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【PFL2022#02】計量終了 工藤諒司が出場するフェザー級=「群雄割拠」by クリス・ウェード

【写真】本計量では1ポンドの差があったが、ラウネーンは本格的にフィジカルを鍛えてきたという(C)MMAPLANET

27日(水・現地時間)、28日(木・同)にテキサス州アーリントンのEスポーツ・スタジアム・アーリントンで開催されるPFL2021#02の計量が行われた。

計量失敗はマイナス1Pと、即プレーオフ進出に黄信号が灯るPFLだけにフェザー級に出場するファイターは、工藤諒司も含め1人も体重オーバーは見られなかった。


その工藤は日の丸の入ったPFLのグレーのショーツを履き、ブレンダン・ラウネーンと視線を逸らさずフェイスオフを終えた。

ラウネーンは「去年と比較して全面的に強化してきたけど、特にフィジカル・コンディショニングの面で専門のコーチをつけたことが一番の違いかと思う。ここまでしっかりとプログラムを組んで、トレーニングしたことはなかった。ベストバージョンのラウネーンを見せることができると思う。自信? 去年はチャンプにスプリットで負けただけだし、自信を持ったまま2022年シーズンを迎えているよ」とインタビューで話した。

コメインは昨年準優勝のクリス・ウェード✖2018年&2019年世界王者ランス・パーマーの一戦。この両者もフェイスオフ後にしっかりと握手し、肩を抱いて別れると「今年は過去最高のシーズンになるだろうね。この環境にも慣れてきたしね。準備はこれまで以上にできている。でも、なんといってもフェザー級は群雄割拠だ。ランスはPFL史上、最も偉大なファイターの1人だ。僕はウェルラウンダーと戦いと思って来たし、準備はできているよ」とウェードがコメントした。

また昨年の初戦でパーマーを破っている元BRAVE CFフェザー級王者のバッバ・ジェンキンスは、カイル・バチニアック戦を明日に控え、「去年の自分の試合映像をチェックして、どこがいけなかったのかを確認してきた。スタミナトレも増やし、栄養面もしっかりとケアしてきたから、去年よりグッドシェイプだ。去年は2度の世界チャンピオンを倒すという最高のスタートを切ったが故に、賞金のことを考えたり、ケージの外に注意が行ってしまった。チャンピオンを倒してもハングリーでいて、しっかりと集中すべきだったんだ。今年はハンブルかつハングリーさを維持したい」と語った。

この他WSOFでバンタム級のタイトルコンテンダーだったシェイモン・モラエスとチャレンジャシリーズでサインしたボストン・サルモンの1戦や、メキシコのクリーンなストライカー=アレハンドロ・フローレス✖ドイツのレスラー=サバ・ボラギ戦が初戦で組まれたフェザー級。粒揃いの選手が揃った同階級で、工藤はどのような結果を残すことができるのか──まず初戦のポイントゲットに期待したい。

■視聴方法(予定)
4月29日(金・日本時間)
午前7時30分~DAZN

■ PFL2022#02計量結果

<ヘビー級/5分3R>
ブルーノ・カッペローザ: 235ポンド(106.59キロ)
スチュアート・オースチン: 245.8ポンド(111.49キロ)

<フェザー級/5分3R>
ランス・パーマー: 145.8ポンド(66.13キロ)
クリス・ウェード: 146ポンド(66.22キロ)

<フェザー級/5分5R>
ブレンダン・ラウネーン: 146ポンド(66.22キロ)
工藤諒司: 145.4ポンド(65.95キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ヒーナン・フェヘイラ: 260.4ポンド(118.11キロ)
ジャマル・ジョーンズ: 237.2ポンド(107.59キロ)

<ヘビー級/5分3R>
デニス・ゴルソフ: 247.4ポンド(112.21キロ)
コディ・グッデール: 253.2ポンド(114.84キロ)

<ヘビー級/5分3R>
アンテ・デリア: 247.2ポンド(112.12キロ)
マテウス・シェッフェウ: 251.6ポンド(114.12キロ)

<フェザー級/5分3R>
バッバ・ジェンキンス: 146ポンド(66.22キロ)
カイル・バチニアック: 144.4ポンド(65.49キロ)

<ヘビー級/5分3R>
アダム・ケレッシュ: 239.6ポンド(108.68キロ)
クリジソン・アブレウ: 249.2ポンド(113.03キロ)

<フェザー級/5分3R>
シェイモン・モラエス: 145.2ポンド(65.86キロ)
ボストン・サルモン: 145.4ポンド(65.95キロ)

<フェザー級/5分3R>
アレハンドロ・フローレス: 146ポンド(66.22キロ)
サバ・ボラギ: 145.4ポンド(65.95キロ)

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【PFL2022#02】世界と戦う日本人(06)工藤諒司─後編─「格闘家として、そういうところに挑戦したい」

【写真】PFLへの挑戦、強さへの欲求という自己満足を満たす最高の機会だ(C)MMAPLANET

28日(木・現地時間)、テキサス州アーリントンのEスポーツ・スタジアム・アーリントンで開催されるPFL2022#02。フェザー級レギュラーシーズンの第1戦でブレンダン・ラウネーンと対戦する工藤諒司インタビュー後編。

北米第3のMMAプロモーションに挑む工藤だが、国内にあってはその注目度は決して高くない。優勝賞金100万ドルに関しても、特に気にすることなくタフな連戦に挑む工藤、その真意にある想いとは。

2022年、春~世界に立ち向かうJ-MMAファイター特集~。第6弾─後編─、工藤諒司の話に耳を傾けたい。

<工藤諒司インタビューPart.01はコチラから>


──第2戦目を頭に入れて戦うのがPFLだと思うのですが、そうなるとケガがつきもののMMAでケガをしないことが大切になってきます。

「そうなんです。4月の次が6月ぐらいで。2カ月のインターバルなので、やはりケガは気を付けないといけないです。ただ自分も今までベストコンディションで戦えた試合がなくて、ケガをしてギリギリで出たり、ケガが癒えないまま戦ってきました。

そのなかでも今回は、本当にケガもなくベストコンディションで来ることがデキています。例え今回の試合でケガをしても、次の試合まで創れるようにはできると思っています」

──プレーオフ出場を目指すうえで、2試合目はこの選手と戦いたいというのはありますか。

「いえ、そこまで考えていないです。次の試合のことしか今は考えていないです」

──ではPFL出場が決まった時、誰か戦ってみたいという選手はいましたか。

「それも特に考えていなかったです(笑)。相手が決まれば、そこに合わせていこうと思っていました」

──ところでTRIBE TOKYO MMAでは長南亮代表がセコンドから離れると宣言したことがあったではないですか。

「ハイ……(苦笑)」

──あの宣言があった時、長南門下の選手はどのような空気になっていたのでしょうか。

「長南さんはかなり落ち込んでいて、精神的なダメージは相当だったと思います。それまで蓄積してきたものが、佑弥君の負けで弾けてしまったというか。本当にダメージがあることは、僕だけでなく誰が見ていた分かったぐらいで……。いつも戦う選手以上に対戦相手のことを研究して、どう戦うのかを腐心されているので。それだけダメージが大きかったんだと思います。

