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【UFC267】計量終了 ピョートル・ヤン人気が高いなかサンドハーゲンは「25分のウォーの準備してきた」

本日 10月30日(土・現地時間)にUAEはアブダビのエティハド・アリーナで開催されるUFC267「Blachowicz vs Teixeira」の計量が29日(金・同)に行われた。

メインではUFC世界ライトヘビー級王者ヤン・ブラボヴィッチがグローバー・テイシェイラの挑戦を受け、コメインは暫定バンタム級王座決定戦としてピョートル・ヤンとコリー・サンハーゲンが相対する。


ライトヘビー級の頂点で戦う両者は、フェイスオフでバチバチに火花を散らしながら、笑顔で握手をかわした。まず前日に42歳になったチャレンジャーのテイシェイラが、2度目の世界挑戦に向けて「素晴らしい誕生日だ。明日は僕へのプレゼントを手にする。全く疑う余地もないよ」とインタビューに答える。

続いて王者ブラボヴィッチは「明日もこのままチャンピオンでいる。良い試合、凄く良い試合になる」と断言した。

サンドハーゲンは「25分のウォーになる。そのための準備をしてきた」と話し、前王者ヤンには「いつもように戦う。そしてもの凄くエキサイティングな試合になる」という通訳の言葉以前にロシア語で話した時点で、会場のファンから大きな歓声が挙がっていた。

ヤン人気の高さからも分かるように、アブダビではロシア人ファイターの人気が高く、出場選手も多い。今回もロシア人ファイターが9名に加え、ダゲスタン系スウェーデン人選手のカムザット・チマエフがコロナウィルス感染による引退発表→撤回から1年2カ月振りに実戦復帰する。

アジアの大砲リー・ジンリャンと向き合ったチマエフは、笑顔を浮かべながらも挑発しあい、ダナ・ホワイトが懸命に割って入った。

上位カードで最大の注目マッチといっても過言でないダン・フッカーとイスラム・マカチェフの両者は、フェイスオフでも過剰な動きはなく両者が微笑をたたえていた。

フッカー✖マカチェフ戦と同様に楽しみだったプレリミのライト級マッチ=ダミール・イスマグロフ✖マゴメド・ムスタファエフは前者が163.5ポンドと8.5ポンドオーバーでセレモニアル計量すら行われず、試合は中止となっている。

■視聴方法(予定)
10月30日(土・日本時間)
午後11時30分~UFC FIGHT PASS
10月31日(日・日本時間)
午前3時~PPV
午前3時~WOWOWライブ

■UFC267試合結果

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] ヤン・ブラボヴィッチ: 205ポンド(92.99キロ)
[挑戦者]グローバー・テイシェイラ: 205ポンド(92.99キロ)

<UFC世界暫定バンタム級王座決定戦/5分5R>
ピョートル・ヤン: 135ポンド(61.24キロ)
コリー・サンドハーゲン: 135ポンド(61.24キロ)

<ライト級/5分5R>
イスラム・マカチェフ: 155.5ポンド(70.53キロ)
ダン・フッカー: 156ポンド(70.76キロ)

<ヘビー級/5分3R>
アレキサンダー・ヴォルコフ: 263ポンド(119.29キロ)
マルチン・ティブラ: 249ポンド(112.95キロ)

<ウェルター級/5分3R>
リー・ジンリャン: 171ポンド(77.56キロ)
カムザット・チマエフ: 171ポンド(77.56キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
マゴメド・アンカラエフ: 205.5ポンド(93.21キロ)
ヴォルカン・オデズミア: 205.5ポンド(93.21キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
アマンダ・ヒーバス: 115.5ポンド(52.38キロ)
ヴィルナ・ジャンジローバ116ポンド(52.62キロ)

<フェザー級/5分3R>
ズベア・トホゴフ: 146ポンド(66.22キロ)
ヒカルド・ラモス: 146ポンド(66.22キロ)

<ミドル級/5分3R>
アルベルト・デュラエフ: 186ポンド(84.37キロ)
ローマン・コピロフ: 186ポンド(84.37キロ)

<ウェルター級/5分3R>
エリゼウ・カポエイラ: 170.5ポンド(77.34キロ)
ブノワ・サンドニ: 171ポンド(77.56キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ミハウ・オレキシェイジュク: 206ポンド(93.44キロ)
シャミル・ガムザトフ: 206ポンド(93.44キロ)

<フェザー級/5分3R>
マクワン・アミルカーニ: 146ポンド(66.22キロ)
レローン・マーフィー: 146ポンド(66.22キロ)

<ミドル級/5分3R>
フ・ヤオゾン: 186ポンド(84.37キロ)
アンドレ・ペトロスキー: 185.5ポンド(84.14キロ)

<ライト級/5分3R>
ダミール・イスマグロフ: 163.5ポンド(74.16キロ)
マゴメド・ムスタファエフ: 156ポンド(70.76キロ)

<フライ級/5分3R>
タジル・ウランベコフ: 125.5ポンド(56.92キロ)
アラン・ナシメント: 126ポンド(57.15キロ)

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BELLATOR MMA PFL Special TJ・ディラショー UFC UFC ESPN27   イスラム・マメドフ コリー・サンドハーゲン ニュース ブレント・プリマス ベラトール ボクシング 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番─番外編03─ディラショー✖サンドハーゲン「喪が明ければ良いのか」

【写真】サンドハーゲンとディラショーとの試合に、このような視点は持てていなかったです (C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。

青木が選んだ2021年7月の一番─番外編─第三弾は7月24日に行われたUFC ESPN27からTJ・ディラショー✖コリー・サンドハーゲン戦について語らおう。


──青木選手が選ぶ7月の一番、番外編も3試合目になります。

「ディラショー✖サンドハーゲンなんですけど、試合内容云々でなくディラショーはドーピング違反からの復帰戦ですよね」

──はい、2019年3月のヘンリー・セフード戦で陽性反応があり、2年間の出場停止処分が下りました。

「サスペンド明けということは、当然のようにクスリを使っていたわけじゃないですか。それが……サスペンドが明けたからって同じ土俵なのかっていう話題にならないなと。

パフォーマンス向上のクスリに関して、皆が厳しい目をしているわけじゃないですか」

──ハイ、アンフェアなことですしね。

「やっているんじゃないか? 使っているだろう?ということに関しては、憶測も含め厳しい目で見ています。でもサスペンドが明けると『楽しみだぁ』となるだけで、『それってフフェアなの』という指摘はなかった」

──う~ん、その見方があるのかというが正直なところです。

「つまり、そういうモノなんですよね」

──米国でMMAがイリーガルでなくなった。コミッションに認可されたスポーツになった。その時、コミッションとは法の番人、公明正大な組織だと思っていました。

「それがずば抜けた既得権益を持つ組織だったと」

──ハイ。実力差のあるマッチメイクもOKだし、ボクシングの世界王者が初戦でMMAの世界チャンピオンとやるのもOK。あれだけ危険だと言われていたワンデー8人トーナメントもサンクションする。お墨付きを与えて、利益を得る組織でした。

「そのコミッションが出場禁止処分を与えた選手が、出場禁止期間が明けて戻ってきた。そうしたら大歓迎なのか、と」

──そこは出場停止という刑期を終えて出てきたので、イーブンになるという感覚でした。

「当然、その考え方を否定することはないです。そして人気もあるし、以前の実績が重視されて重宝されることも。僕自身、この件においては考えが定まっていません。どうなんだろうという疑問があるだけで。

ステロイドを若いころに使っていると、体創りという作業が楽になるのは明白です。良いDNAを残し、時間を節約することがクスリによって可能になっているんです。17歳、18歳で使っていると、体創りの時間を他の技術の習得なんかに当てることができる。

