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【NEXUS27】RIZINで勝ったチャンピオン山本空良が、キャリア4戦目の寿希也の挑戦を受ける

【写真】寿希也が吹っ飛ばす戦い、山本は丸め込む戦い。どちらが自分のMMAをできるか(C)MMAPLANET

30日(水)、Fighting NEXUSより5月8日(日)に東京都新宿区のGENスポーツパレスで開催されるNEXUS27の対戦カードが発表された。

メインは先日のRIZINで中村大介を破る金星を挙げたNEXUSフェザー級チャンピオン山本空良が、寿希也の挑戦を受けフェザー級王座防衛戦が組まれた。


GRACHAN、GLADIATOR、HEAT、NEXUSのチャンピオンがRIZINに挑み、パンクラス、修斗、DEEPのファイターと相対して跳ね返される試合が続くなか、山本のみ下馬評を覆し、インパクトのある勝利を挙げたといっても過言でない。そんな抜群のタイミングで、凱旋マッチ=王座防衛戦を戦う。

しかもチャレンジャーは王者不在の間に、ネクサスでインパクトを残してきた寿希也だ。高校野球で有名な東洋大姫路から金沢学院大学へ進学し、自衛隊体育学校まで柔道で活躍。全日本体重別に出場経験もあり、大学選手権では5位を獲得している。

肩の負傷もあり東京五輪が絶望的となり柔道を離れ、ブランクを経てMMAへ。昨年4月に山本がフェザー級王座を獲得した大会で、プロデビューを果たすと、ここまで3戦連続フィニッシュ勝利を収めている。3勝目となった昨年12月の唐沢タツヤ戦では一本勝ち後に山本への挑戦、RIZINとUFCを狙うとマイクで所信表明を行っていた。

粗さは残るが、勢いのある打撃と力強い寝技が持ち味の寿希也にとって山本は4歳年下だが、MMAの経験値は4倍有している。フィジカルの強さや、特定の場面で秀でているのではなく、MMAとしてすべての局面を滑らかに戦うチャンピオンはフレッシュな──いぶし銀という雰囲気が既にある。

柔道の実績が持つ選手は生物的に強く、その勢いで攻めて勝ってきた寿希也に対し、山本はどのようなMMAを見せることができるのか。特にケージを使った攻防はチャンピオンに理があることも予想され、組みの展開にしても中央とケージ際では攻守が入れ替わるだろう、興味深いフェザー級選手権試合だ。

またライト級ではジェイク・ウィルキンスと、コクエイ・マックスという国際戦的なカードも組まれた。

ライト級王座獲得を宣言し、王座決定トーナメント開催をアピールしたウィルキンスは、その要求が通るファイトが英国人マックスに求められる。

選手権試合が組まれたフェザー級では、小森真誉とファビオ・ハラダの一戦も注目だ。化けるまでとはいかないが、確実な成長を見せた小森と、柔術MMAの新鋭ハラダ。この試合の勝者は寿希也のスピード挑戦を見ると、次期チャレンジャーの権利を得ることもありうるマッチアップといえる。

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【EXFIGHT04】EXFIGHTプロマッチで、平山学と対戦──芳賀ビラル海「敬意をもってぶん殴ります」

【写真】さぁ、いよいよビラルがプロ初陣に。既にEXFIGHTにアママッチでポテンシャルの高さは見せている(C)MMAPLANET

27日(日)、東京都渋谷区のEXFIGHTでEXFIGHT04が開催され、初めてプロマッチ4試合が組まれる。

EXFIGHT勢のプロマッチ出場はなく、修斗、パンクラス、ネクサスで活躍してきたなかでEXFIHGTのアママッチからプロデビュー戦を迎えるのが、エフェヴィガ雄志と芳賀ビラル海の2選手だ。EXFIGHT02でMVP、EXFIGHT03ではDREAMERS=高木オーディン祥多を判定で破っているビラルは、日本拳法出身でアマ・パンを制している。

父がガーナ人、母が日本人の彼はガーナのフィジカルに、日本の心が宿った拳の持ち主、その丁寧過ぎるインタビューの受け答えもビラルの味だ。


──プロデビュー戦となる平山学選手との試合まで1週間です。

「減量がちゃんと上手くいけば、大丈夫かなと思っています」

──これまでEXFIGHTでは当日計量のウェルター級でしたが、今回は前日計量のライト級になります。

「そうなんです。ウェルター級だと3キロぐらいの減量だったのが、10キロ近く落とすことになります。なので今までとは食事の仕方とか、食べるモノの意識が変わり……ちょっと逆に下がりすぎて。それで食べ方を変えると、グッと戻ったりしてなかなか難しいです。

日本拳法は無差別ですし、前日計量も70.3キロも初めてで。でも面倒を見てくださっている黒部(三奈)さんやSASUKE選手がアドバイスを頂いていますし、現時点で74.5キロになっています(※取材は2月21日に行われた)。計画通り、それ以上に落とせています。水抜きはあまり多くしたくないので、予定通りです」

──プロファイトということで気持ちの違いはありますか。

「勝たないといけない、勝ちたいという気持ちはアマ時代も変わらないです。アマの時に勝負を甘くみていたわけでもないですし。ただ、スポンサーの方も増えて……自分を支援してくださる方が増えたということは、良い意味でプレッシャーではあります」

──EXFIGHTでプロデビューを迎えます。ここでプロになろうと思ったのは?

「POUNDSTORMに出場したいという気持ちがあったので、そこに繋がる試合がしたかったです。EXFIGHTで戦ってきたエフェ(ヴィガ雄志)君とか、POUNDSTORMに出るためにライバルになる選手もいるので、ここで出ておかないといけないと思いました」

──エフェヴィガ選手を意識していると?

