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【Black Combat13】ムン・ギボムとライト級王座初防衛戦、大原樹理「生きていれば必ずチャンスが来る」

【写真】大原は前日計量を70.3キロでクリアした(C)SHOJIRO KAMEIKE

28日(土・現地時間)に韓国はソウルのソンブク区にある高麗大学校(コリョ・テハッキョ)ファジョン体育館(チェユックァン)で開催されるBlack Combat13で、同ライト級王者の大原樹理がムン・ギボムを挑戦者に迎えて初防衛戦に臨む。
Text by Shojiro Kameike

今年9月、イ・ソンハにリベンジを果たすとともにBCライト級王座を獲得した大原。韓国で人気も高まるなか、早くも初防衛戦が決まった。そんな大原が語る、イ・スンハ戦の大逆転勝利とBCの今後について――。


――試合から3カ月が過ぎましたが、改めてBlack CombatCライト級王座獲得おめでとうございます。

インタビューは韓国入り前の23日に(C)SHOJIRO KAMEIKE

「ありがとうございます! いやぁ、あのフィニッシュを誰が予想していましたか? 僕自身が予想していなかったです(笑)」

――アハハハ。フィニッシュの瞬間、大原選手が一番驚いている表情を浮かべていました。ただ、もう一人……イ・ソンハ全く予想していなかったでしょう。

「そうでしょうね。僕としてはケージに押し込まれた時、ニンジャチョークを狙うのは練習でよくやる形なんですよ。ピエロ(イ・ソンハのニックネーム)との試合でも、あの体勢になった時『あれ、ニンジャが入るんじゃない?』と思って試してみたら――練習でやっているとおりの形になったので、しつこく狙い続けました。
その前にカウンターのヒザを3発ぐらい入れていたのも大きかったですね。あのヒザは効いていたと思います。ピエロもヒザを受けたあとは組み方が雑になり、力も入りきっていなくて。だから押し込まれた時に、ニンジャが入りそうだなと感じたんですよ」

――なるほど。イ・ソンハのパンチに対して、大原選手のテンカオがグサリとボディに突き刺さっていました。そのテンカオが効いていたために、イ・ソンハもボディを隠すように頭を下げていたかもしれないですね。

「そういうことだと思います。ケージに押し込んでも雑にシングルレッグで組んで、それに固執していましたし。そのあと僕が捻った時、ピエロは仰向けになって逃げようとしたじゃないですか。初戦は僕がピエロのリーチにビックリしましたけど、今回はピエロが別の立場になったと思うんですよね。ピエロにとっては今までの相手はリーチ差も大きくて、ああやって回転すれば逃げられたでしょう。でも僕はリーチが長いほうだし、彼が仰向けになった時に回転して逃げられなかったのは想定外だったんじゃないですか」

――そうですね。イ・ソンハが仰向けになった時点で、大原選手の腕はほぼ首に回りきっていました。

「あの状態になれば僕も離さないし、絶対に外れない。ただ、タップを取れるという感じではなかったので、このまま首をヘシ折って殺そうと思っていました」

――しかし大原選手が下になってイ・ソンハをガードの中に入れたら、タップしました。

「僕が上になった状態でも、首がバキバキと鳴っていたんです。やっぱり苦しいのか『クフッ、クフッ』という声も聞こえて。このまま足をかけたいけど、相手に逃げられるかもしれない。だけどピエロのほうからスクランブルで僕を下にしてきたので、やっと足をかけることができて極め切りました」

――試合展開としてはフィニッシュまでは相手のペースでした。顔も綺麗で、致命傷を食らっているわけではない。ただ、開始早々はピンチに陥りました。あの場面はピンチだったのか、あるいはBCの試合はピンチになることも多いので、安心していたのか。

「アハハハ、前にもありましたね。だから両方です(笑)。もちろんゴリゴリのピンチでしたよ。最初はピエロも打撃を出してきて『今回は打ち合ってくれるのかな?』と思っていたら、あっさりとテイクダウンされちゃいましたからね。予想外すぎて、相手の戦略に引っかかってしまいました(苦笑)。ただ、とりあえずどんな体勢になろうと極められないようにする。生きていれば必ずチャンスが来ると思っていたので」

――なるほど。その気持ちが最も表れていたのが、1R後のインターバルだったと思います。イ・ソンハとの初戦は気持ちで押されていたということでしたが、今回はしっかりと表情が生きていました。

「確実に1Rは取られた。2R、3Rはどうしようかと考えながら――そうですね。そう言われると確かに今回のほうが、気持ちが楽な面はありました。相手が強いことは分かっている。自分も勝ちたいし、リベンジしたいという気持ちが強くて。そういう挑戦する立場のほうが性に合っているのでしょうね」

――その気持ちが表れたのが、試合のポイントにもなったテンカオだと思います。相手のパンチに対して下がらず、逃げずに、もらう覚悟でヒザを合わせていく。

「ピエロってイメージ的に、勝つ戦い方ではなく負けない戦い方なんですよ。打ち合う気はなく、ある程度は手を伸ばしていて、その中に入ってきたらテイクダウンに行く。そうなると僕のほうがリーチは短いので、中に入らないと当たらない。でも入りすぎると倒されてしまうじゃないですか。

