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45 AB F1 FAW2024#03 MMA MMAPLANET o キック トミー矢野 中村京一郎

【FAW2024#03】中村京一郎がトミー矢野の寝技を封じて判定勝利、トーナメント優勝を果たす

【写真】トーナメント3試合とも異なる試合展開。格闘代理戦争で強くなる。そして優勝を果たした中村だ(C)MMAPLANET

<フェザー級/3分3R>
中村京一郎(日本)
Def.3-0
トミー矢野(ブラジル)

サウスポーの中村がジャブと右フック。トミーは右ハイを蹴り、右ミドルと右ストレートを見せる。中村も左の三日月蹴りを返して、じわじわとプレッシャーをかける。トミーが前に出てくると中村は右フックを狙う。組みついたトミーが足関節を仕掛け、中村が背中を見せるとバックにつく。トミーは中村の動きに合わせてマウントをうかがいつつ、中村も足を入れて立ち上がる。そこにトミーがギロチンを狙い、頭を抜いた中村がパンチを落とす。ガードポジションのトミーが下から三角絞めを狙う。

2R、中村がけん制の右の前蹴り。トミーはシングルレッグに入って、自らガードポジションで引き込む。中村はインサイドガードでトップキープし、細かくパンチを落とす。トミーは下から中村の足をすくって展開を作ろうとするが、中村もすぐに反応して立ち上がる。試合がスタンドに戻ると、前に出る中村がトミーに左ストレートを放つ。最後はトミーがダブルレッグに入って、ガードに引き込んだところでラウンド終了となった。

3R、中村が前に出て左ミドル、右のカーフキック。トミーのシングルレレッグを切ると、引き込むトミーに中村が鉄槌を連打する。トミーもガードポジションから腕十字や足関節を仕掛けるが、中村が足を抜いて立ちあがって距離を取る。スタンドでの再開後、トミーが渾身のダブルレッグで組みついてケージに押し込むが、テイクダウンできない。中村は組み際に右フックを狙い、トミーに組みつかせない。このまま試合終了となり、中村が判定勝利を収めた。


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45 AB ABEMA DEEP FAW2024#03 MMA MMAPLANET o RIZIN Special キック ギレルメ・ナカガワ チャンネル トミー矢野 ホベルト・サトシ・ソウザ ボクシング 中村京一郎 中村悠磨 中谷優我 所英男 朝倉未来 河村泰博 皇治 秋元強真 脇田仁 芦澤竜誠 雄貴 髙谷裕之

【FAW2024#03】中村×トミーの決勝以外にもJTT秋元×ヒロ・ヤマニハ。4月に3試合、脇田仁×クサノも注目

【写真】MMA2試合で勝利した月に、MMAグローブでキックルールに普通挑めるのか? 脇田仁に注目したい(C)MMAPLANET

16日(木)、都内某所で明日17日(金)に会場非公開で開催される格闘代理戦争-THE MAX-決勝大会の計量が行われた。
Text by Manabu Takashima

優勝賞金300万円が懸かった3カ月連続のハードなトーナメントも明日で終幕となる。

決勝に残った中村京一郎とトミー矢野の両者は、準決勝敗退ながらワンマッチ出場となる中谷優我、ギレルメ・ナカガワ、準々決勝で敗れた向坂準之輔らワンマッチ出場選手とともに計量をパスしている。


スペシャルマッチで組まれたヒロ・ヤマニハ×秋元強真の一戦も注目だ。代理戦争的にはホベルト・サトシ・ソウザ推薦のヤマニハと朝倉未来推薦の秋元。MMAマニアにとってはTHE BLACKBEL JAPANの離れてJTT入りをした17歳の新鋭が、キャリア35戦越えのRIZINベテランのヤマニハに挑むという形式になる。

3月にMMAPLANETが行ったインタビューで「朝倉未来選手は、MMAを始めたのがそんなに早くはなかったじゃないですか。だけどあそこまで昇り詰めていて――そんな朝倉選手を見て、自分もいけるんじゃないか」と秋元は話していた。いわば、自身がMMAファイターとしてやっていける根拠となる人間の下で新たなる一歩を踏み出すことになる。

「正直、舐められているといると思うので、明日は必ずKOします」という21歳下の言葉に、過去2戦で河村泰博、所英男を破っているヤマニハは鼻で笑う様な仕草を見せ、「悪夢を与える」と断言した。

4月の準決勝大会の皇治×芦澤竜誠対決の勝者対決=ガブリエル・クサノ×脇田仁は、コメントの際にクサノが脇田の名前を覚えておらず──わざわざ本人に確認を取るという挑発手段に出る。

この行為にも脇田は「何も思わないです。自分は試合をやるだけなんで」と冷静を装う。この脇田、4月は7日にDEEP名古屋大会、19日代理戦争準決勝大会、そして27日にはHEATと1カ月で3試合も戦っている。

特にHEATはスクランブル出場で、名門OISHIジム期待の新鋭=惺也とMMAグローブ着用のキックボクシングという過酷な戦いに挑んでいる。ボディを効かされ最後はミドルで敗れたものの5オンスのグローブで、ジュニア空手を4度制した神童と真っ向から打ち合いを挑む気持ちの強さに、クサノが気後れするようだと勝負の行方は分からなくなる。もちろん、組みの技術力の違いはあるだろうが、MMAはスタンドから始まる──という髙谷裕之理論もMMAの真理だ。3分間の短距離走、注目はやはりファーストコンタクトだ。

なお準決勝で中村に敗れたギレルメ・ナカガワは質疑応答で「柔術家として決勝はどちらが勝つと思いますが」という問いに、たっぷりと無言で時間を費やし──恥ずかし気に「柔術家として、柔術家が勝つと思う」と答えた。

これにはギレルメと激闘を繰り広げた中村は、「俺と違うんかーい」としっかりとズッコケて見せた。

■視聴方法(予定)
5月17日(金)
午後7時~ABEMA格闘チャンネル

■FAW2024#03計量結果

<フェザー級/3分3R>
中村京一郎:65.45キロ
トミー矢野:65.35キロ

<62.5キロ契約/5分3R>
秋元強真:62.4キロ
ヒロ・ヤマニハ:62.35キロ

<ライト級/3分3R>
中谷優我:70.75キロ
中川海:70.6キロ

<フェザー級/3分3R>
佐藤藏ノ介:65.4キロ
ギレルメ・ナカガワ:65.65キロ

<63.5キロ契約/5分3R>
向坂準之輔:63.2キロ
笹崎健司:63.4キロ

<63キロ契約/3分3R>
ガブリエル・クサノ:62.65キロ
脇田仁:62.95キロ

<67キロ契約/3分3R>
雄貴:66.85キロ
中村悠磨:66.7キロ

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45 AB ABEMA DREAM FAW2024#03 Gladiator Grachan MMA MMAPLANET o RIZIN Road to UFC Special UFC ギレルメ・ナカガワ シャーウス・オリヴェイラ チャンネル トミー矢野 パンクラス ミスター・ホンデ ライカ 中村京一郎 中村倫也 小島勝志 狩野優 鈴木崇矢

【FAW2024#03】代理戦争決勝でトミー矢野と対戦、中村京一郎「彼には柔術という逃げ道がある」

【写真】計量終了直後に見せた表情、どこまでもリラックス。そして余裕が感じられる(C)MMAPLANET

明日、17日(金)に会場未公開で開催される格闘代理戦争-THE MAX-決勝大会で、中村京一郎がトミー矢野と対戦する。格闘DREAMERS出身、デビュー戦は両国国技館のPOUND STROMにおける狩野優戦だった。その敗北から、始まったといっても過言でない中村のMMAファイター人生。
Text by Takumi Nakamura

初戦と準決勝の戦い振りもそうだが、前回の試合と今回の決勝戦について話す中村の言葉の一つ一つから、この2年の間、彼がどれだけMMAと向き合った来ていたかが伝わってきた。


──試合を3日後に控え、やはりリラックスしていますね(※取材は14日に行われた)。

「緊張はしていないです。試合まで、このままです」

──4月のギレルメ・ナカガワ戦は組みを切って、殴る。殴って組ませない。その流れが完全に出来上がってきたところで仕留めに掛かると、打撃で思わぬ反撃を食らいました。

「まぁ、僕の試合が無かったら代理戦争も盛り上がっていなかったと思います。そういう点でも流れが僕に来ている。パンチを被弾したのは……僕の練習相手は綺麗な打撃で、見やすいんですよ。それが久しぶりの喧嘩ファイトというのか、見えなかったです。『うわ、そこから来るのか!!』みたいに。汚い打撃を久々に食らいましたね。でも、あれって練習ではできないことなんですよね。

