【写真】猿飛流の両日のフォルムの違いは北米クラスか(C)MMAPLANET
昨年12月25日(日)に開催されたPancrase330。同大会の上位カードに出場した10選手の前日計量とファイト当日の肉体のフォルムの見比べてみたい。
欧米の選手たちと比較して減量及びリカバリーの幅を少なくする傾向にある日本人ファイターだが、何に水を抜き、再び水分を取り戻し筋肉が膨らむのか。大胸筋や僧帽筋、そして肩回りにもギリギリの状態まで落とし込んでいる選手がいることが確認できる。
【写真】猿飛流の両日のフォルムの違いは北米クラスか(C)MMAPLANET
昨年12月25日(日)に開催されたPancrase330。同大会の上位カードに出場した10選手の前日計量とファイト当日の肉体のフォルムの見比べてみたい。
欧米の選手たちと比較して減量及びリカバリーの幅を少なくする傾向にある日本人ファイターだが、何に水を抜き、再び水分を取り戻し筋肉が膨らむのか。大胸筋や僧帽筋、そして肩回りにもギリギリの状態まで落とし込んでいる選手がいることが確認できる。
【写真】思わぬ大苦戦--勝者に笑顔はなかった(C)MMAPLANET
<フェザー級/5分3R>
透暉鷹(日本)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29.
パン・ジェヒョク(韓国)
左を伸ばすパン・ジェヒョク。透暉鷹は相手の動きを見据え、プレスをかけ返す。スイッチするパン・ジェヒョクに対して左ハイを見せた透暉鷹は、左ローを当てたが打ち終わりに右ストレートを狙われてしまう。左前蹴りを突き刺した透暉鷹、パン・ジェヒョクの左ミドルを捌く。パン・ジェヒョクは大きな左を振るい、左ミドルを見せる。透暉鷹はダブルレッグで飛び込み、ワキを差し上げて相手をケージに押し込んだ。
しかしパン・ジェヒョクはすぐにケージ際から脱出し、左ジャブを突きながら左アッパー、右ストレートに繋げる。透暉鷹の蹴りにパンチを合わせるパン・ジェヒョク。左フックからダブルレッグで組みついた透暉鷹だったが、パン・ジェヒョクがボディロックで切り返して離れる。透暉鷹は右目尻から出血が見られる。蹴りを散らして距離を取るパン・ジェヒョクに対し、透暉鷹は手数が少なく、なかなか距離を詰めることができない。初回はジャッジ3者とも10-9でパン・ジェヒョクが取った。
2R、パン・ジェヒョクが遠い距離から一気に詰めてパンチを振るう。そのなかで右ストレートが透暉鷹のアゴを捉えた。透暉鷹はダブルレッグで組むも、パン・ジェヒョクを倒すことができない。なおも押し込む透暉鷹を捌いてパン・ジェヒョクが離れた。透暉鷹が距離を詰めると、左ハイを繰り出すパン・ジェヒョク。透暉鷹の左フックに対して、自身も左を返す。打撃を見せてから組みつく透暉鷹のパターンは読まれている。
パン・ジェヒョクが左ハイを見せる回数が増えてきた。右スピニングバックフィストを見せる透暉鷹。右ローからダブルレッグで入った透暉鷹が、ボディロックから遂にテイクダウンを奪った。透暉鷹がマウントを狙うと、パン・ジェヒョクがブリッジ。すかさず透暉鷹はバックマウントへ。相手の左手を制した透暉鷹は、右手を首に回していく。そして得意のフェイスロックで絞め上げるも凌がれた。
残り20秒でパン・ジェヒョクの左腕を狙う透暉鷹。パン・ジェヒョクは立ち上がる、透暉鷹の顔面にパンチを浴びせるも、再び透暉鷹が組んでケージに押し込んでいった。ジャッジは2名が10-9で透暉鷹に、1名が10-9でパン・ジェヒョクにつけていく。
最終回、パン・ジェヒョクの蹴りをバックステップでかわした透暉鷹だが、自身の蹴りにパンチを合わせられてしまう。透暉鷹の左インローがパン・ジェヒョクの下腹部を捉えて、試合は中断される。うずくまるパン・ジェヒョク。休憩ののち試合は再開される。パン・ジェヒョクがスイッチからヒジを見せた。透暉鷹は左フックからダブルレッグへ。しかし、これも切られてしまう。
しかし透暉鷹も左フックから組みついていく。四つで組んだが、パン・ジェヒョクが体勢を入れ替えた。足を使いながら左右の蹴りを散らすパン・ジェヒョク。透暉鷹はパン・ジェヒョクの右をかわして組み付き、ボディロックからグラウンドに持ち込む。パン・ジェヒョクは右のオーバーフックで耐え、尻もちを着いても盛り返す。
