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UFC on ESPN+103:第9試合・チャールズ・ジョンソン vs. ス・ムダルジ

フライ級。同じフライ級のニコラウ vs. アルマバイエフのランカー対決を差し置いてセミ前で組まれた。

ジョンソンは昨年3連敗でリリース寸前まで追い込まれたが、今年2月に無敗の中央アジアファイター・カザフスタンのアザト・マクスム相手に代役で緊急出場。1Rにダウンを奪われ絶体絶命のピンチに陥ったが、2R以降にパンチで盛り返して逆転判定勝ち。ギリギリ生き残った。さらにジェイク・ハドリー、ジョシュア・ヴァンにも勝利して、すべてオッズではアンダードッグながら3連勝を達成。年間4勝目に挑む試合となる。ランカー目前のヴァンには、3R開始等同時にラッシュを仕掛けて、アッパーでKOしてUFCでの初黒星を与えている。今回のオッズは4戦ぶりのフェイバリット。33歳。

ス・ムダルジは前戦までランキングに入っていたが、敗れてランク外に。チベット出身で、ニックネームはザ・チベタン・イーグル。UFC3勝3敗。激闘型ファイターで、マット・シュネルにはパンチを効かせる場面があったものの、逆にパンチでダウンし、最後は三角絞めで一本負け。ティム・エリオットにも打撃では攻勢だったが、グラウンドに持ち込まれると一方的に攻められ肩固めで一本負けと連敗。6月にはジョシュア・ヴァン戦が組まれていたが欠場した。28歳。

いきなりパンチで飛び込んだジョンソン。詰めるとシングルレッグに入る。ケージに押し込んだジョンソン。引き剥がそうとするス・ムダルジだが、離れ際に右をヒットさせる。すぐに詰めるジョンソン。左右のパンチで出た。バックステップでかわすス・ムダルジ。しかしまたケージに詰まった。右ハイ。左フックをヒットさせる。ス・ムダルジはヒジを返す。ス・ムダルジ左ストレートをヒット。右ボディを打ち込んだジョンソン。ケージに詰めてまた右ボディ。組み付いた。ヒジを入れて離れるス・ムダルジ。残り1分。ジョンソンまでパンチで出たが、ス・ムダルジ首相撲からヒザで離れる。距離を取りジャブを入れるス・ムダルジ。また詰めたジョンソン。左右のパンチ。ホーン。

1Rジョンソン。

2R。またすぐに出るジョンソン。圧されてケージまで下がるス・ムダルジ。ジョンソン関節蹴り。どんどん詰めるが、ス・ムダルジの右フックがヒット。インローでバランスを崩すジョンソン。しかしなおも出る。ス・ムダルジの左がヒットするが、ジョンソン変わらず出る。追ってス・ムダルジの左をかわすと右を打ち込みヒット!下がったス・ムダルジ。ケージに詰めてアッパーからパンチのラッシュ!しゃがみこんだス・ムダルジにパウンドラッシュ。止めていい気がするがレフェリー流した。ガードを取るス・ムダルジ。下から三角。三角十字に。外したジョンソンだがス・ムダルジ逆にバックに回る。ケージ際まで移動し立ったジョンソン。テイクダウン。倒されたス・ムダルジだがフックスイープで上を取り返す。しかしまた上を取ったジョンソン。巴投げで返すス・ムダルジ。ホーン。

2Rジョンソン10-8。しかしジョンソンラッシュでかなりスタミナを使った。

3R。ス・ムダルジ動きが落ちていない。バックスピンキック。ジョンソンの蹴りをキャッチしてテイクダウン。すぐに立ったジョンソン。またプレスしてきた。倒すしかないス・ムダルジだが後退。出てきたジョンソンに左フック。ジョンソンもステップしながらのフックをヒット。まだまだ動けるジョンソン。また詰める。ボディブロー。ス・ムダルジの飛びヒザはバックステップでかわした。詰めるジョンソンに左ストレートを入れたス・ムダルジだが、プレスされてまたケージを背負う。パンチで出たジョンソンにス・ムダルジタックル。しかしス・ムダルジ投げてテイクダウン。上を取ろうとするが、ス・ムダルジ立った。残り1分。また詰めるジョンソン。タックルに入るジョンソンだが、ス・ムダルジはネルソンからダースチョーク。外れてまたネルソンになるとヒザを入れた。振りほどいたジョンソン。タイムアップ。

判定三者29-28でジョンソン勝利。今年4連勝を達成。

2RKO寸前まで追い込みながら仕留めきれなかったが、最後まで動きが落ちず。

ス・ムダルジはKO負け寸前から三角に入るなど諦めなかったが、これで3連敗。

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UFC304:第6試合・ムハンマド・モカエフ vs. マネル・ケイプ

 

フライ級。6位モカエフ、8位ケイプ。勝者がタイトル挑戦に大きく近づく一戦。

モカエフはここまでアマ24連勝・プロ11連勝で無敗。レスリングを武器にUFCでも6連勝。相手のレベルが上がるにつれてタックルに頼った試合が多くなってきている。ジャフェル・フィーリョ戦やティム・エリオット戦では押され気味で迎えた終盤にフィニッシュで勝利をもぎ取るなど、土壇場での勝負根性もある。ランカーでは唯一平良より年下の23歳。

RIZINバンタム級王者ケイプはUFCデビュー戦が現王者パントーハで、2戦目が後に5位まで上り詰めたマテウス・ニコラウ(現10位)で2連続判定負け。いずれも接戦で、ケイプ自身は勝っていたと言っているが、やや手数が不足していた。そこからは4連勝中。しかし、ランカーとの対戦が相手の欠場で流れたり、逆に自身の体重オーバーや負傷欠場で試合が流れたりと、1年目は4試合したが、昨年・一昨年は1試合しかできておらず、今年もこれが初戦。30歳。

両者は以前UFC PIで乱闘したという噂があったが、これは試合を盛り上げるためのジェアン・シウバの嘘だったとのこと。しかし今回、宿泊先のホテルで本当に乱闘騒ぎを起こし、公開計量でのフェイスオフでもエキサイトするなど、険悪な状態になってしまっている。

