カテゴリー
DEEP MMA o RIZIN UFC ショーン・ストリックランド マネル・ケイプ 平良達郎

【UFC】UFC 293 マネル・ケイプ×フェリペ・ドス・サントス

293_SG_BA_APAC_1920x1080-760x428
DEEPDEEP JEWELSで一日中浜松町に入り浸る中、シドニーではUFC 293: Adesanya vs. Strickland。外出中だった私は帰宅後に遅ればせながらU-NEXTで観戦しました。

メインのミドル級タイトルマッチは挑戦者ショーン・ストリックランドか王者イズラエル・アデサニヤを判定で破るアップセット。1Rからジワジワと間合いを詰めてパンチを放つストリックランド。いきなりダウンを奪うと背中を向けたアデサニヤの側頭部に左右のフックを連打してあわやKOの見せ場を作ってそのまま押し切りました。

そんなメインはさておき、日本人ファンの注目を集めたのは元RIZINバンタム級王者マネル・ケイプでしょう。対戦相手の都合による度重なる試合キャンセルという不運に見舞われながらも実現したフェリペ・ドス・サントス戦。サントスはUFC初参戦ながらMMAは7戦無敗。しかもシュートボクセに所属する血気盛んなイケイケな選手。ケイプにとってはまったく美味しくない相手と言っていいでしょう。

試合も1Rからケイプを相手に一歩も引かずに打ち合うサントス。飛び膝や二段蹴りなどトリッキーな攻撃からパンチもヒット。そのハンドスピードの速い事。嫌な予感が漂いましたがケイプがパンチを打ち返してダウンを奪うと徐々に主導権を奪い返します。

3Rにはパンチでグラつかせると終了間際には狙い澄ましたようにタックルでテイクダウンを奪って試合終了。判定ながらUFC4連勝を飾りました。試合後には対戦が流れたカイ・カラ・フランスを挑発。客席にいたカラ・フランスも首狩りポーズを見せて、今後に遺恨とストーリーを残す結果となりました。

ケイプがしっかり勝って安心した一方で、平良達郎と同じフライ級というのがまった恐ろしい。ケイプはもちろんですが、UFC初戦であれだけの動きを見せたサントスもまた脅威。こんな選手がゴロゴロいるUFCの底の深さと層の厚さに焦りを感じた日曜日の夜中でした。
カテゴリー
MMA o ONE UFC UFC293   ショーン・ストリックランド ジャスティン・タファ マネル・ケイプ

『UFC 293: Adesanya vs. Strickland』パフォーマンスボーナス/観衆・ゲート収入

ピークパフォーマンス



 UFCが『UFC 293: Adesanya vs. Strickland』のパフォーマンスボーナスを発表。

▼ファイト・オブ・ザ・ナイト
・マネル・ケイプ vs. フェリペ・ドス・サントス

▼パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト
・ショーン・ストリックランド、ジャスティン・タファ


 4選手には各5万ドルのボーナス。

UFC 293 PPV Buys and Ticket Sales – Israel Adesanya’s Title Fight Is on Its Way to Smash UFC Records in Australia(Sportsmanor)

 オーストラリア・シドニーのクードス・バンク・アリーナで開催された同大会の観衆・ゲート収入は主催者発表で1万4124人・408万6688ドルとのこと。続きを読む・・・
カテゴリー
MMA MMAPLANET o UFC UFC293 キック ショーン・ストリックランド

【UFC293】高い防御力と強いプレスでアデサナニャを封じ込めたストリックランドが新世界ミドル級王者に

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
ショーン・ストリックランド(米国)
Def.49-46.49-46.49-46.
イスラエル・アデサナニャ(ニュージーランド)

アデサナニャがいつもの構えでケージ中央へ。ガードを固めた素トリックランドがプレスをかける。オーソドックスからサウスポーにスイッチしながらサークリングするアデサナニャは、再びオーソドックスに戻した。アデサナニャのロー、前蹴りを捌くストリックランド。しかしアデサナニャのフェイントに対し、距離を詰めることができない。アデサナニャの左カーフがヒットする。ストリックランドの左ジャブをスウェーでかわしたアデサナニャが、左ジャブを突きながらサークリングし、右カーフを蹴ってケージ際から離れた。