それでも透暉鷹がシングルレッグに切り替えて、パン・ジェヒョクに背中を着かせた。ハーフガードの相手を、左腕を枕にして抑え込む透暉鷹。呼吸を整えてからパスを狙った透暉鷹は、うつ伏せになったパン・ジェヒョクからバックマウントを奪い、四の字で固めて試合終了のホーンを聞いた。
裁定はジャッジ3者が1ポイント差をつけるスプリット判定で、透暉鷹が勝利した。パン・ジェヒョクは怒りの表情を浮かべてケージを降りたが、最終回を取られたことは間違いない。ただ、勝者にも笑顔がないことが試合内容を物語っている。
【写真】さらっと7キロの減量といった岡野 (C)MMAPLANET
24日(土)午後12時45分より、東京都新宿区のサンエービル地下1階会議室で明日25日(日)に横浜市中区の横浜武道館で開催されるPancrase330の第1試合から第7試合に出場するファイター達の計量が行われた。
マッハ道場の同門、葛西和希が15日(金)に負傷し全治6週間という診断結果を受け急遽、代役を買って出て粕谷優介と対戦することになったHEATライト級チャンピオン岡野裕城は70.5キロでクリアしている。
「そんなに厳しくなかったですよ。ちょうど体重も落ちていて、7キロぐらいしか減量していないです」と常人の理解の範疇を越えた発言を涼しい顔で出来る岡野は、パンクラス初陣でどのようなファイトを見せることができるか。
ここでは計量直後の各選手のコメントをお届けしたい。
Ryo
「田村選手とはホントずっとやりたかったです。
明日、気持ちをしっかりと込めて頑張ります」
林源平
「ぶっとばします」
村山暁洋
「ずっとやるかもしれないと思っていた相手なんですけど。
凄いタフなんですけど、明日はフィニッシュで勝ちます」
長岡弘樹
「明日は根性を出して、魂を燃やして。
村山選手と戦いたいと思います」
新居すぐる
「試合が決まってからずっと高木選手のことを考えてきたんで、明日は練習してきたことを全部出して勝ちにいきたいと思います」
岡野裕城
「えぇと……パンクラス・デビュー戦なんで、頑張ります」
粕谷優介
「また子供達に恰好良いところを見せます」
井村塁
「横浜のビッグマッチで組んでいただいて、ありがとうございます。
相手、佐久間選手なんですけど、自分らしくフィニッシュして良いクリスマスを迎えます」
佐久間健太
「久しぶりなんですけど、パンチを当てられるよう頑張ります」
沙弥子
「第1試合をやります、沙弥子です。世界で戦ってきた選手とこのタイミングで試合をすることは、一生の経験になると思います。明日は挑戦者という気持ちを忘れずに、攻め続けて勝ちたいと思います」
ジェニー・ファン
「最初に、このケージで戦う機会を与えてくれたパンクラスに感謝しています。私の対戦相手はとても強くて、とても良い選手です。明日の試合に期待しています。ベストと尽くします」
■視聴方法(予定)
2022年12月25日(日)
午後1時30分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ
午後2時30分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE
午後2時30分~ U-NEXT
■ Pancrase330計量結果
※赤字選手名をクリックすると関連記事やインタビューに跳びます
<フライ級KOPC/5分5R>
[王者] 猿飛流:56.5キロ
[挑戦者] 鶴屋怜:56.45キロ
<フェザー級/5分3R>
透暉鷹:66.25キロ
パン・ジェヒョク:66.15キロ
<ライト級/5分3R>
雑賀ヤン坊達也:70.15キロ
シュウジ・ヤマウチ:70.45キロ
<バンタム級暫定王座決定戦/5分5R>
TSUNE:60.95キロ
田嶋椋:61.05キロ
<女子ストロー級/5分3R>
KAREN:51.85キロ
ソルト:52.45キロ
<フライ級/5分3R>
上田将竜:57.0キロ
伊藤盛一郎:56.95キロ
<フェザー級/5分3R>
田村一聖:65.75キロ
Ryo:65.35キロ
<ウェルター級/5分3R>
押忍マン洸太:77.4キロ
林源平:77.45キロ
<ウェルター級/5分3R>
村山暁洋:77.5キロ
長岡弘樹:76.75キロ
<フェザー級/5分3R>
