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45 AB ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE Championship ONE165 キック グスタボ・バラルト ケイド・ルオトロ ゲイリー・トノン シッティチャイ・シッソンピーノン セイジ・ノースカット ダニー・キンガド チャンネル トミー・ランガカー ボカン・マスンヤネ ボクシング マラット・グレゴリアン マーチン・ウェン ユライア・フェイバー 三浦彩佳 山北渓人 平田樹 武尊 秋山成勲 箕輪ひろば 若松佑弥 青木真也

【ONE165】青木真也と対戦。セイジ・ノースカット「僕には試合では使っていない技がたくさんある」

【写真】大会3日前の公開練習ではTシャツを脱いで仕上がりの良さをアピールしたノースカット。ミットを持つのはユライア・フェイバーだ。デカい!(C)TAKUMI NAKAMURA

28日(日)に東京都江東区の有明アリーナで開催されるONE 165「Superlek vs Takeru」でセイジ・ノースカットが青木真也と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

2019年のONEデビュー戦でコズモ・アレッシャンドリにKO負けし、顔面を複数箇所 骨折し、約4年という長期欠場を余儀なくされたノースカット。昨年5月の復帰戦ではアフメド・ムジタバにヒールフックで一本勝ちし、復活の第一歩を歩み出した。今回のインタビューは日本文化へのリスペクトや対戦相手としての青木についてなど、ざっくばらんに語ってくれた。


──対戦カード発表記者会見でもお話していましたが、ノースカット選手は親日家のようですね。

「はい! 日本の文化や他人をリスペクトする精神性が好きだし、来日して街を歩いた時の街並みやファッションもすごくユニークで素晴らしいなと思ったよ」

──いつ頃から日本の格闘技や文化に触れるようになったのですか。

「数年前から日本の文化に触れ始めて、ずっと日本に行きたいと思っていたよ」

──会見では「兄と一緒に日本のアニメを見ていた」ということですが、どんなアニメだったんですか?

「(即答で)ONE PIECEだね!」

──なるほど。てっきり格闘技系の漫画やアニメかと思っていました(笑)。

「もちろんONE PIECEは日本の文化の好きなものの一つで、先ほども言ったように僕は日本人や日本の文化を見ていて、あらゆる方向に対する敬意を持って接しているように思うんだ。その精神性から日本の文化は非常に丁寧に作り込まれていることを感じる」

──では日本の武道や格闘技についてはどう思っているのですか。

「物心がつく前から空手を始めたから、意識して武道や格闘技に触れようと思ったことはないんだ。でも年齢を重ねて成長するにつれて、様々なメディアで日本の武道や格闘技にも触れ、やはり他とは違って目をひくものがあるように感じているよ」

──青木真也というファイターはその日本において大ベテランと言える選手です。

「彼に対しては特に特別な感情はないでよ。彼とは一度試合が決まって流れたことがあるんだけど、その時にX(旧Twitter)でバチバチなやりとりがあった。彼はファイターとしては尊敬すべき経歴を持っているかもしれないけど、ああいうやりとりがあった以上、僕は試合で“報復”したいし、彼に勝つだけだよ」

──SNSでのやり取りで感情的になったところがあるのですか。

「そうでもないんだけど、会見で握手をしようとしたら、彼は握手をしてくれなかった。彼がそういうキャラクターの選手ということは分かっているし、実際にそういうことが目の前で起これば試合に向けてのモチベーションになる。勝ちに行く気持ちが強まったし、もっと練習しようと思ったよ」

──彼のファイターとしての印象はいかがですか。

「とてもすばらしい戦績を残しているし、とても才能に溢れたレジェンドファイターだと思う。日本の選手の中で長いチャンピオンホルダーだったので、そういう面“は”リスペクトしているよ」

──ノースカット選手はこれからキャリアを作っていく選手として、青木選手のようなレジェンドを超えたいと思っていますか。

「それはもちろん大事なことだし、彼との試合は今までで一番試合になると思う

──今回初めて日本で試合をするということで、初めてノースカット選手の見る日本のファンも多いと思います。自分のどこを日本のファンに見てもらいたいですか。

「僕は瞬発力があって、スピードが速く、力もとても強い。ファンが喜んでくれる面白いKOを見せるよ。ゴロゴロ抱き合って寝技ばかりやる試合は見たくないだろうからね」

──ノースカット選手はフィニッシュ率も高いので、どんな試合を見せてくれるんだろうと期待しているファンも多いです。これからどんな選手になっていきたいと思っていますか。

「まだ試合では使っていないファイトスタイルや技がたくさんあって、そういうのも使っていきたい。高いフィニッシュ率を残すことはONE Championshipにおいても、ファンを楽しませるということでも大事だから、僕はそこを意識して戦いたいと思う。今まで見せていない自分のテクニックをドンドン見せていきたいよ」

──ちなみに僕は40オーバーなので、ノースカット選手のような若い選手たちが、僕ら世代が想像できないようなMMAを見せてくれることを楽しみにしています。

「僕がMMAデビューした頃は子供だった。怪我で4年間休むことになって、27歳になって色んな経験を積んだ。それでもまだ年齢的には若いと思うし、やっとここから自分が持っている力を試合で出していけると思う。新しいセイジ・ノースカットを楽しみにしていてほしい!」

■視聴方法(予定)
1月28日(日・日本時間)
午後5時00分~ABEMA格闘チャンネル
午後6時30分~ABEMA PPV

■ONE165対戦カード

<ONEキックボクシング世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
[挑戦者]武尊(日本)

<ONEサブミッショングラップリング世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/12分1R>
[王者]ケイド・ルオトロ(米国)
[挑戦者] トミー・ランガカー(ノルウェー)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
セイジ・ノースカット(米国)

<スペシャルルール187.25ポンド (※84.94キロ)契約/3分3R>
秋山成勲(日本)
ニキー・ホルツケン(オランダ)

<キック156.5ポンド(※70.99キロ)契約/3分3R>
マラット・グレゴリアン(アルメニア)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
マーチン・ウェン(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
三浦彩佳(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
若松佑弥(日本)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラデ・オパシッチ(セルビア)
イラジ・アジズプール(イラン)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
山北渓人(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
グスタボ・バラルト(キューバ)
箕輪ひろば(日本)

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45 AB ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE165 その他 キック グスタボ・バラルト ケイド・ルオトロ ゲイリー・トノン シッティチャイ・シッソンピーノン ジャレッド・ブルックス セイジ・ノースカット ダニー・キンガド チャンネル トミー・ランガカー パンクラス ボカン・マスンヤネ ボクシング マイキー・ムスメシ マラット・グレゴリアン マーチン・ウェン 三浦彩佳 修斗 山北渓人 平田樹 武尊 秋山成勲 箕輪ひろば 若松佑弥 青木真也

【ONE165】4年6カ月振りの有明で、山北渓人と対戦。ボカン・マスンヤネ「リングは戦いやすい」

【写真】パンクラスではバックスローを連発していたボカンが、ONEのリングでどのようなレスリングを披露するか(C)ONE

28日(日)に東京都江東区の有明アリーナで開催されるONE 165「 Superlek vs Takeru」でボカン・マスンヤネが山北渓人と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

2019年7月、有明アリーナが創られる以前に有明(※ディファ有明)で戦って以来の湾岸再上陸となるボカンが、山北戦に向けての心境と自信のほどを語った。


──山北選手と今月末に戦います。2019年7月以来の日本での試合となりますね(※取材は13日に行われた)。

「前回、日本に行った時の思い出がたくさん残っている。パンクラスで戦い、今度はより大きなステージで東京で戦うことができる。色々な国を訪れてなお、今も日本……東京は僕にとって最高にお気に入りの街だから、凄く楽しみにしている。ただ、勝つだけでなく過去最高のパフォーマンスを日本のファンに見せたい」

──ではオファーを貰ったときは、さぞ嬉しかったのではないですか。

「そうだね。何より試合ができることが嬉しかった。僕自身は1年で4試合は戦いたいと思っているのに……。4年間で、4試合しか戦えていないんだ。待望の試合を東京で戦えることは凄く嬉しいよ」

──パンクラスで試合をしたディファ有明はもう取り壊されてしまいましたが、有明アリーナは数百メートルしか離れてない場所にあります。ただ観客数は1000人台から、数千人に増えます。

「そうなんだ。会場の名前も覚えていなかったけど、より多くの日本のファンに僕の試合を見て欲しい。僕自身はパンクラスで戦った時の情熱と同じだけの熱をONEの試合でぶつけたいと思っている」

──ONEのサーカスは東南アジア中心で、常に夏です。対して、今大会は真冬の東京で行われ南アフリカとは気候が真逆です。その辺り、どのようにアジャストしようと考えていますか。時差もありますし。

「一つ言えることは、南アフリカを出て戦うことをいつも楽しんでいる。色々な経験ができるからね。自分の知らない世界を見て回れるんだから。季節の違い関しては、これまでに南アフリカが冬の時にとても暑いタイで試合をしたこともあった。逆に真夏の南アフリカから、肌寒いマレーシアに行ったこともある」

──マレーシアで肌寒いことがあるのですね……。

「とにかく、季節の違いはもう慣れている。とはいっても、今回の日本滞在は僕の人生で一番寒い季節を経験することになるかもね(笑)。でも、雪が見たい。そこは本当に楽しみにしているよ」

