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【Banana Oil 2025─06─】ProgressとKNOCK OUT Unlimitedで強くなる日本のMMA─02─Unlimited編

【写真】(C)MMAPLANET

12日に大阪でGladiator、19日は東京でプロ修斗公式戦が開催され、米国でもLFAやUFC、中東では先週末にUAEWがアブダビで、今週末にはPFLがドバイで始動するように2025年のMMA界は既に動き始めている。UFCに絶対の価値を置いたJ-MMAを想定し、如何に強くなるかを考えるコラムも今回を最終回としたい。
Text by Manabu Takashima

「日本人選手の5勝1敗は、米国では2勝1敗」。「修斗、パンクラス、DEEPのタイトルはUFCで戦える力をつけるために、意味はない」──このショッキングなヘンリー・フーフトの言葉を現実的に捉えると、日本のMMA界は社会構造として興行主が生き残るために懸命で、強さ=ビジネスという状況にない。

結果、勝負論とは別軸でエンターテイメント性に重きが置かれ、選手達の思考回路もそちらに軸が置かやすくなりがちだ。日本の格闘技界には(世界中を見渡しても──だが)UFCのような資金力はない。それでも、その道しか存在しない多くの国と違って、格闘技を戦うことで得られる「幸」は多い。そんな独特な格闘技文化がある日本だからこそ、国際戦の数は減少し、世界との違いや距離を肌感覚、空気で知る機会も減った。

それでもMMAでなくても実戦で選手は強化できる。そんな2024年に感じた成果と希望──スクランブルにポイントを与えた組み技=Progressに続き、立ち技プロモーション=KNOCK OUTが2023年末より導入したテイクダウン、パウンドが許されたUnlimitedルールによる日本人選手の強化を探りたい。


KNOCK OUTを率いる山口元気さんは、自分が格闘技の記者を始めた1995年には既に日本のトップキックボクサーだった。強さを求め、UFC以前には地上最強と思われたムエタイに傾倒し、強い相手と戦うためなら自身で相手のファイトマネーを工面するまでしていた格闘バカだ(スミマセン)。

ちょっといい加減なところもあるが、ファンから記者になった頃の自分にとっては吉鷹弘、金泰泳に次ぐ憧れの人だったこともあり、そんないい加減なところも強さを求める姿勢に霞んでしまう。キックの記事を書かなくなり、相当な年数を経ても定期的にやり取りをするような間柄が続いてきた。

元気さんが自分に振る話題の90パーセント以上が、選手の強化策。しかもMMAで勝つためだ。海外からトレーナーを招きたい、合宿所を創る。MMAで勝つための首相撲、ヒザ蹴り、タイナーの有効性。ジムの拡張とプロチームの結成。打撃で勝てるための組み技、寝技の強化。そんな話ばかりをしてきた元気さんが、キックボクサーやムエタイ戦士がMMAに転向するため、キックとMMAの接点としてUnlimitedルールを遂に興行に組み入れ始めた。

試合時間は3分3R、MMAグローブ着用で投げ、テイクダウンが認められ、寝技でもパンチ、蹴り、ヒザ、ヒジによる攻撃が許されている。サッカーボールキック、踏みつけも4点ヒザもOKで、関節技&絞め技は反則だ。ブレイクはスタンドもグラウンドもMMAと比較すると非常に早い。

一昨年12月の同ルール初戦はMMAファイターの三上ヘンリーが、極真空手のパトリック・ケンソンから左ストレートでダウンを奪い、サッカーボールキックから鉄槌とヒジの連打で勝利を収めた。昨年7月にはNOCK OUTの首相撲やヒジ無しルールのチャンピオンである栗秋祥梧が、RIZINを主戦場とする中村優作を左ストレートでKOしている。

そして昨年12月30日に、その栗秋が元LFAフライ級王者で元UFCファイターのカルロス・マタを迎え撃つ一戦を始め、グレコベースの倉本一真がムエタイの重森陽太と、さらにキックボクサー同士のバズーカ巧樹×大沢文也というUnlimitedルール3試合が行われた。

元気さんは強さを追求するだけでなく、興行主だ。スポンサーを獲得し、チケットを売って選手と観客、応援してくれる人々を満足させることが職務だ。だから格闘技を連想させる喧嘩マッチでなく、喧嘩を想像させる格闘技を世に伝えなければならない。

加えてキックボクサーが日本の格闘技界のトップであるRIZINルールに移行することも、当然のように考慮している。

つまりUFCを軸とした日本人ファイターの強化策以外のファクターも、Unlimitedルールには散りばめられている。

キックボクサー同士の対戦は、まさに喧嘩を匂わせた。

組みとグラウンドでの打撃があることで、中間距離以内のレンジでのコンビネーションを駆使する戦いではなく、一発狙い。

そこに殺気と恐怖心が入り混じっていることで、動きはどうしても荒くなるように映った。

そして、一方の選手が下になると──第1回VTJのヒクソン・グレイシー以外の選手が放つ、本能の赴くままの打撃が見られた。

2試合目の重森×倉本は、まさに異種格闘技戦の様相を呈していた。

殴りたい重森、倉本は殴られずにテイクダウンし、抑えつつダメージを与えたい。組みの展開は動きがないと、ブレイクになる。重森陣営は膠着を誘発して打撃の間合いに戻ることを第一の対策とし、スクランブルに持ち込んで立ち上がるだとか、テイクダウンを切って間合いを取り直すという動きは放棄していた。それらの技術の習得には時間が掛り、彼らにとって本分ではない(MMAファイターを本格的に目指すなら、時間を掛ける必要があるが)。勝つためにリングに上がっているのだから、当然だ。

倉本は何度ブレイクが掛かっても、倒して、殴る。最終的には削って、2Rにパウンドアウトで勝利した。RIZINでトップを目指すなら、テイクダウンをしてサッカーボールキックという選択肢もあっただろう。サッカーボールキックは足の甲を痛めそうで避けたいのであれば、踏みつけ。あるいはがぶってニーなど、ブレイクされない攻撃手段は存在する。が、それを時間に追われて畳みかけ続けると自らが体力的に削られ、打撃の間合いで神経も削られることを考えると、一気呵成に攻めるという手段に出られなかったのは分かる。

対戦相手だけでなく、倉本にとっても初めてのルールでの戦いだったのだから。

と同時にトップコントロールした時、もっと有効なパウンドを序盤から落とすことができれば、ブレイクの数も減っていたという見方もできる。

Unlimitedルール最後の試合は、非常にスリリングだった。

栗秋の打撃は蹴りもパンチも相手を倒す、ダメージを与えることができる。

テイクダウン防御は簡単ではないが、寝技ではスクランブルに持ち込むだけでなく、リバーサルを決めるシーンもあった。加えて3Rには全くテイクダウンを警戒していないモタに、ダブルレッグを決めサッカーボールキックを蹴り込む場面まで見られた。

結論をいえば終始モタが組み勝ち、コントロールでもクリアに柔術的なポジションを奪取し続けた。それでもパウンドに心が折れず、栗秋は判定勝負になるまで粘りを見せた。

キックボクサーがUnlimitedをキックとMMAの接点として、MMAファイターへの移行を図るならテイクダウン防御と、倒されても立つという練習を日々、日常的に採り入れる必要があるのは明白だ。

(C)RIZIN FF

その上で短いブレイクを生かして、戦う。

仮に大晦日のカルシャガ・ダウトベック×YA-MANがUnlimitedルールで組まれていたなら、打撃の圧を嫌がったダウトベックはテイクダウンをしてもステイトップはできず、立ち技で削られてYA-MANに敗れることも十分に考えられる。

Unlimitedを生かし、強豪MMAファイターと立ち会う。その間にジムで、テイクダウン防御とスクランブル力をつける。練習はもう、打撃より組み重視だ。それこそが、キックから転向組のベストUnlimited活用方法だろう。

(C)RIZIN FF

一方MMAファイターとすれば、短いブレイクを許さず如何にダメージを与えるのか。

寝技でクラッチをするのではなく、腰、腹など体の軸と一方の手足=先端のコントロールで対戦相手を制する術を学び、余った方の手で力強いパウンドを落とす。そう、これも大晦日で堀口恭司が、ズールーを相手に見せていた抑え&パウンドだ。

