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【ONE Only the Brave】タン・カイ戦へ、キム・ジェウン「氷が張った河の上を歩くような」戦いの流儀

【写真】この考えで打撃戦で挑むことができるのは、精神的な才能の持ち主といえるだろう (C)ONE

28日(金・現地時間)に、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Only the Braveで、フェザー級の非常に興味深い韓中対決=キム・ジェウン×タン・カイが組まれている。

昨年9月に前ONE世界フェザー級王者マーチン・ウェンを下したキム・ジェウンは、その戦果も一つのステップと考えている一方で、自信を深めたことは間違いない。サークルケイジで5連勝、ここ2試合は高橋遼伍、ユン・チャンミンを相手に殺傷能力の高さを見せつけているタン・カイに対して、「自分に近いレベルの選手と戦っていない」と断言。それでいて力の差があると言い切りながら、どちらに転ぶか分からない打撃戦を所望するキム・ジェウンの戦いの流儀──とは。


──タン・カイとの試合が近づいてきました。今の気持ちを教えてください。

「精神的には全く問題ないです。これが初めての経験ではないですし、タン・カイと戦うことで何かあるとか全くないので。ただしコンディションは最高です。過去最高と言えます」

──今、オミクロン株で世界中でコロナ感染者数は爆発的に増えていますが、今回の試合の準備に影響はありましたか。

「正直、コロナの影響はまるで受けていません。試合に向けての準備は、コロナ以前と何も変わらないです。トレーニングに関しては、何も影響はないと言えます」

──ところで9月にマーチン・ウェンに勝利しました。キャリア最大の勝利と言えるかと思いますが、元世界王者に勝った試合はどのような意味があるでしょうか。

「マーチン・ウェンは常に戦いたい相手でした。自分のキャリアで最も重要な試合だったと言えます。ただし、終わってしまうと他の試合と変わりなく何でもないことです。間違ってほしくないのですが、マーチン・ウェンが何もないと言っているのではありません。彼は偉大なファイターで、試合前は恐怖も感じていましたし、本当に自分にとって強大な対戦相手でした。

ただし、試合に関しては終わってしまったことなので、過去の全ての試合と同じように自分がステップアップするための1つの戦いでしかないです。良い経験になった……良い思い出の試合ですね、今となっては」

──なるほど過去の勝利は、今回の試合に関係ないというスタンスなのですね。ではタン・カイの印象を教えてください。

「ストライカー、それだけです」

──……。確かに打撃系ファイターです(苦笑)。彼の勝負所でのフィニッシュまでの詰め方は、たいしたものだと思います。

「う~ん、確かにその通りだと思います。でも、彼はこれまで誰にそういう勝ち方をしてきましたか。タン・カイの対戦相手に自分のようなレベルの選手がいたでしょうか? 彼の対戦相手は自分と同等どころか、自分に近いレベルの選手もいなかったです。それが私の答です。どうでしょうか?」

──だからこそこそ、楽しみですよね。キム・ジェウンを相手に、タン・カイがこれまでのようなパフォーマンスを見せることができるのか。キム・ジェウン選手自身は、タン・カイに対してどのようなアドバンテージを持っていると考えていますか。

「タン・カイはストライカーですが、自分の方が打撃の感性で上回っています。打撃の幅も自分の方があります。打撃戦なるでしょう。その準備もしてきましたし、自分と打ち合ってくるなら歓迎します。そしてタン・カイが組みで勝負してきたとしても、自分の組み技の域まで彼は達していないです。

どの局面でも戦いますが、そうですね……自分よりレスリングが強い相手に、レスリングで勝負しても絶対に勝てないです。ただし打撃戦はいくら自分の方が優れていても、一つ何か小さなミスを犯すと、倒される危険性があります。打撃戦は思い通りにいかないです。氷が張った河の上を歩くようなモノで、いつ氷が崩れてしまうか誰にも分からない。だから、打撃戦が好きなんです。そういう戦いをエンジョイしています。タン・カイとも殴り合いたいです」

──おぉ、組みでも勝てるのにそのスリルを求めるということですか。この試合の勝者は次期挑戦者になる可能性が高いです。そしてONE世界フェザー級王者タン・リーは、ゲイリー・トノンの挑戦を受けることが決まっています。その世界戦、どちらが勝つと思っていますか。

「正直に言えば、試合予想をすることに関心が持てないです。どの試合でも勝者と敗者が生まれるので。現状、タン・リーもゲイリー・トノンもMMAファイターとしての完成度は半分だけです。ハーフ・ミックスト・マーシャルアーチストでしかありません。タン・リーはただのストライカーで、トノンはグラップラーです。どちらもコンプリート・ファイターではない。スタンドで決着がつけばタン・リー、寝技になればゲイリー・トノンが勝つ。そういうしかないです」

──では、挑戦するならどちらと戦いたいですか。

「気にしてないです。ただし、ファンが喜ぶ試合になるのはタン・リーとの試合です」

──分かりました。では今大会、裏メインという声も挙がっている日本のMMAファンに意気込みの程をお願いします。

「自分が日本のファンにいつも伝えているのは、牛丼が大好きだということです(笑)。とにかく勝ち負けに関わらず、戦いを見てもらいます。自分にとって一番大切なことは、素晴らしい戦いを皆に見てもらうことです。自分がなりたいファイター像とは、ファンが対戦カードでキム・ジェウンの名前を見つけると『おお、絶対に面白い試合になる』と思ってもらえるようなファイターです。日本のファンの皆さんに約束します。この考えが変ることは決してないですし、絶対にベストを尽くして戦い続けます」

■放送予定
1月28日(金・日本時間)
午後7時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後7時30分~ONE Super App

■ONE Only the Brave対戦カード

<キック・フェザー級ワールドGP準決勝/3分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
ダビット・キリア(ジョージア)

<キック・フェザー級ワールドGP準決勝/3分3R>
ジョー・ナタウット(タイ)
チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
タン・カイ(中国)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(キルギス)
ラスラン・エミルベク(キルギス)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチッチ(セルビア)
フランシェスコ・エクシャジャ(アルバニア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
箕輪ひろば(日本)
ジャレッド・ブルックス(米国)