ただ理由とかは直接は聞いていないのですが、凄く戻ってきていました。前向きに考えてくれたようで……。いつも以上に戻ってきてくれました。

僕らも長南さんのあの様子を見た時に、勝って──日ごろ指導してくれている長南さんに恩返しをしたいです。普段から、どれだけ選手のことを考えてくれているのかということに改めて気づかされました。長南さんが傷ついていた時、TRIBEの皆の気持ちが一つになったというか……。勝たないといけないという気持ちを、皆がより強く持つにようになっています。頑張らないといけないです」

──長南さんも一度、気持ちが落ちて、また上がった。ずっと張りつめていると本当にパンクしてしまうので。ここから、またTRIBE勢の盛り返しに期待したいです。ところでPFLで戦う、UFCではなくBellatorでもない。ただし、北米第3位のプロモーションで戦うことに関して、改めてどのような気持ちで工藤選手は臨んでいるのでしょうか。

「修斗で負けて……また頑張ろうと思っていました。ちょっと言い方は悪いですが……そんな時により大きなチャンス、海外で世界を相手に戦える機会が巡ってきました。やっぱり格闘家として、そういうところに挑戦したい。日本だけでなく外に出て挑戦したい。そういう場所で頑張りたいという気持ちですね。

これまで戦ってきたレベルと違うかもしれないですし、どこまで自分の力が通じるのか。それでも緊張は全くしていなくて、ワクワクする気持ちが大きいです。代わるのは相手だけ。他はこれまで通りのつもりで戦います」

──4連勝で100万ドルです。

「そこも考えていないです(笑)。そこまでお金のことは、全然入っていないです」

──ではぜひ決勝戦まで行ってください。そこで勝てば1億3000万円。その時、工藤選手がどのような気持ちでいるかをぜひ聞きたいです(笑)。

「アハハハハ。ハイ、決勝に行けるように頑張ります」

──そんなPFLへの挑戦。MMAファンと口にする人でさえPFLをこれまでチェックしてきているのか。ただし、確実に国内より高いレベルの試合が行われている。そういうところで戦うことに関して、どのような気持ちでいますか。

「そうですね……挑戦したい。今の気持ちでいうと、海外の強い選手と戦って勝つことを目的として、挑戦したいし経験したい。こういう場所で頑張ることを日本の皆に見せることができればとも思います。ジムの石井逸人君が、『工藤さんが道を開いてくれたら、俺もいく』と言っていましたし」

──石井選手には「PFLにはバンタム級はないんです。残念」──と(笑)。

「アハハハ。自分は今回の機会を得ることができました。凄く有難いことだと思っているので、ベストを尽くしてきます」

■視聴方法(予定)
4月29日(金・日本時間)
午前7時00分~DAZN

■ PFL2022#02対戦カード

<ヘビー級/5分3R>
ブルーノ・カッペローザ(ブラジル)
スチュアート・オースチン(英国)

<フェザー級/5分5R>
ブレンダン・ラウネーン(英国)
工藤諒司(日本)

<ヘビー級/5分3R>
アンテ・デリア(クロアチア)
マテウス・シェッフェウ(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
ヒーナン・フェヘイラ(ブラジル)
ジャマル・ジョーンズ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ランス・パーマー(米国)
クリス・ウェード(米国)

<フェザー級/5分3R>
バッバ・ジェンキンス(米国)
カイル・バチニアック(米国)

<ヘビー級/5分3R>
デニス・ゴルソフ(ロシア)
サム・ケイ(トンガ)

<ヘビー級/5分3R>
アダム・レレッシュ(イスラエル)
クリジソン・アブレウ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
シェイモン・モラエス(ブラジル)
ボストン・サルモン(米国)

<フェザー級/5分3R>
アレハンドロ・フローレス(メキシコ)
サバ・ボラギ(ドイツ)

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【PFL2022#02】世界に立ち向かうJ-MMAファイター(06)工藤諒司「前向きになれて嬉しいですね」

【写真】海外、PFLへの挑戦も日々の延長という風で、気負いは感じられない工藤(C)MMAPLANET

28日(木・現地時間)、テキサス州アーリントンのEスポーツ・スタジアム・アーリントンで開催されるPFL2022#02のフェザー級レギュラーシーズン戦で工藤諒司が、ブレンダン・ラウネーンと対戦する。

ONEを目指し、ONE Warrior Seriesで確実な成長を見せていた工藤だが、コロナウィルス感染拡大によりONEウォリアーは活動を停止、ここからステップアップが望めなくなった工藤はRoad to ONE出場を経て、修斗へ。SASUKEと世界フェザー級王座を賭けて戦うも判定負けを喫した工藤にとって、思わぬタイミングでの北米3番目のメジャーPFからオファーがあった。当然、断る理由はない。そして過去に経験したことがない環境で、過去最強の選手たちが待ち受けている。

2022年、春~世界に立ち向かうJ-MMAファイター特集~。第6弾は、PFLに挑む工藤諒司に話を訊いた。


──工藤選手がPFLと契約したという話は長南さんから伺っていたのですが、いつ頃にオファーがあったのでしょうか。

「3カ月ぐらい前ですかね(※取材は4月5日に行われた)。今年になって1月……その後半だったと思います」

──コロナ前にONE Warrior SeriesでONEを目指し、結果を残していました。それがコロナで大会開催がなくなり、修斗の世界王座にターゲットを変更。しかし、SASUKE選手に敗れてベルトを取れなかった。その状況でPFLから声が掛かりました。

「ONEウォリアーがなくなり、修斗でやるしかないと思ってタイトルに挑戦。それも負けて……でも、修斗のベルトをもう1度取りに行こうと気持ちを切り替えて動き始めた時期でした」

──なかなか再起すると決意するまで時間がかかりましたね。

「あの状況からもう1度というのは、なかなかしんどいですし、負けた後は気持ちも落ちていました。だから『もう1回やろう』という気持ちにはなれなかったのも事実です。時間もかかりました。でも、やり直そうと……。修斗で勝ち上がることが大変だということは、自分も良く分かっているつもりでした。それでも海外でやりたいという気持ちがあって──。(石井)逸人や(後藤)丈治も頑張っていますし。自分も負けられないなと思っていました」

──やり直すという判断をするのは大変だったと思いますが、そこでPFLからオファーがあったということですね。

「即答しました、『出ます』って(笑)。こんなチャンスはもうないと思ったので。世界に出ることができる。修斗で一からやり直そうと思っていたのですが、海外でやっていこうと。正直、それまでPFLを注目していたかといえば──そうではなかったです。オファーを受けてから、調べました」

──当然、フェザー級の試合を中心にチェックされたと思いますが、どのような印象を持ちましたか。

「相当ですね(苦笑)。強い選手が揃っていますし、そういうなかであの選手たちと戦っていけると考えると、凄く楽しみです」

──シーズン制のフォーマットで、短時間でフィニッシュするほどレギュラーシーズンで上位フィニッシュができます。しかも、レギュラーシーズンは2試合なのでPFLの組むカードによって有利・不利が出てくるだろうと。

「ハイ、少し特殊ですけど、全てが経験したことがないことなので。新しい……経験ができるかなって考えると、前向きになれて嬉しいですね」

──過去PFLには2018年にライト級で川名雄生選手が出場して勝ち星なし、2019年にヘビー級で石井慧選手が出場し、1勝2敗でプレーオフ進出を逃しています。そういう場で戦うことに、どれだけ自信をもって挑めそうですか。

