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【ONE FN24】山北渓人、世界最高峰で日本人対決。猿田洋祐「日本のストロー級を背負って来た自負はある」

【写真】長女、彩雪(いぶき)ちゃんと。ママがお迎えにくるまで、FIGHT BEAT WORKOUTで一緒に過ごす(C)MMAPLANET

明日3日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムでONE Fight Night24「Brooks vs Balart」が開催され、猿田洋祐が山北渓人と日本人対決を行う。
Text by Manabu Takashima

修斗とONEの世界王座を巻いたベテランが、パンクラス王者から世界最高峰ONEストロー級王座を目指す山北と戦う。世代、日本でのホームが違う山北との一戦はジム経営&指導をしながら、限られた時間をやりくりして現役ファイター生活を送る猿田にとって自分の戦いであり、自己肯定するためのファイトとなる。


苦しい試合になるのは分かっているので、そういう練習を小野島さんの力を借りてやっています

――2月のマンスール・マラチェフ戦、ジム経営者として初めて挑んだ試合に敗れ、今回の山北選手との試合はそれ以来となるファイトです。

「1年半以上、試合期間が空いての復帰戦でしたが、もちろん勝つつもりで戦っていました。準備期間は3週間しかなくても、ベストは尽くしました。その結果の敗北ということで、納得はしています。強かったです、あの押し込みとか。ケージだったら、もっと何もさせてもらえなかったかもしれないです。押し込みの力強さは、過去に感じたことがないモノでした。

でも3週間の準備で、あのレベルの選手とある程度戦えた。そこは把握できたので、それと同時に時間をかけないといけないということが分かりました」

──以前とは違いベルトを意識せず、強い相手と戦っていきたい。そのように話していた猿田選手ですが、復帰戦に負けても同じ気持ちで今回の試合に臨んでいるのでしょうか。

「年齢もあるので、どういうモノが残せるのか。ジムに関しても今はセミパーソナルのフィットネスジムですが、将来的には選手育成のジムを創りたいという目標を持っています。その時になって今の自分のように35歳を越えた選手が、どのような練習をして、どういうメンタルで試合に臨めば良いのか──。

もしくは遅くに格闘技を始めた人が、30代後半で結果を残すためにどういうトレーニングをすれば良いのか。それを自分の体を使って、実験しているような感覚で創っています」

──今の猿田選手にフィットしたMMAファイター人生を送ると。

「20代の後半、30代の前半のように長い時間の練習とか、3部練習とかは体の面、仕事の面で厳しくなっています。限られた時間で、試合に勝つために工夫をした練習をやっています。それで結果を残せるのか、それこそ今の自分がやっていることです。だから結果が欲しいです。

今できる最大限の練習をしているので、結果が伴わないと続けることができなくなるということですね」

──その限られた時間で工夫した練習というのは、どういうものなのですか。

「ジムでの指導が昼からある日は、朝早くにHEARTSに今年のネオブラTのストロー級で優勝した船田侃志に来てもらって練習して。今日のように夕方からの日は、小野島(恒太)さんと午前中に、CBW東中野でマンツーマンでスパーリングをしてもらっています。

HEARTSで皆が集まってやるプロ練習にも出たいのですが、ジムの都合で出られないのが現実で。だから自分のジムに選手に来てもらったりしています。それとマンツーマンの練習は効率が良いというのもあります」

──というと?

