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【DEEP115】石司晃一とダブルタイトル戦――ユ・スヨン「石司選手の体でキャンバスの拭き掃除をする」

【写真】昨年の大みそかでフェザー級王座を獲得したときのユ・スヨン。下のリモート取材時の彼とは輪郭も違う(C)MMAPLANET

18日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP115 Impact 「DEEP vs BLACK COMBAT」同大会において、マニア垂涎の対戦がDEEP & Black Combatバンタム級選手権試合=石司晃一×ユ・スヨンだ。
Text by Manabu Takashima

誰もが認める実力者、石司と対するユ・スヨンは韓国とカザフスタンでバンタム級からライト級までベルトを巻いている。何より2019年11月の初来日で、その実力の片鱗を見せている。対抗戦、随一の実力者と目されるユ・スヨンをインタビューした。


――まず伺いたいのですが、ユ・スヨン選手のタイトル歴です。Black Combatでは3つの階級でタイトル戦を戦っています。

「去年の6月にキム・ジョンギュン選手を破り、ライト級王座を獲得しました。そして返上して、大晦日にイ・ジンセ選手に勝ってフェザー級王者になりました。そのベルトも返上して、7月にキム・ドンギュ選手とバンタム級王座決定戦を戦ったのですが、その時は試合では肩固めで勝利したのですが、計量に失敗しノーコンテストになっています。

あの試合で取り逃したベルトの王座決定戦として今回は石司選手と戦うと同時に、彼の持つDEEPのベルトに挑戦します。カザフスタンのNAIZA FCバンタム級王者でもあるので、次の試合で4つ目と5つ目のベルトを巻きます」

――説明ありがとうございます。前回、バンタム級王座決定戦で計量失敗。今回は大丈夫ですか。

「全然問題ないです。体重に関しては、しっかり自信があるので今回は問題なくパスします。NAIZAの王座もバンタム級ですし、問題ありません」

――それにしても、もともとバンタム級のユ・スヨン選手がライト級王者だったことが異例中の異例だと思います。

「3階級の王者になることは目標でした。何よりもライト級で戦っても、自分の技術が通じるのかを確かめたくてチャレンジしました。そこでチャンピオンになることができたので、フェザー級王座決定戦は自信をもって戦うことができました」

――ユ選手ご自身では、何級が適正階級だと考えていますか。

「バンタム級が自分にとってベストの階級だと思っています」

――そのバンタム級では2019年11月に韓国柔術界の強豪という触れ込みでパンクラスに来日し、大橋悠一選手を13秒でKOしました。そして翌2020年2月には福島秀和戦が発表されました。

「あの時はずっとパンクラスで戦ってチャンピオンになるつもりでしたが、コロナになって2月の大会が延期になり、そのまま日本に入国するのがハードになってしまいました。あの時期は物凄くコンディションも良くて、自分の強さにも自信を持っていました。ただし、コロナになって試合が遠ざかった期間の練習にさらに力をつけることができたと思っています」

――そんなユ選手ですが、さきほどもパンクラス参戦時の時に柔術界の強豪という触れ込みがあったと触れさせてもらいましたが、もともとなぜMMAを始めたのでしょうか。

「中学の時にブラジリアン柔術を始め、そこから打撃も含めた格闘技に趣味以上に力を入れて取り組んできました。単純に強くなりたくてMMAを始めて、実際に強くなれていると感じていました。アマチュアで戦うようになり、全ての試合で腕十字を極めて勝つこともできたので。

でも自信過剰になり、プロ転向初戦で判定負けをしてしまったんです。あの時はMMAを舐めていました。同時に、あの負けで落ち込んでしまって一度MMAのキャリアを打ち切ったんです」

――悔しくて、より真剣に向き合ったのではなくて……。

「違いました。そこから徴兵で軍に行き、その期間も自分のこれからについて悩みました。その時にMMAに未練が残っていることに気づき、兵役を終えると本格的にMMAをやろうと決心しました」