ただ、1Rでピエロのパンチを食らっても、一発で飛ばされることはないと感じました。それなら自分が入るフリをして、相手が来た瞬間だけヒザを合わせようと思ったんです」

――結果、BCのベルトを獲得し、イ・ソンハへのリベンジも果たしました。BCで戦う目標を果たした後はどのように考えていましたか。

「ソレが――ですね。ブラック・コンバットは3回防衛したら、そのベルトをくれるらしいんですよ。『じゃあ、とりあえず3回防衛しよう!』と思いました(笑)」

――初防衛戦の相手はライト級3位のムン・ギボムです。現在ランキング1位がイ・ソンハで、2位がハンターことパク・ジョンホンです。大原選手は1位と2位に勝っているので……。

対戦相手は元AFCフェザー級王者のムン・ギボム。計量は70.1キロでクリアしている

「ジグソー(ムン・ギボム)は皆に認められた挑戦者、というよりはタイミングで選ばれたというか。そもそも僕がランキング上位を焼け野原にしちゃったから仕方ないですよね。まぁ、誰と対戦するにしても相手は死に物狂いで向かってくる。僕も、僕も死に物狂いで戦わないと勝てない。それは変わらないので。ベルトを獲ったことで自信にはなりましたけど、今でも試合前になったら『相手をブチ殺してやる』という気持ちになるのは変わらないし」

――とはいえ、大原選手のほうが完全にBCのレギュラー選手となっています。

「次が7回目の出場ですからね。しかも今年ブラック・コンバットに4回出て、3回がナンバー・シリーズで――韓国人ファイターでも、ナンバー・シリーズに3回出ている選手はいないんですよ(笑)。今年は試合前の撮影も含めて、もう8回も韓国に行っています」

――ムン・ギボムは前回、サッカーボールキックで勝利しています。これはサッカーボールキック対決となるのでしょうか。

「どうなんですかね? 組んで来るんじゃないですか。でも相手にそこまでの組み力があるわけではないし。だからといって僕を相手に打ち合いを挑んでくるとも思えないんですよ」

――なるほど。しかし咄嗟にサッカーボールキックで仕留めることができるというのは、思いきりが良いのでしょうね。

「思いきりは良いです。パンチで倒す時も、思いっきり右のオーバーを振って倒している。一発はありますし、そこは気をつけないといけないですね。結局のところは僕が勝つと思っていますけど、しっかりと足元を見直して、ベルトを日本に持って帰ります!」

■Black Combat13 視聴方法(予定)
12月28日(土・日本時間)
午後2時00分~アンダーカードBlack Combat YouTubeメンバーシップ
午後6時30分~メインカードBlack Combat YouTubeメンバーシップ

■Black Combat13対戦カード

<フェザー級/5分3R>
キム・ミンウ(韓国)
木下カラテ(日本)

<Black Combatミドル級選手権試合/5分3R>
[王者]チェン・ウォンジュン(韓国)
[挑戦者] オ・イルハク(韓国)

<Black Combatライト級選手権試合/5分3R>
[王者]大原樹理(日本)
[挑戦者] ムン・ギボム(韓国)

<Black Combatバンタム級王座決定戦/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
山本聖悟(日本)

<Black Combatフライ級王座決定戦/5分3R>
ユン・ホヨン(韓国)
駒杵崇大(日本)

<ウェルター級/5分3R>
ジン・テホ(韓国)
チェ・ジュンソ(韓国)

<ライト級/5分3R>
パク・オジン(韓国)
ジョン・ハングク(韓国)

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【Black Combat12】リベンジ兼挑戦、大原樹理「どれだけボコボコになっても、ベルトを巻いてしまえば」

【写真】ここまえ積んできたことの自信が感じられた(C)MMAPLANET

28日(土・現地時間)に韓国はソウルのソンブク区にある高麗大学校(コリョ・テハッキョ)ファジョン体育館(チェユックァン)で開催される Black Combat12「The Return of the King」で大原樹理がBlack Combatライト級王者イ・ソンハに挑む。
Text by Manabu Takashima

昨年9月にDEEPで対戦し、自らの持つDEEPライト級のベルトをイ・スンハに奪われた。以来、あれだけDEEP愛に満ちた大原は日本で戦うことなく、Black Combatで戦い続けている。「DEEPERであり、Black Combater」という大原にこの試合に賭ける意気込みと、独特の興行論を展開するBlack Combatでの戦い方を尋ねた。


──いよいよBlack Combatライト級王者イ・ソンハへの挑戦が近づいてきました。同時に以前は毎大会のように感じられた大原選手のDEEP出場が、ついには1年間途絶えました。そこまでイ・ソンハへのリベンジに執念を燃やしてきたということでしょうか。

「前々から言っていますが、僕はDEEPのベルトを持っていかれたじゃないですか。ならDEEPのベルトをもう1回巻くんじゃなくて、向うが持っているBlack Combatのベルトを奪うことがやり返すということだと思うんで。向うのベルトを獲る、それがリベンジですよね」

──この間、DEEPからもオファーもあったかと思うのですが……。

「社長からはDEEPで戦っても構わないけど、韓国で人気がでているのでそれを捨てるのは勿体ないと、快く送り出してもらっています」

──プロとして条件面でも、評価されていると聞きます。

「それはDEEPでチャンピオンからBlack Combatで戦うようになって、DEEPでやってきたことや戦績をしっかりと評価してもらっているからです。なにより韓国のファンが熱い応援をしてくれ、なぜか人気があるんですよね(笑)」

