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【PFL2024#04】ジョアニがヤングに判定勝利も、トータル3Pでプレーオフ進出ならず

<女子フライ級/5分3R>
イララ・ジョアニ(ブラジル)
Def.3-0:30-27.30-27.29-28.
シェナ・ヤング(米国)

ヤングのインローとミドルに対し、ジョアニがパンチで前に出ていく。ヤングは前後にステップしてジャブを突き、ジョアニはそこに右をかぶせて前に出る。ヤングは前蹴り、ジョアニは左を伸ばして、右から返しの左フック、サウスポーにスイッチして左ミドルを蹴る。オーソドックスに戻したジョアニが左ミドルとワンツー、右ローから右フック、右ローと手数を増やす。完全にペースを握ったジョアニは右ミドル、右ストレート、右フックと右の攻撃を続け、ヤングが前に出ようとするところにジャブと左フックを狙う。ヤングもジャブから前に出て組み付くが、ジョアニが右腕を深く差して、ヤングをケージに押し込む。足をかけてテイクダウンを奪うとパンチを落とし、立ち上がるヤングのバックを狙いつつ、ラウンド終了となった。

2R、ヤングがジャブから距離を詰めて左ハイ。ジョアニもジャブ・右ストレートから右ロー、右フックを打ち込む。両者の右と右が交錯、ジョアニが右を当てると、左フックからボディにつなげる。ヤングも前後のステップを使いながら、ジャブ、ワンツーを細かく当てて前に出る。ジョアニも右フックを当てるが、ヤングの前進は止まらない。ジョアニが左ミドルを蹴ると、ヤングは左フックを合わせる。細かくジャブを当てるヤング。ジョアニが右フックからパンチをまとめる。ヤングはジョアニの左ミドルにダブルレッグを合わせてテイクダウンしてバックへ。ジョアニは右腕を小手に巻いて立ち上がり、ヤングはスタンドのまま足をフックして殴る。

3R、ジョアニがジャブで飛び込み、ワンツーから左ミドル。ヤングもジャブを返すが、ジョアニが右をかぶせてパンチをつなげる。ここでジョアニがヤングの前蹴りでバランスを崩すが、すぐに態勢を立て直す。距離が離れるとヤングがジャブを細かくつき、ジョアニは距離を取りながらジャブと右ストレート、右のパンチから左ミドルにつなげる。コンタクトが少ない展開に場内からはブーイングが起こる。ここでヤングが2Rと同じく左ミドルに合わせて組み付いてテイクダウンすると一気にバックへ。両足をフックしてポジションをキープするが、ジョアニは後方のヤングの顔面にパンチを入れる。ジョアニが判定勝利で3点を得たものの、プレーオフ進出には手が届かなかった。

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【PFL2024#04】プレーオフ進出へ、カモーシェと再戦。渡辺華奈「リーグ戦を超えた大きな意味を持つ」

【写真】ポジティブな空気と日差しの恩恵を受けているような渡辺。良い空気感です (C)TAKAO UEDA

13日(木・現地時間)、コネチカット州アンカスビルのモヒガンサン・アリーナでPFL2024#04が開催される。今大会ではヘビー級と女子フライ級でシーズン2戦目が実施され、渡辺華奈とリズ・カモーシェが対戦する。
Text by Shojiro Kameike

PFL2024年シーズンの初戦となった今年4月のシェナ・ヤング戦では、計量オーバーの相手に判定勝ちを収めて3Pをゲットした。プレーオフ進出を賭けた2戦目で、3年前に敗れているリズ・カモーシェと対戦することに。ここでまさかの再戦が実現するとは――改めて渡辺にPFL初戦の感想と、念願ともいえるカモーシェ戦への想いを訊いた。


『まさかココで当たるのか』と(苦笑)

――今回がPFL2戦目となります。4月の初戦では、まず対戦相手であるシェナ・ヤングに計量オーバーがありました。ペナルティとしてヤングはリーグ戦のポイントがマイナス1、そしてファイトマネーの一部が渡辺選手に与えられる……そこはリーグ戦のポイントが与えられないのかと思いました。

「そうなんですよ。相手がマイナス1ポイントなら、そのポイントを私に欲しかったです(笑)。相手がマイナス1ポイントだと、私以外のファイターも得するわけじゃないですか。私は体重オーバーの相手と戦うことで損をするのに」

――ファイトマネーの一部を貰えても、その金額が何百万円になることは稀でしょう。一方、優勝賞金100万ドルが賭かっているわけで。

「アハハハ、ファイトマネーの額なんて選手によって違いますしね。でも、そういうルールなので仕方ないと思うことにはしましたけど。柔道だとトーナメントで計量オーバーだと、その時点で終了ですよ。でもこの試合だけキャッチウェイトで、リーグは引き続き出場できるんだなって(苦笑)」

――試合で相手の計量オーバーの影響、たとえば「重いなぁ」と感じましたか。

「若干ですけど『重いな』って感じました。でも思っていたほどは重くなかったです。ヤングが上になった時、いつもの試合よりも相手が重いなと感じたぐらいですね」

――相手がギリギリまで体重を落としているか、それとも途中で諦めているかによっても、試合当日に何キロ戻っているかも変わってくるように思います。

「計量前日、ヤングのSNSを見たら『63キロあり、今から地獄の減量が始まる』みたいなことを書いていたんですよ。その投稿からSNSが更新されずに……だから計量当日は『やりやがったな』と思いました(苦笑)」