<キック・フェザー級ワールドGP補欠戦/3分3R>
イヴァン・コンドラチェフ(ロシア)
ドビダス・リムクス(リトアニア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
ワン・シュオ(中国)

<ウェルター級(※77.1キロ)/5分3R>
手塚裕之(日本)
エジソン・マルケス(ブラジル)

<キック・108キロ契約/3分3R>
ポール・エリオット(英国)
アンダーソン・シウバ(ブラジル)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
プレウ・オトゴンジャルガル(モンゴル)
ミカエル・デ・ジェズウス(ブラジル)

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【ONE Only the Brave】ワン・シュオ戦へ、和田竜光―02―「ストロー級にトライしてみたいというのは…」

【写真】金曜日の夜、このようにやり切ったという表情を浮かべることに期待 (C)MMAPLANET

28日(金・現地時間)に、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Only the Braveで、ワン・シュオと対戦する和田竜光インタビュー後編。

「負けたのはDJだけ」と公言する和田が、視野にいれているストロー級転向。その理由を尋ねると、全ての試合に通じる和田のファイト感が伝わってくる。やりたいことをやる。したいことを続けるには勝利が必要で、やりたいことができていれば自ずと勝利を手にすることができる。ポテンシャルに相応しい成果をワン・シュオ戦で手にすることができるのか。和田の戦いの流儀を引き続き訊いた。

<和田竜光インタビューPart.01はコチラから>


──ONEのルールを考慮して、下になっても何もさせなければ良いという風なスパーリングになることもあるのでしょうか。

「そうことはあんまりないッスね。ONEの裁定を意識した練習というのは、ないです。そこで終わりではないですから。練習っていうのは今日やって、明日も続くものなので。練習で固めたりするってことはほとんどないです。上久保君とやっていて、立ち上がれないということはいっぱいあっても(笑)。もう、ステイするしかないってぐらい固められてしまうのですが、それ以外は動いています(笑)」

──アハハハ。下になって動かず、パンチをチョコチョコ打つ練習をして強くなれるとは思えないですしね。ところで竹中選手との試合前に56キロ──ONEでいうストロー級で戦うことも視野にあると言っていましたが、その辺りに関しては?

「それは竹中選手との試合後も考えています。今回も厳しい減量というのはなくて、健康的な生活をして落とせています。今後、どうなっていくのか分からないのですが、ONEの計量も以前は2日前と前日だったのが、コロナになってからは前日だけになっているので、ストロー級でも全然戦えると思います。

僕はジャレッド・ブルックスはパシオより強いと思っているのですが、『ジャレッド・ブルックスは俺のことコントロールできるのかな』とか、試してみたいのはあります」

──ストロー級だとまた対戦相手は新しくなる。そういう興味もありますか。

「それもありますし、シンプルに骨格とか体の面でも──チビッ子たちの中に入った方が、やっぱり有利じゃないですか。階級を上げてチャンピオンを目指す方が恰好良いと思います。だから体重を下げて、小さい選手のなかで勝って何が面白いんだって感じる人もいるかと。でも、そういうもんだから。自分がチャンピオンになりやすい環境で戦うことや、自分の得意なことを生かすうえでもストロー級にトライしてみたいというのはちょっと考えています」

──ブルックスやマスンヤネを和田選手が封じ込むことができるのか、そこは非常に楽しみです。と同時にフライ級でもカイラット・アクメトフなどまた当たっていないトップ選手との試合が見てみたいという気持ちもあります。

「やってみたいです!! フライ級の選手達と戦って、手に負えないからストロー級に行こうかというんじゃ決してないんで。だから即ストローへっていう決定ができていないんです。フライ級でも別に戦えるので」

──仰る通りです。

「そもそも俺、DJにしか負けていないし」

──アハハハハ。

「戦績はトントンになってしまっていますけど、DJにしか負けていないのでフライ級でもやれるというのはあります」

──フライ級で戦績を整ええると、ストロー級に転向した際に一足飛びでトップと当たることができる。そういう考えもできますね。

「ストロー級にしますってハッキリ言わないのは、フライ級でやっていきたいという気持ちがあるからだと思います。決めたら、即行動に移すので。ただ気分もすぐに変わる性質なのですが、決めたら──やります。だからもうちょっとフライ級でやろうとは思っているのですが、この試合次第というのもあります。

フライ級で負けたから行くっていうことではないので。今回の試合からストロー級でも良かったですし、自分の気分がストロー級になれば行きます。実際、竹中選手に勝ってもストロー級に落とすことを考えていたように。そもそもバンタム級だったので、昔は(笑)」

──だからこそ、今回の試合でしっかりと勝利を手にするためにどのような試合をしたいと考えていますか。

「作戦とかはいつもないのですが、自分でやりたことはあるので、組んでから倒して極めたいです。コントロールして極めたいし、パンチとか蹴りも出したいというだけです。相手がこういう選手だから『こうしよう』というのは何となくはありますけど、そのための練習とかはしていないですし。自分が今までやってきた練習のなかで、その局面、局面で使えるものを選択して戦います」

──ではワン・シュオを想定して、されたくなりことは?

「蹴られたくないです。蹴られるのは嫌なので、蹴られないようにプレッシャーを掛け、蹴られないようにディフェンスしたいですね」

──今回の試合には関係ないのですが、カイ・カラフランスがコディー・ガーブラントをKOした。その事実に関して、どのように思っていますか。

「へへへ。そうッスね。UFCもチャンピオン、1位、2位ぐらいまで……その下の選手ならONEの選手でも全然勝負することができると思います。ブランドン・モレノとか強いと思いますけど、どれだけ差があるのかというのもあるし。だから、それより下の選手とかはみんな、勝負できるって思います。

カイ・カラフランスがあの時と比べてどれだけ強くなっているのかっていえば、試合を見ていてもそんなに強くなっているようには感じないです。今、やっても普通に勝てそうだと思っているので。ただ、カイちゃんがコーディーに勝ってくれたおかげで、自分の株が爆上がりしているので、いつも応援しています(笑)」