高木凌:66.2キロ
新居すぐる:66.1キロ
<ライト級/5分3R>
岡野裕城:70.5キロ
粕谷優介:70.3キロ
<バンタム級/5分3R>
井村塁:61.4キロ
佐久間健太:61.55キロ
<女子アトム級/5分3R>
沙弥子:47.5キロ
ジェニー・ファン:46.55キロ
<フェザー級/5分3R>
加藤泰貴:65.95キロ
倉本拓也:66.25キロ
<バンタム級/5分3R>
矢澤諒:61.3キロ
木本海人:61.35キロ
<57.7キロ契約/5分3R>
水戸邉荘大:57.7キロ
金澤臣人:56.7キロ
<アマMMAバンタム級/3分3R>
山口怜臣:61.05キロ
岡田嵐士:60.95キロ
【写真】Make weight大賞は猿飛流。これだけ筋肉を残し、9キロ・10キロを60キロ台の体格で落とすのは相当な減量テクニックを有しているはずだ。その猿飛流、パス後の水分補給で「世界で一番美味い水」と連呼していた(C)MMAPLANET
24日(土)正午より、東京都新宿区のサンエービル地下1階会議室で明日25日(日)に横浜市中区の横浜武道館で開催されるPancrase330のメインから第8試合までの計量が行われた。
メインのフライ級KOPCで戦う猿飛流鶴屋怜を始め12人の上位カード出場選手は全員が一発で計量をクリアした。
ここでは計量直後の各選手のコメントをお届けしたい。なお透暉鷹は新幹線が遅れたことで、会場への到着が遅れ最後に計量とコメント、パン・ジェヒョクとの撮影を済ませている。
猿飛流
「明日はメインイベンターとして、チャンピオンとしての試合を見せます。見ていてください。絶対に盛り上げます。以上」
鶴屋怜
「2022年ラストのパンクラスの大会のメインイベントで、しっかりKO、一本勝ちして盛り上げるので。チャンピオンになります」
パン・ジェヒョク
「コンバンワ。初めまして。ボクハ、コリアン・スパイシー・パンチ、この名前を覚えてください。オポネント、ドコデスカ。アリガトゴザイマス」
透暉鷹
「初の国際戦なんですけど、普通に勝つだけじゃなくてしっかりと自分の強さを証明して、勝ちたいと思います」
雑賀ヤン坊達也
「まずはシュウジ選手、ブラジルから日本までありがとうございました。明日は最高の試合をして、皆さんにクリスマスプレゼントができれば良いなと。しっかりKOするので、よく見ておいてください」
シュウジ・ヤマウチ
「初めまして、ヤマウチ・シュウジです。パンクラスに出ることはとても嬉しいです。明日は良い試合をするので、皆さん期待してください」
TSUNE
「明日のためにしっかりと仕上げてきました。試合で魅せます。応援よろしくお願いします」
田嶋椋
「明日はしっかりとやりきって、勝ちます。応援よろしくおねがいします」
KAREN
「しっかりKO、一本して。クリスマスに連勝して、2022年を締めくくります。お願いします」
ソルト
「パンクラスに初参戦できて嬉しいです。試合を組んでいただいてありがとうございます。明日はチャンピオンのKAREN選手との試合なので、連勝を止めて行こうと思っています。宜しくお願いします」
上田将竜
「伊藤選手、パンクラスに来てくれてありがとうございます。伊藤選手はイケメンで試合が面白くて、いつもジェラシーを感じていました。でも、こっちもパンクラスで10年間戦ってきた意地があるんで。さらに明日はクリスマスなんで、家族も子供も置いて戦いに来ているので、激熱、ポイズンな試合をしましょう」
伊藤盛一郎
「今回、パンクラスのデビュー戦になるんですけど、ZST、Groundslamで育ってきた自分らしく戦い、一本、KOで勝ちたいと思います」
■視聴方法(予定)
2022年12月25日(日)
午後1時30分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ
午後2時30分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE
午後2時30分~ U-NEXT
■ Pancrase330計量結果
※赤字選手名をクリックすると関連記事やインタビューに跳びます
<フライ級KOPC/5分5R>
[王者] 猿飛流:56.5キロ
[挑戦者] 鶴屋怜:56.45キロ
