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【UFC309】4Rまで一方的に攻められ続けたチャンドラーが、大逆転直前まで反撃もオリヴェイラが勝ち切る

<ライト級/5分5R>
シャーウス・オリヴェイラ(ブラジル)
Def.3-0:49-46.49-46.49-45
マイケル・チャンドラー(米国)

まず右前蹴りを見せたオリヴェイラが、右を伸ばす。ここで右目を気にするようになったオリヴェイラだが試合は続く。チャンドラーは蹴りを捌き、右ボディストレートを伸ばす。直後に右を見せたオリヴェイラは、シングルレッグでドライブし軸足を払いつつ、チャンドラーの左足を捩じりながらトップへ。四の字に組んで足関を防ぐチャンドラーは、背中をベタっとマットにつけた状態で、足の組みが外れる。

残り1分、左腕を差して抑えるオリヴェイラが右足を抜きにかかるが、チャンドラーが許さない。このままオリヴェイラがボディを跨がないトップキープをラウンド終了まで続けた。

2R、オリヴェイラが右カーフを蹴る。右ボディから前に出るチャンドラーは、ワンツーから詰められるとバランスを崩す。すぐに立ち上がったチャンドラーが、右を被弾し走って間合いを取りなおす。チャンドラーは再び右を受け、ショートの連打もケージを背負って左ハイを受けそうになり、ヒザをもらう。懸命に右を伸ばすチャンドラーに対し、飛び込むように組んでテイクダウンを奪ったオリヴェイラが即マウントを奪う。

オリヴェイラは上体を起こしてエルボーを落とすと、三角を狙いつつヒジを続ける。額をカットされたチャンドラーは、そのままエルボーを受けながらもマウントを取られたまま何とかサバイブした。

3R、ジャブを伸ばすチャンドラー。オリヴェイラは右カーフ、ダブルジャブを繰り出す。チャンドラーは組みを切ったが、ケージを背負ってアッパーを打たれる。それでも思い切りパンチを振るうチャンドラーを冷静に見るオリヴェイラがアッパーを決める。ヒザ、ヒジからアッパー、そして組も倒してバックに回ったオリヴェイラがボディトライアングルに取る。

シートベルトでRNCを狙われるチャンドラーが、懸命に耐える。時間が十分にあるオリヴェイラは焦らずワキ腹やテンプルを殴って行く。アゴの上から絞めていったオリヴェイラだがチャンドラーはここも生き残った。

4R、左ミドルから組んでいくオリヴェイラ。切ったチャンドラーがジャブを伸ばす。オリヴェイラはワンツー、左を返されても跳びヒザを繰り出す。それでも左を振っていくチャンドラーは、組まれても小手投げを狙う。耐えたオリヴェイラはワキを潜ってバック、自ら背中をつけて寝技に持ち込む。スクランブルに持ち込めず、チャンドラーはボディトライアングルに取られる。それでも腹ばいから起き上がろうとしたチャンドラーは正座状態からRNCをセットされそうになるが、この回も耐えきった。

最終回、右ヒザをアゴに届かせたオリヴェイラが前蹴りを効かせる。チャンドラーはダブルレッグを切って右フックから左を当てる。直後に右を効かせたチャンドラーはオリヴェイラのシングルを崩して、サイドバックから鉄槌を連打する。チャンドラーはクローズドガードのオリヴェイラにエルボーを続けるが、三角絞めをセットされそうになる。

ここは早く対処したいチャンドラーは、肩を入れて防ぎスタンドに戻る。残り1分40秒、オリヴェイラは組んでバックへ。大ブーイングが起こるが、見事が動きだ。しかも、ルオトロチンで絞め、攻めの姿勢を見せて時間を使う。チャンドラーは立ち上がって、後方にスラムを2度見せる。舌を出し笑顔を見せたオリヴェイラ。チャンドラーは試合タイムは残っているが、オリヴェイラの手首を叩いて健闘を称えるという仕草を見せた。

「これまで戦ったことがないほどタフな男だ。心の底から尊敬する」と話した勝者は、次々期挑戦者になることをアピール。そして、敗者は「どうだ。NY、楽しんだか」とまるで勝者のようなドヤ顔で、改めてコナー・マクレガー戦を要求した。


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【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:9月 マラブ×オマリー「マラブは変な人。だからあれをやりきれる」

【写真】ファイトスタイルそのものは疲れるスタイル。それを5Rやりきってしまうのがマラブの強さだ(C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客が気になった試合をピックアップして語る当企画。背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。
Text by Takumi Nakamura

大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾、良太郎というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は水垣偉弥氏が選んだ2024年8月の一番──9月14日に行われたNOCHE UFC 306のマラブ・デヴァリシビリ×ショーン・オマリーについて語ろう。


