをしないニコルが左を入れ、構えを変えて右を届かせたところで時間となった。

最終回、クレイグが前に出ると、ニコルが右オーバーハンドから右ローを入れる。クレイグはガードの上から右ハイ、距離を詰めたニコルはテイクダウンのタイミング、距離でも打撃の間に戻る。オーバーハンドのタイミングで、テイクダウンに入れるはずのニコルが組まないのは何が理由があるのか。場内にブーイングが響き渡るなか、両者のスタンド戦が続く。右で組むと見せて左オーバーハンドを決めたニコルが、圧を高める。ケージに詰まったクレイグは、右を打たれた後に前に。ニコルはローから、左オーバーハンド。クレイグも右ハイと同じパターンに。

残り1分を切り、左を入れたニコルをクレイグが何か挑発する。最後の10秒に左を2発入れたニコルは、最後までテイクダウンを仕掛けないままキャリア初の判定を待つ間、1分以上もドナルト・トランプ大統領と言葉を交わし続けた。

「15分ドミネイトできて、僕は良かったと思っている。皆、流血が見たいんだよね(笑)。25秒で殴り倒し、1分で絞め落とすところが見たくても、現実的に相手は10年以上戦ってきたプロフェッショナルなんだ。僕はまだ2年半しかキャリアがない。ドミネイトして、カットさせた。フィニッシュはできなかったけど、ハッピーだよ。ジョン・ジョーンズ、カビブ、GSP、マイティマウスもタフな相手は判定勝ちをしてきた。ポール・クレイグが27戦、僕は6戦のキャリアで支配できたんだ」とブーイングのなかで、自論を話した。


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【UFC309】展望 余人をもって代え難き存在=ジョーンズ×普通の男であることに価値を置くミオシッチ

【写真】持ち過ぎた才能が、人生を狂わせながら強さは絶対のジョン・ジョーンズ。そして強さを求めて、幸福な人生を歩むこととなったミオシッチ。対照的な強者の戦いだ(C)Zuffa/UFC

16日(土・現地時間)ニューヨーク州ニューヨークシティのマジソン・スクエア・ガーデンにてUFC 309「 Jones vs Miocic」が行われる。由緒ある大会場におけるメインイベントは、事実上無敗で二階級制覇を達成したジョン・ジョーンズに、元王者のスタイプ・ミオシッチが挑むヘビー級タイトルマッチだ。
Text by ISAMU HORIUCHI

王者JJは、実に13年半前の2011年3月にマウリシオ・ショーグン・フアを3RTKOに下してライトヘビー級王座を獲得すると、6度の防衛に成功し長期政権を築いた。しかし、その後はコカイン使用、ひき逃げ、禁止薬物使用といったさまざまな問題行動を起こして3度に渡って王座を剥奪されてしまう。だがそのたびに復活しては、恐るべき強さで王座復帰を果たしてきた。

さらに2020年には飲酒運転&発砲事件による逮捕を経て、自ら王座を返上。ヘビー級への転向の意志を明らかにするが、その翌年にフィアンセへの家庭内暴力で再逮捕された。


それでも昨年3月には宣言通りヘビー級で復帰。シリル・ガンヌとの王座決定戦において1Rわずか2分でギロチンチョークで仕留め、二階級制覇を達成している。オクタゴン内での絶対的な強さにおいても、その内面に棲まうデーモンの巨大さにおいても余人をもって代え難き、格闘技の矛盾を最大限に体現する存在だ。

対するミオシッチは、8年半前の2016年5月にファブリシオ・ヴェウドゥムを敵地クリチバで1RKOに下し、ヘビー王座を獲得。その後アリスター・オーフレイム戦ジュニオール・ドスサントス戦フランシス・ガヌー戦とヘビー級王座3連続防衛というUFC新記録を樹立した。その後ダニエル・コーミエに敗れるも、リマッチで勝利して王座奪還に成功。が、21年3月にフランシス・ガヌーとの再戦に敗れて再び王座を明け渡している。

ちなみにミオシッチは、以前からファイターであると同時に消防士としての職を持ち続けている。仕事で地域に貢献し、家庭でも妻と子供を大切にする「普通の男」であることに何よりも価値を置く、JJとはあらゆる意味で対照的な生き方を実践している。