やっぱりボンサイは打撃に拘っていないからこそ、打撃を当てることができるんだと思いました。クレベルにしても、サトシにしても、ギレルメにしても」

──組み技に秀でていても、喧嘩ができるというか。

「ボディも顔も打って、心が折れるグラップラーも多いのですが……。本人も打撃ができないのが分かっているのに、打撃で来る。根性ありますよね。油断をしているつもりはなかったのですが、どこかで打撃では来ないという想いがあったのだと思います」

──日本のストライカーは組まれると終わりという状態にまだあると思っています。それが北米に行くと、ムンジアル優勝者や世界のトップクラスの柔術家に組ませない。柔術家が如何に勝つかという点に注目がいくのと、真逆の状態が続いています。その点で、中村選手とギレルメの試合は北米の構図になっている試合内容でした。

「シャーウス・オリヴェイラ、ジルベウト・ドリーニョ、ディアス兄弟もそうです。あれだけ寝技ができる柔術家が、打撃がメチャクチャ強い。なんなら寝技をしなくて勝つ。自分はUFCで勝つことを目標にしているので、組まれるのは当然だと思ってやっています。組まれたら、嫌だという思考でなくて。そこで切れずに、打撃戦に戻せないならMMAのストライカーじゃないです。

同時に彼らに組ませたら危ない。その意識を持ち続けています。練習で取られないようになっても、やはり戦う相手本人ではないです。今もトミー対策で、今成(正和)さんのところで解除方法を習っていますが、それが絶対でないという意識でいます」

──関節技と打撃は練習で100ではできないですし。

「打撃に関しては、トミーがそこを分かっているのかなって思っています。本気で殴られたことがない。何発か被弾すると、凄い恐怖を感じるはずです」

──それは足関節やサブミッションにも当てはまりませんか。

「今成さんは際どく攻めてくれるので、有難いです(笑)。それでも100ではないので、ビックリタップには気を付けないといけない。ただ、トミーも本来は上を取りたいはずです。MMAなんで。それが無理なら、足関節に来る。でも、僕は殴れるので」

──真剣の斬り合いのような攻防になりそうです。Kガードからのエントリーなど、殴られる覚悟で仕掛けてくると怖そうです。

「どういう流れになるのか……でも、Kガードを仕掛ける時間があるのか。確かに殴られる覚悟で仕掛けてくると厄介かもしれないですけど、効かさると本来の極めの強さも維持できないですからね。元気な状態の下と、効かされた状態は違うと思っています。トミーに関しては、もう倒すイメージはできています。僕も組みが強い人と練習していますから。

でも、そういう選手と戦えると思っていなかったので、格闘代理戦争に出て本当に良かったです。きっと、普通にMMAの団体で戦っていたらギレルメもトミーも試合ができなかった。いうと初戦のミスター・ホンデも含めて、全て国際戦を経験できているので」

──なるほど。本当にその通りですね。

「今後、世界に出ると道程にあってMMAはそれほどでも、柔術はしっかりとデキる選手と戦うことができた。戦績だけ見ると僕が一番上のようですが、彼らの格闘技歴は僕なんかより、ずっとあって。それだけ戦うことに慣れている。そういう選手と戦うことができて良かったです。3カ月連続で試合をすることもなかったと思いますし」

──なんだか、もう優勝したあとの言葉に感じられますが(笑)。

「そうですね。ここはしっかりと勝たせてもらいます。僕は本気でBMFのベルトが欲しいんです。そのために絶対にUFCに行く……。そのために生きています。でも、トミーってそこまでじゃないだろうって。

インタビューを読んだけど、スターになりたいとか言っている。スターになりたいなら、別にMMAじゃなくて良いだろうと思います。柔術をずってやってきて、ちょっとMMAにヌルッと入り過ぎたんじゃないかと。

MMAでスターになりたいけど、なれなくても柔術が残るんだろうし。僕はMMAしかない。彼には柔術という逃げ道がある。僕には、逃げ道はない。MMAだけで、人生を生きていくんです。お世話になった人に、MMAで恩返しをする。そういう俺と戦って、『お前、大丈夫か?』という気持ちはありますよ。気持ちの問題ですよ、そことは別に技術は存在しているので。ただ俺とは、覚悟が違うだろうって。

接戦になった時、その差は出ます。そういう覚悟がPOUND STORMで狩野(優)選手に負けた時に無かったから、僕には凄く分かるんです。今のように腹が括れていなかったから、ラスト30秒でタップした……」

──POUND STORMにおけるDREAMERS勢で、その覚悟があったのは中村倫也選手だけだったと思います。

「記者会見で……高島さんが狩野選手と岩﨑(大河)選手に『リスクしかない、やる意味のない試合をなぜ、受けたのですか』みたいな質問をしたんですよ」

──中村選手と、ヘンリー(三上大智)選手にとっては失礼極まりない質問ですね(笑)。

「ホント、あの時は『あんた、俺と話したこともないだろう?』ってムカついていたんです」

──スミマセン(苦笑)。

「でも今なら、ああいう風に思われていてもしょうがないと分かります。あの時の僕はヌルッとMMAをやっていた。倫也さんを筆頭に、格闘技で実績がある選手や(鈴木)崇矢みたいにやる気に満ちている連中が周囲にいて。それで自分が強くなっている気でいたんです。同じ電車に乗っているだけで、自分の荷物は違うのに、同じ風景を倫也さんと見ていると勘違いしていました」

──……。

「だから狩野選手に言っていたことは、もうその通りで。そりゃあ、そうだし。あの時の自分は、それだけ分かっていなかったんです。腹の括りようも甘くて、本当にヌルッとしていました」

──……。

「トミーは柔術が本当に強い。尊敬しています。さっきも言ったように試合で競い合って来た歴史も凄く長いし。でも、KIDさんやアーセンがいたからMMAをやっている気分になっている。あの時の自分と同じじゃないかなって。この試合で腹の括り方の違いが出ます。あの時の僕の経験を、今回の試合でトミーにしてもらいます。

逆にこの試合で負ければ柔術も辞める─ぐらいの覚悟だと、怖いですよね。でも、そんなこと思っていないから。そこは今の僕とは違いがあります」

──押忍。では今後に関してですが、どのようなプランを考えていますか。なんといっても、まだ2024年は7カ月も残っています。

「まずトミーと戦うことでKRAZY BEEに行くことができていなかったので、また練習環境を整えたいです。この間、本当にそれは感じました。まだ知らないので、米国で練習もしてみたいですし。

米国に行ったからって、強くなれるとは思ってはいないです。だいたい、言葉も通じない。食べるモノ、水も変わる。よほどの適応能力がないと、食べるって強さの根源ですよ。それが変わって、簡単に強くなれるなんて僕は思っていなくて」

──それは鈴木崇矢選手と、意見がぶつかりますね(笑)。

「アハハハ。だからこそ、行ってみたいんです。僕は行っていないから、分かっていないので。格闘代理戦争の間、試合間隔が短いからスパーリングでバカバカやることを減らして、調整もできました。凄く良い期間になっていて、自分の日本での練習環境は最高です。だから、経験として米国に行く必要があると思います。

実際、崇矢も強くなって帰ってきましたらね。何かあるのだろうし、それは経験したいです。強くなることに正解はないので、何でもトライしたいと思っています」

──では試合に関しては?

「優勝したら超RIZINという話が途中で出てきて……。まぁ、対戦相手にもよるんだけど……。ただ、スーパーアリーナのでっかいバージョンなんですよね。そこは倫也さんから、『そういう大観衆の前で試合をすることは、絶対に今後に生きる。RIZINに関しては好き嫌いはあっても、そこはあるよ。京ちゃんはUFCの雰囲気を知ったけど、試合をするのとセコンドは絶対に違うから』と言われて……。

あれだけMMAに掛けている倫也さんの言葉は、やはり重みが違って。それに、どアウェイ。そこを乗り切る練習になるかなと思っています」

──超RIZIN後も、まだ半年残っています。

「ハイ。来年のRoad to UFCに出るなら、国内のタイトルも必要で。Grachanでフェザー級タイトルを狙うというのもありますけど、チャンピオンの小島勝志さんは僕が山梨でMMAを始めた時のジムの会長なんです……。あとGLADIATORのチャンピオンは(河名)マストさんで練習仲間で。パンクラスは(新居)すぐるさんで、先輩だし(笑)。そうなると、戦う場所もしぼられてくるかなと思っています。

とにかく、僕はMMAファイターとしてまだまだです。だからRoad to UFC云々でなく、UFCで勝つためにBMFのベルトを取るためにグラップリングもレスリングも、打撃だってもっともっと強くなる必要があります。だから、まずは本当に自分がどう強くなれるのかを考えていきたいです」

