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【Black Combat05】DEEP✖Black Combat対抗戦へ大原樹理─01─「グラウンドの蹴りも練習しています」

【写真】チャンピオンの風格? ブラックコンバットとの対抗戦に余裕が感じられた大原(C)SHOJIRO KAMEIKE

2月 4日(土・現地時間)、韓国はスウォンのスウォン・コンベンションセンターで開催されるBlack Combat05ではBack CombatとDEEPとの対抗戦が行われる。5階級で争われる対抗戦のライト級にはDEEP同級王者の大原樹理が出場し、ユン・ダウォンと対戦することが決まった。
Text by Shojiro Kameike

いきなり王者を投入、佐伯繁DEEP代表の意気込みがうかがえる大原の対抗戦出場。大原は2021年7月にベルトを獲得し、その1年後の昨年7月に石塚雄馬をサッカーボールキックでKOし、防衛に成功した。まだ対抗戦のルールは正式発表されていないが、大原は韓国でも相手の顔面を蹴り上げる準備ができている。


――Black Combatとの対抗戦を控えている大原選手です。MMAPLANETでは2023年初めてのインタビューとなりますが、大原選手にとって2022年とは、どのような1年だったでしょうか。

「去年は3試合しかやっていないんですよね。だから、試合していないなぁという感じでした」

――MMAでは年間3試合も多いほうかもしれませんが、それでも少ないと感じますか。

「そうなんです。ずっと年間4試合以上はやっていましたから。佐伯(繁DEEP代表)さんに『試合を組んでほしい』とお願いしても、うまく組めなかったこともあって。特に9月のRIZINで負けたのは痛かったです(ルイス・グスタボに1R KO負け)。あの負けで、今のままじゃダメだなっていう再確認ができました。やっぱり海外の選手は、爆発力も耐久力も――日本人とは全て違いますよね」

――これまで大原選手は、負けてもすぐに試合を組んでほしいと佐伯代表にお願いしていました。ですので、昨年末もグスタボ戦の後すぐにDEEPで試合があるのかと考えていたのですが……。

「確かに佐伯さんから『DEEPで試合を組もうか?』お話は頂きました。ただ、自分としては大晦日に出たかったのと、大晦日がなければ休んでもいいのかなと思ったんですよね。ちょっと様子を見ながら、大晦日出場の少ない可能性に懸けていたっていう感じです」

――なるほど。昨年3試合はRIZINで2試合、そしてDEEPでライト級王座の防衛戦を行いました。改めて昨年7月、石塚雄馬選手を相手にサッカーボールキックでKO勝ちし、ベルトを守った試合から振り返っていただけますか。

あの試合は、すごく緊張しましたね。やっぱりベルトを賭けるっていう――自分にとっては初防衛戦だったので。まずそれが一番の緊張です。もちろん相手に対する緊張もありました。石塚選手は前の試合で、TENCHO(川名TENCHO雄生)選手をKOしていて。しかも一発で相手の意識を断っていましたから。あの一発のことを考えたら、すごく嫌なプレッシャーがありました」

――その緊張感やプレッシャーは、試合前には解消できたのでしょうか。

「いえ、試合直前もすごく緊張しました。入場する前に『もう覚悟を決めるしかないな』と思って。いつも試合前は、結構そんな感じなんです。でも試合になれば覚悟を決めるしかないし。あとはとりあえず、勝った負けたは置いておこうと考えていますね。

もちろん勝つに越したことはないけど、まずは練習してきたことを全力で出し切る。『出し切れば自ずと価値が見えてくるんじゃないか』という考えなんですよ。それが前回の防衛戦では、良い結果に繋がったのかなと思っています」

