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【UFC288】フォークスタイル=ステーリング✖フリースタイル=セフード戦展望─02─、間と圧

【写真】凄まじいフィジカルの持ち主同士、戦い方&思考はセフード=剛✖アルジャメイン=柔 という見方も成り立たないわけではない(C)Zuffa/UFC & MMAPLANET

6日(土・現地時間)、ニュージャージー州ニューアークにあるプルデンシャル・センターにてUFC 288「Sterling vs Cejudo」が開催され、メインでUFC世界バンタム級王者アルジャメイン・ステーリングにトリプルCこと元UFCフライ&バンタム級王者のヘンリー・セフードが挑む。
Text by Isamu Horiuchi

両者の1年に渡る伏線から、試合直前の舌戦を経て世界最高峰の座を争うのに相応しい技術的な側面を考察したい。

<アルジャメイン・ステーリング✖ヘンリー・セフード考察Part.01はコチラから>


ESPNでのZOOM共同インタビューはセフードとステーリングが自らのファイトを論題とし、ディベートと化し熱を帯びていった。

セフードが「お前の戦い方など分かる。前に出てきて前蹴りを放ち、えらい遠くからテイクダウンを狙ってくるんだろ。ラテラルムーブメント(横の動き)も使いながらな。俺はお見通しだ。お前など及びもつかない高いファイトIQがあるからな!」と先陣を切る。

(C)Zuffa/UFC

対してチャンピオンも「俺に別のプランがないと思っているのか?

俺は試合中に戦い方を変えることができるんだ。あんた自分を過大評価しすぎなんだよ。一人でイージー・ファイトだと思っているがいい。あんたは試合が始まった瞬間、自分はバカだったと気づくんだ。マイティマウス(DJ)があんたにやったのと同じことをやってやるからな。柔術で極めるのではなく、ぶっ倒してやる」と言葉を返す。

このような舌戦を展開し試合を盛り上げつつも、両者とも試合に向けての準備は抜かりない。セフードは復帰に向けて地元アリゾナでフィジカルから栄養、そして打倒ステーリングに必要な各能力を段階的に築き上げる綿密なファイトキャンプを計画&実行。

さらにかつての宿敵DJ(以前セフードは、ONE にてアドリアーノ・モラエシュ戦を控えたDJの練習を手伝った)もアリゾナに招き、さらなる技術の習得にも余念がないようだ。

(C)Zuffa/UFC

対するステーリングも、地元ロングアイランドで順調に調整を進めている。

セフードがDJと練習していると聞くと「俺はマイティ・マウス(DJ)の何倍も力が強いぜ」一笑に付した現王者は、こちらも軽量級のレジェンドであるドミニク・クルーズと練習。自分の戦いに役立つアドバイスを得ることができたと満足げだ。

さらにコロンビア大学のレスリング部(NCAA D1)に出向き、ヘッドコーチにして、かつてセフードと一緒にオリンピック・トレーニングセンターで一緒だったザック・タネーリ氏とも練習するなど、着々とセフード対策を進めている。トレーニングパートナーとして、セフードと似た体格のトップランカーのドゥヴァリシビリがいることも大きな利点だろう。

最後に、この両者の攻防における注目点をいくつか挙げてみたい。

まずはなんと言っても、スタンドの主導権をどちらが取るか。レスリングをバックグラウンドに持つ両者だが、MMAの最高峰に上り詰めることができたのは、高度な打撃技術を併せ持つからこそ。そして二人の打撃スタイルはきわめて対照的だ。

(C)Zuffa/UFC

殺傷力で大きく勝るのはセフードだ。

リーチは163センチと短いものの、松濤館空手を取り入れた遠い間合いのコントロールに長け、そこから素早くステップインしての右は一撃必殺の威力を持つ。踏み込んでのローも強烈だ。クルーズ戦では変幻自在のステップに幻惑されることもなく、ローを当て立ちの攻防を制していった。

(C)Zuffa/UFC

が、ステーリングはセフードの攻めを無効化するのに適した戦い方を持つ。

180センチという長いリーチを活かし、蹴りを多用して距離を取ることに巧みな現王者。左右の立ち方を自在に使い分け、テイクダウンのフェイントも交えながら、相手が距離を詰めようとするその出鼻にノーモーションの左右ジャブ、前手でのヒジ、スピニングエルボー等多彩な打撃を先に当てては横に動く。「ファンクマスター」の異名の通り、まさにファンキーにして変則的なスタイルだ。

「そんなお前の戦い方などお見通しだ」と語ったセフードは、いかにステーリングの手数を突破して間合いを詰め、強打を打ち込むつもりなのか。逆にステーリングはセフードの侵攻を止め続けることができるのか。

両者とも弱点らしきものがないわけではない。ステーリングはペドロ・ムニョス戦後に「俺の足はクソ細いから奴のローは効いたぜ」と認めたことがあった。逆にセフードはDJとの第1戦ではボディへのヒザで倒されており、今回ステーリングは「腹が奴を攻略する鍵になる。酒ばかり飲んでいた肝臓をテストしてやるよ」と語っている。いかに自分の弱点を守りつつ相手のそれを突くか、ともに自負するファイトIQの高さが問われるところだ。

この立ち技の攻防に加わる重要なピースが、テイクダウンを起点とするレスリングの攻防だ。寝技に絶対の自信を持つステーリングは「奴は俺とレッスルしたがらず、打撃で戦いたがるだろう」と予測するが、同時に「奴が(強打を狙って)間合いを詰めてきた時は、俺が組み付ける距離になるってことだよ」と、試合を組みに持ち込む自信を覗かせている。が、セフードは言わずと知れた金メダリスト。これまでMMAの試合でテイクダウンされたことはない。「あんたの体を浮かせてやる」というステーリングの予言は本当に成就するのか。

そのステーリングの最大の武器はバックコントロール&チョーク。別にセフードを倒して背中を付けさせる必要はなく、流れの中でバックを奪えば目的達成だ。「奴はフリースタイルレスラー。俺はフォークスタイルレスラー。この違いは大きいよ」と語るステーリングのレスリングが、MMAにおいて金メダリストを凌駕する場面は見られるか。

またステーリングが認めていたように、セフードが得意の大内刈りを決めて上になる場面も想像できる。もしそうなれば、寝技においても異なるスタイルによる興味深いせめぎ合いが見られるだろう。

