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【PFL2024#10】スタンドでプリマスを寄せつけず。ラバダノフが3度ダウンを奪いライト級を制す

<ライト級決勝/5分5R>
ガジ・ラバダノフ(ロシア)
Def.3R2分31秒by TKO
ブレント・プリマス(米国)

静かな立ち上がりのなかラバダノフがカーフを蹴る。プリマスは左右のフックで前へ。ラバダノフがもう1度カーフを蹴り、プリマスの前進にダブルレッグを合わせてテイクダウンを決める。ラバーガードのプリマスが下からパンチを入れる。一度はラバーを解かれたプリマスだが、ラバダノフが腰の後ろに手を回してくるので再度ラバーガードに入る。ラバダノフは腕を抜いてパンチを入れるが、プリマスのラバーガードの前に強いパウンドを打つことができない。

ハイガードから四角、さらに三角をプリマスが狙ったところで時間となり、ラバダノフがイライラを隠せないでいた。

2R、初回と同様にカーフを蹴るラバダノフ。プリマスが左フックを振って前に出る。ローにフックを合わせようとするプリマスは左を入れ、シングルレッグを切る。ラバダノフもワンツーを返し、構えを変える。プリマスのフック&ステップインに、左に続く右を打ち込んでダウンを奪ったラバダノフは再びハイガード、そしてラバーに中に収まる。

残り2分で左足を抜いてハーフとなったラバダノフが、ラバーガード狙いに立ちあがってローを連続で蹴る。飛び込んでパウンドを落とそうとしたラバダノフに対し、プリマスは足関狙いからZハーフガードに取ってエルボーを打つ。上のラバダノフも左エルボー、右のパウンドは空振りし時間となった。

3R、ワンツーでステップインのラバダノフが、続く右で2度目のダウンを奪う。ここはガードの中に入らず、スタンドで待ち受けたラバダノフにプリマスが右ハイを狙う。誘うラバダノフにワンツーを決めたプリマスが、スピニングバックフィストに。構わずラバダノフで前に出るラバダノフが右アッパーを決める。さらにワンツー左フックをテンプルに決めるとプリマスの動きが止まる。ここで追い打ちの右を打ち抜いたラバダノフが2024年PFLライト級を制した。


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【PFL2024#10】MENAバンタム級決勝へ、UFC級=アリ・タレブ「拳が爆発するところを楽しみにしてくれ」

【写真】UAEWバンタム級のベルトと。あのヴィニシウス・オリヴェイラに勝っている──弱いわけがない。MENAで優勝し、北米進出を目指すアリ・タレブ。果たしてバンタム級ファイターに、その機会は与えられるのだろうか (C)PFL

29日(金・現地時間)、サウジアラビアはリヤドのKSU(キング・サウジ大学)アリーナで開催されるPFL2024#10「Championships」。同大会では今年から活動を介したPFL MENAの決勝戦4試合も組まれている。
Text by Manabu Takashima

中東&北アフリカの地区リーグ=MENAは、当然のようにアラビック&ムスリム人選手が中心に活躍している。そして、その地を持ち当地で戦うファイターも少なくない。バンタム級決勝でラシッド・ハズと対戦するアリ・タレブもその1人だ。

戦禍のイラクを逃れ、スウェーデンに移住したタレブはUAEW時代に吉野光を倒し、コンテンダーシリーズからUFCにステップアップしたヴィニシウス・オリヴェイラをKOしバンタム級のベルトを巻いた実力者だ。そのタレブ、PFLファイナルとの合体したビッグショーで、その名を世界に轟かせようと気概に満ち溢れていた。


(C)PFL

――PFL MENAバンタム級決勝でラシッド・ハズと対戦します。

アリの国籍がイランだったりスウェーデンになっていたりするのですが、スウェーデン生まれのイラク系ということで宜しいでしょうか。

「いや、俺が生まれたのはイラクだよ。1997年に生まれて、2009年にスウェーデンに移住した。イラクは米国とサダム・フセインの間で紛争状態に陥り、逃れるために父、弟、妹と一緒にスウェーデンに移り住んだ。でも兄は今もイラクに住んでいるよ。より良い人生を求めて、スウェーデンにやってきたんだ」

──コンバットスポーツに出会ったのは、スウェーデンに移り住んでからですか。

「ブラザー。今、言ったように俺は5年間も紛争状態の国に住んでいたんだ。ガキのころから、頭の中も戦争状態だった。言葉が通じないスウェーデンにやってきて、拍車がかかった。でもスウェーデン語が分かるようになってから、落ち着いてサッカーにこうじるようになった。そのうち週に2度ほど、格闘技のトレーニングを始めるようになったんだ」

──どのようなスタイルの格闘技の練習を始めたのでしょうか。

「ノーギグラップリングだ。ただ楽しむために始めて、シリアスではなかった。でも2年、3年と練習をすると、真剣さが増してアマチュアの試合に出るようになった。プロデビューは2019年だ。2勝したらコロナになった。そして2021年の3月に10日前のショートノーティスでUAEWからオファーがあった。相手は7勝2敗のヌーラズ・アブザグだ。その試合に勝って、ブラザー。俺はそのままUAEWと契約をした。強い相手が続いたけど4連勝して5戦目で今はUFCで戦っているヴィニシウス・オリヴェイラとバンタム級王座決定戦を戦い、3RKO勝ちでチャンピオンになった。UAEWではほんとうに良い経験をさせてもらったよ」

──イラクの血もあってUAEWと契約したのですか。そのまま欧州でキャリアップということは考えずに?

「それは関係ない。チャンスがあったから、跳びついた。とにかく強い相手と戦いたかった。だからUAEWと契約して良かった。正直、それからCage WarriorsやUFCに進もうという考えは持っていた。でもオリヴェイラに勝った後に、PFLから連絡がきたんだ。PFLと契約できて満足している。彼らとはファミリーのような人間関係を築くこともできた」

──ただPFL欧州でなく、PFLレギュラーシーズンに参戦したいという想いはなかったですか。

「ブラザー、それはどうでも良かった。強いヤツと戦いたいというのが一番だったから。実際、PFLヨーロッパでキャリア初黒星を喫したわけだし。PFLはベストファイターを用意してくれ、俺は負けた。そして今年はMENAでのチャンスを貰ったんだ。

戦って稼いでいるんだ。文句はない。それにMENAにも良い選手が揃っている。なんといっても選手へのケアが違う。ヨーロッパの多くの大会は、ここまで選手ファーストのイベントを開くことはできない」

──MENAが活動開始をした。抜群のタイミングでしたね。

「中東のMMAは日々、成長している。サウジアラビアは多くのスポーツに投資をしていて、MMAやボクシングにも力をいれているんだ。レベル的にもUAEWが次々とUFCに選手を送りだしたように、中東のMMAはコンペティションとしても成長し続けている。ローカルファイターも力をつけているしね。ファンも熱狂的だ」