「自分の試合のためだけの練習ができるということですね。誰かに合わせたり、決められたことをするのではなくて。やりたいことだけを集中して短時間でできます。時間に追われているので、マンツーマンは良いと思います」

──つまり小野島選手とのマンツーマンの練習は、山北選手との試合のことを考えられたトレーニングで、小野島選手が強くなるとかということは考えていないことになるのですか。

「そこまで仮想・山北ということではないのですが、誰と戦っても最後は気持ちが大切になります。苦しい試合になるのは分かっているので、そういう練習を小野島さんの力を借りてやっています。

リバーサルジム川口リディプス時代に小野島さんが練習に来てくれて。小野島さんは打撃の選手で、僕は柔術がベース。互いにレスリング──つなぎの部分が足らないと感じていて。それこそ山北選手と同じMe.We所属でレスリングが得意な中村憲輔さんにパーソナル・レッスンをお願いして一緒にやるようになったのが12、13年前です。あれから週に1度、試合前は2度という感じでずっと一緒にやってきました」

──もうHEARTSのプロ練習には一切参加していないのですか。

「いえ、それでも金曜日にはHEARTSのレスリングとグラップリングのプロ練習に出させてもらっています」

──大沢ケンジさんと顔を合わせるのは、その日だけですか。

「ハイ。でも、ずっとLINEで連絡を取り合っています。自分が仕事でチェックできていない試合とか、『絶対に視ろ』ってメッセージが来て。視たら、その試合について話をしたり。ONEとかUFCでも、自分に合った攻撃や山北選手対策になるような動きがあると、その試合を視るように連絡が来ます。そして自分もチェックして、動いて答え合わせをする。大沢さんは格闘技の試合を見ている数が違っていて。本当に色々な試合を見ているので、たくさんアドバイスを貰っています。ここまでずっとやってきたので、毎日のように顔を合わせていなくても、大沢さんへの信頼は変わらないです」

山北選手との試合は、自分と戦うイメージです(笑)

──そんななか、山北選手のオファーを貰った時はどのような気持ちでしたか。

「今回、3カ月の準備期間があって。オファーが来た時は、ジムを任せられる人に確認を取って即答で受けました」

──国際戦の方が良かったという気持ちは?

「全然なかったです。基本的に誰とでも戦います」

──山北選手としては、世代が上の元世界王者を踏み台にする。そういう位置づけの試合かと思います。

「向うは元チャンピオンとか思っているかもしれないけど、そういう意識は自分のなかにはなくて。ジムにベルトを飾るのも本当は嫌なんですけど、ビジネスのために置いています(笑)。ベルトは1回取ったものなので。それより、今の自分がどうなのかっていうところに興味があります」

──マラチェフの押し込みの強さを経験したことで、山北選手とはどのような戦いをしたいと考えていますか。

「山北選手との試合は、自分と戦うイメージです(笑)。ONEと契約したころの自分と戦うような。勢いがありますよね。だから、自分もあるだろうし。自分は競技としてレスリングはやっていないのですが、レスリングと柔術を合わせた自分とよく似た戦い方をしています。似ている部分がたくさんあります。だからこそ、より勝ちたいという気持ちが大きいです。経験が違うということを見せたいですし……。」

──サクッと勝てる相手ではないですし、疲れる試合が予想されます。

「楽に勝ちたいとは思わないです。サーキットトレーニングとかで追い込んでいるのに、1Rで勝つと勿体ない。これだけ練習をしてきたのに。5分3R、全て戦いたいです」

──そういうモノなのですね……。

「試合が終わると、色々な感情があって。厳しいことを乗り越えて、反省会じゃないけど試合を振り返る。その時、厳しかった試合を振り返るのが、一番楽しいです。アハハハハ」

──マゾでナルじゃないですか(笑)。

「アハハハハ、確かに。自分に負けなかった。そこなんですよね。なんか普通じゃないことをやりたいんです。子供の頃から、ずっと普通って言われてきて。体操時代もそう。身体能力は決して高くなかったし、体力テストも平均的で。そんな感じだったから普通でないことに憧れていました」

──ならばタイトルには興味はなくても、ここで勝ってさらに上の相手と戦いという気持ちになりませんか。その方が、とことんしんどい試合ができます。そのために、山北選手とどのような試合をしないといけないと考えていますか。

「毎試合、気持ち的には変わらないですけど……自分から逃げないこと。楽な道とキツイ道があれば、常にキツイ道を選択していけるのか。そして、キツイ方に山北選手も引きずり込む。ただ、山北選手もそういうつもりで戦っていると思います。そこで競り勝てるのかどうかですね」