スクランブルに長けた相手と戦う機会があれば、金網をより押し込みにくいロープ際の攻防は、組み&パンチ=ダーティーボクシングの技術力アップになるに違いない。クラッチをしないで如何に制することができるのか。ここの技術力アップは、前回触れさせてもらったPROGRESSが絶対的に効果的だ。それ故にMMAでなくとも、UnlimitedとProgressで日本のMMAファイターは強くなれると、定義した次第だ。

Unlimitedに関していえば12月30日の試合出た選手たちがキックやムエタイで、どのような戦いをしているのか理解せずに、このようなことを書くのは失礼にあたるだろう。それでも彼らが、よりMMAを距離とタイミング、つまり間合いを研究した打撃を駆使できていればと素直に思った。その上達こそが、彼らがMMAで成功に近づき、MMAファイターの強化にも通じる。

テイクダウンを考慮した間合い、重心、ステップ。キックでもムエタイでもない。しかし、キックとムエタイの理をMMAに落とし込んだ打撃術が発展する。これこそが、UFCに絶対の価値とした日本人選手の強化策に最大の効果をもたらすに違いない。

テイクダウン防御は完璧でなくてもブレイクが早いルール特性を生かし、組ませない打撃をファイターだけでなく指導者───殴る、蹴るの専門家──が進化させてくれれば、その打撃に対応して組んで倒す、そこからコントロールとダメージをシンクロさせた技術がMMAファイターに不可欠となる。

さらにテイクダウンを切り、倒されても立つことがキックボクサーからMMAファイターを目指す選手たちが磨いていく。倒してサッカーボールキック、組まれて膠着誘発の向う側に──キックボクサーも和製ナックモエも、MMAファイターも強くなれる要素が散りばめられている。それこそが元気さんがMMA界に持ち込んだ、Unlimitedのポテンシャルだ。

もちろんRIZINで勝つためのUnlimited、KNOCK OUTを盛り上げるためのUnlimitedが存在しても良い。ただし、UFCと契約してオクタゴンで勝つことを目指す立ち技選手、MMAファイターは上に挙げたようなUnlimitedの効果的な活用法を見出して欲しい。

改めて書き記すと日本のMMAファイターはProgressとUnlimitedで強くなれる。いやぁ、四半世紀も前にαとΩを考案した佐山さんって、どれだけ天才だったのだろう。

ただし、天才には継続する持続力や理解者がなかった。今の日本の格闘技界は違う。

日本はまだまだ強くなれる。日本の5勝1敗は北米の5勝1敗と同等になれるし、修斗、DEEP、パンクラスのベルトはUFCで戦える力をつけるために意味があるようになる。HEAT、Grachan、Gladiator、NEXUS、TTF Challenge、CROSS X OVER、Breakthrough Combat、Bloom FC、PFC、GFGで戦うことは、頂点に通じる道を切り開く。そんな日本に、まだなれると信じているという言葉を──長すぎた新年の挨拶の締めとさせていただきます。

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【Shooto2025#01】修斗でまさかの揃い踏み。清水俊一&西尾真輔「宇留野道場祭りにします!」(西尾)

【写真】J-MMAの変化が感じられる清水と西尾の修斗同時出場(C)TAKUMI NAKAMURA

19日(日)東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2025#01にて、西尾真輔がエフェヴィガ雄志の持つ環太平洋ライト級王座に挑戦。清水俊一が修斗初参戦で人見礼王と対戦する。
Text Takumi Nakamura

昨年9月にパンクラスから修斗に初参戦し、マックス・ザ・ボディをわずか36秒でKOするというインパクトを残した西尾。試合前からの怪我もあり、11月の環太平洋王座決定戦をキャンセルせざるをえなかったが、今大会で王者エフェヴィガに挑戦する運びとなった。

そして西尾と同門、デビュー20年目&キャリア80戦を越えようという清水は意外にも今回が修斗初参戦。昨年の環太平洋バンタム級王座決定トーナメントではデビュー3戦目にして野瀬翔平をあと一歩まで追い込んだ人見との対戦に臨む。

2025年のプロ修斗開幕戦で揃い踏みとなった宇留野道場の清水&西尾コンビに話を訊いた。


「このタイミングを逃すと修斗には出られない」(清水)

――国内外で様々な大会で戦ってきた清水選手とパンクラスを主戦場にしている西尾選手が修斗のリングで揃い踏みという形になりました。

西尾 同じ日に試合するのも初めてですよね?

清水 そうだと思う。そもそも僕がこだわりなくあちこちの大会に出ているので。

――まず清水選手は修斗初参戦ですがオファーを受けた時は驚きましたか。

清水 もともとは弟(ライダーHIRO)に話があったんですけど、仕事の都合で1月は試合が出来ないということになって、それで僕に「どうですか?」と話が来たんです。ちょうど僕自身、どこからもオファーがなくてスケジュールが空いている状況で、このタイミングを逃すと修斗には出られないなと思って(オファーを)受けさせていただきました。

――清水選手は本当に多くの大会に出ていますが、修斗とは縁がなかったですよね。

清水 実はアマチュア時代にうちの宇留野(修一)とは「アマ修からやって修斗でプロになろう」という話をしていたんです。ちょうどその頃にZSTのアマチュア大会の第1回が行われて、たまたま腕試しで出ることになったら、その試合で勝って、プロの前座=ジェネシスバウトに呼ばれて。で、その大会のメインイベントで所(英男)さんの試合を見て「自分もZSTに出たい!」と思って、ZSTを目指すことになったんです。だからあの時にZSTのアマチュア大会に出ていなかったら修斗に出ていたと思います。

――そういうエピソードがあったのですね。ではこのタイミングで修斗に出ることは不思議な感じもしますか。

清水 本当にありがたいですよね。僕自身3~4年はまともに日本で試合していなくて、半分引退しているようなポジションの選手だと思うので。

――西尾選手もパンクラスを主戦場に戦っていて、昨年9月に初めて修斗に参戦しました。

西尾 あのときはマックス選手の相手が怪我をして代役を探しているなかで、パンクラス経由で僕にオファーが来たんです。そこでマックス選手に勝って、今回こうしてタイトルマッチの話をもらって、みんながみんなベルトに挑戦できるものではないので、すごくありがたい話をもらったなと思います。特に自分はパンクラスで筋肉キャラでやっていて、それを面白がってもらえたのかなと(笑)。

しかも今回は本当に強いエフェヴィガ選手が相手で、交わることはないと思っていたのですが、なんか気になる選手だったので試合はチェックしていたんですよ。そうしたらこうして試合が組まれて、なんか運命的なものを感じます。また前回に続いて快く修斗に送り出してくれたパンクラスにも感謝しています。

――もともとエフェヴィガ選手との対戦は昨年11月に一度計画されていたんですよね。

西尾 実はマックス選手とやる前から怪我があって体調も悪かったんです。試合そのものはすぐ終わったのですが、自分のコンディション的に連戦出来る状況じゃなかったし、タイトルマッチを組んでもらえるならパーフェクトな状態じゃないと失礼だと思い、その時は試合を見送らせてもらいました。

――そういった事情があったのですね。仕切り直しでエフィヴィガ選手との試合が決まって、どんなことを意識して準備しているのですか。

西尾 しっかりチームの皆さんが協力してくれて対策…というか、いつも通り自分の長所を出せるように色々と考えてもらっています。ただ結局最後は気持ちの勝負になると思うし、相手が強いことは分かっています。まだ見せていない武器も隠し持っていると思いますが、自分は深く考えすぎず、自分のいいパフォーマンスを出せるように心がけていますね。

――清水選手は24歳の人見選手との対戦になりました。

清水 とにかく人見選手の印象は“若い”ですね。自分は今年40歳で、20歳でプロデビューしているので、その時の人見選手は4~5歳くらいじゃないですか。そういう選手が大きくなって自分とやるというのは面白いですよね。自分も仲間たちと色々と対策は考えますが、最終的に自分のスタイルをどこまで出せるか。それはデビューしたときから同じなので、今回も変わらずそれで行こうかなと思います。

