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【ONE FN26】25カ月振りの実戦。クリスチャン・リー「ラスロフは限定されたエリアで最大の力を発揮する」

【写真】ようやくクリスチャンのMMAが見られる。この間、立ち技やグラップリングの出場もなかったのがクリスチャンらしい(C)ONE

本日7日(土)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Fight Night26「Lee vs Rasulov」。同大会のメインでクリスチャン・リーが、ONE世界ライト級王座を賭けてアリベク・ラスロフ相と戦う。
Text by Manabu Takashima

2022年11月以来、2年1カ月振りのファイト。この間、妹ヴィクトリアを失くし、姉アンジェラは引退。そして弟エイドリアンがプロデビューを果たした。

17歳でプロデビュー以来、常にフィニッシュを目指すスタイルで、これまでに挙げた17勝のうちフィニッシュ勝利は実に16を数える。削り合いも、打ち合いでも冷静さを維持する若きベテランに、試合前の心境とこの2年間を尋ねた。


──2年1カ月振りにバトルフィールドに戻ってきたクリスチャンです。この2年色々なことがありました。そして、この場に戻ってきた。今の気持ちを聞かせてください。

「ファイトに戻ることに、とてもエキサイティングしているよ。この2年間、ハードトレーニングを欠かすことはなかった。そして、ずっと心待ちにしていた瞬間だから心に期するモノがある」

──トレーニングと練習は違うかと思いますが、試合勘などに不安はないですか。

「練習と試合は、それほど違うという感覚はない。オク・レユンと再戦する時も、彼の負傷が完治するのに11カ月も待つ必要があった。今回は2年間試合がなかったわけだけど、個人的には正しいタイミングで試合ができないなら、タイムオフがあるのは悪い事じゃないと思っている。

ただ、こんなに長く試合をしないでいようという気はなかった。今年の3月には戦いたいと思っていた。以来、ずっと試合の準備をしてきたんだ。今回の試合も、もともとはもっと早くに組まれることになっていたわけだし」

──ハイ。11月にアトランタで行われる予定だったのが、タイに開催場所が変わりました。ばかりかクリスチャンの試合は、今大会まで延期された。米国でのショーがなくなったことは、残念だったのではないですか。

「米国で戦いたかったね。でも、タイに場所が変わっても僕のやるべきことに大きな違いはない。だいたい開催地がアトランタからタイに変わったことに関して、僕は何もできないわけだし。そしてタイトル戦が11月から12月になったのも、色々な状況が積み重なっていてのこと。特にビザの取得に関しては、僕の力では何もできないしね。

とにかく新たに決まった日程に合わせて、練習をするだけだった。1カ月ズレたことで、その分だけ練習ができるという面もあるしね」

──この間、アンジェラは引退を選択しました。その決断に何か影響を受けることはなかったですか。

「それはなかったよ。僕のキャリアと姉の引退は関係ない。何より、もう戦いたいという気持ちがなくなったアンジェラが、自分の考えで引退を選んだことは良かったと思っている。もう戦いたくないのに、キャリアを続ける必要はないからね」

──では今回、挑戦を受けるアリベク・ラスロフの印象を教えてください。

「スタンドでラッシュを掛ける良いファイターだよ。どの局面でも戦えるけど、僕にとっては対戦相手の1人でしかない。しっかりと準備もしてきたし、彼より良い戦いができるはずだ」

──ラスロフとオク・レユンの試合は、ラスロフが従来持つフリースタイルレスリングのテイクダウンや蹴り技を使うことがなかったです。ボクシングよりも近い距離、いうとダーティーボクシングが非常に多い。タフですが、単調な試合でもありました。

「それはオク・レユンのスタイルも関係していたんじゃないかな。彼は前に前に、と出てくるボクシング・ファイターだから。加えてラスロフのテイクダウンを切ることができる。ラスロフもテイクダウンを狙っていたから、クリンチが多くなった。何より5Rを戦い抜いて、判定勝ちをしようという戦い方だった。試合で勝つことに徹し抜いた戦い。彼が勝つには、あの攻撃が一番効果的だったんだろう。そういう意味ではスマートな選択だよ。

ただし、僕はオク・レユンじゃない。だから、ラスロフはもっとフリースタイルレスリングの技を使ってくると思う。それが通じないと分かると、オク・レユン戦と同じ戦い方をしてくるだろう」

──対して、クリスチャンがあの戦い方をさせるようなことはあるのでしょうか。

「その点でいえば僕のレンジ・コントロールは彼より、ずっと優れている。それに手持ちの技の数が違うし、経験も違う。ラスロフはグッドファイターだけど、MMAとしては限定されたエリアで最大の力を発揮するタイプだ。トレーニングも、そのエリアのなかで強くなることに集中しているに違いない」

──だからこそクリスチャンの引き出しの多さが、試合を動かすのではないかと予測しています。

「そうだね。より素早く、仕掛けの多い試合をファンに見せたい。初回から動いて、フィニッシュを狙う。それもファンが望んでいる結末だし。少しでも早くテイクダウンを奪って、フィニッシュしようと思っている」

──クリスチャンは動きの多い、アクションの多い試合をエキサイトすることなく冷静に戦う印象があります。

「プロで戦い始めたのは17歳の時だよ。多くの試合をこなして、それだけ経験も積んできた。ファイト以外でも自分のマーシャルアーツジムも開いたし、子供も生まれた。全てのことが、僕を人として成長させてくれた。ファイターだけでなく、人として成熟できたと思っている」

──熱くなってしまうことはないですか。時には我を忘れて戦うようなこともあると思うのですが。

「ノー。我を忘れて、アグレッシブになり過ぎるのはレベルの低いファイター……アマチュアだ。落ち着いて戦えた方が、ずっと良いに決まっているからね」

──ではライト級とウェルター級の二冠。今回の防衛戦をクリアした先に、何を見ていますか。

「どちらもベルトも守り抜くこと。可能な限り、ね」

──クリスチャンの復活ともに、MMAライト級及びウェルター級が活性化することを期待しています。

「そうだね。もっとONEのMMAは、盛り上がって行くはずだ。弟のエイドリアンもデビューしたし、ファンも来年はもっと多くのMMAファイトを目にすることができるだろう。そう期待しているよ」

