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MMA ONE Special UFC UFN195 ジム・ミラー 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:10月─その壱─ジム ・ミラー✖ゴンザレス「鉄人文脈」

【写真】オクタゴン38戦、22勝。とんでもないレコードだ (C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。

青木が選んだ2021年10月の一番、第一弾は10月16日に行われたUFN195より、ジム・ミラー✖エリック・ゴンザレス戦について語らおう。


──青木選手が選ぶ10月の一番、最初の試合は何になりますか。

「ジム・ミラー✖エリック・ゴンザレスです。ジム・ミラーはベテラン中のベテラン、戦績的にもここで持ち直した感は凄いなって素直に思います。相手が少し落ちると、しっかりと勝っています。2連敗していて、また上がっている。そこらへんの強さはなんだかんだと持っていますよね」

──38歳、青木選手と同い年です。

「はい、ギリギリ残している系です。連敗をしたこともあったけど、UFCで13年間勤続していますからね」

──うわぁ、それはもう金字塔じゃないですか。

「確か一番多く試合をこなしているはずです。38試合とか……」

──そしてオクタゴンで得た勝ち星22は歴代2位のようです。

「連敗もあるし、4連敗もしている。厳しい戦いをしているからこそ凄いなって思います。ドナルド・セラーニ、ジョー・ローゾンとかずっとやってきて。今はクレイ・グィダとジム・ミラーですかね。ローゾン、ジョー・スティーブンスとか脱落して、ディエゴ・サンチェスも終盤はジム・ミラーのような試合はできていなかった。

ここで残っているというのは技術力があって、コンディションが良いですよね。だから今もあの戦いができる」

──例えば青木選手の場合は一度フェザーで戦い、そこでの経験もあって過度の減量とリカバリーということをしなくなった。そしてONEの計量方法も変わったことなども、今のコンディションの良さに通じていると思います。対してミラーは北米階級で水抜きをしているわけですね。

「そこは合う、合わないもあると思います。ミラーは水抜きをしても、あれだけのコンディションを保っている。もちろん食事制限もしているだろうし、日々のトレーニングを真面目に続けているに違いないです。減量に関しては、人それぞれでしょうし、もちろんダメージの蓄積もあるし。打たれ弱くはなっています。今回の試合も初回は押されていたように。

でも2Rにはカムバックして、内回し蹴りに左ストレートを打ち込んでKOした。真面目に今もやっているのが伝わってきます。真面目にやる、そこが重要じゃないかと。そしてジム・ミラーにはテクニックがありますから」

──決してトップではない。タイトルに絡むかということではビッグネームに負けています。それでもUFCという場で、下から上がってきた選手を潰してきました。このところ、そこに食われることがでてきた感もありますが。

「だって、去年と今年の負けって対戦相手は12勝2敗とか10勝2敗の選手ですよ」

──その前に勝ったローズベルト・ロバーツにしても、その時点での戦績は10勝1敗でした。

「リスペクトされているけど、レジェンドでもない。レジェンドっていう文脈までいけない。階級は違いますけど、BMF(Baddest Mother Fucker)のベルトを争うというようなキャラ立ちもしていないし」

──はい。コツコツ、コツコツとここまで戦い続けてきた。

「でレジェンドじゃないから、第一線から退いていなくて、トップを目指す選手たちと戦い続けているということですからね。今回の相手の戦績も14勝5敗とかの選手で……。この凄さっていうのは、選手が認める選手ということになるのですが、その一方でUFC最多出場とかしっかりとプロモーションされているから、ファンからもリスペクトされ愛されている。

ジム・ミラーの境遇を見ると、『選手を道具のように』と言われることもあるUFCが、意外とファミリーっぽくて不思議なんですよね」

──確かに。歴史をリスペクトする文化というか。何か存在していると思います。

「レジェンド文脈ではないですが、ジム・ミラーは鉄人文脈。でも、ここからは厳しいです。それはもう絶対に。39歳、40歳とどういう風に枯れた美学を魅せてくれるのか」

──と同時に、今のコンテンダーシリーズ世代というか。とにかくフィニッシュ、リスクをおかしてもフィニッシュというスタイルが根付いる選手に対して、防御力の高さを見せて勝ってくれそうな期待があります。