そういう選手がミスって陽性になり、出場停止を経験したから真っ白になるっていう倫理観はどうなんだろうと。ただ、復活を喜んでいるだけで」

──まずクスリの使用は、ファイト時のパフォーマンスを直接向上させると思われがちです。でも決してそうではない。逆に試合前に使用していると、露呈するリスクも高い。ただし普段から使用することで、疲労が少ない練習の連続で蓄積できるものが非常に多い。そこが見落とされがちです。

「そうなんです。特に若い時からやっていると。5年間とかステロイドを使って体創りをして、テクニック練習を凄くする。そうやって人造人間になってからUFCと契約できるわけじゃないですか。

試合をしている間に有罪になって、刑期を終えて出てきたから大歓迎するってどういうことなんだろうと思うところもあるんです。でも、議論の余地もないのが現状で」

──見ている人がクスリをやっていて陽性になったファイターのその後については、使っていなくても強いのかという見方ぐらいだと思います。この間の試合はサンドハーゲンが、ディラショーの実績を奪うファイトという捉え方もできましたし。

「結果、掛け率でもサンドハーゲンの方が上だったという。僕も実際にサンドハーゲンの方が強いと思っていましたしね」

──ディラショーは心が頑丈でした。そこが青木選手が指摘された過去の禁止薬物使用に関係しているのか。

「体の頑丈さ、技術だけでなく、気持ちで勝った。だけど、ここの問題はディラショー云々ではなくて、クスリを使っていた選手に対する対応、意識はどうなのかなってことなんです」

──米国はないのように見えます。ドラックでもクスリ使用から、立ち直ったカムバック劇にすらなることもあるかと。

「そこは日本とは違いますよね。日本はクスリやった芸能人って、そのイメージが付きまといますよね」

──そこはクスリも不倫も同じかと。

「そういう事例は確実に多いですね。でも、MMAの有識者の人がここについて何か指摘することはないのかと見ていました。日本のMMAって議論がないですよね。

僕もディラショーを責める気持ちとかはないんです。ただ、皆がどういう視線で見ているのかなって」

──そこまで考えていないのが現実ですよね。

「まぁ、そういうことですね。そして、試合でいえばディラショーは強かったなと。相性もあるかもしれないですけど、あの判定もどうとでも取れます。ダメージを与えたのはサンドハーゲンで、コントロールはディラショー。まぁ、倒しまくってきたサンドハーゲンをコントロールできることが凄い。そういう見方が成り立つというのはありますよね。

そことは別にクスリ問題は、きっと色々な競技で生まれると思います」

──UFCはあれだけテストをしていることで、逆に過去の使用に関しては帳消しになり、罪悪感も薄れるのかもしれないです。

「喪を明ければね。でも五輪レベルの検査があっても、切り抜ける人はいますからね。UFCでも全員はバレていないとは僕は思っていないです。バレる人がいるということは、やっている人がいる。つまり、切り抜けている人がいるということで」

──その通りですね。

「しかもMMAに関していえば、UFCだけですよね。WADA(世界アンチドーピング機関)のような組織と、自社の資金で検査をするのって。BellatorやPFLで、抜き打ちでアウトっていう話も聞かないですし」

──Bellatorに関しては、アスレチックコミッションがファイトウィークに行う検査だけかと思います。

「イスラム・マメドフと戦ったブレント・プリマスなんて尋常じゃない体に見えて。あれだけグラップリングの技量があって……あのバルク。ベラトールはバルクが凄い選手が多くて、アウトっていうニュースがあまりないから……なんかあるのかなって疑っちゃいますよね。

結局UFCだけで……積極的に不正を暴こうとするのは。他はだいぶ微妙に見えます。まぁMMAにはドーピングはある。だからこそ、もっと色々な見方があって議論が起こった方が良いなと思いました」

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Report TJ・ディラショー UFC UFC ESPN27 コリー・サンドハーゲン ブログ

【UFC ESPN27】ケージコントロールのディラショーが、インパクト重視のサンドハーゲンを2-1で下す

<バンタム級/5分5R>
TJ・ディラショー(米国)
Def.2-1.48-47.48-47.47-48
コリー・サンドハーゲン(米国)

サウスポーのディラショーに対し、サンドハーゲンが右ローを蹴る。左右に激しく動くサンドハーゲンは、ディラショーのワンツーにワンツーを返して、右ローを入れる。直後に右を被弾して動きが止まったディラショーに、サンドハーゲンが跳びビザを狙う。これをキャッチしてテイクダウン狙いのディラショーに、サンドハーゲンは変形の三角をセットする。

頭を抜いてトップを取ったディラショーがパウンド、サンドハーゲンは背中を譲って立ち上がる。離れた両者、サンドハーゲンはディラショーのテイクダウン狙いを巻き込んでスイープを狙う。すぐにスタンドに戻ると、ディラショーが蹴りを掴んでバックへ。ここも巻き込んでガードを取ったサンドハーゲンは、蹴り上げから鉄槌、そして三角へ。さらに足関節狙いもディラショーはヒザを抜いておりパンチを落としていく。50/50のサンドハーゲン、ヒザを畳んだディラショーが鉄槌を落とす。一瞬で内ヒールに入ったサンドハーゲンが、直ぐにリリースする。離れたディラショーは足を気にしているようでもあった。

2R、インターバルの間、左ヒザを冷やしていたディラショーは、右を見せてすぐに組みつく。ケージに押し込まれたサンドハーゲンは回って離れると、左ミドルをキャッチして倒しに掛かる。足を抜いて向き合ったディラショーにジャブを当てるサンドハーゲンが、ワンツーをヒットさせる。ディラショーはオーソに構える。サンドハーゲンは踏み込んで右アッパーカット、さらに左フックを2発当てるとディラショーが崩れる。

テイクダウン狙いで凌ごうとしたディラショーだが、切られると右フックを被弾する。カットでドクターチェックを受けたディラショーは、再開後もジャブ、跳びヒザ、エルボーと猛攻を受ける。それでも右を振るって前に出るディラショーだが、右目の上のカットから激しい流血が見られる。組んでケージに押し込んだディラショーはバックに回るも、それ以上の攻めを見せることはできなかった。

3R、左を当てたディラショーが、バックに回りながらパンチを入れる。正面をむいたサンドハーゲンが左フックをヒット、ディラショーは左ジャブからスピニングバックエルボーを受けそうになる。直後に組みついたディラショーがワキを潜ってバックへ。グリップを剥がしにかかるサンドハーゲンは胸を合わせて左エルボーを打ち込む。

離れたディラショーの流血が目立つ。そしてサンドハーゲンがワンツーをヒットさせる。それでもディラショーは右ローを効かせるが、右を受けて動きが止まる。サンドハーゲンがスピニングバックキックで姿勢を乱し下になると、ハイガードを担がれそうになりバックを見せてスクランブルへ。体を入れ替えた離れたサンドハーゲンが、右を当てる。ディラショーはオーソ基調になり、右ローを蹴っていく。そのローから右に繋げ、左を見せたディラショーが組みつく。離れたサンドハーゲンがダブルレッグ、切ったディラショーがバックに回る。後方から殴ったディラショーに対し、前を向いたサンドハーゲンが打ち返し、タイム後に左を当ててしまった。

4R、ねちっこい展開でポイント挽回したディラショーは右ローを蹴り、ワンツーへ。距離を取ったサンドハーゲンは右を蹴られ、左フックを右を被弾する。前に出るディラショーは右を被弾するが、左右のローから左ジャブを伸ばす。さらに組んでバックに回るなど、ペースをディラショーが握る。胸を合わされると離れたディラショーは、左フックを打たれる。サンドハーゲンはジャブから、フックをかわして右を当て、左を打っていく。構えを変えながら、左ボディフックを入れたサンドハーゲンは、ここも組まれてバックを許す。