――だから2014年11月のプロデビューから、2017年6月の2戦目まで2年7カ月ものブランクがあったのですね。

「ハイ。プロ2戦目は初戦と違い、必死で練習をして臨みました。結果、RNCで勝つことができてプロで戦うことに対し、真摯な姿勢を持ちつつ自信を持つこともできるようになり、今まで楽しくMMAファイター人生を歩むことができています」

――兵役に就く前と兵役後も同じジムで練習しているのですか。

「ハイ。今も所属するボン柔術で、ずっと練習しています」

――柔術道場に所属し続けているのですね。

「以前のように毎日というわけにはいかなくなりましたが、それでも週に3度、道着を着た練習も続けています」

――ちなみに帯の色は?

「黒帯の一段です。柔術のトーナメントは今も時々出場しています」

――そうなのですね。昨年の大みそかのフェザー級タイトル戦を取材させた頂いた際も、いわゆるK-MMAの主流ともいえる殴り合いでなく、打撃も駆使しつつしっかりとケージレスリングで勝利した印象でした。

「自分のベースは柔術です。柔術を生かしたMMAを戦いたいという気持ちもあります。MMAのトレンドについていくことも大切ですが、UFCを例にするまでもなく打撃戦は予期しない展開が多く訪れます。レスリングとグラップリングにはラッキーやアンラッキーはないです。試合も実力の通りの結果しかでないです。

そういう組み技に関しては、打撃を始める前から自信があった部分ですし、MMA界を見渡すとチャンピオンはグラップラーが多いです。グラップリングのベースがあって、打撃を使う選手が上に立てる。そこを考えると、自分のスタイルでやっていけると思います」

――押忍。そして今回の石司選手の試合ですが、通好み。MMA好きが注目する一番だと思います。

「ありがとうございます。ただ石司選手の試合映像を見ると、グラップリングがあまり得意でない選手にもギリギリの勝負で勝つことがあります。何より自分のような本物のグラップラーと戦ったことがないはずです。この試合、自分は石司選手の体でキャンバスの拭き掃除するつもりで、トップコントロールし続けます。同時に最近は打撃にも自信がついてきたので、立っても寝ても問題ないです」

――パンクラス継続参戦ならず中東に目がいった時期もありましたし、中央アジアでも戦っています。そのタイミングでBlack Combatが誕生しました。ユ選手のキャリアにとって、Black Combatが誕生したことはどのように役立っていますか。

「海外で戦っていると、どうしても国内での認知度が少なかったです。Black Combatで戦うようになり、自分のことを知ってくれる人が増えました。ファイトマネーにも満足していて、選手として得ることが多い大会です。

Black Combatで戦う以前は、他に仕事を持っていました。それが今ではファイトに専念できています。そこに凄く感謝しています。なので今回のDEEPとの対抗戦でも、自分がしっかりと戦ってBlack Combatをもっと大きくしていきたいです」

――では現状に満足し、海外進出などは考えていないということでしょうか。

「まず国内で一番にならないといけないです。その気持ちがあって、Black Combatで戦ってきました。韓国人選手に負けていては、韓国代表として海外で戦えないです。そうですね……海外のメジャーリーグで戦うためにも、今回の試合は想うところがあります。

アジアのMMAでは日本が一番です。そのなかでDEEPの代表と戦う。この試合に勝てば韓国、アジアを越えて大きな舞台に進むことができます。選手にとって大切でない試合はないですが、今回の試合は、練習中も常に勝利への欲求を感じていました。絶対に勝たないといけないという気持ちが、試合だけでなく練習中も常に持っています。そこが今回の試合と、他の試合の違いかと思います。

お互いの団体を背負ってタイトルを賭けて戦います。日本、韓国、カザフスタンの団体のベルトを巻けば、アジアのバンタム級では自分がナンバーワンです。石司選手は強い相手です。でも、より強いのが自分です。そこを石司選手に教えてあげます」