「穴をつけるということですよね。それでもパワーで押し切られることも増えてくるはずです。引退が常にチラついているかと思いますが、ジム・ミラーは僕らの世代の希望です。クレイ・グィダにしても、続けてくれているだけで嬉しいです」

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UFC   ジム・ミラー

『UFC Fight Night 195: Ladd vs. Dumont』パフォーマンスボーナス


 UFCが『UFC Fight Night 195: Ladd vs. Dumont』のパフォーマンスボーナスを発表。

▼ファイト・オブ・ザ・ナイト
・該当試合なし

▼パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト
・ジム・ミラー、ダナー・バットゲレル、ブルーノ・シウバ、ネイト・ランドウェル

 4選手には各5万ドルのボーナス。続きを読む・・・
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MMA UFC UFN195 ジム・ミラー

【UFN195】ジム・ミラー、ゴンザレスの内回し蹴りに左を打ち込み、UFC38戦目で22度目の勝ち名乗り

<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー(米国)
Def.2R0分45秒by TKO
エリック・ゴンザレス(米国)

UFC〇戦目のミラー、長身&リーチで優るゴンザレスがジャブを伸ばす。ミラーは左ローから左を伸ばし、左ハイへ。クリンチになるとケージに押し込んでヒザをボディに入れるミラーに対し、ゴンザレスはエルボーから逆にボディロックテイクダウンを決める。ミラーは背中をマットにつけ、クローズガードへ。ケージに押し込んだゴンザレスは、ガードを割ってスタンドに戻る。続いて立ち上がったミラーは左フックを受けて、足が泳ぐ。追い打ちを被弾しながら、ミラーはそのままダブルレッグで上を取りオモプラッタを防いで一呼吸置く。

ゴンザレスはケージに押し込まれ、ミラーが右エルボーから左で殴る。蹴り上げから立ち上がったゴンザレスは左エルボー、右ボディフックもミラーが左を返す。腹が顔面を狙うゴンザレスに対し、ミラーは左オーバーハンドを繰り出す。さらに左を当てたミラーが、続いて左を纏める。たまらずゴンザレスはクリンチからケージにミラーを押し込む。小外刈りでゴンザレスを崩しかけたミラーが、終盤は完全に取り返した。

2R、その場スーパーマンパンチから、右内回し蹴りを放ったゴンザレスにミラーの左が炸裂。この一発で腰から崩れたゴンザレスは気を失いながらパウンドを被弾、レフェリーが試合を止めた。

キャリア50戦目をKO勝ちしたミラーは「何も失うモノのない若いタフな選手だったよ。初回で彼のガードが下がるのが分かったんだ。COVIDで9月の試合が流れ、試合したかった。お金も欲しいしね(笑)」──オクタゴン38戦目で22勝、14回目のフィニッシュ勝利を挙げたミラーはUFCで40戦目を戦うことを目標に挙げた。


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Report UFC UFC ABC02 ジム・ミラー ジョー・ソレツキ ブログ

【UFC ABC02】ジム・ミラー、UFC最多出場記録もジョー・ソレツキのトップゲームに0-3の判定負け

<ライト級/5分3R>
ジョー・ソレツキ(米国)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28
ジム・ミラー(米国)

UFCで37戦目という最多出場記録を更新することになったミラー=32勝15敗、対するソレツキは10勝2敗のグラップラーだ。ソレツキのワンツーに、ミラーは右を合わせる。ガツガツとした打撃戦のなかでミラーが左ロー、ソレツキは飛び込んでクリンチからケージへ。離れたミラーにワンツーを繰り出す。続いてワンツーを当てたソレツキは、ちかい距離で右をヒットさせる。飛び込んで左を振るうミラーだが、ミドルを蹴られ左ローを返す。ダブルレッグから引き込んだソレツキは、クローズドガードへ。ここはミラーがソレツキの潜りからの仕掛けを潰した形だ。下からの仕掛けも、スクランブルへの移行も許さない巧妙なミラーがトップをキープし初回を取った。