いきなり詰めたモカエフ。蹴りを入れた。ケイプはつっかからない。落ち着いて様子を見る。ミドルを蹴るモカエフ。牽制の蹴りを入れるモカエフ。ケイプは様子見しつつ、少しずつプレッシャーを掛けていく。モカエフの飛び込みに左を合わせるケイプ。見合いが続く。少しずつ詰めていくケイプだが手が出ていない。ジャブを一発ヒット。モカエフは牽制の蹴り。右を一発入れたケイプ。バックスピンキックを頭部に入れたモカエフ。ケイプ飛び込んで右。また飛び込むとモカエフはバックステップ。また飛び込んだケイプ。バックステップでかわしたモカエフ。残り1分。蹴りを入れるモカエフに過イプが詰めてケージを背負わせる。サークリングするモカエフ。飛び膝で出たケイプにモカエフタックル。ケイプがぶって足に組み付かせない。また飛び膝からパンチを入れたケイプ。モカエフタックル。またがぶって切ったケイプ。ホーン。

1Rは手数でモカエフ。しかし両者手数が少ないので、終盤のケイプの攻めが評価される可能性もある。

2R。また詰めるケイプ。お互いフェイントを見せる。飛び膝を見せたモカエフ。右オーバーハンドを入れたモカエフ。ケイプが前蹴りを出したが、指を痛めのか気にする。右足の親指を痛めたか。モカエフカーフからタックル。テイクダウン。ケイプKガードからもぐろうとするが、ケイプが何かレフェリーにアピール。ショーツを掴んだというアピール。リプレイで見るとテイクダウン後にがっつり掴んでいた。スタンドで再開。モカエフのパンチにアイポークをアピールして背中を向けたケイプ。しかしレフェリー見逃して止めない。モカエフ詰めてタックルに入るがケイプ切った。モカエフ飛び蹴り。ケイプまだ右足親指をマットにつけておらず、痛めている模様。残り1分。ケイプ詰めてきた。モカエフ下がる。ジャブを一発入れてサークリング。ケイプが詰めたが、モカエフは膝を一発入れて離れる。またフェイントでケージに詰めるケイプ。しかしやはり足を痛めていて踏み込めないのか、詰めても手が出ない。ホーン。

2Rモカエフ。

3R開始前にドクターから続行を確認されるケイプ。続行。前蹴りを顔面に入れたモカエフ。ケイプが詰めたところにタックルに入るが、ケイプ切って離れた。ケイプ詰める。モカエフタックル。切ったケイプ。また詰める。膝から右をヒット。詰めるケイプだが手が出ていない。モカエフシングルレッグ。テイクダウン。ギロチンに抱えたケイプだが浅い。抱えたままのケイプにモカエフはボディを殴る。首が外れて背中を付けたケイプ。下からヒジの連打。モカエフも体を起こさずパウンド。ハーフにするとケイプ足を救い膝十字狙い。ディフェンスしたモカエフだが、離れたところで立った。残り40秒。詰めるケイプ。逆にタックル。切ったモカエフがタックルに入るがそれも切ったケイプ。タイムアップ。

終了後にハグする両者。

29-28×2、30-27の3-0でモカエフ勝利。

消極的だったモカエフだが、微差でもラウンドを取っているという判断だったか。その微妙な可能性にかけるあたりが消極的なのだが。

ケイプもタックルへの対処は良かったが、プレッシャーはかけてもそこから手が出なかった。2Rに足を痛めてからは攻められなかったのは仕方がないが。

事前の乱闘は激しかったが、試合は両者警戒しすぎた。

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UFC on ESPN59:オッズ/予想と展望

ローズ・ナマユナス 1.46
トレイシー・コルテス 2.80
サンチアゴ・ポンジニッビオ 1.52
ムスリム・サリコフ 2.60
ドリュー・ドーバー 1.91
ジェアン・シウバ 1.91
ガブリエル・ボンフィム 1.29
アンジュ・ルーサ 3.70
ジュリアン・エローサ 2.70
クリスチャン・ロドリゲス 1.49
アブドゥル・ラザク・アルハサン 1.59
コーディ・ブランデージ 2.40
ジョシュア・ヴァン 1.46
チャールズ・ジョンソン 2.80
ジャスミン・ジャスダビシアス 1.91
ファティマ・クライン 1.91
モンテル・ジャクソン 1.70
ダモン・ブラックシア 2.20
ルアナ・サントス 1.26
マリヤ・アガポバ 4.00
ジョシュ・フレムド 1.89
アンドレ・ペトロスキー 1.93
エヴァン・エルダー 1.33
ダリウス・フラワーズ 3.50

2週間ぶりのUFCは旗揚げの地デンバーで開催。

メインは女子フライ級。元ストロー級王者ナマユナスは前回フライ級に上げて初勝利。今回はランキング4位のメイシー・バーバーとの対戦が組まれていたが、2週間前にバーバーが欠場。来週ミランダ・マーヴェリックとの対戦が組まれていたランキング14位のトレイシー・コルテスとの対戦に変更されている。

代役のコルテスはUFC初メイン。現在、UFCデビューから5連勝中だが、ほぼ年1の試合ペースのため、なかなか上位との対戦が組まれず、これまでの相手は全部ノーランカー。テイクダウンから押さえ込みするスタイルで、キャリア11勝のうち、KO勝ちと一本勝ちが1試合のみで、残り9試合は判定勝ち。UFCでの5勝もすべて判定勝ちとなっている。かつては打撃が弱点だったが、昨年9月の前戦ではパンチで打ち合う場面を見せるなど打撃が向上していた。

現在もストロー級で戦える体格のナマユナスに対し、コルテスは逆にバンタムから落としてきた選手。身長・リーチは同じだが、フィジカルではコルテスが上回るので、コルテスとしては組みで体力を削る展開にしたいところ。とはいえ、5戦全勝でもこれまでノーランカーとしか対戦していないコルテスでは、ナマユナスの相手は厳しいか。

ナマユナス判定勝ち。

セミ前に出場する元ランカーのドリュー・ドーバーはマイク・デイヴィスと対戦予定だったが、デイヴィスが欠場。ドーバーの相手が先週まで決まらず、急遽UFC303に出場したジェアン・シウバの出場が決まった。

シウバは本来フェザー級だが、前戦では体重オーバーしている。13勝中10KOのハードパンチャーで、前戦では中堅のシャルル・ジョーデインから2RKO勝ちし、UFCデビューから2連続KO勝利。ドーバーもKOパンチャーだが、オッズは本来階級下のシウバとイーブンになっている。今後もライトで戦うのか、フェザーに戻すのかは不明だが、元ランカーのドーバー相手にショートノーティスで勝つなら、ランカーとの対戦にも期待できる。

