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【UFC ESPN35】世界と戦う日本人(08)平良達郎─後編─「自分はあります──けど、一回やってみないと」

【写真】ついに夢が現実になる。どのような現実が平良に待っているか (C)MMAPLANET

30日(土・現地時間)──ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC on ESPN35「Font vs Vera」でカーロス・キャンデラリオとUFCデビュー戦を戦う平良達郎インタビュー後編。

フワフワしている。楽しみ。自信はある。緊張してきた。あらゆる感情が入り交ざってい平良にとって、UFCとはまさに夢にまで舞台である一方で、未知の領域でもある。1月から2月にかけてのエクストリーム・クートゥアーでの練習で、北米のレベルを知った平良は、夢が現実になる時直前の心境を吐露した。

2022年、春~世界に立ち向かうJ-MMAファイター特集~。第8弾─後編─、平良達郎の話に耳を傾けたい。

<平良達郎インタビューPart.01はコチラから>


──怜選手はプロデビューから1年で、常に「日本のフライ級のトップクラスと戦っても負けない」と口にしています。

「そう思います。パンクラスのベルトはすぐに取っちゃうんじゃないかなって」

──修斗だと取らせない?

「いや(苦笑)。それって、僕がチャンピオンだったらっていうことですか」

──ハイ。その通りです。

「それは取らせないですよ。戦うようなことがあっても、ベルトはあげないです。でも、相当に強いですよ。怜君と練習をしていると、僕も強くなれます。それぞれが自分のキャリアを積んでいって、将来的には……ひょっとすると、ぶつかるかもしれないです」

──怜選手に対して、そういう気持ちでいるのですね。

「同じ舞台に上がれば、可能性はあるじゃないですか。僕もパラエストラ柏のフライ級の選手と修斗で組まれそうなこともありましたし。だから今は別のところで戦っていますが、怜君がUFCで戦うようになれば戦うことはあるかもしれないです」

──なるほど。では、ここまでの仕上がり具合を教えてください。

「あと3週間になって、スタミナとか異常に上がっています。仕上がりも凄く良いです。ただ焦りもあって……練習とかも、雑になることがあります。そういう時は動きが良くないです。でもコンディションが良いので、これから3週間もっと突き詰めることができると思います」

──ZOOMの画面からですが、ラスベガスにいた時より生気が漲っているように見えます。

「そうですか!! 来週の日曜日からラスベガスに行くのですが、ちょっと不安です。前に行った時よりも暑くなっているでしょうし、あの乾燥はどうなっているのか……というのはあります」

──通常の現地入りより1週間早い。なぜ、この日程に決めたのでしょうか。

「エクストリーム・クートゥアーで練習させてもらった時に、最初の1週間の動きが悪かったからです。岡田さんとも話をして、試合の週の火曜日にベガスに入る予定はキツイなって。自分は1カ月ぐらいベガスにいようかと思っていたのですが、逆に減量しながらの練習になってケガが怖いのでそれはしなかったです。

ラスベガスだと仲が良いっていうまで人間関係は築けていないので(笑)。だからギリギリまで日本で鍛えて、2週間前に岡田さんと現地入りします。岡田さんに頼りつつ、残りの期間で仕上げていこうかと思っています」

──正直、これまでよりも不安要素が多いかと。

「(苦笑)。ちょっとフワフワしていて……不安といえば不安ですね。何を持っていこうかとか考えると。でも、ファイトウィークには松根さんも来てくれますし、そこまで不安もないです。それより楽しみな方が大きいですし。ラスベガスで戦えることに、ワクワクしています」

──そこで戦うキャンデラリオについて、どのような印象を持っていますか。

「どういう戦いをしてくるのか……。でもバケモノのような選手ではなくて、イメージでいうと気持ちの選手で、タフな選手だと思います。ただメチャクチャ凄い打撃や寝技を持っているわけではない。コンテンダーシリーズの試合では自分から試合を創りにいっていたので、受けに回らないようにしないとなっていうのは感じました。けど、UFCの本戦でああいう風に戦ってくるのか。そんな感じです」

