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45 AB MMA MMAPLANET o ONE ONE FN27 アクバル・アブデュラエフ タン・カイ

【ONE FN27】計量オーバーが惜しい強さ。アブデュラエフがタン・カイを最終回にパウンドアウト

【写真】今大会は全体的にストップが遅めだった(C)ONE

<156.75ポンド(※71.1キロ)契約/5分5R>
アクバル・アブデュラエフ(キルギス)
Def.5R1分21秒 by TKO
タン・カイ(中国)

世界フェザー級選手権試合は、挑戦者アブデュラエフが計量オーバーにより、キャッチウェイト戦に。試合が始まると互いにジャブを上下に散らす。タン・カイは左に回りながらジャブ&ロー。アブデュラエフが距離を詰めていく。アブデュラエフの右カーフと、タン・カイのボディへの左ジャブが相打ちに。ローから左ジャブへの繋げるタン・カイに対し、アブデュラエフも頭を振りながら左ジャブ、右カーフと前に出る。タン・カイのパンチに対し、アブデュラエフはよける動きが大きい。しかしアブデュラエフは左ジャブを上下に散らし、左三日月をボディに突き刺す。

タン・カイがロープを背負わさられる場面も増えた。やや動きが落ちたタン・カイの顔面をアブデュラエフのパンチが襲う。タン・カイは回りながら右アッパーを突き上げるも、アブデュラエフの前進は止まらず。コーナーでの組み合いは、タン・カイが右腕を差し上げてボディロックへ。動きが止まるとレフェリーがアクションを促す。アブデュラエフが左足を入れてテイクダウンを許さない。タン・カイが左右に揺さぶるも、アブデュラエフは右オーバーフックで耐えた。

2R開始早々、アブデュラエフが左ジャブを連打で突く。アブデュラエフは右アッパー、タン・カイも左アッパーを返す。右ロー、左ジャブからレベルチェンジで組んだアブデュラエフは、ニータップでタン・カイに背中を着かせた。ストップ・ドントムーブからタン・カイはハーフからガードに戻す。フックガードからアブデュラエフの体を浮かせるタン・カイ。しかしアブデュラエフがトップをキープすると、タン・カイもクローズドガードへ。

アブデュラエフのパスをZハーフで防いだタン・カイは、バックを狙う相手に対し、立ち上がってコーナーに詰める。左腕を差し上げたタン・カイは、アブデュラエフの左足を取りに行く。アブデュラエフが内股で切り返し、タン・カイをコーナーに押し込んだ。ボディへのヒザ蹴りで弱らせると、スクランブルで上を取る。タン・カイもスクランブルから押し込んでいくも、アブデュラエフが右腕を差し上げてコーナーに詰めた。タン・カイが切り返すも、アブデュラエフが内股で投げ、背中を着かせてラウンドを終えた。

3Rもいきなりアブデュラエフがラッシュを仕掛けた。タン・カイもパンチで打ち合いに応じる。タン・カイの左がアブデュラエフの顔面を捉えた。下がるアブデュラエフ。組んだアブデュラエフがヒザを突き上げると、タン・カイは下がってから左跳び蹴りを見せた。ここでタン・カイがマウスピースを落として試合は中断。再開後、アブデュラエフがダブルレッグで飛び込み、クリーン・テイクダウンを奪った。タン・カイが頭をロープの外に出すと、レフェリーは止めてリング中央での再開を命じる。

再開後、アブデュラエフが右側へパスするも、タン・カイはスクランブルに持ち込む。しかしアブデュラエフはガブりながら、ヒザの連打でダメージを与える。さらに打ち合いから、組んでくるタン・カイの頭部にヒザを連打。コーナー際で尻もちを着いたタン・カイにパウンドを浴びせる。またもタン・カイの頭がロープの外に出たため、リング中央へ。頭をおっつけたアブデュラエフがパンチとヒジを落とすも、疲れが見える。タン・カイの口を押えてからパウンドを打ち込むアブデュラエフ。残り30秒でブレイクが掛かるが、スタンドに戻るとアブデュラエフが蹴りを散らし、横に顔を向けながら右を放って組みつく。切り返したタン・カイに体を預けて休んだ。

4R、タン・カイが左ジャブを突く。アブデュラエフは上下左右に体を揺らしながら、パンチを繰り出しつつボディロックからグラウンドに引きずり込む。またもタン・カイは頭をロープの外に。リング中央でハーフの状態からリスタート。アブデュラエフはタン・カイの口を塞ぐ嫌がらせを見せる。右側にパスしたアブデュラエフはマウントを奪った。すぐハーフに戻すタン・カイだが、表情に疲労が見える。さらにアブデュラエフの左グローブを掴むタン・カイに注意は与えられない。

ならばとアブデュラエフはダースチョークへ。これは極まらずも、ハーフのタン・カイにパウンドとヒジでダメージを与える。タン・カイが顔面をガードすると、アブデュラエフが左ヒザのフェイントも入れていく。タン・カイはZハーフからクローズドガードに戻すも、パウンドを浴び続ける。タン・カイが両腕を差し上げて抱き着くと、レフェリーがブレイクを掛けた。再開後、すぐボディロックで組んだアブデュラエフが小外掛けで倒す。やはりタン・カイはロープの外に頭を出してラウンド終了を待った。

最終回、アブデュラエフは上下左右からパンチを連打する。タン・カイの左ジャブをかわしたアブデュラエフがシングルレッグで倒した。タン・カイはクローズドガードからアブデュラエフに抱き着く。アクションを促すレフェリー。潜ろうとしたタン・カイの顔面に左のヒジとパウンドの連打を浴びせたアブデュラエフが、そのまま左の拳を落とし続けるとレフェリーがストップした。

デビュー以来12連勝、全試合フィニッシュというパーフェクトレコードを守ったアブデュラエフだが、今回は自身の計量失敗でベルトを巻くことはできず。再戦はあるのか。


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MMA o ONE タン・カイ タン・リー ハリル・アミール

ONE Fight Night 27:メインイベント・タン・カイ vs. アクバル・アブドゥラエフ

156.75ポンドキャッチウェイト5分5R。アブドゥラエフ5位。

本来タン・カイのフェザー級王座防衛戦だったが、アブドゥラエフの体重超過によりノンタイトル戦に。ノンタイトルだがタイトル戦と同じ5Rマッチで行われる。

タン・カイは2023年に当時の王者タン・リーからダウンを奪っての判定勝ちで中国人男子初のMMA世界王者となる。再戦が組まれたが負傷欠場し、暫定王座戦で勝利したタン・リーとの王座統一戦でリマッチが組まれた。スタンドでカウンター待ちをするタン・カイにタン・リーも入って行けず、見合いの展開が続いていたが、3Rにタン・カイの飛び込んでの右がヒットしてダウンを奪い、パウンドラッシュでKO勝ちした。直近5戦ではタン・リーとの初戦以外KO勝ちしている。29歳。

キルギスのアブドゥラエフはONEデビュー戦から2試合続けて1分以内にKO勝ち。前戦は同じく無敗で、ライト級で3連勝していたハリル・アミールとの対戦となり、組みの展開から離れ際にパンチを打ち込んでKO勝ち。ここまで11勝中10KO・1一本勝ちでオールフィニッシュしている。27歳。

ボディにジャブを入れるタン・カイ。アブドゥラエフもジャブを入れる。カーフの蹴り合い。距離をキープしつつボディ・カーフを入れるタン・カイ。アブドゥラエフは距離を詰めて行く。逆にボディを返す。ボディ・顔面にパンチを打ち込むアブドゥラエフだがタン・カイもパンチをヒットさせる。圧を強めるアブドゥラエフ。バックブロー。さらに組むとクリンチアッパー連打。タン・カイが組んでロープに押し込む。ゴング。