このテイクダウンに至らない攻撃をジャッジはどのように評価するか。残り90秒で離れた両者、すぐにディラショーが組んでバックに回る。ディラショーの狙いは、オクタゴン・コントロール──サンドハーゲンは離れて、ローを蹴られる。スピニングバックフィストをヒットさせてサンドハーゲンだが、ジャッジはどのようにこのラウンドを見たか。

最終回、インパクト✖ケージコントロール──ここまで38-38という見方も成り立つなか、ディラショーは右ロー、サンドハーゲンが右を当てる。ワンツー&右を当てたディラショーが左ミドル、サンドハーゲンがワンツーを打ち返す。ディラショーは飛び込んで右を当て、ダックアンダーからバックに回る。

胸を合わせたサンドハーゲンは、直後のダブルレッグを腹を突き出して切り、ケージに押し込まれても離れる。ジャブからストレート狙いのサンドハーゲンは、組みにヒザを蹴り込む。左を被弾し、右のカウンターを入れたサンドハーゲンは左を入れる。パンチよりも明らかにスピードに乗った踏み込みで、組んでいくディラショーだが、離れて右を打立てる。

残り1分、左を当ててダブルレッグに出たディラショーが、ケージにサンドハーゲンを押し込む。回って離れたサンドハーゲンは左でボディを抉り、ディラショーが右を伸ばす。ローに左を当てたサンドハーゲンは、右カウンターも決めるがディラショーは姿勢を乱すことなく前に出続けた。直後にタイムアップに──ダメージは明らかにディラショーだが、ゲームを纏める巧さを見せた。

結果、スプリットに割れジャッジの裁定はTJ・ディラショーに挙がる。「素晴らしい相手だったけど、プッシュし続けた。キャンプでカットしたところがまた切れた。ヒザも組んで、フックしようとした時にポップしてゲームプランを変えるしかなかった。次? もちろんタイトルファイトだ」とディラショーはインタビューに答える。

一方、サンドハーゲンは「最初にミスってアジャストした。全くシリアスなダメージもないし、分からないよ……分からない。僕はダメージないし、勝っていたはずだ」と納得しかねる表情を浮かべた。


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【UFC ESPN27】「本当のメイシー・バーバーが帰ってきた」。マーヴェリックと対戦─メイシー・バーバー

【写真】23歳、8勝2敗のメイシー・バーバーが24歳、9勝2敗のミランダ・マーヴェリックと対戦。2人も肩回りと僧帽筋がとてつもなく発達している (C)Zuffa/UFC

24日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで行われるUFC on ESPN27「Sandhagen vs Dillashaw」で、メイシー・バーバーが復活を賭して、ミランダ・マーヴェリックと相対する。

LFAでのプロMMAデビュー以来、アグレッシブかつウェルラウンダーぶりを見せつけたバーバーは、5戦目のコンテンダーシリーズを経て、6戦目でUFCデビューを果たした。オクタゴンでも3試合連続フィニッシュと飛ぶ鳥を落とす勢いだった彼女だが、2020年1月のロクダン・モダフェリ戦でプロ初黒星、ヒザの負傷もあり1年のレイオフを経験する。

復活を賭した今年の2月のアレクサ・グラッソ戦でも、試合勘の鈍りからが、ヒザの手術が影響したのか、以前の勢いの良さは見られず判定負けを喫した。

初めて壁にぶつかったバーバー。この間にUFCと契約して2連勝中のマーヴェリックとの試合を控えた彼女を初インタビューした。プレッシャーの欠片も感じられない、明るい言葉に終始したメイシー・バーバー、完全復活なるか。


──ミランダ・マーヴェリックと土曜日の夜に戦います(※取材は現地の21日に行われた)。今の調子はいかがですか。

「絶好調よ。スーパーエキサイティング。しっかりと練習してきたし、もう準備はできているわ」

──デビューから8連勝と負け知らずだったメイシーですが、2020年1月ロクサン・モダフェリ戦で敗れ、ACLを負傷しました。そして今年の2月の再起戦でアレクサ・グラッソに敗れ現在2連敗中です。

「最初の敗戦はヒザを捻って、どうしようもなかった。もちろん、初めて負けて精神的にもハードだったし。そこからパンデミックも起こって、また負けて……。でも、この半年間は以前のように練習できるようになったし、この間に私がどう過ごしてきたかをミランダとの試合で見せつけるつもりよ」

──敗北を知り、そこから立ち上がった者が本物のファイターになるという見方もあります。

「その通りね。私にとって貴重な経験になったし、やっぱり無敗でいるって気付かないうちにプレッシャーになっていたって分かったの。また、やり直しだけど楽しみにしているわ」

──ACLの負傷から手術を行い、不安はないですか。

「ヒザは全く問題ないわ。今も、この試合に向けての調整期間も一切気にすることもなかったし。手術前と今の違いは、チョットした時にヒザの回りの皮膚感覚が違うぐらいで。ホント、それ以外は何も変わったところがないから気にならないのよ。痛みでもないし、変な感じってぐらいね(笑)」

──ヒザの影響でファイティング・スタイルが変わることもなかったですか。

「ノー、全くないわ。カムバックしてからも、以前と同じように戦えているわ。ヒザを負傷したことで、変わったのはファイトスタイルよりも気持ちの面ね。以前より、もっと集中するようになったと思う。

今からすると、私はちょっとイージーにトップランクのファイターになってしまっていたみたいで。色々な人が私のことを知って、なんかアイドル的に見られることもあった。自分が自分でないような立場になっていたのよ。

このスポーツのトップで戦うには、フィジカルでもメンタル揃って問題ない状態でないと。今、メンタル的には以前と比較して落ち着いているし、ポジティブよ。凄く穏やかでハッピーだから」

──精神面に関しては、パンデミックという厳しい時を過ごし、米国ではようやく社会がオープンになったことも影響していないですか。

「確かにそれもあるかもね。パンデミックが起こり、ロックダウンになった時は、私もヒザの負傷があったからこそ、家に閉じこもっていることに我慢できていたかな。

でもカリフォルニアでも、徐々に制約が解かれていて、かなりオープンになったし。今回のキャンプは前回の試合の時と違って、パンデミック以前と変わりなくチーム・アルファメールでトレーニングすることができたわ」

──チーム・アルファメールには3人の日本人ファイターが練習していますね。

「テル(石原夜叉坊)も今週末に試合があるわよね。テル、ナミキ(川原波輝)、それと……もう1人……」

──田中路教選手ですね。

「そうね、イエス。きっとそう。アハハハハ。1人だけ分からないなんて問題だから、イエスよ。困らせないでよ(笑)」

──申し訳ありません。今回は同世代のミランダ・マーヴェリックとの試合です。彼女が女子ストロー級で13位、メイシーが14位です。

「ぶっ飛ばすわよ(笑)。そして、私のポジションを取り戻す。アハハハ。まぁ彼女はINVICTA FC上がりでタフよね」

──打撃ではメイシーかと思いますが、テイクダウンが加わると彼女の打撃も相当に有効に感じます。

「う~ん、そのコンビネーションを出させないだけの経験が私にはあると思っているわ。私の方がハイレベルだと、ケージで証明してみせるから。

本当の意味で、メイシー・バーバーが戻ってきた──そういう試合をするから。もう過去2試合のことは過ぎたこと。本当のメイシー・バーバーが戻ってきた……リアルなザ・フューチャーがね。ヘルシーでハッピーなメイシー・バーバーが、ミランダ・メーヴェリックを支配するの。

