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【DEEP110】不器用な苦労人、好漢CORO。石司晃一を相手に初防衛戦「昔、週2~3で練習していました」

【写真】不器用な選手が要領が良くなるのではなく、手順を覚えると強くなる(C)SHOJIRO KAMEIKE

12日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP110で、COROが石司晃一を挑戦者に迎えてDEEPバンタム級暫定王座の初防衛戦を行う。
Text by Shojiro Kameike

2011年のプロデビューから11年、今年5月にDJ.taikiを下してベルトを巻いたCOROだが、その11年は決して平坦なものではなかった。勝っては負け、勝っては負け――さらに2017年までは連敗も繰り返してきた。しかし現在所属するK-Clannの横田一則代表との出会いから、遂に王座を掴んだCORO。その11年の苦労と、対戦相手である石司との意外なエピソードを語ってくれた。


――今年5月にDEEPバンタム級暫定王者となって半年が経ちました。まずベルトを巻いた感想はいかがですか。

「十何年やってきて、やっとベルトを獲れたので嬉しいですよね」

――現在の日本MMAを見渡しても、屈指の苦労人かと思います。修斗では新井丈選手が9連敗から王者にまで昇りつめて注目を集めました。CORO選手も、何度も勝利から連敗を繰り返した末の王座奪取です。

「メチャクチャ苦しい時期もありました。でもMMAが好きだから続けてきたので。そうですね……キツかった、としか言いようがなくて(苦笑)」

――どの時期が一番キツかったのでしょうか。

「パンクラスで3連勝したあと、瀧澤謙太選手と上田将勝選手、それとハワイの試合(エドワード・トムズ戦)で3連敗したんですよ。次の試合で神田T-800周一選手に勝ったあと、また連敗しました。その時期が一番キツかったです」

――2015年から2017年にかけてのことですね。

「いま思うと、無駄に試合をしすぎたなって思います。とにかく早く上に行きたくて、どんなオファーでも受けていました。スクランブル発進でも。それが良くなかったです。ちゃんと技術が追いついていないのに、試合だけしていて。それで連敗を重ねてしまったので」

――たとえば2015年は10月4日に瀧澤戦、11月1日に上田戦があり、その月末……11月28日にハワイで試合をしています。特に瀧澤戦はKO負けしているだけに、競技面でも以降は行うべき試合はなかったように感じます。

「アハハハ、そうですよね(苦笑)。どれも怪我があるのに直前のオファーを受けて、メチャクチャだったと思います。マネージメントも自分でやっていて、オファーが来たらすぐ、やりますと」

――この時に、自分のキャリアに対して限界を感じることはなかったのでしょうか。

「格闘技が好きだったので、辞めようとは思わなかったです。会場へ観に来てくれる人は、だいぶ減りましたけど(笑)。でも練習は好きだし、練習していたら試合したくなって。観に来る人がゼロになっても、好きだから続けようっていう感じでした」

――会場へ観に来てくれる人が減ったというのは、どれくらい減ったのですか。

「プロデビュー当時と比べたら、半分ぐらいに減りました」

――残り半分の方も、それだけ試合をして怪我もあり、さらに連敗していると心配していませんでしたか。

「はい、つまらなくても良いから勝ってくれと(笑)」

――アハハハ、応援してくれる方も勝っている姿を見たいですよね。試合内容でいえば、当時は何が課題だったと思いますか。

「試合中は自分を客観的に見ることができていなかったのかな、と思います。いつも焦って試合をしていて。自分が得意なところも分かっていなかったし、そこが重要でした。今は試合中に焦ることはないので。昔から練習では自信があったんですよ」

――練習でやっている内容を試合で出すことができない。それは致しかたないことですが、程度にもよるかと。

「やっぱり試合は怖いし、焦って自分から行ってしまう。見合う時間が嫌に感じて、バーッと前に出てしまう。そういうところを克服できたのは、横田(一則K-Clann代表)さんと出会ってからですね。

6~7年前……2017年の藤井伸樹戦(判定負け)あたりですね。当時は出会ったばかりで、まだ結果は出ていなかったんですけど、DEEPに出始めてから少しずつ結果が出て来るようになりました」

――そうですね。2107年12月からDEEPに参戦して2連敗、次に2引き分けから2連勝となりました。

「横田さんと話し合って、ちゃんと勝ち星を重ねて上に行けるように、練ってもらいました。そこから実戦を考えた練習ができるようになったんですよ。もともと和術慧舟會TLIVEで練習していて、当時は牛久(牛久絢太郎)とガチスパーばかりやっていて。そこからMe,Weで“横田練”が始まり、いろんなタイプの選手と練習することで視野も広がりました。その成果が出始めたのは、DEEPで連勝するようになった頃だと思います」

――ということは、2019年10月の清水俊一戦(判定勝ち)からでしょうか。

「そうです。実は白川“Dark”陸斗戦(2018年8月にドロー)のあと、首のヘルニアで練習できなくなって。そこで、ただガムシャラにやっているだけではダメだなって、いろいろ考えるようになりました。それと当時、自分で仕事を始めたんですよ。おかげで以前のようにガッと格闘技に集中しているだけじゃなく、気持ちにも余裕が持てたのが大きかったです」

――2018~2019年といえば、1988年生まれのCORO選手にとっては30歳を超えたあたりですね。格闘技を続けていくにしても、30歳を超えたところで生活面を考えたのですか。

「メチャクチャ考えました。それまでバイトしながら格闘技を続けていて、どうしようって焦りもありましたし。だから早く勝って上に行きたい――そう思って、どんな試合でも受けていたんだと思います」

――……。

「あとはヘルニアになって、格闘技を続けることもできないんじゃないかと思ったんですよね。すると、どうやって生きていくのか。そのために自分で開業して。そうしているとヘルニアも良くなってきたので、また試合に出ようと」

――それだけ好きで続けてきた格闘技です。ヘルニアを発症し、格闘技を続けられないのでは……と思った時の心境はいかがでしたか。

「いや、もうヘルニアが痛すぎて、格闘技のことは考えられなかったです(笑)」

――アハハハ! それはそうですよね。

「とにかく痛くて。早く治ってくれ、としか考えられませんでした。それで1年ぐらい練習していなくて、清水戦の直前から少しずつ体を動かし始めた状態でしたね。ただ、少し焦りはありましたけど、もう他と比べても仕方ないし、自分ができることをやろうと」

――なるほど。そうして復帰したなか、2021年6月には今回ベルトを賭けて戦う石司選手に判定負けを喫しています。

「昔、石司選手と一緒に練習していたことがあるんですよ。週2~3ぐらいのペースで」

<この項、続く

■視聴方法(予定)
11月12日(日)
午後5時50分~SPWN PPV
午後5時50分~ニコニコ生放送

■ DEEP110対戦カード

<DEEPバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] CORO(日本)
[挑戦者] 石司晃一(日本)

<DEEP暫定メガトン級王座決定戦/5分3R>
酒井リョウ(日本)
赤沢幸典(日本)

<DEEP女子ミクロ級選手権試合/5分3R>
大島沙緒里(日本)
古瀬美月(韓国)

<ライト級/5分3R>
北岡悟(日本)
江藤公洋(日本)

<フェザー級/5分3R>
中村大介(日本)
神田コウヤ(日本)

<ライト級/5分3R>
川名TENCHO雄生(日本)
高橋“Bancho”良明(日本)

<バンタム級/5分2R>
雅駿介(日本)
鹿志村仁之助(日本)