「まぁ、エフェ君とは今は階級が違うのですが、前は同じだったので意識はしていますね。しかもキャラ被りもしているんで(笑)」

──アハハハ。

「そこが一番大切な部分なので(苦笑)」

──ビラル選手、エフェ選手、そしてジェイク・ウィルキンス選手、2022年J-MMA界の台風の目になるかと。

「あぁジェイクさんも、いるんですよねぇ(笑)。ジェイクさんとは一緒に練習したことがありますし、エフェ君も会場で話したり、インスタとかでメッセージのやりとるをしているんで。仲が比較的良いので直接戦う時は、ちょっと……というのはありますけど、戦わなくてもエフェ君とは比較はされると思っています」

──エフェ選手よりインパクトを残す。そのためにはどのような試合がしたいですか。

「この試合のために特別なことをするということはないのですが、自分らしさ──ビラルの味を出したいです。タフなファイトがしたいと思っていて、日本拳法ベースでMMAを始めた頃は荒々しくて、危険な技もたくさんやりました。それが僕のスタイルに近いと思うので、身体能力の高さを生かした荒々しいファイトがしたいです」

──EXFIGHT03では高木オーディン祥多選手からダウンを奪うだけでなく、柔道家にテイクダウンを仕掛けていきました。

「日本拳法時代は投げも使っていましたので、パンチだけに頼るのではなくて要所で投げ、テイクダウンはいきたいと思います。ただ拳法をやっている時から思っていたことがあって。拳法はポイント制なので軽い突きでも当たれば一本を取られることや、逆に絶対に効いている突きでも面金があったので、効き方が弱いということがありました。面金がなかったら絶対に効くと思っていたので、それが上手くMMAでは生きています。だからMMAではパンチがメインの武器になるのは必然だと思っています」

──対戦相手は平山選手。4勝11敗1分と負け越していますが、経験豊富な選手です。デビュー戦で15戦以上のキャリアがある選手と戦うことは、ほぼなかったかと思われます。

「嬉しい限りです。良いですよね、その方が自分も力が上がると思います。そこまで経験のある選手……中途半端というか、弱い相手を当てられてもしょうがないので、敬意をもってぶん殴りたいと思っています。それと過去の平山選手の試合を見ると、クローズドガードが得意なようなので、寝技になっても気をつけてパウンドを落としたいです」

──3R制に関しては?

「それは全く問題ないです。恐らく、3R全てを戦うことはないだろうし」

──では芳賀ビラル海とは、こんな選手だとPRしてください。

「これって言うのはないのですが、黙って見てもらえると僕の良さが分かると思うので楽しみにしてほしいです」

──『黙って見ておけ』。平本蓮選手と被りましたね(笑)。

「えぇ、ホントですか。ここも被っちゃいましたか(笑)。ちょっと、違うこと考えます」

──アハハハ。その返答も含めてビラル選手なので、このまま書かせて頂きます。

「なら、ちょっと格好良い風目に書いておいてください(笑)」

■視聴方法(予定)
2月27日(日)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■ EXFIGHT04対戦カード

<フェザー級/5分3R>
狩野優(日本)
河名マスト(日本)

<ミドル級/5分3R>
岩﨑大河(日本)
中井光義(日本)

<ライト級/5分3R>
芳賀ビラル海(日本)
平山学(日本)

<ウェルター級/5分3R>※当日計量
エフェガヤニック雄志(日本)
岡澤弘太(日本)

<アマ・バンタム級/5分2R>※シンガード無、前日計量
鈴木崇矢(日本)
藤谷敦史(日本)

<アマ・ウェルター級/5分2R>
藤波勇翔(日本)
阿部光太(日本)

<アマ・バンタム級/5分2R>
須藤晃大(日本)
水戸邉荘大(日本)

<アマ・フェザー級/5分2R>
菊西拓馬(日本)
田村峻大(日本)

<アマ・バンタム級/3分2R>
梶田左京(日本)
梅原規祥(日本)

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MMA NEXUS25 ジェイク・ウィルキンス ボクシング 河名マスト 竹上航平

【NEXUS25】ウィルキンス、打ち疲れ??もテイクダウンで竹上を終始圧倒。ライト級王座決定Tアピール

【写真】ウィルキンスのアピールしたネクサス・ライト級王座決定トーナメントが2022年に開催──されるか(C)MMAPLANET

19日(日)に東京都新宿区のGENスポーツパレスでNEXUS25が開催された。

レポート第4回は7月に河名マストとのデビュー対決を制したジェイク・ウィルキンスのプロ2戦目、竹上航平との一戦の模様をお届けしたい。


<ライト級/5分2R+ExR>
ジェイク・ウィルキンス(日本)
Def.3-0:20-18.20-18.20-18
竹上航平(日本)

まず右ローを蹴ったウィルキンスは、リーチの長い竹上に左ハイ、続いて左ローを蹴っていく。跳びヒザから組んだ竹上に対し、ウィルキンスは首を巻いて払い腰でテイクダウン。その刹那、勢いを利用して竹上がトップ奪取もウィルキンスはすぐに立ち上がる。

ウィルキンスは押し込み返し、ダーティボクシングでアッパーを打っていく。さらにヒザを入れ右腕を差して姿勢を乱すと、フックを効かせて連打でラッシュをかける。

ケージに詰まった竹上に猛攻を見せたウィルキンスだが、前蹴りやパンチを打ち返えされると打ち疲れを回避するためか自ら間合いを取り直す。

竹上は左を当て、ヒザをボディに突き刺す。腹をかばうようにウィルキンスは組んで大内刈りでテイクダウンも、すぐに竹上が立ち上がりヒザを腹に入れる。ウィルキンスもボディを殴り、ヒザを返すものの動きが落ちているのは確かだ。

残り1分でブレイクが掛ると、竹上がヒザ蹴りから組みにいったところでウィルキンスは右腕を差して背負い投げでトップを取ると、自ら立ち上がりパンチを打ちながら組み直して初回終了を迎えた。

2R、左ミドルを入れたウィルキンスが左ストレートを当て、ダブルレッグでテイクダウンを奪う。足を束ねて竹上を立たせなかったウィルキンスは、バックコントロールに移行すると正対したところで大内刈りを決める。

柔道技で立ちレスをリードしたウィルキンスが、ケージに押し込んでスクランブル戦を展開。竹上が立ち上がったところでダブルレッグ、さらに大内とのコンビでスタンドに戻ることを許さない。エネルギーをセーブし、時間を使うウィルキンスに対し、竹上は足を腿の上に置かれて立ち上がることができない。

ウィルキンスは手首をコントロールして、背中をマットにつかせるとガードに入る。竹上が蹴り上げから立ち上がろうと下ところでパンチを入れたウィルキンスは、腹にヒザを浴びるとこもテイクダウンを選択しトップコントロールから最後も立ち上がり際にダブルレッグを決めて試合をまとめた。

結果、3-0の判定勝ちを収めたウィルキンスは「こんなみっともない内容だったけど、ライト級チャンピオンシップ・トーナメント、取るんでお願いします」とアピールした。

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【NEXUS25】MMA空手道場 鷹所属。藤原俊樹─02─「臆病な性格を矯正するために危険なゾーンに」