――それでも試合は出場できますし、海外の場合は『試合が成立したのだから何なの?』という割り切り方も凄いです。良くも悪くも、それが海外で戦うということなのだなと。

「凄いですよね。最近はビックリするぐらい、MMAでも計量オーバーが多いじゃないですか。選手も『お金を払えば良いんでしょ』みたいな感じで」

――柔道というオリンピック競技をやってきた渡辺選手からすると信じられませんか。

渡辺が125.75ポンド、カモーシェが126ポンドで計量クリア。左が本計量、右がセレモニアル。渡部はメイクが変わったぐらいしか変化がない? 対してカモーシェの腰回りにリカバリー感を感じるのは考え過ぎか(C)PFL

「信じられないです。

私たちの時代は、計量オーバーだと試合に出場できないのはもちろん、日本では一発で全日本強化選手から外されていました。柔道も今は大会前日の夜に計量が行われていて。でも大会当日にランダム計量があるんですよ」

――ランダム計量とは、大会中に抜き打ちで計量が行われるのですか。

「試合直前に各階級で何人かランダムに選ばれて計量するんです。『自分の階級の5パーセントまでしか増やしてはいけない』というルールがあって。だから体重を戻そうとリカバリーもできないし、過度の水抜きもできないです。水抜きをすると、どうしても大幅に体重が戻ってしまうことがありますからね」

――MMAと柔道、プロとアマを単純に比較することはできませんが、それがオリンピック競技に臨む選手たちの考え方なのですね。

「柔道では水抜きをしている選手はいないと思います。最後の1キロとかはあるかもしれないけど、MMAファイターのように3~5キロを水抜きで落とすことはないですね。自分も今でも、それほどの水抜きはやっていないです。試合が決まった時から減量を開始して、2カ月ぐらい掛けて落としていきますから。

私もMMAを始めて一度、体重調整では大変だった時があったんですよ。ホテルにバスタブがなかったり、アップ会場もメチャクチャ冷房が効いていて。その時は試合間隔が短くて減量も大変でした。それ以降は結構、余裕を持って体重を落とすようにしています」

――いつ試合があるか分からないのも大変ですが、PFLのように短いスパンで定期的に試合があるのも難しいのですね。どちらが適しているのかも人によって違うようですし。

「自分の場合は、試合間隔が空いていたほうが良いんです。今回は4月の次に6月なので、減量という減量はせずに体重を維持していました。前回の試合が終わって、帰国後からすぐに練習を開始して。しかも追い込み練習をしていたので体重も増えなかったです」

――なるほど。PFLの話に戻すと、3Pスタートという点については…。

「やはり6Pを取っておきたかったです。1Rから狙いに行って、まず1Rで極めることができなかった。2R、3Rも取り切れず、消耗してどんどん極めづらくなっていきました。相手のディフェンスも巧かったですね。細かいポイント――たとえばバックコントロールの時の位置などをズラされていました。

ただ、ぶっちゃけポイントについては、そこまで深くは考えていなかったです。PFLのフォーマットとしてリーグ戦であり、プレーオフはトーナメントですけど、自分にとってはあくまで一つの試合であって。あまり周りのことは考えず、自分のベストを尽くすことを考えていました。だから一つの試合として考えて、一本を取れなかったことが悔しいです」

――続く2戦目の相手が、リズ・カモーシェになると思っていましたか。

「できればプレーオフ決勝で当たりたかった――とは思います。プレーオフまではリーグ戦だけど総当たりではない、という時点でどうなるかは分かりませんでした。それにしても『まさかココで当たるのか』と(苦笑)」

――初戦で渡辺選手もカモーシェも3Pを獲得しています。対して上位3人はいずれも6Pという状況のなか、3P同士を当てるとは……。

「もう主催者のさじ加減ですよね(苦笑)。潰し合いさせられているのかな、とは思います。あわよくば二人とも消えてほしいのかな――って。完全に推されている選手が一人いるじゃないですか。みんな『今回のマッチメイク、どうなの?』と言われることも多くて。

私とカモーシェが試合をして、どちらが勝つにせよ判定決着なら3P……合計6Pでプレーオフに進めない可能性が高いです。ここで負けても6P、という選手もいますからね。0P同士の試合もあるし、なかなか面白いですよ(笑)」

――渡辺選手とすれば、次は6Pの選手と対戦すると思いますよね。

「はい、6Pの選手と試合したかったです。それがまさかのカモーシェが相手で」

ジムの仲間たちに『このジムで頑張っていたら世界でも通用するんだ』と思ってもらえるよう

――次の試合はクイックシックスでないと、プレーオフ出場は厳しくなります。もちろん上位3選手の試合内容次第ではありますが。

「私もカモーシェも、フィニッシュしないといけない。当然クイックシックスのことも頭にはあります。でもそれ以上に、私の中ではリーグ戦を超えた大きな意味を持つ試合なので。この試合に全てを賭けるつもりでやってきました。フィニッシュを狙うことはもちろんですけど、何が何でもカモーシェに勝つという気持ちのほうが強いです」

――Bellator時代とPFL時代で、カモーシェのファイトに変化はありましたか。

「ヴェラスケス戦ではクイックシックスを狙っていたことも大きいのでしょうけど、雑なところが多いと思いました。あとは今までの試合を視ていると、下になると苦手ですよね。上になると強いけど、テイクされて下になると巻き返せなかったりすることもある。そこがウィークポイントかなと思っています。あとはカモーシェ自身が前に出て来るので、逆に前に出て来る相手も嫌なのかもしれません」

――対して、渡辺選手は初戦から何が変わりましたか。

「全部ですね。変わっていないところがない、というぐらいですよ。打撃もまず構えから変わっていて、レスリングのテイクダウンも向上してきたので。

3年前、カモーシェに負けて『もっと打撃をしっかりやらないといけない。テイクダウンもバリエーションを増やさないといけない』と思って、ここまでやってきました。……とにかく組みたいです。前回は組めなかったので。組んでカモーシェの強さを感じたいです」