──いやぁ、代理戦争のキャラ潰しになるかもしれないですが、全然傍若無人の若者でなく、口の聞き方も礼儀作法も心得ていますよね。ケージの中でカメラマンを手で払うとは、思えないです(笑)。

「いや、あれは……レフェリーも、カメラマさんに外に出てって言っているのに、ずっといるから(笑)。レフェリーの声が聞こえていたから、早く外に出てくださいって伝えたんですよ。でも代理戦争はカメラさんが下りてからも長い。そこは何とかしてほしいです(爆)」

──アハハハハ。

■視聴方法(予定)
5月17日(金)
午後7時~ABEMA格闘チャンネル

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【FAW2024#03】格闘代理戦争決勝=中村京一郎と対戦、トミー矢野「極めた方がお客さんも盛り上がる」

【写真】監督であり、友人でもあるイゴール・タナベとツーショット(C)TAKUMI NAKAMURA

4年振りに再開したABEMAの格闘家発掘リアリティTVショー=格闘代理戦争-THE MAX-。17日(金)の決勝戦ではイゴール・タナベ推薦選手のトミー矢野が中村京一郎(監督:岡見勇信&中村倫也)と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

柔術の実績とバックボーンを活かし、1回戦では向坂準之助をマウントパンチでレフェリーストップに追い込み、準決勝では中谷優我をヒザ十字で秒殺したトミー。MMAでは格闘代理戦争までに5戦のキャリアを持つ中村に挑む図式ではあるが、柔術で国際大会にも出場し、世界王者を目指してきた“戦い”の経験では自分の方が上だと言い切った。


──決勝まで残り1週間となりました(※取材は10日に行われた)。準決勝から約1カ月という短いインターバルですが、この期間はどんなことを意識して練習していたのですか。

「寝技以外の部分、打撃とレスリングですね。テイクダウンまでの。やっぱりレスリングができないと自分の得意な寝技に繋がらないので」

──打撃・レスリングはそれぞれ誰に指導を受けているのですか。

「専門的なコーチはいなくて、色んな方に習っているのですが、主に岡田遼先生と(山本)アーセンですね。この2人がメインというか、色々と教えてもらっています」

──トミー選手はKRAZY BEEにも所属していたのでアーセン選手とは長い付き合いですよね。

「そうですね。アーセンがRIZINデビューした頃からの付き合いです。アーセンはレスリングで実績を残していますし、世界(世界カデット選手権)も獲っていますし、凄く良い技術を持っているので、信頼できますね」

――もう一人の先生=岡田選手はいかがですか

「岡田先生は修斗でチャンピオンにもなっているし、平良達郎選手や鶴屋怜選手のセコンドにも就いていて。そういう部分でも信用できる人で、MMA全般を教えてもらっている感じですね」

――番組内ではバトルボックスで良太郎選手から指導を受けるシーンもありましたが、バトルボックスでは打撃の練習をされてるのですか。

「バトルボックスはたまに行かせてもらっている感じで、ちょっとずついい形になってきました」

──ここまでの格闘代理戦争の試合についても聞かせてください。一回戦は2分33秒、準決勝は18秒と、どちらも1R決着でした。

「やっぱりダメージがなかったことが一番良かったことだと思います。格闘代理戦争は試合のスパンが短いじゃないですか。だから怪我せずに勝ちたかったので」

──1カ月スパンで3試合なので、打撃戦や消耗戦が続くと、コンディショニングが難しいですよね。

「しかも自分の場合は1月に柔術の大きな大会に出て、2月にアマチュアパンクラス(東京ケージファイト)にも出ていたので、今年はほぼ毎月試合しているんですよ。1回戦で相手のヒジを蹴って、ちょっと足を痛めたくらいで、ダメージなく決勝を迎えられてよかったです」

──トミー選手は1月に柔術の試合を終えて、MMAの試合が続いている状況ですが、完全にMMAモードなのですか。

「そうですね。アマチュアパンクラスに出た時からMMAモードに入りました」

──2試合連続で短時間でのフィニッシュでしたが、あれは体が勝手に動いたという感覚ですか。

「格闘代理戦争は1R3分なので、早く仕掛けないと一本勝ちするのが難しいんですよね。それもあって早く仕掛けている感じですね」

──ちなみに柔術時代はどういうスタイルだったのですか。

「寝技のスタイルは結構ガードに引き込むタイプで、あまりテイクダウンする選手ではなかったです。でもテイクダウンが苦手というわけではなくて、柔術だったら引き込むという戦い方でした」

──ルールによって組みの戦い方も変えているのですね。

「そうですね。MMAはなるべく自分からテイクダウンを取った方がいい。あまり下になるのはよくないので、なるべく上を取って極めるスタイルでいっています。準決勝はテイクダウンをディフェンスされたんで、ああいう流れ(引き込んでヒザ十字)で極めました」

──監督のイゴール選手からは準決勝後にどのような声をかけられましたか。

「試合が終わった後は凄く喜んでましたね。イゴールは僕が優勝するって本当に信じてくれているし、ダメージがなく勝てたこともイゴール的には良かったんだと思います」

――トミー選手がMMAをやる上で好きな選手・参考にしている選手はいますか。

「日本人だとKID(山本徳郁)さんに憧れていて、海外だとシャーウス・オリヴェイラですね」

──ああ…確かにトミー選手はオリヴェイラっぽいですね。

「めちゃくちゃ強いし、同じブラジル人で柔術家ということで、凄くインスピレーションを受けています」

──オリヴェイラもサブミッションという武器があるからこそ、打撃含めて思い切り戦っていますよね。

「そうですよね。いい意味でテイクダウンされることを怖がっていない。僕はまだ打撃が下手なんですけど、だんだんレベルアップしたら(オリヴェイラに)似たようなスタイルになると思います」

──トミー選手はフィニッシュして勝つことにこだわりはありますか。

「正直言うと、そこまでフィニッシュにはこだわっていなですね。テイクダウンして上を取って、パウンドで相手を削って勝てたらいいと思っています。ただやっぱりそういうスタイルよりも、極めた方がお客さんも盛り上がりますし、そっちの方が“綺麗”なんで、なるべくフィニッシュはしたいと思います」

──格闘代理戦争は他のアマチュアの試合でキャリアを積むよりもチャンスを掴める舞台です。トミー選手は注目されることは好きですか。

「2月のアマチュアパンクラスが終わってプロデビューの準備をしていたんですけど、格闘代理戦争に出るチャンスが来て。最初はプロ戦績5戦までの選手が出てくるということで、勝てるかどうか不安だったんですけど、チャンスだと思って、それを掴みに行きました。格闘代理戦争に出て、ジムの会員さんから声をかけてもらう機会も増えたし、柔術の仲間も応援してくれたり、すごく反響がいいです」

──決勝では中村京一郎選手と対戦することになりました。どんな印象を持っていますか。

「まぁ打撃が強いっていう感じですね。ただレスリングと寝技に関してはそこまでだと思っています。相手の打撃に付き合うつもりはないんで、自分からプレッシャーをかけて触れたらすぐ終わると思います」

──触れたら終わり、ですか。

「はい、触ってクラッチを組めたら四つ組みでもいいし、バックキャッチでもいいですし、とにかく触れたらすぐフィニッシュします」

──格闘代理戦争で優勝すれば、7月の超RIZIN03でプロデビューとなります。今は格闘代理戦争の決勝に集中していると思いますが、プロファイターとしての目標を教えてください。

「自分もDREAMや戦極があった頃にさいたまスーパーアリーナの試合を見ていたし、RIZINで試合することも夢だったんで、凄いチャンスだと思っています。セコンドとしてさいたまスーパーアリーナの花道を歩いたこともあるんですけど、凄い刺激を受けたし、子供の頃から選手として自分もこの花道を歩きたいという気持ちがあるんで、そこまであともう少しですね」

──トミー選手は試合になってもあまり緊張しないタイプですか。

「もちろん少しは(緊張)するし、僕も柔術の大会で世界の色んな国で試合をしてきて、緊張して自分の強さや力を出せなくて悔しい思いもしました。そういうプレッシャーには慣れていると思うし、大きな舞台になればなるほど、もっと自分の強さをだせるというか、そこは全然問題ないと思います」

――柔術も組み技とはいえ、1日何試合もやるものですし、レベルが上がれば心身ともにタフな試合になりますよね。

「そうなんですよ。初戦を勝っても怪我や消耗が激しいと次勝てないですし、柔術のトーナメントを勝ち上がるのはハードです。しかも僕の場合は自分の階級と無差別級に出ていたし、4週連続で試合に出ることもあったので、柔術で得た経験は大きいです」

