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【RIZIN LANDMARK06】貴賢神戦へ、荒東“怪獣キラー”英貴─02─「僕のお披露目会。それしかないです」

【写真】体重=パンチ力では決してない。MMAもボクシングも体術の一つ。そんな吉鷹打撃を見せることができるか(C)SHOJIRO KAMEIKE

10月1日(日)、愛知県のドルフィンズ・アリーナで開催されるRIZIN LANDMARK06で、貴賢神と対戦する荒東“怪獣キラー”英貴のインタビュー後編。

タイでMMA人生をスタートさせた荒東は2020年に帰国し、打撃を教わるためチーム吉鷹の練習に参加することに。そこで学んだのはヘビー級の打撃ではなく、荒東英貴のための打撃だったという。荒東が語る、自身の打撃のとは――。さらにチーム吉鷹を主宰する吉鷹弘氏が荒東の打撃について語ってくれた。

<荒東“怪獣キラー”英貴インタビューPart.01はコチラから>


――チーム吉鷹で練習するうえで、『こういう打撃をやりたい』『この選手のようになりたい』という希望はなかったのですか。

「一切なかったです。そういう固定概念みたいなものを持っていなかったから、おかげさまで何とかチーム吉鷹でスパーリングできるようになれたのかもしれないですけど。チーム吉鷹って、他のキックボクシングジムと教える内容は違うじゃないですか」

――確かに他のジムとは一線を画しているイメージがあります。

「最初の頃は強い人たちにシバかれるか、僕がダーティボクシングで攻めるかというぐらいで(笑)。でも最初に柔道つながりで吉鷹吉鷹先生とお話してから、吉鷹先生も僕のことをイジってくれていたんです。その中で吉鷹先生が教えてくれることが、僕の中でハマッっていって――『この人、凄いなぁ』と思いました」

――チーム吉鷹では最初に何を教わったのでしょうか。

「ディフェンスです。ディフェンスをやった後に、ミドルの蹴り方とかに進みました」

――最初にディフェンスですか!

「チーム吉鷹に通い始めた2020年の年末に、練習でレッツ豪太さんにバッチバチにやられて……僕、初めて泣いたんですよ(苦笑)。『これはディフェンスを練習せな勝てんな』って。そこから吉鷹先生にディフェンスを教えてもらい、僕も教わったことを吸収できて」

――吉鷹さんの指導がハマッた要因は何だと思いますか。

「吉鷹先生の教えは武術的で、僕に合ったものを教えてくれるんです。それは岩﨑さんも同じで。僕がセオリーに沿って『こうしなきゃいけない』と考えていても、岩﨑さんは『荒東さんの場合はこうしたほうが良い』と教えてくれる。お二人のおかげで、僕自身も『自分に合ったものを探さなアカンねや』って考えるようになりました」

――荒東選手も、そうした指導を素直に受け入れられたのですね。

「たとえば打撃の練習って、あまりディフェンスに重きを置いて教えてくれるところは少ないと思うんですよ。チーム吉鷹だと、受け返しをよくやります。僕はそれが楽しかったです。レッツさんに泣かされた時から、本当に顔面攻撃への恐怖が凄くて。それを克服できたのが嬉しかったですね」

――他に『自分に合っているもの』と感じた指導はありますか。

「やっぱり体の使い方ですね。特に軸足の置き方や足さばきとか。吉鷹先生も現役時代、大きな相手と試合していたじゃないですか。僕もヘビー級では、自分より大きな相手と戦うことになる。そういうところがリンクしているんですよ。吉鷹先生は実際に自分が使っていたものを教えてくれる――それは生きた技術で。理論だけじゃない、生きた技術なんです。一番大きかったのは、パンチの打ち方でした。僕、最初はパンチが弱かったんですよ」

――えっ、それは意外です。

「今は自信がありますよ。それは吉鷹先生のおかげです。説明するのは難しいのと、本当に秘密なので言えません(笑)」

――アハハハ。とにかく打ち方でパンチの威力も大きく変わるということですね。

「吉鷹先生に教わったことを、自分でミックスしてから吉鷹先生に返すんです。『こういうことをやっているんですけど……』と言ったら、吉鷹先生は『こういう時は当たるけど、こうなった場合は止めておいたほうがエエかもしれんな』と答えてくれて。その答えがまた自分の中にハマってくる――ということが、ずっと繋がって今に至ります。一番感激したのは、GRACHANヘビー級トーナメントの決勝でした」

――決勝では右ローで崩してから右でダウンを奪った試合ですね。

「あれは吉鷹先生が言っていたとおりだったんです。その前に桜井隆多さんと対戦した時は判定勝ちで、試合後に吉鷹先生から『なんで右ローを蹴らんねん!』と言われました。下から崩していくのは当たり前ですけど、そこは重要な構えと蹴り方があって。でもあの時は右足を負傷していたから、蹴ることに不安がありました。その負傷が治って決勝では右ローを蹴ったらドンピシャで――『マジで先生の言うことを聞いておこう』と思いましたね(笑)」

――これまで日本MMAのヘビー級で、荒東選手ほど細かい足さばきからローを蹴る選手は少なかったように思います。

「それがね……僕なんて本当ならライト級ぐらいの体格でしょ。もともとフレームが圧倒的に小さいことは分かっているので、2月の試合が終わってからフィジカル強化にも取り組んでいますし、教わったこともハマってきました。これから、まだまだ行けますよ」

――では次の貴賢神戦は、どのような試合を見せたいですか。

「僕のお披露目会ですね。それだけしかないです。相手と比べて僕が劣っている点は無いので。相手に何もさせないし、できれば印象的な試合をしたい。『ヘビー級にもこんな選手がおるんや』と思ってもらえると一番です」

チーム吉鷹主宰 吉鷹弘氏の評価
「荒東の良さは理解力ですね。彼は教えたことをすぐに理解して、自分の中に取り入れることができます。ここ2~3年ではウチのメンバーで最も伸びた選手の一人です。特に荒東の場合は、始めて2年でココまで来ましたから。MMAファイターの中でも打撃面は群を抜いていると思います。荒東にとっては今回の試合が分岐点になるでしょう。今までは荒東が右のパンチを見せると、相手は『ここで行ったら倒される』と感じて下がっていました。日本のヘビー級で、あれだけローを蹴ることができるのも荒東ぐらいだと思います。でも次の貴賢神選手は絶対に前に出て来る。しかも右のパンチは強いし、伸びてきますよね。その貴賢神選手を下がらせて倒すことができたら、もう国内では相手がいなくなりますよ」

■視聴方法(予定)
10月1日(日)
午後12時00分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,RIZIN LIVE,スカパー!

■RIZIN LANDMAKR06対戦カード

<バンタム級/5分3R>
太田忍(日本)
佐藤将光(日本)

<キック61.5キロ契約/3分3R>
梅野源治(日本)
斎藤祐斗(日本)

<バンタム級/5分3R>
所英男(日本)
アラン“ヒロ”ヤマニハ(ブラジル)

<キック61.5キロ契約/3分3R>
梅野源治(日本)
斎藤祐斗(日本)

<フライ級/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
トップノイ・キウラム(タイ)

<ミドル級/5分3R>
イゴール・タナベ(ブラジル)
ANIMAL☆KOJI(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
渡辺彩華(日本)
万智(日本)

<フライ級/5分3R>
村元友太郎(日本)
ホジェリオ・ボントリン(ブラジル)

<58キロ契約/5分3R>
中村優作(日本)
ヒロヤ(日本)

<ヘビー級/5分3R>
貴賢神(日本)
荒東“怪獣キラー”英貴(日本)

<フェザー級/5分3R>
ビクター・コレスニック(ロシア)
高木凌(日本)

<ライト級/5分3R>
渡慶次幸平(日本)
井上雄策(日本)

<バンタム級/5分3R>
後藤丈治(日本)
日比野“エビ中”純也(日本)

<68キロ契約/5分3R>
銀・グラップリングシュートボクサーズジム(日本)
太田将吾(日本)

<キック57キロ契約/3分3R>
竹野元稀(日本)
内藤凌太(日本)

<バンタム級/5分3R>
切嶋龍輝(日本)
MASANARI(日本)

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ANIMAL☆KOJI DEEP Gladiator Grachan K-1 MMA o ONE RIZIN ROAD FC UFC キック スダリオ剛 トップノイ・キウラム パク・ヒョンソン パンクラス ヒロヤ ホジェリオ・ボントリン 万智 中村優作 井上直樹 伊藤裕樹 修斗 堀内佑馬 太田忍 後藤丈治 所英男 朝倉海 村元友太郎 渡慶次幸平 渡辺彩華 田中路教 皇治 貴賢神 高木凌

RIZIN LANDMARK6:オッズ/予想と展望

試合順未決定。MMAの試合のみ。

▼63.0kg契約
太田忍 1.57
佐藤将2.30

本来のメインはおそらく太田 vs. 井上直樹だったと思うが、井上欠場で代替カードとなったこの試合がすんなりメインに入るか?