<フェザー級/5分3R>
透暉鷹:66.25キロ
パン・ジェヒョク:66.15キロ
<ライト級/5分3R>
雑賀ヤン坊達也:70.15キロ
シュウジ・ヤマウチ:70.45キロ
<バンタム級暫定王座決定戦/5分5R>
TSUNE:60.95キロ
田嶋椋:61.05キロ
<女子ストロー級/5分3R>
KAREN:51.85キロ
ソルト:52.45キロ
<フライ級/5分3R>
上田将竜:57.0キロ
伊藤盛一郎:56.95キロ
<フェザー級/5分3R>
田村一聖:65.75キロ
Ryo:65.35キロ
<ウェルター級/5分3R>
押忍マン洸太:77.4キロ
林源平:77.45キロ
<ウェルター級/5分3R>
村山暁洋:77.5キロ
長岡弘樹:76.75キロ
<フェザー級/5分3R>
高木凌:66.2キロ
新居すぐる:66.1キロ
<ライト級/5分3R>
岡野裕城:70.5キロ
粕谷優介:70.3キロ
<バンタム級/5分3R>
井村塁:61.4キロ
佐久間健太:61.55キロ
<女子アトム級/5分3R>
沙弥子:47.5キロ
ジェニー・ファン:46.55キロ
<フェザー級/5分3R>
加藤泰貴:65.95キロ
倉本拓也:66.25キロ
<バンタム級/5分3R>
矢澤諒:61.3キロ
木本海人:61.35キロ
<57.7キロ契約/5分3R>
水戸邉荘大:57.7キロ
金澤臣人:56.7キロ
<アマMMAバンタム級/3分3R>
山口怜臣:61.05キロ
岡田嵐士:60.95キロ
【写真】ベルト奪取の喜びも、束の間だったという透暉鷹 (C)MMAPLANET
25日(日)、横浜市中区の横浜武道館で開催されるPANCRASE330で、パン・ジェヒョクと対戦するフェザー級暫定KOPの透暉鷹インタビュー後編。
Text by Shojio Kameike
日沖発stArt JAPAN代表らとの練習を経て、練習への意識が変わってきたという透暉鷹。自身がベルトを獲得したことで、所属するISHITSUNA MMAも盛り上がってきているという。さらに次の目標が浮かび上がってきた透暉鷹が、ベルト獲得後初の試合となるパン・ジェヒョク戦への意気込みを語る。パンクラスの2022年フィナーレ、横浜武道館大会――12・25を読む。第7弾は透暉鷹インタビュー後編をお届けしたい。
<透暉鷹インタビューPart.01はコチラから>
――暫定王座を獲得した亀井戦ではバックを奪ったあと、RNCではなくフェイスロックでタップを奪いました。
「練習でよく極めている形です。あれは首を絞められるよりもキツイと思いますよ。捻じ曲げられたら反射的にタップしてしまうぐらいで」
――改めてベルトを獲得した感想を教えてください。
「あの時はベルトを巻くことができて嬉しかったです。でも、何日か経ってくると嬉しさはなくなってきたんですよ。まだ正規王者としてISAO選手がいますし。まだまだ上を目指していかなアカンなって感じで……。実力的にも、まだまだですしね。やっぱり暫定っていう2文字がついている限りは、あまりベルトを持っている感覚がないです」
――横浜武道館大会ではISAO選手との王座統一戦ではなく、パク・ジェヒョクとの国際戦となりました。
「一番はISAO選手との王座統一戦をやりたかったです。でも、それが国際戦になって――みんなと話をしていたんですよ。『これから海外を目指すなら、国際戦をやってからISAO選手に勝っていくのが良い形だね』って。ずっと国際戦をやりたいと思っていましたし、パンクラスが組んでくれたことは、メチャクチャありがたいですね。早く試合がしたいです」
――今は海外での試合も考えているのですか。
「一番はUFCに行きたいです。UFCが一番強いプロモーションですからね。ただ、今の実力では……メチャクチャUFCと離れているわけじゃないと思うけど、それでも距離はあります」
――現在行われているRoad to UFC ASIAの動向は気になりますか。パンクラス王者として、RTUに出たかったという気持ちはないでしょうか。
「気にはなりますよ。でもパンクラスから木下憂朔選手がメチャクチャ良い勝ち方をしたじゃないですか。代表(林巧馬ISHITSUNA MMA代表)からも、『パンクラス王者としてRTUよりコンテンダー・シリーズに出たいよね』と言ってもらえて。自分としてはDWCSにチャレンジしたいです」