「やっぱり出し切りたいですね。勝負なのでポンと勝てる時があれば、一発で負けることもあります。そうなると後悔も残るので、全てを出し切って勝ちたいです」

──初戦の相手は昨年ベスト4のブレンダン・ラウネーンが相手です。優勝したモヴィット・ハイブラエフに準決勝でスプリット判定負けでした。ただし、特別な印象に残ったわけでもない。どのような選手だと判断していますか。

「う~ん、まず特徴は背が高くて手が長いです。リーチのある選手で、ジャブも走ります。カーフキックも蹴って来るので、ジャブとカーフキックで自分のペースを掴んで、そこからストレート。あと寝技の対応も上手くて、何でもできる選手だと思います」

──ONEウォリアーでのイ・ミンヒョク戦などパンチを見せて組むだけでなく、組みを見せて殴る。近い位置でも殴ることができていました。相手がアグレッシブに攻めてくるという図式もありましたが、あの時の良さがSASUKE選手との試合はなかなか手が出なかったという印象があります。

「何でも対応できるように……近い距離でも遠い距離でも戦えるように練習しています。ただし次の相手はリーチが長いので、相手の距離で戦って待っていたりするとペースを持っていかれると思います。

なので下を見せたり、中に入って打ったり使い分けが大切になってくるはずです。それこそイ・ミンヒョク戦のような戦い方のように巧く組み合わせていきたいです」

──プレーオフがあるので、得点計算が必要になってきますが、その辺りはどのように考えていますか。

「やはり相手に合わせた戦略が必要で。相手の得意技を警戒しつつ、自分の得意なところをどう出していくか。相手に合わせて、自分の得意なところを使う。そのことを考えていますが、KOを狙い……レフェリーストップとか、そういうイメージでいます。そうやって得点を増やそうと思います」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
4月29日(金・日本時間)
午前6時30分~Official Facebook

■ 対戦カード

<ヘビー級/5分3R>
ブルーノ・カッペローザ(ブラジル)
スチュアート・オースチン(英国)

<フェザー級/5分5R>
ブレンダン・ラウネーン(英国)
工藤諒司(日本)

<ヘビー級/5分3R>
アンテ・デリア(クロアチア)
マテウス・シェッフェウ(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
ヒーナン・フェヘイラ(ブラジル)
ジャマル・ジョーンズ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ランス・パーマー(米国)
クリス・ウェード(米国)

<フェザー級/5分3R>
バッバ・ジェンキンス(米国)
チョ・ソンビン(韓国)

<ヘビー級/5分3R>
デニス・ゴルソフ(ロシア)
サム・ケイ(トンガ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ロブ・ウィキンソン(豪州)
ブルーシ・ソウト(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
アリ・イサエフ(ロシア)
クリジソン・アブレウ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
シェイモン・モラエス(ブラジル)
ボストン・サルモン(米国)

<フェザー級/5分3R>
アレハンドロ・フローレス(メキシコ)
サバ・ボラギ(ドイツ)

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【BRAVE CF58】育成路線も国際戦。ビジネス度外視、キム・テキュンの相手は元UFCロマン・ボガトフに

【写真】キャリア12勝1敗のボガトフ。キム・テキュンは9勝0敗だ(C)BRAVE CF

10日(日・現地時間)、BRAVE CFが30日(土・同)に韓国はインチョンのインチョン・サムサン・ワールド体育館で開催するBRAVE CF58のメインで、同国のエースといえるキム・テキュンがロマン・ボガトフと対戦することが発表されている。

ロシアのウクライナ侵攻に関して、対ロ経済制裁に加わる韓国はロシア側からも非友好国リストに挙げられている。とはいえ欧州、米国、日本と同様に韓国の国際企業の本音もロシアとの関係を維持したいことには変わりない。

そんななかキム・テキュンの相手がロシアのボガトフに決定──The Beast Championshipとの共同開催ながら、BRAVEの本気度が伝わってくるメインだ。


ボガトフはM-1ライト級王者からUFCに進出も、レオ・サントス戦でグラウンドでの頭部へのヒザ蹴りで2Pのマイナスを含め、アイポークなど反則もあり1度の判定負けでリリースされ、BRAVE CFを新天地に選んだ。

BRAVE CFでは昨年1月に11勝1敗(※当時)のナルザン・アキシェフ戦では初回にバッククラブからRNCを取られかけるピンチをしのぎ、テイクダウン&コントロールで逆転勝ちを収めた。第2戦は6月のアブドゥルムタリプ・ギエルベコフ戦。バーレーンのKHK MMA所属のダゲスタン人ファイターを相手に、初回に打撃に圧倒され2Rもスピニングバックフィストでダウンを喫しながら、判定勝ちを収め現時点で2連勝中だ。

キム・テキュンもアキシェフ戦で初回にフックを被弾してダウンを奪われており、そこからの逆転勝ちしているだけに実力は伯仲しているか。いずれにせよ、キム・テキュンはいかにテイクダウン狙いを切り続けることができるか。

今時珍しく、ブレイクが余り入らないBRAVE CF方式のレフェリングが韓国でも見られるのであれば、勝負の鍵はその一点に集約されるといっても過言でない。

そんなキム・テキュン✖ボガトフのフェザー級戦は、バッバ・ジェンキンスの返上したベルトを巡り、年内には対戦もあり得ると見られていた。その両者が、タイトルを賭けることなくインチョンで相対する──望外な一戦ともいえる。

実のところBRAVE CFではキム・テキュンの対戦相手に日本人ファイターとも交渉していたが、複数回マルチイヤー契約がまとまらず今回は実現しなかった。BRAVE CFに必要なのはBRAVE CF内におけるストーリー創りで、王者がUFCへ──というフィーダーショー的な参戦を求めてない。それだけに日本人ファイターの参戦は実現しなかったが、キム・テキュン✖ボガトフは彼らのポリシーに則したマッチアップといえる。

この他、韓国から出場がアナウンスされていた4選手のカードも明らかとなっている。元Road FCミドル級王者のラ・インジェは南アフリカのミズワディレ・ハロンワと戦う。

2020年11月のドミニク・ショーバー戦以来、1年5カ月振りの実戦復帰となるハロンワはキャリア6勝1敗、唯一敗北を喫した相手は現UFCのカムザット・チマエフだ。チマエフのテイクダウン&コントロールに屈したが、ハロンワはワンツーからスピニングバックフィストでのKO勝ちもあるアグレッシブなストライカーだ。

スピニングバックフィストで勝利した際には、回転弾を受けた相手の意識が跳び、足がふらつく状態から倒れるまでの1秒もない間に2発、3発と追撃のパンチを入れている。勝負時を逃さないハロンワ、その殺傷能力の高さはラ・インジェにとっても非常に怖い相手となるだろう。

大ベテラン=イム・ジュンスは、同じ韓国からヘビー級の新鋭キム・ミョンワンと戦う。39歳、26戦目のイム・ジュンスに対し、キム・ミョンワンは24歳で戦績4勝1敗と、世代交代マッチの様相を呈している。

昨年6月にDouble GFCで女子アトム級王座決定戦に出場したホン・イェリンは、バリ在住のシンガポール人ファイター=、ジリアン・ゴーと戦う。この対戦も一度は日本の老舗プロモーションでベルトを巻いていたベテラン人選手に声が掛けられたが、経験値が違うという理由で見送りに。経験の差が論じられるのはK-MMAの慣わしとは考えにくく、BRAVE CF本体の意向と思われる。