プレリムにはフライ級期待の新星のジョシュア・ヴァンが登場。昨年11月にUFCデビューし、今年1月にも勝利して2連勝としたが、4月の試合は相手の怪我で消滅。先月のUFC302ではスムダルジ戦が組まれていたがスムダルジが欠場。前月のティム・エリオット戦がエリオットの怪我で消滅していた平良達郎との対戦に入れ替わったが、その後試合のシャッフルがあり、平良はアレックス・ペレスと、ヴァンは当初ペレスと対戦予定だったランカーのウランベコフとの対戦に変更。が、その試合もまた、ウランベコフの欠場により消滅と、4試合続けて自分に責任のない試合消滅が続いている。

今回の相手チャールズ・ジョンソンUFCで3連敗していた時、無敗のカザフスタンファイター・アザト・マクスム相手に代打出場し、打撃で攻めてマクスムを失速させて判定勝ち。5月の前戦は地元セントルイスでUFC2勝2敗のジェイク・ハドリー相手に打撃の手数で上回っての判定勝ちで2連勝。2試合連続でオッズではアンダードッグだったが、アップセット勝利している。ヴァンにとっても油断できない相手。

第1試合開始は14日朝8時から。速報します。

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【UFC ESPN58】ペレスを下し、ランク5位。平良達郎&松根良太、師弟対談─01─「謙虚さが強さ」(松根)

【写真】抜群の信頼関係にある松根良太と平良達郎 (C)THE BLACBELT JAPAN

6月15日(土・現地時間)のUFC on ESPN58でアレックス・ペレスから2RTKO勝ちを収めた平良達郎は、日本人前人未到のオクタゴン6連勝とし、フライ級で5位にランクされることとなった。
Text by Manabu Takashima

対戦相手が2度変更、戦う日付も2度延期された。その状態で過去最強といって良いペレスから衝撃的なオタツロック→足の負傷というフィニッシュ勝利をした平良と、師匠である松根良太氏に今回の勝利を振り返り、これからに関して尋ねた。

武器を増やしながらも自分の軸を崩さない平良。UFCで王座挑戦が現実的に見えてきた平良の根底にある強さの源が何なのか──が、両者の言葉から見えてきた。


「上手くいかないことを考える時間が凄く長かった」(平良)

──メインでアレックス・ペレスに勝利し、フライ級のランク5位になりました。ティム・エリオット、ジョシュア・ヴァンと対戦相手が2度も変わり、また試合の日も2週間、また2週間と1カ月近く延びました。ただ、一番良い相手との試合をしっかりと勝てたのではないかと。

平良 3人とも面白い選手でしたが、これからチャンピオンを目指す上でペレスが一番良い相手だったと思います。ペレスのテイクダウンディフェンス能力の高さは誰もが認めるところで。そこに対し、僕はどうすれば勝てるのかなってメチャクチャ考えました。

ティム・エリオットだとガチャガチャの展開になって、彼の方から下になることもあったと思います。ジョシュア・ヴァンはグラップリングに穴があって、これまでの試合と戦い方はそれほど変わることはない試合になっていた可能性が高いです。対してペレスと戦うことで、上手くいかないことを考える時間が凄く長かったです。そのペレスからテイクダウンが取れて、自分がやらないといけないことができて勝てた。結果として、一番良い相手に勝てました。

松根 これまでの5試合はランク外の選手と戦って、UFCで上にいくために良い経験が積めているという気持ちはありました。例えば修斗で戦っていた時に清水(清隆)選手に勝った後に、ランキング的に王座挑戦ということでなく前田吉朗選手と戦うべきだと思いました。

ワンクッションを置いてから、挑戦だと。それは平良達郎の経験が足りていないと感じていたからです。前田選手と戦うための練習をしっかりとすることで成長し、福田(龍彌)選手と戦いで勝利する道に繋がりました。彼が修斗で戦っているときは、そんな風に考えていました。対して今の達郎はUFCの5試合で経験が積めています。

ジョシュア・ヴァンとやっても、彼も言ったようにその5試合と同じような試合になっていたはずです。ティム・エリオットに関しては、扇久保(博正)とのストーリーがあるのと、彼のようなスタイルの選手と戦うと、これまでの試合とは違う経験ができるという想いもしていました。

達郎自身も興味を持っていましたし。でも、アレックス・ペレスは現状で一番良い相手でした。紛れもない実力者で、その彼にああいう試合展開で勝てた。達郎にとって、良い経験になりました。ティム・エリオットですが、ACLを痛めたと聞き、その回復の時や今後の復調を考えるともうやることはないかなと思います。

これまでの16試合、達郎も相当に良い経験を積むことができています。機は熟してきているんじゃないかと、僕は思います」

──ペレスはタイトル挑戦経験もあり、直近の試合でマテウス・ニコラウに勝ったこともタイトル挑戦に近づくうえで大きかったのではないかと。

松根 マテウス・ニコラウも越すことができましたしね。

──UFCで上にいくほど、相手は穴が無くなります。そして防御能力が高い。そこが先ほどから平良選手も言われているペレスのテイクダウン防御能力の高さを含めて、過去一番穴のない相手だったかと。

松根 そうですね。そのペレスに対して、初回にはしっかりとジャブをつくことができていました。ペレスがフック系のパンチだったのに対して、達郎は真っ直ぐが打てていた。そして距離を創ることもしっかりとできていました。

バッと来た時に被弾した場面もありましたが、効かされたパンチは一発もなかったです。届いたように見えるパンチも顔を背けて、抜かしています。

沖縄の琉豊ボクシングジムで、與那城(信一)会長の下でやってきたこともしっかりと試合で出ていました。会長も「アッパーをあそこで出せると思わなかった。試合で出せている」と言ってもらえたように、1Rに打撃でやり合えたことはとても大きいです。戦前に僕が予想していたのは、距離感と相手のステップの雰囲気を掴むのに時間を使う。でも2R以降、3R、4Rと達郎はどんどん見えてくるはずだと。それが2R開始の時点で、相当に見えていましたね。

あのまま打撃戦を続けていても、達郎は目が良くて距離感も良いので彼のペースになっていたはずです。岡田(遼)とも話しましたが、初回にやられているということは全くない。そういう印象でした。ただ、取っているかどうかでいうと、そうでないかもしれない。そこで取られるようなことがあれば(※ジャッジは3者とも10-9でペレスを支持していた)、判定に関して今後ももっと勉強をしないといけないと考えています。