──なるほど(笑)。ところで対戦相手の山北選手はパンクラスのストロー級王者からONEと契約しました。ここも勝手ながら運命じみたモノを感じてしまいます。

「ビューティフル・ストーリーだ。僕はパンクラスのチャンピオンになりたくて、日本で戦った。ただ1試合でONEに転じたから、そのチャンスはなかった。いわばパンクラスのベルトをスキップして、上の舞台で戦うようになった。そしてONEの王座が視野に入っている状態で、パンクラスのストロー級チャンピオンだった選手と戦う。素晴しいことだよ」

──その山北選手の印象を教えてください。

「テイクダウン、テイクダウンをしてからのパウンドが強い。僕と似ているところがある。僕らのマッチアップは、エキサイティングな試合をファンに見せることができるだろう」

──レスリングベース同士、だからこそレスリング力が勝敗を分けるのか。MMAとして、その他の部分が勝負の鍵を握ってくるのか。どちらだと予想しますか。

「彼はレスリングが強い。でも、僕はどんなスタイルでも対応できる。この対応力こそが、MMAファイターに最も必要される部分だ。そして彼のレスリングに、僕は十分に対応できるよ。前回、ヒロバ・ミノワというテイクダウンとグラップリングに優れた日本人ファイターをドミネイトしたけど、いつだってハイレベルのグラップラーとの対戦は興味深い。だから、ヤマキタとの勝負もワクワクしている。

ただし、あくまでもMMAだ。グラップリングマッチではない。前回の試合と比較しても、僕はあらゆる局面で成長を遂げた。まぁ、前回の試合は急所蹴りというアクシデントがなくても、僕がミノワを圧倒できと信じている。それはグラップリングやレスリングだけでなく、MMAとして僕が上回っていたからだ。次の試合もそうなるだろう。しっかりとしたゲームプランもある。そして、ゲームプラン通りにならなくても僕は問題ない」

──今、話に出た箕輪選手は修斗のチャンピオンからONEにステップアップを果たしました。つまりに日本の2つの老舗プロモーションで頂点に立った選手とボカンは戦うわけですね。これぞONEのストロー級ならでは、です。

「日本のストロー級のベスト2と戦うということは、とても意味のあることだ。でも、日本のファンは僕が負けることを期待するわけだね(笑)。今回は僕にとって5度目の日本人選手との対戦で、これまで全部勝ってきた。つまりONEでも常にトップの選手と戦ってきて、僕は彼らを破ってきたことになる」

──日本のファンは日本人選手を応援しますが、何よりも両者の頑張りに期待していると思います。どちらが勝つのかというよりも。

「日本のファンが僕の敗北を期待しないなら、それはそれで本当に興味深いことだね」

──では今回の試合はケージでなく、リングで行われることについてはどのように思っていますか。アジャストはできていますか。

「タイでリングは経験している。ケージで戦うよりも、楽な部分もある。だからケージでもリングでも問題ない。コーナーがあるということは、対戦相手のエスケープを止めることができる。追いかけて、コーナーに追い込むことができるからね。それにロープだと、後ろに空間があるからケージレスリングやウォールレスリングより、クラッチが簡単になる。

つまり、リングは戦いやすいということだよ。腕を組めることで、テイクダウンは容易になる。そこが新しい発見だったんだ。前回、リングで戦ったのは初めてだったけど、そこが直ぐに分かった。つまり、それこそが僕の対応力だよ」

──ところで昨年のONEはキックやムエタイ、グラップリングがMMAよりプッシュされていたように感じます。ONE世界ストロー級王者のジャレッド・ブルックスはMMAを1試合も戦っていないです。そのうえマイキー・ムスメシの組み技王座に挑戦して一本負けを喫するなど、MMAファイターが使われているように感じました。

「ONEはMMAで活動を始めたプロモーションだし、他の競技が組まれるようになると自然とMMAの数は減るよね。それにMMAは世界中で知れ渡っているから、他のスポーツの知名度を上げるために必要になってくる。そこは理解しているよ。それでも、僕が目指すのはMMAのベルトであることは変わりないから」

──そのために山北選手との試合は、大切になってきます。そして勝利だけでなく、挑戦権を手にするにはインパクトを残すことも必要となってきます。

「このレベルの試合になると、常にリスキーな戦いが待っている。ここで勝てばタイトル挑戦で、負ければ一からやり直しだ。勝利を得るためにベストを尽くし、世界中のファンが如何に僕が優れたファイターか理解できる試合をしたい。もちろん、勝ってタイトルを目指すけど……それが実現しないなら、与えられた相手と戦うだけ。当然、ヤマキタに勝ってジャレッド・ブルックスとジョシア・パシオ戦(3月1日にカタールで対戦)の勝者に挑戦したいとは思っている。

もう待ちたくないんだ。戦うという喜びを僕から奪って欲しくない。そんな事態になるとは思っていないけど、とにかく最高の試合をするよ。これまでONEの試合では敗北を恐れて戦っていた部分がある。でも、今回の試合は僕の全てを出し切る。そしてベストパフォーマンスを日本のファンに見てもらう。日本の皆のサポートに感謝しているし、皆に僕の試合を楽しみにしてほしい」


■視聴方法(予定)
1月28日(日・日本時間)
午後5時00分~ABEMA格闘チャンネル
午後6時30分~ABEMA PPV

■ONE165対戦カード

<ONEキックボクシング世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
[挑戦者]武尊(日本)

<ONEサブミッショングラップリング世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/12分1R>
[王者]ケイド・ルオトロ(米国)
[挑戦者] トミー・ランガカー(ノルウェー)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
セイジ・ノースカット(米国)

<スペシャルルール187.25ポンド (※84.94キロ)契約/3分3R>
秋山成勲(日本)
ニキー・ホルツケン(オランダ)

<キック156.5ポンド(※70.99キロ)契約/3分3R>
マラット・グレゴリアン(アルメニア)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
マーチン・ウェン(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
三浦彩佳(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
若松佑弥(日本)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラデ・オパシッチ(セルビア)
イラジ・アジズプール(イラン)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
山北渓人(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
グスタボ・バラルト(キューバ)
箕輪ひろば(日本)

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45 AB ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE165 RIZIN ROAD FC キック グスタボ・バラルト ケイド・ルオトロ ゲイリー・トノン シッティチャイ・シッソンピーノン セイジ・ノースカット ダニー・キンガド チャンネル トミー・ランガカー ボカン・マスンヤネ ボクシング マラット・グレゴリアン マーチン・ウェン 三浦彩佳 佐藤将光 太田忍 山北渓人 平田樹 武尊 海外 秋山成勲 箕輪ひろば 若松佑弥 青木真也

【ONE165】グスタボ・バラルト戦へ、箕輪ひろば「一つのパートが強いのはトータルファイターではない」

【写真】(C)TAKUMI NAKAMURA

28日(日)に東京都江東区の有明アリーナで開催されるONE 165「Superlek vs Takeru」で箕輪ひろばがグスタボ・バラルトと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

4月のボカン・マスンヤネ戦では繰り返しローブローを受け、まともに試合ができないまま、判定負けを喫した箕輪。あの試合を自分の経験不足として消化し、自身のMMAの精度を高めるべく練習を続けてきた。箕輪はバラルト戦をクリアし、ストロー級王座挑戦につなげると誓った。


――約4年ぶりの日本での試合が近づいてきました。仕上がりはいかがですか(※取材は22日に行われた)。

「冗談抜きで過去最高かもしれないですね。海外の試合と違って、ずっと日本で調整できるので、やはりそこはやりやすいです」

――何か減量やコンディショニングの面で新たに取り入れたことはありますか。

「いつも通りのことをホームで出来ている、という感じですね。『こういう調整したいな』と思っていたことをやれています」

――前回4月のボカン・マスンヤネ戦は判定負けという結果でした。試合中にマスンヤネのローブローが続いて、正常に進まなかった試合だったと思いますが、あの試合を振り返ってもらえますか。

「結果だけで言えば落としちゃいけない試合だったという自覚はあります。次に誰がストロー級にベルトに挑戦するかを考えた時に、ボカンに勝っていた方が有利だったわけですし、あの負けで(ランキングが)下の選手とやらないといけなくなったわけで。

ただ試合内容で言えば、あれで俺の負けなの?という感想です。まずローブローを3回蹴られていますし、ローブローをもらう前はテイクダウンされてないんですよ。2Rにテイクダウンされてヒジをもらった場面も、ローブローをもらったあとにテイクダウンされている。僕はそこを明確にして欲しくて、結果的にローブローと判断されてブレイクになるんだったら、試合として成立しているのはローブローが入る前までで、テイクダウンされてヒジをもらった場面は判定の範囲外じゃないですか」

――確かに。そこはノーカウントのはずですよね。

「僕はそうなるものだと思っているし、今でもそう思っています。ダメージで言ってもボカンは僕の打撃で顔がボコボコになっていて、ギロチンとアームロックもキャッチが入ってもおかしくないくらい極まっていた。キャッチの有無はレフェリーの判断なのでとやかく言わないですけど、それにしても『う~ん………』という感じです。もし再戦が組まれるなら勝てる、じゃなくてもっと圧倒して勝てます」

――ずばりフィニッシュする自信はありますか。

「はい。ローブローがなかったらギロチンもアームロックも極めていました」

――納得できない試合だと思いますが、そこはどう消化していますか。

「2Rにギロチンが入った時も、ローブローのダメージで下半身に力が入ってなかったんです。あれもテイクダウンされたわけじゃなくて、引き込んでギロチンにいくしかなかったというか。ああいう状況でも一本を取れる選手は取れるわけで、あそこで取れない俺が悪いなって思っていました、“試合直後”は。