──1月大会を取材させてもらったのですが、全くアウェイではなかったですね。

「僕もビックリしました。YouTubeとかのコメントで、過酷な環境でチャンピオンになったから応援したいという感じなのは読みました。KIBAマーシャルアーツクラブは小さいジムだし、そこで会長と二人三脚でやってきたことがマンガの主人公みたいだって」

──あぁ、逆境を跳ね返して恵まれた環境の相手に勝ってきたと。まさに韓ドラの世界ですね(笑)。

「そういうのが受けるみたいですね。僕もこないだの会見の時に少し韓国語で挨拶をすると、凄い拍手でした。韓国語が聞き取れるようになりたいですね。ファンの人が一生懸命に僕のことを良く言ってくれているみたいだけど、正確には分からないので。そこが分かるともっと楽しいでしょうね。片言でお礼を言うだけで、凄く喜んでくれますしね」

──MMAの会場、特に若いファンが多いBlack Combatの会場ではサッカーや野球で見られた歴史問題からのヘイトのような空気は一切ないですね。

「全くないですね。最初の対抗戦も、アウェイで凄い感じなんだろうなって思っていたのですが、その辺の自分の考えは全く変わりました。最初は飛行機に乗ったりするのは日本で戦うのとは違う感覚でしたが、もう慣れましたね。もともと日本での試合もそうですが、ほぼ減量もないので。それでも何があるか分からないので、早めに落とすようにはしていますが、そこだけで。試合の時に何か違うというのはないですね。一番きついのは寒さで。今回は温かいし、凄く過ごしやすいです」

──ところでBlack Combatって、試合後の寸劇がメチャクチャ長いじゃないですか。次に試合が控えている時とか、分からない言葉でやり取りが続くとウォーミングアップが難しくないでしょうか。

「あれ、最初は長ぇって思っていました。結局どれだけ短い時間で試合が終わっても、1試合で30分から50分掛ります。判定までいくと1時間。勝った選手のインタビュー、負けた選手のインタビュー、そこからお客も呼び入れて……あとブラックさんも出てくる。1試合で約1時間と思っていると、ほぼほぼ間違いないです」

──1試合で1時間……。それはキツイですね。

「早く試合をして、早く終わらせて帰りたいとは思います。でもタイムテーブル通りなんです。ほぼ、その通りで。だから体とか温めやすいです。そのスケジュールも貰えますし。逆に日本でやるときみたいに、これから動かそうかと思っていたら秒殺で終わって『やばい』っていうドタバタはないです。

良い見方をすれば、そういうことはない。だから時間と気持ちの持っていきかたはBlack Combatは楽といえば楽ですかね。早く終わることがないので。ただ長いですよね(笑)」

──押忍。そこまでハッキリとしているなら、割り切れますね。もう韓国での試合も問題ない大原選手ですが、試合内容としては日本で戦っている時と違い、根性勝負のねちっこい展開が増えてきて苦戦をしているのではないかという風にも感じます。

「ちょっとスタイルを変えたこともあるので、その辺りの違いが出ているのかと思います。プレッシャーをかけて戦うということではなくて、もっと上に行くにはということを考えて戦っているので。それで苦戦をしているように見えているのはあるかと思います。

上に行くためには、ただただ殴り合うだけじゃよくねぇなぁって。そうなると、まぁしんどい試合がしたいわけじゃないですけど、そこを覚悟の上で組み立て方から何から変えないといけないというのは思っています」

──それを聞くと4月のパク・ジョンホン戦は、手応えが感じられた試合だったのかと。

「そうですね。死ぬほど、きつかったですけどね(笑)。アレをやってみて、取りあえず4Rでも動けるという発見はありました。そのうえで、あの試合は……やっている最中はドローになるかとは思ったのですが、冷静になって動画を見直すと2Rと3Rは俺が取っとるやないかと」

──接戦は、もう延長にしましょうという空気が感じられます。

「結局、Black Combatの場合はその場の空気なので」

──アハハハ。

「レフェリーの半分以上が、延長が見たいと思えばそうなります。もう、ジャッジの裁定を聞いている時に分かります。あからさまに長い。そしてレフェリーたちが集まって、ワイワイガヤガヤやっている。アレを見ると、延長だなって」

──結果、よりドロドロの延長戦を制しました。

「しんどい試合をした方が勝ちますよね」

──そして掴んだタイトル挑戦兼リベンジマッチ。前回の試合はやはりサイズ差から組まれて、崩された。日本のライト級では、あの大きさの選手はいなかった。そこが大きく影響したのかと。

「体系的には小金(翔)選手ですかね。でも、あの大きさは初めてでした。誰が相手でも、僕の場合はテイクダウンを取らせないことが一番で、同じようにバックを取らせないこと。でも、相手の方が大きくてリーチもあるから、遠目からのアウトボクシングなんてできないですからね。

