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【UFC311】疲れても攻め続けるベルナルド・ソパイが、トゥルシオスを下しオクタゴン初勝利

<バンタム級/5分3R>
ベルナルド・ソパイ(アルバニア)
Def.3-0:30-27.30-27.29-28
リッキー・トゥルシオス(米国)

昨年11月に組まれていたがトゥルシオスが、減量中に体調不良に陥り流れていた一戦。デビュー戦は3日前のショートノーティスで受け、UFCで戦う権利を得たソパイにとって真価が問われる戦いとなる。「ハッ」と大きな声を挙げ、いきなりスイッチしたトゥルシオス。ソパイは前蹴り、トゥルシオスが右ミドルハイを蹴って行く。左に回るトゥルシオスに対し、右ハイを蹴ったソパイが慎重に距離を詰める。

トゥルシオスは右カーフ、直後にソパイが右を当て右カーフを蹴り返す。ソパイもスイッチを織り交ぜ、カウンターの左を入れる。遠い距離から蹴り中心のトゥルシオスはカーフを蹴られ、詰めて組んでいく。ソパイは首相撲&ヒザ蹴りを繰り出すが、ケージに押し込まれる。回って離れたソパイは蹴りをキャッチされても、テイクダウンを許さずがぶる。ここでトゥルシオスはボディロックからテイクダウンを奪いと、一気にバックへ。前方に落としたソパイは、バタフライガードをボディロックで捕獲。スタンドに戻ってエルボーを打ち込んで、距離を取り直す。右をヒットさせたソパイに対し、トゥルシオスがロー蹴り込んでクリンチ、時間となった。

2R開始直後、右ハイを蹴ったソパイ。トゥルシオスが前に出て右ミドルを2発、ソパイの右に組みつくが切られる。ソパイの右カーフでトゥルシオスの軸が乱れる。トゥルシオスは右ローを続けるが、左回りの移動に重いを右を被弾する。拳の圧で明らかに上回るソパイは、組まれても腰に乗せて投げトップを取る。レッスルアップのトゥルシオスだが、首相撲からのヒザを腹に受ける。ケージに押し込まれたソパイは、回って間合いを取り直す。ここから首相撲&ヒザを再び見せる。トゥルシオスは攻撃を受けながら前に出続けると、ソパイの息が上がって来たか。

トゥルシオスは右を当て、逆に首相撲からヒザを繰り出す。ヒザを返したソパイは、続くダブルレッグを切って右エルボーから左フックを打ち込む。そしてシングルに出て軸足払い、相当に疲れたトゥルシオスは殴られながら組んでいった。

最終回、直ぐに距離が近くなりソパイの右前蹴りが腹を抉り、続くワンツーでトゥルシオスがダウン。組もうとするが顔面を殴られバックを取られるトゥルシオスは、ハーフガードもエルボーを落とされる。それでもシングルで組みついたトゥルシオスは、ヒザ蹴りをキャッチして上を取ろうとする。すぐに立ち上がって打撃の距離を取ったソパイが、前に出てくるトゥルシオスを首相撲に取られる。顔面を真っ赤に染めたトゥルシオスは、離れたソパイのテンカオの餌食に。さらに力の無い蹴りをキャッチされる。ソパイは打撃でいくと決めたか、掴んだ足をリリースして距離を保つ。粘るトゥルシオスはパンチを振るって組みつくと、テイクダウンから一瞬にバックへ。ソパイも即前方に落とし、スクランブルからボディロックていうダウンを決める。ソパイはサイドで抑え、スクランブルのトゥルシオスを突き放す。

残り1分40秒、右アッパーから左フックのソパイに対し、トゥルシオスがローを蹴る。両者疲れが見えるなか、明らかにダメージがあるトゥルシオスは跳びヒザを受けそうになる。それでも前に出てヒザ蹴り、アッパーを被弾したトゥルシオスがテイクダウン狙いを切られる。最後の10秒を切り、左後ろ回し蹴りで姿勢を乱したソパイが三角絞めを仕掛けたところでタイムアップに。攻め疲れはあったが、その攻めがないと生き残れない世界最高峰でソパイが3-0の判定勝ち。