■ONE FN26 視聴方法(予定)
12月7日(土・日本時間)
午前9時45分~U-NEXT


■ONE FN26 対戦カード

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] アリベク・ラスロフ(トルコ)

<キック・バンタム級/3分3R>
ペッタノン・ペットファーガス(タイ)
ナビル・アナン(アルジェリア)

<ONEサブミッショングラップリング世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/10分1R>
[王者] マイッサ・バストス(ブラジル)
[挑戦者]ダニエル・ケリー(米国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
リース・マクラーレン(豪州)
ジャレッド・ブルックス(米国)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
デニス・ピューリック(ボスニアヘルツェゴビナ)
エリアス・マムーディ(アルジェリア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
若松佑弥(日本)
ギルバート・ナカタニ(米国)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ナックロック・フェアテックス(タイ)
ゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シャミル・ガフロフ(ロシア)
ハリル・アミール(トルコ)

<サブミッショングラップリング・ライト級(※77.1キロ)/10分1R>
青木真也(日本)
コール・アバテ(米国)

<キック・ストロー級/3分3R>
ジョン・ディベラ(カナダ)
ルイ・ボテーリョ(ポルトガル)

<サブミッショングラップリング・ライト級(※77.1キロ)/10分1R>
ダンテ・リオン(カナダ)
ブルーノ・プッチ(ブラジル)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
トンプーン・PK・センチャイ(タイ)
ダニエル・ウィリアムス(豪州)

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【ONE FN26】ナカタニ戦へ。若松佑弥─02─「LFAとかUFCとか、自分は何とも思っていない」

【写真】決戦前夜、今もまだ研ぎ澄ませ続けているのだろうか(C)ONE

7日(土)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Fight Night26「Lee vs Rasulov」でギルバート・ナカタニと対戦する若松佑弥インタビュー後編。
Text by Manabu Takashima

強くなるために、家族と離れて練習の日々を送る若松。煩悩を捨て去り、さながら修行僧のような精神状態で自らを見つめる。ストイックな日々を経て目指すのは、これまで以上の自分になることだ。

<若松佑弥インタビューPart.01はコチラから>


──LFAで勝っている人間と若松選手との対戦。UFCへの登竜門で2勝0敗の選手との試合は、北米基準のMMAとのスケールになるという意味でも非常に楽しみです。

「正直、強さなんて誰がどこで戦って、勝つか負けるかの世界なんで。相手が誰だろうが、自分自身をさらに越えられるかという戦いで。どうでも良いというわけじゃないですけど、タイトルマッチでなくても相手がDJだと思って自分は創っているので。LFAとかUFCとか、自分は何とも思っていない。自分を越えられるのかだけに集中しています」

──その姿勢を持ち続ける選手はなかなかいないと思いますが、本当にそういう人格形成が成されてきた。言葉が内面と結びついているように感じます。普段から、本当に修行僧のような人間性になっているのですか。

「それは試合前の8週間だからこそ、研ぎ澄ますことができるわけで。そうでないと、メチャクチャ煩悩が出てきます(笑)。それぐらい弱いですし、人間、人って弱いと思うのでどれだけ自分と見つめ合い、律し、鼓舞できるのか。本当に自分との戦いで……。

キンガド戦もそうなのですが、相手なんかいない。自分がどう向き合えているのか。そこが果し合いの最後の粘りに通じている。情報社会でムカつくこともいっぱいあるけど、そこも関係ない。今が大事、今を生きていけていると思います」

──LFAもUFCも関係ないというなかで、ギルバート・ナカタニのことはどのような印象を持っていますか。

「本当に気が強い選手ですね。タフで、オールラウンダー。なんでもできてキックボクシング、あとレスリングですね。スタミナはないけど、それでも前に出てくる素晴らしい選手です」

──そういう相手に自己証明となる戦いとはどういうモノになりますか。

「めちゃくちゃ色々なパターンがあるなかで、魂と魂がぶつかり合う戦い。そのなかでテクニックが混ざっている。いつでもフィニッシュできるし、一瞬の隙があれば殺すことができる。そいう殺気で削る。それでも相手も頑張って来ると思うので、それを上回るモノを……これまで磨いてきた技術が生きてくる戦いにしたいです」

──では5万ドルのボーナスも、煩悩だから必要ないですか(笑)。

「それは獲りに行きます(笑)。盛り上げるために1秒でも早く倒そうと思っているので。キンガド戦もそのつもりでも、倒せなかっただけで。試合はどうなるか分からないけど、色々なイメージはできています。KOで勝つにしても、判定で勝つにしても。でもボーナスは欲しいですね。そこは天運に任せます(笑)」

──天運ですか……。

「上杉謙信の言葉で、バガボンドにも出てくるのですが『生きようとして上がれば必ず敗北。死ぬと思っていけば勝利がほほ笑む(「死なむと戦へば生き、生きむと戦へば必ず死するものなり」)』みたいな。試合の当日までやることをやって、あとはどうなって良いと思って上がりたい。ギリギリまで研ぎ澄ませていこうと思います」

──そんななか後藤丈治選手から若松選手が「鼻毛を抜かない」という話が聞かれました。

「アハハハハ。もう髪とかヒゲとかもボサボサで、別に合コンとかもいかないし、意味がないことって思ったんですけど……。やっぱりメディアとか出るので、そこはちゃんとしないといけないと。でも、どうでも良いというか……チーム・ラカイのヤツらも鼻毛がメッチャ出ているんで(笑)。逆にそれすらも恰好良いと思われる漢になりたくて、ちょっとやってみたのですが断念しました(笑)」

──アハハハハハ。石井逸人選手は「刺しに来た蚊を逃がしてやるほど殺生を好まない。でも、自分たちのことはボコボコにする」と。

「いやぁ(笑)。悪気はなくて、やってやろうと気はない。でも、そこで僕が気を遣ってしまって甘くなると……。TRIBE TOKYOっていうのは長南さんを見ても分かるように、殺気がヤバいジムです。それもない、ただ遊んでいるようなジムには絶対にしたくないので。笑顔なんて見せてんじゃないよっていうジムにしていきたいです」

──蚊も逃がしてやるというのは?