──今大会はMENAのファイナルだけでなく、PFL Globalシーズンの決勝戦も行なわれるビッグショーになりますね。

「ブラザー、これは大きな一歩だよ。ここで勝って、もっと前に進む。このショーで戦うことで、多くの人がアリ・タレブの名をその胸に刻み込んで欲しい」

(C)PFL

──では対戦相手の印象を教えてください。

「ブラザー、ラシッドは良い相手だ。でも俺の方が優れている。どこが優れているかは、試合を見てもらうと分かるだろう。ブラザー、俺の拳が爆発するところを楽しみにしてくれ。試合に関してベラベラと話すつもりはない。日本のファンにもファイトをしっかりとチェックしてもらえると、アリ・タレブがどういうファイターが分かってもらえると信じている」

■視聴方法(予定)
11月29日(金)
午後11時15分~U-NEXT

■PFL2024#10対戦カード

<フェザー級決勝/5分5R>
ブレンダン・ラウネーン(英国)
チムール・カイズリエフ(ロシア)

<女子フライ級決勝/5分5R>
ダコタ・ディチェバ(英国)
タイラ・サントス(ブラジル)

<ライトヘビー級決勝/5分5R>
インパ・カサンガネイ(米国)
ドブレジャン・ヤギュシュムラドフ(トルクメニスタン)

<ウェルター級決勝/5分5R>
マゴメド・ウマラトフ(ロシア)
シャミル・ムサエフ(ロシア)

<ライト級決勝/5分5R>
ブレント・プリマス(米国)
ガジ・ラバダノフ(ロシア)

<ヘビー級決勝/5分5R>
デニス・ゴルソフ(ロシア)
オレッグ・ポポフ(ロシア)

<ミドル級/5分3R>
コステリョ・ファン・スティーニス(オランダ)
ジョアォン・ヴィトー・ダンタス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ガブリエル・ブラガ(ブラジル)
ジェレミー・ケネディ(カナダ)

<フェザー級/5分3R>
アザエル・アジョウジ(フランス)
ホセ・ペレス(米国)

<MENAウェルター級決勝/5分5R>
ムハマド・アラクラー(クウェート)
オマール・エル・ダフラウイ(エジプト)

<アマチュア女子アトム級/3分3R>
ハッタン・アルセイフ(サウジアラビア)
リリア・オスマニ(アルジェリア)

<MENAバンタム級決勝/5分5R>
アリ・タレブ(スウェーデン)
ラシッド・ハズ(スペイン)

<MENAライト級決勝/5分5R>
ムーセン・ムハマドサイファイ(イラン)
ジョージ・エイド(レバノン)

<ライト級/5分3R>
マンスール・ベルナウイ(フランス)
アルフィー・デイビス(英国)

<ライトヘビー級/5分3R>
スリム・トラベルシ(チュニジア)
アブラハム・バブリー(英国)

<MENAフェザー級決勝/5分5R>
アブドゥルラフマン・アリヤサット(ヨルダン)
アブドゥラ・アルカタニ(サウジアラビア)

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45 AB BELLATOR MMA MMAPLANET o PFL PFL2024#10 ガジ・ラバダノフ ブレント・プリマス ブログ

【PFL2024#10】ライト級決勝へ、昇華する柔術MMA=ブレント・プリマス「ガジは強いパウンドは打てない」

【写真】グラップリングでジェイク・シールズに腕十字を極めている。極め力の強さは絶対だ (C)MMAPLANET

29日(金・現地時間)、サウジアラビアはリヤドのKSU(キング・サウジ大学)アリーナで開催されるPFL2024#10「Championships」。6階級のPFL2024年シーズンの決勝戦に出場する12人のファイターのうち、4人がBellatorからシーズンに参戦した選手だ。
Text by Manabu Takashima

ライト級ファイナルに挑む元Bellator世界ライト級王者のブレント・プリマスもその一人。同じくBellatorライト級戦線で戦ってきたガジ・ラバダノフとBellatorファイター同士のファイナルを戦うプリマスにインタビューを試みた。

打撃は付き合わないと減点、寝技は離れると加点という状況にあるといっても不思議でないMMAにあって、ヒクソン・グレイシーをこよなく愛するプリマスは、極めとグラップリングの持ち込む試合運びが強化されPFLで挙げた3勝のうち2試合が一本勝ちでしっかりとボーナスPを獲得してきた。

中東サウジアラビアで迎える決勝戦に向けて、プリマスにPFLのフォーマット&遠征試合と対戦相手、そして強化された柔術MMAについて尋ねた。


――PFL2024年シーズン決勝が1週間後に迫ってきました(※取材は21日に行われた)。今の気持ちは教えてください。

「自信もあるし、最高の気分だよ。あと1週間少し、タイトルと100万ドルを手にするよ」

──今回の試合はサウジアラビアで実施されます。米国の太平洋岸であるオレゴン州在住のブレントは北米大陸、大西洋、そして地中海を越えて中東へとロングフライトと時差を乗り越える必要があります。

「そうなんだよ。2日後にリヤドに向かうけど、フライト時間は36時間だ。まぁ、楽しくはないよね(笑)。時差は11時間かな。最初は時差ボケもあるだろう。ただ、時間の調整はオレゴンではやっていない。半日の差があるから、皆のスケジュールと合わなくなる。明日が追い込みの仕上げでトレーニングはいつもと変わらずやってきた。でも時差の調整までは手が回らないというのが本音だよ」

──11時間の時差と36時間のフライトですか……。とにかく北米で試合をするのとは全く違いますね。

「ミドルイーストで戦うのも、訪れるのも初めてだ。でもファイターにとって、トラベルとファイトはセットだから。サウジアラビアで何が待っているのか楽しみにしている。米国で生活している僕らとは、全く違う習慣を持つ国だからね。宗教、食事、何もかも違う。全てが新しい経験になるし、遠征といってもヨーロッパで試合をするのとは別モノだと思っている。楽しみたいね。

それに100万ドルが掛かっているんだ。世界中のどこだろうが、戦うよ。100万ドルを手にできれば、家族の人生を変えることができる。子供たちの未来が変わるんだから、いつ、どこで、誰とだろうが戦う。レッツゴー!!」

──気合いが伝わってきます。ところでシーズンフォーマットで戦ってきた8カ月間は、これまでのキャリアとは違ったものでしょうか。

「試合が保障されているPFLのフォーマットは凄く良かったよ。今回のファイトで今年、4試合目。このペースで試合があることは本当に有難い。家族、PFLのチームの皆のために最後まで全力で戦う。そして2024年のワールドタイトルを獲得して、来年もこの素晴らしいプラットフォームで戦うことが楽しみにしている」