(C)Zuffa/UFC

セフードのグラウンド&トップでの武器は圧とパウンドだ。

カレッジに進まず、フリースタイルに特化し五輪センターでの日々を送って金メダリストとなったセフードは、このレスリングをDJとの第2戦で駆使して僅差の判定をものにした。今回の練習メニューでもグラウンド&パウンドを重点的に組み込んでいる模様だ。

一方ステーリングの寝技は、フォークスタイル独特のボディクラッチのないコントールに最先端のノーギ・グラップリングの影響をより強く受けたもの。ジョン・ダナハーの弟子にして世界最高峰のテクニシャンの一人として呼び声高いジェイソン・ラウの指導を受けるステーリングは、「もし俺をテイクダウンしても、俺のガードの中で苦労するのは奴の方だ」と語る。

(C)Zuffa/UFC

予告した三角絞めの他にも、足関節やさまざまな下から崩し、スクランブルに持ち込む形を持っているだろう。

それがセフードの強力きわまるトップコントロールに通用するのか。

そしてステーリングは、一度上になれば無類の強さを誇る。相手のガードの中にステイすることなく、まず腰を制してから上半身のコントロールに移行してポジションを進めるきわめて現代的なパスガードの使い手であり、スクランブルを試みた相手からバックを奪いチョークにつなげる流れは天下一品だ。もし下になった時、驚異のフィジカルを持つセフードがどう対処するかも興味深い。

打撃、レスリング、グラップリングとどの局面においても、全く異なるスタイルをきわめて高いレベルで実践する両者の頂上決戦。3年間不在だったセフードに人気と知名度で遅れを取り、試合前の舌戦でも押され気味の印象が否めないステーリングは、ハードワークを重ね戦績を積み上げてきた現役王者の意地を見せることはできるのか。それとも傲慢不遜なるセフードが、ブランクをものともせずに現王者を凌駕し、改めてその天才ぶりとファイトIQの高さを見せつけ、前人未到の3階級制覇&4冠王に王手をかけるのか。

世界最高峰のMMAの攻防を、心ゆくまで堪能したい。

■視聴方法(予定)
5月7日(日)
午前7時00分~UFC Fight Pass
午前11時00分~PPV
午前6時30分~U-NEXT

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【UFC288】UFC世界バンタム級選手権試合=ステーリング✖セフード展望─01─、プロローグ&前哨舌戦

【写真】トリプルCからクアドラプルCを狙うことを公言したセフードと現王者のアルジャメイン。話術も優れた両者(C)Zuffa/UFC & MMAPLANET

6日(土・現地時間)、ニュージャージー州ニューアークにあるプルデンシャル・センターにてUFC 288「Sterling vs Cejudo」が開催される。
Text by Isamu Horiuchi

クロン・グレイシーが約3年半ぶりに復帰し、シャルル・ジョーデインと戦うなど興味深いカードが揃った今大会だが、最注目はやはりメインイベントのUFCバンタム級タイトルマッチ、王者アルジャメイン・ステーリング✖ヘンリー・セフードだ。


今回3度目の防衛戦を迎えるステーリングだが、もともとこの王座は3年前、当時圧倒的な強さを誇っていたセフードが引退発表と共に返上したものだ。

2008年北京五輪フリースタイルレスリング55キロ級金メダリストのセフードがMMAの頂点に立ったのは、2018年8月のこと。一度は完敗を喫したフライ級絶対王者デミトリウス・ジョンソンに再挑戦し、判定2-1で接戦を制して世界を驚かせたのだ。

続く翌年1月には、あえて階級を落として挑んできたバンタム級王者TJ・ディラショーと王者同士の決戦へ。このスーパーファイトも1R0分32秒KOで制したセフードは、軽量級最強の座を不動のものとした。

その後、禁止薬物EPOの使用が発覚したディラショーがバンタム級王座を返上すると、7月にセフードはマルロン・モラエスとのバンタム王座決定戦に臨む。2Rに打撃で圧をかけ主導権を奪うと、3Rにヒザでダメージを与えるや上を取って強烈な鉄槌を連打してTKO勝利。この勝利を受けてセフードは、「俺はただのチャンプ・チャンプ(二冠王)ではない。我こそはTriple C(トリプルチャンプ=五輪金+UFC二階級制覇)。歴史上最も偉大な格闘家だ!」と勝ち誇った。

続く2020年5月、セフードは元王者ドミニク・クルーズとバンタム級王座の初防衛戦に。序盤から打撃戦で主導権を握り、2Rにカウンターの右ヒザをヒット。さらに追撃を加えてTKOに下した。そして直後の勝利者インタビューにてセフードは、もう全て達成し尽くしたと引退を宣言。世界を獲ったレスラーが打撃でMMAの頂点に君臨するという、恐るべき戦いの才の底を見せぬままベルトを返上し、オクタゴンを去ったのだった。

空位となったバンタム級王座は、7月の決定戦でジョゼ・アルドを下したピョートル・ヤンが獲得。2021年3月にこのヤンに挑んだのがステーリングだが、体重調整の失敗が原因で中盤から失速してしまう。しかし4R、片ヒザをマットに付けたステーリングの顔面にヤンが膝を当ててしまい、ステーリングが試合続行不可能となりヤンは反則失格に。新王者となったステーリングは敗色濃厚の展開で最後は打ちのめされるという──なんとも嬉しくない戴冠となってしまった。

昨年4月にステーリングはヤンと再戦。2、3Rに見事なテイクダウンからバックを奪って完全にコントロールすると、4、5Rはヤンの猛追をかわしきって判定2-1で勝利──王者に相応しい実力を証明しての初防衛だった。

続く10月には、元王者TJ・ディラショーと2度目の防衛戦を戦う。ステーリングは1Rに肩を脱臼して片腕で戦う挑戦者をテイクダウンして一方的に攻め込むと、2Rにマウントパンチを連打して圧勝した。

そんな世界の頂点に君臨する王者ステーリングに、セフードが復帰第一戦でいきなりタイトル挑戦する形となった。

実は両者の対戦の機運は、セフードが昨年4月に復帰を宣言し、USADA(米国アンチドーピング機構)の検査選手リストに再加入した直後から作られていた。この時期にヤンとの2戦目を制してバンタム級王者の座を不動のものとしたステーリングは、ダニエル・コーミエーのYoutubeチャンネルの企画でアリゾナ州にあるセフードの自宅を訪問。コーミエを司会役にして机に向き合った両者は、来るべき対戦について語り合ったのだった。