──自信のほどを聞かせてください。

「自分はあります──けど、一回やってみないと自分の立ち位置が分からないというか……。とりあえず安心したいです。フィニッシュして、勝って……。UFCで戦っていける力があることを見せたいです。清水(清隆)さん、福田(龍彌)に勝って来たことを自信にしたいです。勝機……VJTで戦った選手は、正直あまり強くなかったじゃないですか。映像を見るだけじゃレベルが分からない。それはラスベガスに行って気づきました。こんなに強いのかという選手も多かったです。だから、試合が始まるまでどういう試合展開になるのか分からないです、今は。でも、自信はあります」

──平良スゲェという声の裏で、まだ分からないという声も以前から聞こえていたと思います。このチャンスにダイブしないと、何のためにMMAをしているのか分からないですしね。高嶺の花と思っていて女性に誘われて、『僕にはまだ早いです』なんて言ってられないですよ。

「もう完璧な例えです(笑)。腕試しです。自分がどれだけできるのか、全てをぶつけるだけですし、そういう意味では楽しみでしかないです。でも、こうやってインタビューを受けていたら緊張してきたんですけど……」

──なぜ、ですか(笑)。

「……。でも本当に楽しみなんです。どのくらい掛かるかは僕も分からないですけど、ベルトを目指しているので。こんなところで、こけられないです。『平良、また進化したな』って思ってもらえる試合がしたいです」

■視聴方法(予定)
5月1日(日・日本時間)
午前5時30分~UFC FIGHT PASS

■ UFC ESPN35対戦カード

<バンタム級/5分5R>
ロブ・フォント(米国)
マルロン・ヴェラ(エクアドル)

<ヘビー級/5分3R>
ジェイク・コリアー(米国)
アンドレイ・オルロフスキー(ベラルーシ)

<フェザー級/5分3R>
アンドレ・フィーリ(米国)
ジョアンデウソン・ブリト(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ジャレッド・ゴードン(米国)
グラント・ドーソン(米国)

<フェザー級/5分3R>
ダレン・エルキンス(米国)
トリスタン・コネリー(カナダ)

<ミドル級/5分3R>
ジェラルド・マーシャート(米国)
クリシュトフ・ヨッコ(ポーランド)

<ヘビー級/5分3R>
アレクサンドル・ロマノフ(モルドバ)
チェイス・シャーマン(米国)

<フライ級/5分3R>
ダニエル・ダ・シウバ(ブラジル)
フランシスコ・フェイゲイレド(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ユアン・リネス(カナダ)
ゲイブ・グリーン(米国)

<ライト級/5分3R>
マイク・ブリーデン(米国)
ナタン・レヴィ(イスラエル)

<女子フライ級/5分3R>
ジナ・マザニー(米国)
シェイナ・ヤング(米国)

<フライ級/5分3R>
平良達郎(日本)
カーロス・キャンデラリオ(米国)

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MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase327 パンクラス 秋葉太樹 鶴屋怜

【Pancrase327】パンクラス初戦、秋葉太樹をRNCで仕留めてプロ4連勝の鶴屋怜がタイトル戦をアピール

【写真】ピンチもあったが、鶴屋がイリディウムとの契約後初戦で勝利。これでデビュー以来4連勝、全てKOか一本勝ちだ (C)MMAPLANET

<フライ級/5分3R>
鶴屋怜(日本)
Def.1R3分43秒 by RNC
秋葉太樹(日本)

開始早々、鶴屋が組みついて投げを打つ。アンダーフックでディフェンスした秋葉。鶴屋はパンチとヒジを打ち込みながら、立ち上がった秋葉をケージに押し込む。鶴屋はまたもテイクダウンを狙うが、秋葉が下から鶴屋の右腕を取って腕十字へ。腕が伸びたかに見えたが鶴屋が前転して上になり、起き上がる秋葉のバックに回る。そのままグラウンドに持ち込んだ鶴屋はマウントを奪い、パンチを落としながらバックに回ってRNCを狙う。

右腕を秋葉の首に回した鶴屋、秋葉は鶴屋の左腕を引いてディフェンスし、パンチを食らいながら起き上がって反対にRNCを狙っていった。これを凌いだ鶴屋がバックへ。パンチを当てながら右腕を秋葉の首に回し、相手の右腕を自分の足で抑えながら、今度はしっかりとRNCを極めた。

