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【Column】パク・ソヒ✖デニス・ザンボアンガの裁定を審議するということについて、ちょっと考えました

【写真】ONE73のサゲッダーオ✖マ・ジャワン。ミャンマーでの一戦は、ONEの歴史で勝敗が入れ替わった唯一の例だ(C)MMAPLANET

9月3日に開催されたONE Empower、女子アトム級ワールドGP準々決勝のハム・ソヒ✖デニス・ザンボアンガ戦の裁定に関して、「コンペティション・コミッティーが審査し、検討する」という旨の発表をチャトリ・シットヨートンがSNSで行った。

MMAPLANETに於いても──この2-1でハム・ソヒが判定勝ちした裁定は、あり得ないと書き記した。簡単にいえば打撃で大差なく、テイクダウンとトップコントロールをしたザンボアンガの負けはMMAとしてないと感じたからだ。

ONEはダメージ、ニアフィニッシュを最重視しており、テイクダウンは言ってしまえばスプロールすれば帳消し、あるいは下になったままの選手がパンチやエルボーを下から打てば効果的とされないという見方もできる。

とはいえ、この試合ではダメージやニアフィニッシュという部分で、ハム・ソヒが明白にリードしていたわけではない。顔の傷を評価対象にするのは無理がある。個人的にダメージと傷、有効打と腫れ具合はイコールだとは思っていない。

そして裁定に関して、色々な意見が出ることは正しい。だからジャッジは3人いる。3人が下した結果で勝敗が決まる。それが定められたルールだ。

過去、ONEにおいて自分が記憶している限り、裁定が覆ったのは4度ある。最初は2012年にシャノン・ウィラチャイが、ミッチ・チルソンをサッカーボールキックで破った一戦だ。後日、裁定が覆りノーコンテストになっている。この試合に関して、多くの試合結果をまとめているサイトではイリーガルキックとなっているが、当時のONEはサッカーボールキックを認めており、なぜ結果が変わったのか恥ずかしい限りだが自分は失念してしまっている。

2度目は2018年6月29日、サゲッダーオ・ペットパヤータイ✖マー・ジャワン戦。前者が後者を3-0で下したが、敗者側の抗議を受けてマー・ジャワンの勝利となり白・黒が入れ替わった。

3度目はキックだが、2019年のフェザー級GPでペットモラコット・ペッティンディーアカデミーが判定勝ちも、レフェリーが首相撲を適正に裁かなかったという理由でジョルジオ・ペトロシアンから挙げた勝利がノーコンテストになった。

4度目は記憶に新しい今年4月のエディ・アルバレスとユーリ・ラピクスの一戦だ。エディのパウンドが後頭部だったと判断したレフェリーが、反則負けの断を下した。が、ノーコンテストに変更された。

上記4試合中、ウィラチャイ✖カーン、ペットモラコット✖ペトロシアンの2試合は再戦が組まれた。

今回、裁定が覆れば5度目ということになる。従来のMMAに通例でいえば、ドラックテストの結果を受けて、陽性のファイターの勝利が取り消される以外では、一度下った裁定が覆ることはほぼない。

その常識が覆ることに違和感を覚えることもあるが、まぁケージの中やリングの上での裁定は暫定結果で、問題があれば裁定は変わるという方法論をONEが用いるのであれば、それはそれで良いだろう。

とはいえ、ここで浮上したコンペティション・コミッティーの存在と、その構成メンバー、どのような執り行いがあったのは明白になる必要がある。ここのが不透明だと、委員会に興行運営陣が噛むことで──公正でないという見方もされて然りだ。その意見も分かる。と同時に興行論と競技運営論を混同しないのであれば、興行側の人間が試合を裁くことに関係するのもありだと思っている。

それがONEであればマット・ヒュームであり、日本だと梅木さんだ。興業団体関係者及びジム関係者が審判団に入ることで公平性を欠くという意見は、自分も長らく信奉してきた。サッカーで横浜マリノスの関係者が審判団にいないように。阪神タイガースの選手のフィジカルを指導している人物が、審判団に属していないのと同じように。

この考えに変化が加わったのは、MMAのような進化や変化が激しいスポーツで、一切選手と関わらない、普段はMMAから離れた人物には攻防は理解できないことに気付いたからだ。第三者機関なら良いというのであれば、米国のようにコミッションから派遣されたキックしかみたことがないジャッジが、あり得ない判定をしても良いことになる。

レフェリーはMMAを知るために、実際に練習をする方が逆に正しいとさえ感じている。最近では試合経験のあるリタイア組が、レフェリーを務めるケースも増えてきた。彼らの中には後進の指導に当たっている者も当然のように存在している。だからONEの競技委員会が、ONEの組織内にあっても──興行論とは一線を画した存在であれば──構わない。

その一方で、裁定を見直すことができる権利はONEという舞台で戦う選手全てに平等に与えらなければならない。そのように思えないから今回の件は判定には異論を捉えている人々からも非難されるているのだろう。

自分は本来、『審判だって人間。ミスはある。MMAはヒューマンスポーツ、一度下った裁定は覆られない』という考えた方だけれども、注目度の高さ、視聴者の抗議の声、SNSの反応に依り、特定の人物が「これは見直すべきだろう」ということで審議対象になるのはなく、全選手に与えられて権利で、全選手がその権利を行使できるなら、再審議はあっても良いかとも思う。


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【ONE Evolution】早速の追加カード発表。ついに競技柔術最強=ブシェシャがMMA初陣へ

【写真】ブラジリアン柔術=競技柔術最強のブシェシャが、ついにMMAに挑む(C)MMAPLANET

18日(水・現地時間)、昨夜のトリプルクラウンに続き、ONE Championshipのチャトリ・シットヨートンがSNSで、9月24日(金・同)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE「Revolution」の追加&全カードを発表した。