「ネームバリュー、戦績は問わない。BRAVE CFが育てる」と言うモハメド・シャヒドBRAVE CFの方針に則したケースでは、キャリア3勝0敗1分のチョン・ヨンスが、サウジアラビア人ファイターで4勝0敗のアブドゥラ・アルクァフタニと戦うフェザー級マッチ。そしてロ2戦目のチャン・ユンソンの2勝0敗のフランス人選手アクセル・ソラと戦う(※ソラはIMMAFなどアマで19勝5敗のキャリアがある)77キロ契約戦、この2試合などは育成路線と捉えることができる。

この他、既報の通りマルチン・バンデル✖ルイス・フィリッピ・ディアズ、ミハイル・コートルツァ✖マチェク・ギエルシェウスキ、ロランド・ディ✖オ・テホクが組まれるBRAVE CFにとって初の韓国大会。

タイトルを巡る戦い、育成路線ともに国際戦が組まれており──いかにもーレーン王国が司るMMAイベント、ビジネス度外視、新しいMMAワールドの構築を目指す戦い模様が繰り広げられそうだ。

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【PFL2022#02】世界へのチャレンジ。工藤諒司がフェザー級に参戦、昨年ベスト4=ラウネーンと対戦

【写真】特に大きく見る必要はない。十分に勝てる相手だ(C)PFL

29日(火・現地時間)、PFLが4月28日(木・現地時間)にテキサス州アーリントンのEスポーツ・スタジアム・アーリントンで開幕するPFL2022年シーズン第2週のラインナップを発表し日本から工藤諒司の出場が明らかになっている。

2018年ライト級の川名雄生、2019年ヘビー級の石井慧(※クロアチア国籍)に続き、ついに3人目の日本人選手のPFLチャレンジが正式発表された。


クリス・ウェード(C)PFL

工藤が出場するフェザー級2022年シーズンは、PFLの発表によると前年王者モヴィット・ハイブラエフが負傷で出場を見送ることになっており、そのなかで昨年ベスト4のブレンダン・ラウネーンと対戦することになった。

バッバ・ジェンキンス(C)PFL

しかも、この試合は2021年シーズンの準優勝者クリス・ウェード✖過去2度の世界王者ランス・パーマーや、そのウェードに敗れ&パーマーに勝利したバッバ・ジェンキンスとチェ・ソンビンというカードをプレリミに追いやり、メインカードで組まれた唯一のフェザー級戦だ。

アレハンドロ・フローレス(C)PFL

それ以外のメイン3試合はヘビー級ということになるが、やはり日本のファンが楽しみなのは工藤の出場するフェザー級だ。

上記に挙げた3試合以外にもチャレンジャーシリーズで契約を勝ち取ったボストン・サルモン✖シェイモン・モラエス、メキシコ国内ナンバーワンの評価受けるアレハンドロ・フローレス✖ドイツのレスラー=サバ・ボラギと5試合揃って興味深い顔合わせとなっている。

工藤は修斗からONEを目指し、ONE Warrior Series出場もコロナ・パンデミックより大会が休止に。日本人選手が数多く契約下にある状況でONE本戦との契約もままならなかった。そのなかで古巣・修斗でフェザー級王座を狙ったが、SASUKEに惜敗して王座を巻くことができなかった。

PFLフェザー級に関してはそのSASUKEやONEを離れることを明言していた時期の松嶋こよみにオファーがあったという話も伝わっているが、両者はサインせず工藤が日本人枠に収まった。

UFCではない。Bellatorでもない。ただし、PFLへの挑戦はまさにワールドステージ、国内にいては戦うことができないファイター達と肌を合わせることができる。とはいえ、10人中8人がプレーオフに進める中、僅か2人の脱落者になる可能性も決して低くない──そんな茨の道が工藤を待ち受けている。

ラウネーンは前述した通り、昨年のベスト4。準決勝で優勝したハイブラエフにスプリット判定負けしたが、レギュラーシーズンではWSOF時代にはバンタム級世界王座挑戦経験のあるシェイモン・モラエスとテイラー・ダイヤモンドを下し、ポイントを9点獲得し1位通過を果たしているファイターだ。

つまり、工藤はラウネーンに勝利すると一気に生き残る確率も高くなる。と同時に2019年までのレギュラーシーズン3戦から2試合になっている現状では、トーナメント戦以上に対戦相手が誰になるのかが重要なファクターになるのが事実だ。

昨年の上位者、そして今年から出場する選手、初戦で勝った選手、負けた選手。工藤の相手を選択するのはPFL──団体側の匙加減に掛かって来る。今や日本のMMA界の多くは世界を見ていない。その市場もないなかで、国内でYouTube以外の中継媒体ができるようなことがあれば、工藤のプレーオフの大きな追い風になるが──果たして。

無論、そのような追い風がなくとも工藤は個の力で勝ち上がらなくてはならない。組むための打撃から、組みがあることで効かせることができる打を持つようになった工藤。キャリア5年目、ここまでの集大成といえるチャレンジが始まる。

■視聴方法(予定)
4月29日(金・日本時間)
午前6時30分~Official Facebook

■ PFL2022#02対戦カード

<ヘビー級/5分3R>
ブルーノ・カッペローザ(ブラジル)
スチュアート・オースチン(英国)

<フェザー級/5分5R>
ブレンダン・ラウネーン(英国)
工藤諒司(日本)

<ヘビー級/5分3R>
アンテ・デリア(クロアチア)
マテウス・シェッフェウ(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
ヒーナン・フェヘイラ(ブラジル)
ジャマル・ジョーンズ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ランス・パーマー(米国)
クリス・ウェード(米国)

<フェザー級/5分3R>
バッバ・ジェンキンス(米国)
チョ・ソンビン(韓国)

<ヘビー級/5分3R>
デニス・ゴルソフ(ロシア)
サム・ケイ(トンガ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ロブ・ウィキンソン(豪州)
ブルーシ・ソウト(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
アリ・イサエフ(ロシア)
クリジソン・アブレウ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
シェイモン・モラエス(ブラジル)
ボストン・サルモン(米国)

<フェザー級/5分3R>
アレハンドロ・フローレス(メキシコ)
サバ・ボラギ(ドイツ)

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BELLATOR Interview PFL2021#09 Special クリス・ウェード バッバ・ジェンキンス ブログ 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:8月─その弐─ウェード ✖ジェンキンス「ハイブリット無限ループ」

【写真】 攻められ、返しがクリス・ウェードのハイブリットレスリング無限ループ(C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。

青木が選んだ2021年8月の一番、第二弾は8月27日に行われたPFL2021#09 からクリス・ウェード✖バッバ・ジェンキンス戦について語らおう。


──青木選手が選ぶ8月の一番、2試合目は何になりますか。

「ウェード✖ジェンキンスですね。前にウェードがアルマン・オスパノフに勝った時、僕はウェードが来ると言ったけど高島さんは『ウェードはジェンキンスに勝てないだろう』っていう見立てだったじゃないですか」

──二の句が継げないです……いや、あれには理由がありました。ウェードがUFC時代にルスタン・ハビロフ戦イスラム・マカチェフ戦というチェチェンやダゲスタン、カーフカスのレスラーにレスリングで負けていたからで。