■視聴方法(予定)
9月18日(日)
午後5時40分~DEEP チャンネル-YouTube、U-NEXT、サムライTV

■ DEEP115対戦カード

<ヘビー級/5分3R>
酒井リョウ(日本)
ヤン・へジュン(韓国)

<DEEP & Black Combatライト級選手権試合/5分3R>
大原樹理(日本)
イ・ソンハ(韓国)

<DEEP & Black Combatバンタム級選手権試合/5分3R>
石司晃一(日本)
ユ・スヨン(韓国)

<DEEP JEWELS & Black Combat女子級アトム級選手権試合/5分3R>
大島沙緒里(日本)
パク・シユン(韓国)

<ミドル級/5分3R>
鈴木槙吾(日本)
チェ・ジュンソ(韓国)

<フェザー級/5分3R>
青井人(日本)
シン・スンミン(韓国)

<フライ級/5分3R>
駒杵嵩大(日本)
キム・ソンウン(韓国)

<バンタム級/5分2R>
力也(日本)
木下尚祐(日本)

<フライ級/5分2R>
杉山廣平(日本)
KENTA(日本)

<ライト級/5分2R>
涌井忍(日本)
倉本大悟(日本)

<フライ級/5分2R>
マサト・ナカムラ(日本)
亀田一鶴(日本)

<アマ68キロ契約/3分2R>
安井飛馬(日本)
菅涼星(日本)

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【DEEP115】Black Combatとの対抗戦、フライ級DEEP代表=駒杵嵩大─01─「まず自分から組んでいく」

【写真】柔道だけで勝てなくなった時、柔道が生きる(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP115 Impact 「DEEP vs BLACK COMBAT」。DEEPとBLACK COMBATの対抗戦で、駒杵嵩大がフライ級代表としてキム・ソンウンと対戦することとなった。
Text by Shojiro Kameike

2019年にNEXUSフライ級王座を獲得した駒杵は、ZSTで1試合行ったあと2021年よりDEEPに参戦する。新天地で2連敗を喫してから、3連勝と盛り返し今回の対抗戦を迎えた。ただ、その間に開催されたDEEPフライ級GPにエントリーしたものの、減量失敗で1回戦は欠場となってしまう。厳しい体験の中で駒杵が見つけ、さらに克服してきた課題とは。


――現在DEEPで3連勝を収めて、今回の対抗戦にフライ級代表として臨みます。ただ、次の試合に関する話の前に訊いておきたいのが……DEEPフライ級トーナメントに関して。トーナメント1回戦は松場貴志選手との対戦が予定されていましたが、駒杵選手は減量失敗で病院に搬送され、欠場となりました。それ以降、盛り上がるトーナメント戦をどのように見ていましたか。

「あのトーナメントで優勝できれば、MMAファイターとして何かしら形にできたと思います。だからこそ欠場になってしまったのは悔しくて。何より、いろんな方にご迷惑をおかけしてしまいました」

――1回戦から決勝までトーナメントの勝敗は予想していたものでしたか。

「正直、本田良介選手が伊藤裕樹選手に勝って、決勝に進んだのは意外でした。本田選手とは僕も一度対戦していて、負けましたけど――跳びヒザ蹴りで逆転KO負けという内容でした。僕は伊藤裕樹選手に注目してGPを視ていたんですよ。伊藤選手と本田選手の試合は『伊藤選手が捌いて勝つのかな』と予想していて。伊藤選手はグラップリングも強いじゃないですか。その伊藤選手に本田選手がグラップリングで勝ちましたよね。

とにかくMMAは柔道と違って、相手との相性という部分も大きいんだなと感じています。分かりやすく言えば、パンチを食らったら負ける。食らわなければ勝てる――という想いが強くなりました」

――本田選手のファイトスタイルは、相手が打撃を出してくる前に潰していくというものでした。柔道ベースの駒杵選手にとっても参考になったわけですね。

「そうなんです。相手のパンチを食らわないように、食らわないようにしながら組むよりも、まず自分から組んで行ったほうが良い。自分の中でもそういう意識が高まっていたなかで、本田選手の試合を視て改めて意識するようになっています」