でも落ち着いて考えたら、相手の反則でそういう状況に追い込まれているわけだから、なんで反則された方の俺がそう考えなきゃいけないのって(苦笑)。だからあの試合は“実力”じゃなくて“経験”不足ですね。今までああいうローブローをもらったことがなかったし、そういうことが自分の試合では起こらないと思って生きてきた僕が悪かったです」

――ではそのマスンヤネ戦を踏まえて、どのようなことを意識して練習してきましたか。

「僕の理念は総合的に強くなることで、どこか一つのパートが強いのはトータルファイターではないと思っているので、トータルファイターにどれだけ近づけるか。それが出来るのは最初からMMAという競技に触れてきた僕らにしか出来ないことだと思っているので、レスラーに負けたからレスリングを強化する・グラップラーに負けたから寝技を強化するではなく、今まで通り全体的に強くなることを考えながら、要所要所のパーツを磨いてきました」

――MMAは細かい技術を磨く必要がある反面、MMAはMMAという大雑把な見方、いい意味で雑に全体を捉えることも必要だと思っています。

「例えばレスリングが強い選手にレスリングで勝つんじゃなくて、MMAで勝つ。去年RIZINで佐藤将光選手が太田忍選手に勝ったじゃないですか。僕はあれがMMAの一つの勝ち方だと思うんですよ。MMAファイターはああいう対処をしなければいけないと思っています」

――マスンヤネ戦では見せられなかったと思いますが、自分がやりたいことは形になってきていますか。

「そこは間違いないですね。継続してTRI.Hスタジオ、トライフォース赤坂(JTT)、ボクシングジム、大学のレスリング部にも行かせてもらっていて、各々のトップ選手たちと練習しています」

――パ―ツの技術を伸ばしてMMAとして融合させる。時間をかければかけるほど融合するものだと思っているので、今回の箕輪選手の試合が楽しみです。

「僕には僕の中で自分のMMAの強みだと思っている部分があって、それは周りから見ていても分からないというか、実際に戦った相手にしか分からないものだと思うんですよ。で、その強みに自信を持てるようになってきたんです」

――MMAの攻略は単純に攻める・守るだけではなく、相手を崩せるかどうかだと思っています。その相手の崩し方として、如何に技術や戦術を持ち込むかで勝敗が変わるもので、箕輪選手はそこが明確になってきたということですか。

「僕もMMAを始めて14年、半分以上がプロキャリア。しかも何か格闘技のバックボーンがあったわけではないですからね。しかも僕の師は阿部直之という人間で、阿部さんから教わるということも変わらない。だからブレないんですよ。よく色んな場所に行って練習するのがいいという記事や意見を目にしますけど、昔の僕は『かっこつけんなよ。もっと自分のジムでやることがあるだろ』って思っていたんです。

でもその考えも少し変わってきて、トライフォース赤坂がJTTに変わって、色んなコーチが教えに来るようになって、海外だったらここまで進んでいるんだと思う一方、ぶれない軸を一本持っている方が絶対にいいとも感じるんです。

先輩の山上(幹臣)さんがROAD FCでユ・ジェナムとやった時に韓国まで帯同したんですよ。当時うちのジムは出稽古を一切やってなかったんですけど、山上さんが『出稽古をやりたい』ということで色んなジムを周っていたんです。ただそれで結果を出せなくて、帰りのバスのなかで僕に『出稽古は行けばいいってもんじゃない。自分のスタイルが分からなくなる』とボソっと言ったんです。当時の僕はアマチュアのペーペーだったんですけど、そういうものなんだと思って聞いていて、実際に僕は出稽古は行ってなかったんです。

僕はアマチュアはそれでもいいと思っていて、同じ練習相手とひたすら同じことを練習すると、自分の形が出来て自信もつくから、それが試合に出せる。ただプロになるとそうはいかなくて、色んなことを経験して、試合中に何が起きても対応できるようにしないといけない。そうなった時に僕も出稽古に行こうと思ったんですけど、山上さんの言葉が頭に残っていたから、阿部さんに『どうしたらいいですかね?』と聞いたんです。

そしたら阿部さんが『出稽古にいくこと自体は悪くない。それを自分のジムに持って帰ってきて落とし込めないことがダメなんだ。落とし込む作業は俺とお前でやるから、お前は頭でっかちになっていい。色んなことを吸収して持って帰って来い』と言ってくれて。そこからは素直に色んなことを取り入れられるようになりました。だから自分の主観とそれ以外の目で見てくれる人がいるという練習環境はすごく大きいですね」

――実は武尊選手も同じことを言っていました。「海外で新しい技術を教わって、それを日本に持って帰ってきて取捨選択していく」と。どちらか片方だけではだめで、そこを両輪で回すことが必要ということですね。

「そうなんですよ。僕も昔は『練習終わって集合写真とってSNSに載せて強くなるわけねえだろ』と思っていたし(笑)、実際に出稽古に行くとそういうテンションの選手もいるから、あんまり出稽古の雰囲気そのものが好きじゃなかったんですよ。だから僕にとってTRI.HやJTTは出稽古先というよりも、長く練習させてもらっている一つの練習場所で、一週間の練習スケジュールのなかに組みこまれている。そしてそれをまとめるためのSTFでの練習があるという形です」

――さて今大会で対戦するグスタボ・バラルトの印象を教えてください。

「受けが強いグレコローマンレスラーですよね。テイクダウンをしてくるわけではなく、倒されないことを前提に打撃をバンバン振ってくる。山本”KID”徳郁スタイルだけど、そこまで当て勘があるわけじゃないみたいな」

――打撃が得意というよりも好きな印象です。

「あと彼は腕の短さが逆に厄介だと思うんですよ。ここまで入ったら当たらないだろうって距離で当たっちゃうんで。そこはきちっと対処しないといけないですね」

──そこまで相手のことをイメージできていたら、攻略のパターンはいくつもあるようですね。

「今回は攻略しやすいです。過去の試合を見ていても、明確なスタイルチェンジをしている形跡はないので」

――2024年は、どのよう1年にしたいと思っていますか。

「まずこの試合に勝ってランキングの上位に残る。そしてタイトルマッチをやりたいですね。次は挑戦権をかけて日本人対決でもいいんですけど、僕は日本人=同志というイメージがあるので(日本人対決を)やるんだったらタイトルマッチでやりたいです。ONEは近頃の“SNSで煽れば試合が決定”という舞台ではないので、用意された相手に勝って行って、早ければ年内、遅くても来年の春には挑戦したいです」

――急ぐことなく然るべきタイミングで挑戦したい、と。

「これは僕の考えなんですけど、やることをやっていればちゃんと順番は回ってくる。そう思っています」

――それでは最後に日本のファンにメッセージをいただけますか。

「僕は大会の第1試合で、メインじゃないなら第1試合をやりたいタイプなので、まずはONEに感謝したいです。第1試合は第1試合の仕事をして大会を活気づけるので、応援よろしくお願いします」


■視聴方法(予定)
1月28日(日・日本時間)
午後5時00分~ABEMA格闘チャンネル
午後6時30分~ABEMA PPV

■ONE165対戦カード

<ONEキックボクシング世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
[挑戦者]武尊(日本)

<ONEサブミッショングラップリング世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/12分1R>
[王者]ケイド・ルオトロ(米国)
[挑戦者] トミー・ランガカー(ノルウェー)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
セイジ・ノースカット(米国)

<スペシャルルール187.25ポンド (※84.94キロ)契約/3分3R>
秋山成勲(日本)
ニキー・ホルツケン(オランダ)

<キック156.5ポンド(※70.99キロ)契約/3分3R>
マラット・グレゴリアン(アルメニア)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
マーチン・ウェン(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
三浦彩佳(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
若松佑弥(日本)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラデ・オパシッチ(セルビア)
イラジ・アジズプール(イラン)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
山北渓人(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
グスタボ・バラルト(キューバ)
箕輪ひろば(日本)

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45 AB ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE165 アレックス・シウバ キック クレイグ・ジョーンズ グスタボ・バラルト ケイド・ルオトロ ゲイリー・トノン シッティチャイ・シッソンピーノン ジャレッド・ブルックス ジョシュア・パシオ セイジ・ノースカット ダニー・キンガド チャンネル トミー・ランガカー ボカン・マスンヤネ ボクシング マラット・グレゴリアン マーチン・ウェン 三浦彩佳 山北渓人 平田樹 武尊 海外 秋山成勲 箕輪ひろば 若松佑弥 青木真也

【ONE165】オクトパスガードでボカン越えへ──山北渓人「ブルックスに挑むために良い流れが来ている」

【写真】仕掛けと反応のチェスマッチ。ここは見逃せない(C)SHOJIRO KAMEIKE

28日(日)に東京都江東区の有明アリーナで開催されるONE 165「Superlek vs Takeru」で山北渓人が待望のボカン・マスンヤネ戦を迎える。
Text by Shojiro Kameike

昨年3月にONE初戦でアレックス・シウバを下して以来となるマスンヤネ戦だが、シウバ戦の経験が今回の試合にも生きてくるという。「ここまで言って試合は大丈夫なのか?」と、こちらが心配するほど明かしてくれた山北の得意技とは?