「それは僕らの命なんて、そこら辺で死んでいる蟻と変わらないもんだし。血を吸われたぐらいで、蚊を殺すことはない。それは本当に皆が、殺せっていうけど……。まぁ可哀そうだなって。ただ、それだけなんです(苦笑)」

■ONE FN26 視聴方法(予定)
12月7日(土・日本時間)
午前9時45分~U-NEXT

■ONE FN26 対戦カード

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] アリベク・ラスロフ(トルコ)

<キック・バンタム級/3分3R>
ペッタノン・ペットファーガス(タイ)
ナビル・アナン(アルジェリア)

<ONEサブミッショングラップリング世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/10分1R>
[王者] マイッサ・バストス(ブラジル)
[挑戦者]ダニエル・ケリー(米国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
リース・マクラーレン(豪州)
ジャレッド・ブルックス(米国)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
デニス・ピューリック(ボスニアヘルツェゴビナ)
エリアス・マムーディ(アルジェリア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
若松佑弥(日本)
ギルバート・ナカタニ(米国)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ナックロック・フェアテックス(タイ)
ゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シャミル・ガフロフ(ロシア)
ハリル・アミール(トルコ)

<サブミッショングラップリング・ライト級(※77.1キロ)/10分1R>
青木真也(日本)
コール・アバテ(米国)

<キック・ストロー級/3分3R>
ジョン・ディベラ(カナダ)
ルイ・ボテーリョ(ポルトガル)

<サブミッショングラップリング・ライト級(※77.1キロ)/10分1R>
ダンテ・リオン(カナダ)
ブルーノ・プッチ(ブラジル)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
トンプーン・PK・センチャイ(タイ)
ダニエル・ウィリアムス(豪州)

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45 AB MMA MMAPLANET o ONE ONE FN26 ONE169 RIZIN YouTube   アドリアーノ・モライシュ エリアス・マムーディ キック ギルバート・ナカタニ クリスチャン・リー コール・アバテ ゴントーラニー・ソー・ソンマイ ジャレッド・ブルックス ジョシュア・パシオ ジョン・ディベラ ダニエル・ウィリアムス ダニエル・ケリー ダニー・キンガド デニス・ピューリック ハリル・アミール マイッサ・バストス マンスール・マラチェフ リース・マクラーレン ルンピニー 若松佑弥 青木真也 食事

【ONE FN26】フライ級初戦、ジャレッド・ブルックス「サイズじゃない。戦いはハートの大きさで決まる」

【写真】ONEのMMAを盛り上げる役者が、フライ級転向を果たす(C)MMAPLANET

明日7日(土)に、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Fight Night26「Lee vs Rasulov」。同大会にONE世界暫定ストロー級王者ジャレッド・ブルックスが、リース・マクラーレンとフライ級で戦う。
Text by Manabu Takashima

ストロー級で圧倒的な強さを見せ、以前からフライ級と二冠を狙うと明言していたブルックスがついに135ポンドで戦う。ここ2年、立ち技やグラップリングの裏で停滞していたONEのMMAをタイトルマッチだけでなく、その一つ一つの戦いで活性化させるだけの力と、存在感を持つブルックス。

ここで勝利を収め、タイトルショットの機会を伺う彼の視線の先には日本で若松佑弥と戦う2025年の光景が目に浮かんでいるようだった。


125ポンドだろうが、135ポンドだろうが最高のコンディションでファイトに挑める

──ジャレッド、ONEフライ級初戦が週末に控えています。今の気持ちを教えてもらえますか(※取材は4日に行われた)。

「最高だよ。自信もある。ここまで、なかなか試合機会に恵まれなかったけど、これからはどんどん試合ができるポジションに立つことができた。来年はもっともっと戦うことができるだろう。フライ級で戦ううえでリース・マクラーレンは、この1試合で僕をタイトルコンテンダーに引き上げてくれる恰好の相手だよ。これからONEのフライ級を最高に盛り上げるよ」

──ストロー級暫定王座を取ったタイミングでフライ級への転向を果たしたのは? 統一戦は待てなかったということですか。

「いやストロー級でマンスール・マラチェフと戦う話があったんだけど、やつがケガをしているということで流れた。3カ月も前のオファーだから、僕は治るだろうと踏んでいたんだけどね。ストロー級で相手がいないなら、フライ級でも戦える。同時に2階級でやっていけるからね。で、今回はフライ級で戦うことにしたんだ」

──フライ級で戦うことは以前から公言していましたが、その際には常にDJと戦いたいという希望を口にしていました。

「そう、そうなんだよ。でもDJのようなレジェンドが、自身の考えで引退を決めたのは素晴らしいことだよ。もともとDJは、僕がMMAを始めるきっかけになった1人だ。そうだね……僕はDJにチャレンジを表明した。その2日後にリタイアを彼は決めた。それはそれで、最高だよ(笑)。まぁ、心の底ではDJがカムバックし、僕と戦ってくれればという気持ちはある。それでも、今は彼の引退におめでとうという言葉を送るだけだよ」

──ONEのフライ級は水抜き無しの135ポンド、ジャレッドは減量の必要があるのでしょうか。

「125ポンドでも減量の必要なんてなかった。ファイトウィークになると123ポンドには落ちていたから。毎日、しっかりと食事をとってもそれぐらいだ。今回、フライ級で戦うことでプロテインやクレアチンをたくさん摂取してきた。それでも、今の体重は133ポンドか132ポンドだ。減量の必要がないことが、僕の強味になっている。125ポンドだろうが、135ポンドだろうが最高のコンディションでファイトに挑める。サイズじゃない。フライ級は技術面、精神面とともに最高の状態で戦う姿を見てもらえる最高の階級だよ」

──とはいえ、ストロー級と比較すると対戦相手は大きくなります。

「いいかい? 俺たちは体のサイズで戦うじゃない。ハートの大きさで戦うんだ。リース・マクラーレンを恐れることは一切ない。それが全てだよ。僕らがリングで向かい合い、試合が進むにつれてどっちのエネルギーゲージが減って行くのか、楽しみに眺めていてほしい。僕のハート、エナジーはずっと最高潮だから。戦いはハートの大きさで決まって来る。それを土曜日にしっかりと証明してみせる」