「マーク・ハント、ヴァンダレイ・シウバ、ミルコ・クロコップ…、自分にとってはあれが格闘技」(西尾)

――西尾選手は”ぶん殴りマッスル”と呼ばれていますが、もともと格闘技は何をやっていたのですか。

西尾 自分は地元が岡山の田舎で、小さい頃から旧K-1やPRIDEをよく見ていて、小学2年生くらいの頃にK-1でマーク・ハント×フランシスコ・フィリオを見て、ハント推しになって格闘技をやってみたくなったんです。でも近くに空手道場しかなかったので、そこに入門しました。

――では空手がバックボーンになるんですね。

西尾 はい。試合には出ていたんですけど、特に強かったわけでもなくて、空手は高校まで続けて、勉強して東京の大学に進学しました。ただ普通の大学生活が物足りなくなってきて、また格闘技をやろうと思って、都内でジムを探したんです。それで幾つかジムを見学したり、体験入会したのですが、格闘技経験どころか運動もやったことがないような人たちばかりで、俺がやりたいのはこれじゃないと思っていて(苦笑)。そうしたら人伝に新宿スポーツセンターでMMAの練習をしている人たちがいると言われて、紹介してもらったのが清水さんたちだったんです。

清水 とりあえず身体ができていたし、格闘技がものすごく好きなのは伝わってきました。当時だったらRIZINを見ている人が多かったのに、話を聞いてみると昔のK-1や初期のPRIDEが好きと言っていて、世代的には少しずれてるじゃないですか。さっきも言っていましたが小学校の頃から格闘技にハマっていたってこと?

西尾 はい。だから周りの友達とは全く話が合わなくて、近所のおじさんたちと格闘技の話をしていました(笑)。

清水 それがファイトスタイルにも影響しているよね。

西尾 そうだと思います。マーク・ハント、ヴァンダレイ・シウバ、ミルコ・クロコップ…ヘビー級でバチバチにいく選手が好きで、自分にとってはあれが格闘技なんですよ。対策を立てて緻密に戦うのもいいことだと思いますが、僕の場合は自分のストロングポイントを出す選手に魅力的を感じるし、それに憧れて格闘技をやっていたら、自然とこうなっていました(笑)。

清水 僕たちとは階級が違うので相手を見て練習してくれますが、それでも体の強さやパンチ力が伝わってくるんです。試合になったら思いっきり全力でいくので、いつも相手が大丈夫かなと思って見ています。

「修斗に出るなら宇野さんとやりたい」(清水)

――今回色々な流れがあって2人で修斗に出ることになりましたが、今年はどのようなことをやっていきたいと考えていますか。

清水 生意気かもしれないですけど、僕はある程度やりたいことをやらせてもらえたので、自分からこういう大会に出たい、誰々と戦いたいというのはあまりないんですね。魅力的な話をいただいたら「ありがとうございます!」という感じでやっています。そのなかでまさか修斗から話が来ると思っていなかったので、本当に嬉しいです。で、せっかく修斗に出るんだったら、修斗でしか出来ないことをやりたいと思っていて。

やっぱり僕の世代で言ったら修斗と言ったら宇野(薫)さんで、修斗に出るなら宇野さんとやりたいんですよね。もともと宇野さんもうちの宇留野が教えていたと聞いていて、僕は体重も宇野さんに合わせるので、宇野さんとやりたいです。もちろん簡単じゃないことは分かっていますが、少しでも夢を持てるんだったら、それだけでもありがたいです。

――西尾選手はいかがでしょうか。

西尾 今は環太平洋のベルトを獲ることに集中しています。僕も決して若くはないので、こうして勢いに乗っている時期にどこまで上にいけるか挑戦していきたいです。

――パンクラス経由で修斗に参戦した形で、またパンクラスのベルトも狙いたいという気持ちもありますか。

西尾 もちろんあります。自分はパンクラスのネオブラッドトーナメントに出て、そこでプロとしての意識が変わりました。パンクラスには感謝しているし、僕はパンクラシストとして誇りもあるので、その誇りを大事にしたまま、偉大な修斗という場に乗り込んでいるという気持ちです。

――それでは最後にファンの皆さんに向けてメッセージをいただけますか。

清水 人見選手は若くてイケイケで、僕のことを倒す気満々だと思いますが、人見選手にやりたいことやらせず、気づいたら僕が手のひらで人見選手を転がしているような試合ができたらなと思っています。あとはやっぱり後輩の西尾がベルトをかけて戦うことになって、タイトルマッチは人生で何回もできるものじゃないと思うんですね。だから全力でやってほしいし、僕は西尾の試合の前にケージを温めておきます。

西尾 いつも世話をしていただいている清水さんと同じ日に試合ができること嬉しいですし、試合に関して自分は思いっきりいくだけなので、今回も思いっきりいきます。僕の清水さんで修斗の後楽園ホールを盛り上げて、その日は宇留野道場祭りにします!

■視聴方法(予定)
12月19日(日)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■Shooto2025#01 対戦カード

<修斗世界フライ級暫定王座決定戦/5分5R>
関口祐冬(日本)
安芸柊斗(日本)

<修斗環太平洋ライト級選手権試合/5分3R>
[王者] エフェヴィガ 雄志(日本)
[挑戦者] 西尾真輔(日本)

<ストロー級/5分3R>
当真佳直(日本)
山上幹臣(日本)

<ストロー級/5分3R>
泰斗(日本)
内藤頌貴(日本)

<バンタム級/5分3R>
人見礼王(日本)
清水俊一(日本)

<インフィニティリーグ2024フライ級/5分2R>
大竹陽(日本)
亮我(日本)

<2024年度新人王Tライト級決勝/5分2R>
シヴァエフ(日本)
手島響(日本)

<2024年度新人王Tストロー級決勝/5分2R>
田口恵大(日本)
知名昴海(日本)

<2024年度新人王Tフェザー級決勝/5分2R>
ヒカル(日本)
歩生(日本)

<2024年度新人王Tフェザー級決勝/5分2R>
シモン・スズキ(日本)
山本壮馬(日本)

<2024年度新人王Tバンタム級決勝/5分2R>
宮口龍鳳(日本)
恵真(日本)

<ウェルター級/5分2R>
西條英成(日本)
ムクロック(日本)

<バンタム級/5分2R>
御前昂史(日本)
菊西拓馬(日本)

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Gladiator NEXUS o キャプテン☆ キャプテン☆アフリカ ジョン・ハングク パンクラス 佐々木信治 修斗

GLADIATOR 029:メインイベント・田中有 vs. 小森真誉

ライト級王座決定戦。

当初はキルクリフFCのデマルケス・ジャクソンが田中と対戦予定だったが、ジャクソンがビザの問題で来日できず、小森が抜擢された。

田中は修斗出身で、キャプテン☆アフリカと環太平洋王座戦で対戦経験あり(1R一本負け)。GLADIATOR初参戦でライト級挑戦者決定戦に勝利すると、昨年3月にジョン・ハングクと暫定王座決定戦で対戦するも、体重オーバーしたハングク相手にカーフスライサーで一本負け(規定によりノーコンテスト)。その後正王者佐々木信治が引退して王座は空位となっている。29歳。

代役で王座戦出場が決まった小森はGLADIATOR初参戦。NEXUSでは9勝3敗、パンクラスでは3勝7敗。本来はフェザー級を主戦場としている選手で、階級を上げての試合となる。33歳。

身長では小森が上回る。間合いを詰める。左ミドル。田中タックルへ。ケージに押し込む。四つでクラッチした小森が外掛けでテイクダウンを狙う。しかし田中がサバ折りでテイクダウン。サイドを取っている。背中を向けて立った小森。スタンドでハーフバックの体勢の田中。ケージを背負って後ろに回らせない小森。またテイクダウンを狙う田中。尻もちを着かせた。ケージを使って立つ小森。田中シングルレッグから軸足を刈ってまた尻もちを着かせる。寝かせた。また背を向けて立つ小森。残り1分。崩してヒザを着かせたところでバックを狙うが、向き直った小森。残り30秒。田中が立つと首相撲からヒジを一発入れたが、田中入れ替えて正対。ゴング。

1R田中。

2R。左ミドルを入れた小森。パンチの連打で出る。ケージを背負った田中。組みに行くと小森がケージに押し込む。入れ替える田中。四つでクラッチして外掛けからテイクダウン。またサイドについている。立ちに行く小森だが、田中ハーフバック。向き直った小森が逆に上になり寝かせに行く。レッグマウントに。ハーフで寝かせた。田中下からキムラを取る。極まる体勢ではないが、小森もクラッチでディフェンスするのみで攻められない。ゴング。

2Rは微妙。

3R。田中タックル。受け止めた小森がケージに押し込むと崩してテイクダウン。背中を向けて立つ田中。小森バッククリンチ。田中はバックを取られた体勢でアームロック狙い。小森前方に潰してグラウンドに持ち込む。ハーフバックから両足フックしバックマウント。小森パウンド!体を伸ばされたまま打たれ続ける田中。レフェリーストップ!