──個人的には山北選手がボカン戦の最終ラウンドで下になった時、彼の試合で初めて気持ちが途切れるような表情になったように見えました。

「マシーンになり切れていないのかも知れないですね。試合で感情を出さない。それも僕のテーマです。一生懸命になることも、なるべく出さないように戦っています。練って来た戦略通りに動いて、セコンドの声に従う。そこでスイッチを入れるという感覚でいて、それをまたやりたいですね」

──それこそマシーンになりきれた試合はありましたか。それが猿田選手の満足感に繋がると思うのですが。

「1度目のパシオとの試合ですね。あの時は途中から、疲れも感じていなかったです。ラウンドも分からない。ただ、大沢さんの指示通りに動く。マシーンになれましたね」

──つまり無心ということですからね。

「あの時も、準備期間がなかったんですよ。それこそ、普通じゃない。でもHEARTSに移籍してから、大沢さんは常に『普通じゃないことをやれ』って言っていて。だから試合スパンとか、修斗のチャンピオンになってからも、すぐに2階級制覇を目指して試合をしたり。大沢さんとやってきたから、僕もこうなったんだと思います」

──HEARTSから1分や2分の所に住んでいた時と変わらず、同じ気持ちで戦えるのか。本当に勝負ですね。

「まぁ『デキるのかな?』って不安に感じることはあります。普通の人なら諦めるなって思えるから、やり切れます」

──追い込みも指導が終わって、マシーンで一人でやっていると聞きました。ケツを叩く人がいなくても、それができるというのも……。

「正確にいうと、指導中にも同じ時間に自分を追い込んでいます(笑)。そこしか時間がないので。絶対にやると決めていることで、あとは夜にやるか朝にやるか。それだけです。スケジュールに書いたことをやらないと、自分は満足できないので」

──やはりマゾですね(笑)。

「アハハハ。本当にできるのかなっていう不安は、付きまとっています」

和田選手……やりたいですね。ストロー級、甘くないぞって

──この生活を続けるには、この努力に相応な相手を求めることかと思いますが、山北選手との試合後はどのような相手と戦っていきたいと思っていますか。

「戦ったことがない選手と、やりたいです。リト・アディワン、こないだ負けてしまったけどジェレミー・ミヤド。上の方だとボカン。そしてジャレット・ブルックス。あと5試合、契約が残っているので試合をするなら触れたことがない相手と戦いたいです」

──ストロー級転向を宣言した和田竜光選手とは?

「和田選手……やりたいですね。強いことは分かっているし、試合を見て勉強もさせてもらっています。練習でも触れたことがないから戦ってみたいです。それにストロー級、甘くないぞっていう気持ちもあります。階級を落としたからって、勝てるわけじゃない。ストロー級にはストロー級の厳しさがありますから、そんな楽じゃないぞと教えたいです。

自分も元々は修斗フライ級から、ストロー級に落としました。今は勝てていないので大きなことは言えないのですが、日本のストロー級を背負って来た自負はあります。そこの強さを見せたいし、まだ終わっていないということも証明したいです」

──UFCにストロー級がない限り、計量方法の違いでリミットも違いますが、ONEのストロー級は世界最高峰ですよね。

「ハイ。ONEのストロー級は世界一なんで。世界中のストロー級のトップがONEにやってきます。そこで強さを証明したいという気持ちは普通にあります。

だからこそONEのストロー級で6年、7年間やってきました。試合はどうなるか分からないですけど、自分のなかでは山北選手を圧倒する自信はあります」

■放送予定
8月3日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

■ ONE FN24対戦カード

<ONE暫定世界ストロー級(※56.7キロ)王座決定戦/5分5R>
ジャレッド・ブルックス(米国)
グスタボ・バラルト(キューバ)