「いや普通に考えて、あのロシア人はめっちゃ強いですよ(笑)。それにあの時MMAレスリングだからって、僕が話したじゃないですか。覚えていますか」

──もちろん、覚えています。

「で、まさにその展開になったなって」

──いやぁMMAレスリングだからこそ、コーカサスのレスラーに勝てなかったウェードが、フォークスタイルレスリングでNCAAを制し、2度ランナーアップだったジェンキンスに勝てないと思ったわけです。

「MMAレスリングはとにかく上にいれば勝ちです。バックを取らせても、落とせば良い。ウェードはそこで上を取り返している。エドゥアルド・タレスって覚えています? 亀カードの」

──ハイ。タートルガードで極めさせない。ポジションも譲らない。でも、上になってもスイープ・ポイントが取れない柔術家です。

「あれと同じですよ、ウェードは。柔術ではポイントにならないけど、MMAならOKじゃないですか。中井さんが昔、柔術はひっくり返して点が入るけど、MMAは起こったこと……上を取れば点数。バックから落としても、ブリッジ返しでも。それをずっと言っていて、概念を指導するのが上手かったなぁって思います。

もう佐山さんですよね、その辺りも。ウェードに関しては、そのMMAの概念に則した動きを綺麗にしっかりとやり遂げたことが凄いと思いました」

──それをスクランブルというのであれば、それこそフォークスタイルの覇者が強いという風に捉えていました。そこは柔道出身ながら裸でケージレスリングを進化させ、実践してきた青木選手の臭覚と、ただ結果論を並べている自分の差ですね。

「いやぁ……あのギロチンを引っかけてリバーサルしたり、何だかんだと上を取るのはMMAにおけるレスリングですからね。ただ、こんなことをいうとウェードを上げて落としているのかってなりますけど、体格というのもあると思います。

ウェードはライト級から落としてきたのが、合っていた。そしてハブロフやマカチェフと比較すると、ジェンキンスはパワーがなかった。それで、あのハイブリットのループができるというのはあるかなと」

──ハイブリットのループ……ですか。

「ほら、北岡さんの試合を無限ループって呼んでいたじゃないですか。あれの動き合うバージョン。北岡さんは自分が無限に攻め続けるけど、ウェードはそのハイブリットレスリング・バージョンです。お互いに攻めて、動き続ける。攻められているようで、実はウェードのペースなのかもしれないです。

そういう意味いうとウェードが本当に嫌な相手は、昔でいうとシャオリンのようなバックコントロールがしっかりと強い選手でしょうね。ピタッと止められてしまう」

──そのシャオリンと同門だったマルコ・ロウロがノヴァウニオンを離れた後、ウェードと同じロングアイランドMMAに所属していたのも興味深いです。

「あぁ、マルコ・ロウロがしっかりと教えていたということですね。柔術も根づいていて。対して、ジェンキンスは良い形で入れないと、その力も半減するような感じでしたね。それにウェードは打撃が伸びている。これ、決勝が楽しみです」

──モヴィッド・ハイブラエフ、強いですねぇ。

「でも今回の試合と同じで、ウェードは抜群に相性が良いんじゃないかと思います。ハイブラエフはブレンダン・ラウネーンを相手にコントロール以上はなかった。ただラウネーンの打撃が強かったというところを見ないといけないですけど」

──この試合もそうだし、PFLの決勝とかもっと多くの日本のMMAファンに見てほしいですね。

「あんまり視てないのかな。そういえばPFLとBellatorが重なった時、選手なんかも『Bellatorを視ていました』っていう人が多かったです。試合が今、良いのはPFLなんだけどなぁ。決勝も女子ライト級は乗れないけど、ウェルター級とフェザー級は抜群に面白いと思います」

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PFL PFL2021#09 Report クリス・ウェード バッバ・ジェンキンス ブログ

【PFL2021#09】クリス・ウェードという名のケージレスリング。上を取り切り、ジェンキンスを支配し快勝

<フェザー級準決勝/5分3R>
クリス・ウェード(米国)
Def.3-0:30-27.30-27.29-28
バッバ・ジェンキンス(米国)

いきなり跳びヒザを見せたジェンキンスが、シングルレッグに出てボディロロックからテイクダウンを奪う。スクランブルをさせないジェンキンスは、バックに回りワンフックへ。ウェードが立ち上がり、ジェンキンスのバックコントロールが続く。ジェンキンスは正対するとシングルレッグで再び倒す。

ウェードのマルセロチンに対し、ジェンキンスは背中を自らつけてスピンアウト。立ち上がったところでウェードがダブルレッグでケージに押し込む。ヒザ裏に腕を通しリバーサル狙いのジェンキンスだが、ウェードはヒザをつけてシングル持ち上げ、前方に落とすと足を捌いてリバーサルに成功する。

結果、上四方で抑えたウェードがバックを伺うと、ジェンキンスは前方に落としつつサイドバックへ。ここでウェードが見事なクレイドルで上を奪い切り、レッグドラックで抑えパンチを落とした。

2R、サウスポーの構えから左ロー、オーソに戻して右ハイから後ろ回し蹴りを見せたウェードに対し、ジェンキンスが左ローを繰り出す。蹴りを多用するウェードに右を当てたジェンキンスがワンツーからダブルレッグへ。ボディロックにキムラ狙いのウェードが、がぶりからギロチンへスイッチする。さらにアナコンダに入ったウェードは下にならず、そのまま絞めていく。

腰をずらそうとするジェンキンスが、ヒザ立ちに。ギロチンにスイッチしたウェードは、ここもスピンアウトのジェンキンスのバックに回る。ワンフックでチョークに入ったウェードは、ジェンキンスの背中を伸ばしにかかる。ハーフと3/4マウント、そしてバックの中間にあるポジションでコントロールしたウェードが2Rも取った。

最終回、スイッチを繰り返すウェードがバック・ヒールキック、ジェンキンスは右を当てて組むとバックに回る。アンクルを取るウェードは、前方にジェンキンスを落とし足を捌きにかかる。結果、上を取りサイドで抑えたウェードがクルスフィックからパンチ、上四方に回りノースサウスチョークを狙う。

察知して動いた──いや、動かされたジェンキンスはバックを取られヒザを打たれる。ウェードは正対しダブルレッグへ。切ったジェンキンスがバックを伺う。ここで両足をフックしたジェンキンスだが、わきの下から後頭部を抱えたウェードが腰を上げて、前方に落としにかかる。背中をマットに着けるのは嫌がったジェンキンスだが、結果的にウェードにバックを取られる。

背中を伸ばされないよう、また腹ばいになるのも避けるジェンキンスは後方から殴られ、ケージを背負って前を向く。アームインギロチンで抱えたウェードは、背中を反って絞める。ジェンキンスはサムアップも、ウェードは左手のクラッチを解いて勝利をアピールし時間に。

ジャッジの1人が29-28をつけたが、ジェンキンスをドミネイトして完勝のウェードは「彼はD1オールアメリカンで、僕は州王者と皆に言われた。でも僕のD2のオールアメリカンなんだ。僕は世界中の誰ともレスリングできる。MMAでのスクランブルに僕のレスリングは使える。彼はクラシックならレスラーだから。フックヒールキックで、彼はダウン状態だったよね。145ポンドは最高だよ。あと一つ、レッツゴー!!」と話した。


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【PFL2021#09】計量終了 ラウネーン「レガシーを残す」。ハイブラエフは亡き師ヌルマゴ父に勝利を誓う