2R、パンチからハイキックで前に出たミラーがテイクダウンへ。ケージに押し込み返したソレツキが、ヒザをボディに受けながらテイクダウンを決める。初回とは逆に下になったミラーは、ハイガードからラバーガードもソレツキが巧妙に体重を掛けクローズドに戻させる。このまま時間が過ぎ、ミラーは関節技を仕掛けることができないまま2Rは終わった。

最終回、パンチから組みついたソレツキがボディロックで、ミラーをケージに押し込む。ミラーは小手投げも、上を取れずスタンドに戻ってバックからのボディロックを許す。前転にもついていったソレツキが、上を取りミラーはハーフガードに。左のパンチを入れ、枕で抑えるソレツキが左のパンチをうちつける。さらに左エルボーで、上体を起こすことを許さないソレツキが肩固めを伺う。

ここは懸命に反応するミラーだが、下が続き時間は残り1分に。最後の60秒もソレツキが細かいパンチを落とし続け、タイムアップに。ミラーは左足を負傷していたようで、足を引きづってコーナーに戻った。ソレツキが3-0の判定勝ちし、ミラーは勝利で再出場記録を祝うことはできなかった。


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News UFC UFC ABC02 アーノルド・アレン イグナシオ・バハモンデス サーシャ・パラトニコフ ジム・ミラー ジャック・ショア ジョン・マクデッシ ジョー・ソレツキ スコット・ホルツマン チョン・ダウン ニナ・ヌネス ブログ マッケンジー・ダーン マテウス・ガムロ

【UFC ESPN02】計量終了 最強女子姓=ヌネスになったアンサロフがマッケンジーと。ミラーは37戦目!!!!

【写真】ユニオンジャックを手にフェイスオフに挑んだアーノルド・アレン。名前と顔を一致させてほしいグッドファイターだ(C)Zuffa/UFC

9日(金・現地時間)、10日(土・同)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC on ABC02「Vettori vs Holland」の計量が行われた。

ライト級期待のチリ人ルーキー=イグナシオ・バハモンデスは、1ポンドオーバー規約からさらに0.75ポンド重くキャッチウェイト戦でジョン・マクデッシと戦うこととなった。

またエリン・ブランクフィールドと女子バンタム級で戦う予定だったノルマ・ドゥモントが 139.5ポンドと4.5 ポンドもオーバーしており両者の試合は中止となった。


ブランクフィールド✖ドゥモントなキャンセルされてなお13試合組まれたロングラン・イベント、コ・メインのフェザー級戦ではUFCで7連勝、通算戦績16勝1敗の英国人ファイター=アーノルド・アレンが抜擢されソディック・ユースウと対戦する。

ボディフック、ストレートと奥手となる左のパンチ力が抜群のアレン。ギルバート・メレンデスやニック・レンツを勝利しているが、7勝のうち判定勝ちが5試合という選手が、この試合順を任されるのは珍しい。

また女子ストロー級戦でマッケンジー・ダンと戦うニナ・ヌネスとは、女子バンタム級&フェザー級2冠のアマンダ・ヌネスと同性婚し、昨年9月に女児を出産したニーナ・アンサロフのこと。

ヌネス姓、そして母となり始めてケージで戦うが、ブランクは1年10カ月あり、同じくママとして活躍しているマッケンジーに柔術をさせると厳しい戦いになるだろう。

プレリミに目をやると、アジア系から2選手がラインナップに加わっている。

第2試合では韓国から元HEATライトヘビー級王者のチョン・ダウンがUFCで4戦目、そして3連勝を目指す。前回は今大会のメインカード出場のサム・アルヴィーとドローだっただけに、次は上位進出を目指したい。

そしてオープニングマッチに香港在住でAngels FCミドル級王者サーシャ・パラトニコフが出場する。韓国からUAEを経てオクタゴンでデビュー戦でTKO勝ちしており、米国初陣でインパクトを残したい。

そんなプレリミでは上位3試合のライト級が見ものだ。

上記にあるようにバハモンデスは契約体重戦となったが、KSWチャンプ・チャンプからUFCと契約も、初陣を落としたマテウス・ガムロが負けられないスコット・ホルツマン戦に臨む。