――3年前は1ラウンド35秒TKO負けで、渡辺選手としては『出し切れなかった』という想いが強いですか。

「それは強いです。内容は何も言えないぐらいの完敗でした。同時に自分がやってきたことを出し切れなかった悔しくて、そこからマインドを変えたんです。勝つことはもちろん、出しきる。出しきったうえで負けたら、それは仕方ないから。とにかく自分がやってきたことを出し切る、ベストを尽くすというマインドに変えてきました。

この試合に関しては、いろんな想いがあります。日本で練習していては海外で勝てない、という人もいるじゃないですか。海外では練習していない自分が勝つことで、日本で格闘技をやっている人たちが『日本で練習していても勝てるんだ』と思ってもらいたい。特にジムの仲間たちに『このジムで頑張っていたら世界でも通用するんだ』と思ってもらえるような、道になりたいです。日本のMMAを明るくできるように、全力を出し切って勝ちます」

■視聴方法(予定)
6月14日(金)
午前6時15分~U-NEXT

■ PFL2024#01対戦カード

<ヘビー級/5分3R>
ヴァレンティン・モルドフスキー(ロシア)
リントン・ヴァッセル(英国)

<女子フライ級/5分3R>
ダコタ・ディチェバ(英国)
チェルシー・ハケット(豪州)

<ヘビー級/5分3R>
デニス・ゴルソフ(ロシア)
チアゴ・マヘタ・サントス(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
リズ・カモーシェ(米国)
渡辺華奈(日本)

<女子フライ級/5分3R>
タイラ・サントス(ブラジル)
ジェナ・ビショップ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
オレッグ・ポポフ(ロシア)
デヴィオン・フランクリン(米国)

<ヘビー級/5分3R>
マルセロ・ゴルム(ブラジル)
タイレル・フォーチュン(米国)

<女子フライ級/5分3R>
イララ・ジョアニ(ブラジル)
シェナ・ヤング(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ダニーロ・マルケス(ブラジル)
ティム・ジョンソン(米国)

<女子フライ級/5分3R>
リズ・カモーシェ(米国)
リサ・マールディン(米国)

<女子フライ級リザーブ戦/5分3R>
スミコ・イナバ(米国)
サライ・オロスコ(メキシコ)

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【PFL2024#04】シーズン2戦目、渡辺華奈戦へ。リズ・カモーシェ「カナから3Pを取るのは難しい」

【写真】非常に朗らか。ソフトな口調で、笑顔を絶やさす言いたいことは言ってくれるリズ姉でした!! (C)MMAPLANET

13日(木・現地時間)、コネチカット州アンカスビルのモヒガンサン・アリーナでPFL2024#04が開催され、ヘビー級と女子フライ級でシーズン2戦目が実施され、リズ・カモーシェが渡辺華奈と対戦する。
Text by Manabu Takashima

4月のシーズン初戦でジュリアナ・ヴェラスケスとの3度目の対戦を制したカモーシェだが、シェナ・ヤングを下した渡辺と同様に判定勝ちで獲得ポイントは3に留まっている。フィニッシュ重視、ボーナスポイント制を敷くPFL。初戦で彼女たち以外の勝者は初回フィニッシュ勝利を挙げており、6Pを獲得している。結果、カモーシェはプレーオフ進出圏内ギリギリの4位で、渡辺は5位という状況にある。判定勝ちでは計6Pまでしか積み上げがなく、他の試合結果にもよるが2人揃ってボーナスP──つまりフィニッシュが必要な状況に置かれている。

3年前に対戦経験のある両者、前回の試合ではカモーシェが僅か35秒で渡辺を下している。しかし、その後の渡辺の成長を誰よりも認めているのがカモーシェだった。ファイティング・エンタータイメント、公平性に欠く面も見られる渡辺との再戦を前にカモーシェに話を訊いた。


与えられた相手──つまりカナに勝つしかない

──ハロー、リズ。

「オハヨウゴザイマス」

──おはようございます(※取材は日本時間で5月29日の午前3時に行われた)。リズ、渡辺華奈選手と2週間後に戦います。今の調子を教えてもらえますか。

「心身ともにとても良い状態よ。カナのような才能があって尊敬すべき選手と戦えるのだから、凄く楽しみで。彼女とケージをシェアできることは光栄の一言ね」

──4月のジュリアナ・ヴェラスケス戦はしっかりと勝利を手にしましたが、PFLのシーズンフォーマットはポイントを頭に入れないといけません。特にリズは女子フライ級の最終試合で、既に3人の勝者がボーナス3Pを手にしていました。

「そうね(微笑)」

──この状況で、とにかく勝負を急いでいるようにも見えましたが……。

「私はこのシーズンフォーマットは気に入っているわ。フィニッシュを狙うということは、判定勝ち狙う試合よりもエキサイティングなモノになるから。ポイント制がファイターをよりプッシュするのも良いこと。ただし、このプレッシャーがストレスにもなるのは確かよ。

前回の試合が15分間続いてしまったことに関しては、納得していないわ。どのラウンドでも私はフィニッシュを狙っていたけど、できなかった。だから、今回のカナとの試合は少しでもポイントを多く取れる試合にしないと」

──対戦相手もフィニッシュを狙ってくると、逆にフィニッシュできるチャンスも増えます。対して、相手がサバイブに徹するとボーナスポイントを獲得することが難しくなります。

「私はUFCを離れてからは、以前よりずっとフィニッシュするというプレッシャーを感じて戦ってきたわ。UFCでは5試合で勝ったけど、4試合が判定勝ちだった。それがUFCをカットされた原因だと思っている。私にはフィニッシュが必要だった。Bellatorで戦うようになって、全ての試合でフィニッシュをすると強い気持ちで戦っているわ。