平良 1Rは良いラウンドとは言えないですけど、想定通りというか。ペースも思った通りでした。ケージに詰められて手数が減り、ペレスがカーフキックやパンチで攻めてくる展開が続くことは避けたいと試合前に考えていました。それに一番警戒していたカーフキックを2、3発貰ったのですが、「大丈夫だ」と本当に思えて。

──一番嫌だった技が、そうでもなかった。

平良 スコアはそれほど頭になくて、カーフキックに関して「対応できる」と凄く安心できたのは大きかったです。

──個人的に平良選手がUFCとサインをした時に、やっていけるのか不安ばかりでした。スタイル的に一番の武器が寝技、その前のボディロックテイクダウン。寝技はスクランブルゲームが発達している。そしてボディロックは、、その距離に入るための打撃が必要だったからです。

松根 ハイ。

──そうなると、よりボクシング&レスリングが必要で。ただ、そのために自分の良さを失う選手も見てきました。対して平良選手は課題を克服しつつ、得意だったところもより良くなっている。そこが凄いと感じています。

平良 ありがとうございます。

「達郎を信じて少し背中を押した」(松根)

松根 例えば琉豊ジムでのボクシングに関しても、UFCに合わせて近い距離のボクシングが増えています。そこで技術的に上達すると、安心して試合でも距離が近くなります。そこが、自分が通常はボクシングに手を出し始めた選手に感じる不安です。

でも達郎は、それがないんです。自分の戦いを忘れない。軸を崩さないです。ボクシングに関してはいざという時の近い距離の目慣らしをして、試合の時は自分の距離で戦えます。これまでやってきた15戦、今回が16試合目ですが、それまでやってきたことを信じているからだと思います。テイクダウンと寝技を信じて、打撃も信じて戦うことができています。

ただし、試合前は不安になるタイプなんです。15連勝していても、試合前は常に不安に陥って。スタート時点が「これで勝てるのか」ということになるので、そういう彼の謙虚さが、強さです。だからこそ、自分のなかで色々と考えて、噛み砕くことができるので。

平良 今回は特に──でした。これまで戦ってきた選手のなかでテイクダウン防御が一番強く、無駄打ちすると勝手に自分の方からガス欠になってしまう。ただ松根先生にも言ってもらったのですが、自分を信じて2Rになるとテイクダウンに行こうと思っていました。結果、体が動いてテイクダウンからバックを取ることができました。それができたので、しっかりと自信を持つことができる試合になりました。

──5R制だったので3Rよりも不安で、いつも以上に考える。結果、クリアできて自信になったということでしょうか。

松根 今回の試合、そこの部分で達郎と意見が食い違うこともありました。アレックス・ペレスはオールアメリカンで、ディフェンス能力が高いレスラーです。だから達郎はテイクダウンが通用しないかもしれない、無駄打ちすると5R制なので切られてガス欠が怖いと思っていました。

僕はテイクダウンをしっかりと見せること。切られても打撃、打撃からまたテイクダウンを初回から続けることが大切だと考えていました。そういう僕の考えと、5Rだからという達郎の間でせめぎ合いがありました。でも僕は達郎のテイクダウンは、アレックス・ペレスに通じると信じていました。

と同時に達郎が1Rはテイクダウンにいかなかったことで、ペレスは2Rにモロに受けてしまった。そこがあったとしても達郎のテイクダウン能力は、1度で取れなくても2回目、3回目で取れると思っていました。すんなりでなくても、しっかりと取れてきたモノなので。そこに関しては「自信を持って、行きなさい」と伝えていました。

──それでも取れないかもと、考えてしまうものかと。

松根 ハイ。取れないとしても、強い気持ちを持ってリセットする。テイクダウンのフェイントから打撃、打撃からのテイクダウンを織り交ぜて戦う。試合前にデンバーに入って、高地トレーニングでスタミナもあげていたので。スタミナ面も信じていました。

僕自身、5Rを戦ったこともないのに(笑)。でも、達郎を信じて少し背中を押した感じですね。

<この項、続く>

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【UFC ESPN57】メインでアレックス・ペレスと対戦、平良達郎「本当にどう転んでも気持ちで勝てると思う」

【写真】取材を助けてくれてなお、スクショでは主人公は平良達郎とばかりにコントラストをつけて自身は目立たない。岡田さん、神です (C)TAKUMI NAKAMURA

15日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC on ESPN58「Perez vs Taira」のメインイベントで平良達郎がアレックス・ペレスと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

当初、平良は5月18日のUFN241でティム・エリオットと対戦を予定していたが、1日のUFC302でのジョシュア・ヴァン戦に変更&スライド。さらにそれが変更となり、今週末のイベントでフライ級ランキング5位のペレスと対戦することになった。

MMAPLANETではジョシュア戦が決まったあとの5月5日、そしてペレス戦に向けて米国入りした今月5日にインタンビューを実施。対戦相手変更を受けて平良が何を思っていたのか。そして久々に日本人がタイトル戦に絡んでいくかもしれない――そんな期待と注目を集めるペレス戦に向けた想いを訊いた。

対戦相手がエリオットからジョシュアに変更になったあとのインタビューに続いて、今回はペレス戦に向けたインタビューを公開。UFCキャリア最大のチャレンジを控える平良は「今回は試合に対してワクワクしている」と笑顔も見せ、その上で「どう転んでも勝つ」と力強く言い切った。


攻略するイメージは割とすぐ作れました

――5月上旬にジョシュア・ヴァン戦に向けたインタビューを収録したあと、2度目のカード変更でアレックス・ペレスと対戦することになりました。話を聞いたときの率直な心境を聞かせてください。

「(相手変更の)連絡が来たのが沖縄を出発する日だったんですよ。最初はみんな『またかよ!』って感じで慌ただしかったんですけど、相手がペレスになったと聞いて、それはオイシイなと。僕はチャンスが来たと思いました」

――これまでのカード変更と違い、ランキング5位の選手に変更ということで、ポジティブに捉えることもできましたか。

「そうですね。ランキングが上の選手を喰ってやろうという気持ちでポジティブになりました」

――とはいえ準備・対策を変える必要もあったと思うのですが、そこはどう対応しましたか。

「ペレスはジョシュア・ヴァンと全然違いますが、試合まで1カ月あったので、それも含めて松根(良太)さんと話し合ったり、岡田(遼)さんにも相談したり、しっかりと良いイメージを持って集中して準備できている感じはあります」