──とはいえマクラーレンはフライ級で最高のグラップラーです。彼のスキルをどのように評価していますか。

「素晴らしい実力者だよ。グラップリング面において。でも、少し遅い。それに他の皆と同じように、僕の体力を軽視してくるにちがいない。『こんな小さなヤツは、問題ない』ってね。僕がトップを取ったり、バックに回った時にヤツは200ポンドの相手に捕獲されたように感じるだろう。その力があるから、僕は戦うことができているんだ」

ユーヤ・ワカマツと日本で試合を組んでくれ

──この試合でタイトルコンテンダーの地位を獲得するという発言がありましたが、せっかくジャレッドがフライ級にやってきたのであれば若松祐弥選手やダニー・キンガドというトッププロスペクトとの対戦も見てみたいものです。

「僕とユーヤの試合は、きっと最高のファイトになるだろう。ユーヤはしっかりと、どの局面でも戦えるようになった。あの打撃力があれば、最高のグラップリングは必要ない。本当にあのパンチ力は警戒が必要だ。それでもテイクダウンをして、極めることができると思っている。

ダニーも素晴らしいウェルラウンダーだ。ユーヤと比較すると、下の動きで少し上回っている。それでもユーヤと同じだ。僕は彼をサブミットできる。そうだね、僕が彼らとの試合を拒否ることは一切ない。ただし、今、僕の目の前にいるのはリースだ。そのリースを倒すと、どう考えてもアドリアーノ・モライシュという名前が浮上するはず。

アドリアーノと戦う前にストロー級王座を統一し、フライ級のベルトを巻く。ジョシュア・パシオとは、いつでも戦う。蹴散らす機会を待っているだけだよ(笑)」

──明らかにグラップリング戦を前にした時より、モチベーションの高さが感じられますね。

「そりゃあ、そうだよ。グラップリングマッチは楽しむもの。ファイトは、恐怖を伴っている。グラップリングとは違い、相手を殺すためにリングに上がるんだ。僕がフライ級で戦うことで、ONEのフライ級をもっと活性化させたい。ストロー級でも決して大きな方じゃない。いえばフライ級で戦うことは、2階級上の相手と戦う様なものだ。そしてまずはリース・マクラーレンを倒す。そのことで世界中が、僕を中心としたフライ級を気に掛けるようになるに違いない」

──凄く楽しみです。我々MMAファンにとっては、どれだけ素晴らしいムエタイ、キック、グラップリングがあっても、やはりMMAがしっかりと回って行くところが見たかったので。

「同じ想いだよ。だからこそ、フライ級で僕がやるべきことも分かっている。マッチメイカーにはもう、伝えてあるよ。アドリアーノ・モライシュ、あるいはユーヤ・ワカマツと日本で試合を組んでくれってね。僕らが戦うことで、日本のファンはRIZINのように盛り上がってくれるはずだからね。

どこで戦おうが僕が日本を愛する気持ち、日本のファンへの感謝の気持ちは忘れようがない。12月7日、リース・マクラーレンをぶっ飛ばす。そして、2025年は必ず日本で戦う」

■ONE FN26 視聴方法(予定)
12月7日(土・日本時間)
午前9時45分~U-NEXT

■ONE169 対戦カード

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] アリベク・ラスロフ(トルコ)

<キック・バンタム級/3分3R>
ペッタノン・ペットファーガス(タイ)
ナビル・アナン(アルジェリア)

<ONEサブミッショングラップリング世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/10分1R>
[王者] マイッサ・バストス(ブラジル)
[挑戦者]ダニエル・ケリー(米国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
リース・マクラーレン(豪州)
ジャレッド・ブルックス(米国)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
デニス・ピューリック(ボスニアヘルツェゴビナ)
エリアス・マムーディ(アルジェリア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
若松佑弥(日本)
ギルバート・ナカタニ(米国)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ナックロック・フェアテックス(タイ)
ゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シャミル・ガフロフ(ロシア)
ハリル・アミール(トルコ)

<サブミッショングラップリング世界ライト級(※77.1キロ)/10分1R>
青木真也(日本)
コール・アバテ(米国)

<キック・ストロー級/3分3R>
ジョン・ディベラ(カナダ)
ルイ・ボテーリョ(ポルトガル)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
トンプーン・PK・センチャイ(タイ)
ダニエル・ウィリアムス(豪州)

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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE FN25 キック ダニエル・ウィリアムス バンマードォーチー

【ONE FN25】ウィリアムスがスイッチを駆使して蹴りを当て続け、バンマードォーチーに判定勝利

【写真】ムエタイとMMAの二刀流=ウィリアムスがMMAで強さを見せた(C)ONE

<136.25ポンド契約/5分3R>
ダニエル・ウィリアムス(豪州)
Def.3-0
バンマードォーチー(中国)

共にサウスポーに構える両者。ウィリアムスが左ローを蹴っていく。バンマードォーチーはスピニングバックキックを返す。ウィリアムスがジャブをボディに振ると、バンマードォーチーは左ストレートを狙う。ウィリアムスはサウスポーを続け、左の蹴りとテイクダウンのフェイントを見せる。バンマードォーチーはパンチのプレッシャーをかけ、ウィリアムスがローを蹴るとパンチで前進。左ストレートから右フックとパンチをまとめる。

ウィリアムスもバンマードォーチーの蹴りに右ストレートを合わせ、バンマードォーチーが尻餅をつくがすぐに立ち上がる。すぐにバンマードォーチーは左で前に出て、ウィリアムスの左に合わせて組みつく。ここはウィリアムスもコーナーに体を預けてテイクダウンを許さない。

お互いにストレートを打ち合い、ウィリアムスはオーソドックスに構えて右ストレートを顔とボディに打ち分け、バンマードォーチーはそこに右フックを返す。終了間際、ウィリアムスが右ボディストレート、続く右ストレートでバンマードォーチーの腰が落ちる。すぐに立ち上がったバンマードォーチーは左ストレートから組み付いた。

2R、互いにローを蹴り合う。ウィリアムスが右ストレートを打つと、バンマードォーチーはサイドキックを見せて組み付こうとする。ウィリアムスが右ミドルを蹴って前進。バンマードォーチーのテイクダウンを切ると、バンマードォーチーは自らグラウンドに寝て引き込もうとするが、ウィリアムスは付き合わない。