パンクラス初戦で一本勝ちを収めた鶴屋は、「1Rで勝ったので、次はタイトルマッチやらせてください」とアピールした。


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ISAO o ONE RYO パンクラス 透暉鷹

PANCRASE327:第2部第2試合・岩本達彦 vs. 透暉鷹

フェザー級トーナメント決勝戦。勝者がISAOのタイトルに挑戦する。岩本2位、透暉鷹3位。

183cmのバトルタワー岩本は2020年のネオブラ王者。ネオブラ後の初戦はRoad to ONEで同じ年のライト級ネオブラ準優勝で階級を下げてきた中田リッチ大貴にKO負け。トーナメント一回戦では元OUTSIDERのRyoから1Rキムラでタップアウト勝利した。

本来は逆ブロックを勝ち上がった亀井との対戦予定だったが、一回戦でのダメージにより、主催者判断で出場を見送り。リザーブマッチに勝利した透暉鷹が決勝に進出する。圧倒的フィジカルでパンクラス出場から2連勝していた透暉鷹だが、昨年Ryo相手に試合をリードしていながら、終了間際にかけられたギロチンで失神し一本負け。リザーブマッチでは2019年のネオブラ覇者名田に2Rチョークで一本勝ち。

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o キック パンクラス

PANCRASE327:第1部第6試合・上田将竜 vs. 有川直毅

フライ級。上田1位、有川4位。

昨年、2度勝っている暫定王者小川への挑戦権を棚ボタで獲得した上田。が、試合では組んでケージに押し込まれるという展開を繰り返し、オープンスコアで勝ちがなくなっているにも関わらず最後まで勝負に行かず判定負け。試合後にはパンチを当てられるのが怖かったからと理由を説明していたが、判定負けが確定した状態で何を恐れていたのか。ある種人生最大のワーストマッチを経験し、試合後には身体を考える発言もあった上田は、どういう心持ちで試合に望むのかが問われる試合。

2019年のパンクラスデビューから4勝1敗の有川。1月には大阪で行われたGRALDIATORで判定勝ち。昨年の杉山戦ではテイクダウンからバックを奪われチョークで一本負けし、パンクラス初黒星を喫したが、2020年のネオブラ王者山中との対戦ではバックを取られた場面からスクランブルで脱出し、三者フルマークでの判定勝ち。

カーフキックを蹴っていく有川。上田もロー。上田ジャブで出る。組んでいく上田。四つでクラッチしてテイクダウン狙い。押し込みながら膝。ブレイク。飛び込んできた有川に左がヒット。パンチで出る有川。ローをキャッチした上田がタックルへ。脇をくぐってスタンドバックにして膝を入れる。ゴング。

1R三者有川。

2R。蹴りを入れていく有川。上田間合いを詰めてタックル。切られてパンチを打たれた。距離を詰める上田。飛び込んで右をヒット。ジャブ。パンチで飛び込んでタックルにつなげたが切られた。ローをつかんで倒した有川。上田の立ち際にパンチ連打を打ち込んだ。上田単発だが手数が増えてきた。パンチを入れていく。左がヒットし有川スリップダウン。有川は手数が減っている。ホーン。

2Rは三者上田。

3rj。手数が増えた上田。先手を取っていく。有川足払いのようなカーフキックでスリップダウンを取ったが、上田すぐ立つ。パンチで飛び込んだ有川にタックル。受け止めた有川。離れる。有川カーフキック。有川のカーフキックに右を合わせる上田。有川のハイに交錯して上田タックル。ケージでこらえる有川。倒せず。離れた。残り30秒ジャブを当てていく上田。前に出る有川だが空振りが多い。タイムアップ。

29-28、28-29、29-28のスプリットで上田勝利。

僅差の3Rを制した上田の勝利。連敗は止めたが、快勝とはいかなかった。

「前回負けて引退も考えたが、楽しいのがこれしかないので。福岡でパンクラスをやりたいので頑張ります」とマイク。

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ISAO o UFC パンクラス

PANCRASE327:第1部第4試合・平信一 vs. 粕谷優介

ライト級。

ZST王者の暴走柔術平はパンクラス2勝3敗。前戦は2年ぶりの試合となった髙橋Banchoを2RKOで下した。

UFCファイターの粕谷だが、パンクラス戦績は1勝4敗。フェザー級で松嶋とISAOに破れると、階級を上げ菊入に勝利し、それが評価されてサドゥルフ・ソリホンとの暫定王座決定戦に抜擢されたが2RKO負け。2年ぶりの試合となった昨年6月の試合は松岡に22秒でKO負け。