アデサナニャの左ミドルをキャッチしたストリックランドだが、テイクダウンには行かない。パンチで勝負しようとするストリックランドに対し、アデサナニャは距離を取りながら蹴りを散らす。ローからパンチに繋げたいストリックランドだが、アデサナニャを捕まえることができない。しかし残り1分半で右ストレートを当てたストリックランドが距離を詰めていく。アデサナニャは下がりながら蹴りを繰り出す数が増えている。

そのままアデサナニャがストリックランドの前進を捌こうとするも、ストリックランドの右ストレートが炸裂! ダウンしたアデサナニャにパウンドを浴びせる。立ち上がったアデサナニャをケージに追い込みパンチを連打して初回を終えた。

2R、アデサナニャはオーソドックスに構える。左ジャブと右ローを散らしてストリックランドの様子をうかがう。プレスを止めないストリックランドはアデサナニャにケージを背負わせ、左ミドルハイから追い詰めていく。アデサナニャは徹底したローとジャブ、時おりストレートを繰り出す。アデサニャの前手を抑えながら、蹴りのフェイントとともに距離を詰め続けるストリックランド。アデサニャは右カーフキックを当てるも、ストリックランドのプレスを止めることができない。

アデサナニャの右はストリックランドの顔面に届かず。アデサナニャは手数を増やし、ストリックランドのパンチをヘッドスリップでかわしている。とはいえ決定打のないアデサナニャに対し、前に出ているのはストリックランドだ。アデサナニャは右ストレートをボディに伸ばす。ストリックランドもアデサナニャの右クロスを受けながら、右ストレートを振っていく。終了間際にアデサナニャがケージ中央へ押し返すも、ストリックランドのパンチをかわすのがやっとだった。

3R、アデサニャの左ミドルハイをストリックランドがブロックする。ケージを背負う展開が続くアデサナニャも左ストレートを伸ばすが、ストリックランドがパーリングで弾く。アデサニャがワンツーからケージ中央に戻した。左ストレート、左ハイと仕掛けるもストリックランドのディフェンス力が高い。ストリックランドにも決定打はないが、右前蹴りでアデサナニャにケージを背負わせ、左ジャブで追い続ける。

アデサナニャの右カーフに替わらず距離を詰めていくストリックランド。右ストレートで下がらせ、アデサナニャのパンチのインサイドからストリックランドもパンチを打ち込んだ。さらに左ジャブから詰めていくストリックランドが、左フックを当てた。ジャブ、ジャブ、右ストレートを繰り出すストリックランドに対し、アデサナニャの攻撃は右カーフキックが中心に。残り30秒になるとストリックランドが攻める構えを見せたが、アデサナニャが距離を取り続けた。

4R、アデサナニャが左ジャブを突き続ける。しかしストリックランドを止めることはできない。するとアデサナニャが左ミドルを繰り出すも状況は変わらず。ストリックランドにもクリーンヒットは少ないが、とにかく前に出ているのはストリックランドだ。アデサニャの左の蹴りにストリックランドが左フックを合わせる。さらに右を当てたストリックランド。アデサナニャの右アッパーにフックを被せたストリックランドは、そのままパンチを浴びせていく。ケージ際を離れてケージ中央に戻るアデサナニャだが、すぐにケージを背負わされてしまう。

ストリックランドがパンチの連打で追い詰めると、アデサナニャもガードはしているもののペースが落ちた。パンチと前蹴りで追うストリックランドは、アデサナニャが距離を詰めるとボディロックで組みついた。ここはすぐにアデサニャが離れたが、その後もストリックランドが追い続ける。ガードを固めて『来い、来い」とアデサナニャを挑発するストリックランドが優勢のまま試合は最終回へ。