──今回も地元で調整をしてきたのですか。

「そうだね。ATT PDXポートランドのファビアーノ・ペガレヴィとトレーニング・パートナーに絶対の信頼を寄せている。それとポートランドから僕は車で2時間のユージーンに住んでいて、地元のパフォーマンス・マーシャルアーツで柔術中心の練習も続けているんだ。この2つのジムを毎日行き来することが、僕にとって最高のファイトのキャンプになっているよ」

──ATTポートランドに長年所属していますが、フロリダのATT本部でトレーニングをすることはないのでしょうか。

「僕が出稽古にいくとすればフロリダではなくて、南カリフォルニアのチーム・オーヤマになる。子供もいるし、家を空けることは簡単じゃなくなってきた。でも、僕はATT PDXで最高の練習ができている。僕は彼らを信じているし、彼らも僕を信じてくれている。

皆との練習の成果を発揮して、必ずATTにベルトを持って帰るよ。ファビアーノは単に指導者というだけでなく、父親のような存在だ。MMAを戦ううえでチームへの信頼ほど大切なモノはないと思っている」

──では対戦相手ガジ・ラバダノフの印象を話してもらっても良いですか。

「もちろん。タフな相手だよ。最高のジムで練習をしているし、素晴らしい相手だ。ただ僕は彼と同じジムの選手と2度既に戦っている。ウスマン・ヌルメゴメドフ、イスラム・マメドフの2人はガジをより大きく、強くしたようなファイターだった。言ってみるとガジの強化バージョンだよ。

最終的なガジの最終的な武器はテイクダウンだ。必ず狙ってくる。でも、それで構わない。グラウンドになれば僕のモノだから。決してガジを軽く見ることはないけど、僕の柔術は過去最高にMMAで機能している。本当に柔術を使いこなすことができるようになってきた。

同時にスタンドの練習も十分にやってきた。左フックから右という凄く危険なコンビネーションをガジは持っている。でもトレーニング・パートナーが徹底して対策練習の相手を務めてくれた。結果、僕のスタンドはタイミング、スピード共に磨きがかかっている。スタンドでKO、グラウンドでサブミット。どちらもできると思っている」

──ファンもプロモーションもスタンディングバトルを好み、寝技を練習していても試合では付き合わないように戦う選手が増えてきて、柔術家は厳しい状況にあります。そのなかでブレントはPFLで挙げた3勝のうち、2つの試合がRNCでの一本勝ちです。相手を組み技に付き合わせる展開ができているようにも感じます。

「アグレッシブな寝技を仕掛けることで、自分の形に持ちこむことができている。ガジとの試合でいえば、レスラーの寝技と柔術家の寝技は違う。ガジはコントロールをして、パンチを落としたいはずだ。でも、強いパンチは打てないだろう。彼がトップになっても、コントロールするのは僕だ。

ガジが強いパウンドを打ちたいとスペースを創れば、スイープやサブミットする隙になる。僕はトップでもボトムでも、ガジを仕留めることができる。彼よりずっとテクニカルな黒帯柔術家がトップから殴り、サブミットを仕掛けてくるという練習を繰り返してきた。ガジがどの局面で勝負して来るのか分からないけど、どこだろうが僕が彼を上回る。そして100万ドルを手にするんだ」

──ブレント、今日はありがとうございました。最後に日本のファンに一言お願いできないでしょうか。

「僕がここまで柔術にのめり込んだのは、ヒクソン・グレイシーが日本でVale Tudo Japan Openを戦ったドキュメンタリー(CHOKE)の影響を受けたからなんだ。20回以上、あのテープを視たよ。そして柔術を始めようと思った。以来、ずっとヒクソンとホイスを尊敬してきたんだ。飼っていた犬の名前もヒクソンだった(笑)」

──尊敬する人の名前を犬につけるのですね(笑)。

「アハハハ。ヒクソンは男の中の男で、絶対的に当時は最強だった。僕はヒクソンやホイスのようになりたかった。だから、日本で試合をすることも人生で大きな意味を持つようになっている。2025年には、その夢を実現させたい。そのためにも次に控えている試合で、全ての力を使ってフィニッシュする」

■視聴方法(予定)
11月29日(金)
午後11時15分~U-NEXT

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45 MMA MMAPLANET o PFL PFL2024#08 クレイ・コラード ブレント・プリマス

【PFL2024#08】プリマスが全ラウンドでバックキープしてコラードを圧倒。判定勝利で決勝進出へ。

<ライト級準決勝/5分3R>
ブレント・プリマス(米国)
Def.3-0:30-27.30-27.30-26.
クレイ・コラード(米国)

プリマスがプレッシャーをかけて右カーフ、コラードはジャブをボディと顔に打ち分ける。プリマスは右ストレートから左フックで前進。コラードはジャブを細かく就き、プリマスは右カーフを蹴りつつ、打撃の攻防からダブルレッグに入る。

そのままプリマスがケージまで押し込み、右腕を深く差してボディロックする。プリマスはコラードの体を振ってテイクダウンすると、そのままバックについて足を四の字フックする。コラードは四つん這いの状態で腰を上げるが、プリマスはそのままバックキープする。

この態勢が長く続き、プリマスが細かくパンチを入れ、最後はプリマスがコラードの体を潰してグラウンドになったところでラウンド終了となった。

2R、前に出るコラードがジャブ、鋭い右ストレートを繰り出す。プリマスがそこに合わせて組みついてケージに押し込む。プリマスは1Rと同じように右腕を差してボディロックし、足をかけてテイクダウン。腰を上げた状態からパスガードしてバックにつき、足を四の字フックする。

ここも1Rと同じようにコラードが四つん這いで腰をあげ、プリマスが細かくパンチを入れてRNCを狙う。これでプリマスの体をつぶしてグラウンドに持ち込むと、一気にパンチを落としていく。ラウンド終了間際にプリマスがRNCを仕掛けた。

3R、コラードがジャブからパンチをまとめて前に出る。プリマスは左フックを打ち返し、そこから右につなげる。コラードは右カーフを蹴って、そこからヒザ蹴りにつなげるが、プリマスがそれをとってテイクダウンする。

下になったコラードはスクランブルから立ち上がるが、プリマスがダブルレッグで押し込んでコラードに尻餅をつかせる。コラードも体を起こしてスイッチを狙うが、プリマスがトップキープしてバックを取る。

1・2Rと同じようにコラードは四つん這いで腰を上げ、足のフックをずらしてプリマスを前方に落とす。グラウンドで上になったコラードは立ち上がってボディにカカト落とし、プリマスを立たせる。