RIZIN日本人バンタム級トップの1人将光。修斗では堀口が返上したバンタム級王座を獲得し、ONEでは現王者のアンドラージとランキング2位のステファン・ロマンに判定負けしたのみで4勝2敗。しかし63kg契約になったのは将光の減量が間に合わないためと思われ、試合に向けての準備が不足しているのは否めない。特に太田は対策が必要な相手だけに気になるところ。

将光がスタンドレスリングで押される展開がありながらも、大きなダメージを与えての判定勝ちと予想。

▼フライ級
伊藤裕樹 1.44
トップノイ・キウラム 2.62

トップノイは昨年のRoad To UFCでは初戦で堀内佑馬に判定勝ち。準決勝では優勝したパク・ヒョンソンからダウンを奪ったもののグラウンドに持ち込まれてチョークで一本負け。今年のRoad To UFCではワンマッチでGLADIATORに出場したニャムジャルガルにスプリット判定負け。打撃ならトップノイが上なので、伊藤はファイトスタイル的に相性が悪いか。

トップノイ判定勝ち。

バンタム級
所英男 3.75
アラン“ヒロ”ヤマニハ 1.25

46歳の所。ここ10年での勝利は紀左衛門(3戦目)、アーセン(3戦目)、太田(デビュー戦)でいずれも腕十字での勝利。神龍相手には敗れたが極めを仕掛けて健闘した。一方、堀口・ドッドソンのストライカーには秒殺OK負け。打撃が強い柔術家のヤマニハが相手だと、極めには付き合わないので厳しい。

ヤマニハKO勝ち。

▼女子ストロー級
渡辺彩華 2.62
万智 1.44

修斗スーパーアトム級王者の渡辺だが、キャリアは3勝1敗で、万智(3勝0敗)とほぼ同じ。しかし本来の階級よりは上で万智に合わせた体重での試合となる。渡辺がグラップラーの万智の攻めをしのいで打撃を打ち込めるか。

万智一本勝ち。

フェザー級
ビクター・コレスニック 1.36
高木凌 3.00

5月にライト級で岸本にカーフキックでKO勝ちしたコレスニック。今回は本来のフェザーでの試合。高木はパンクラスではKOの山を築いているが、RIZINレベルでは時期尚早。かつて敗れた現パンクラスフェザー級王者の新居に勝つのが先だと思うが。相手がコレスニックなら、ストライカー相手なので打撃勝負で勝つ可能性はあるが、勝ったとしても今後もRIZINで戦うには穴が多い。うっかり勝ってRIZINレギュラー参戦するようになると茨の道になり、瀧澤化しそうで不安。

コレスニックKO勝ち。

▼フライ級
村元友太郎 2.50
ホジェリオ・ボントリン 1.50

日本ではバンタム級で田中路教・元谷にフィニッシュされているボントリンだが、フライ級では元UFCランカー。しかし減量に不安が残る。しっかり体重が落とせれば、ストロー級から上げてきた村元相手には圧倒するだろう。

ボントリン一本勝ち。

▼58.0kg契約
中村優作 1.61
ヒロヤ 2.20

中村はRIZINではトップノイと征矢に判定勝ちしたのみで2勝5敗。神龍以外にはフィニッシュされており、特に最近KO負けが多く、ダメージが蓄積している。グラップラーのヒロヤ相手にコントロールされることはないと思うが、組むと見せかけた打撃をもらっての逆転KO負けはありそう。

中村判定勝ち。

バンタム級
後藤丈治 1.72
日比野“エビ中”純也 2.05

昨年のRIZINオープニングマッチで勝利した日比野。7月にはDEEPで鹿志村に判定勝ちして現在4連勝中だが、最後に敗れた相手はヒロヤ。ワンランク上のレベルで戦ってきた後藤の方が地力では上か。

後藤一本勝ち。

▼ミドル級
イゴール・タナベ 1.07
ANIMAL☆KOJI 7.00

今大会一番の大差のオッズ。KOJIは地元というだけの抜擢で、戦績的にはRIZINに出るレベルではない。K-1にも出ており打撃は強いので、打撃にまだ穴のあるタナベが組み際に打撃をもらってKOされるという可能性もあるが、普通に考えればすぐ組まれてあとは一方的だろう。

タナベ一本勝ち。

▼ヘビー級
貴賢神 3.00
荒東“怪獣キラー”英貴 1.36

RIZINでいいところなく2連敗中の貴賢神。シュレック、GLADIATOR王者ギブレインは、デビュー直後にやる相手ではない。今回もまたGRACHAN王者の荒東が相手。今回は無差別級ではなく120kgリミットなので、以前よりは動けるかもしれないが、やはり相手が悪い。

荒東KO勝ち。

▼ライト級
渡慶次幸平 3.40
井上雄策 1.28

ブランク5年の井上がどれだけ動けるかが不明だが、ブランク中も体を動かしていたなら、渡慶次では厳しいだろう。

井上KO勝ち。

▼ヘビー級
スダリオ剛 3.40
イム・ドンファン -

トッド・ダフィーが結局入国できず、代役はROAD FC5勝5敗のドンファンに。本来ミドル級の選手。軽い分スピードのあるドンファンが距離を取りつつ打撃を入れたら捕まえるのに苦労するかもしれないが、ドンファンには勝ち筋は見えない。

スダリオKO勝ち。

RIZIN.44の休憩中に交渉が発表された朝倉海 vs. 皇治は、てっきり翌日には正式発表されるのではないかと思ったが、意外と皇治陣営がMMAにまともに向き合っているようですんなりは決まらず。RIZINとしては最低でもガチにしたいところだろうが、今さらガチ試合として組まれても、この試合を1勝(1敗)としてカウントされてもという気がする。エキシビションか、MMA公式戦にはならない特別ルールあたりが落とし所ではないか。

オープニングマッチ開始が1日正午から。第1試合は午後1時開始。速報します。

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【RIZIN LANDMARK06】RIZIN初陣=怪獣キラー荒東英貴─01─「吉鷹先生のことオモロイおっちゃんやと」

【写真】RIZIN初見参。アッと言わせることはできるか(C)SHOJIRO KAMEIKE

10月1日(日)、愛知県のドルフィンズ・アリーナで開催されるRIZIN LANDMARK06で、GRACHANヘビー級王者の荒東“怪獣キラー”英貴が貴賢神と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

プロデビューから9戦無敗の怪獣キラーが、GRAHCANヘビー級トーナメント優勝後の宣言どおりRIZINに出場することとなった。身長177センチと、ヘビー級の中では小柄ながらKO勝利を生み出す荒東。関西のみならず日本中のキックボクサーとMMAファイターが集まるチーム吉鷹での練習について訊いた。

――今年2月にGRACHANヘビー級王者となって以来、7カ月ぶりの試合を控えています。

「7カ月は長かったです! ありがたいことに、2021年と2022年は年3試合やらせてもらいました。良いペースで試合できていたんやなって本当に感謝しています。そのぶん今回は7カ月も空いているので、少し不安はありますよ。不安要素といえば、そのブランクですね。それでも僕は今までケージでしか試合をしたことがないので、RIZINデビュー戦がリングではなくLANDMARK――ケージでやれることになって良かったです」

