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【Gladiator022】ダギースレンと対戦、ズッキーニョス「モンゴル幻想はない。よそ者にベルトは渡さない」

【写真】DEEP暫定フライ級チャンピオン福田龍彌と。ベルトをMIBUROに持ち帰る──その一歩となるか (C)SHOJIRO KAMEIKE

11日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR022からスタートする、フェザー級GP準々決勝でダギースレン・チャグナードルジと対戦するチハヤフル・ズッキーニョスのインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

いかなる質問に対してもクールに、スマートに答えるチハヤフル。しかしグラジのベルトと今回のGPについて訊くと、話しぶりに熱気が帯びてきた。さらに今回はチームメイトであり、リングネームの名づけ親でもあるDEEPフライ級暫定王者の福田龍彌にチハヤフルの強さについて訊いた。

<チハヤフル・ズッキーニョス・インタビューPart.01はコチラから>


――MIBURO所属選手といえば、福田龍彌選手を除いてストライカーよりもグラップラーという印象が強いです。チハヤフル選手も自然と組みに重きを置くファイターとなっていったのでしょうか。

「MMAなので、打撃も組みも両方やりたい気持ちを持っていました。たまたまというか、自分に向いていたのが組みだったということですね。最初は打撃が下手で、組みばかりやっていたことも理由の一つだとは思います。組みを練習していると、だんだん極められるようになってきて、そろそろ打撃もやらないといけないと思ってタイに行きました」

――打撃を向上させるために、いきなりタイへ!?

「はい、もう7~8年前になります。学生時代に休学して、プーケットのタイガームエタイなどに行ってきました。タイで集中して練習したおかげで、ようやく打撃の型が身についてきたんですよ。そこから少しずつ打撃のことが分かるようになってきたと思います」

――凄い行動力ですね。ちなみに試合後の不死鳥ポーズは、その時代からやっていたものですか。

「いえ、不死鳥のポーズをやり始めたのはプロデビュー戦です。KO勝ちしたあと、自然に出ました。名前が『千羽也(ちはや)』なので、心の中に翼を求めているところがあるかもしれないですね」

――そのセリフをスラッと言えるところが男前すぎます。衝撃の不死鳥ポーズから3年半、今回はグラジエイターのフェザー級GPに出場することとなりました。現在のコンディションはいかがですか。

「全く問題ないです。ダギースレンがコメントで『しっかり練習してきてください』と言っていましたが、彼に『心配するな。しっかり仕上げていくから』と伝えたいですね」

――グラジ参戦は2021年6月の天草ストロンガー四郎戦以来となります。

「オファーのタイミングでたまたま出られなかったり、他の団体の試合が先に決まったりしていましたが、ずっとグラジエイターには出たかったです。それで頂いたオファーがフェザー級GPということで、最初は『マジすか!?』と思いました(笑)。

しかも最初の相手がモンゴル人選手と聞いてビックリしましたね。GP出場のチャンスを頂いて、本当に嬉しいです。外国人選手2人に、それなりに名前のある河名マスト選手。そしてグラジエイター生え抜きである僕の4人というのは、キャラクターが揃っているトーナメントだと思います」

――やはり自身がグラジ生え抜きであることは重要な要素ですか。

「継続的に出場していたのが僕だけですからね。それが嬉しいです。ようやくタイトルに絡む試合ですし。他の選手からすれば、グラジエイターのベルトは通過点かもしれません。ベルトを巻いて北米に行くなり、Road to UFCに出るなり……。でも僕にとっては一つのゴールなので。通過点として考えている選手と、ゴールとして考えている僕では、どちらのほうがベルトへの気持ちが強いのか。

自分のようにグラジエイターのベルトを狙っている選手からすると、海外の選手が勝ってベルトを持っていかれ、すぐに返上されるのを見ると歯がゆいです。気持ちとしては――面白くないですよね。もちろんベルトを獲られるほうが悪いです。だから自分が止めたい。ここで僕がベルト流出を止めたら、めちゃくちゃカッコイイじゃないですか」

――そう感じる相手の中には、日本の河名マスト選手も含まれていますか。

「もちろんです。何だったら彼が一番、このGPを通過点として考えているんじゃないですかね(笑)」

――なるほど。それでは初戦の相手、ダギースレンの印象を教えてください。

「ヤバそうだなって思いました。最初に相手を聞いた時は、正直言ってビビりました。でも試合映像を視るかぎり、僕の中にモンゴルMMA幻想はないです。特に前回来たニャムジャルガルとテムーレンと比べてたら、彼らほどの強さはない。ハートは強いし、ポテンシャルは高いと思います。

でも特別な対策がなくても、このMIBUROで10年近くやってきたことをぶつければ、十分に勝てると考えているので。だからモンゴル人選手が相手だからという奇策はないですね。試合では判定を狙うことなく、フィニッシュします。皆さんはダギースレンがKOするか、僕が寝技でネチネチ攻めるかと考えているかもしれませんが、逆に僕がKO勝ちすることもありますよね」

――このGPで優勝し、グラジのベルトを巻いたチハヤフル選手自身がUFCなど海外の大会に出ることは考えていますか。

「今は考えていないです。海外で試合をしたいという気持ちがないわけではないですが、まずベルトを獲ったら、必ず防衛戦はやります。すぐに返上はしません。それと『海外に行きたい!』と言っている選手が行くものではなく、強いヤツにチャンスが与えられるものだと思っています。まずはグラジエイターのベルトを巻くこと。よそ者には渡しませんよ」

■福田龍彌のチハヤフル・ズッキーニョス評
「彼はフィニッシュ率が良いですよね。それだけ思いきりが良い、自分のことを信じ切って戦うことができている。たとえ試合で劣勢になったとしても、要所要所で迷いなく攻め返すことができる。そういう展開で勝っている試合も多いし、MMAの中でも競技をしているだけじゃなく、喧嘩ができるというのが大きな強みやと思います」

■視聴方法(予定)
6月11日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

6月11日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator022対戦カード

<バンタム級/5分2R>
フェルナンド(ブラジル)
今村豊(日本)

<バンタム級/5分2R>
秋田良隆(日本)
田中壱季(日本)

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠(日本)
廣瀬裕斗(日本)

<フェザー級/5分2R>
桑本征希(日本)
天草ストロンガー四郎(日本)

<バンタム級/5分2R>
藤原克也(日本)
別所竜弥(日本)

<フェザー級/5分2R>
ハンセン玲雄(日本)
徳野一心一馬(日本)

<Gladiatorバンタム級GP1回戦及びGladiatorバンタム級選手権試合/5分3R>
神田T-800周一(日本)
テムーレン・アルギルマー(モンゴル)

<Gladiatorフェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
河名マスト(日本)
パン・ジェヒョク(韓国)

<Gladiatorフェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
ダギースレン・チャグナードルジ(モンゴル)

<Gladiatorバンタム級GP1回戦/5分3R>
竹本啓哉(日本)
ジェイソン・マルガリョ(フィリピン)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級暫定王座決定T準決勝/5分2R>
森戸新士(日本)
網藤雄太(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級挑戦者決定T準決勝/5分2R>
世羅智茂(日本)
加賀谷庸一朗(日本)

<バンタム級/5分2R>
江田こうすけ塾長(日本)
溝口司(日本)

<ウェルター級/5分2R>
阿部光太(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<フライ級/5分2R>
江木伸成(日本)
空(日本)

<フェザー級/5分2R>
木村総一郎(日本)
藤岡陸(日本)

<ライト級/5分2R>
後藤丈季(日本)
水野翔(日本)

<ライト級/5分2R>
八木敬志(日本)
直島弘昌(日本)

<バンタム級/5分2R>
安枝匠(日本)
吉田開威(日本)