ONE世界ライト級選手権試合=王者クリスチャン・リー✖ 挑戦者オク・レユン、ONEキック世界バンタム級選手権試合=王者カピタン・ペッティンディーアカデミー✖挑戦者メヂ・ザッツプッツ、ONE世界ストロー級選手権試合=王者ジョシュア・パシオ✖チャレンジャー猿田洋祐の前に行われるのは、リードカード5試合とメインカード2試合、計7試合だ。


メインに加わったフェザー級戦のマーチン・ウェン✖キム・ジェウン、ヘビー級マッチ=アミール・アリアックバリ✖アナトリー・マリキンは、いずれもTNTシリーズで組まれていたが、実現しなかったカードだ。

前世界フェザー級王者のウェンは、シンガポールに向かった飛行機の同乗客のなかにコロナウィルス陽性者がいたため感染予防プロトロルにより、試合出場が成らなかったという経験をしている。

そして対戦相手のキム・ジェウンもギリギリまで、さらにいえば1階級上の対戦相手とのマッチアップも辞さない覚悟でギリギリまで待機していたが試合が流れたという経緯がある。互いに今回こそという気持ちで挑むであろう一戦。ウェンの打撃が、カウンターだけでなく自らの仕掛け、あるいは創りが見られるか──今度のフェザー級戦線を占う、いや元チャンプチャンプの王座返り咲きを占ううえで大切な一戦となる。

そんなメインカード以上に注目なのが、これもTNTシリーズで試合が流れたマーカス・ブシェシャ・アルメイダのMMA初陣だ。4月の時点で対戦相手は韓国のカン・ジウォンだったが、今回の発表ではノルウェーのトーマス・ナルモになっている。

ナルモは7月30日収録大会で、ガードポジションを取った際に、アラン・ンガラニのローを急所に受け試合続行不可能=NCとなったノルウェー人ファイターだ。

何が起こるか分からないMMAとはいえ、ナルモのあの動きを見ればはブシェシャは組んで、テイクダウンを決めればあとは独壇場になってもおかしくはない。

とはいえ2メールハイのナルモが、MMAグローブを装着して殴り、ヒザを狙ってくるケージのなかで、ブシェシャが柔術やグラップリングで見せていた組みや極め力を発揮できるのか──は、勝負が始まって見ないとわからない。

仇敵ホドウフォ・ヴィエイラがUFCでギロチンで一本負けしたように、MMAとグラップリングは別物だ。いずれにせよ、競技ブラジリアン柔術においては2019年のムンジアルウルトラヘビー級と無差別級を制したブシェシャこそ、最強のファイターであることは間違いない。

リードカード=プレリミでは勿体ない、ブシェシャのMMA初陣だ。

■ ONE Revolution対戦カード

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] オク・レユン(韓国)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】メヂ・ザッツプッツ(アルジェリア)

<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ジョシュア・パシオ(フィリピン)
[挑戦者]猿田洋祐(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
マーチン・ウェン(豪州)
キム・ジェウン(韓国)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
アミール・アリアックバリ(イラン)
アナトリー・マリキン(ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ヴィクトリア・リー(米国)
ヴィクトリア・ソウザ(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ハシガトゥ(中国)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ペッダム・ペッティンディー・アカデミー(タイ)
内藤大樹(日本)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
マーカス・アルメイダ(ブラジル)
トーマス・ナルモ(ノルウェー)

<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
ペッタノン・ペットフォーガス(タイ)
ジャン・チェンロン(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ジェームス・ヤン(米国)
ロエル・ロサウロ(フィリピン)

■ONE Battle Ground03視聴方法(予定)
8月27日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ ONE Battle Ground03対戦カード

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)

<57.7キロ契約/5分3R>
デェダムロン・ソーアミュアイシルチョーク(タイ)
バンマードォーチー(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
キム・デフォン(韓国)
シェ・ウェイ(中国)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ビー・ニューイェン(米国)
ジェネリン・オルシム(フィリピン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ティオル・タン(米国)
ソン・ミンジョン(韓国)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
プレウ・オトゴンジャルガル(モンゴル)
ベン・ロイル(英国)

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News ONE チャトリ・シットヨートン ブログ

【ONE】ONE✖UFCを熱望するチャトリCEOが、Empower大会の開催時期及び10周年記念大会に言及

【写真】ONE10周年記念大会、どのような規模の大会となるのか正式発表が待たれる (C)ONE

28日(金・現地時間)にシンガポールで開催予定だったONE120「EMPOWER」が延期されたONE Championshipのチャトリ・シットヨートンCEO兼会長が自らのSNS上で「アジアのファンからもっと多く尋ねられる質問に答えたい」という書き出しで、グラフィックを作成し「ONE vs UFCのメガイベントが実現すれば大歓迎だ」という投稿をしている。

返答というよりも、アクションを起こしてと表現して良い──この動き。ONE Empowerのリスケに関して質問をチャトリCEOに投げかけると、「あのSNSを見てくれたか? 世界の最高クラスのレベルにある2人の選手が戦うところが見たい。ONEは既にTV視聴者数ではUFCを上回ったんだ。ニールセンのレポートにあっただろう? ONEとUFCのメガイベントが行われる絶好のタイミングだ。全てのMMAファンが見たいだろう。そして私はONEのチャンピオンがUFCのチャンピオンを倒すことを信じている」という返答があった。


cumulative reach──ニールセン・リサーチ発表の累積視聴率(C) Nielsen

現時点では元旦の東スポの一面に踊った、実現──ジャイアント馬場✖アントニオ猪木という文字のように捉えられそうな言葉だが、その背景にはチャトリCEOの言葉にある通り、ニールセンリポートによりTV視聴者数においてUFCを上回った事実が存在する。