――DEEPにとっては2022年最大のビッグイベントであり、そのメインをKOで締めました。ミスターDEEPを目指す者としての面目躍如ですね。

「あれは良かったですよ! 言い方は悪いかもしれないけど、あの日は結構テクニカルな内容の試合が多かったじゃないですか。その中で自分の試合が、一番お客さんの印象に残っていると思いましたね。会場の盛り上がりも凄かったですし。『DEEPに大原樹理あり!』というところを見せられたんじゃないかな、と思います」

――大原選手は2020年以降、蹴り上げやフットスタンプ、そしてサッカーボールキックからのKO勝ちという試合が多いです。

「サッカーボールキックは、最近ではなかなか珍しい勝ち方になっていますよね。DEEPルールだと、みんなが警戒しちゃっているから、それほど決まらなくて。石塚戦のサッカーボールキックは、考えて出したものではなかったです。気がついたらサッカーボールキックを打っていたんですよ」

――気づいたらサッカーボールキック! フットスタンプやサッカーボールキックを見ていると、あれは考えて出せるものではないなと思います。寝ている相手の顔を踏んだり蹴り上げたり……というのは、普通なら躊躇しませんか。

「アハハハ、そうですね」

――だからこそ大原選手のフットスタンプやサッカーボールキックは、普段の練習から染みついているものではないかと思っていました。

「やっぱり試合ではフィニッシュしたい気持ちが大きいですし、そのためにフットスタンプもサッカーボールキックも普段から染みつかせています。実はジムで、フットスタンプやサッカーボールキックの練習もしているんですよ」

――えっ!? それはどのような練習なのでしょうか。

「それは教えられません(笑)。普通なら危ないですけど、ウチの会長(ランボー松風KIBAマーシャルアーツ会長)のおかげです。会長なくして、僕のKO勝ちはないです」

――ユニファイドルールはサッカーボールキックやフットスタンプが禁止なので、相手がダウンするとパウンドを打つか抑え込みに行きます。DEEPルールでは、その選択肢は頭の中にないですか。

「あぁ、そうですよね。あるいは起き上がる相手を、アッパー気味のパンチで殴りに行くか。そこで抑え込むという考えは、自分の中にはないです。RIZINもそうですし、今回のBlack Combatも垂直ヒジがないだけと聞いています。サッカーボールキックやフットスタンプがあるだけで、だいぶ試合展開が変わるじゃないですか。だから次の試合に向けて、グラウンドの蹴り技も練習しています」

――やはりリングかケージか、ヒジの有無、そしてグラウンド状態で顔面への蹴りが許されているかどうかで、同じMMAでも大きく変わりますよね。

「はい。ただ、何かがダメならダメで、試合の組み立ても変えますからね。DEEPルールを軸に考えたら、どのルールもそれなりに行けると思いますよ」

<この項、続く>

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ABEMA KTT MMA MMAPLANET o UFC チョン・ダウン パク・ジョンヨン ブラック 佐藤天 木下憂朔 海外

【UFC】佐藤天─02─キルクリフFC所属フロリダ在住。「この場にいるから強くなれるなんて思っていない」

【写真】結果を残さないといけないことは彼自身が一番理解している。それでも、敢えてこちらの要望に応えて話をしてくれている──インタビューなのだ(C)SATO TEN

2023年に向けて『2022年中に話を訊いておきたい』勝者、敗者を6人リストアップしインタビュー──佐藤天編Part.02。

UFCと契約更新も連敗という厳しい時を過ごした、佐藤天の2022年。フロリダ、ディアフィールドのキルクリフFC拠点に置くのは日本にない環境を求めたから。数の論理では絶対に敵わないなかで、佐藤は日本が世界のMMA界で遅れを取っていることを指摘し、日本のMMA界に足らない点を指摘してきた。

もちろん経済、市場、MMA興行の在り方、ジム運営の在り方、コンバットスポーツとの向き合い方、日本と米国は違う。選手個人では変えられない現実を前にして、佐藤天が常に口にするのは、選手自身ができるMMAに取り組み姿勢だ。

