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【Shooto2022#07】計量終了 2階級上(?!)でも戦いたいDouble GFCストロー級王者キム・ソユル✖ライカ

【写真】チャンスを逃したくない気持ちは誰よりも強いかもしれない──キム・ソユル (C)THEONE

明日27日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto202#07の計量が、港区の10KOLで行われた。

環太平洋バンタム級選手権試合をコメインに従え、メインに組まれた引退試合=山内渉戦が組まれた清水清隆は1回目の計量が56.75キロとわずかにオーバーとなり、再計量で56.7キロに落としパスしている。

この他、後藤丈治と戦う須藤拓真はバンタム級リミットから200グラムオーバーだったが、再計量で61.2キロとし無事、注目の修斗初戦を戦うこととなった。

さらに2022年度新人王決定T準決勝フライ級で打威致と戦う須藤晃大も1度目は56.8キロだったが、再計量で56.7キロとし、結果的に全選手はクリアしている。


そんな後楽園ホール大会で、クラスAマッチの国際戦ながら2回戦のインフィニティリーグより前に組まれた一戦に注目だ。ライカ✖キム・ソユルは9月大会で組まれていたが、キムがビザを取得できずキャンセルに。ライカは急遽対戦に応じた杉山恵とドローだった。

今回は18日(金)の発表で来日とライカと仕切り直しの一戦が発表されたキム・ソユルは、キック出身でMMAは2戦目でONE Warrior Seriesと契約。桐生祐子とSARAMIに勝利し、平田樹にONE本戦で敗れているネイリン・クローリーに敗北を喫するなど3勝1敗だった。コロナでONE WSが活動と休止すると母国に戻り昨年12月30日にDouble GFC女子ストロー級王座を獲得している。

ONEアトム級は実質ストロー級、Double GFCでも前述したとおりストロー級のベルトを手にしているが、この一戦は本来はパンクラス参戦経験のあるホン・イェリンと暫定アトム級王座を賭けて戦う予定だったが、ホンの欠場で代役のソン・ヘユン(※デビュー戦)に相手が変更されたことでストロー級王座を争ったという経緯があった。

つまり1年前は減量をすればアトム級で戦うことができたキム・ソユルにとってフライ級で戦うことは生易しくない。どれだけ母国にいても試合機会に恵まれていないのか……ある意味、今大会に出場する女子選手のなかで最もハングリーなのがキム・ソユルという見方もできるだろう。

計量時の体重差は800グラムでも、キム・ソユルはリカバリーはないと考えるのが妥当で、2階級差のライカとは得意といえども打撃でやりあうのは危険だ。しかし、元来の気の強さとキックのスキルがあることで、立って戦うことも十分に考えられる。逆にライカは自ら組むことが増えており、組まれた組まれたで体格差はハンデとなる。

そんななか腕十字やRNCで秒殺したこともあるキム・ソユルは、一瞬の勝負時にフィニッシュを狙うことも多いに考えられるだろう。

ライカ戦後、SARAMIが望めばリベンジ戦や今大会で決まる女子アトム級戦線でも活躍も見込めるキム・ソユルのパフォーマンスに要注目だ。

■視聴方法(予定)
11月27日(日)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル
             
■Shooto2022#10計量結果

<フライ級/5分3R>
清水清隆:56.75キロ→56.7キロ
山内渉:56.6キロ

<修斗環太平洋バンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] 石井逸人:61.1キロ
[挑戦者] 藤井伸樹:61.0キロ

<フライ級/5分3R>
新井丈:56.6キロ
大竹陽:56.7キロ

<バンタム級/5分3R>
後藤丈治:60.9キロ
須藤拓真:61.4キロ→61.2キロ

<フライ級/5分3R>
内藤頌貴:56.7キロ
高岡宏気:56.4キロ

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
澤田千優:47.4キロ
小生由紀:47.3キロ

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
中村未来:47.4キロ
久遠:47.6キロ

<女子フライ級/5分3R>
ライカ:56.5キロ
キム・ソユル:55.7キロ

<2022年度新人王決定T準決勝バンタム級/5分2R>
齋藤奨司:61.1キロ
新井拓巳:61.0キロ

<2022年度新人王決定T準決勝フライ級/5分2R>
須藤晃大:56.8キロ→56.7キロ
打威致:56.6キロ

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【格闘ニュース】RIZIN伊澤チャンプが大晦日を語る/シバターが木村ミノルに宣戦布告/斎藤裕が待望の練習復帰【RIZIN、BreakingDown】

◆動画の説明
直近で話題となった格闘技系のニュースをまとめました

◆動画のもくじ
0:00 動画のもくじ
0:25  格闘ニュース「RIZIN伊澤チャンプが大晦日を語る」
3:06  格闘ニュース「斎藤裕が待望の練習復帰」
5:06  格闘ニュース「ミルコが息子に一本極められ話題に」
6:42  格闘ニュース「堀鉄平vs伊澤星花 追加カード決定」
8:16  格闘ニュース「シバターが木村ミノルに宣戦布告」
9:24  格闘技動画更新情報「2022.12.28猪木祭り、BreakingDown6.5ニューカード」
14:17 エンディングムービー

◆動画の中で紹介している内容
宇佐美秀メイソン、アルバート・クラウス
ジョシュ・バーネット、シビサイ昌磨
イゴール・タナべ、メルビン・マヌーフ
関根シュレック秀樹、ヤン・ソウクップ
マーカス・レロ・アウレリオ、ガロア・ボファン
ポーランドの刺客、てる