加えていえば、Bellatorに関してはデジタル・エンゲージ数、FacebookとYouTube&インスタのビデオビューワー数でも大きくリードしたことで、西洋と東洋という背景もあり世界二大ビッグリーグという戦局を印象付けたい狙いもあるだろう。

そんな将来の展望はひとまず置き、女子アトム級GP開幕戦の日程だが、チャトリCEOは「ロックダウンが解除されれば直ちに……6月中に行うつもりだ」と明言した。同大会に出場選手たちは18日か25日を目途に調整している模様だが、ロックダウン解除ばかりは感染状況と政府の判断に依るだけに流動的というしかない。出場予定選手たちも開き直りと繊細さが日々求められそうだ。

また2011年9月に旗揚げイベントを開いたONEにとって、今年は10周年記念イヤーでもある。チャトリCEOはこのことにも言及し、「10周年記念大会はONE史上で最大のショーンになる。ONE100回記念大会……ONE Centuryより大きなイベントにする」と言っている。

2019年10月に東京で行われたONE100大会は二部制でMMA&キックで5階級の世界戦、そして2階級のワールドGP決勝を含め22試合が行われた。コロナ禍においてONEは、収録分も合わせたこの規模の大会を昨年10月から開き続けている。既にノウハウは分かっているなかで10周年記念大会がいつ、どのような規模が開催されるのか具体的な発表を待ちたい。

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News ONE アリス・アンダーソン アリョーナ・ラソヒーナ スタンプ・フェアテックス チャトリ・シットヨートン デニス・ザンボアンガ ブログ モン・ボー リトゥ・フォーガット 平田樹

【ONE】女子アトム級GPが5月28日に開幕。ハム・ソヒ、スタンプ、サンボアンガ、平田樹ら8名が出場決定

【写真】JEWELS、ROAD FC、RIZINと頂点に立ったハム・ソヒのGP出場がついにチャトリCEOが認めた(C)ROAD FC

24日(水・現地時間)、ONE Championshipのチャトリ・シットヨートンCEO&会長がSNSで女子アトム級GPに関して5月28日(金・同)にスタートすることを発表した。

出場選手はアリス・アンダーソン、平田樹、デニス・ザンボアンガ、アリョーナ・ラソヒーナ、リトゥ・フォーガット、ハム・ソヒ、スタンプ・フェアテックス、モン・ボーの8選手だ。


月曜日に中村未来を2Rでパウンドアウトしながら、自信のパフォーマンスが許せないで涙した平田が日本人唯一の出場となり、8名の出場選手は米国、日本、中国、韓国、タイ、フィリピン、インド、ウクライナと全て国籍が違うこともあり、山口VV芽生、アトム級転向を視野に入れている三浦彩佳は選外となり、また噂に上がっていたストロー級王者シィォン・ヂィンナンの出場もなかった。

スタンプは直近の試合でラソヒーナに敗れながら、共に当確となり、ONEが力を入れて市場を開拓しているインドからは、平田と並びプロキャリア4勝0敗と最も少ないフォーガットの参戦が決まっている。

そして公然の秘密とされていた、ハム・ソヒのエントリーがようやくオフィシャルでリリースされたことになる。

意外な人選は米国のアンダーソンだ。キャリア5勝1敗のアンダーソンはInvicta FCで2勝1敗と勝ち越しているもののパラエストラ八王子に在籍していた紫乃バンフーズにスプリット判定負けを喫している。

優勝者は11月に現アトム級王者アンジェラ・リーに挑戦することも明らかとされており、トーナメントを制するには5カ月強で3試合、タイトル戦を含めると半年で4試合を戦うハードスケジュールとなりそうだ。

ズバリ本命はハム・ソヒ、対抗はモン・ボー、穴はスタンプ・フェアテックス、大穴がデニス・サンボアンガといったところか。また負傷者が出ることも考慮するのであれば補欠戦も行われることも考えられる。仮に補欠戦が組まれるのであれば少ないとも1人は日本選手にチャンスを与えてほしいものだ。

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ONE ONE TNT01 Report アドリアーノ・モライシュ エディ・アルバレス オンラ・ンサン チャトリ・シットヨートン デメトリウス・ジョンソン ブログ ユーリ・ラピクス ヴィタリー・ビグダッシュ

【ONE TNT】ONEの米国プライムタイム中継は大会名がONE on TNTに。クリスチャン✖ナシューヒンも

【写真】クリスチャン・リーの防衛戦はONE on TNT第2週に。ABEMAの中継も含め、これらの大会は日本ではどのように視聴できるのだろうか (C)MMAPLANET

28日(木・現地時間)、ONE Championshipがバーチャル会見を行い、チャトリ・シットヨートンCEO兼会長、同大会に出場するONE世界フライ級王者アドリアーノ・モライシュ、デメトリウス・ジョンソン、エディ・アルバレス、ユーリ・ラピクスが出席した。

まず4月7日(水・同)開催の大会名はONE on TNTに決定。TNTとは同大会を中継するターナー・ネットワーク・テレビジョンのことで、ONEは東部時間の午後10時から2時間でメインカード3試合が中継し、その1時間前にはプレリミマッチがブリーチャー・リポートAppによって配信されるとのこと。

また会見の冒頭でチャトリCEOの口から、「4月の水曜日に毎週のようにONEがTNTのプライムタイムで視聴でき、米国のファンはこれまでになかったマーシャルアーツの価値に触れることになるだろう」という言葉があったように14日(水・同)にはONE世界ライト級選手権試合=王者クリスチャン・リー✖ティモフィ・ナシューヒン、21日(水・同)にはウェルター級コンテンダーバウトとしてオンラ・ンサン✖ヴィタリー・ビグダッシュの3度目の対戦が組まれている。