――ギリギリ1カ月前だったので、まだ軌道修正できた、と。ペレスにはどのような印象を持っていますか。

「一言で言うとウェルラウンダー、ガードを固めてパンチの選手かなというイメージです」

――僕はボクシング&レスリングで前に出てプレッシャーをかけるアメリカ人らしいスタイルという印象です。そこはいかがでしょうか。

「今まで僕が戦ってきた選手と比べると、レスリング力やテイクダウンディフェンス力は高いと思うので、そういう意味では打撃とレスリングの北米スタイルかなと思います」

――ここまで典型的な北米スタイルの選手と戦うのは初めてだと思いますが、勝つイメージは作りやすかったですか。

「攻略するイメージは割とすぐ作れましたね。ただ向こうの得意な攻撃、気持ちよく前に出させると3つくらい攻撃が飛んでくるので、相手のリズムに乗らせないリズムというか。

カーフキックも強いのでカーフを蹴られっぱなしにしないいとか、そういう意識も持っています。北米スタイル、打撃・レスリングにプラス、警戒するポイントも抑えてっていう感じですね」

――個々のテクニックを警戒するのもそうですが、ペレスを前に出させてしまい、後手に回るのが最も危ないパターンだと思います。平良選手もそこは警戒していますか。

「警戒はしていますね。最近あんまりペレスの試合を見ていなかったので、どんな選手だろう?という感じだったんですけど、今年すでに2試合やっていて、そこを見ても(調子が)上がってきているイメージがありますし、今までの相手よりはちょっと気が引き締まっている感じがあります」

――5分5R制という部分はいかがでしょうか。

「修斗で5R制のタイトルマッチをやったことがあって、5Rの作り方をしていたつもりなんですけど、本番では5Rまでいかなかったです。こればっかりは試合をやってみないと分からないし、僕自身は5Rに関しては楽しみです」

――今回の試合は今後のキャリアにおいて重要な一戦だと思います。平良選手にもそういった意識はありますか。

「ここで勝ってタイトルマッチをリクエストするのは難しいと思いますが、一気にベルトも見えてくると思うし、それぐらい重要な一戦だということは理解していますし、どう転んでも当日は僕が勝つだろうなと思っていますね」

――どう転んでも自分が勝つ。それだけ自信を持てている、と。

「本当にいろいろと(勝ちパターンは)想像できています。普通に考えたら僕の寝技を警戒して打撃で来るのかなと思いますけど、そこで組んでドミネイトするイメージ、ペレスはヒットアンドアウェイするスタイルでもないので総力戦になるイメージ、一瞬でチャンスを作って、そのまま流れで決めるイメージ……どれもありますね。本当にどう転んでも気持ちで勝てると思うので、最終的には強い気持ちで勝つだけです」

――試合まで10日ということもあって非常にリラックスしているというか、試合を楽しそうにしているのが印象的です。ペレスと戦うことにワクワクしていますか。

「そうですね。今回は試合に対してすごくワクワクしていまして(笑)。今は練習がすごく楽しくて、もっと練習したいって感じなんです。試合の日は決まっているので、そうもいかないんですけど、練習をやればやるほど自分が上がっているのが分かります。

いつも試合の1週間~2週間前は、なんか『しんどいな…』と感じて、いい動きが出来ないことが多いんですけど、今は対戦相手のイメージもしつつ、そこと自分の動きのピントが合ってきてるというか。そういった意味で試合が楽しみです」

手塚選手からは似たような田舎感を感じました(笑)

――例えば米国で調整していることも影響していますか。

「今までは試合の1週間前に米国入りしてたんですけど、今回は3週間前に入って調整していて、それもすごく新鮮なんですよ。そうやって楽しいなって思うことがいっぱいありますね」

岡田さんのフェザー級での再起戦の報、お待ちしています(C)RYO OKADA

――米国では岡田選手、手塚裕之選手と3人で行動しているのですか。

「はい。手塚さんとは初めて会ったんですけど、めっちゃ優しいですし、一緒にいると不安が解消されるし、なんか………心強いんですよ(笑)」

――今回が初めてだったのですね。そうは思えないほど3人の仲の良さがSNSからも伝わってきます。

「僕も沖縄出身じゃないですか。なんか似たような田舎感を感じましたね(笑)」

――おおらかな平良選手と豪快な手塚選手の間に岡田選手がいるのはすごくバランスがいいなと思いました。

「ハハハハ、そんな感じですね」

――UFCで日本人選手がランキング上位と対戦する、勝てばタイトル挑戦も見えてくる試合は本当に久々だと思います。日本の格闘技ファンはこの試合をすごく楽しみにしています。そういったファンの皆さんにどんな試合を見せたいですか。

「僕がタイトルマッチをやって、UFCのベルトを巻く姿を見せたいというのが一番です。そのために、常にではあるんですけど、毎試合毎試合が落とせない一戦だと思っています。そのなかで一番感じているのは、試合でオールアウトして、スプリット判定になった時、全力を出し切っても勝利が叶わなかったか…という気持ちになりたくないんですよ。仮にそうなっても、しっかり勝ちは取れるように。今回の試合は勝ち以外はありえない、そう思っています」

――平良選手の強い意思を感じる言葉でした。平良選手がどう転んでも勝つ姿を楽しみにしています。

■放送予定
6月16日(日・日本時間)
午前5時00分~UFC Fight Pass
午前4 時45分~U-NEXT

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お蔵入り厳禁【UFC ESPN58】メイン出場、平良達郎がヴァン戦について話していたこと「僕がハマれば」

【写真】確固たる自信が感じられる平良達郎=アレックス・ペレス戦に変更される前バージョンの言葉の数々です (C)MMAPLANET

15日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC on ESPN58「Perez vs Taira」のメインイベントで平良達郎がアレックス・ペレスと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

当初、平良は5月18日のUFN241でティム・エリオットと対戦を予定していたが、1日のUFC302でのジョシュア・ヴァン戦に変更&スライド。さらにそれが変更となり、今週末のイベントでフライ級ランキング5位のぺレスと対戦することになった。

MMAPLANETではジョシュア戦が決まったあとの5月5日、そしてぺレス戦に向けてアメリカ入りした今月5日にインタンビューを実施。対戦相手変更を受けて平良が何を思っていたのか。そして久々に日本人がタイトル戦に絡んでいくかもしれない――そんな期待と注目を集めるぺレス戦に向けた想いを訊いた。