まぁ、入り込んでいくことになる。テイクダウンは取られないように戦い、取られても立ち上がる。これまでやってきたことを突き詰めた……やり込んだ形で戦います」

──イ・ソンハの形で組まれたくないです。

「ハイ。一発で良いところに入らせなければ、何とかできると思っています。もちろん打撃で殴って終わらせたいですけど、ここまでくると互いに我の押し付け合いなので。殴りにいくけど、良いところは取らせない。打撃を警戒しながらのテイクダウンだと、良いところを取らせない自信は絶対にあります。

まあ倒されたとしても、立てば良い。もちろん、バックは取らせないし。前回みたいに、簡単にやられることはないよ──と言いたいです。テイクダウンを仮に決められることがあったとしても」

──イ・ソンハへのリベンジが第一にあると、これまでの他の試合のための練習でも今言われたようなことが頭にありましたか。

「それを考えていると、目の前の相手に勝てなくなるので、しっかりと考えることはなかったです。ただ前回の相手は、体形も近くて同じタイプのグラップリングはやってくるので、ハンター(パク・ジョンホン)に勝つためにもピエロ(イ・ソンハ)戦のためにもという意識はありました。3割ほど、ピエロを意識していましたね。で、ハンターとの試合が終わってからはメチャクチャ、ピエロのことを考えてやってきました」

──一度、肌を合わせたことがアドバンテージになる?

「前回の試合は、ほぼほぼ自分の力を出せていないと思っています。もうメンタル面もボロボロで、それをいうと言い訳になってしまいますけどね。今回は失うモノもないですし、タイトルマッチを戦うとなるとプレッシャーや、背負うモノはチャンピオンの方が大きいです。そういう意味で、一度戦ったことも踏まえて僕の方がアドバンテージがあるなと思います」

──イ・ソンハがDEEP王座を失ったことに対して、何か想うことはありましたか。

「ぶっちゃけて、あの試合は『どっちも負けてしまえ』と思っていたので」

──アハハハハハ。

「ピエロがDEEPのベルトを持っていようがいまいが、僕がロックオンしているのはピエロが持っているBlack Combatのベルトなので。だから、まぁDEEP王座の行方は関係ないです」

──なるほどです。ここでタイトル奪取となると、その後はDEEP王座も取り戻したいという考えは?

「まずはBlack Combatの王座防衛ですよね。DEEPからオファーがあってタイミングがあえば戦いたいとは思いますけど」

──今やBlack Combatがホームのようですね。

「DEEPを背負ってBlack Combatで戦っているということは絶対にあります」

──では改めて土曜日の王座挑戦に向けて、一言お願いします。

「KO勝ちしたいという気持ちはあります。でも、何よりも勝ちたい。やり返したい。どれだけ泥臭くて、顔がどれだけボコボコになっても、ベルトを巻いてしまえば良い。勝ちは勝ちなので。僕は今も真のDEEPERだと思っています。DEEPERでありながら、Black Combaterでもある。それでも気持ちとしてはDEEPがやられ、その借りを返すためにDEEPを代表して戦っているので、今回は何としてもやり返します」

■視聴方法(予定)
9月28日(土・日本時間)
午後6時30分~メインカードBlack Combat YouTubeメンバーシップ
午後1時30分~アンダーカードBlack Combat YouTubeメンバーシップ

■ Black Combat12対戦カード

<Black Combatライト級選手権試合/5分3R>
[王者]イ・ソンハ(韓国)
[挑戦者] 大原樹理(日本)

<バンタム級/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
パク・ソンジュン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
パン・ソンヒョク(韓国)
チョ・ギュジュン(韓国)

<バンタム級/5分3R>
キム・ドンギュ(韓国)
イム・ジョンミン(韓国)

<ライト級/5分3R>
パウ・オジン(韓国)
ナム・ウィチョル(韓国)

<ライト級/5分3R>
キム・ジョンギュン(韓国)
ジョン・ハングク(韓国)

<ウェルター級/5分3R>
キム・ユル(韓国)
ジン・テホ(韓国)

<フライ級/5分3R>
キム・ソンウン(韓国)
キム・ソンジェ(韓国)

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45 Black Combat Black Combat Rise02 MMA MMAPLANET o パク・ジョンホン ブラック 大原樹理

【Black Combat Rise02】ドロドロの大熱闘、延長戦を制した大原樹理「タイトルマッチ、見たいですよね」

<ライト級/5分3R>
大原樹理(日本)
Def.ExR 3-0:10-9.10-9.10-9
パク・ジョンホン(韓国)

ジャブで詰める大原に対し、パク・ジョンホンが右に回る。パク・ジョンホンのローが急所に当たり、間を置いた大原は右カーフを蹴られて距離を外す。カーフに右を合わせた大原が左ハイ、ガードしたパク・ジョンホンの前進にワンツーを打つ。パク・ジョンホンは左インロー、大原は右ストレートを返す。

前足を蹴るパク・ジョンホンの右フックから空振りとなるが、大原の左ハイに右を伸ばしワンツーからラッシュをかける。ケージを背負ってパンチを受けた大原は、回って中央を取り右ハイを繰り出す。ハイを続ける大原が前蹴り、パク・ジョンホンも前蹴りから左ハイを返し、右オーバーハンドをヒットさせる。ボディも殴ったパク・ジョンホンは、首相撲からの小外刈りへ。大原は倒れなかったが、直後のパク・ジョンホンのヒザが急所を直撃する。