アウェイの小森、初参戦でキャリア初のタイトル獲得。

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【Banana Oil 2025─05─】ProgressとKNOCK OUT Unlimitedで強くなる日本のMMA─01─Progress編

【写真】昨年10月のBreakthrough Combat旗揚げ戦で組まれた中原由貴と中川晧貴、MMAファイター同士のProgress。MMAで強くなれるグラップリングの実戦だ(C)MMAPLANET

「日本人選手の5勝1敗は、米国では2勝1敗」。「修斗、パンクラス、DEEPのタイトルはUFCで戦える力をつけるために、意味はない」。ヘンリー・フーフトの言葉が呪文のように頭から離れない。日本のMMA界は社会構造として、選手が強くなること関して欠陥社会と表現せざるをえない。
Text by Manabu Takashima

ファイターが稼ぐには、強さ以外の要素が余りにも多く──当然のように──求められてしまっている。MMA、いや格闘技界は20年前の不祥事の影響で、未だにナショナル・クライアントが協賛企業となりえない。おかしなもので海外のMMA大会はスポンサードしている日本企業が、国内ではMMAとの距離を置いている。

メディアの変化で、PPVが最大に利益を求めることができる時代が到来したことの影響も受けている。地上波のように広く浅くというジェネラル層が対象でなく、SNS等の認知度を判断理由にスポンサーが集まるようになった。この構造はまさに貧富の格差が明白となるビジネスモデルで、地道に選手を育てるというプロモーションにその富が配分されることが少ない。

そもそも日本のMMA界は、プロレスの力を借り、それが世間に訴える方法論として成立してきたためエンターテイメントと勝負論を別軸に考えている。商売のために──と格闘技としてギリギリセーフ、ばかりか本来はアウトのことをして商売を成り立たせてきた。

UFCのように独占禁止法に触れるかというぐらいの巨大なパワーの持ち主が、Fight Passという媒体を持ち、中継料を支払って人材育成に役立っているのとは、ビジネスの根本が違う。

2020年、世界がコロナ・パンデミックに襲われた際にUFCはコンテンダーシリーズのグローバル化を一気に推し進めた。この際、ダナ・ホワイトが口にした「今、世界中で小規模の大会が立ち行かなくなっていることが本当に気掛かりだ。だから、ファイトパスで契約するスモールショーを増やして経営が成り立つようにしたい。タレントをクリエイトするために資金が必要だから」という言葉は涙が出た。

その資金があれば日本のMMA界が勝負論とエンターテイメントを同じ軸として回すことができるのか否かは別問題だが、とにかく「タレントをクリエイトするための資金」が日本のMMAプロモーションにはないのが実情だ。

強さを軸とするのか、しないのか。前者の姿勢を持ち年間5大会以上を開くプロモーションでは1つだけだと、個人的に理解している。

理想を追い求める分、苦労も多い。選手ファーストとならない現実もある。そうでない方が、選手の待遇が良い面もある。いずれにしても層が薄い中で、タイトルが持ち回りされ、国際戦が少ないのがJ-MMAの実情だ。北米との距離は広がる一方で、世界の頂点を目指すのは業界の力でなく、個人の力、ジムの力に頼らざるを得ない状況がもう20年も続いてきた。

ただ、日本のMMAファイターはMMAでない実戦で強さを磨くことができる。そんな気づきがあったのが、2024年の収穫でもあった。

その実戦とはProgressとUnlimitedという2つのルールだ。ここではUFCに絶対の価値をおくという思考のなかで、2つの戦いの活用法と現状を探ってみたい。


Progressは2021年の秋に長谷川賢が草案し、実行委員会を立ち上げたグラップリング戦だ。Gladiator、HEAT、NEXUS、Bloom FC、そしてProgress実行委員会が主催するBreakthrough Combatで実施されてきた。ケージ使用&ポイント制のグラップリングで、そのポイントの与え方に最大の特徴がある。

テイクダウンに2P、上を取り返すリバーサルとバッククラブにも同様のポイントが与えられる。特筆すべきは下になった者が立ち上がり、正対して離れる──つまりはスクランブルで1Pが挽回できる点にある。

加えてグラウンドではボディクラッチを禁じるなど、米国フォークスタイルレスリングの要素を取りいれ、ブラジリアン柔術ではポイントとならないテッポウ返しやバックで胸を合わせてトップを取る等の上下の入れ替えにも2Pが与えられている。加えて、引き込みは対戦相手に2Pを献上することなる等々、トップ重視のさながら打撃のないMMAというべきポイント方式になっている。

加えて、この柔術とMMAの中間地点といえるProgressではグラップリング界の頂点=ADCC世界大会出場を目指すグラップラーにとっても、後半のポイント無しルールを制するためのレスリング力、スクランブル力を養える要素が含まれており、森戸新士のように同ルールでMMAファイターを極めまくる柔術家も現れた。

柔術家・グラップラー×MMAファイター、柔術家×柔術家、MMAファイター×MMAファイター、レスラー×柔術家などマッチアップによって、試合内容も大きく変わる異種格闘技的感覚を持つProgress。現状、森戸に歯が立たたないMMAファイターたちは如何に寝技に付き合わず、トップでスコアリングして勝てるのかという戦い方をしている。

いうとレスリングだけでなく、北米のMMAファイターと比較すると日本のMMAファイターは柔術的な強さにも大きな課題が残っている。これだけ組み主体のファイターがいても、過去10年で高度に進化したグラップリングの技術に適応できる選手は多くない。

グラップリング技術の向上はレスリング、打撃と同様に日本のMMAファイターが世界で戦うために不可欠だ。ただし、道着ルールやノーギでもサブオンリーでは勝敗を争うという形で鎬を削ることは難しい。テイクダウン&スクランブル重視のProgressルールだからこそ、そこに勝負論が生まれ、実戦でトップ柔術家の技量を体感できる。

理想をいえば、引き込んだ柔術家から距離をとるのではなく、逆に距離を潰す。足を一本抜きハーフで固め続けたり、ケージに押し込み続けることができる技量を身につけたい。

同時にMMAファイター同士のProgressルールでは、打撃のない=ケガのリスクが減った状態で、グラップリングだからこそ可能となるプロモーションの壁を無くした対戦が実現しやすくなる。そこでテイクダウン&スクランブル能力を養い、生きた技術の蓄積も可能となるだろう。

なぜ、米国のレスラーは殴って相手をコントロールできるのか。彼らはボディクラッチ禁止のフォークスタイルで、相手の体の軸を自らの根幹で抑え、枝葉となる四肢のうち片方の腕、両足もしくは片足を制することでコントロールすることに慣れている。つまり片手が自由になるわけだ。

その余った方の手は、フォールや支配するために使われてきたが、MMAでは自由となる方の手で相手を殴ることができる。スクランブル&拳の攻撃は、相手を動かして体力を奪い、ダメージを与えるという点においてMMAで素晴らしく効率的だ。