いきなり組んでいった平だが、粕谷受け止めると投げてテイクダウン。サイドからマウントを狙う。下から殴る平だが押さえ込まれている。マウント。うつ伏せになった平からバックマウントを奪い四の字バック。チョーク。やや斜め。外れて逆の腕で絞めるがこれも決まらず。背中の粕谷に強いパンチを入れていく平。粕谷腕十字へ。肘を抜いた平が鉄槌を落とす。粕谷足関に移行。しかし平がパンチを入れていく。残り10秒で立ち上がり鉄槌連打。ホーン。

1R三者粕谷。

2R。平また突っ込んでいくが、受け止めた粕谷がまたテイクダウン。寝かせようとする粕谷だが、平立った。しかしボディロックを放さずテイクダウン。またバックへ。正対しようとする平だがしっかりバックについている。平はまた背中の粕谷にパンチを入れる。チョーク。入った。平タップ!

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o ジェイク・シールズ パンクラス

PANCRASE327:第1部第2試合・平田丈二 vs. ジェイク・ムラタ

バンタム級

大阪在住、パンクラス2勝5敗の平田。ジェイク・シールズにあこがれて本名から改名したムラタは、昨年10月に井村と対戦し、1R三角絞めで一本負け。

プレスしたムラタ。タックルに入るが切られる。ムラタパンチをヒットさせ平田ダウン気味に倒れたがすぐ立つ。その後も距離を詰めてパンチを入れつつ組もうとしていくムラタだが、平田の左をもらってダウン!平田パウンド連打!ディフェンス出来ていないムラタを見てレフェリー止めた!

グラップラームラタが打撃でリードしていたが、一発で逆転。

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o パンクラス

PANCRASE327:第1部第1試合・工藤修久 vs. 平田純一

フェザー級

47歳工藤 vs. 49歳平田。ともにグラップラー。工藤は3連勝していたが、そこから現在3連敗中。40歳でプロデビューした平田はパンクラスでは1勝5敗。3年半勝ち星から遠ざかっている。

組んでケージに押し込む工藤。ケージで耐える平田。膝を入れる工藤だがローブローに。タイムストップ。結構苦しんだ平田だが再開。また四つに組んだ。ケージに押し込む工藤。捨て身的な投げで上を取った工藤。平田下からラバー。残り1分。密着した状態で両者動きなし。ゴング。

1R三者工藤。

2R。ガードを下げた構えの平田。遠い間合いから蹴りで牽制する工藤。じわじわ詰めてきた平田だが工藤組んでスタンドバックに。テイクダウン。バックを狙う工藤。バックマウントからパウンド・肘。平田は固まってディフェンスするのみ。バックから弥助ビッチ十字。クラッチして耐える平田。ゴング。

2R一者10-8工藤、二者10-9工藤。

3R。工藤ローからクワガタックル。かわされて引き込んだ。足を蹴る平田。工藤タックルを狙うが、平田首を抱える。工藤ガードに。ラバー。上の平田だが何もできない。外れた瞬間に立つ平田。足を蹴る。また工藤タックルへ。シングルレッグに入りながら立つ。ケージまで押し込んで倒した。金網を背に座った体勢。立ったが残り1分。また工藤が押し込んだ体勢。なおもテイクダウンを狙う体勢でタイムアップ。

29-28×2、30-26の3-0で工藤勝利。

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【GLADIATOR017】福島啓太とバンタム級王座決定戦、神田周一「あの頃の価値観が根底にあるままです」

【写真】冬の時代=意外と純粋な時代。人によっては引きずっているという風に見るかもしれないが、夢を追い続けるってそういうことかと(C)MMAPLANET

5月1日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR016で、神田T800周一が福島啓太とGladiatorバンタム級王座を掛けて戦う。

2年2カ月前に取り逃したベルト、この間のグラジエイターでのファイト通じて自身のMMAの完成を目指すようになった神田にインタビュー。技術面、判定基準という話題の中で神田の明確な──あの頃のMMAを追求する姿勢が明らかとなった。


――福島選手とバンタム級王座を賭けて戦います。この王座ですが、2020年2月に竹本啓哉選手と王座決定戦で戦い敗れたベルトです。その竹本選手が、体重オーバーでタイトル剥奪となり、再び王座決定戦を戦うこととなりました。