<ストロー級/5分2R>
田中優樹(日本)
武尊(日本)

<フライ級/5分1R>
MASATERU(日本)
塩谷尚也(日本)

<フェザー級/5分1R>
野口蒼太(日本)
西村剛(日本)

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【Gladiator022】フェザー級T準決勝、チハヤフル・ズッキーニョス「スクールカーストで下のほうの良い子」

【写真】意外な事実が次々と聞かれた (C)SHOJIRO KAMEIKE

11日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR022より、4人参加のフェザー級GPがスタート。京都在住ファイターのチハヤフル・ズッキーニョスが、初戦でモンゴルのダギースレン・チャグナードルジと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

今年1月に中川皓貴を下して同級王者となったチョ・ソンビンが、PFL出場のためベルトを返上。空位となった王座を河名マスト、パン・ジェヒョク、MGL-1王者のダギースレン、そしてチハヤフルの4選手が争うことに。この中で唯一「グラジエイター生え抜き」と自認するチハヤフルとは、一体どんなファイターなのか。初インタビューを試みると、試合後の不死鳥ポーズからは想像できない、クールでスマートなチハヤフルだった。


――チハヤフル・ズッキーニョス選手の初インタビューとなります。どうしてもお聞きしたかったのは、リングネームについてです。

「そうなりますよね(笑)。まず本名が『石附千羽也(いしづき・ちはや)』なのですが、下の名前については福田龍彌さんから『チハヤフルやな』と言われました(苦笑)。あと名字が『いしづき』なので、よくヅッキーと呼ばれていたんです。そこで、プロデビューにあたりブラジル人っぽくしようと思い『ズッキーニョス』に。結果、チハヤフル・ズッキーニョスというリングネームになりました」

――チハヤフル選手のプロデビューが2019年なので、2016年から2018年にかけて上映された『ちはやふる』から取ったのでしょうか。

「ちょうどそれぐらいの頃ですね。一応、本名に基づいたリングネームなんです」

――ご本人としては、先輩からリングネームを付けられての感想はいかがですか。

「僕としては気に入っています。ただ、自己紹介すると時は少し恥ずかしいですね。名前を言うと、だいたい『えっ?』と聞き返されるので(笑)。でも先輩から頂いた名前なので、大事にしていきたいです」

――先輩から名付けられると、拒否権はないのですね。

「もちろん本名で試合をしたり、自分の好きなリングネームをつけることもできたでしょうけど、何しろ怖い先輩ですから。とはいえ、僕も気に入っているので」

――それは良かったです! チハヤフル選手が格闘技を始めたのは、いつのことですか。

「20歳の時なので、もう9年ちょっと前ですね。進学のために新潟から京都へ来て、そのタイミングでMIBUROに入会しました」

――では、京都へ来る前にスポーツ経験はありましたか。

「それほど本格的にやっていたわけではないのですが、小3からダンスをやっていました。子供ヒップホップから始まって、ジャズダンスも経験しました。少しだけバレエをやっていた時期もありましたね」

――えぇっ!? それだけダンスをやってきて、プロのダンサーへの道を歩もうとは考えなかったのでしょうか。

「もちろんダンスは好きでした。それと同時に、子供の頃からPRIDEを見て育ってきた世代なので、MMAをやることに対しても憧れがあったんです。でも新潟にいる頃は、近くにMMAのジムがなくて。それと、ずっと親がお金を出してダンスを習わせてくれていたので、自分の中にダンスを辞めるという選択肢もありませんでした。

それが20歳の時に地元を離れて――京都ならMMAのジムはあるだろうと思って、ココに来ました。本当はダンスとMMAを並行して続けていきたいと考えていたのですが、ジムに入ってみるとMMAが楽しすぎて(笑)。結果、かれこれ10年ぐらい続けています」

――10年前といえば、各地にダンススクールも増加していました。そのためダンスの世界も夢のあるものになっていたと思います。

「確かに流行っていましたね。でも僕はダンスをやっていたとはいえ、イケているほうではなかったんですよ。スクールカーストでいえば、下から2番目ぐらいで(苦笑)」

――スクールカーストの下から2番目というのが、なかなか想像しにくいですが……。

「ガリ勉というほどではないけど、真面目でオタクっぽかったんです。ダンスも密かに続けていたような感じで。進学したのもダンスとは関係ないジャンルの大学でしたし。MIBUROは、大学や住んでいるところから自転車で通える距離にあったので入会しました」

――それは趣味としてMMAをやりたいのか。あるいは最初からプロ志望だったのでしょうか。

「プロになりたいという気持ちを――密かに持っていました」

――ダンスもMMAも、密かに(笑)。

「アハハハ。それで最初にジムへ来た時、エダ塾長がいたんですよ。当時の僕は80キロぐらいあったのに、10キロ以上軽いエダ塾長に投げられ、コカされまくって。『これがプロか!』と思いました。だから自分から『プロになりたい』とは言わず、密かに『いつかはプロになりたい』と思ってジムに通い続けました」

――結果、プロになってチハヤフル・ズッキーニョスというリングネームを与えられたと。

「そうですね(笑)。5年ぐらいアマチュアをやってきた結果、ありがたいリングネームを頂くことができました」

――なるほど。試合後の不死鳥ポーズやSNSを見ると、もっとハジけたタイプかと思っていましたが、意外なほどクールな喋り口で驚きました。

「本当ですか。普段は落ち着いていて、試合で解放するタイプなので。もともとオラオラ系ではないし、喧嘩もしたことがないですしね。先ほど言ったとおりスクールカーストでも下のほうで、大人しい良い子でした」

――大学まで進学したということは、格闘技以外の職業も考えていたのでしょうか。

「工業系の高専(高等専門学校)から理系の大学に進み、大学ではデザインを勉強していました。でも浮かれて入ってしまったというか、真面目な大学生ではありませんでした。やはりデザインを勉強しに来ている人たちは、デザインに対して凄い情熱を持っているんです。それこそ毎日何かデザインの絵を描いているような。そういう人たちを見て、『僕とは違うんだ』と思いました。そう考えるとMMAを始めてから――こんなにのめり込んだものは、今までなかったです。だから『自分にはこの道だ』って」

――それだけMMAにのめり込んだ要因は何だったのですか。

「実は10代の後半に、人と話せなくなった時期があるんです。そのこともあって、20歳の時に地元を離れようと考えました。新しい環境に身を置いてみたくて。それでMMAを始めてみると極端な話、格闘技って言葉を交わさなくても通じ合えるものじゃないですか。今でも海外の方と、お互いに言葉が分からなくても練習したりしますし。例え話すことが下手でも、相手は本気で自分の一緒に練習してくれる。格闘技のそういうところに、僕は救われたんです」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
6月11日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

6月11日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator022対戦カード

<バンタム級/5分2R>
フェルナンド(ブラジル)
今村豊(日本)

<バンタム級/5分2R>
秋田良隆(日本)
田中壱季(日本)

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠(日本)
廣瀬裕斗(日本)

<フェザー級/5分2R>
桑本征希(日本)
天草ストロンガー四郎(日本)

<バンタム級/5分2R>
藤原克也(日本)
別所竜弥(日本)

<フェザー級/5分2R>
ハンセン玲雄(日本)
徳野一心一馬(日本)

<Gladiatorバンタム級GP1回戦及びGladiatorバンタム級選手権試合/5分3R>
神田T-800周一(日本)
テムーレン・アルギルマー(モンゴル)

<Gladiatorフェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
河名マスト(日本)
パン・ジェヒョク(韓国)

<Gladiatorフェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
ダギースレン・チャグナードルジ(モンゴル)