「引退後、ジョン・ジョーンズやデイヴィドソン・フィゲレード等をコーチすることを通してMMAの見方が断然変わったよ。以前よりはるかに深い理解を得て賢くなった。そして今でも戦う力があると分かっているから戻ってきたんだ」と話すセフードは、現王者を目の前にしてコーミエに「この男が王者となるなんて思っていなかったよ。あまりにも多くの欠点があるからね。俺と戦うことになればそこが露呈するさ。こいつとの試合は俺にはイージーマネーだな!」と言い放つ。

さらにステーリングに向かって「お前は力は持っているよ。特に長い手足は最大の長所だ。でもお前はまだ自分の能力の全てを理解してはいない。そこを理解して、単なるファイターではくコンペティターとして上達すれば、もっと危険な選手になるだろうがね。まあ怒らず聞けって、俺様が褒めてやっているんだから」と言い放つと、さらに「お前は俺をKOする力を持ってはいる。その長い手足を使ってな。特にヒザだ。それがお前が俺を倒す一番の可能性だろうが、俺は賢いからそんなことさせるわけはない。俺はコンペティターとして誰よりも優れているんだ」と上から目線&余裕の表情で現役王者を論評した。

当然ステーリングも言われっぱなしでは終わらない。「俺はいつもそうやって負けると言われてきたけど、試合でそういう奴らを黙らせてきた。それこそ俺の生きがいだ。ファイトじゃなくコンピートする必要があるというのは同意だが、その点でもあんたを上回るさ」と反論をスタートさせると、「俺はレスリングでもあんたと渡り合える。ダブルアンダーフックを取ればあんたの体を浮かせることができるし、たとえあんたが得意のインサイドトリップ(大内刈り)で俺をテイクダウンしたとしても、すぐに三角絞めに捕らえてやるよ。俺はまだ自分の戦い方の半分も見せていない」と言葉を続けた。

こうしてSNS時代ならではの手法を用いて、現王者と元王者は将来の対戦の布石を打ったのだった。そしてステーリングが昨年10月にディラショーを倒して王座防衛に成功した後、両者の試合は正式に決定した。

そして──試合を約1カ月後に控えた3月末、再びコーミエの司会のもと、両者はESPNが企画するZOOM会議で論戦を交わすこととなる。

予定の時間にやや遅れて入室したセフードは、ステーリングが遅刻に不快感を表していると聞き「まあ本物のキングは自分のやりたいように行動するってことだ!  アルジョよ、キングの前にひざまづく準備はできているか? ダニエル、こいつはいつも俺から逃げているんだ。今回も直前で逃げ出すかもしれないから、UFCはこいつのボーイフレンドのマラブ(・デカリシビリ。ステーリングの同門にしてバンタム級トップランカー)を代役に用意しておいた方がいいだろうな!」と傲慢キャラクターを全開に。

さらに「俺が復帰する理由は、フェザー級のベルトを取るためだよ。その前にバンタム級王者であるこいつを倒し、その後ショーン・オマリーも倒してから、(アレックス)ヴォルカノフスキーと戦う。こいつらは俺にとっては単なる踏み台に過ぎないな! お前は(ヤン初戦で)アカデミー賞並の演技でタイトルを獲得しただけだ。次の試合はジャッジの間違いだ。その次のTJなど、俺が32秒で倒した男だ。奴がEPO(禁止薬物)を使ってきたにもかかわらずだ。そんな野郎が片腕だけで戦っていたのに、お前は倒すのに2Rもかかったんだ」と、ステーリングが苦闘の末に掴み取った栄光の軌跡まで侮辱し続ける。

さらに「アルジョよ、次の試合でお前は死ぬのだぁ! WHOO!」とリック・フレアーの物真似まで繰り出して挑発してみせた。

当然王者ステーリングも黙ってはおらず、「そもそもあんたがどうして引退したかを思い知らせてやるよ。おい、今この場で “I quit (私はもう辞めました)”と言ってみろよ。そのニヤついた顔をぶん殴るのが待ち切れないぜ」と言い返したのだった。

もっとも話題は単なる煽り合いだけでは終わらず、両者は具体的な試合展開についても言及している。

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
5月7日(日)
午前7時00分~UFC Fight Pass
午前11時00分~PPV
午前6時30分~U-NEXT

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UFC Result UFC249 アンソニー・ペティス カルヴィン・ケイター ジャスティン・ゲイジー トニー・ファーガソン ドナルド・セラーニ ドミニク・クルーズ フランシス・ガヌー ブライス・ミッチェル ブログ ヘンリー・セフード ヴィセンチ・ルケ

【UFC249】試合結果 コンディションは不完全も、選手たちは今、戦う意志を選手が見せつけた

9日(土・現地時間)、UFC249「Ferguson vs Gaethje」がフロリダ州ジャクソンビルのヴィアスター・ベテランズ・メモリアル・アリーナで開催された。

ジャカレ・ソウザのコロナウィルス陽性という衝撃な事件があっても、大会は決行されメインでジャスティン・ゲイジーがトニー・ファーガソンを破りUFC暫定世界ライト級に王者に。

コ・メインではドミニク・クルーズをTKOで下し、UFC世界バンタム級王座の防衛に成功したヘンリー・セフードがケージ内で引退を宣言した。

世界各地がロックダウン、外出自粛という状況で準備をしてきたファイター達の動きは、やはり平時よりも見劣りした。しかし、それ以上に今、戦う強い意志が感じられる選手が多く──世界の最高峰を戦うファイターたちの生き様が見られるイベントだった。

ファイト・オブ・ザ・ナイト=ジャスティン・ゲイジー✖トニー・ファーガソン
パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト=ジャスティン・ゲイジーフランシス・ガヌー

試合結果は以下の通りだ。

UFC249「Ferguson vs Gaethje」
<UFC暫定世界ライト級王座決定戦/5分5R>
○ジャスティン・ゲイジー(米国)5R3分39秒
TKO
詳細はコチラ
×トニー・ファーガソン(米国)
<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
○ヘンリー・セフード(米国)2R4分58秒
TKO
詳細はコチラ
×ドミニク・クルーズ(米国)
<ヘビー級/5分3R>
○フランシス・ガヌー(カメルーン)1R0分20秒
KO
詳細はコチラ
×ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク(スリナム)
<150.5ポンド契約/5分3R>
○カルヴィン・ケイター(米国)3R
判定
詳細はコチラ
×ジャレミー・スティーブンス(米国)
<ヘビー級/5分3R>
○グレッグ・ハーディー(米国)3R
判定
詳細はコチラ
×ヨーガン・デ・カストロ(米国)
<ウェルター級/5分3R>
○アンソニー・ペティス(米国)3R
判定
詳細はコチラ
×ドナルド・セラーニ(米国)
<ヘビー級/5分3R>
○アレクセイ・オレイニク(ロシア)3R
判定
詳細はコチラ
×ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル)
<女子ストロー級/5分3R>
○カーラ・エスパルザ(米国)3R
判定
詳細はコチラ
×ミッシェレ・ウォーターソン(米国)
<ウェルター級/5分3R>
○ヴィセンチ・ルケ(ブラジル)3R3分37秒
TKO
詳細はコチラ
×ニコ・プライス(米国)
<フェザー級/5分3R>
○ブライス・ミッチェル(米国)3R
判定
詳細はコチラ
×チャールズ・ロサ(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
○ライアン・スパーン(米国)3R
判定
詳細はコチラ
×サム・アルヴィー(米国)