■放送予定
1月28日(金・日本時間)
午後7時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後7時30分~ONE Super App

■ONE Only the Brave対戦カード

<キック・フェザー級ワールドGP準決勝/3分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
ダビット・キリア(ジョージア)

<キック・フェザー級ワールドGP準決勝/3分3R>
ジョー・ナタウット(タイ)
チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
タン・カイ(中国)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(キルギス)
ラスラン・エミルベク(キルギス)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチッチ(セルビア)
フランシェスコ・エクシャジャ(アルバニア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
箕輪ひろば(日本)
ジャレッド・ブルックス(米国)

<キック・フェザー級ワールドGP補欠戦/3分3R>
イヴァン・コンドラチェフ(ロシア)
ドビダス・リムクス(リトアニア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
ワン・シュオ(中国)

<ウェルター級(※77.1キロ)/5分3R>
手塚裕之(日本)
エジソン・マルケス(ブラジル)

<キック・108キロ契約/3分3R>
ポール・エリオット(英国)
アンダーソン・シウバ(ブラジル)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
プレウ・オトゴンジャルガル(モンゴル)
ミカエル・デ・ジェズウス(ブラジル)

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【ONE Only the Brave】ブルックス戦へ、箕輪ひろば―02―「パシオ、ブルックス、ボカン、僕が四強」

【写真】有言実行がマスト──厳しい戦いは覚悟のうえだ (C)TSP

28日(金・現地時間)に、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Only the Braveで、ジャレッド・ブルックスと対戦する箕輪ひろばインタビュー後編。

修斗の世界チャンピオンの強さを示すために目指す、ONE世界ストロー級のベルト。箕輪は「ONEストロー級チャンピオンが、世界で一番」とそのベルトの価値を断言する。世界王者ジョシュア・パシオに挑戦するために落とすことはできないブルックス戦に向けて、箕輪は打・投・極の回転で勝負する。

<箕輪ひろばインタビューPart.01はコチラから>


──修斗のチャンピオンの強さを示すためにONEストロー級で世界を獲る。そのためにジャレッド・ブルックスに遅れをとることはできません。改めて1度は流れたブルックス戦が決まったのは、いつ頃だったのでしょうか。

「12月の半ばだったと思います。最初はボカン(マスンヤネ)だったのが、ボカンは南アフリカなのでオミクロン株の影響でシンガポールが入国制限をしていて(※12月27日に制限を解除)、試合ができなかったので」

──今回、試合前に強化週間が重なっていましたが、その間に出稽古の方は?

「行っていなかったです。プロ志望だった子が辞めていくのは、技術面ではなくて体力面で僕のレベルに合わせた練習についていけないからなんです。そこを乗り越えられる選手の子たちは、強化週間に出て良い練習ができていると思います。あの間、僕は僕で良い練習ができました。

普段、トライフォース赤坂でスパーリングをしている時間は、強化週間中もスパーリングに当てて。場所が変わっただけで、やっていることはそんなに変わっていなかったです」

──……。

「確かに出稽古で練習している選手たちほど、合宿に集まってきている子たちは強くないです。だからこそ、ブルックス戦を想定して自分で色々とはめ込んで練習してきました。あと年末年始は代表がずっと練習に来てくれるので、阿部代表と色々と話し合えてブルックス戦のことを考えることができました。

合宿は5日に終わったので、それからはトライフォース赤坂さん……出稽古はトライフォースだけですね。ただ東洋大学のレスリング部のコーチと選手がウチに来て、レスリングを教えてくれるんです。今日も今から、東洋でインカレに出ている人たちとの練習です」

──あぁ、箕輪選手が出向くのではなくて、来てくれる環境になったのですね。

「そうですね。これだけ良いジム、施設を整えた理由はそこにあったんです。その辺りのことを考えて、ジムのプロデュースは僕の方で色々とやらせてもらっている形です。自分の練習をしやすい環境、それとジュニアが参加しやすいプログラムを今、やっています」

──大したモノです。ところでリト・アディワン戦を見て、ブルックスをどのように思いましたか。

「普通に強いです。いつも試合前のインタビューで、相手ことを尋ねられても自分は『強い』としか言ってこなかったですよね(笑)。やっぱりONEに参戦してくるストロー級の選手は皆、強いです」

──単純に比較できないですが、箕輪選手は腕関節が危なかったスプリット判定勝ちで、ブルックスは肩固めの一本勝ちをしています。それだけでもブルックスは強いという印象を持ちます。

「間違いなく強いです。ただ僕としては、僕の試合を見たからあれだけレスリングに振ることができたんでしょって言いたいです。僕とアディワンの試合を見ていなければ、もっと探る必要があったはずです。強いなって思ったのと同時に、『俺とアディワンの試合をメチャクチャ研究してきたな』って感じました。アディワンがテイクダウンを切れない、腰が強くないと分かっていた試合でした。

僕と戦うまで、アディワンは腰が強いと思われていたはずなので。腰が強いハードパンチャー、バケモノだっていうイメージがあったけど、僕との試合があったのでそれほど腰も強くない、寝技の技術もあまりないということが分かって、ブルックスはあの試合ができました」

──要約すると、あの一本勝ちは箕輪ひろばが創ったと。

「まぁ、そうですね。僕はあの試合が出る前に、ああいう風にハメることができたんで。仮にブルックスが、あの試合を見て僕を研究しているなら『あんまり侮んなよ』って話です」

──そこまで言い切れるのは? 絶対に負けないという部分はどこだと思っていますか。

「ブルックスはレスリングがメチャクチャ強いと思います。それで言うなら、僕は根っからの修斗スタイルで打・投・極の回転という部分で総合を10年以上やってきたので。北米スタイルに対応できるMMA能力は、僕や今出てきている若い世代はかなりあると思っています。そこがブルックスに優っている要素ですよ」

──ブルックスの方が世界ストロー級王者ジョシュア・パシオよりも強いという声もよく聞かれます。

「格闘技って三段論法は成り立たないと思うんです。そこは直接対決をしないと分からない部分があるはずです。ただ、僕とブルックス、パシオは三つ巴になる可能性もありますし、それこそ本当に勝ったり、負けたりがあると思うので、この3人で誰が強いかは戦ってみないと分からないです」