残り56秒で時計が止まり、再開。インロー、アウトローと前足を蹴り続けるパク・ジョンホンだが、大原が右を2度入れる。さらにジャブ、最後の大原のワンツーは空を切った。

2R、左右のハイを交互に、そして連続で繰り出す大原。とパク・ジョンホンがダブルレッグからボディロックでテイクダウン。ロールした大原はバックを取られないように正対しにいく。動きが止まり、即ブレイク──試合がスタンドに戻ると、大原が右ストレートに続き左を打ち込む。前に出るがパンチはクリーンヒットしないパク・ジョンホンに、ハイからエルボーを狙った大原がボディへのコンビを決める。このボディが低かったか、続く蹴りは急所に当たった風でもないが、パク・ジョンホンがブレイクを要求する。足を伸ばして座るパク・ジョンホンが、再開に応じると大原は右ハイから左を伸ばす。

するとパク・ジョンホンがヒザを上げてから、つま先を伸ばす左の蹴り。これが急所に入り、大原がしゃがみこむ。両ヒザをついて苦し気な大原、黒いシートに覆われドクターがチェックする。大原は起き上ることができずに、時間が過ぎる。

5分以上が過ぎ、なんとか大原が立ち上がる。パク・ジョンホンはイエローカードを受け、大原は再び蹴り中心のファイトへ。しかし、左ミドルを受けると、響くのか動きが止まる。ここからテイクダウン狙いに出たパク・ジョンホンがケージにつめて、ダブルレッグでテイクダウンを決める。半身の大原は両足フックされるが、前方に落としつつ腕を取られないように防ぎ時間となった。

最終回、ボディを入れた大原。パク・ジョンホンの左の蹴りに、右を伸ばす。さらにガードの上から右ハイを蹴り、左ボディ、軸足払いのような右ローと大原の手数が圧倒的にパク・ジョンホンを上回る。パク・ジョンホンはローを続け、前に出てもパンチをそれほど打たない。逆に大原は右ボディ、左を入れる。残り3分、パク・ジョンホンはダブルレッグでテイクダウン、スクランブルでバックにつく。

残り半分、胸を合わせた大原のエルボーは空振りに。パク・ジョンホンが右カーフを蹴るも、大原は脳天に縦ヒジを落とし、ワンツーを伸ばす。右ボディストレート、右ハイの大原。パク・ジョンホンは徹底して右カーフだ。奥足にまで右インローを蹴るパク・ジョンホンが、左ボディ。大原は構えを変えるが、両足を蹴られるとダブルレッグからスイッチしたダブルでケージに押し込まれると、最後の最後にボディロックテイクダウンで倒されタイムアップを迎えた。

と、最低はドローで延長ラウンドへ。

パク・ジョンホンのダブルレッグを切ってヒザをボディに入れた大原が、ラッシュをかける。蹴りから右を伸ばした大原、ヒザは空を切る。と、ここでローを蹴った大原がワンツーを入れる。パク・ジョンホンはダブルレッグ&小外刈りでテイクダウン。スクランブルで背中に回る。前方に崩された大原は、バックを取られ両足をフックされる。残り2分40秒、パク・ジョンホンがボディトライアングルを完成させる。

RNC狙いのパク・ジョンホン、腕を組みかえたパク・ジョンホンだが真後ろを取れておらず絞めきれない。胸を合わせた大原は、三角狙いに立ち上がって踏みつける。そして、立ち上がってきたパク・ジョンホンにパンチを纏め、ヒザ蹴りへ。右アッパーに下がったパク・ジョンホン、大原もスタミナが切れかかっており間をおく。ここから距離を詰め、ヒザ蹴り、パンチのコンビ&ヒジ打ちの大原は、パク・ジョンホンのダブルレッグに下になると即三角絞めへ。

絞めよりも、殴らせないよう下から固めた大原は試合終了後にしゃがみこみ、パク・ジョンホンはブラック代表の元に歩いて行った。バックを許したといえでも、終盤の猛攻で大原の負けはまずない──結果、判定勝ちを手にした大原に韓国のファンは立ち上がって拍手を送った。

「まず素直に嬉しい。頑張ってきた甲斐がありました。ハンター選手、普通に強いと思っていたのでこういう試合も予想していました。ハンター選手だからここまでの試合ができたし、偶発的に急所に当たり皆がブーイングをしていたけどわざじゃないし、試合前はあんなに言い合ったけど凄く強いし、凄い格好良いから皆、ハンター選手も凄く称えて欲しい。熱い応援、凄く力になりました。ありがとうございます。まず、もう俺以外いないでしょ。俺以外いないので、タイトルマッチ──ブラックさん、お願いします。俺のタイトルマッチ、ファンの皆さん、見たいですよね。俺がBlack Combatのチャンピオンになるところ見たいですよね。ブラックさん、そういうことでお願いします。KOしたかったけど、メインらしくない試合になってしまったけど……皆さん、応援お願いします」というマイクに、さらに大きな声援が起こった。


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【Black Combat Rise02】大原樹理と対戦、クソ真面目?!パク・ジョンホン「おかしな言動はできないです」