最終回、アデサニャは右カーフからサークリングする。互いに蹴りを出し合うなか、徐々にこれまでのラウンドと同じく、ストリックランドがアデサナニャをケージに押し込んでいく。この展開に場内からブーイングが起こるように。残り2分半でストリックランドがワンツーを伸ばした。アデサナニャも手数を増やすも、全てストリックランドに防がれてしまう。そしてストリックランドのパンチの回転が増し、右ストレートもヒットする。雄たけびを挙げながら前進し続けるストリックランドに対し、アデサナニャは下がるしかなかった。

裁定はユナニマスでストリックランドの勝利。オクタゴン10年目の初挑戦で初戴冠となった。


The post 【UFC293】高い防御力と強いプレスでアデサナニャを封じ込めたストリックランドが新世界ミドル級王者に first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
MMA MMAPLANET o UFC UFC293 アレキサンダー・ヴォルコフ アントン・トゥルキャリ オースティン・レーン カーロス・アルバーグ キック ショーン・ストリックランド ジェイミー・マラーキー ジャスティン・タファ ジャック・ジェンキンス タイソン・ペドロ タイ・ツイバサ チャペ・マリスカル チョン・ダウン ナスラ・ハクパレス フィリッピ・ドスサントス ブラッド・ダイアモンド ボクシング マネル・ケイプ

【UFC293】マリスカルと対戦、ジャック・ジェンキンス「前に出て戦うだけでは、UFCでは勝てない」

【写真】母国でのファイトの利点を話していたが、取材の多さなど米国の方が気楽な点もあることはあるようだ (C)MMAPLANET

明日10日(日・現地時間)、豪州ニューサウスウェールズ州シドニーのクードスバンク・アリーナで開催されるUFC 293「Adesanya vs Strickland」にジャック・ジェンキンスが出場し、母国のファンの前でチャペ・マリスカルと対戦する。
Text by Manabu Takashima

Eternal MMAフェザー級王者からコンテンダーシリーズを経て、UFCにステップアップを果たしたジェンキンスは、オクタゴンでも2連勝中だ。確かなキックボクシングの技術力を誇るジェンキンスが、喧嘩屋マリスカルに向けて語るなかで、彼の揺るぎないファイト・フィロソフィーが見えた。


――ジャマール・エマース戦前のインタビューでは、豪州から米国で戦う時の時差や季節の違いの調整について話していただきましたが、今回は母国でのファイトになります。

「ジェットラグのアジャストは必要ないし、他の国で戦う時に感じる問題が一切ない。試合までのプロセスが本当に楽だよ」

――そして試合に関してもケージがあるなら、アメリカン・レスラーにも簡単にテイクダウンを奪われない。さらに蹴りを使えることがアドバンテージだと言っていましたが、まさにテイクダウンを防ぎ、カーフを効かして競り勝ちました。

「本当に接戦だった。試合前にインタビューを受けた時から、彼がトップ15に値する力の持ち主であることを期待していて、その通りのファイターだった。試合の序盤はテイクダウンを奪われたしね。僕の打撃と彼のアメリカン・レスリングの激突は、一進一退の攻防になった。時差ボケ、長旅の末のパフォーマンスとしては満足しているよ。

カーフキックを効かすことができ、僕のキックはアメリカン・レスラーにはやはり有効だった。カーフキックはMMAを変えたよ。2発、3発……いや、時には1発で試合を決めることができるからね」

(C)Zuffa/UFC

――では今回の対戦相手のマリスカルについては、どのような印象を持っていますか。

「タフな対戦相手だよ。めちゃくちゃアグレッシブで、あそこまでアグレッシブなファイターはUFCでも数パーセントしかいないだろう。とにかく、前に出て戦う選手だ」

――ブロウラー的なファイターに感じます。

「そうだね。僕の方がクリーンに、そしてスマートに戦えることは確かだ。近い距離になれば、僕のモノだ」

――スラッピーでワイルドでありますが、同時に気持ちも強いかと思います。その辺りはどのように感じていますか。

「そうだね、だからこそ僕に勝機があると思っている。そして、そういうイメージがあるからこそ、彼がブロウラーだと思い込み過ぎないようにしている。あまり強く印象を持つと、何かを見落としてしまうからね。これは、どの試合でもそうしているよ。その喧嘩屋っぽい相手と戦うのも、チャレンジの一つだ。