4週目のカードは発表されていないが、チャトリCEOからは「米国で馴染みのある選手たがの試合を組んでいく」という言葉も聞かれ、ヴィトー・ベウフォート参戦にも匂わされた。ちなみにTNTの水曜日はAEW=All Elite Wrestlingというプロレスの中継もあり、昨年5月にはヴィトーが無観客大会に招待され観戦するというシーンも見られた。

この件からもONEとTNTは今回の米国プライムタイム中継を以前から計画していたが、パンデミックの影響があって時期がずれ込んだことも想像に難くない。

なお記者のこれらの大会はライブで開催されるのかと質問があり、チャトリCEOの返答は「全てライブにしたい。ただし、パンデミックの影響があり色々と計画に変更も必要となった。4月7日は絶対的にライブだ」というもの。第2週から4週に掛けては現状のONE中継と同様に事前収録ファイトを流すダークシリーズの可能性もありそうだ。

また開催地についても言明はなく、エディ・アルバレスが地元フィラデルフィア開催をアピールする場面もあったが、「アジアは国境封鎖が続く中、シンガポールもその状態にありながら政府と協力してやってきた」とチャトリCEOが発言したことで、実際に試合をする場所はシンガポールという線も濃厚だ。仮にシンガポールでライブ大会を行うのであれば、配信ファイトが米国東部時間の午後9時スタートだと、同地では8日(木・同)の午前10スタートとなる。

また通常のONEのイベントに関しては「パンデミックの影響もあり、各国を回るということができないので、シンガポール大会が多くなる」という言葉も聞かれた。ONE TNT第4週のヘッドライナーやTNTシリーズの追加カード、通常大会、そして「絶対に2021年に行う」と断言した女子アトム級GPに関しても数週間中にアナウンスがあるとのことだった。

同会見でDJが「ONEはハイドレーション・チェックを採り入れており、北米で戦ってきた時とは違う」と発言しており、ONEと北米MMAの違い=「新しさ」を端的に表すスマートさが感じられた。

■視聴方法(予定)
1月29日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable02対戦カード

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
アブドゥルバシール・ヴァガボフ(ロシア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>※
竹中大地(日本)
イヴァニウド・デルフィーノ(ブラジル)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
チェン・ルイ(中国)
クォン・ウォンイル(韓国)

<キック・ライトヘビー級/3分3R>※
ミハイロ・ケイコビッチ(セルビア)
ヘイブラット・イスアエフ(ロシア)

<62.5 キロ/5分3R>
ソヴァナリー・エム(カンボジア)
チェ・チョンユン(韓国)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
ウマウ・ケニ(セネガル)

※2020年12月18日に収録

■ONE Unbreakable03視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable 03対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

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Interview ONE ONE112 Reign of Dynasties ONE113 エドゥアルド・フォラヤン チャトリ・シットヨートン ブログ

【ONE】チャトリ・シットヨートンCEOがバーチャル会見で10月30日大会にフォラヤンの出場を明言

【写真】30日の大会に関して、タイトル戦以外でまずエドゥアルド・フォラヤンの出場と、アントニオ・カルーゾとの対戦が発表された(C) MMAPLANET

6日(火・現地時間)、ONE Championshipのチャトリ・シットヨートンCEO兼会長がテレカンファレンスを行った。

自らのSNSで10月30日(金・同)にONE113「Inside the Matrix」を開催し、4つの世界タイトル戦を組むことを発表したチャトリCEOの「9日のReign of Dynastiesの開催地を今週になって発表できた。シンガポール政府とヒザとヒザをつき合わせて話し合ってきた結果だよ。シンガポール政府だけでなく、他の国の政府とも話し合いを続け、未だに国境が封鎖されている状態で今回のインターナショナルショーを主催できる。昨夜発表した10月30日の大会もまだロケーションは明言できないけどインターナショナルなイベントになる」という言葉で会見は始まり、質疑応答に移った。

ここではチャトリCEOの発言から気になったモノをピックアップしたい(要約)。


「30日の大会については来週に詳細を話すことになる。今は4つの世界戦以外のことは話せない。ただしチーム・ラカイのフィリピ人選手は戦うことになる……エドゥアルド・フォラヤンだ。彼は豪州のアントニオ・カルーゾとメインカードで対戦する」

「DJとエディ・アルバレスは少しでも早くシンガポールで試合をしてもらう」

「女子アトム級GPは1月からスタートし、優勝者はアンジェラ・リー(妊娠を発表)が戻ってきたときに挑戦する」

「今、2021年も含めスケジュールを調整している。現在、話し合いが続いている国、政府があり、それがどうまとまっていくか。今年の残りのイベント、来年のスケジュールについても近いうちに発表できれば良いと思っている。まだアジアは観光客が行き来できる状況にないし、そのなかでシンガポール政府がONEの開催をサポートしてくれた。ONEチャンピオンシップがスポーツ、音楽、エンターテイメントのなかで最初にインターナショナル・イベントを開くことができる。空港からホテルの移動など細心の注意を払い、会場でも部署ごとにゾーニングする。一つのセクションに50人以上は集めない。会場の外にテントも用意する。非常に厳格な予防対策を採るから、私も9日と30日の大会ではケージサイドに立ち寄れない、アプレンティスの製作が26日から始まるからね。まだ30日の大会のロケーションは発表できないけど26日からアプレンディスの製作が始まるんだ。だから私もバブル(小さなコミュニティ)の中にいないといけない」

「ヘビー級GPではブランドン・ヴェラとアルジャン・ブラーは戦うことに同意している。契約も終えているはずだ。この試合に続くカードも発表する。ヘビー級ファイター達と契約してきたことは知っているだろう? ヘビー級とライトヘビー級が拡充に向けて残された階級だからね」