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Report UFC UFC249 ドミニク・クルーズ ブログ ヘンリー・セフード

【UFC249】右フック後のダックにヒザを合わされドミニク、TKO負け。セフードは何と、引退宣言!!

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
ヘンリー・セフード(米国)
Def.2R4分58秒by TKO
ドミニク・クルーズ(米国)

コール時にシャッフルを披露しているドミニク。前後、斜めに動くドミニクに対し、セフードが前に出て右ローを蹴る。さらにセフードは前進に強烈な勢いで右ローを蹴り込む。ドミニクの最初のテイクダウン狙いは切られ、ローを左右の足に受ける。足を止めさせる戦術に出たのか、セフードは徹底してローを蹴り、その蹴り足を掴まれて姿勢を乱してもすぐに立ち上がる。

前への動きが少ないドミニクが、飛び込んでヒザ蹴り。キャッチしたセフードがテイクダウンを奪い、すぐにドミニクがスクランブルからスタンドに戻る。またもテイクダウンを取れなかったドミニクだが、がぶることは許さず立ち上がり、セフードの右をかわす。前に出て右から左フックを当てたセフードが左ハイ、ドミニクは右ローで体がよれる。ドミニクの前進をロー、入られるとフックで迎えうつセフードを、テイクダウンのフェイクで動かせるドミニク。右を振るっての組みを察知したセフードが初回を取った。

2R、オーソからスイッチして前足でハイを蹴ったドミニクに対し、ローから左ミドルをセフードが蹴っていく。姿勢を乱しても、生来の軸の強さがすぐに姿勢を戻すセフードが、サウスポーになったドミニクに右インサイドローを蹴る。パンチの交換から、離れたドミニクにローを続けるセフードは右ハイ、ドミニクはセフードの背後まで走り抜くという動きは見られない。

それでも右オーバーハンドを当て、左右のコンビを決めたドミニクはケージを背負い、ローを受ける。近距離をダックから回り、背後を取ったドミニクだが、セフードは前進を止めない。ローを蹴られたドミニクが、左ローを返す。セフードは左からのシングルを切り、間へ。右に回ったドミニクの動きに反応したセフードは、頭を振って踏み込むと頭が当たり出血。ブレイクが入るが、試合はすぐに再開される。その場跳びパンチから、左を見せたドミニクだが、右フック後に頭を下げたところでヒザ蹴りを受けて後方にダウンを喫する。

立ち上がる隙を与えず、距離を詰めて右を当て、ここから左のパンチをボディコントロールで連打しレフェリーが試合をストップ。ドミニクはストップに不満げの表情を浮かべたか、これは致し方ないところだ。

「俺は史上最高のコンバットスポーツ・アスリートだ」と言うや、なんとセフードは引退を宣言し、ケージを下りた。一方、ドミニクは「立ち上がるところだったから、納得はしていない。倒れていれば、納得するけどね。僕は立ち上がろうとしていた。立ちあがるところだったんだ」という主張を繰り返した。


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Preview UFC249 ドミニク・クルーズ ブログ ヘンリー・セフード

【UFC249】Last Minute シャッフルの終着点、スクランブルゲームの変化──セフード✖ドミニク戦を考察

Dominic【写真】あの日の強さは維持できているのか。そして、あの日よりも強さを手にしているのか(C)MMAPLANET

ジャカレ・ソウザがコロナウィルスに感染していることが判明するなど予断を許さない状況のなか、いよいよ9日(土・現地時間)にフロリダ州ジャクソンビルのヴィスター・ベテランズ・メモリアル・アリーナでUFC249が開催される。

MMAPLANETではこのファイトウィーク、2016年12月30日以来の実戦がUFC2階級制覇からフライ級王座を返上したヘンリー・セフードの持つベルトへチャレンジとなったドミニク・クルーズに最大の注目をしてきた。

スイッチを多用し、上中下・左右と攻撃を散らし、それまでのMMAの概念を超えた前後の動きで革命を起こしたドミニクも、今や35歳を迎える。前進もそうだが、あのバックステップの速さと距離、当てない攻撃を触覚として、届く攻撃を割り出す──コンピューターのような動きが、これだけのブランクがあって再現できるのか。


いや再現できるだけでなく、セフードに勝利するには以前よりも強くなっていなければならない。別記事のDEEPフェザー級チャンピオン弥益ドミネーター聡志の見立てのようにセフードは対戦相手のステップワークに意に介さず、ガンガン前に出ていく。

そんなセフードだが、MMAからUFCデビュー後はもっと慎重にタイミングを計るような打撃を使っていた。それがBellator世界フェザー級&ライト級世界王者のパトリシオ・フレイレとトレーニングンをするようになり、殴られても殴るという意識を持つようになったのか、上手く戦うのではなく強く戦うようになり打撃の質が変化した。

ワイドスタンス、左足を前に踏み出し、まるで前屈立ちのような構えから、レスラー特有の鋭い踏み込みで右のパンチをボディ&顔面に入れ、蹴りも上中下と放つことができる。基本、右中心の攻撃だが、ここに五輪で世界の頂点にたったシングルレッグなどテイクダウンを加わることで、威力十分の右パンチの打ち出しが見えなくなるという強みがある。

対してドミニクのシャッフルMMAは、終着点がテイクダウンだ。打撃を散らし、相手も消耗させておいて、組んで倒す。ここからのコントロールが試合のコントロールとなり、対戦相手の思考を奪っていく。また組み伏せるだけでなく、水垣偉弥をKOしたようにMMA特有のスクランブル打撃にも長じている。