2R。詰めてきたアブドゥラエフ。ジャブを打ち込む。タン・カイもジャブ・カーフを返すが、詰めたアブドゥラエフがタックル。テイクダウン。ハーフに。ガードに戻すタン・カイ。立ち際にパンチ連打を入れるアブドゥラエフ。顔面にヒットするがタン・カイ立った。コーナーに押し込みながらテイクダウンを狙う。しかし入れ替えgたアブドゥラエフが腹に膝連打。組んでテイクダウンを狙うタン・カイを切り返してテイクダウン。サイド。うつうぶせになりがぶると膝を入れるアブドゥラエフ。タックルに来るタン・カイをまたコーナーに押し込み腹にヒザ。アブドゥラエフ内股で投げてテイクダウン。下からホールディングで凌ぐタン・カイ。ゴング。

3R開始と同時にアブドゥラエフがパンチ連打で出る。しかし連打後、ガードが下がっている。口も開き気味。しかしアブドゥラエフがタックルで飛び込んでテイクダウン。タン・カイのガード。パスしたアブドゥラエフ。またがぶりになるとアブドゥラエフが頭部にヒザ。タン・カイタックルに行くがヒザをもらって引き込んだ。ガードのタン・カイにパウンド。タン・カイ消耗している。ガードのタン・カイにパウンド。上から口と鼻を塞いで息を止めさせるアブドゥラエフ。動きがなく残り30秒でブレイク。アブドゥラエフ前蹴り。さらに右を打ち込んだ。タン・カイが組んでテイクダウンを狙ったがゴング。

4R。頭を振って出るアブドゥラエフ。タン・カイのパンチをかわしてタックル。テイクダウン。ハーフ。タン・カイ下からホールディング。アブドゥラエフマウント!ハーフに戻したタン・カイだが、また口を手で塞ぐアブドゥラエフ。ダースチョークを狙いつつヒジ・ヒザを顔面に入れる。タン・カイ防戦一方。パウンド連打。タン・カイなんとか凌いでいる。ブレイクがかかるが、再開後簡単にテイクダウンしたアブドゥラエフがマウントに。またハーフに戻したタン・カイだが、ブレイク前と同じ状態に。ゴング。

5R。すぐパンチ連打出でるアブドゥラエフ。そしてタックルにつなげてテイクダウン。タン・カイはもはや逆転よりもフィニッシュされないことで精一杯か。ガードで下から足を掬おうとしたタン・カイだが逆に腕を足で挟まれて使えない状況に。アブドゥラエフがそこにパウンド連打。ヒジ。打たれ続けるタン・カイを見てレフェリーハーブ・ディーンストップ!

王者タン・カイ、ノンタイトル戦なのでタイトルの移動はないものの、ONE初黒星。

アブドゥラエフはこれでキャリア12戦全勝全フィニッシュ。ノンタイトル戦だが5Rマッチで組まれたことで、初の5Rも経験。あとは体重を落とすだけで、再戦が組まれればアブドゥラエフが圧倒的に有利か。

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【ONE FN27】身長差12センチ、澤田千優対戦──モン・ボー「もうワンパンチ・ファイターじゃない」

【写真】計量前夜、動いて汗をかいていたモン・ボー。澤田とともども計量&ハイドレーションもクリア。セレモニアル計量とファイトを残すのみ(C)MMAPLANET

明日11 日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムでONE Fight Night27「Tang vs Abdullaev」が開催され、モン・ボーが澤田千優と対戦する。

11年と2カ月前のMMAデビュー戦で、ともにプロMMA初陣だった現UFC世界ストロー級王者ジャン・ウェイリを倒しているモン・ボーは、女子MMA界屈指のハードパンチャーだ。しかし、打撃主体の母国でのMMAではカバーできていた弱点=組み技の完成度の低さは、ONEで戦うと彼女の強ささえもスポイルするようになった。

そして一昨年11月に三浦彩佳にアヤカロックを極められると、タイのパタヤに拠点を移したシンジャン・ファイトジムを離れてなんか、プーケットのタイガームエタイで汗を流すようになった。徹底的にレスリングと柔術の強化に取り組んだモン・ボーは、澤田との対戦を前に「弱い自分を乗り越えることができた」と、この1年を振り返る。

身長差は12センチ、長所がハッキリした対戦は澤田、そしてモン・ボーにとって──MMAファイターとしての完成度の高さが問われるタフファイトになりそうだ。


――1昨年の11月に三浦彩佳選手のアヤカロックで敗れて以来、実に14カ月ぶりの試合となりました。この間、これだけ試合間隔が空いたのは何か理由があったのでしょうか。

「そうね、長い間試合をしてこなかったわ。ONEから試合出場の要請がなかったこともあるけど、自分の方から急いで試合をしようとは思っていなかったのも事実で。私にはまだ組み技、寝技に穴があったから。

この14カ月の間にレスリングと柔術の練習をしっかりと積んできた。そして、ONEが私の相手を見つけてオファーがあった。新しいモン・ボーを見せる時がやってきたのよ」

──その1年強の間、タイで練習していたのですか。

「そうね。タイガームエタイで1年間、練習してきた。日本人選手とも練習してきたわ。リョースケ・ホンダとか。その甲斐もあって、今ではグラップリングやレスリングにも自信が持てるようになった。もちろん、打撃に関しては自分の力は把握している。弱点を克服しただけでなく、長所を伸ばすことができた。その成長を今回の試合で見せたいと思う。

私は自分の力を把握している。グラップリングも今では悪くない。何より、自信がついたことが大きい。以前は寝技の展開になることを恐れていた。でも今ではそういう……弱かった自分を越えることができた。まずは自分自身に勝てたと思っているわ」

──女子アトム級の最強のパンチャーが、より強い拳を持つことになったのですね。

「私のパンチは、一発で相手を倒すことができるわ。でも、それだけじゃダメだった。今ではコンビネーションを使えるし、レスリングも柔術もできる。ウェルラウンディット・ファイターになった。全ての局面で、進化できたわ。もうワンパンチ・ファイターじゃない」

──成長を感じるなかで、ONE女子アトム級最強のレスラーである澤田選手と相対します。

「彼女の試合は、全てチェックしたわ。とても気持ちの強い選手ね。1度でもテイクダウンを決めると、そこから攻撃を止めることがない。どれだけパンチを顔面に被弾しても、絶対に諦めない。本当に強いファイターで。それだけの覚悟を持って、私も土曜日には戦うつもりでいるわ」

──公称では身長差は12センチです。このサイズの違いをどのように捉えていますか。

「確かに彼女は背が低いわ。でも、凄く力強い。私は背が高いけど細い。どうなるか、試合が始まってみないと……」

──背の低い選手が、テイクダウンを得意としている。その点はどのように対策を?