試合がスタンドに戻るとコラードが右ストレートから左フック、左ミドルを蹴る。ガードを下げて挑発するコラードがスピニングバックフィストも繰り出す。プリマスはそれに惑わされずに組みついてテイクダウンを狙いながらバックへ。そのままグラウンドに持ち込んで足を四の字フックする。この状態のまま試合終了を迎え、プリマスが判定勝利で決勝進出を決めた。


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【PFL2024#08】計量終了 ライト級&LH級で準決勝。サバテーロ、オリバー、ジーンらプレリミも要注目

【写真】なかなか厳しい試合を組んでくるPFLだ(C)PFL

16 日(金・現地時間)、フロリダ州ハリウッドのハードロックライブでPFL2024#08が開催される。プレーオフの第二幕はライト級とライトヘビー級で実施される。
Text by Manabu Takashima

レギュラーシーズンの1位と4位、2位と3位が戦うセミファイナル。ライトヘビー級ではアントニオ・カーロスJrやサジボウ・シが脱落し、トルクメニスタンのドブレジャン・ヤギュシュムラドフが3位となり、2022年世界王者のロブ・ウィルキンソンと戦う。また昨年優勝のインパ・カサンガネイは、その前シーズンの決勝で破ったジョシュ・シルヴェイラと再び顔を合わせることとなった。

ライト級では──誰か予想したか、元Bellator世界ライト級王者ブレント・プリマスが首位通過し、4位の人気者クレイ・コラードとの相対する。

安定度抜群のガジ・ラバダノフは、1勝1敗が6人という状況でボーナスポイントがモノをいって3位を獲得した伏兵ミカエル・デュフォーを迎え撃つ。そんなシーズン準決勝以上というと語弊があるが、今大会はプレリミが面白い。


プレリミメインではダニー・サバテーロがPFLデビューを果たす。Bellatorバンタム級戦線の大関クラスのサバテーロは、2週間後のBellator Champions Seriesでなく、ATTのおひざ元フロリダでのPFLが再起の舞台となった。マゴメド・メゴメドフ、ラフェオン・スタッツに連敗中のサバテーロはマイアミ在住のキューバン=ラザロ・ダイロンと戦う。

ダイロンはキャリア8勝0敗でCombateでは5勝0敗、プロアマ通算11勝0敗のファイターだ。レスリングベースで、KOパンチも有すダイロンに対し、サバテーロがレスリング&スクランブル地獄に持ち込むことができるのか。遮断されると、ジャブ&ワンツーで下る可能性もある一番だ。

レスラーといえば第2試合でブレイドン・アケーオとMMA二戦目を戦うジョーダン・オリバーはNCAA D-1を制すること2度、さらにフリースタイルでUSナショナルも制しているキルクリフFC所属のオールドルーキーだ。

というのも昨年8月にMMA初戦を戦ったオリバーは、既に33歳を迎えていた。それでもダブルレッグのスピードは天下一品、そこからのバック奪取と背中突かせる技術も当然のように持っている。フィニッシュの肩固めは、精度は決して高くないがヴァンフルーとの融合のような圧でタップを奪っている。

今回の対戦相手も5勝3敗で、MMAでの可能性を見極めることができる技量の持ち主とは言い難いが、とにかくオリバーの応用力がどこまであるのかを注視したい。

この他、ライト級でシーズン脱落組のエルヴィン・エスピノーザ×マス・ブーネルのサバイバルマッチ。さらにLFAからComateを経て今はなきPFL Challenger SeriesからPFLと契約したウェルター級の新鋭サッド・ジーンが、デビュー以来の連勝を8に伸ばすことができるのかも注目だ。

■視聴方法(予定)
8月17日(土)
午前7時15分~U-NEXT

■ PFL2024#08対戦カード

<ライトヘビー級準決勝/5分3R>
インパ・カサンガネイ: 203.8ポンド(92.44キロ)
ジョシュ・シルヴェイラ: 205.2ポンド(93.07キロ)

<ライトヘビー級準決勝/5分3R>
ロブ・ウィルキンソン: 206ポンド(93.44キロ)
ドブレジャン・ヤギュシュムラドフ: 205.6ポンド(93.25キロ)

<ライト級準決勝/5分3R>
ガジ・ラバダノフ: 155.8ポンド(70.66キロ)
ミカエル・デュフォー: 155.8ポンド(70.66キロ)

<ライト級準決勝/5分3R>
ブレント・プリマス: 155.2ポンド(70.39キロ)
クレイ・コラード: 155.6ポンド(70.57キロ)

<ライト級/5分3R>
ビアッジョ・アリ・ウォルシュ: 155.4ポンド(70.48キロ)
ブライアン・ステイプルトン: 160.6ポンド(72.84キロ)

<バンタム級/5分3R>
ダニー・サバテーロ: 135.6ポンド(61.5キロ)
ラザロ・ダイロン: 135.8ポンド(61.59キロ)

<ライト級/5分3R>
エルヴィン・エスピノーザ: 156ポンド(70.76キロ)
マス・ブーネル: 155ポンド(70.31キロ)

<ウェルター級/5分3R>
サッド・ジーン: 170.8ポンド(77.47キロ)
クリス・ブラウン: 170.4ポンド(77.29キロ)

<フェザー級/5分3R>
ジョーダン・オリバー: 145.8ポンド(66.13キロ)
ブレイドン・アケーオ: 146ポンド(66.22キロ)

<女子フェザー級/5分3R>
ミシェル・モンタギュー: 145ポンド(65.77キロ)
マリリア・モライス: 145.8ポンド(66.13キロ)

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45 MMA MMAPLANET o PFL PFL2024#05 ソロモン・レンフロ ブレント・プリマス

【PFL2024#05】プリマスが3RにRNCを極めてレンフロに一本勝ち!合計9Pでプレーオフ進出を決める

<ライト級/5分3R>
ブレント・プリマス(米国)
Def.3R3分21秒 by RNC
ソロモン・レンフロ(米国)

プリマスが右ロー、レンフロがそこに右ストレートを伸ばす。この右ストレートでスリップしたプリマスだが、すぐに立ち上がる。パンチで前に出るレンフロはプリマスにケージを背負わせて左のショートフックを効かせ、一気にパンチを連打。プリマスも何とか凌いで態勢を立て直す。

構わずパンチで前に出るレンフロだが、プリマスが右ストレートを突き刺すと、これでレンフロがダウン。プリマスはマウントパンチからバックへ回り、RNCを狙いながらパンチを入れる。レンフロも身体を起こしてプリマスをバックから振り落とし、トップを取って鉄槌を連打した。

2R、ここも打撃のプレッシャーをかけるのはレンフロ。プリマスは右ストレートから飛び込む。レンフロは細かくジャブを当て、プリマスの左ハイに左を合わせる。プリマスも1Rにダウンを奪った右ストレートを当てるが、レンフロが右アッパーと突き刺すような左ジャブ。