◆参考サイト
https://the-ans.jp/news/186641/
https://gonkaku.jp/articles/8445



https://efight.jp/news-20221125_1323830

◆参考動画
堀鉄平VS伊澤星花 追加カード発表

|アントニオ猪木「最後の闘魂」チャンネル 12.28 INOKI BOM-BA-YE × 巌流島 記者会見

斎藤裕の本音【大木と焼肉】

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【Shooto2022#07】清水戦=山内渉&新井戦=齋藤奨司─01─「奨司さんは寝技も強い。ビックリするはず」

【写真】MMAでは同期も、良い先輩と後輩という風な齋藤と山内(C)MMAPLANET

27日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催される『Shooto2022#07』で山内渉が清水清隆と、齋藤奨司が新井拓巳と対戦する。ともに昨年のDREAMERSに出演し、プロデビュー前から注目を集めていた。
Text by Shojiro Kameike

既にボクシングとキックで実績を持つ齋藤と、アマ修斗でもなかなか結果を残せない山内。FightFarmでのMMAファイター生活に戻った2人の現状と今後への期待は明らかに差があった。あれから1年半、山内はプロ修斗で4勝0敗。齋藤はデビュー戦こそ落としたものの現在RTUでバンタム級決勝を控える風間敏臣選手でのKO勝ちを含み、4勝1敗と結果を残している。充実の2022年を送った両者に話を訊いた。


──昨年5月Fight&LifeでDREAMERSの最終選考が終わった直後、お二人のインタビューをさせていただきました。齋藤選手は既にプロデビュー戦が決まっていて、山内選手は「アマ修斗や色々な試合に出て、プロ修斗昇格を目指したい」と言われていました。しかし、7月にプロ修斗デビューを飾ると、この1年で4連勝。7月には内藤頌貴選手を打撃で圧倒しました。いや、スミマセン。正直、インタビューをした時に山内選手のことは『この子、プロでやっていけるのか』と思っていました。

齋藤 アハハハハハ。確かに。

山内 ハハハハ。でもDREAMERSがあったからデビューできたようなもので、なかったらまだアマ修斗で戦っていたかもしれないですし。

──結果だけでなく、ケージの中での気持ちの強さが感じられる。ここまでしっかりと戦える選手なんだと驚かされた次第です。

齋藤 試合の時は変わります。普段はおっとりしていて、かなり天然ボケなんですけど試合の時は変わりますね。

山内 自分では分からないです(苦笑)。普通に相手を倒そうと思って戦っているだけなので。気を強く持とうとかあまり考えていないです。

──練習中はそうでもないのですか。

齋藤 普段は天然ボケですけど、練習でも追い込みになると気持ちの強さは出ています。

山内 天然ですけど、ボケはいらないです(笑)。

齋藤 普段はボォッとしているだろう(笑)。

──ダハハハ。現状、4連勝という結果をどのように捉えていますか。

山内 思っていた以上に上手くいっています。試合は勝つつもりでいきますけど、アマでも勝てなかったですし甘くないと考えていました。勝ったり負けたりして、学びながら上に行ければと思っていたので。

──その一方で、齋藤選手はデビュー戦で敗北。DREAMERSがあったことで初陣から相手が徹底して対策を練り、打撃に持ち込まさないという戦い方をしてきました。そんな新人離れした相当に厳しい状況ながら、その後は4連勝と結果を残しています。

齋藤 そうッスね。バッグボーンがあるんで、相手は組んでくるというのは分かっていました。だから試合では出せていないですけど、打撃の練習だけでなく寝技の練習もしっかりとやっているので。何なら打撃より寝技の練習の方が多いぐらいで。寝技になる準備はしています。

山内 奨司さんは試合では全然出していないけど、組みも強いです。そうですね……。

齋藤 良いんだぞ、正直に言って(笑)。

山内 いえ、ホントです。だから寝技の展開になったら面白いと思います。皆がビックリするはずです。僕とは違う組みですけど、色々なタイプの人と練習もしていますし防御もバッチリです。

齋藤 ありがとうございます(笑)。

山内 スミマセンッ!! 上から目線で言っちゃって……。

──ハハハハ。打撃という強味があり、他の部分を穴埋めしてきた斎藤選手に対して、山内選手はウェルラウンダーです。あらゆる要素を回す。最近のMMAでは秀でたモノがある選手が他の部分を穴埋めして戦う方が優勢という見方があるなかで、オールラウンダー渉というべき戦いを実践しています。

山内 やっぱり全部できないといけないと思うんです。ファイトファームは打撃のチームだからこそ寝技が強くないといけない──絶対にジムの特徴があるから、相手は寝技を狙ってくる。そう思ってずっとやってきたので、そこが上手く回っているのかなって思います。

──バカ正直を通り越して、クソ正直に答えてほしいのですが、風間敏臣選手との試合前にあの寝技から逃れられると思っていましたか。

山内 ハイ。めっちゃ研究して、練習していたので。田村(彰敏)さんも風間選手の特徴を掴んで、本当に対策練習をやっていました。だから問題ないと思っていました。実際、1Rも練習していた通りの動きができていましたし、全く心配していなかったです。

──なるほどぉ。そここそ自分が齋藤選手に謝らないといけない部分です。寝技で仕留められると思っていました。

齋藤 アハハハ。

──あのヒザ蹴りにしても、風間選手が「ラッキーでなく研究して狙われ、やられた」という風に試合を振り返っていました。POWNDSTORM、両国国技館でパンクラス1位に勝った。それでも修斗新人王戦なのか──という気持ちは、本当にあります。ここはその勢いを駆って、もっと上位に食い込むマッチメイクで良いはずだと。