前述したようにProgressは柔術家、グラップラー、レスラー、MMAファイターの異種格闘技的な面白さを持ち、柔術家の極め感覚を養い、スクランブルの強化にも役立つルールだ。そしてUFCに絶対の価値をおく、そうでなくてもMMAファイターとして強さを追求するうえで、打撃のないMMAという意識を持って戦うことで、テイクダウン&コントロール力の向上が見込まれる。MMAでなくても、実戦で強くなれる。それがProgressルールだ。

同様にKNOCKOUTの山口元気さんが、キックボクサーやムエタイ選手がMMAを目指す上でワン・クッションとなる──そんな位置づけで始めたUnlimitedルールも、MMAファイターは強さを磨くことができる。MMAファイターがユニファイドルールで勝つ、強くなるためのUnlimitedルールの活用法と現状を次回、考察したい。

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45 AB DEEP Gladiator Grachan HEAT MMA MMAPLANET NEXUS o RIZIN Road to UFC SASUKE UFC YouTube パンクラス ヘンリー・フーフト 上久保周哉 中村倫也 丸山数馬 修斗 内田タケル 原口伸 堀内佑馬 宇佐美正パトリック 小崎連 本野美樹 松井斗輝 松嶋こよみ 河名マスト 神田コウヤ 透暉鷹 野瀬翔平 雑賀ヤン坊達也 風間敏臣 鶴屋怜 鹿志村仁之介

【Banana Oil 2025─04─】”UFCを絶対の価値”とした場合、日本のベルトは「意味がない」を受け入れる

【写真】ベルトに意味がない──UFCで戦うために、武器にならないということ。武器になるのは、強さのみ(C)MMAPLANET

日本の現状をMMA界の名伯楽であり、頑強なリーダーシップを誇る──プロフェッショナルMMAファイター集団=キルクリフFCのヘンリー・フーフト総帥が取材中に発した2つのショッキングな言葉を紹介した。UFCを絶対の価値とした場合に、その強さを追求できる状況にない。それが日本のMMA界の現状であり、現実だ。
Text by Manabu Takashima

「日本人選手の5勝1敗は、米国では2勝1敗」

「修斗、パンクラス、DEEPのタイトルはUFCで戦える力をつけるために、意味はない」

前者に関しては、レスリング無き打撃戦の奨励という形が進む日本のMMAに危惧を覚えるものの、技術的に北米及び世界との差は存在しているのだから、厳しい現実でも受け入れやすい。対して、この後者に関しては……反論材料はいかようにも用意できる人が、J-MMA界には揃っているだろう。


UFCに絶対に価値を置きたくても、できない。それでは食えない。それが日本のMMA界だからだ。だからこそ、ここではヘンリーの言葉を受け入れて、日本のプロモーションのタイトル戦線の様子を眺めてみたい。

ヘンリーがいうように修斗、パンクラス、DEEPだけでなくRIZIN以外、日本のMMA王座はさらなる上の舞台を目指すための材料でしかない。強い選手が揃っている。待遇面が良い。そういう場に進むためのチケットだ。現状では上記の老舗プロモーションだけでなくGrachan、HEAT、Gladiator、NEXUSらのベルトは全て、次に進むための通行手形として存在している。

それらのベルトを巻いたファイターはRoad to UFCか、RIZINというネクストターゲットとなる名を挙げる。とはいえ、そのベルトがどれだけ「行きたい先」の評価の対象となっているのだろうか。地方大会のワンオフ、あるいはエクスクルーシブでないRIZINはともかく(だからこそ、待ち状態のファイターの心理は辛いのだが……)UFCは、Road to UFCにしても基本は他の選択肢はない。

2022年のRoad to UFCに出場した日本勢は堀内佑馬、野瀬翔平、風間敏臣、中村倫也、SASUKE、松嶋こよみ、宇佐美正パトリック(計量失敗で欠場)、鹿志村仁之介(ライト級で代替出場)、内田タケル(ワンマッチ出場)の9選手でタイトルホルダーは修斗フェザー級王者のSASUKEだけだった。

2023年の第2回は鶴屋怜、野瀬翔平、上久保周哉、SASUKE、神田コウヤ、丸山数馬、原口伸の8選手で鶴屋がパンクラス、SAUKEが修斗、神田がDEEPのチャンピオン、原口がGrachan王者としてトーナメントに挑んだ。

前回は松井斗輝(計量失敗で欠場)、透暉鷹、野瀬翔平、小崎連、河名マスト、原口伸、本野美樹、雑賀ヤン坊達也(ワンマッチ出場)の8選手中、透暉鷹とヤン坊がパンクラス、河名がGladiator、原口がGrachanと4選手がベルトを巻いていた。

Road to UFCはその出場基準自体があやふやで、他のタイトルホルダーが出場を撥ねられるケースはいくらでも見られる。それでも出場を狙ううえで、選手たちがタイトルを保持したくなるのは十分に理解できる。いうと……絶対ではないkが、Road to UFCへの出場権獲得には効用があるやもしれない。ただし、出場してしまえばあとは実力勝負だ。

3度のトーナメントでUFCと契約した日本人3選手中、ベルトを持っていたのは鶴屋怜1人だけだった。日本の各プロモーションのベルトを持つことで、8人トーナメントを勝ち抜く力を有しているという保証になるのか。それは否、だ。

ベルトとは強さの象徴だが、今や国内の各プロモーションの陣容と国際戦の減少を見ればチャンピオンになったからといってRoad to UFCを勝ち抜ける力がついたことにはならない。”UFCを絶対の価値とする”と、RIZIN以外のベルトは世界に挑戦できるだけ力を持ったことの証明とはならない。

前戦で負けた選手が、タイトル戦に出てくる。前回はノンタイトル戦で白黒がついているのに、ダイレクトリマッチでタイトルが賭けられる。タイトル戦出場選手が欠場となり、下の階級で連敗している選手にいきなりタイトル挑戦権が与えられる。ランキングはタイトル挑戦の優先権で、上がいなくなると必然的に挑戦権は回って来る。特にJ-MMAのフィーダーショー化が明確になった以降、王者がステップアップした場合、王者越えを果たしてベルトを巻く選手は相当に少なくなってきた。王座決定戦と暫定タイトル戦が、スパイラルを描くように組まれ続ける。

そのようなタイトルマッチを実施するために、組まれたタイトル戦に掛けられたベルトが強さの象徴となりうるわけがない。ヘンリーの「ベルトは無意味」という言葉の通りだ。

ヘンリーは実際、日本のMMA界に向けてのみこのように口にしたわけでない。「修斗、パンクラス、DEEPのタイトルはUFCで戦える力をつけるために、意味はない。それは米国のローカルショーでも同じことだ。〇〇〇だけ、その価値がある。それは〇〇〇でベルトを巻けるなら、UFCでも戦えるだけの力があると認められるからだ」と、ベルトでなくUFCで戦えるだけの力を有する経験が必要だと訴えていた。

くどいように書き記している”UFCを絶対の価値とする”ことがない選手にとって、ベルトは違う価値を持つ。経済的に生活が一変することがなく、未来を切り開くことにならなくても手にしたい。ベルトとは、日頃の努力が実を結んだことが目にできる結晶だ。ベルトを巻いて、応援してくれる人たちと喜びを分かち合いたい。最高に素敵なMMAを戦う理由になる。

プロモーションとしてもリスクのあるビジネスを成立させるうえで、タイトル戦が欠かせない要素なら組んで然りだ。

ただし、UFCとの契約を勝ち取るため、UFCで世界の頂点を目指すためにMMAを戦っているのであれば、必要なのは力かベルトか。何が必要なのか。

そこはもう自明の理なのだから、目的達成のために明確なビジョンを持ち、目的と手段を混同しないキャリアアップの青写真を描くのみ。この青写真がないと、限られた時間を無駄に使うことになる。同時にMMAPLANETは、メディアとして──UFCで戦う下準備になる戦い模様を届けていきたいと思っている次第です。