<フェザー級/5分2R>
TATSUMI(日本)
五明宏人(日本)

<バンタム級/5分2R>
KENTA(日本)
朝比奈龍希(日本)

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【DEEP110】ケジメの酒井リョウ戦へ。赤沢幸典「なぜ自分でチャンスを掴もうとしないんだ」

【写真】セコンド業でも活躍中の赤沢が、ファイターとして大一番に挑む(C)SHOJIRO KAMEIKE

12日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP110で、暫定メガトン級王座を赤沢幸典と酒井リョウが争う。
Text by Shojiro Kameike

赤沢といえば2012年にカナダへ渡り、当時UFC世界ウェルター級王者であったジョルジュ・サンピエールが所属するトライスタージムで練習していたことが知られる。昨年帰国し、千葉でトライスタージム日本館をオープン。現在はDEEPで2連勝し、今回の暫定王座決定戦にたどり着いた。そんな赤沢にカナダでの練習と帰国の理由、そしてタイトルマッチについて訊いた。


――まず赤沢選手が単独でカナダに渡ったのは、どのような経緯だったのでしょうか。

「僕は北海道出身で、上京してMMAをやりたいと思って仕事をしながらお金を貯めていたんですよ。その頃に、北海道に山本喧一さんのPODジムが出来まして。上京しなくてもMMAができるなら、と思ってPODに入ったのが2012年の4月でした」

――MMAのスタートはPODだったのですね。現在は山本空良選手が活躍中です。

「そうですよね。当時の空良君は、まだ本格的にMMAを始めてはいなくて。たまにジムへ会長が連れて来る息子さんっていう感じでした。あとは西川大和君もいましたね。まだ子供の頃に、彼が空手の大会に出る時に同行したことはありました」

――なるほど。話を戻すと、PODに入ってからプロデビューはすぐでした。

「もともと柔道をやっていたので、伸びるのも他の人よりは速かったんじゃないかと思います。すると山本喧一さんから、試合に出てみないかと言われて、2012年10月にGRABAKA LIVE2という大会でプロデビューしました。その相手が、今回タイトルマッチで戦う酒井リョウ選手だったんですけど、1RでKO負けしてショックを受けたんです」

――ショックを受けた、というのは……。

「当時20歳でした。それぐらいの年齢の頃って、自分は何でもできると思いがちじゃないですか。なのにプロデビュー戦でつまずいてしまったことがショックで、練習も休みがちになってしまったんです。そんな時に、お世話になっている方から『お前の目標は何なの?』と聞かれて、UFCに行きたいですと答えたんですね。それならUFCを現地で感じないといけないということで、2012年11月にUFCを観に行きました」

――そこで観に行ったのが、GSPの試合だったということですか。

「UFC154、ジョルジュが右ヒザの前十字靭帯を損傷してからの復帰戦で、暫定王者のカーロス・コンディットとの王座統一戦でした(GSPが判定勝ち)。カナダのモントリオールで観て、これは凄い世界だなと思ったんですよね。で、大会から1週間後にトライスタージムへ行って、ジムの内容や練習にも感動して。だから日本に帰国してすぐ、カナダへ行く準備を始めて、2013年1月からトライスタージムに入りました」

――当時のトライスタージムでは、どのような練習をされていたのでしょうか。

「僕はただのファンみたいな形で行って、スーパースターだったジョルジュと話ができるわけもなく(笑)。まずビギナークラスから始めて、1年後にオーナーのフィラス・ザハビに呼ばれ、プロクラスへ移りました。それから2、3年後ぐらいですかね。トライスターってスパーリングの時に、名前が挙げられるんです。そこに僕とジョルジュの名前があって、自分がジョルジュと練習できるんだ、と……。カナダへ渡って4年後ぐらいの話です」

――その4年の間に、試合はしていなかったのですか。

「アマチュアで5戦して、2勝3敗ぐらいでした。日本では1回プロで試合をしていましたけど、MMAを始めてすぐの試合だったので、実力も何もなかったんですよね。だからアマチュアに戻ろうということで。その後、2015年12月にパンクラス札幌大会でプロデビューし、1ラウンドでKO勝ちしました」

――当時はまだカナダのトライスタージムで練習していた時期ですよね。

「はい。試合のためにカナダから帰国していました。カナダで試合をしたかったんですけど、向こうで試合に出るためには就労ビザを取得しないといけなくて。就労ビザの中でも、試合をするためのものは取得するのが難しかったんです。そういった関係で、日本で試合をするほうが良いだろうという話になり、カナダから日本で試合をする生活になりました」

――2017年にはロシアで開催されたACBで、ラマザン・クラマゴメドフと対戦しています(1ラウンドKO負け)。

「ちょうどジョルジュと練習し始めた頃で、ジョルジュの推薦で出ることができました。ジョルジュには普段からお世話になっていて――お金ないだろうって食事に連れていってもらったり。朝起きたら自宅にタクシーが来ていて、ジョルジュが『その車に乗って』と。乗ったら自動的に、ジョルジュが待っているレストランに着くんですよ(笑)。そこから練習~食事~ジョルジュの家で休憩~練習~食事という1日もありました」

――GSPが家族のように接してくれていたわけですね。

「ジョルジュも僕のことを、弟と呼んでくれていました。あと当時はローリー・マクドナルドやタレック・サジフィーヌ、ロバート・ウィティカーとも練習させてもらっていましたね。ONEと契約した元KSW王者のロベルト・ソルディッチとか……そうだ、ヴィトー・ベウフォートも来ていて一緒に練習していました。僕のことを気に入ってくれて」

――現地ではジョン・ダナハーの指導も受けたりと。

「そうです。まだダナハーの足関節システムが広まる前で――ゴードン・ライアン、エディ・カミングスとも練習させてもらいました。彼らに足を極められていましたよ。当時トライスターで教えてもらったことが、今でも僕の基本になっています。

その中でも、やっぱりジョルジュの影響は大きいです。ジョルジュと僕ではファイトスタイルが全く違いますけど、コンセプトは同じで。テイクダウンしたら相手を立たずに削り続ける。あえて下にならない……バックを取りに行ける場面でも、下になってしまうリスクがあるならバックも狙わない。削り続けて、相手の集中力が切れたらRNCを狙うとか。削るという感覚はジョルジュの影響が強いと思います」

――それだけの影響を受けたトライスタージムを、なぜ離れることになったのでしょうか。

「帰国したのは去年の10月で、それまでは3~4年ぐらいジョルジュと一緒に練習させてもらっていて。でもその間の戦績はKO負けか、自分の体重オーバーで……良い結果を残せていないことが、ジョルジュに申し訳なかったんです。

たぶん本当に弱かったら、ジョルジュやヴィトーが練習に呼んでくれることはないと思うんですよ。でも僕は練習した内容を試合で出すことができていない。その理由が分からず、人生の修行をしようと考えたんですよね。レストランで働きながら、ボクシングをやって、メンタル面も改善して。ちょうどその頃に、ボクシングの試合に出るはずで。でもコロナ禍のため、ライセンスを取ることすらできずに。結果、どんどん試合間隔が空くなか、最初にUFCを観せてくれた方から怒られました。カナダまで行って、現地で試合ができなくても日本で試合をするとか、なぜ自分でチャンスを掴もうとしないんだと」