UFC最多出場記録36でドナルド・セラーニと並んでいたジム・ミラーは今回のジョー・ソレツキ戦で、単独記録となる37戦目を迎える。2019年のコンテンダーシリーズからUFCと契約したそれ突きは、オクタゴンで2連勝中のグラップラーだ。

トップからパウンド、下から三角、スクランブルでギロチン──ケージで道着柔術も経験しており、極めやポジション奪取への位置取りも巧妙だ。ミラーとしては新記録を勝利で飾りたいが、タフなファイトになることは間違いない。

■視聴方法(予定)
4月11日(日・日本時間)
午前0時30分~UFC FIGHT PASS

■UFC ABC02計量結果

<ミドル級/5分5R>
マーヴィン・ヴェットーリ: 186ポンド(84.37キロ)
ケビン・ホランド: 183.5ポンド(83.23キロ)

<フェザー級/5分3R>
アーノルド・アレン: 145.5ポンド(66.0キロ)
ソディック・ユースウ: 146ポンド(66.22キロ)

<ミドル級/5分3R>
サム・アルヴィー: 186ポンド(84.37キロ)
ジュリアン・マルケス: 186ポンド(84.37キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ニナ・ヌネス: 115.5ポンド(52.38キロ)
マッケンジー・ダーン: 115ポンド(52.16キロ)

<ウェルター級/5分3R>
マイク・ペリー: 170ポンド(77.11キロ)
ダニエル・ロドリゲス: 170.5ポンド(77.34キロ)

<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー: 155.5ポンド(70.53キロ)
ジョー・ソレツキ: 155.5ポンド(70.53キロ)

<ライト級/5分3R>
スコット・ホルツマン: 155.5ポンド(70.53キロ)
マテウス・ガムロ: 156ポンド(70.76キロ)

<女子バンタム級/5分3R>
ノルマ・ドゥモント: 139.5ポンド(63.27キロ)
エリン・ブランクフィールド: 135ポンド(61.24キロ)

<ライト級/5分3R>
ジョン・マクデッシ: 153.5ポンド(69.62キロ)
イグナシオ・バハモンデス: 156.75ポンド(71.1キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ヨーガン・デ・カストロ: 261.5ポンド(118.61キロ)
ジャルジス・ダンホー: 255.5ポンド(115.89キロ)

<バンタム級/5分3R>
ジャック・ショア: 136ポンド(61.69キロ)
ハンター・アジャー: 135.5ポンド(61.46キロ)

<フェザー級/5分3R>
ルイス・サルダーニャ: 145.5ポンド(66.0キロ)
ジョーダン・グリフィン: 145.5ポンド(66.0キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
チョン・ダウン: 205.5ポンド(93.21キロ)
ウィリアム・ナイト: 205.5ポンド(93.21キロ)

<ウェルター級/5分3R>
インパ・カサンガネイ: 170.5ポンド(77.34キロ)
サーシャ・パラトニコフ: 170.5ポンド(77.34キロ)

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Report UFC UFC252 ジム・ミラー ブログ ヴィンス・ピッチェル

【UFC252】UFC最多出場記録更新のミラー、ピッチェルに組み負けオクタゴン14敗目を喫する

<ライト級/5分3R>
ヴィンス・ピッチェル(米国)
Def.3-0:29-27.29-28.29-28
ジム・ミラー(米国)

サウスポーのミラーが左ストレートを連打して前に出る。距離を取ったピッチェルが左フック、近づくとヒザを狙う。ミラーは圧力をかけ左を見せる。ピッチェルは右前蹴りも、ミラーは前に出て右アッパーから左ローへ。この一発が急所に入る。再開後、前に出たミラーが左フック、ピッチェルがヒザを突き上げる。ケージにピッチェルを詰めたミラーは、ヒジとヒザを入れる。

離れるとピッチェルのワンツーにも、ミラーは左を返す。左を見せてテイクダウンに移行し、即バックに回ったミラーがケージを利してピッチェルを固定しRNCへ。リリースすると同時に胸を合わせようとしたピッチェルに対しミラーはギロチンからトップを堅守する。背中を譲ったピッチェルに、カーフスライスを仕掛けたミラーが初回を取った。