──格闘代理戦争はキャリアの浅い選手たちがチャンスを掴む場ですが、トミー選手の場合は柔術の世界大会も経験していて、“結果を出して世界を目指す”ではなく“MMAをやる以上、世界一を目指す”というマインドのようですね。

「そうですね。柔術でも世界一を目指していましたし、MMAも同じですね。京一郎選手はMMAのキャリアでいえば僕よりも長いと思うんですけど、“戦う”ということに関しては全然自分の方が上だと思っています」

■視聴方法(予定)
5月17日(金)
午後7時~ABEMA格闘チャンネル

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2024#02 45 FAW2024#02 MMA MMAPLANET o ギレルメ・ナカガワ トミー矢野 中村京一郎

【FAW2024#02】中村がギレルメの打撃に苦しむも最終回に左でTKO勝ち。決勝でトミーと対戦へ

【写真】最後は中村が左ストレートを軸にギレルメを殴り倒した(C)MMAPLANET

<フェザー級/3分3R>
中村京一郎(日本)
3R2分14秒 by TKO
ギレルメ・ナカガワ(ブラジル)

サウスポーの中村がガードを下げて距離をつくる。右ジャブをボディに突き刺す中村に対し、ギレルメはローからテイクダウンに入るタイミングをうかがっているか。さらにボディへ左ストレートを伸ばす中村。しかし右ジャブをボディに打ったところに、ギレルメが右ミドルを合わせた。中村の左ストレートを受けたギレルメがバランスを崩す。中村はギレルメの右インローに右ジャブを合わせたが、ギレルメのローが急所に入ってしまい、試合は中断される。再開後、ギレルメの右ハイをかわした中村は、左ボディストレートへ。ボディへの右ジャブから顔面への左ストレートに繋げる。ギレルメも中村のボディ攻撃に右ハイを狙って行った。

2R、互いにけん制のパンチを繰り出して距離を測る。中村の左ストレートがギレルメのアゴをかすめた。ギレルメはシングルレッグで飛び込むも、これを中村がかわす。立ち上がったギレルメは左ハイを繰り出したが、これをキャッチした中村に倒されてしまう。

中村はギレルメの右に、打ち下ろしの左を合わせた。ギレルメは右ミドルハイ、右ハイと攻め立てるが、肝心のテイクダウンは成功せず。中村がローと左ストレートを散らし、ギレルメの右ハイはブロックする。左ストレートでギレルメのアゴを跳ね上げた中村は、さらにノーモーションの左を突き刺していった。

最終回、中村が右縦蹴りからスイッチした。サウスポーに戻すとギレルメの右を食らい、フラついた。中村も打ち返すが、ギレルメの左フックで尻もちを着く。立ち上がる中村に組みついたギレルメ。これをカットした中村にギレルメがパンチからシングルレッグへ。

スプロールした中村がスタンドでパンチを当てるも、口から出血が見られる。しかし距離を詰めてきたギレルメの顔面に左ストレートを叩き込み、グラついた相手にパンチの連打を浴びせていく。ギレルメはケージ際でうつ伏せにダウンし、中村が追撃の連打を打ち込んだところでレフェリーが試合を止めた。

KO勝ちでトミー矢野が待つ決勝に進んだ中村は、「何回もテイクダウンに来たけど、打ち合ってくれたし、僕もパンチをもらいました。これから二人とも上に行くと思います。(決勝は)トミーとは1回戦の時から『決勝でやろうぜ』と話していたので、良い試合になると思います」と語った。


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2024#02 45 F1 FAW2024#02 MMA MMAPLANET o イゴール・タナベ トミー矢野 中谷優我

【FAW2024#02】トミー矢野がヒザ十字で中谷を秒殺「柔術家をなめんじゃねえぞ!」

<フェザー級/3分3R>
トミー矢野(ブラジル)
Def.1R0分18秒by ヒザ十字
中谷優我(日本)

トミーが右の前蹴りからダブルレッグで組みつく。中谷が小手に巻いてトップキープしようとすると、トミーが自ら潜って足関節へ。ヒザ十字を極めて秒殺勝利を収めた。

試合後、トミーは「練習でも足関節が得意で極めているんで、試合でも練習通りにできました。同じブラジル人のギレルメ選手に勝ち上がってほしいけど、中村選手も強いんで、どっちが来ても優勝できるように頑張りたいと思います。最後に言わせてください。柔術家をなめんじゃねえぞ!」とコメント。

監督のイゴール・タナベは「僕の計量失格に始まり、(トミーが)練習で気持ちが折れたこともあって心配されていたけど、これで分かってもらえたと思います。僕たちのチームは全然大丈夫なので優勝します」と語った。


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2024#02 45 AB ABEMA DREAM FAW2024#02 MMA MMAPLANET o RIZIN UFC UFC300 YouTube   キック ギレルメ・ナカガワ チャンネル トミー矢野 ビビアーノ・フェルナンデス ボクシング ミスター・ホンデ ライカ 中村京一郎 中村倫也 中谷優我 宇佐美正パトリック 岡見勇信 朝倉海 栄養 食事

【FAW2024#02】準決勝=ギレルメ戦へ、中村京一郎「BMFのベルトを日本に持ってくるためにUFCに」

【写真】インタビューはUFC300の前。面白い志向のJ-MMAファイターが出てきた(C)MMAPLANET

本日、会場非公開で開催される格闘代理戦争-THE MAX-準々決勝大会。3月15日の1回戦でミスター・ホンデを96秒で破った中村京一郎は、ギレルメ・ナカガワと対戦する。
Text by Manabu Takashima

プロとしての実績は出場メンバーのなかで頭抜けている中村は、当初より本命視されていた。しかし、そこにギレルメとトミー矢野というMMA志向の強豪柔術家が加わったことで、一気に周囲の危機感は増した。と思いきや、ダブル・ディレクター制を敷く中村を支える中村倫也はポジティブ・シンキングに満ち溢れている。対照的に、岡見勇信は不安が頭が離れない。まるでアクセルとブレーキのような両監督とともに準決勝に向かう中村に話を訊いた。


──準々決勝の勝利から3週間弱(※取材は4月2日に行われた)。中村選手は格闘DREAMERSで既にリアリティTVショーを経験していますが、そこが優位に働くことはあるのでしょうか。準々決勝大会も通常のMMAイベントと空気が違っていたのは確かですし。

倫也 ああ、確かに違いますよね。

岡見 なるほど。

中村 「初めましてっ」ではないので。そこは他の選手とは違うかもしれないですね。ただ僕自身はカメラとかスタッフさんとか、DREAMERSの時から気にしていなかったです。逆にホンデ選手の方があったかもしれないですよね。日本語が分からない。収録。格闘技の試合と揃っていて。だってファイトショーツを試合当日に忘れているぐらいだし。新宿に買いに行っていたらしいです。なんかそれを聞くと、勝った嬉しさがどんどん軽減してしまいましたよ(苦笑)。

──とはいえ、プロのキャリアが上限いっぱいの中村選手だけでに、本命過ぎる。その怖さが監督という立場のお二人はなかったですか。

岡見 絶対に負けられないというのは……変な話、TVの企画だし、負けさせてはならない。ここで負けることはあってはならないという気持ちでした。すんなりと優勝をしてもらわなければいけない。でも番組には、魔の空気感があるので。そこは怖かったです。

──ここに1人、魔の空気感の欠片もなかった人がいます。

倫也 アハハハハ。僕ですか?

岡見 そこが倫也とパト(宇佐美正パトリック)は、何かが乗り移ったかのような強さがありました。特に倫也の最後の凄まじい勝ち方なんかは。「こんなハッピーエンドがありますか」って(笑)。

倫也 それとトーナメント戦って、ワンマッチより想定外のことが起こるとは思います。今回のように3カ月で3試合だとケガの影響とかも出てくるでしょうし。

──そういうなかで、やたらと打撃の前評判が高いミスター・ホンデにあの勝ち方ができたことをどのように自己評価していますか。

中村 たまたまです。あのフィニッシュは。作戦も3分✖2Rで普通と違う。相手の情報もない。だからペースを上げるのは2Rからだったんです。テイクダウンも織り交ぜようとか、そういう話もしていていましたし。

倫也 1日しかないなかで映像を探して、Breakingdownの試合と朝倉海選手のYouTubeでマススパーをしているのを見つけました。スパーと試合の動きが一致していて。奥手のストレートと返しのフック、それとインロー。キックボクシングのなかで嫌な攻撃は、すぐに分かりました。ただキックボクシングの距離だから、一歩外せば良い。それを京一郎は5戦ぐらいの経験でなぜかできてしまうから、僕は全く心配していなかったです。こっちは組みも考えて、試合を組み立てることができるので。

岡見 倫也がそこまでやっているから、スタッフに「岡見選手は何もやっていないですね」って言われちゃいましたよ。アハハハハハ。

──アハハハハ。確かに。

中村 キックの間合いで面倒くさいことにならないよう、四つで組むというゲームプランでしたが、そうはならなかった。組んでみて、ちょっとならないなって思いました。ただ向き合った時に、動きが固かったです。だから最初にフラッシュダウンを奪った時も、そこで仕留めにいかなかった。ホンデ選手は焦っていたけど、集中力が増しました。

倫也 相手がそうなった時って、結構同調してしまうんですよ。そこでラッシュをかけずに、次に勝機が訪れるのを待っていたのも良かったです。あそこで同調していくと、逆に貰うこともあるので。

中村 本当は中に入って、もっと面白い試合をした方が良いかもしれないですが、トーナメント戦なので。

──面白い試合など、必要ないですよね。岡見監督!!