そんなテイクダウンからスクランブルゲームをドミニクはセフードに仕掛けることができるのか。攻撃の意識が強くなったセフードだが、テイクダウンを切る能力には一片の陰りも見られない。逆に綺麗に戦おうとしていたときより、力強さが増している。スプロール、がぶり、クレイドルからバック奪取とパワー溢れる流れで試合をコントロールできる。

当然のようにドミニクが胸を合わせてクリンチに入れたとしても、そこからの耐久力とカウンターとなるテイクダウン能力にしても、MMA随一といっても過言でないだろう。さらにいえばテイクダウンを奪った後も、試合を支配できるとは限らない。なんといってもドミニクが休養していた3年間で、MMAが最も進化したのは──このスクランブルゲームだ。テイクダウン防御も誰もが強くなったが、そこで距離が詰まった状態での打撃戦が増え、またテイクダウンも若干取れるという状況にはある。

しかし、ここから相手の背中をマットにつけさせ続けることは非常に困難になった。テイクダウンを奪ったとしても、クラッチをしっかりと握り、胸を合わせた状態で抑え込んだ先に待っているのはブレイクだ。こうなると抑え込んだ分だけ、力を消耗してしまう。だからいって、腰の辺りのクラッチでは到底立ちあがる力を制御できなくなった。それこそが、ここ3年のMMAだ。ならストップもされず、ダメージを与えるにはパウンドという手段があるが、そのためにスペースを与えると待っていましたとばかりに、立ち上がられてしまう。

そこからのバック奪取は、バックを維持できず落とされてからのオモプラッタ、三角、腕十字というサブミッションの流れを生んだが、多くのファイターはスクランブルを繰り返すことになる。スクランブルゲームの進化に対し、ドミニクはどのような考えでいるのかとバーチャル・メディアデーで尋ねると、彼はこのように返答した。

「僕自身、徹底してホールディング・ダウンの練習をしてきた。テイクダウンはそこからの試合を有利に進めるための入り口になる。何もサブミッションという特定した場合だけでなく、クリンチにしてもそうだ。ヘンリーは習慣のようにオーバーフック、ダブル・アンダーフックからのインサイドトリップを使う。あるいはタイクリンチにも移行している。力強く、多数の手段を持っている。僕もスクランブルが必要だし、彼もスクランブルをしてくる。そしてバンタム級のファイターは、皆がマーシャルアーツをしっかりと理解しているんだ。テイクダウンの瞬間、それが試合の流れを掴むことになる。僕が凄く好きな部分でもあるよ」

さすがに手の内は明かさなかったドミニクだが、その言葉以上に自然と腕を差す動作が見られるなど十分にセフードを研究し、同時に自分のやるべきことを見つけ出しているように感じられた。

セフードが、ドミニクのステップに惑わされずに前に出て戦うことができるのか。ドミニクは組みまでのプロセスを成功させて、テイクダウンに持ち込めるのか。その結果、スクランブルゲームで試合を優位に進めるのはどちらになるのか。打撃、組み、角度、距離、手数、スタミナ、そしてスピード、全てのMMAの要素で最高レベルの攻防が見られる──至高の25分間となりそうだ。


■UFC249計量結果

<UFC暫定世界王座決定戦/5分5R>
トニー・ファーガソン: 155ポンド(70.31キロ)
ジャスティン・ゲイジー: 155ポンド(70.31キロ)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]ヘンリー・セフード: 135ポンド(61.24キロ)
[挑戦者]ドミニク・クルーズ: 135ポンド(61.24キロ)

<ヘビー級/5分3R>
フランシス・ガヌー: 261.5ポンド(118.61キロ)
ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク: 260ポンド(117.93キロ)

<フェザー級/5分3R>
ジェレミー・スティーブンス: 150.5ポンド(68.26キロ)
カルヴィン・ケイター: 146ポンド(66.22キロ)

<ヘビー級/5分3R>
グレッグ・ハーディー: 265.5ポンド(120.42キロ)
ヨーガン・デ・カストロ: 262ポンド(118.84キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ドナルド・セラーニ: 171ポンド(77.56キロ)
アンソニー・ペティス: 170.5ポンド(77.34キロ)

<ヘビー級/5分3R>
アレクセイ・オレイニク: 227.5ポンド(103.19キロ)
ファブリシオ・ヴェウドゥム: 243ポンド(110.22キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
カーラ・エスパルザ: 115.5ポンド(52.38キロ)
ミッシェレ・ウォーターソン: 115ポンド(52.16キロ)

<ミドル級/5分3R>
ホナウド・ジャカレ: 186ポンド(84.37キロ)
ユライア・ホール: 186ポンド(84.37キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ヴィセンチ・ルケ: 170ポンド(77.11キロ)
ニコ・プライス: 170.5ポンド(77.34キロ)

<フェザー級/5分3R>
ブライス・ミッチェル: 145.5ポンド(66.0キロ)
チャールズ・ロサ: 146ポンド(66.22キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
サム・アルヴィー: 205ポンド(92.99キロ)
ライアン・スポーン: 206ポンド(93.44キロ)

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【UFC249】DEEPフェザー級チャンプ弥益ドミネーター聡志による、ドミニク・ドミネイター・クルーズ論

Yamasu【写真】5月6日の王座防衛戦が中止となったドミネーターも、独特なステップを踏む選手だ。在宅勤務が続くなか、この一戦を非常に楽しみにしているとのことだった(C)MMAPLANET

9日(土・現地時間)にフロリダ州ジャクソンビルのヴィスター・ベテランズ・メモリアル・アリーナで開催されるUFC249。メインのUFC暫定世界ライト級王座決定戦=トニー・ファーガソン✖ジャスティン・ゲイジー戦以上に、日本のMMAファンや関係者はセミのUFC世界バンタム級選手権試合=王者ヘンリー・セフード✖挑戦者ドミニク・クルーズへの注目度が高いといっても過言でない。

その理由はドミニク・クルーズにある。MMAを変えたシャッフル、徹底した技術主義は工夫して戦うという部分で、多くの日本人選手の指標ともなった。DEEPフェザー級チャンピオン弥益ドミネーター聡志も、ドミニク・クルーズ信者の1人だ。


なんせリングネームのドミネーターは、ドミニク・クルーズのニックネームであるドミネイター(ドミニクの入場曲もアーミン・ヴァン・ブーレンの「ドミネイター」)から取られている。そんな弥益が、この一戦の行方を予想してくれた。ドミネーターに依るドミネイター論、ドミニク寄りの試合展開の予想は以下の通りだ。