「僕もグラジエイターに定期的に出場させてもらって2年以上になるのですが、竹本選手のことはずっと戦友であり、ライバルだと捉えていました。その彼がチャンピオンとして活動する姿を見るのは正直悔しかったです。でも、そんな彼があの失態でベルトを失った。自分が定期的に戦っている場所で、ベルトを持つ人間がああいう風になった時は悔しくて、もどかしかったです。自分が情けなかったですし。だからこそ、ベルトを獲ってしっかりと磨きたいと思います」

──1月大会で福島選手が、その竹本選手に判定勝ちを収めベルトを賭けて戦うことになりました。正直なところで、あの判定は最近の打撃有利的な部分が顕著になったようにも感じました。

「これは結構ぶっちゃけて言うと……僕はモニターをチラチラ見ながら、自分の試合が近いのでスタンバっていました。で、竹本がずっとバックを制していて。これは王座決定戦でまた竹本と戦うことになると思っていたんです。そこから集中しなおして、試合開始を通路の奥で待っていたら判定で竹本が負けて、ひっくり返りそうになりました(笑)」

──日本のMMAのジャッジの判断やブレイクの判断は、ずいぶんとストライカー寄りになってきたと思います。コントロールやポジション奪取は、ダメージを与えないということで評価が低くなった。もう、そういうモノになったと考えるしかないのかという想いもあります。神田選手はそういう裁定を意識することはありますか。

「僕の場合はゴールは一つ、サブミッションです。コントロールに関しては、パウンドとセットかなというのもあります」

──ただタメージのあるパンチを繰り出すと、上体を起こしてスペースを与えることになります。すると差されて立たれる。スクランブルに持ち込まれます。だからパウンドも難しいですよね。

「そう言った組み技が軽視されかねない今だからこそ、逆にクラシックなグラップリングにチャンスがあると思っています。寝かせ方もインスタントな格闘技をする人は、分かりやすい立ち方、逃げ方をしてくるかと思います。だからこそ、渋いゴールに誘う戦い方をしようかというのはあります」

──インスタントな格闘技、良い表現ですね。そこに神田選手がずっとやってきたことで打開したい?

「そうですね。僕は格闘技が冬の時代と言われた2010年代を何とかサバイブしてきた人間なので、やはりあの時代にやってきたことがベースになっています。僕のMMAは今時のちょっとインスタントで……ニータップといえばフランキー・エドガーでなく、朝倉未来選手になる世代とはチョット違うと自覚しています。制圧することこそ、格闘技だと思っている節が僕にはあるので(笑)」

──制圧。ドミネイターですね。話が振りやすくなりました(笑)。旧友、弥益選手の人気をどのように捉えていますか。

「嬉しいです。評価されて然るべき、面白いし勝っているし。しかも、やっていることは変わっていない。格闘技に対してはピュアなままですしね。言えば僕もサラリーマン・ファイターで、取捨選択をしないといけない子育てをしている人間です。だから参考にしているし、活躍が嬉しいです。その一方で、弥益の活躍は嬉しくても対比軸として不良カルチャーがあり、真面目なサラリーマンが戦う対比構造は陳腐だなと思っています。

弥益は素晴らしいと思っています。まぁマーケットの判断なんですけど、自分の信念というか。さっきの判定問題もそうですが、自分のMMAを追求する。タイトルマッチで勝ちたいというのも大きいですけど、インスタントに勝って人気者ごっこをしたいわけじゃないです。本当の強さに少しでも触れたい。自分がそういう存在になりたいという気持ちが強いです」

──人気的に冬の時代、皆がUFCを目指していた時代のMMAを神田選手は追及しているということですか。

「インスタントな格闘技人気が上昇したことで、若い人がMMAを始めたり、他競技から本気で転向してくるのは本当に良いことだとは思っています。これは本当です。とはいえ、僕の価値観は川尻選手がUFCで戦っていた時代にあります。日本はもう離されてはいたけど、北米を目指していたあの頃の価値観が僕の根底にあるままです」