まずはお蔵入り厳禁として、対戦相手がエリオットからジョシュアに変更になったあとのインタビューからお届けしたい。


――今回も…という言い方はおかしいですが、対戦相手がティム・エリオットからジョシュア・ヴァンに変更となりました。カード変更の話を聞いた時はどんな心境でしたか。

「もともと3月上旬にティム・エリオット戦が発表されて、大会が5月18日だったんで結構準備期間があって、すごく順調に来ていたんです。だから逆に僕は何か疑っていたんですよ、こんな順調に試合まで行くことある?って。そうしたらやはり恒例の…(対戦相手が変更)ですね(苦笑)。

僕らとイリディウムのLINEグループがあるんですけど、そこにメッセージが入った時に、これは相手が変わるなと察しました。そうしたら案の定『エリオットがアウトになります』ということで。僕も相手変更の連絡が来て、初めの頃は『どういうことですか?』みたいに、松根(良太)さんにもLINEして送ったりしたんですけど、今はもう慣れてしまったというか、分かりましたという感じですね」

――エリオット戦に向けた調整や準備は順調だったのですか。

「かなり順調にきていて、倒す気満々でした」

――試合間隔としては約5カ月空く形ですが、その期間は相手の対策以外の部分でどんなことに重点を置いて練習してきたのですか。

「おそらく次はランカーとの対戦が決まるだろうなと思っていたし、僕からも絶対ランカーを用意してくれと伝えてもらっていたんです。だから誰が来ても倒せるように、自分自身、スタンドだったり色々と。結局は全体的になるんですけど、あらゆる面を強化していましたね」

――もちろん対戦相手によって練習内容は変わると思います。その一方でランキングに入ってからはトータル的に強くならないと、この先の勝負は勝っていけないという感覚もありますか。

「そうですね。軽量級のランカーは基本的に何でもできる選手が多いので。そういう上の選手と戦っていくなかで、自分の打撃と寝技の両方で相手を削るというか、そこをミックスさせられるように。試合になったら自信を持って技を出せるくらいのクオリティで引き出しを増やす。そういうイメージで練習していましたね」

――UFCでランカー、しかもトップ選手と戦うとなると「長所をどれだけ伸ばすか」と「短所をどう補うか」のバランスが難しくなりそうです。そういうところも松根さんと話をしながら練習内容を考えているのですか。

「松根さんは基本的に『自信を持ってやっていいよ』と言ってくれて。例えばエリオット戦が決まったときは、エリオットはレスリングが強いからガチャガチャした展開になることが多いので、僕は松根さんに『組んでの離れ際を積極的に狙いたい』とか、そういうイメージの話をしていたんです。

そしたら、松根さんは『全然四つ組みでも通用すると思うから、達郎は自信を持ってやればいいよ』と言ってくれたんですよね」

――なるほど。松根さんの考えは対戦相手に軸を置くのではなく、自分のストロングポイントをどうぶつけて勝つか。そのための底上げをするようなイメージですか。

「そうですね。そういうイメージです。僕は僕で作戦を立てちゃうところもあるんですけど、松根さんはベーシックに今までやってきたことを変えない方がいいよという派なので。うまくバランスがとれてやっていますね」

――僕のイメージでは選手の方が自分に自信を持っていて、トレーナーは相手や試合によって戦術を考えるイメージだったので、平良選手と松根さんの場合はそれが逆なんですね。

「確かに逆かもしれないです。僕は結構相手のストロングポイントに気をつけて戦おうとするタイプなんですけど、松根さんは『それで達郎のいいところが消えるよりは、達郎のいいところを出そう』という考えで。スパーリングでも対策的な動きだけじゃなく、僕の長所や得意技を活かすように言ってくれるので、それがあるとスパーリングの内容も変わってくる。そうやって今は全部自信を持ってやっています」

――そして今大会ではジョシュア・ヴァンと対戦することになりました。平良選手と共にフライ級新世代を代表する選手ですが、いつか対戦するだろうという予感はあったのですか。

「はい、どこかでぶつかるかもなとは少し思っていました。まだ底が見えない雰囲気の選手ですし、どこまでいくかなと注目していたら、その役目が僕に回ってきたみたいな感じです」

――これまでのジョシュアの試合を見ても、自分のポテンシャルとストロングポイントをぶつけて勝つスタイルで、いい意味で怖いものなしだと思います。

「僕と比較して言えば、ジョシュアがストライカーで僕がグラップラーだと思うんですよ。シンプルに寝技は僕の方が上回ってると思います。ジョシュアはいわゆるファイターというか戦士みたいなイメージで、僕も似たような選手と戦ったことがあるので、自分としてはいいイメージができています」

――平良選手もジョシュア選手もフィニッシュして勝ちたいという気持ちが強いのでかみ合う試合になると思っています。それと同時に同じ新世代というところでの出世争い、ネクストジェネレーションの潰し合いだと思います。そこは意識していますか。

「意識していますね。ここで負けるとジョシュアがどんどん上にいくと思いますし、逆に僕は絶対に勝って、改めて上位ランカーの人にアタックしないといけない立場です。本当に落とせない試合になったなと気持ちが引き締まりました。エリオットが試合をできないと聞いて落ち込みましたし、どうなるんだろうと思った時にジョシュア・ヴァンの話が来て。

僕も追われる立場というか、そういう感じにもなりましたけど、新世代同士の潰し合いという意味ではワクワクする気持ちも大きいです。この相手を倒した時、やっぱりこれからのフライ級は平良だなと思わせるにはいい相手なので、僕自身すごい楽しみですね」

――ここから本格的にタイトル戦線に入っていくための試合になると思いますが、今日のタイトルマッチ=アレッシャンドリ・パントージャ×スティーブ・アーセグをご覧なりましたか。

「見ました。パントージャがやっぱり強かった、しっかり勝ったイメージなんですけど、チャンピオンも確固たる強さがありつつ、5Rやればオールアウトするような試合になるんだなと。僕は結構隙はあるなと感じましたね」

――ランキングで言えばアーセグは挑戦時にフライ級10位で、それでもチャンピオンを追い詰める展開があるということは、他の階級よりも1位~10位まで誰にでもチャンスがあるのがフライ級だと思います。それで勝ちきるパントージャもすごい選手ですが、付け入る過ぎがないわけではないですよね。

「それは間違いないと思います。今のフライ級は突出して強いデメトリウス・ジョンソンみたいな絶対的なチャンピオンはいないと思っているし、逆にそういう飛び抜けたファイターが必要だと思うので、そこに僕がハマればいいかなって思っています」