──つまり箕輪選手はパシオ、箕輪、ブルックスがONEストロー級の三強だと。

「あとボカンも、ですね。ボカンとパシオ、ブルックス、僕です。アディワンも入って来るかと思っていましたけど、僕とブルックスに負けて完全に穴が見えましたのでこの4人です」

──ONEのストロー級は正味、世界一ですね。ストロー級で、世界中から選手が集まっているのはONEだけなので。

「競争率はめちゃくちゃ高いです。これから下の選手もバンバンチ力をつけてくるだろうし。ただ、そこと今いった4人は一線を引いてほしいです。ONEのストロー級チャンピオンになったヤツが、世界で一番強いと思っています。そのトップ戦線で自分は戦えている──この1年が勝負……というか、一番になります。タイミングによるかと思いますが、この試合で勝った方がタイトルに挑戦することになるはずです。既に(三浦)彩佳さん、それと若松選手と世界挑戦が現実となっていて、今年は日本人の世界戦ラッシュが来るんじゃないかと。

よくONEは日本人選手に強い選手を当てて潰しに来ているという話を聞きますが、そういう風に思わせてしまっていることが申し訳ないです。僕らが強ければ、そんな風に思われないですから。僕らの力不足で潰しにきていると思われるようになっている。だから勝ち続けて、日本のファンの皆さんに安心してもらうようにしたいです。逆に『日本人、舐めんなよ』って皆が思ってくれるようにしないといけないです」

──絶好の機会ですね、ブルックス戦は。

「まぁメチャクチャ強いことは分かっています。でも勝つことが絶対条件で、レスリングの展開でも、ボクシングの展開でも負けないということは考えながらやっています」

■放送予定
1月28日(金・日本時間)
午後7時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後7時30分~ONE Super App

■ONE Only the Brave対戦カード

<キック・フェザー級ワールドGP準決勝/3分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
ダビット・キリア(ジョージア)

<キック・フェザー級ワールドGP準決勝/3分3R>
ジョー・ナタウット(タイ)
チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
タン・カイ(中国)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(キルギス)
ラスラン・エミルベク(キルギス)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチッチ(セルビア)
フランシェスコ・エクシャジャ(アルバニア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
箕輪ひろば(日本)
ジャレッド・ブルックス(米国)

<キック・フェザー級ワールドGP補欠戦/3分3R>
イヴァン・コンドラチェフ(ロシア)
ドビダス・リムクス(リトアニア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
ワン・シュオ(中国)

<ウェルター級(※77.1キロ)/5分3R>
手塚裕之(日本)
エジソン・マルケス(ブラジル)

<キック・108キロ契約/3分3R>
ポール・エリオット(英国)
アンダーソン・シウバ(ブラジル)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
プレウ・オトゴンジャルガル(モンゴル)
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【ONE Only the Brave】自己を貫くIQの高さ。ワン・シュオと対戦、和田竜光―01―「意識が少し変わった」

【写真】今回の試合。登場した飛行機の機長の体調不良で日本に戻り、シンガポール入りが1日遅れたそうだ (C)MMAPLANET

28日(金・現地時間)に、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Only the Braveで、和田竜光がワン・シュオと対戦する。

ONE裁定と自己の意識の隔たり。自分の戦いで勝っていると言い切れる試合で、判定を落とした経験が、誰よりも多い和田が今回の試合にはどのよう意識で挑むのか。

ONEという北米基準のMMAとは違うMMAで戦ううえで、和田の選択は――自分を貫くことと、ファイトIQ高めが比例した話が聞かれた。


――ONE本戦は1年1か月ぶり、10月のRoad to ONEでの竹中大地戦以来の試合となります。オファーはいつ頃ありましたか。

「12月の中旬ぐらいだと思います」

――勝つしかない竹中戦の勝利から、2カ月ほどで試合が決まったということですね。

「そうですね。12月に2人目が生まれまして……」

――おぉ。おめでとうございます!!

「ありがとうございます(笑)。出産があるから、その前後はドタバタしてしまうだろうし年内は試合はできないということは僕の方から伝えさせてもらっていました。僕的には2月という風に思っていたのが、少し早くなったぐらいです」

――ズバリ、ワン・シュオという対戦相手の名前を聞いてピンときましたか。

「えぇと……全然、来ませんでした(苦笑)。オファーを貰った時は、少し考えました。『嫁と相談します』と一旦伝えて。でも『この状況でオファーを貰っているし……やるかぁ』って話したぐらいで、すぐに返事しましたね。まぁ、対戦相手に関係なく誰でもやっていたはずです。

そこからONEで韓国人選手と試合をしている映像を視たのですが、ストライカーでたくさん蹴ってくるので……足とか痛そうだなって(笑)」

――荒いけど、フィジカル・モンスターですよね。

「結構強そうだと思いました。そんなに上手ではないですけど、ONEによくいるタイプの強い選手かと。中国の選手も、ああいう感じの選手が多いですよね。壁を背負ってテイクダウン・ディフェンスが出来て、ガンガン打撃をやってくる」

――そういうファイター、手数は多いという選手との対戦では和田選手は嫌な記憶があるかと思います。

「う~ん、だからといって自分のなかで何を変えるというのはないです。結論として、どんな判定だろうが、自分がやりたいMMAをやる。そこしかなくて。ジャッジのを性格を考えて、手を増やしてバタバタやろうとは思わないです。自分が持っているモノの精度を上げていき、ダメージを与えるということを考えます。と同時に判定になったときに、ポイントが取れる――そういう意識は、以前からしています。スタイルを大きく変えるのではなくて」

――例えばヨッカイカー・フェアテックスは組まれたくなくて、距離をとって手数で判定を取りにいきました。タイプは違っても、ワン・シュオも打撃系です。

「そうですね……こっちが、何か山場を創る。そういうのがONEのジャッジの人は好きですよね。もちろん一本やKOも狙っていますし、そのなかで制圧してダメージを与えることは変わらずやることです。ホント、だから相手がどういう選手だとか気にしていないんですよね。なんとなくイメージをしてはいますが、この相手だからこう戦う、判定がこうだから戦い方を大きく変える。そういうことは余りないですね」