――2月の試合後にはRIZIN出場を宣言していましたが、この7カ月の間に交渉していたのでしょうか。それとも突然オファーが来たのですか。

「突然、といえば突然ですかね。GRACHANの岩﨑ヒロユキ代表にはずっと、RIZINに出たいという話はしていたんですよ。その頃、豪州の団体や韓国ROAD FCからも話が来ていて――どうしようかなと思っている時に、夏に東京へ行って岩﨑さんと話をしました。そこで『9月か10月のRIZIN出場の可能性もゼロではない』と聞いて。であれば、まずRIZIN出場をメインに考えて、RIZINで試合が組まれなければGRACHANの15周年記念大会(10月15日)に出るという話が進んでいました。GRACHANのほうで良いカードを組んでもらえそうだったけど、そこで貴賢神戦の話が来て試合が決まりました」

――GRACHANとしても快く送り出してくれたという形なのですね。

「もちろんGRACHANの15周年記念大会にも出たかったです。でもRIZIN出場を夢として掲げていたし、そこは僕も迷わなかったです。岩﨑さんのほうからも『今回はRIZINにしようよ』と言っていただいて」

――GRACHANの「良いカード」というのも見たかったです。ベルトを獲得して次の対戦相手の戦績がプロ2戦2敗の相手という点については、いかがですか。

「最初からヒリヒリする相手との試合でも面白いけど、僕としてはRIZINデビュー戦ですから、悪くない話やと思いました。周りからも『RIZINに出て一度でも負けたら終わりやからな』とビビらされています(笑)。あとRIZIN出場が決まった瞬間に、ネット上でアンチの方々が出て来ましたね」

――えっ!? どういうことですか。

「面白いもんですよ。僕が貴賢神選手を煽るような動画を、YouTubeにアップしたんです。そうしたら『何言ってんだ。荒東は強い相手と試合していない』とか。貴賢神選手のファンの方が書き込むのは、まだ分かりますけどね。ただ単に僕をクサすだけのコメントもあったりして。今まで僕のことを知らなかった人が何を言うとんねん、と(笑)」

――そんな荒東選手のことを知っていただきたく、今日は荒東選手が打撃の練習で通っているチーム吉鷹に伺いました。初めてチーム吉鷹で練習したのは、いつ頃でしょうか。

「初めて来たのは3年前――2020年の10月です。タイでMMAデビューしたあと、日本でGRACHANに出る前ですね。最初はチーム吉鷹のことも、吉鷹弘吉鷹先生のことも知らなくて。パラエストラ大阪の中山巧さんが『打撃のプロ練習なら、エエとこあるから行ってみたら?』と言われただけで、チーム吉鷹に来ました」

――何の予備知識も与えられずに(笑)。

「僕も当時の日本のキックボクシングについて何も知らなくて。来てみたら『巧い選手がたくさんおるなぁ』という感じでした。今考えたら、メンバーを考えると巧いし強くて当たり前なんですけど(苦笑)」

――そこでいきなりプロ練習のスパーリングに参加したのですか。

「はい。自分は技術じゃ勝てないと思って、ダーティボクシングしまくっていました。だって西岡蓮太選手(元シュートボクシング日本ライト級王者、KNOCK OUT 64キロ級トーナメント優勝)とスパーしたら、蓮太さんのジャブは全部食らうのに、僕のパンチは当たらんので。結局、くっついてアッパーを打ち続けていましたね」

――チーム吉鷹を主宰している吉鷹弘さんの反応はいかがでしたか。

「最初は吉鷹先生のことを全く知らなくて。でも初日に柔道の話で意気投合したんですよ。吉鷹先生は柔道出身やし、僕も兵庫で大学まで柔道をやっていたので。『メチャクチャ強くて面白いオッチャンやなぁ』と思いました(笑)」

――吉鷹さんをオッチャン呼ばわり(苦笑)。当時はチーム吉鷹にヘビー級の練習相手はいたのでしょうか。

「全然いなかったですね。というか、今もいないです。一番大きかったのがストラッサー起一さんとレッツ豪太さんで。僕もヘビー級の相手と練習したくてチーム吉鷹に来たわけでもなかったですし」

――打撃や寝技、全てにおいてヘビー級の練習相手は少ないですよね。

「そもそも『ヘビー級の相手と練習したい』という考えがなかったです。違う階級の選手でも、トップファイターの人たちが僕と練習してくれるだけで嬉しいし、ありがたくて。僕が柔道をやっていた道場は、女子とも練習するところやったんですよ。女子で体格が違っても強い人はいっぱいおるし、こちらとしても『力を使わない練習』をする必要がありました」

――それはカルペディエム芦屋で行う組み技の練習に対しても同じ意識で臨んでいるのでしょうか。

「もちろんですよ。僕の寝技なんて最初はカスやったんで、ただただ岩﨑正寛(カルペディエム芦屋代表)さんにボコボコにされました。技術も何もない僕が、ヘビー級やからどうって考える余裕なんか無かったです。だからMMAでは寝技でも打撃でも、強い人たちがおるところで自分の技術を上げたいとしか考えていなかったですね」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
10月1日(日)
午後12時00分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,RIZIN LIVE,スカパー!

■ RIZIN LANDMAKR06対戦カード

<バンタム級/5分3R>
太田忍(日本)
佐藤将光(日本)

<キック61.5キロ契約/3分3R>
梅野源治(日本)
斎藤祐斗(日本)

<ヘビー級/5分3R>
スダリオ剛(日本)
イム・ドンファン (韓国)

<バンタム級/5分3R>
所英男(日本)
アラン“ヒロ”ヤマニハ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
トップノイ・キウラム(タイ)

<ミドル級/5分3R>
イゴール・タナベ(ブラジル)
ANIMAL☆KOJI(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
渡辺彩華(日本)
万智(日本)

<フライ級/5分3R>
村元友太郎(日本)
ホジェリオ・ボントリン(ブラジル)

<58キロ契約/5分3R>
中村優作(日本)
ヒロヤ(日本)

<ヘビー級/5分3R>
貴賢神(日本)
荒東“怪獣キラー”英貴(日本)

<フェザー級/5分3R>
ビクター・コレスニック(ロシア)
高木凌(日本)

<ライト級/5分3R>
渡慶次幸平(日本)
井上雄策(日本)

<バンタム級/5分3R>
後藤丈治(日本)
日比野“エビ中”純也(日本)

<68キロ契約/5分3R>
銀・グラップリングシュートボクサーズジム(日本)
太田将吾(日本)

<キック57キロ契約/3分3R>
竹野元稀(日本)
内藤凌太(日本)

<バンタム級/5分3R>
切嶋龍輝(日本)
MASANARI(日本)

The post 【RIZIN LANDMARK06】RIZIN初陣=怪獣キラー荒東英貴─01─「吉鷹先生のことオモロイおっちゃんやと」 first appeared on MMAPLANET.
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【RIZIN LANDMARK06】万智戦へ、渡辺彩華「踏み台。ゴキジェットでシューッとやっつけてやります」

【写真】万智の話題になると、吐き捨てるような口調に変わった渡辺(C)SHOJIRO KAMEIKE

10月1日(日)、愛知県のドルフィンズ・アリーナで開催されるRIZIN LANDMARK06で、修斗世界女子スーパーアトム級王者の渡辺彩華が万智と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

渡辺は今年5月にSARAMIをKOし、プロ4戦目で修斗のベルトを巻いた。柔道ベース+ストライカーとして成長してきた渡辺にインタビュー序盤はその打撃論を訊くと、衝撃的なKOの裏に隠された細かい戦術やRIZINのサッカーボールキック対策など技術的な話題は非常にクールに話していた。

そんな渡辺だが、次戦の相手=万智の話になると表情も口調も一転、決して試合を盛り上げるためのトラッシュトークでない本音の嫌悪感を一切隠そうとしなかった……。


――RIZIN初参戦を控える渡辺選手ですが、まずは今年5月に修斗王座の獲得おめでとうございます。

「ありがとうございます! 一度MMAから離れて、復帰してからの展開がスピーディすぎて……。ただ一戦一戦、一生懸命やってきました。ベルトどうこうよりも、目の前にいる対戦相手に勝つことに一生懸命だったんですよ。それでSARAMI選手を倒した時に『あ、ベルトだ!』と思ったぐらいで。試合当日にSARAMI選手の入場曲が流れるまでは、『本当にSARAMI選手と試合するのかな?』と思っていたんです。私のほうから対戦要求していたのに(笑)」

――アハハハ。自分から言っておいて実感がなかったと(笑)。

「それでSARAMI選手の入場曲を聴いて『あぁ、本当にSARAMI選手と対戦するんだ』と実感したんですよ。何て言うのか……試合をするのは間違いないし、すごく緊張していたわけでもなくて。自分としては冷静でした。でも私はSARAMI選手がRIZINで試合しているのをテレビで視ていたので、『おぉ本物のSARAMI選手が来た!』みたいな(笑)。黒部三奈さんや藤野恵実さんと対戦した時も、同じような感覚がありました。でも……黒部さんや藤野さんはベテランすぎて。SARAMI選手にはオーラがありました」

――黒部選手と藤野選手は、オーラもなかったと?