――なるほど。次のパン・ジェヒョク戦は、ベルト獲得からUFCやDWCSへの挑戦に向けた新たな一歩となります。そこで対戦相手の印象を教えてください。
「韓国人選手って気持ちが強いですよね。相手はパンチが得意だと思うけど、MMAとして全体を通して自分の力を見せつけたいです」
――対して、前回の試合から5カ月の間に透暉鷹選手が成長した部分はありますか。
「自分ではあまり分からないですけど、スタンドの打撃はもちろん、全部が強くなってきたとは言われます。MMAだからといって、MMAスパーだけをやっていても強くなるわけじゃないんですよね。一つひとつの要素もしっかり練習して、それを組み合わせていかないといけないので」
――それは打撃のみ、寝技のみの練習ということですか。
「そうです。ボクシング、キックボクシング、グラップリング――僕の周りには、それぞれの競技で強い人たちがたくさんいるので。MMAスパーだけやっていたら、打撃が苦手な相手に打撃で攻め込んだり、その逆もあるじゃないですか。たとえば今日の練習でも、アマチュアで僕よりも体格が大きい選手がいるんですよ。その子はグラップリングがメチャクチャ強いので、MMAだけではなくグラップリングだけやったりします。他にもK-1に出ている選手がいるので、打撃のスパーをやったりとか。そうやって一つひとつを磨いていくほうが、MMAでは全体を通して強くなることができるのかなと思っているので。今日も全部やりましたよ(笑)」
――えっ、全部とは……。
「打撃やって、MMAスパーやって、グラップリングもやってからミット打ちでした」
――一つひとつの要素を曜日ごとに分けたりするのではないのですか。
「曜日で分けることもありますけど、今日は特別でした(※取材は12月5日、月曜日に行われた)。3時間ぐらい、しっかりと全部やりましたね。全ての練習がフルで――あっ、ダッシュもやりました(笑)。今日の練習には、結構な人数が集まってくれたので。みんなが集まる日は同じようなメニューになります。だから今は疲労がヤバイです。怪我や体調が悪くなったりすることには気をつけないと」
――3時間も一つひとつ全て集中して練習できるのも、取り組み方への意識で変わってきますか。
「自然に変わってきますよね。あと、ISHITSUNA MMAでも選手歴では僕が一番長いんです。だから一応、ジムの練習も仕切らせてもらっていて。そのために、僕自身が緊張感を持っていないといけないと思っています」
――現在ISHITSUNA MMAでは、アマチュアも含めて選手練習には何名ほど参加しているのでしょうか。
「どれくらいだろう……20人ぐらいはいるんじゃないですか。今日の練習も、月曜日の昼なのに10人以上は参加していて。僕がベルトを獲ったことで、『自分もベルトを巻きたい』と言ってくれる子たちが増えたと思います。これからも僕が、ジムの選手代表として引っ張っていかなアカンですね」
――では最後に、パン・ジェヒョク戦に向けて意気込みをお願いします。
「まだベルトを巻いた実感はないけど、チャンピオンであるかぎりは自分がパンクラスの代表になると思います。そのベルトを巻いてから初めての試合で、パンクラスのファンの皆さんに、しっかり自分の強さを見せたいです」
■視聴方法(予定)
12月25日
午後2時30分~U-NEXT
午後2時30分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE
【写真】透暉鷹の戴冠で盛り上がる石綱MMAについては後編にて(C)MMAPLANET
25日(日)、横浜市中区の横浜武道館で開催されるPANCRASE330で、フェザー級暫定KOPの透暉鷹が、韓国のパン・ジェヒョクと対戦する。
Text by Shojiro Kameike
2022年はこれまで3戦全勝、全てフィニッシュしている透暉鷹。7月には亀井晨佑を仕留め、暫定フェザー級KOPのベルトを巻いた。そんな亀井戦を振り返ると、透暉鷹の強さと現在の勢いが見えて来る。パンクラスの2020年フィナーレ、横浜武道館大会――12・25を読む。第1弾は透暉鷹インタビュー前編だ。
――透暉鷹選手は今年3戦3勝、しかも全試合フィニッシュしています。パンクラスに年間MVP制度があれば、間違いなく受賞しているのではないでしょうか。