「クレイジーファイトだった。ベルトを獲りにUFCに来た。そして戦いを皆に見せに来たんだ。こんな経験は過去になかった、最高だよ。8カ月、ずっと準備をしてきた。前の試合はキャンセルになったけどね」と勝者は話した。


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45 AB Brave CF LFA MMA MMAPLANET o UFC UFN ESPN+106 UFN247 ブログ ベルナルド・ソバイ リッキー・トゥルシオス

【UFN247】17歳から単身スウェーデン在住、ベルナルド・ソパイ「ナカムラ? 三角絞めで勝った選手?」

【写真】キャリア11勝3敗。7つのKO勝ちと3つの一本勝ち。24歳のスウェーデン在住アルバニア人ファイターのソパイ(C)Zuffa/UFC

9日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN247:UFN on ESPN+106「Magny vs Prates」が開催され、コメインでベルナルド・ソパイがTUF29ウィナーのリッキー・トゥルシオスと対戦する。
Text by Manabu Takashima

コディ・ガーブラントの負傷欠場でマイルス・ジョンズ戦が流れ、コメインに昇格となった一戦はソパイにとってオクタゴン2戦目になる。2020年、世界がコロナ禍にあった際にUFC、Titan FC、LFAという北米のプロモーションと並びBRAVE CFがいち早く活動を再開、ルーマニア大会を経て8月にスウェーデンはストックホルムで集中開催をした時にザ・ライオン・キングの異名とともにプロモーションからプッシュされたソパイだったが、翌年にフランチェスコ・ヌッツィにスプリット判定負けをすると、バーレーン王国直轄のMMAプロモーションを離れ、スウェーデンのローカルプロモーションでバンタム級二冠に輝いた。

ショートノーティス出場のUFCデビュー戦は、同じく中東UAEWからオクタゴンにステップアップを果たしたヴィニシウス・オリヴェイラ戦は序盤の優勢から失速し、逆転KO負けを喫した。

あれから8カ月、満を持しての世界最高峰2戦目に臨むソパイに初インタビューを試みた。


──ベルナルドの試合を初めてチェックしたのは、コロナ禍のBRAVE CF38でした。スウェーデン大会に出ていたスロックホルム在住のアルバニア人ファイターという触れ込みでしたが、同地にはバルカン諸国からの移民も少なくありません。ベルナルドもアルバニア移民だったのですか。

「僕が生まれ育ったアルバニアを離れたのは、7歳の時だった。でも移り住んだ国はスウェーデンではなく、ギリシャだったんだ。アテネの学校に通い、17歳の時からスウェーデンを拠点にしている。家族がアルバニアを離れたのは、より良い生活を求めてのことだよ。その判断は間違っていなかった。でも僕はその家族と離れ、より良い練習環境を求めてストックホルムに向かいオールスターズ・トレーニングセンターでMMAの練習をするようになったんだ」

──17歳の時に1人でストックホルムへ!! ということは、もともとはギリシャでMMAを始めたということになりますね。

「13歳の時にMMAを始めた。それまで格闘技の経験はなかったよ。サッカーに夢中だったから。でも所属クラブの代表がチームを離れて、サッカーができなくなかってしまったんだ。それから数カ月間は学校と家を行き来するだけで、何もスポーツはやっていなかった。そんな時に友人から『MMAの練習をしよう』と誘われたんだ。

でも当時はMMAが何かも知らなかった。ギリシャでは、MMAは殆ど知られていなかったから。だから誘いに乗ることもなかった。でも、その友人は結構しつこくて(笑)。2カ月もの間、ずっと僕に声をかけ続けてきたんだ。『これは1度は行かないと、諦めないな』って思った。だから1度だけジムに行くことにしたんだ。そうしたら、もう夢中になってしまって(笑)。自分がそんな風になるとは、全く思っていなかったよ。それから毎日、ジムに通うようになったんだ」

──ギリシャに、MMAに夢中になれる環境があったことが驚きです。

「悪くなかったよ。実際、僕はギリシャで7試合を戦っている。全てプロの試合だ」

──17歳でスウェーデンに移り住んだベルナルドが、ギリシャでプロMMAの経験があるというのは……。

「僕は15歳の時に初めて、プロMMAで戦ったんだ(笑)。ほとんどの国では18歳になる前にはプロのMMAを戦うことはできない。実際にスウェーデンがそうだった。でも、ギリシャはそんなことはなかったんだ(笑)。