<この項、続く

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RIZIN LANDMARK4:オッズ/予想と展望

オープニングマッチは割愛。

奥田啓介 3.40
久保優太 1.33

MMA未勝利対決。申し合わせで物議を醸したシバター戦以来、10ヶ月ぶり久保。久保がどれだけ練習しているのか不明だが、奥田は練習していなさそうなので久保KO勝ち。

魚井フルスイング 3.00
ヤン・ジヨン 1.38

7月の沖縄大会で朝倉海戦が組まれていて、朝倉海欠場で代役昇侍を圧倒したジヨン。ここ3年で獅庵にしか勝ってない魚井では厳しいだろう。オッズはもっと大差でいいと思う。

ジヨン判定勝ち。

アラン“ヒロ”ヤマニハ 1.47
河村泰博 2.75

パンクラスでランカーだったヤマニハとランキング未満の河村。その後NEXUSで王者になったが、特に変わったようには見受けられない。

ヤマニハKO勝ち。

青井人 1.71
鈴木博昭 2.10

弱冠二十歳の5年前、修斗で連勝を続けていたホープだった青井だが、今は中堅クラスに勝ったり負けたりするレベルで落ち着いている。鈴木は実質ノーカンの奥田戦と、打ち合ってくれた昇侍戦で勝利したが、MMAキャリア1年で劇的に成長する年齢でもないので青井相手は厳しいだろう。オッズはもっと大差でいい。

青井一本勝ち。

中村優作 2.75
征矢貴 1.47

中村はチーム・アルファメール・ジャパンとしてUFCを目指していた当初は連勝していたが、ライリー・ドゥトロにKO負けしてからは2勝5敗で、現在3連敗中。36歳でこれは厳しい。最近は打撃の技術で上回っても、打たれ弱さでKO負けする試合が増えてきている。

征矢はRIZIN3連続フィニッシュ勝利中だが、相手はすべて階級下の体重ハンデ戦。とはいえ、今の中村相手なら勝ちは動かないか。

征矢一本勝ち。

SARAMI 5.00
ラーラ・フォントーラ 1.18

急に大差のオッズ。単純に戦績だけで見ているのかもしれないが、SARAMIはレコードでは黒星が多いものの実力者。むしろフォントーラの実力が不明。伊澤戦では下攻めの強さは見せたが、それ以外の能力がわかるまえに終わってしまった。初見だったらフォントーラが極めて勝ったと思うが、下攻めが警戒されていたらそうそう極まるものではない。スタンドで互角に撃ち合える力があるかどうか。

フォントーラ判定勝ち予想だが、賭けるならSARAMIにベットする価値がある。

カルリ・ギブレイン 1.45
貴賢神 2.80

オッズはもっと大差でいい。双子の兄・スダリオは、デビュー当初は3分3Rで相手もMMA素人だったり体格差があったりする選手と組まれていたのに、貴賢神は初戦で当時RIZIN日本人最強のシュレック、今回はGLADIATOR王者のギブレイン。外見が似ているスダリオがMMAに対応できているから、貴賢神もできると思われていないか。見る側も、スダリオと比較して足りない部分が目についてしまう。今回は120kg契約だったのが無差別級に。ギブレインは110kgないので、貴賢神が落とせなかったのだろう。練習量にも疑問が残る。

ギブレイン1RKO勝ち。

ミノワマンZ 3.10
マーク・ハント 1.37

両者とも地元岐阜のジモティマッチだが、前座でいいのでは。ミノワマンはもう7、8年くらい、勝っても負けても動けていないし、積極性も感じられない。いつものように、足関の一発以外勝ち目がない。

ハントKO勝ち。

元谷友貴 1.41
倉本一真 2.95

この試合がセミでいいのでは。元谷はRIZINバンタム級GPでは瀧澤に不覚を取ったが、そこから3連勝。しかしすべて判定で、勝ってもインパクトを残せていないため、また下の選手との対戦に。

倉本は2月のTRIGGER2ndでは加藤に圧勝して、ケージでの強さが評価されたが、ケージorリング以前にそもそもが格下相手の試合。その前にはヤマニハに完敗している。

序盤は倉本優勢でも、次第に元谷ペースになり、元谷判定勝ち。

今成正和 2.80
鈴木千裕 1.45

RIZINでの過去2戦はバンタムの今成だが、今回はフェザー。まああまりコンタクトしないスタイルなので、そこまで体重差は影響しないか。今成はグラウンドに持ち込む方法が引き込みしかないので、相手にとっては距離を取って対処すればローリスクで勝ちが狙える。逆にパウンドなどでグラウンドに付き合うと極められる危険が非常に高い。結果として、グラウンドをやりたい今成と、スタンドで戦いたい相手とで噛み合わない試合になりがち。

しかし、急遽出場鈴木は「一本取られるか、KOするか」と言っていて、その言葉を信じるなら、リスクを恐れず勝負に行く模様。サッカーボールキック等、一発入ればKOできるかもしれないが、それをキャッチされると足を極められる。直前の試合決定のため、足関から逃げる練習をする時間も十分なかったはず。試合はスリリングになるかもしれないが、リスキーと言わざるをえない。

この試合だけオッズとは逆で今成一本勝ち予想。

弥益ドミネーター聡志 1.33
平本蓮 3.40

結果として、並んだカードを見たら、この試合以外にメインを任せられるカードがなく、怪我を押して出場させるのもやむなしかもしれない。もともとのマッチメイクに勝負論を感じていなかったが、怪我で3週間練習できていなかったのなら、平本が勝つとしたら出会い頭の打撃でのKOしかない。オッズはもっと大差でいい。

ドミネーター一本勝ち。

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【NEXUS29】横山武司を迎え撃つフェザー級王者、山本空良─02─「柔術家の寝技をMMAで圧倒する」

【写真】写真は約11カ月前のRIZIN TRIGGER01での計量のもの。今回の試合は、あれから数えて7戦目となる山本空良(C)SHOJIRO KAMEIKE

7日(月)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるNEXUS29で、横山武司を挑戦者に迎えてフェザー級王座の防衛戦を行う山本空良のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

すでにRIZINでレギュラー選手のポジションを獲得している山本が語る、NEXUSへの愛。そして横山武司を迎え撃つ、MMAファイターとしての心情とは。

<山本空良インタビューPart.01はコチラから>


――2021年にNEXUSフェザー級王座を獲得し、Road to ONEを経てRIZINに参戦します。しかしその初戦で、鈴木千裕選手に判定負けを喫しました。初めての大舞台での黒星でしたが、あの敗戦についてはどのように考えていますか。

「あの試合は、自分のキャリアにおいて一番のミスというか……。自分は試合前に打撃を練習していて、キックボクサーに打撃で勝つと自分にとっても大きな自信になると考えていました。それで負けてしまったのは、ダメなことだったと思います。でもあの試合から、打撃に対する恐怖心もなくなったんですよね。

鈴木選手は打撃が強いし、メチャクチャ速くて。これは海外の選手と同じぐらいのスピードがあるんじゃないか、と思いました。それを感じることができて、負けたにせよ自分の成長を感じることができた試合です。だから、やって良かったなと思います」

――キックボクサーに打撃で勝つ、あるいは柔術家に寝技で勝つ。それはそれで格闘技のロマンだとは思います。しかし……。

「そういうのはありますよね(苦笑)。でも、これはMMAなので。今はUFCファイターのように技術のレパートリーを増やしてきました。もともと自分の技術は精度が低いところもあったので、その精度を高めています。
やっぱりMMAは戦いの自由度が高いと思うんですよ。だから自分も、もっと自由に、いろんな戦いの幅を広げていて。だから今は、MMAが楽しいって思えるような練習ができています」