「アハハハ。でも結果に驚いてはいないです。今までもそうだし、これからもずっと勝ち続けていくので。それは変わらないですから」
――さらに昨年5月のRyo戦で敗れたものの、次の内村戦を含めれば4連勝して暫定ながらフェザー級KOPのベルトを巻きました。Ryo戦以降、何か変化があったのでしょうか。
「何か変わったんですかね? 自分ではよく分かっていないんですけど(苦笑)。Ryo選手に負けた試合がメッチャ悔しくて……練習の取り組み方は変わったかもしれないです。何か新しい練習を始めたわけではなく、メンタル面ですよね。Ryo戦が終わって、まだまだ自分は甘かったんだなって思いました。そこでさらに気持ちが入ったというか」
――その甘さを克服したのは、練習の量ですか。それとも質でしょうか。
「練習の質ですね。練習の中では何をやるにしても、試合をイメージするようにしていて。打ち込み一つにしても、全て試合のことを考えながら――そういう意識が、Ryo戦までは甘かったんだなと思います」
――それまでの練習は、こなしていただけのような……。
「そうだったかもしれないですね。もちろん当時は、そんなふうに考えていたわけではないです。Ryo戦で負けて、改めて甘かったことに気づいた感じですね」
――透暉鷹選手といえば、前回のインタビューで身体能力の高さを証明する各スポーツの実績についてお聞きしました。それだけ身体能力が高ければ、MMAを突き詰める前に試合で勝てる部分もあったのではないでしょうか。
「まぁ、あったんですかね(苦笑)。今年に入ってから、練習している打撃が試合でも出るようになった、と一緒に練習している選手からも言ってもらえていて」
――加えて、フィニッシュが鋭くなったように思います。特に4月の岩本達彦戦ではパウンド、7月の亀井晨佑戦はネッククランク(公式記録はRNC)を見ても、チャンスと見れば一瞬でフィニッシュに持ち込むという。
「それも練習で意識していることが出ているんだと思います。試合ではいつでもフィニッシュを狙えるように、練習でもどんどん極めに行っていて。試合で極めに行き続けると、バテるじゃないですか。練習から極めに行かないと、試合で極めるのは難しい。だから練習で、試合以上に極めに行く意識でやっていますね。練習でやっていないことは、試合でも出ないので」
――透暉鷹選手は公式プロフィールでは身長168センチ、フェザー級でも体格が大きいほうではなく、常に体格差のある試合となります。特にここ2試合は、岩本選手が183センチで亀井選手が182センチ……相手のほうが頭ひとつ分、身長が高かったです。その体格差は苦にならないのでしょうか。
「向かい合ったら、どちらもデカかったですね。アハハハ。でも苦にはならないです。試合が始まったら、2人とも凄くテイクダウンを警戒しているんですよ。だから構えも低くなっているし、テイクダウンのフェイントにも反応してくれるので、逆にスタンドがやりやすくなりました。
亀井選手はスタンドのワンツーとかで自分の距離とペースを作っていくタイプじゃないですか。でも重心が低くなっていて、自分自身の強みを生かしきれなくなっているなって思いました」
――試合は透暉鷹選手の攻めを亀井選手が凌ぎ続けるという、ハードファイトとなりました。
「メッチャ疲れました……。まず2Rのキムラは、試合を終わらせに行ったんですよ。だから自分も腕がパンパンになり、息も切れていて。それは3Rにバックを奪ったところで、息を整えることができました。早めにバックを奪うことができて、いつでも極めに行くことができると思ったので(苦笑)。そこで息を整えながら、いろいろ散らしてチャンスを待っていました」
――しかし3R終了直後の腕十字も凌がれています。
「あそこまで凌がれるとは考えていなかったです。正直なところ、3Rが終わった時は気持ちも落ちていました。アハハハ。僕のほうが危ないと思うような展開はなかったけど、どうやったらフィニッシュできるのかなって。4Rまでのインターバルの間もボーッとしていて、セコンドから何て言われたのか覚えていないぐらいでしたね。とりあえず4Rは、無理にテイクダウンに行くとスタミナが削られてしまうので、しっかり打撃やりながらグラウンドに持ち込んで……と」