弥益ドミネーター聡志
「ドミネーターがドミニク・クルーズから来ていることを知らない人が多いんですよね(笑)。この試合の流れはドミニクが、如何に圧を掛けられるかにかかってくるかと思います。ステップで圧を掛けることができたら、ドミニクのペースで戦えるかと。ただし、セフードは圧力を気にせず突っ込むところがあるので……。ステップを使う選手は気にせずに突っ込んでくる選手は苦手にするケースが往々にあります。

もちろんスタミナも削られてしまいますし……。ドミニクは実戦から遠ざかっているうえに、コロナ問題は米国も大変な状況になっているので、圧を掛けられた時のスタミナ面が不安要素かと思います。だからこそドミニクには以前のステップもそうですが、早い段階での攻撃力に期待しています。要所でラッシュをかけて欲しいです。

もう100パーセント、ドミニクに頑張って欲しい目線で見ています。ドミニクが厳しいという気持ちもありますが、あの頃の姿を見てきたのでただで終わって欲しくない。ほんと、何かを見せてくれると信じています」

■UFC249計量結果

<UFC暫定世界王座決定戦/5分5R>
トニー・ファーガソン: 155ポンド(70.31キロ)
ジャスティン・ゲイジー: 155ポンド(70.31キロ)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]ヘンリー・セフード: 135ポンド(61.24キロ)
[挑戦者]ドミニク・クルーズ: 135ポンド(61.24キロ)

<ヘビー級/5分3R>
フランシス・ガヌー: 261.5ポンド(118.61キロ)
ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク: 260ポンド(117.93キロ)

<フェザー級/5分3R>
ジェレミー・スティーブンス: 150.5ポンド(68.26キロ)
カルヴィン・ケイター: 146ポンド(66.22キロ)

<ヘビー級/5分3R>
グレッグ・ハーディー: 265.5ポンド(120.42キロ)
ヨーガン・デ・カストロ: 262ポンド(118.84キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ドナルド・セラーニ: 171ポンド(77.56キロ)
アンソニー・ペティス: 170.5ポンド(77.34キロ)

<ヘビー級/5分3R>
アレクセイ・オレイニク: 227.5ポンド(103.19キロ)
ファブリシオ・ヴェウドゥム: 243ポンド(110.22キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
カーラ・エスパルザ: 115.5ポンド(52.38キロ)
ミッシェレ・ウォーターソン: 115ポンド(52.16キロ)

<ミドル級/5分3R>
ホナウド・ジャカレ: 186ポンド(84.37キロ)
ユライア・ホール: 186ポンド(84.37キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ヴィセンチ・ルケ: 170ポンド(77.11キロ)
ニコ・プライス: 170.5ポンド(77.34キロ)

<フェザー級/5分3R>
ブライス・ミッチェル: 145.5ポンド(66.0キロ)
チャールズ・ロサ: 146ポンド(66.22キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
サム・アルヴィー: 205ポンド(92.99キロ)
ライアン・スポーン: 206ポンド(93.44キロ)

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【UFC249】計量終了、いよいよUFC249へ。ジェレミー・スティーブンスが体重オーバーに

UFC249【写真】選手権試合出場選手をはじめ、注目カードが並んだ今大会。計量失敗は1人、体調不良は現時点では出ていない。写真はメディアに配布された映像からキャプチャーしたもの (C)Zuffa/UFC

9日(土・現地時間)にフロリダ州ジャクソンビルのヴィスター・ベテランズ・メモリアル・アリーナで開催されるUFC249の公開計量が行われた。

無観客で開催される今大会は当然のようにセレモニアル計量&フェイスオフは行われない。メディア、コミッション関係者、スタッフもマスク姿でソーシャルディスタンスを保ちつつ各選手の計量は進んだ。ユライア・ホール、チャールズ・ロサがマスク着用でスケールに乗り、そのホールと対戦するジャカレ・ソウザはマスクだけでなく手袋も装着していた。

Ngannou vs Rozenstruik出場選手だけでなくメディアにも検査が実施された今大会、フェイスオフでは額を合わせるような近距離になることがなくても、向き合って握手をするというシーンは見られ、ダナ・ホワイトも間に入り選手との接触はあった。

もちろん、それすら認められないのであればファイトなの以ての外ということになるが、1カ月半ぶりのフェイスオフは本来我々にとっては見慣れたもののはずなのに、ニューノーマルの時代にあって非常に珍しいように目に映った。


調整が容易でない状況での今大会、体重オーバーはただ1人──ジェレミー・スティーブンスが5.5ポンド重く、ファイトマネーを30パーセントの没収になりキャッチウェイト戦をカルヴィン・ケイターと戦うことになっている。

UFC249プレビュー纏め
ジャスティン・ゲイジーの会見でのコメントはコチラから
ヘンリー・セフードの会見でのコメントはコチラから
ドミニク・クルーズの会見でのコメントはコチラから
ヴィセンチ・ルケ インタビューはコチラから
ファブリシオ・ヴェウドゥム インタビューはコチラから
ヴィセンチ・ルケ✖ニコ・プライス、見所はコチラから
フランシス・ガヌー✖ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク、見所はコチラから

なお計量結果は以下の通りだ。

■UFC249計量結果

<UFC暫定世界王座決定戦/5分5R>
トニー・ファーガソン: 155ポンド(70.31キロ)
ジャスティン・ゲイジー: 155ポンド(70.31キロ)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]ヘンリー・セフード: 135ポンド(61.24キロ)
[挑戦者]ドミニク・クルーズ: 135ポンド(61.24キロ)

<ヘビー級/5分3R>
フランシス・ガヌー: 261.5ポンド(118.61キロ)
ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク: 260ポンド(117.93キロ)

<フェザー級/5分3R>
ジェレミー・スティーブンス: 150.5ポンド(68.26キロ)
カルヴィン・ケイター: 146ポンド(66.22キロ)

<ヘビー級/5分3R>
グレッグ・ハーディー: 265.5ポンド(120.42キロ)
ヨーガン・デ・カストロ: 262ポンド(118.84キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ドナルド・セラーニ: 171ポンド(77.56キロ)
アンソニー・ペティス: 170.5ポンド(77.34キロ)

<ヘビー級/5分3R>
アレクセイ・オレイニク: 227.5ポンド(103.19キロ)
ファブリシオ・ヴェウドゥム: 243ポンド(110.22キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
カーラ・エスパルザ: 115.5ポンド(52.38キロ)
ミッシェレ・ウォーターソン: 115ポンド(52.16キロ)

