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【UFC ABC07】トニー・ファーガソンが対戦、マイケル・キエーザ「僕は日本で戦わなければならない」

【写真】さすがはカラーコメンテーター。非常に整理整頓された言葉が続いた(C)MMAPLANET

3日(土・現地時間)、UAEはアブダビのエティハド・アリーナでUFC ABC07「Sandhagen vs Nurmagomedov」が開催され、マイケル・キエーアがトニー・ファーガソンと対戦する。
Text by Manabu Takashima

今やファイターだけでなく、UFC中継の解説者としても活躍中のキエーサに解説業とファイター人生を尋ねた。「自由になれれば強くなれる」という彼の言葉はオクタゴンの内外で当てはまる。非常に穏やかでキエーザだが、日本のファンへの一言という紋切り型の締めに対し、それまで以上に声が籠るという一面が見られた。


――トニー・ファーガソン戦が今週末に行われます(※取材は7月30日に行われた)。今の気持ちを教えてください。

(C)Zuffa/UFC

「凄く良いよ。

2016年にトニー・ファーガソンと試合が組まれたけど実現しなかった。僕はウェルター級に階級を上げたし、もう戦うことはないかと思っていたんだ。たけど、トニーがウェルター級に転向して僕を指名した。あの時は凄く興奮したよ。トニーは素晴しいファイターで、将来は殿堂入りするだろう。そんな彼と彼と戦うことができて本当に嬉しい」

──マイケルは3連敗、トニーは7連敗中です。この状況は勝利を目指すためにモチベーションになるのか、それともプレッシャーになるのでしょうか。

「3連敗もしていたら、本来はプレッシャーを感じるものだろうね。でも、今の僕は人生で一番大切なモノは何かが分かったから、プレッシャーを感じていないんだ。家族、友人たちとの関係は勝ち負けに左右されるものじゃない。勝とうが負けようが、彼らは僕を愛してくれている。

以前は試合に負けてファンがSNSに書き込む悪口や無神経な言葉に影響を受けることがあった。でも年を重ねて、人として成熟するとSNSの声なんて、何も重要でないと思えるようになった。僕には愛する人達、僕を愛してくれる人たちが近くにいてくれる。そんな愛すべき人々の存在が、僕からプレッシャーを取り除いてくれた。

何も縛られることなく戦うよ。そのために練習でベストを尽くしてきた。トニーが今、どのような心境で戦うのかは知る由もないけど、今の僕はそんな感じなんだ」

──自分の大切な人が理解してくれていると、顔も名前もしらない人間の書き込みなんてどうでもよくなりますよね。

「正直、今朝も色々と言われているよ。トニーは、多くのサポーターがいるからね。トニーを崇拝している分、僕に口撃をしてくるんだ(笑)。でも、僕がやるべきことはオクタゴンに上がって、勝利を得るために戦うだけだから。

家族を信じて生きるって、実は生き方を楽にしてくれるんだ。だって、それ以上に大切なモノは存在しないんだから。26歳の頃は、勝敗を生死のように捉えていた。でも、そんな風に考えることがなくなって、ファイターとしても成長していると感じている。自由でいることは競技者を強くする。今、僕は3連敗中だけど、人生においてその差は収入の差でしかない。勝てば、もっと収入が増えていたんだけどね(笑)」

──ハハハハ。そんなマイケルですが、もう6年ほど現役ファイターでありながら、UFC中継で解説者としても活躍しています。解説という仕事をすることが、MMAファイターとして役に立つことはありますか。

「もちろん、あるよ。絶対的にね。中継で解説をすることで、ファイトをするだけの自分とは違うビジョンが見えてくるようになった。ファイターの多くは自分の試合と対戦相手の試合しか、真剣にチェックしないものだ。

でも、少しでも良い解説者になろうとすればあらゆる選手のことを知らないといけない。そのためにチェックする試合の数が劇的に変わった。その結果、MMAについて理解が深まったよ。MMAは99パーセントの精神力と1パーセントの体力で戦うスポーツだ。解説の仕事をして、精神的に良い影響が出るようになった。ほとんどのファイターが、僕のような環境下で過ごしていないからね」

──TV解説は一般層にMMAを理解してもらうのに、とても大切な役割を担っていると思います。ただ殴り合いが見たいという視聴者に、MMAが何たるかを伝えることができる。そんな解説という仕事で、マイケルはどのようにMMAをジェネラル層に届かせ、より理解を深めてもらえるよう話していますか。

「まずファイトのストーリー性を伝え、興味を持たれるように心掛けている。DJは話しが面白いけど、知性を持ち合わせた解説をしている。ドミニク(クルーズ)は、技術の説明が秀でている。カラー・コメンテーターにも、それぞれ特徴がある。UFCの解説者に同じような人間はいない。ローラ(サンコ)は凄くエネルギッシュだけよね。マイケル・ビスピンはリズムよく、視ているファンの気持ちを上げている。そして、分かりやすい話し方だ。