――その飛び抜けたファイターになるまず第一歩がこの試合だと思います。最後にファンのみなさんにメッセージをいただけますか。

「この試合は勝った方が自ずと上にいくと思いますし、大きい会場で自分自身楽しんで普通に圧倒して、ジョシュア・ヴァンを倒して勢いづいてまた上にアタックしていきたいなと思っています」

■放送予定
6月16日(日・日本時間)
午前5時00分~UFC Fight Pass
午前4 時45分~U-NEXT

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13日(水)に行われたTHE BLACKBELT JAPAN発足会見に出席していたUFCフライ級ファイター平良達郎。コロラド州デンバーのエレベーションファイトチームでの練習から帰国というタイミングで、5月18日(土・現地時間)に行われるUFC Fight Night242のおけるティム・エリオットとの対戦が公となっていた。
Text by Manabu Takashima

ついに迎えた──あの頃、視ていたUFCファイターとの対戦に向け、THE BLACKBELT JAPAN所属の平良に会見終了後に話を訊いた。


──今日は師匠とその師匠、そしてチームにとって歴史的な日になりました。

「そうですね。まだ『パラエストラ沖縄の平良達郎です』って言いそうになるのですが(笑)、THE BLACKBELT JAPANというチームになって気持ちも引き締まっています。徐々にチーム名も馴染んでいけば良いなと思います」

──米国での練習から帰国しての会見、慌ただしいスケジュールでした。その米国の練習といえば以前、一緒に練習していたアザット・マクスンをべた褒めしていましたが、チャールズ・ジョンソンにまさかの逆転負けを喫してしまいましたね。

「アス・アルバマエフも含めカザフスタン人選手は強いですけどね。アザットもレスリングとか凄く馬力があるのですが、ジョンソンはいなすのが巧かったです。僕もビックリしました」

──今回は一緒に練習していたということは?

「いえ、彼は試合後だったのでカザフスタンに帰国していました。今回はコーリー・サンドヘーゲンとかバンタム級の選手との練習が中心でした。ブランドン・ロイヴァルとは顔は合わせたのですが、練習はしていないです。もうブランドン・モレノ戦の直前というタイミングだったので『頑張ってねぇ』って伝えたぐらいで」

──そのモレノ戦はロイヴァルの判定勝ち。なかなかの神経戦ではありましたが、しっかりまとめた感じでした。

「モレノの待ちすぎは気になりました。判定こそスプリットでしたが、ストレートにロイヴァルが強かったと思いました」

──なるほど、です。平良選手的にはエレベーションでの練習が馴染んできましたか。

「そうですね、練習しやすいです。コーチも『いつでも来てくれ』と言ってくれているので。でも、また違うところに行く可能性もあります。もうエレベーションでは3度も練習していますし、練習は凄くしやすいです」

──コロラドの居心地は?

「それは日本と比べると、日本の方が気が楽です。ただ練習における技術の細かさという点でエレベーションは凄いです。打撃はフットワークだったり、寝技も足関節から何から何まで細かくて。分からないシチュエーションがないという感じで、サンドヘーゲンに代表されるように皆、ウェルラウンダーで強いです。そういう強さを自分もモノにしたいですし、新しいモノを吸収しにエレベーションに行っている感じです」

──日本はボクシングや柔道、レスリングで世界を獲れる国です。でも、MMAになるとやはり違うということは感じられますか。沖縄なんてボクシング王国というイメージがあったのですか。

「僕は沖縄ですけど、空手もやったことがなかったですし、ボクシングもそこまでやっていなかったので(笑)。米国には全てを学びに行っている感じです。これまでは組んで倒して極めるという戦いをしていましたが、今はパウンドとか相手を疲れさせダメージを与えることを重視して、そのなかでサブミッションを狙うような感じで幅が広がりました。とにかく刺激が欲しいです。マンネリ的になりたくなくて。

それにスパーリングでガチっと来る選手も多くて、気持ちが張ります。そういうなかでケガをせず、しっかりと強度の高い練習することができたので沖縄に戻って、試合に向けて詰めようと思います」

──その次戦はコロラドに行っている間に決まったという感じですか。

「もう本当に帰国のタイミングでした。帰る2日、3日前に話が来て『やります』と返答しました。で正式に決まったかどうか分かっていなかったのですが、戻ってきたら発表されていて(笑)」

──ティム・エリオットが相手と聞いた時は、どのように思いましたか。

「やっぱり扇久保(博正)さんとのTUFのことが頭に浮かびました。道場に入って1、2年目の時に扇久保さんがTUFに出て、ずっと視ていたので。これまで対戦相手で告げられた選手は名前を検索して、どんなファイターなのか調べていたのですが、今回は『あぁティムね』っていう感じで(笑)。ようやく顔と名前と一致する選手と戦えます。ティム・エリオットはTUFで勝っていることもそうだし、タイトルにも挑戦しているので──UFCだなって(笑)」

──MMAファイターとして、変則的な打撃とスクランブルの強さが目立ちます。

「判定になったら、相当に疲れる試合になるでしょうね(笑)。単純にスクランブルの攻防が強くて、ギロチンもある。そこは注意しないといけないです。スタンドが鍵を握ってくると思います」

──下になろうが、組みつくための打撃という感じがします。

「スパーリングパートナーにアレを真似してもらうのは難しいでしょうね(笑)。でも、それをやってくることがもう分かっているので、あの動きを想定していると絶対に試合になっても驚くことはないです。手数を多くして、向うが動いている時間よりも自分が操っている時間を多くしたいとは思っています。凄くサブミッションが強いとか、メチャクチャ警戒が必要な攻撃もないです。トリッキーな一発とか、不用意に貰わないこと。それと誤魔化されないように戦いたいですね」

──誤魔化される、とは?