岡見 そこはあえて、僕を名指しですか(笑)。勝ちゃあ良いです。でも京一郎は、僕にない感覚の持ち主なんで。打撃の間合い、見方っていうのは素晴らしいです。あまり被弾しないでKO勝ちができているので。しっかりとMMAを考えた打撃ができる。つまり僕が見ることができなかったところが、見えているのだろうなと。そこを凄く信用しています。

全く緊張をしない。そこも僕とは違うのですが、実はテンションがいつもより高かった。倍までとは言わないけど、8割増しぐらいで話しているし。これから試合だという空気感は全然なくて。

中村 ストライカーだからというのもあったと思います。前日に戦うことが決まったわけで、研究する時間もないからこそ絶対に負けないと思いました。

岡見 普通はそこまでリラックスすると危ないんですよ。普通は。

中村 ケージの中に入ると、スゥっと落ち着くんですよ。そしてグンと集中力が増します。人間の集中力って限られているので、ケージの中に入って上げた方が良いかと思っています。

岡見 僕のキャリアにはないものなので、試合前の京一郎は見ていて不思議な感覚でした。だから逆に怖くなってしまって。そういう選手って、負けて百八十度変わってしまうのも見てきたので……。なので「試合だからね」って言う感じで、要所を締めてはいました。

──今回のフォーマットは約2カ月間に3試合。1カ月に1度のペースで試合があります。初戦は69キロ契約、次からはフェザー級。中村選手の普段の体重は何キロなのでしょうか。

中村 多い時は80キロ以上あります。ただ、今回は75キロぐらいまでしか戻さなくて、今は73キロぐらいです。

──3、4カ月に一度の試合だと中村選手のフィジカルは絶対に武器になると思います。ただ、1カ月おきに10キロの減量がある場合はどうなのか。

倫也 確かに……ただ、僕は高校の時に2週間おきに60キロから50キロまで落としていていました。意外と大丈夫。人間は凄いです。

中村 体が覚えているっていうのもありますね。65キロを覚えていて、食事を抑えると「ハイ、ハイ、ハイ、これね」って体重が落ちていきます。

──いやぁ、岡見選手……この両者の言葉を聞いていると、やはり時代が変わったのかと考えてしまいます。

岡見 特にDREAMERSで出会った子たちは、僕らの時とは違うというのは実感しています。僕らの時代はノウハウがなくて、水を飲まないで落とすなんていう選手もいましたからね。計量が終わったら、コンビニで勝って来たパスタを食べるとか。

──力石徹シンドロームですよね。

中村 アハハハハハ。でも、そういう話も聞いたことがあります。減量は倫也さんに教えてもらったやり方がハマっています。4年目なんですけど、65キロに落としたのは6、7回なので体もフレッシュなんだと思います。

倫也 いや、僕も中学の時とか全く知識がなくて。もちろん、母親もなかった。だから、ずっとコンニャクとキュウリだけを泣きながら、「辛ぇ」って食べていました(笑)。

──エグい、カロリーが低くても栄養価も……。ともあれ進化したダイエットを駆使している中村選手ですが、準決勝はギレルメ・ナカガワ選手と戦うことになりました。決勝進出を考え、他の選手と戦いたかったということはないですか。

中村 僕は誰かと戦いたいとかはなかったです。

岡見 僕も誰でも良かったですね。

倫也 僕は「中谷選手で行こう!!」と。というのも、シャッフルされることを知らなくて。仮で組まれたトーナメント表だと中谷選手だったから、気持ちが中谷選手だったんです。

中村 シャッフルされるっていうのは、試合に勝ってから知りました(笑)。

岡見 まぁ、とにかく山は1回戦。1回戦が全てだと思っていたので。やっぱりリアリティTVショーは特殊な環境で。DREAMERSを経験しているとはいえ、凄く怖かったです。普通の大会なら、全然平気です。でも、この格闘代理戦争の空気が何かを狂わせるんじゃないかと……老婆心ですよね。

中村 それ、対策済みでした。DREAMERSの時、番組をチェックしながら収録が続いていて。あれは感情の起伏が激しかったです。だから、今回は代理戦争の動画を視ていないです。試合だけにフォーカスする。それ以外は目にも耳にも入れないようにしています。番組はトーナメントで優勝してから視ます。

これは狩野(優)選手に負けたことも踏まえて、勉強したことです。あの頃はただ喧嘩をしていていただけで、僕はアスリートじゃなかったです。

だってPOWNDSTORMで勝ったのは倫也さんだけで。控室が一緒の皆が負けた。じゃあ、なぜ? この人だけは勝てたんだって考えました。泣きながら帰ってくる人間とか、いるわけですよ。それだけ背負うモノがあって、実際に背負っているのに戦う時は、それは別モノとして捉えていた。だって、あの時の倫也さんは試合の2週間前に鼻も折っていたんですよ。

倫也 「何があっても関係ない。知らねぇよ」っていう気持ちで。言うと「誰が負けようが知らねぇよ」という気持ちでしたね(笑)。

中村 そこを見習いました。スポーツとしてやっている。減量も練習も、試合に対してのプロセスが──撮影があろうが、徹底していたんだなって。僕も今は割り切りがあるから、試合前に対戦相手の横でインタビューに答えることができて。分けていないと、試合に影響したかもしれないです。それと1試合目だったのが良かったです。試合と試合の間が長いとか、そこは僕には関係なかったので。

それに僕が1試合目にKOをしたことで、他の選手は影響を受けたはずで。逆にあの場で判定勝ちをした中谷選手も、割り切れているんだと思います。

倫也 アスリートって制限のなかで生きているので、ああいう場に立たされると自由にできない。不良上がりは自由にできる。それはそれで羨ましいけど、そういう人はアスリートのような規律はない。そこは戦い方にも表れます。でも、今の京一郎は不良や喧嘩屋とアスリート性の両方を持っています。

中村 髙谷(裕之)さんにも言われました。相手が決まって「作戦とかねぇだろう。明日は喧嘩をすれば良いんだ。相手もお前のこと研究できないんだし」って。

倫也 不良がアスリートになるパターンが一番怖いですよ。

──まさにビビアーノ・フェルナンデスのテイクダウンを切って、殴れる不良上がりですね。

中村 そうなんですよ。テイクダウン防御になると髙谷さんはアスリートになって、技術を言語化もできる。熱いところと、冷静なところを持っているんですよね。

──中村選手がギレルメに対して、そのような戦い方ができるのか。

倫也 初戦の勝ち方も良くて、パフォーマンスも良かったです。もちろん警戒もして、準備もしています。技術的なことをいうと、ワンアタックにピークを持って来ると思うので。そこを集中力を持って対処すれば2回、3回と続くと切れてくるんじゃないかと。無敗といっても、柔術では負けています。そこは京ちゃんの自由さが上回るはずです。

初戦の京ちゃんの打撃を見ると、ギレルメ選手だって同じようには戦えないはずです。真っ直ぐ下がらないし、サークリングもできるので。そういうことにギレルメ選手が、初めて遭遇する試合になりますからね。

岡見 倫也はファン目線というか、もう京一郎の試合を見ることを楽しめるんですけど……僕は心配ばかりで(苦笑)。ホントに勝ってもらわないと。このメンバーのなかでギレルメ選手は一番の相手だと思っていました。ボンサイMMA、クレベルとサトシを引き継いでいる。打撃も振るところは振って、テイクダウンからどんどん極めてくる。固めるのではなく、極める。それがボンサイで創り上げてきたMMAです。

倫也が言ったようにテイクダウンがハマらないと、ボンサイMMA……クレベルは打撃の乱打戦に勝負を賭けてきます。つまりは京一郎の土俵です。そこに持ってくることができれば、京一郎はしっかりと戦ってくれるに違ないです。

──こなれた様に話してくれましたけど、リアリティTVショー向け過ぎて。もう少し、具体的な技術論を話してもらえないですか(笑)。

倫也 アハハハハハハハハ。

岡見 いやいやいや(笑)。ちゃんと話しているじゃないですか。

──ギレルメが引き込む可能性は?