<佐藤天インタビューPart.01はコチラから>


──海外を知るべき。練習すべき。ただし、日本でもデキる。その可能性も持ち続けたいです。環境の違いはあっても、要は自分次第で海外が生きる、国内でもデキるということもあるかと思っています。

「自分次第なのは間違いないです。海外のジムに行って、何をするのか。そこも自分次第です。僕自身、結果が出ていないから『何をやっているんだ』という声が挙がるのは当然です。そのなかで僕はこっちでトップ選手たちが勝つためにどれだけやっているのか。その取り組みを見て、自分にもそれだけのことを課してやってきました。ただし、結果を出すのは環境ではない。自分自身、個人に掛かってきます。

海外に行けば良いという風潮自体は間違っています。日本の良さ、こっちの良さを考えた上で、選手や指導者の取り組み方を自分に生かせるようになるには、やはりコミュニケーションが必要です。短期間でそれを求めるのは難しいですし、限界もあります。

融通の利く、日本の方が良い部分も当然あります。それは個人の性格によって違います。と同時に強くなるための材料が、より多く転がっているのはこっちだと思います。ただし、その環境を自分で創っていく。強くなって結果を残すために必要なことは、国外にはたくさんあるとは言っても与えられているだけで、そこが十分にはならないです」

──韓国を取材し、KTTなど平日のお昼のプロ練習に20名以上集まっていました。試合を終えたばかりの選手とファイトウィークの選手が来ていなくて、その数でした。ミドル級のパク・ジョンヨン、ライトヘビー級のチョン・ダウンがUFCでそれぞれ5勝2敗、4勝1敗という戦績を残しており、チームメイトもライト級以下が多い。それでも結果を出している。単独のチームで、25人とかプロ練習ができるチームが隣の国にあったことは、脅威でした。

「う~ん、なんというのか……国を挙げて、いや国という単位にしなくても韓国はMMAやUFCに対する環境が日本とは違うのでしょうね。自分からすると日本の格闘技界からは、日本を強くしようという気概は見られないです。

何か、そのMMAを戦う一番の目的にある部分に対して、何か足を引っ張り合っている。キルクリフFCは30カ国以上の選手が集まってきて、束ねるコーチがいる。勝ち越している状況でも、思ったように結果が残せていないと指導者が皆に発破をかけている。

こないだ木下憂朔選手とヘンリーと食事をした時に、ヘンリーが『世界中に良いコーチはいる。ただし、トップの選手が集まって練習できる環境は世界でも少ししかない』と言っていました。どこにいても選手達で創っていくという気持ちが大切だと思います。そういう風に選手が考えられる環境を提供してもらえていることが、ここにいて一番大きなことだと思います。

日本は遅れている部分があります。でも、それを補うだけのことを選手達ができる環境だって日本にあります。でも、それをしない。(若松)祐弥なんて、凄いなって思うことは自分で何でもトライしています。自分で創っている。そういう選手が増えれば、日本でも強くなれます。

反対に人数だけ増えて、選手が与えられたメニューだけをこなすような状況も存在します。そういう選手は思ったように伸びない。チームが大きくなると、そういう選手も必ずいて。でも祐弥みたいに個人でやるべきことを、しっかりとやってきた選手が個人的に伸びていく可能性は凄くあります。

今の日本の環境だと祐弥のように自分で考え、努力しつつ状況判断をするような選手は日本でも強くなれる。ただし、そういう選手の分母が大きくなるのがこっちだと思います」

──その通りなのでしょうね。

「木下君もそうやって、日本で凄く工夫してきた選手だと思います。10代からコツコツやってきたこともあって。キルクリフFCでも好奇心が強くて、やられても楽しんでいます。英語は本当に話せなくて、でも自分から質問してジェスチャーで何とか理解しようとしています。どうしても分からないと『通訳してください』って尋ねてくる形で。上から見るわけでなく、彼には強くなれる資質があります。まだ22歳で。それって僕がMMAを始める前の年なんです」

──何とッ!!