2022年にはフルタイムの消防士となったことが報じられ、ミオシッチは幸せな引退を果たしたと考える向きも多かった。しかし昨年3月、上述のようにガンヌを倒したJJがオクタゴンの上で「みんな、俺がスタイプを倒すところが見たいか? スタイプよ、練習してくれていると嬉しいぜ。あんたは歴史上のグレーテイストヘビーウェイトだ。あんたと戦いてえんだ。ものすごくな!」と不敵な笑顔で宣戦布告。11月に復帰してJJへの王座挑戦が決まった。

だが、この大一番に向けての練習中にJJが胸筋断裂の大怪我を負ってしまい、手術と半年以上の治療期間を要することが判明し欠場を余儀なくされてしまう。ここでUFCは、当日のバックアップファイターとして用意されていたセルゲイ・パブロビッチとミオシッチの暫定王座戦を行うことはせず、パブロビッチとトム・アスピナルによる暫定王者決定戦を敢行し、1R1分でKO勝利したアスピナルが王座に就いた。

強引な措置とも言えるが、デイナ・ホワイトUFC代表は「ミオシッチ対JJはレガシーファイト。歴史上最も偉大なヘビー級王者と、歴史上最も偉大なミックストマーシャルアーティストの激突だぞ。レジェンド二人の対決をファンも見たいし、私も見たいし、両者ともやりたがっている。スタイプに暫定王座戦を戦ってくれなどと頼むこと自体、まったくもって失礼な話だよ」と説明した。両者のカードは、競技の理屈をスキップしてでもUFCが実現させたいメガファイトということだ。

その後アスピナルがまたしても1分KOにて暫定王座を防衛する間に、正規王座のJJは手術を経てリハビリを完了。一年の延期を経て、今回──暫定王者として圧倒的に勝ち続けているにもかかわらず挑戦できない気の毒なアスピナルが「老いぼれどもによる、異議にまみれたタイトル戦だ」と毒づくのをよそに──ついにミオシッチとの防衛戦がついに実現することとなった。

長年パウンドフォーパウンドランキングのトップに君臨し、一年前には体にかなり脂肪が乗ったヘビー級としても圧巻の強さを見せつけた37歳のJJと、片や42歳にして3年8ヶ月ぶりの復帰戦となるミオシッチ。当然下馬評は圧倒的にJJ有利だ。

が、もしミオシッチが王者時代に劣らぬコンディションでJJの前に現れれば話は別だ。全てに卓越した王者JJだが、最大の武器はレスリングをベースとした圧巻のグラップリング力。相手が組みを警戒するからこそ、JJはスタンドでオクタゴン中央を取りプレッシャーをかけつつ、他の追従を許さない創造性に溢れた攻撃を交えて距離を支配することができる。

ただし体格に勝りレスリングにも長けたミオシッチは、JJのテイクダウンを恐れずスタンドで逆に圧をかけてくるだろう。仮にミオシッチがJJのテイクダウンや寝技を凌ぎ、スタンドで前に出る展開が生まれれば、俄然試合は興味深いものとなる。アルロフスキー、ヴェウドゥム、オーフレイム、ドスサントスといった名だたるヘビー級王者たちを沈めてきた一撃必殺の右を持つミオシッチの圧力を、手を開いた柔らかい構えと関節蹴り等独自の武器を用いて間合いを作る──しかしライトヘビー時代の機動力はないと思われる──JJがいかに捌くのか。

ここで忘れてはならないのは、苦境に陥った時の強さこそがJJの真骨頂だということだ。かつてJJは、1度目のアレクサンダー・グスタフソン戦ドミニク・レイエス戦で前半は思うようにテイクダウンを取れず大苦戦を強いられたことがある。が、いずれも後半に驚くべき精神力とスタミナを発揮。何より勝利への執着心が試される極限状況下にて、前に出て挑戦者を削り続けて圧倒して逆転勝利をもぎ取っている。

また、JJと組技の練習を重ねる世界最強のグラップラー、ゴードン・ライアンは、「グラップリングのみの練習でも、ジョンは展開に応じて直感的にゲームプランを変えることができるんだ。また、一つのことを教えると、たちまちそれを別の部分でも応用できてしまう」とJJの真の強さは試合中の適応力や応用力にあると語る。

試合が競った展開になればなるほど、JJの恐るべき勝利への執念、適応力、創造力を我々が目にする可能性は高まる。

今回、JJ自身も己の全てを出し尽くすフルラウンドの戦いを予期している模様だ。「お互いにとって長い夜になるだろう。相手の心臓を皿に盛りつけてみんなの前で食らうのは格別だ。奴を深海に引き摺り込んで溺死させてやる。スタイプの技術じゃなく、心臓に襲いかかるつもりだ」と、心にダークサイドを秘めた者ならではの発言でその覚悟を語っている。