それもあってBellatorがPFLに買収されても、私は契約が切られることはなかった。より強い気持ちで、フィニッシュして勝とうと戦ってきたから」

──そんなシーズンフォーマットも2試合しかないので、ボーナスポイントの獲得を考えると、リズがジュリアナ・ヴェラスケスと初戦で戦うのは、不公平のように見えました。

「アハハハハ」

──個人名を挙げるのは避けますが、PFLは明らかにプレーオフ進出を期待しているファイターがいますね。

「アハハハハハ。まず、ジュリアナと3度目の戦いが初戦で組まれたことは凄く驚いたわ。彼女もずっとBellatorで戦ってきて、PFLのシーズンに参加するだろうと思っていた。でも、私の対戦相手になるということは頭になかったの。ファンの注目を集める試合だったら、カナかタイラ・サントスになるんじゃないかと予想していて。だからジュリアと3度目の対戦が組まれた時は、本当に驚いたわ。

多くの人が私とジュリアナのマッチアップは、アンフェアだと感じていたはず。そして、2戦目で私とカナが戦うことに関してもね(笑)。でも私たちは絶対に勝たないといけないし、フィニッシュしないといけない。より興味深い顔合わせになったという考え方もできるわ。そういう試合で勝てば、満足度も高くなるということを合わせて考えてもね」

──とはいえ、プレーオフのトーナメント戦ではランキング1位とランキング4位が戦い、2位と3位が戦う。そこをベースに2試合も1位と10位が戦い、2位と9位が戦う。5位は6位と──というような感じで組まれるという話も聞かれていました。

「それだと私は7位のチェルシー・ハケットと戦い、カナはジュリアナとの試合になったということね」

──ハイ。ところが蓋を開けてみると、リズが5位の渡辺選手と。ばかりか2位のタイラ・サントスは3位のジェナ・ビショップと潰し合う。でも1位のダコタ・ディチェバは7位とチェルシー・ハケットが相手になりました。まぁ、全く公平性はないですよね。

「アハハハハハハ。ホンットにそうね。私も困惑したわ。でも、こういうものなのよ。ポイントシステムとかランキングシステムって、ポイントや順位が別に反映されないもので。レスリングでも、凄く似ている状況だったし。拮抗した試合を組もうとするところは、レスリングのトーナメントととても似ているわね。だからそこの文句を言ってもしょうがないし、私がコントロールできるモノでもない。だからこそ、与えられた相手──つまりカナに勝つしかないわけで」

フィニッシュを狙うだけ。それこそが今の私のファイトスタイルだから

(C)BELLATOR

──前回の渡辺選手との試合は3年前、35秒で勝利しました。

あの敗戦後の渡辺選手の成長について、どのように感じています。

「カナは本当に強くなっている。あの時のような試合になることは絶対ないと、私も気を引きしめているわ。カナはそれだけの結果を残してきたし、判定負けした試合も私からすれば彼女が勝っている試合だった。おかしな裁定で、負けたに過ぎない。

カナはスタンドが成長することで、グラウンドもリラックスして戦えているし、元々のベースだった柔道までもがMMAでより強くなっている。苦手な部分と、得意だった部分が揃って成長できるファイターって本当に少なくて。でも彼女はソレがきている。だからこそ、前回のようにはいかないという覚悟を持っているわ」

──ただし、この試合は両者とも3Pでは十分でないという状況で戦うかもしれないです。もちろん、それまでに終わっている他の試合の結果にもよりますが。

「私はフィニッシュを狙うだけ。でもカナから3Pを取るのは難しいと思っている。それでも2Rでも、3Rでもフィニッシュを狙う。それはポイントを取るためだけでなくて……結果としてボーナスポイントを得てプレーオフに近づけるだろうけど、それこそが今の私のファイトスタイルだから。Bellatorに移ってから、前回の試合まで判定勝ちは2度しかしていないように。

その2つの試合相手はヴェネッサ・ポルトとジュリアナだったけど、彼女たちは勝負どころで勝負を避ける。そういう試合をしてきたから判定になってしまった。でもカナもフィニッシュを狙ってくるから、今回の試合は判定にはならない。試合を終らせる、フィニッシュするわ」

──ポイントを狙うのは渡辺選手も同じでしょう。その上で打撃だけでなく、組みの面も踏まえて防御面の大切さをどのように考えていますか。

「テイクダウンからネガティブ・トップという試合になることが、一番嫌がれると思う。と同時に、カナが私に打撃戦を仕掛けることはないはず。立ち技でも寝技でもアドバンテージは私にある。それを証明するファイトにしてみせるわ」

──自信は十分過ぎるほどある……ようですね。

「カナほど成長著しいファイターはいないわ。でも、勝つのは私。それは、前の試合からの成長度合は私の方が上だと思っているから」

──日本人ファンとしては、リズと渡辺選手のファイトはファイナル、せめて準決勝で見たかったという心情かと思います。

「私もそうよ。カナとは決勝で戦いたかった。本当に彼女のことをリスペクトしているから。それに私は沖縄で育った。ファイナルで日本をバッグラウンドに持つ2人が戦うことで、あの素晴らしい、ファイターをリスペクトする文化を世界の人達に伝えることができたはずだから。

でも、私たちの試合がファイナルで行われることはない。私がファイナルに進んでも日本の一部を共有している人間……沖縄で成長し、日本のカルチャーが体に沁み込んでいる人間が決勝を戦うんだと思って、日本のファンの皆には楽しんでほしいと願っているわ」