齋藤 もともと新人王トーナメントにエントリーしているなかでのPOWNDSTORMでした。ちょっとギャップはありますけど、新人王を取りたいという気持ちなので。

──POWNDSTORMだけなく、仮に新人王トーナメントの途中でもネームバリューのある相手との試合などオファーがあれば出ていたでしょうか。

齋藤 全然、話があればやりたいです。風間選手との試合も3月の修斗の試合が終わった当日に話があって、「やります」って即答しました。

──あの場を経験して、新人王戦。物足りないという気持ちはなかったですか。

齋藤 物足りないとは思わないです。風間選手はRoad to UFCに出て、僕は新人王トーナメントに出ているという差はありますけど(笑)。でもチャチャッと新人王を取って、またデカいところで試合ができればなって思っています。

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
11月27日(日)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル
             
■Shooto2022#07対戦カード

<修斗環太平洋バンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] 石井逸人(日本)
[挑戦者] 藤井伸樹(日本)

<フライ級/5分3R>
清水清隆(日本)
山内渉(日本)

<バンタム級/5分3R>
後藤丈治(日本)
須藤拓真(日本)

<フライ級/5分3R>
新井丈(日本)
大竹陽(日本)

<女子フライ級/5分3R>
ライカ(日本)
キム・ソユル(韓国)

<フライ級/5分3R>
内藤頌貴(日本)
高岡宏気(日本)

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
澤田千優(日本)
小生由紀(日本)

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
中村未来(日本)
久遠(日本)

<2022年度新人王決定T準決勝バンタム級/5分2R>
齋藤奨司(日本)
新井拓巳(日本)

<2022年度新人王決定T準決勝フライ級/5分2R>
須藤晃大(日本)
打威致(日本)

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DEEP o RIZIN クレベル・コイケ パンクラス 中村大介 岩本達彦

【DEEP】中村大介 パンクラスフェザー級3位 岩本達彦と対戦!

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12月18日にコレガスタジオで開催するDEEP OSAKA IMPACT 2022 4th ROUNDの追加カードとして、中村大介(夕月堂本舗)×岩本達彦(BLOWS)の68kgワンマッチが発表されました。中村は言わずと知れた元DEEPライト級王者にしてDREAM、RIZINにも出場したUWFの系譜を継ぐ大ベテラン。そこに掛け合わせた対戦相手がまさかパンクラスを主戦場にする岩本。まさかこんなマッチメイクをしてくるとは完全に意表を突かれました。

岩本はパンクラス戦績8勝3敗。現在はフェザー級ランキングで3位につける実力派。2020年のネオブラッドトーナメントフェザー級を制した生粋のパンクラシストです。テイクダウンしてからパウンドアウトはもちろん、三角絞めやアームロック、フロントチョークなど多彩な仕掛けで一本を取る極めの強さは一級品。ブレイクする可能性を秘めています。極めの強さと言えば腕十字が代名詞の中村がパッと思い浮かびますが、岩本も決して負けてはいません。

そんな両者の対戦。一体どんな展開になるのか興味津々。極めも強くて打撃でもKO出来る中村は岩本の寝技を警戒して打撃勝負に出るのか。それとも岩本が相手でもグラウンドで極めに行くのか。妄想は尽きません。もし岩本が寝技でも中村を圧倒するようだと、RIZIN参戦も十分に射程圏内。クレベル・コイケや朝倉未来を筆頭に混沌としているフェザー級戦線をより一層賑わせてくれそうです。DEEP大阪大会、PPV中継ありますよね?よろしくお願いします。
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ARAMI BELLATOR DEEP F1 K-1 MMA News o ONE ONE Championship RIZIN UFC YouTube   ダイヤモンドローズ・ザ・ロケット チャンネル ニュース パンクラス ボクシング ヤン・ブラホヴィッチ 万智 修斗 平本蓮 東よう子 須田萌里

【格闘ニュース】K-1野杁が平本蓮やブレイキングダウンを語る/魔裟斗がロッタンvs武尊を予想/MMA無敗の強豪が猪木祭り参戦/UFCプロハースカの試合が消滅【RIZIN、ライジン】

◆動画の説明
直近で話題となった格闘技系のニュースをまとめました

◆動画のもくじ
0:00 動画のもくじ
0:26  格闘ニュース「K-1野杁が平本蓮やブレイキングダウンを語る」
3:11  格闘ニュース「魔裟斗がロッタンvs武尊を予想」
5:30  格闘ニュース「MMA無敗の強豪が猪木祭り参戦」
8:15  格闘ニュース「UFCプロハースカの試合が消滅」
9:40  試合結果「DEEP JEWSLS 39」
12:42 エンディングムービー

◆参考サイト
https://ganryujima.jp/archives/296961
https://www.tapology.com/





https://www.boutreview.com/

◆動画の中で紹介している内容
イリープロハースカ、グローバーテイシェイラ
ヤン・ブラホヴィッチ、マゴメド・アンカラエフ
万智、ARAMI、本野美紀、須田萌里、東よう子、ダイヤモンドローズ・ザ・ロケット
ラファエル・ロバト・ジュニア、INOKI BOM-BA-YE巌流島