ただキャリアを積んでいくにしたがって、より良い練習環境を求めるようになった。試しにスウェーデンに向かいオールスターズ・ジムで練習をした。結果、そのままストックホルムに住みつくことになった。僕にとって最高の練習環境だったよ。それにコーチも僕のことを気に入ってくれた。今もオールスターズ・ジムは世界でベストのジムだと思っている」

──BRAVE CFでは期待の新鋭としてスポットが当てられていましたが、フランチェスコ・ヌッツィに敗れると中東のプロモーションを離れました。なのでUFCのラインアップで、ベルナルドの名を目にした時は凄く驚きました。

「ちょうどマイアミで練習をしていた時に、UFCから声が掛ったんだ。4日間のショートノーティスでの出場だけど、4試合契約が提示された。そりゃあUFCとサインするよね」

──なるほど。ヴィニシウス・オリヴェイラ戦は初回にマウントを奪うなど、超アグレッシブなファイトで優勢でした。しかし2Rに形勢逆転されたのはショートノーティスでの出場が関係していたのですか。

「もちろん。体調は正直良くなかった。だから初回から全力で戦ったんだ」

──UFC初陣から8カ月も試合間隔が空きました。そして、この間にはスウェーデンの所属ジムが主催のAllstars Fight Nightで戦う予定だったという戦績も見受けられます。

「あぁ、あれは違うよ。UFCとサインする前にAllstars FNで戦うことが決まっていたから、その記述が残っているだけで。UFCとはもちろん複数契約だったし、初戦の1週間後に試合に出られるわけがない。プロモーションのPRだけが残っている形なんだ」

(C)Zuffa/UFC

──なるほどです。良く理解できました。

では今回のリッキー・トゥルシオス戦ですが、TUFウィナーに対しどのような印象を持っていますか。

「良い選手だよ。スクランブルが強い。戦闘意欲が高いところも気に入っているよ。でも僕は3月の試合の時とは、違う。コンディションが全く違うんだ。スタミナもストレングスも、5分5Rでも構わないぐらい仕上げてきた。今回は自分が戦いができる状態になっている。ファイトキャンプは最高だったし、準備はできているよ。

前回の試合でファイト・オブ・ザ・ナイトのボーナスをもらったけど、リッキーとの試合では打撃、レスリング、グラウントと全てにおいて全く違う動きをするから期待してほしい」

──では本当のベルナルド・ソパイとして、どのような試合をファンに見せたいと考えていますか。

「打撃かな、一番は。そこを見て欲しい。僕はオールラウンド・ファイターだけど、打撃はグラップリングより得意だ。打撃なら負けない。でも寝技もレスリングも全く問題ない。どの局面でも、勝つことができる。

リッキーには、レベルの違いを見せつけたい。僕はもっとハイレベルなファイターだ。それを今回の試合で、皆に分かってもらえるように戦うよ」

──ところでUFCバンタム級には中村倫也選手と、風間敏臣選手という2人の日本人ファイターが戦っています。彼らのことは、もうリサーチ済みでしょうか。

「ナカムラ……なんだったっけ? あのキプロスのハラランボス・グリゴリユに三角絞めで勝った選手だっけ?」

──それは風間選手ですね。

「ああ、カザマの試合は見たよ」

──ギリシャ語圏のキプロス人ファイター、ハラランボスが気になったからのように思います(笑)。

「その通りだ(笑)。でもカザマは強いハートの持ち主だった。ダウンをしても諦めずに、タップを奪った。良いファイターだよ。でも、僕のレベルじゃないね」

──その言葉で日本のファンは、ベルナルドをより注目するでしょうね(笑)。

「承知した(笑)。しっかりとリッキー・トゥルシオスをドミネイトし、つけいる隙を与えない。そして、その瞬間がやってきたらフィニッシュする。だから日本のファンも、僕の試合をしっかりと見て欲しい」