■DEEP Tokyo Impact2024#03視聴方法(予定)
6月14日(金)
午前6時15分~U-NEXT

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【PFL2024#01】渡辺華奈、体重超過のヤングを組みで圧倒。判定勝利で3P獲得

<128.6ポンド契約/5分3R>
渡辺華奈(日本)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27.
シェナ・ヤング(米国)

今回がPFLデビュー戦の渡辺だが、対戦相手のヤングが計量失敗のためキャッチウエイトでの試合となった。サウスポーの渡辺はジャブと右フック。ヤングも右ストレートを返すが、渡辺が打撃のプレッシャーから組みつくと、そのままケージに押し込んでバックにつく。

渡辺はスタンドのまま両足をフックしてバックキープし、ヤングの体を伸ばすようにグラウンドに持ち込み、パンチを入れながらRNCへ。一度腕を外した渡辺はパンチを入れながら再びRNCを狙う。ヤングは腰を上げて渡辺を前に落とし、渡辺は腕十字を狙ったところでラウンド終了となった。

2R、前に出る渡辺がすぐに組みつく。ヤングの打撃でバランスを崩した渡辺だが、すぐに立ち上がり、パンチで来るヤングに組みつく。渡辺は内股でテイクダウンを仕掛け、その流れでバックにつく。ディフェンスに徹するヤングに対して、渡辺はバックキープを続けてグラウンドに持ち込むが、ヤングも立ち上がって正対する。

渡辺はボディロックから足をかけてテイクダウンしてマウントへ。ヤングはブリッジを効かせてトップポジションを取り返すと、インサイドガードからパンチを落とす。渡辺はガードポジションから腕十字を狙う。ヤングがこれをディフェンスした状態で

3R、渡辺が細かいパンチで前に出る。ヤングはそこに左フックを返すが、渡辺はそのまま距離を詰めてバックについてテイクダウンする。渡辺は右足をフックしてバックコントロール。立ち上がるヤングだが、渡辺はしつこくバックコントロールを続ける。

残り40秒でグラウンドに持ち込んだ渡辺が腕十字へ。これは極まらなかったものの、渡辺は最後までフィニッシュを狙う姿勢を見せた。判定では3-0で渡辺が勝利。PFLデビュー戦を勝利で飾るとともに判定勝ち=3ポイントを獲得した。


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【PFL2024#01】シェナ・ヤング戦 へ、渡辺華奈─02─「ドーピングはいくらでも調べてください(笑)」

【写真】何が起こるか分からない。しかし、何があっても大丈夫というような空気が渡辺から感じられた (C)MMAPLANET

4日(木・現地時間)、テキサス州サンアントニオのボーイングセンターで行われるPFL2024#01でシェナ・ヤングと戦う渡辺華奈インタビュー後編。
Text by Manabu Takashima

Bellator女子フライ級王座挑戦を目標にしていた渡辺が、旧知のファイターと新天地で戦う心境とは。レギュラーシーズンの2試合はフィニッシュ勝利の意味が、これまでと違うなかで渡辺の意識に違いは生まれているのだろうか。

<渡辺華奈インタビューPart.01はコチラから>

PFL参戦、出場メンバー、そしてシーズンフォーマットを渡辺はどのように考えているのか。シェナ・ヤング戦に向け、渡米前日の渡辺をFIGHT FLOWに尋ねインタビューを試みた。

──「極めてこい」というメッセージですが、PFLのレギュラーシーズンはフィニッシュにボーナスPが与えられるので、これまでとは違う意識で戦う必要が出てくるのではないでしょうか。

「ハイ。やっぱり一本を取りに行くことを意識しています。狙うことで態勢が不利になったりするかもしれないですが、そういうことを恐れずに取りに行こうと思います。判定勝ちと1Rのフィニッシュ勝利だと、3Pと1勝分の違いが出てきて、プレーオフ進出を考えると大きいので。危険を冒してでも、一本を狙うという姿勢でいないといけないです」

──弱い相手はいないとはいえ、初戦の相手は星を落としたくないだけでなくボーナスが欲しい相手です。ヤングの過去の試合を見て、1Rから取りに行くことができると考えていますか。

「試合なので組んでみないと分からないことがあるのですが、1Rから取りに行ける相手です」

──それはテイクダウンを取って、上攻めというイメージでしょうか。

「上を取ることができればそうですし、取れなくても組んでスタンドバックという展開にも手応えを感じることができるようになってきました。そこを狙っていくことができればなと思っています」

──シェナ・ヤングのテイクダウン狙いは一度切ってクリンチになれば、渡辺選手が遅れを取ることはないようにも感じます。

「伝統派空手がベースみたいなので、その空手をどのように使ってくるのか。組みに関しては、少し雑ですね。なので、しっかりとそこで自分のやるべきことをやれば大丈夫です。体は見た感じ強そうですよね。だから、組んだ時に想定以上に強いかもしれないです。いずれにせよ、なるべく力を使わないようにコントロールで優勢に進められるように練習をしてきました。

このフォーマットだとケガをすると次に問題が生じてしまうので、そこは本当に気を付けないといけない部分で。そういう風にPFLらしい事情というのは考えないといけないのですが、でも試合になるとそれはもう普通のワンマッチのつもりで戦わないと、そんなことで勝てる場所ではないので」

──Bellatorとはまた違う環境で、ファイトウィーク等にも不安はないでしょうか。

「そうですね。でもBellatorのヨーロッパ大会とかでも色々と経験を積んでいますし。それにWADAとかが入ってドーピング検査もちゃんとやってくれるのも嬉しいです。ドーピング検査は完璧に、いくらでも調べてくださいって(笑)」

──Bellatorは実はネイティブアメリカン・テリトリーの開催が多く、コミッションの管轄外。よってドーピング検査もUFCなどと比較すると甘いイベントもありますよね。