■現時点でのONE Inside the Matrix対戦カード

ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ライニア・デリダー(オランダ)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者]ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]タン・リー(米国)

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]ティファニー・テオ(シンガポール)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アントニオ・カルーゾ(豪州)

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【ONE】初めてのリモ―トショーを終え、チャトリ・シットヨートンに訊いたONEのこれから

【写真】バンコク大会のリングにチャトリ代表の姿はなかった (C)MMAPLANET

7月31日にタイはバンコクでONE No Surrenderが開催され、ONEチャンピオンシップの活動再開が本格的に始まった。

ただし、同大会のリングサイドにはチャトリ・シットヨートンCEO兼会長の姿はなく、いわゆるONEの首脳陣はそれぞれの居住国でイベントの行方を見守っていた──のではなく、イベントを遠隔主導していた。

ニューノーマルのONEチャンピオンシップ、これからのONEの活動をチャトリ代表に尋ねた。


ビッグアナウンスは──グリーンレーン・ビザ?!

──ソーシャルベイカーズが発表した2020年上半期のフェイスブックのトータル・エンゲージ数トップ10でONEチャンピオンシップが8位にランクインしています。

「こういうランキングがあることを知らなかったので、驚いたよ。そして、この結果を得ることができたのも世界中に存在しているONEチャンピオンシップのファンおかげだから、とても感謝している」

──この8位という結果から得ることができる、最もポジティブなことは何でしょうか。

「このトップ10にはマンチェスター・ユナイテッド、リバプール、レアル・マドリッド、FCバルセロナ、チェルシー、UEFAチャンピオンズリーグ、リーガ・エスパニョーラら欧州、北米ではNBAという錚々たるスポーツプロパティが錚々たる名前が並んでいる。そのなかでアジアを代表してONEの名前があることは凄く意味のあることだ。2位にはICC(インターナショナル・クリケット・カウンシル)が入っているけど、これはもう13億の人口を抱えるインドで絶大な支持を得ているからに他ならない。

ただし、これも始まりに過ぎない。ONEチャンピオンシップは将来1位になると信じている」

──ところで7月31日にはONE Surrenderというバンコクでの無観客大会によって本格的な活動再開に乗り出しました。大会当日にバンコクを訪れることはできたのでしょうか。

「ノー、それはまだできないからシンガポールにいたよ。ONE SurrenderはONEにとって初めてのリモートショーになった。私のチームはシンガポールからオーガナイズしてね。マット・ヒュームは米国にいた。中継に関してもマイケル・シャベロは豪州で実況し、解説のミッチー・チルソンはフィリピンにいた。バンコクの実働部隊の多くはフリーランスとパートタイマーだったんだ」

──凄まじい状況ですね。

「各部署のリーダーはタイにいない、全くもってクレイジーなイベントだったよ(笑)。ただし、何度もシミュレーションをして、当日の大会開催にこぎつけたんだ。ホント、なんとかなって良かったね。

我々は常に世界規模の連係を行ってイベントを開いてきたけど、この経験は初めだったよ」

──WOW。そして、あれだけの大会となりました。

「いや、全く満足できるショーじゃなかった。小さな課題が数多く見つかった。イベント後に、私はチームを厳しく叱責したよ(笑)」

──うわぁ……想像しただけでも恐ろしいです。

「アハハハハ。かなり厳しいことを伝えたのは確かだ。ホント、一つや二つじゃなく、色々なことに関してね」

──リモートショーである8月28日にバンコクのA NEW BREED、9月25日の上海のREIGN OF DYNASTIESに続き、11月30日にシンガポールでSUPER NOVAというイベントを開催します。この大会は他の2つと違い、ディレイ中継はないようなスケジューリングになっています。ただ、ONEのイベントスケジュールから10月25日に予定されていた日本大会が無くなっています。

「現状を考えると、10月に日本ではイベントはできないと判断したんだ。ただし、今も11月か12月にスライドできないかという話し合いを日本サイドとは続けているんだ」

──なるほど、ONEと契約している日本人選手たちもROAD TO ONEという大会がありますが……なかなか試合ができない状況です。

「まずNo Surrenderの経験により、どこの国でもリモートでイベントを行う算段を立てることができた。その自信を我々は手にすることができたんだ。これによってアジアだけでなく、米国やヨーロッパでもショーを開くことができるようになる。

と同時にABEMAとキタノ・サンという素晴らしいパートナーが、Road to ONEという日本国内用のイベントを開き、ONEをサポートしてくれることに多大なる感謝の気持ちでいるよ。本当に有難いことだ」

──とはいえONEの売りであるクロス・ボーダー、国際戦が日常的に行われるという本来の規模のイベントを開くことはまだ困難な状況です。

「それがね……シンガポール大会に関しては2、3週間にはビッグアナウンスができるはずだよ」

※このビッグアナウンスとはシンガポール政府がONEチャンピオンシップに対して、特別にグリーンレーン・ビザを発給し世界各国から選手を招聘できるもの──という話が既に伝わってきている。よって10月のシンガポール大会は、無観客大会であってもパンデミック以前のようなグローバルショーになり、出場選手は居住国、飛行機搭乗前、シンガポールのチャンギ国際空港、その後も滞在ホテルでチェックを行うことで2週間の隔離は免除される可能性も高い。

とにかくね、最善を尽くすよ。これまでも言ってきたようにONEチャンピオンシップにとって、日本は最も大切なマーケットの一つだ。まだ選手たちにも我慢を強いているけど、私は毎日のように戦い続けている。だから、皆に伝えてほしい──心配しないで、と」

──分かりました。ところでONEではマーカス・アルメイダ・ブシェシャと契約を交わし、またヘビー級の五輪レスラーと契約するという話も伝わってきます。ヘビー級の拡充を図っているのでしょうか。