――DEEPフライ級GP欠場からの復帰戦であった、昨年5月のRYOGA戦は速攻で腕十字を極めました。あの試合は『相手が何かしてくる前に自分から潰していこう』という気持ちが強かったのでしょうか。

「あの試合は少し違いますね。もともと風我選手と対戦する予定で、いろいろ対策を立てていたんです。でも風我選手が怪我で欠場になり、急きょRYOGA選手と試合することが決まったので対策は関係なくなりました。試合ではRYOGA選手から距離を詰めてきて。僕としては組んだら倒せる自信はありましたし、結果的にすぐ極めることができました」

――対して今年3月に風我選手とフルラウンド戦った試合内容はいかがでしたか。

「フィニッシュしたかったけど、まず完封することができました。GPの時から風我選手の評価も上がってきていて、その相手に何もさせずに勝てたので良かったと思います」

――その風我戦から6カ月、試合間隔が空いたのは何か理由があったのでしょうか。

「特に何もないです。体で不調なところもありましたし、技術的にも伸ばしたいところがあって、試合間隔が空いたのも調整期間になって良かったですね。僕は特に打撃に関して課題がありました。距離感や、しっかりと相手の動きを見ることとか――もっともっと丁寧に戦わないといけない。以前からずっと、そう思っていました。でも試合が続くと対策練習をすることが多くなるし、かといって新しいことをいきなり試合で試すことも難しいじゃないですか。

僕としても試合では勝つことを重視しているので、どうしてもグラップリングに重点を置きがちになります。そこで今回は試合間隔を空けさせてもらって、打撃面も含めて伸ばしてきました。そんな時に今回のBLACK COMBATとの対抗戦が、タイミング良く入ってきたような感じですね。僕としては、いつもと同じように日本人選手との試合でも良かったですが、対抗戦という良い話を頂けたなぁと思います」

――打撃面も含めた課題に取り組み始めたのは最近のことですか。

「ずっと課題ではありました。一番やらないといけないと思ったのは、DEEPに参戦して2連敗した時ですね。それまでは柔道時代の貯金で勝っていたような気がします。連敗してから課題に取り組みつつ、試合の準備もしながら――という状態でした。今回は試合間隔を空けて、しっかりと課題に取り組むことができて良かったです」

――駒杵選手は柔道の国際大会で優勝し、全日本強化指定選手になっています。それだけのベースがあれば、MMAという他競技でも柔道時代の貯金で、ある一定のレベルまでは勝ち進むことができますよね。しかし、必ずどこかで壁がやってくる。そういう柔道やレスリング出身のMMA選手が多いのも事実です。

「はい、勝てちゃうんです(苦笑)。MMAを始めた頃にアマチュアの試合を見ていても、レスリングや柔道出身の選手が勝つことのほうが多かったんですよ。打撃の経験が少なくても、ヘッドギアをしているのでパンチを食らっても耐えることができる。プロでも序盤は、相手の打撃がそれほど強くないから勝てる。

そこからワンランク上がると、打撃の壁に阻まれてしまいます。それに気づかせてもらったのは、佐藤将光さんと練習し始めてからです。将光さんと練習していたら、自分のボロしか出てこなくて(笑)。もちろん打撃以外も……全部できないといけない。今の僕の理想は、デメトリウス・ジョンソンです」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
9月18日(日)
午後5時40分~DEEP チャンネル-YouTube、U-NEXT、サムライTV

■ DEEP115対戦カード

<ヘビー級/5分3R>
酒井リョウ(日本)
ヤン・へジュン(韓国)

<DEEP & Black Combatライト級選手権試合/5分3R>
大原樹理(日本)
イ・ソンハ(韓国)

<DEEP & Black Combatバンタム級選手権試合/5分3R>
石司晃一(日本)
ユ・スヨン(韓国)