「何人かが選ばれて検査がある形でした。あとPFLは試合のコスチュームを向うが用意してくれますよね。そういうのも初めてで。スポンサーさんを集められないのでメリット、デメリットがあるのですが、そういうのも初めてで新鮮ですね。そこも含めて、色々と向うが用意してくれることもあるかとは思うのですが、分からない。本当に分からないですよね、行ってみないと。

今回はメディカルも向うでやるので、色々なハプニングはあるだろうなっていう覚悟で行けます(笑)」

──逆に楽しめそうですか。

「楽しみたいのですが、どうしてもBellatorのベルトを目指していたので、またベルトが遠くなったという気持ちは残っています。Bellatorのベルトは事実上、消滅してしまって……。本当に欲しかったので、携帯の待ち受けとかもBellatorのベルトにしていたんです(笑)。まぁ、でも与えられた環境でベルトを目指そうと切り替えました」

──100万ドル、1億5000万円の賞金というのは?

「凄いなぁっていう感覚で、現実味はないです。あまりお金のことを考えて、やってきていなかったので。回りから言われて、凄いなぁっていう感覚です(笑)。でも、勝ち進んで残り1勝とかになると、きっと違ってくると思います(笑)」

──では改めて、PFLで頂点を目指す意気込みを聞かせてください。

「ハイ、やっぱりPFLってまだ日本での知名度はあまり高くないですし、自分自身もそんなに日本で試合をしているわけじゃない。RIZINの選手と比較されると、『誰?』って感じで思われているはずです。でも海外で戦っていることを知って欲しいですし、決して日本より低いレベルじゃないところでやっているということを日本の人にも知ってもらえるよう戦います」

■視聴方法(予定)
4月5日(金・日本時間)
午前7時45分~U-NEXT

■ PFL2024#01対戦カード

<ヘビー級/5分3R>
アンテ・デリア(クロアチア)
ヴァレンティン・モルドフスキー(ロシア)

<ヘビー級決勝/5分5R>
デニス・ゴルソフ(ロシア)
リントン・ヴァッセル(英国)

<女子フライ級/5分3R>
リズ・カモーシェ(米国)
ジュリアナ・ヴェラスケス(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
タイレル・フォーチュン(米国)
ダニエル・ジェイムス(英国)

<女子フライ級/5分3R>
ダコタ・ディチェバ(英国)
リサ・マールディン(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ブラコイ・イワノフ(ブルガリア)
セルゲイ・ビロシチェニ(ロシア)

<女子フライ級/5分3R>
タイラ・サントス(ブラジル)
デニス・キルホルツ(オランダ)

<ヘビー級/5分3R>
スティーブ・モウリー(米国)
オレッグ・ポポフ(ロシア)

<女子フライ級/5分3R>
渡辺華奈(日本)
シェナ・ヤング(米国)

<女子フライ級/5分3R>
チェルシー・ハケット(豪州)
ジェナ・ビショップ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ルーカス・ブレナン(米国)
ディミトレ・アイヴィー(米国)

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45 AB BELLATOR F1 MMA MMAPLANET o PFL PFL2024#01 UFC   アンテ・デリア ケイラ・ハリソン シェナ・ヤング ジェナ・ビショップ ジュリアナ・ヴェラスケス スコット・コーカー スティーブ・モウリー タイラ・サントス タイレル・フォーチュン ダコタ・ディチェバ ダニエル・ジェイムス デニス・キルホルツ デニス・ゴルソフ ブラゴイ・イワノフ リズ・カモーシェ リントン・ヴァッセル ルーカス・ブレナン ヴァレンティン・モルドフスキー 渡辺華奈

【PFL2024#01】女子フライ級シーズン参戦、渡辺華奈─01─「バケモノばっかですよね(笑)」

【写真】練習仲間たちは、まさに渡辺を送り出す。そんな空気に包まれていた(C)MMAPLANET

4日(木・現地時間)、テキサス州サンアントニオのボーイングセンターでPFL2024#01が開催される。Bellatorを買収し、世界第2位のMMAリーグを形成したPFLの本丸シリーズでは初めて女子フライ級が採用され、日本から渡辺華奈が出場する。
Text by Manabu Takashima

2019年12月、コロナ前のBellator日本大会から4年。サークルケージで6勝2敗の戦績を残しタイトルコンテンダーの地位にあった渡辺は、買収後もBellatorでの戦いとフライ級王座を目指していたがPFLは彼女のシーズン希望を望んだ。その結果、Bellatorで世界戦を経験しているファイターが3人、さらにUFCのタイトル挑戦経験のある選手が出場する激戦に渡辺は身を投じることとなった。

PFL参戦、出場メンバー、そしてシーズンフォーマットを渡辺はどのように考えているのか。シェナ・ヤング戦に向け、渡米前日の渡辺をFIGHT FLOWに尋ねインタビューを試みた。


――前回のMMAPLANETのインタビューでBELLATORへの拘り、そしてUFCへの興味を話されていた渡辺選手ですが、PFL2024年シーズン女子フライ級に参戦することとなりました。PFK参戦が正式に決まったのはいつ頃なのでしょうか。

「PFLで戦うことになりそうだという話を聞いたのは、2月の中旬でした。それまではBellator Champions Seriesという方向だったのですが、ケイラ・ハリソン選手がUFCと契約することで、女子フェザー級ではなくて女子フライ級のシーズンをするようになった感じで」

──なるほど。そういうことだったのですね。PFLはシーズンでいえばトップ4と契約更新、そしてBellatorの配下選手は契約を全うする必要がある。となれば必然的にBellatorの選手の方が配下選手としても多くなり、Champions SeriesだけでなくPFLレギュラーシーズンにも進出する。その結果、女子フライ級に関してリズ・カモーシェがいて、ジュリアナ・ヴェラスケスがいます。