これでプリマスの動きが止まる。プリマスも距離を詰めて組みに行くがテイクダウンまでは奪えない。レンフロはジャブを当てて前進し、ダブルレッグでテイクダウンを奪う。プリマスはラバーガードからの展開を狙う。

3R、プリマスがジャブからの左ハイ、右ストレート・右フックを狙う。レンフロは左を細かく当てるが、プリマスが左右のフックをヒットさせる。プリマスはジャブとワンツーで前進。レンフロはジャブ、プリマスは右ストレートから返しの左フック。

飛び込むプリマスに対し、下がりながらパンチを合わせるレンフロ。プリマスは右ストレートから左フック、これでレンフロが後方に倒れ、プリマスが一気にバックへ。最後はRNCを極め、一本勝ちで4Pを獲得。合計9Pまで得点を伸ばしたプリマスがプレーオフ進出を決めた。また先ほどの試合で合計6Pとなったラバダノフもプレーオフ進出となった。


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【PFL2024#05】計量終了 とにかく殴り勝つしかないパトリッキー×ミランダ。非情なLH級1位×2位対決

【写真】これがPFL、100万ドルに向けたの戦いだ(C)PFL

21 日(金・現地時間)にユタ州ソルトレイクシティのハンツマンセンターで開催されるPFL2024#05の計量が、20日(木・同)に行われた。2024年第5戦はライト級とライトヘビー級のレギュラーシーズン最終戦となる。
Text by Manabu Takashima

初戦を終えてライト級の上位4選手=プレイオフ進出圏内はミカエル・デュフォー、クレイ・コラード、そしてエルヴィン・エスピノーザの4名だ。


とはいえデュフォーとコラード、そしてプリマスが5P獲得で、エスピノーザは4P、もう1人勝ち星を手にしているガジ・ラバダノフは3Pで、この両者が今大会で潰し合う。

デュフォーは7位のアダム・ピコロッティと、コラードは10位のマス・ブーネルと戦うわけでは、彼としては何としてもクイックシックスを狙う相手に3Pを手にできれば、プレーオフ進出が見えてくるので、敢えてフィニッシュを狙う必要がないファイト故にさらなるポイントの獲得もなるかもしれない。

ソロモン・レンフロと対戦するピコロッティも同様だが、レンフロが計量失敗で-1Pが確定しており、この時点でプレーオフ進出は他の試合でドローが続くという奇跡が起こらなければ絶望的となっている。

そのなかで注目なのは初戦で2R TKO負けした者同士、パトリッキー・フレイレとブルーノ・ミランダの一戦となる。上位陣の敗北があること前提で、両者揃って必要なのはクイック6だ。そして、それが可能なファイトスタイルの持ち主同士の対戦で、さらにいえば前戦からのインターバルは70日しかない。

特にパトリッキーはダメージの蓄積が心配されるからこそ、ピットブルらしくGo for Brokeファイトを展開するに違いない。しかもライト級全5試合中、後ろから2番目にこのカードは組まれている。つまりそれまでの状況だけでなく、クレイ・コラードが2Rまで敗れる可能性に賭けてパトリッキーとミランダは、KO狙いの殴り合いを展開することになる。

ライトヘビー級は初戦が全て初回決着、つまり上位5選手が6Pで、下位5選手が0Pという優劣なハッキリした状況下にある。

それなのに1位ロブ・ウィルキンソンと2位のジョシュ・シルヴェイラが潰し合うという──非情なまでのカードが切られた。この理不尽さこそ、PFLの妙といえる。

■視聴方法(予定)
6月22日(土)
午前5時45分~U-NEXT

■ PFL2024#05計量結果

<ライト級/5分3R>
クレイ・コラード: 155.8ポンド(70.66キロ)
マス・ブーネル: 155.6ポンド(70.57キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
インパ・カサンガネイ: 204.8ポンド(92.89キロ)
ヤコブ・ネドー: 206ポンド(93.44キロ)

<ライト級/5分3R>
パトリッキー・フレイレ: 155ポンド(70.31キロ)
ブルーノ・ミランダ: 154.6ポンド(70.12キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ロブ・ウィルキンソン: 204.8ポンド(92.89キロ)
ジョシュ・シルヴェイラ: 206ポンド(93.44キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ドブレジャン・ヤギュシュムラドフ: 205ポンド(92.99キロ)
シモン・ビヨン: 203.8ポンド(92.44キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
アントニオ・カルロス・ジュニオール: 205.6ポンド(93.25キロ)
アレックス・ポリッジ: 203.4ポンド(92.26キロ)

<ライト級/5分3R>
ブレント・プリマス: 155.8ポンド(70.66キロ)
ソロモン・レンフロ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
サディボウ・シ: 205.2ポンド(93.07キロ)
トム・ブリーズ: 206ポンド(93.44キロ)

<ライト級/5分3R>
ガジ・ラバダノフ: 156ポンド(70.76キロ)
エルヴィン・エスピノーザ: 155.8ポンド(70.66キロ))

<ライト級/5分3R>
ミカエル・デュフォー: 156ポンド(70.76キロ)
アダム・ピコロッティ: 155.8ポンド(70.66キロ)

<ライト級/5分3R>
アンソニー・ロメロ: 155.8ポンド(70.66キロ)
セルヒオ・コッシオ: 156ポンド(70.76キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
アンドリュー・サンチェス: 204.8ポンド(92.89キロ)
カール・アルベクツソン: 205.2ポンド(93.07キロ)

<フェザー級/5分3R>
ブライアン・ザーカー(メキシコ)
ジュリアン・ルイス(米国)

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2024#02 45 AB BELLATOR Bellator CS2024#02 MMA MMAPLANET o PFL RIZIN ROAD FC Road to UFC UFC アレックス・ヴォルカノフスキー ブレント・プリマス マンスール・ベルナウイ 海外 矢地祐介 金原正徳

【Bellator CS2024#02】待望の海外進出=パリでベルナウイ戦、矢地祐介「近い距離の方が安全じゃん」

【写真】終始楽しそうだった矢地。ベルナウイを相手に、見て、殴ることができるか(C)MMAPLANET

17日(金・現地時間)、フランスはパリのアコー・アリーナで開催されるBellator Champions Series 2024#02に矢地祐介が出場し、マンスール・ベルナウイと対戦する。
Text by Manabu Takashima

RIZINで日本中に認知されるファイターとなった矢地だが、PXCからUFCを目指した若き日々があった。前UFC世界フェザー級王者アレックス・ヴォルカノフスキーに敗れ、その道を断たれた矢地だが、9年を経てなそ北米の強豪との対戦という想いを持ち続けてきた。