【写真】Black Combatというよりも、「漢とは!!」的なK-MMAファイターにあって珍しいタイプだったパク・ジョンホン(C)MMAPLANET

20日(土)、韓国はオサン市のブラック・アゴラで開催されるBlack Combat Rise02で、大原樹理と対戦するパク・ジョンホン。
Text by Manabu Takashima

1月の大原の敗戦、Road FCのFight100ルール、イ・ソンハが失ったDEEPライト級王座と尋ねるたびに、パク・ジョンホンは丁寧な返答を続けた。イケイケドンドンという雰囲気のあるBlack Combatにあって、異質でもあるパク・ジョンホン──怖い相手かもしれない。


――今週末、大原選手と戦うパク・ジョンホン選手です(※取材は17日に行われた)。まず大原選手が1月にファン・ドユンに喫したTKO負け、ストップが早いと我々も思った次第です。ジョンホン選手はどのように捉えていますか。

「早いかなという気もしますが、一般的にはあの時点でストップがかかっても仕方ないと思います。ただし、大原選手はこれまでにもパンチだけでなく、サッカーボールキックを食らってからも立ち上がって逆転KO勝ちをしているので──少し気の毒なストップでした。もう少し、審判も様子を見て良かったかと思います」

──ともあれ前回負けた大原選手と戦うことに関しては、どのように思っていますか。

「それは大原選手が勝った方が……あのような負け方をしない方が、自分にとっても良かったです。特に大原選手はDEEPでタフな試合をしていただけに」

──大原選手の価値は落ちていないという理解なのでしょうか。

「そうですね、大原選手が勝っていた方が、気持ち的に張りが出たと思います。戦い甲斐がるというか。同時に大原選手は自分にとって、戦う価値のあるファイターです」

──そんなパク・ジョンホン選手ですが、MMAを始めたきっかけを教えてもらえますか。

「高校の時に3年間キックをやっていました。MMAは20歳の時からなので、12年間続けてきたことになります。最初は護身術のつもりで軽い気持ちで習い始めたのですが、いつのまにかずっと続けています」

──MMA歴12年で、7勝3敗。試合数が決して多くなかったのは、何か理由がるのでしょうか。

「それはMMA以外の試合をしてきたからです。キックで16試合、プロ以外のセミプロのMMAを11戦、コンバットサンボも3試合やっています。トータルで考えると40戦になるので、大原選手ほどではないにしても試合経験は少なくはないかと思っています」

──なるほど、です。このところBlack Combatで4試合を戦っていますが、注目団体で戦うことで何か気持ちの変化はありましたか。

「自分はずっと格闘技の指導をして食べてきたので、Black Combatが盛り上がっているからといって、そこではしゃぐようなことはないです。なのでBlack Combatで戦っていても、それ以前と同じようにやっています」

──決して派手ではなくても、ずっとMMA、格闘技を続けていたパク・ジョンホン選手だからこそお伺いしたいのですが、今、Road FCというK-MMA界の老舗でFight100ルールを併用していることをどのように思いますか。

「これまで格闘技に興味のなかった人達の注意を引き、MMAを知ってもらうためには良いことかもしれないですが、あくまでも自分たちがやってきたものはスポーツです。ああいう刺激的なモノだけを求められるようになるのは、あまり良くない面もあると思います。スポーツとして一線を越えないことをやってほしい。そういう想いです」

──押忍。今回の試合は180センチ超同士のライト級戦、これまでと違った対策をしてきましたか。

「当然、自分より背が低くリーチの短い選手との方が戦いやすいです。ただし、今回の試合に向けて特別な準備をしています。彼が戦い難いというプランを立てているので、そこは試合で確認してください。この試合はメンタルの強さをいかに保てるか。お互いにとって、心が折れないで戦うことが一番重要になってきます。」

──では、この試合を経て目指すところは?

「大原選手がランク1位なので、彼に勝ってベルトに挑戦したいと思います」

──あっ、ということは大原選手は負けてもランクが下がらなかったのですね。スミマセン、そんなことも理解せずにインタビューをお願いしてしまって。

「いえ……。大原選手とファン・ドユン選手の戦績の差も考慮したのと、大原選手の怒りようがすさまじかったのでBlack Combatがその怒りを受け止めたのではないでしょうか」

──なるほど(苦笑)。ところでBlack Combatライト級王者のイ・ソンハ選手が、3月にDEEPで江藤公洋選手に敗れDEEPライト級のベルトは失いました。パク・ジョンホン選手にとって、DEEP王座とはどのようなモノなのでしょうか。

「まだ自分はベルトを1つも巻いていないです。今、DEEP王座のことを自分が触れるのは時期尚早だと思います。まずはBlack Combatのベルトを手にしてから、DEEPのことは考えさせてもらいます」

──トラッシュトーク、自己アピール上等のBlack Combatにあってパク・ジョンホン選手は凄く珍しいタイプの選手ですね。

「もっと何か言った方が良かったでしょうか(笑)」

──Black Combatでは日本人選手も、日本とは違うことをやっていることもあるので。凄く新鮮でした(笑)。

「自分が誠実な人間だとは言えないですが、支えてくれる人もいるのでおかしな言動はできないです。ただ、何か仕掛けてきた相手にはしっかりとケージのなかで返事をさせてもらいます」