――そうしてRIZINに出場するなか、今年5月にはNEXUSフェザー級王座の防衛戦を行い、寿希也選手をRNCで下しています。そして次の横山戦が2度目の防衛戦となるわけですが、今の山本選手にとってNEXUSに出場は、どのような意味を持つのでしょうか。

「感謝の気持ちが大きいです。自分はもともとZSTに出ていて、そのZSTが活動しなくなりました。それで、どこに出るか――と考えていて。その時にNEXUSで1試合したあと、すぐに王者決定トーナメントは出せてもらいました。自分を救ってくれて、育ててくれた。だからNEXUSのベルトを持ち続けるのは自分の感謝の気持ちだし、NEXUSも盛り上がるために自分をいくらでも使ってほしいです。

自分なんかが出場して、NEXUSが盛り上がるかどうかは分からないです。でもRIZINで活躍して、NEXUSにも出る。そうやって一緒に成長してきたいと思っています」

――RIZINの試合数が増えても、NEXUSのベルトを返上することは頭の中になかったわけですね。

「はい、返上はないです。今年はNEXUSに出るのが2回目で、これが年1回になることはあるかもしれません」

――最初の話に戻ってしまうかもしれませんが、このRIZINの試合ペースで、さらにNEXUSにも年2回出場していることが驚きです。

「アハハハ。実は7月のケラモフ戦のあと、9月にRIZINでもう1試合してから、今回のタイトルマッチに臨みたいと思っていたんです。ただ、9月はもうマッチメイクの枠がなくて。10月の福岡大会はどうですか、というお話を頂いたんですけど、それだとNEXUSのタイトルマッチが近いので、お断りさせていただきました」

――1年に何試合するつもりだったのですか……。

「もうちょっと休みたいなぁ、と思う時もあります。でも試合に向かうことが好きなので。今回もNEXUSにとっては2022年の締めの大会で、そのメインでタイトルマッチをやらせてもらえることは、すごく嬉しいです。僕はNEXUSの顔になりたいので。

もうNEXUSの顔になっている、って言われることもあります。それなら、もっともっと大きな存在になりたい。僕が活躍することで、NEXUSのファイターがもっとRIZINに呼ばれるようになったら嬉しいですね。目標はNEXUSを修斗、DEEP、パンクラスと並ぶプロモーションにすることです」

――おぉっ!! ただ、その試合サイクルだと、どうしてもリングとケージの違いという部分は出てこないですか。

「そうですよね(笑)。やっぱりケージのほうが好きです。リングで戦うのは良いですし、リングにも良いところはあります。でもパウンドを打たれている相手が、パウンドを避けているうちにリングから落ちてしまったりとか。そういう安全面でも、ケージのほうが良いんじゃないかとは思っていますね」

――それと山本選手がRIZIN TRIGGERで新居すぐる選手をKOした試合を見ても、足さばきがケージ用のものになっているように思います。ケージ際をつたうように下がりながら、相手が追いかけて来たところに右ストレートを合わせて倒すという……。

「ありがとうございます。自分は偉そうなことを言える立場ではないのですが、リングで戦っているRIZINの選手が、ベラトールのケージで戦う時はどうなるのかな、って思います。リングに慣れていると、どれだけキャリアがあっても、ケージの感覚を取り戻すのは難しいのではないかと。

その点ではクレベル×パトリッキーが、大晦日の次にベラトールのケージでどうなるか――ですよね。クレベルもKSWではケージで試合をしていて、今はずっとリングじゃないですか。大晦日もケージで見たかったんですよね……。ベラトールの選手に関して、ケージ際の戦い方が好きなので」

――では次の試合で、ベラトール流のケージ技術を楽しみにしています。NEXUSの話に戻りますが、現在のフェザー級の動きについて気になるところはありますか。特に今大会では、前回の防衛戦で下している寿希也選手が、LFAでも試合をした河名マスト選手と対戦します。

「いろんな選手の名前を聞くのですが、まだ戦績が浅い選手ばかりで。まだ自分を倒すような選手はいないと思っています。ただ、河名選手はグレコの実績があるので、試合したいですね。

自分はアグォン戦やケラモフ戦を見ても、やっぱりレスリング力が足りないと思います。だから河名選手のようにレスリングが強い選手と、どんどん組んでいきたいですね。だから今回、横山選手に勝つことができれば、次は河名選手と対戦したいです」

――今回の対戦戦相手である、横山選手もまだMMAキャリアは3戦です。これまで横山選手のことを相手として意識したことはありますか。

「正直、意識したことはなかったです。もちろん寝技が強い選手という印象はありますし、あれだけ寝技の展開が速い選手も珍しいとは思います。ただ、まだMMAは3試合しかしていない。だから柔術家の寝技を、MMAとしてMMAの動きで圧倒します」

――先ほどの言葉通り、MMAとして勝つと。

「はい。相手は寝技の展開が速いといっても、MMA全体のスピードは自分のほうが速いと思っています。どんどんスクランブルを仕掛けて、寝技に持ち込ませないようにしたり、自分のポジションを取っていったり、とか。スピード、スタミナ、そしてMMA力は自分のほうが上です」

――では最後に、次の試合に向けての意気込みをお願いします。

「今年は試合が多くて、山本空良に成長が見られないと言う人も多いと思います。でも、ケラモフ戦以降、メチャクチャ練習してきました。圧倒的な差を見せつけて、NEXUSのチャンピオンが最強であることを証明します。よろしくお願いいたします!」

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【パンクラス】伊藤盛一郎の対戦相手はフライ級2位上田将竜!

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12月25日に横浜武道館で開催されるPANCRASE 330に出場する事が決定していたZST第3代フライ級王者伊藤盛一郎(リバーサルジム横浜グランドスラム)。その対戦相手がフライ級ランキング2位の上田将竜(G-face TEAM緒方道場)に決定しました。

RIZINでも勝利を挙げている伊藤のパンクラス初参戦。迎撃するにはパンクラスぽさがあって相応のレベル感の選手が必要だと思っていましたが、いきなり上田を持ってきましたか。相手にとって不足なし。掛け値なしにメイン級のマッチメイクです。

最近の上田の試合はしぶとく組み付いてテイクダウンを狙う展開が印象的。KO出来るパンチを持つ伊藤に対しても組んでいきそうな予感はしますが、伊藤は寝技の極めも強いですからね。グラウンドに持ち込んでも勝村周一朗譲りのニンジャチョークが待っている。。。気が抜けない試合になりそうだ。
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【RIZIN LANDMARK04】緊急出場、今成正和戦へ。鈴木千裕─01─「格闘技のために腹を括っているので」

【写真】昨日の会見を終えて、車で移動中にリモート取材に応じてくれた鈴木(C)SHOJIRO KAMEIKE

6日(日)、名古屋市中区のドルフィンズアリーナで開催される「RIZIN LANDMARK 4 in NAGOYA」で、鈴木千裕が今成正和と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

今成と対戦予定であった摩嶋一整が負傷欠場となり、鈴木千裕が代役として出場することが、1日(火)の記者会見で発表された。このスクランブル発進を、鈴木はどう受け止めているのか。会見直後の鈴木が、今回の試合とMMA観について語ってくれた。


――今回はスクランブル発進となりました。試合のオファーが来たのは、いつ頃だったのでしょうか。

「2週間ぐらい前だったと思います。試合まで10日あるから、体をつくることはできるんじゃないか。山口会長とそういう話をしました。オファーを頂いた日に復帰していたので」