Road to UFCの選考に漏れ、3連敗や2度の連敗もRIZINで経験している矢地は、現在3練習中でベルナウイの地元パリでBellator CSに出場が叶った。33歳、今もMMAが楽しくてしょうがなく、成長過程にある矢地の海外進出、国際戦への拘りと勝利を手にするための悪癖の克服について尋ねた。


──試合まで10日を切りました(※取材は8日に行われた)。まず、このタイミングでPFL傘下のBellator Champions Seriesで戦うことを決めた背景には、どのような想いがあったのでしょうか。

「北米に挑戦にしたいというのはRIZINの方にも、2年ぐらい前から言っていて。RIZINはBellatorと仲が良いからBellatorの選手とRIZINで戦いたい。機会があれば、米国で戦いたいとずっと伝えていました。でも、俺の結果が振るわない時期もあり、なかなかそういうチャンスがなかったんですけど、ここ最近の結果とか色々とタイミングが重なった形でオファーを頂いた時は、もう二つ返事でした」

──今のMMA界の構造にあってRIZINとBellatorと掛け持ち云々という言葉を聞くと、大抵の選手に対しては『そんな立場じゃないだろ』というのが自分の本音でした。Bellatorのビジネスに役立たないとチャンスはないわけで。なら向うでの戦いに専念して名前をあげる気概がないと、勝ち残ることができるかと。

「う~ん(苦笑)」

──ただ矢地選手に関しては、Road to UFCを狙って実現しなかった過去があります。純粋に強さを求めているなかで、パリでマンスール・ベルナウイと戦う。アッパレだと感じます。

「北米メジャーに出たいとずっと思っていました。僕の階級では強いヤツがゴロゴロいるので。最近、自分自身で実力もついてきたと思っているし。本当に良いタイミングだったと思います」

──実力がついてきた。これはもう、矢地選手の試合前のインタビューで恒例となっている言葉のようにも感じられますが(苦笑)。

「アハハハハ。ちょっとぉ……でもケージやリングでは『アレ?』ってなるって、言いたいんですよね(笑)」

──その通りです(笑)。

「絶対にそう言われると思いましたよ。まぁ、そうなんですけどね(笑)」

──2月のLANDMARK佐賀大会では、解説の金原正徳選手がダメだしのオンパレードでした。矢地選手のこと、丸裸にしていましたね。

「ハハハハ。前回の試合で学んだことって大きいです。打撃の面では。皆が知っているように体を傾けて、顔を背けて打つ癖だとか──そこがやっぱり出てしまって。でも、1Rの途中から修正できました。現場のリアルななかで、感覚を得ることができた。それは凄く良かったと思います」

──相手の攻撃が見えるようになった。そこから如何に攻撃に出るのか。相手が見えるようになると、まず身を守る。だから攻撃に出られない。そういうこともMMAではあるかと思います。

「そこはねぇ……。見えて反応ができることで手が出ない。なんて、俺はビビりなんだろうって思った時期もありました。あの白川ダーク陸斗戦でも、そこがあったような無かったような。曖昧な感覚でしたね。前回の試合は自分の反応の良さがあって、そのなかで悪い癖をだしちゃいけないという部分で、『やればできんじゃん』という自信にはなりました。

試合でもちょっと勇気を出して……じゃないけど、頑張ってじっと見つめれば、『パンチって見えるじゃん』みたいな。そこの壁を、ポンと飛び越えることができました。試合というプレッシャーのなかで、特に相手は捨て身でやってくる。パンチに自信がある選手だし、なかなかの圧力でした。でも、そういう選手の攻撃を見ることができた。『できるじゃん』ってなれたのは、デカいです」

──その自信は持続できているのでしょうか。

「それが、この1、2カ月で自分の目の良さがディフェンスとか、打撃の攻防において凄く生きるじゃんって思えるようになったんですよ。それこそ2月の試合の経験が生きて、練習でも落ち着いて対処できるようになったし、何よりも近い距離って安心して良いじゃんって。自分のなかでの常識がひっくり返って『近い距離の方が安全じゃん』ってなりました」

──おぉ。

「それぐらいまで、来ることができているんで。もちろん、あの距離に入ったらパンチを貰うし、危ないです。気を張らないといけない。今までは、その前段階で嫌がって下がり、心地良い距離を保とうとした結果、詰められてバランスを崩す。そして、相手の一番良い距離でパンチを被弾しちゃう。その思い切り受けていたパンチも、ちょっと前に出ると……貰うのは良くないのですが、こんな感じなんだと自分のなかの常識がポーンとひっくり返って。

下がらないで、前に出た方が良い。俺は最近、組みに自信を持っているので、なおさら前に出た方が良いという風に今はなれています」

──それにしても、嬉しそうに話しますね(笑)。

「いや、楽しいです。今は本当にMMAをやっていて楽しい。ゲームをやっている感覚なんです。どんどんアイテムをゲットできている。そんな感覚がずっと続いているから」

──ベルナウイと戦う上で、その感覚がどう生きるのか。どのような印象を持っていますか。

「ある程度トータルファイターで、手足が長い。昔の方がイケイケだったと思います。Road FCで戦っていた時とか。最近は打撃の方は、そんなに勢いがないですよね。でも下からのスイープには自信を持っている。あのジョンウェイン・スイープってやつですね。それでも全体的に粗めかなぁ、組み技も」

──おお。別名ギグラー・スイープの名手も、組み技が粗いと。

「八隅(孝平)さんとも研究しているのですが、そのスイープにしても手札は多くない。そこを封じ込むことができる相手、ブレント・プリマスとかには勝てなかったじゃないですか」

──ハイ。さきほど組みに自信がついたと言われていましたが、テイクダウンを取ると相手の土俵になるかと。

「まぁ、大半の選手が彼のスタイルが分かっていても、あのスイープの餌食になっていますよね。だから触ってみないと分からない。そこに関しては、現場合わせです。手足が長いから、想定以上に包み込まれているのだろうと思います。でも、そこのところは正直分からないです。

だから住村(竜一朗)さん、イゴール(タナベ)とかサイズがベルナウイに近い選手と練習をして。背が高い選手と戦うと、アジャストが必要になります。テイクダウンを狙っても腰の位置が違う。四つの展開でも、肩の位置が違う。その辺りの感覚の違いの擦り合わせはやってきました。

もちろんスイープをされないことは大切ですけど、された時の準備もしているので」

──そういう相手に、どのように戦うつもりでいますか。

「何があろうと、最近の僕の戦いをぶつけるだけです。打撃の攻防をして、テイクダウンして絞める。そういうプランは一応あります」

──では、ベルナウイ戦後の青写真は?