だから日本のUFCファンの皆も、ザ・フューチャーを応援してね」

■視聴方法(予定)
7月25日(日・日本時間)
午前5時00分~UFC FIGHT PASS

■UFC ESPN27対戦カード

<バンタム級/5分5R>
コリー・サンドハーゲン(米国)
TJ・ディラショー(米国)

<バンタム級/5分3R>
カイル・フィリップス(米国)
パウリアン・パイヴァ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ダレン・エルキンス(米国)
デリック・マイナー(米国)

<女子フライ級/5分3R>
メイシー・バーバー(米国)
ミランダ・マーヴェリック(米国)

<バンタム級/5分3R>
エイドリアン・ヤネス(米国)
ランディ・コスタ(米国)

<ミドル級/5分3R>
プナヘラ・ソリアーノ(米国)
ブレンダン・アレン(米国)

<ミドル級/5分3R>
イアン・ハイニッチ(米国)
ナソーディン・イマボフ(フランス)

<ウェルター級/5分3R>
ミッキー・ガル(米国)
ジョーダン・ウィリアムス(米国)

<バンタム級/5分3R>
フリオ・アルセ(米国)
アンドレ・イーウェル(米国)

<女子フライ級/5分3R>
シジャラー・ユーバンクス(ブラジル)
エリース・リード(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ディアナ・ベルビシャ(ルーマニア)
ハンナ・ゴールディ(米国)

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【UFC ESPN27】ランディ・コスタとKO必死マッチ、エイドリアン・ヤネス─02─「僕に無駄打ちはない」

【写真】どんなMMA IQの高いファイトを見せてくれるか! エイドリアン・ヤネス(C)Zuffa/UFC

24日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで行われるUFC on ESPN27「Sandhagen vs Dillashaw」でランディ・コスタと戦う、エイドリアン・ヤネス・インタビュー後編。

LFAでのカイル・エストラーダ戦を契機に、自身のバランス、スタンスが大きく変わったというヤネスは、スプリットで辛勝したこの一戦後、コンテンダーシリーズとUFCで3試合連続KO勝ちしている。

「無駄打ちはない」、「ジャブのためのジャブは打たない」、「全ての打撃に意味がある」。エイドリアン・ヤネスの自信に満ち溢れた言葉に耳を傾けてほしい。

<エイドリアン・ヤネス・インタビューPart.01はコチラから>


──ボクシングがベースでMMAに転向したけわけでなく、MMAを想定した打撃をソリツ・コーチに仕込まれてわけですね。

「MMAファイターとして、何がベースかといえば柔術だよ。そして父から習ったボクシングだけでは、MMAで戦うには十分ではなかった。

とはいえ、父が仕事から戻ってきて疲れた体で教えてくれたボクシングは、僕にたくさんのモノをもたらしてくれた。今も、父に教わったボクシングは僕のファイトに生きているよ」

──ボクシング&レスリングのMMAファイターは、前足重心でステップインをしていくことが多いですが、エイドリアンの構えは後ろ足重心ですね。

「それはコーチのソウルの教えだよ。以前の僕は前にばかり移動していた。大きく踏み込んでね。それだと足を蹴られると、まず彼に教わった。ソウルは僕のスパーリングパートナーに、レッグキックを狙えと指示したんだ。

蹴られまくったよ(笑)。痛みを伴う指導だった。それからアジャストを重ね、少しずつ良くなってきた。ただ、本当の意味で転機になったのは2019年11月のLFAでのカイル・エストラーダ戦だった。

彼に蹴られまくったことで、チェックにしても何しても僕のスタンスは凄く変わった。良くなったんだ。あの後の試合は、バランスをよく取って戦えている。特にスタンスは変わったと思う。僕はスイッチヒッターだけど、ここ最近はスイッチする必要なく戦えているんだ」

──ランディ・コスタ戦はファイヤーワークスが期待されていますが、実のところエイドリアンがやるべきことをすれば、打ち合いになることは無いのではないかと思っています。

「そうだね。彼のパンチは手打ちで、動きが大きい。打ち始めを見極めやすいのは確かだ。カウンター……そう、僕は人のミスに付け込んでカウンターを打つようにしている。ボクシングを見ていても、そういうところばかりが気になるようになったんだ。

大振りした選手のミスを見逃さず、3発パンチを入れる。そういう試合をしたいと思う。ただ、ここ最近のランディの試合を見ると、彼も以前のような大振りで前進を繰り返すファイターじゃないことは明白だよ。

テクニックが向上しているし、スピードも僕と同じぐらいある。爆発力もある。僕らの持っている技術は違うけど、パワーとスピードは互角だろう。その上でランディは序盤から勝負を賭けてくるから、タイミングを見計らってカウンターを打ち込みたい。

僕の打撃には無駄打ちがない。全ての攻撃が、何かの仕掛けになっている。ただ意味もなくパンチを出さない……ジャブを打つためのジャブは使わないんだ。そんなジャブは意味がないから。ジャブもキックも、意味があるから使う。それがKOに直結しなくても、KOに結びつくように。

攻撃の皮切りとなるパンチでKOは狙わないよ。KOへの一歩になるだけで。僕のKOはドミネイトしたうえで、効果的な攻撃を当てた結果なんだ」

──凄く興味深いです。グスタボ・ロペス戦も、そのように試合を支配して最後は右のカウンターショットでした。

「あの試合もグスタボの細かいミスを見極め、彼の動きに合わせて戦った。全てを整えて、KOパンチを繰り出したんだ」

──コスタ戦でもエイドライアンがどのような組み立てをして、どう効果的にパンチを入れるのか楽しみにしています。バンタム級は層が異常に厚いです。コリー・サンドハーゲン、ピョートル・ヤン、ショーン・オマリー、素晴らしいストライカーが揃っていますが、自身の打撃に関してどれほど自信を持っていますか。

「ボクシングに限っていえば、トップ3にはいるだろう」

──おお!!

「打撃全面でいえば……それでもトップ10にいるはずだ。僕より目立っているストライカーもいるけど、無駄なパンチ、無駄なコンビネーションが多い。打撃に関して、僕と同じような精神構造をしていないんだ。そうだね、そうやって考えると、僕の打撃はトップ5だね(笑)。

IQ打撃は、自分がどこにいて、どういうタイミングでパンチや蹴りを使うのか把握していないと使えない。そういう組み立てができない選手は、少なくないよ。結果的にKOする選手は、いつか結果的にKO負けするんだ。

オープンハンドから左フックでKO勝ち、結論が同じでも僕には無駄打ちはない。そこには高度なMMA IQが必要になってくるんだ」

──いやぁ、そこまでの言葉を聞くとエイドリアンのファイトが楽しみでならないです。このインタビューを読んで、同じ気持ちになった日本のファンにメッセージをお願いします。

「多くのテクニックが詰まったショーを見てもらうよ。これだけ打撃のことばかり話してきたけど、試合がグラウンドになれば黒帯柔術家としての力を発揮して戦いたい。

テクニックをフルに使ったエンターテイメント・ファイトを日本の皆にも見てもらいたい。そのためにハードはキャンプをやってきたから。日本のファンに、僕の全能力を見てほしい。そのために全力で戦うよ」

■視聴方法(予定)
7月25日(日・日本時間)
午前5時00分~UFC FIGHT PASS

■UFC ESPN27対戦カード

<バンタム級/5分5R>
コリー・サンドハーゲン(米国)
TJ・ディラショー(米国)