「そんなことは言っていません! SARAMI選手がベルトを巻いている姿にオーラがあったというか」

――やはりそのオーラが、タイトルマッチならではなのでしょうね。SARAMI戦では、左ハイで決着するとは予想していませんでした。

「そうですか? 今までも左ハイは出していましたよ。当たっていないだけで(笑)。確かに今まではハイキックの重要性を考えていなかったです。ただ蹴ることができるタイミングで蹴っていただけで。しかもガッツリと当てに行っているわけではなく、どちらからというと左ハイを見せて下がらせたりするほうが多かったかもしれないですね」

――SARAMI戦では最初の左ハイをかわされ、2発目がヒットしてダウンを奪いました。すぐに立ち上がったSARAMI選手を引きはがして3発目の左ハイでKOという流れです。あの展開では何としても左ハイで倒そうとしていたのですか。

「実は――ずっと左ハイでKOするのを狙っていたんですよ」

――……。

「本当ですよ! 試合当日の朝に、家族にも『今日は絶対に左ハイで倒す』と言っていましたから。試合では一発目がブロックされたじゃないですか。あれは単発の左ハイで、『やっぱりこのレベルの選手には単発じゃ当たらないんだ。散らさないといけない』と思って。そのあと逆にSARAMI選手が顔面蹴りを打ってきて、自分が距離を外しました。そこで――私の戦い方って『自分がやられて嫌なことを相手にやり返す』なんですよ」

――それは良い言葉です!

「だから私が顔面前蹴りをやり返したら、相手の反応が鈍くて。そこで『左ハイが当たるかもしれない』と思って、まず右ボディストレートから左の三日月蹴り。次にボディストレートのフェイントから左ハイを打ちました」

――そして最初のダウンを奪ったわけですね。もう完全にストライカーへ……。

「黒部さんをKOした時に、自分はストライカーとして生きていこうと決めました! あくまで自称ストライカーですけど(笑)。でも日本の女子MMAではストライカーって少ないじゃないですか」

――それだけのKOを生み出す要因として、ステップワークとスイッチがあるかと思います。SARAMI戦もスイッチを繰り返していましたが、フィニッシュはオーソドックスからサウスポーにスイッチしたと同時に左ハイを打っていました。

「左ハイへ繋げる動き、コンビネーションは練習していました。スイッチからの左ハイだけじゃなく、もっといろんな左ハイの出し方を練習していて。あの形は練習していたものの一つです。オーソドックスのまま左ハイ右ハイも出せますし、サウスポーで右ハイも打てます。

もともと柔道は利き手が前のサウスポースタンスでした。MMAを始めてから、打撃が入るようになってオーソドックスで構えるようにしていました。そういうアベコベの状態からMMAを始めているので、どっちの手や足が前になろうと違和感がないですね」

――他の出身ファイターと同様にサウスポー、いわゆる右利きサウスポーとしてMMAを戦おうとは考えなかったのですか。

「それは考えなかったです。やっぱり左足を前に構えたほうが、前に出やすいですよね。私は徒競走も『位置について』で構える時に右足を下げていましたから」

――……はい。

「そのほうが本来はバランスが良くて。たぶん柔道時代はバランスが悪いほうで試合をしていたんだと思います(笑)」

――打撃でいうオーソドックスで構えていたほうが、もっと柔道でも強かったかもしれないと(笑)。

「柔道って、どんどんルールが難しくなっているじゃないですか。すぐ変更されるし、ルールが変わるたびに頭がパンクしていましたね。そういう競技は苦手です。だからMMAは楽しいですよ。ルールはあるけど分かりやすいから。特にRIZINルールは4点ヒザとサッカーボールキックがあるから、ここで蹴って良いかどうか迷う必要がないですもんね。黒部戦でもSARAMI戦でも、本当はダウンを奪った時にサッカーボールキックをやりたかったんですよ。相手は下を向いているからサッカーボールキックが入りやすくて、その気持ちを抑えるのに必死でした」

――現在サッカーボールキックは練習しているのですか。

「はい。さすがに思いっきり蹴ることはできないので、その状態になったらサッカーボールキックの形に入るだけですけど。4点ヒザの練習もやっています。それは練習相手もサッカーボールキックと4点ヒザありだから、自分も入れられるかもしれなくて緊張感ありますよ。でも、それだけフリーなルールのほうが向いていると思います」

――SARAMI戦で印象深かったのが、もう1点……あらゆる攻防の中で、必ず最後に右ジャブあるいは右フックをフォローで入れていました。

「あれを入れておくと必ず相手の動きが止まって、追って来られなくなりますね。ストライカーとしては『追ってくるなよ』という意味で右をフォローするようにしています。今はボクシングジムでも練習していますけど、やっぱりAACCで――MMAの練習の中でないと分からないものがあって。特にグラップラーが蹴りの打ち終わりにテイクダウンを狙うって攻防は、MMAだけのものじゃないですか。それはMMAの中で学ばないといけない。自分にとっては、あの右のフォローが流れの一つとして染みついているんです。ナチュラルな動きでモーションもなく出しているから、相手も気づいていないのかなとは思いますね」

――それほどナチュラルなストライカーぶりを発揮して修斗のベルトを獲得したあとは、どのような展開を考えていましたか。

「いきなりRIZINに出る、というのは考えていなかったです。まず修斗のベルトを獲ったあとは、防衛戦をやるのかなぁと考えていました。でも、そうなると対戦相手が――もともと黒部さんとSARAMI選手が2強で、いきなり再戦っていうのも変じゃないですか。誰か新しいチャレンジャーが登場するまで、どうなるのかなぁと考えていました」

――すると他団体として、DEEPジュエルスに出場している選手には興味がありましたか。

「DEEPジュエルスには49キロの選手が多いじゃないですか。自分の階級は見ていて『この選手と対戦したいなぁ』という気持ちはありました」

――同じ階級……となると、次に対戦する万智選手は「試合をしたい相手」の中に入っていなかったのですね。

「ストロー級の選手ですけど、自分が階級を上げれば対戦することはあると思っていました。ちょうど同じぐらいのキャリアなので。今回の52.5キロ契約というのも、仕方ないですね。それは万智選手と試合すると決めた限りは、契約体重はもう関係ないので。柔道時代は52キロ級で、その体重で動いたことがないわけでもないですし。あと正直、おいしい相手だと思っているのでオファーを受けました」

――柔道時代の52キロとMMAの49キロでは感覚も違いますか。

「今の自分にとっては修斗のスーパーアトム級(50キロ以下)が適正です。すごく動きやすし、自分の打撃も効きますからね。ただ、国内だけで試合をしていれば、いずれ対戦相手もいなくなってくると思います。世界で戦える選手になりたいっていう気持ちは大きくて、いずれ世界の階級――ストロー級でも強いと言われるようになりたいです。だからずっとストロー級で戦うことは見据えていました」