【写真】結果を残しているラウネーン。ただし、実力未知数という評価はついて回っており、ハイブラエフ戦で力を示したいところだ (C)PFL

27日(金・現地時間)にフロリダ州ハリウッドのセミノール・ハードロックホテル&カジノで開催されるPFL2021#09の計量が、26日(木・同)に行われた。

フェザー級とライトヘビー級のプレーオフ=準決勝が行われる同大会。100万ドルまであと2勝となった選手に計量オーバーはなかった。メインで戦うブレンダン・ラウネーンとモヴィッド・ハイブラエフは、セレモニアル・フェイスオフで互いに頷きながら視線を譲らず、握手をすることなく壇上でインタビューを受けた。


レギュラーシーズンでは1位、しかし掛け率ではアンダードックのラウネーンは「シェイモン・モラエス戦で何が起こったか。ハイブラエフは素晴らしいレスラーだ。でも、僕はグレートMMAファイターなんだ。明日はウォーになる。3R戦うことを恐れていない。3Rが必要なら3Rを戦う。秒殺も3R判定勝ちも僕のキャリアにはある。ただ100万ドルを手にするんだよ。僕はレガシーを残す。イギリスとアイルランドを代表して。レッツゴー!!」と話した。

対してハイブラエフは「レガシーを残すことは、僕にとっても重要だと思っている。僕らはアブドゥルマナプ(ヌルマゴメドフ)を失った。でも彼は今でもダゲスタンにとって欠かせない。MMAの世界でダゲスタンが如何に力を持っているかを示す」と今は亡き師に勝利を誓った。

打撃が強いウェルラウンダーのラウネーンの総合力が、レスリング主体とはいえKOパワーも一本を取る力を持つハイブラエフの破壊力と圧力を制御することができるのか。その辺りが鍵となる準決勝第2試合だ。

フェザー級、もう1つの準決勝はバッバ・ジェンキンスとクリス・ウェードの同い年アメリカン・レスラー対決だ。フェースオフで、上を向いて何やら呟くジェンキンスに対し、冷めた表情でウェードが何から話しかける。

その後、正面を向いてのフォトセッションからエキサイトし始めたジェンキンスは、インタビューで「クリス・ウェードが俺より少しばかり大きいのは確かだ。この数日間、さらに自分を大きく見せようとしてきたけど、中身は俺の方が大きいことを知っている。コイツ、今も『神様は俺を助けない』って言ったんだ。お前が俺の何を知っている? そんなことをいうのはマナーがなっていない」と激しい口調で対戦相手を罵倒した。

対してウェードは冷笑を浮かべながら、「彼はね、昨日も同じことをしていた。上を向いて空を眺めて、ステアダウンが終わらない。だから『何の助けにもならないよ』って伝えたんだ。明日はただ僕と彼だけがケージの中にいる。それだけだよ」とインタビュアーに向けて返答していたが、ここでジェンキンスの方に視線を送る。

そして「僕と君しかいないんだ。ドアが閉められ、鍵がかけられる。君は僕と立ち合うんだよ。ここまでの努力をぶつけるから、ちゃんと受け止めなよ。明日は僕の方をちゃんと見ろ」と伝える表情は、非常に硬いモノに変わっていた。

フォークスタイルレスリングで磨いたテイクダウン防御力と、ジャブや蹴りで突き放すファイトから、一転突破のダブルレッグ──これがNCAA D1を制し、2度ランナーアップとなっているジェンキンスのMMAだ。

対してウェードはインタビューで話していたようにグレコや柔道を取り入れたテイクダウンを仕掛ける。とはいえ、その攻撃力とジェンキンスの防御力では後者の方が上回るだろう。そうなると、ウェードは結果を残してきた打撃の有効活用が欠かせない。正統派のソレではないが、間隙を突くウェードの打撃が効果的な攻撃になり得るか。打撃へのカウンターのテイクダウンに秀でているジェンキンスとの、距離とタイミング合戦になる。

■視聴方法(予定)
8月28日(土・日本時間)
午前7時30分~Official Facebook

■PFL2021#09計量結果

<フェザー級準決勝/5分3R>
ブレンダン・ラウネーン: 145.8ポンド(66.13キロ)
モヴィッド・ハイブラエフ: 145.8ポンド(66.13キロ)

<フェザー級準決勝/5分3R>
クリス・ウェード: 145.6ポンド(66.04キロ)
バッバ・ジェンキンス: 146ポンド(66.22キロ)

<ライトヘビー級準決勝/5分3R>
エミリアーノ・ソルディ(アルゼンチン)
アントニオ・カルロス・ジュニオール(ブラジル)

<ライトヘビー級準決勝/5分3R>
セザー・フェレイラ(ブラジル)
マールシン・ハムレット(ノルウェー)

<フェザー級/5分3R>
シェイモン・モラエス: 146ポンド(66.22キロ)
ラジャー・ストヤディノビッチ: 145.6ポンド(66.04キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
クリス・カモージ(米国)
コリー・ヘンドリックス(米国)

<フェザー級/5分3R>
アントニー・ディジー: 145.6ポンド(66.04キロ)
ジェシー・スターン: 144.6ポンド(65.58キロ)

<フェザー級/5分3R>
ジェイソン・ナイト: 145.8ポンド(66.13キロ)
ボビー・モフェット: 148.2ポンド(67.22キロ)

<フェザー級/5分3R>
アレハンドロ・フロレス: 145.6ポンド(66.04キロ)
カール・ディートン3世: 146ポンド(66.22キロ)

<ライト級/5分3R>
ジェイコブ・キルボーム: 154.4ポンド(70.03キロ)
ブランドン・ジェンキンス: 156ポンド(70.76キロ)

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ABEMA MMA ONE PFL PFL2021#09 クリス・ウェード バッバ・ジェンキンス ブログ

【PFL2021#09】フェザー級SF出場、クリス・ウェード─02─「ダナ・ホワイトはレスラーが嫌い」

【写真】試合当日でも、相当にしぼれている感があるクリス・ウェードだ(C)MMAPLANET

27日(金・現地時間)、フロリダ州ハリウッドのセミノール・ハードロックホテル&カジノで開催されるPFL2021#09で、バッバ・ジェンキンスと対戦するクリス・ウェード・インタビュー後編。

PFL2021年シーズン・プレーオフ、フェザー級準決勝を前に初めてウェードのインタビューをお紺った。フェザー級戦線で台風の目となったウェードは、独特なレスリング技術の持ち主ながら打撃を多用するスタイルで勝ち星を重ねている。

なぜ打撃を主武器に戦うことになったのか。そこには5勝2敗と大きく勝ち越しながら、契約を更新しなかったUFCとの決別が大きく関係していた。

<クリス・ウェード・インタビューPart.01はコチラから>


──フォークスタイル・レスリングを身につけたうえで、グレコや柔道と腕を差した状態での投げを身につけたということですね

「カレッジスタイルは子供の頃からやってきたけど、ずっと投げが好きだったんだよ。それにフリーやグレコの練習もしていたしね」

──その投げを多用し、またしっかりと上を取るリバーサルなどねちっこい展開の組技より、打撃を多用するスタイルに変化してきました。特にPFLで戦うようになってから、その傾向が強く見られます。

「UFCで5勝2敗という戦績だったにも拘わらず、契約更新の交渉は凄く難航した。まぁダナ・ホワイトはレスラーが嫌いで、グラップリングを多く使う選手は要らないんだと思ったよ。僕は勝つために全力で戦っていたけど、ああいう類の人たちを納得させることはできなかった。