ウィリアムスは右ミドルと右ストレート、バンマードォーチーも右フックと左ミドルを返すが動きが鈍い。ウィリアムスはサウスポーに構え、バンマードォーチーが左ストレートを打つと、ウィリアムスはそれを外して左ストレートから右フック、オーソドックスに戻して右ストレート、さらに右ミドルまでつなげる。

バンマードォーチーもローをすくってテイクダウンするが、ウィリアムスは背中を見せて立ち上がって正対する。距離を取るとローを蹴って前に出るウィリアムス。バンマードォーチーが右ストレートを狙い、テイクダウンしたところでラウンド終了となった。

3R、じりじりと前に出るウィリアムス。サウスポーにスイッチして左ローを蹴り、オーソドックスに戻してプレッシャーをかける。バンマードォーチーも左ミドルとインロー、右のサイドキック、そこから左ストレートにつなげる。ウィリアムスは右ミドルと右インロー、バンマードォーチーも左ミドルを蹴る。

距離が詰まるとウィリアムスが右ボディから左フック、バンマードォーチーは左ローをキャッチして左ストレートを伸ばす。ミドルの蹴り合いから、バンマードォーチーは右ミドルをキャッチしてテイクダウンを狙う。ウィリアムスも背中を見せつつ、完全に寝かされずにスタンドをキープする。続くシングルレッグを切ると、ウィリアムスは一気に打撃で前に出る。

バンマードォーチーもウィリアムスの右アッパーに合わせて組み付くが、ウィリアムスはそれをディフェンスしながらパンチを落とす。再びテイクダウンを仕掛けるバンマードォーチーだったが、ウィリアムスは倒れない。最後はウィリアムスががぶってヒザ蹴りを入れたところで試合終了となった。ウィリアムスがスイッチを駆使して蹴りを当て、バンマードォーチーに判定勝利した。


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【ONE FN25】ハイドレーションをパスするために、体重超過のバンマードォーチーが話していたこと

【写真】その端麗な容姿を褒められると、照れたようにお礼の言葉を発する。実はシャイかもしれないバンマードォーチーだった(C)ONE

5 日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE Fight Night25。三浦彩佳の対戦相手のジヒン・ラズワンがハイドレーションがパスできず試合が中止になり、ムエタイでも同様に1試合がキャンセルに。他にもハイドレーションをパスすると体重がリミットまで落ちない選手が2名出るなど、ONE計量=ハイドレーションの効果が薄まる中で、その数値で是非を決めるシステムにほころびが感じられつつある。
Text by Manabu Takashima

そのハイドレーションをパスするために、体重オーバーとなった1人がダニエル・ウィリアムスと対戦するバンマードォーチーだ。中国のイケメンファイターは、実に15カ月振りの実戦となる。驚いたことにロングレイオフには、映画出演が関係しているというバンマードォーチーに話を訊いた。


――バンマー、今週末にダニエル・ウィリアムスと対戦します(※取材は2日に行われた)。ところで去年の7月にヴァウテル・ゴンサウベスに勝利して以来、15カ月振りの試合となります。これだけの間、試合をしなかったのは何か理由があったのでしょうか。

「ONEからは一度オファーがあったけど、体重が落とせないから断ったんだ。今年に入ってからは、しっかりと練習はしたけど……ちょっとしたことがって試合からは遠ざかってしまっていた」

──ちょっとしたの詳細を尋ねることは控えますが、体重が落ちないから試合を断ったというのはショートノーティスでのオファーだったのですか。

「そうだね、カタール大会の3週間前だった。ちょうど映画の撮影が終わったばかりで、あの期間で体重の調整は難しかった」

──映画に出ていたのですか!!

「そうなんだ、中国で最初のボクシング世界王者になった人物を題材とした映画に出演していたんだよ」

──バンマーはどのような役を演じていたのでしょうか。

「主役だよ(笑)」

──えぇ、バリバリのムービースターではないですか。

「そうかもしれないね(笑)。他にも映画出演はしているし、TVにも出ている。でも、僕の目標はチャンピオンベルトを巻くことで銀幕のスターになることではない。MMAで成功したいんだ。

なぜ僕が映画に出たり、TV番組に出演できてより大きな額の報酬を手にできるのか。それは僕がMMAファイターだからだよ。監督やプロデューサーがMMAの試合を通じて僕のことを知ったのだから。MMAファイターだから、この機会を手にすることが可能になった。8歳からやってきたMMAこそが僕の人生。漢として、MMAやマーシャルアーツでキャリアアップすることを諦めたくないんだ。

それに映画界やTV業界で活動したことで、僕は人として成熟できた。ムービーワールドとMMAワールドは関わっている人間が違う。本当に違うんだ。彼らと会話したり、現場の様子をこの目で見て違う世界を知ることができた。僕の試合を通してMMAを知った人もいる。責任感が増したよ」

──なるほどです。この間、バンマーが所属するエンポ―・ファイトクラブ所属のスムダーチー、イー・チャアやロンチュウというファイター達は上海や米国で練習するようになっていますが。バンマーは、ずっとエンポー・ファイトクラブでトレーニングを続けてきたのでしょうか。

「そうだね。エンポー・ファイトクラブでの練習は、良い指導者に恵まれているし満足している。ただ、この試合後は、僕も新しい技術を身に着けるために米国で練習しようかとも考えているよ」

──では、ダニエル・ウィリアムスの印象を教えてください。

「素晴らしいストライカーだ。これまでもストライカーを相手に、良い試合をしてきた。それに僕の友人のツオロンチャアシーに勝っている。同時に僕も打撃には自信を持っている。この試合は互角の展開になるだろう。技術的にも、互角だと思う。ただ、この試合はMMAだからね。打撃だけでなく、グラップリングでも華麗な動きを披露したい。MMAの神髄とは何かが分かる。そんな試合になるだろう」

──ところでDJが引退をしました。フライ級王座を巡っての戦いは激化するかと思います。

「DJはいつだって僕のアイドルだった。大好きで、本当に尊敬していたんだ。DJの試合から学ぶことは本当に多かった。なぜ引退するのか驚いたよ。今も完璧なアスリートなのに……。ただ僕に関しては、この試合が終わるとストロー級に戻そうと思う。今年になるのか、来年になるのか分からないけど次の試合はストロー級で戦うつもりなんだ。ストロー級の黄金のベルトが僕のゴールだ」