「ここを越えたら、継続参戦をしたいです。やっぱり憧れが強いんで。それにまだ本国、米国の試合じゃない。米国の地で戦いたい。なので、この試合に勝って継続参戦をしたいです。とにかくベルナウイに勝たないと始まらないので」

──勝敗でいえば勝利が絶対。と同時に成長した姿を見せて欲しいです。

「そういう意味では前回ズッコケた分、今回は出したいです。誰よりも僕自身が練習してきたことを出して、成長を試合で見せたい。ホントに。最初の10秒、見逃さないでください。『あっ!!』ってなると思うんで(笑)。そこで『変わったぞ』となるのか、『また始まったぞ』となるのか」

──アハハハ、自分で言っちゃいますか(笑)。

「確実に1ミリずつ成長していますから」

──1ミリで間に合いますか。目標に?

「ホントだ、1センチぐらいは(笑)。でも1ミリの成長を見届けて欲しいです。深夜になっちゃうと思いますけど、ライブで視て欲しい。今回のテーマは根性と魂。そういう部分を見てもらえたら嬉しいです。

あと金原さんに解説をしてもらって、今度はお褒めの言葉を貰えるように戦います」

■視聴方法(予定)
5月18日(土)
午前0時30分~U-NEXT

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45 AB MMA MMAPLANET o PFL PFL2024#02 ブルーノ・ミランダ ブレント・プリマス

【PFL2024#02】FAB 5。ブレント・プリマスが2RにミランダをRNCで仕留め5P獲得

<ライト級/5分3R>
ブレント・プリマス(米国)
Def.1R1分49秒by RNC
ブルーノ・ミランダ(ブラジル)

プリマスと比較して柔らかい構えのミランダがミドルのフェイクを見せ左ハイ、続いて左ローを蹴る。プリマスは左ミドルをブロックし、ワンツーで距離をつめて組みつく。互いに左腕を差した状態で、ボディロック&小外刈りでテイクダウンを決めたプリマスがスクランブルでバックへ。右足をフックして、右腕を入れつつ自ら後方に倒れ込む。

ボディトライアングルに取ったプリマスが、フェイスロックの要領でRNCを狙う。ミランダは手首を掴んで防ぐが、後方からテンプルにパンチを打たれる。プリマスはワキ腹とテンプルを殴り続け、絞めこそ極め切れなかったが初回をリードした。

2R、ミランダが右カーフを連打する。プリマスも右カーフを返し、パンチの交換からダブルレッグ。一旦尻もちをついて、レッスルアップしトップを獲り切る。ハーフで抑えたプリマスはここでも、背中を見せたミランダのボディトライアングルに捕える。ヒジを押し上げて絞めを耐えていたプリマスだが、プリマスの右腕が喉下に入りRNCグリップ。ミラ段がタップしFAB 5──プリマスが5Pをゲットした。


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45 AB BELLATOR MMA MMAPLANET o PFL PFL2024#02 YouTube アダム・ピコロッティ アレクサンデル・シャブリー アントニオ・カルロス・ジュニオール インパ・カサンガネイ ウスマン・ヌルマゴメドフ エディ・ブラボー エルヴィン・エスピノーザ ガジ・ラバダノフ クレイ・コラード サディボウ・シ シモン・ビヨン ジェイジェイ・ウィルソン ジョシュ・シルヴェイラ ジョーダン・ヘイダーマン ソロモン・レンフロ ドブレジャン・ヤギュシュムラドフ パトリッキー・フレイレ ブルーノ・ミランダ ブレント・プリマス マス・ブーネル ロブ・ウィルキンソン

【PFL2024#02】ミランダ戦へ。グレイシー柔術♡ブレント・プリマス「100万ドルTの第2ラウンドだ」

【写真】本計量とセレモニアル。試合の時はさらに大きくなっていることが予想されるプリマスだ (C)PFL

12日(金・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのザ・シアター@ヴァージンホテルでPFL2024#02が開催され、ライト級シーズン初戦でブレント・プリマスがブルーノ・ミランダと対戦する。
Text by Manabu Takashima

プリマスはBellatorライト級ワールドGP準決勝で、王者ウスマン・ヌルマゴメドフにフルマークの判定負けも、ウスマンがドラックテストで陽性となり試合結果はノーコンテストに。しかし、再戦の準備は進められず5月に王者はBellator Champion Seriesで、決勝進出を決めていたアレクサンデル・シャブリーと防衛戦を行うこと決まった。ノーコンテストで100万ドルの獲得の機会を失したプリマスは、PFL参戦で100万ドル獲得へ2度目のチャンスを手にした。そんなラバーガードの印象が強いプリマスに初インタビュー。するとラバーガード使いはグレイシー信者だったことが分かった。

なお11日(木・同)に計量が行われ、ライト級シーズンに出場予定だったジェイジェイ・ウィルソンは理由の説明はなく対戦カードから名前がなくなり、補欠戦出場予定だったエルヴィン・エスピノーザが、アダム・ピコロッティと戦うことが決まっている。


──今週末、PFL2024シーズン初戦でブルーノ・ミランダとPFL初陣を戦います。今の気持ちを教えてください(※取材は9日に行われた)。

「Bellatorでキャリアの殆どを戦ってきたから、PFLのファイターと戦うことがとても楽しみなんだ。そしてタイ在住で、パワフルなムエタイの使い手であるブルーノ・ミランダと戦うことができる。大変な試合になるだろうけど、準備はできているよ」

──PFLはシーズンフォーマットとエルボー禁止のルールについては、どのように思っていますか。

「クレイジーだ。僕はずっとエルボーを使い続けてきた。エルボーを使わずグラウンドで戦った覚えがない。エルボー無しで戦うのは、本当にタフなことだよ。シーズン制については全ファイターが2試合は保障されていて、短期間でポイント争いをする。ここは楽しみだ。戦略から何からこれまでとは変わってくるんだけど、新しいことにチャレンジするのはエキサイティングだよ。

Bellatorの時は勝つか、負けるかだけだった。100万ドルを手にするために、初回でフィニッシュを狙いたいところだけど、だからこそスマートに戦う必要がある。焦って戦い、ガスアウトしてはしょうがないからね。PFLでは本当にスマートに戦わないといけない。6週間後に試合があるのだから、ケガをしないようにしないといけないし。だからエルボーが禁止なわけで。もちろん勝利は絶対だけど、6Pや5Pを手にできると有利になる。そこは戦い自体がBellatorの時とは変わって来るよね」