<バンタム級/5分3R>
カイル・フィリップス(米国)
パウリアン・パイヴァ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ダレン・エルキンス(米国)
デリック・マイナー(米国)

<女子フライ級/5分3R>
メイシー・バーバー(米国)
ミランダ・マーヴェリック(米国)

<バンタム級/5分3R>
エイドリアン・ヤネス(米国)
ランディ・コスタ(米国)

<ミドル級/5分3R>
プナヘラ・ソリアーノ(米国)
ブレンダン・アレン(米国)

<ミドル級/5分3R>
イアン・ハイニッチ(米国)
ナソーディン・イマボフ(フランス)

<ウェルター級/5分3R>
ミッキー・ガル(米国)
ジョーダン・ウィリアムス(米国)

<バンタム級/5分3R>
フリオ・アルセ(米国)
アンドレ・イーウェル(米国)

<女子フライ級/5分3R>
シジャラー・ユーバンクス(ブラジル)
エリース・リード(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ディアナ・ベルビシャ(ルーマニア)
ハンナ・ゴールディ(米国)

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MMA TJ・ディラショー UFC UFC ESPN27 エイドリアン・ヤネス コリー・サンドハーゲン ランディ・コスタ

【UFC ESPN27】TJ・ディラショー戦へ、コリー・サンドハーゲン─02─「せめぎ合いになっても勝つのは僕」

【写真】ついにタイトル挑戦を明言したコリー・サンドハーゲン (C)Zuffa/UFC

24日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFC on ESPN27「Sandhagen vs Dillashaw」が開催される。同大会のメインでTJ・ディラショーと対戦するコリー・サンドハーゲン・インタビュー後編。

自身のMMAは全ての要素が途切れることなく繋がっている──サークルだというサンドハーゲンは、サークルとなったMMAを試合で確実に実行できるようになったと自信を深める。

そして、ついに彼はディラショーに勝ってUFC世界バンタム級のベルトに挑戦することを明言した。

<コリー・サンドハーゲン・インタビューPart.01はコチラから>

──TJはウェルラウンダーですが、どちらかというとグラウンドにならないで戦うことが多いと思います。対して、コリーは寝技になり、背中を下にしても構わないスタイルではないでしょうか。

「TJは何でもできるよ。打撃と同じようにレスリング、そして柔術も優れている。だから、どういう戦略を立ててくるか興味深い。うん、そこに関しては好奇心を持っているよ。と同時に、僕自身は柔軟性を持って戦う。TJと戦う時には、そういう考えでいないと全てに対応できないからね」

──何でもできるTJですが、どこか一番の長所だと思いますか。

「競争力があることだよ。生まれつき決定的な一発を持っている。ナチュラルキラーなんだ。そのうえアグレッシブだし、ちゃんと対応しないと一気に流れを持っていかれる。それと敗北を恐れずに戦うところから。そこが本当に厄介なところだよ。

ただし、全てを想定してトレーニングを積んできた。ハードな戦いになるだろうけど、TJにとっても僕との試合はこれまでのようにはいかないよ」

──TJはシングルレッグからバックを奪取することにも、長けているかと思います。シングルからワキを潜ってバックに回る速さは、ピカ一でした。

「テイクダウンも上手いんだよなぁ。う~ん、まぁレスリングでもやりあうよ。そうなっても全く構わない。彼がレスリングをしたいなら、レッスルも受けて立つ」

──レスリングは受けて立つ、ではその先の柔術はどうでしょうか。

「今の僕にとってはレスリングと柔術は同意語だ。レスリングと柔術が組み合わさって、グラップリングになっている。そうだね、レッスルする準備ではなく、グラップルする準備はできていると言い直さないとね(笑)。

今やMMAを戦ううえで柔術とレスリングは分かれていない。グラップリングとして、一つになっているからね」

──まさにサークル化しているということですね。

「その通りだよ。ずっとMMAを戦ってきて、その経験が全て良い方向で消化できている。そして、自分のすべきことをしっかりとケージの中で実行できるようになった。ここまで来るのに数多くの経験をして、学ぶことは膨大にあった。

凄く長い時間を要したから、今は柔軟に考えて、円滑にMMAを戦うことができる自信があるんだ。全てが一つに繋がり、必要なことを臨機応援に遂行する。それこそが僕の最大のアドバンテージだ。

もう僕はチャンピオン・レベルになっていると断言できるよ」

──おお、力強い言葉です。そのアドバンテージを持ち、何をファンに魅せたいですか。

「勝って、次はベルトに挑戦する姿を見てほしい」

──フランキー・エドガーに勝った後、アルジャメイン・ステーリングが反則勝ちでタイトルを得たため、ピョートル・ヤンとは再戦があるかもしれないという状況下で、タイトル挑戦は急がないと言っていました。もうチャンピオンになる時がやってきたと?

「イエス。僕がチャンピオンになる時だよ」

──そのためにTJ戦ですべきことは?

「黙っていても、僕の試合はエキサイティングになるだろう。KOしないといけないとか、心配する必要はない。僕の勝利は、ファンが楽しめる試合だからね。常に動き続けることができるし、色々な攻めを見せるから退屈な想いはさせない。また、これまでと同じように戦うだけさ」

──皆、ハイライトリール・フィニッシュを求めていると思います。その期待にコリーは応えてきました。我がままを言わせてもらうと、フランキーとの試合よりタフで、もう少し長期戦を見てみたい気もします(笑)。

「望むところだよ(笑)。ハイライトリールKOは、短期間で名前を挙げるのに役立つ。でもね、僕も本来は君と同じでタフな試合で、技術の攻防が見たい派なんだ。2人のファイターのせめぎ合いがね。そういう試合になったとしても、この試合──勝つのは僕だから」

──コリー、今日もありがとうございました。以前のインタビューで、ガールフレンドのお父さんが日本人だということを教えてくれ、日本のUFCファンはさらにコリー・サンドハーゲンを支持するようになりました。そんな日本のファンに一言をお願いします。

「今の彼女との関係は良好だよ。彼女のお父さんから日本のカルチャーについて色々と教えてもらっている。この前にも言ったように、日本を訪れることは僕のリストの中にしっかりと入っている。COVIDE19が終息したら、必ず日本へ行く。僕のサポートしてくれてから、皆はオリンピックゲームを楽しんでほしい(笑)。

そうだ、ガールフレンドのダディが『シブシブ』を作ってくれて。アレが、僕は大好きなんだよ」

──しゃぶしゃぶ、ですね(笑)。

「そう、シャブシャブだ(笑)。いつか日本でしゃぶしゃぶと食べてみたいね」

■視聴方法(予定)
7月25日(日・日本時間)
午前5時00分~UFC FIGHT PASS

■UFC ESPN27対戦カード

<バンタム級/5分5R>
コリー・サンドハーゲン(米国)
TJ・ディラショー(米国)

<バンタム級/5分3R>
カイル・フィリップス(米国)
パウリアン・パイヴァ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ダレン・エルキンス(米国)
デリック・マイナー(米国)

<女子フライ級/5分3R>
メイシー・バーバー(米国)
ミランダ・マーヴェリック(米国)

<バンタム級/5分3R>
エイドリアン・ヤネス(米国)
ランディ・コスタ(米国)

<ミドル級/5分3R>
プナヘラ・ソリアーノ(米国)
ブレンダン・アレン(米国)

<ミドル級/5分3R>
イアン・ハイニッチ(米国)
ナソーディン・イマボフ(フランス)

<ウェルター級/5分3R>
ミッキー・ガル(米国)
ジョーダン・ウィリアムス(米国)

<バンタム級/5分3R>
フリオ・アルセ(米国)
アンドレ・イーウェル(米国)