◆参考動画
武尊vsロッタン発表間近?ロッタンの強さを分析し、試合展開と攻略法を考える

DEEP JEWELS 39 前日計量

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【Shooto2022#07】ラストファイト=山内渉戦へ、清水清隆─02─「全力で、何も言い訳できない試合に」

【写真】最後の最後が、迫ってきた清水(C)SHOJIRO KAMEIKE

27日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催される『Shooto2022#07』で、山内渉を相手にMMA引退試合を行う清水清隆インタビューの後編。
Text by Shojiro Kameike

今回は引退試合を迎えるにあたり、山内戦だけでなく清水自身のキャリアについても語ってくれた。どうしても想い出話や感慨深い内容になってしまうなか、常に後輩やアマチュア選手たちの話題になるのが、彼らしさだろう。不器用な人間だ。決して喋りが得意なほうではないと思う。だからこそ、ラストマッチで表現される清水清隆の想いを見届けてほしい。

<清水清隆インタビューPart.01はコチラから>


――前回の試合では、テイクダウンに対する反応や反射を100パーセント取り戻せていなかった、ということでした。この4カ月間で取り戻せるものなのでしょうか。

「それは大丈夫です、感覚だけの問題なので。この期間に安永有希さんのCUTEジムで、中村倫也、安藤達也、上田将勝さんたちの練習会に参加させてもらっていたんですよ。全員サウスポーで、瞬発力も強いファイターばかりじゃないですか。おかげで感覚は良くなってきたと思います」

――そうしたファイターたちと練習していて……次が本当に引退試合なのでしょうか。

「もちろんですよ(笑)。これで勝って、次はどこでラストファイトを――っていうのは絶対にないです。この試合に勝ったら……なんて他の人にも言われるけど、その続きはないです。もちろん勝ちますけどね」

――きっと他の人たちも、清水選手の引退を受け入れることが難しいのではないですか。

「もし次の試合は速攻でKO勝ちして、しかもランキングが上がったら、タイトルマッチも狙えるポジションじゃないですか。だから――って言われるんですけどね。自分が今ここでって思った時に辞めることができるのが、一番良いと思います。『辞めるって言ったじゃん』なんて言われるよりは(笑)。

先週、追い込みの練習を終えたんですけど、長南さんは若松佑弥と一緒にシンガポールへ行っていて。生意気ながら、自分が練習を仕切らせてもらった時があったんです。そうしたら、所縁のある選手がたくさん来てくれて……。その時は、あぁコレが本当に終わりなんだなって感慨深くなりました」

――今回の試合が終わったら、もうそれだけハードな練習をすることはないのですね。

「練習自体は好きだから、体を動かすことはしたいと思います。ただ、たとえ長南さんから来てもいいよって言われても、自分は試合に向けて体が仕上がっていない状態じゃないですか。そんな状態でプロ練に参加することは、他の選手に失礼ですからね。ジムに行っても、彼らのハードな練習を外から見ています(笑)」

――アハハハ。前回のインタビューにもあったとおり、柔術などは続けていくのですか。

「そうですね。やっぱり学び続けたいです。本当に、柔術を始めて学ぶことが多かったので。この選手はココでコレをやっていたんだなと繋がっていくんですよ。それは面白かったし、今後にも役立つと思うので。プロMMAを引退しても、ファイトスポーツは続けていきます。柔術は続けて、コンスタントに試合は出て――実績をつくりたいですね」

――実績をつくって、MMAも含めたご自身のジムをつくるプランはあるのでしょうか。

「自分のジムを出すのも、なかなか簡単じゃないですからね。まだそこまでハッキリとはしていないです。本当なら、引退後のことも考えながらやっていたら良いかもしれないけど、自分がそういう同時進行ができないタイプなので。まずは現役選手として、ちゃんと試合に向けてやっていかないと」

――最後の追い込み練習の際に感じた感慨深さ以外に、これまでのキャリアのことを思い返すことはありますか。

「それはあります。人生って良いことばかりじゃなくて、こんな嫌なこと言われたな、こんな嫌なことされたな、とか。なぜかマイナスなことばかり浮かびました」

――なぜマイナスなことばかりなのですか(笑)。

「アハハハ。TRIBEの会員さんとか、アマチュアの子たちと話をしていたら、昔のことを思い出すんですよね。上京したての頃、キックボクシングのRISEでアマチュアの試合に出たり(2007年KAMINARIMON 55キロ級優勝)、新空手の試合に出たりしていたんですよ。MMAでもパンクラスやZSTのアマチュアの試合に出ていて。サンボは全日本選手権で優勝して、世界選手権にも出ていますから。当時のジム(SKアブソリュート)の先輩方が、試合に出ることに対してアグレッシブで。サンボはもちろんコンバットレスリングとか、出られる試合は何でも出ていました」

――それだけ様々な競技に挑戦していた清水選手にとって、最も想い出深いことを教えてください。

「2019年1月の前田吉朗戦(1R TKO勝ち)と、2016年9月の古間木崇宏戦(判定勝ち)ですね。自分は2015年に4連敗してから少し休んだあと、パンクラスのメインで復帰させてもらうことになったんです。その試合の直前に、ジムの後輩の秋葉尉頼が事故で亡くなって……。他の試合ももちろん負けられないけど、あの試合は特に気持ちが入っていました」

――個人的には修斗でマモル×漆谷康宏×BJの三すくみ時代があり、対してパンクラスで清水選手と砂辺光久選手が4度戦うなど、国内フライ級が盛り上がり始めた時期が印象に残っています。