そんななかで系統としては、僕はドミニクのような解説者になりたいと思っている。ドミニクって言葉をただ発するだけでなく、理に適う知識を持って言葉にできるんだ。試合を視ながら、そこで必要な知識をさりげなく話している。結果、ファンのMMAへの理解力が深まっている。そんなドミニク・クルーズの良さを受け継ぐような解説者になりたい」

──解説者は視聴者のことを100パーセント考える仕事で、ファイターは自分が勝つために我儘を通さないといけない。まるで別モノですね。

「どちらもスイッチを入れることが大切だよ。自由になれると、戦いやすくなる。そこが土曜日の試合でも大切になってくるだろう。自分にプレッシャーを与えることなく、戦いたい。そうやって戦うと、新しい自分になっている。きっと土曜日の試合で、ファンの皆が見たことがない戦いができるだろう。その機会を得られたのだから、存分に楽しみたいと思っている」

──マイケル、今日はありがとうございました。最後に日本のファンに一言お願いします。

「このスポーツから足を洗う前に、僕は日本で戦わなければならない。以前、UFC日本大会を訪れた時に、『こんなファンの前で戦いたい』と心底思った。僕はPRIDEを見て育ったし、今でもRIZINをチェックしている。日本のファンこそ、世界でベストのファンだ。日本の人達はマーシャルアーツへの造詣が深い。『いつかの日か、さいたまスーパーアリーナで戦いたい』と神に祈っているよ」

──嬉しい限りの言葉です。

「それに日本でUFCが行われる日は、近づいている。タツロー・タイラはフライ級のトップランカーに成長し、カイ・アサクラがUFCにやってくる。僕はウェルター級だから、手の合う日本のスーパースターはいないかもしれないけど、対戦相手は見つかるはずだ。UFCが日本に戻った時、絶対にその場に一緒にいたい」

■視聴方法(予定)
8月4日(日・日本時間)
午前1時00分~UFC FIGHT PASS
午前0時45分~U-NEXT

■ UFC ABC07対戦カード

<バンタム級/5分5R>
コリー・サンドハーゲン(米国)
ウマル・ヌルマゴメドフ(ロシア)

<ミドル級/5分3R>
シャラブジン・マゴメドフ(ロシア)
ミハウ・オレキシェイジュク(ポーランド)

<バンタム級/5分3R>
マルロン・ヴェラ(エクアドル)
デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
トニー・ファーガソン(米国)
マイケル・キエーザ(米国)

<女子ストロー級/5分3R
マッケンジー・ダーン(ブラジル)
ルピタ・ゴディネス(メキシコ)

<ライト級/5分3R>
ヨエル・アルバレス(スペイン)
エルビス・ブレネウ(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
アロンゾ・メニフィールド(米国)
アザマット・ムルザハノフ(ロシア)

<ライト級/5分3R>
モハメド・ヤヒア(UAE)
カウエ・フェルナンジス(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
シャミル・ガジエフ(バーレーン)
ドンテイル・メイス(米国)

<ライト級/5分3R>
グラム・クタテラデス(ジョージア)
ジョーダン・ブシニック(英国)

<女子ストロー級/5分3R>
ヴィクトリア・ダダコワ(ロシア)
サム・ヒューズ(米国)

<ライト級/5分3R>
ジェイ・ハーバート(英国)
ロランド・ベドヤ(ペルー)

<ミドル級/5分3R>
セドリクス・デュマ(米国)
デニス・チュルリン(ロシア)

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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN54 セドリクス・デュマ ヌルスルタン・ルジボエフ

【UFC ESPN54】デュマがアイポークを主張も試合続行、ルジボエフが右アッパーからパウンドアウト

<ミドル級/5分3R>
ヌルスルタン・ルジボエフ(ウズベキスタン)
Def.1R3分18秒by KO
セドリクス・デュマ(米国)

デュマがジャブを見せて距離を取り、インローを蹴ろうとすると、ルジボエフが右ストレートを合わせる。この一発で会場をどよめかせたルジボエフは飛び込むような右アッパーを突き上げる。ルジボエフは右ストレート・右フック・右アッパーを打ち分け、デュマにガードを固めさせる。

左フックも見せるルジボエフ。デュマが右ストレートから前に出ていくと、前手を伸ばしたルジボエフの指が目に入ったか、デュマは足を止めて完全に横を向いてアイポークをアピール。しかしレフェリーのシャオリンは試合を止めず、ルジボエフはそこにパンチで襲いかかる。最後はルジボエフが右アッパーでダウンを奪い、パウンドを連打したところでレフェリーが試合を止めた。


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【UFC ESPN54】ウスベキスタンMMAのパイオニア=ヌルスルタン・ルジボエフ「何かを残す」

【写真】セレモニアル計量には、ウズベキスタン国旗とともに臨んだ(C)MMAPLANET

30日(土・現地時間)、ニュージャージー州アトランティックシティのボードウォーク・ホールで開催されるUFC on ESPN54「Blanchfield vs Firot」。同大会にカザフスタン、キルギスに続き、中央アジアから台頭しつつあるウズベキスタン人ファイターのヌルスルタン・ルジボエフが出場し、メインカードでセドリクス・デュマと対戦する。
Text by Manabu Takashima