相手を罵ることはもちろん、試合前には多くを語りたがらないミオシッチも「ライトヘビーで戦ってきたジョンは、俺のような相手と戦ったことはない。試合が開始すればすぐに体感するはずだ」と自信をのぞかせている。

適正階級ではない怪我上がりの38歳と、3年8ヶ月ぶりに戦う42歳の戦いでありつつも、まごうことなきMMAレジェンド二人による重量級スーパーファイトであるこの試合。UFCヘビー級最多防衛記録を持つミオシッチが、MMA史上最高のファイターと呼び声高いJJを追い詰めることで、その奥深くにさらに眠っている力が呼び覚まされる──そんな極限の戦いを期待したい。

■視聴方法(予定)
11月17日(日・日本時間)
午後8時00分~UFC FIGHT PASS
午前11時~PPV
午後7時 30分~U-NEXT

■UFC309対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] ジョン・ジョーンズ(米国)
[挑戦者] スタイプ・ミオシッチ(米国)

<ライト級/5分5R>
シャーウス・オリヴェイラ(ブラジル)
マイケル・チャンドラー(米国)

<ミドル級/5分3R>
ボー・ニコル(米国)
ポール・クレイグ(英国)

<女子フライ級/5分3R>
カリーニ・シウバ(ブラジル)
ヴィヴィアニ・アロージョ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
マウリシオ・ルフィ(ブラジル)
ハメ・ジョントップ(ペルー)

<バンタム級/5分3R>
ジョナサン・マルチネス(米国)
マーカス・マギー(米国)

<ミドル級/5分3R>
クリス・ウェイドマン(米国)
エリク・アンダース(米国)

<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー(米国)
デイモン・ジャクソン(米国)

<フェザー級/5分3R>
ロベルト・ロメロ(メキシコ)
デヴィッド・オナマ(ウガンダ)

<ヘビー級/5分3R>
マルチン・ティブラ(ポーランド)
ジョナタ・ジニス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ミッキー・ガル(米国)
ラミズ・ブラヒメジ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
オーバン・エリオット(英国)
バシル・ホフェス(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ベロニカ・ハルディ(ベネズエラ)
エドゥアルダ・モウラ(ブラジル)

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【UFC309】UFC300の次はMSG、6勝6フィニッシュのNCAA3冠=ボー・ニコル「マッシブなポスチャーを」

【写真】とても穏やか。そして拙い英語へもPatienceしてくれます (C)MMAPLANET

16日(土・現地時間)、ニューヨーク州ニューヨークシティのマジソン・スクエア・ガーデンでUFC 309「Jones vs Miocic」が開催される。
Text by Manabu Takashima

同大会のメインカード、コメイン前でキャリア7戦目、UFCでは4戦目となるボー・ニコルがポール・クレイグと戦う。NCAAを制すること3度、MMAに転向後は5試合連続で初回フィニッシュ。前回のUFC300におけるコディ・ブランデージ戦で初めて2Rを経験も、全試合フィニッシュ記録は更新している。

ガードからの三角絞めと腕十字に特別な強さを見せるクレイグ戦を前にニコルにインタビューをすると、MSGで戦うことの特別さが伝わってきた。


──今週末のポール・クレイグ戦に向けて、今の気持ちを教えてください。

「最高の気分だよ。ただ減量という一番気が滅入る時間帯を向けているけどね。そこ以外は何かも素晴らしいよ」

──NCAAを3度制したレスラーなので減量は手慣れたモノという印象があるのですが、それでもやはり気が滅入るものなのですね。当日計量だったレスラー時代と、前日計量のMMAとはまた違うものですか。

「そりゃあレスリング時代の方がきつかったね。試合まで時間もなくて、リカバリーもそれほどできない。と同時に、レスリングではMMAほど体重を落とさない。レスリングもMMAも直接比較すると楽な部分もどちらにもある。でも、全てをひっくるめるとレスリングの減量の方がしんどいね。とにかく計量後1時間で試合が始まる。これはタフだよ」

──ではMMAを戦うようになってリカバリーには、レスリング時代にない知識も必要になったということは?