■視聴方法(予定)
11月10日(日・日本時間)
午前6 時00分~UFC FIGHT PASS
午前5時45分~U-NEXT

■UFN247対戦カード

<ウェルター級/5分5R>
ニール・マグニー(米国)
カルロス・プラチス(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
リッキー・トゥルシオス(米国)
ベルナルド・ソパイ(アルバニア)

<ミドル級/5分3R>
ジェラルド・マーシャート(米国)
ライニエ・デリダー(オランダ)

<女子ストロー級/5分3R>
ルアナ・ピネイロ(ブラジル)
ジリアン・ロバートソン(カナダ)

<ミドル級/5分3R>
マンスール・アブドゥルマリク(米国)
ドゥスコ・トドロビッチ(セルビア)

<女子ストロー級/5分3R>
カロリーナ・コバケビッチ(ポーランド)
デニージ・ゴミス(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
コーテヴィアス・ロミアス(米国)
ガストン・ボラノス(ペルー)

<ウェルター級/5分3R>
エリゼウ・カポエイラ(ブラジル)
ザック・スクローギン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
チャールズ・ラドキー(米国)
マシュー・セメルスバーガー(米国)

<バンタム級/5分3R>
コディ・ステーマン(米国)
デモン・ブラックシアー(米国)

<ミドル級/5分3R>
トレシャン・ゴア(米国)
アントニオ・トロッコリ(ブラジル)

<女子バンタム級/5分3R>
メリッサ・トーニャ・モリンス(英国)
クラウディア・セグーワ(米国)

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BRAVE CF49 other MMA Report フランチェスコ・ヌッツィ ブログ ベルナルド・ソバイ

【BRAVE CF49】ベルナルド・ソパイに打ち勝ったフランチェスコ・ヌッツィが8勝1敗対決でスプリット勝利

<バンタム級/5分3R>
フランチェスコ・ヌッツィ(イタリア)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
ベルナルド・ソパイ(アルバニア)

サウスポーのヌッツィに対し、右ハイから右フックを蹴っていったソパイ。ヌッツィも左ミドルを返す。ソパイは蹴りにパンチで押されバランスを崩し、ボディにもパンチを被弾する。さらに右ハイに左オーバーハンドをカウンターで受けダウンする。パウンドを落とされながら立ち上がったソパイはダブルレッグでテイクダウンを決めると、ハーフへ。ヌッツィはヒールを仕掛け、足を抜かれてもバタフライガードでソパイを揺さぶる。

ソパイはパウンドを落とし、スクランブルでバックに回るとワンフックからジャンプをするが、背中に乗り切れない。胸を合わせたヌッツィはテイクダウンを耐えるも、左のパンチを連続で打たれる。ここで離れたソパイは右オーバーハンドを当てる。ヌッツィは左ミドル、そしてローを蹴り込む。左インサイドローを蹴り、左ストレートをヒットさせたヌッツィがテイクダウンを奪われたが、打撃で初回をリードしたか。

2R、ヌッツィはまず左ミドルを入れ、ソパイがローを返す。ヌッツィの左のカウンターが、ソパイの蹴りに合わされる。スイッチを見せるようになったソパイが、右を当てるもやや及び腰か。ソパイがオーソに構えると、左の蹴りを多用するヌッツィは基本カウンター狙いで、時折り前に出る。ソパイはステップインから右をヒットさせ、今度はヌッツィが怯む。左オーバーハンドを見るようになってきたソパイが右ミドルを決める。

残り90秒、左ストレートから左ハイを蹴ったヌッツィがダブルレッグへ。ソパイのキムラ狙いには離れたヌッツィは左を見せて右を当て、左ミドルを決める。ソパイは前に出て左フックを当てると、右から左、もう一度左を当ててラウンド終了となった。

最終回、まずヌッツィが左ロー、スパイが右ミドルを蹴り返す。ローから左を伸ばすヌッツィに対し、見る場面が増えたソパイは跳び蹴りも距離が合わない。ヌッツィも待ちの姿勢で、右ハイをブロックしテイクダウン狙いも切る。と蹴りでバランスを崩したが、起き上りながらダブルレッグへ。ケージを背負ったソパイは、足を刈られてテイクダウンを許す。