――復帰、というのは……。

「怪我から復帰して練習を再開した日ですね」

――えっ!? ずっと怪我で練習していなかったのですか。

「カーフ(ふくらはぎ)と手の怪我があって、練習はできていませんでした。練習を再開する時点では、大晦日の出場を目指していて」

――その状態でスクランブル発進のオファーが来て、受けたわけですか。

「はい。オファーが来た、やっちゃおうか、っていう感じでしたね。自分はファイターでいる以上、常に戦える状態でないといけないと思っています。今回の怪我っていうのも、骨が折れているわけではなかったので。ちゃんと普段から練習しているので、すぐに体も戻るっていう自信がありました」

――ふくらはぎと手の怪我というのは、前回の萩原京平戦(今年9月、RNCで一本勝ち)で負ったものだったのでしょうか。

「ここ2試合ですね。平本蓮戦(今年3月に判定勝ち)で手を負傷して、次の試合(萩原戦)でカーフを負傷しました。だからパンチは打てないし、走ることもできていなかったです。ごはんを食べて治療して――という毎日でした」

――練習の再開と直前オファーが同時となり、練習は体を動かす程度から始めるのでしょうか。それとも試合用の練習から始めたのですか。

「いきなり追い込みです(笑)。めっちゃシンドイですよ。スタミナも落ちていましたから。でも僕は、格闘技のために腹を括っているので。つらくても我慢できますし、1週間あれば感覚が戻ってくることは分かっていたので」

――試合まであと4日、現在は何パーセントまで戻ってきていますか。

「前回の試合よりは高いですよ。100パーセントとまではいかないですけど、マックスの少し手前ぐらいです。前回は拳を使うことができなかったんですけど、今は怪我もないし、練習できていて、気持ちも出来上がっていますから。今日と明日の練習で、100パーセントまで持っていきます」

――なるほど。しかしケガから復帰した時点で届いた試合直前のオファーで、今成選手というビッグネームの対戦です。そこでオファーを受けることに躊躇はなかったのでしょうか。

「全くないです。むしろ強い選手なので燃えました。弱い選手と対戦しても仕方ない。強い選手と試合ができるのは、素直に嬉しいし、ベテラン選手を超えてやろうと思っています」

――この今成戦から大晦日まで2カ月弱、試合間隔は短くなります。

「いや、今は大晦日のことは考えていないです。先のことは見ていないですね。目の前にいる今成選手に僕の100パーセントをぶつけて、そこからまた戦えるようであれば大晦日も出たいです。でも今はそこまで考えていません」

――分かりました。鈴木選手にインタビューさせていただくのが初めてなので、少しキャリアについてもお聞きします。鈴木選手は伝統派空手出身なのですよね。

「はい、松濤館流で3歳から中1ぐらいまでやっていました。そのあと地元のジムでキックボクシングをやって、MMAを始めました」

――空手とキックボクシングを経て、MMAを始めようと思ったキッカケは何だったのでしょうか。

「強いって何だろうか、と考えた時に……たとえばキックボクサーと殴り合って勝てないとしますよね。でも組んで倒して極めれば勝てる。反対に、寝技が強い人には打撃で勝つ。そういう格闘技の本質、一番強いのは何かって考えると、MMAに行き着いたんです」

――何かの試合を見たり、誰か選手に憧れて始めたということではないのですね。

「そうなんです。僕が自分で勝手に『強くなりたい!』と思って。今も誰かに憧れている、というのはないです。憧れといえば、前の道場の師匠や恩師ですね。本当にお世話になったので。だから、この選手みたいになりたいという気持ちはなくて。自分がそう思ってもらえる選手になりたい。そう考えて格闘技をやっています」

――そこからクロスポイント吉祥寺に入った経緯を教えてください。

「いろいろ調べて、体験入会で練習環境とかを見た時に、ここなら強くなれると思いました」

――ここで同行されている山口元気会長にもお聞きします。最初に鈴木選手を見た時は、どのような印象を持ちましたか。

山口 高校の時にアマチュアMMAで、めちゃくちゃガンガン行く試合をしていたんですよ。だから、どうやってキックボクシングに引っ張ろうかなと考えていました(笑)。パンクラスに出ている時、鈴木が計量オーバーしたじゃないですか。

――2018年にパンクラスのネオブラッドトーナメントで優勝したあと、次の試合で計量オーバーとなり、試合も流れました。

山口 それで鈴木がヘコんでいたので、これはチャンス! と思いました。アハハハ。それは冗談ですけど、一回キックボクシングをやって、キックのチャンピオンになってからMMAに戻ろうと話をしたんですよね。

計量オーバーについてネットで叩かれて、そのまま消えてしまいそうな雰囲気があったんです。でも消えるには惜しい人材でした。それだけ僕も期待していましたし。ただ、その時点でMMAを再開するのは難しい状態だったので、それで一回キックボクシングをやることにしました。

――鈴木選手は当時、キックボクサーとしての将来を考えながらキックボクシングの試合に出ていたのか。それともMMAファイターとしての将来を見据えてキックの試合に出ていたのか。どちらだったのでしょうか。

「その時はキックボクシングで成り上がろうと思っていました。実は、周囲から一度怒られたことがあるんです。MMAとキックボクシング、両方とも中途半端になっていて」

山口 そうそう、怒られたね(笑)。

「どちらも中途半端にやっていると、お前はダメになるよって。そう言ってもらえて、自分も決めたんです。キックボクシングのチャンピオンになるまでは、MMAの練習は一切しないと」

――結果、2021年7月にベテランの宮越慶二郎選手をKOして初代KNOCK OUT-BLACKスーパーライト級王座を獲得。同年9月からRIZINで再びMMAを戦うことになりました。しかし2022年1月にはキックボクシングの試合で強豪タップロン・ハーデスワークアウトにKO勝ちしていますよね。タップロンといえば、MMAをやりながらキックボクシングの試合でKOできるような相手ではないと思います。

「僕はプロデビューの頃から『将来は二刀流でやる!』と言っていたんですよ。キックボクシングのチャンピオンになって、MMAの練習を再開しました。でもそれでキックボクシングを辞めるのは違うと思って。チャンピオンになったから、その場所を捨てるというのは、おかしいですよね。そんなのは僕の性に合っていないというか。

やっぱりキックボクシングがあるから、今の僕があるんです。だからキックボクシングとMMAの両方で活躍していけば、自分の中で全てがまとまっていく。MMAファイターとして活躍して、MMAファンをキックボクシングの会場に連れて行く。逆にキックボクシングのファンにMMAを見てもらうこともできる。それが格闘技ファンを増やすキッカケになるんじゃないかと思っています」

<この項、続く>

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BELLATOR Bellator287 MMA MMAPLANET o RIZIN ROAD FC UAEW UFC   アダム・ピコロッティ キ・ウォンビン クォン・アソル サルバツホン・ハミドフ シモン・ビヨン ジャスティン・ゴンザレス ソウル・ロジャース ダニエル・スカティッツィ ティム・ワイルド デヴィ・ギャロン ニキータ・ミハイロフ パンクラス ファビアン・エドワーズ ベラトール マンスール・ベルナウイ ユ・スヨン

【Bellator287】計量終了 ベルナウイはRoad FC時代の強さを維持しているのか。タジキのハミドフにも注目

【写真】 強さを争う場ならカスピ海沿岸と中央アジアを掘らないと嘘(C)BELLATOR

29日(土・現地時間)、イタリアはミラノのかつてはパラリードの名で親しまれていたアリアンツ・クラウド・アリーナで開催されるBellator287「Piccolotti vs Barunaoui」の計量が、28日(金・同)に行われている。