「そこに関しては、凄く科学的な減量方法を取り入れているから問題ないよ。確かに細かい失敗はあったけど、全ての経験が生きてきている。毎回、しっかりとその時に合ったカットとリカバリーをしてきたしね」

──ところで前回の試合は初めて2Rを経験しました。5分以上戦ってどのような印象を持ちましたか。

「ハハハハ。いう間でもなく、良い経験になったよ。ケージの中に以前より長くいることができたのは良かった。9分間戦っても何も問題はないばかりか、より動けることが確認できたんだ。フレッシュなままだったよ。コンディションとスタミナに自信が持てるようになった」

──押忍。前回のUFC300は誰もが認める歴史的なショーでした。そして今回はMSGでのファイトになります。28歳のボーにとって、MSGで戦うことは特別なのでしょうか。

「そりゃあそうさ。この機会を得られたことは、最高に光栄に感じている。ものすごく歴史のある会場……MMAだけでなくバスケットボール、アイスホッケー、ボクシングの名勝負が繰り広げられた来た。ガーデンに一歩足を踏み入れると、その伝統と威厳が感じられるんだ。そういうエネルギーを得て、今週末は戦えると思うとワクワクしてくるよ。

ただ大観衆の前で戦うのとは、違う。なんというのか、特別な感覚……それを心の底から感じられそうだ。確かに米国にはもっと大きくて、近代的な会場も増えている。スフィアなんて、その最たるものだよね。

ただニューヨーク、マンハッタンのど真ん中で戦うことは特別だ。アリーナの壁に飾れた数々のポスターからも、あの場で何が行われたのかが伝わってくる。その歴史の重みは皆が共有しているんだよね。今回の試合にサインしたことを伝えると、皆が『おぉ!! MSGで戦うのか!!』って興奮していたから」

──米国の人は格別、その感覚を持っているのでしょうね。そのMSGで戦う相手ポール・クレイグは、ボトムからの三角絞めと腕十字に特別な強さを見せるファイターです。

「危険な相手だ。UFCにおける戦績を見ても、それが証明されている。経験に裏付けされたサブミッションの使い手で、僕としては冷静かつ自信を持って戦う必要がある。焦って戦いたくない。過去に経験したたことがない試合になるだろうから、我慢強く戦うことが自分を助けてくれると思う。それでも、しっかりとポジションを考えて戦うと、サブミッションの餌食なることはないだろう」

ポール・クレイグはUFCで9勝8敗。4試合が三角絞めで勝っている(C)Zuffa/UFC

──ボーも既に仕留め方を心得ているかと思います。

ただし、ボーはレスラーです。テイクダウンからトップコントロールという常套手段が、クレイグの望む戦場になるということが特異な状況です。

「アームバーやトライアングルをセットするまでに、上手くパンチやエルボーを使っている。辛抱強く、三角絞めや腕十字の機会が訪れるのを待つことができるファイターだ。その時が来たら、全力でフィニッシュに掛かる。その機会を与えない。それが僕に必要になってくることは間違いない。あのハイガードを取れないと、彼にはチャンスはない。そのためのコントロールを僕ができるのかだよ」

(C)Zuffa/UFC

──ボーのポスチャーに要注目です。

「そこはしっかりと、やってきた。ポスチャーが悪くて、頭が下がっていることを僕らはデンジャーゾーンと呼んでいるんだ。しっかりとポスチャーができていれば、打撃を叩きこむことができる。ポスチャーに関しては、トレーニングキャンプの軸だったといえる。徹底的に考え、対策をこうじてきた。マッシブなポスチャーを見せるよ」

──ただ寝技に付き合わない戦いもMMAには存在しています。

「つまりは打撃だよね。今回のファイトキャンプ以前から、最高のコーチの下でストライキングを学んできた。打撃に関しては、僕にアドバンテージがある。彼の方が経験値は高いけど、僕の方が若くて速く、パワーもある。スタンドでの勢いのある打撃のある攻防は、ポールの弱点だ。立ち技は絶対的に僕の方が上だよ。

テイクダウンの機会があればするし。そうでなかったとしても、どの局面でも問題ない。それだけファイトキャンプで準備は整えてきたからね」

──ボー、今週末の試合を楽しみにしています。最後に日本のファンにメッセージをお願いできますか。

「UFC309を日本のファンにも楽しんでもらいたい。いつか日本を訪れて東京、地方、富士山に行きたいんだ。僕はMMAもそうだし、日本のレスリングの大ファンでもあるんだ。レスリング時代はタツヒロ・ヨネミツ(米満達弘。2012年ロンド五輪フリースタイル66キロ級金メダリスト)、今はリンヤ・ナカムラ、キョージ・ホリグチという友人がいる。日本のファンの応援に感謝しているよ」