ポイントを取ったヌッツィは、寝技に拘らずスタンドへ戻る。スパイは右を当てるも、ヌッツィが左ミドルを入れる。残り80秒、ローを入れたヌッツィはミドルを捌いて右を伸ばす。ソパイも右フックを当て、ここからパンチを纏める。カットしたヌッツィにハイを蹴り、右を入れたソパイ。ヌッツィも左を返し譲らない。最後は互いにマットに手をつけてからの蹴りを見せ、タイムアップに。

圧が上だったヌッツィ、裁定は割れたがスプリット判定勝ちを手にした。20歳のライオンキングにキャリア2度目の黒星を付けたヌッツィは「ソパイはもっとやってデキると思っていた。相手ではなくて、自分がどう戦うか。誰か来ても、戦うよ」と話した。


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BRAVE CF49 News other MMA Preview アブドゥル・フセイン ガムザット・カゴメドフ フランチェスコ・ヌッツィ ブノワ・サンドニ ブライン・オドリスコール ブログ ベルナルド・ソバイ ホゼ・トーレス マティス・ザハロフ ムハマド・モカエフ ルアン・サンチアゴ

【BRAVE CF49】計量終了 ソパイ、ザハロフ、モカエフ──20代ファイターたちのせめぎ合いに注目

【写真】メインのサンチアゴ✖サンドニ、トーレス✖オドリスコール、そしてモカエフ✖フセイン、ソパイ✖ヌッツィ。トーレスはマスクもドラゴンボールZの孫悟空だ(C)BRAVE CF

24日(水・現地時間)、25日(木・同)にバーレーンはムハラクのアラード要塞特設会場で開催されるBRAVE CF49 「Super Fights」の計量が行われた。

フェザー級で注目されていたブラジル✖コロンビアの南米対決=ガブリエル・フライ・ミランダ✖ドゥマル・ロアの一戦は、後者が72.2キロと6.4キロという信じられない計量結果で──取りやめとなっている。

その他のプロマッチ10試合に出場する22選手は問題なくパスした。メインでスーパーライト級のルアン・サンチアゴ✖ブノワ・サンドニが組まれ、コ・メインではホゼ・トーレスが急遽参戦のブライン・オドリスコールと61キロ契約マッチを戦う今大会、フライ級とバンタム級で次世代のエース候補が連続で登場となる。


まずは後半戦の戦いの火ぶたが切って落とされる第6試合、バンタム級でベルナルド・ソパイ✖フランチェスコ・ヌッツィが組まれている。

アルバニア生まれストックホルム在住、20歳のソパイは、キックボクサーを思わせるスタンスで蹴りを交えた打撃を繰り出す。特に右オーバーハンドの威力は抜群で、テイクダウン後は強烈なパウンドとポジション奪取にも長けている。

一方のヌッツィはサウスポーのストライカーで、左ストレートはスピード、タイミングともにセンスが感じられる。テイクダウン防御力も高く、戦績はソパイと同様に8勝1敗で24歳だ。アドリア海を挟んだ、アルバニアとイタリアのファイターがこれだけのレベルになっていることに、まずは着目したい。

続く第7試合もバンタム級でバルト3国のラトヴィアから、アイルランドでMMAファイターとして切磋琢磨するマティス・ザハロフが、ガムザット・カゴメドフと戦う。

22歳でプロ戦績は4勝0敗、3KOと1つの一本勝ちしているザハロフも、サウスポーの打撃系MMAファイターだ。

奥足となる左の蹴りを多用するザハロフは、蹴りからパンチもしくはパンチからの蹴りで致命傷を負わせることができる。やや肩は開き気味で、ガードが低い構えから蹴りで距離とタイミングを計る。蹴りでリズムを掴むと、ザワロフはハイからの連係で左ストレート、近い位置ではアッパーで仕留めるに掛かる。

対するガムザット・カゴメドフはキャリア4勝1敗、その黒星は先日UFCデビュー戦で敗れたJP・バイスに喫したもので、組みの圧力が打撃の破壊力に通じるコーカサスMMAスタイルの持ち主だ。蹴りたいとザハロフと、組みたいカゴメドフという構図になる。