「皆、言い方は悪いけどバケモノばっかですよね(笑)。ただ対戦相手が決まったのも1カ月ぐらい前で(※取材は3月27日に行われた)。4月4日に開幕戦がある。そこに出ることになる。そんな感じで、シーズンに参加する選手がどのようなメンバーになるのかも分かっていなかったです。出場選手が誰なのかはSNSで知りました(笑)。スコット・コーカーさんのやり方とは、色々と変わってくるのだろうなと思っています」

──ただ現地でのホスピタリティとか、PFLは相当にプロフェッショナルだと聞きます。減量食やホームサウナが用意されたいたりなど。

「そうなんですね。とにかく、あのなかに自分が入るということは遣り甲斐もあるし、自分が劣っているとも思っていないです」

──おおっ!! 力強い言葉です。

「このメンバーがいることが分かって、逆にモチベーションが上がりました。UFCタイトルコンテンダーのタイラ・サントスまでいて。Bellator Champions Seriesに残るよりも全然メンバーも上ですし。それこそUFCに引けを取らないぐらいレベルの高いシーズンだと思います。ここで優勝すれば、世界一にかなり近いのは絶対で。凄いチャレンジになります」

──そのなかで対戦相手のシェナ・ヤングですが、これだけのメンバーが揃ったなかでどのような印象を持っていますか。

「基本、強い選手しかいないと思っています。それは間違いないのですが、初戦の相手として悪くない」

──正真正銘のリーグ戦だと全員と当たることが前提なのに対し、10人の参加選手がいてレギュラーシーズンは2試合。これはPFL首脳の匙加減が凄く関係してくるだろう、と。今年でいえばダコタ・ディチェバを残したいんだろうな、と(笑)。

「アハハハハハハ。可愛いですしね、米国の選手が多いなか、唯一の英国人選手で。その裏でカモーシャとヴェラスケスが最初に当たって(笑)。ヴェラスケスなんて、3試合連続でカモーシェ戦ですし」

──負けた方を2戦目でサントスと当てるかもしれないです(笑)。準決でディチェバと当たる選手を少しも易しい相手にするといような。そういうなかで渡辺選手は、ヤングを悪くないという相手と表現をしました。もちろんプレーオフ進出に向けて──という意味かと思いますが。

「2戦目の相手で状況は変わってくるのでしょうが、そこでもどういう風にしたいのかが見えますよね(笑)」

──F1で予選がなくて、スタート順位を主催者が決めるような(笑)。

「そういう要素はあると思います(笑)」

──ただ潰し合わされるグループでもなく、プロテクトされてもいない。いわば勝てば、残ることができるポジションに渡辺選手はいるかと。

「カモーシェとヴェラスケスより、良いです。ダコタ・ディチェバほどじゃないですけど(笑)。彼女を残したいというのは感じますが、ただダコタ・ディチェバも強いです。試合を見る限り強い。どういうレベルの対戦相手だったか、2戦目とかの選手もいて。それでも、弱くないと思っています」

──ではPFLのシーズンフォーマット、レギュラーシーズンで2試合を戦い上位4人がプレーオフへ。そして秋のファイナルまで半年から7カ月で最大4試合を戦うことに対しては、どのように感じていますか。

「シーズン制は試合間隔が短いですよね。その一点だけで、イメージとしてやり辛いというのはあります」

──つまり試合間隔を空けたいと?

「結構ファイトスタイル的にも消耗していくタイプなので、試合間隔はもう少し欲しいです」

──フライ級で戦うのに、渡辺施主は何キロほど体重を落としているのでしょうか。

「減量は大体6キロぐらいです」

──それが、どれだけのしんどさかは分からないというのが正直なところです。男子の場合だと、水抜きだけで落としてしまう選手もいるだろうし、4キロほどの水抜きだとそれまでに減らすのは2キロ。ただ、女性の場合はまた違うかと思いますし。

「私にとっては、かなりしんどいです。2カ月ぐらい前から徐々に体重を落とし始めるので、試合のスパンが短くて連続するのは嫌だなってなります。それと直ぐに次の試合が組まれると、地力をつける時間がなくなってしまうので。まだまだMMAファイターとして至らないところが残っているので、そこができなくて対策練習の繰り返しになりそうで」

──なるほど。とはいっても、今日のスパーリングではストロー級のトップだった人よりも、フィジカルも充実して圧倒していたように見えました(笑)。

「(鈴木)隼人さんですか? もう、それは明日からテキサスに向かうので良いイメージを創れるように攻めさせてくれていました(笑)。接待スパーですね。ハハハハ。いつもはボコボコにされています。泣きそうになるぐらいやられているのですが、今日はRNCを極める感覚を養わさせてもらっていました(笑)」

──つまりは鈴木隼人選手の『極めて来い』というエールだったのですね。

「ハイ。『そろそろ。もう、そろそろ極めて来いよ』という(笑)」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
4月5日(金・日本時間)
午前7時45分~U-NEXT

■PFL2024#01対戦カード

<ヘビー級/5分3R>
アンテ・デリア(クロアチア)
ヴァレンティン・モルドフスキー(ロシア)

<ヘビー級決勝/5分5R>
デニス・ゴルソフ(ロシア)
リントン・ヴァッセル(英国)

<女子フライ級/5分3R>
リズ・カモーシェ(米国)
ジュリアナ・ヴェラスケス(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
タイレル・フォーチュン(米国)
ダニエル・ジェイムス(英国)

<女子フライ級/5分3R>
ダコタ・ディチェバ(英国)
リサ・マールディン(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ブラゴイ・イワノフ(ブルガリア)
セルゲイ・ビロシチェニ(ロシア)