「ONEはこれから重い階級にも力を入れていくよ。軽量級には世界中から強い選手が集まった。ただしヘビー級とライトヘビー級はそうではないから、今後は世界レベルの実力者を増やして層を厚くしていきたい。UFCにも負けないように、ね。やはりヘビー級の戦いというのは、ファンに与えるインパクトも大きいし。だから来年はヘビー級GPを実現させようと思っている。これは書いてもらって良いよ。ONEは2020年にヘビー級GPを行うってね」

──しっかりと書かせていただきます(笑)。日曜日の夜という時間にインタビューをさせてもらい、ありがとうございました。本来は海外の選手、関係者を日曜日に取材するというのは、ほぼないことです。

「日曜日の夜に働く。マナブ・サン、君も同じじゃないか(笑)。それが私のマーシャルアーツに対するパッションだよ。日本の選手、ファンの皆には『未来を信じて欲しい』と伝えてくれないか。そして、一緒に日本人世界王者を誕生させようじゃないか。私は日本の皆と一緒に歩んでいけることにとても感謝している。そしてONEチャンピオンシップは絶対に、戻って来るから!!」

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News ONE ONE Championship ONE Dark Series チャトリ・シットヨートン ブログ

【ONE】ONEチャンピオンシップが、7月31日にバンコク大会開催。Dark Seriesもキックオフ!!

【写真】このWE’RE BACK、31 JULY BANGKOKという文字の下には、リングが描写されている(C)ONE

26 日(金・現地時間)にONE Championshipのチャトリ・シットヨートンCEO兼会長がSNSで7月31日(金・同)にタイでONE「No surrender」(諦めない、降参しないという意)というイベント名の無観客大会を開催することを発表した。

同大会の模様は世界中にライブ配信される一方で、ONEでは新たにONE Dark Seriesを起ち上げ、事前収録された12試合の放送も世界に向けて行うという。このDark Seriesに関しては、週が明けて詳細の説明がある模様だ。20日(土・同)と21日(日・同)の2日間に渡り、中国・上海でHero Seriesで活動再開したONEだが、インターナショナルな顔ぶれが揃ってこそ本格的なリスタートといえる。

果たした同大会が、どれだけの規模でタイ・ドメスティックショーにならないよう開くことができるのか。また日本人選手がこの大会に参加できる状況になるのかも気になるところだ。現状、タイは30日(火・同)まで非常事態宣言が続き、一般の外国人は入国が制限されている。また、日本人も30日までビザの申請すらできない状態にある。

加えてJAL、ANA、タイエアーなど大手航空会社もおおむね7月31日、もしくは8月1日まで日本~タイ間は運休となっている。気になる今後に関しては28日(日・同)に入国に関してタイで会議が行われ、7月以降の海外からの渡航に関しての何等かの決定があるようだが、国の隔離措置の対象外となる──会議や契約を目的としてタイだけに短期滞在するビジネス客や投資家、政府関係者など規制緩和の対象にプロフェッショナル・ファイターが加えられることはあるのか。査証の取得が必要で、タイに到着後は14日間の隔離措置は継続されるようであれば日本人選手の出場のハードルは高いといえよう。

果たしてリスタートを切るONEのバンコク大会がどのような形で実現するのか、またDark Seriesの実態も気になるところだ。


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Interview ONE ONE Championship チャトリ・シットヨートン ブログ

【ONE】人員削減と経営状況、そしてイベント再開についてチャトリ・シットヨートンに訊く

【写真】写真は昨年7月のマニラ大会の記者会見から。会見時のチャトリには珍しく笑顔を浮かべており、今回のインタビューでも非常に穏やかな言葉の運び方だった (C)MMAPLANET

今月15 日(月・現地時間)に追加資金調達とレイオフを発表したONE Championship。

この発表の余波は、思えば──格闘技業界にあって過去にほぼ例のない解雇発表を軸に、ネガティブな反応が当然のように起こっている。

MMAPLANETでもとにかくプロモーションとして、今後のスケジュールについての言及が必要だと注文をした。ここでは人員削減とONEの経営状況、そして今後の活動再開についてチャトリ・シットヨートンCEO兼会長に尋ねた。


──今回、チャトリさんにインタビューをさせていただこうと思ったのは新たな投資を得た、そして20パーセントの人員削減を行ったONEの現状についてです。

「願ってもないことだよ。今、本当に多くの間違った情報がメディアで流れている。だから、正しい情報を伝えたいと思っていたんだ。特に米国のメディアはUFC発信の話を事実のように書いている」

──それはどのような記事になっているのですか。

「ONEはもうすぐバンクラプシー(倒産)するというモノだよ。とんでもないデタラメだ。何より私は日本のファンがそのような記事を信じることないよう、真実を伝えたいんだ。

2週間前、シンガポール政府のファンドであるテマセク・ホールディングスとシリコンバレーのセコイア・キャピタルから新たなに7000万ドル(約75億円)の投資が決まった。ONEチャンピオンシップは1億ドル(約106億)以上のキャッシュを銀行に有している。

今、世界中の経済がこれ以上ないほど困難な時を迎えているけど、この最悪な状況が続いたとしても、現状のキャッシュで最低でも5年間は活動に支障がないんだ。だから米国のメディアがいうような、ONEがすぐに破綻するようなことは絶対にないことを日本の皆に伝えて欲しい」

──その新しい投資を受けるための条件が、20パーセントの従業員の削減だったのでしょうか。

「そんなことはないよ。今年、50大会を開催する予定だったけど、Covid19の影響で半年を過ぎても7大会しか開くことができていない。そして新型コロナウィルス感染拡大の影響で、今年の後半もどれだけのイベントを開くことができるのか。ばかりか、来年がどうなるのか誰も予想できない。