同時にただ前に出て戦うだけでは、UFCでは勝てない。そんな戦い方が通用するような場所じゃないからね。僕のゲームに彼を誘い込む。そうだね、前蹴りとジャブ。この2つで彼を突き放して、前に出させないよ」

――では母国で戦う優位さとは別に、ファンの期待が高いことをプレッシャーに感じることはないですか。

「母国で戦うことで、絶対的に米国で試合をするときよりもファンの注目度は高いよね。そしてプレッシャーになる。でも、僕はこのプレッシャーが悪い影響を与えるとは思っていない。国の期待は、今後上にいくほど増えていくことだしね」

――その注目度の高いファイト、これからさらに前に進むためにどのような試合を母国のファンに見せたいと思っていますか。

「絶対的な支配力を見せる。戦う上で一番大切なことは、勝利を手にすること。次にドミネイトすること。エキサイトな試合をすることが最重要だと考える選手もいるけど、僕はそうじゃない。試合は勝たないといけない。結果的にエキサイティングな試合になって、ファンが喜んでくれるならハッピーだ。でもまず勝つこと。次にドミネイトすること。無理やりエキサイティングな試合になるよう戦うつもりはない」

――ところで豪州でのPPVショーは、試合開始が日曜の朝です。この時間帯に戦うことをどのように思っていますか。

「いつも10時半や11時から練習をしていから、何も問題じゃないよ」

■視聴方法(予定)
9月10日(日・日本時間)
午前7時30分~UFC FIGHT PASS
午前11時~PPV
午前7時00分~U-NEXT

■ UFC293対戦カード

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者]イスラエル・アデサナニャ(ニュージーランド)
[挑戦者]ショーン・ストリックランド(米国)

<ヘビー級/5分3R>
タイ・ツイバサ(豪州)
アレキサンダー・ヴォルコフ(ロシア)

<フライ級/5分3R>
マネル・ケイプ(ポルトガル)
フィリッピ・ドスサントス(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
ジャスティン・タファ(豪州)
オースティン・レーン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
タイソン・ペドロ(豪州)
アントン・トゥルキャリ(スウェーデン)

<ライトヘビー級/5分3R>
カーロス・アルバーグ(ニュージーランド)
チョン・ダウン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
ジャック・ジェンキンス(豪州)
チャペ・マリスカル(米国)

<ライト級/5分3R>
ジェイミー・マラーキー(豪州)
ジョン・マクデッシ(カナダ)

<ライト級/5分3R>
ナスラ・ハクパレス(ドイツ)
ランドン・キニョネス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ブラッド・ダイアモンド(ニュージーランド)
チャーリー・ラドキー(米国)

<フェザー級/5分3R>
シェーン・ヤング(豪州)
ガブリエル・ミランダ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ケヴィン・ジュセ(フランス)
キーファー・クロスビー(米国)

The post 【UFC293】マリスカルと対戦、ジャック・ジェンキンス「前に出て戦うだけでは、UFCでは勝てない」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
F1 MMA News o ONE UFC UFC293 YouTube   オースティン・レーン ショーン・ストリックランド ジャスティン・タファ ジャレッド・キャノニア タイソン・ペドロ タイ・ツイバサ マネル・ケイプ

『UFC 293: Adesanya vs. Strickland』前日計量動画

DHC ダイエットパワー 30日分


MAIN CARD (Pay-per-view, 10 p.m. ET)

・Champ Israel Adesanya (184.8) vs. Sean Strickland (184.9) – for middleweight title
・Tai Tuivasa (265.6) vs. Alexander Volkov (262.95)
・Felipe dos Santos (125.4) vs. Manel Kape (126)
・Austen Lane (242.3) vs. Justin Tafa (265.2)
・Tyson Pedro (205.45) vs. Anton Turkalj (205.35)

PRELIMINARY CARD (ESPNews/ESPN+, 8 p.m. ET)

・Da Woon Jung (205.3) vs. Carlos Ulberg (204.7)
・Jack Jenkins (145.85) vs. Chepe Mariscal (145.85)
・John Makdessi (155.1) vs. Jamie Mullarkey (155.35)
・Nasrat Haqparast (155.85) vs. Landon Quinones (155.75)