――今回は共に約10カ月振りの試合となりました。

「ONEではストロー級の試合自体が頻繁に組まれていないですよね。ただ、僕の場合は何度かオファーを頂いているんです。まず前回の試合が終わったあと、6月ぐらいにオファーが来ました。でもリングの試合で――できれば自分はケージでやりたいから、その時はお断りして。さらにオファーが来た時も、怪我があって試合ができない状態でした。

自分としては可能であれば年2~3試合はやりたいです。今回の試合まで約10カ月という長い期間が空きましたが、その間にしっかりスキルアップできました。さらにビッグイベントに出られるので嬉しいですね」

――それだけONEからオファーが届くのは、シウバ戦の試合結果と内容が評価されているのでしょう。ご自身としてはシウバ戦で、ONEで戦う手応えは得ていたのですか。

「自分を試しているようなマッチメイクでした。シウバは元王者だけど、ランカーとノーランカーの間にいるようなポジションで。かつ日本人選手との対戦経験も多くて。そのシウバを相手にちゃんと勝つことができて、僕としても良い試合ができたと思っています。

周りの評価も高くて、チャトリCEOも取材の中で僕の名前を出していたり、直接『良い試合だったよ』と言ってくれました」

――シウバ戦はお互いにトップあるいはバックを取り合うハードな試合内容でした。そのなかで不安になる要素はなかったですか。

「僕はバックを取るのが好きなんです。シウバ戦でも取れそうな場面はありましたけど、やはりシウバも強くて、完全にバックを取るのは難しかったですね。そうなると、しっかりとトップをキープしないといけないのに、シウバに凌がれて僕が下になるシーンもありました。そのおかげで逆に動きが多くて、面白い試合になったんじゃないかとも思っています」

――それまで日本国内で経験してきた試合との違いは感じましたか。

「日本で対戦した中でも、強い選手はたくさんいました。でもシウバは、さらに巧さがあって。特に腰が強いとか、パワーが凄いとかは感じなかったです。でも僕に決定的なポジションを奪わせてくれない。シウバも柔術黒帯で、MMAでもベテランだから巧かったです」

――結果、まさに流れるような試合展開になりました。

「僕も練習では止まらないことを意識しています。面白い試合するため、というよりは動くほうが楽なんですよ。力を使わないので。トップから固めているほうが疲れますね」

――それは山北選手のベースが、とにかく動き続ける競技のレスリングであることは関係しているのでしょうか。

「確かに長くやってきたレスリングがMMAに生きている部分はあります。特にグラウンドでポジションをキープする時とか。でも動き続けるということに関しては、柔術をやっていることのほうが大きいと思います」

――アレックス・シウバ戦の中で「柔術をやっていて良かった!」と思ったシーンはありましたか。

「あります、あります。それこそ初っ端でありました。最近は柔術のオクトパスガードという、潜る系の動きが結構ハマッていて。シウバ戦でも最初にオクトパスガードから綺麗にスイープすることができたんですよ。あれだけ強い相手にも自分の技が通用するんだって自信になりました」

――1R2分を過ぎたあたりで、ハーフガードから返した技ですね。

「本来はバックも取れる技なんですが、相手がバックを取らせないようにしてきたらスイープするようにしています。最近はこの技にハマッていて、練習でもこの技を掘り続けています」

――オクトパスガードからバックテイクする際、途中にトラックポジションのようになるのでレスリングにも似た形になるような気がします。

「そうなんですよ。今はMMAで、レスリングよりも柔術的な動きをしたいと思っています。でも知らず知らず、というか――あらゆる動きの中でレスリングをやっていたことが生きているんだな、と実感しています」

――ちなみに、相手がこのオクトパスガードからのスイープを仕掛けてきた場合は、どのように対処するのでしょうか。

「MMAではしっかりと抑え込む。柔術だとカウンターでバックテイクを狙う時もあります。表裏一体みたいなポジションで――」

――バックテイクのための技で、そこにカウンターでバックテイクを狙いに行くと……。

「お互いにグルグルと、バックテイクで回り続けることがあります(笑)。柔術が強い相手だと、その展開は結構あって。練習で動き続けるというのも、この展開が含まれていますね」

――アハハハ。

「このポジションの良さは、相手がパウンドを打てないという点です。僕の場合、練習でも階級が上の選手と練習することが多いんですよ。すると下からワキを差しても返すことができず、MMAならパウンドを受けてしまいますよね。僕も殴られたくないので、殴られない方向に体を入れていくというのが、このオクトパスガードです。

もともとこういうガードがあることは知りませんでした。でも練習で自然に、この動きにハマッっていって。あとで、これがオクトパスガードというものがと知ったんです。あえて習おうとするより、いつもの動きから自然と身についた技のほうが自分自身にハマりますね」

――このオクトパスガードにハマり始めたのは、いつ頃からですか。

「シウバ戦の前には、身につけていました。クレイグ・ジョーンズも、このオクトパスガードをやっていて。シウバ戦後もジョーンズの試合を視ながら、『こういうやり方もあるんだ』って深堀りしています。おかげで今は、シウバ戦の前よりもオクトパスガードからスイープできるようになっています」

――今回対戦するマスンヤネもテイクダウンファイターなので、オクトパスガードが大きなポイントになりそうですね。

「はい。相手がやりたいことはバッククリンチというか、バックに回っても足を入れずに、クラッチしたままキープすることだと思います。だからスクランブルの展開で、僕のほうがバックテイクするか、しっかりと上のポジションを取ってパウンドを打ち込みたいです」

――山北選手と同様、マスンヤネも最初から攻め込んでくるファイターです。

「実は僕も、すぐテイクダウンに入ろうとは思っていないんですよ。しっかりと打撃の攻防をしてから組みに行く。そのために『今日は打撃をやろう』と思ってはいるものの、スタンドでテイクダウンに入れそうな隙を見つけたら、自然に組んでしまいます(苦笑)」

――自然にできるというのは、良いことではないですか。

「そういう時は、すごく良いテイクダウンができていますね。シウバ戦も相手は寝技が強いので、もっと打撃を出していこうと考えていました。でも右を出したら入れそうな様子だったのでテイクダウンに行ったんですよ。今までその戦い方で勝ってきたので、それで良いと思っています」

――一方、マスンヤネは中間距離から蹴りを散らしてくるタイプです。テイクダウンすることを考えると、その蹴りは厄介ではないでしょうか。

「そういうタイプのほうが僕はやりやすいですね。立ち技のスクランブル――マスンヤネは蹴ってガチャガチャの展開にしてから組んでくるじゃないですか。そうなってくれたほうが、逆に僕も組みやすいです」

――マスンヤネにとって唯一の敗戦は2022年4月のジャレッド・ブルックス戦で、ブルックスのほうから組んで仕留めました。

「投げの打ち合いでブルックスが勝って、最後はRNCを極めましたよね。まずマスンヤネが前に出て、自分自身が慌てて攻めているところで組まれているイメージがあります。箕輪ひろば選手との試合も、全く引かない箕輪選手に苦戦していましたし。勢いがあるから、やりにくいと感じる選手もいるとは思うんですよ。でも僕は見合うより、勢いで来るタイプのほうがやりやすいです」

――マスンヤネは現在ストロー級2位。この試合に勝てば一気にベルト挑戦が近づきます。

「3月1日にブルックスが、ランキング1位のジョシュア・パシオと防衛戦をやります。ここで僕がマスンヤネに勝って、ブルックス×パシオの勝者に挑戦したいです。3月の勝者に挑むとなったら6月か7月——1月の試合から間は開くかもしれませんが、それでも良いです。もう1試合挟むことなく、そのままタイトルマッチをやりたいですね」

――なるほど。ブルックス×パシオは、どちらが勝つと予想しますか。

「いつもの展開でブルックスが勝つんじゃないかと思います。やっぱり強いんですよね。いつも試合展開は同じだけど、その展開に持ち込む強さがありますから。ブルックスに挑むためにも、僕にとっては良い流れが来ていると感じています。

ファンの皆さんは海外の中継を視る時、知っている選手のほうを応援するじゃないですか。今回は日本で行われるビッグマッチで、僕のことを印象づけるチャンスだと思っています。実はシウバ戦が、レスリング時代も含めて初の海外試合で。だけど普段よりも緊張せずに戦いやすかったんです。だから今回は日本のビッグマッチで皆さんに僕のことを知ってもらい、海外でベルトに挑戦します」

■視聴方法(予定)
1月28日(日・日本時間)
午後5時00分~ABEMA格闘チャンネル
午後6時30分~ABEMA PPV

■ONE165対戦カード

<ONEキックボクシング世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
[挑戦者]武尊(日本)

<ONEサブミッショングラップリング世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/12分1R>
[王者]ケイド・ルオトロ(米国)
[挑戦者] トミー・ランガカー(ノルウェー)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
セイジ・ノースカット(米国)

<スペシャルルール187.25ポンド (※84.94キロ)契約/3分3R>
秋山成勲(日本)
ニキー・ホルツケン(オランダ)

<キック156.5ポンド(※70.99キロ)契約/3分3R>
マラット・グレゴリアン(アルメニア)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
マーチン・ウェン(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
三浦彩佳(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
若松佑弥(日本)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラデ・オパシッチ(セルビア)
イラジ・アジズプール(イラン)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
山北渓人(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
グスタボ・バラルト(キューバ)
箕輪ひろば(日本)

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45 AB ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE FN07 ONE FN16 ONE165 Special   キック グスタボ・バラルト ケイド・ルオトロ ゲイリー・トノン シッティチャイ・シッソンピーノン セイジ・ノースカット ダニエル・ケリー ダニー・キンガド チャンネル トミー・ランガカー ハム・ソヒ ボカン・マスンヤネ ボクシング マラット・グレゴリアン マーチン・ウェン モン・ボー 三浦彩佳 山北渓人 山本アーセン 平田樹 武尊 秋山成勲 箕輪ひろば 若松佑弥 青木真也