東京オリンピックですら、見直し案が出ているのは日本の人達なら誰もが知っていることだと思う。世界中の企業が先の見えない状況に対して、何らかの手を打たなければならない状況だ。

先行き不透明な状況で、何も対策を講じない方が企業としてどうかしていると思われるはずだ。今、ONEチャンピオンシップには十分な資金がある。資金がある間に対策を講じなければならない。現状を過信して、この経済状況でコストカットをしないと会社の将来を危ういモノにしてしまう。こういう話をすることで、ONEの現状について日本の人達は理解してくれるだろうか? ONEチャンピオンシップは心配ないと」

──日本の格闘技ファン、格闘技関係者にとってONEのビジネス・スケールは余りにも大きく、従来の日本の格闘技界と違います。なので現状の赤字額等を目にすると、どのように投資分を回収できるのか──しかも新型コロナウィルス感染拡大が影響を及ぼすはずだという思考になりやすいです。

「あぁ、なるほど……(微笑)。傲慢な意見だと捉えて欲しくないんだけど、それは本当に心配する必要はないと伝えて欲しい。ONEが日本で行ってきた100万ドル規模の投資額は、私たちのビジネス全体でいえば僅かな額でしかないんだ。

我々、ONEチャンピオンシップのビジネスは1億ドル規模であり、それ以上の額を掛けていくつもりだ。日本に投資した金額は本当に大したコトじゃないよ。

ONEは格闘技のイベントを開催しているけど、従来の格闘技ビジネスにはなかった新たなビジネスモデルの開拓者であり、この8年間もそうだし、これからもまだ市場を開拓する段階にある。これまでの市場になかった新しいビジネスを展開している。

そうだね……ONEはスタートアップ企業で、シリコンバレー・スタートップ企業──アップルやグーグル、フェイスブックの活動当初のように巨額の投資を行い、会社の規模を大きくしている段階なんだよ。

そしてシリコンバレーのセコイア・キャピタルやシンガポール政府系テマセク・ホールディングというインベスターがONEにはついている。つまり、インベスターがONEの将来を保証しているということなんだ。ONEは銀行からの借入金がない企業で、逆に銀行に100億ドルのキャッシュを有している」

──一般人からすると巨額の損失もONEにとっては、投資段階の数字でありKPI(重要業績評価指数)に達していると考えて良いでしょうか。

「Amazon、Youtube、Facebook、Whatsapp、シリコンバレー・スタートアップ企業でいえば……アマゾンは2億ドルを投資し、14年続けて損をしてきた。フェイスブックは5年間、ロスしてきた。ユーチューブもロス続きだ。そうやって投資をして、世界を代表する企業に成長した。

我々が今、重視しているのは当座のプロフィット(利益)などでなく、数字に表れる視聴者の数、TVの視聴率、ライブ中継が何か国で行われているのかだよ。それがONEにとってKFS(最重要プロセス=事業成功の鍵)で、KPIは達成している。だからこそ将来性を買われて、追加資金調達が実際に行われることになった。その将来像からすると、過去8年間のロスなど気にすることじゃない。もっと大きなビジョンを持っているからね。

ただしCovid19は予想できなかった。これからも予測できない。会社の将来のために現時点の人員削減を行ったんだ。テスラも過去にオペレーションの再構築のために人員削減を行っている。Netflixも同じだよ」

──この状況が続けば、ファイターの契約解除もあり得ますか。

「そうならないために、状況が許せば……つまりシンガポール政府が渡航制限を解除した時に、すぐにイベント再開できるよう準備してきたよ。現状として、政府は7月1日を目途にしているようだけど、それは絶対ではない。絶対的ではない状況で、スケジュールを発表することはファイターやファンを混乱させるだけだと私は思っている。

UFCがこの状況で活動再開に踏み切り、ここまでイベントを開いているのは銀行に巨額の借入金があるからだ。イベントを行わないと返済ができなくなる。ONEにバンクローンはないし、大会を行わなくてもキャッシュが手元にある。

そして7月になり渡航制限が解かれるようだと、7月中に活動を再開する。それは日本のファンに伝えて欲しい」

──分かりました。日本のファンに必ず伝えます。

「オネガイシマス(※日本語で)。ONEのビジョンを理解していないメディアに、色々なことを書かれると私も正直、怒り心頭だったけど……日本のファンには真実を知り、私たちのビジョンを共有してほしいんだ。

これから日本への渡航が、どれだけ可能になっていくのか。10月の東京大会も含め、将来が見えてこない。東京五輪があるまで日本でビッグショーを開くことはできるのか、誰にも分からない。だから、一度立ち止まる必要が生じた。でも、必ず今から言うことを記事に書いて欲しい……『チャトリは、今の儲けなんてどうでも良い。今、一番大切なのはONEを応援してくれるファンなんだ』とね」

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ABEMA Interview ONE Shooto2020#03 チャトリ・シットヨートン ブログ

【ONE】修斗中継に登場。チャトリ・シットヨートン─02─「日本の状況に関してはいえばハッピーでない」

【写真】今回のインタビューイはABEMAから北野雄司氏、MMAPLANETから高島学、そして小池瑞香さんという態勢で行われた。チャトリの日本に対する言葉は、完全に真剣勝負モードだった──写真は昨年10月のONE100のポストファイト会見から (C)MMAPLANET

昨日27日(火)、東京都渋谷区のABEMAタワーとシンガポールがZOOMで結ばれて行われたチャトリ・シットヨートンONEチャンピオンシップCEO兼会長インタビュー後編。

31日(日)にABEMAで中継されるプロ修斗公式戦の番組内がチャトリCEOインタビューの一部が放送される(※後日YouTubeで完全版もアップ予定)、ここでは先取り情報として──日本人選手、そして日本の状況に対してのチャトリCEOの『本音』など、インタビューの一部をお伝えしよう。