【写真】一個人として立派な姿勢を持っている。と同時に競技者は、結果を出すことが正義でもある (C)NEXUS

19日(日)、東京都新宿区GENスポーツパレスで開催されるNEXUS25でアオキング一輝と対戦する藤原俊樹インタビュー後編。

極真空手の稽古を師・鈴木信達氏と続けるのは当然。臆病な自分を矯正するために前に出る。格闘技以外でも結果を残せない──でも、悔しいから頑張り続ける。市井の人々のためのMMA、そして格闘技を実践する藤原は、山田峻平代表の厚意に応えるため、そして自らためにケージに足を踏み入れる。

<藤原俊樹インタビューPart.01はコチラから>


──ウェイト3日、格闘技3日。その3日間の格闘技の練習は、MMAに集中しているのでしょうか。

「いえ、空手は1日やっています。空手のクラスに出てからMMAの練習をして。それとMMAのクラスの日、それとMMAのクラスの無い日に道場のオープンマットのような形で来た人と練習し、誰もこないとサンドバッグを叩いたり、空手の型の練習をやっています」

──そこも空手の稽古が入ってくるのですね。

「最初にMMAを始めた時に信達さんから『格闘技経験がなくて、下地がないのでベースになるモノを一つ、創った方が良い』とアドバイスされ、極真で土台を創ってMMAをやっていくことになったんです。それがあるので、極真の稽古は地道にコツコツと続けていきたいと思っています」

──試合前も極真の稽古を行うのですか。

「試合前も普通にやっています。利点や意味とかでなく、ルーティンで。フルコンの練習をした後も、MMAのスパーリングもやりますし。いってもフルコンの練習は1時間ですし、それ以外の時間は全部MMAに使えているので問題ないです。それに極真空手の練習をすることは、土台を崩さないために当然のことだと考えています」

──生活の一部ということですね。

「ハイ。極真の稽古を休むことはないです。練習自体、さすがに試合の1日前とかはやらないですが……。今はネクサスが当日計量で水抜きをしないので、日曜日が試合の時は金曜日までガッツリとウェイトも息上げもやっています。そして土曜日は1日休むような感じで、試合前の週もずっと動いています。

試合前に疲れを取るために休んだりしちゃうと、逆に体が軽くなり過ぎちゃって。普段、追い込みながら練習しているので、体が重い状態が普通になっていて。すると体が軽くなっちゃうと、動きが狂っちゃうんですよね。だから、そういう風にしています」

──元ONE世界ウェルター級王者がMMAの指導をすることは?

「あまりないです。でも信達さんはテイクダウンディフェンスに長けていて、ご自身で工夫をされてきた方なので、そういう部分を教えてもらったり時々しています」

──ところで藤原選手の戦績を見ていると、キャリア序盤はGROUNDSLAMやSAWATでもの凄く負けが込んでいます。

「そうなんですよ(苦笑)。7試合した時点で1勝6敗でした」

──にも関わらず、コンスタントに試合を続けてきました。現状4勝9敗ですが、MMAファイターとしての目標はどこに置いていますか。

「やはり今、試合に出させてもらっているネクサスのベルトを狙っていきたいと思っています。ただ4月、7月と連敗してしまって。結果を残せないタイプなんです。格闘技に限らず、なかなか結果がついてこないところがあって。でも、悔しいのであきらめたくなくて。続けていれば、いつか花開くことがあるんじゃないかと思って練習を続けています」

──そのような状況で19日の試合は、どのような試合をしたいと思っていますか。

「この試合だけでなく、毎試合そうなのですが……自分は臆病なんです。その臆病な性格を矯正するために、自分から前に出てプレッシャーを掛け、自ら危険なゾーンに入っていくようにしています。そこは変えることなく、ガンガン前に出てます」

──今回、山田代表の『負けても腐らず、努力し続ける。そういう選手にスポットを当てるのもネクサス』という考えの下、インタビューをさせていただきました。ただし、MMAファイターとして、そんなことを言われているようではダメです。今度は結果を残し、タイトルを目指すポジションに来た時に話を訊かせてください。

「ハイ。そういう風に言われると嬉しいのですが、なにくそッと思わないといけないですよね。それでも、わざわざスポットを当てていただき感謝しているので、しっかりと勝ち続けてタイトル戦線に絡んでいきたいと思っています。頑張ります」

■ NEXUS25対戦カード

<ウェルター級/5分2R+ExR>
カタナマン二世(日本)
前田啓伍(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
田口滉人(日本)
道端正司(日本)

<ウェルター級/5分2R+ExR>
木村裕斗(日本)
西尾真輔(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
北野一声(日本)
古賀優兵(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
中桐涼輔(日本)
長谷川寛人(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
ジミー西(日本)
西岡裕(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
村井和道(日本)
大谷啓元(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
高杉遼介(日本)
井上皓平(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
小林了平(日本)
空(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
諏訪部哲平(日本)
ファビオ ハラダ(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
唐沢タツヤ(日本)
寿希也(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
森山壱政(日本)
須藤拓真(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
山口力(日本)
十河卓児(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
ジェイク・ウィルキンス(日本)
竹上航平(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
小森真誉(日本)
島村裕(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
藤原俊樹(日本)
アオキング一輝(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
森崇純(日本)
河名マスト(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
勅使河原稜太(日本)
高岡宏気(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
谷育磨(日本)
森永ユキト(日本)

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【NEXUS25】アオキング一輝と対戦、MMA空手道場 鷹所属。藤原俊樹─01─「空手もやっています」

【写真】 1991年9月7日、東京出身。師匠・鈴木信達氏と(C)TOSHIKI FUJIWARA

19日(日)、東京都新宿区GENスポーツパレスで開催されるNEXUS25で、藤原俊樹がアオキング一輝と対戦する。

NEXUSとMMAPLANETのタイアップ・インタビュー、山田峻平代表が「ベルトにまだ絡んでないし、戦績もボロボロですけど、腐らず前向きに格闘技に向き合っている選手です! 勝ち続けている選手じゃなくても、スポットを当てるのがネクサスなので宜しくお願いします!」と藤原を大プッシュ。

この声に押され、藤原に初めて話を訊いた。


──アオキング一輝選手と対戦する藤原選手です。ネクサスとのタイアップ企画インタビューで山田代表から「ぜひとも藤原選手を」という強い要望がありました。藤原選手にスポットを当てる……それがネクサスらしさだということです。