今大会のメインはアダム・ピコロッティ×マンスール・ベルナウイのライト級マッチ。来年開催が予定されているライト級ワールドGPに向け、ベルナウイの査定試合という見方が出きる一戦だ。


Road FCライト級王座挑戦権が懸けられたライト級Tを経て、王者クォン・アソルに勝利した暁には100万ドル(※トーナメント優勝時点で20万ドルを獲得)を手にするという1年10カ月のロングランタイトル奪取劇から、3年5カ月──ついにベルナウイが実戦復帰を果たす。

Road FC王座奪取後、ベルナウイは大舞台で戦うことを念頭におき、RIZINからの出場交渉には首を縦に振ることなく長いバカンス期間に入ってしまった。コロナ禍で練習拠点をプーケットからパリに移し、ついに雌伏の時を終える。

ベルナウイはRoad FCではクォン・アソルを始め、カビブ・ヌルマゴメドフの盟友シャミール・ザハロフ、日本の下石康太、在韓モンゴリアン=ムングトスズ・ナンディンエルデン、キム・チャンヒョン、RTU出場でGladiatorライト級王者のキ・ウォンビンという7人から全て一本勝ちを手にしている。

しかも、下石とザハロフは3Rでそれ以外の選手は5分以内に仕留めているというフィニッシャーだ。とはいえザハロフと下石相手には盤石のコントロールということはなく、スクランブル戦を経て──特に下になったときの悦妙のスイープ奪取力でポジションを挽回して勝利に結びつけていた印象がより強い。

あの一瞬の機転と、集中力を切らさないファイトがこれだけのブランクを経て如何に維持できているのか。さらにいえば英&北米系ファイターとの対戦経験が少ないこと、ピコロッティとは上背の差がほとんどなくフィジカル的な優位さは求められない影響があるのか──も気になるベルナウイのワールドステージ初陣だ。

同じライト級でソウル・ロジャース、フェザー級ではジャスティン・ゴンザレスら注目選手が戦うメインカードに対し、プレリミで見逃せないのがオープニングファイトでジョゼ・マリア・トメと対戦するサルバツホン・ハミドフだ。

キャリア18年、元UFCファイターのブラジリアン・ファイター=トメは戦績40勝9敗3NCの40歳。対するハミドフは17歳でプロデビューを果たし、過去6年間で13の勝利を積み重ねてきた無敗のタジキスタン人選手だ。

ハミドフはUAEWではZEUSバンタム級王者でパンクラスにも来日経験のあるユ・スヨンをケージレスリングの消耗戦で下している。基本、シングルからケージにつめてテイクダウン&トップもしくはバックコントロールで試合を支配するスタイルだが、相手を削るなかでパウンドアウトや前後の絞めを持つ。

ベラトール・バンタム級戦線でケージレスリング&スクランブルの雄といえばタイガー・マゴメドフ。そのマゴメドフやニキータ・ミハイロフと北の勢力争いに割って入ることができるのか──楽しみな中央アジア(所属はロシアントップチーム)の俊英の初登場だ。

■視聴方法(予定)
10月30日(日)
午前1時00分~ U-NEXT

■Bellator287計量結果

<ライト級/5分5R>
アダム・ピコロッティ: 155.2ポンド(70.39キロ)
マンスール・ベルナウイ: 154.6ポンド(70.12キロ)

<ミドル級/5分3R>
ファビアン・エドワーズ: 185.4ポンド(84.09キロ)
チャーリー・ウォード: 185.2ポンド(84.0キロ)

<ライト級/5分3R>
ソウル・ロジャース: 155.3ポンド(70.44キロ)
ティム・ワイルド: 155.8ポンド(70.66キロ)

<フェザー級/5分3R>
ジャスティン・ゴンザレス: 145.2ポンド(65.86キロ)
アンドリュー・フィッシャー: 146ポンド(66.22キロ)

<ライト級/5分3R>
デヴィ・ギャロン: 155.8ポンド(70.66キロ)
ダニエル・スカティッツィ: 154.8ポンド(70.21キロ)

<ミドル級/5分3R>
コステリョ・ファン・スティーニス: 185.4ポンド(84.09キロ)
カミル・オニシュチョク: 185.4ポンド(84.09キロ)

<ライト級/5分3R>
チボー・グッチー: 155.9ポンド(70.71キロ)
アルフィ・デイヴィス: 156ポンド(70.76キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
キアラ・ペンコ: 115.1ポンド(52.2キロ)
マヌエラ・マルコネット: 115.8ポンド(52.52キロ)

<フェザー級/5分3R>
イーブ・ランジュ: 145.6ポンド(66.04キロ)
ヴァルテル・コグリアンドロ: 146ポンド(66.22キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
シモン・ビヨン: 205.8ポンド(93.34キロ)
ドラゴス・ズッコ: 203.4ポンド(92.26キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ニコロ・ソッリ: 170.8ポンド(77.47キロ)
ブハマ・キャマハ: 170.9ポンド(77.51キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ルーク・トレイナー: 204.8ポンド(92.89キロ)
ルーカス・アルシーナ: 204.4ポンド(92.7キロ)

<181ポンド契約/5分3R>
スティーブン・ヒル: 179.9ポンド(81.6キロ)
アンドレア・フージ: 181ポンド(82.1キロ)

<バンタム級/5分3R>
サルバツホン・ハミドフ: 135.8ポンド(61.59キロ)
ジョゼ・マリア・トメ: 135.6ポンド(61.5キロ)

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DEEP DEEPフライ級GP o RIZIN パンクラス ボクシング 伊藤裕樹 修斗 宇田悠斗 安谷屋智弘 小川徹 本田良介 村元友太郎 松場貴志 渋谷カズキ 福田龍彌 越智晴雄 風我

DEEP】フライ級GP2回戦対戦カード決定!

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現在DEEPで絶賛開催中のDEEPフライ級GP。2回戦の組み合わせ抽選会が行われ、以下の対戦カードが決定しました。どの組み合わせも実力伯仲。見応え充分。これは完全に当たり企画だわ。


【DEEP フライ級GP 二回戦 】

ビョン・ジェウン(フリー)

伊藤裕樹(ネックス)
1回戦で渋谷カズキを押し潰して極めたジェウンとイケイケのストライカー伊藤のマッチアップ。1回戦で思わぬ苦戦を強いられた優勝候補の伊藤はスカ勝ちしてRIZIN常連の意地を地力を見せる事が出来るか。それとも勢いに乗るジェウンが飲み込むか。

【DEEP フライ級GP 二回戦 】

宇田悠斗(総合格闘技道場 HOPE)

村元友太郎(ALIVE)
衝撃の肘乱射で1回戦を勝ち上がった宇田と若手のホープ風我に競り勝った村元。修斗とDEEPの実力派同士の潰し合いが2回戦で実現するとは。。。GPの豪華さを象徴する一戦。

【DEEP フライ級GP 二回戦 】

本田良介(CAVE)

松場貴志(パラエストラ加古川)
越智晴雄との激戦を制した本田とGRACHANを主戦場に裏街道を突き進んできた感のある松場。互いに立っても寝ても試合が出来る巧者だけに全局面でハイレベルな試合になる予感。

【DEEP フライ級GP 二回戦 】

福田龍彌(MIBURO)