<女子フライ級/5分3R>
シジャラー・ユーバンクス(ブラジル)
エリース・リード(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ディアナ・ベルビシャ(ルーマニア)
ハンナ・ゴールディ(米国)

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MMA Shooto2021#05 UFC   アーロン・ピコ コリー・サンドハーゲン チャンネル 中村倫也 修斗 論田愛空隆

【Shooto2021#05】伝説の始まり、中村倫也─02─「やっと夢を与えることができる。その番が回ってきた」

【写真】語られるエピソードが、26歳とは到底思えない。どれだけ中村がMMAに囲まれて生きてきたか。彼こそMMAの申し子だ (C)MMAPLANET

25日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#5で論田愛空隆とMMAデビュー戦を戦う中村倫也インタビュー後編。

ワールドクラスのフリースタイルレスラーは、出自も育ちもMMA=ピュアブレッド大宮──全ては、あの場所から始まった中村のMMAファイター人生が、ようやく第1章を迎える。

レスラーがMMAに挑戦するのではない、MMA人間がレスリングでも活躍してきた、それが中村倫也だ。伝説が始まる、その前日譚──中村のルーツをここで知って欲しい。

<中村倫也インタビューPart.01はコチラから>


──今回のデビュー戦、2回戦なのですね。てっきり3回戦だと思っていました。その方がスペシャル感もあって、盛り上がるのに……。

「クラスAですか? 僕も3R制だと思っていました。それぐらいあっても良いなぁって(笑)。でも3Rに行かないですし、2Rでも判定にならない。10分以内に終らせることができれば同じだなって」

──「それぐらいあっても良い」というのも自己顕示でなく、倫也選手の表情を見る限り、MMAデビューを背景まで含めて楽しみたい風に見えます。

「やっと……です。やっと、ですから。実は先週、ピュアブレッドに行ってきたんです」

──元プロシューター、ピュアブレッド大宮所属でピュアブレッドの名を継いだ池田久雄さんの下へ?

「ハイ。プロデビューを迎えたので、挨拶に言ってきました」

──そのために上尾まで足を運ばれたのですか!!

「ハイ。池田先生にデビューの報告を、と思いまして。そうしたらピュアブレッドのキッズレスリングの子たちがいて。いえば僕の後輩になるんですよね、あの子たちは。その子供たちが僕にベタベタとくっついてくるんです──。『俺が子供の頃、石川真さんや朝日(昇)さん、野中(公人)さん達にしていたとの同じだ』って思いました。

あの頃の僕にとっての選手たちが、彼らにとって『俺になっている』と感じることができて、やっと夢を与えることができる。ようやくその番が僕に回ってきたと思ったんです。何か──凄く嬉しくて」

──いやぁ、思わず鳥肌が立ってしまいました。エリート・レスラーのMMA挑戦と見られがちですが、倫也選手の口から出てくるのが剛術・石川くん、朝日昇に野中くん……根っからのMMA畑の人間じゃないかって。

「僕の憧れでしたから。上野九平さん……ルタ☆ユージさんも」

──ルタ選手はお父さんの運転手をされていましたよね。確かにカナダでピュアブレッドを創るという話もあったかと思います。

「カナダといえば先月ですかね、カーロスから『頑張って。パンデミックが終息したら、日本にいくから練習しよう』っていうDMが来たんです」

──カーロス……カーロス・ニュートンですか?

「ハイ。カーロスも暫らく大宮にいたことがあって、今はカナダの柔術ジムで指導しているみたいです」

──うわぁ、懐かしい名前です(笑)。きっとジョエル・ギャルソンのジムですよね。いやぁ、倫也選手と話していると、26歳とは思えない懐かしい選手の名前が飛び出してきますね。

「僕にとってピュアブレッド大宮が庭でした。毎日、あそこにいて。如何にエンセンと修斗君に会わないのかが、僕のなかのテーマでした(笑)」

──アハハハハ。エンセンはともかく、修斗君は怖すぎます。

「子供心に、エンセンも怖すぎました(笑)」

──最大の理解者の息子さんに、そういう風に接することができるエンセンがまた面白すぎます。

「あと桑原(卓也)さんも怖かったです(笑)」

──マッスル!! 空気が読めなさそうです(笑)。そういう幼少期があり、ピュアブレッドの池田さんにデビュー前の挨拶をするということなのですね。

「凄くエネルギーを貰うことができました。原点に返った気がします。あの子たちを見ていると、もう格好良いところを見せるしかないです」

──気合が入り過ぎることはないですか。

「その辺りはレスリング時代に経験していたことが生きると思います。レスリングの時もワクワクが大き過ぎたので」

──実は今週コリー・サンドハーゲンとエイドリアン・ヤネスというUFCバンタム級ファイターのインタビューをすることになっているのですが、倫也選手のようなバックグラウンドを持つ選手が、あの場で戦えるようになることを切実に願ってしまいます。

「サンドハーゲン、マジですかっ!! そうッスね……現地でUFCを見てみたいです。まだ画面越しでしか見ていないので、直接生で見てUFCファイターのエネルギー感とか、もっと出てくると思うので。そこがまだピンとは来ていなくて、ボヤっとしているところなんです」

──その世界最高峰を最先端で目指す。周囲の期待値もひたすら高く、求められるモノも他のデビュー戦を迎えるファイターとは違ってきます。

「デビュー戦に関しては、正直もっと僕の方がチャレンジする立場の試合が組まれると思っていました。でも、今回の試合はチャレンジするというよりも、受けて立つぐらいの気持ちでいることに気付きました。結果、思っていたより気楽ではないです(苦笑)」

島影直弥(LDH martial arts取締役) 倫也の人生はそういうモノなんだよ。回りの選手とは違う。覚悟を決めないと。

──では覚悟を持って、デビュー戦はどのような試合をしたいと思っていますか。

「伝説が始まる──そんな予感がするような試合をしたいと思います」

──おぉ、伝説の始まりですか。

「皆にここから何か始まるぞ──そう思ってもらえる試合をしないといけないです。ひたすら攻めます。ずっと主導権を握って、相手に能動的な動きをさせない。僕の動きに、反応した攻撃しか出させないようにして、選択肢を狭めていきます。そして、しょうがなしに動いたところで仕留めます」

──頭のなかに戦い方は出来上がっているようですね。一つだけ、その勢いに水を差すようなことを言っても良いですか。

「アハハハ、どんなことですか?」

──これだけ期待されて、舞台も整っている。そこで脳裏をよぎるのが、アーロン・ピコなんです。

「あぁあぁあぁ……。それ、分かります!! マジで分かります。アーロン・ピコに関してはデビュー戦だけでなく、他の試合でもMMAの怖さを目の当りにしました。

もちろん、僕だってアーロン・ピコのようにならないとは限らないです。あり得ることです。ただし、良いのを一発貰った時のことも想定しています。経験していないことなので、何とも言えないですけど……」

──嫌なことをいって申し訳ないです(笑)。

「アハハハ。ピコ……そうッスよね。ただピコってレスリングの時も、大量失点をするんです。でも、それより多くの点を取って勝つ」

──えぇ? 倫也選手はアーロン・ピコのレスリング時代もご存じなのですね!! 深すぎます。

「もう7年も前ですけど、ブルガリアの大会にピコはコーチと2人で来ていて。『相手がいないから、練習してくれ』って言われたんです」

──凄まじい逸話じゃないですかっ!!