<DEEP JEWELS & Black Combat女子級アトム級選手権試合/5分3R>
大島沙緒里(日本)
パク・シユン(韓国)

<ミドル級/5分3R>
鈴木槙吾(日本)
チェ・ジュンソ(韓国)

<フェザー級/5分3R>
青井人(日本)
シン・スンミン(韓国)

<フライ級/5分3R>
駒杵嵩大(日本)
キム・ソンウン(韓国)

<バンタム級/5分2R>
力也(日本)
木下尚祐(日本)

<フライ級/5分2R>
杉山廣平(日本)
KENTA(日本)

<ライト級/5分2R>
涌井忍(日本)
倉本大悟(日本)

<フライ級/5分2R>
マサト・ナカムラ(日本)
亀田一鶴(日本)

<アマ68キロ契約/3分2R>
安井飛馬(日本)
菅涼星(日本)

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Black Combat DEEP DEEP JEWELS DEEP115 MMA MMAPLANET o RIZIN ROAD FC イ・ソンハ キム・ソンウン シン・スンミン ソルト パク・シウ パク・シユン パンクラス ホン・イェリン マサト・ナカムラ ユ・スヨン 力也 大原樹理 大島沙緒里 木下尚祐 杉山廣平 海外 石司晃一 酒井リョウ 鈴木槙吾 青井人 駒杵嵩大

【DEEP115】Black Combatとの対抗戦02へ、大島沙緒里─01─「王者として指名された相手と戦います」

【写真】DEEP、BLACK COMBAT、RIZIN──昨年は4試合、今年も3試合目。J-MMAでこれだけコンスタントに試合数が多いチャンピオンは少ない(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP115 Impact 「DEEP vs BLACK COMBAT」。今年2月に続き実現するDEEPと韓国BLACK COMBATの対抗戦のなかで、DEEPミクロ級&DEEP JEWELSアトム級王者の大島沙緒里が、BLACK COMBATアトム級王者のパク・シユンと対戦する。
Text by Manabu Takashima

対抗戦第一弾では、大島はホン・イェリンに一本勝ち。その後、6月にはRIZINでストロー級QOPであるソルトとの王者対決を制し、今回のパク・シユン戦に至っている。そんな大島に、まずMMAでは初となった海外遠征――ホン・イェリン戦とBLACK COMBATについて振り返ってもらった。


――DEEP×BLACK COMBATの対抗戦第2弾として、女子アトム級王者対決を控えています。大島選手は今年2月に開催された対抗戦第一弾にも出場していますが、これまでのDEEPやDEEPJEWELSの試合と対抗戦では何か意識の違いはありますか。

「特に意識は変わらないですね。もちろんDEEPとJEWELSのチャンピオンだという気持ちは持っています。ただ、今はアトム級でも良い選手が多くて、私がDEEPとJEWELSの女子アトム級を背負うという気持ちは薄くなってきています」

――なるほど。国内でも女子アトム級の選手層は濃くなりつつありますね。

「私としては、ただ目の前の試合で勝つこと。その気持ちはDEEPでもJEWELSでも、RIZINに出ても変わらないんですよ」

――確かに大島選手にとっては、DEEPやJEWELSではアトム級やミクロ級には対戦経験のある選手が多いです。さらにRIZINでもパンクラスのストロー級QOPであるソルト選手にも完勝しているだけに、国内ではマッチメイクに困るかもしれません。

「チャンピオンとして、指名された相手と戦います。防衛期限もありますし。と同時に私もファイターとして、これからも上を目指していきたい。じゃあ女子のアトム級で上となったら、何を目指すのか……。モチベーションを失ったとか、そういうことではないです。ただ、いろいろと考えるようにはなりましたね」

――その状況でBLACK COMBATとの対抗戦があり、海外で試合を行うことができたのは、気持ちを切り替えるキッカケにもなったのではないですか。

「そうなんです。MMAでは初めて海外で試合をすることができて、すごく勉強になりました。試合スタイルも日本人と韓国の選手では違いますから。その部分で学ばせてもらったことは大きいです」