安谷屋智弘(氷ヲ刻メ/池田道場)
小気味いいボクシングテクニックでKOを量産している福田。今回も優勢かと思いきや、2019年に一度対戦した時には安谷屋が判定勝ちしているじゃないですか。1回戦ではパンクラスからの刺客・小川徹をアームロックでよもやの一本勝ち。勢いに乗って番狂わせなるか。


GP 2回戦は12月11日に竹芝のニューピアホールで開催されるDEEP 111 IMPACTで行われるとの事。今年の師走も格闘技は熱い。
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DEEP o RIZIN UFC キック パンクラス マルロン・モラエス

UFC on ESPN+70:第8試合・ハファエル・アスンサオ vs. ビクター・ヘンリー

バンタム級。アスカロフ vs. ロイヴァル中止に伴いメインカードに昇格した試合。

ベテランアスンサオは40歳でUFCキャリア10年のベテラン。今月タイトルマッチを行うアルジャメイン・スターリングとT.J.ディラショーの両方に勝っており(ディラショーにはその後敗れて1勝1敗)、UFCデビューから7連勝含む11勝2敗のハイアベレージを残していたが、タイトル挑戦目前で果たせず。マルロン・モラエス、コーリー・サンドヘイゲン、コーディ・ガーブラント、リッキーシモンに敗れて4連敗中。

現DEEPバンタム級王者でジョシュ・バーネットの弟子のヘンリー。2014年にGRANDSLAMで日本デビューして以来、GLANDSLAM2戦、パンクラス6戦、DEEP2戦、RIZIN2戦と、キャリア27戦の半分近くを日本で過ごしてきた。昨年12月に欠場選手の代役でUFCと契約し、デビュー戦はいきなりランカー手前のラオーニ・バルセロス戦だったが、序盤パンチで押される画面から、ヘンリーが下がらず前に出続けることで押し返し、バルセロスのスタミナ切れに乗じて攻め続け判定勝ちでUFCデビューを飾った。怪我もあり、約9ヶ月のブランクでの2戦目で、アスンサオが4連敗中ということもあり、オッズでは大幅なフェイバリット。

ヘンリーがスタンドでプレスしていく。距離を取り様子見しているアスンサオ。前蹴りを入れたヘンリー。ミドル。キャッチしたアスンサオが片足のヘンリーにバックブロー。なおもプレスするヘンリー。ケージ際をサークリングするアスンサオ。タックル。シングルレッグ。こらえたヘンリーだが、アスンサオは放してワンツーをヒットさせる。また出るヘンリーだが、詰めても手を出さない。組み付いたヘンリーだがアスンサオが組み勝つ。離れた。ヘンリー右を打ち込んだが、四つに組み止めたアスンサオ。ヘンリーケージでこらえる。離れ際に膝を入れたアスンサオ。右フックを入れたアスンサオ。ヘンリーの左ハイはブロック。ヘンリーのミドルをキャッチしてパンチを打ち込む。放した。また詰めるヘンリー。アスンサオもパンチを合わせる。ヘンリーが右をヒット。さらに右。ホーン。

1Rヒット数がほぼ五分。

2R詰めるヘンリーだが、プレスするだけでパンチが出ていない。バックスピンキックを放つ。パンチの距離に入っていけないヘンリー。逆にアスンサオの右がヒット。ヘンリーバックスピンキック。しかし背中を向けたところで倒され下に。アスンサオインサイドから鉄槌。ヘンリーが腕十字を狙うが読んでいて腕を引く。足をさばいてパス。背中を見せて立ったヘンリーはクラッチを切って離れる。また出ていくヘンリーだが、パンチが出ない。ヘンリーのミドルをキャッチしたアスンサオが、そのまま右の連打を打ち込む。ケージまで移動したところでタックル。テイクダウン。またパウンド。ヘンリーガードから腕十字。しかし腕を引き抜かれた。今度は足を狙うヘンリーだが、潰されて取れず。背中を向けて立ったところでパンチを入れたアスンサオ。ホーン。

2Rアスンサオ。

3R。ヘンリー詰めていく。しかしアスンサオの右オーバーハンドをもらう。四つに組んだアスンサオ。引き剥がそうとするヘンリー。離れ際に膝を入れたアスンサオ。ヘンリーさらに詰めてパンチの間合いに。が、アスンサオがシングルレッグで倒した。また下から三角を狙うが。アスンサオはヘンリーの下攻めはすべて対処している。後転して立ったヘンリー。アスンサオ離れてスタンドへ。また出るヘンリーだがアスンサオのパンチを貰っている。アスンサオまたシングルレッグ。切った。ヘンリー出たが、アスンサオのパンチを貰う。それでも詰めるヘンリー。右。ジャブ。ミドル。組んだアスンサオを引き剥がすが、アスンサオワンツー。さらにタックル。片足でこらえるヘンリー。なおもシングルレッグを狙うアスンサオ。しつこくシングルレッグ。片足でこらえているヘンリー倒されないが攻めることもできないまま残り10秒。パンチを入れて離れたアスンサオ。ヘンリーパンチで出たがタイムアップ。

三者フルマークでアスンサオ復活の勝利。前回の勝利からは4年が経過している。

4連敗中とは思えないほど動きが良かったアスンサオ。ヘンリーは積極的に出ていっても手が出ず、逆にアスンサオのパンチを貰っていた。年齢的にもノンストップでランカーまでたどり着きたいところだったが。

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【RTU2022 ASIA Ep.05】イー・チャア戦へ、松嶋こよみ─01─「MMAはスパーでは思い切りできない」

【写真】ミット打ちという名の戦い。凄まじい闘志が伝わってくるミットだった(C)MMAPLANET

23日(日・現地時間)にUAEはアブダビのエティハド・アリーナで開催されるROAD TO UFC AISA2022 Episode05――フェザー級準決勝で松嶋こよみがイー・チャアと戦う。

UFCとの契約に向けて、最後の勝負──つまりMMAファイター人生の正念場となるトーナメント。その準決勝の相手は初戦でSASUKEを破った中国のイー・チャアだ。今も未知数という表現が当てはまる対戦相手との戦いに向けて、6月の1回戦突破から松嶋はどのよう自らのMMAを練り上げてきたか。

MMAファイターとして異端といっても過言でない剛毅會・武術空手を採りいれた松嶋に、ムエタイにいち早く着眼したラディカルMMAファイター=マモル教祖が首相撲のワンポイント指導を行う。唯一無二のスタイルの構築する松嶋をパンクラスイズム横浜でのプロ練習直後にインタビューを試みた。そこには追い込みのピークで疲労が蓄積するなかで、常に戦意を保ち続ける松嶋がいた。


──イー・チャア戦まで2週間強、パンクラスイズムでのスパーとミット打ちを見させていただきました。正直、疲れている。でも研ぎ澄まされている。そのような風に感じました。

「今回、試合までが凄く長く感じるというか……。早い段階からかなりハードなことをやってきたので、全然動けていないと思っていても、ある程度は動けるようになっているのかと思います」

──6月に対戦相手が決まっていました。そこからどのように練り上げ、対策練習をしてきたのでしょうか。

「最初は前回の試合を反省して、見直す。それから自分を上げるための練習をしてきた感じです。そうやってきて、ここ1カ月半ぐらい武田光司選手にパンクラスイズム横浜に週に1度来てもらって対策練習の相手をしてもらいました」

──まず前回の試合の反省点とはどういう部分だったのでしょうか。

「実際の試合での距離感とスパーリングでの距離感の違いですね。試合から遠ざかっていた分、見定めることができなかった。そこが自分のなかで一番反省しているところなので、一度丁寧にやり直そうと思いました。それと組みの部分ですね。結論として一本を取ることができる選手ではないので、どうコントールするのかを打ち込みなどで再確認してきた感じです。

T-Gripのレスリング練習でそこを試したり、T-Gripでの剛毅會空手の稽古でも大塚(隆史)さんに受けてもらったりしてやってきました」

──一本をとらずに勝つ。覚悟を決めて、しんどいことを3R続けるということでしょうか。

「まぁ今までもそうだから、変わりないといえば変わりないんですけどね(笑)」

──ギロチンやダースで極めることができればなという気持ちは?