──捉え方は違うのですが、K-PLACEの裁定方法から逆算した作り方も、十分に北米的でないでしょうか。

「僕もパラエストラ松戸で荻窪祐輔選手と練習していたことがあり、小池(義昭)代表が相当に熱心に指導されているジムだという印象を受けました。パンクラスでもランカーが多いですし、本当にきめ細かな取り組みをしていると思っています。でも、僕はここまでやってきたことを出すしかないです。ポイントゲームに長けている可能性もありますが、相手云々よりも自分がやってきたことをぶつける。そこが重要になってくるかと思います」

──つまりはテイクダウンして、コントロールすることを目指すファイトになるということでしょうか。

「そうです」

──とはいえ、だからこそ立ちの部分が大切になって来るかと思われます。

「僕も31歳になりますけど、立ち技に限らず技術の最終的な紡ぎ方、纏め方が分かってきました。組みなら差し、打撃ならワンツー。そこの完成度は上がってきている。その実感があるので、打撃も積極的にいけると思います。ざっくりした言い方になると、こっちから創っていこうと思います。あの強振を警戒しつつ、打撃と組みと自分の試合を創っていこうかと思っています。尻もちまでは行けるので、止まらずに攻め続けるとポジションも取れると思います」

──打撃が紡げて来ている要因は?

「それは冨樫健一郎選手との対話です」

──おおっ、冨樫選手ですか!!

「ハイ。冨樫さんと対話をするなかで、だんだん見えてきたというか。それこそ竹本戦の反省のようなモノが2年弱掛けて、この間の土肥戦で出てきたと思ったんです。長いストレート、下から突き上げるストレートであったり。僕が即効性を持って取り組めば、すぐに手に入れることができたモノかもしれないですけど、色々な人と戦いながら準備していくなかで、竹本戦でできなかったものが繋がって来るような感覚が最近多くて。そういった取りこぼした部分をしっかりと紡いでいけば、この年齢でも飛躍的に伸びることがあると実感できました。

ここまでやってきたことは福島選手にはハマりやすいかとは思っています。その理由は試合前には言えないですけど……。いつも通りのことを欲もかかず、慢心もせずカツカツとやっていけば勝てるのではないかと思っています」

──そうすれば磨きたいベルトも手に取れると。

「僕は自分が追及しているMMAを究めたいという気持ちが強いです。ただグラジのベルトに関しては……、ファイトマネーに関しても、高く評価していただいています。プロの試合に出ているのでお金もそうですけど、櫻井代表の姿勢ってコロナ対策という部分でもグラジエイターという格闘技イベントの在り方を選手に向けて、凄い熱量で話してくれたことがありました。関西であの規模のイベントを続けるって大変だと思います。そういうグラジエイターに感謝しているからこそ、このベルトを獲って磨きたいと思うんです」

──そのグラジエイターでプログレス提供試合のグラップリングマッチが組まれています。あの試みに関して、組み系MMAファイターの神田選手はどのように思っていますか。

「MMAファイターが強くなるという部分では、実は僕のような組み主体の選手が打撃なしでアレをやると遠回りになるかと思っています。ただ打撃系や、特にキッズですね。キッズにあの打撃のないMMAをしみ込ませていると、それこそ米国でカレッジスタイルのレスラーが強いように、これからの世代が強くなるのではないかというのが僕の考えです」

──なるほど、それは非常に興味深い発想です。

「僕らのような世代、練度になっているとMMAを強くするには、MMAをやるのが一番だと思います。でも、あのルールは見ていても面白くなりそうなグラップリングですし、しっかりと広めてほしいルールです。そういう動きがでてくるということはMMA、根本から見直す時期が来ているのかもしれないですね(笑)。

僕は金網に潜りますよ。名もなき技術と、そして金網を心中するつもりもあります」

──おお、でも心中しないのが一番ですので。タイトル戦後をどのように考えていますか。

「ベルトを磨くことと自分を磨くことは一致していると思います。団体の利害と個人の利害が一致するというわけじゃないのですが、さらなる挑戦をしていきたい。強い相手とやりたいです。ポスト・コロナが見えてきたので、グラジエイターに強い選手を呼んでほしい。僕、ホントにケージが好きなんです。だから、ROAD FCとかHEX FSとか挑戦したみたいです」

──おお、渋いところをつきますね。

「北米挑戦を高らかにできない、北米志向なんです」

──アハハハハ。

「だからそういう大会に挑戦して、グラジエイターのベルトも守っていきたい。グラジエイターが業界に一石を投じるイベントになり、そこを背負える選手になりたいと思っています」