<ミドル級/5分3R>
ホナウド・ジャカレ: 186ポンド(84.37キロ)
ユライア・ホール: 186ポンド(84.37キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ヴィセンチ・ルケ: 170ポンド(77.11キロ)
ニコ・プライス: 170.5ポンド(77.34キロ)

<フェザー級/5分3R>
ブライス・ミッチェル: 145.5ポンド(66.0キロ)
チャールズ・ロサ: 146ポンド(66.22キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
サム・アルヴィー: 205ポンド(92.99キロ)
ライアン・スポーン: 206ポンド(93.44キロ)

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【UFC249】舌戦前のヘンリー・セフード「ピョートル・ヤンはちゃんと英語を話せるようにならないとな」

Henry Cejudo【写真】今は二冠のトリプルC、なぜあんなに興奮してしまったのか。盛り上げようとしたんだろうなぁ……と(C)Zuffa/UFC

5日(火・現地時間)、9日(土・現地時間)にフロリダ州ジャクソンビルのヴィスター・ベテランズ・メモリアル・アリーナで開催されるUFC249のメディア・カンファレンスコールが行われ、トニー・ファーガソン、ジャスティン・ゲイジー、ヘンリー・セフード、ドミニク・クルーズの4名が出席した。

ここではUFC世界バンタム級王者ヘンリー・セフードのカンファレンス・コールでの発言を取り上げたい。会見開始直後はごくごく普通に話していた世界王者が、ドミニク・クルーズに絡みだすまでに何を語っていたのか。(※要約)


「ドミニク・クルーズがファーストチョイスだったんだ。彼は僕と同じアリゾナ出身で、偉大な世界王者だった。ナンバーワン・コンテンダーのマルロン・モラエスに勝ってから、相手がいなかったし、ドミニクだと良いストーリーラインになると思っていた。ジョゼ・アルドがマルロン・モラエスと良い試合をしたので彼と戦うことになったけど、何が起こるか分からないし、ドミニクのことは意識していた。

そのアルドはビザを取得できず、消えた。そしてドミニクが再浮上したんだ。彼と戦うことはいつも僕の頭のなかにはあったし、これで僕らは戦うことができる。ドミニク・クルーズは凶暴なレガシーだ。軽量級で最も名前を残している。だから戦いたかったんだ。新型コロナウィルスが感染拡大していていも、しっかりと準備できている。できることは全てやってきた」

「これからのプラン? それを決めるのは僕じゃない。僕はタイトル防衛するだけだし、今はドミニク・クルーズに集中している。フライ級はUFCのなかでももっともスピードのあるP4Pのクラスで、誰もがテクニカルで強い。でも、今は5月9日に集中しているよ」

「どの試合も大切だ。ドミニクのスキルは尊重しているけど、今の彼がどの位置にランクされるべきかは分からない。トリッキーなファイターであることは間違いない。でも、対戦相手が同じような動きをすると思って戦ったことは一度もない。どの試合だって僕にとっては、一番大切な試合だし、そういう試合でフィニッシュしてきた。

ドミニクはこれまでも長い休養から戻ってきては、しっかりと勝利してきた。だからベストの彼と戦いたいと思っている。なぜドミニクが成功を収めてきたのか、意思が強いからだ。気持ちがあるからだよ。タフなチャレンジャーだって分かっている。ずっとこのスポーツを戦ってきたし、MMA IQが高いのは確かだ。でも僕はフィジカル的にもピークだし、僕の方が強い」

このようにごくごく普通に記者の質問に返答していたセフードだが、これだけバンタム級ファイターがいるなかで、なぜドミニク・クルーズなのか。他のコンテンダーのことをどう考えているという問いかけから、なぜか彼はエキサイトし始めた。

Piotr Yan「ヒザをついて、キングがチャンスを与えるのも待っていろ。ただアルジャメイン・ステーリングは俺がKOしたヤツにKOされている。

ピョートル・ヤンはちゃんと英語を話せるようにならないとな。41歳のやつ(※ユライア・フェイバー)を倒せず、タイトルに挑戦したいなんて最悪だ。なら、4年間戦ってこなかったヤツと戦った方が良いだろう」

そして、続くドミニクへの質問からセフードは記者の質問を遮って挑発するようになっていった──。

※ヘンリー・セフードとドミニク・クルーズの舌戦はコチラから

■UFC249対戦カード

<UFC暫定世界王座決定戦/5分5R>
トニー・ファーガソン(米国)
ジャスティン・ゲイジー(米国)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]ヘンリー・セフード(米国)
[挑戦者]ドミニク・クルーズ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
フランシス・ガヌー(カメルーン)
ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク(スリナム)

<フェザー級/5分3R>
ジェレミー・スティーブンス(米国)
カルヴィン・ケイター(米国)

<ヘビー級/5分3R>
グレッグ・ハーディー(米国)
ヨーガン・デ・カストロ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ドナルド・セラーニ(米国)
アンソニー・ペティス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
アレクセイ・オレイニク(ロシア)
ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
サム・アルヴィー(米国)
ライアン・スポーン(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
カーラ・エスパルザ(米国)
ミッシェレ・ウォーターソン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ホナウド・ジャカレ(ブラジル)
ユライア・ホール(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ヴィセンチ・ルケ(ブラジル)
ニコ・プライス(米国)

<フェザー級/5分3R>
ブライス・ミッチェル(米国)
チャールズ・ロサ(米国)

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【UFC249】UFC世界バンタム級選手権試合、前哨戦=舌戦はドミニク・クルーズがヘンリー・セフードを完封

Cruz【写真】前哨戦は冷静かつ引き出しの多いドミニクに凱歌が上がった(C)Zuffa/UFC

5日(火・現地時間)、9日(土・現地時間)にフロリダ州ジャクソンビルのヴィスター・ベテランズ・メモリアル・アリーナで開催されるUFC249のメディア・カンファレンスコールが行われ、トニー・ファーガソン、ジャスティン・ゲイジー、ヘンリー・セフード、ドミニク・クルーズの4名が出席した。

まずUFC世界バンタム級王座を賭けて戦うヘンリー・セフードとドミニク・クルーズが記者の質問に答える形でカンファレンス・コールは進んだが、セフードの挑発をまるで意に介さず、静かな口調でドミニクが追い込むという流れになった。以下、ドミニクの質疑応答から両者のやりとりを振り返りたい(※要約)。