岡見 それもあり得ます。引き込むのか、覚悟を決めて殴り合いにくるのか。気持ちが入っている時と気持ちが落ちた時、ギレルメ選手はどちらを選ぶ選手なのか。何にしろ、京一郎はテイクダウン狙いを1度、2度、3度と切ることが重要です。そこから殴ってくると、僕は思っています。

中村 1回戦と違って対策ができる。それが恐怖になる。フィニッシュしている試合が多いから、この左のパンチを気を付けない──という気持ちが一瞬でも出ると、ギレルメ選手の弱さが出る。ただし恐怖を乗り越えてくるだろうし、そこからの距離、間合いの勝負になると思います。一瞬でも距離を間違えるとギレルメ君、終わるので。組まないといけないという焦りを、3分間で如何に引き出すか。

──逆にギレルメのやるべきことに、ファーストアタックでハメられる恐怖感はないですか。

中村 初戦を見てもパワーを使ってボディロックから倒しに来るので、そこは余りないです。だからこそ2回、3回と切れば落ちてくるのか。それでも前に出てくるのか。あとプレッシャーだけでなく、物理的に削って集中力を切らせる必要もあります。ボディで削るとか、そこに持っていきたいですね。

倫也 バックギアに入っている顔つきをしていて、読めないことをやってきそうで。そこは警戒は必要だと思います。

中村 フィニッシュに入った時、あの顔が少し和らぐんですよ。

岡見 その顔にさせない戦い方をするということで。

──ところで先日、このトーナメントで優勝すると超RIZIN03に出場できるという話がありました。

中村 それもオマケですよね。番組の途中で出てきた話で。「俺もRIZINを目指しています」というキャラになるのは嫌です。

倫也 アハハハハハ。

──ABEMAから「でも、許す」と言って欲しいです(笑)。

岡見 アハハハハ。ストラッサー(起一)じゃないですか(笑)。

中村 僕はやっぱりUFCに行きたいので……というか、行くので。BMFのベルトを日本に持ってくるためにUFCに行きます。次、ゲイジーとホロウェイがBMFでやるじゃないですか。ホロウェイが勝ってくれると、ベルトがフェザー級にくるので。ホロウェイに勝って欲しいです。

■視聴方法(予定)
4月19日(金)
午後7時~ABEMA格闘チャンネル

■FAW2024#02 対戦カード

<フェザー級/3分3R>
ギレルメ・ナカガワ:65.6キロ
中村京一郎:65.65キロ

<フェザー級/3分3R>
中谷優我:65.75キロ
トミー矢野:65.6キロ

<63キロ契約/3分3R>
田畑魂:60.7キロ
ガブリエル・クサノ:62.4キロ

<66キロ契約/3分3R>
脇田仁:63.80キロ
袖裂雄貴:65.75キロ

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45 AB ABEMA FAW2024#02 MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN LANDMARK09 イゴール・タナベ ギレルメ・ナカガワ クレベル・コイケ チャンネル トミー矢野 ホベルト・サトシ・ソウザ 中村京一郎 中村倫也 中谷優我 岡見勇信 斎藤 皇治 芦澤竜誠 青木真也

【FAW2024#02】格闘代理戦争準決勝大会、計量終了。ホラーマンとカビルンルンが、アンパンマンを食う

【写真】明日は一転、実力勝負の無慈悲な世界が待っている(C)MMAPLANET

明日、会場非公開で実施される格闘代理戦争-THE MAX-準決勝大会に先立ち、都内某所で出場4選手とワンマッチで戦う皇治と芦澤竜誠に率いられた4選手の計量が行われた。
Text by Manabu Takashima

まずは準決勝を戦う中谷優我、トミー矢野、ギレルメ・ナカガワ、中村京一郎の4選手が体重計に乗り全選手がクリアした。直後にチーム監督を交え、明日の試合に向けての共同取材に。

同番組のマッコイ斎藤ディレクターの仕切りで会見が始まると、青木真也が案の定というべきイゴール・タナベのRIZIN LANDMARK09での計量失敗を弄る。

「どうなの? 恥ずかしくないの? ここに出てきて」という言葉に、イゴールは「恥ずかしいです」と言葉少なげに対応。このやりとりは「俺だったら出てこれない。大したもんだ。明日ガンバロー、皆で」という青木のセリフで幕引きとなった。

監督→選手という順で意気込みを話すなか、中村京一郎が帯同した中村倫也監督は会見を待たずして、練習に向かってしまうというアクシデントが勃発。

質疑応答も終わろうかと言う時間になり岡見勇信監督が「会場入りの時間が間違っていましたよ」と到着して事なきをえた。

気になったのはギレルメ・ナカガワには、クレベル・コイケ監督に代わりホベルト・サトシ・ソウザが付き添っていたこと。

そのサトシは「試合が決まって旅行に行った」とクレベル不在を説明していた。


準決勝進出選手&監督の共同会見後はワンマッチ2試合=皇治推薦選手と芦澤竜星推薦選手がぶつかるという対立構造のなか4選手揃って計量をクリアした。

ここから皇治と芦澤も加わって会見となったが、その両者が揃ってマッコイ斎藤Dを口撃する。「これマッコイの嘘やん。ホラーマン×カビルンルン対決。代理戦争というよりも、この子たちが俺たちの名前を使ってチョットでも有名になって自分たちの夢を叶えてくれればそれでエェかな──と思いますけど。俺が言いたいのは、マッコイと準決勝の監督たち。お前らは誰や、と。お前らは監督か選手か。2人並んだら分からんから、俺らが呼ばれる。だからアンパンマンを気取っている実力主義のヤツは、ホラーマンとカビルンルンに感謝しろ」と皇治が口火を切る。

すると対立軸にある芦澤も「監督たちが知名度無さすぎるし、盛り上がっていないでしょ。だから普通に出ようかなって感じ。でも、NARIAGRIの選手、どこ行った。1人でしょ。だいたい(マッコイ氏に向かって)お前、焚きつけてこんなのやりやがって。嘘ばっかついてんじゃねぇか、この野郎。やんねぇぞ」と続き、選手たちが抱負を話した。

この後、質疑応答の時間となりMMAPLANETからはガブリエル・クサノに「他のプロモーションでもプロでビューという話で動いていたようですが、ここに出ることを決めたのは?」と質問し、以下のような返答があった。

ガブリエル・クサノ
「やっぱり大舞台であるし、色んな選手のアドバイスとかもらっていて。まだ18歳で若いので、これからも将来があるし、アマチュアで積んで行っている戦績もあるし。で勝てばRIZINに行けるチャンスがあるので、ここで戦うことにしました」

この後、芦澤はクサノが皇治と何も関係がないと指摘し、「なら辞めよう」と皇治が言いだすなど、ワヤクチャな共同取材が続いた。また代理戦争が盛り上がっていないという指摘にマッコイ氏は「全然、一生懸命やっていますし。実力も全然凄い選手達だし、僕はそういう風には思っていません。あとは楽屋でこの2人とは言いあいしたいと思います」と反論している。

■視聴方法(予定)
4月19日(金)
午後7時~ABEMA格闘チャンネル

■FAW2024#02 対戦カード

<フェザー級/3分3R>
ギレルメ・ナカガワ:65.6キロ
中村京一郎:65.65キロ

<フェザー級/3分3R>
中谷優我:65.75キロ
トミー矢野:65.6キロ

<63キロ契約/3分3R>
田畑魂:60.7キロ
ガブリエル・クサノ:62.4キロ

<66キロ契約/3分3R>
脇田仁:63.80キロ
袖裂雄貴:65.75キロ

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45 AB ABEMA DEEP FAW2024#02 MMA MMAPLANET o イゴール・タナベ チャンネル トミー矢野 プロレス 中谷優我 松岡拓 田嶋椋 青木真也

【FAW2024#02】格闘代理戦争準決。青木真也も監督継続、中谷優我「派手な試合はできない。必死に勝つ」

【写真】青木監督の愛のムチ?で中谷は一歩一歩強くなっている(C)TAKUMI NAKAMURA

4年振りに再開したABEMAの格闘家発掘リアリティTVショー=格闘代理戦争-THE MAX-。3月15日に都内某所で実施された一回戦で、中谷優我は一般公募からエントリーした松岡拓(監督:田嶋椋)を3分3R=9分間、テイクダウン&コントロールで判定勝利した。19日(金)の準決勝ではトミー矢野(監督:イゴール・タナベ)と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