■ Gladiator017対戦カード

<Gladiatorヘビー級選手権試合/5分3R>
[王者] 大番高明(日本)
[挑戦者] カルリ・ギブレイン(ブラジル)

<バンタム級王座決定戦/5分3R>
神田T800周一(日本)
福島啓太(日本)

<バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本)
エダ塾長こうすけ(日本)

<ライト級/5分2R>
井上啓太(日本)
レンジャーハント(日本)

<バンタム級/5分2R>
土肥潤(日本)
清水俊一(日本)

<フライ級/5分2R>
中西テツオ(日本)
久保健太(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
谷口武(日本)

<ライト級/5分2R>
坪内一将(日本)
中西哲生(日本)

<ライト級/5分2R>
八木敬志(日本)
後藤陽駆(日本)

<バンタム級/5分2R>
佐々木陽太(日本)
別所竜也(日本)

<フェザー級/5分2R>
桑本征希(日本)
伊賀GORI(日本)

<フライ級/5分2R>
松原聖也(日本)
尾崎大和(日本)

<フォークスタイル・グラップリング75キロ契約/5分2R>
森戸新士(日本)
川崎聖太(日本)

<フォークスタイル・グラップリング73キロ契約/5分2R>
赤澤智哉(日本)
ビリー・フッカー(豪州)

<フォークスタイル・グラップリング67キロ契約/5分2R>
フェルナンド(ブラジル)
田中智也(日本)

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【RIZIN前哨戦】試合3日前!k-1の王者ピーターアーツが参戦!熊澤伸哉復帰戦

【熊澤伸哉チャンネル】

◾️第3代アウトサイダー65-70チャンピオン
◾️初代武勇伝ライト級チャンピオン

パンクラスでプロデビュー後、海外でUFC選手とも戦ってきた熊澤が、グラップラー刃牙のモデル平直行先生の弟子となり武術の道へすすむ。
2021年武術家としてRIZINに出場

沖縄県で発達支援の代表として発達障害児、不登校、シングル支援をおこないながら琉球ユタとしても活動する。

◾️サブチャンネル

【技術解説】熊澤伸哉チャンネル
https://youtube.com/channel/UCR-aQXrDyQOX3OSpaKBu55A

【発達支援】熊澤伸哉チャンネル

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【TBS】モニタリングで倖田來未さんとコラボ

【黒帯ワールド出演】宮平保先生とコラボ

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【Pancrase327】世界に立ち向かうJ-MMAファイター(07)鶴屋怜「出稽古は覚悟を決めないとできない」

【写真】取材時点では超グリーンアッシュ。立川のケージでは何色になっているのだろうか (C)MMAPLANET

29日(金・祝)、東京都の立川ステージガーデンにて開催されるPancrase327で、鶴屋怜が秋葉太樹と対戦する。

昨年2月にDEEPでプロデビュー、3連勝で戦場をパンクラスに移すことを決めた。その直後に平良達郎のUFC行きを成立させたイリディアム・スポーツ・エージェンシーとの契約が決まった怜は、今後に対してどのようビジョンを父・浩とともに持っているのか。

2022年、春~世界に立ち向かうJ-MMAファイター特集~。第7弾はUFCしか、その視線の先にない19歳、鶴屋怜に訊いた。


──パンクラスで初ファイト、そしてイリディアムとの契約も発表された鶴屋怜選手です。イリディアムとの契約が成った時は、どのような気持ちでしたか。

「ここから世界と戦っていくんだなという気持ちになって、ワクワクと不安が半々のようになっていました」

──不安というのは?

「いずれそういう風になりたいとは考えていたのですが、現時点では早いとも感じているので。でも、契約してもらったのでそんなこと言っていなくて、どんどん強くなって戦っていこうという風にはなっています」

──イリディアムと契約したことで、キャリアップの変更点はありますか。

「特に今のところはないです。取りあえず次の試合がパンクラスであるので、そこで勝つことに集中しています。その後は巡ってきたチャンスにはトライしようと思っています」

──まだ公にできてないですが、6月にはシンガポールでRoad to UFCが開催されます(※取材は4月5日に行われ、22日にRoad to UFCが正式発表された)。その辺りを考えることは?