――裁定で優位に立つために、ちょっとしたグラウンドでのパウンド数を増やすなどアジャストはされているとは思いますが、それは練習中から意識することなのでしょうか。判定を有利にするための動きという部分を、普段から取り入れているのか。

「パウンドを強く入れる練習はできないですよね。隙があれば、クリンチ際にパンチを入れたりとかっていう意識は、ここ何年かで練習のなかでも自然とやるようにはなっています。ただ、竹中選手との試合から自分がやりたいことの意識が少し変わったんです」

――おお。それはどういう部分で、ですか。

「これまでやってきたことの延長ではあるのですが、打撃で圧を掛けて反応させる。後手に回らず、ぶつかってもMMAをやる。それが面白くて、ちょっとそっちに偏向していましたけど、ぶつかるときはぶつかる。それは決して、下がらないという意味ではないです。打撃に対する意識、比重を少し高くしようと。人をぶっ飛ばしていないなって思ったので。まぁ結局、やりたいことしか、やりたくない(笑)。そこは変わっていないですね」

――なるほど(笑)。組まれたのではなくて、組ませたように見えました。

「結果、そうなかったかもしれないですね。打撃でプレッシャーをかけていったので、僕の方も自然に組みに行けた。流れのなかで、組めたというのはあります。竹中選手が組みたかったのか、組みたくなかったのかは分からないですけど、こっちの形で組めました。

あの試合に関しては判定が割れましたけど、僕の中では完封だと思っています。ONEルールだと、何もさせていない。バックを取って、振り向かれたけど――あれってマイナスになるのですかね?」

――私が思うには上からの攻撃がなければ、そこまでの流れを一掃するような逆転にはならないかと。

「上から何もさせていない。何も貰っていないので。あの試合のなかで、上を取られても何もさせなければ良いという意識で戦っていました。ONEの判定を考えて、ステイするということを選択して。で、何もされなかったので『俺、完封したで』とは思っています」

<この項、続く>

■放送予定
1月28日(金・日本時間)
午後7時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後7時30分~ONE Super App

■ONE Only the Brave対戦カード

<キック・フェザー級ワールドGP準決勝/3分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
ダビット・キリア(ジョージア)

<キック・フェザー級ワールドGP準決勝/3分3R>
ジョー・ナタウット(タイ)
チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
タン・カイ(中国)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(キルギス)
ラスラン・エミルベク(キルギス)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチッチ(セルビア)
フランシェスコ・エクシャジャ(アルバニア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
箕輪ひろば(日本)
ジャレッド・ブルックス(米国)

<キック・フェザー級ワールドGP補欠戦/3分3R>
イヴァン・コンドラチェフ(ロシア)
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<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
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ワン・シュオ(中国)

<ウェルター級(※77.1キロ)/5分3R>
手塚裕之(日本)
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ポール・エリオット(英国)
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<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
プレウ・オトゴンジャルガル(モンゴル)
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【ONE Only the Brave】手塚の相手が変更&モンゴルの純真も。2月11日にビビ×リネケル、猿田&長谷川出場

【写真】真冬の栃木で寒中水泳――対戦相手の変更ごときに動じない……? (C)

24日(月・現地時間)、ONE Championshipの公式ホームページで28日(金・同)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Only the Braveの対戦カードがアップデートされ、キック及びMMAで対戦カードが変更されている。

MMAでは手塚裕之の対戦相手が元ONE世界ウェルター級王者ゼバスチャン・カデスタムから、ブラジルのアジソン・マルケスに変更された。ONE関係者によるとカデスタムはコロナ要請ではなく、体調不良で欠場になったとのこと。

コロナ陽性はメインでキックのフェザー級ワールドGP準決勝でチンギス・アラゾフと対戦予定だったマラット・グレゴリアンで、ジョー・ナタウットが代役出場となる。


またバンタム級でプレウ・オトゴンジャルガルとミカエル・デ・ジェズウスのマッチアップが加わった。ともにONE Warrior Series出身、一足先に本戦KOデビューを果たしたモンゴルの純真=オトゴンジャルガルとしては、ONEウォリアーでイ・チャンホに敗れているジェズウスとの試合を落とすことはできない。

またONE JAPANから2月11日(金・同)のONE Bad Bloodの対戦カードも発表され、メインはONE世界バンタム級選手権試合=王者ビビアーノ・フェルナンデス×ジョン・リネケルが2カ月と1週間遅れで実現することとなった。

また同大会には日本から猿田洋祐、長谷川賢が出場し、それぞれグスタボ・バラルト、ムラッド・ラマザノフという難敵と戦うことも決まっている。

■放送予定
1月28日(金・日本時間)
午後7時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後7時30分~ONE Super App

■ONE Only the Brave対戦カード

<キック・フェザー級ワールドGP準決勝/3分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
ダビット・キリア(ジョージア)

<キック・フェザー級ワールドGP準決勝/3分3R>
ジョー・ナタウット(タイ)
チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
タン・カイ(中国)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(キルギス)
ラスラン・エミルベク(キルギス)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチッチ(セルビア)
フランシェスコ・エクシャジャ(アルバニア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
箕輪ひろば(日本)
ジャレッド・ブルックス(米国)

<キック・フェザー級ワールドGP補欠戦/3分3R>
イヴァン・コンドラチェフ(ロシア)
ドビダス・リムクス(リトアニア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
ワン・シュオ(中国)

<ウェルター級(※77.1キロ)/5分3R>
手塚裕之(日本)
エジソン・マルケス(ブラジル)

<キック・108キロ契約/3分3R>
ポール・エリオット(英国)
アンダーソン・シウバ(ブラジル)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
プレウ・オトゴンジャルガル(モンゴル)
ミカエル・デ・ジェズウス(ブラジル)

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【ONE Only the Brave】1月28日大会に箕輪、和田、手塚がそろい踏み。キム・ジェウン×タン・カイも!!