フライ級ではポスト・フライ級王座決定トーナメントを睨んだ次世代対決=ムハマド・モカエフ✖アブドゥル・フセインというカードが組まれた。

モカエフはIMMAFで2度世界王者になりアマMMA戦績23勝0敗から、昨年8月にプロデビューを果たした英国在住のダゲスタン人選手だ。

プロでも4連勝中で、バーレーン王国直結のKHK MMAに所属し、練習をすることで生活が成り立つ境遇にある。格闘技のベースはグレコだが、そう感じられないほど淀みなくMMAの動きができる。とはいえ、血気盛んな戦闘部族だけに打撃は粗い点に若さが見えるという課題もある。

対戦相手のフセインは乱戦のなかで、要所を締めるファイトでここまで7勝1敗というレコードを残している。打撃を交えたスクランブルMMA、ガチャガチャした流れをフセインがせき止めるのはギロチン、そしてニンジャチョークというフロント系の絞め技だ。モカエフの突進に、これらの絞めがハマる可能性は十分にあるだろう。

20歳の英国人、22歳のラトヴィア人、そして20歳のアルバニア人──背を向け、目を瞑り、耳を塞ぐことはできない中東の戦い──ではないだろうか。

■視聴方法(予定)
3月25日(木・日本時間)、
午前11時30分~ FITE
午前11時30分~ BRAVE TV

■BRAVE CF49計量結果

<スーパーライト級/5分3R>
ルアン・サンチアゴ:74.8キロ
ブノワ・サンドニ:75.2キロ

<61キロ契約/5分3R>
ホゼ・トーレス:60.3キロ
ブライン・オドリスコール:60.6キロ

<フェザー級/5分3R>
ガブリエル・フライ・ミランダ:65.7キロ
ドゥマル・ロア:72.2キロ

<フライ級/5分3R>
ムハマド・モカエフ:57.1キロ
アブドゥル・フセイン:57.1キロ

<バンタム級/5分3R>
ガムザット・カゴメドフ:61.1キロ
マティス・ザハロフ:61.7キロ

<バンタム級/5分3R>
ベルナルド・ソパイ:61.5キロ
フランチェスコ・ヌッツィ:61.1キロ

<ミドル級/5分3R>
チェド・ハネコム:83.9キロ
ドミニク・ショーバー:83.7キロ

<77キロ契約/5分3R>
ジェラウド・コエーリョ:76.6キロ
ガジムサ・ガジエフ:77.0キロ

<フェザー級/5分3R>
アブドゥルマナップ・マゴメドフ:65.9キロ
マクジム・トロクヒムチュク:65.6キロ

<スーパーウェルター級/5分3R>
ソラ・アクセル:79.4キロ
クイッティ・ベガイ:78.9キロ

<バンタム級/5分3R>
グレン・マクベイ:61.7キロ
フリエイ・ハーラシェ:61.4キロ

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Brave CF38 Other MMA Result アブドゥル・アブゥラギモフ エリン・アーベリ ブノワ・サンドニ ブログ ベルナルド・ソバイ