「あの年齢でこっちに来て練習をしているだけでも、リスペクトしています。正直、やられながら食らいついている状況だけど、それができている。UFCで契約更新までいくと、凄い選手になると思います。凄く可能性を秘めています。そうなるメンタルがあります。基本的に僕は自分のことに集中するタイプですけど、木下君からは凄く良い刺激を貰っていますね。

僕自身はそういう環境にいて……前回の試合前も凄く自信があって、過去最高のキャンプもできたのにあんな結果に終わった。僕自身のため、そしてチームのためにも……自分の失敗も、成功を掴むために全てに意味があると信じてやっています」

──一つ一つの失敗をしっかりと把握して。でも、引きずらずにポジティブ・シンキングで。

「目先のことばかり追っていても、何も得られないです。一か八かじゃないですけど、本当に大きなモノを掴み取ろうとしている人たちが、最後は結果を出す。ブラックジリアンからやってきたヘンリーも、何もないところから有り金を全部はたいてジムを開きました。大きなモノを追う。大きいモノを追うから、大きなモノを手に入れることがデキる。そう思ってやっていきます」

──人と違うことをやっていると、何かと言われることもあるでしょうが、自分の足で歩んでいる。最高な人生だと思います。

「前から言っていますが、好きなことをやっているのになぜ他に自分を合わせないといけないのか。MMAってオリジナリティがぶつかり合う世界で。せっかく、その世界にいるのに皆が同じことをやっていても……。それだと、単に世間から見て特殊でもなく、小さなコミュニティに身を置いているに過ぎないです。

MMAにどういう面白さがあるのか。そこを追わずに、なぜか皆と同じことをやっている。それでMMAをやっていて、面白いのかなって」

──個性的な連中の集まりなのだから、もっと『個』で生きようと。

「ハイ。日本のMMAは今いる場所で、そこから何からを得ようとする気持ちが強く、自分で何かしようとする人が少ないかと思います。だから海外だけに限らず、〇〇に行けば何とかなるとか、強くなるって思いがちなのかなって。こっちにいる選手は、足りない環境のなかで自分で何かを得ようとしている。足らないことがあれば自分でどうにかしようっていう感じで、この場にいるから強くなれるなんて思っていないです。

どこにいようが自分の力で強くなる。それは米国にいても、日本にいても同じで。そこは間違ってはいけないところだと思います。海外に練習に行けば、強くなれるなんてことはなくて。リスクを背負って、何を得に行こうとするのか。そこで得られるモノにしても、本人の技量、期間で変わって来ると思います」

──海外で練習する=強くなる──ではないと。ただし、行かないと分からない。行って合う人間、そうでない人間もいる。

「何かを得て帰国したとします。その得たものを生かせる環境にあるのか。練習仲間、指導者を含め。そこも短期の練習だと考えないといけないところです。だから日本の格闘技界全体の問題になってくるという話になってしまうんですよね。個で頑張っても、個で補えない状況があるので」

──つまりはKTT……韓国にはあるかもしれないことが、日本にはないということですね。

「そうですね。堀口選手は日本に目を向けていない。それは同じ目線で語ることができる選手や指導者がいないからかと。同じ目線を持つ指導者や練習相手がいるATTに、堀口選手も身を置いている。日本がそうなって欲しい気持ちを持っていても現役の間は今、そこを共有できる環境が必要になるので。ヘンリーは『自分たちで創っていくんだ』と言っています。選手は自分で求める。コーチから何を吸収するのかは、選手自身です」

──そしていよいよ迎える2023年、本当の意味で崖っぷちからリスタートと言えます。

「これだけこっちが良いって僕は発言していても……結果が残せていなくて。進退が掛かってくるレベルになっています。僕がMMAを始めた時からの目標が、UFCで結果を出すことでした。その点でいえば、まぁ良い試練を貰っているなと思います(苦笑)。