――……渡辺彩華選手にとってはAACCの先輩である浜崎朱加選手の前に立ちふさがったのが、アトム級とストロー級の間にある壁だったように思います。それはイコール、日本女子MMAにとっての壁でもありました。アトム級の選手が、いかにストロー級で戦うか。

「私は今でも、日本の女子MMAでは浜崎さんが一番強いと思っています。でも私と浜崎さんはファイトスタイルが違うし、違うからこそ壁をブチ破れるかもしれないです」

――それは期待したいところです。では対戦する万智選手の印象を教えてください。

「……ゴキブリですよ、ゴキブリ」

――いきなり語気が強くなったうえ、ゴキブリ呼ばわりするとは……。

「だって、いろんな練習場所に現れるじゃないですか。自分で自分の動きを『ゴキブリみたいな動き』と言っていますからね。だから彼女は自他ともに認めるゴキブリなんですよ」

――万智選手がAACCに来たことはないですよね。

「AACCに来たら、国内の女子選手全員と練習することになってしまいますよ(笑)。本人は、いずれAACCの選手と対戦することが多くなると思っていたかもしれないですけど」

――万智選手の練習環境の問題もあるので何とも言えませんが……。

「それと彼女に対してはイラッとすることがあって。以前MMAPLANETのインタビューで、私の名前を出さずに私のことを挑発していたじゃないですか。Colorsの選手との対戦について訊かれて、『自分がやってやりたい。でも団体も違うし、階級もちょっと違うので』とか何とか」

――「黒部さんとSARAMIさんに勝った人」とは、間違いなく渡辺選手のことですね。

「最初は階級が違うから、万智選手に対してそれほど興味があったわけではないです。でもAACCの人から『こういうことを言われているよ』って、MMAPLANETの記事が送られてきて。でも読んでみたら『階級が違うから悔しい』とか、何言っているんだろうって感じですよ。言い訳するんじゃないってイラつきました。

私だったら――『階級が違うから悔しい』と思うぐらいなら、体重を落としてでも試合します。それで私がツイッター(現X)で、MMAPLANETの記事を引用リツイートして『試合しましょう』と書いたら彼女は何も答えずに、いいねだけしていて……。自分から言っておいて何なんですか。だから私が体重を上げてあげましたよ。これで文句ないでしょう。相手の体重でタコ殴りにしてやります」

――トラッシュトークかと思ったら、本気で怒っているようですね。

「そうですよ。ホントにイラッとしましたから」

――では客観的に、ファイターとしての印象を教えてください。

「グラップラーじゃないですか。柔道出身のグラップラー。よくいるタイプですよ」

――同じ柔道出身であるにも関わらず、ハッキリとストライカーとグラップラーに分かれました。万智選手のようなグラップラーを相手に、渡辺選手の寝技も見てみたいところです。

「フフフ、今回そうなるかもしれませんね。寝技になっても自信はありますから」

――ちなみにRIZINでいえば伊澤星花選手のことは、どのように見ているのですか。

「伊澤さんに対しては何もないですよ。昔、同じアマチュア大会に出た時は『お互いに頑張ろうね』と言っていたぐらいで。RIZINに出場するかぎりは、やるなら伊澤さんだと思っています。ただ、AACCとして考えると伊澤さんのほうが邪魔ですよね。ウチのトップ(浜崎)を倒してベルトを奪っているわけですから。次の万智戦は、伊澤星花とのタイトルマッチへの踏み台ですよ。ゴキブリはゴキジェットでシューッとやっつけてやります」

■視聴方法(予定)
10月1日(日)
午後12時00分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,RIZIN LIVE,スカパー!

■ RIZIN LANDMAKR06対戦カード

<バンタム級/5分3R>
太田忍(日本)
佐藤将光(日本)

<キック61.5キロ契約/3分3R>
梅野源治(日本)
斎藤祐斗(日本)

<バンタム級/5分3R>
所英男(日本)
アラン“ヒロ”ヤマニハ(ブラジル)

<キック61.5キロ契約/3分3R>
梅野源治(日本)
斎藤祐斗(日本)

<フライ級/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
トップノイ・キウラム(タイ)

<ミドル級/5分3R>
イゴール・タナベ(ブラジル)
ANIMAL☆KOJI(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
渡辺彩華(日本)
万智(日本)

<フライ級/5分3R>
村元友太郎(日本)
ホジェリオ・ボントリン(ブラジル)

<58キロ契約/5分3R>
中村優作(日本)
ヒロヤ(日本)

<ヘビー級/5分3R>
貴賢神(日本)
荒東“怪獣キラー”英貴(日本)

<フェザー級/5分3R>
ビクター・コレスニック(ロシア)
高木凌(日本)

<ライト級/5分3R>
渡慶次幸平(日本)
井上雄策(日本)

<バンタム級/5分3R>
後藤丈治(日本)
日比野“エビ中”純也(日本)

<68キロ契約/5分3R>
銀・グラップリングシュートボクサーズジム(日本)
太田将吾(日本)

<キック57キロ契約/3分3R>
竹野元稀(日本)
内藤凌太(日本)

<バンタム級/5分3R>
切嶋龍輝(日本)
MASANARI(日本)

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RIZIN.44:感想

ただの感想です。

▼第1試合 フライ級(57.0kg)5分3R
征矢 貴(パラエストラ松戸)
ラマザン・テミロフ(ウズベキスタン/Muradov legion team)

テミロフの相変わらず荒いが重い打撃に征矢が付き合ってしまい、打ち合いでテミロフがパンチを効かせて1RKO勝ち。

テミロフ、まだ本当にどのレベルにあるのかはわからない部分もあるが、軽量級で倒せる打撃を持っている面白い選手なのは確かなので、相性が悪い相手と当てずに転がしたほうが良さそう。

▼第2試合 ヘビー級(120kg)5分3R
シビサイ頌真パラエストラ東京/巌流島)
ヤノス・チューカス(ハンガリー

チューカスのパンチが効いてしまってピンチに陥ったシビサイだが、引き込んでの外ヒールで一本勝ち。

あの形の外ヒールがあの体勢で極まるのは初めて見た。十分逃げられただろうと思うが、うっかり勝たれても困るのでこれで良かった。

▼第3試合 バンタム級(61.0kg)5分3R
中島太一(ロータス世田谷)
岡田 遼(パラエストラ千葉)

中島史上最強の中島だった。パンチが鋭い。ノーガードの舐めプはやめて欲しいと思ったが、結局最後まで被弾せず。組まれても1Rにテイクダウンを許した以外は隙がなかった。フィニッシュまで狙えたと思うが、終盤は安全運転。第3試合でマイクを持つなら、せめてフィニッシュを狙うそぶりは見せてほしい。

中島が強かった一方、岡田の力がやはり全盛期より落ちているのもあったのかなと。

▼第4試合 フライ級(57.0kg)5分3R
福田龍彌(MIBURO)
山本アーセン(KRAZY BEE/SPIKE22)

打撃で予想以上の成長を見せたアーセンだが、一方で前回無双を誇ったテイクダウンは福田に阻まれる。前回アーセンが勝った伊藤がヒロヤにもテイクダウンされてコントロールされる場面が多かったのを考えると、アーセンのレスリングを過大評価していただけにも思えたので、打撃の成長と差し引きプラマイゼロ。むしろ負けてもテイクダウンを取りまくる内容の方が今後の期待感は高かった気がした。

▼第5試合 フェザー級(66kg)5分3R
摩嶋一整(毛利道場)
横山武司(teamセラヴィー/スウェルズ柔術ジム)

テイクダウンから削った摩嶋が、終盤は横山の足を超えて再三ハーフにしての完勝。という攻防がまったく観客に伝わらず、やはりもったいない組み合わせだった。摩嶋が真っ向から横山のガードに入っていっての完勝だったが、それだと盛り上がる展開にならず。かといって、組み技が苦手なストライカーとやっても噛み合わない試合になるし、引き込むしか武器がない選手の試合は極めない限りは盛り上がる試合にならない。

本来は体重オーバーした摩嶋が勝ってもノーコンテストなのだが、横山の男気でキャッチウェイトの公式戦に。なんでも男気で処理するのはどうかと思う。2~300g程度の差では大きな影響はないだろうし、500g程度までならファイトマネーの何%を相手に渡して減点もなしでキャッチウェイトにするルールにしてはどうか。