2R、ピッチェルがハイキックでバランスを崩すとミラーがトップを取る。足を抜きに掛かるミラーは、パンチを落とす最中に蹴り上げられ後退。すかさず立ち上がり、ボディロックテイクダウンを決めたピッチェルが逆にハーフで抑える。ハイガードを抜けたピッチェルが担ぎパスへ。ハーフで耐えたミラーは、パス狙いに足関節を仕掛ける。

ヒザを抜いて座るピッチェルが、向かい合ってエルボーを落とす。トップコントロールを続けたピッチェルがパンチを纏めラウンドを取り返した。

最終回、前蹴りからワンツーのピッチェルがダブルレッグを決める。ハーフでキムラを狙うピッチェルはこれを外してパスからサイドで抑える。ヒザを頭において抑えるピッチェルに対し、足関節を狙い防がれたミラーがバックを譲る。前方に落とし、ヒザをマットにつくピッチェルのボディにヒザを入れたミラーがギロチンへ。

後転がケージに詰まり、ギロチンに失敗したもののミラーはバックを取り直す。絞め狙いもピッチェルはしっかりと前方にミラーを落とす。バックを許しかけたミラーだが、スクランブルに持ち込みケージにピッチェルを押し込む。ピッチェルはヒザをボディに2発入れ、離れたミラーにシングルへ。頭をあげてニーを入れるピッチェルが、離れようとしたミラーに右ハイを蹴っていく。

ここもテイクダウン狙いのピッチェルは、必殺のギロチンを防ぎトップで試合終了を迎えた。UFC最多出場記録を更新したミラーだが判定でピッチェルに下り、14敗目を喫した。


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News UFC UFC252 エウベウチ・バーンズ カイ・カマカIII ショーン・オマリー ジム・ミラー スタイプ・ミオシッチ ダニエル・コーミエー ブログ マルロン・ヴェラ

【UFC252】計量終了 ミオシッチ✖DCは問題なく。ジム・ミラーがUFC最多出場記録、単独1位へ

【写真】13日に行われた記者会見でのフェイスオフ (C)Zuffa/UFC

15日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXが開催されるUFC252「Miocic vs Cormier3」の計量が14日(金・同)に行われた。

メインのUFC世界ヘビー級選手権試合で戦う、王者スタイプ・ミオシッチと挑戦者ダニエル・コーミエーは、それぞれ233ポンドと236ポンドで計量を終えている。

フェザー級でダニエル・ピネダと戦うエウベウチ・バーンズが149.5ポンドで大幅オーバーに。ファイトマネーの20パーセントがピネダに支払われキャッチウェイト戦で戦うこととなった。同じくフェザー級のTJ・ブラウンは1ポンド・オーバー規約を0.5ポンド上回る146.5ポンドとなり、彼もまた20パーセントを没収されダニー・チャベスと戦うことが決まっている。


プレリミメインではUFC最多出場記録でドナルド・セラーニと並んでいたジム・ミラーが、36試合目となる計量を無事パス。単独最多出場記録となるヴィンス・ピッチェル戦に臨む。またこの試合で勝利すれば、ミラーはUFC最多勝記録を21から22に伸ばすことになる。

そんなミラーとは対照的に初オクタゴンとなるハワイアンMMA第3世代のカイ・カマカ3世と対戦相手のトニー・ケリー──オープニングファイトで戦う両者は共に144.5ポンドでクリアしている。

■UFC252計量結果

<UFC世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]スタイプ・ミオシッチ: 233ポンド(105.68キロ)
[挑戦者]ダニエル・コーミエー: 236ポンド(107.04キロ)

<バンタム級/5分3R>
ショーン・オマリー: 136ポンド(61.69キロ)
マルロン・ヴェラ: 136ポンド(61.69キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ジュニオール・ドスサントス: 238.5ポンド(108.18キロ)
ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク: 254ポンド(115.21キロ)

<フェザー級/5分3R>
エウベウチ・バーンズ: 149.5ポンド( 67.81キロ)
ダニエル・ピネダ: 146ポンド(66.22キロ)

<バンタム級/5分3R>
ジョン・ドッドソン: 136ポンド(61.69キロ)
マラブ・デヴァリシビリ: 136ポンド(61.69キロ)