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45 Breakthrough Breakthrough Combat02 MMA MMAPLANET o Progress RIZIN RIZIN46 YouTube アギラン・タニ イ・イサク チェ・スングク チャンネル パンクラス ボクシング 中原由貴 中島太一 北岡悟 古賀優兵 吉野光 城戸泰介 安楽龍馬 川北晏生 森戸新士 椿飛鳥 須藤拓真

【Breakthrough Combat02】Progressで須藤拓真戦、中島太一「フィジカルと柔らかさと運動神経で感覚的」

【写真】流れるような動きに持ち込むことができるのか(C)TAKUMI NAKAMURA

25日(水)に会場非公開&配信大会として開催されるBreakthrough Combat02で、中島太一が須藤拓真とProgressルールで対戦する。
Text by Takumi Nakamura

グラップラー×MMAファイターという対戦軸のProgressルールが並んでいる今大会のなかでも、中島と須藤の一戦は異色対決と言っていいだろう。中島はRIZINを主戦場に戦う元バンタム級キング・オブ・パンクラス。対する須藤はMMAファイターとしても活躍する一方、グラップリングでも数々の実績を残すノーギ日本最強といってもいい存在だ。

グラップリングの実績では大きな差があるマッチアップだが、中島は「おそらく須藤選手は自分が一本を取られるなんて1ミリも思っていないはず。僕は逆にそこにチャンスがあると思っている」とProgressルールでの須藤撃破の青写真を描いている。


須藤選手は自分が一本を取られるなんて1ミリも思ってない

――中島選手がProgressルールでBreakthrough Combat02出場という話を聞いて、意外だったというのが率直な感想でした。グラップリングの試合には以前から興味があったのですか。

「そうですね。ずっとMMAとは別でグラップリングの試合には出たいと思っていました。特にそういう発信もしてなかったし、オファーも来てなかったので、やる機会がなかったんですけど」

――そうだったのですね。

「はい。グラップリングの練習そのものは好きだし、自分の中でグラップリングは得意な方だと思っているので、それを試してみたいなとずっと思っていました。だからチャンスがあればボクシングとかもやってみたいんですよ。自分では自分を全部できるファイターだと思っているので、 グラップリング、ボクシング……個々の専門競技はなんでも一度はやってみたいです」

――試合という部分で言えば4月のRIZIN46でキム・ス―チョルにKO負けしてから試合間隔が空いていて、MMAでの復帰を考えていたと思うのですが、年内はMMAの試合が決まらなかったのでしょうか。

「スーチョル戦後にRIZINで試合が決まりかけたんですけど、それがハマらずに流れてしまって。それでどこかで試合がないかを探していたところ、この試合が決まりました」

――先ほどは自分のグラップリングを試してみたいということでしたが、自分では自分をどのようなグラップラーだと思っていますか。

「フィジカルと柔らかさと運動神経で、感覚的に戦うような、そういうタイプだと思います。対戦相手の須藤選手とは全く逆のスタイルですよね」

――中島選手は練習するうえで自分の感性や感覚を大事にするタイプですか。

「大事にしていますね。だから練習した相手から『珍しい動きするね』って言われたりします。よくYouTubeで色々動画を見るんですけど、ボクシングでもグラップリングでも、こういうのいいなと思ったら、まずはそれを自分のやりやすいように試してみて、それを自分のなかで消化していくという作業を繰り返しています」

――そうやって自分のファイトスタイルを作り上げているんですね。

「だから僕の動きはオリジナルなんです。同じ技の形でも、人によってはやり方が全然違うじゃないですか。じゃあ例えば青木(真也)さんにいい技を教えてもらっても、それをみんながみんな使えるわけじゃない。

あくまでその人のやり方だと思うので、自分で自分のやり方を見つけて、自分のものにしていかないといけない。そこは打撃でもグラップリングでも常に考えながらでもやっています」

――今回の対戦相手は須藤拓真選手で、予測不能なマッチアップになったと思います。最初にオファーを受けた時はどんな心境でしたか。

「はいはいはいはい…って感じです。グラップリングの足関節で言ったら、ナンバーワンの選手じゃないですか。MMAと並行して柔術やグラップリングの試合にも出て結果を出す選手というのは最近では珍しいですよね」

――ずばり須藤選手の足関節にどう対処するかがポイントだと思いますが、どんな対策を練っていますか。

「スパーリングパートナーの方に足関節をたくさん狙ってもらって…という感じでお願いしていますけど、周りに須藤選手レベルの足関節が出来る選手はいないので(苦笑)。だから練習でも対策もそうですし、練習以外でも須藤選手のことを考えて、ずっとイメトレしています」

――お互いに組み技のスタイルを確立しているからこそ、自分の感性をぶつけてみたいですか。

「はい。おそらく須藤選手は自分が一本を取られるなんて1ミリも思ってないと思うんですよ。僕は逆にそこにチャンスがあると思っています。最近はグラップリングで一本を取る技も増えてきたし、そのレパートリーも増えてきたので、それが上手くハマれば一本取れるかなと思っています」

――もしこの試合が柔術や一般的なグラップリングだったら厳しいと思いますが、MMAに近いProgressルールだからこそチャンスがあると思っていますか。

「僕はやりやすいですね。グラップリングにも色んなルールがあるなかで、ProgressルールはMMAファイターが勝ちやすいルールだと思うので、見ている人たちにも面白いと思ってもらえる試合をしたいです」

――中島選手はMMAが本業なので、今回のProgressルール挑戦が今後のMMAにどう活かされると思っていますか。

「須藤戦に向けて練習がハードになっていくし、自然とモチベーションも高くなって、気持ちも試合モードに切り替わります。今は普段の試合前のいい緊張感とモチベーションで練習できているので、それだけでもうプラスだと思います。しかも須藤選手という今までにない対戦相手の対策もしているので、そこでのレベルアップもできるし、すべてが自分のMMAにとってプラスになっていると思います」

――2025年はどんな目標を持って戦っていきたいと思っていますか。

「今年は(MMAを)1試合しかできずに痛い目を見たので(苦笑)もう少し計画的に試合を考えていこうと思います。自分の理想としては年間3試合ぐらいやりたいし、来年もグラップリングやそれ以外の試合のチャンスもあれば挑戦して、コンスタントに試合をしたいです」

――それでは最後に今回の試合で自分のどのような姿を見せたいですか。

「中島太一、グラップリングがこんな強いんだ!というところを見せたいですね。この試合に向けて作り上げているものに自信があるというか。僕もずっとレベルが高い人たちと練習を積み上げてきているので、そう簡単には取られないと思いますし、楽しみにしていてください」


■視聴方法(予定)
12月25日(水)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■Breakthrough Combat02対戦カード

<Progress暫定ウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]森戸新士(日本)
[挑戦者]北岡悟(日本)

<Progressライト級王座決定戦/5分3R>
中原由貴(日本)
安楽龍馬(日本

<バンタム級/5分3R>
吉野光(日本)
川北晏生(日本)

<ミドル級/5分3R>
イ・イサク(韓国)
アギラン・タニ(マレーシア)

<Progress68キロ契約/5分2R>
須藤拓真(日本)
中島太一(日本)

<Progress71キロ契約/5分2R>
城戸泰介(日本)
椿飛鳥(日本)

<フライ級/5分3R>
チェ・スングク(韓国)
古賀優兵(日本)

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45 Eterna Eternal MMA85 Grachan Grachan Herios MMA MMAPLANET o TSUNE UFC YouTube パンクラス ロクク・ダリ ロッド・コスタ 伊藤空也 原口伸 宮内拓海 小田魁斗 小谷 小谷直之 岸本篤史 徳弘拓馬 林RICE陽太 海外 草訳駿介 道端正司 金井一将 長野将大 高橋孝徳

【Grachan Herios】TSUNEの持つ王座に挑戦。豪州Eternal王者・伊藤空也「機械的、圧倒的に勝つ」

【写真】豪州Eternal MMAで王座奪取に成功した伊藤。今回は2冠に向けた一戦でもある(C)TAKUMI NAKAMURA

22日(日)、東京都江東区のTFTホール1000で開催されるGrachan Heriosで、伊藤空也が同バンタム級王者のTSUNEに挑む。
Text by Takumi Nakamura