【Special】J-MMA2023─2024、三浦彩佳「国内にはもっと強い女子ファイターがたくさんいますから」

【写真】三浦にここまで言わせる──やはり、凄まじいマッチアップだ(C)SHOJIRO KAMEIKE

2023年が終わり、新たな1年が始まるなかMMAPLANETでは2023年に気になった選手をピックアップ──過ぎ去った1年を振り返り、始まったばかりの1年について話してもらった。
Text by Shojiro Kameike

J-MMA2023-2024、第十三弾は28日のONE日本大会で平田樹戦に臨む三浦彩佳に話を訊いた。昨年4月のモン・ボー戦で2年6カ月振りとなる勝利を挙げた三浦は、その2カ月後にONEアトム級で平田と対戦することに。「山本アーセンの元カノ&今カノ対決」という煽り、ONEストロー級で戦い続けてきた三浦がアトム級で戦う現実——複雑な気持ちを吐露した。それでも三浦は、前を向いて戦う。シャオ・ヂィンナンとの再戦を目指して。

■2023年三浦彩佳戦績

2月25日 ONE FN07
●0-3 ダニエル・ケリー(米国)※サブミッショングラップリング戦

11月3日 ONE FN16
○1R2分09秒 by スカーフホールド・アメリカーナ モン・ボー(中国)


――改めて2023年は、三浦選手にとってどのような1年でしたか。少なくとも2023年より、2024年は良い気持ちで迎えることができたのではないでしょうか。

「う~ん……」

――えっ、意外と暗いトーンですね。

「ギリギリですね。ギリギリ良い気持ちで2024年を迎えられたとは思います。MMAを1試合戦って、勝ててホッとしました」

――平田戦のオファーが届いたのは、モン・ボー戦の直後だったのですか。

「あの時はまだ『話があった』というぐらいで、私としてはシャオ・ヂィンナン戦があると思っていました。シャオ・ヂィンナン戦と平田戦っていうお話があり、正式なオファーは平田戦だったので『何でかなぁ?』と……」

――その部分で複雑な気持ちのまま新年を迎えたのですね。

「そうですね。1月末が試合なので、年末年始も落ち着いて休むことはできませんし」

――三浦選手にとっても予想外すぎたマッチメイクだったのでしょうか。

「一番意外だったのは、アトム級での試合という点です。以前から言っていたとおり、私はストロー級でシャオ・ヂィンナンと再戦するのが目標で。それが平田選手とアトム級で対戦する、というのは……ビックリしました」

――そのオファーを断るという選択肢はなかったのですか。

「……ここで断ると、いつ次の試合があるか分からないので」

――どちらかといえば平田選手との対戦よりも、アトム級でのオファーに対して合点がいかないということですか。

「私はONEストロー級の選手なのに、なぜアトム級のオファーが来るんだろうって……。自分としてはストロー級でもアトム級でも戦えます。ダニエル・ケリー戦は119ポンド契約で、期間もあったので落とすことはできました。それが1月28日にアトム級というのは――」

――前回のインタビューでもONEストロー級が自分に合っていると仰っていました。おかげで調子が出て来た、と。しかしアトム級で平田戦というのは、つまり平田選手を軸に組まれた試合ということです。

「はい。『こう来るんだぁ……』という気持ちはあります。とにかく胃が痛いですね(苦笑)」

――公式トレーラーで、三浦選手は「私がやってきたことはエンタメではない」と発言していました。山本アーセン選手の元カノ&今カノ対決という煽りも含めて、エンタメといいますか……。そこで今の三浦選手の言葉を聞いていると、この試合に対するモチベーションはどこにあるのかと気になります。

「ひとつは、すぐにONEが試合を組んでくれたことは嬉しいです。たとえ前回はモン・ボーありき、今回は平田選手ありき――であったとしても。試合は試合として、私は勝つと信じています。だからまず試合が組まれたことには感謝しています。

それとポジティブに考えるなら、『私はストロー級とアトム級、どちらでも戦えるぞ』とアピールする機会だと思うんですね。減量に関しても、アトム級というお話があった時にトレーナーさんに相談したら『絶対にアトム級の体をつくることができる。安心しろ』と言われて。その言葉を信じて、この試合は『私はいつでも何処でも戦える』とアピールできるチャンスだと考えることができるようになりました」

――ということは平田戦に向けて減量も順調なのですね。

「すごく順調に落とすことができています」

――なるほど。この試合で平田選手に勝利し、ストロー級でもアトム級でも戦えるとアピールした先に何があると思いますか。

「ストロー級でヂィンナンと再戦したいです。でも今は、とにかく与えられたことをやっていこうと考えていますね。それと平田選手は注目度が高いし、私が勝ってちゃんと……」

――ちゃんと?

「いや、ちゃんと――ではないですね。SNSで注目を集めるということが、よく分からないんですよ。TRIBEにはSNSをやっている人が少なくて(笑)」

――アハハハ。

「TRIBEには強いのに認知度が低い選手が、たくさんいると思うんです。だから私が注目度の高い平田選手に勝つことで、もっとTRIBEが認知されて、ONEという大会が日本でも注目されたら――と思っています。

私って、『没頭する力』は人より高いとトレーナーさんにも言ってもらえていて。そういうポジティブな言葉を信じて、今は試合に向けて練習しています」

――ポジティブな気持ちを持っていても、インタビュー映像で泣くのはデフォルトになっているのですか。

「アハハハ! あれって確か、カットと言われたあとに泣いているんですよ。だから『撮っているんかい!』と思って(笑)」

――三浦選手が泣くのを待っていたのかもしれません。

「そうなんでしょうねぇ(笑)」

――試合の話に戻すと……もともと階級も違いましたし、この試合のオファーが来るまで平田選手は視野に入っていなかったのですよね。

「視野には入っていなかったです。正直、平田選手にはファイターというイメージを持っていなくて。ファッションやSNSとか『今時の子』という印象でした。今回、煽り映像のインタビューでも『日本の女子MMAナンバーワンを決める』みたいなことを訊かれたんですよ。私は、全然そんなことは思っていなかったです。国内にはもっと強い女子ファイターがたくさんいますから」

――……。

「だから――何とも言えないところはあります。今回は自分自身への挑戦だと思っていて。かといって相手のことをナメているとか、そういう気持ちは一切ありません。ちゃんと集中して試合に臨む。それは今までの試合と変わらないし、これからもずっと同じです」

――対戦が決まるまで、平田選手の試合は視ていましたか。

「全部ではないけど、視ている試合もあります。でもハム・ソヒ戦は何がしたいのか分からなかったし、他の試合も――与えられている環境はすごく良いし、素質もある選手なのに『アレッ?』という感じで。いつも綺麗に戦おうとしすぎているというか。そこが皆さんも『う~ん……』と思う要因なのかもしれないですけど」

――確かに今は、デビュー当時ほどの爆発力は感じられなくなっています。

「指導者が固まっていなかったという理由もあると思うんですよ。私もいろんなところへ出稽古に行きますけど、最後は長南(亮TRIBE代表)さんが締めてくれるので。周りに厳しく言ってくれる人が多くて、ありがたい環境だなって実感しています」

――体重を落とすことはできたとしても、アトム級でもストロー級と同じ出力で戦えるかどうかという不安はありませんか。

「今もパワーは落ちていなくて、練習で男子選手を極めることがあります。だから、その点で不安はないですね。むしろ今までやってきたこと――体の使い方とか繋がってきたものもあるので。堀江(登志幸)トレーナーが、トレーニングの年間スケジュールを立ててくれているんですよ。ここまでに、これができるようになる。次は……って。階級は別として、そうやって繋がってきたものを次の試合で見せることはできるんじゃないかと思います。反対に『平田選手のほうがアトム級まで落とせるのかな?』って、よく言われますね(苦笑)」

――では対戦相手として、ファイターとしての平田選手の印象を教えてください。

「私よりも柔道の素質はあると思います。でも、どうなんですかねぇ……。勝ちにこだわる執念は、絶対に私のほうが上だと思います。私は勝てれば良い。綺麗に戦おうとは思っていないので。もし1Rでグチャグチャした展開になっても、2Rでスクランブルになったら私のほうが強いんじゃないかと考えていますね。

先ほども言いましたけど、油断はしていません。『もしかしたら、すごい武器を持っているんじゃないか』という最悪のケースまで想定して、一切の油断なく仕上げていますから」

――平田選手にとっては10カ月振りの試合になります。この10カ月の間に新しい武器を身につけている可能性はあります。

「彼女がMMAに対して本気で向き合っていた10カ月間であれば、その可能性はありますよね。本気で向き合っていたとしたら――ですよ。ただ、MMAを知っている方は分かってくれると信じています。とにかく1月の試合が無事に終わってほしい(苦笑)。いろんなことがありすぎるので、私も勝って少しゆっくりしたいです」


■視聴方法(予定)
1月28日(日・日本時間)
午後5時00分~ABEMA格闘チャンネル
午後6時30分~ABEMA PPV

■ONE165対戦カード

<ONEキックボクシング世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
[挑戦者]武尊(日本)

<ONEサブミッショングラップリング世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/12分1R>
[王者]ケイド・ルオトロ(米国)
[挑戦者] トミー・ランガカー(ノルウェー)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
セイジ・ノースカット(米国)

<スペシャルルール187.25ポンド (※84.94キロ)契約/3分3R>
秋山成勲(日本)
ニキー・ホルツケン(オランダ)

<キック156.5ポンド(※70.99キロ)契約/3分3R>
マラット・グレゴリアン(アルメニア)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
マーチン・ウェン(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
三浦彩佳(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
若松佑弥(日本)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラデ・オパシッチ(セルビア)
イラジ・アジズプール(イラン)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
山北渓人(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
グスタボ・バラルト(キューバ)
箕輪ひろば(日本)