大会開催地であるアトランティックシティ近隣の大都市は、実は州を跨いだフィラデルフィア。ウズベキスタンMMA界のルジボエフは、現在フィラデルフィア在住でご当地ファイターということになる。フィラデルフィアに存在するウズベキスタン・コミュニティに支えられ、ルジボエフを65カ月振りにインタビューした。


――ヌルスルタン、2018年11月にキルギスで取材をさせてもらって以来、5年5カ月振りにインタビューできて凄く嬉しいです。

「あぁ、WEFでマルコス・ソウザと戦った次の日にインタビューをしてもらったね。覚えているよ(笑)」

──あの時、ヌルスルタンはUFCかBellatorファイターになってウズベキスタンのMMAを盛り上げたいと言っていました。そして今、UFCファイターになっています。

「サンキュー。あれから、僕も随分と場数を踏んできた。それと同じように、ウズベキスタンのMMAも成長してきた。あの頃、ウズベキスタンではMMAの大会も行われてもいなかったけど、今ではいくつかの団体があってイベントも定期的に開かれている。良い感じで成長しているよ」

──当時は国内に良い練習環境がなく、チェチェンで練習をしていると言っていました。その後、練習環境はどのようになっているのでしょうか。

「あれからウズベキスタンでもMMAの練習ができるようになっていたけど、3年前から米国にやってきてフィラデルフィアのマルコスMMAで、ジョアォン・マルコスの指導を受けているんだ」

──言葉、食事、習慣、随分とウズベキスタンと米国と違うと思いますが、困難なことはなかったですか。

「ペンシルヴァニアにはウズベキスタン料理のレストランもあるし、ウズベキスタンのコミュニティが、しっかりと存在しているので何も問題はない。今の練習環境を与えてくれたスポンサーにはとても感謝している」

──日本ではないですが、韓国のスウォンに中央アジアやコーカサスのファイターが集まって練習しているジムもありました。

「あぁアジスベク・ノロフのところだろう?」

──ハイ、そうです!!

「アジスベクはとても仲が良いんだ、普段から頻繁に連絡を取り合っている。彼もウズベキスタンを離れて頑張っている。ウズベキスタンでも練習環境は整いつつあるけど、僕と毎日練習したいと思う相手がいなかった。だから、米国で練習しようと思ったんだ(笑)。米国では1日に3部練をすることも可能だ。休んで、食べて、練習──その繰り返しの日々を送ることができる」

──そのような練習環境を経て、UFC2戦目を迎えます。今の気持ちは?

「全て順調に調整できている。3カ月かけて、しっかりと準備してきた。その全てを土曜日の夜に披露したいと思っている」

──では対戦相手の印象を教えてください。

「若いのに3度も、UFCで戦っている。良い選手だと思う」

──どのような試合をファンに見せたいと思っていますか。

「それは秘密だ。試合を見てほしい」

──どのような作戦かということでなく、どのような試合を見せたいのかを教えてもらっても良いですか。

「ケージのなかでは何が起こるか分からない。でも、何かを残したい。そして、ウズベキスタンに持っているフィットネスジムの皆に、この間の練習の成果を見せたい」

■視聴方法(予定)
3月31日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS
午前7時30分~U-NEXT

■UFC ESPN54対戦カード

<女子フライ級/5分5R>
エリン・ブランクフィールド(米国)
マノン・フィオホ(フランス)

<ウェルター級/5分3R>
ヴィセンチ・ルケ(ブラジル)
ジョアキン・バックリー(米国)

<ミドル級/5分3R>
ブルーノ・シウバ(ブラジル)
クリス・ワイドマン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ヌルスルタン・ルジボエフ(ウズベキスタン)
セドリクス・デュマ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ビル・アレジオ(米国)
カイル・ネルソン(カナダ)

<ウェルター級/5分3R>
チディ・ンジョグアニ(米国)
リース・マッキー(アイルランド)

<フェザー級/5分3R>
ネイト・ランドヴェール(米国)
ジャマル・エマース(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ヴィルナ・ジャンジローバ(ブラジル)
ルピタ・ゴディネス(メキシコ)

<フェザー級/5分3R>
ジュリオ・アルセ(米国)
エルベウチ・バーンズ(米国)

<フェザー級/5分3R>
コナー・マシューズ(米国)
デニス・ブズーキア(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
イボ・アスラン(トルコ)
アントン・トゥルキャリ(スウェーデン)

<女子フライ級/5分3R>
メリッサ・ガト(ブラジル)
ヴィクトリア・ダダコワ(ロシア)

<ミドル級/5分3R>
アンドレ・ペトロスキー(米国)
ジェイコブ・マルクーン(豪州)

<バンタム級/5分3R>
エンジェル・パチェコ(米国)
キャオラン・ローラン(アイルランド)

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