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【DWCS S05 Ep10】最終週も中国から3選手出場。Titan FC王者プエルタ&元アシェカポエイラ戦士も注目

【写真】シャン・チーファーと対戦するフアン・プエルタ。胴もリーチも長く、ヒザ蹴りやバック奪取後のRNCは要注意が必要だ(C)SCOTT HIRANO/COMBATE GLOBAL

2021年のDana White Contender Seriesの最終第10週が2日(火・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催される。

大安売りといえば語弊があるが、契約ファイターが続出した今年のコンテンダーシリーズ。UFCとの契約を勝ち取るためのファイトスタイルも、ひたすらアグレッシブな打撃戦とほぼほぼ色が固まった感がある。

世界の最高峰を目指し、この場で契約を勝ち取ろうとするならその戦いをすべき。そんなコンテンダーシリーズ最終週には中国から再び3選手が出場する。


1週間前にもシャオ・ロン、イェン・チーフエイ、シエ・ビンと同じく3人のファイターが挑み、3敗と結果を残せなかった中国勢。

今大会ではまず第1試合にWLF暫定フライ級王者で過去のコンテンダーシリーズでも最も戦績を重ねているであろう31勝7敗のシャン・チーファーが登場し、元Titan FCフライ級王者&Caged Aggression MMAフライ級のフアン・プエルタと戦う。

キャリアの序盤に4連敗を経験し、10戦目までは5勝5敗だったシャン・チーファーは、2014年6月からは27勝2敗というレコードを残している。そのうちの1敗は鈴木隼人に喫したものだ。

対するプエルタはTitan FC暫定フライ級王者から正規王者に認定され2度の王座防衛を果たした後、Combate Americasに戦場を移した。しかし、コロナ禍で連続して出場予定だったイベントがキャンセルになり、再びTitan FCに戻ると連勝した後に、Combate Global経由でコンテンダーシリーズに進出を果たした。現在11連勝中のプエルタも通算戦績は22勝6敗で33歳、ラストチャンスといえるシャン・チーファー戦となる。

第3試合でエリソン・フェヘイラと対戦するチオルェン、メインでアキーリス・エストレメドゥーラと戦うマァフゥシャトゥは揃って、四川省のエンポ・ファイトクラブからUFC PI上海でトレーニングをするようになったアバチベット族ファイターだ。

UFCで活躍するスムダーチー、ONEストロー級でキャリア初黒星を喫したバンマートォーチーと同じ民族で同じジム出身の両者は、シャン・チーファーと同様にWLFで戦ってきた。とはいえ完全に閉ざされたMMAワールドといって良いWLFでの戦績は彼らの実力を測るバロメーターにはなり辛い。

とはいえアジアから唯一、コンテンダーシリーズ出場の機会を与えられた国の選手たちだ──アジア代表としてUFCとの契約を勝ち取って欲しいモノだ。

そんななかマァフゥシャトゥと対戦するエストレメドゥーラにも注目したい。カナダのBattlefield Fight Leagueのライト級王座をプロ3戦目で獲得し、4度の王座防衛に成功しているエストレメドゥーラはチェックマットMA所属だが、かつてはアシェ・カポエイラに在籍していた。

アシェ・カポエイラといえば巌流島で活躍したマーカス・アウレリオが思いださせる。ただしエストレメドゥーラは大外の軌跡を描く左ミドルこそ弱冠メイア・ルーア・ジ・フレンチっぽくもあるが、彼の攻撃にはほぼほぼ戦闘カポエイラ集団=アシェ・カポエイラらしさは見られない。

エストレメドゥーラがどれだけカポエイラをマスターしているか分からないが、そのフィジカルの強さとバランスを失いそうな打撃のなかで、軸が残っている辺りにその片鱗が伺えるか。いずれによせ、強靭なフィジカルから繰り出されるボディショット、フックの連打は荒さを込みで魅力的なファイターだ。

■視聴方法(予定)
11月3日(水・日本時間)
午前9時~UFC FIGHT PASS

■DWCS S05 Ep10対戦カード

<ライト級/5分3R>
アキーリス・エストレメドゥーラ(ブラジル)
マァフゥシャトゥ(中国)