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45 AB ABEMA ADCC2022 MMA MMAPLANET o ONE ONE Championship ONE165 RIZIN ウアリ・クルジェフ キック グスタボ・バラルト ケイド・ルオトロ ゲイリー・トノン ダニー・キンガド トミー・ランガカー ボカン・マスンヤネ マイキー・ムスメシ マテウス・ガブリエル マーチン・ウェン 三浦彩佳 山北渓人 岩本健汰 平田樹 武尊 箕輪ひろば 若松佑弥 青木真也

【ONE165】ONE日本大会にグラップリング世界の頂点=ケイド・ルオトロが登場。ランガカーとリマッチ

【写真】ケイドをこの目で見られるだけで、嬉しい限りだ(C)RIZIN FF

4日(金・現地時間)、ONE Championshipが28日(日)に江東区有明の有明アリーナで開催されるONE 165「Rodtang vs Takeru」でONEサブミッショングラップリング世界ライト級選手権試合=王者ケイド・ルオトロ✖挑戦者トミー・ランガカーの一戦を組むことを発表している。
Text by Manabu Takashima

タイトル名にあるようにロッタン・ジットムアンノン✖武尊のキックを筆頭に青木真也✖セージ・ノースカット、ゲイリー・トノン✖マーチン・ウェン、さらに日本大会らしくダニー・キンガド×若松佑弥、ボカン・マスンヤネ×山北渓人、箕輪ひろば×グスタボ・バラルト、平田樹×三浦彩佳が行荒れる同大会で、組み技の世界戦が実現する。


ADCC2022で77キロを制し、ONEではライト級世界王者に君臨するケイドは双子の実兄でウェルター級王者タイ、そしてタフライ級王者マイキー・ムスメシと共に、ステロイドフリーのADCCという頂点を持つグラップリング界にあって、ナチュラル化のために動く──組み技ワールド新世代のリーダーだ。

そんなケイドはADCC世界大会の1カ月後、2022年10月にウアリ・クルジェフをヒールで下し同王座を獲得すると、12月にはマテウス・ガブリエルを相手に初防衛に成功。そして今年の6月に行われた2度目のタイトルディフェンディングマッチでは、ランガカーを判定で下している

一本決着でなかったにせよ、ここでダイレクトリマッチになった理由は何なのか。事実、今大会ではケイドでなく兄のタイがウェルター級世界王座を賭けて戦うという話もあった。一方、ケイドは日本大会が正式発表となる前からONE側では岩本健汰に声を掛けていた模様だ。

ただし岩本はADCC世界大会でのシード権獲得のために中堅に確実に勝つという2024年序盤に向けて明白なプランを持っており、ONEとの契約に縛られるとそのプランを実行できなくなることを危惧し、このオファーを固辞していた。

もちろん岩本✖ケイドは楽しみだが、岩本には全力でADCC世界大会に向かって行って欲しい。またケイドの試合は、対戦相手云々以上にケイドの動きを実際にこの目で見ることが一番の収穫となる。世界の頂点にあるグラップラーの登場は、4年振りのONE日本大会に一際、華を添えることになるだろう。

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MMA MMAPLANET o ONE ONE165 アレックス・シウバ グスタボ・バラート ジャレッド・ブルックス ダニー・キンガド ハム・ソヒ パンクラス ボカン・マスンヤネ 三浦彩佳 山北渓人 平田樹 武尊 海外 箕輪ひろば 若松佑弥

【ONE165】日本人4選手が日本大会出陣=ダニー・キンガド×若松佑弥、ボカン・マスンヤネ×山北渓人、箕輪ひろば×グスタボ・バラート、平田樹×三浦彩佳が決定

18日(月)東京都渋谷区のシャトーアメーバにおいて、2024年1月28日(日)に江東区有明の有明アリーナで開催される「ONE 165: Rodtang vs. Takeru」の追加カード発表記者会見が行われた。

フライ級MMA=ダニー・キンガド×若松佑弥、ストロー級MMA=ボカン・マスンヤネ×山北渓人、ストロー級MMA=箕輪ひろば×グスタボ・バラート、女子アトム級MMA=平田樹×三浦彩佳が決定。ONEで戦う日本人MMAファイター4名のカードが決まった。

日本大会には3年連続出場の若松は、ランキング1位のキンガドとの再戦に挑む。両者は2018年9月に対戦しており、その際はキンガドが判定勝ちを収めており、リベンジをかけた一戦だ。

山北は今年3月のONEデビュー戦で、元王者アレックス・シウバに勝利し、日本大会がONE2戦目となる。対するマスンヤネは現在3連勝中&ランキング4位で、山北にとっては、勝てば一気にジャレッド・ブルックスへの王座挑戦に近づく試合だ。また同じストロー級では4月大会以来の箕輪が参戦。連敗脱出をかけて、五輪レスラーのバラートとの対戦に臨む。

そしてONEが誇る平田×三浦の日本人対決も決まった。これまでストロー級で戦っていた三浦が階級を下げる形で平田と激突。海外で試合経験を積んでいる両者にとっては、久しぶりの日本人対決となる。

会見には日本人4選手とキンガドがリモートで出席。バラートからはビデオメッセージが届いた。下記では各選手のコメント&代表者質問の回答を記したい。(※リモート参加予定だったマスンヤネは急きょ連絡がつかず欠席)

若松佑弥
「まずは日本大会に呼んでいただいて、本当に感謝しています。キンガド選手、リベンジしたかったのでこの機会を与えていただいて、ありがとうございます。試合当日は全力で挑んで、しっかり勝ちたいと思います。(日本大会参戦について)いつも試合は海外なのですが、日本大会には毎回呼んでいただいて、プラス武尊選手も出る大会なので、盛り上がる試合ができたらと思います。ここでしっかり盛り上げて、自分もいるんだぞというのを見せていきたいです。毎回、負けられないのでしっかり今回も全力で挑んで、勝利したいです。(前回のキンガド戦を振り返って)その時はキンガド選手が上だったと認めています。ただし、まだ自分は強くなっているので、そこを楽しみにしていただけたらと思います。(キンガドの印象は)世界のフライ級でトップに入る選手で、僕も好きなので尊敬しています」

ダニー・キンガド
「今この試合に向けて、しっかりとトレーニングを積んでいるところです。若松選手はしっかり勝ちに来たいと思いますけど、もう一度勝ちたいと思います。(若松の『尊敬している』というコメントを聞いて)自分自身も負けないという思いで、全力で行きます。また、黒星を若松選手につける気持ちで行きます。(日本で試合することについて)東京は私にとっても思い入れ深い土地です。日本大会(2019年)でデメトリアス・ジョンソン選手と対戦した思い出もあります。今回は対戦相手(若松)のホームということで、難しい試合にはなると思いますが、日本の観客を盛り上げられる試合をしたいです」

山北渓人
「前回元王者のアレックス・シウバ選手を倒して、次はランキング2位の選手で、これに勝てばタイトルマッチが見えてくるという相手なので、しっかり勝って、タイトルマッチにつながる試合がしたいです。(相手の印象は?)マスンヤネ選手が2019年にパンクラスで試合をした時に凄いのが来たなと思って、その時の僕は1階級上のフライ級で試合をしていましたけど、そこからONEに出て、どこかでやると思っていたし、やりたい選手の1人でした。マスンヤネとなら、面白い試合ができると思います。(マスンヤネは)バネや身体能力が凄くて、日本人にない動きをしてくる選手なので、その選手と自分がやったら、どんな試合になるのか。自分でも楽しみでワクワクします。(日本での試合は)ONEと契約して、ほぼ海外で試合をすることばかりになると思っていましたけど、日本大会が開かれて、注目される大会になると思います。武尊選手目当てで見に来る人もいると思いますが、山北渓人をぜひ覚えて帰ってもらいたいです。(目標は)無敗でONEのチャンピオン、そこしか見えないです。そこだけを目標に頑張っています。しっかり勝って、チャンピオンのジャレットにも勝って、ONEのベルトを巻きたいです」

箕輪ひろば
「率直に日本大会呼んでいただけて、嬉しいです。出場させていただくからには勝って、盛り上げたいと思います。(バラートのコメントを受けて)ONEのストロー級が間違いなく世界最高峰だと思うし、僕も4強と言われていた人間なので、そこは(バラ―トと)一線引かせていただこうかなと。(自身は2連敗中で、相手は連勝中だが)ブルックス選手には負けたなって感じはしますけど、ボカン選手には負けている気はないです。ローブローを3回も蹴られてなければ、もっといい試合ができたと思っています。2連敗であるとかないとかに関わらず、目の前に用意された相手にきちんと勝つことを目標にしています。

(相手はレスリングのキューバ代表だが?)グレコローマンのレスラーですが、テイクダウンにゴリゴリ来ると言うより、テイク(ダウン)されないのをベースに、ブンブン振ってくるタイプなので、ストライキングも上手な選手です。そこは注意しておくべきかなと。(シュミレーションは出来ているか?)12月頭にオファーいただいて、プランニングは何個かできたので、そこを落とし込めたらと思います。(バラートはATT所属のファイターだが)ATTは研究力が強いチームだと思っているのですが、彼は相手によって戦い方が変わらない。強みを伸ばすというのもあると思うけど、実は色んな戦い方ができるのか、するまでもないのか。そこを今回は探ろうと思っています。(理想のフィニッシュは)しっかり打撃を攻略して、僕がテイクダウンして一本取ることを目標にしています。ストライキングなら、ストライキングで問題ないです