「ありがたい話です」

──そして、本当に申し訳ありません。自分が藤原選手のことも所属するジムのことも全く存じ上げていなくて。まずMMA空手道場鷹ですが、インタビュー前にホームページをチェックして鈴木信達さんの道場だと知りました。

「ハイ、信達さんのところでやらせてもらっています。信達さんと父が友達で、僕も小学生の頃から知っていたんです。信達さんが座間の米軍基地で働いていた時に、父も同じ基地で仕事をしていて知り合ったそうなんです。僕自身は格闘技をやっていたわけでもないのですが、6年前に信達さんが道場を出すということで、遊びに行ってみようかと。それでハマってしまった形です。ONEでタイトルと取られてしまった後ですね」

──ベン・アスクレン戦、もう7年も前になるのですね!! 私も信達さんはONE時代に取材をさせていただいていて、まぁ2人で下ネタをしている時間の方が長かったかもしれないですが。

「アハハハ」

──MMA空手道場ということですが、練習は空手をやっていたのですが、それともMMAですか。

「道場には空手のクラスとキックボクシングのクラス、それとMMAのクラスがあります。ただMMAをやる人は少なくて……。試合に出たいという人の占める割合は高いですが、プロクラスのようモノはうちの道場にはないです。基本的には自由な感じでやっています」

──藤原選手はMMAの練習をしていると。

「いえ空手もやっていますし、MMAの練習もしています。」

──空手をやってから、MMAを始めるということでもないわけですね。

「僕は全部のクラスに出ていました。空手をやって、キックをやって、MMAをやって。ほぼ一斉に始めました。とりあえずやってみようと」

──信達さんの教えなので、空手はフルコンタクト空手ですね。

「ハイ、極真空手です。極真のクラスは信達さんが指導して、キックは別の方で。MMAはK’z Factoryにおられた小林正俊さんが指導してくださっています」

──おお、小林さんですか!! 空手、キック、MMA、まず試合に出るようになったのは、どこからなのでしょうか。

「最初がMMAでした。アマチュアでキックボクシング、1度だけ極真のトーナメントにも出ています」

──極真とMMAは、なかなか同時にやるイメージがないのですが、極真……フルコンタクト空手の打撃が藤原選手のMMAに役立つことはありますか。

「そうですねぇ……う~ん、僕はそこまで辿り着いていなくて」

──なるほど。正直な方なのですね(笑)。

「ただフルコンの稽古をすることで、体のバランス、体幹が鍛えられているので、そこはMMAに生かされているとは思っています」

──MMAの戦績を積み重ねていくうえで、練習のバランスは変わってきましたか。

「最初の方は週に5日ぐらい練習していたのですが、今はウェイトの時間を増やしていて。週に3日、ウェイト。残り3日で格闘技の練習をしています。今ではウェイトと格闘技は半々です。自分の判断で、そういう風にしました」

──MMAを試合に出るレベルでやっていて、ウェイトと半々というのは珍しいかと思います。

「そうなんです。格闘技の練習が少ないとは自分でも思っています。でも体創りもしっかりとしないといけないですし。自分は昼間は仕事をしているので、夜にウェイトと格闘技の練習をどちらもやるだけの時間が創れないんです。それと週に5日ぐらい格闘技の練習をしている時に、マンネリ化してしまって……。

それ以来、格闘技の練習を減らして、少ない時間でしっかりと集中してやるようにしたんです。それだったらマンネリ化もせずに、もっと身の入った練習ができるので。一応、こういう組み方をしてきて、けっこう上手くいっていると自分の中では思っています」

──ウェイトで体を創り、MMAでも効果があるように感じられるのですね。

「そうですね、かなりパワーもついてきたと思います。ウチの道場は大きな人が多くて、56.7キロとか61.2キロで戦う僕が一番小さいです。他の人たちは皆、フェザー級も少なくてライト級以上の人ばかりで」

──それは珍しいですね。日本のMMA選手は軽量化が進んでいるように感じられたので。

「そうなんですよ。そのなかでパワー負けは……さすがにすることもありますけど、要所で耐えられたり、勝てたりはしてきているので、自分のなかではこれで良いのかと感じています」

<この項、続く>

■ NEXUS25対戦カード

<ウェルター級/5分2R+ExR>
カタナマン二世(日本)
前田啓伍(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
田口滉人(日本)
道端正司(日本)

<ウェルター級/5分2R+ExR>
木村裕斗(日本)
西尾真輔(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
北野一声(日本)
古賀優兵(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
中桐涼輔(日本)
長谷川寛人(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
ジミー西(日本)
西岡裕(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
村井和道(日本)
大谷啓元(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
高杉遼介(日本)
井上皓平(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
小林了平(日本)
空(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
諏訪部哲平(日本)
ファビオ ハラダ(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
唐沢タツヤ(日本)
寿希也(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
森山壱政(日本)
須藤拓真(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
山口力(日本)
十河卓児(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
ジェイク・ウィルキンス(日本)
竹上航平(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
小森真誉(日本)
島村裕(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
藤原俊樹(日本)
アオキング一輝(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
森崇純(日本)
河名マスト(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
勅使河原稜太(日本)
高岡宏気(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
谷育磨(日本)
森永ユキト(日本)

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【NEXUS25】コロナ禍前も後も波瀾万丈、ジェイク・ウィルキンス─02─「つまらない試合はしたくない」

【写真】ネクサスのウィルキンス。同日開催のEXFIGHTでは芳賀ビラル海、高木オーディン祥多、エフェヴィガヤニック雄志、三上ヘンリー大智。ハイブリッドの時代がやってきた(C)MMAPLANET

19日(日)、東京都新宿区GENスポーツパレスで開催されるNEXUS25で、竹上航平と戦うジェイク・ウィルキンス・インタビュー後編。

東京育ち、MMAは米国で始めたウィルキンスは、国内でもアマ修斗の選択。大きな希望を持ってのアマ修斗制覇も、コロナ・パンデミックにより彼の計画は実行に移されなかった。紆余曲折を経てNEXUSでプロデビューしたウィルキンスのプロ2戦目直前の声──をお届けしたい。

<ジェイク・ウィルキンス・インタビューPart.01はコチラから>


──東京が恋しくなって日本に帰国したのは、いつだったのですか。

「2019年になる直前ですね。年が明けてTRIBE TOKYO MMAにまた行かせてもらうようになったのですが、3カ月ほどで離れました」

──あぁ、だから一部ではぐれTRIBEという言い方がされていたのですね。

「仕事もしていたので、どうしても練習に行けない日ができてしまって。プロを目指していたので長南さんからも『週に5日は来るように』という感じだったのですが、それができなくて。やはり生活もあるので……長南さんの期待に応えることはできなくて、TRIBEを離れました」