<チャトリ・シットヨートン インタビューPart.01はコチラから>

※チャトリCEOが日本語を話した箇所は太字になっています。


──そのスーパーシリーズではシッティチャイ・シッソンピーノン、ダビッド・キリアら名立たるキックボクサーやムエタイ選手が契約しています。

「ONEスーパーシリーズは、世界のベストストライカーが集結している。世界中には多くの立ち技のイベントがあるけど、誰もがONEで戦いたがっている。世界一の大会を望むのであれば選手もファンもONEチャンピオンシップを見て欲しい。それは断言できるよ。まだ名前を挙げることはできないけど、もっともっとビッグネームがONEにやってくるから。今も話し合いが続いているよ」

──まだ成長する必要があると言われた日本人選手にも、新たにONEスーパーシリーズに出場するチャンスはありますか。

「もちろんだよ。私は日本人選手の事がとても好きだと言っているじゃないか。ムエタイとキックでは日本はベストじゃないけど、何人かの選手は世界一になれるポテンシャルを持っている。

と同時にONEの70キロの選手達を見て欲しい。とんでもない名前が並んでいるだろう? 最高の世界王者たちが集っているんだ。ランキングに入っている選手はGLORYやクンルン・ファイトをはじめ皆、世界王者だ。信じられない面子だよ(笑)。他の階級も、70キロに続いていくよ。

さっきも言ったようにベスト・キックボクサー、最高のムエタイ選手、ベストの空手家、テコンドーの選手がONEに集まるからね。既にONEスーパーシリーズは最高の立ち技大会で、キックボクシングとムエタイ──立ち技で本当の意味でワールドチャンピオンがいるのが、ONEチャンピオンシップだよ」

──先日、ONEのOnline Viewershipが世界4位になったという発表がありした。

「この結果は私自身も驚いている(笑)。もちろん、ONEのオンライン視聴者数がとても多いことは分かっていたよ。でも、この結果には驚かされた。Tubular Labsは米国に本社を置いていて、全世界のオンライン視聴に関する調査行っている会社だからね。トップ10やトップ15には入ると思っていたけど、まさか4位とは……。

今やONEチャンピオンシップは世界150カ国で放送されていて、中国でも視聴されている。米国や日本、インドネシアという人口の多い国々で視られているから、本来は驚くべきじゃなかったのかもね。ただし、日本の状況に関してはいえば私はハッピーでない」

──……。

「これは本当に正直な気持ちだよ。これまで日本におけるONEの現状は、他の国と比べると凄く苦戦していると言わざるを得ない。中国での視聴者数は爆発的だ。インドネシアも、だよ。数字にも表れている。日本だけがそうじゃない。中々、結果が出ていないんだ」

──……。

「ただし日本に世界王者が誕生すれば、そこに付随する物語でも生まれて変わって来るだろう。日本のマーケットは長期的な視点で見れば、武道や武士道、格闘技文化が根付いるから、ONEの持つ価値観やストーリーは適していると信じている。

ここに真の意味で日本人のグローバルスーパースターを誕生させたい。日本でのONE Championshipの状況をもっともっと改善して、真の日本人のグローバルスーパースターを誕生させたいんだ。今は日本人のグローバルスーパースターがいない。それが問題なんだ」

──そういう意味でもABEMAで中継されるRoad to ONEをONE APPというフォーマットに乗せて、世界に配信するようなプランはありませんか。

そのアイデアはできるでしょう。まだ、北野さんとちゃんと話してないけど。でも、私はオープンです。ONE Warrior Series(ウォリアーシリーズ)とONE Hero Series(ヒーローシリーズ)は世界中の国で、もう視れる。ソー・アイム・オープン。

北野雄司 ではONEの再開前にRoad to ONEを行わないといけないですね。

「話し合いを始めよう。ホント、忙しすぎてキタノ・サンと話し合いの時間が取れなくて申し訳ない。本当に貴方と話す時間を創らなければならない。2週間前にデンツー(電通)と話した時にも、日本で大きなことをやっていきたいと伝えているんだ。多くの日本人選手は世界王者になるチャンスがある。本当にそう信じている。

我々のビデオ視聴者数は50億を超えていて、日本人グローバルスーパースターを誕生させたい。これまでマーシャルアーツ、格闘技において、日本人のグローバルスーパースターはいなかった。

マサト・サン(魔娑斗)ですら、グローバルスーパースターではなかった。彼は日本国内でのスーパースターだった。私は世界中に名前が知れ渡る真の日本人グローバルスーパースターを誕生させたい。ナオミ・オオサカのようにね。我々ONEはそれを実現できるオンラインビュワー数とTV中継網を有している。毎日のように視聴者数は増えているし、日本人選手の今後にも凄く期待しているよ」

──冒頭に出たビッグアナウンスメントの件、楽しみにしています。

「そうだね、最初に公表するのはABEMAの皆になるよ──」

ということで、この話の続きはABEMAのプロ修斗中継、さらに後日アップされるYouTube動画をお楽しみください!!

■プロ修斗対戦カード

<修斗暫定世界バンタム級王座決定戦/5分5R>
岡田遼(日本)
倉本一真(日本)

<修斗女子スーパーアトム級王座決定T準決勝/5分3R>
黒部三奈(日本)
大島沙緒里(日本)

<修斗女子スーパーアトム級王座決定T準決勝/5分3R>
杉本恵(日本)
中村未来(日本)

<ライト級/5分3R>
SASUKE(日本)
西浦ウィッキー聡生(日本)

<バンタム級/5分3R>
清水清隆(日本)
小堀貴広(日本)

<フェザー級/5分3R>
石井逸人(日本)
齋藤翼(日本)

<ライト級/5分2R>
木下タケアキ(日本)
西川大和(日本)