「もちろん対策練習はしてきたわ。でも、彼女のような体格で、彼女のように強い練習相手を見つけることは簡単じゃないから(笑)。それでも、しっかりと作戦を立てて練習はしてきた。それに私の方が、リーチがある。距離をコントロールして、自分の間合いで戦いたい。

ファイトはファイト。本当に次の1秒で何が起こるか分からない。でも、ファンにKOを見せたいと思う」

■放送予定
1月11日(土・日本時間)
午前9時45分~U-NEXT

■ONE FN27対戦カード
<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]タン・カイ(中国)
[挑戦者] アクバル・アブデュラエフ(キルギス)

<ONE世界女子アトム級(※52.2キロ)暫定王者決定戦/5分5R>
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ルーク・リッシ(米国)
コディ・ジェロム(カナダ)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ランボーレック・チョーアッジャラブーン(タイ)
パルハム・ゲイラティ(イラン)

<サブミッショングラップリング・180ポンド契約/10分1R>
トミー・ランガカー(ノルウェー)
ダンテ・リオン(カナダ)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
クラップダム・ソー・チョー・ピャッウータイ(タイ)
ジョン・リネケル(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
サンジャル・ザキロフ(ウズベキスタン)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アーロン・カナルテ(エクアドル)
エンフオルギル・バートルフー(モンゴル)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
澤田千優(日本)
モン・ボー(中国)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
スーブラック・トー・プラン49(タイ)
ドミトリー・コフトゥン(ロシア)

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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE166 キック タン・カイ タン・リー

【ONE166】狙いに狙い済ました右を当てたタン・カイ、3R終了間際のTKO勝利で王座防衛

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] タン・カイ(中国)
Def.3R4分48秒 by TKO
[挑戦者] タン・リー(米国)

サウスポーのリーは前後に小刻みにステップして左ミドル、サイドキックのフェイントを見せつつ左ミドルを蹴る。タン・カイはステップインするタイミングを測り、リーはオーソドックスにスイッチして右ストレートを見せる。アリアックバリVSブラーの影響か、すぐにレフェリーが両者に積極的に戦うように注意する。

タン・カイが右ボディストレート、リーのステップインに左フックを狙う。じりじりと前に出るタン・カイが再び右ボディストレート、リーは左ミドルを蹴り、シングルレッグの動きを見せ、三日月蹴り。ここでレフェリーはコンタクトが少ない両者にイエローカードを提示する。

再開後、タン・カイが右ボディストレートで入り、リーが右フックを返す。リーが左ストレートから入ると、タン・カイは前足にローを集める。左で距離を詰めたリーがヒザ蹴りを突き上げた。

2R、構えをスイッチしながらサークリングするリー。サウスポーに構えるリーは左ストレートを伸ばし、右サイドキックを見せる。前に詰めるタン・カイが右ボディストレート、右ストレートから左フック、リーの前足に左右のローを蹴る。

リーがダブルレッグを狙うが、タン・カイはすぐに距離を取る。リーはタン・カイのパンチに左ミドルを蹴る。圧力をかけるタン・カイ、リーは右フックから左ストレート、右のサイドキックと左ミドルを蹴る。

リーが左ミドルを伸ばすと、タン・カイもすぐに右ストレートを返す。リーは左ミドル、タン・カイが前に出るところで右フックを狙う。タン・カイが右ミドル、リーは左ミドル、左ストレート、スピニングバックキックを見せた。

3R、ステップで距離を取るリーが右の関節蹴りとサイドキック。タン・カイが右ボディから左フック、リーはアウトローを蹴る。再びタン・カイが右ボディから左フック、右フック。ここで1Rに続いて両者にイエローカードが提示される。

再開後すぐにリーが左ストレートから左ミドル。タン・カイも右ミドルから前に出て、左のアウトローを蹴る。リーが右フックから前に出ると、タン・カイも左フックを打ち返す。

タン・カイが右ミドル・右フックで前に出ると、この右フックでダウンを奪って一気にパンチを連打。ここでレフェリーが試合をストップし、タン・カイがTKO勝利で王座防衛に成功した。

狙いに狙い済ました右を当てたタン・カイは「前回の試合で、彼は僕のことをランナーと言った。でも、僕は足を使ってもカウンターを狙っていた。結果、今回、彼は前に出ることができなくなっていた。レフェリーは僕でなく、彼だけにイエローを提示すべきだった。シンジャオ・ファイトジムに感謝している。ようやくホーム、ケージに戻ってくることができた。もっと戦いたい」と語った。


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AB LFA MMA o ONE UFC ゲイリー・トノン タン・カイ タン・リー ライアン・ホール 高橋遼伍

ONE166:セミファイナル・タン・カイ vs. タン・リー

フェザー級王座統一戦5分5R。

タン・カイは中国人男子ファイターとして初のMMA世界王者。高橋遼伍にもKO勝ちしている。22年8月にタン・リーの王座に挑戦し、カーフを効かせ、右でダウンを奪い判定勝ちして王座を獲得。昨年ダイレクトリマッチが組まれたが負傷欠場していて、1年半ぶりの試合となる。28歳。

元王者で現暫定王者ベトナムアメリカ人タン・リー。北米のフィーダーショーLFAからONEに参戦し、ONEでの6勝はすべてKO勝ち。マーチン・ニューウェンにKO勝ちすると、グラップラーのゲイリー・トノンに対しては、足関を狙ってきたところにパウンドを打ち込んでKO勝ち。しかし初防衛戦ではタン・カイ相手にスタンドで出ることが出来ずに判定負け。暫定王座決定戦では、ロシアのフレイマノフにテイクダウンを奪われたが、下から内ヒールを仕掛けて一本勝ちした。父から学んだテコンドーと、グラップラーUFCファイターのライアン・ホールから学んだグラップリングが武器。38歳。

タン・カイが間合いの外でステップしながら待ちの姿勢。タン・リーもなかなか出ていけない。1分程度で早くもレフェリーから注意が入る。タン・カイがボディストレート。タン・リーが出てきたところに右を入れた。圧を強めてきたタン・カイ。カーフ。またボディ。ケージ際まで詰めたタン・カイ。タン・リーがタックルで組み付こうとしたが切られた。タン・カイボディ、前蹴り。残り1分でレフェリーが止めて両者にイエローが出される。タン・リーのボディにパンチを合わせたタン・リー。タン・カイカーフ。タン・リーミドル。残り10秒でパンチで出て膝につなげるが、バックステップでかわしたタン・カイ。ゴング。

2R。プレッシャーをかけるタン・カイ。ボディや前蹴りなど単発の打撃を入れる。ワンツー。タン・リーケージ際をサークリング。タン・リータックル。切られる。タン・カイ前蹴り。前回も効果的だったカーフも入れる。手数は少ないものの、先に手を出しているのはタン・カイ。タン・リー関節蹴り・ミドル。タン・カイはまたボディ打ち。タン・カイがパンチを打って、タン・リーが出てきたところにカウンターをあわせる。タン・リーがパンチで出るがバックステップでかわされる。また出て連打を出すが下がってかわされる。ゴング。

3R。ミドルの連打を入れたタン・リー。タン・カイまたカーフ。またプレスするが、ギリギリのところで出ないでカウンター待ち。タン・カイが待ち構えているのでタン・リーも出られない。結果として見合いが続いている。飛び込んで左フック。さらに右を入れたタン・カイ。またレフェリーが両者にイエローを出す。再開。タン・カイがミドル・ワンツーを入れた。タン・リーが出たところにカウンターを狙う。左フックを狙ったタン・カイ。タン・カイミドル。右フック。タン・カイの飛び込んでの右がヒットしタン・リーダウン!パウンド連打!KO!