<Gladiatorバンタム級GP1回戦/5分3R>
竹本啓哉(日本)
ジェイソン・マルガリョ(フィリピン)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級暫定王座決定T準決勝/5分2R>
森戸新士(日本)
網藤雄太(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級挑戦者決定T準決勝/5分2R>
世羅智茂(日本)
加賀谷庸一朗(日本)

<バンタム級/5分2R>
江田こうすけ塾長(日本)
溝口司(日本)

<ウェルター級/5分2R>
阿部光太(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<フライ級/5分2R>
江木伸成(日本)
空(日本)

<フェザー級/5分2R>
木村総一郎(日本)
藤岡陸(日本)

<ライト級/5分2R>
後藤丈季(日本)
水野翔(日本)

<ライト級/5分2R>
八木敬志(日本)
直島弘昌(日本)

<バンタム級/5分2R>
安枝匠(日本)
吉田開威(日本)

<ストロー級/5分2R>
田中優樹(日本)
武尊(日本)

<フライ級/5分1R>
MASATERU(日本)
塩谷尚也(日本)

<フェザー級/5分1R>
野口蒼太(日本)
西村剛(日本)

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【Gladiator022】神田T800周一に挑戦、テムーレン・アルギルマー「生まれ育った村の同級生が大阪にいて」

【写真】自信しかない、そんな感じのテムだった (C)MMAPLANET

蒙古襲来、再び。11日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR022でGladiatorバンタム級チャンピオン神田T800周一に挑戦するテムーレン・アルギルマー。

3月の前回大会におけるノンタイトルファイトで神田と戦ったテムーレンは、スラムからチャンピオンをパウンドアウトし、ダイレクトリマッチ=タイトル戦&GP準々決勝が決まった。

あれから3カ月、母国モンゴルで神田戦に向けて調整中のテムーレンに話を訊いた。


――3カ月で2度目の来日が決まりました。今、どのような気持ちですか。

「また日本に行って、試合ができることは凄く嬉しいよ。僕自身、3月から今日まで凄く長く感じていて(笑)。過去には1週間前のオファーでも試合をしてきたので、これだけ準備期間があることが長く感じられる……。ようやく、試合ができる。そんな想いでいるよ。ただチャンスを与えてくれたグラジエイターの人達には本当に感謝しているし、タイトルマッチだから凄く気合が入っている。

3月に帰国すると、皆が『本当に良い試合だった』と褒めてくれた。モンゴル以外で戦ったのが2度目の経験で。最初は2019年にロシアで試合をして。その時と比べると、日本での受け入れ態勢や試合前の環境なんかも全然違っていた。本当に嬉しかったし、『やってやろう』という風に気持ちが上がったんだ。

それと生まれ育った村の同級生が大阪に留学していて、彼と再会できて嬉しかった。子供の頃、『俺は大きくなったらスポーツ選手として成功するんだ』って話していたんだ。アイツは大阪で勉強していて、僕はファイターとして大阪で戦って勝った。試合後、2人でセブンイレブンに行った時、『夢が叶ったな』と言って貰えて……本当に感激したよ」

──良い話です。ところで今回の試合は王座挑戦だけでなく、バンタム級GPで勝てば王座として防衛するフォーマットですが、どう思いますか。

「えっ、そうなんだ。いや、知らなかったよ。ビックリした(笑)。でも、より強いモチベーションになるよ。そして、臨むところ──いう感じかな。強い選手と戦っていかないと、強くなることができないから。他にどんな選手がGPに参加するのか楽しみだね。

個人的にドンドン試合がしたいと思っているので、次が決まっているトーナメントは大歓迎だ。勝って、試合に出場し続けたい」

──グラジエイターではフェザー級王者チェ・ソンビンがPFLに戻り、ライト級王者キ・ウォンビンはRoad to UFCへの再出場が決まると、フライ級王座に輝いたニャムジャルガル・トゥメンデムベレルはワンマッチでRoad to UFCに出場します。チャンピオンになった選手がステップアップを果たしたことは、どのように感じていますか。

「もちろん、自分もそうなるために練習しているから。チャンピオンになって、より大きな舞台で戦いたいと思う」

──では今回のタイトル戦です。対戦相手の神田選手には、既に勝利をしているわけですが、彼は負けた直後にリマッチを要求していました。

「カンダの気持ちはよく分かるよ。僕が彼と同じ立場だったら、同じように思っただろうね」

──その前回の試合、力強い組みとスラムを見せていましたが、まだまだ引き出しが多い。見せていないことがありそうですね。

中村倫也ともスパーリング

「もちろん、見せていない技はあるよ。

でも、それを見せることが重要だとは思っていない。戦略を立てて、チームと準備をしている。その戦略に則して戦うことが一番大切だからね」

──まだ後半4名の参加選手は発表されていないですが、GP制覇へどれほど自信がありますか。

なんちゅう大きさのケトルベルだ……

「100パーセント。

GPトーナメントに優勝するのは、僕だよ。カンダにはしっかりと練習してきてほしい。それでもチャンピオンになるのは僕だ。そのために厳しい練習をしているから。まぁ、カンダもベストを尽くしてほしいと思っている」

──では日本のファンに、この試合に向けての意気込みをお願いします。

「6月11日、前回以上に激しい試合になるので会場に来てみて欲しい。最後は僕がチャンピオンになるから」

■視聴方法(予定)
6月11日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

6月11日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator022対戦カード

<バンタム級/5分2R>
フェルナンド(ブラジル)
今村豊(日本)

<バンタム級/5分2R>
秋田良隆(日本)
田中壱季(日本)

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠(日本)
廣瀬裕斗(日本)

<フェザー級/5分2R>
桑本征希(日本)
天草ストロンガー四郎(日本)

<バンタム級/5分2R>
藤原克也(日本)
別所竜弥(日本)

<フェザー級/5分2R>
ハンセン玲雄(日本)
徳野一心一馬(日本)

<Gladiatorバンタム級GP1回戦及びGladiatorバンタム級選手権試合/5分3R>
神田T-800周一(日本)
テムーレン・アルギルマー(モンゴル)

<Gladiatorフェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
河名マスト(日本)
パン・ジェヒョク(韓国)

<Gladiatorフェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
ダギースレン・チャグナードルジ(モンゴル)

<Gladiatorバンタム級GP1回戦/5分3R>
竹本啓哉(日本)
ジェイソン・マルガリョ(フィリピン)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級暫定王座決定T準決勝/5分2R>
森戸新士(日本)
網藤雄太(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級挑戦者決定T準決勝/5分2R>
世羅智茂(日本)
加賀谷庸一朗(日本)

<バンタム級/5分2R>
江田こうすけ塾長(日本)
溝口司(日本)

<ウェルター級/5分2R>
阿部光太(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<フライ級/5分2R>
江木伸成(日本)
空(日本)

<フェザー級/5分2R>
木村総一郎(日本)
藤岡陸(日本)

<ライト級/5分2R>
後藤丈季(日本)
水野翔(日本)

<ライト級/5分2R>
八木敬志(日本)
直島弘昌(日本)

<バンタム級/5分2R>
安枝匠(日本)
吉田開威(日本)

<ストロー級/5分2R>
田中優樹(日本)
武尊(日本)

<フライ級/5分1R>
MASATERU(日本)
塩谷尚也(日本)

<フェザー級/5分1R>
野口蒼太(日本)
西村剛(日本)

The post 【Gladiator022】神田T800周一に挑戦、テムーレン・アルギルマー「生まれ育った村の同級生が大阪にいて」 first appeared on MMAPLANET.
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Gladiator Gladiator022 MMA MMAPLANET o Progress YouTube ジェイソン・マルガリョ スティーブン・ギレスピ ダギースレン・チャグナードルジ チャンネル テムーレン・アルギルマー ハンセン玲雄 パン・ジェヒョク フェルナンド ベラトール 世羅智茂 八木敬志 天草ストロンガー四郎 森戸新士 江木伸成 江田こうすけ塾長 河名マスト 海外 溝口司 神田T800周一 竹本啓哉 阿部光太