「ないです(笑)。それができてもラッキーでしかない。つまり、それを使うということは一か八かということになる。もちろん、練習のなかで極めることができることもあります。でも、それは自分の武器としては使えない。自分がやるべきことはそこじゃないので、これからも変わらずにこのままで行こうと思っています」

──今日、RIZINの会見で武田選手がイズムに来ることができなくなり、2人のスパーリングを見ることができなくて残念だったのですが、なぜ対策練習の相手が武田選手だったのでしょうか。

「距離を関係なく詰めてくる。イー・チャア選手はそういうイメージで、あの四つ組みの強さというのは絶対にあると思います。そういう部分を練習する時に、武田選手と練習したいと思いました。打たれ強い部分、打たれても入って来るところですね。相手のことを気にしないで入って来る。そういうところがイー・チャアに一番近い選手が、武田選手でした」

──ただイー・チャアは、どこが本当に強いのか未だに分からないところもあります。

「分からないです。1回戦を見て凄く強い選手だという人もいますけど、どちらかというと『SASUKE君がどうしちゃったの?』という感じで僕は見ていたので。打撃も別に何か怖いという感覚もない。それをいえば打撃がもっと怖い相手や組みが怖い相手と僕は試合をしてきているので。だからといって舐めてかかるわけではないです。

それでもちゃんとSASUKE選手を極めているし、ちゃんとテイクダウンを取っている。その部分では強いんだろうし侮ることができない相手です。でも、自信を持って勝負できる相手だという風には思っています」

──つまり自分を貫くための対策練習をしてきたということでしょうか。

「そうですね。相手がこうしてくるから、こっちはこうするとかでなく、『何をしてこようが関係ないよ』と言えるぐらいの練習をしてきたつもりです。ただ、試合になると空回りしちゃうし、戦闘意欲が異様に上がることもあります(苦笑)。だからこそ、そういう部分とも向き合って戦わないといけない。勿論5分3R、しんどい試合をして戦うなかでいつでもKOできる気持ちで戦います」

──岩﨑さんとのミット打ちは凄まじい一方で、スパーだと本気で打ちこめない打撃の難しさも感じられました。

「レスリングはかなりガチガチでやってきましけど、MMAはスパーでは思い切りできない攻撃が多いです。ただそのレスリング時代でも練習では強くて、試合ではそうでないという選手はいました。そのなかで思い切りミット打ちをやる。岩﨑先生は組手と言っていますが、一つひとつの強さや精度はアレをやることで完成度が上がります。

スパーリングのなかで切り取って、テンポなどダメだったところをミット打ちで修正しています。岩﨑先生にミットを持ってもらうことは僕にはとても大切なことになっています」

──シャドーでも拳をしっかりと握り、手を使って下がる動きなど武術空手の片鱗が伺えました。スパーにしても、構えを変えてからの攻撃や足と拳の連係でも空手らしさもあります。ただし、ミット打ちは移動稽古や型で知る武術空手の理がどこにあるのかは外面では見えなかったです。

「今日はヒジ打ち、ヒザ蹴りが主だったので。でもやる時はやっています。下がる動きを重視するときは、もっと空手の動きになっているでしょうし。下がってコンビネーションというのも普段にやっています。

でも今日のミットにしても、あの距離と高さ引き出したところで、相手を前に出させるという動きを実はやっていました」

──なるほどぉ。

「それにパンチ1つを取ってみても、流れてしまうのではないということも意識しています。言ったら、打ち抜くというよりもサンチンの突きという感覚でやっています」

──とはいえ周囲からはパンチを打ち抜けというアドバイスは当然のように飛んでいます。自分自身の意識と周囲の意見の隔たり……これは従来のMMAやコンバットスポーツを見る目として当たり前のことで、そこに岩﨑さんとのミットと周囲との違いが顕著になると感じることはないですか。

「結局、やるのは自分ですから。人の声に惑わされずという感覚でもいます。そのなかで武術空手だけでなく、フルコンタクト空手で使える部分もありますし、ムエタイから使える部分もある。色々なことを指導してもらって、自分で責任をもって戦うということですよね。

自分の戦いに当てはまるのか、当てはまらないのか。その取捨選択は自分でやります。そのなかで先生とのミットをすることで、回転速度や切れ、精度が上がるので試合に向けて良い状態になっていると感じています」

──岩﨑さんとマモル選手がイズムで首相撲の技術交流、技術談義をしている。非常に興味深かったです。

「実はあんな風に2人が話し込んでいたのは、珍しいことです。普段は先生とマモルさんが鉢合わせになることがなかったので。僕自身、マモルさんのヒザの出し方やヒジ打ちが先生の出し方や打ち方と違うことは分かっていました。それを僕が先生に説明するよりもマモルさんに説明してもらった方が絶対に分かりやすいと思います。そういう風にマモルさんと先生がすり合わせてくれるのは凄く有難いです」

──北岡悟率いるパンクラスイズム横浜が、MMAの梁山泊になっているようですね。面白いのが岩﨑さんと松嶋選手のやりとりのなかで、指導を受けている松嶋選手が「これは使えないです」とハッキリと口にしている点でした。それが岩﨑さんも指導でなくて、自分の稽古になっているという部分なのかと。

「ハイ。僕は『これは使えない』としか言えないことを、マモルさんがその理由を先生に論理的に説明してくれる。

もちろん、僕にとってマモルさんの技術が全てではないです。それこそ僕が自分でやるといっていた取捨選択を2人が理解を深めてしてくれると……僕にとっては一番楽なことで(笑)」

<この項、続く>

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode05対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準決勝/5分3R>
イー・チャア(中国)
松嶋こよみ(日本)

<Road to UFCフライ級T準決勝/5分3R>
チウ・ルェン(中国)
チェ・スングク(韓国)

<Road to UFCライト級T準決勝/5分3R>
キ・ウォンビン(韓国)
ジェカ・サラギ(インドネシア)

<Road to UFCバンタム級T準決勝/5分3R>
風間敏臣(日本)
キム・ミンウ(韓国)

<ライト級/5分3R>
SASUKE(日本)
パラチン(中国)

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode06対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準決勝/5分3R>
イ・ジョンヨン(韓国)
ルー・カイ(中国)

<Road to UFCバンタム級T準決勝/5分3R>
中村倫也(日本)
野瀬翔平(日本)

<Road to UFCフライ級T準決勝/5分3R>
トップノイ・キウラム(タイ)
パク・ヒョンソン(韓国)

<Road to UFCライト級T準決勝/5分3R>
アンシュル・ジュビリ(インド)
キム・ギョンピョ(韓国)

<バンタム級/5分3R>
シャオ・ロン(中国)
フィリッピ・リマ(ブラジル)

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