ずっと同じ展開が続いていたが、決着は一瞬。タン・カイが返り討ちにして王座統一。

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【ONE166】2度目のタン・タン決戦=統一戦へ。フェザー級正規王者タン・カイ「自信しかない」

【写真】セレモニアル計量でのタン・カイ(C)ONE

いよいよ2時間後に迫ってきたONE166「Qatar」。同大会のコメチンでONEフェザー級世界王者タン・カイが、暫定王者タン・リーと戦う。
Text by Manabu Takashima

一昨年8月の対戦で3-0の判定勝ちを収め、世界のベルトを巻いたタン・カイ。ダイレクトリマッチが決まったものの昨年7月の一戦はヒザの負傷でキャンセルした。今、ジムごとタイに移り万全の準備ができたというタン・カイに試合前の心境を尋ねた。


──タン・リーとの再戦が迫ってきました(※取材は2月26日に行われた)。今の気持ちを教えてください。

「この試合をずっと待っていた。それだけ準備期間も長かったし、これ以上ないほど気合いが入っている。最高の試合をするつもりだ」

──昨年の7月にこの再戦は予定されていましたが、ヒザの負傷でキャンセルとなりました。

「僕のヒザはもう大丈夫だ。問題ないよ(※本人が通訳を通さず、英語で返答した)」

──ところで所属するシンジャン・ファイトジムが中国のチンタオからチームごとタイのパタヤに移ったと知った時には、本当に驚かされました。ちょっと普通の出来事ではないですよね。

「マイ・ボス・ハズ・ビッグマネー。ノープロブレム(笑)」

──ハハハハハ。

「それは冗談としても、ジムがパタヤに移ったことは僕のキャリアを考えるとポジティブでしかない。今、タイはMMAのトレーニングをしていくうえで凄く良い環境が揃っている。そしてチームは、ダゲスタンから3人のフルタイムコーチを招待した。ダゲスタン人コーチのお陰で、僕のMMAはもの凄く進化している。だから今回のタン・リーとの再戦も、自信しかない」

──タイのジムは国際色が豊かですが、どのような国の選手がシンジャン・ファイトジムに集まっているのでしょうか。

「シンジャン・ファイトジムは中国人選手が中心で、何人か違う国の選手が合流している。そして、僕はチーム全体のサポートを受けている。と同時にプーケットに行ってタイガームエタイでキャンプのいくつかのパートを行って来た。タイガームエタイは多国籍軍だから色々なスタイルの選手と練習できる利点があるんだ。

圧倒的にロシア人ファイターが多くて、そこにブラジル、キルギスやウズベキスタンなど中央アジアの選手がいる。凄く良い練習ができるよ」

──タイガームエタイでは、日本人選手とも合流がありましたか。

「ホンダ! ホンダ!! 彼だけでなくタイガームエタイで練習をした日本人選手は、みな礼儀正しくて尊敬できる選手ばかりだったよ」

──ところで前回のタン・リーと試合は、ある意味一方的ともいえました。そのなかでダイレクトリマッチとなりましたが、その点はどのように捉えていますか。

「何も問題ないよ。タン・リーが再戦を望み、ONEが再戦を望んだ。なら僕は戦うだけだからね。そして前回以上に一方的な試合をして、もう2度とタン・リーが僕と戦いたいと思わないように叩きのめす」

──タン・リーが暫定王座決定戦で、イリャ・フレイマノフを内ヒールで破った試合はどのように分析していますか。

「タン・リーは良い試合をしたよ。ただ、あの足関節は驚くべきモノじゃない。彼はブラジリアン柔術の黒帯だからね。イリャの寝技は、そうでもない。だからこそ、イリャのゲームプランは間違っていた。彼は素晴らしいストライカーなのだから、なぜ寝技の展開に自ら持ち込んだのか。完全なミスだったよ。そんなことをしなければ、彼が暫定王者になっていたはずだ。あの展開になったのだから、タン・リーのフィニッシュや勝利は十分に予想できた。でも僕にあの攻撃は通じない。

僕自身、特に何かが大きく変わったとかそういうことではないけど、100パーセントの準備ができた。全力でフィニッシュする。そして世界王座を統一する。ベルトは僕のところに戻ってくるよ」

──今大会は初のカタール大会で、秋には米国大会が2度予定されています。ONEの拡大をどのように思っていますか。

「試合に集中しているから、そういうことは頭になかった。これから僕がどこで戦うのか、何も考えていない。とにかくタン・リー戦のことしか考えていないんだ。今回の試合は、日本のファンも僕の拳に注目してほしい」

■放送予定
3月1日(金・日本時間)
午後9時15分~U-NEXT

■ONE166対戦カード

<ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ライニア・デリダー(オランダ)
[挑戦者] アナトリー・マリキン(ロシア)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)王座統一戦/5分5R>
[正規王者] タン・カイ(中国)
[暫定王者] タン・リー(米国)

<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ジャレッド・ブルックス(米国)
[挑戦者] ジョシュア・パシオ(フィリピン)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アージャン・ブラー(カナダ)
アミール・アリアックバリ(イラン)

<ボクシング147ポンド契約/3分3R>
ズハイール・カハタニ(サウジアラビア)
メディ・ザトゥー(アルジェリア)

<サブミッショングラップリング・フライ級(※61.2キロ)/12分1R>
オサマ・アルマルワイ(イエメン)
クレベル・ソウザ(ブラジル)

<ムエタイ147.75ポンド契約/3分3R>
ザファー・シャイック(トルコ)
ウラジミール・クズミン(ロシア)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ザカリア・ジャマリ(モロッコ)
アリ・サルドエフ(ロシア)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
鈴木真治(日本)
ハン・ズーハオ(中国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
ジェレミー・ミアド(フィリピン)

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【ONE166】同時三階級制覇へ。アナトリ―・マリキン「試合が終わればチョコレートケーキを10キロ食う!!」

【写真】公開計量でもノリノリだったマリキン(C)ONE

本日1日(金・日本時間)にカタールはルサイルのルサイル・スポーツ・アリーナで開催されるONE166「Qatar」。メインが開催される。メインはライニア・デリダーにアナトリー・マリキンが挑む、ONE世界ミドル級選手権試合だ。
Text by Manabu Takashima

挑戦者のマリキンは暫定ヘビー級王者時代の2022年12月に、当時ミドル級&ライトヘビー級と二冠王者だった ライニア・デリダーが持つライトヘビー級王座に挑戦し、初回でTKO勝ち。昨年6月に正規王者アージャン・ブラーとヘビー級統一戦を戦い、これもTKO勝ちを収めて二階級制覇を達成した。

今回、ONE史上初の3階級同時制覇を狙うロシアンは、底抜けに陽気で人生をエンジョイしている。


──アナトリー、今日はインタビューを受けてくれてありがとうございます。

「さぁ、始めよう。レッツ・ゲット・レディ・トゥ・ランブル!!(笑)」

──ライニア・デリダーへの挑戦が、今週末に控えています(※取材は2月26日に行われた)。今の気持ちを教え下さい。

「絶好調だよ。試合が、いやヤツをぶちのめす瞬間が待ち切れない。そして、試合が終わればすぐにチョコレートケーキを10キロ食べてやる。その瞬間を想像すると、本当に気合が入るんだ(笑)」

──マイクでもジョークが欠かせないアナトリーですが、MMAPLANETでは初めてのインタビューとなります。日本のファンにキャリア、人となりを伝えられると幸いです。

「日本のことはヒョードル・エメリヤーエンコから、いつも聞かされていた。『日本の人達は、信じられないぐらい親切なんだ』ってね。いつか日本で戦いたいんだけど、日本には俺と戦うことができるヘビー級ファイターがいないんだよな。でも、日本で戦うためなら。74キロまで体重を落としても構わないよ(笑)」

──ハハハハハ。ところでアナトリーがMMAを戦うようになったのは29歳の時で、正直なところ相当に遅いデビューです。

「ずっとフリースタイルレスリングをやっていて、ロシア選手権で銅メダルを取ったこともある。そしてレスリングキャリアを終えてブラジリアン柔術を始めたんだ。サブミッション・グラップリングでは欧州大会で優勝している(UWW欧州選手権)。その頃、ヒョードルがファイター役で出演している映画を見たんだ。その影響を受けて、MMAをやろうと思った」