試合前日に青木監督から「負け確定」の烙印を押されながらも、いざ試合では自分のやるべきことを貫いて勝ちを手にした中谷。代理戦争という企画を通して青木監督と時間を過ごすことで確実に強くなるきっかけを手にしている。トミーとの準決勝でも愚直に勝利を目指す。


――一回戦の松岡拓戦では3分3R組みで松岡選手をコントロールし続けての勝利でした。

「対戦相手が前日に決まったというのもありますし、試合映像も少ない相手だったので、組み合う・向き合うまで分からない点が多かったんですけど、自分のやりたいことを徹底できたかなと思います」

――試合前日に相手が決まるということも含めて、自分がやるべきことを貫く練習をしてきたのですか。

「そうですね。基本的に僕は誰が相手でも同じスタイルで、自分のやりたいことを押しつける作戦というか。そういうアドバイスももらっているので、それを実践しています」

――まさにその通りの試合だったと思うのですが、あの時点では満足がいく試合でしたか。

「反省点というか、直さなきゃいけないところも多々あった試合ではありますけど、自分のやりたいことができたのかな……とは思います」

――青木監督からも「前回の試合の良かったところはかっこよくやろうとしなかったところ」と言われていましたが、自分のファイトスタイル的に、余計なことせずに自分のやるべきことだけをやるという考えですか。

「はい。初めてDEEPに出て負けたとき(2023年7月の井上竜旗戦)も、自分が貫かなきゃいけないところを譲ってしまって、判定で負けてしまったんです。その時の反省からしてもそうですし、自分のやるべきことをやらなきゃ勝てないと思って戦っています」

――試合前の抽選会で青木監督から「負け確定」という発言があったり、試合直後に監督の辞退宣言があったりと試合以外でも色んなことがありましたが、今は一連のことをどうとらえていますか。

「やっぱり青木さんにもっと認められるというか、よくやったと言われるまでいきたいなと思いますね。青木さんが『お前勝てるぞ』と思ってくれるくらいまでいきたいです」

――すべては自分が強くなるために必要なものだと受け止めていますか。

「そうですね。僕はそう感じています」

――1回戦が終わった後、練習していくなかで変わったことはありますか。

「青木さんにも常々『もっと考えてやれ』や『お前は浅はかだ』と言われ続けているんですね。それで『自分は何を考えなきゃいけないんだろう?』や『何が浅はかなんだろう?』というところから考えました。それで練習中の心境であったり、自分は淡々と練習していた部分があったんで、まだまだ足りないところは多いのですが、少しは考えながら練習に取り組めるようになったのかなとは思ってます」

――そういったことを考えると、ただ試合経験を積むのではなく、格闘代理戦争という企画で監督と二人三脚で試合したことで得られるものは大きかったのではないですか。

「はい。本当にこの2~3カ月は今までとは全く違う、すごく得たものは大きいですし、自分自身も少しずつ変わりつつあるのかなとは思っています」

――また番組内ではプロレスラーの藤田和之選手やケンドー・カシン選手ともトレーニングしていましたが、当日はどんな心境でしたか。

「怖かったですね…。何をするかも分からなかったですし、藤田さん・カシンさんがいるというのは本当に怖かったです」

――特に藤田選手からは海でボディスラム&闘魂ビンタも受けていましたが、どんなものを藤田選手から感じましたか。

「最初は怖かったのですが、藤田さんの強さやかっこよさを感じましたね。話していただいた内容もそうですし、移動中も試合前にどんな心境だったか・どうやって過ごしていたのかを教えていただいて、僕のなかではすごくいい経験をさせてもらいました」

――自分の目標を達成する、目標にしている選手になるために何が必要かを体感できたようですね。

「僕が今課題にしている『変わらなきゃいけない』っていう話をしたときに、藤田さんから『人間はきっかけがあれば変われるんだよ。一つのきっかけで変われるから』とおっしゃってくれて、藤田さん・カシンさんとトレーニングしたことが変わるきっかけになるかもしれないなと感じました。僕が変わることができたかどうか。それは金曜日の試合で分かるのかなと思います」

――今回の試合に向けて青木監督から試合の前に何か言われたことってありますか。

「この試合に向けてというのはないですが、代理戦争を通して青木さんと接する機会が増えて、感じるものはたくさんあります。きっと僕が青木さんから感じられるものって本当に浅いところでしかないと思いますが、これがプロフェッショナルなんだなというものを勉強しています」

――準決勝で対戦するトミー矢野選手にはどんな印象を持っていますか。

「トミー選手は柔術が強くて寝技に自信があって、僕も寝技に自信があるスタイルです。得意なところは一緒ですが、違うスタイルにはなると思いますし、その中で僕のスタイル、僕のやりたいことを押し付ければ勝てるんではないかと思ってます」

――まさにお互いの戦い方を貫く者同士の試合になりそうですね。

「はい。そこでは負けないぞと自分で思っているし、そこで相手を上回りたいです」

――視聴者のみなさんにはどんな試合を見せたいですか。

「代理戦争はトーナメントなので、勝ちにこだわる姿勢というか貪欲な姿勢を見せていきたいです。僕は競技として勝ちたい。ただそれだけです」

――代理戦争は色んなキャラクターの選手と監督がいますが、中谷選手も勝ちにこだわること、自分の信念を持って挑む姿、そういったものを伝えたいですか。

「そうですね」

――それでは最後ファンの皆さん、視聴者の皆さんに一言メッセージをいただけますか。

「先ほども話した通り、僕は派手な試合はできないと思いますが、必死に戦って勝って優勝することを目標にしています。僕の貪欲な勝ちへの姿勢を見ていただいて、応援していただけたらなと思います」

■視聴方法(予定)
2024年4月19日(金)
午後7時00分~ABEMA格闘チャンネル

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45 AB ABEMA FAW2024#02 MMA MMAPLANET o RIZIN Torao UFC   ギレルメ・ナカガワ チャンネル トミー矢野 ライカ 平本蓮 杉本静弥 秋山成勲 諸石一砂 青木真也 鶴屋怜 鶴屋浩

【FAW2024#02/TORAO32】格闘代理戦争振り返り。鶴屋怜「とにかく寝技を」&諸石一砂「必要な経験」

【写真】諸石がいる日本の時間は夜22時、鶴屋はATTの朝スパーリングの前にリモートで参加してくれた(C)SHOJIRO KAMEIKE

4年振りに再開したABEMAの格闘家発掘リアリティTVショー=格闘代理戦争-THE MAX-。3月15日に都内某所で実施された一回戦では、鶴屋怜の推薦選手として諸石一砂が出場した。
Text by Shojiro Kameike

試合では諸石がギレルメ・ナカガワにわずか40秒――腕十字を極められた。試合後、諸石は5月26日にアクロス福岡で開催される「TORAO32」でネイン・デイネッシュと対戦することが決まっている。格闘代理戦争への出場を経て、諸石は何を得たのか。現在、米国のATTで練習中の鶴屋怜とともに、格闘代理戦争の裏側も語ってくれた。


――現在ABEMAで放送中の『格闘代理戦争 -THE MAX-』について、鶴屋怜監督と諸石一砂選手に番組と1回戦の試合について振り返っていただきたいと思います。鶴屋監督と諸石選手の登場は1回戦が行われる第2話でしたが、出場が決まったのは直前だったのでしょうか。

鶴屋 直前ではないですね。自分の出演が決まったのが、他の人たちより遅かったというだけで。オファーを頂いたのは試合の2~3週間前だったと思います。そのタイミングでジムの中から誰が出られるかを父(鶴屋浩THE BLACKBELT JAPAN代表)と相談して。条件(フェザー級、25歳前後、プロ5戦以内)という条件の中で一砂君が出られるということで、一砂君が推薦選手に決まりました。

諸石 選んでもらった時はワクワクしました。プロではまだ2戦しか経験していないし、もともと格闘技のキャリアは浅いので、こういったメディアに出られるのは嬉しかったです。普通じゃ経験できないことだから、これはチャンスだと思っていました。

鶴屋 よく「エンタメだから、どうこう」と言われますけど、出る選手からすれば賞金も貰えるし。さらにRIZIN出場権も賭けられるという大きなチャンスだから、出るべきだと思いましたね。

――格闘代理戦争はドキュメンタリー番組であり、リアリティショーです。通常の試合の時と違って、煽る発言などは意識しましたか。

鶴屋 何となくそういう雰囲気は感じましたけど、制作サイドも僕の性格を分かってくれていたんじゃないですか。いつも自分は尖った発言をしていると思われているみたいだけど、本当に思っていることは言いますよ。でも別に思っていないことは――もう21歳なので、言って良いことと言っちゃダメなことは分かります(笑)。