▼第6試合 フェザー級(66kg)5分3R
中原由貴(マッハ道場)
白川陸斗(トライフォース赤坂)

RIZINでは2回連続で相手が直前で欠場して変わったり、鈴木千裕戦ではリードしていながら一発もらって逆転されたりと、持ってない印象のある中原。2Rに白川の打撃を効かされたときには、やはり持ってないのかと思ったが、組みでしのいで判定勝ち。しかし割りと互角の展開だったし、レベルの違いを見せたとまでは言えない。

1R終了後、白川にロープつかみの警告が出され、2R終了後にはイエローカード(20%減点)が出されたが、そんなに掴んだ場面があるとは思わなかった。見直してみたら確かにちょくちょく掴もうとしている場面はあったが、今までこんなに厳しくなかったはず。リングMMAと一蓮托生するなら毎回これくらいの基準でなければ難しいか。すべての試合でこの基準でやってくれるなら言うことはない(他の試合で微妙な掴みが見逃されている気もしたが)。あと、ロープを掴むのはだいたい特定の選手なので、過去にイエローをもらっている選手は累積で次回から一発イエローカードでいいと思う。

RIZIN LANDMARK6変更カード発表

休憩前に井上直樹の欠場と佐藤将光が代役として太田忍と対戦することが発表。将光はONEから脱北か。ONEでレギュラーのMMAファイターの試合が組まれるのは月イチのFight Nightだけになって、契約選手が飼い殺しになっているので、辞めるなら早い方がいい。しかしバンタム級ではなく63kg契約ということは、将光は万一のバックアップのために待機していたわけではなく、準備期間不十分な中での戦いということになるので残念。

おそらくメインだったであろうカードが流れて、以前の沖縄大会のようにPPV無料にするのかと思ったが、穴埋めで朝倉海 vs. 皇治MMAデビュー戦を組みたい模様。選手のファンなら怪我を押して準備期間もないのに出ることを望まないだろう。こういうのを男気と言って持ち上げる風潮はなくなって欲しい。結果、公式戦ではなくMMAエキシになるなら、まだマシだと思う。

▼第9試合 ライト級(71.0kg)5分3R
スパイク・カーライル(米国)
堀江圭功(ALLIANCE)

タフなカーライルがしつこく押し込んでいって、3Rにはスタンドで背中に乗ったが、そこからのヒジが後頭部でブレイク&イエローカード。ダメージにもアグレッシブにも差はなく、ジェネラルシップではカーライルが上ではなかったか。そうなるとカーライル20-イエローの減点20%で0-0、マストで堀江?実際にどうジャッジが入れたのかが知りたいが、JMOCが判定結果を非公開にしてしまったので不明。

▼第10試合 フェザー級(66kg)5分3R
牛久絢太郎(K-Clann/ATT)
萩原京平(SMOKER GYM)

牛久が萩原にスタンドでプレッシャーを掛けられて下がる展開だったが、シングルレッグからのテイクダウンが簡単に取れることがバレてからは一方的に。セコンドの堀口のアドバイスどおりに動いていたらもっと楽に勝てたのではと思ったが。

▼第11試合 フェザー級(66kg)5分3R
クレベル・コイケ(ボンサイ柔術
金原正徳(リバーサルジム立川ALPHA)

序盤の打撃戦で明らかに金原が上。さらにテイクダウンすると脇差しパスで完パスこそできなかったものの圧倒。クレベルを全局面で上回った。ここまで完全に上を行くとは。予想以上の強さだった。しかしケラモフとだったらこうはいかなっただろうし、ケラモフが朝倉未来より先に金原と組まれて、金原が今回と同じように勝っていたとしても、ここまでのインパクトはなかったはず。結果的に最高の巡り合わせだった。

 

 

 

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【RIZIN44】福田龍彌戦前の山本アーセン「勝てば見えなかったモノが見えてくる。恭司さんの爪先ぐらいは」

【写真】この試合が如何に大切か、誰よりも分かっている。集中しつつ、リラックスできているアーセンだった(C)MMAPLANET

24日(日)、さいたまスーパーアリーナで開催されるRIZIN44で、山本アーセンが福田龍彌と対戦する。
Text by Manabu Takashima

5月の伊藤裕樹戦の勝利で評価を180度変えたアーセンが、その評価を絶対とするために待ち望んだ福田との一戦に臨む。対戦相手の情報はシャットダウン、信頼するセコンドの声を聴き、自信の直感を大切するというアーセン──その感覚派の言葉から、確かな自信と仲間との信頼感が伝わってきた。


――2週間後に福田龍彌戦が迫ってきました(※取材は11日に行われた)。今の調子はいかがですか。

「もちろん技とかもあるんですけど、とりあえずメンタルを整えることが大事で。ちょっとでも『守りが上手い』とか思ったら自分の動きができなくなるし、色々変なことは考えないようにして。今日からSNS断ちをします。変なモノは入れないで、自分に集中しようと思います」

──SNSには精神的に影響が出る文字が躍っていますか。

「これはファイターとか直接何かがあるだけでなく、普通の人も他人の私生活を覗き見ることって良くないみたいですね。羨ましいとか、自分より下だとか思って比較してしまうそうです。そうすると自分を保てなくなるみたいで」

──確かに。本来は、誰がどこで何を食べたとか。どこを旅行しているとか、知らなくて良いことですしね。それだけ自分のことだけに集中し始めたということですね。

「それで視野が狭くなったり、思考が一方通行になる副作用が出るとダメなんですけど、前回の試合でそこも掴めて。それまでの試合と比べると、凄く良い創り方ができたんです。今回も凄く良くて。本当はセコンドは(漆間)將生に就いてもらおうと思っていたけど、アイツ自身が色々と考える時期になっていて。それを(中村)倫也に相談したら、『俺がやるっしょ』といって貰えて、急遽アイツがやってくれることになったんですよ」

──そういえば倫也選手のUFCデビュー戦ではアーセン選手は、コーナーに就かなかったですね。

「髙谷(裕之)さんと河名マスト君が行くなら、俺は試合前だから自分のことに集中させてもらいました。2人だけだったら、シンガポールまで行ったけど。追い込みが必要な時に、他に倫也をサポートしてくれる人がいるところに行くより、練習だろうと。

だから『ゴメン、我儘言って良い』って。今回の相手は、100パーセント集中しないといけない。『倫也、ゴメンなんだけど』って連絡して。倫也も『あぁぁぁぁぁ、分かったぁ!!(鈴木)崇矢、連れて行くわ』ってパニクっていました。凄く申し訳なかったけど、俺は俺でようやく芽が出てきたところなんで、咲かせないと意味がないから。シンガポールに行って、練習時間を削っていけるような相手じゃないから──懸けたいって思って。

ホント、倫也に半べそかきながら電話しました。仮にシンガポールに行っていたら、同じ部屋にいる倫也に俺の本当の気持ちが伝わってしまうし。そういう負のオーラは、倫也の気を崩してしまう。だから、これは言わないといけないって」

──中途半端な仲でないことが伝わってきます。

「嘘の関係じゃないので。それなのに俺のセコンドは引き受けてくれて。仏様みたいな人ですよ。倫也も自分にネガティブなところは、引きずらない性格でポイってできるので。それもそれで正解で。俺は皆を引っ張る立場だから、人は切れない。十人十色で、俺と倫也の関係は何も変わらない。

でも倫也の勝ちは凄かったです。ラウンド間のパラメーターで100×0になって。そんな数字がでるんだなぁって。もちろん俺と倫也は違うけど、ちょっと自分の戦い方にも被ったところがありました。諦めないで漬けて、相手の心を折る。あの試合を見て、『やっぱ俺、間違ってなかった』というのもあったけど、俺はいっこ上のレベルに行きたいと思ったのもあります」

──というと?