──グラップリングがベースと思えないほど、打撃も使いこなすウェルランダーとして活躍していますね。

「ボクシングは3年間、タイガームエタイのジョン・ハッチンソンにしっかりと指導を受けてきた。練習をしている間に、自分には打撃の才能があることが分かった。そしてファンも打撃戦、流血戦を望んでいる。今ではファンの期待に応えるべき、より打撃に集中している。このレベルに戦うようになれば、打撃は絶対に必要だし、KO勝ちをすればボーナスも手にしやすいだろう?(笑)。ファンもアクションを求め、俺はボーナスを手にできる。打撃で戦えば、皆が得をするってわけだよ」

──ところでさきほどヒョードルの話が出ましたが、どのような関係なのでしょうか。

「心が温まるような友人関係だよ。俺が勝てば、絶対に祝福のメッセージが届くし、彼のチームではサポートも受けている。彼自身とも何度も練習してきた。ただの友人以上の関係で、俺もヒョードルのようにファイトを究め、同じような成功を修めたい」

──ところでMMA帝国といえるロシアですが、最近ではダゲスタンやチェチェンというコーカサス系ファイターの注目度が上がり、スラブ系選手の影が薄くなっていると感じることはないですか。

「まぁハビブ・ヌルマゴメドフに代表されるように、コーカサスから優秀なファイターが多く育っているからね。ただコーカサス系と同じようにスラブ系のロシア人からも強い選手は育っている。互いに競い合って、強くなっていければ良い。俺にはダゲスタン人の友人も多いし、ライバル心を持つこともない。

彼らと試合をすることもあるけど、試合が終われば握手をして友人に戻る。互いに応援し合っている。それに俺は一切ダゲスタン人ファイターだけでなく、どの民族の選手に対してもネガティブな印象を持ったことはない」

──前回のデリターとの戦いは、彼の持つライトヘビー級王座への挑戦でした。今回はミドル級、93キロの戦いです。この体重で戦うことは、肉体的に負担はないですか。

「97キロから、93キロまで体重を落とす必要はある。でも食事制限を少しするだけで、問題なく落ちるだろう。試合当日には普段の体重に戻っているし、93キロで戦うことに向けての練習でチームの皆のサポートを受けた。普段と変わらない……重いパンチを打てることも確認済みだ。ミドル級のベルトを巻いて、パーティーで大きなアイスクリーム、ケージをたらふく食べることが楽しみでならない」

──3本目の世界王座奪取に自信タップリなようですね。

「ベルトに関係なく、自信は常にある。ベルトの数が、僕の自信に影響したことはない。タイトルを持っていなくても、これは俺の仕事で今も愛し続けている。きれいごとでなく本当に自分の全てを賭けている。家族の支えがあり、チャトリがこの機会を与えてくれたことで、こんな風に最高の舞台で戦うことができる。ONE Championshipには心の底から感謝しているし、何よりもこの日々を愛している」

──では金曜日の夜には、世界にどのような試合を発信したいですか。

「エネルギー、魂、このスポーツを戦う覚悟。自分がやるべきことを全うしたい。そしてファンが求めるアクション、流血、打撃をケージに持ち込む。そんな姿を皆に見てもらいたい。そして、俺のハッピネスを皆と共有したい。レッツゴー!!」

■放送予定
3月1日(金・日本時間)
午後9時15分~U-NEXT

■ONE166対戦カード

<ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ライニア・デリダー(オランダ)
[挑戦者] アナトリー・マリキン(ロシア)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)王座統一戦/5分5R>
[正規王者] タン・カイ(中国)
[暫定王者] タン・リー(米国)

<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ジャレッド・ブルックス(米国)
[挑戦者] ジョシュア・パシオ(フィリピン)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アージャン・ブラー(カナダ)
アミール・アリアックバリ(イラン)

<ボクシング147ポンド契約/3分3R>
ズハイール・カハタニ(サウジアラビア)
メディ・ザトゥー(アルジェリア)

<サブミッショングラップリング・フライ級(※61.2キロ)/12分1R>
オサマ・アルマルワイ(イエメン)
クレベル・ソウザ(ブラジル)

<ムエタイ147.75ポンド契約/3分3R>
ザファー・シャイック(トルコ)
ウラジミール・クズミン(ロシア)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ザカリア・ジャマリ(モロッコ)
アリ・サルドエフ(ロシア)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
鈴木真治(日本)
ハン・ズーハオ(中国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
ジェレミー・ミアド(フィリピン)

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【ONE166】タン・カイと王座統一戦、タン・リーが中村倫也の足関防御&パウンドの関係性を語る

【写真】生き生きと倫也×ヴェラ戦と自身とトノンとの戦いを比較してくれました(C)MMAPLANET

本日1日(金・日本時間)にカタールはルサイルのルサイル・スポーツ・アリーナでONE166「Qatar」が開催される。同大会のコメチンでONE暫定世界フェザー級王者タン・リーが、正規王者タン・カイと王座統一戦を戦う。
Text by Manabu Takashima

MMA史にあってテコンドーを最も落とし込んだファイトスタイルを構築したといっても過言でないタン・リーは、昨年10月の暫定王座決定戦を内ヒールで勝利している。1年7カ月前のリベンジに自信を強めているタン・リーに38歳になった心身、そして盟友カルロス・ヴェラと対戦した中村倫也の戦い振りについて尋ねた。

タン・リーとは試合前、戦術・技術的なことは公にできない。その一方で、倫也の足関防御とパウンドの関係性について自身がゲイリー・トノンをパウンドアウトした時と比較して非常に詳細に話してくれた。MMAは科学だ。


──後ろの景色を見ると、もうカタールに入っているのですね(※取材は26日に行われた)。

「日曜日の朝、1日少し前に着いているよ。今は汗をかいて、時差や気候の違いを調整中だ。初めてミドルイーストにやってきたけどホテルは最高だし、どこも綺麗だ。ホテルのホスピタリティもいうことなしで、何もかも順調に過ごせているよ。見知らぬ国にやってきて戦うことは、凄くエキサイティングだ。

ただ思った以上に寒い。65度ぐらいかな(華氏。摂氏では18度ぐらい)。もっと暑いと思っていたんだ。朝晩はさらに気温が下がるし。ニューオリンズと変わりなくて、湿気がない分過ごしやすいね。ニューオリンズの夏なんて、酷い湿度で息がしづらいと感じる時もあるからね」

──今回は1年7カ月ぶりのタン・カイとの再戦。王座統一戦となります。今、どのようなフィーリングですか。

「正直なことを言うと、メンタルは過去最高だ。しっかりと準備ができていて、凄く自信がある。ずっとタン・リーと戦うことを考えてきた。自分のなかで、イケるという感覚を掴んだゲームプランもある。本当に長い間、この試合について考える時間があったから、色々なオプションも用意しているしね。まぁ、前回の試合を振り返ると自分への不満が爆発しそうになる。あの時は本当に最悪だったけど、今回は完全な準備ができているよ」

──昨年10月のイーリャ・フレイマノフ戦との暫定王座決定戦では、内ヒールで一本勝ち。今やタン・カイはタン・リーの足関節を気にしないといけなくなりましたね。

「1年以上を掛けてレッグロッグ・ゲームを構築してきた。タン・カイは長い間、僕のことを研究してきただろうけど、そこにないモノを考える必要が生じたはずだ。彼が気になる要素を増やせたことは良かった。それにヒザのケガをして試合を欠場したのだから、レッグロックを嫌がることも間違いないだろう」

──レッグロックを意識すると、戦いやすくなると?