――むしろ諸石選手のほうが煽るタイプでした。

諸石 アハハハ、そうかもしれないです。

鶴屋 試合をする選手は、みんなMMAのキャリアが同じくらいで。だけど自分の場合は監督側で、青木真也さんや秋山成勲さんは年齢もキャリアもずっと上ですからね。さすがに青木さんや秋山さんに噛みついていくことはできないです(苦笑)。

――唯一、平本蓮選手に対しては「口だけ」と発言していましたね。

鶴屋 そうですね(笑)。平本選手は年齢もそれほど離れているわけじゃないし、多少は言えるかなって思いました。

――諸石選手は過去2戦経験しているプロの試合と、格闘代理戦争の試合では意識が違った部分などはありましたか。

諸石 自分はガンガン行くファイトスタイルで、格闘代理戦争でも同じスタイルで戦いました。テレビの企画だと結構、自分をつくってしまう人もいると思うんですよ。でも僕はそういうことを気にせず、素の自分でいましたね。

――素の部分といえば、諸石選手の場合はサッカー選手のキャリアと、ストリートファイター時代が紹介されていました。サッカー選手とストリートファイターは同時期だったのでしょうか。部活が忙しい中で、どのように両立していたのかと……。

諸石 サッカー部の中でも僕は自宅生だったので、試合が終わった休みの日とかは……すみません、ストリートファイト時代の話はナシで(苦笑)。

――アハハハ、書けない話も多そうですね。鶴屋監督と諸石選手は、お互いに初めて会った時や練習した時の印象を覚えていますか。

鶴屋 「ヤンチャな人が来たなぁ」と思いましたね(笑)。それと「ヤル気がある人だな」って印象でした。まさかその後に、格闘代理戦争に出るとは思っていなかったですけど。

諸石 ジムに入った時は「自分が最強だ!」と思っていたので、初めて怜君と組んだ時はビックリしました。「こんなに強い人がいるのか!」って。今まで触れたことのないレベルを感じましたよね。正直、地元でも格闘技経験があるっていう人と戦ったこともあるんです。当たり前だけど、怜君は次元が違いました。

――諸石選手はMMAを始めるうえで、なぜ当時のパラエストラ千葉ネットワーク(現THE BLACKBELT JAPAN)を選んだのでしょうか。

諸石 強いジムだということは当たり前ですけど、寝技の強さですよね。僕も打撃には自信があったけど、ストライカーが寝技で何もできずに負けている試合もたくさん見てきました。だからジムとしても強いし、特に寝技が強いので「ココに入ろう!」と決めました。それが今からちょうど2年前のことですね。

鶴屋 一砂君がジムに入ってきた時は、経験ないから当たり前だけど、雑な部分は多かったです。でも、ずっとサッカーをやっている人だから、運動神経は良くて。最近は打撃も格闘技のものになってきているし、寝技もできるようになってきている。格闘代理戦争の1回戦は寝技で極められてしまいましたけど、そもそも寝技を身につけるのは時間が掛かるものですからね。これから寝技をどんどんやってくれれば良い。打撃もMMAとして、どんどん綺麗になっていると思います。

――諸石選手の場合は、特に蹴りのフォームと強さが印象的です。たとえば野球はピッチャーの投げる動作とパンチを打つ動作が似ていると言われます。

鶴屋 それ、よく聞きますよね。父もそう言っています。

――ではサッカーとMMAの蹴りを比較すると、いかがでしょうか。

諸石 サッカーはボールを蹴る時、軸足の位置や踏み込みの角度で全然違います。本当にミリ単位で軌道が変わったりするんですよ。僕の場合は格闘技の蹴り方ともまた違って、サッカー独自の蹴り方と組み合わせたものかもしれないです。もともとサッカーをやっていたことで足の上げ方とか、あと脱力して蹴ることができていたとは思いますね。

――なるほど。――格闘代理戦争では、計量の後に抽選で翌日対戦カードが決まりました。抽選の前に「どの選手と対戦したい」という希望はありましたか。

前日計量後の抽選で、先にFを引いた鶴屋。Eに警戒していたナカガワが来るとは――(C)MMAPLANET

鶴屋 僕はトミー矢野とギレルメ・ナカガワが一番嫌だなと思っていました。それを引いちゃったというか、自分が引いたあとにナカガワ選手が来たので……。

諸石 アハハハ!

鶴屋 格闘代理戦争は1Rが3分しかないから、テイクダウンに入られると結構不利になるじゃないですか。

諸石 ストライカーとしては嫌ですよね。

鶴屋 1Rが5分だと、最初に寝かされても残り2分で立ち上がって一発KO――ということはあると思うんです。でも3分間で最初にグラウンドへ持ち込まれると、逃げてからKOするまでは難しくて。そう考えていると、いきなりナカガワ選手が来っちゃったという。「これ、大丈夫かなぁ」と思っていました(笑)。

諸石 僕たち選手は抽選を横で見ていました。自分としては「誰でも良いよ」と思っていましたし、ギレルメ戦が決まっても自分は「おぉ、ハイハイ」みたいな感じで。

鶴屋 もともと誰が相手になってもいいように考えてはいましたが、試合が決まってから具体的に「どういう試合をするか」みたいなことを話し合いました。プロの試合だとワンデートーナメントでもないかぎり、ああいうことは経験できないですよね。

諸石 自分としても大きな経験でした。2週間前に出場が決まって、体重調整しながら仕上げていくことも少ないので。そのぶん格闘技の厳しさも知ることができて。今考えると、あの時の自分に必要なものだったから、出場のチャンスが来たんだなと思っています。

――ギレルメ戦はわずか1R40秒で敗退。試合後は悔し涙を流していました。

鶴屋 相手は打撃ができないから、一砂君がちゃんと蹴りを当てることができればKOできる、という勝つイメージも持っていました。でも試合は一番嫌な展開でしたよね。

試合直後はもちろん、控室で涙を流す諸石の姿も映像で公開されていた。この悔しさを次戦で晴らせるか(C)MMAPLANET

諸石 今までとは違う「本当の戦い」で負けたと感じました。何もできず、自分の距離で戦えなかったことに虚しさもあって。それと自分の甘さを実感して悔しかったです。

――準決勝以降、リザーブ枠のような形で出場が継続されることはなかったのですか。

鶴屋 勝ち上がった選手の中で負傷があったりしたら、別の選手が出るという話は耳にしていました。あくまで噂レベルのものですけど。

諸石 でも僕は1回戦の翌日には、次の試合(5月26日、TORAO福岡大会でネイン・デイネッシュと対戦)が決まったんですよね。格闘代理戦争の1回戦で負けた時は悔しかったけど、いつまでも引きずっていても仕方ないし、すぐ次に向けて練習を再開しました。

鶴屋 振り返ると、とにかく一砂君は寝技を練習しまくったほうがいい。正直、僕はそんなに打撃をやらずにUFCと契約して……。

――いやいや、そんなわけはないでしょう(笑)。

寝技が向上すれば、特の蹴りもより生きるはず(C)MMAPLANET

鶴屋 全くやっていないわけじゃないけど、ある程度は――ヌルマゴだって特別強い打撃を持っているわけじゃないですし。一砂君は強い打撃を持っているから、とにかく寝技を練習しまくったら絶対に強くなると思います。

諸石 まさに怜君の言っているとおりで。格闘代理戦争が終わってから、すでにMMAということを意識して寝技の練習に取り組んでいます。

――諸石選手としては鶴屋怜推薦の試合が終わって、次はTHE BLACK JAPANの看板を背負い、TORAO32で福岡選抜との対抗戦に挑むわけですね。

鶴屋 ちょうどウチに福岡県か、その周辺の出身選手が3人いて。だから福岡選抜×THE BLACKBELT JAPANの対抗戦という形になったんだと思います。

諸石 対抗戦に出る選手は僕が長崎県出身、他の2選手(杉本静弥と梅木勇徳)も福岡県出身なんですよ(笑)。

――現在、THE BLACKBELT JAPANには日本全国から入門者が集まっているのですね。

鶴屋 最近は日本全国から、特に若い選手の入会が多いです。

諸石 自分の強いジムを探した結果、パラエストラ千葉ネットワークに辿り着きましたからね。対抗戦として行われることが決まった以上は、自分もTHE BLACKBELT JAPANを代表する気持ちで戦います。

相手のネイン・デイネッシュ選手はオールラウンダーとして全部できるうえ、一発があるという印象です。格闘代理戦争の経験を生かして次の試合はしっかり勝ちます。そして、このままプロの試合は無敗のままベルトを獲りますので、よろしくお願いします!

■視聴方法(予定)
2024年4月19日(金)
午後7時00分~ABEMA格闘チャンネル

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