<ウェルター級/5分3R>
ユアン・リネス(カナダ)
ジャスティン・バーリンソン(英国)

<フライ級/5分3R>
チオルェン(中国)
エリソン・フェヘイラ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ジョナス・ビリャリーニョ(ブラジル)
ケイナン・カワイハエ(米国)

<ライト級/5分3R>
シャン・チーファー(中国)
フアン・プエルタ(米国)

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DWCS S05 Ep09 MMA Report UFC オリヴィエ・ムラッド シエ・ビン ブログ

【DWCS S05 Ep09】CSはユニファイドをONE化させるのか。TD&コントロールのビンがムラッドに判定負け

<フェザー級/5分3R>
オリヴィエ・ムラッド(米国)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
シエ・ビン(中国)

サウスポーのムラッドが頭を下げ、左を伸ばして前に出る。このパンチを被弾し、ヒザ蹴りを腹に受けるビンは、下がりながら右を放つ。右を伸ばしたムラッドが姿勢を乱した際にビンが上手くテイクダウンを合わせてトップを取る。ケージに詰め、右を落とすビンに対しムラッドがケージキックから腰を切る。ビンは正対して腕十字狙いを潰し、スペースを作ると即ムラッドが立ち上がる。

左の前進に右を当て、今度はヒザを入れたビンだが、左クロスを被弾する。左からステップインを続けるムラッドが、このパンチを姿勢を乱しながら当てるが、直後に同じ攻撃を繰り返しビンが右のカウンターからダブルレッグを決めて、サイドで抑える。一瞬のクルスフィックス、サイド、最後はニーインベリーから2つパンチを落としたビン。勝利後の契約を見据えるならトップを取った時に、より積極的なパウンドが必要だろう。

2R、ビンの右に左クロスを当てたムラッドは、テイクダウン狙いを切ってヒザを入れる。離れたビンはワンツーを被弾後、右オーバーハンドからダブルレッグでテイクダウンを決める。左足を抜いたビンはハーフ&枕で抑え、小さなパンチを落とす。ブリッジでリバーサルに成功したムラッドは、スタンドに戻りビンの組みを切る。初回のような左の踏み込みがなくなったムラッドに対し、ビンがジャブを伸ばす。

残り90秒、ビンが右スーパーマンパンチから組んでシングルレッグ、ボディロックに切り替えると腰に乗せようとしたムラッドを小外掛けで倒す。テイクダウンと同時にサイドで抑え、ニーイン、すぐにサイドに戻ったビンがエルボーを落としてラウンド終了を迎えた。

3R、左を振るったムラッドが、ボディロックからテイクダウンを決める。すぐに立ち上がったムラッドはまずはスコアリングしてからダメージ重視の攻撃に出たか。左を貰ったビンが、ダブルレッグでテイクダウンを決める。パンチを入れても、これだけ下になっていると勝負の行方としては、微妙なムラッドだが、ダースやアナコンダを警戒してかスクランブルに持ち込めない。ビンはガードの中でコツコツとパンチを落とし、背中を見せて立ち上がろうとしたムラッドをボディロックで崩してスタンドに戻させない。

残り2分、腰を上げてパンチ、エルボーを落とすビンが端を振るってパウンドを落とし、シングルレッグのムラッドに対し、ついにダースを仕掛ける。骨盤を押したブリッジでスクランブルに持ち込んだムラッドがスタンドに戻る。ビンは右ミドルを当て、ワンツー。さらに右サイドキックを蹴っていく。ローに右を当てたビン、ワンツーを返したムラッドに右ハイを狙う。ムラッドもハイを返し、ここで左で前に出る動きから右ジャブを伸ばし、時間となった。

MMAとしてコントロールはビン、パンチを当てたといってもダメージがあればこのテイクダウンからコントロールはできない。ただし、コンテンダーシリーズが望むスタイルはムラッド──、まずは打撃を入れるムラッドが印象点で上回る可能性もあるが、ユニファイドとしてはビンであることは間違いが、果たして……。