さっきも言いましたけど、アレが意味のある負けだったと振り返ることができるように全てを結果を残すという部分に繋げていきたいです。間違っていた部分も見つめ直して、日々やっています。ちょうど時間を置くことができる状態だったのでコーチとも話して、少しスタイルも変えています。そういうところを結果で出せるように……口で何を言っても始まらないので(笑)。

必要なのは結果です。新しい年になるので、ホント2022年があったから今の自分がある。アレがあったから、将来に繋がった。『2023年以降に結果を出すことができたのは、2022年があったから』と言えるような未来にしていきたいです」

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DEEP o YouTube ブラック

【DEEP】韓国のブラックコンバットとの対抗戦に出場する選手が決定

273: 実況厳禁@名無しの格闘家 2023/01/08(日) 08:06:23.73 ID:e6bj8769p
DEEPと韓国のブレダンことブラックコンバットの対抗戦メンバーがガチだけどそんな強いのか?

https://youtu.be/uWjIalVn1e8

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【DEEP vs Black Combat】黒魔術✖腹芸。対抗戦へ、聖悟、中村、大原、赤沢&大島──DEEPは本気度100%

【写真】このメンバーだと5連勝、いや4勝1敗。あるいは3勝2敗は絶対という選考でしょう。完全に佐伯さんは勝ちに行っている(C)MMAPLANET

8日(日)に2月上旬に韓国で開催されるBlack CombatとDEEPの5✖5の対抗戦。ここに出場するDEEP勢の発表が、DEEPからあった。そのメンツが大人げないといっても過言でない本気過ぎるメンバーとなった。

その5人は以下の通りだ。

バンタム級=山本聖悟
フェザー級=中村大介
ライト級=大原樹里
無差別級=赤沢幸典
女子アトム級=大島沙緒里


現ライト級王者の大原、女子ミクロ級及びDEEP JEWELSアトム級チャンピオンの大島、さらに中村と赤沢もフェザー級とメガトン級のタイトルコンテンダーだ。

また山本も戦績的には黒星先行も、昨年8月には現暫定バンタム級チャンピオン石司晃一戦をKO勝ち寸前まで追い込み、力をつけていることを立証してみせている。さらにいえば山本は在日コリアンで、現地ではキム・ソンオの名前で戦っており、ホームを2つ持っているといっても過言でない。

言わば必勝の構えのDEEP勢に対し、ブラックコンバットがどのような陣容で来るのか。実際には既に対抗戦選抜マッチは終了しており、YouTubeでの配信をもって正式発表とここもブラックコンバット色を強く打ち出している。

もはやブラック代表の黒魔術といって良い方法論に対し、腹芸では負けない佐伯繁代表の勝負論路線──否応なしにブラックコンバット選抜チームの発表に注目が集まる。

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Black Combat Black Combat04 MMA MMAPLANET o ROAD FC イ・ジンセ イ・ソンハ キック キム・ジュンギュン ブラック ユ・スヨン

【Black Combat04】前ライト級王者ユ・スヨンがイ・ジンセを右カーフ&TDで圧倒、フェザー級も制す

【写真】徹底したケージレスリングとコントロールの強さを見せたユ・スヨン。打撃戦が少なかったメイン。これができるうえで打撃に強い──それがRoad FC成長期の韓国MMAだった。ブラックコンバットでは原点回帰もあるのか(C)MMAPLANET

12月31日(土・現地時間)に韓国はインチョンのパラダイスシティホテル内クラブ・クロマで開催された Black Combat04「The Era of New Kings」。

ブラックコンバットではLIVE配信を一切行わず、試合前から試合後までを編集した動画を大会後、数日を経て1日1試合というペースで公開している。8日(日)に同大会のメインイベント=Black Combatフェザー級王座決定戦の動画がアップされたので、ここで試合レポートを掲載したい。