<ONEサブミッショングラップリング世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/10分1R>
[王者]ダニエル・ケリー(米国)
[挑戦者]マイッサ・バストス(ブラジル)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
フィリッピ・ロボ(ブラジル)
ナビル・アナン(アルジェリア)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
デッドゥアンレック・ティーデ99(タイ)
ナックロップ・フェアテックス(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シャミル・ガサノフ(ロシア)
アーロン・カナルテ(エクアドル)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ドミトリー・コフトゥン(ロシア)
フェラーリ・フェアテックス(タイ)

<キック・フライ級/3分3R>
内藤大樹(日本)
エリアス・マムーディ(アルジェリア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
猿田洋祐(日本)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ランボーレック・チョーアッジャラブーン(タイ)
クレイグ・コークレイ(アイルランド)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
エンフオルギル・バートルフー(モンゴル)
カルロ・ブーミナアン(フィリピン)

<ムエタイ128ポンド契約/3分3R>
アリーフ・ソー・デチャパン(ロシア)
ザガリア・ジャマリ(モロッコ)

<ムエタイ女子アトム級/3分3R>
ユー・ヨーペイ(香港)
エイミー・ピルニー(英国)

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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE FN19 ジョナサン・ハガティー フィリッピ・ロボ ブログ

【ONE FN19】ダウン応酬の大激闘! ハガティーが右クロスでロボを沈め、逆転KO勝ち&王座防衛に成功

<ONEムエタイ世界バンタム級選手権試合/3分5R>
ジョナサン・ハガティー(英国)
Def.3R0分45秒 by KO
フィリッピ・ロボ(ブラジル)

互いの右ローが交錯する。ロボの右フックにハガティーが右ローを合わせた。ハガティーの右ハイをロボがスウェーでかわす。ハガティーが左ミドルからスイッチし、オーソドックスに戻してロボをコーナーに詰める。ハガティーの右ストレートにロボが左フックを合わせた。頭を下げて中に入るハガティーに対し、ロボは左に回りながら左フックを突き刺す。

左右フックを上下に散らすロボ。ハガティーは右カーフから左ローに繋げる。右ストレートから首相撲に持ち込もうとしたが、これはロボが下がった。残り1分でロボがハガティーをコーナーに詰めて連打を浴びせる。一度離れたロボだったが、右フックを効かせるロープ際の追撃でダウンを奪った。ボディブローを受けて苦悶の表情を浮かべていたハガティーは立ち上がるも、ダメージを感じさせる状態で初回を終えた。

2R、ハガティーが距離を詰めて右カーフを当てる。体が流れるロボだが、パンチを打ち返す。ハガティーは右ヒジを打ち込み、首相撲でバランスを崩させてから連打でロボを追い込む。ロープ際でグラついたロボだが、一旦距離を取るとパンチを打ち込む。しかしハガティーが左フックでダウンを奪い返した。立ち上がり、下がるロボをパンチで追いかける。右スピニングバックエルボーから、距離が詰まると右アッパーを突き上げるハガティー。ハガティーの左ヒジの打ち終わりに、ロボが右フックを打ち込んだ。ロボが右アッパーからパンチを上下に散らす。ハガティーも打ち返し、右ヒジをロボの顔面に叩き込んでいった。

3R、ハガティーが左前蹴りから距離を詰める。右ストレートから左ハイに繋げるハガティーが、さらに打つ下ろしの右クロスでダウンを奪った。ロボは立ち上がるもフラついており、レフェリーが試合をストポップしハガティーの王座防衛となった。


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【ONE FN19】キック&ムエタイ王者ハガティー「MMAグローブでムエタイをやりたくてONEを選んだ」

【写真】キックとムエタイの2冠王でもあるハガティーは「プライオリティを置いているのはムエタイだ」と語った (C)ONE

17日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE FN19にて、ジョナサン・ハガティーがONEムエタイ世界バンタム級王者として、フィリッピ・ロボの挑戦を受ける。
Text by Takumi Nakamura

タイ人に匹敵する多彩なテクニックとKOする破壊力を併せ持ち、ONEでムエタイとキックボクシングの2冠王に君臨しているハガティー。フライ級時代は減量苦に悩まされたが、バンタム級に階級を上げたことでONEを代表する立ち技ファイターとしての地位を確立させた。MMAPLANET初登場となるインタビューを公開!