PRELIMINARY CARD (ESPNews/ESPN+, 6:30 p.m. ET)

・Blood Diamond (170.25) vs. Charlie Radtke (170.3)
・Gabriel Miranda (144.95) vs. Shane Young (149.75)*
・Kiefer Crosbie (170.85) vs. Kevin Jousset (170.5)

 『UFC 293: Adesanya vs. Strickland』前日計量結果。ガブリエル・ミランダと対戦するシェーン・ヤングが149.75ポンドと3.75ポンドもオーバー。これだけオーバーすると中止になってもおかしくないですが、出場給の30%を譲渡し試合は行われるとのこと。

 また、イスラエル・アデサニヤ vs. ショーン・ストリックランドのバックアップファイターであるジャレッド・キャノニアは184.85ポンドでした。




 前日計量動画。


 MMAJunkieスタッフによるメインカード勝敗予想。

・イスラエル・アデサニヤ vs. ショーン・ストリックランドは11人全員アデサニヤ支持。

・タイ・ツイバサ vs. アレクサンダー・ヴォルコフはツイバサ支持7人、ヴォルコフ支持4人。

・マネル・ケイプ vs. フェリペ・ドス・サントスはケイプ支持9人、ドス・サントス支持2人。

・ジャスティン・タファ vs. オースティン・レーンはタファ支持10人、レーン支持1人。

・タイソン・ペドロ vs. アントン・トゥルカリはペドロ支持10人、トゥルカリ支持1人。続きを読む・・・
カテゴリー
MMA MMAPLANET o UFC UFC293   アブス・マゴメドフ アレキサンダー・ヴォルコフ アントン・トゥルキャリ イスラエル・アデサニャ オースティン・レーン カーロス・アルバーグ キック ショーン・ストリックランド ジェイミー・マラーキー ジャスティン・タファ ジャック・ジェンキンス ジャレッド・キャノニア タイソン・ペドロ タイ・ツイバサ チョン・ダウン ドリキュス・デュプレッシー ナスラ・ハクパレス ナソーディン・イマボフ フィリッピ・ドスサントス ブラッド・ダイアモンド ボクシング マネル・ケイプ ヤン・ブラホヴィッチ ロバート・ウィティカー

【UFC293】有言実行……いや嘘から出た実はなるか?!=アデサニャ✖ストリックランド戦展望「奇跡は?」

【写真】ジャブでミドル級無双のアデサニャをストリックランドは攻略できるのか(C)Zuffa/UFC

10日(日・現地時間)、豪州のシドニーにあるクドス・バンク・アリーナにて、UFC 293「Adesanya vs Strickland」が行われる。2017年11月以来、実に約6年ぶりにこの地での開催となる今大会のメインイベントは、王者イスラエル・アデサニャにショーン・ストリックランドが挑むミドル級タイトルマッチだ。
Text by Isamu Horiuchi

アデサニャは2019年6月にロバート・ウィティカーを破って正規王者に。当時のライトヘビー級王者ヤン・ブラホヴィッチに挑んでの二階級王者奪取こそ失敗したものの──実に5度の連続防衛に成功した。昨年12月にはキックボクシング時代からの天敵アレックス・ペレイラに5R逆転TKO負けを喫して王座陥落したが、今年の4月に再戦。

2Rに劇的なKO勝利を挙げてリベンジに成功した。ペレイラが階級を上げた今、ミドル級では頭二つほど抜けた存在だ。


ランキング5位のストリックランドと、チャンピオンの因縁は、昨年7月のUFC 276の試合前記者会見から始まっていた。同大会のメインでジャレッド・キャノニアの挑戦を受けるアデサニャと、アレックス・ペレイラとの対戦を控えたストリックランドは、お互いの対戦相手そっちのけで口論を交わしたのだ。

もちろん先制攻撃を仕掛けたのは、数秒に1回は放送禁止用語を口にするのが通常運転のストリックランドの方だ。アニメ好きで有名なアデサニャに対して「おい、Pornhub(世界最大のアダルトサイト)のお前のページはアニメばっかなんだよな! アニメでbeat off(自慰行為)している奴が、俺をbeat(ぶちのめす)することができるわけねーぜ!」と下品だが上手いことを言って挑発。