――9月の一番はマラブ・デヴァリシビリ×ショーン・オマリーの一戦を選んでいただきました。この試合はマラブの強さが目立った試合だったと思います。

「色々と僕の中でも見どころがあった試合で、マラブのようなタックルマシーンに対して、オマリーのようなストライカーがどう戦うのか。そこは自分自身の現役時代からの永遠のテーマでもあり、この試合でもそこを主に見たい、もっと言うならオマリーがどういう戦い方をするのかを見たかったんですね。結果的にはオマリーがストライカー病というか、マラブのタックルを警戒して手が出ないという、よくあるパターンにハマっちゃったなっていう感じでしたね。と同時に、このテーマはまだまだ続くなと思ったのが正直な感想です」

――試合全体を通して見ると、1Rに2回組まれてテイクダウンを許してしまったことが、2R以降の試合展開に影響を与えたと思います。

「ずばりそれだと思いますね。1Rが始まってテイクダウンされるまでのオマリーは、割と前蹴りだったり攻撃が出ていたんですよね。逆にマラブはいつもよりちょっとな控えめで、タックルに行きにくそうに見えました。でもそこで1回マラブがテイクダウンを取ったことで、徐々にオマリーの手が出なくなってきて。オマリーからすると打撃を出すとマラブに触れる、警戒して打撃を出せないというパターンにハマっていった印象です」

――仮に組まれたとしてもマラブのクリンチをはがしたり、完全には寝かされない状況を作っていれば違ったと思うのですが、しっかり組まれてしまった印象があります。

「そうなんですよね。結構ちゃんと組まれてしまって、その後のラウンドもすぐに立ち上がることができない展開になってましたよね。それだけ1Rにテイクダウンされた時に、もうテイクダウンされたくないなというのがオマリーの中で出てきちゃったんだと思います。マラブは割とテイクダウンしても相手を立たせるタイプなんですけど、オマリーは一度組まれて尻餅をつかされると、そのまま動きが止まったり、下になる展開が長かったように見えました」

――もちろんオマリーもレスリング・組み技への対応はできる選手だと思いますが、マラブのような超トップ選手との対戦は少なかったと思います。

「まさにそれもあって、正直過去の対戦相手を見ると、あまりマラブのようなタイプとはやってないんですよね。アルジャメイン・ステーリングとやった試合が初めてレスリングが強力な相手とやった試合だと思うんですけど、アルジャメイン戦も2R開始直後にパコーン!と一発で倒しちゃったので、レスリングや組みの技術をちゃんと見ることが出来ないままだったんですよね。そういう部分で、マラブとやってどうなのかなと思っていたのですが、 やや安易にグラウンドで下になったり、ガードポジションを取ったりしていて。オマリーはグラウンドで下からガンガン戦えるタイプでもないと思うのですが、そこで立ちに行く感じでもなかったので、組まれる・テイクダウンされるとキツいというのが見えちゃいましたよね」

――どうしてもマラブクラスのレスリング力がある選手と対戦すると、その部分で差が出てしまいますよね。

「そこは相性の問題もあると思います。ストライカーとレスラーは、単純に言うとどうしてもストライカーは相性が悪くて、その相性の悪さがもろに出ちゃったのかなと。例えばジョゼ・アルドやピョートル・ヤンがマラブとやった時、アルドは下がりながらテイクダウンに対処する感じで、テイクダウンは許さなかったんですけど、その代わりにケージに押し込まれ続けたんですよね。で、ヤンはスイッチを使いながら対応しようとしたのですが、マラブにそこを上回られてしまうという試合でした。じゃあオマリーはどうなんだ?というところだったのですが、結果的にオマリーはアルドやヤンのところまではいかなかったなというのが正直なところですかね」

――見ている側からすると、テイクダウンをディフェンスできないなら、打撃を思い切り当てにいくという選択肢はなかったのかと思うのですが、そこはファイター側からするとどうなのでしょうか。

「あとは一発を当てに行きたいは行きたいんですけど、結局そこで組まれちゃうんで。一発を当てるタイミングを探っているうちに結局(試合が終わる)なんですよね。ようは一発を当てるための距離になる=組まれる距離なので、行ったら組まれるという感覚もあるんですよ、タックル系の選手に対しては。だから一発を当てるための行き方が難しいんですよね、単純に思いっきりいけないという」

――その一発を当てるためには組み立ても必要だし、そうしているうちに組まれるリスクが大きいということですね。

「一発にかけるということは、ある程度の強打を当てて、その一発でKOするなり、ダウンさせるなり、大ダメージを与えるのが欲しいじゃないですか。リスクを追う分の見返りが欲しいというか。それに見合う一発を当てる距離まで詰めるというと、またそこですごく難しくなってきますよね」