――昨年11月のONE FN16ファブリシオ・アンドラジにKO勝利し、ムエタイに続いてキックボクシングルールでも世界王者になりました。あの試合を振り返っていただけますか。

「人間を超えた野獣のような2人の試合になって、そこでしっかり勝つことができた。これからはムエタイだけじゃなくてキックのベルトも防衛していきたい」

――ムエタイ→キックの順でベルトを獲ることになりましたが、どちらのルールを優先してやりたいという考えはあったのですか。

「やっぱり僕がプライオリティを置いているのはムエタイのベルトだ。僕はずっとムエタイをやってキャリアを積んできた。そしてノンオーという子供の頃から見ていた素晴らしいチャンピオンに勝って、ONEムエタイのベルトを巻くことが出来た。僕としてはムエタイのベルトをメインに防衛を続けていきたい」

――MMAPLANET初登場ということで、経歴的な部分も聞かせてください。ハガティー選手は何歳からムエタイを始めたのですか。

「僕の父がMMAファイターで6歳の時に始めて、最初はただ楽しむためにやっていた。13歳から真剣に取り組むようになって、今に至っている」

――ハガティー選手はONE公式サイトの所属の表記が「Keddles Gym/Knowlesy Academy/Team Underground」となっていますが、普段はどこで練習しているのですか。

「最初にKeddles Gymで練習を始めて、Knowlesy Academyに移って、今はTeam Underground MMAで練習している。このジムはMMAという名前がついているけど、ボクシング、キックボクシング、ムエタイとあらゆる格闘技を学ぶことが出来るジムなんだ」

――ハガティー選手は以前からテクニックに優れた選手でしたが、それはコーチの指導によるものなのですか。それとも自分でもテクニックを考えるのが好きなのですか。

「僕には父を含めて3人のコーチがいて、本当に素晴らしいコーチたちだ。それと同時に神様が僕に格闘技の才能というギフトもくれた。そのギフトを活かしてくれる最高のチームのおかげで今の僕があると思っている」

――ちなみにタイ人のコーチに教わったことはないのですか。

「普段はイギリスで練習をしているんだけど、試合前になるとタイのサムイにあるジムでトレーニングキャンプを行う。そこにはクジャックというタイ人コーチもいるけど、イギリスからトレーナーのクリスチャン・ノーズも一緒に来て、そのチームでトレーニングしている」

――イギリス人のトレーナーと練習して、一流のタイ人と渡り合うテクニックを身につけたのですね。それはすごく驚きです。

「そう言ってもらえてうれしいよ」

――ハガティー選手は色んな選択肢があったなかで、2019年にONEで対戦することを選びました。その理由を教えてもらえますか。

「ムエタイで最高峰の選手が揃っている舞台がONEだし、今もそれは変わらないと思う。それと何よりMMAグローブでのムエタイルールは、僕のファイトスタイルに最もフィットしているもので、ONEのムエタイルールで戦いたいと思って、ONEで試合することを選んだ。今こうしてONEで戦い、ベルトを巻けたことは本当にうれしいよ」

――また昨年フライ級からバンタム級に階級を上げましたが、かなり減量が厳しくなっていたのですか。

「その通り。フライ級時代は本当に減量が大変で、何度も試合前に病院に運ばれたことがある。その時にこれは階級を上げろというサインだと思ったし、チーム全員でバンタム級に上げることを決めたんだ」

――ハガティー選手はフライ級でロッタン・ジットムアンノンと2度対戦して、1度目は判定負け、2度目はTKO負けという結果でした。ずばりコンディションはかなり悪かったのですか。