■視聴方法(予定)
11月17日(日・日本時間)
午後8時00分~UFC FIGHT PASS
午前11時~PPV
午後7時 30分~U-NEXT

■UFC309対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] ジョン・ジョーンズ(米国)
[挑戦者] スタイプ・ミオシッチ(米国)

<ライト級/5分5R>
シャーウス・オリヴェイラ(ブラジル)
マイケル・チャンドラー(米国)

<ミドル級/5分3R>
ボー・ニコル(米国)
ポール・クレイグ(英国)

<女子フライ級/5分3R>
カリーニ・シウバ(ブラジル)
ヴィヴィアニ・アロージョ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
マウリシオ・ルフィ(ブラジル)
ハメ・ジョントップ(ペルー)

<バンタム級/5分3R>
ジョナサン・マルチネス(米国)
マーカス・マギー(米国)

<ミドル級/5分3R>
クリス・ウェイドマン(米国)
エリク・アンダース(米国)

<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー(米国)
デイモン・ジャクソン(米国)

<フェザー級/5分3R>
ロベルト・ロメロ(メキシコ)
デヴィッド・オナマ(ウガンダ)

<ヘビー級/5分3R>
マルチン・ティブラ(ポーランド)
ジョナタ・ジニス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ミッキー・ガル(米国)
ラミズ・ブラヒメジ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
オーバン・エリオット(英国)
バシル・ホフェス(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ベロニカ・ハルディ(ベネズエラ)
エドゥアルダ・モウラ(ブラジル)

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UFC301:オッズ/予想と展望

アレクサンドル・パントーハ 1.52
ティーブ・エルセグ 2.60
ジョナサン・マルチネス 1.62
ジョゼ・アルド 2.36
アンソニー・スミス 4.90
ビトー・ペトリーノ 1.19
ミシェウペレイラ 1.18
イーホル・ポティエリア 5.10
ポール・クレイグ 5.10
カイオ・ボハーリョ 1.18
ジャック・ショア 2.40
ジョアンダーソン・ブリート 1.60
カロリーナ・コバルケビッチ 4.30
ヤスミン・ルシンド 1.24
エルブス・ブレナー 3.15
ムイクティベク・オロルバイ 1.38
ジェアン・シウバ 1.80
ウィリアム・ゴミス 2.05
ジョアキム・シウバ 2.50
ドラッカー・クロース 1.56
マウリシオ・ルフィ 1.52
ジェイミー・ムラーキー 2.60
ディオネ・バルボサ 1.46
エルネスタ・カレツケイテ 2.80
イスマエル・ボンフィム 1.19
ヴィンス・ピシェル 4.90
アレッサンドロ・コスタ 1.70
ケビン・ボルハス 2.20

ブラジル大会のナンバーシリーズ。しかし先月の記念大会で駒を使い切ったせいで、苦しんだ跡が見えるメインとセミのカードに。

メインのタイトルマッチが地元の王者パントーハの防衛戦というのは決まっていたが、挑戦者候補が怪我などで次々にいなくなり、3月に判定勝ちしたランキング7位のモカエフまでが挑戦者枠に入っていたが、どうせ下位ランカーにするならありえないくらいの飛び級にした方が話題になると考えたのか、発表された挑戦者はランキング10位・UFCデビューから11ヶ月のエルセグ。

エルセグは去年の2月には地元オーストラリアのイベントで、日本の平井相手に防衛戦を行っていた。1Rチョークで勝利すると、試合後のバックステージでUFCとの契約が決まる。UFCデビュー戦はマット・シュネルの欠場で回ってきたランキング10位のドボジャーク戦で、僅差ならが判定勝ちしていきなりランクイン。2戦目はランカーと対戦予定が相手が欠場し、ノーランカーの代役との対戦で、またも接戦となり三者29-28の僅差判定勝ち。3月の前戦では、ベテランでランキング9位のマット・シュネルに初のフィニッシュ勝利となるKO勝ち。とはいえ、試合後のマイクでは「トップ5と戦いたい」という主張で、今回のような特殊な事情がなければ、王座挑戦が回ってくることはなかっただろう。