【写真】箕輪、和田、手塚が猛者との勝負の一戦へ(C)ONE & MMAPLANET

31日(金・現地時間)、ONE Championshipより1月28日(金・同)に開催されるONE Only the Braveの対戦カードが発表された。

メインカードはキックの暫定世界ヘビー級王座決定戦、さらにメインカードではフェザー級ワールドGP準決勝が2試合を含め立ち技が4試合、MMAは2試合となっている。

そのMMAではフェザー級でキム・ジェウン×タン・カイのフェザー級韓中対決、そしてジャン・リーポン×ルスラン・エミルベクの中国×キルギスのライト級マッチが組まれた。

さらに6試合のプレリミはMMAが4試合で、うち3試合が日本人絡みのカードとなっている。


プレリミメインではストロー級でジャレッド・ブルックスが2度目のONE参戦=箕輪ひろばと戦うという注目カードが組まれた。

当初は11月に決まっていた顔合わせだが、イベントスケジュールの変更により、10月に前倒しされることに箕輪が応じなかった。ブルックスはその10月の試合(※中継は11月)でリト・アディワンを下し、早くもストロー級で3位にランクされている。

4位の箕輪にとって、世界王者ジョシュア・パシオ以上の実力者と見なされるブルックス戦は、キャリア最強の相手とのマッチアップといえる。

またフライ級で和田竜光が、ワン・シュオと戦うことも決まった。

9月のRoad to ONEで竹中大地との国内実力者対決で、しっかりと勝ち切った和田の相手ワンは、Rebel FCバンタム級王者からONEにステップアップし、これがサークルケイジで2戦目となる。明らかにフィジカル・モンスター系のファイターで自らの名と同じ王(ワン)の頂点を目指す――決して、軽く見積もることができない相手といえる。

さらに10月(※中継は11月)のアギラン・タニ戦のTKO勝ちに勢いづく手塚裕之が、元ONEウェルター級王者ゼバスチャン・カデスタムと戦う。

カデスタムは今月3日にムラッド・ラマザノフのテイクダウン&コントロールに敗れたばかり。手塚も昨年10月(※中継は11月)にラマザノフに同じように倒され、ポジションを挽回できず悔しい負けを経験している。それだけに手塚にとって元世界王者とのストライカー対決は、総合力で差を見せることができれば、タイトル戦線に食い込めるようになる一戦――大勝負だ。

プレリミで組まれるのが勿体ない――立ち技ナイトの日本勢の揃い踏み、厳しい見方をすれば3連敗もありえる。それだけ厳しい試合になることが予想されるが、その分勝てばゲインも大きなファイトとなる。

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MMA ONE ONE NEXTGEN02 Report タン・カイ ブログ ユン・チャンミン

【ONE NEXTGEN02】見切り良し、TD防御良し。当て勘有り。タン・カイ、強し。チャンミンに圧勝KO

【写真】強い。タン・リー✖トノンの勝者に挑戦。マーチン・ウェン戦、キム・ジェウン戦と見てみたい試合が目白押しだ(C)ONE

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
タン・カイ(中国)
Def.1R4分03秒by KO
ユン・チャンミン(韓国)

右ローを蹴ったチャンミンが、左ミドル、右ローと蹴りを多用する。続くダブルレッグをスプロールしたタン・カイが左ジャブを伸ばす。ローをかわし、圧を高めたタン・カイはチャンミンの右ローバーハンドをかわし、ジャブを入れる。チャンミンはシングルレッグもタン・カイが足を抜いてスタンドをキープする。

蹴りからパンチのチャンミンは、蹴り足をキャッチするもテイクダウンを奪えない。チャンミンの右、タン・カイの右が交錯する。タン・カイはチャンミンのテイクダウン狙いを切り、左ジャブをアゴに打ちこむ。チャンミンは姿勢を乱し、打撃に圧され始める。ワンツーボディのタン・カイは、チャンミンのミドルをブロックし、テイクダウンをしっかりと切り続ける。左フックの打ち終わりに右フックを被弾したチャンミンは、一瞬間が空いた後の左フックで腰が落ちる。

完璧に左フックを打ち抜いたタン・カイは起き上ろとしたチャンミンにパウンドを後方から連打しKO勝ち。

打撃の見切り、テイクダウンディフェンスと防御、そして当て勘と仕留めきるキラーインスティンクト──試合をするたびに強さを見せつけるタン・カイは「トップ5と戦っても、誰でも勝てる。そしてタイトルに挑戦するのは僕だと思う」と言い切った。


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ONE ONE Fists of Fury02 ONE117 02 Report タン・カイ ブログ 高橋遼伍

【ONE Fists of Fury 02】タン・カイ強し。高橋遼伍、ワンツーでダウン。立ち上がり際にアゴ打ち抜かれる

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
タン・カイ(中国)
Def.1R1分59秒by KO
高橋遼伍(日本)

間合いを図る両者。高橋は踏み込みにジャブを合わされ、姿勢を乱す。右カーフを蹴った高橋に対し、タン・カイは待ちの姿勢だ。両者に攻めるようレフェリーが注意を与えると、タン・カイがローを2発蹴る。高橋も右カーフを蹴るが、右ストレートから左を射抜かれダウンを許す。立ち上がり際に、アゴに連打を受けた高橋は腰から崩れTKO負けとなった……。

抜群の距離感を見せたタン・カイは「ずっとスピード、動き、テクニックと全ての面で彼より上だと言ってきた通りだ」と勝利を振り返った。


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Interview ONE ONE Fists of Furry02 ONE117 02 タン・カイ ブログ 高橋遼伍

【ONE Fists of Fury02】新パワーハウス=中国のタン・カイ戦へ。高橋遼伍「コイツ、ヤバいなって」

【写真】ユン・チャンミンに続き、アジアの新鋭を連破できるか(C)ONE

5日(金・現地時間)に中継されるONE117 02 「Fists of Furry02」で、高橋遼伍✖タン・カイが放送される。

MMAワールドのニューパワーハウス=中国の新鋭に対して、高橋はZoomインタビューで「ホントに強い」と素直に話した。それでも勝つしかない──そのための鍵はファイターのメンタルと、ダブルレッグであり、カーフキックではなかった。


──タン・カイ戦が明日に控えている高橋選手です。今の調子はいかがですか。

「いつも通りです。計量もハイドレーションもパスして、食事をし終わったばかりです。計量が2日間でなく前日だけになったので、めっちゃくちゃ楽ですね。外に走りに行ったりとか、そういうことができないので2日ある時はかなり体重には気を付けていたのですが、1日になって楽になりました」

──水抜き禁止、北米ユニファイドより1階級上のクラスだと、どのような食生活になるのでしょうか。

「昨日は朝ごはんだけ食べて、それからはバナナとか果物、そしてずっと水を飲んでいます」

──では逆に水抜きがあるときは、どのような食生活に?