「その通りだよ。彼が思っていたよりも、僕は危険になっている。そう思わせることができるだけで有利な状況になる。タン・カイがグラップリングを気にしないといけなくなったことで、僕はより打撃が使いやすくなる。結果、グラップリングで攻めるチャンスも増えるだろう」

──ところでタン・カイは、前回の世界戦から実戦を戦っていないです。リング・ロス、ケージ・ロスがあって然りかと。

「彼自身がインタビューでリング・ロスについて話しているのだから、きっと現実的な問題なのだと思うよ。彼がリング・ロスを気にすることは、僕にとっては都合が良いよ。そういう精神状態であるならね。ただ僕としては、ベスト・バージョンのタン・カイを想定してやってきた」

──この間に38歳になりました。悪い意味だけでなく、良い意味も踏まえて若い頃と比較してどのような変化を感じることがありますか。

「疑うことなく、フィジカルもメンタルも過去最高だよ。シャープで、健康的だ。40歳が近づいてくると、皆がハードスパーをセーブするようになる。フィジカルコンディショニングに関しても、20年も戦っていることで色々な影響は出てくるものだ。ただし、トレーニングとファイトは違う。

若い選手の方が、年寄りに負けられないっていう余計な気持ちが影響するんじゃないかな。僕は年を重ねた。40歳が近い。それを受け入れているから、何も影響されるモノがない。何より、もう以前から体がいうことを聞かなくなれば引退の時だって決めてきた。それはジムでの練習中でも、だよ。

そして試合よりもハードなトレーニングを強いている。ファイトがイージーになるようにね。仮にフィジカルとメンタルのどちらの調子が良いのか選ばないといけないとすると、いつだってメンタルだと答えられるように努めている」

──引退した選手たちから、反応速度の小さなズレが生じると以前のような感覚で戦うことができなくなる。その時に引退を決めたという話を聞きます。

「反応速度が遅くなったということは、これっぽっちも感じたことはないよ。敏捷性、反応とスピードは違う。そこは、格闘家人生でずっと意識してきた部分だから。それが僕に柔軟性を与え、今も体のキレが落ちることなくキャリアを続けることができる大きな要因になっていると思う。ちょっとした予知能力というのは、トップファイターなら誰もが持っている。先を読む力が、自分の体を守ることになるわけだから。

相手が打つときには、それが分かっていないといけない。打ってから分かっても、攻撃を被弾するだけだ。今は全く感じていないけど、そこで衰えを感じるようだと、全く躊躇することなく引退するよ。今回の試合でそうなれば、後腐れなく引退する。来月、反応速度が落ちたと感じたら、思い残すことなく身をひく。引退することは、何も問題ない。でも、今は全くそんなことは風に感じることがない。過去最高に調子が良いから、試合が凄く楽しみだよ」

──では金曜日の夜、どのような試合をファンに見せたいと思っていますか。

「とにかく、タン・リーというファイターの動きを見て、しっかりとアジャストして戦いたい。前回の彼との試合は、僕がONEで戦ってきたなかで最悪の動きだった。タン・カイは今回、僕と相対した時に前回とは全く違うファイターが目の前にいると気づくだろう」

──押忍。ここで一つ、今回の試合とは関係ないことを尋ねさせてもらって良いでしょうか。

「もちろんだよ」

──17日のUFCで盟友のカルロス・ヴェラが、日本の中村倫也選手と試合をしました。

「そうだね(笑)」

──あの試合で中村選手はしっかりとヴェラの足関節を防ぎました。以前、タンがゲイリー・トノンと対戦した時、絡んでくるゲイリーの足を捌いてパウンドアウトしました。対して、中村選手は拳を負傷したようですがさほど有効なパウンドを打つことができなかったです。ヴェラのコーナーにいたタンからみて、中村選手のパウンドに修正点があれば教えていただけないでしょうか。

「僕はリンヤのことはそれほど知らなかったんだけど、素晴らしい動きだったよ。凄くエクセレントなファイターで、今では彼のことを凄く尊敬している。リンヤとカルロスの攻防と、ゲイリーと僕の攻防は同じ足関節が軸になったとしても、少し違う。カルロスがレッグロックを仕掛けた時、頭を動かしてリンヤのパンチが届かない場所に置こうとしていたんだ。そして、常に頭の位置を考えていた。顔面を殴られないようにね。

これはプラス・マイナスということになるけど、カルロスはパンチを貰わないようにしていたから足関節を極め切れなかったともいえる。対してゲイリーは過去に何度もあの形でフィニッシュを奪ってきたから、その極める感覚が強過ぎたんだと思う。ゲイリーは真正面を向いて、足関節を仕掛けてきた。立ち上がっている僕に対してね。対してカルロスはさっきも言ったように、パンチを貰わないように頭の位置を変えていた。

ゲイリーは極めることへの意識が強く、顔を守ることの意識が下がっていた。そういう違いが2人にはあったんだ。それにゲイリーは一方の足にしか仕掛けてこなかったから、僕は回転してもバランスが取れていた。それはやっぱり、ゲイリーが僕の真正面に顔を置いたままエントリーしてきたことが大きいよ。

リンヤのパウンドは若干ワイルドだったかもね。もう少し、重心を意識していているとパンチの精度は上がったかもしれない。とはいえ彼は足関節をエスケープしても、下にならないことを考える必要があった。カルロスはそういう仕掛けをしていたから」

──いやぁ、MMAは科学ですね。

「そうでないと、目を閉じて腕を振りまわせば良いってことになってしまう。そういう戦いは、ずっと昔にやめたんだ(笑)。いずれにせよリンヤは決定打ではなかったけど、ちゃんとパンチを入れていた。エスケープは素晴らしく、危険な攻撃も仕掛けていたよ」

──タン、今日もありがとうございました。では日本のMMAファンにメッセージをお願いできますか。

「こないだ、ONEが日本大会を開いたじゃないか。僕も本当にあの場に立ちたかった。次の日本大会の時は、ぜひとも皆の前で戦いたいと思うので、その前に金曜日の試合を楽しみにしてほしい。前回とは違い、判定にもつれ込むことなくタン・カイか僕か──どちらかが失神して終わる戦いになるだろうからね」

■放送予定
3月1日(金・日本時間)
午後9時15分~U-NEXT

■ONE166対戦カード

<ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ライニア・デリダー(オランダ)
[挑戦者] アナトリー・マリキン(ロシア)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)王座統一戦/5分5R>
[正規王者] タン・カイ(中国)
[暫定王者] タン・リー(米国)

<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ジャレッド・ブルックス(米国)
[挑戦者] ジョシュア・パシオ(フィリピン)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アージャン・ブラー(カナダ)
アミール・アリアックバリ(イラン)

<ボクシング147ポンド契約/3分3R>
ズハイール・カハタニ(サウジアラビア)
メディ・ザトゥー(アルジェリア)

<サブミッショングラップリング・フライ級(※61.2キロ)/12分1R>
オサマ・アルマルワイ(イエメン)
クレベル・ソウザ(ブラジル)

<ムエタイ147.75ポンド契約/3分3R>
ザファー・シャイック(トルコ)
ウラジミール・クズミン(ロシア)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ザカリア・ジャマリ(モロッコ)
アリ・サルドエフ(ロシア)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
鈴木真治(日本)
ハン・ズーハオ(中国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
ジェレミー・ミアド(フィリピン)

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【ONE166】パシオの挑戦を受けるジャレッド・ブルックス「フ〇ック、柔術。ファ〇ク、ムエタイ」

【写真】舌好調なジャレッド・ブルックスでした(C)MMAPLANET

3月1日(金・日本時間)にカタールはルサイルのルサイル・スポーツ・アリーナで開催されるONE166「Qatar」でONE世界ストロー級王者ジャレッド・ブルックスが、ジョシュア・パシオの挑戦を受ける。
Text by Manabu Takashima

2022年にそのパシオからベルトを奪ったブルックスだが、昨年はMMAの試合はなくマイキー・ムスメシの持つサブミッショングラップリング世界フライ級王座に挑んで敗れた。そのブルックスが、1年3カ月振りのMMAでの試合に向けて胸の内をダイレクトにぶつけた。

かつてのようなトラッシュ・トーカーではない。それでも、相手をこき下ろす言葉はリズムに乗ってスラスラと口をつく。それでいて、変わらない日本への想い。アスリート然としていない実力者、それがブルックスの魅力だと再確認できた。


──カタールでの試合になりますが、中東を過去に訪れたことは?