【Gladiator022】テムーレンと再戦=GP準々決勝&王座防衛戦、神田T800周一「GPはベルトの価値を下げる」

【写真】攻めるグラジへの想いは人一倍ある神田だが、王者としての意地がGP戦の一角としてマッチアップされることには不満を感じていた。これを口にできるのも、良い環境だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

11日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR022より、8人参加のバンタム級GPがスタートする。そして準々決勝を兼ねたGladiatorバンタム級選手権試合として、同級王者の神田T-800周一とテムーレン・アルギルマーの再戦が組まれた。
Text Shojiro Kameika

両者は今年3月にノンタイトル戦で対戦し、テムーレンがスラムからのパウンドで神田をKOしている。神田は試合直後にリマッチを直訴し、タイトルを賭けたダイレクトリマッチが行われることとなった。しかしGP1回戦でタイトルマッチという形式に、神田は複雑な想いを抱えていたという。その想いが晴れた理由と、初戦の展開からひも解くテムーレン攻略法を訊いた。


――テムーレンとの再戦を控える神田選手です。今年3月、テムーレンに敗れた直後に再戦を希望したそうですね。

「はい。あの時、ファイターとして再戦をせずに生きていくという選択肢はなかったです。チャンピオンなのにノンタイトルで負けて、それで『また頑張ります! 次は誰でも来てください』というのは説得力がないと思って。チャンピオンとしての責任感と、ファイターとしてテムーレンを乗り越えて成長したいという気持ちがあって、直訴しました」

――直訴したのは試合後の会場ですか。それとも試合から数日経ってからでしょうか。

「試合直後はザ・ワンのカメラに向かって喋って、すぐ櫻井(雄一郎グラジエイター代表)さんにも伝えました。するとザ・ワン側は『ちゃんと映像で喋ってくれたから、気持ちは伝わるでしょう』と言ってくれて。櫻井さんも『分かりました。気持ちは受け止めます』という答えでしたね」

――あれだけのKO負けでしたから、リマッチとの間に1試合挟むという選択肢もあったかとは思いますが……。

「いや、僕の頭の中にはダイレクトリマッチしかなかったです。そこで間に挟まれた選手にも失礼ですし。とにかくテムーレンを乗り越えたい、あの敗北を精算したいという気持ちしかありませんでした。チャンピオンがノンタイル戦で負けたのだから、次は当然ベルトを賭けて」

――そのダイレクトリマッチがバンタム級GPの1回戦で、タイトルマッチとして行うことを聞いた時の心境はいかがでしたか。

「これを言ったら怒られるかもしれないけど――正直なところ、僕はトーナメントではなくワンマッチの防衛戦をやりたかったです」

――えっ、どういうことですか。

「タイトルマッチとGPを同時に行ったら、どうしてもGPのほうが存在感は大きくなるじゃないですか。ベルトを賭けているとはいえ、トーナメントの1回戦なので。そうなるとグラジエイターのベルトの価値が下がるのでは、と思いました。僕としては1度負けた相手との、覚悟を持ってダイレクトリマッチに臨むわけで。それをGPの1回戦で行うよりは、ワンマッチの防衛戦のほうが自分の気持ちを持っていきやすいかなと考えていました。もっと僕の覚悟を、しっかりと受け止めてほしいなって」

――……。

「負けていて生意気かもしれないですが、櫻井さんには直接伝えました。僕の意志を踏まえたうえで、櫻井さんとしてはGPでやりたいということでした。櫻井さんにもGPにこだわる理由があるんでしょうし、もちろんGPのほうが盛り上がることも理解できますよ」

――ベラトールが各階級でトーナメント×タイトルマッチのGPを開催し、盛り上がっていました。

「それも分かるんです。海外選手を呼んでくれてワクワク感もありますし、さらに良い選手とも交渉しているでしょうから。でもなぁ……そう思っていましたが、他のカードを聞いて気持ちは変わりました」

――どういうことですか。

「竹本が出るからです」

――!! 竹本啓哉選手の出場を聞いて、気持ちが変わったのですか。

「何なんでしょうね(笑)。アイツとは同い年で、今まで1勝1敗で――別に普段から話をすることも、連絡を取るわけでもない。だけど気になる存在なんですよ」

――以前のインタビューで仰っていた「腐れ縁」ですね。

「このGPでも、竹本が勝つことを願っています。今回も竹本のほうが勝ちパターンは多いんじゃないかと思っていて。竹本が抑え込むか一本を取ると予想しています」

――そして、ベルトを賭けて竹本選手との決着戦を迎えると。

「今回は準々決勝で、次の準決勝の組み合わせは一度シャッフルされるのか、今大会で勝った者同士で対戦するのかは、今のところ分かりません。準決勝であっても決勝あっても、アイツとベルトを賭けて対戦したいです。お互いに強い外国人選手に勝って、タイトルマッチで決着をつけるというのは、最高のストーリーじゃないですか。それがJ-MMAですよ。グラジエイターも良いところを突いてきますね(笑)」

――アハハハ、確かに最高のストーリーラインですね。ただ、その前にテムーレンとの再戦が待っています。まずは初戦の内容についてお聞きしたいのですが、スラムからパウンドを受けた時に意識や記憶はあったのでしょうか。

「前後で飛んでいる記憶もなくて、意識も繋がっていました。でも後から映像を視ると、僕は力が入らない状態になっていたので、効いていたのは間違いないです。意識がある分、直後の悔しさも大きくて」

――なるほど。1Rに神田選手の左ハイがテムーレンのテンプルをかすめ、続けてスーパーマンパンチを繰り出しました。あれは打撃で行けるという意識だったのでしょうか。

「相手は打撃に隙があるとは思いました。クリーンヒットはしなくても、ブロックの上からでもパンチが当たって、手応えは感じていたんです。もちろんテムーレンのパンチの強さも感じました。それ以上に試合前からテムーレンのディフェンスが甘いと思っていたので、打撃戦も選択肢の一つにありましたね」

――前回のテムーレン戦の展開が、過去の神田選手の試合と異なっているように感じたのは、距離と手数です。これまではしっかりと距離を取り、細かく手数を出して相手を削っていくのが神田選手のスタイルでした。それがなぜ一気に距離を詰めたのかと……。

「実は相手の構えに驚いちゃったところがあるんです。過去の試合映像を視たら、テムーレンはオーソドックスで構えていたんですよね。でも試合で向き合ったらサウスポーで……。そのために距離の設定や戦術が変わり、焦ってしまったというのが正直なところです。とはいえ、テムーレンは打撃をスウェーでかわすところがあるし、自分から二つ三つと打撃を繋げていけば当たるんじゃないかと考えていました」

――そのスーパーマンパンチから神田選手が組みついたものの、テムーレンにマウントまで奪われました。神田選手は潜ろうとしたところ、返すことができませんでした。

「あれはテムーレンのトップキープが強かったですね。僕はハーフガードからワキ差しの展開を狙っていたのに対して、テムーレンのベースの強さみたいなものを感じました。試合ではモンゴル人選手がやっていなさそうなところを突いてやろうかと考えていて。イメージの話でしかないけど、グラウンドで勝負してみようと――そうしたら寝技も巧かったですね。三角からの腕十字もギリギリ逃げることができたぐらいで。僕も逃げるために結構、力を使いましたし。そういう柔術的な部分も強かったです」

――以降、テムーレンのバックコントロールが続きました。神田選手の代名詞である「神田返し」には幾つかのパターンがあるとお聞きしましたが、その神田返しを出すチャンスはなかったですか。