すると、王者も負けじと「もしお前が(ペレイラに)勝ったら、次に俺がお前と戦い、KOしてやる。そしてお前の墓の上でTikTokダンスを踊ってやるよ」と言い返す。

するとストリックランドはいかにも嬉しそうに──「ハ! 聞いたか? 大の大人がTikTokだってよ! こういうのがヤベーんだよ。こんな野郎がチャンピオンなんだぜ!」とさらに煽る。

その後も言い合いは続き──。

ストリックランド まあ、イジーはいい奴だぜ! 俺はポルノアニメ中毒の男をダメ野郎だと見下したりしねえんだ!

アデサニャ そのジャンルはHentaiって言うんだ。そのくらい知っとけや!

ストリックランド なるほど、Hentaiか。俺は大人だからそんなもん見ねーよ!

アデサニャ とにかくお前は、(ストリックランドの対戦相手のペレイラを指して)この男に集中したほうがいいぞ。マジだ。こいつはお前をあっという間に眠らせちまうからな。

などと──誰が得するのか分からない方向に話は展開し、アデサニャの警告通りストリックランドはペレイラに1RKO負けを喫し、続くジャレッド・キャノニアは1-2で競り負け、ランカー上位の壁に跳ね返された。

その後、今年1月にランキング12位のナソーディン・イマボフ戦(ライトヘビー級契約)に競り勝つと、7月にはノーランカーのアブス・マゴメドフを2RKOに下して現在2連勝中とはいえ、本来ならば挑戦権を得られるような実績ではない。

実際、現在アデサニャの挑戦者に最も相応しいとされているのは、7月にウィティカーを倒した南アフリカのドリキュス・デュプレッシーだ。が、デュプレッシーはその試合で負傷。当初よりシドニー大会への出場を熱望していたアデサニャ──10歳の頃に故郷のナイジェリアからニュージーランドに移住している王者にとって、同じオセアニアのシドニーは地元同然だ──の挑戦者が見当たらなくなってしまったのだ。

そこで今回白羽の矢が立てられたのが、ランキング6位までの選手中、デュプレッシー以外で唯一アデサニャとの対戦経験のないストリックランドというわけだ。

実績も地位も大きく差のある両者だけに、下馬評では王者が圧倒的有利だ。両者の主武器であるスタンド打撃を比較しても、王者有利説は揺らがない。まず武器の数が違う。アデサニャは自在にスイッチして左右の多彩な蹴りとパンチを使いこなすが、常にオーソのストリックランドの打撃は、前蹴り以外はほぼパンチのみ。もし遠い間合いで戦えば、アデサニャの蹴りで翻弄されローでダメージを蓄積される可能性が高いので、ストリックランドとしては得意のジャブを多用しながら前に出るしか勝機はないだろう。

しかし、打撃一発一発の精度と鋭さ、反応速度やスピードも目に見えて王者が上だ。抜群の距離感と巧みな足捌きを持つアデサニャが、前に出たいストリックランド相手に自分の間合いを保ちつつ、カウンターを面白いように当てる展開が容易に想像できる。

だが──それでもストリックランドには、大番狂わせを期待させる何かがある。幼少時代「とんでもねえ人種差別主義者の祖父とアル中で虐待癖のある父親」に育てられ、自分の性格も大きく歪んでしまった語るストリックランド。

内面の怒りを抑えきれずにハイスクールをドロップアウトされた後、MMAジムで練習を初体験したとき「人生で初めて幸せを感じた」と語る。

それ以来MMAに生活の全てを注ぎ、現在まで周囲が引くほどのハードなスパーリングを毎日重ねてきた。排外主義的、性差別的な発言で物議を醸すことも多く「MMAがなければ、俺は間違いなく今監獄にいるよ」と語るストリックランド(過去の犯罪歴もあり、今回豪州入りのためのビザ取得にも苦労があったようだ)には、MMAこそ社会で生きる唯一の術だ。