<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー: 156ポンド(70.76キロ)
ヴィンス・ピッチェル: 156ポンド(70.76キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
フェリス・ヘリッグ: 116ポンド(52.62キロ)
ヴィルナ・ジャンジローバ: 115.5ポンド(52.38キロ)

<フェザー級/5分3R>
TJ・ブラウン: 146.5ポンド(66.45キロ)
ダニー・チャベス: 146ポンド(66.22キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ヘナタ・ソウザ: 115.5ポンド(52.38キロ)
アシュリー・ヨーダ: 115.5ポンド(52.38キロ)

<ヘビー級/5分3R>
クリストファー・ダカウス: 241ポンド(109.3キロ)
パーカー・ポーター: 264.5ポンド(1119.97キロ)

<フェザー級/5分3R>
カイ・カマカ3世: 144.5ポンド(65.54キロ)
トニー・ケリー: 144.5ポンド(65.54キロ)

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Interview Special UFC ESPN11 ジム・ミラー ブログ ルーズベルト・ロバーツ 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:6月─その壱─ジム・ミラー✖ルーズベルト・ロバーツ

【写真】ファイターが認めるファイター。これは一番の誉め言葉だろう (C) Zuffa / UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ2020年6月の一番、第一弾は20日に行われたUFC ESPN11からジム・ミラー✖ルーズベルト・ロバーツの一戦を、青木の近況説明後に語らおう。


──青木選手、今回は試合の話にいくまでに現状を少し聞かせてください。4月のRoad to ONE02の世羅選手との試合移行、最近は解説やジャッジ、仕掛け人での活躍はありましたが、MMAの活動の方はどのようなものでしょうか。

「格闘技に関しては何か、今は動かないと思っちゃっていますね」

──格闘技に関してはということは、格闘技以外は動いているということですか。

「プロレスなんかは無観客とか、後楽園ホールで500人の集客でも成り立たせることができるじゃないですか。チケットが6000円で500人入ると、300万のチケット収入があり、会場費とか放映料とか考えても回っちゃうんです。

それに僕も無観客とか放映料がないからギャラを下げてくださいっていうのがあっても、全て通していますしね」

──でもMMAはそういうわけにはいかないのではないですか。

「あっ、僕はもうソコも全然OKになっちゃっています」

──それでも一定のラインが存在しませんか、ファイトマネーに関しては。

「う~ん、そこですら抜けてしまっていますけどね」

──自分としては青木選手のファイトマネーに関しては、守って欲しい最低基準は持っていてほしいです。

「もちろん、そこもあるんです。僕がファイトマネーの減額を構わないと思っても、『青木ですら』という風にプロモーター側が持ちかけると、回りに影響が出てしまうじゃないですか。そうなると市場が崩壊してしまいますからね。そこは大事にしないといけない部分でもあります」

──その通りですね。でも、試合はしたいというのが選手であり、プロモーターも現状を乗り切る必要がある。

「いやぁ、難しいですよ。そこは……」

──この話題はまた別の機会に是非ともお聞かせください。

「ハイ、そうですよね……今月の一番をピックしないと、ですね」

──はい、2020年6月度の青木真也が選ぶ、この一番。最初の試合は?

「ジム・ミラー✖ルーズベルト・ロバーツです」

──おっ、ジム・ミラーですか。それは青木選手のミラー評が楽しみです。

「実際、この試合がどうこうではなくて……もうレコードがバケモノですよ。UFCに2008年からいて、最初は余り期待されたマッチアップはされていなかった。僕が注目し始めたのは、マーク・ボセックに勝った時かなぁ。ボセックって柔術好きにはたまらない選手で。ボセックに勝つって、相当強いんです。そうしたらチバウに勝って、その次にシャーウス・オリヴェイラにヒザ十字で一本勝ちしたんですよ。

そこからカマル・シャロルスをTKOして。僕がシャロルスと戦う前に、彼を研究するためにミラーの試合をチェックしましたね。それからベンソン・ヘンダーソンに負けて、でもメルヴィン・ギラードに勝って、で、次にネイト・ディアズに負ける