「ピコは僕の2歳下で、彼と同い年の藤波(勇飛=2017年世界選手権フリースタイル70キロ銅メダリスト)は、世界ジュニアでアーロン・ピコと決勝で戦っていますし。

そうですね、ブルガリアで練習したときは、スクランブルが凄くて強かったです。試合もあの時に初めて見たのですが、凄く得点能力が高いけど、失点もメチャクチャします。大味といえば大味なレスリングで。

だからMMAもそのままなんですよ。凄く良い攻撃をするけど、被弾もする。僕の場合はあそこまで行き切るような試合はしません。ああなると事故が多くなってしまうので。もらうことが増えると、攻めに影響が出てしまうでしょうし。そこは自分の感覚を信じて、失点ゼロで戦います」

■視聴方法(予定)
7月25日(日)
午後5時~ ABEMA格闘チャンネル

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Interview Special コリー・サンドハーゲン フランキー・エドガー ブログ 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:2月─その弐─サンドハーゲン✖エドガー「本当に強い」

【写真】勝ち方がえげつなかったサンドハーゲン (C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

2021年2月の一番、第ニ弾は6日に行われたUFN184からコリー・サンドハーゲン✖フランキー・エドガー戦について語らおう。


──青木真也が選ぶ2021年2月の一番、2試合目をお願いします。

「コリー・サンドハーゲン✖フランキー・エドガーです」

──なんとなく意外な気がします。青木選手はフランキーに想い入れがあるようにも思えないですし。

「エドガーは僕的に言うと、BJに勝ったのが大きい選手です」

──2010年4月のUFC112と8月のUFC118における2連戦ですね。MMAを変えた一戦といっても過言でないと思います。

「そもそも、僕はあの2試合でBJが負けたと思っていないですし」

──ということなんですよね。あの時、『なんだ、これは戦いか』と思いました。実際、BJにインタビューした時にはフランキーのことを「あれではUltimate Fightingではなくて、Ultimate Fitnessだ」って批判していたんです。

「倒すんじゃなくて、ポイントゲームをあそこまで明確にしたのはエドガーが最初でしょうね。しかも、ジャッジがその手数とテイクダウンを取ったということで、MMAの潮目が変わった」

──ハイ。あの時、マモル選手から『あの戦いを受け入れないと、進化についていけなくなりますよ』と言われたことがあって。BJが倒せなかったのは事実で、自分のやりたいことをやらせてもらえなかったんだと思うようになったんです。

「あぁ……僕は、あの時もエドガーを認めることはなかったです。戦っていないじゃんって。でも、グレイ・メイナードとの2試合で変わりました」

──2011年1月のUFC118と10月のUFC136における2連戦で、ドローとKO勝ちでした。

「試合つまんねぇじゃんってのが、凄い試合をやって。ああいう戦いができる人間が、ポイントゲームでBJに勝った。もうこっちも文句は言えないし、自分のやっていることに言い訳でもできないなって」

──なるほどぉ。いやぁ、そうやって認めざるを得なかったわけですね。

「もうね、あの試合をやられると──ですよ。ただ凄い絶対手王者のイメージがあるけど、実はBJとメイナードの3試合だけなんですよね、防衛したのは」

──それが10年以上前で、サンドハーゲン戦の負け方を見ると……。もう、良いのではないかと思ってしまいます。

「でも、その前にはペドロ・ムニョスに勝っているし。負けたといってもホロウェイとも5Rを戦っていますしね。UFCがこういう厳しい試合をやらせるのも分かります。厳しい試合を組んでいますよ。

でも39歳か、鉄人ですね。ここまで来たら、やれるところまでやりたいのかなって思います。と同時に、今回のように木っ端みじんにやられてしまうと、スッキリするのかなっていうのもありますね」

──木っ端みじんにしたサンドハーゲンについては。

「いや、強いですよ。強い。サンドハーゲンのスタイルは、最後は蹴りに繋げるんですよね。タッチボクシング&蹴りというスタイル、あれはなかなかないですね」

──これはそんな言葉はないのかもしれないですが、コロラドMMAというか。2005年以前にキック&ムエタイと柔術を融合させたような立った構えで組まれると下になって柔術をするというドウェイン・ラドウィック、クリスチャン・アレン、アルヴィン・ロビンソン、ドナルド・セラーニの系統というか。

「日沖発っぽい感じですか」

──当時は今のセラーニや日沖選手よりテイクダウンには行かず、立って打撃、組まれると下になるという。それがコロラドのローカルプロモーションでK-1やムエタイとMMAのミックス興行だったRing of Fireという大会で育った選手に共通している部分ではありました。

「サンドハーゲンは、その系統ということなのですか」

──ハイ、クリスチャン・アレンの教え子なんです。

「へぇ、そうなんだぁ。それは面白いですね。なんか、パンチはリーチがあって手打ちっぽくて、タッチボクシングに蹴りが混ざっている。最後は蹴りで攻撃を終えるというスタイルで。何か、独特だと思ったんですけど、そういう系統があったのですね」

──もちろん、そこに蹴りが得意、パンチが得意というのはあるかと思いますが。

「それでサンドハーゲンは蹴りで。まぁ何といってもバンタム級では異常って言って良いほどデカいですね。180センチだから、ジャブも腰を入れなくて打てるし、蹴りも弾くように蹴っている」

──相手を触らせないですね。

「そうなんです。アルジャメイン・ステーリングには触られてやられましたけど、突き放す感じなんでムエタイっぽくはないです。捌いて横に立って、強振をするというのではない。ヒザもその場で打つようなヒザ蹴りで。ここにきて、トップコンテンダー争いに厄介なのが出てきたと思います。

本当に強いです。戦っている相手も強くて、マルロン・モラエスに勝つって尋常じゃないですからね」

──田中路教選手もステーリングに負ける前から、「一番強いのはサンドハーゲン」というようなことを言っていました。

「そうなんだ!! ポテンシャルがそこまである……やっぱ、そうなんだ。技もそうだし、あのサイズですよね。61キロでライト級でも長身だろうって。エドガーはライト級であれだけ出来ていて、でも体重を落とすと──ライト級ほどでなくなったのが、また興味深いですね。どの階級が自分に一番あっているのかって、また分からないモノです」

──そして今週末にはピョートル・ヤン✖アルジャメイン・ステーリングがあります。青木選手の見立ては?

「逆にどう思いますか?」

──短時間ならステーリング、3R以降になるならヤンかと思っています。

「あっ、そうなんだ。僕はステーリングが行っちゃうんじゃないかと思っています。レスリング力で倒してしまうし、ヤンがそれほどトップどころとは余り戦っていないというのを見てしまうんですよね」

──ジョゼ・アルド、ユライア・フェイバー、ジミー・リベラは十分に強いとは思うのですが、それでもサンドハーゲンとは違いますね。

「アルドも落として来た時ですしね。微妙な感じはします。ピョートル・ヤンもそうだし、アルジャメイン・ステーリングともう1度やると、サンドハーゲンは勝てる力があると思います。どっちと戦っても面白いでしょうね」

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Report UFC UFN ESPN+24 UFN184 コリー・サンドハーゲン フランキー・エドガー ブログ

【UFN184】言葉もない……。28秒──フランキー・エドガー、サンドハーゲンの跳びヒザでKO負け

<バンタム級/5分3R>
コリー・サンドハーゲン(米国)
Def.1R0分28秒 by KO
フランキー・エドガー(米国)

頭を振って前に出るフランキーに対し、サンドハーゲンが重いローを切る。引き続きローを見せて間合いを図るサンドハーゲンは、フランキーの前進に跳びヒザ一閃。右ヒザでアゴを打ち抜かれたフランキーは、頭からキャンバスに崩れ落ちた。

「アルジャメイン戦の時と違い、僕はモンスターになっている。彼が次の試合に勝つようだと、7月は僕がヤツを眠らせる」とサンドハーゲンは話した。


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Interview UFC UFN ESPN+42 UFN184 コリー・サンドハーゲン フランキー・エドガー ブログ