「いやぁ、たまたま自分は良い時代にパンクラスのベルトを防衛できただけで――ラッキーだったと思います」

――……プロキャリアを振り返って、ご自身はラッキーだったと思いますか。

「ラッキーだったんじゃないですか。パンクラスのフライ級創成期で、ネオブラで優勝してすぐランキング戦からタイトルマッチで。キャリア的にはベルトを巻くのも早かったと思います。同じ時期に砂辺さんがいて――砂辺さんがいなかったら、自分のキャリアも目立なかったかもしれないですしね。

あの頃は何も考えていなくて、何か計算できるわけでもなく、ただただ一生懸命練習しているだけでした。それで結果もついてきたので、ラッキーだったと思います。仕事しながら練習して、ハードワークだったから体調が悪くなることもあって。でもトレーナーさんたちが親身になって見てくれるし、元気なうちに引退試合ができて良かったと思います。元気だからこそ、全力で、何も言い訳できない試合になります」

――これがプロMMAファイターである清水選手への最後の質問となります。ラストマッチでは、どんな試合を見せたいですか。

「一生懸命やるのは間違いないんですけど、ああだこうだと欲を出してしまったら、悪い結果に繋がることもあるので。何より応援に来てくれた人たちが、メチャクチャ良かったねと水道橋駅に向かっている姿は、もう想像できていますから。KOでもサブミッションでも、自分が勝ちます。それと――これで自分のMMAは最後ですけど、TRIBEには若くて良い選手がたくさんいますから。彼らのことを見続けてやってください。お願いします」

■視聴方法(予定)
11月27日(日)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル
             
■Shooto2022#07対戦カード

<修斗環太平洋バンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] 石井逸人(日本)
[挑戦者] 藤井伸樹(日本)

<フライ級/5分3R>
清水清隆(日本)
山内渉(日本)

<バンタム級/5分3R>
後藤丈治(日本)
須藤拓真(日本)

<フライ級/5分3R>
新井丈(日本)
大竹陽(日本)

<女子フライ級/5分3R>
ライカ(日本)
キム・ソユル(韓国)

<フライ級/5分3R>
内藤頌貴(日本)
高岡宏気(日本)

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
澤田千優(日本)
小生由紀(日本)

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
中村未来(日本)
久遠(日本)

<2022年度新人王決定T準決勝バンタム級/5分2R>
齋藤奨司(日本)
新井拓巳(日本)

<2022年度新人王決定T準決勝フライ級/5分2R>
須藤晃大(日本)
打威致(日本)

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【Shooto2022#07】引退試合で山内渉と対戦、清水清隆─01─「想い出づくりじゃない。絶対に勝つ」

【写真】清水のプロMMAキャリアは14年――愛犬と一緒に取材を受ける姿もベテランの風格か(C)SHOJIRO KAMEIKE

27日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto 2022#07で、清水清隆が山内渉を相手に引退試合を行う。
Text by Shojiro Kameike

今年に入りMMA引退を発表した清水は、7月にパンクラスラストマッチを戦い、佐々木亮太をRNCで下した。そして迎える引退試合、対戦相手は現在の修斗フライ級で最も勢いのある若手ファイターの1人、山内渉に決定している。引退試合でも、リアルなマッチメイクだ。そこに、清水にとっての戦いが現れている。


――引退試合を6日後に控えてのインタビューとなります(取材は11月21日に行われた)。

「はい、よろしくお願いしますっ!」

――前回のインタビューでは「いつまでもオッサンが上にいるよりも……」と語っていましたが、引退試合では修斗フライ級で最も勢いのある若手ファイターの1人と対戦することになりました。

「アハハハ、そのほうが面白いじゃないですか。同じぐらいの年齢やキャリアの選手と試合をするよりも――スリリングで。それで相手は4連勝で、ランキングも上がってきていて、しかも僕が手こずった内藤君(内藤頌貴、清水は2018年7月に対戦して判定勝ち)に、一方的な試合をしていますからね」

――今回の試合は清水選手から山内選手の個人名を挙げて、プロモーターサイドに希望を出したのでしょうか。

「いえ、勢いのある若手の試合がしたいと伝えて。そうしたら山内選手に決まりました。山内選手……山内君って、もともとTRIBEの会員さんだったんですよ」

――えっ、そうだったのですか。

「細かい時期は覚えていないんですけど、もう4~5年前になるのかなぁ。自分も何度かミットを受けたり、指導していたことがありました。すごく真面目で、真っ直ぐで、良い印象しかないです。遠いところからTRIBEに通っていて、熱意もありましたね。確か学業が忙しくなってTRIBEまで来るのが難しくなったという経緯だったと思います。プロデビューした時に、あぁ山内君だと思いましたよ」

――師弟というわけではありませんが、昔から知っているファイターと引退試合を行うことになったわけですね。

「本当に不思議な縁ですね。特に彼のような勢いのある若手が、僕と試合してくれるだけ、ありがたいです。自分は今、修斗では2連敗していて。そんな自分と試合をして、彼にメリットがあるのかどうか」

――それでも修斗フライ級の世界ランキングでは清水選手が3位、山内選手が5位と清水選手のほうが上です。修斗でよく組まれるベテランと若手の下剋上マッチ、という意味ではリアルタイムな試合なのだな、と思います。