──いやぁ、とんでもない相手と戦い続けていますよ。それは……えげつない。

「でもパット・ヒーリーに負けた時に、少し落ちてきたかなって」

──勝ったヒーリーが、マリファナで引っ掛かりNCになった試合ですね。

「そうです、そうです。パット・ヒーリーも強かったですよねぇ。Strikeforceから来て、出場停止が明けた後も厳しい相手を当てられて切られてしまいましたけど……。

ジム・ミラーはとにかく戦績が凄いですよ。相手も半端ないし」

──ドナルド・セラーニと並ぶUFCで35試合。しかも、セラーニと違い主役ではないですからね。

「セラーニの試合って、メインを張ってファン受けしUFCから気に入られる。それとジム・ミラーがずっとUFCで戦うのは僕のなかでは違っていて。だって、ずっと脇役ですよ。打撃系じゃないのにファイト・オブ・ザ・ナイトを5試合とか獲っているし。

ジョー・ローゾンとジム・ミラーって、だからダブります。なんだろう……、とにかくジム・ミラーは凄いです。UFCでこれだけ長い間戦ってきて、頑丈そうだけど壊れている部分もあるだろうし……ジョー・ローゾンほど壊れていないとはいえ。

3年前とかも、ダスティン・ポイエー戦からダン・フッカー戦まで4連敗して、そのなかにはアンソニー・ペティス戦もある。いや、やっぱりもう凄いって言うしかないですよ。それでも戦い続けることができているのは、コンディションが良いのでしょうね。

それとちゃんとサブミッションを取っている。18試合ぐらいで一本勝ちして……彼は選手がリスペクトする選手。ミュージシャンズ・ミュージシャンってあるじゃないですか、ミュージシャンが認めたミュージシャン。歌や演奏が上手い、売り上げじゃなくて。

そこでいえばジム・ミラーはファイターズ・ファイターです。選手が認める選手ですよ。今では今回の相手のようにコンテンダーシリーズから上がってきた選手と戦い、普通に腕十字で一本勝ちする。ちゃんと取れている」

──常にUFCライト級戦線のワキを固めてきたようなキャリアですね。

「その選手の居場所があるのも、またUFCで。脇役でもスターです。きっと、そこそこのファイトマネーを貰えますよね。これだけ戦い続けていると」

──このルーズベルト戦は、勝利ボーナスも含めて20万8000ドルという資料があります。

「10万ドル&10万ドルかぁ。そこはUFCの凄さであり、回転の速いUFCでここまで残っているジム・ミラーの凄さです。この試合で、また生き残れましたし。それに他のプロモーションだったらチャンピオン級の実力者であることも間違いないですからね」

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Interview UFC UFC ESPN11 ジム・ミラー ブログ

【UFC ESPN11】オクタゴン35試合目を腕十字で勝利、ジム・ミラー「戦っている皆を心の底から尊敬する」

【写真】苦労と遣り甲斐、何事にも代えられないファイトライフを試合後にミラーが振り返った(C)Zuffa/UFC

20日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されたUFC ESPN11「Blaydes vs Volkov」で、ジム・ミラーが150ポンド契約マッチでルーズベルト・ロバーツと戦い、1R2分25秒で腕十字を極め一本勝ちした。

UFCで35試合目、この試合数はドナルド・セラーニと並んで最多記録だ。とはいえファンから絶大の支持を得て、メインイベントを何度も経験しタイトルにも挑んだカウボーイと違い、派手な印象を残すことなくミラーはコツコツと11年8カ月もの間UFCで戦い続きけていた。

7連勝したこともある。4連敗も経験した。髄膜炎や関節炎、角膜炎を呼び起こすライム病を患い、原因不明の自殺リスクを持つ病気と戦いながら、オクタゴンで戦い続けてきたミラー。MMAを愛する気持ちが、見事な腕十字という形に表れた試合後の会見でのコメントを掲載したい。


ジム・ミラー
「自分が人生を賭けてきたこと、本当に好きなことをやってきた。そういう風に振舞ってきたからこそ、色々な重荷、重圧を感じていたから……本当、よくやれたよ。そこに尽きる。ベルトを腰に巻こうかという人間が、コーチと共に対戦相手として、僕のことを認めてくれて立ち塞ぐ。本当に素晴らしいよ……これは何モノにも代えがたい。