グスタボ・バラート
「日本の首都に行くのは夢だったんだ。日本人選手と何人も闘ってきたが、日本は熱狂的な格闘技ファンが大勢いて、凄く楽しみで興奮している。次の相手は強いファイター、ランキング3位だ。エキサイティングな試合になることは間違いない。今度の試合でオレが一番タイトルに近い存在であり、次のチャンピオンにふさわしいことを証明したい。世界最高峰ONEストロー級の王者に俺はなるよ」

平田樹
「日本大会は沢山の人が来てくれるのでいい仕事をしたいと思っています。(いい仕事というのは)女子の試合が組まれたし、日本人対決でもあるし『盛り上げろ』という意志なのかな、と。そういうONEからのオファーだと思っています、しっかり数字も取って、お客さんを集めて、盛り上げられるように頑張ります。(日本人対戦はやりづらい?)そんなことはないですね。試合をやれと言われて、やりますみたいな感じです。(仲間や家族も見に来ると思うが)これまでは海外で、サポーターの方も見に来たいという人も結構いたので、日本で試合が出来て、みんなと一緒に戦えるのは凄く嬉しいです。(日本語の歓声が増えるが)前回の日本大会も凄い嬉しかったので、それが浴びるとなると嬉しいです。

(改めて対戦が決まり)組まれた時はやりますって感じでしたけど、良い試合をしていて、いい仕事が出来たらなと思っています。それが終わって、充実した生活が出来ればと思います。(ハム・ソヒ戦以来の試合となるが)落ち込んだ時もあったし、何も考えない時もあったけど、ここに戻ってくるというのは、それだけ(格闘技が)好きなことだと思っています。1月もハッピーな姿をみんなに見せたいなと思っています。(ファンへメッセージは)久々の日本大会でワクワクしているし、家族もサポーターの皆さんも見に来ると思います。ファンの皆さん含め、早くチケットとPPVを買わないとなくなってしまうと思うので、ぜひ応援宜しくお願いします」

三浦彩佳
「本当にこのカードが組まれるんだなというのが正直な感想ですね。ただ私自身、日本大会に出るのは初めてで、ファンの皆様とか、応援してくださっている方に直接見てもらえるのが凄く久々です。日本で試合を出来ることが嬉しいです。またアトム級に階級を落とすので、これは私の新たな挑戦で、2階級制覇も視野に入れている状態です。可能性を広げるチャンスを与えてくれたONEには感謝しています。(どういう部分で驚いたのか)そもそも平田選手はアトム級なので、私はストロー級でやっていくつもりだったので、このカードが組まれると思っていなかったですし、そういう目線で平田選手を見ていなかったです。1選手として頑張ってほしいなと思って見ていたし、対戦することになって感慨深いというか、今は試合することになったので精いっぱい試合をしたいです。

(日本人対決となるが)日本でも海外の選手ばかり呼んでいただいていたので、久しぶりの日本人対決で。ただ試合をするのはそんなに関係ないかなっていうのはあります。(仲間や家族が見に来ることになるが)たくさんの仲間たちが付いてくれているし、仲間や家族が来てくれると思います。(現在はどのようなどころ強化している?)強化している部分は、ジムの代表の長南(亮)さん、堀江(登志幸)さんと相談しながらやっていますし、コンディションもすごくいいです。日本では52.2kgでやっていて、(今回は)水抜きなしなので、それもいつも以上に細かく相談していて、過去一かなというくらい良くて、心身整っている感じです。(日本で計量の調整が出来るのは楽になるか)あまり関係ないかなというのはありますけど、階級を下げるのでどうなんだろうという話はしています。なんだかんだ、いつも落とせていますし、コンディションも良くて勝てていますので、そこはジムの仲間、代表を信じて突き進むだけです。

(平田はどんなタイプ?)ファイターとしては、凄く魅力的な選手だと思います。平田選手は私にはないカッコよさがあると思いながら、自分を表現するのが上手な選手だと思います。私はいつも泣いちゃうし(笑)。戦うと思っていなかった相手なので、試合の印象は特になかったし、平田選手は素敵な人だとは思います。(ファンへメッセージは)ずっと負けていたけど、久々の日本大会に出ることが決まりました。本前回久々に勝てて、それがまぐれじゃなかったというのを証明したいです。日本大会なので、沢山の人が現地で応援来てくれたら嬉しいです。今はこの試合に集中していますが、私はアトム級でも、ストロー級でもチャンピオンになれると信じて練習しています」

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【ONE FF09】金曜ファイト前。和田竜光がイエローカードについて語る「レフェリーは……」

【写真】トップ戦線と絡むために必勝のルンピニーでの一戦だ(C)MMAPLANET

明日17日(金・現地時間)にタイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Friday Fight09に和田竜光が出場し、アーネスト・モンティーリャと対戦する。

本戦契約の和田が、ONEの要請を受けてルンピニーで戦う。昨年6月のカイラット・アクメトフ戦を落とした和田が、仕切りなおしの一番を前にして──イエローカードの提示が目立ってきた現状に対し、発言。そのMMA哲学が伺える言葉だった。


――まず、昨年6月のカイラット・アクメトフ戦。和田竜光のMMAの妙の部分で勝たないといけない相手に敗れた。押し切れられたという印象が今も残っています。

「そうですね。持っているモノで勝負して勝てるとは思っていたのですが、やっぱり……なかなか強かったですね。もう一つ、実力が足らなかった感じです」

──あのテイクダウン力を見ると、和田選手がストロー級転向を視野に入れていたのが、現実味を帯びてきたかと思っていました。

「う~ん、パワフルさはありましたけど、勝負できないとは全く思わなかったです。テイクダウンはされちゃったんですけど、最初からされると思っていました。ラウンド毎に残り時間が少なくなると、アタックしてくることも分かっていましたし。それが彼のスタイルなので。

分かっていてもトップを取られたのですが、ONEの裁定ってトップを取られたからどうだっていうのはあるじゃないですか?」

──ハイ。

「上からのアタックも別に食らいはしなかった。ただ、スタンドでもう少し僕の方がダメージを与え、こっちにアドバンテージがある展開にしてかったけどできなかった。そこが敗因ですね。

こっちの持っているカード。出し方次第で、もう少し打撃で優位に進めることができたんじゃないかなって、試合を振り返って思うところです。やっている時はいっぱいいっぱいだったんですけどね」

──リース・マクラーレン戦、ダニー・キンガド戦に関して和田選手自身は、負けにカウントしない敗北でした。アクメトフ戦は、どのように捉えていますか。

「ギリ負けた試合ですかね(笑)」

──アハハハ。

「フラットに見てみても、ギリ負けました。ダメージを与えられたわけじゃないけど、削り合ってお互いにしんどかった試合で向うの必死さも、めっちゃ伝わって。特に3R目はこっちがガンガン行かないといけないラウンドなのに、向うの気合のクリンチで手数が出せなかった。

それは自分も削られていたから。そこまでの展開で互いに疲れていて。そういう厳しい試合になることは分かっていたのですが、スタンドで有利に立つという見立てが上手くいかなかったです」

──そういう敗北を経験すると、何か新しいモノを採り入れようという気持ちが芽生えてきたりするものなのでしょうか。

「全くなっていないです(笑)。僕の1週間、今いる環境、練習環境や生活リズム、自分のコンディション面も含めてベストだと思っています。これ以上練習を増やすと、多分体が追いつかない。そのなかで良い練習をしているので、これで上げていく。苦手なこととか一切やっていないです。嫌いなことはやらず、好きなことを伸ばしていく。ここしばらく、ずっとそうやってきました。

階級に関していうと、変えるタイミングもありました。でも、カイラットにやられて悔しいんですよね。やり返したい……カイラットにやり返したいというんじゃなくて、フライ級で通用しなかったから階級を変えるというのが、自分のなかで嫌で」

──う~ん、勝手ながら和田竜光✖ジャレッド・ブルックス──見てみたいですねぇ(笑)。

「特にやりたい選手っていないんですけど、ブルックスはやってみたい選手です。ただ、俺が誰とやりたいとかって言える立場ではないので。提示された選手、全員とやるっていう姿勢ですね。勝って、立場が変わってきたらそういう発言もできると思います。カイラットに負けて、生意気なことは言えないです。

階級を変えるのは、本当に自分の気分で。カイラットに負けて、『俺、フライじゃ無理だ。階級変えよう』と思ったのなら、パッと階級を変えていたと思います。それが、もうひと頑張りで勝てるというのがあると……。通用しないと認めるのは、嫌で。この状況で階級を変えるのは嫌ですね。でも、これで勝ってポーンと階級を変えたいと思うかもしれないです」

──対戦相手のモンティーリャですが、10年前にPXCのフィリピン大会で試合を見たことがあって……当時の印象では一生懸命、粗くてしょうがないMMAをやろうとしているというような感じでした。

「僕もYouTubeに落ちている、きっと3年ぐらい前だろうけど直近と思われる試合のダイジェストを視ました。凄く雑なんですけど、仕掛けたがり屋さんの極めたがり屋さんで。でも、雑過ぎてスクランブルになってしまう。そういう印象です」

──本当に勝って貰わないと困ると言ってしまいますね。あと再浮上を狙うなら、今のONEではフィニッシュが不可欠かと。

「フィニッシュばっかり狙っていないと言いつつ、いつもフィニッシュは狙っています。そんな感じなんですけど、そうですねぇ……難しいですね。これで勝ったからって、本戦で誰かとできるという感じもしないし。ルンピニー大会はムエタイだとタイトル戦とかあって、下部大会とも言い切れない。ここで強い選手と組まれることもあると思っています。