「そうですね。確かに修斗では自分のほうがランキングも上だから、彼にメリットがないわけではないと思うので。それは良かったなと思います」

――その引退試合を前に、今年7月にはパンクラスのラストマッチで佐々木亮太選手をRNCで下しました。

「出来は悪くなかったです。MMAの試合が1年ぶりなので、もっと感覚が鈍っているかなと思っていました。そういう面での不具合はなかったですね」

――試合後に笑顔で涙を浮かべていました。笑顔だけでも、涙だけでもない。笑顔で涙を浮かべるのは、それだけ自分のやりたいことはできたのではないか、とも思いました。

「結果が出たので何よりでした。試合内容は、ちょっとテイクダウンのディフェンスに手こずったところはありましたね。そこの反応や反射は、100パーセント取り戻せてはいなかったかもしれないです。ギロチンに行くパターンもなくはないんですけど、自分がセコンドだったら、立てと言っていたと思います。ただ、そこで自分が劣勢になることはないと感じました」

――試合は清水選手が2Rで勝利。ただ、こちらは清水選手の言葉どおり、「清水清隆が1RでKO勝ち」と書く準備をしていたのですが……。

「……スミマセン(苦笑)」

――それは冗談ですが、そもそも1Rで仕留めようという試合の進め方ではなかったと思います。

「自分としても、そこまで攻め急ぎするつもりはなかったです。このラウンドは取ったな、と思ってから下になって、とにかくラウンドが終わるまで下から削っていって。あとはビッグヒットだけ受けないように――と考えていました」

――パンクラスのラストマッチだからといって、勝っても負けてもいいから派手な試合をしよう、とは考えていなかったわけですね。

「もちろんです。試合は想い出づくりじゃないから。絶対に勝つ、それだけですよ」

――確かに、そのとおりですね。

「今回の試合も同じです。想い出づくりの試合なんて、相手に失礼じゃないですか。長南(亮TRIBE代表)さん、コーチやチームメイト、そして応援してくれている人にも失礼で。

『負けちゃったけど良い試合だった』なんて言葉は、慰めにしかならないんですよね。勝って、みんなと喜びを共有する。僕が引退試合で、みんなに対してできる恩返しは、それだけです」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
11月27日(日)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル
             
■SHOOTO2022#07対戦カード

<修斗環太平洋バンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] 石井逸人(日本)
[挑戦者] 藤井伸樹(日本)

<フライ級/5分3R>
清水清隆(日本)
山内渉(日本)

<バンタム級/5分3R>
後藤丈治(日本)
須藤拓真(日本)

<フライ級/5分3R>
新井丈(日本)
大竹陽(日本)

<女子フライ級/5分3R>
ライカ(日本)
キム・ソユル(韓国)

<フライ級/5分3R>
内藤頌貴(日本)
高岡宏気(日本)

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
澤田千優(日本)
小生由紀(日本)

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
中村未来(日本)
久遠(日本)

<2022年度新人王決定T準決勝バンタム級/5分2R>
齋藤奨司(日本)
新井拓巳(日本)

<2022年度新人王決定T準決勝フライ級/5分2R>
須藤晃大(日本)
打威致(日本)

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K-1 MMA o ONE ONE163 PRIDE UFC キック チャトリ・シットヨートン パンクラス 修斗 岡見勇信 平田樹 平良達郎 木下憂朔 海外 猿田洋祐 神龍誠 若松佑弥 西川大和 青木真也

【ONE】ONE 163日本人全敗とチャトリCEOの発言を考える

昨日行われたONE163。平田樹は計量をクリア出来ずに試合が消滅。そればかりか、青木真也、秋元皓貴、岡見勇信、若松佑弥の日本人選手は全敗という燦燦たる結果に終わりました。平良達郎のUFC参戦でにわかに活気づいてきた日本人の海外挑戦ですが、やはりそう簡単にはいかない事を改めて痛感させられました。そんな中、ONEのチャトリ・シットヨートンCEOが囲み取材に応じ、日本人選手に対して次のように答えました。ネタ元はENCOUNTさん。

「この30年間で、日本の格闘技のレベルは下がっていってしまっているね。武道の文化、歴史があるのに世界レベルじゃないね。これは本当に残念です。キックもダメ、MMAもダメ、グラップリングもダメ。私は半分日本人、これは本当に悲しい結果です」

今大会の結果を前に日本人が結果を出せなかった事は疑いの余地はありません。でも「この30年間」って、30年前と言ったら1992年。PRIDEはおろか、修斗やパンクラス、旧K-1ですら活動していなかった時代です。そんな時代の一体何と比較して「レベルは下がった」と言っているのか。

捉え方は人によって差異があると思いますが、私は日本人が世界で勝てなくなってきたのはここ数年の話だと思っています。だって、猿田洋祐と青木真也がONEで王者になったのが2019年。内藤のび太は2018年。そして秋元皓貴は2022年におたくの王者になっていますよ?30年前の訳のわからない幻想と比較して誤った評価をするのは止めてもらいたい。

日本人が世界で勝てなくなった現実。それは間違いありません。でもその圧倒的な現実を選手も関係者もファンを受け入れ、次の一歩を踏み出し始めました。ドン底から平良達郎、神龍誠、木下憂朔は海外でしぶとく勝ち上がり、西川大和もUFC参戦目前。ムエタイでは吉成名高が圧倒的な強さを見せ、Z世代の日本人は世界で結果を残すべく、着実に育っています。でも残念な事に、今のところ誰一人として戦いの場にONEを選んでいない。それもまた現実です。