──アマ修斗優勝時の所属はKRAZYBEEでしたが。米国のアマMMAで優勝した実績があってなお、プロでなくアマ修斗全日本を取りに行ったのですね。

「ハイ、あの時はアマ修で優勝するとEVOLVE MMAに1年ぐらい行けるっていう話があったじゃないですか」

──あぁ、ありました。ありましたね。

「だからアマ修斗に出たんです。関東を取って、2カ月後の全日本でも優勝できました。ただ、初戦でヒザの靭帯をケガをしてしまって、何とかアドレナリン全開で乗り切って優勝はできたのですが、それから半年間ぐらい練習ができなくなってしまったんです」

──練習できる頃になると、世界がコロナ・パンデミックの影響を受けていたと。

「ハイ。緊急事態宣言が発出されて4月、5月と多くのジムが閉鎖されました。ただ3月に修斗の方から『夏にEVOLVEに行ける』という連絡があったんです。それもコロナになって、話がストップしてしまいましたけど……」

──シンガポールはそれこそMMAの練習ができる状況ではない、厳格なロックダウン政策を実行しましたからね。

「それ以降はうやむやになったのか……可能なら、コロナが終息すると実施して欲しいですけどね……チャトリさんに直接、尋ねてみようかな……。でもホント、コロナで計画が変わってしまいました」

──そしてジェイク選手もフリーになっています。

「去年、KRAZYBEEの選手が抜けた時期があったじゃないですか。僕は関係なかったのですが、単純に通うのが遠かったのと、プロ練習が午前中だとやっぱり仕事があって参加できなかった。そういう理由で僕は辞めたんです」

──なるほど。所属先を決めなかったのは?

「そこは米国風というのか。ジムに所属して、練習はしていても向うは帰属意識がないというか。縛りがないじゃないですか。団結力も強いのは、日本の良いところでもあるのですが、僕はフリーの方が良いかなって。今は高田馬場のトイカツ道場や土曜日にリバーサルジムに出稽古に行かせてもらっています。

それで5月にトイカツ道場に出稽古に来ていた渡部修斗さん経由で、山田代表にお願いしてネクサスに出させてもらったんです。最近ではCAVEに2度ほど行かせてもらって、石渡さんとも話をさせてもらいました。来年に向けて、いろいろと考えていこうと思っています」

──12月19日に竹上航平選手との試合が控えていますが、今後どのようなMMAファイター人生を歩んでいきたいと考えていますか。

「まずは今回の試合でしっかりと勝って、タイトル戦線に名乗りをあげたいです」

──前日計量の北米階級で考えると、フェザー級王座ですか。

「いえ、体が大きくなっているのでライト級を考えています。ネクサスはライト級王座が認定されていないのですが、今後トーナメントを開くという話も聞きます。だから、次の試合ではトーナメントに入れてもらえるようアピールできる勝ち方をしたいと思っています」

──そのためにはどのような試合を見せる必要がありますか。

「フィニッシュですね。KOかサブミッションで取りたいです。判定にはならないように。前回の河名戦では初回で倒すつもりでしたが、ちょっと苦戦しちゃって(苦笑)。彼の方から僕を指名してきたと聞いていたので、『この野郎、上等だ。絶対に沈めてやろう』って思って受けたのですが──河名選手は組むと強かったです。

でも3RにTKO勝ちできましたし、次の試合はもっと上手く体重を落として、しっかりと倒したいです。アグレッシブに前に出て、絶対につまらない試合はしたくない。ガンガンと前に出て、倒します」

■ NEXUS25対戦カード

<ウェルター級/5分2R+ExR>
カタナマン二世(日本)
前田啓伍(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
田口滉人(日本)
道端正司(日本)

<ウェルター級/5分2R+ExR>
木村裕斗(日本)
西尾真輔(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
北野一声(日本)
古賀優兵(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
中桐涼輔(日本)
長谷川寛人(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
ジミー西(日本)
西岡裕(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
村井和道(日本)
大谷啓元(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
高杉遼介(日本)
井上皓平(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
小林了平(日本)
空(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
諏訪部哲平(日本)
ファビオ ハラダ(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
唐沢タツヤ(日本)
寿希也(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
森山壱政(日本)
須藤拓真(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
山口力(日本)
十河卓児(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
ジェイク・ウィルキンス(日本)
竹上航平(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
小森真誉(日本)
島村裕(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
藤原俊樹(日本)
アオキング一輝(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
森崇純(日本)
河名マスト(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
勅使河原稜太(日本)
高岡宏気(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
谷育磨(日本)
森永ユキト(日本)

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【NEXUS25】自衛隊で日本拳法、UFC JAPANを見て「向うで始めようと」──ジェイク・ウィルキンス─01─

【写真】 1992年7月26日、東京出身。日本と米国の国籍を持つ。父が米国人で、母が日本人でネイティブの言語は日本語というウィルキンス、米国で英語を身につけたそうだ (C)MMAPLANET

19日(日)、東京都新宿区GENスポーツパレスでNEXUS25が開催される。原則、当日計量で1階級上の試合というフォーマットで行われる同大会では、森山壱政✖須藤拓真、唐沢タツヤ✖寿希也のダブルメインが組まれ、他に第1部に河名マストのプロ3戦目、讃岐のプロシューター=高岡宏気が参戦。夕方からの第2部では新鋭ファビオ・ハラダ、2年1カ月前に修斗で涙の14年振りのプロ修斗復帰戦で勝利した西岡裕が初参戦するなど楽しみなカードが組まれている。

そのなかで要注目はジェイク・ウィルキンスだ。竹上航平と戦うジェンキンスは2019年全日本アマ修斗ライト級優勝、7月のプロ初陣では前述した河名を破っている。河名戦の勝利後は星条旗と日の丸を掲げ、流ちょうな日本語を操った──謎が謎を呼ぶ注目株に初インタビューを試みた。


──MMAPLANETで初インタビューとなります、ジェイク・ウィルキンス選手です。ネクサスでプロ2戦目、今の気持ちを教えてください。

「少しケガがあってモチベーションが落ちたこともあったのですが、切り替えて気持ちも上がってきて、体重も前回より上手く落とせているのでコンディションは良いです」

──7月のプロ初戦ではグレコローマンのU23世界王者だった河名マスト選手を相手に、ハイキックによるカットでTKO勝ちを収めましたが、試合後も河名選手に注目が集中してしまいました。