「最初はイリディアムの方から米国のコンテンダーズ、次にシンガポールのRoad to UFCの方でプッシュするという話はありましたが、そこも早過ぎるので断ろうという考えでした。ただオファーがあるかどうかはUFC次第ですし、さっきもいったようにチャンスがあるならトライしようという風に思うようになりました。

技術的に成熟する時と、選手の勢いは時期が同じじゃない。父と話していて、勢いがある時に話があればチャレンジすべきだと考えるようになりました。父も僕はこれから強くなり、巧くなっていくだろうけど、勢いというのは重要だろうと。ただ正式な話ではないので、今はパンクラスで勝って、パンクラスでチャンピオンになるということを考えています」

──ではイリディアムと契約したことで、秋葉戦への意気込みに変化は起きましたか。

「いえ、そこと関係なく力の差をつけて勝つつもりでいることは変わりないです」

──なるほど。では3月の最初にゴング格闘技用に話を伺った時に、まずはジムのなかで強い先輩を越えないといけないという発言がありました。しかし、その対象であった岡田遼選手が修斗世界バンタム級王座を失いました。あの試合を見て、想うところは?

「安藤選手には勢いがあって強い選手なので、一発入ればそういうことはある。それがMMAだと思います。ただ、自分の中では岡田さんが負けて悔しいという気持ちしかないです。ジムの先輩が負けた……それは自分が負けるのと同じように悔しいです。

岡田さんの試合が終わった後、父に『あのベルト、俺が取り戻した方が良いのかな』って言いました。僕にはUFCの世界チャンピオンになるという夢がありますけど、そこを成し遂げてキャリアの最後に日本に戻ってきて、修斗世界バンタム級のベルトを獲る。そういう目標が一つ加わりました」

──なるほど。いや、浪漫です。それと前回に話を伺った時に『世界、世界っていうけど俺ほどの本気度はない』とUFCと口にする選手に対し、なかなかの口調で話していました。それが締め切り前にEXFIGHTに出稽古に行き、仲良く写真に収まっているのを見てずっこけました。

「アハハハハ。中村倫也選手と練習させてもらって普通に強くて……。倫也選手は年齢なこともあり、次の対戦相手(※4月24日のPOUNDSTORMで勝利したアリアンドロ・カエタノ)が強いというのもあって、本気でUFCを狙っている。そこに賭けているというのは伝わってきました」

──年下の鈴木崇矢選手は、いかがでしたか。

「17歳ですよね。17歳ということを考えると良い動きです。ただ、強くなれるかどうかは彼次第です」

──ライバル意識を持つことはない?

「倫也選手はバンタム級で階級が違うので、ライバル意識を持つことはないです。練習をしてくれる仲間のような感じで。ただフライ級の選手だと、そういう意識を持つこともあるかもしれないです。倫也選手は身体能力が高くて、これまでやったことがない練習ができて。本当に良い練習ができています」

──UFCに行くと口にしている選手たちとの練習は、同志ができたような気持ちになるのでしょうか。

「別にそうはならないです。普通に話はしますけど、友達を創りに行っているわけではないですし、良い練習をしたくて行かせてもらっていて。だから自分もEXFIGHTの選手にとって良い練習相手になれればと思っています」

──アハハハ。もう忖度しないのが心地良いです。

「これまで自分のジムだけで練習していたのですが、今は出稽古を増やすようにしました。そのなかでEXFIGHTで練習させてもらっていて、倫也選手やパトリック選手、鈴木崇矢選手が受け入れてくれたことは感謝しています」

──出稽古先を増やしたというのは?

「やっぱり初めて練習する時とか、緊張感が違います。あの感覚は選手の強度や巧さとか、いうと強さに関係なくても良い練習になるというか……」

──どう来られても文句は言えない。対応するのが出稽古ですね。

「やっぱり舐められるかっていうことで、本気で当たって来てくれます。出稽古は覚悟を決めないとできないと思っています」

──鶴屋怜に負けてたまるかと掛かって来る選手もいるでしょうし。

「そう思っている人もいるかもしれないです(苦笑)」

──ではEXFIGHT以外では、どこで出稽古を?

「K-PLACEですね。軽量級の選手が多いので。それとSTFでも箕輪ひろば選手とスパーリングがしたくて行かせてもらいました」

<この項、続く>

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