■視聴方法(予定)
10月5日(土)
午後8時45分~U-NEXT

■放送予定
10月5日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

■対戦カード

<ONEキックボクシング世界ライト級選手権試合/3分5R>
[王者]アレクシ・ニコラ(フランス)
[挑戦者]レギン・アーセル(スリナム)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
シンサムット・クリンミー(タイ)
ユセフ・アスイック(デンマーク)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ジョン・リネケル(ブラジル)
アレクセイ・バリカ(ロシア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
マンスール・マラチェフ(ロシア)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ジョハン・エストゥピニャン(コロンビア)
ザカリア・ジャマリ(モロッコ)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
箕輪ひろば(日本)
サンザール・ザキロフ(ウズベキスタン)

<ムエタイ119.25ポンド契約/3分3R>
エイミー・ピルニー(英国)
シール・コーエン(イスラエル)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
トンプーン・PKセンチャイ(タイ)
ルイ・ボテーリョ(ポルトガル)

<136.25ポンド契約/5分3R>
バンマードォーチー(中国)
ダニエル・ウィリアムス(豪州)

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【ONE FF68】豪華版FF、プラジャンチャイとディベラが仕切り直しのキック王座戦&スーパーレックも参戦

【写真】プラジャンチャイとディベラの一戦はキックルールがどう勝敗に左右するかに注目したい(C)ONE

28日(金・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE Friday Fights 68。今大会ではONEキックボクシング世界ストロー級王座決定戦=プラジャンチャイ・PK・センチャイ×ジョナサン・ディベラ、ONEキックボクシング世界フライ級王者スーパーレック・キアトモー9のムエタイ戦が組まれている。
Text by Takumi Nakamura

基本的にワンマッチを中心に試合が組まれるONE Friday Fightsシリーズだが、今大会では4月のONE Friday Fights 58「Superbon vs Grigorian II」に続いて、タイトルマッチが1試合、現役王者のワンマッチが1試合と豪華なラインナップとなった。


今大会で組まれたタイトルマッチ=プラジャンチャイ×ディベラのONEキックボクシング世界ストロー級王座決定戦は、当初ONE Friday Fights 58で行われるはずだった一戦。この時は王者ディベラにプラジャンチャイが挑む図式だったが、ディベラがハイドレーションテストの検体未提出で計量が行われず。試合そのものが中止となり、ディベラは王座剥奪という形に終わった。今回は空位になった王座をかけて、仕切り直しの両者の対戦となった。

プラジャンチャイはムエタイで輝かしい実績を残し、現在はONEムエタイ世界ストロー級王座を保持。ムエタイ・キックの2冠を目指してのディベラ戦となるが、ONEでのキックルールは2023年9月のアクラム・ハミディ戦に続いて2度目となる。ハミディ戦では2Rに左フックでダウンを奪って判定勝利したものの、途中でハミディに右ロー・カーフを効かされ、思わぬ苦戦を強いられている。一方のディベラは2022年10月にジョン・ペイメンに判定勝利してONEキックボクシング世界ストロー級王座に就くと、2023年10月の初防衛戦ではダニエル・ウィリアムスを判定で下して王座防衛に成功している。

ディべラはサウスポーから繰り出す左ストレートと左ロー・ミドルを軸に攻撃を組み立てる、キックルールに特化したサウスポースタイルと言える。キックルールでの試合を比較すると、ヒジ&首相撲なしにおけるパンチと蹴りのコンビネーションや出入りスピードはディベラの方が上だ。プラジャンチャイとしては序盤にディベラと打ち合う、もしくはディベラの入りにカウンターを合わせるか。それともディベラのスピードが落ちる後半に勝負をかけるか、ディベラの穴を突く形で勝機を手繰り寄せたい。いずれにせよ1~3Rまでの攻防が勝敗に影響する5R戦=王座決定戦になるだろう。

また今年1月のONE日本大会で武尊と激闘を演じたスーパーレックが、約5カ月ぶりにリングに立つ。日本のファンにとっては武尊戦の印象が強いスーパーレックだが、直近ではムエタイルールで試合を続けており、9月にアメリカで行われるONE168: Denverでは、ジョナサン・ハガティー が保持するムエタイ・バンタム級王座への挑戦も決定している。今回はハガティー戦に向けた前哨戦として、ONE FFで7連勝中のゴントーラニー・ソー・ソンマイを迎え撃つ。キックルール=武尊戦とは異なるムエタイルールでのスーパーレックの強さに注目したい一戦だ。

また日本からはキックルールでシュートボクシングの坂口魁斗(魁斗)とMMAルールで若林耕平が参戦。ムエタイルールで上野優翔(優翔)×橋本亮汰(テレカ∞)の日本人対決も行われる。

■放送予定
6月28日(金・日本時間)
午前9時30分~U-NEXT

■ONE FF68

<ONEキックボクシング世界ストロー級王座決定戦/3分5R>
プラジャンチャイ・PK・センチャイ(タイ)
ジョナサン・ディベラ(イタリア)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
スーパーレック・キアトモー9(タイ)
ゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
スーブラック・トー・プラン49(タイ)
カムラン・ナバティ(ロシア)

<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
ペッタノン・ペットファーガス (タイ)
アラヴァディ・ラマザノフ(ロシア)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
シャドウ・シンハ・マウイン(タイ)
ジミー・ビエノ(フランス)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
パコーン・PK・センチャイ(タイ)
ラフィ・ボーヒック(フランス)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
シブムン・シッチェブンタン (タイ)
タイソン・ハリソン(豪州)

<ムエタイ・140ポンド契約/3分3R>
ヨードレックペット・オー・アトチャリア (タイ)
コムアウット・FAグループ (タイ)

<ムエタイ・132ポンド契約/3分3R>
ポンペット・PK・センチャイ (タイ)
スリヤンレック・ポー・イェンイン(タイ)

<キックボクシング・132ポンド契約/3分3R>
ラン・シャンタン(中国)
坂口魁斗(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/3分3R>
サンラン・ガーシー(中国)
若林耕平(日本)

<ムエタイ・143ポンド契約/3分3R>
上野優翔(日本)
橋本亮汰(日本)

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45 AB DEEP MMA MMAPLANET o ONE PRIDE UFC アンソニー・ドゥ ダニエル・ウィリアムス パンクラス ユライア・フェイバー リト・アディワン 八田亮 川原波輝

【A1 Combat19】ストロー級タイトル戦出場、川原波輝が「何を言っても説得力がない」と取材拒否!!