「僕はSNSとか見ない人間なんですけど、友達からは『負けたアイツの方が話題になっているよね。なんで、ジェイクは上がんないのかよ』という声は結構聞きました(笑)。僕は全然構わないのですが、やっぱりレスリングで強かった人は日本では評価されるということなんでしょうか?」

──話題にはなります。ただし、勝ったジェイク選手も取り上げるべきところで申し訳ないです。そして河名選手と同様に、あの勝利後でRoad to ONEなので戦うチャンスが巡ってきてほしかったですね。

「どこからも声は掛からなかったです。フリーだから、そういうのが関係あるのかもしれないですね」

──そもそも論として、ジェイク選手はなぜそんなに日本語が上手なのですか。

「あっ、僕は母親が日本人でずっと東京で育ったんです。22歳の時に渡米して、5年ほど向うにいて。MMAも米国で始めて、アマチュアの試合に出ていました」

──そうだったのですね。なぜ、米国へ?

「高校を卒業してから陸上自衛隊に入り、日本拳法をやっていました。元々MMAには興味があったのですが、見るものでした。でも日本拳法をやって、やる方にも興味を持つようになり、その頃に……2012年とか2013年にUFCの日本大会がありました。あの大会を見て、MMAをやりたいという気持ちが強くなったんです。

で、どうせやるなら僕は二重国籍で米国籍もあるので米国でやろうと思い──渡米の2カ月前にTRIBE TOKYO MMAに行くようになりました」

──そして、2カ月後に米国へ?

「ハイ。父親がニューメキシコ州に車で30分ぐらいのテキサス州セミノールという街に住んでいたので、半年ぐらいそこにいて全く有名でない小さなジムで練習していました。ほとんど白人とメキシカンの街で、黒人も少ない──アジア人は全くいない街でした。でもMMAをやるならLAだろうと思い、引っ越してホーソンにあるジムで入りました。

今、UFCにいるクリストフ・ギアゴス、UFCでは勝てなかったテリオン・ウェアとかがいるシステムズ・トレーニングセンターというジムで、当時アマチュアの試合にも3度ほど出ました」

──そこまでやって米国でプロの試合に出ようとは?

「実は向うで携帯のショップで働いていました。ミツワ・マーケットプレイスっていう日本のスーパーマーケットにある」

──えっ、あのミツワですか!! サンタモニカとトーランス、どちらのミツワだったのですか! 米国取材中はカルバーシティの友人の家にいつも世話になっていて、どちらのミツワも頻繁に訪ねていました!!

「トーランスの方です。入ってすぐに携帯ショップがあったのを覚えていないですか?」

──いやぁ、そこまでは。ただ本屋さんがあったのは覚えています。フードコードのワキにある日本茶屋さんでグリーンティーを飲んで(笑)。

「本屋の向かいですよ。僕が働いていたの!! ドコモとKDDIがあって、僕はKDDIで2014年から2016年まで2年間、働いていました。でも、あのトーランスのミツワはもうあの場所にないんですよ。デルアモ・モールの中に移ったらしくて」

──デルアモといったらノードストロームが入っていたモールですね!! そうなのですか……なんだか、心のふるさとがなくなったような気がします。いや、スミマセン。全く話が横道にそれてしまって。その時は働きながらで、プロのMMAは経験する機会がなかったと。

「ハイ、ぶっちゃけていうと中途半端で、生活を安定させるのに仕事中心の生活になって、練習もそれほどしていなかったんです。そうしたら、ある時テキサスにいる父親から『お前は何をしに米国に来たんだ。いい加減、ちゃんとMMAにフォーカスしろ』という電話が入ったんです。

ジャクソンウィンク時代のウィルキンス(C)JAKE WILKINS

それでちゃんとやろうと思ってニューメキシコ州アルバカーキにあるジャクソン&ウィンクMMAで練習するようになりました。

仕事も辞めて、最初は12時半から始まるアマチュアのクラスで練習していました。コーチがジョーイ・ヴィラセニョールっていうPRIDE武士道で長南さんと戦ったこともある人で。

ジャクソンズの2階が寮で、そこで寝泊まりし2部練、3部練をして、夜はダウタウンのレストランで働いていました。結局、1年半ほど練習していましたけど、ジョン・ジョーンズはアマチュアの自分なんかにも、向うから話しかけてくれて凄く良い人でしたよ」

──ジャクソン・ウィンクルMMAでもプロの経験はなかったということですね。

「ハイ、アマチュアMMAはトータルで6戦して州対抗戦のニューメキシコ✖アリゾナ戦に出て、僕の蹴りが股間に当たってNCになってしまいました。その後はラスベガスのREAL MMAというアマのベルトを獲り、アマでは2本をベルトを巻いて……日本に帰りたいという気持ちが大きくなって戻ったんです」

──米国でプロデビューしなかったのは、勿体なくないですか。

「う~ん、実はホームシックが凄かったです。もう5年以上、日本に帰国したことがなくて。それにニューメキシコ州は凄く田舎で、アルバカーキはショッピングモールが2つぐらいしかなくようなところで。僕は東京育ちだったので、ビルが恋しくなりました。結果、2018年の終わりに戻りました」

<この項、続く>

■ NEXUS25対戦カード

<ウェルター級/5分2R+ExR>
カタナマン二世(日本)
前田啓伍(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
田口滉人(日本)
道端正司(日本)

<ウェルター級/5分2R+ExR>
木村裕斗(日本)
西尾真輔(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
北野一声(日本)
古賀優兵(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
中桐涼輔(日本)
長谷川寛人(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
ジミー西(日本)
西岡裕(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
村井和道(日本)
大谷啓元(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
高杉遼介(日本)
井上皓平(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
小林了平(日本)
空(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
諏訪部哲平(日本)
ファビオ ハラダ(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
唐沢タツヤ(日本)
寿希也(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
森山壱政(日本)
須藤拓真(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
山口力(日本)
十河卓児(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
ジェイク・ウィルキンス(日本)
竹上航平(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
小森真誉(日本)
島村裕(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
藤原俊樹(日本)
アオキング一輝(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
森崇純(日本)
河名マスト(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
勅使河原稜太(日本)
高岡宏気(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
谷育磨(日本)
森永ユキト(日本)