「ないよ。今回が初めてだ。でも、ホテルは本当に綺麗で食事も最高だ。こうやって旅をするのは大好きだけど、本当にカタールに来ることができてハッピーだよ」

──東南アジアと中東、どちらの方が移動は大変ですが?

「そこは特にどちらが良いっていうことはないかな。やはり試合前は少しでも早く現地入りをして、調整をしたいから。ただ試合の2日前にシンガポールに入った時も問題なかった。どんな状況でも開催地に行って、試合をする。それが僕の仕事だから。さっきも言ったように、どこへ行くのも最高だからね。ただし、これまでの人生で一番の訪問先は日本であることは譲りようがないよ」

──ありがとうございます。サービストークでない感じが伝わって来て、嬉しい限りです。

「だって2016年にWSOF-CG、そしてパンクラスで戦った時から、ずっとこうやって取材をしてくれるメディアもいて」

──そのMMAメディアとして、昨年のONEにはフラストレーションがたまりました。ムエタイやサブミッショングラップリングを盛り上げるために、MMAファイター……しかもチャンピオンが使われたような感じで。

「僕だってMMAをもっと戦いたかった。そして僕のスター性を重視し、米国大会でプッシュするべきだろうって思っていたよ。僕が防衛戦を行わないことで、ストロー級の動きも止まってしまう。選手たちもフラストレーションがたまる。でもプロとして、求められることをするのも僕の役割だ。MMAの試合が少ないことで不満が起こるのは、僕の責任ではなくてプロモーションの問題だから。僕自身は少しでも多くファイトをしたい。30歳、これからの5年間が僕にとってピークとなるだろうから。これからの5年は、可能か限りの試合数をこなしたい。

スーパースターになって皆を引っ張りたい。でも、米国人だ。アジアベースのプロモーションでその役割は求められていない。結果として自分のために戦うわけで、そこも気にしていないよ、もう。皆が僕を嫌っていても構わない。僕はリング、ケージに上がって戦うだけで。

ONEはムエタイと柔術をMMAのように大きなスポーツにしたいという考えがあるわけだし、MMAファイターがそこに交わるのは最上のアイデアなんだよ。だってMMAこそが、最も世界で知られたファイトなんだから。UFCがあり、日本にだってPRIDEがあってRIZINがある。ムエタイと柔術は、そこまでの大きな存在になっていない。まだ、スーパースタースポーツにはなり得ていない。だからね、そこに力を入れられて、MMAファイターがムエタイや柔術が知られるためのツールにされるなんて、実際はファッ〇〇フって気持ちだよ」

──アハハハハ。

「フ〇ック、柔術。ファ〇ク、ムエタイ。僕が最高のショーを見せてやるから」

──最高です。ところで今回の挑戦者はジョシュア・パシオになりました。タイトルを奪取したときに、初防衛の相手がジョシュアになると思っていましたか。

「僕はストロー級でやるべきことは、やり尽くした。ボカン・マスンヤネ、リト・アディワンをフィニッシュし、ヒロバ・ミノワも判定だったけどニア・フィニッシュまで追い込んでいる。ジョシュア・パシオをそうだ。他の試合よりは少し接戦だったけど、文句のない勝ち方だった。だから、なぜONEがまた彼と戦わせたいのか分からない。

とにかくジョシュア・パシオを再び倒し、僕はDJとの試合に向かう。今回、ストロー級最強だと証明し、DJを指名する。柔術なんてやっている暇はないぞってね。そして、もう2度とジョシュア・パシオと戦うことはない。ONEはジョシュア・パシオにチャンスを与え過ぎだ。今回の試合で皆を黙らせ、ジョシュア・パシオが二度と大口を叩けないようにする。フィリピン人のファンの皆がリアル・ファイター、本物のミックスマーシャルアーチストとはどういう人間なのか、正しい道に導いてやろうと思っている」

──押忍。ところでジョシュアとマンスール・マラチェフの試合は、どのように見ましたか。あそこでマラチェフが勝っていれば、今大会の挑戦者も違っていたかと。

「あの試合はライブで視聴していたんだけど、ジョシュア・パシオが勝ったと思ったよ。なぜか、僕はONEのルールを知り抜いているからだ。ギロチンのキャッチ、あれだけ勝った。ラウンド・バイ・ラウンドならマラチェフの楽勝だ。マラチェフはトップを取ってから、疲れてしまった。あの試合はマラチェフにとって、良いレッスンになったはずだ。ボディロックを懸命に続けていても、ONEでは勝てないってね」

──ギロチンのキャッチで勝てる……。ポジションを取ってサブミットできなくても、自分の優位が変わらない。そこが真のキャッチポイントで、逃げられると下になって不利な位置にいる仕掛けは掛け逃げに通じると思います。

「良い見方だと思う。ボトムになる仕掛けでも、腕十字ならキャッチがあっても良いかもしれない。ケガをさせる攻撃だからだ。でも、ギロチンに関してはキャッチの評価を下すのが凄く曖昧だ。と同時に、ONEでは下になることがユニファイドのようにマイナス要因にならない。ギロチンを防がれても、下からエルボーやパンチを入れると挽回できる。それがONEのMMAだ。ジョシュア・パシオはそこを頭に入れて戦っている。でもジャッジに関しては、何が有効な攻撃かはもう少し勉強してほしいところだ」

──ジョシュアもONEの裁定基準をよく理解して戦っていたと。そして挑戦権を手にできたわけですね。

「ただマラチェフとヨースケ・サルタとの試合を見て、今回のジョシュア・パシオ戦に向けてさらなる自信になったよ。この1年半で、僕が何を身ににつけたのか。しっかりと披露する良い機会になると思う。マイキー・ムスメシ戦のために、これまで以上に柔術に取り組んだ。そこで学んだものに、拳の利用方法を融合させてジョシュア・パシオと戦うことになる。

実はマラチェフはムスリムだし、カタールで挑戦者になるのはビジネスとして正しいと思っていた。でも、こっちに来てみて分かったよ。この国には凄い数のフィリピン人が住んでいる。

■2022年のワールドカップの際に話題になったが、カタールにおけるカタール人が占める人口は全体の1割程度で外国人労働者の人権問題が起こっていた。フィリピン人はカタールでインド人に次ぐ労働者数を誇る。

ジョシュア・パシオは人々を熱狂させることができるファイターじゃない。ただ単にフィリピンの同朋が、彼に思い入れを持っているだけなんだ。ジョシュア・パシオはグレートファイターだ……東南アジアではね。僕は合衆国からやって来て、与えられた試合を戦う。第1試合だろうが、誰が相手だろうが、戦う。ジョシュア・パシオはフィリピンの人達のサポートがあるから、この位置で戦うことができているに過ぎない。

ストロー級最強はジャレッド・ブルックスだ。誰も僕を倒すことはできない。ジョシュア・パシオが僕をKOしたり、サブミットすることは今回の試合も、これからも未来永劫に、絶対にない。どうすればアゴを砕くことができるのか、試合で見せてやる。そうすれば、ストロー級でもう誰も俺と戦いたいとは思わないようになるだろう。