<Black Combatフェザー級王座決定戦/5分3R>
ユ・スヨン(韓国)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27.
イ・ジンセ(韓国)

ライト級王座を返上して今回のフェザー級王座決定戦に挑むイ・ジンセ。4年前の初戦でユ・スヨンに勝利しており、今回が再戦となる。サウスポーのイ・ジンセはスイッチしながらサークリング。右ローを見せる相手との距離を詰めるユ・スヨンだが、イ・ジンセのインローが当たる。ユ・スヨンの左ジャブをかわしたイ・ジンセはローと・ジャブを当て、シングルレッグでテイクダウンを奪った。

ケージ際でハーフガードのユ・スヨンを抑え込むイ・ジンセ。トップコントロールからバックを狙いつつ、左のパンチで削る。ケージをつたって立ち上がろうとするユ・スヨンの左足を制してパンチを打ち込み、バックへ。左腕で相手の体を引き寄せ、両足を差し入れてバックマウントを完成させる。パンチで削るユ・スヨン。イ・ジンセが立ち上がるとバックコントロールへ。対するイ・ジンセは体勢を入れ替え、ユ・スヨンをケージに押し込み初回を終えた。

2R、両者が見合う中、ユ・スヨンの右カーフキックが当たる。イ・ジンセは左ハイ。ユ・スヨンも右カーフと右ミドルをヒットさせた。イ・ジンセが左ジャブを突くと、ユ・スヨンがダブルレッグでテイクダウンを奪う。ケージ際で相手の両足を畳んだユ・スヨンがマウントへ移行する。左のパンチと右ヒジで削りながらバックに回ったユ・スヨンが、右足を差し入れてバックコントロールでイ・ジンセの動きを抑え、右のパンチで削っていく。

立ち上がったイ・ジンセをシングルレッグでコカしたユ・スヨンは、そのままケージに押し込む。立ち上がろうとするイ・ジンセを、足をすくって倒すユ・スヨン。イ・ジンセがスクランブルに転じると、ユ・スヨンは立ち上がり、相手をケージに押し込んでいった。

最終回、ユ・スヨンがスイッチしながら距離を詰める。イ・ジンセは相手の左足江シングルレッグで組みつくも、これをスプロールされてしまう。距離を取るユ・スヨン。互いに左ジャブを突いたあと、イ・ジンセの左ボディアッパーにユ・スヨンが左ジャブを合わせた。ユ・スヨンの右カーフキックが連続でヒットし、イ・ジンセの左ふくらはぎが赤く腫れている。イ・ジンセもワンツーを繰り出すが、ユ・スヨンはブロックするなどパンチへのディフェンス力の高さを見せる。

ユ・スヨンがシングルレッグでイ・ジンセに組みつき、さらに足をかけて尻もちを着かせた。立ち上がろうとする相手をダブルレッグからリフトアップしたユ・スヨンだったが、イ・ジンセがボディロックから体勢を入れ替え、相手をケージに押し込んでいったところで試合が終了した。

裁定は3-0でユ・スヨンの勝利。ライト級に続きフェザー級のベルトを巻いたユ・スヨンは3月にカザフスタンのMMAプロモーション=NEIZA FCのフェザー級王座防衛戦が控えていることを明かし、「また来年、Black Combatで戦いたい。ライト級でも、先ほど試合をした2人(イ・ソンハとキム・ジュンギュン)よりも自分のほうが上だ。バンタム級でもベルトを獲りにいきたい」と3階級制覇を狙うと宣言している。

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Black Combat Black Combat04 DEEP K-MMA MMA MMAPLANET o PRIDE ROAD FC UFC YouTube エメリヤーエンコ・ヒョードル ブラック ボクシング

【Black Combat04】謎が謎を呼ぶ、ブラック代表に訊く新しいK-MMA─01─「PRIDEとUFCの良さを」

【写真】ブラック代表にインタビューをする際、日本だけでなく韓国の関係者からも「どんな人物だったか教えてほしい」と尋ねられるぐらい──謎な人物だ。ブラック代表は、コーヒーにはミルクも砂糖もいれないでほしい……(C)MMAPLANET