そう簡単にはいかないでしょうが、彼らがUFCで結果を残して、チャトリの鼻を明かしてくれる。それを秘かな楽しみにするとしましょう。ハッ、、、これは日本人を奮起させるためのチャトリ流の叱咤激励、、、半ば無理矢理ポジティブに捉えてみました。チャトリさん、ありがとう。
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ABEMA AJ・マッキー MMA MMAPLANET o Shooto Shooto2022#07 パンクラス 修斗 安藤達也 小野島恒太 石井逸人 石橋佳大 藤井伸樹

【Shooto2022#07】藤井伸樹を相手に環太平洋王座初防衛戦、石井逸人「自分は閃きを実行できる」

【写真】文字だけ追うと相当に偉そうでイケイケですが、実際に話をしている時──も、同じです(C)SHOJIRO KAMEIKE

27日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2022#07で、環太平洋バンタム級王者の石井逸人が、藤井伸樹を挑戦者に迎えて初防衛戦を行う。
Text by Shojiro Kameike

2021年9月に安藤達也との王座決定戦で敗れた石井は、その後2連勝。今年5月に、一度ドローに終わっている小野島恒太との再戦を制し、ベルトを獲得している。やらかし言動も少なくない石井だが、安藤戦の前後で何が変わったのだろうか。もちろん藤井戦に向けても自信満々――相変わらずの石井節の中にある進化について訊いた。


――今年3月に石橋佳大選手をRNCで下したあと、「俺に足りないのはベルト」だけと仰っていた石井選手です。その2カ月後に小野島恒太選手から環太平洋のベルトを奪取しました。改めてベルトを巻いた感想を教えていただけますか。

「人間って、たぶん欲深い生き物なんですよね。欲しかったものが手に入ったら、すぐに次、次っていう欲望が出てきて。ベルトを巻いた人って、よく『獲ってみたら、こんなもんか』って感想を言うじゃないですか。自分もそういう気持ちで。このベルトをずっと守り続けていこうという気持ちはないです。でもそれ以上に、藤井にこのベルトをやる気持ちはないっていう(笑)」

――いきなりの石井節ですね(笑)。ベルトを巻くという、一つの目標に対する達成感もないのでしょうか。

「それはあります。目に見える結果ですからね。自分が生きてきた証を残せているなっていう嬉しさはありますよ」

――昨年9月、安藤達也選手との環太平洋王座決定戦で敗れて以降、2連勝でベルトを巻いています。安藤戦の前と後で、何か自分の中に変化などはあったのですか。

「それは確実に――私生活で遊ぶのを控えるようになったことじゃないですかね(苦笑)」

――どういうことでしょうか。

「安藤さんに負けたあと、夜に飲んで帰りながら『俺は何をやっているんだろう……』と思ったんですよ。それから飲みに行くことも少なくなって、かなり変わったなっていう実感はあります」

――それまでは結構お酒を飲みに行っていたのですか。

「ジムで指導して、練習したあとに新宿へ行くか――って」

――指導と練習を終えたあとでは、夜も更けた頃でしょう。

「はい。だいぶ遅くまで飲んでいて、さっき言ったように『俺は試合で負けているのに何やっているんだ……』と思ってから変わりました。完全に飲みに行かなくなった、というわけではないですけど」

――もちろん自分へのご褒美であったり、ストレスを解消するためにお酒を飲みに行くことはあるかと思います。ただ、そういう遊び方ではなかったわけですね。

「ずっと周りからも言われていました。長南(亮TRIBE代表)さんからも、酒を控えろって言われたり。でも、そこそこ勝っていたから『良いでしょ!』っていう感じで(苦笑)。やっぱり自分も、ファイターとしてはもう若いわけじゃないんで、そんな生活をしていたら、どこかに支障も出て来るんですよ。練習中に集中力を欠いたり、疲労の溜まり方とか」

――私生活を改善して、何か新しく始めたことはありますか。

「何か始めたこと……もともと練習は好きなので、練習をサボッて飲みに行くことはなかったんですよ。ただ、今まで遊んでいた時間に体を休めたりとか。メンタル面の影響が一番大きいと思います。それが良い方向に進んでいるのかどうか、自分では分からないですけど、試合で良い結果に繋がっているから良くなっている気はします」

――安藤戦では序盤に石井選手が攻め込みながら、最後は肩固めで敗れました。反対に石橋戦は、相手に抑え込まれながらRNCで逆転しています。内容的にも分かりやすいですね。

「石橋選手がチャンピオンになった頃、自分はアマ修斗に出ていたんですよ。当時から石橋選手の試合スタイルが好きでした。石橋選手のRNCに憧れて、自分もグラップラーになろうと思ったので。その人からRNCでタップを奪いたい、その気持ちが強くて狙っていました。特に石橋選手は、ほとんど一本負けがなくて。そういう相手からタップを奪うのが、一番ゾクゾクするじゃないですか。

だからRNCを極めるための作戦を練っていたんですよね。自分は、どんな体勢からでもRNCを取れる自信があるんですよ。あの試合も、自分がRNCを取れるパターンに一つひとつハマってきて。あともう一つペースがハマれば取れるんだよなぁ、っていう時にちょうどそのピースが来たっていう感じでした」

――その石橋戦の勝利から次のタイトルマッチまで2カ月というショートスパンでした。

「別に期間が短いのは気にならなかったですね。石橋戦の勝ち方だったら、次は当然タイトルマッチでしょと思っていたので。あと小野島とは前の試合がドローで、俺の中では負けているドローでしたから。それでアイツ(小野島)がチャンピオンになって、やり返すチャンスが来るならショートスパンでも上等だよ、って考えていました」

――石井選手が負けていたと考える初戦と、再戦となったタイトルマッチでは何が一番違いましたか。

「パンチで安藤さんを下がらせたことで、俺って打撃できるじゃんと思ったんですよね。それで小野島との再戦は、ジャブをたくさん突くことができたのが、勝てた要因じゃないのかなって感じです。あの試合は完全に乗りだったんですよね」

――乗りとは?