「打撃ッスね。MMAなのにやっぱり打撃、組み技という2つでアバウトに分けられているじゃないですか。でも、どっちもデキた方が良いプレッシャーになるし、相手も迷いますからね。次の試合でそれができたら良いけど、相手が相手なので」

──それこそ、コントロールし続ける試合でも問題ないかと思いますが……。いや、それができたら大したものというぐらいの対戦相手かと。

「ハイ。一周回って、そこに来ました。だから全然漬けても良いし、そこは神のみぞ知る。流れに任せます」

──コントロールして勝利した伊藤裕樹戦。その伊藤選手が、7月大会ではヒロヤ選手にコントールを許す場面もありました。アーセン選手の完勝に、ミソがついた形にはならないですか。

「いやぁ、伊藤君はマイ・メン、自分の仲間にしたい人だから何も、そこはないです。でも、アレはビックリした。とはいっても試合は試合、相手がいるものなので。ヒロヤ君もせっかくもらったチャンスで、全てを賭けていましたからね。自分の試合を見て、参考にした部分もあっただろうし。とにかく、あれだけ賭けてやっているんだから、そりゃあ、そうなるでしょって。俺だって負けるって皆に言われていたけど、あの試合に賭けていて。努力して、ああいう試合ができた。人間の底力ってあるから。だから、伊藤君とヒロヤ君の試合で、周りがどういう風に思うかは気にしないです」

──伊藤選手に強い姿を見せて欲しかったというのは?

「ないです。別に……2人とも全力を出しているので。今、こんなご時世で第3者が何でも言う時代になったけど、大昔は殺し合っても誰も何も言わなかったし。当人の問題なんで。あの試合がどうこうでなく、俺はまた自分を証明できる相手と戦えるわけだし。それは自分の段階が上がっているということなので」

──つまり福田選手は伊藤選手より格上という認識があるわけですね。

「正直に言って良いですか?」

──もちろんです。

「現実問題として、結果が出ているから福田選手が上だと考えるのは当たり前です。でも、皆がフライ級の頂点でなく中腹にいて。ここで誰が強いとか、弱いとか考えていると一生中腹から抜け出すことができないように思うんですよ。俺はここでゴチャゴチャやる気はない。俺の兄貴、倫也なんてUFCで自分を出しているんだから。俺も倫也ぐらい頭抜けたいし。ここで強い、弱いなんて考えている暇はない。

倫也の探求心は本当に凄いです。でも俺は次男で、良い所取りをします。お兄ちゃんがあれだけ色々とシミュレーションをして超頑張って、次男はオイシイところを貰う。倫也は俺にできないことをやっていて。だからセコンドに就いてもらって、結構任すという感じで自分の味方につける。そういうメリットを目当てに、倫也と一緒にいるわけじゃないけど、次男としていただけるものはいただきます。この先、もっと成長するためには倫也の思考とかも採り入れないといけないけど、今は採り入れなくてもやってくれる状態だから、信じて任しています」

──裏を返すと、倫也選手の言うことを実行できるということですよね。

「そうっすね。倫也だけでなく、モッサ(K-1ジム五反田・秋元僚平)先生も柔術のトミー矢野君も就いてくれます。超豪華メンバーなんですけど、3人の言葉を全て聞いていると衝突事故が起きちゃうから、自分で判断します。面と向かって見える、開いているところと第三者から見えるところで全然違うわけじゃないですか。そこは自分の直感を信じます。自分の野生の勘を」

──戦いって、自分が出ると思います。それはトラッシュトークや煽りVの言葉が本気なら、その言葉のような戦いになる。創られた言葉なら、そのような戦いにはならない。これが人間力だとすると、福田選手も相当な人間力の持ち主かと思われます。

「だからこそ、福田選手のインタビューは読まないし、動画も視ない。読んだら、その人の気持ちが入ってくる。それは要らない。どっちみち戦うんだから、知らない方が俺は自分の動きができる。

やっぱり試合の動画とかもチェックした方が良いと言ってもらうこともあります。でも、全く視ないです。それは全部、倫也達に任せている。あの人達は俺に嘘をつかない。そこを信用して、そのなかで自分が想ったことをやるだけです。地図を見ない方が、目の前の風景を見て、ナビの声を実行できる。猫が飛び出しても、そこに反応するのは俺の運転。何かが飛んできた、当たったら当たった時。

相手のことを気にして、自分を出せないで終わるより、知らないままで自分を出して負けるほうが良いから。まぁ負けないけどね(笑)。でも、どっちが良いかといえば自分を出して満足したい。福田選手のフックが強いという情報があると、ストレートが出せなくなる。じゃあ、頭振ってつっておいてのテイクダウンに入れないな──って考えると、もう相手に合わせた動きになる。それは俺、嫌なんですよ。

この先、自分がレベルアップして相手の動きを研究しても、自分のやるべきことをやると守れるのであれば試合映像を視るようになるでしょうね。でも今はケツの青いペイペイだから、自分のやっていることを試合で出すことが一番の目標です」

──昔の白兵戦は相手の癖を知らずに、殺し合いをするわけですしね。

「となると、自分がどう動けるかじゃないですか。そういうことなんですよ」

──面白いモノで、全く倫也選手とは真逆なのですね。

「倫也はそういう風に育ってきたから。小学生の頃から、何か食べ物を買う時も原材料をチェックしているんですよ(笑)。俺は『何やってんの。美味いんだから、食えばいいじゃん』っていう人間で。倫也は意識が高い風に育っている。俺は直感で生きるよう育った。だから完全に倫也を真似すると俺は死んでしまいます。でも倫也が味方にいると、彼がしっかりと研究したことを指示して、俺の実になる。結果、もっと良い直感に結びつく。相手のこと考えず、何でも来いよってやっている方が俺は強いし、速いんですよ。何事も拘らない方が、俺は強い」

──なるほど。では今回の対戦もカードの発表というだけで、これだけの一番に記者会見がなかったことも気にしないですか。

「記者会見もあるかないかっていう話で、断っても良さそうな空気だったので断りました。別に要らないです。戦う前に会う必要はない。自分を偽って有名になる必要はないし、好きでやっていることなので。好きなことだから、その時間を使って好きなだけ準備したいです。まぁ、他の試合でも何でも会見をやってRIZINを視てくれる人が増えれば、その分俺の試合を視てくれる人も増えるので、それはそれで構わないんですけどね。

オラオラしたいわけじゃないし、相手を挑発したいわけでもない。ただ自分がしたい試合をして、相手をぶっ飛ばす。で勝った後のマイクパフォーマンスで、少しでも人の心を動かすことができればなって思っていて。それだけでやっているので。絶対に必要だというなら会見にも出席します。でも、そうでもないならジムにいて仲間と練習していたい」

──相手を知ってしまう、顔を合わせると自己表現の邪魔になるということでしょうか。

「う~ん、相手を知ることは勝つための一つの手段だと思います。だから、そういう試合もあります。でも自分が納得できるか、できないかということで考えると、知ることで自分のやりたいことの純度が落ちます。それが嫌なんですよ。伊藤君との試合まで、そればっかだったから。

自分を出さないで終わっている試合ばっかりでした。で、いっつも負けて悔しいけど……なんか納得できない。不完全燃焼で。だったら自分が納得できる戦いをしたいなって」

──強くない相手にやりたいことをやるのは簡単だと思います。その点、相手を知ろうが知るまいが福田選手にやりたいことをやるのは簡単なことではないかと。

「だから、やりたい相手だったんです。ぶっちゃけ、大晦日を考えて9月に試合をする必要はないという意見もありました。ただし、そうなると福田選手が相手でなくなるかもしれない、と。それは絶対に嫌だと思いました。直感で、この人だけは逃したくないと思いました」

──試合も見ず、インタビューも読まないのに福田選手と戦いたいと思ったのですか。

「修斗のチャンピンだったということ。ノリ(山本KID徳郁)が戦っていたところのチャンピオン。それと伊藤君に勝っている。これに勝てば、見えなかったモノが見えてくる。(堀口)恭司さんの眼中には入っていないけど、俺からは恭司さんの爪先ぐらいは見えるんじゃないかと思ったんです」

──堀口選手を意識しているのですね。

「RIZINで戦う理由はそこです。恭司さんと戦うことができる確率が、他より高い。俺の知名度は家族から譲られたモノ。その知名度を使ってでも、あの人とやりたい。そういう知名度が生きるのもRIZINなので」

──なぜ堀口選手なのですか。

「同門だし、この前の試合で褒められたのがチョット嫌でした。同じ階級の選手なのに、バックステージで『良かったね。もっと柔術をやった方が良いんじゃない』って言われて……。有難い言葉だし、図星だと思います。でも、俺は将来戦うかもしれない相手にアドバイスなんて絶対にしない。つまり、眼中にないってことで。

ただ単に以前所属していたジムにいる知り合いってこと。自分のなかでは、見返したいっていうのがどうしてもあって。だからあの人とやるためにRIZINで戦う。俺の矜持が許せなかった。敵として見られていないことが悔しかったです」

──エールだと思うのですが。

「もちろん、そうです。ラブです。でも、戦う人間としてそんなの嫌じゃないですか。同じ階級ですからね。そこは譲れない」

──福田選手に勝てば、そこに近づくと?