ストロー級をドミネイトしているのは俺だ。徹底的にジョシュア・パシオを苦しめぬく。もうONEチャンピオンシップがどれだけジョシュア・パシオをプッシュしても、再浮上できないようにする。そして、フライ級に転向だ。ジョシュア・パシオは体だけは、俺よりデカい。バカみたいに減量している。本来はプロモーションが認めていないことをやって、ケージに上がってくる。通常体重で戦うという建前は、どこにいった?(笑)。ジョシュア・パシオが脱水をしていないわけがない。ワハハハハ。

試合の時は、きっと142ポンド(※64.86キロ。ストロー級リミットは56.7キロ)くらいはあるだろう。でも、そんな体の大きさは本物の前では問題ない。そして、俺はONEの米国大会で自分の今後を賭けた試合に挑む。米国はUFC、MMAにとって一番大きな市場だ。そこで俺が抜きん出ないと、どうなる? そうやって自分のキャリアを賭けた、ギャンブルに挑む。通じなければ、それで終わりだ」

山北渓人と。口が悪いが、良いヤツ(C)MMAPLANET

──さすがのブルックス節。

そして素晴らしい覚悟です。では、日本のファンに一言お願いします。

「アリガトーゴザイマース。2016年から僕のインスタ、フェイスブックをフォローしてくえる日本の皆、僕の君たちへの想い、愛は変わることはない。いつも、本当にありがとう」

■放送予定
3月1日(金・日本時間)
午後9時15分~U-NEXT

■ONE166対戦カード

<ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ライニア・デリダー(オランダ)
[挑戦者] アナトリー・マリキン(ロシア)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] タン・カイ(中国))
[挑戦者] タン・リー(米国

<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ジャレッド・ブルックス(米国)
[挑戦者] ジョシュア・パシオ(フィリピン)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アージャン・ブラー(カナダ)
アミール・アリアックバリ(イラン)

<ボクシング147ポンド契約/3分3R>
ズハイール・カハタニ(サウジアラビア)
メディ・ザトゥー(アルジェリア)

<サブミッショングラップリング・フライ級(※61.2キロ)/12分1R>
オサマ・アルマルワイ(イエメン)
クレベル・ソウザ(ブラジル)

<ムエタイ147.75ポンド契約/3分3R>
ザファー・シャイック(トルコ)
ウラジミール・クズミン(ロシア)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ザカリア・ジャマリ(モロッコ)
アリ・サルドエフ(ロシア)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
鈴木真治(日本)
ハン・ズーハオ(中国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
ジェレミー・ミアド(フィリピン)

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【ONE166】山北渓人と対戦、ジャレミー・ミアド「もう勝つしかない2人のファイトだから」

【写真】山北を驚かすことができる一発は持っている。そして一発頼りにならない組み立ても持っているミアドだが、果たして……(C)MMAPLANET

3月1日(金・日本時間)にカタールはルサイルのルサイル・スポーツ・アリーナで開催されるONE166「Qatar」にて、山北渓人と対戦するジェレミー・ミアド。
Text by Manabu Takashima

キャリアは10勝6敗でONEでのレコードは6勝6敗のイーブン。優れた打撃と穴のある組み技という印象を残すミアドは、所属していたマロックが空中分解しても母国フィリピンに戻らず、タイでの練習をチョイスした。

リト・アディワンと1勝1敗、ダニエル・ウィリアムスに勝利している一発を持つミアドは、自らの弱点と向き合う日々を送るなかで、ベルトを諦めない気持ちの証としてショートノーティスで山北との対戦を了承した。


――今、どちらにおられるのですか。

「タイだよ」

──ではいつ、カタールへ?

「月曜だったと思う(※取材は24日に行われた)」

──ONEにとって歴史的な初のカタールでの大会で戦うことをどのように思っていますか。

「カタール大会に出られることを凄く光栄に思っているので、MMAファンにケイトと最高の試合を届けたい」

──ところで今回の試合のオファーはいつ頃にあったのでしょうか。

「確か3週間ほど前だった。正直、今回の大会で試合が組まれるとは思ってもいなかった。しかも対戦相手がケイトになるなんてね。ケイトは1月の東京大会でボカンに負けたばかりだったし、オファーがあった時はビックリした。でも試合があることは良いことだからね」

──3週間前ですか……、その時は戦える状態にありましたか。

「アスリートだから、試合がなくてもグッドシェイプをキープしている。試合までの時間が短くても、少し体重を調整するだけで心身とも戦える状態だったよ」

──ところでジェレミーは以前、所属していたマロック・ジムは活動を停止しましたが、そのままフィリピンに戻らずにタイで練習を続けているのですね。

「これから上を目指し続けるには、レベルの高い練習相手が必要だ。だからタイに残った。今はプーケットのサウスサイドMMAで毎日トレーニングをして、他のジムでクロストレーニングも行なっているよ。サウスサイドMMAにも他のジムから多くの選手が練習に来ている。ただコーチはマロック・ジムの時と変わらない。一緒にプーケットにやってきたから。ここでは僕の弱点といえるレスリングやグラップリングもしっかりとトレーニングできている。

サウスサイドMMAでは米国人選手との練習が多く、週に3日は別のジムへ行きロシア人ファイターとレスリングのトレーニングをしているんだ」

──以前と比べて、組み技に自信を持てていますか。

「正直、ケイトと戦って僕のグラップリングがどれだけ通じるかは分からない。でもプーケットで練習するようになって打撃もグラップリングもレベルアップできた。ケイトはテイクダウンだけでなく、打撃も使える。そこは彼のゲームプラン次第で、すぐに組んでくるか、打撃から来るかは分からない。

ただ僕と戦うんだから、まずはテイクダウンを狙ってくるはずだ。ケイトはただでさえ優れたファイターだけど、前回の負けがあるから絶対に負けられないという気持ちで向かってくるだろう。ここで連敗なんてすると、ベルトが遠のくからね。

でも、それは僕も同じだ。僕は既に2連敗中だ。この試合を断らなかった理由は、トップ5に名前を連ねたいからで。ここでケイトに勝って、もう1試合勝つと今年中にタイトルショットの機会が与えられるかもしれない。だからこそ、ケイトとの試合は負けることは許されないんだ。僕だってベルトを狙っているからね。

そういう2人が戦うんだから、アグレッシブで激しい試合になるだろう。もう勝つしかない2人のファイトだから。結果的にファンに喜んでもらえる試合になるに違いないよ。日本のファンはケイトの応援をするのは当然だけど、僕らの試合──それとONEカタール大会を楽しんでもらいたい」

■放送予定
3月1日(金・日本時間)
午後9時15分~U-NEXT

■ONE166対戦カード

<ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ライニア・デリダー(オランダ)
[挑戦者] アナトリー・マリキン(ロシア)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] タン・カイ(中国))
[挑戦者] タン・リー(米国

<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ジャレッド・ブルックス(米国)
[挑戦者] ジョシュア・パシオ(フィリピン)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アージャン・ブラー(カナダ)
アミール・アリアックバリ(イラン)

<ボクシング147ポンド契約/3分3R>
ズハイール・カハタニ(サウジアラビア)
メディ・ザトゥー(アルジェリア)

<サブミッショングラップリング・フライ級(※61.2キロ)/12分1R>
オサマ・アルマルワイ(イエメン)
クレベル・ソウザ(ブラジル)

<ムエタイ147.75ポンド契約/3分3R>
ザファー・シャイック(トルコ)
ウラジミール・クズミン(ロシア)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ザカリア・ジャマリ(モロッコ)
アリ・サルドエフ(ロシア)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
鈴木真治(日本)
ハン・ズーハオ(中国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
ジェレミー・ミアド(フィリピン)

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