──では最後に日本のファンに一言お願いします。

「大原選手は尊敬してきた選手です。尊敬している選手だからこそ、負けないようにできる限りの準備をしてきました。ベストを尽くしたいと思います」

■視聴方法(予定)
4月20日(土・日本時間)
午後5時~Black Combat YouTubeメンバーシップ


■Black Combat Rise02 対戦カード

<ライト級/5分3R>
大原樹理(日本)
パク・ジョンホン(韓国)

<ライト級/5分3R>
イ・ファンソン(韓国)
チョ・ユンジュン(韓国)

<フライ級/5分3R>
イ・ソンチョル(韓国)
山本聖悟(日本)

<フェザー級/5分3R>
イ・ミンヒョク(韓国)
イム・ジェユン(韓国)

<無差別契約/5分3R>
キム・ミョンファン(韓国)
稲田将(日本)

<フライ級/5分3R>
ソン・ナクジュン(韓国)
パク・テホ(韓国)

<63.5キロ契約/5分3R>
ジョン・スミン(韓国)
ぽちゃんZ(日

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【Black Combat Rise02】ハンターと仕切り直しの一戦、大原樹理「やっぱりアウェイ。KOで勝つ」

【写真】引き続きBlac Combatで戦う。すでに大原は気持ちを切り替えている(C)SHOJIRO KAMEIKE

20日(土)、韓国はオサン市のブラック・アゴラで開催されるBlack Combat Rise02で、大原樹理がハンターことパク・ジョンホンと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

今年1月、ファン・ドユンに敗れた大原樹理が韓国に乗り込む。前回の試合は「レフェリーストップが早すぎる」と物議を醸し、試合後は大原陣営も「二度とBlack Combatには出たくない」という意思を示していた。その大原がなぜ再び韓国で戦うことになったのか。気になるファン・ドユン戦のレフェリーストップに関する決着は? Black Combat独特のYouTube動画撮影の裏側も明かしてくれた。


――Black Combat(以下、BC)の公式YouTubeチャンネルで、試合に向けた一連の動画を拝見しました。何と言いますか……、大変そうですね。

「あの撮影のために1泊2日で韓国に行ってきたんですよ。羽田空港から朝8時の飛行機に乗って、ソウルに着いてから車で3時間ぐらい移動しました。遠かったです(苦笑)」

――動画の詳細については触れませんが、大原選手だけがストーリーラインに乗らずにド正論をかましていました。

「アハハハ! 我が道を往きました。トラッシュトークがあるから、前回の試合について触れられると思ったんですよ。『お前、前の試合で負けているじゃないか』みたいな。そう言われた時の答えを考えていると、ハンターが感情論ばかり言ってきて。そんな流れに乗っかるより、アイツを悪者にしてやろうと考えました(笑)」

――詳しくは動画を視ていただくとして、収録では台本も一切無いのですね。

「台本が無いどころか、現地に着くまで何をするのかも知らされていなかったです。僕だけじゃなく、他の選手も同じでした。とりあえず韓国に呼ばれた、っていう」

――大変ですね……。ただ、仰ったとおり前回の試合については触れられませんでした。それはストーリーライン上、敗戦については無かったことになるのかと。

「どうなんでしょうね? 撮影時にも誰もイジってこないし、今でもライト級ランキングでは僕が1位で」

――大原選手が1位で、次に対戦するハンターが2位。つまりランキング上位同士が対戦し、その勝者が王者イ・ソンハに挑むという流れなのかもしれません。とはいえ、BCのストーリーラインでは触れられないとしても、MMAファイターとしての戦績には残ります。

「正直、前回のレフェリーストップについては――納得しているかどうかといえば、納得はしていないです。それで戦績にひとつ黒星がついたわけで。でもBC側から『また出てもらいたい』という話をもらった時に、僕からもいくつか条件を出したんですよ。その条件もある程度は呑んでくれました。そうなると自分もウダウダ言っているよりは、黒星をつけられた以上は白星を取り戻しに行くしかないって考えましたね」

――再度オファーがあり、条件もいくつかは呑んでくれた。ということは、BCサイドとしても大原選手に対する評価は高いのでしょう。

「はい、評価はしてくれているんだと思います。それは素直に嬉しいです」

――では改めて前回の試合について振り返っていただきたいと思います。何よりも「早すぎる」と言われたレフェリーストップについて率直な意見を聞かせてください。

「まず相手のパンチを食らってグラついたじゃないですか。あの時は僕が前に出て、相手がパンチを合わせて来るのが見えたんですよ。だから僕は頭を傾けて、カウンターをよけようとしたところに相手のパンチが頭をかすめて。それで脳が揺れてクラッっとしたので、ヤバいなと思って組みつこうとしたんですね。それだけ一連の流れはハッキリと意識がありました。直後に僕が倒れたのは、なぜか割って入ってきたレフェリーに押されたからです。それでレフェリーが『ストップ!』とか言っているから『いやいや、なぜ?』と」

――明らかに大原選手が一発食らった瞬間にレフェリーが走り始めていました。あの展開で大原選手が追撃をもらっている、あるいは背中から倒れて追撃を食らいそうなところでレフェリーが割って入るのは理解できます。しかし、そうではなかった。

「あれで止められるなら、中村大介さんの試合も完全にストップされているはずなんです。だから、正直言って試合後は勘ぐっちゃいましたよ。『俺、やられちゃったのかな?』って」

――個人的な印象を言えば、競技運営陣のミスだったと思います。2022年大晦日に初めて現地でBCを取材した際、YouTubeで展開されるストーリーラインとイベントの完成度の高さは感じました。若いファンを獲得したうえ、今年1月の大会では試合のレベルも格段に上がっている。須田萌里選手の試合メインの対応を見るかぎり、次の課題は競技運営面のレベルアップというところでしょう。

「僕がもう一度BCに出ようと思ったのは、条件を呑んでくれたこともあるけど、そのファンたちの声によるところも大きかったんですよ」

――というと?