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【NEXUS25】須藤拓真✖森山壱政、ウィルキンス✖健吾。寿希也&ハラダと共に注目、西岡裕の出場

【写真】Road to ONE、Unrivaled、そしてNEXUSと3カ月連続のファイトとなる柔術家、須藤拓真(C)MMAPLANET

26日(火)、NEXUSより12月19日(日)に東京都新宿区のGENスポーツパレスで開催されるNEXUS25の対戦カードと出場選手が発表されている。

Road to ONE、RIZINへの選手の供給源にもなりつつあるネクサスの2021年最終興行はステップアップ・カテゴリーとして2023年の活動に継続する流れが伺えるマッチアップが目立つ。


まず一際目を引いたのが、森山壱政✖須藤拓真の当日計量68.5キロ契約マッチだ。前日計量だとバンタム級の両者がフェザー級より重い契約体重での顔合わせだが、ズバリこの試合は須藤がバンタム級王座に挑戦する資格があるかが測られる査定試合だ。

本来なら挑戦者決定戦でも良いカードだが、昨年4月に森山は現暫定王者の河村康博に敗れており、この敗北が響き査定試合での壁という存在になった。スタンドの打撃への苦手意識がないことで、自分の間合いで組んで、上も下も選択できる──現状は足関スペシャリストの──須藤は、11月3日にプログラップリング大会=Unrivaledの北田戦が控えており、柔術とグラップリングを同時進行するキャリアを実践している。

この対決、手足というよりも体のフレームがバンタム級として大きな森山の取るべき手段と、須藤の対抗策が興味深い。また河名マストのデビュー戦に土をつけたジェイク・ウィルキンスが健吾と戦う70.3キロマッチに加え、まだ対戦相手は明らかとなっていないが、出場が決まった寿希也、ファビオ・ハラダという新鋭の揃い踏みにも注目だ。

そんな選手たちに加え、西岡裕のネクサス初参戦も非常に気になる。

西岡は2019年11月のプロ修斗沖縄大会で14年振りに現役復帰戦を戦って以来、2年ぶりのファイトがネクサスとなった。No Shooto、No Lifeの西岡のネクサスでの相手が誰になるのか、追加カードの発表を待ちたい。

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【Road to ONE05】2度目の正直、MMA初勝利目指す河名マスト「形になりつつあります」

【写真】ゼロ距離打撃=ダーティボクシングが巧みになれば、大きな武器となるはず(C)MMAPLANET

5日(火)、東京都渋谷区のTSUTAYA O-Eastで開催されるRoad to ONE05「Sexyama Edhition」の第1試合に、河名マストが出場。新関猛起と対戦する。
Text by Shojiro Kamaike

河名はグレコローマンで全日本学生選手権、ジュニア五輪、そしてU23世界大会を制するなど、レスリングでは輝かしい実績を残してきた。今年に入り、MMAに転向したものの7月にFighting NEXUSでプロデビューするも、ジェイク・ウィルキンスにTKO負けを喫している。

そんな敗戦の中でもグレコの技術を生かしたテイクダウンやグラウンドコントロールなど、らしさは残した。あとは、その強さをMMAに生かすことができるかどうか。

そんな河名に、次戦への意気込みを訊いた。


――MMA2戦目を3日後に控えている河名マスト選手です。今はもう練習を終えたところでしょうか。

「明日も打ち込みとか、試合に向けた最終確認を行います。前回の試合が終わってから1回休んで、そこから追い込んだスパーリング、苦しいスパーリングを経験してきました。おかげで仕上がってきていると思います」

――追い込んだスパーリング、苦しいスパーリングとは?

「所属しているロータス世田谷には、いろんな選手が練習に来られています。スパーリングの時は、八隅(孝平ロータス世田谷代表)から『次はこの選手、次は……』と指定されて、誰が相手になるか想定できません。そこで、誰が相手になっても対応できるかどうか。そういったスパーリングをしてきました」

――なるほど。今回出場するRoad to ONEというイベントには、どのような印象を持っていますか。

「前回(2月22日、Road to ONE04)はヤングガンズということで、国内の若手選手が主体でしたよね。でも以前の形で開催されるのであれば、僕は海外の選手と試合をしたいので、出場できるのは嬉しいです」

――河名選手はレスリングのグレコローマンでU23世界大会を制してMMAに転向しましたが、7月25日のプロMMAデビュー戦では、ジェイク・ウィルキンス選手のハイキックで顔面をカットし、TKO負けとなりました。あの試合から得たものはありますか。

「もちろん負けたことは悔しいです。勝ちたかった、その気持ちが最初にあります。でも逆に負けたから――打撃をもらいまくって、カットして負けた。このままではいけない、ということが本当によく分かりました」

――自分自身の中で出せたこと、出せなかったものなどはありますか。

「自分の中でやりたかったことはできた、それは収穫だったと思っています。テイクダウンしてから相手を抑える、レスリング力でコントロールするという部分はクリアできました。でも反面、打撃の防御に関しては至らなさを痛感しました」

――打撃の防御で至らなかった点とは?

「どうしても正面に立ちすぎてしまったり、相手の打撃が見えないところに自分が動いてしまったり――足の使い方がよくなかったと思います」

――試合後には、MMAPLANETのインタビュー記事で、一緒に練習している青木真也選手から河名選手への叱咤激励といえる言葉がありました。

「はい、その記事は読みました。青木さんの仰るとおり、グレコしかできない状態のまま戦ったんだと思います。自分でも思っていたことを、改めて客観的な視点で青木さんから指摘されて……本当に、そのとおりなので(苦笑)。

自分は、まだまだMMAの選手になれていません。これから改善していかないといけない点は、たくさんあります」

――どのような点を改善していかなければいけないと思いますか。

「グレコのように上半身だけで組むのではなく、足にもアプローチできれば、もっと上半身で組むことも生きてくると思います。あとは打撃ですね。まずは足を止めないこと。そして打撃の踏み込みからのテイクダウンだったり、自分の得意な部分に繋げられるようにしていかないといけません」

――つまり、自分のグレコの力を生かしたMMAができるかどうか、ですね。

「そうです。僕は結局、グレコしかできていません。でも、そこが相手より勝っているところです。自分のほうが優れているところを押し出して、勝たないといけないと思います。そのためには、どうやって自分の得意なポジションに持ち込むか、その流れを整理整頓して考えています」