【UFN184】バンタム級2戦目=サンドハーゲン戦前のフランキー・エドガー「血を滴らせながら栄光を掴む」

【写真】フランキー・エドガーの常にフランキー・エドガーだ(C)Zuffa/UFC

6日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN184:UFN on ESPN+42「Overeem vs Volkov」で、コリー・サンドハーゲンと対戦するフランキー・エドガー。

最小、最速のUFCライト級チャンピオンはフェザー級ではワールドタイトルを手にできず、バンタム級へ転向を果たした。39歳になったレジェンドは、そのバンタム級での2戦目でサンドハーゲンという正にこれから世界の頂点を上り詰めようという若き強豪と相対する。

彼の試合を、あとどれだけ見ることができるのだろうか。創意工夫とハードワークの大切さを、我々に教えてくれたフランキー・エドガー──サンドハーゲン戦前に行ったZoomインタビューで聞かれた彼の言葉を伝えたい。


──タフな新鋭コリー・サンドハーゲン戦を控えています。

「コリーは凄く強い。その彼と戦い、勝利することでタイトル奪取の青写真を描いているよ」

──ところで2019年12月に韓国のコリアンゾンビに敗れた際、引退を考えることはなかったでしょうか。

「ノー、全く考えなかったよ。良いパンチをもらってコリアンゾンビには負けた。でも自分ではベストを尽くしたし、まだやれることは前回のペドロ・ムニョス戦で示せたと思っているよ」

──マーク・ヘンリーやヒカルド・アルメイダが引退の進めるような話は?

「それも全くなかったよ。彼らは僕の実力を理解しているし、ジムでどのような動きができているかも誰もよりも分かっているからね。そして、僕がこのスポーツにどれだけ真剣に向かい合っているのかも」

──そしてフランキーが言ったようにペドロ・ムニョス戦で勝利をしました。バンタム級で戦うことに関しては、もう8、9年前にマーク・ヘンリーが提言していたことが思い出されます。その時がついに来たわけですが、135ポンドでの自身のパフォーマンスをどのように感じていますか。

「マークが正しかったんだ。凄く適しているよ。ただフェザー級時代も良い戦いができていた。ライト級からフェザー級と戦ってきた。それが僕の歴史になっている。これからはバンタム級で歴史を紡いでいくよ」

──バンタム級で世界王座を奪取するという意志を持ち続けているわけですね。

「それがゴールだからね。どの階級でも世界チャンピオンを目指す。ライト級でそれを成し遂げた。フェザー級では近づけたけど、タイトル奪取はならなかった。同じようにバンタム級でも戦っていくだけさ」

──サンドハーゲンはバンタム級でも大きく、フィジカルアドバンテージがるように思えます。

「サンドハーゲンは背が高くて、遠いレンジで戦える選手だよ。ただし、そういう試合こそ僕がずっと戦ってきたモノだから。彼は他とは違う打撃を駆使し、グラウンドも柔術を使ってとても強い。でも、僕のパンチの方が上回っているよ。簡単な試合にはならないけど」

──フランキーはMMAに革命を起こしたフットワークの使い手です。フェイクを織り交ぜ、最終的にパンチを当てるか、テイクダウンを決める。しかし、そういうハードワークの末にテイクダウンを奪ったとしても、今や多くの選手がすぐに立ち上がる術を身につけ、グラウンドでホールドすることが困難になっています。

「MMAは進化している。ただし、僕は自分の打撃、柔術、レスリングを信じている。この一つでアドバンテージを握れると、他の局面でもアドバンテージを持つことになる」

──39歳になったことを指摘されると思いますが、この年齢をどのように感じていますか。

「それは自然なことだからね。39歳になってもやれることは、もう長いキャリアで証明し続けてきた。自分の体のことだ、僕が一番分かっている。だから、ずっとこのスポーツで成功を手にすることができたんだ。

そのうえで年を重ねることで、より自分の体をケアするようになった。階級を下げたことも、僕が戦い続けることを後押ししてくれている。バンタム級にしたことでよりヘルシーになっているし、動きも上がっていることはジムで確認済みだからね」

──今のMMAではジムの移動が盛んに行われ、大きなジムに世界各国から選手が集まってくる状況です。そんななかフランキーはずっとヒカルドとマークの下で練習をしてきました。

「何があろうが2人を信じているよ。僕らの関係はコーチとファイターというよりも、家族のようなモノだから。多くの選手は敗北を経験すると、自分の中に原因を見つけようとせず、外部に敗因があるよう求めているんだ。

僕はそういう風にはならない。試合に勝てるのはコーチのおかげだ。そして敗北の責は僕にある」

──素晴らしい言葉です。フランキーはATTやサンフォードMMA、チーム・アルファメールに移ろうと考えたことはありませんか。

「ノー、ないよ。全くない。僕はニュージャーが好きすぎるんだ(笑)」

──アハハハ。とはいえヒカルドとマークの下には、新しい選手も集まってきていますね。

「新しい練習パートナーができることは、いつだって歓迎しているよ。そこにヒカルドとマークというベースがあって、彼らがやってくるのだから。ザビット・マゴメドシャリポフ、チムール・ヴァリエフ、そして最近ではコディー・ガーブラントと世界のトップファイターが合流した。彼らと一緒にマークやヒカルドの指導を受けることは、僕の財産になっているよ。

彼らはこのスポーツの将来を担う存在だ。そんな彼らと練習でやりやっていることで、試合でもやれるという自信を得ることができるんだ」

──土曜日が待ちきれないほど楽しみです。どのような試合を世界に見せたいでしょうか。

「これがフランキー・エドガーだという試合を皆に見てもらいたいと思っている。厳しい攻撃を受け、血を滴らせながら栄光を掴むんだ」

──セイフティ・エリアで戦うことはない……と。

「いいかい? 卵は割らないとオムレツを創ることはできないんだよ(笑)」

──最高です。フランキー、インタビューを受けてくれてありがとうございます。

「日本のファンに伝えてほしい。君たちのようにMMAを理解しているファンはいない。本当に日本では素晴らしい時を過ごすことができた。土曜の夜の試合を楽しみにしてほしい」

■視聴方法(予定)
2月7日(日・日本時間)
午前7時~UFC FIGHT PASS

■UFN184対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
アリスター・オーフレイム(オランダ)
アレキサンダー・ヴォルコフ(ロシア)

<バンタム級/5分3R>
コリー・サンドハーゲン(米国)
フランキー・エドガー(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
マリオン・ルノー(米国)
メイシー・チアソン(米国)

<フライ級/5分3R>
アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)
マネル・ケイプ(アンゴラ)

<バンタム級/5分3R>
コディ・ステーマン(米国)
アスカル・アスカル(米国)

<ライト級/5分3R>
ディエゴ・フェレイラ(ブラジル)
ベニール・ダルーシュ(米国)

<ライト級/5分3R>
マイケル・ジョンソン(米国)
クレイ・グィダ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
マイク・ロドリゲス(米国)
ダニーロ・マルケス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
チムール・ヴァリエフ(ロシア)
マーチン・デイ(米国)

<160ポンド契約/5分3R>
ジャスティン・ジェインズ(米国)
デヴォンテ・スミス(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
カロル・ホザ(ブラジル)
ホセリン・エドワルツ(パナマ)

<女子フライ級/5分3R>
モリー・マクマン(英国)
ララ・プロコピオ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ユーゼフ・ザラル(米国)
チェ・スンウ(韓国)

<140ポンド契約/5分3R>
オード・オズボーン(米国)
デニス・ボンダル(ウクライナ)

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