「出せなかったですねぇ。相手にも力を使わせて疲れる展開を作りたかったんですけどね。やっぱり爆発力がある選手なので、しつこくやっていこうとは今回も考えています。それがモンゴル相撲の文化なのかどうかは分からないけど、とにかく寝かせるところまでは頑張ってくると思うんですね。僕としてはグラウンドでゆすって、ゆすり続けて、空いた穴を突いていく。それは前回と同じです」

――すると組まれてバックを狙ってくるところを、どう崩すか。初戦では、いつも神田選手がやっていることを逆にやられたという印象でした。

「そうですね、分かります。でも僕としては、ガッチリ組まれて抑え込まれるという印象はなかったんですよ。コントロールされている時間は長いけど、かといって動けないわけではなかったので。あの状態から、いくつかの展開を探っていこうかと考えていました。それこそ投げを防ぐためにキムラで引き込んだりとか。そうやって探っていこうとしたところで、投げられてしまったんです」

――そのテムーレンとの再戦ですが、狙うのはグラウンドの展開ということですね。

「まだ寝てからの文化は、日本に埋まっているものがあると思います。だから僕は隙間産業を探し続けますよ(笑)」

<この項、続く

■視聴方法(予定)
6月11日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

6月11日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator022対戦カード

<バンタム級/5分2R>
フェルナンド(ブラジル)
今村豊(日本)

<バンタム級/5分2R>
秋田良隆(日本)
田中壱季(日本)

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠(日本)
廣瀬裕斗(日本)

<フェザー級/5分2R>
桑本征希(日本)
天草ストロンガー四郎(日本)

<バンタム級/5分2R>
藤原克也(日本)
別所竜弥(日本)

<フェザー級/5分2R>
ハンセン玲雄(日本)
徳野一心一馬(日本)

<Gladiatorバンタム級GP1回戦及びGladiatorバンタム級選手権試合/5分3R>
神田T-800周一(日本)
テムーレン・アルギルマー(モンゴル)

<Gladiatorフェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
河名マスト(日本)
パン・ジェヒョク(韓国)

<Gladiatorフェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
ダギースレン・チャグナードルジ(モンゴル)

<Gladiatorバンタム級GP1回戦/5分3R>
竹本啓哉(日本)
ジェイソン・マルガリョ(フィリピン)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級暫定王座決定T準決勝/5分2R>
森戸新士(日本)
網藤雄太(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級挑戦者決定T準決勝/5分2R>
世羅智茂(日本)
加賀谷庸一朗(日本)

<バンタム級/5分2R>
江田こうすけ塾長(日本)
溝口司(日本)

<ウェルター級/5分2R>
阿部光太(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<フライ級/5分2R>
江木伸成(日本)
空(日本)

<フェザー級/5分2R>
木村総一郎(日本)
藤岡陸(日本)

<ライト級/5分2R>
後藤丈季(日本)
水野翔(日本)

<ライト級/5分2R>
八木敬志(日本)
直島弘昌(日本)

<バンタム級/5分2R>
安枝匠(日本)
吉田開威(日本)

<ストロー級/5分2R>
田中優樹(日本)
武尊(日本)

<フライ級/5分1R>
MASATERU(日本)
塩谷尚也(日本)

<フェザー級/5分1R>
野口蒼太(日本)
西村剛(日本)

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Gladiator Gladiator022 KTT MMA MMAPLANET o Special UFC YouTube ダギースレン・チャグナードルジ テムーレン・アルギルマー パン・ジェヒョク ファーニー・ガルシア 中村倫也 河名マスト 海外

【Special & Gladiator022】中村倫也、韓国&モンゴル格闘紀行─02─「日本よりチームとして団結力がある」

【写真】あくまでもスパーリング。それでも中村倫也がテムーレンに払い腰で投げられ、サイドで抑え込まれたのは衝撃的だった…… (C)MMAPLANET

16日(火)から21日(日)にかけて韓国とモンゴルでシルム、テッキョン、モンゴル相撲を体験するともに、KTT、シャンダスMMA、マザーライMMAで6月11日のGLADIATOR022に出場する選手と肌を合わせた中村倫也インタビュー後編。

現地のMMAジムでの練習通し、感じた日本との差。さらにグラジにやって来る3選手をどのように中村は評したのか──。

<中村倫也インタビューPart.01はコチラから>


──6月11日のGladiator022で盟友の河名マスト選手とフェザー級王座決定T準決勝で戦うパン・ジェヒョク選手ともライトスパーで肌を合わせました。

「人間としては優しくて、温かくて。ファイターとしては基本がしっかりしています。基本がしっかりしている上で、スイッチもできる。相手にすると相当に厄介ですね」

──では続いてウランバートルではシャンダスMMAで通常の練習をして、同トーナメントでチハヤフル・ズッキーニョス選手と対戦するダギースレン・チャグナードルジとも組みました。

「シャンダスMMAでは最初の練習が1時間ちょいですかね、組みだけで。色々なスパーリングをしていて。MMAでいえば一番疲れる局面、その攻防を1時間以上やり続けて、そこでお互いがヘロヘロになった状態で打撃有りのスパーリングを始める。

モンゴル人選手の腰の強さは定評がありますけど、僕自身はそこに関しては先天的なモノが大きいという印象を持っていました。それが実際に練習をしてみて、あのような練習を毎日のように当たり前のようにやっているから培われたモノでもある。ああいうヘロヘロのなかでちゃんと集中して、激しいスパーリングができるのだから土壇場で絶対に強い。シャンダスMMAの練習を経験して、そう感じました。

ダギースレン選手は打撃のちょっと粗さは印象として残りました。でも日本人と比較すると体も強いですし、クランブル能力も……いや、う~ん……あの時、けっこう酸欠で誰と組んでいた時の印象なのか朧気ですね(笑)」

──ハハハハ。標高1350メートルのウランバートルで、いきなりの通常練習に参加したわけですし。

「ただダギースレン選手も人としては凄くソフトで、優しいのに身の内には相当な闘争心があるように思いました。モンゴル1発目で酸欠状態だったので、なんだかそういう風にしか覚えていないです(笑)」

──ではMMAとしては2発目の練習だったマザーライMMAでの練習と、バンタム級GP準々決勝兼GLADIATORバンタム級選手権試合の挑戦者であるテムーレン・アルギルマーとの打撃有りのスパーリングについての印象をお願いします。

「マザーライではウォーミングアップから手押しジャンプ、5分のシャドー連打とか当たり前のレベルが高いというところから始まりました。テムーレン選手と実際に組ませてもらったのですが、今回の出稽古では一番実戦に近い形でスパーをしてパンチとテイクダウンのミックスが凄く上手かったです。正直、面食らいました」

──倫也選手自身、この間にUFCデビュー戦の決まってファーニー・ガルシアとの戦いを頭に置いて手合わせをしていた感がありました。

「そうですね。そういうなかで首相撲を狙うと倒されて。そこからのコントロールも上手かったですね。打撃に関してもシャンダスMMAでは荒かったのですが、マザーライの選手は打撃がコンパクトで、全然違う国に来たような感覚になりました。テムーレン選手、本当に強いです」

──6月11日に来日する韓国、モンゴル人ファイター。現地で触れた総評をお願いします。ここはもう大会を盛り上げるとか、そのような忖度はない正直な言葉を。

「めちゃくちゃピンチだと思います(苦笑)。う~ん、やっぱりハングリーさを感じますし、2つの国、3つのジムで練習して日本よりもチームとして団結力があると思いました。日本のMMAジムでは自主性を重んじるという面が良い方向に作用するだけでなく、悪い面も出てしまっていると素直に感じました、今回実際に訪れて練習をさせてもらって。