オッズは大差でパントーハ…と思いきや、そこまでの差ではない。それでもタイトル挑戦したモレノ戦、初防衛のロイバル戦よりは評価が高いが。

絞め技での勝利が多いグラップラーと思っていたが、前戦のシュネル戦ではKOパンチを持っているところも見せたエルセグ。が、それは相手のシュネルが打たれ弱くなっているという理由もあったし、1戦目・2戦目の内容を見ると、ランキング相応の実力で、底が見えないという印象ではない。順当にパントーハが防衛か。

パントーハ一本勝ち。

セミでは引退したジョゼ・アルドが復帰。もともと体力的に限界を感じての引退ではなかった。バンタム級でマルロン・ヴェラ、ペドロ・ムニョス、ロブ・フォントに3連勝し、ドバリシビリに判定負けした時点での引退表明。勝てばタイトル再挑戦もある試合だったが、負けたことで実績を積み直すよりも、新たな舞台であるボクシングへ挑戦を行うことを選択しての引退だった。

ボクシングではここまでエキシビションで1勝、プロ公式戦では1勝1分けで、同じ元UFCジェレミー・スティーブンスには引き分けているが、本人が希望するフロイド・メイウェザーなどのビッグネームとの対戦は実現していない。

引退が早かったとはいえ、もう37歳。あくまで地元大会で、目玉カードなく困っていたUFCが出したオファーを受けただけの限定復帰なのか、本格的に復帰するのか。相手はランキング12位でUFC屈指のローキッカー・ジョナサン・マルチネス。現在6連勝中で、ここ3戦はローキックを武器に勝利。特に前戦はエイドリアン・ヤネスからインローで戦闘不能に追い込んでKO勝ちしている。ボクシングに専念していたアルドにとっては危険な相手。

マルチネス判定勝ちと予想。

第1試合開始は5日朝7時から。速報します。

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UFC on ESPN+92:オッズ/予想と展望

マゴメド・アンカラエフ 1.22
ジョニー・ウォーカー 4.50
マテウス・ニコラウ 3.00
マネル・ケイプ 1.41
ジム・ミラー 1.85
ガブリエル・ベニテス 1.98
リッキー・シモン 1.57
マリオ・バティスタ 2.45
フィル・ハウズ 1.98
ブルンノ・フェヘイラ 1.85
アンドレイ・アルロフスキー 5.40
ワルド・コルテス・アコスタ 1.17
マシュー・セメルスバーガー 1.80
プレストン・パーソンズ 2.05
マーカス・マクギー 1.36
ガストン・ボラニョス 3.25
ファリド・バシャラート 1.36
テイラー・ラピルス 3.25
ウェスティン・ウィルソン 6.25
ジェアン・シウバ 1.13
ニコラス・モッタ 3.40
トム・ノーラン 1.34
ジョシュア・ヴァン 1.46
フェリペ・ブネス 2.80

今年最初のUFC

メインは10月の対戦で1Rにアンカラエフのグラウンド膝の反則があり、ウォーカーは続行できそうだったが、レフェリーとの意思疎通が上手く行かずにストップされたことで物議を醸した試合の再戦。

アンカラエフはUFCデビュー戦でポール・クレイグを圧倒していたが、三角に捕まって残り1秒での大逆転負けでキャリア唯一の黒星を喫した後、9連勝でイリー・プロハースカが返上したライト級タイトルの王座決定戦に出場。ヤン・ブラホヴィッチ相手に内容では押していたが、これも物議を醸す判定ドロー。その次の試合がノーコンテストになったウォーカー戦と、ここにきてタイトル獲得目前で不運な足踏みが続いている(反則膝は自業自得だが)。

ウォーカーはUFCデビューから3連続1RKO勝ちして将来のスター候補と見られていたが、そこから急に失速してその後1勝4敗。ブラジル人に良くいる調子のいいときは強いが、勢いがなくなるとあっさり負けるパターンの選手になっていた。しかしそこからまた3連勝で復調している。が、下位ランカー相手には強さを見せるものの、トップ5ランカーの壁は崩せていない。