「フライ級時代はどれだけいい状態に仕上げても70パーセントが最大だった。その状態でも最初のロッタン戦は負けていないと思っている。フライ級ではなんとか気持ちを奮い立たたせて戦っていたけど、やはりバンタム級の方がベストの自分で戦うことが出来る。だからぜひロッタンにはバンタム級に階級を上げてもらって、100パーセントの自分と戦ってほしい」

――今大会ではムエタイ王座をかけて、ランキング3位のフィリッピ・ロボと対戦します。ロボにはどんな印象を持っていますか。

「凄くハードワークでタイトルマッチまで上がってきた選手で、それはランキングにも表れていると思う。スタイルマッチアップでも、自分とはすごく合う相手だと思うけど、しっかり倒してベルトを防衛するよ。バチバチの打ち合いでファンが喜ぶエキサイティングな試合をしたい」

――先日、ONEの日本大会が開催されました。ハガティー選手も地元イギリスで試合をしたいという想いはありますか。

「もちろんイギリスに戻って戦いたいし、ONEもヨーロッパで大会を開催することを計画していると思う。イギリスのファンは最高だから、彼らの前で戦いたいね!」

――またONEがムエタイ・キックの試合を組むことで、多くのファイターが世界中で戦うことが出来るようになったと思います。その状況をどう思いますか。

「チャトリCEOとONEのおかげでムエタイがどれだけ素晴らしいスポーツを世界中に見せられていると思う。それはすごくうれしいし、彼らの取り組みには本当に感謝しているよ」

――日本ファンはキックルールでのハガティー選手と秋元皓貴選手の試合を望む声が多いです。彼との試合は意識していますか。

「僕とヒロキの試合は絶対に実現するだろう。ヒロキはすごくパワフルで強いファイターだけど、もし戦うことになったら勝つのは僕だよ」

――今では階級が変わったので簡単ではないことは百も承知なのですが……ハガティ、ロッタン、スーパーレック、武尊の4人が絡むところは見たかったです。一人の格闘技ファンとして。

「そう言ってくれてありがとう。どの選手も世界最高のファイターたちだから、僕も彼らとは戦いたい。ただ先ほど話したようにもう僕はフライ級まで体重を落とすことは難しいんだ。もし彼らがバンタム級に上げることになったら僕はいつでも戦うし、お互いに調整してキャッチウエイトでやることもありだと思う」

――ハガティー選手のようにテクニカルでKOを狙う選手は日本でもファンが多いです。最後に日本のファンにメッセージをいただけますか。

「日本からも応援してくれてありがとう。これからもファンのみんながドキドキ・ワクワクするような相手と戦って、エキサイティングな試合をするよ!」

■放送予定
2月17日(土・日本時間)
午前9時45分~U-NEXT

■ONE FN19 計量結果
※日本時間 2月15日 23時50分時点

<ONEムエタイ世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] ジョナサン・ハガティー:65.31キロ
[挑戦者] フィリッピ・ロボ:65.54キロ

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
セーマーペッチ・フェアテックス:65.77キロ
モハメド・ユネス・ラバー:未計量

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ダニエル・ウィリアムス:56.70キロ
リト・アディワン:56.59キロ

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
リアム・ノーラン:76.54キロ
ナウゼット・トルヒーリョ:76.66キロ

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
手塚裕之:82.78キロ
ヴァウミール・ダ・シウバ(ブラジル)➡アブラォン・アモリン:82.78キロ

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ルーク・リッシ:未計量
エディ・アバソロ:69.74キロ

<ミックスルール女子ストロー級(※56.7キロ)/3分3R>
ワンダーガール・ナット・ジャルンサック:56.70キロ
ダヤニ・カルドゾ:未計量

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
マンスール・マラチェフ:56.59キロ
猿田洋祐:56.59キロ

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
トンプーン・PKセンチャイ:56.70キロ
ティムール・チュイコフ:56.59キロ

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