KTTやシャンダス、マザーライのチームとしての団結力。彼らが日本にやってきて、その団結感がチラッと垣間見られた時──彼らと対戦する選手は怖さを感じるんじゃないかと思います。あのチームの一体感は。

と同時に大阪でやっているGLADIATORという大会が、ああいう外国人選手を招聘することは本当に意義深いと思います。何よりこれだけ力のある選手がやって来る試合が、それほど注目されていない。今後はもっともっと注目されて欲しいと思うし、これをどうやって多くの人に見てもらえるのかというのを……僕も今、考えています。

実際、日本のMMAプロモーションの多くが海外のビッグネームを呼ぶことなんて難しいじゃないですか」

──ハイ。

「そういうなかでGLADIATORが、こういうところに喰いついた。この3選手に限らず、こういう選手が日本までやってきた戦う試合って……大きな団体で見られる試合と比較しても勝る動きや、緊張感が絶対にあると思います」

──MMA LOVE純度の高い倫也選手だからこそ、そのように感じられるのかもしれないですね。

「何よりも人知れず、日本人選手が厳しい外国人選手を相手に鎬を削って戦っている。だから、僕としてはもっと、そういう試合を見て欲しいです。少しでも多くの人にパン・ジェヒョク、ダギースレン、テムーレンと戦う日本人選手に注目して欲しいです」

※中村倫也が体験した「韓国&モンゴル格闘紀行」の模様は後日、THE1TVでアップされ、6月22日発売のFight&Life誌で詳細レポートが掲載されます。

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Brave CF DEEP Gladiator Gladiator022 LFA MMA MMAPLANET o Road to UFC UAEW UFC Wardog   キック キ・ウォンビン ジャダンバ・ナラントンガラグ ダギースレン・チャグナードルジ チョ・ソンビン テムーレン・アルギルマー パンクラス パン・ジェヒョク 亀井晨佑 寿希也 河名マスト 福田龍彌 透暉鷹

【Gladiator022】フェザー級王座決定T=河名マスト✖失地回復パン、チハヤフル✖蒙古再襲来ダギースレン

【写真】マスト✖パン、チハヤフル✖ダギースレン。今回こそ、勝負が見たい──グラジエイターのアジア路線 (C)MMAPLANET

15日(月)、6月11日(日)に豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR022の対戦カードが発表され、フェザー級王座決定トーナメント準決勝戦2試合=河名マスト✖パン・ジェヒョク、チハヤフル・ズッキーニョス✖ダギースレン・チャグナードルジが組まれることが分かった。

1月のチョ・ソンビン&キ・ウォンビン、3月のニャムジャルガル・トゥメンデムベレル&テムーレン・アルギルマーに続き、韓国&モンゴル勢の襲来。そのチョ・ソンビンが返上したベルトの新しい持ち主が決まる決勝戦は、10月1日の次回大会に実施されることも明らかとなっている。

加えて、今回はMMAではグラジ初参戦の川名マスト、さらに生え抜きといっても過言でないチハヤフルが1年半振りの参戦──と、外敵に蹂躙されない迎撃手が用意されたといっても良いだろう。


昨年8月にLFAに挑むもアライア・ジョンズに敗れ、11月にネクサスの寿希也戦でもタフファイトを経験した河名。

Road to UFCの選考に漏れ、UAEWやBRAVE CFという中東を視野に入れていたが、その目的は国際戦であったため国内でのベルト獲りに舵を切った。

対するパン・ジェヒョクは昨年12月の横浜大会と4月の立川大会とパンクラス参戦し、フェザー級暫定KOP透暉鷹、続いて亀井晨佑に2試合連続でスプリット判定負けも喫している。どちらも接戦、とはいえ下記にある本人のコメントで話しているような亀井戦の勝利はない。

ただし透暉鷹戦でのテイクダウンを切る能力を河名にとっては非常に嫌な相手。また透暉鷹、亀井と直接比較されることになるRoad to ”Road to UFC”第一関門となる。

もう一方の準決勝戦に出場するチハヤフル・ズッキーニョスはキャリア7勝1敗、福田龍彌擁する京都のMIBURO所属の選手でグラジエイターではグラチャンとの合同興行を含め4連勝中、7つの勝利のうちフィニッシュ勝利が6試合ある。

グラジ参戦は1年半振りとなるが、この間にDEEP大阪大会、グラチャン、Wardogで3勝1敗という結果を残しての凱旋となる。ある意味、新しい時代を迎えたGladiatorにあって生え抜きのファイターだが、そのグラジで育った選手たちが国際戦で惨敗を喫する状態が続いている中で、どのようなファイトを見せることができるか──注目だ。

そして蒙古再襲来、ズッキーニョスと戦うダギースレンはジャダンバ・ナラントンガラグの一番弟子といって良い存在でMMA戦績は5勝0敗、MGL-1FCフェザー級チャンピオンだ。

モンゴル相撲、テコンドー、キック、ノーギグラップリングとMMAで実戦を積んできたダギースレンには、練習仲間ニャムジャルガルと同様に大会こそ準決勝イベントとなるがRoad to UFCのワンマッチでのオファーがあった。ただし、ワンマッチ戦での勝利をどこまでUFCが評価するかは不明で、師ナラントンガラグが自身のキャリアを顧みて日本で経験を積むことを進言したという。実力未知数のダギースレンだが、ニャム&テムと同様の力を持つのであれば王座決定トーナメントの優勝候補に考えられるだろう。

ここに勝てば──来年のRoad to UFC出場に近づく可能性は十分であることは、グラジ過去2大会を見ても明らかだ。そんなステップアップがかかった王座決定トーナメントに挑む4選手がプレスリリースに寄せたコメントは以下の通りだ。

ダギースレン・チャグナードルジ
「トーナメントに呼んでもらえたこと、とても嬉しく思っています。そして、自分が新チャンピオンになると信じています。自分は目指している目標に向かって毎日練習に励んでいます。今回のトーナメントでは練習で培ったものを全て出して、自分がどれほど強い人間かということを見せつけるつもりです。

6月11日に対戦するチハヤフル・ズッキーニョス選手、しっかり練習してきて下さい。そして、火の出るような熱い戦いをしましょう!」

チハヤフル・ズッキーニョス
「Gladiatorでチャンスをもらえたことが僕の格闘家としての始まりです。このところ他団体に参戦していましたが、トーナメント出場という形で戻って来ることができて嬉しく思います。僕が離れている間にも選手層が広がり、急激にレベルが上がっていると感じます。

今回のトーナメントも強者が集うと思いますが、これに勝ち抜いて優勝したときには間違いなく王者に相応しい男になっていると確信しています。正直な話、これまでにGladiator初参戦の選手がいきなりタイトルに挑戦してベルトを持っていくのを見ていて、面白くありませんでした。

その点、今回はトーナメントなのでドロドロの潰し合い、人生の奪い合いになると思います。それでこそのベルト、それでこその格闘技だと思うので、開催してくれたことに感謝です! 目の前の相手を片っ端から倒して、僕が1番グGladiatorのベルトが似合う男だと証明します!」

パン・ジェヒョク
「パンクラスで2連敗中にもかかわらず、今回Gladiatorのフェザー級王座決定トーナメントに参戦できるようになりました。まずタイトルを得られるチャンスを与えてくれたGladiatorの皆さんに感謝の気持ちを伝えたいです。

自分が出来る最高の試合で盛り上げることが、恩返しだと思っています。今回のGladiator初陣では必ず相手を仕留めてみせます。実際、パンクラスでの2試合とも自分の勝ちだと思っています。だからこそGradiatorの皆さんも、自分にこの大きなチャンスをくれたと理解しています。