数限りないスパーを通して独自のスタイルを練り上げたストリックランドは、やや不格好だがよく伸びるジャブを持つ。さらに自己流L字ガード的な体捌きで、打撃を完全に避けきれなくても威力を逃す術にも長けている。

多少打たれても意に介さず前に出続ける闘志と、それを5R続けるスタミナも間違いなく持っている。遠距離では決して王者に当たらないであろうパンチも、距離を詰めることができれば話は別だ。前回のマゴメドフ戦では、一度ケージ側に詰めたら倒し切るまで延々と連打を放ち続けてみせた。組技のフィジカルに関しては王者を上回っており、ボディロックからのテイクダウンもあり、上をキープしパウンドで削るスキルも持っている。

技術的洗練を極めた王者の打撃を、戦う以外は社会に居場所のない挑戦者が、不格好かつ愚直にプレッシャーをかけ続け、最後には呑みこんでしまう奇跡は訪れるのだろうか。

■視聴方法(予定)
9月10日(日・日本時間)
午前7時30分~UFC FIGHT PASS
午前11時~PPV
午前7時00分~U-NEXT


■ UFC293対戦カード

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者]イスラエル・アデサナニャ(ニュージーランド)
[挑戦者]ショーン・ストリックランド(米国)

<ヘビー級/5分3R>
タイ・ツイバサ(豪州)
アレキサンダー・ヴォルコフ(ロシア)

<フライ級/5分3R>
マネル・ケイプ(ポルトガル)
フィリッピ・ドスサントス(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
ジャスティン・タファ(豪州)
オースティン・レーン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
タイソン・ペドロ(豪州)
アントン・トゥルキャリ(スウェーデン)

<ライトヘビー級/5分3R>
カーロス・アルバーグ(ニュージーランド)
チョン・ダウン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
ジャック・ジェンキンス(豪州)
チャペ・マリスカル(米国)

<ライト級/5分3R>
ジェイミー・マラーキー(豪州)
ジョン・マクデッシ(カナダ)

<ライト級/5分3R>
ナスラ・ハクパレス(ドイツ)
ランドン・キニョネス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ブラッド・ダイアモンド(ニュージーランド)
チャーリー・ラドキー(米国)

<フェザー級/5分3R>
シェーン・ヤング(豪州)
ガブリエル・ミランダ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ケヴィン・ジュセ(フランス)
キーファー・クロスビー(米国)

The post 【UFC293】有言実行……いや嘘から出た実はなるか?!=アデサニャ✖ストリックランド戦展望「奇跡は?」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
F1 MMA o ONE UFC UFC Fight Night   アブス・マゴメドフ ショーン・ストリックランド セルゲイ・パブロビッチ タイ・ツイバサ

9.10『UFC 293』のメインイベントはイスラエル・アデサニヤ vs. ショーン・ストリックランド、セミはタイ・ツイバサ vs. アレクサンダー・ヴォルコフ

るるぶオーストラリア'24



 UFCが9月10日にオーストラリア・シドニーのクドス・バンク・アリーナで開催する『UFC 293』のメインイベントがイスラエル・アデサニヤ vs. ショーン・ストリックランドのミドル級タイトルマッチになることを発表。

 アデサニヤは4月の『UFC 287: Pereira vs. Adesanya 2』で行われたアレックス・ペレイラとのダイレクトリマッチで2R KO勝ちし王座を奪回して以来の試合。ストリックランドは7月の『UFC on ESPN 48: Strickland vs. Magomedov』でアブス・マゴメドフに2R TKO勝ちして以来の試合で2連勝中。現在UFCミドル級ランキング5位。


 また、同大会のセミファイナルではタイ・ツイバサ vs. アレクサンダー・ヴォルコフのヘビー級マッチが行われるとのこと。

 ツイバサは昨年12月の『UFC on ESPN 42: Thompson vs. Holland』でセルゲイ・パブロビッチに1R KO負けして以来の試合で2連敗中。現在UFCヘビー級ランキング6位。ヴォルコフは3月の『UFC Fight Night 221: Yan vs. Dvalishvili』でアレクサンダー・ロマノフに1R TKO勝ちして以来の試合で2連勝中。現在UFCヘビー級ランキング8位。続きを読む・・・
カテゴリー
MMA o ONE UFC   アブス・マゴメドフ ショーン・ストリックランド