――次の試合に向けて、その整理はできているのでしょうか。

「形になりつつあります。次の試合では、その形を見せたいと思います。今は少しずつ、別物だったレスリングとグレコが、重なりつつあるという実感を持っています」

――たとえば、どのように重なってきているのでしょうか。

「前回の試合では、グラウンドでパウンドやヒジを当てることができました。一応当てた、という感じですけど……。次の試合はもっと手数を増やして、プレッシャーをかけていきたいと思っています。スタンドでは、グレコの技術を生かして近距離の打撃を出したりしたいです」

――いわゆるダーティーボクシングですか。

「はい。たとえばムエタイの首相撲を取り入れて、スタンドで組みながらパンチ、ヒジ、ヒザでプレッシャーをかけながら、相手がそれを嫌がったら次にどうアプローチするか……などですね」

――MMAに対して、自分の力を生かした展開が見えてきているようですね。

「次の相手、新関選手はアマチュアでMMAのキャリアを積んできた選手です。前回のジェルキンス選手もそうでしたが、試合をこなしているぶんMMAでの様々な対処は自分よりも優れていると思います。その相手に、自分がMMAでどんな試合をするのか。再スタートという気持ちで挑みます」

■視聴方法(予定)
10月5日(火)
午後5時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■ Road to ONE05対戦カード

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
竹中大地(日本)

<グラップリング・ライト級(※77.1キロ)/10分1R>
青木真也(日本)
キャプテン☆アフリカ(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
小野島恒太(日本)
山本聖悟(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
山本空良(日本)
野尻定由(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
須藤拓真(日本)
南風原吉良斗(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
河名マスト(日本)
新関猛起(日本)

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MMA NEXUS23 RIZIN Special ジェイク・ウィルキンス 中村倫也 河名マスト 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番─番外編─河名マストからの中村倫也、そして河名マスト

【写真】課題も、良さも見えたデビュー戦だった (C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。

青木が選んだ2021年7月の一番、第三弾まで既に終了しているが──今回は青木から他に言及したい選手、試合があった。青木が選んだ2021年7月の一番─番外編─第一弾は7月25日に行われたNEXUS23からジェイク・ウィルキンス✖河名マスト戦について語らおう。


──青木選手が選ぶ7月の一番、3試合目が終わったのですが、今回は他にも青木選手が気になった試合があるということですが。

「ハイ、河名マストの試合なんです。でも負けてしまったからなぁ」

──勝敗に関係なく、気になったことを話していただくのが一番です。そもそも私が『河名マスト選手って、どういう感じですか?』と尋ねたところ、『MMAは弱い。グレコしかできない』と一刀両断され、記事化を控えたということがありました(笑)。

「アハハハハ。思ったことをスパッと言って、試合はその通りになりました」

──RIZINの柏木さんが視察に来られていて。国内髄一の北米MMAの語り部であると自分が思っている柏木さんと、『1999年代終わりごろのマット・リンドランドにそっくりですね』と話していたんですよ。

「あぁ、そうかぁ。マット・リンドランドもグレコでしたよね(※シドニー五輪グレコ76キロ級銀メダリスト(現在TOKYO2020に米国ナショナルチームのコーチとして来日中)」

──ハイ。マウントで片ヒザをついて座っていました。ただしリンドランドはMMAデビューしてから、メダリストになっていますね。

「まぁ河名の場合は練習をしていても胸を合わせて、ワキを差していく。やっぱりグレコなんです。だからMMAには合わない」

──ただし、その形に入れば圧倒的に強いかと思われるのですが。

「強いことは強いです。だから、どれだけMMAに馴染むか。グレコの特性が、足を触っちゃいけないモノだから、そこだけだと動きが限定されすぎますよね。フィニッシュする武器もないので」

──今回はウィルキンス選手が全く噛ませ犬でなかったです。マウントを取られても、ブリッジで返していって。打撃も組まれることを恐れず放っていっていました。それでも2Rは圧倒的に河名選手のラウンドでしたが。

「あの選手は元TRIBEで……いわばはぐれTRIBEなんです」

──おお、そうだったのですか。

「それでもカットで負けですからね。でも、マウントで返されるのは分かります。寝技は全然ですから。だからこそ八隅さんもNEXUSから始めさせたんだと思います」

──中村倫也選手と高校の同級生で、MMAデビューも奇しくも同じ日。その倫也選手にインタビューした時に河名選手が電話で『青木選手に叱られる』という話をしていたそうです(笑)。

「『どういうつもりで、ここにいるんだよ!!』ってね(笑)。要は差して終わる。組手で終わっちゃうんですよ。それってMMAの練習をしているのに、そんなことしてちゃあ始まらねぇだろうって。

それを言ってもすぐに変わるモノじゃない。本人の特性ですけど、じっくり吸収していくタイプなのか。現時点ではMMAに向いていない……あまり向かないのかとは思いました。

でも分からないですね……。グレコから来て、MMAで大成するのはフリーやフォークスタイルと比較して多くないかと思います。人数自体が多くないかもしれないですし」

──古くは永田克彦選手、今も倉本一真選手や太田忍選手がいます。河名選手にアドバイスを送るとすれば、どういう言葉になりますか。

「グレコって、いってみれば相撲です。クリンチとワキを差す、押し相撲です。みな苦労していると思いますが、MMAを知るには練習は当然として、たくさん試合を見ること。MMAをどんどん見て、自分がどういう間合いで、どういう風に長所を生かせるのかとか考えること。

ただ、誰かに教えてもらうというだけでは転向組は難しいです。自分で考えて、自分で変えていかないと。

僕からすると、フリースタイルから転向の中村倫也選手ですら、『こんなに向かない選手はいない』と思ったんです。そんなに甘くないって。

でもデビュー戦を見ると、中村倫也選手は凄く練習したんだと思いました。まだ相手も相手ですけど、MMAを戦うために努力をしている後が見えましたね。そういう意味では大澤茂樹って、天才だったんだと感じました。練習しなくても強かった」

──ただし大澤選手も残っていないですし、MMAで大成したとは言い難いです。

「雑にいえば、好きかどうか。中村選手は絶対的にMMAが好きでしょう。そういうことだと思います。

商売にならないと転向組はいなくなる。好きな人じゃないと残らない。河名はクソ真面目、月謝を払って練習しているし、次ですね。僕も『お前、ふざけんなよ』とか言っちゃうんですけど、そうは言っても局面はメッチャ強い。グレコの組みの局面は絶対に強いので、そこを生かしてやっていけば……今回の試合の負けなんて関係ない。諦めずに頑張れば、必ず強くなります」

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