透暉鷹選手には2-1、亀井選手には3-0で勝ったと思っています。透暉鷹選手との再戦が決まったと思っていましたが、亀井選手と試合をすることになりました。あの試合では有効打撃、ダメージともに自分でした。なぜ、あのような結果になったのか未だに理解できないです。Gladiatorのベルト取った後で、透暉鷹選手と亀井選手にはリベンジをしたいと思っています。

今回戦う河名マスト選手は、日本のグレコローマンレスリンクのエリートだと聞いています。試合映像をチェックしましたが、それだけのことはあって力も相当あるし、打たれ強い良い選手だと思います。残念なのは、自分のように派手なファイトで観客を盛り上げられる能力が足りません。なので、彼を相手にしてどうすれば観客の皆さんが盛り上がるのかを教えてあげます。

本来、自分は派手で面白い試合をしようとしてきていましたが、最近は勝ちに拘り良い結果を残せなかったです。なので、河名選手との試合では過去最高レベルで積極的にフィニッシュを狙うつもりです。自分に大きなチャンスをくださった櫻井代表に感謝しています。出来る限り、面白い試合をしてベルト取るので、応援よろしくお願いします」

河名マスト

「自分のためのトーナメントだと思っています。勝ちます」

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Gladiator Gladiator021 MMA MMAPLANET o ONE Special ジャダンバ・ナラントンガラグ ダギースレン・チャグナードルジ トゥルバヤル・フレルバートル 海外

【Special】アジアの今:モンゴル(01)ダギースレン・チャグナードルジ「子供の頃、家畜と格闘していた」

【写真】ニャムジャルガルはMGL-1FCフライ級王者。テムーレンはバンタム級挑戦者決定戦で勝利。そしてダギースレンはフェザー級王者……(C)MMAPLANET

2023年に入り、J-MMA界で顕著になりつつある現象がある。韓国、モンゴル、フィリピン、そしてキルギスとアジア諸国からフィジカルに優れ、打撃に強く、組み技の技術も習得している選手が来日し、日本人ファイターにとって郷里になりつつある。

そんなアジアの今──とはいっても昨年12月から今年の1月にかけて取材した──を、フィリピン、韓国、モンゴルからインタビュー形式で紹介していく。

第1回は26日(日)のGladiator021に来日した2選手が、衝撃的な勝利を収めたモンゴルからMGL-1FCフェザー級王者ダギースレン・チャグナードルジの登場だ。

1月28日(土・現地時間)にウランバートルのクロカス・イベントホールで開催されたMGL-1 FC19のメインで、トゥルバヤル・フレルバートルをパウンドアウトしベルトを巻いた直後に訊いたダギースレンの言葉をお届けしたい。


──おめでとうございます。チャンピオンになった気持ちを教えてください。

「ありがとうございます。長い時間、この試合に向けて練習してきたので本当に嬉しいです」

──前王者で同門のエンフオンギル・バートルフー選手がRoad to ONE Mongoliaに出場して優勝。同じ階級でジムメイトの活躍を眺めていないといけなかった時はどのような気持ちでしたか。

「チームメイトなので、もちろん頑張ってほしいという気持ちはありました。エンフオンギル選手がRoad to ONEで優勝してベルトを返上したことで、自分はタイトルマッチを戦えました。まず順序としてモンゴルでチャンピオンになることです。ですから、このような形でチャンピオンになれたことを凄く嬉しく思っています」

──シャンダスMMAを訪れた時、師匠のジャダンバ・ナラントンガラグが「今後モンゴルで一番期待できるのは、ダギースレンだ」と言っていました。

「素晴らしい先生から、そのように言ってもらえたことは今後の励みになります。ただ、その言葉は自分が必死に練習していることを踏まえてのことだと思うので、これからも今まで以上に頑張って練習していきたいです」

──初めてモンゴルでMMAジムを回らせてもらったのですが、自分たちからすればモンゴル人選手のフィジカルは頭抜けていて、気持ちも強いと感じます。ただ、関係者の多く人が「ウランバートルの人間は弱い。力があり、バランス感覚に優れた遊牧民の選手たちこそ、モンゴルの未来になる」と言われていました。そしてダギースレン選手の家族は遊牧民だと聞きています。

「ハイ。自分の家は山岳地帯にある遊牧民の家庭です。今日も父親は家畜の世話があるので会場に来ることができず、母だけが応援しにきてくれました。遊牧民の子供は小さい頃から、当然のように家畜と触れっているので、体は強いと言われています。自分の場合は標高の高いところで生まれ育ったので、ウランバートルと違い空気が綺麗でした。そこで家畜と一緒で育ってきたので、肺活量が高いと思います。スタミナがあって、疲れない体質です。そういうことを自分の利点として理解した上で、MMAの技術を習得していけばMMAファイターとして大きな成功を収めることは可能でないかと思っています」

──遊牧民として、強さの源は空気なのですね。

「空気も重要です。それと自分は遺伝も関係しているのではないかと思っています。父親がモンゴル相撲の力士で、凄く強かった。その血を自分は受け継いでいます」

──ダギースレン選手自身もモンゴル相撲をやっていたのですか。

「実はそんなにやっていないです(笑)。子供のころは家畜と格闘していました」

──素晴らしい話です。実は師匠のトンガー(ナラントンガラグ)にモンゴル人の強さの秘密を尋ねると、岩塩と馬のアキレス腱を食べることだと言っていたので……この質問をしたのですが、モンゴルの食生活も変わったのかもしれないですね。

「……。そうですね、先生とは時代の違いがあるかもしれないです(苦笑)」

──アハハハハ。さきほど名前の出たエンフオンギル選手はONEと契約し、トンガーのレガシーを継ぎます。ダギースレン選手は今後のキャリアをどのように考えていますか。

「今日、MGL-1FCというモンゴルのチャンピオンになることができましたが、世界的に見れば小さな団体のチャンピオンです。今後は大きな大会で試合をしたいので、その前には海外の大会で経験を積みたいと思っています」

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MGL-1FC19 MMA MMAPLANET o ONE ダギースレン・チャグナードルジ トゥルバヤル・フレルバートル ブログ

【MGL-1FC19】ONEと契約の兄弟子のベルトを──トゥルバヤルを初回KOしたダギースレンが継ぐ

【写真】荒いが、殺傷能力の高さは抜群。草原の化身ダギースレン(C)MMAPLANET

28日(土・同)にモンゴルはウランバートルのクロカス・イベントホールでMGL-1 FC19が開催された。

Mongolian Best Fighter’s Association主催の同大会は、デビュー戦中心の雪原のYoung Blood大会の趣が強かった。そんな同大会から、メインのMGL-1FCフェザー級王座決定戦の模様をお届けしたい。


<MGL-1 FCフェザー級王座決定戦/5分3R>
ダギースレン・チャグナードルジ(モンゴル)
Def.1R2分55秒by TKO
トゥルバヤル・フレルバートル(モンゴル)

前王者エンフオルギル・バートルフーがRoad to ONE Mongoliaで優勝し、ONEと契約したことによって組まれた王座決定戦。ダギースレン・チャグナードルジはジャダンバ・ナラントンガラグが指導するシャンダスMMA所属で、エンフオルルギルのチームメイトだ。兄弟子にRoad to ONE Mongolia出場を譲った形だったため、是が非でも──同じくRoad to ONE Mongoliaに参加し、過去にはエンフオルギルが破っているトゥルバヤルに勝利したいところだ。

オーソドックス同士、ダギースレンが距離を詰めて右から左フックを伸ばす。右に回ったトゥルバヤルは逆にセンターを取るが、ダギースレンのワンツーから右を下がってかわす。

ここでトゥルバヤルも足を蹴っていくもののダギースレンの左の関節蹴り気味の攻撃を嫌がってか、拳の攻撃は少ない。頭を振って前に出るダギースレン、回るトゥルバヤルという展開が続き、足への攻撃を含め前者が手数で試合をリードした。