「試合の3日ぐらい前から塩抜きだけして、残り4、5キロにして最後に水抜きをしていました」

──水とフルーツでエネルギーがしっかりと補給できるのですか。

「その意見は分からんでもないです(笑)。水ばかり飲んでいると、スカスカな感じはするんです。栄養はないですからね。それでも自分はギリギリまで食べることができる方なのですが、体がスースーして軽かったですね」

──水抜き減量の時の選手のように声がかすれたり、倒れそうになっているということはないのですが、だからといって試合に向けて十分なのかも疑問を持つようになりました。

「塩分が抜け過ぎるのって、きっと良くないんだと思います。結局は体重を落として、そのために塩抜きをしていますしね。でも、この計量方法の方が自分は楽ですけどね。さっきも言ったようにギリまで食べることができているんで。普段の体重を抑えるのが難しい人もいるでしょうし。

それに水抜きした選手が10キロとか戻してくると、僕からするとめちゃくちゃ大きくなりますからね。だからってバンタム級まで落とせないし、その間の63キロとかあって欲しいです」

──ここまで技術的に進化したMMAが、階級だけは20年近く同じで5キロ、6キロ、7キロ刻みなどは見直す時期ができているのかもしれないですね。

「スーパーバンタム級とか作ってくれたら、ホンマに戦いやすいですよ」

──計量ミスをなくすのも、階級を小刻みにすれば良いとも思うのですが、チャンピオンが層は薄くなってしまうということでしょうかね。

「でも国内とかスーパー〇〇級とか、できるのはホント良いことだと思います」

──という試合前日には相応しくない内容になってしまいましたが(笑)、改めてタン・カイの印象をお願いします。

「無理をしない選手ですね。手堅く、安全に戦えるかしこい選手だと思います」

──ケアヌ・スッパにあの勝ち方をしたときは、どのように思いましたか。

「あの試合、他の日本人選手はそうでもなかったかもしれないですけど、僕はめっちゃ注目していたんです。タン・カイは試合をすることになるだろうとヤマを張っていた1人なんで。で、自分がほぼやられていたスッパをあれだけボコボコにしたので『コイツ、ヤバいな』って。

でも、あの強さはおかしいって。こんなボコボコにデキるわけないやろって思い、スッパのSNSをチェックしたんです。そうしたら『試合中に足を怪我して、ほとんど動けなかった。ごめんね』とか書いてったので、ホッとしました(笑)。それでも、あの試合の印象が凄く強いので、タン・カイにはめっちゃ強いイメージを持っています」

──その相手とのマッチアップでオファーが来た時は?

「嫌でしたよ、正直。『来たかぁ』って。でも相手を選んでいてもしょうがないし。ダスティン・ポイエーなんて、過去8試合の相手がアンソニー・ペティス、エディ・アルバレスと2試合、ジャスティン・ゲイジー、マックス・ホロウェイ、ガビブ・ヌルマゴメドフ、ダン・フッカー、ほんでコナー・マクレガーですよ。

ずっと強いヤツとやって、負けたのはヌルマゴだけで。僕がポイエーみたいになれるかって言ったら、技術的に無理なんです。でも、相手を選ばない心意気、メンタル面は学ぶべきやと思っていて。自分がファイターとして第1線で戦っている間は、相手は絶対に選んだらアカンなって。

自分の強さに自信があったら、対戦相手なんて選ばない。ここのメンタルは学べる。それがファイターのメンタルやと思っています」

──そのメンタルをもって、タン・カイを相手にどのような戦いをしたいと思っていますか。

「いつも通り打撃で戦うことになると思うんですけど……戦術は特にないです。ローキック、右のパンチをしっかり当てると勝てるやろうって思っています。今回も、そんな感じです」

──カーフの流行で、対策は進んでいると思います。

「カーフキックって新しいジャンルになるって思っていました。僕が修斗で戦っている時は、他に使う人がいない特別な蹴りだから勝つことが出来ていたんですけどね。

でも皆が知った時には、僕は並の選手になる。そう思っていた時から、レスリングを磨いてきました。ただ、それでも試合でテイクダウンを仕掛けたことはないんです(笑)。

そもそもタン・カイは打撃を見切る目も持っていますしね。だから、組んで倒すことはホントに考えています。う~ん、でも迷ってしまいますよね。テイクダウンか蹴っていくのか。

タン・カイだけでなく中国の選手でグランドができない。だからテイクダウンを狙おうか……でも、どうなりますかね。タン・カイはホントに強い選手だし、これから強もっとくなっていく選手です。でも、勝つしかない。

内容は何でも良いです。拳が折れても、構わない。ただ負けたくない。ケガするのより、負けることが怖いです。負けるのが何より嫌で。負けるのだけは……。だから、この気持ちがどう試合に影響するのか……そこも分からないですけど、入場したら吹っ切れて普通に動けるはずです。そうですね、ダブルレッグもきっと出せます。大丈夫です。多分──」

──多分(笑)。では最後にファンへ一言お願いします。

「全局面で圧倒して勝ちたいです。打撃もレスリングも、寝技も」

■視聴方法(予定)
3月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE117 02 「Fists of Furry02」対戦カード