12月31日(土・現地時間)に韓国はインチョンのパラダイスシティホテル内クラブ・クロマで開催された Black Combat04「The Era of New Kings」。

大晦日大会はイ・ビョンホンがPR大使を務めるパラダイスシティ内のクラブで開催された

YouTubeを駆使したオーディションと煽り番組。ライブ配信を行わない。これまでのK-MMA界、いやMMA界の常識を覆す新興プロモーション=ブラックコンバット。

DEEPとの対抗戦が現実味を増すなか──謎が謎を呼ぶ、噂のプロモーションのブラック代表に話を訊いた。新しいMMAの形は、実は温故知新な部分もある──今、我々が目にしているブラックコンバットはブラック代表とブラックコンバットの壮大なプロジェクトの第一歩でしかない。


──K-MMA界の新興勢力、そして謎だらけのBlack Combatの代表Blackさんです。大代表がブラックと名乗ること自体が異例です。本名や生年月日は公表しているのでしょうか。

「神秘的な存在でいたいので、そういうことは秘密にしています。別に記者さんに年齢や年を伝えても良いですが、それは記事にしないでください(笑)」

──なるほど。とはいえ韓国のSNSは、日本よりも誹謗中傷など怖い印象があるので、素性を暴かれるような投稿もあるのではないですか。

「もうメチャクチャ多いですよ(笑)。コメント欄も、そのような言葉で埋め尽くされます(笑)。今では外を出歩く時も、自分が何を話しているのか聞き耳をたてられているのが分かるので、もう口を開かないようにしています。それでも先日、済州島に旅行に行くとプライベートを楽しんでいる写真を撮られ、それがDMで届くような感じなんです」

クラブ・クロマは韓国随一の大箱クラブだ

──最悪ですね。

「もうしょうないです。そういう状況も楽しむようにしています」

──それだけブラックコンバットが浸透していることが分かるエピソードですが、そもそもブラック代表はなぜMMAイベントを開催するようになったのでしょうか。

「自分はYouTuberでした。ただMMAが好きなユーチューバーだったんです。MMAを分析し、UFCの動向を伝えるようなYouTubeをやっていました。ただ、同じようなことをしているユーチューバーも少なくなくて、他のユーチューバーから言いがかりをつけられました。その時、『格闘技のユーチューバー同士、ボクシングで決着をつけようや』というようなことを言われました(笑)。

でも自分たちはMMAを伝えているんだから、『ならMMAでやりましょうよ』と。このやりとりが盛り上がって、その流れで『大会を開こう』と考えるようになったんです。喧嘩を吹っかけていた人間はボクシングで戦うことを主張していたのですが、ならもう関係ない。自分の相手はその彼でもなくて良いので、MMAを戦うから誰でも戦うと対戦相手を募りました。そうしたらボクシングの国家代表だった人や、ムエタイの選手が応募をしてきました。その結果、最初の大会を開いた。それがブラックコンバットの始まりだったんです」

選手が使用したグローブ等がオークションにかけられ、ファイターの収入となる

──喧嘩を売られて、イベントが始まったということですか。

「そのイザコザがある前から、MMA大会を開きたいという気持ちはありました。あのやり合いが始まった時に、これは良い機会だと思ったんです。ただし、自分自身が選手として戦うつもりはなかったです(※ブラック代表はブラックコンバットのアマ部門フェザー級王者。ニックネームはゴッドファーザーで、アマMMA通算戦績は3勝0敗だ)。

でも自分が戦うことで、イベントが盛り上がるのであればやるしかないと思いました。結果、ボクシングの国家代表やムエタイの選手と戦って勝ちました。そしてアンダーグラウンド(=アマチュア部門)のベルトを持っています」