【Brave CF38】試合結果 アブゥラギモフ圧巻。サンドニ、アーベリ&ソパイ──気になる新鋭ゾロゾロ

【写真】クォーターネルソンでセットアップし、ダースを極めたアブゥドラギモフ(C)BRAVE CF

8日(土・現地時間)、スウェーデンのストックホルムでBrave CF3連戦の2大会目=Brave CF38が行われた。

メインで前Brave CFウェルター級王者アブドゥル・アブゥラギモフが、カール・ブースを一蹴し最近を飾った。

今大会ではフランスのブノワ・サンドニ、女子ではスウェーデンのエリン・アーベリなど、新しい力が確実に力をつけていることが確認できた。

なかでもまだまだ粗いがライオンキングの異名を取る19歳のアルバニア人ファイター=ベルナルド・ソパイなど、今後が非常に楽しみだ。

Brave CF38
<175ポンド契約/5分3R>
○アブドゥル・アブゥラギモフ(ロシア)1R4分20秒
ダースチョーク
詳細はコチラ
×カール・ブース(英国)
<ウェルター級/5分3R>
○ブノワ・サンドニ(フランス)2R1分49秒
KO
詳細はコチラ
×マリオ・サイード(英国)
<バンタム級/5分3R>
○ベルナルド・ソパイ(アルバニア)3R
判定
詳細はコチラ
×タリク・イスマイル(カナダ)
<165ポンド契約/5分3R>
○イッサ・イサコフ(ベルギー)3R
判定
詳細はコチラ
×ジャミル・チャン(オランダ)
<56キロ契約/5分3R>
○エリン・アーベリ(スウェーデン)3R
判定
詳細はコチラ
×マーリン・ヘルマンソン(スウェーデン)
<74キロ契約/5分3R>
○ダーヴィド・ヤーコブソン(スウェーデン)3R
判定
×ディルムロド・モブロノフ(スウェーデン)
<72キロ契約/5分3R>
○ロバート・ニストロム(スウェーデン)1R4分46秒
ギロチンチョーク
×ヨアキム・ヤンコビッチ(ノルウェー)
<バンタム級/5分3R>
○ジョニー・トーマ(スウェーデン)3R
判定
×モヘブ・アジジ(スウェーデン)
<68キロ契約/5分3R>
○PK・ザデー(英国)3R
判定
×ワイ・イッド(スウェーデン)
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Brave CF38 other MMA Report ブログ ベルナルド・ソバイ

【Brave CF38】アルバニア発19歳のライオンキング=ベルナルド・ソバイ、イスマイルに勢い勝ち

<バンタム級/5分3R>
ベルナルド・ソパイ(アルバニア)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
タリク・イスマイル(カナダ)

クウェート生まれのカナディアン、6勝0敗でボクシングとムエタイがベースのイスマイルに対し、19歳のソパイのレコードは7勝1敗だ。鋭いローを蹴ったソバイは、打撃戦のなかで右オーバーハンドをヒットさせる。組みついたイスマイルを押し返し、間合を取り直したソバイはジャブから飛びヒザ、組まれて小手を決めた投げを打つ。

荒くアグレッシブなソバイに対し、イスマイルが右ストレートを綺麗に当てる。ミドルを蹴られると、ミドルを蹴り返すソバイはとにかく気持ちが強そうだ。頭を若干沈めて左フックを打ち込んだソバイに対し、イスマイルも即フックを打ち返す。ダブルレッグを切られ下になったソバイ、イスマイルはローを蹴って初回が終わった。

2R、ソバイは構えを変えながら戦い、右ハイをガードの上から蹴り込む。ローを返したイスマイルに左ジャブを入れたソバイが、左ハイを狙う。イスマイルはソリッドに右ボディストレートを返すが、粗くても躍動感のあるソバイに分があるように映る。そのソバイが左ハイを蹴り、左ストレートで前へ。イスマイルも左フックを入れるが、後手を踏んでいる感は否めない。ボディから組んでいったイスマイル、体を回して逃れたソバイは右オーバーハンドを振るっていく。

イスマイルは右ミドルをキャッチされテイクダウンを許すが、即スクランブルからスタンドに戻る。ソバイはここから力の入った右を空振りしタイムに、大きく息をついた。

最終回、キャリア2度目の3Rとなるソバイは右ローから左ジャブ、さらに右に続き左ミドルでイスマイルの腹を抉る。プレッシャーを強めるイスマイルが右ボディフック、右ローを入れ、右ストレートをヒットさせる。ソバイも右ローを蹴り、左を当てるが圧力を感じているか。それでもソバイはワンツーから左ミドルを入れ、攻めの姿勢を崩さない。さらにローを蹴り、左を当てたソバイは右アッパーから左フックを打ち込む。

ソバイは右を見せておいて、後ろ回し蹴りでイスマイルの側頭部を狙うなど、圧を高めたイスマイルに対し、臆することなく攻撃を仕掛ける。ソバイは空振りの後で体当たり──正確な攻撃を見せたイスマイルを上回る戦闘意欲が備わっている19歳のライオンキングがキャリア8勝目を挙げた。

「スペースを与えないで戦うことを心掛けていたんだ。彼は試合前は勢いが良かったけど、ケージに入るとチキンだった。トップと戦い。世界のベストになりたいから」。16歳の時からプロで戦うソバイ、唯一の敗北はロシアのWFCAで喫したもの。完成度はまだまだ、つまりノビシロが多く残しているソバイの今後に注目したい。