「アイツが何をやってきても、俺のほうが上だからと思っていたので。その活路がジャブだったんです。また違う場所で対戦することがあったら、その時は活路が寝技になるかもしれないし、レスリングになるかもしれないし、蹴りになるかもしれない。たまたま、あの日の活路はジャブだったというノリです。相手のパンチも見えていたので、拳をおデコで砕いてやろうと」

――相手のジャブを額で受けて……ということですか。

「そういう閃きが来ました。試合後、相手は骨折していましたよね。試合中も明らかにパンチが弱くなっているのが分かったんですよ。これは握りこんでいないだろうなって。いつ骨が折れたかは分からないですけど、何度か『これは折れたでしょ』と思う時は何度かありました。手応えじゃなく、頭応えっていうんですかね(笑)」

――ただ、相手のパンチを額で受けに行くのはリスクもあります。自分から頭を前に出しているわけですから、それに気づいた相手がパンチの軌道を変えてきたら……。

「それをリスクだと思わないから、勝てるんじゃないですかね。自分は閃きを実行できるタイプの人間なので。閃きがあっても、リスクを考えて実行できない人のほうが多いと思うんですよ。でも自分は、閃きがあったらすぐに実行する。リスクと引き換えに、それがハマれば勝てる」

――今まで、その閃きと結果が結びついた試合があれば教えてください。

「よしずみ戦(2021年1月)の腕十字とか。野尻戦(2021年5月にドロー)で、おたつロックからのAJ・マッキーがやるネルソン(マッキーオーチン)は閃きでした。印象に残っているのは、その2試合です」

――試合中に閃きがあるということは、それだけ普段から世界中のMMAを見ているのですか。

「全然見ないですね。知り合いが出ている試合は見ます(笑)」

――えっ!? それで、なぜAJ・マッキーの技を……。

「偶然SNSで、試合のダイジェストを見たんですよ、アハハハ。あぁ、こういう技があるんだって。練習もしたことはなかったけど、それが試合で出ちゃうんですよねぇ」

――はぁ……。

「反対に、閃きがない時はクソ試合になっています。東京に来て1試合目のガッツ天斗戦(2019年7月に判定勝ち)とか、パンクラスの瀧澤謙太戦(同年11月、KO負け)は閃きが来なかったですね……」

<この項、続く

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BELLATOR F1 GLORY MMA o ONE RIZIN RIZIN40 UFC キック パク・シウ パンクラス ホジェリオ・ボントリン ボクシング マネル・ケイプ 伊澤星花 元谷友貴 田中路教

RIZIN.40:武田光司とBellatorライト級10位ガジ・ラバダノフが対戦。井上直樹 vs. 瀧澤謙太、スダリオ剛 vs. ジュニア・タファ、元谷友貴 vs. ホジェリオ・ボントリンも追加。

すでに確定していた女子スーパーアトム級GP決勝・伊澤 vs. パク・シウも正式発表。

武田は残っていたRIZIN vs. Bellator5 vs. 5対抗戦の最後の1枠として、現ライト級10位のガジ・ラバダノフと対戦。ラバダノフは昨年7月にBellatorデビューし、ここまで3連勝。Bellatorのランキングは1,2勝するだけでも入れるが、ラバダノフの場合は十分ランカーの実力がある地味強。ヌルマゴ軍団で、テイクダウンしてからの押さえ込みが武器。ただ、前戦では3Rにやや失速していた。武田とならレスリング対決になる。

井上 vs. 瀧澤は7月に予定されていたが、井上の怪我により中止に。代替カードは組まれず、両者ともに昨年大晦日バンタム級GP準決勝戦以来、365日ぶりの試合となる。

スダリオの相手はUFCヘビー級で2勝3敗のジャスティン・タファの弟ジュニア・タファ。キックでGloryなどに出場していたが、今年7月にMMAデビュー。さらに翌月も試合をして、ここまで2勝0敗。その後はボクシングの試合にも出場している。MMAキャリアとしてはスダリオよりも浅い。

元谷の相手は元UFCフライ級のホジェリオ・ボントリン。今月のTRIGGERで試合をして判定勝利だったが4連勝とし、朝倉海戦を目標に上げていた。希望したカードではない(怪我で欠場中の朝倉海が出場するかも不明)ではなかったが、元UFCランカーとの対戦に抜擢。

ボントリンは2016年にパンクラスに参戦し、フライ級契約で春日井寒天たけしとの対戦が組まれたが、大幅体重オーバー。腕十字でタップを奪ったが、体重オーバー規定によりノーコンテストに。翌年はGRANDSLAMでUFCからリリースされた田中路教とバンタム級で対戦。3Rチョークで一本負けしている。

その後、コンテンダーシリーズブラジルを経てフライ級でUFCと契約。デビューから2連勝してランキング入りしたが、そこから4戦で0勝3敗1NC2計量失敗(1試合はバンタム級での計量失敗)。さらに、今年6月のシンガポール大会ではマネル・ケイプ戦が組まれていたが、減量中の体重オーバーにより欠場となり、そのままリリースされている。