ジャッジはスプリットでムラッドを支持。判定勝ちしたビンをダナ・ホワイトが契約しないというのは分かるが、これは大会主旨がユニファイドの判定基準に影響を及ぼしたジャッジと言わざるを得ない。MMAファイターとして必要なのは、テイクダウンをされずに打撃を入れること。ここまで倒されて、パンチだけを当てていった消去法ファイトが評価されるならMMAを別競技になってしまう。

勝利者インタビュー前に、携帯で家族とのやり取りを見せたムラッド。デキすぎの現代MMAショーを選手が演出しているようだ。


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DWCS S05 Ep09 MMA ONE UFC イェン・チーホエ シエ・ビン シャオ・ロン ブログ

【DWCS S05 Ep09】滑り込み大量投入、中国人ファイター。ONE8勝2敗のシエ・ビンがTitan FC王者と!!

【写真】ONE8勝2敗の中国人ファイター=シエ・ビンが、Titan FCフェザー級王者と対戦。この環境がある中国、日本はどう対抗していけば良いのか (C)MMAPLANET

26日(火・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでDana White’s Contender Series S05 第9週が行われる。

2021年のコンテンダーシリーズもラスト2を迎え、何かしらの強い力が作用しているような特徴がラインナップに見られる。それが中国人選手たちの大挙出場だ。

来週のシーズン最終戦の3選手と同様にシャオ・ロン、イェン・チーホエ、シエ・ビンと今大会に3名の中国人選手が出場し、2大会=11試合で6名の選手が中国人ファイターになる。


今年の3月に29名ものファイターが、UFC PIで実施されたUFCアカデミーコンバインに参加した選手たちが、コンテンダーシリーズ・アジアの中止により、太平洋を越えていったことになる。

知っての通りCSアジアは中国人選手だけでなく、日本人選手も出場予定候補だった。が、そんな日本人選手が参戦できないベガスのコンテンダーシリーズで彼らは戦うことができる。ここにも現在のUFCにおける中国という市場への期待値が表れている。

そんな中国人選手からの一番の注目はシェ・ビンだ。戦績8勝2敗のシェ・ビンはキャリア10戦の全てをONEで戦ってきたファイターだ。サークルケージで育った中国人選手が、UFCを選択しチャンスを掴むのも、中国MMA界の現実といえる。

とはいえUFCは生易しくない。シェ・ビンと対戦するオリヴィエ・ムラッドはハイチ系米国人ファイターでTitan FCフェザー級王座を今年の2月に獲得している。去年のコンテンダーシリーズで敗れているムハンマジョン・ナミコフに勝利し、ベルトを巻いているだけあってムラッドは、間違いなくコンテンダーシリーズ・レベルにあるファイターだ。

またWLFバンタム級王者のシャオ・ロンの相手も、メキシコのティファナのローカルプロモーション=UWCのバンタム級王者クリスチャン・キニョネスで、戦績は15勝3敗と十分の実績を残している。

同じくWLFの女子フライ級王者イェン・チーホエは、ブラジルのカリーネ・シウバとのマッチアップが決まっている。キャリア13勝4敗のシウバの直近の試合は昨年10月、シッジ・ホッシャ──そう正規フライ級クィーン・オブ・パンクラシストだった。

パンクラスでは鈴木万李弥、そしてタイトル戦では現暫定王者の端貴代を寄せ付けなかったホッシャを、シウバは2分16秒腕十字で破っている。

チャンスを掴む機会こそ平等ではないが、ケージの中はイコールコンディション。厳しい生き残り合戦が繰り広げられるUFCらしく、ここまで投資している中国人ファイターに関しても、一切のプロテクトは見られない。

逆をいえば今回出場の中国人選手が、結果を残せばそれだけUFCが本気で取り組む中国人ファイター強化策が実を結んでいるということになる。蓋を開けてみるのが、若干恐ろしいコンテンダーシリーズ第9週となる。

■視聴方法(予定)
10月27日(水・日本時間)、午前9時~UFC FIGHT PASS

■DWCS S05 Ep09対戦カード

<ミドル級/5分3R>
ジャンシー・シウバ(ブラジル)
ガジシ・オマルガジシエフ(ロシア)