『UFC on ESPN 48』ショーン・ストリックランド vs. アブス・マゴメドフを見たファイター・関係者の反応

【Amazon.co.jp限定】AGF ブレンディ スティック カフェラトリー 紅茶好きのための7種飲み比べセット 【 紅茶オレ 】【 ロイヤルミルクティー 】【 プチギフト 】【 詰め合わせ 】【 差し入れに 】


 『UFC on ESPN 48: Strickland vs. Magomedov』ショーン・ストリックランド vs. アブス・マゴメドフを見たファイター・関係者のツイッターでの反応。続きを読む・・・
カテゴリー
MMA o ONE UFC   グラム・クタテラゼ ショーン・ストリックランド

『UFC on ESPN 48: Strickland vs. Magomedov』パフォーマンスボーナス

リアルガチ!3倍になる米国個別株の見つけ方 月収30万円ボーナスなしサラリーマンでも2.6億円つくった方法



 UFCが『UFC on ESPN 48: Strickland vs. Magomedov』のパフォーマンスボーナスを発表。

▼ファイト・オブ・ザ・ナイト
・エルヴェス・ブレナー vs. グラム・クタテラゼ

▼パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト
・ショーン・ストリックランド、ヌルスルトン・ルジボエフ


 4選手には各5万ドルのボーナス。続きを読む・・・
カテゴリー
MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN48 アブス・マゴメドフ ショーン・ストリックランド

【UFC ESPN48】アイポークでダブルビジョンのストリックランド。パンチの猛攻でアブス・マゴメドフ沈める

<ミドル級/5分5R>
ショーン・ストリックランド(米国)
Def.2R4分20秒by TKO
アブス・マゴメドフ(ドイツ)

ワンツーからローを蹴るマゴメドフが、フックで前に出る。ストリックランドはジャブを放った際に、アイポークがあり右目を抑えてインターバルを要求する。2分を経過した時にストリックランドは、ドクターに「ダブルビジョンだ」と伝える。さに40秒を経て、ストリックランドが試合再開に応じた。マゴメドフはカーフからワンツーで前に出る。さらに左フックで前に出るマゴメドフが、リードフックを当てる。ストリックランドはジャブを返し、マゴメドフのパンチを大方を防御するが、勢いのあるカーフを蹴られる。下だけでなく、ハイを入れたマゴメドフは、ダブルレッグを決めてバックへ。ストリックランドが立ち上がると、離れたマゴメドフが左を届かせた。ジャブから右を繰り出すストリックランドだが、アイポークはあったが初回はマゴメドフがリードしたか。

2R、ジャブから右をヒットさせたストリックランドは、下がったマゴメドフの腹と顔面にパンチを入れる。メゴメドフもワンツーを返すが、鼻血を流して勢いが明らかに落ちている。さらにジャブから右ストレート、ショートのコンビをまとめるなどストリックランドが攻勢に出る。ケージを背負ったマゴメドフはワンツー、ジャブ、右を打たれ何とか左ジャブを返す。

それでも圧を受け、両手で顔面を覆う場面が増えたマゴメドフは、ジャブを打たれると左に下がる。距離を詰めて右につながるストリックランドが左右のフックから右を打ちこむ。さらにパンチを纏めるストリックランドは、左ボディショットから左を打ち返してきたメゴメドフに右を連で入れ、パンチを纏める。背中を見せて距離を取り直したマゴメドフの左ハイをもう力はない。ガードが開くと右を打たれたマゴメドフは、続くワンツーについに倒れると、ストリックランドがパウンドを連続で打ち続けレフェリーが試合を止めた。

終って見れば完勝のストリックランドは「今も二重に見える」と明かした。


The post 【UFC ESPN48】アイポークでダブルビジョンのストリックランド。パンチの猛攻でアブス・マゴメドフ沈める first appeared on MMAPLANET.