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アミール・アリアックバリ(イラン)
カン・ジウォン(韓国)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アナトリー・マリューヒン(ロシア)
アレッシャンドリ・マシャド(ブラジル)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
高橋遼伍(日本)
タン・カイ(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>※
中原由貴(日本)
ラスラン・エミルベク(キルギス)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>※
ロシャン・マイナン(インド)
アジス・カリム(インドネシア)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
マーク・アベラルド(ニュージーランド)
エミリオ・ウルティア(米国)

※昨年12月18日に行われた試合。それ以外の試合は2月26日に実施され、録画中継される。

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Interview ONE ONE Fists of Furry02 ONE117 02  グラチアン・サジンスキ タン・カイ ブログ 高橋遼伍

【ONE Fists of Furry 02 】高橋遼伍と対戦、タン・カイ「動き、技術、スピード、全てにおいて上回っている」

【写真】打撃のキレ、位置取りは目を見張るものがあるタン・カイ(C)ONE

5日(金・現地時間)に中継される東京都渋谷区TSUTAYA O-EASTで開催されるONE117 02 「Fists of Furry02」。

今回の放送枠で高橋遼伍とタン・カイという日中フェザー級戦対決が組まれた。フェザー級のトップ5入りを目指し、活動再開後のONEで高橋はユン・チャンミンを。タン・カイはケアヌ・スッパを下した。

切れのある打撃、位置取りが最大の特徴のタン・カイだが、今回のZoomインタビューで日本人選手以上に新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けたMMAファイター人生を強いられていたことが分かった。


──金曜日に高橋遼伍選手と戦います(※取材は2月24日に行われた)。今の調子はいかがですか。

「肉体的には計量前日ということもあって、少しフラストレーションが溜まっているけど、でも精神的には凄く充実しているよ。動き、技術、スピード、全ての面において高橋よりも上回っている自信があるからね。

世界的にみて対戦相手の方が格上だという風に捉えられているかもしれないけど、僕としては彼に勝つ自信しかないよ。彼はパンチも強いし、タフな相手であることは間違いない。でも僕の技術力は、高橋を倒すのに十分だという自負はある。それを試合でだすだけさ」

──その自信の源はどこにあるのでしょうか。

「最近、ジムを移籍して最高の環境で練習ができるようになったんだ。シンジャン・ファイトクラブは中国で最高のファイター、ワールドクラスのファイターを輩出している。直ぐに世界でもベストジムの1つとして認識されるようになるはずだ。そんなチームで最高の練習ができていることが僕の自信になっている」

──シンジャン・ファイトクラブはチンタオにあるジムですが、タン・カイ選手はシャンハイ・ドラゴンというジムに在籍していたと記憶しています。

「本当に辛い話なんだけど、シャンハイ・ドラゴンは新型コロナウィルス感染拡大の影響で閉鎖されてしまったんだ。もう活動を辞めてしまい、僕の契約も切れた。だからシャンハイ・ドラゴンが閉められた後は友人のジムを訪ね歩いて練習するしかなくて。

僕は他のクラブのメンバーではなかったし、日替わりで練習場所を変え、公園や通りでシャドーボクシングをすることも珍しくなかったよ。

でも家賃の支払いもあるし、食い扶持は友人のジムで指導させてもらって手にしていた。心身ともに厳しかった。そして、この状態が長く続くのはマズい、ハイレベルなプロの練習を行えるジムに在籍すべきだと考えるようになって。

正直、上海を離れること、友人や練習仲間に別れを告げることは辛かった。シャンハイ・ドラゴンのアレックス・ニュウとも素晴らしい関係を築いていたし、僕がここまで成長できたのはシャンハイ・ドラゴンとアレックスのおかげだ。

コロナウィルスは世界中の人々の暮らしを変えたよ……。でもプロMMAファイターとして活動するには、新しい練習環境を見つけるしかない。そのなかで以前から声を掛けてくれていたシンジャン・ファイトクラブが最初の選択肢だったんだよ。

実際、シャンハイ・ドラゴンに在籍する以前にも誘われたことがあったんだ。個人的に関係は続いていたし、所属しているシェ・ウェイたちとは、スパーリングをする仲だった。そんなこともあって去年の12月にチンタオに移り住んだんだ。

ジムには直ぐに打ち解けることができた。僕はまったくストレンジャーのような気分を味わうことなく、チームの一員になれば凄くハッピーだよ。もう家族のようだ」

──つまりケアヌ・スッパと対戦した時は、まだシンジャン・ファイトクラブに移る前だったのですね。

「正直にいえば、あの試合の時の僕のコンディションは最悪だった。プロとしてのトレーニングを十分に行うことはできていなかったからね。今回は全く違う。キャリア最高、120パーセントの仕上がりだよ」

──そんなスッパ戦で、素晴らしい打撃を繰り出していました。

「僕はストライカーだからね。一番の武器は移動と、スピード、そしてボクシンクなんだ。ところで日本の記者の人から取材を受けたのは始めてで嬉しいよ。日本のファンの人たちに、良い試合を見せたいと思う。

高橋は日本人選手だし、日本のファンの皆は彼の応援をするのは当然だけど、彼を倒すためにベストを尽くすよ。それが日本の人達にも、良い試合を見せることになると信じているから。

僕の夢はチャンピオンベルトを巻くこと。その他大勢という選手にはなりたくないんだ。決して高橋のことを軽視しているわけじゃないけど、この試合は僕がタイトル挑戦権を手にする試金石になるはずだ。

高橋との試合が楽なファイトにならないことは分かっている。だからこそ、それだけの準備をしてきた。タイトル挑戦に近づくために、KO勝ちするよ」

■視聴方法(予定)
3月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE117 02 「Fists of Furry02」対戦カード

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アミール・アリアックバリ(イラン)
カン・ジウォン(韓国)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アナトリー・マリューヒン(ロシア)
アレッシャンドリ・マシャド(ブラジル)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
高橋遼伍(日本)
タン・カイ(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>※
中原由貴(日本)
ラスラン・エミルベク(キルギス)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>※
ロシャン・マイナン(インド)
アジス・カリム(インドネシア)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
マーク・アベラルド(ニュージーランド)
エミリオ・ウルティア(米国)

※昨年12月18日に行われた試合。それ以外の試合は2月26日に実施され、録画中継される。

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