<バンタム級/5分3R>
クリスチャン・キニョネス(メキシコ)
シャオ・ロン(中国)

<139ポンド契約/5分3R>
ジャビッド・バシャラット(アフガニスタン)
オロン・カーロン(米国)

<女子フライ級/5分3R>
イェン・チーホエ(中国)
カリーネ・シウバ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
マニュエル・トーレス(メキシコ)
コルトン・イングランド(米国)

<フェザー級/5分3R>
オリヴィエ・ムラッド(米国)
シエ・ビン(中国)

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News UFC シエ・ビン ブログ リー・カイウェン

【UFC】リー・カイウェン、シエ・ビンらONEで活躍中の中国人ファイターが、UFCアカデミー入り

【写真】ONEの中国勢をリードする存在になるかと思われていたリー・カイウェンが…… (C)MMAPLANET

20日(土・現地時間)、UFCが13日(土・同)にUFC PI上海で3度目のUFCアカデミーコンバインが終了し、29人の選手がUFCアカデミーへ参加する29名を発表した。

UFCアカデミーコンバインはいわばアカデミー合流のセレクションで集まったファイターは1週間に渡り技術的にはレスリング、グラップリング、打撃の3要素、身体能力では、上・下半身のパワー、最大筋力、心肺機能、反射神経、有酸素回復力などをチェックされ、総合的な評価を受けるというもの。

2019年から始まった試みで2度目の試みでアカデミーに合流した20名からは1月に発表されたアオリーチーランとリャン・ナ、さらにリョン・チョーと3人がUFCと契約。UFC世界女子ストロー級王者ジャン・ウェイリがローズ・ナマジュナスの挑戦を受ける4月24日(土・同)のUFC261でデビューが決まっている。


今回、UFCとの契約の第一関門を突破した29名は女子ストロー級が3人、同フライ級が2人、バンタム級も1名、男子ではフライ級が5人、バンタム級は最多の8名、フェザー級は6人、そしてライト級が4人となっている。

男子ではフライ級、バンタム級、フェザー級にそれぞれWLFのチャンピオンが含まれている。フライ級王者のシャン・チーファー(※32勝7敗)、バンタム級王者のシャオ・ロン(※15勝5敗)、そしてフェザー級王者のイー・チャーは15勝3敗の戦績をこれまで残してきた中国のトップ選手だ。

また中国のMMAがスタートして以来、内モンゴル系からはライト級で19勝1敗のバーラーチン、フェザー級で23勝9敗のアスクワーベイら入校、彼らも気になる存在だ。

とはいってもここで挙げたファイター達は中国国内で戦ってきており、対戦相手の技量は我々には図る知ることができない。そんななか、より確かな力を持ち主であるバンタム級のリー・カイウェン、そしてフェザー級のシエ・ビンもアカデミー入りを決めている。

前者は戦績10勝4敗、そしてONEでは9勝2敗で敗北の1つはサッカーボールキックによる反則負け、もう1つの黒星はマーチン・ウェンに喫したものだ。現在4連勝中のリー・カイウェンはファイトスタイルや風貌から中国の火の玉小僧と呼ばれ日本でも注目を集め始めていた。

対してシエ・ビンは戦績8勝2敗で、全てONEで戦ってきた。

いわばONEが育成してきた選手たち、彼ら以外にもフライ級のフーリーシーバイもONE Hero Seriesで戦ってきた選手だ。ONEを目指し、そして実際に戦ってきた有望選手がUFCとの契約を求め、アカデミー入りを狙いコンバインに参加する。

中国におけるUFCの影響力の高さがうかがえる、リー・カイウェンとシエ・ビンのUFCアカデミー入りだ。と同時に、彼らに限らず国内トップの実績を残る選手たちを集めて、ふるい落としが始まる環境は、中国人ファイターの成長にどれだけ助力となるのか。

アジアの人材発掘を謳いながら、実際にはコロナ前も中国人選手だけがコンバインに参加していた事実をみても、中国人選手の育成プロジェクトといっても過言でないだろう。ひたすら怖い──上海でのUFCによる中国人選手の強化策だ。

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