前回もストップがかかるまではアンカラエフが押していたこともあり、オッズは大差でアンカラエフがフェイバリット。

アンカラエフKO勝ち。

セミでは、昨年デイブソン・フィゲイレード戦につづいてカイ・カラフランス戦も流れたマネル・ケイプが、3年前のUFC2戦目で敗れたマテウス・ニコラウとの再戦に臨む。

ケイプは現在4連勝中。5位のニコラウに勝てば、いよいよトップ5ランク入りとなる。

ニコラウはケイプ戦が2年半ぶりのUFC復帰戦で、そこから4連勝したが、昨年4月には先月タイトル挑戦を果たしたブランドン・ロイバルに1RKO負けで、UFC復帰後初黒星。

前回はニコラウの対戦相手が負傷欠場となり、試合9日前に急遽代役としてケイプが出場して対戦した。1Rにニコラウがテイクダウンを奪い、2Rにはケイプがタックルを切って打撃を入れる展開で1Rずつ取り合い、3Rは僅差だが打撃のヒット数ではケイプが上回るという内容で、ニコラウが微妙なスプリット判定勝ち。今回はケイプがオッズでフェイバリットとなっている。

フライ級は来月1位の前王者モレノと2位のアミール・アルバジの対戦が予定されている。3位は先月挑戦したばかりのロイバル、4位はモレノとアルバジに敗れた後、9月のケイプ戦を負傷欠場したカラフランス。王座挑戦の優先順位はモレノ vs. アルバジの勝者が上だと思うが、内容次第ではニコラウ vs. ケイプの勝者にチャンスが回ってきてもおかしくない。

第1試合開始は14日6時から。速報します。

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UFC on ESPN+91:第7試合・パク・ジョンヨン vs. アンドレ・ムニス

ミドル級。

ジョンヨンはUFC7勝2敗、4連勝、3連続一本勝ちにもかかわらず、まだノーランカー対決。初期はテイクダウンからの漬け込みスタイル主体の地味ファイターだったが、ここに来て一本勝ちが増えてきている。3連続一本勝ちはすべてすべてチョークでのフィニッシュ。負けた相手は現ランキング15位のアンソニー・ヘルナンデスとホナウド・ジャカレイの弟弟子・グレゴリー・ホドリゲス。32歳。

ムニスはUFCデビューから5連勝。その中には同郷の先輩・ホナウド・ジャカレイからの腕十字での一本勝ちも含まれている。が、ここ2戦はブレンダン・アレンとポール・クレイグに連続フィニッシュ負けで、ランキングからも外れてしまった。柔術とともにムエタイも学んでいる。33歳。

両者フィニッシュが多いグラップラーだが、ジョンヨンはチョーク、ムニスは腕十字を得意としている。

ムニス左ハイ。ミドル。リーチに劣るジョンヨンが間合いを詰めると距離を取る。バックスピンキック。ムニス一転してタックルへ。両足を束ねて尻もちを着かせる。背中に回り、片膝を着いたジョンヨンからハーフバック。立とうとしたがムニスが崩す。ジョンヨン立ってスタンドバックへ。また倒すが、ジョンヨン押さえ込ませずに立つ。尻もちを着かせてレッグマウントに。足を引いて立つジョンヨンだが、ムニス投げてバックに回り足をフック。バックマウント完成。亀になるジョンヨン。残り1分。足のフックを外そうとしたところで三角に移行したムニスだが、ジョンヨン足をサバいてパス。逆にバックにつくとマウント!パウンド!ムニスハーフに戻すが、なおもパウンド・肘。ホーン。

1Rは終盤の攻撃によるダメージでジョンヨン。ムニスの一方的な展開かと思われたところから一気に形勢逆転。

2R。ジョンヨンパンチで出る。ムニスタックルへ。潰して上を取ろうとしたジョンヨンだが、そのままスイープで上を取るムニス。立とうとしたジョンヨンに両足フックしてまたバックマウント。足のフック外れてハーフバックになるが、なおもバックについているムニス。ジョンヨン微妙にケージつかみでディフェンス。ホーン。

2Rムニス。

3R。ジョンヨンパンチで出る。ムニス疲れたか。しかしタックルへ。切れずにテイクダウンされたジョンヨン。四の字バックへ。バックキープするムニス。残り2分半。ジョンヨン反転して上に。パウンド。が、雑にパスしようとたところで上を取られる。押さえ込ませず立ったジョンヨン。ムニスタックル。今度は切ったジョンヨン。ムニス引き込み。スイープを狙うが耐えたジョンヨン。しかし残り1分半。足で距離を作るムニス。肘。ムニススタミナ切れもあって動けない。パウンド連打するジョンヨン。タイムアップ。

29-28ムニス、29-28ジョンヨン、29-28ムニス。スプリットでムニス勝利。

割れたのは3R?