「試合直後は本当に『もう二度と出るか!』と思いましたよ。あんなやり方をされたら誰も勝てないし。大会後にまずブラックさん、レフェリー陣、佐伯社長、そして須田さんや自分の陣営も交えて話をしました。さらにオファーとフォローがありましたしね。何より試合映像がアップされたら、ファンの方が『ストップが早すぎる!』『もう出ない、とか言わないでほしい』とコメントを書き込んでくれていたんです」

――おぉっ! 韓国のファンのハートをガッチリ掴んでいますね。

「日本にはファンがいないのに(笑)。僕のSNSにも、韓国のファンの方々がコメントをくれて。僕はこれまでずっと、求められれば試合に出ていた人間ですから。そうやってファンの声があるなら、またBCで戦いたいと思いました」

――今日もDEEPのTシャツを着てインタビューを受けてくれていますが、いずれBCのTシャツに変わるかもしれないと思っておきます。

「いやいや(苦笑)。僕はDEEPで育ってきたので、それはないです!」

――アハハハ。今年3月にイ・ソンハが江藤公洋選手に敗れてDEEPのベルトを失った試合は、どのように見ていましたか。

「どちらかといえば『どっちが勝つかな?』という興味のほうが大きくて。一般のお客さんと同じ目線に近かったです。複雑な心境もありましたよ。自分に勝った相手が負ける姿を見るのも、自分が取られたベルトを他の選手が巻いているのも……。かといってイ・スンハが勝って喜んでいる姿を見るのも悔しいじゃないですか。だから、ぶっちゃけ『どっちも負けちまえよ』という気持ちはありました」

――それがファイターとして当たり前で、素直な気持ちではないですか。

「そうなんですかね。お客さんに近い目線で観ていたとしても、やっぱり両選手に対して『俺のほうが上だからな』と思っていました。その気持ちは失いたくないので」

――江藤選手が巻いたDEEPのベルトを取り戻したいとは考えていないのでしょうか。

「まず今はBCで借りを返したいです。イ・スンハからBCのベルトを奪って、DEEPに帰ってくる。そして、まさかのDEEPとBCのダブルタイトルマッチをもう一度――しかも日本人同士で。佐伯社長、嫌がるかなぁ(笑)」

――それは……なかなかカオスな状況です。

「超面白いじゃないですか。BCもDEEPもグチャグチャにかき回したいですよ。そのほうが観ている人も面白いでしょうし」

――まずはBCで再スタートとなる試合の相手がハンターに決まりました。

「作戦にも関わっちゃうので、あまり深くは言えないけど――ハンターって打撃は打撃、寝技は寝技っていう選手ですよね。MMAとしての繋ぎとか、際の部分がない。だからMMAとしては自分のほうが有利なんじゃないかと思っています」

――大原選手がイ・ファンソンにKO勝ちを収めた大会で、ハンターはチョ・ユンジュン(ミスターサタン)にKO勝ちしています。終始ケージに押し込まれながら、身長差を生かして勝ったという印象です。

「そうなんですよ。だから、それほど身長が変わらない自分に対して同じ試合ができるのかな、って。実際、身長が高いイ・スンハにも負けていますしね(昨年4月、1Rに腕十字で一本負け)。イ・スンハとハンターでは明確な差があると思いますよ」

――なるほど。さらに言えば、大原選手の中でもBCがアウェイという気持ちは薄れているのではないでしょうか。

「それが……去年の11月の試合までは『敵地だから倒さないと勝てない』と思っていました。でもファンの反応もあったから、その気持ちが薄れたまま臨んだのが今年1月の試合で。韓国にも応援してくれる方はいるけど、やっぱりアウェイなんですよ。だから次のハンター戦は100パーセント、アウェイの気持ちで戦います。前回の分を取り返してくることができるよう、しっかりKOで勝ちます!」

■視聴方法(予定)
4月20日(土・日本時間)
午後5時~Black Combat YouTubeメンバーシップ

■Black Combat Rise02 対戦カード

<ライト級/5分3R>
大原樹理(日本)
パク・ジョンホン(韓国)

<ライト級/5分3R>
イ・ファンソン(韓国)
チョ・ユンジュン(韓国)

<フライ級/5分3R>
イ・ソンチョル(韓国)
山本聖悟(日本)

<フェザー級/5分3R>
イ・ミンヒョク(韓国)
イム・ジェユン(韓国)

<無差別契約/5分3R>
キム・ミョンファン(韓国)
稲田将(日本)

<フライ級/5分3R>
ソン・ナクジュン(韓国)
パク・テホ(韓国)

<63.5キロ契約/5分3R>
ジョン・スミン(韓国)
ぽちゃんZ(日本)

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