伊藤は6月に豪州Eternal MMAに参戦し、ロッド・コスタにスプリット判定で勝利してバンタム級王座を獲得。今回のタイトルマッチはGrachan×ErernalMMAの王者対決という一戦にもなった。伊藤が目指すのは2冠王として2025年を迎え、Eternal MMA経由でUFC参戦の切符を掴むこと。そのためにもTSUNE戦では試合内容でも強さを見せることが必要だと語った。


――6.8ETERNAL MMA85でロッド・コスタにスプリット判定で勝利し、同団体のバンタム級王者となっての凱旋試合で、TSUNE選手の持つGrachanバンタム級王座に挑戦する形になりました。

「今年2月にTSUNEさんが手塚(基伸)さんに勝ってチャンピオンになって、その時点で自分とTSUNE選手がやる方向で決まっていて、今年はその前提で話を進めていたんですね。間にEtrnalMMAのタイトルマッチを挟む形になりましたが、TSUNE選手とやるのは分かっていたので、やっとその時が来たなって感じです」

──コスタ戦以降はどんなことを意識して練習してきましたか。

「前回は相手も柔術家だったので、ポジションを取られた時の対処、細かいところを練習していたんですね。だから今回は際の部分で自分がアタックできるぐらいの技、極め、オフェンス部分を意識してやってきました。元々自分は寝技が課題だったので、そこを改善して逆に寝技でも勝負できるぐらい、いろいろと武器やレパートリーを増やせるように、練習で作ってきた感じです」

──コスタ戦はスプリット判定で競り勝った試合で、あの試合で自信がついた部分もありますか。

「あの相手にしのぎ合えたという部分では少し自信がついたし、寝技でもそんなに危ない場面がなかったという部分でも自信がつきました」

──そこから次のステップに進むために必要なことの一つが寝技のアタックだ、と。

「組みの部分はそうですね。今のユニファイドルールはテイクダウンして削るよりも、フィニッシュする・アタックする部分が大事なので、そこを徹底的にやってきた感じです。言い方はあれですけど、相手をいじめてやっつけて、最後はしっかり仕留める。そこはMMAなので打撃以外のところでも自信がつけば、自分の戦力グラフはトータル的に大きくなるし、もっとバランスがいい選手になれると思っています」

──対戦相手のTSUNE選手にはどんな印象を持っていますか。

「ベテラン選手で、僕がプロデビューする時から名前は知っていました。パンクラスではタイトルマッチをやって、パンチが強い印象だったんですけど、その中で意外と一本勝ちも多い。パンチもできてグラウンド、どちらかと言うとディフェンスをしっかりして極めることが出来る、トータル的になんでもできる選手という印象ですね。

──先ほどお話していた今取り組んでいることが試される相手かもしれないですね、

「そうですね。今やっていることを全部出せる、そういう選手ですよね。しかもベテランでチャンピオンだし、胸を借りるつもりで全力でぶつかっていこうと思います」

──そのなかでもきっちりフィニッシュして勝ちたいと思いますか。

「僕は挑戦者側ですけど、海外でベルトを獲って、Eternal MMAのチャンピオンとして戦う試合なので、そう考えたら王者対決ですし、まずは絶対に負けられない。その中でも強さをしっかりと見せつける試合にしたいかなと。フィニッシュするのもそうですし、やっぱり全局面で圧倒して、次のチャンスにつなげるための圧倒的な試合を見せたいと思います。機械的に、しっかりと」

──機械的に、ですか。

「はい。やることをきっちりやるというか、自分に与えられた試合、仕事をきっちりクリアします」

──この試合に勝てばEternal MMAとGrachanの2冠王になります。来年はどんな試合をやっていきたいですか。

「Eternal MMAの防衛戦も来年すぐ決まりそうなので、ここで勝っても気持ちを切らさず、すぐ次の試合に向けて準備したいです。Eternal MMAで防衛を重ねていけば、もっと上のステップにいけると思うので、そこを見据えて試合結果だけじゃなく試合内容でも周囲に評価されるような試合をしたいです」

──Eternal MMAはUFC Fight Passで配信されている大会なので、Eternal MMAで勝ち続けていくことでUFCも見えてくると思います。

「もちろんそこは絶対に目指したいです。今年自分は28歳になったので、30歳までに何か形を作っていきたいと思います。UFCを目指すという意味では来年は勝負の1年になると思います」

――それでは2024年を締める、そして2025年につながる一戦に向けて意気込みを聞かせてください。

「今回の試合は久しぶりの日本での試合だし、勝って当たり前じゃないですけど、勝たなきゃいけないというか、次に向かうためにはここを落とすわけにはいきません。しっかり勝って来年自分の目標、夢に向かってさらに繋がるような試合をします」

■Grachan Herios 視聴方法(予定)
午後14時00分~
GRACHAN放送局
GRACHAN公式YouTubeメンバーシップ

■Grachan Herios 対戦カード
<Grachanバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] TSUNE(日本)
[挑戦者] 伊藤空也(日本)

<Grachanライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 林RICE陽太(日本)
[挑戦者] ロクク・ダリ(コンゴ民主共和国)

<Grachanフライ級暫定王者決定戦/5分3R>
道端正司(日本)
小田魁斗(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
原口伸(日本)
高橋孝徳(日本)

<無差別級/5分2R+ExR>
荒東”怪獣キラー”英貴(日本)
大場慎之助(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
岸本篤史(日本)
大道翔貴(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
小谷直之(日本)
草訳駿介(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
宮内拓海(日本)
小林大介(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
金井一将(日本)
長野将大(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
長谷川卓也(日本)
徳弘拓馬(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
鈴木嵐士(日本)
二之宮徳昭(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
水谷健人(日本)
上田麟(日本)

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o PFL RYO パンクラス

PANCRASE351:メインイベント・平田直樹 vs. 三宅輝砂

フェザー級王座決定戦5分5R。平田1位、三宅3位。

当初は2位のキム・サンウォンと平田で王座決定戦が行われる予定だったが、サンウォンがPFLと契約したために試合を辞退。3位の三宅にタイトル戦のチャンスが巡ってきた。

平田は昨年4月からパンクラスに参戦し、ここまで5連勝中。柔道バックボーンで、組み・押さえ込みの強さが武器。6月にはRyoと次期挑戦者決定戦で対戦。3Rともタックルからバックに回る展開で完勝した。26歳。

三宅は祖根寿麻率いるZOOMER所属。2020年からパンクラスに出場し、2021年のネオブラで優勝。ここまでパンクラス7勝3敗。昨年3月の中田戦では、2R終盤に中田にギロチンで引き込まれ、ラウンド終了時に落ちていたことが判明して一本負けとなったが、そこから3試合連続フィニッシュ勝利している。25歳。

 

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AB o PANCRASE Pancrase350 UFC UFC310 エイドリアン・ヤネス カマル・ウスマン ギャリー ダナ・ホワイト パンクラス フェルナンド マネル・ケイプ

UFC on ESPN63:オッズ/予想と展望

コルビー・ コビントン 3.40
ホアキン・ バックリー 1.34
カブ・ スワンソン 2.36
ビリー・ クアランティロ 1.62
マネル・ケイプ 1.28
ブルーノ・ シウバ 3.85
ビトー・ ペトリーノ 1.32
ダスティン・ ジャコビー 3.50
エイドリアン・ヤネス 2.70
ダニエル・ マルコス 1.49
ナバホ・ スターリン1.14
トゥコ・ トコス 6.00
マイケル・ ジョンソン 1.49
オットマン・ アザイター 2.70
ヨエル・アルバレス 1.24
ドラッカー・ クロース 4.30
ショーン・ ウッドソン 1.60
フェルナンド・ パディーヤ 2.40
マイルズ・ ジョーンズ 3.00
フェリペ・ リマ 1.41
ミランダ・ マーベリック 1.18
ジェイミー・リン・ ホース 5.10
デイビー・ グラント 1.91
ラモン・ タヴェラス 1.91
ジョセフィン・ クヌットソン 1.42
ピエラ・ ロドリゲス 2.95