ムニスに入れたジャッジも1Rジョンヨンと3Rジョンヨンで割れている。どちらもダメージではジョンヨン、コントロールでムニスだったので、最近の傾向ではジョンヨンになると思ったが。

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MMA MMAPLANET o UFN UFN232 ブレンダン・アレン ポール・クレイグ

【UFN232】アレンがクレイグからRNCでタップを奪い、4連続RNCでの一本勝ちを達成

<ミドル級/5分5R>
ブレンダン・アレン(米国)
Def.3R0分38秒 by RNC
ポール・クレイグ(米国)

アレンが右カーフ、ワンツーを伸ばす。アレンがパンチ前に出て距離が詰まると、クレイグがオーバーフックしてケージに押し込む。クレイグはダブルレッグへいきつつ、左腕を差して押し込む。アレンは右手で小手を巻いて投げからマウントを取り、パンチとヒジを落とす。クレイグはアレンの左足に両足を絡め、アレンがRNCを狙うとレッグロックへ。アレンも足関節で応戦しつつ、両者が立ち上がる。アレンはバックについて持ち上げるようにテイクダウンし、インサイドガードでトップキープする。

2R、アレンがジャブからワンツー。この右でクレイグの足が止まる。なんとかダブルレッグに入るクレイグだったがテイクダウンは出来ず。引き込み気味にガードポジションを取る。アレンは身体を起こしてパンチを落とし、足を一本抜いてハーフガードへ。しっかり上体を固めてマウントを取り、肩固めを狙う。

これは極まらずハーフに戻されたアレンだが、トップキープしてヒジを落とす。クレイグがガードポジションに戻して腕十字や三角絞めを狙うと、アレンはしっかり対処してヒジを落とす。単発ながらヒジを確実に効かせるアレン。クレイグが半身になって身体を起こすと、バックからRNCを狙った。

3R、アレンがジャブと右ストレート、左ボディから顔面への左フックにつなげる。クレイグはダブルレッグで組み付くが、アレンはギロチンを狙いつつ、そのまま上のポジションを取る。ケージに身体を預けて立ち上がろうとするがクレイグ。アレンはそのままバックを取り、最後はRNCでタップを奪った。これでアレンは4連続RNCでの一本勝ちとなった。


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Report UFC UFC255 ブログ ポール・クレイグ マウリシオ・ショーグン

【UFC255】マウリシオ・ショーグン、グラップリングMMAでクレイグのパウンドにタップアウト……負け

<ライトヘビー級/5分3R>
ポール・クレイグ(米国)
Def.2R3分36秒by Tap Out
マウリシオ・ショーグン(ブラジル)

クレイグが左ローから左ハイ、ショーグンは左ローを返す。左ミドルを蹴り、右前蹴りからスイッチして左ハイを繰り出したクレイグ。ワンツーで前に出たショーグンは組みに行くが、すぐに離れる。左ハイを見せた直後にダブルレッグでテイクダウンを決めたクレイグ、ショーグンは得意のハーフからスイープを狙う。ハーフ&シングルで起き上ったショーグンをがぶったクレイグがヒザを頭部に入れアナコンダへ。そのままバタフライスイープを決めたクレイグが、ハーフのショーグンにパンチを入れる。

小手を差された状態で立ち上がったショーグンだが、直後にテイクダウンからバックを譲る。クレイグのテイクダウン狙いを潰してトップを取ったショーグンは、ディープハーフからロックダウン&エレクトリックチェアーには反応して右足を引き寄せ上をキープする。ショーグンがパンチを落とし、クレイグがスイープを狙ったところで初回が終わった。

2R、クレイグが右の関節蹴りを見せ、左ジャブを当てる。ショーグンは左フックで前に出る。下がったクレイグは蹴りで前に出直すと、左ジャブを伸ばす。ショーグンは右オーバーハンドをヒットさせ、クレイグがシングルレッグへ。このままテイクダウンを決めバックに回る。

両足をフックされたショーグンは、胸を合わせてスクランブルから立ち上がる。クレイグはケージに押し込み、シングルに移行してテイクダウン&再びバックマウントへ。左のパンチを打たれたショーグンは、ここで背中が伸びてしまう。クレイグは左右のパンチ、頭を抱えたショーグンは──なんと、タップし試合は決した。


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