右回り基調のトゥルバヤルに対し、右スピニングバックキックを伸ばしたダギースレン。さらに右に移動するトゥルバヤルの左足を左インサイドローで削っていく。続いてに右の蹴りに右を合わせて行ったダギースレンは、右カーフを蹴られた後の近距離の打ち合いでも圧で優る。

右オーバーハンド気味のストレートを当てたダギースレンはプレッシャーを強め、トゥルバヤルを動かせる。と両足が揃い気味のトゥルバヤルの左に右ストレート一閃。腰から崩れ落ちたトゥルバヤルの顔面に右のパウンドを連打してTKO勝ちを決めた。

兄弟子のベルトを引き継いだダギースレンは、師や練習仲間──そして生まれ故郷から応援に駆け付けた母親と勝利を喜んだ。

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【MGL-1FC19】試合結果 トンガ―の愛弟子、草原の化身ダギースレンが新フェザー級王者に

【写真】師ジャダンバ・ナラントンガラグと同じ遊牧民で祖父、父はモンゴル相撲で活躍したという草原の化身ダギースレン・チャグナードルジが新フェザー級チャンピオンに (C)MMAPLANET

28日(土・現地時間)、明日28日(土・同)にモンゴルはウランバートルのクロカス・イベントホールでMGL-1 FC19が開催された。

ジャダンバ・ナラントンガラグがメンバーのMongolian Best Fighter’s Association主催の同大会は、マーキー・ナイトクラブから急遽会場が変更され、5時スタートながら10時より同会場が通常のクラブとして営業が始まるために、試合の合間のアトラクション的な催しは一切省かれコンパクトな進行で進んだ。

メインのMGL-1 FCフェザー級王座決定戦では、タフファイトが予想されるなかダギースレン・チャグナードルジがトゥルバヤル・フレルバートルを右ストレートでダウンを奪い、初回でパウンドアウトしベルトを腰に巻いた。

今大会の詳細レポートは後日アップとし、ここでは試合結果をお伝えしたい。

第7試合で組まれていたフライ級戦でジャンチウニャムボー・バットチョローンと対戦予定だったダワースレン・オーガンビレグは計量会場に姿を見せず行方知れずとなっていたが、前夜に連絡が取れ計量もパス。この一戦は無事、実施されることになっていたが、結局ダワースレンは試合会場に現れずキャンセルに。イベント開始直前まで、ケージのなかで調整を行っていたジャンチウニャムボーはダワースレンに振り回され気の毒なばかりだった。


<MGL-1 FCフェザー級王座決定戦/5分3R>
ダギースレン・チャグナードルジ(モンゴル)
Def.1R2分55秒by TKO
トゥルバヤル・フレルバートル(モンゴル)

<バンタム級/5分3R>
ムンフジャルガル・バットスフ(モンゴル)
Def.3R2分13秒by TKO
テムージン・オラントゥグス(モンゴル)

<ライト級/5分3R>
エンフトルガ・ガンボルド(モンゴル)
Def.1R0分15秒by TKO
トルガバット・ウルズィージャルガル(モンゴル)

<バンタム級/5分3R>
ウスフイレードゥイ・バータルホヤグ(モンゴル)
Def.1R1分30秒by RNC
ムンフジャルガル・ガンホヤグ(モンゴル)

<ライト級/5分3R>
ナランダライ・ツェレンダグワ(モンゴル)
Def.2R1分04秒by RNC
チョイジャムツ・ホルトソンツェツェグ(モンゴル)

<フライ級/5分3R>
アルタンスフ・バットジャルガル(モンゴル)
Def.1R3分08秒by RNC
スフエルデネ・エルデネツォグト(モンゴル)

<フェザー級/5分3R>
マルガドエルデネ・バットジャルガル(モンゴル)
1R3分34秒by RNC
アンフバヤル・チョローンバートル(モンゴル)

<バンタム級/5分3R>
ナンジド・ガンボルド(モンゴル)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
バットジャルガル・バルガン(モンゴル)

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【MGL-1FC19】計量終了 電気代滞納で電気が止められ会場変更。1選手が連絡が取れない状態に?!!!!!

【写真】トゥルバヤル・フレルバートル(左)とモンゴルの朴光哲(??)ことダギースレン・チャグナードルジは揃って大会前日MMAスパーを行っていたが、無事計量を終えた(C)MMAPLANET

27日(金・現地時間)、明日28日(土・同)にモンゴルはウランバートルのマーキーナイトクラブ・ウランバートルで開催予定だったMGL-1FC19の計量が、同地のシャンダスMMAジムで行われた。

開催予定だった――というも、大会2日前になってイベント会場がクロカス・イベントホールに変更されたからだ。その変更理由というのが、マーキー・ナイトクラブが電気料金を滞納し続け、ついにはウランバートル当局から送電を止められてしまい使用不可能になってしまったという日本では信じられないモノだ。

計量も同会場からジャダンバ・ナラントンガラグが指導するシャンダスMMAに変更されて実施された。


スタートは午前9時ということだったが、その前からジムに着いていた選手たちは主催者立ち合いの下でスケールへ。予備計量と思いきや、体重を測った選手たちはすぐにおかゆやスープなど食事をとり始めた。

9時開始というのはセレモニアル計量で、本計量はそれ以前に対戦相手陣営の確認なしに執り行われていたことになる。

そして全9試合、18人の出場選手中17人が問題なくパスし、第7試合のフライ級戦でジャンチウニャムボー・バットチョローンと対戦予定だったダワースレン・オーガンビレグが計量会場に姿を見せず、連絡も取れない状態のままセレモニアル計量&ファイスオフは終わった。

計量前日、ウランバートルにある3つのMMAジム=シャンダスMMA、ONEチーム、ガルーダMMAを取材したが、3つのジム全てで翌日に計量を控えた選手がサウナスーツを着込み、ミット打ちだけでなくスパーリングで顔面を当て合うような練習が確認された。

水抜きで体重を落とし、計量前日は基本休息。マス以上のスパーリングをすることなど、ほぼ見られないのがMMAの現実と思われていたが、そうでない世界がモンゴルMMA界には存在した。計量会場に現れた選手たちの計量失敗はなかったのもの水抜き等でギリギリまで落とすのではなく、リミットにはやや余裕の感じられる選手たちが多い――そんなMGL-1FCの計量風景だった。

■ MGL-1FC計量結果

<MGL-1 FCフェザー級王座決定戦/5分3R>
ダギースレン・チャグナードルジ:65.7キロ
トゥルバヤル・フレルバートル:66.0キロ

<バンタム級/5分3R>
ムンフジャルガル・バットスフ:60.5キロ
テムージン・オラントゥグス:61.2キロ

<フライ級/5分3R>
ジャンチウニャムボー・バットチョローン:56.5キロ
ダワースレン・オーガンビレグ:――キロ

<ライト級/5分3R>
エンフトルガ・ガンボルド:69.6キロ
トルガバット・ウルズィージャルガル:68.5キロ

<バンタム級/5分3R>
ウスフイレードゥイ・バータルホヤグ:69.6キロ
ムンフジャルガル・ガンホヤグ:68.5キロ

<ライト級/5分3R>
チョイジャムツ・ホルトソンツェツェグ:70.0キロ
ナランダライ・ツェレンダグワ:68.8キロ

<フライ級/5分3R>
アルタンスフ・バットジャルガル:56.7キロ
スフエルデネ・エルデネツォグト:57.0キロ

<フェザー級/5分3R>
アンフバヤル・チョローンバートル:65.5キロ
マルガドエルデネ・バットジャルガル:65.7キロ

<バンタム級/5分3R>
バットジャルガル・バルガン:60.5キロ
ナンジド・ガンボルド:60.2キロ

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