【写真】ZOOMで話をしてくれる──その前提が、試合前に彼の想いを掲載しないこと。時代という言葉を使うと、きっと今の時代には合っていない。だからこそ、格好良い(C)MMAPLANET

29日(金・現地時間)、カリフォルニア州ウィートランドのハードロック・ライブで開催されるUrijah Faber’s A1 Combat19に川原波輝が出場し、アンソニー・ドゥとA1 Combatストロー級王座を賭けて戦う。
Text by Manabu Takashima

川原にとって一昨年4月のダニエル・ウィリアムス戦以来、実に1年11カ月振りの実戦となる。


DEEPストロー級王者からONEと契約、ショートノーティスでリト・アディワンと対戦もKO負けをしたのが2021年1月のこと。以来、川原はストロー級世界一を目指す戦いに加わったのは3年間に僅か2度で、ONEのサークルケージ(最近はリング)を離れることとなった。

実際、川原は1月の日本大会出場という方向で準備を進めていたが、実現せず。ばかりか、彼とONEの契約は既に切れていたことが発覚していた。試合出場を交渉中のファイターの契約の有無が明白でないというのは、謎でしかないが──このような例は事実、他でも見られていた。

その後、ONEと再契約する選手も存在しているなかで、川原はこの契約期間の終了をもって、アジア最大のプロモーションにおける終戦を決めた。

そして、今回のタイトル戦に挑むことに。A1 Combatはその大会名から分かるように現在、川原が本拠地とするアルファメールのユライア・フェイバーがプロモートするフィーダーショーだ。UFC Fight Passでも視聴できるイベントがストロー級王座を新設し、川原がその座に挑む。

対戦相手のドゥも過去にONEで戦った経験のあるファイターで、ONE WSで彼もまたリト・アディワンに敗れている。そのドゥは来日経験があり、2018年にパンクラスで八田亮を破っている。日本での試合はストロー級契約だったが、適正体重で戦う機会が非常に少ないキャリアを送ってきた。

ONEのストロー級はハイドレーションを禁止する前提で125ポンド、実際は水抜き減量をしている選手もおりユニファイドのストロー級よりも大きな選手が多い。そういうなかでドゥも北米ではフライ級で戦っており、A1ではフライ級タイトルマッチでも戦い、敗れている。川原と同様にドゥにとっても、北米でのストロー級の解禁は待ちに待った絶好の機会といえるだろう。

ともあれFight Pass中継のある北米MMAプロモーションにストロー級王者は存在せず、日本とONE以外でストロー級王座が設けられているのも、インドネシアのONE PRIDE MMAなど極めて限定されている。そのなかで北米、しかもユライアが肝入りでストロー級王座を新設する。今、何がA1──そして北米で起きているのか。

その事実を確認し、また王座決定戦に関する意気込みを川原に話してもらうと取材を申し込んだところ、「僕は試合に勝っていない。負けた僕に発言権はないことも分かっている。結果を残していない選手が、試合前に何を話しても説得力はないので」と──固辞。

「勝って、説得力を持たせる」という川原、彼の決意とこれからの野望を日本のMMAファンに伝えさせてもらうためにも──アンソニー・ドゥとのタイトル戦は、必勝。勝利をデフォルトとしてほしい。

■視聴方法(予定)
3月30日(土・日本時間)
午前11時~UFC Fight Pass

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45 AB MMA MMAPLANET o ONE ONE166 アミール・アリアックバリ アージャン・ブラー オサマ・アルマルワイ クレベル・ソウザ ジェレミー・ミアド ジャレッド・ブルックス ジャレミー・ミアド ジョシュア・パシオ タン・カイ タン・リー ダニエル・ウィリアムス ボクシング ライニア・デリダー リト・アディワン 山北渓人 鈴木真 鈴木真治

【ONE166】山北渓人と対戦、ジャレミー・ミアド「もう勝つしかない2人のファイトだから」

【写真】山北を驚かすことができる一発は持っている。そして一発頼りにならない組み立ても持っているミアドだが、果たして……(C)MMAPLANET

3月1日(金・日本時間)にカタールはルサイルのルサイル・スポーツ・アリーナで開催されるONE166「Qatar」にて、山北渓人と対戦するジェレミー・ミアド。
Text by Manabu Takashima

キャリアは10勝6敗でONEでのレコードは6勝6敗のイーブン。優れた打撃と穴のある組み技という印象を残すミアドは、所属していたマロックが空中分解しても母国フィリピンに戻らず、タイでの練習をチョイスした。

リト・アディワンと1勝1敗、ダニエル・ウィリアムスに勝利している一発を持つミアドは、自らの弱点と向き合う日々を送るなかで、ベルトを諦めない気持ちの証としてショートノーティスで山北との対戦を了承した。


――今、どちらにおられるのですか。

「タイだよ」

──ではいつ、カタールへ?

「月曜だったと思う(※取材は24日に行われた)」

──ONEにとって歴史的な初のカタールでの大会で戦うことをどのように思っていますか。

「カタール大会に出られることを凄く光栄に思っているので、MMAファンにケイトと最高の試合を届けたい」

──ところで今回の試合のオファーはいつ頃にあったのでしょうか。

「確か3週間ほど前だった。正直、今回の大会で試合が組まれるとは思ってもいなかった。しかも対戦相手がケイトになるなんてね。ケイトは1月の東京大会でボカンに負けたばかりだったし、オファーがあった時はビックリした。でも試合があることは良いことだからね」