対価として正しい評価を得られるのであれば、別にスタンドで殴り合ったって構わない。全く問題ないよ。でも、結局のところ僕はレスラーなんだ。相手を倒して、コントロールできる。相手がそれを許すわけさ。でも、多くの人はそんな戦い方はお気に召さないんだ。

大抵の人はレスリングではエキサイトしない。でも、レスリングほど支配力のあるマーシャルアーツはこの世にないんだよ。そしてレスラーは『退屈だ』という烙印を押される。でも、僕の運動神経をもってすれば別にキックボクシングで戦うことだってできる。なら、相手をボコボコにすれば良いんだろうって契約問題がこじれた時に考えるようになったんだ」

──フリーランスになった時に、日本、もしくはアジアのプロモーションと契約して日本人選手との試合が組まれないかと期待していました。打撃戦が好まれる傾向は、日本にもありますが、ケージレスリングを楽しめるファンの割合は米国より多いと思います。

「ONEに関しては、マネージャーとは話したよ。アジアで戦うことを視野に入れてね。米国のファンは血生臭い、決闘が見たいんだ。でも日本のファンはもっとMMAを見る目が肥えていて、ファイトIQが高いことも知っていた」

──少なくとも一生懸命戦っている選手にブーイングをすることはないと思います。個人的には青木真也選手や安藤晃司選手と戦えばどうなるのかと楽しみでした。

「シンヤ・アオキと戦えるようなことになっていたら、最高だっただろうね」

──ただクリスはPFLを選択しました。そして今、PFLのフェザー級の頂点に立つ可能性を持っています。

「その準備はできているよ。バッバに勝つ自信もある。痛めつけてフィニッシュしている自分の姿を想い描くことができるんだ。そうしたら、多くの人間がこう言うようになるだろう……『コイツは金になる』ってね(笑)。

ホントにここからだと思っている。バッバはNCAAでも優勝しているし、多くの栄光を手にしてきた。でも、今の彼に僕を止める力はない」

──アルマン・オスパノフにあの勝ち方をした時、クリス・ウェードは一皮むけたと感じました。アルマンが勝つと断言はしなかったですが、正直クリスにとって厳しい試合になるとは思っていました。それがレスリングでなく、ハイキックから追い打ちのパンチでKOです。

「あの試合は自信になったよ。

アルマンはコンバットサンボの世界チャンピオンで、KOアーチストでもある。スピードが速く、決定力もある相手だった。そのアルマンをKOできた。ならバッバだってKOできる。できない根拠がないだろう?」

──では決勝に進んだという仮定の話ですが、ブレンダン・ラウネーンとモヴィッド・ハイブラエフ、どちらと戦いたいですか。

「そうだね、イギリス人と戦いたいな。彼の方がMMA界全般で名前が知れ渡っているから。彼のファンも多い。そういう相手と戦いたい。ロシア人とはもう何度も戦ってきたからね。個人的な嗜好でいえば、スペシャリスト的な選手と戦いたいんだ。ブレンダンは打撃のスペシャリスト、特にローキックが素晴らしい。対してモヴィッドはオールラウンダーだ。スペシャリストのブレンダンに勝ちたい」

──こういうことを聞くべきじゃないかもしれないですが、100万ドルの使い道など考えることはありますか。

「少し、ワイフと話しているよ。家族と一緒に、ちょっと贅沢な欧州旅行をしたいね、と(笑)。家族の心にずっと残る時を刻みたいんだよね」

──クリス、良い感じですね。

「もちろん、少し贅沢をすると残りの優勝賞金は、投資をしたり有効活用するつもりだけどね(笑)。とにかく、そういう実用的なことの前に、家族と一緒に良い時間を過ごしたいと思っている」

──では、さらにその先のことを聞いてしまいますね。今のクリスはUFC時代より、試合内容でも評価をされるでしょうし、強さも再評価される。PFLでファイナルを制したあとのキャリアアップはどのように考えていますか。

「どうなるかな。楽しみにしてくれよ。アジアに行くこともあるから、その時はサポートをお願いするよ(笑)」

──クリス、今日はありがとうございました。最後に日本のファンに一言お願いできますか。

「日本のMMAファンの皆が、僕のインスタグラムをフォローしてくれると嬉しいよ。僕はアジアのMMA社会を凄く尊敬している。アジアで色々な経験をしたいと思っているんだ。その日がやって来ることを願っている。そして日本やアジアのMMAファンと交流できることを楽しみしているよ」

■視聴方法(予定)
8月28日(土・日本時間)
午前7時30分~Official Facebook

■ PFL2021#09対戦カード

<フェザー級準決勝/5分3R>
ブレンダン・ラウネーン(英国)
モヴィッド・ハイブラエフ(ロシア)

<フェザー級準決勝/5分3R>
クリス・ウェード(米国)
バッバ・ジェンキンス(米国)

<ライトヘビー級準決勝/5分3R>
エミリアーノ・ソルディ(アルゼンチン)
アントニオ・カルロス・ジュニオール(ブラジル)

<ライトヘビー級準決勝/5分3R>
セザー・フェレイラ(ブラジル)
マールシン・ハムレット(ノルウェー)

<フェザー級/5分3R>
シェイモン・モラエス(ブラジル)
ラジャー・ストヤディノビッチ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
クリス・カモージ(米国)
コリー・ヘンドリックス(米国)

<フェザー級/5分3R>
アントニー・ディジー(フランス)
ジェシー・スターン(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジェイソン・ナイト(米国)
ボビー・モフェット(米国)

<フェザー級/5分3R>
アレハンドロ・フロレス(メキシコ)
カール・ディートン3世(米国)

<ライト級/5分3R>
ジェイコブ・キルボーム(米国)
ブランドン・ジェンキンス(米国)

The post 【PFL2021#09】フェザー級SF出場、クリス・ウェード─02─「ダナ・ホワイトはレスラーが嫌い」 first appeared on MMAPLANET.

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【PFL2021#09】ベストNCAAレスラー=ジェンキンス戦へ、異彩クリス・ウェード─01─「腰を使う」

【写真】非常にリラックスしており、ファイトスタイルは泥臭いが会話はクールなクリス・ウェードだった(C)MMAPLANET

27日(金・現地時間)、フロリダ州ハリウッドのセミノール・ハードロックホテル&カジノでPFL2021#09が開催される。

プレーオフも3週目、最後の2階級=フェザー級とライトヘビー級のファイナルリストが決まる。そのフェザー級でシーズン前の予想を覆す活躍をしているのが、クリス・ウェードだ。

UFC時代から独特なレスリングを使い、ねちっこさでは右に出る者はいないというスタイルで、オクタゴンでも3勝2敗と勝ち越していた。その後、PFLに戦場を変えたウェードは2018年と2019年シーズンで、それぞれ4位&3位と連続でセミファイナリストのなり、契約を更新してきた。

迎えた2021年シーズン、ウェードはフェザー級に落としレギュラーシーズンは8P獲得──第2シードでプレーオフに進出を果たした。ジェンキンスはNCAA D-1を制したエリート・カレッジレスラーだ。対してウェードはD-3レスラー、何よりも同じフォークスタイル出身者同士とは思ないほど、両者のエスリングは違う。