──ブレントはMMAでも柔術を武器に戦っていますか、ベースとなる格闘技は柔術だったのでしょうか。

「僕は13歳で家を飛び出し、とんでもない生活をしていた。毎週のようにストリートファイトをして、問題だらけだった。そんな生活を送っている時に、知り合いからストリートで戦うならケージのなかで戦って金を稼がないかって持ち掛けられたんだ。そして柔術ジムに向かった。まぁ、柔術なんてやっているヤツは皆、ぶちのめせると思っていたんだ。そうしたら自分より年下のガキだったり、体の小さな連中に首を絞められ、腕を極められ散々な目にあった。あっと言う間にボコボコにされたんだ(笑)。

あの時、『俺の方が体はデキているし、運動神経もある。このテクニックがあれば……』って思い、それから柔術漬けの人生に変わった。もうバカなことはやめて、パーティーも行かなくなった。毎日、懸命に練習をすると3週間で青帯を貰えた。柔術に出会っていなければBellator世界ライト級チャンピオンになれなかったに違ない。バカをやり続けて、きっと刑務所に行っていただろう。グレイシー一族から始まった柔術の歴史から、何から何まで柔術に夢中になれて良かった。ヒクソン・グレイシーのドキュメンタリー「チョーク」は何度も見返した(笑)。ヒクソン・グレイシーとグレイシー柔術への想いは膨らみ続けたよ。だから今、僕はここにいることができる」

──柔術でのマスターは、誰だったのでしょうか。

「僕はメガトン・ディアスから、黒帯を巻いてもらった」

──メガトンはいわばヒクソン系といっても良いウマイタの出身です。ただアリゾナにジムを持っていて、ブレントはオレゴン州が拠点ですよね。

「オレゴン州ユージーンにあるメガトン系のジムで6年間柔術を続けて、茶帯になったけど通っていた道場には黒帯がいなかった。メガトンがユージーンでセミナーを開き、もっと彼の指導を受けたくなったんだ。そしてアリゾナに行き、メガトンとトレーニングをして1週間後に黒帯を与えられた。メガトンのようなレジェンドから黒帯を貰えたことを本当に光栄に思っている。

ただ僕がいたジムは完全に柔術の道場だったから、MMAを始めていた僕はムエタイやレスリング、MMAのトレーニングができて、柔術も続けられるスクールに移ることに決めた。ファビアーノ・(ペガレヴィ)シャウナーの下でトレーニングを始め、今では黒帯3段になった」

──あれだけ見事なラバーガードを駆使するので、10thPlanet系の柔術を習っていたのかと思っていました。

「とにかく柔術が好きすぎて、あらゆるインストラクション動画をチェックし、YouTubeも四六時中チェックしている。そしてセミナーを受けまくってきた。セミナーに出ると、必ず一つのテクニックを持ち帰って、応用するようにしている。だからラバーガードはエディ・ブラボーのセミナーに出て修得したんだ。ただ10thPlanetの技術に拘っているわけじゃない。グレイシー・ウマイタ、グレイシー・バッハ系列の道場で学んだ全ての柔術技術を駆使して戦う。

そのうえで股関節が柔軟だから、ラバーガードは僕の柔術ゲームを一歩先に進めてくれた。でも10thPlanetファイターではなくて、僕の柔術はグレイシーだ。いかなる柔術の動きも、僕のゲームに組み込まれている。そしてラバーガードは、相手のパンチを余り受けないでコントロールできるポジションだから、MMAでも多用できるのさ」

──ただ下になると、ジャッジの支持を得られないのが通例です。

「それでもガードは大切だ。僕はトップもボトムもどちらでも戦える。MMAではトップにいる方が良いだろう。同時にガードで相手をコントロールしてスイープもできるし、サブミッションで腕や肩を痛める攻撃も持っている。100パーセント、自分のガードワークに自信を持っている。ブルーノを相手に、それを証明するよ。

ただ僕のムエタイもソー・ナイスだ。ずっとムエタイの練習をして来たし、立ち技でKOして皆を驚かせることだってできる。柔術は僕の血だけど、立ち技で皆に喜んでもらえる試合だってやってみせるよ。

僕はMMAファイターだ。ブルーノを傷めつけてノックアウトできるし、RNCで落とすこともできる。ラバーガードでも駆使するし、信じられないぐらい素早いバック奪取も披露したい。KOだろうが、サブミットだろうがフィニッシュする」

──Bellatorライト級ワールドGPは準決勝で敗れ、その後NCになったもののGP自体が未完に終わりそうです。そのなかでPFLで100万ドルをゲットするセカンドチャンスを手にしました。

「その通りだ。ただウスマンとGPで戦い、フラストレーションが溜まっているままだ。ウスマンともう一度戦って、決着をつけるつもりだった。でも、それが有耶無耶になってヤツはベルトを持ったままで、防衛戦をアレクサンデル・シャブリーを相手に戦う。どういう政治力が働いたのか、どうせ従弟の巨大なパワーがモノをいったんだろう。そんななかPFLでまた100万ドルを賭けて戦うことができる。これは僕にとって100万ドル争奪トーナメントの第2ラウンドなんだよ」

■視聴方法(予定)
4月5日(金・日本時間)
午前7時15分~U-NEXT

■ PFL2024#02計量結果

<ライトヘビー級/5分3R>
インパ・カサンガネイ: 204.8ポンド(92.89キロ)
アレックス・ポリッジ: 204ポンド(92.53キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ロブ・ウィルキンソン: 205.8ポンド(93.34キロ)
トム・ブリーズ: 205.2ポンド(93.07キロ)

<ライト級/5分3R>
クレイ・コラード: 155.6ポンド(70.57キロ)
パトリッキー・フレイレ: 155.2ポンド(70.39キロ)

<ライト級/5分3R>
マス・ブーネル: 156ポンド(70.76キロ)
ミカエル・デュフォー: 155.8ポンド(70.66キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
サディボウ・シ: 205ポンド(92.99キロ)
ジョシュ・シルヴェイラ: 205.4ポンド(93.16キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
アントニオ・カルロス・ジュニオール: 205.4ポンド(93.16キロ)
シモン・ビヨン: 205.4ポンド(93.16キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ドブレジャン・ヤギュシュムラドフ: 205.8ポンド(93.34キロ)
ヤコブ・ネドー: 206ポンド(93.44キロ))

<ライト級/5分3R>
ブルーノ・ミランダ: 155.4ポンド(70.48キロ)
ブレント・プリマス: 155.8ポンド(70.66キロ)

<ライト級/5分3R>
ガジ・ラバダノフ: 155.8ポンド(70.66キロ)
ソロモン・レンフロ: 155.6ポンド(70.57キロ)

<ライト級/5分3R>
エルヴィン・エスピノーザ: 155.4ポンド(70.48キロ)
アダム・ピコロッティ: 155.6ポンド(70.57キロ)

<ヘビー級/5分3R>
マルセロ・ヌネス: 241.6ポンド(109.58キロ)
ジョーダン・ヘイダーマン: 246.2ポンド(111.67キロ)

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