──3週間前ですか……、その時は戦える状態にありましたか。

「アスリートだから、試合がなくてもグッドシェイプをキープしている。試合までの時間が短くても、少し体重を調整するだけで心身とも戦える状態だったよ」

──ところでジェレミーは以前、所属していたマロック・ジムは活動を停止しましたが、そのままフィリピンに戻らずにタイで練習を続けているのですね。

「これから上を目指し続けるには、レベルの高い練習相手が必要だ。だからタイに残った。今はプーケットのサウスサイドMMAで毎日トレーニングをして、他のジムでクロストレーニングも行なっているよ。サウスサイドMMAにも他のジムから多くの選手が練習に来ている。ただコーチはマロック・ジムの時と変わらない。一緒にプーケットにやってきたから。ここでは僕の弱点といえるレスリングやグラップリングもしっかりとトレーニングできている。

サウスサイドMMAでは米国人選手との練習が多く、週に3日は別のジムへ行きロシア人ファイターとレスリングのトレーニングをしているんだ」

──以前と比べて、組み技に自信を持てていますか。

「正直、ケイトと戦って僕のグラップリングがどれだけ通じるかは分からない。でもプーケットで練習するようになって打撃もグラップリングもレベルアップできた。ケイトはテイクダウンだけでなく、打撃も使える。そこは彼のゲームプラン次第で、すぐに組んでくるか、打撃から来るかは分からない。

ただ僕と戦うんだから、まずはテイクダウンを狙ってくるはずだ。ケイトはただでさえ優れたファイターだけど、前回の負けがあるから絶対に負けられないという気持ちで向かってくるだろう。ここで連敗なんてすると、ベルトが遠のくからね。

でも、それは僕も同じだ。僕は既に2連敗中だ。この試合を断らなかった理由は、トップ5に名前を連ねたいからで。ここでケイトに勝って、もう1試合勝つと今年中にタイトルショットの機会が与えられるかもしれない。だからこそ、ケイトとの試合は負けることは許されないんだ。僕だってベルトを狙っているからね。

そういう2人が戦うんだから、アグレッシブで激しい試合になるだろう。もう勝つしかない2人のファイトだから。結果的にファンに喜んでもらえる試合になるに違いないよ。日本のファンはケイトの応援をするのは当然だけど、僕らの試合──それとONEカタール大会を楽しんでもらいたい」

■放送予定
3月1日(金・日本時間)
午後9時15分~U-NEXT

■ONE166対戦カード

<ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ライニア・デリダー(オランダ)
[挑戦者] アナトリー・マリキン(ロシア)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] タン・カイ(中国))
[挑戦者] タン・リー(米国

<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ジャレッド・ブルックス(米国)
[挑戦者] ジョシュア・パシオ(フィリピン)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アージャン・ブラー(カナダ)
アミール・アリアックバリ(イラン)

<ボクシング147ポンド契約/3分3R>
ズハイール・カハタニ(サウジアラビア)
メディ・ザトゥー(アルジェリア)

<サブミッショングラップリング・フライ級(※61.2キロ)/12分1R>
オサマ・アルマルワイ(イエメン)
クレベル・ソウザ(ブラジル)

<ムエタイ147.75ポンド契約/3分3R>
ザファー・シャイック(トルコ)
ウラジミール・クズミン(ロシア)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ザカリア・ジャマリ(モロッコ)
アリ・サルドエフ(ロシア)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
鈴木真治(日本)
ハン・ズーハオ(中国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
ジェレミー・ミアド(フィリピン)

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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE FN19 キック ダニエル・ウィリアムス リト・アディワン

【ONE FN19】1Rに右でダウンを奪ったアディワン。ウィリアムスの追い上げをTDで振り切り判定勝ち

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
Def.3-0
ダニエル・ウィリアムス(豪州)

ウィリアムスがステップを踏みながらローを繰り出す。アディワンの左フックに対して、ウィリアムスも左を合わせた。左ミドルハイを見せるウィリアムスのインサイドから左フックを当てたアディワンが、さらに右ストレートでウィリアムスのアゴを打ち抜きダウンを奪う。スクランブルで潰したアディワンが左右フックを浴びせる。ボディロックからテイクダウンを奪ったアディワンが、ハーフガードのウィリアムスにパウンドを落とす。アディワンがコーナーポストに詰めると、レフェリーがストップ・ドントムーブでリング中央に戻した。

再開後、アディワンが左腕を枕にしてウィリアムスを抑え込んでいる。体を起こそうとするウィリアムスの顔面に左ヒジを落とし、さらに左ヒザを突き刺したアディワン。ウィリアムスは下がって立ち上がり、距離を取るも接近戦になるとアディワンのパンチと右スピニングバックエルボーがヒットした。

2R、ガードを固めるウィリアムスに対し、アディワンはガードを下げてステップを踏む。アディワンの右ローに右スイング、スピニングバックフィストを浴びせるアディワンが距離を取る。ウィリアムスは右カーフキックから距離を詰めるも、アディワンが距離を保っている。アディワンの右フックに、ウィリアムスが右ローを合わせた。蹴りを主体に攻めるウィリアムスの顔面に、アディワンの右が届く。

右ロー、左ミドルと蹴りを散らすウィリアムスは、さらにアディワンの右の打ち終わりに自身も右クロスを合わせた。互いに左ミドルを打ち込むなか、アディワンが頭を下げて飛び込み左フックを見せる。ウィリアムスが右から距離を詰めると、アディワンがバランスを崩した。すぐに体勢を戻したアディワンが、ステップで距離を取り続けてラウンド終了のゴングを聞いた。

最終回、ウィリアムスがガードを固めて前に出るが、アディワンが自分の距離を保つ。ウィリアムスの左インローをキャッチしたアディワンがグラウンドに持ち込み、スクランブルに持ち込むウィリアムスをパウンドとヒザから抑え込んだ。背中を着かせたアディワンは、ハーフガードのウィリアムスに対して右腕を差し上げ、左腕を枕にした。ウィリアムスは左目じりに大きなコブのような腫れが目立つ。

ウィリアムスがコーナーポストまで下がり、レフェリーのほうを見てブレイクがないと判断するとコーナーポストに背中を着けて立ち上がろうと試みた。しかし全く立たせないアディワン。亀になるウィリアムスのバックに回り、スタンドバックからシングルで入るも、ウィリアムスが離れた。ケージ中央でダブルレッグで組まれたウィリアムスが距離を取る。アディワンはレフェリーからアクションを促されるも、そのまま距離を取って終わった。

裁定は、1Rにダウンを奪ったアディワンがユナニマス判定勝ちを収めた。


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