「RIZINという場が近づきやすい。福田選手は福田選手で、心から倒したいと思った人で。この先のことも見ていないし、とにかく福田選手を倒したい。ディスもなにもない。戦う男だし、だからこそ勝ちたい。凄く価値のある相手。恨みはないけど、俺の欲しい財宝を持っている相手。海賊がそうであるように、財宝が欲しくて戦います。倒したい相手なんです」

──同時に応援してくれる人に喜んでほしい。では、どういう試合を彼らに見せたいですか。

「それも考えていない。自分が戦いたいから、戦う相手で。で、俺が自分を出せば皆が盛り上がる。レスリングの時も、前回の試合もそう。伊藤君との試合なんて『よしっ、死ぬ準備はできた』、『自分に負けない』、『全力を出す』。このモットーだけを守っていた試合なんです。だから俺が自分を出せば、自然と盛り上がる。なんで、応援してくれる人にどんな試合を見せたいかとか何も考えていないです。

俺、やっとアスリートでなくて、ファイターにようやくなってきたんです。MMAで自分を出せるようになってきたと思っています」

──アーセン選手は本来は優しい性格の持ち主で、この競技に向いているのかと疑問に思うところはあります。

「もう倒れている相手を殴って、蹴っ飛ばすことができるようになったんで。練習中でも以前は『大丈夫?』なんて気にしていたことが、平気でやれる。チームメイトに対してもスイッチが入るようになった。結果、スイッチをオフにもできる。前は試合が決るとずっと荒ぶっていたのが、今はスイッチをオンするまで普通に過ごせています。だから、試合以外は優しくさせてよって(笑)。だって、優しい男は強くないといけない。優しい男は強いんです」

■視聴方法(予定)
9月24日(日)
午後2時00分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,RIZIN LIVE,スカパー!

■ RIZIN44対戦カード

<フェザー級/5分3R>
クレベル・コイケ(ブラジル)
金原正徳(日本)

<フェザー級/5分3R>
牛久絢太郎(日本)
萩原京平(日本)

<ライト級/5分3R>
スパイク・カーライル(米国)
堀江圭功(日本)

<フェザー級/5分3R>
中原由貴(日本)
白川陸斗(日本)

<フェザー級/5分3R>
摩嶋一整(日本)
横山武司(日本)

<バンタム級/5分3R>
中島太一(日本)
岡田遼(日本)

<ヘビー級/5分3R>
シビサイ頌真(日本)
ヤノス・チューカス(ハンガリーム)

<ヘビー級/5分3R>
スダリオ剛(日本)
トッド・ダフィー(米国)

<フライ級/5分3R>
福田龍彌(日本)
山本アーセン(日本)

<フライ級/5分3R>
征矢貴(日本)
ラマザン・テミロフ(ウズベキスタン)

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【RIZIN】RIZIN LANDMARK 6追加対戦カード 注目はコレだ!

10月1日に愛知県ドルフィンズアリーナで開催されるRIZIN LANDMARK 6 in NAGOYAの対戦カード全12試合が一気に発表されました。所英男(リバーサルジム武蔵小杉 所プラス)×アラン“ヒロ”ヤマニハ(ボンサイ柔術)、伊藤裕樹(ネックス)×トップノイ・キウラム(BANGTAO MUAY THAI & MMA)など好カードが並ぶ中、なかなか首都圏のナンバーシリーズでは組まれなさそうなチャレンジングなマッチメイクが多いじゃありませんか。独断と偏見でオススメの3カードをピックアップしてみました。
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【58.0kg契約】
中村優作(TEAM FAUST)
ヒロヤ(トライフォース赤坂)
朝倉未来と共に榊原信行CEOに出場を直訴して超RIZIN.2に参戦したヒロヤ。DEEPで目立った戦績を残していない事から賛否両論噴出したのが記憶に新しい。試合は格上の伊藤裕樹を相手に泥臭くテイクダウンに行く試合運びで僅差の判定負け。愚直なファイトスタイルがファンの琴線を揺さぶった事が今回のオファーに繋がったのでしょう。

正直私もヒロヤについては半信半疑でしたが、自ら負けたら引退というプレッシャーをかけて、自分がやれる事を着実にやって伊藤を相手に大善戦。ここで引退するのはもったいないと思ったファンは多いのではないでしょうか。

でも、あの愚直なファイトスタイルはどこか既視感がある。そう、修斗、PRIDE武士道、DREAMで活躍してきた石田光洋だ。しゃかりきに、しつこくタックルに行って、それをフルラウンド通して遂行する無尽蔵のスタミナ。その姿にファンはどれだけ勇気づけられてきた事か。ヒロヤのスタイルはどこか石田に通じるものを感じます。伊藤戦のクオリティを維持出来ればRIZINの石田枠に食い込む可能性は十分。化けるかもしれません。

そして対戦相手の中村もヒロヤと同様に崖っぷちからの復活組。神龍誠、竿本樹生、伊藤裕樹に連敗。引退寸前に追い込まれましたが、征矢貴をスプリットの判定で下し、首の皮一枚繋がりました。

全盛期のような一発で仕留める打撃を影を潜めていますが、テイクダウンを凌いでコツコツ当てて競り勝つスタイルにモデルチェンジ。株価急上昇中のヒロヤは中村にとって美味しい相手。モチベーションは上がっている事でしょう。

立って打撃を当てたい中村と是が非でもグラウンドに持ち込みたいヒロヤの攻防戦。伊藤×ヒロヤのプレイバックのような展開になるか。味わい深いマッチメイクが用意されました。
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【フェザー級(66.0kg)】
ビクター・コレスニック(Tiger Muay Thai/Kuznya)&高木凌(パラエストラ八王子)
RIZIN.42で岸本篤史をカーフキック地獄で試合続行不能に追い込んだコレスニックが2度目のRIZIN参戦。しかもライト級からフェザー級に階級を落としてくるというからさらにフィジカルを活せるのが何とも厄介です。

しかし迎え撃つのはパラエストラ八王子の危険なストライカー高木。高い身長、長いリーチから繰り出すシャープな打撃は殺傷能力十分。特に一発でKO出来る右フック、ストレートは特筆モノ。7月のパンクラスでは打たれ強さに定評のある中田大貴をKOして RIZINの切符を掴みました。

そんな高木が初のRIZIN、初の国際戦でどんな結果を残すのか。もしコレスニックもKOするようなら群雄割拠のRIZINフェザー級がさらに混沌としてくるのは確実。平本蓮、萩原京平あたりと絡んだらさぞ刺激的な事でしょう。
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10.1『RIZIN LANDMARK 6』で所英男 vs. アラン“ヒロ”ヤマニハ、伊藤裕樹 vs. トップノイ・キウラム、中村優作 vs. ヒロヤ他12カードが決定

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 RIZINが10月1日にドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)で開催する『RIZIN LANDMARK 6』の対戦カード12試合を発表しました。続きを読む・・・
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西谷大成 ヒロヤ判定負けの原因を語る【超RIZIN.2】

伊藤裕樹vsヒロヤ戦の判定結果について朝倉未来の試合後の感想と同じ意見だった西谷大成。

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