「こっちが当ててダメージを与えても、動いてなかったように見せようとする。なのでダメージを与えると、仕留めに行きます。3Rですし、攻められてもスタミナも問題ないです……圧倒したいですね。(ムハマド)モカエフも然りですが、本当に強い選手はティム・エリオットを越えているという印象があるので。自分もしっかりと倒して、タイトルコンテンダーという風に認知されるようになりたいです」

──現状、国内において国際戦の経験を積めるケースが本当に少なく。日本人選手に勢いのある勝ち方ができても、UFCではそのような戦いはできない。そういう部分で平良選手に関しても契約当初は不安が付きまとっていましたが、今は全くそのようなことはなくなりました。

「日本で修斗のベルトを獲るまで、UFCで戦うようになる前まで勢いで勝てている部分がありました。僕自身、UFCになっても自分の実力を疑っていました。それがここ2年で、UFCという名に負けない力がついてきたという確信はあります。それがティム・エリオットに通用するのか。僕には自信があるので、自分を出せば勝てる試合です」

──今日は会見でも同席している鶴屋怜選手が、UFCとサインしました。私は鶴屋選手にインタビューをすると誘導尋問のように平良選手との比較論を尋ねているのですが(苦笑)、平良選手から怜選手のことはどのように見ているのですか。

「Road to UFCに優勝したことに関して、オメデトウです。ただ僕はランカーを見ているので、ティム・エリオットに勝って向うの人に認めてもらいたい。これまでの対戦相手と違って、勝てば認めてもらえる相手だと思うので──それを証明したいです。

怜君に関しては互いに上になった時点で戦うことは凄く良いことだと思っています。僕ら2人が戦うことで日本への注目度が凄く上がるでしょうし。僕自身も違った意味で気持ちも入るので、いずれ戦うことができればなと思っています」

──押忍。では改めて、ティム・エリオット戦に向けて意気込みの方をお願いします。

「これまでの試合ではピンチに陥ったりして、色々と応援してくれる人達をドキドキさせてしまうこともありましたがが(笑)、1日、1日と強くなっている実感があるので──僕を信じてください」

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5.18 UFCラスベガス大会でティム・エリオットと平良達郎が対戦/平良は勝てばトップ10入り

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 UFCが5月18日にネバダ州ラスベガスのUFC APEXで開催するFight Nightシリーズの大会でティム・エリオット vs. 平良達郎のフライ級マッチが行われることをEurosportのマルセロ・ドルフ記者が確認したとのこと。

 エリオットは12月の『UFC Fight Night 233: Song vs. Gutierrez』でス・ムダウジに1R肩固めで勝利して以来の試合。現在UFCフライ級ランキング9位。平良は同じく12月の『UFC Fight Night 233: Song vs. Gutierrez』でカルロス・ヘルナンデスに2R TKO勝ちして以来の試合でプロデビュー以来15連勝中(UFC戦績5勝0敗)。現在UFCフライ級ランキング13位。平良はこれに勝てばトップ10ランカーに入ると思われます。続きを読む・・・
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UFC296:第3試合・タギル・ウランベコフ vs. コーディ・ダーデン

フライ級。ウランベコフ12位、ダーデン15位。

ロシアのウランベコフはUFC3勝1敗。負けた相手はティム・エリオット。ダゲスタン出身で、ヌルマゴのEagles MMA所属。レスリング・コンバットサンボがバックボーンだが、エリオットには序盤テイクダウンを奪われたのが響いて判定負け。前戦はバンタム級3勝1敗からフライに落としてきたネイト・マネス相手にタックルからテイクダウンを奪うと、パスしてマネスがうつ伏せになったところをギロチンに捕らえて1R一本勝ちした。32歳。

ダーデンはUFC5勝2敗1分けで、現在4連勝中。元王者のフィゲイレードが階級をバンタムに上げてバンタム級ランカーとなったため、枠が空いたところでランキング入りを果たした。負けた相手は寝技師ジミー・フリックと、プロアマ無敗の最年少ランカー・ムハンマドモカエフ。バックボーンはレスリング。UFCで判定勝ちした4試合では、計24回(1試合平均6回・1R平均2回)のテイクダウンを奪って勝利している。32歳。

カーフを蹴るダーデン。ウランベコフもカーフを蹴り返すが、ダーデン飛び込んで右オーバーハンド。さらにカーフ。しきりにカーフを蹴るダーデン。飛び込んでダーデンだがそこに右がヒット!ゆっくりダウンしたダーデン。ウランベコフギロチン!前の試合のように絞めるが、ダーデンなんとか上を取り返す。しかしフックスイープで返したウランベコフ。ダーデン立ったがそこに膝を入れる。ダメージがありそうなダーデンだが近距離でパンチを出していく。ウランベコフ四つに組んで首相撲。引き剥がしたダーデン。ウランベコフがパンチで攻めるが、間合いが近くダーデンのパンチもヒットしている。組んでケージに押し込んだダーデンだが、四つから投げたウランベコフが上を取る。ガードを取るダーデン。ウランベコフがパウンドを落とすと背中を向けて片膝立ちに。両足フックしたウランベコフ。スクランブルで逃れようとするダーデン。チョーク。顎の上で絞める。なんとか外したダーデン。ホーン。

1Rウランベコフ。

2R。詰めるダーデン。パンチを入れる。ウランベコフ飛び膝。しかしすぐにまた出るダーデン。組んでケージに押し込んだが、ウランベコフまた四つから投げてテイクダウン。組みが強い。ダーデンの下からの十字は読まれている。また背中を向けて立ちに行くダーデンに足をフックして四の字バックに。背負ってたったダーデンにチョーク。入っている。なんとか引き手を掴んで外したダーデン。微妙に足の指をケージに引っ掛けているウランベコフ(反則)。レフェリーに注意される。やや下がってきた。しかしチョークに入った。そのまま後方に倒れ込んで絞める。タップアウト!

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『UFC Fight Night 233: Song vs. Gutierrez』平良達郎試合後インタビュー動画/対戦アピールしたムハマド・モカエフがコメント

GONG格闘技 2024年1月号








 『UFC Fight Night 233: Song vs. Gutierrez』平良達郎試合後インタビュー動画。ムハマド・モカエフ戦をアピールしましたが、


 UFCが3月2日にサウジアラビア・リヤドのキングダム・アリーナでFight Nightシリーズを開催することと、アレックス・ペレス vs. ムハマド・モカエフが行われることが決定しています。

 ペレスは7月の『UFC 277: Pena vs. Nunes 2』でアレッシャンドリ・パントージャに1Rネッククランクで敗れて以来の試合で2連敗中。現在UFCフライ級ランキング7位。モカエフは10月の『UFC 294: Makhachev vs. Volkanovski 2』でティム・エリオットに3R三角絞めで勝利して以来の試合でプロデビュー以来1つの無効試合を挟んで11連勝中(UFC戦績5勝0敗)。現在UFCフライ級ランキング8位。


 このことからモカエフはXで「もしペレスが欠場した時のために、平良は代打の準備をしておけ。俺は他のトップ10ファイターたちとは違って、下位ランクのファイターとの対戦も受け入れる。チャンスを与えるよ」とコメント。


 すると平良はこんな絵文字で返信しています。続きを読む・・・