――韓国の試合で学んだものとは何だったのでしょうか。

「対戦相手のホン・イェリン選手が引退を賭けて臨んだ試合だったと、試合後に聞いて納得したんですよ。試合はずっと私が攻め続けていても、相手の気持ちが折れなくて。『最後まで諦めたくない』と食らいついてくる感じで――とにかく気持ちの強い選手でした。

あと韓国人選手といえばパク・シウ選手もそうですけど、フィジカルが強いイメージもあります。私はまだ海外勢だと韓国人選手としか試合をしたことがないけど、他の国の選手はどうなんだろうって考えさせられました。あと当日は私もコンディションが悪くて……」

――えっ!? どのような状態だったのでしょうか。

「熱とかはなかったんですけど、とにかく体の動きが悪かったです。もともと私は特に減量も厳しくないので、試合直前まで体を動かしているタイプなんですよ。だから2月も試合の1週間前ぐらいに韓国に入ってから、ずっと体を動かしていて――でも海外で調整する難しさも感じました。試合中も立っているのが辛くて、とにかく打撃を出すことなく組みに行ったんですよ(苦笑)」

――試合前のインタビューで、あれだけ打撃の話をしていたのに(笑)。

「アハハハ。もうコンディションが悪すぎて、自分の中で余裕がなくなっていました。試合前からセコンドにも『スタミナがもたないだろうから、すぐ自分の得意な展開にもっていきます』と言っていて。だから試合が始まってすぐに極めに行ったんですけど、思った以上に相手がタフだし、気持ちも強くて粘られてしまいましたね」

――しかも2Rに相手がリバーサルに成功し、ヒジを連打してきたシーンは驚きました。大島選手のコンディションの問題もあったとは思いますが、ホン・イェリンも気持ちの強さを見せつけたと思います。

「そういう試合展開だったので、3Rに極めたあとマイクを持った時は、フラフラで立っていられないぐらいの状態でした。敵地だと判定になったら、どうなるか分からないじゃないですか。もともと自分としても極めるしか勝つ道はないと思っていて。でもグラウンドに持ち込んだら、すぐに立たされたりしていたので、私の中でも焦りはありましたね。『寝技の時間を全然くれない!』って(笑)」

――現在行われているROAD FCのグローバルトーナメントもそうですが、BLACK COMBATも同じようにブレイクが早い傾向にありましたね。打撃の話でいえば全く出していなかったわけではなく、離れ際にムエタイ式のヒザを打とうとした瞬間は『これのことか!』と思いました。

「えっ! それは全然覚えていないです。本当にフラフラで……。でもその状態で出るというところまで体に染みついているのは嬉しいです。やっぱり私が組みに行く以上、テイクダウンできずに立たれることは想定しないといけないし、離れ際の打撃も重要になってきますよね」

<この項、続く>

■ DEEP115対戦カード

<ライト級/5分3R>
大原樹理(日本)
イ・ソンハ(韓国)

<バンタム級/5分3R>
石司晃一(日本)
ユ・スヨン(韓国)

<女子級アトム級/5分3R>
大島沙緒里(日本)
パク・シユン(韓国)

<ヘビー級/5分3R>
酒井リョウ(日本)
ヤン・へジュン(韓国)

<ミドル級/5分3R>
鈴木槙吾(日本)
チェ・ジュンソ(韓国)

<フェザー級/5分3R>
青井人(日本)
シン・スンミン(韓国)

<フライ級/5分3R>
駒杵嵩大(日本)
キム・ソンウン(韓国)

<フライ級/5分2R>
杉山廣平(日本)
KENTA(日本)

<バンタム級/5分2R>
力也(日本)
木下尚祐(日本)

<フライ級/5分2R>
マサト・ナカムラ(日本)
亀田一鶴(日本)

<ライト級/5分2R>
涌井忍(日本)
倉本大悟(日本)

<アマ68キロ契約/3分2R>
安井飛馬(日本)
菅涼星(日本)

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