試合後のインタビューには、選手のスポンサーのアピールタイムも設けられている

──その時は『俺に勝ったら、〇〇〇万ウォンだ』みたいな煽り方をしたのですか。

「実際にはファイトマネーは支払いました」

──MMAのユーチューバーでも、ブラック代表はMMAなど格闘技歴があったわけですね。

「MMAが好きで、普通の一般会員で練習していました(笑)。ただ、それだけです。兵役に就くまでに1度だけアマチュアの試合に出ています。でも、MMA歴はそれだけです」

──MMAが好きな人はいても、実際に練習するようになる人はやはり競技特性上も限られていると思います。真のMMA好きだったのですね。

「人それぞれの人生、生き方がMMAに凄く似ています。MMAこそ人生だと魅力を感じたんです」

本計量後には、ケータリングで昼食がファイターと関係者にふるまわれた

──好きになったきっかけのMMA大会とは?

「米国留学中に見たUFCです。自分はお酒もたばこもやりません。趣味は映画鑑賞でした。そんな時に偶然MMAを見るようになり、UFCからPRIDEをチェックするようになりました。一番好きだった選手はエメリヤーエンコ・ヒョードルです。ヒョードルやミルコの時代からMMAが好きでした」

──さきほど一般会員でMMAの練習をしていたと言われていましたが、ブラックコンバットに出場している選手が所属しているジムに在籍していた可能性もあるのですね。

「ハイ。サビMMA、ボン柔術、ライフジムという3カ所で練習していて、試合前には3部練をしていました」

──過去の練習仲間は正体不明のブラック代表が、誰なのか分かっていると。

「ハイ(笑)。公式にブラックコンバットを始めて、まだ4カ月や半年なので回りの皆が驚いているのは事実です。『あの時のお前がなぁ』という声もありました。そこから2度戦い、勝ち星を得たことで以前の自分を知っている人も皆が認めてくれているように感じます。実際に『こういうことをやると思っていた』と言ってくれる人と、『全く想像もつかなかった』と言う人は半々ですね(笑)」

3階の100万ウォンのVIP席の観客は、直結した4階のジャグジーと温水プールを試合開始の2時間前から使用できる

──UFCやPRIDEが好きだったブラック代表にとって、K-MMAの大会はどのように映っていたのでしょうか。

「UFCやPRIDEが好きで、当然のように国内のMMAも見るようになりました。Road FCやTOP FCをずっと追ってきました。その当時から団体ごとに長所と短所があることを感じていましたね。今、ブラックコンバットはその良い部分だけを参考にしています」

──自分ならMMAを「このようにプロモートする」というアイデアを持ちながら、韓国の国内イベントを見てきたのですね。

「その通りです。今の時代に合わせて団体を運営していくというのもありますが、伝統的なMMA団体の在り方も良いところがあると思っています。その2つを混ぜて、ブラックコンバットをプロモートしていきたいと思っています。

韓国のMMA団体だけでなく、例えばPRIDEからはドラマチックなMMA、イベントの完成度の高さを学びました。UFCはランキング性があり、勝てば上に上がっていくというフォーマットがあります。どちらが良い悪いではなく、どちらも良いのでこの2つのMMAの有り方を採り入れたいと考えています。ドラマチックであり、競技性の高いモノをブラックコンバットは目指します」

──現状、優れた映像でYouTubeを媒介して、プロモーションをしている。ここが従来のイベントを明確な違いとなっています。

「MMA団体にこれまでになかった新しい映像を創ることは、ずっと興味を持っていました。そしてYouTubeを駆使してマーケティングの開拓に成功した団体はブラックコンバットが初めてです。一番の後発団体ですが、他の団体は既にブラックコンバットを模倣し始めています。ならば自分たちはここに留まらず、今は映画館を使ったパブリックビューイングを実施しようかと考えています。もちろんTV放送についても、アイデアはあります」

<この項、続く>

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