日本で考えられている米国フォークスタイル・レスラーの概念とは違い、唯一無二の戦い方をするウェードに話を訊いた。


──金曜日にバッバ・ジェンキンスとPFL2021フェザー級プレーオフ=準決勝を戦います。今、どのような気分ですか。

「最高だよ。今は減量に集中していて、精神的にもファイトナイトを我慢して待っている感じだよ」

──デビュー10年目の今年から、145ポンドに落としました。フェザー級の体を作るのにも慣れましたか。

「そうだね、アジャストしている最中だ。今日、体重を測ったら155ポンドという以前の試合体重までは落ちている。ここから1日半、言うと大変な思いをするわけだけど、ファイトデーの状態を考えると、それだけ苦しむ価値はあるんだ」

──ところでレギュラーシーズンはニュージャージーで開催されましたが、プレーオフはフロリダです。フロリダは経済活動が再開され、コロナパンデミック以前のような雰囲気もあります。

「そうだね。でも、僕らはバブルの中にいてホテルから出ることは許されない。コーナーマンやコーチとの接触もしちゃいけないから、今もちょっとしたチャレンジングな気分になっているよ。

フロリダでは外を出歩いて、グロッサリーストアに行くことだって許されているのにね。ただ、隔離措置が短くなっていることは有難いことだよ」

──トレーニング・キャンプはいかがでしたか。

「ノーマルだよ。問題ない。僕らのホーム、ロングアイランドはもうロックダウンの類の政策は行われていないからね。ワクチン接種を終えて、普通の練習をすることができているよ。練習は全てロングアイランドでやっているし、50マイルも離れたNYに行くような用事もないしね(笑)」

──クリスはこれまで2度、ライト級時代にプレーオフを経験しています。そしてどちらも準決勝で敗れました。ただし、今回は4人制ワンナイトトーナメントでなく、準決勝1試合です。このフォーマットの変化をどのように捉えていますか。

「大歓迎だよ。4人制ワンナイト・プレーオフは体に与えるダメージが大きいし、特に2試合目はしっかりとした準備もできない。2018年に準決勝でナタン・シュルチと戦った時は準々決勝を終えてから試合まで2時間のインターバルがあった。でも2019年はクォーターファイナルを終えて、セミファイナルでロイック・ラジャポフと戦うためにケージに向かうまで50分しかなかった……。

あの状況は楽しくはないよね。なんというのかな。違いを見せるために、やり過ぎなフォーマットだった。だから、今年のようにプレーオフといっても1試合だけの方がずっと戦いやすい。いつものワンマッチと変わりなく戦うことができるからね」

──それなのにエルボーは使えないですよね。

「ノー、ヒジ攻撃は認められてない」

──ワンマッチで、決勝まで2カ月のインターバルがあるのに。

「下らない判断だよ(笑)。普通にMMAを戦わせてくれれば良いのに。エルボーでカットがあっても、どれだけファイナルに影響があるんだって(苦笑)。バカげているね。全く意味がないことだ。2カ月あればリカバリーできるからね。まぁ、決まっていることだからルールを守って戦うだけだけどね」

──そのワンマッチになったプレーオフでは、バッバ・ジェンキンスと戦いますが、彼は2連覇中のランス・パーマーを破りました。そして、そのランスはモヴィッド・ハイブラエフにも後れを取り、レギュラーシーズン敗退に終りました。クリスはランスの敗北をどのように見えていますか。

「ランスがバッバに敗れることは、ある程度想定内だったよ。レスリング時代の因縁もあってマッチアップされたけど、バッバはタフなファイターだし、互角の試合が予想された。つまり50パーセントはランスが負けるという試合だったんだ。

加えてスタイルマッチアップとして、バッバの方が有利だと僕は予想していた。だからといって、僕がバッバを恐れることはない。僕とランスはタイプが違うレスラーだからね。何よりも、今年のランスはもうモチベーションがなかった。PFLで戦い続けることがどうなのかっていうこともあっただろうし。だからランスがバッバに勝つ確率の方が低いと考えていたんだ」

──ジェンキンスはNCAAレスラーとして、MMA界でもベストの1人です。ランス・パーマーを破るほどレスリングが強い。ただし今、クリスは『ランスとはタイプが違う』と言いました。

「そうだね」

──クリス・ウェードは、ランス・パーマーだけでなくMMA界を見ても似たスタイルのファイターはいないと思います。UFCで戦い始めた頃からヒップトス……首投げや払い腰を多用し、ダックアンダーから直接クレイドルに入ったシーンなど見たことなかったです。

「フフフフ。僕は他のレスラーとは違うからね」

──特にがぶられたりした時に、クリスはスクランブルで立って離れるのではく、ヒザをつきながら腕を伸ばしていてもレッスルアップして、リバーサル。上を取るという動きを見せてきました。

「アンオーソドックス・レスラーなんだ(笑)。投げが好きで。でもスクランブルだって好きだよ。ただし、今指摘されたように立って離れるんじゃなくて、スクランブルを使って相手を混乱させてトップを取りたいんだ。

ただ立ち上がるだけじゃないというのは、その通りで。上を取り、コントロールしてチョークで絞めあげる。アームロックやニーバーを仕掛けるために、スクランブルからトップを取る。だからバッバのレスリングとは、別物だよね。

バッバのレスリングはNCAAのそのものだ。僕は腰に乗せて、自分の得意なところで戦う。そうだね、バッバがフォークスタイル・レスリングを仕掛けてきたとき、僕は皆を驚かせることができる。金曜日の夜は、そんなシーンを見せることになると約束するよ。

バッバは伝統的に従ったレスリングの使い手だ。僕はそんなレスリングはしない」

──クリスはハイスクールやカレッジでレスリングをしている時から、あのようなユニークなスタイルのレスラーだったのでしょうか。

「少しだけね。でも高校やカレッジの頃は今、MMAで戦っているようなレスリングではなかった。このレスリングはサブミッションを仕掛けるためだから。今年戦った2試合で、僕は1度もシングルレッグやダブルレッグというシュートを使っていないんだ。それでも僕には投げがある。

柔道を取り入れ、トラディショナルなグレコローマンを取り入れているのが僕のレスリングだ。僕は腰を使う……腰を使った攻撃をしたいと思っているからね」

■視聴方法(予定)
8月28日(土・日本時間)
午前7時30分~Official Facebook

■ PFL2021#09対戦カード
<フェザー級準決勝/5分3R>
ブレンダン・ラウネーン(英国)
モヴィッド・ハイブラエフ(ロシア)

<フェザー級準決勝/5分3R>
クリス・ウェード(米国)
バッバ・ジェンキンス(米国)

<ライトヘビー級準決勝/5分3R>
エミリアーノ・ソルディ(アルゼンチン)
アントニオ・カルロス・ジュニオール(ブラジル)

<ライトヘビー級準決勝/5分3R>
セザー・フェレイラ(ブラジル)
マールシン・ハムレット(ノルウェー)

<フェザー級/5分3R>
シェイモン・モラエス(ブラジル)
ラジャー・ストヤディノビッチ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
クリス・カモージ(米国)
コリー・ヘンドリックス(米国)

<フェザー級/5分3R>
アントニー・ディジー(フランス)
ジェシー・スターン(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジェイソン・ナイト(米国)
ボビー・モフェット(米国)

<フェザー級/5分3R>
アレハンドロ・フロレス(メキシコ)
カール・ディートン3世(米国)

<ライト級/5分3R>
ジェイコブ・キルボーム(米国)
ブランドン・ジェンキンス(米国)

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