ルーズベルトのような将来性のあるファイターと戦う責任が僕にはあると思ってきた。僕は完璧じゃないし……、何一つ完璧こなせない。でも、オクタゴンに一緒に足を踏み入れる相手のことを心の底から尊敬している。これまで戦ってきて、もう2020年になった……、本当にそう思うよ。自分を磨いてきた者同士、少し僕と違う磨き方をしてきただろうけど、必死に磨いてきたことに変わりない相手とオクタゴンをシェアするんだ。

僕はここ数年間、ライム病を患いながらタイトル戦に進むような相手、元チャンピオンと戦ってきた。僕と皆の違いは、タフさには関係ないとことだから。僕はMMAを愛している。ファンが恋しい。ファンがいないなんてたまらないよ。

オクタゴンのなかで相手をぶちのめし、自分の居場所を得る。誰かが与えてくれるモノじゃない。その場に立って、自分で戦って手にするしかない。簡単じゃないよ。楽な生き方じゃない。そうやって戦っている皆を心の底から尊敬している」

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【UFC ESPN11】試合結果 半端ない打撃戦でエメットがバーゴスに殴り勝つ。ロクサンはマーフィーに敗れる

【写真】ガチガチの殴り合いを制したエメット(C)Zuffa/UFC

20日(土・現地時間)、UFC ESPN11がネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催された。

第2試合に出場したロクサン・モダフェリは2Rにパンチを被弾し足が泳ぐシーンが見られ、3Rの勝負を掛けた打撃戦の最中にテイクダウンを許すなど取り切れず──ローレン・マーフィーに敗れた。

ファイト・オブ・ザ・ナイトを獲得したジョシュ・エメット✖ショーン・バーゴスは殴っても殴っても、効いた風でないバーゴスのローにエメットは苦しむ序盤だとなった。それでも勝負を投げずにやるべきことをやり抜くと、3Rに左でダウンを奪い勝ち切った。

UFC35戦目、ドナルド・セラーニと並び最多出場となったジム・ミラーは、腕十字で一本勝ちしパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトも獲得している。

ファイト・オブ・ザ・ナイト=ジョシュ・エメット✖シェーン・バーゴス
パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト=ジム・ミラージャスティン・ジェインズ

UFC ESPN11「Blaydes vs Volkov」
<ヘビー級/5分5R>
○カーティス・ブレイズ(米国)5R
判定
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×アレキサンダー・ヴォルコフ(ロシア)
<フェザー級/5分3R>
○ジョシュ・エメット(米国)3R
判定
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×シェーン・バーゴス(米国)
<女子バンタム級/5分3R>
○ラケル・ペニントン(米国)3R
判定
×マリオン・ルノー(米国)
<ウェルター級/5分3R>
○ベラル・モハメッド(米国)3R
判定
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×ライモン・グッド(米国)
<160ポンド契約/5分3R>
○ジム・ミラー(米国)1R2分25秒
腕十字
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×ルーズベルト・ロバーツ(米国)
<ライト級/5分3R>
○ボビー・グリーン(米国)3R
判定
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×クレイ・グィダ(米国)
<女子ストロー級/5分3R>
○ティーシャ・トーレス(米国)3R
判定
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×ブレアナ・ヴァンビューレン(米国)
<ミドル級/5分3R>
○マフクアンドレ・バリユー(カナダ)2R4分50秒
TKO
×オスカル・ピホタ(ポーランド)
<女子フライ級/5分3R>
○ジリアン・ロバートソン(カナダ)3R4分32秒
RNC
×コートニー・ケイシー(米国)
<158ポンド/5分3R>
○ジャスティン・ジェインズ(米国)1R0分41秒
KO
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×フランク・カマチョ(グアム)
<女子フライ級/5分3R>
○ローレン・マーフィー(米国)3R
判定
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×ロクサン・モダフェリ(米国)
<ライト級/5分3R>
○オースチン・ハバート(米国)2R5分00秒
TKO
×マックス・ロスコフ(米国)