<女子フライ級/5分3R>
タイラ・サントス(ブラジル)
デニス・キルホルツ(オランダ)

<ヘビー級/5分3R>
スティーブ・モウリー(米国)
オレッグ・ポポフ(ロシア)

<女子フライ級/5分3R>
渡辺華奈(日本)
シェナ・ヤング(米国)

<女子フライ級/5分3R>
チェルシー・ハケット(豪州)
ジェナ・ビショップ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ルーカス・ブレナン(米国)
ディミトレ・アイヴィー(米国)

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45 AB BELLATOR MMA MMAPLANET o PFL PFL2024#01 UFC アンテ・デリア シェナ・ヤング ジェナ・ビショップ ジュリアナ・ヴェラスケス スティーブ・モウリー タイラ・サントス タイレル・フォーチュン ダコタ・ディチェバ ダニエル・ジェイムス デニス・キルホルツ デニス・ゴルソフ ブルーノ・カッペローザ リズ・カモーシェ リントン・ヴァッセル ルーカス・ブレナン ヴァレンティン・モルドフスキー 渡辺華奈

【PFL2024#01】渡辺華奈がヤングと対戦。PFLレギュラーシーズンはBellator勢が多数派!!

【写真】昨年7月以来となる試合が、ようやく決まった(C)MMAPLANET

11日(月・現地時間)、PFLが2024年シーズン序盤3大会=4月4日(木・同)=テキサス州サンアントニオのボーイング・センター大会、12日(金・同)=ネヴァダ州ラスベガスのザ・シアター@ヴァージンホテル大会、19日(金・同)=イリノイ州シカゴのウィントラスト・アリーナ大会の対戦カードを一挙に発表した。
Text by Manabu Takashima

ヘビー級と女子フライ級が初戦が組まれたシーズン開幕戦は、渡辺華奈のPFLデビューが決まり、昨年のPFL Challenger Seriesで本戦契約した元UFCファイターのシェナ・ヤングとの対戦が決まった。


大会メインはヘビー級のアンテ・デリア×ヴァレンティン・モルドフスキー、コメインも同じくヘビー級のデニス・ゴルソフ×リントン・ヴァッセルのPFL × 元Bellatorファイターのマッチアップとなった。

この他、ブルーノ・カッペローザ✖セルゲイ・ビロシチェニもPFL ✖ Bellator対決となったが、タイレル・フォーチュン✖ダニエル・ジェイムス、スティーブ・モウリー×オレッグ・ポポフという残りの2試合はBellator勢同士が激突する。

Bellator勢同士の対戦でいえば女子フライ級のリズ・カモーシェ✖ジュリアナ・ヴェラスケスの両者は過去2度、Bellator世界女子フライ級のベルトを立場を代えて争っており、2度ともカモーシェが勝利している。

今回が3度目、そして初めて3回戦で拳を交えることとなった。この他、女子フライ級は前述した渡辺の初陣=ヤング戦とジェナ・ビショップ✖チェルシー・ハケット戦がBellator × PFLとなっている。

加えてBellatorタイトルコンテンダーのデニス・ホルキンツは、UFCタイトルンコンテンダーからPFLと契約したタイラ・サントスと戦い、今大会唯一のPFL X PFLの顔合わせとなったのは、ダコタ・ディチェバ×リサ・マールディンというカードだ。

PFL2023欧州リーグ王者のディチェバは、PFLが猛プッシュしているファイター。PFL CS経由&本戦で1勝したマールディンとの対戦は、カモーシェとヴェラスケスが潰し合うことと比較すると、余りも厚遇されている。そういう意味では渡辺も初戦では相手に恵まれているといえるだろう。それだけに3PだけでなくボーナスPを稼いでおきたい。

またショーケースバウトではBellatorからフェザー級無敗のルーカス・ブレナンが登場するなど、実に11試合中Bellatorファイターの出場は13人を数え、PFLの7選手を大きく上回り、過半数を超える勢力となる。とはいえPFLはBellatorファイターとの契約を全うする必要があり、PFLはシーズ・ベスト4が再契約されることを考えると、後者が少数派となることは自明の理ともいえる。

先の対抗戦でもPFLを圧倒したBellator勢、PFLによるBellatorの買収はBellator ファイターのPFL侵攻の鏑矢となったかもしれない。

■視聴方法(予定)
4月5日(日・日本時間)
午前6時30分~U-NEXT


■ PFL2024#01対戦カード

<ヘビー級/5分3R>
アンテ・デリア(クロアチア)
ヴァレンティン・モルドフスキー(ロシア)

<ヘビー級決勝/5分5R>
デニス・ゴルソフ(ロシア)
リントン・ヴァッセル(英国)

<女子フライ級/5分3R>
リズ・カモーシェ(米国)
ジュリアナ・ヴェラスケス(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
タイレル・フォーチュン(米国)
ダニエル・ジェイムス(英国)

<女子フライ級/5分3R>
ダコタ・ディチェバ(英国)
リサ・マールディン(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ブルーノ・カッペローザ(ブラジル)
セルゲイ・ビロシチェニ(ロシア)

<女子フライ級/5分3R>
タイラ・サントス(ブラジル)
デニス・キルホルツ(オランダ)

<ヘビー級/5分3R>
スティーブ・モウリー(米国)
オレッグ・ポポフ(ロシア)

<女子フライ級/5分3R>
渡辺華奈(日本)
シェナ・ヤング(米国)

<女子フライ級/5分3R>
チェルシー・ハケット(豪州)
ジェナ・ビショップ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ルーカス・ブレナン(米国)
ディミトレ・アイヴィー(米国)

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