「肩のリハビリが数カ月かかったけど、しっかりとトレーニングは積んできた。チームメイトのジェレミー・スティーブンスとカルヴィン・ケイターの試合があったから、ジョゼ・アルドの代役になることが決まる2週間前から凄くハードな練習をジェレミーとしていたんだ。こんな状態になっても、1人でいてもしっかりと調整はできるからね。6週間のキャンプをやったようなものだから、5Rを戦うだけの状態は十分に創ってきた。

無観客試合? 静かだってことは珍しい状況だけど、日本で試合をすると多くの観客がいても彼らは黙って試合を見ている。そういう感じで戦えるはずだ。それに今、ジムには人もやって来ないし、最小限の人数でやっている。ジムには最大で6人ぐらいしかいない。だからジムで戦うような感じだし、既にTUFでそういう状況は見てきた。それでもTUFではチームメイトが叫んでいたから状況はまるで同じじゃないけど、まぁ似たようなものだと思う」

「この試合は、僕にとって歴史を創る試合だ。このような状況で五輪金メダリストと戦う価値って何だろうか。今、この国では多くの人がコロナウィルスで亡くなっている。五輪金メダリストと戦う価値を問われても、モハメッド・アリは5年間刑務所に行く覚悟で、平和を願って金メダルを捨てた。僕にとって、この試合はまた違うチャンピオンと戦うというもの。今ベルトを持っている人間より、自分の方が優れていると証明したい。人、それぞれの価値観は違うからね。

3年振りの試合でも、準備を正しく行えば何の問題もない。トレーニングをすることは僕にとって人生の一部だし、ずっとエンジョイしてきた。この状況で初めて開催されるメジャーなスポーツイベントで戦う選手は勝つためにここに来ている。僕も自分がやってきたことを出す。楽しみでならないよ」

このように記者の質問に答えていたドミニクに対し、セフードが割込み「2Rで倒す」と挑発すると「OK、ヘンリー。クールなストーリーだ。すぐに自分が厳しい状況に置かれることが分かるから。言っておくよ、すぐに違いが分かる。本当にすぐに」と返答する。

ここからはセフードがエキサイトしていくも、ドミニクは何を言われても嫌味を返すという展開に。キレ気味のセフードが「お前、コディー・ガーブラントと戦った時にどうなった?」と啖呵を切るや、「そうだ。コディーはお前みたいにイージーじゃないんだよ」とピシャリ。

「お前は異次元のアニマルを知らないんだ」と食い下がるセフードに対し、「ベナビデスとの試合はどうだった? デメトリウスと戦った時は何が起こった?」と返す。「それは4年前だろう?  今は違う」というトリプルCだが、ドミニクは「僕とコディーの試合も3年前だ。もう過ぎたことを話し始めたのは、そっちじゃないか」と完全に理論武装ができている。

「王女様、トライしなよぉ」と趣向を変えて挑発するセフードだったが、「また繰り返しか。同じようなことを言っているだけだ」とクールに反応し、「その通りだ。お前はケガばっかりして、自分で自分を壊しているけどな」と言われても──「肩の手術をしてどうだった? 自分が脆くなったと思うのか? 本当にバカだな、自分に聞いてみると良いよ」と、ドミニクは一度足りともエキサイトすることなく、冷静にセフードを封じ込めた。

結局、ここで進行役が両者を制したが、この前哨戦は明らかにドミニクがイニシアチブを握っており、セフードを翻弄し続けた──といっても過言でない舌戦だった。

■UFC249対戦カード

<UFC暫定世界王座決定戦/5分5R>
トニー・ファーガソン(米国)
ジャスティン・ゲイジー(米国)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]ヘンリー・セフード(米国)
[挑戦者]ドミニク・クルーズ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
フランシス・ガヌー(カメルーン)
ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク(スリナム)

<フェザー級/5分3R>
ジェレミー・スティーブンス(米国)
カルヴィン・ケイター(米国)

<ヘビー級/5分3R>
グレッグ・ハーディー(米国)
ヨーガン・デ・カストロ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ドナルド・セラーニ(米国)
アンソニー・ペティス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
アレクセイ・オレイニク(ロシア)
ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
サム・アルヴィー(米国)
ライアン・スポーン(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
カーラ・エスパルザ(米国)
ミッシェレ・ウォーターソン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ホナウド・ジャカレ(ブラジル)
ユライア・ホール(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ヴィセンチ・ルケ(ブラジル)
ニコ・プライス(米国)

<フェザー級/5分3R>
ブライス・ミッチェル(米国)
チャールズ・ロサ(米国)

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【UFC249】出場選手の新型コロナウィルス及び、抗体検査の実施へ。バーチャル・メディアデーも

UFCPI【写真】写真は上海のUFCPIのオクタゴン (C)Zuffa/ UFC

4日(月・現地時間)、9日(土・同)にフロリダ州ジャクソンビルのヴィスター・ベテランズ・メモリアル・アリーナで決行されるUFC249の主治医がリングサイド主治医協会の代表と電話会談を行い、イベント中のリスク管理を話し合ったとESPNが報じている。

記事によると、UFCのジェフリー・デヴィッドソン医師はドナルド・ムッジ代表と出場選手に新型コロナウィルス感染のテストを行う方向で話し合いが行われたという。今大会においてフロリダ州ボクシング・コミッションのリングサイド・ドクターの主治医を務めることになっているムッジ氏は「今日の世界で、可能な限り安全性を高める。我々はニューノーマルの時代を生きている。最低限の人数で、ソーシャルディスタンスを念頭に置いて無観客試合を行う」と明言。

その結果かUFCではUFC パフォーマンス・インスティチュートから、UFCメディカルチームがUFC249に出場するファイターの検査を行う旨がファイターに伝えられ、抗体検査も含まれているという話を米国の大手MMAメディアであるMMAJANKIEが伝えている。

抗体検査とウィルス検査、これがUFCのニューノーマルとなるのか──。検査はどのタイミングで行われ、その結果はいつ出るのかなどは明らかになっていない。とはいえ、今回のUFCの事例は他のMMAプロモーション及び、コンバットスポーツにとって参考となることは間違いなく、またイベント再開に向けて協力する医師団の存在があることは日本とは、あまりにも状況が違うといえるだろう。

また今大会のメディアデーと試合後の会見は、バーチャルで行われ各国のメディアにはその通達もUFCから届けられている。

(C)Zuffa/UFC

(C)Zuffa/UFC

※UFC249に出場するファブリシオ・ヴェウドゥムのインタビューはコチラから

※同、ヴィセンチ・ルケ初インタビューはコチラから