2024年UFC終戦。以前は年末または年始の年越しに最も近い週末にイベントを開催していたUFCだが、2018年の年末大会を最後に、12月半ば~1月半ばまで1ヶ月近い年末年始休みを挟むことが恒例となっている。

メインのウェルター級トップ対決は、両者ともに、先週のUFC310の防衛戦を王者ベラルが欠場した際に、代役での暫定王座決定戦に名乗りを上げていた選手。バックリーの場合は、すでにイアン・マシャド・ギャリー戦が発表されていた。結局暫定王座戦は組まれなかったが、ノンタイトル戦とはいえ、ラフモノフ vs. ギャリーの無敗対決がUFC310で組まれ、相手がいなくなったバックリーの相手をコビントンが務めるというカードシャッフルが行われた。

暫定王者コビントンは2019年に当時の王者カマル・ウスマンと対戦し敗戦すると、その後は年1試合ペースで、昨年末にはレオン・エドワーズのタイトルに挑戦したが、特に見せ場なく判定負け。ダナ・ホワイトからも「歳をとって遅くなった」と酷評された。ここ2戦勝った相手は、いずれも年上のウッドリーとマスヴィダル。そろそろトップクラスで戦うのは厳しくなってきており、この試合で負けるようだと、タイトル戦線からは大きく外れることになる。

KOアーティストのバックリーは、ウェルター級に落としてから5連勝中。特に前戦は、キャリアで1度しかKO負けのないディフェンスの固いスティーブン・トンプソンを飛び込んでのパンチでKO。ようやくトップ10ランク入りし、今回が初のメインとなる。

加齢とブランクで反応が鈍っているコビントンに、若くスピードのあるバックリーは厳しそう。バックリーKO勝ち。

セミ前にはマネル・ケイプが登場。UFCデビュー年の2021年は4試合したケイプだが、22年・23年は1試合ずつ。今年も7月のムハンマドモカエフ戦と、この試合でようやく2試合目となる。試合消滅が多いが、自身の体重オーバーや怪我によるものもあるので、あまり強く文句は言えない。

2連敗のあと4連勝していたケイプが、今年7月にムハンマドモカエフと対戦した際には、勝った方がタイトルマッチ挑戦か?とも思われていたが、勝ったモカエフがまさかの再契約されずでリリース。ケイプとしては、負けた相手がいなくなったことで、実質負けをなかったことにできるかもと思ったが、しっかり評価が落ちて、下位ランカーとの対戦に。

相手のブルーノ・グスタボ・ダ・シウバは、UFCデビューから3戦は勝ち星がなかったが、そこから4連続フィニッシュ勝利・4連続ボーナス獲得。前戦でランカーのコーディ・ダーデンを破ってランキング入りしたばかり。軽量級ながら打撃が重く、一発で試合の流れを変えられる。ケイプとは手が合いそう。

フライ級は挑戦者候補が不足しているだけに、この試合で勝った方に、次の試合で次期挑戦者決定戦が組まれてもおかしくない。

第1試合開始は15日朝9時から。メインカードは12時から。当日は12時30分からPANCRASE350があるので、それ以降の試合はパンクラスの速報終了後になります。

 

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45 AB Breakthrough DEEP Gladiator Gladiator029 MMA MMAPLANET NavE o ONE Road to UFC UFC YouTube イ・スンチョル オトゴンバートル・ボルドバートル ダギースレン・チャグナードルジ チェ・ドンフン チハヤフル・ヅッキーニョス チャンネル パンクラス パン・ジェヒョク 今井健斗 修斗 南友之輔 吉田開威 宮川日向 山上幹臣 岩倉優輝 松原聖也 桑本征希 森井翼 櫻井雄一郎 水野翔 風我

【Gladiator029】ついにオトゴンバートルが抜擢=今井健斗とフライ級王座決定戦。ヅッキーニョスはライト級へ

【写真】もちろん、結果は当然として勢いとやる気を買う。そんなタイトル戦こそ、今のJ-MMAに必要なのかもしれない (C)MMAPLANET

3日(火)、GLADIATORより年が明けて1月12日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR029でフライ級王座決定戦が組まれることが発表された。
Text Manabu Takashima

既にフェザー級王座決定戦=パン・ジェヒョク×ダギースレン・チャグナードルジと、バンタム級暫定王座決定戦=南友之輔×吉田開威戦に続き、3階級の王座決定戦が組まれることになる。


グラジのフライ級王座はニャムジャルガル・トゥメンデムベレルが昨年3月にNavEを下して新王者になった直後にRoad to UFCと契約して王座を返上。その後、今年の2月からフライ級王座決定トーナメントを開き、準々決勝が消化した時点で2人の生き残り組=チェ・ドンフンとイ・スンチョルという韓国勢がトーナメントを離れた。

前者はRoad to UFCへステップアップ、後者は負傷欠場からストロー級に階級を下げてONE FFと契約を果たした。この間、グラジでは残りの準決勝進出を決めていたNavEとオトゴンバートルの間で王座決定戦を5月大会と7月大会で組もうと動いていたが、ヒザを負傷したNavEが応じることはできなかった。

オトゴンバートルは10月のBreakthrough Combatで風我を倒した際も、グラジのフライ級王座決定戦で戦うことを強く要望していた。しかしながら、NavEがヒザの手術に踏み切ったことで1月出場はなくなり、オトゴンバートルは将来の目標であるRoad to UFC出場に向け、今月12月25日に行われるBreakthrough Combatで某Road to UFCベテランとの対戦を一度は合意していた。

その後、グラジの櫻井雄一郎代表より今井との王座決定戦という打診があり、Breakthrough Combatがオトゴンバートルの意思を尊重しフライ級王座決定戦に挑むことを了承した。

今井はDEEP名古屋大会でキャリアをスタートさせ、パンクラスを経て今年5月にグラジに初参戦。アンダードッグとして見られていた元修斗世界ストロー級王者の山上幹臣戦でTKO勝ちで番狂わせを起こし、7月にはパンクラス大阪大会で松原聖也、10月のグラジで宮川日向を判定で下し、国際戦をアピールしていた。

櫻井代表は「試合結果は当然として、選手達の勢い、やる気を評価し、その想いをぶつけるに相応しい場に抜擢していく」と明言し、今井とオトゴンバートルの王座決定戦が決まった。

テイクダウンからコントール&スクランブル戦を得意とする今井。オトゴンバートルはグラジの2試合では豪快なフィニッシュ勝利を挙げてきたが、風我戦で初めてベースとなるレスリング力の高さを見せていた。風我戦は今井陣営が戦略を練るうえで相当に参考になることは違いない。

MMAイベントにストーリーの展開は欠かせない。同時にMMAは強さが物語を紡ぐ原点にある。そういう意味でも、注目の王座決定戦といえる。

また今回の発表では3回戦でライト級転向のチハヤフル・ヅッキーニョスがTTFC、HEATと韓国勢を連破した岩倉優輝と。ウェルター級で井上敬太が2年4カ月振りのMMA復帰し、森井翼と。そして水野翔が桑本征希と相対するフェザー級戦が組まれることも明らかとなっている。眠れる大器=井上、フェザー級トーナメント出場組が、新たな戦いに歩み出す試合も注目だ。

なお王座決定戦に出場する両者がプレスリリースに寄せたコメントは以下の通りだ。

オトゴンバートル・ボルドバートル
「タイトル戦が決まり、とても嬉しいです。トレーニングはいつも通り行っていて、コンディションも良いです。試合の準備は万端です。対戦相手が誰であっても、私は試合を受ける準備ができています。素晴らしい試合をさせていただけて、GLADIATORに感謝しています」

今井健斗
「GLADIATOR 3戦目にして早速タイトル戦のオファーを頂きありがとうございます。オトゴンバートルとはいつか当たると意識していましたが、思ったより早く機会を頂けて嬉しいです。過去最強の相手ですが、試合当日ベストの自分をぶつけて必ず勝ちます。下馬評をひっくり返してベルトを岐阜に持ち帰るので楽しみにしていて下さい」

■視聴方法(予定)
1月12日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

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