――……4Rは亀井選手のパンチをかわしながら、飛び込んでテイクダウンを奪いましたよね。
「アハハハ! そうでした。ただ、あれも練習でやっている動きなんですよ。勝手に体が動いた感じで。別に亀井選手の対策として、ではなく普段から練習している動きをハメこんだだけです」
――体格差のある試合が多い透暉鷹選手ならでは、ですね。セコンドに就いていた日沖発さんも高身長ですし。
「日沖さんも180センチぐらいありますよね。日沖さんと練習していたら、長身の選手対策は間違いないです」
<この項、続く>
The post 【Pancrase330】12・25を読む 初の国際戦に臨むフェザー級暫定KOP、透暉鷹─01─「長身の選手対策は」 first appeared on MMAPLANET.【写真】南アフリカからハロンワ、彼以外にフィリピン、ブラジル、ポーランド、ベルギー、サウジアラビア、シンガポール、イタリアからsン種が集まる。国際戦がBRAVEの特徴だ(C)BRAVE CF
30日(土・現地時間)に韓国はインチョンのインチョン・サムサン・ワールド体育館で開催されるBRAVE CF58の計量が行われている。
今大会、メインで韓国人エースのキム・テキュンがロマン・ボガトフと対戦予定だったが負傷欠場となり、メインは元Road FCミドル級王者ラ・インジェが南アフリカのミズワディレ・ハロンワと対戦することとなった。
ハロンワは2020年11月以来の実戦で、2021年はONEに参戦中のボカン・マスンヤネと同様に南アフリカからの出国が叶わず、試合機会を失していた。
キャリア6勝1敗のハロンワのベースは極真空手で、父親が極真の2段の空手家だった。9歳から20歳まで極真を学んだハロンワは「極真で身に着けたタイミングとスピードはMMAでも生きている。顔面パンチがないことで極真空手を軽視する向きがあるけど、ボクシングを学び顔面パンチが打てるようになると極真で学んだことが生きてくるんだ。それに僕にカーフキックは効かないよ。あの蹴りがきても、極真空手家はカットできる」と今回の試合前の取材で語っている。
BRAVE CFで国際的な舞台を踏んだハロンワは「南アフリカでMMAファイターとして生きていくことは難しい。好きだから戦うという状況なんだ。でもBRAVE CFと契約したことで、家族を食べさせることができるようになった。BRAVEは世界中をサーキットしている。今回、韓国で韓国のベストファイターと戦える。今後も色々な国で、その国のベストファイターと戦っていきたい」と言う。
今回のメイン出場に向けて「タフだ。Road FCのチャンピオンで根性がある。でも、僕の方が上だ。全てで上回っている。この試合で僕は名前をあげる。タフな相手、タフな試合を望んでいる。タフな相手とダンスをして楽しむんだ」と笑顔を見せたハロンワ。極真で養ったスピードとタイミングが韓国で炸裂するか見ものだ。
■視聴方法(予定)
4月30日(土・日本時間)
午後5時00分~ BRAVE TV
■BRAVE CF58 計量結果
<ミドル級/5分3R>
ミズワディレ・ハロンワ:84.3キロ
ラ・インジェ:84.05キロ
<スーパーウェルター級/5分3R>
マルチン・バンデル:79.65キロ
ルイス・フィリッピ・ディアズ:78.1キロ
<ライト級/5分3R>
ロランド・ディ:70.45キロ
オ・テホク:70.3キロ
<スーパーライト級/5分3R>
マチェク・ギエルシェウスキー:75.05キロ
イッサ・イサロフ:74.9キロ
<67キロ契約/5分3R>
ヴァルテル・コリアンドロ:67.0キロ
パン・ジェヒョク:66.75キロ
<フェザー級/5分3R>
アブドゥラ・アルクァフタニ:66.2キロ
チョン・ヨンス:66.05キロ
<77キロ契約/5分3R>
アクセル・ソラ:76.7キロ
チャン・ユンソン:76.65キロ
<フライ級/5分3R>
シャン・シンカイ:56.68キロ
イ・チャンホ:57.02キロ
<女子アトム級/5分3R>
ジリアン・ゴウ:47.2キロ
ホン・イェリン:47.52キロ
<ヘビー/5分3R>
イム・ジュンス:120.15キロ
キム・ミョンワン:117.7キロ
<フェザー級/5分3R>
ユ・ジュサン:65.85キロ
オ・ドゥサップ:65.9キロ