それこそ毎週やっているので、色んなランカークラスも出てくるのかなっていう感じはしています。結果、チャンスが増えそうで良いと僕は捉えています。それには余り知らない選手だとしても。用意してもらった選手に勝っていくしかない。しっかり勝つのが前提です」

──これがMMAだからという妙をイエローカードで排除する傾向もあるかと思います。

「特にルンピニー大会はブレイクも早いし、またちょっと違う印象ですね。MMAのレフェリーは黙って見てろ──とは思うんですけど。ムエタイが好きなお客さんを楽しませる興行にするために、スタンドでやり合わせたいという意図は感じます。

どっちが強いのか見守っていてとは思います。でも、盛り上げる必要があるのがONEの方針で。嫌ならONEから出て行けば良いわけでも。まぁ文句はあるけど、受けいれて戦います(笑)」

──でも、言うこと聞かないよっていう風にも感じます。

「まぁやれること、やりたいことは決まっているんで。促されても、自分の判断で動けないと思ったら動けないし。打ち合えって言われても、打ち合いたくないならやらない。やらないといけない状況だったら、殴り合います。その判断をレフェリーがするな。黙って見ていろとは思うんですけど、そういうところだから」

──守り重視の選手が促されて、行くしかないってくるとチャンスが増える展開もあると思います。

「それはそうですね。流れは、それで変わりますし。イエローはもう出されたらしょうがない。しゃあないです(笑)」

──そのような話をさせておいてなんですが、次の試合で何を見せたいのか。お願いします。

「相手のことはよく分からないですけど、殴って蹴ってコントロールして極めることができれば嬉しいです。でも……MMAなんで、なんか……そうっスね。いつも通りの楽しみ方で見てください。大きくは変わらない。やっつけるだけです」

■放送予定
3月17日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE FF09 MMA対戦カード

<フライ級(※77.1キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
アーネスト・モンティーリャ(フィリピン)

<159ポンド契約/5分3R>
ユン・チャンミン(日本)
キリル・ゴロベッツ(ウクライナ)

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MMA MMAPLANET o ONE エコ・ロニ・サプトラ キック ダニー・キンガド

【ONE FF07】アジアもコレ。目まぐるしいスクランブル戦でダニー・キンガドがエコ・ロニ・サプトラ下す

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
Def.3-0
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)

左サイドキックを見せたキンガドは、サプトラのハイキック後にテイクダウンを狙うが潰される。それでスクランブルからボディロックでテイクダウンを決めたキンガドがバックへ。両足をフックして背中を伸ばす。四の字フックのキンガドが首を狙いつつ殴っていく。腰をずらそうとするサプトラは、胸を合わせて立ち上がる。足を振るってパウンドを落としたサプトラに対し、キンガドはニーシールド。その足にヒールを狙ったサプトラが、立ち上がって豪快に殴っていく。スクランブルで上を取ったキンガドが、サイドで抑えてサプトラのブリッジを潰すとマウントを奪取する。

反転して、スクランブルに持ち込んだサプトラが足を取り、キンガドの体がローブから外に出てブレイクが掛かる。左ボディフックを入れたキンガドは、アイポークがあったとアピールする間に、サプトラが殴りかかる。組みからボディロックテイクダウン狙いのキンガドに対し、サプトラが強烈なウィザーで耐えたところで時間となった。

2R、左を振ってダブルレッグを決めたサプトラ。背中を譲ったキンガドがキムラを仕掛ける。腹ばいにさせ、サイドバックのサプトラはシングルレッグに切り替えたキンガドの試みを遮断する。右腕を差してボディロックテイクダウン、ほとんどスラムでサプトラを叩きつけたキンガドだが、ブリッジでリバーサルを許す。

足首を取られながら立ち上がったキンガドが、左ボディフックから右カーフを入れる。さらに跳びヒザで距離を詰めて左フックのキンガドは、クリンチにもヒザを突き刺す。腹を効かされたサプトラは、さらにボディからミドルと攻められる。キンガドは圧を高め、右ミドルを蹴り、フックを打ち込む。と、スピニングバックエルボーを決めたキンガドは、腰が落ちて離れたサプトラにワンツーを決め、ボディからフックに続ける。

サプトラは懸命に耐える時間帯で左右のフックで前に出ると、ボディロックにとってコーナーに押し込む。サプトラのヒザが急所に入り、試合は中断。サプトラは左目の不調を訴える。再開後、キンガドが右ミドルを蹴り込みラウンド終了を迎えた。

最終回、キンガドが右カーフ、サプトラが右フックから組みつく。左腕を差したキンガドだが、シングルでテイクダウンされバックを譲る。シングルレッグでレッスルアップのキンガドを投げたサプトラが、続くシングルにがぶりからギロチンへ。これは極め切れず、テイクダウンを許したサプトラはハーフで抑えられる。

Zハーフを潰され、潜りも防がれたサプトラのスクランブルでキンガドはバックに回る。前方に落とされそうになり腕十字も足を抜かれたキンガドが、逆にZハーフを強いられる。下の右足を殺せないサプトラは案の定シングル&レッスルアップを許し、バックを取られてしまう。両足をフックしたキンガドは背中を伸ばしつつRNCへ。耐えるサプトラは、胸を合わせて上を取ると、前転するようにジャンプ──着地と同時に足関節狙いも、キンガドが許さず上から殴って試合を終えた。

結果は3-0でキンガド。フィリピンとインドネシアの選手が、このスクランブル戦。いよいよアジアも脅威でしかなくなってきた。


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【ONE FN07】王座返り咲きを狙うジョン・リネケル。「計量失敗? もう終わったことだ」

【写真】マネージャーのアレックス・デイヴィスと。計量2日前、相当にしぼれていたリネケルだった (C)MMAPLANET

明日25日(土)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Fight Night07で、ジョン・リネケルが世界バンタム級王座決定戦でファブリシオ・アンドラジと戦う。

昨年10月に体重オーバーでタイトルを返上、アンドラジが勝った場合のみ新王者が誕生するという変則世界戦に臨んだリネケルだったが、ヒザを急所に受け試合はノーコンテストになった。

あらから4カ月、リネケルは絶対の自信を持ってアンドラジとルンピニーのリングで対峙する。前世界王者に計量失敗と、今回のタイトル戦に向けて自信のほどを尋ねた。


――アンドラジとの世界戦が控えていますが、前回はマレーシア、今回はタイのバンコクでの試合になります。コロナの間はシンガポールでしか戦えなかったのですが、ONEがアジアサーキットを再開したことをどのように思っていますか。

「またアジアの国々を訪れることができるようになって、とても嬉しい。違った国で、違った人々とまた会えるようになったことが何より嬉しいことだ」

──ところでONE世界バンタム級王座を奪取した時などインタビューができなかったのですが、改めてビビアーノ・フェルナンデスという同朋のレジェンドに勝利してベルトを巻いた時はどのような気持ちだったか教えていただけますか。

「偉大なビビアーノを倒したことで、多くの自信を得ることができた。そして、より注目が集まるようになったよ」

──前回のマレーシアでの試合ですが、計量に失敗してベルトを返上しないといけなくなりました。

「僕が事前に使っていた体重計の数値が、少しおかしかったんだと思う。でも、もう済んだことだ。こうやって、世界戦を戦う場所に戻ってきたんだから」

──1日だけの計量は、難しいと感じますか。

「そうだね、少し混乱していたのは確かだ。1回だけ、夜になると時間切れというのももう分かった。今回は問題ないよ(※体重124ポンド、ハイドレーションは1.0176でパス)」

──世界戦前にタイトルを返上して試合に出る。どのような気持ちで戦うことになるのでしょうか。

「勝ってもチャンピオンに戻れないのに戦うのは、ストレスだった。それも終わったこと。タイトルを取り戻すために、今ここにいる。今は試合が待てない。前回の試合が終わってから、早くファブリシオを戦いたかった。そして皆に自分の力を見せて、タイトルを取り戻す。

前の試合を見て、人々はファブリシオが強いと思ったようだけど、僕はあの戦いのなかでも彼の穴を見つけている。そこをついて、ガムバック勝利を挙げる」

──では、どのような試合を見せたいと思っていますか。今後のキャリアを考えても、非常に大切な試合になるはずです。

「自分がどれだけ優れたファイターが証明したい。ONEで歴史を創る。そして、皆に喜んでもらう試合をする」

■放送予定
2月25日(土・日本時間)
午前9時00分~ONE Championship YouTube channel
午前10時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN07対戦カード

<ONE世界バンタム級(※65.8キロ)王座決定戦/5分5R>
ジョン・リネケル(ブラジル)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

<ONEムエタイ世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者] タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)
[挑戦者] ジャマル・ユスポフ(ロシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
マーチン・ウェン(豪州)
レオナネルド・カソッティ(ブラジル)

<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
セーマーペッチ・フェアテックス(タイ)
ジャン・チェンロン(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)

<サブミッショングラップリング120ポンド契約/10分1R>
ダニエル・ケリー(米国)
三浦彩佳(日本)

<キックボクシング・ライトヘビー級/3分3R>
アンドレイ・ストイカ(ルーマニア)
フランシェスコ・エクシャジャ(アルバニア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リンダ・ダロー(インドネシア)
ヴィクトリア・ソウザ(ブラジル)

<サブミッショングラップリング・ライト級(※77.1キロ)/10分1R>
ウアリ・クルジェフ(ロシア)
トミー・ランガカー(ノルウェー)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
アドリアン・マテイス(インドネシア)
ツオロンチャアシー(中国)

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