――あとマラブの方もテイクダウン以外でかなり細かいパンチのフェイントを入れたり、目線を散らしたり、体を上下させたり、常に動き続けていますよね。

「動きそのものが多いですよね。絶対打撃が届かない距離でもシャドーボクシングやスイッチしたり、地味な動きなんですけど、それをずっと繰り返している。ただタックルだけ狙っているより、こういう動きをやられると嫌ですよね」

――相手からすると、あれだけちょこちょこ動き続けられると、フェイントだと分かっていても引っかかってしまうものですか。

「あとはやっぱりああやって動いている中で、本物と偽物の(動きの)違い、本当に来る時と来ない時って、 何もしないでバッ!と来るより、色々と動いてる中でバッ!と来る方が、対応も遅れると思うんですよね。そういう部分はあると思います。だからあれだけ目の前で動き続けられていたら、やりにくいと思いますね」

――オマリーも5Rに三日月蹴りを効かせる場面がありました。メラブは試合後に「効いていない」と言っていましたが……。

「あれは効いていたと思います。分かりやすくお腹をさすってましたからね」

――右の三日月蹴りをもらったあとのシーンですが、あの前の左の三日月蹴りも効いていたと思います。

「あれも絶対効いてましたね。ボディが効いたかどうかは本人しか分からないし、効いていても『効いてない』って言い張ると思うんですけど、セラ・ロンゴ・ファイトチームで一緒に練習していた(井上)直樹くんの話だと、練習でもマラブは腹を効かされていたことが結構あると言っていたんで、マラブは腹が弱いんじゃないか説も出てますね。だから試合展開や相性もあるんですけど、あれがもっと早い段階で来ていたら、面白かったのかなという気もしますよね」

――それまでの打撃とは違い、明らかにオマリーのプレッシャーがかかっていた時間でした。

「そうですね。あれはオマリーが5Rに判定で勝つのがほぼダメだろうと思っていた中での開き直りがあったから、また前に出始めたんだと思います。もうテイクダウンされてたとしてもしょうがないって気持ちがあったからこそ、もう1回(打撃を)作り直したんじゃないかなと思います」

――5Rに弱みを見せたメラブですが、あのテイクダウンを軸にしたファイトスタイル&無尽蔵のスタミナは真似できないですよね。

「あのスタミナは異常ですね。ファイトスタイルそのものは疲れるスタイルだと思うんですよね。今回の試合はトップを取ってからキープする時間が長かったですが、他の試合では結構立たせるんです。で、また倒す。倒して、立たせて、倒して…を繰り返して倒してテイクダウンの数で印象つけるみたいな、めちゃめちゃしんどい戦い方をしているので、それが出来るスタミナは尋常じゃないですね。対戦相手=タックル受ける側としては、やっぱりしつこくタックルを切って切って、マラブが疲弊してきてタックルに入れなくさせるというのも1つの作戦としてあると思うんですよね。ただマラブは疲弊しないから、その希望がなくなってしまうという」

――あれだけスタミナがあるとテイクダウンの攻防でマラブを疲れさせるという作戦もチョイスできません。

「テイクダウンそのものもバーン!と入って綺麗に倒しちゃうじゃないですか。一回ケージに押し込んで、低い姿勢でケージレスリングを頑張って倒すという展開が少ない。テイクダウン能力の高さも、マラブがバテにくい要素だと思います」

――水垣選手はどういうタイプだったらマラブを攻略できると思いますか。

「攻略法がなかなかないですよね(苦笑)。それこそシャーウス・オリヴィエラみたいに打撃があって、グラウンドで下になっても戦えるとか。そういうファイターだったら可能性があるのかなっていう気はするんですけどね」

――マラブとレスリング勝負できるか、レスリングそのものを捨てて勝負するか。

「そうなんですよ。さっきも話したようにジョゼ・アルドはほとんどテイクダウンを許していないんですけど、テイクダウンディフェンスするためにずっと押し込まれたままで判定負けしているんです。テイクダウンされないことに集中すると打撃が出せないし、相手がバテない限りは押し込まれ続けるので、ポイントを取られちゃいますよね。だからメラブ攻略は本当に難しいです。

あと試合とは関係ないですけど、メラブってちょっとおかしいじゃないですか。試合が始まった瞬間、オマリーのセコンドと言い合ったり、試合中にオマリーにキスしてハーブ・ディーンにめちゃくちゃ怒られたり。あとは試合前にインスタグラムで氷が張ってる湖に飛び込んで、練習でカットしたところを縫ってる動画をアップしてダナ・ホワイトに『アイツはレベルが違うバカだ』ってキレられてましたよね。普通はあんなことしないですよ(笑)」

――大分変わっていると言えば変わっていますね…。

「基本的に変な人なんだと思います(笑)。でも、だからこそああいうファイトスタイルをやりきれちゃうというか。普通は5Rマッチでああいう試合はやろうと思わないし、それをやっちゃうというのは何かぶっ飛んでる新しいタイプですよね」

――敗れた方のオマリーについても一言いただけますか。

「あと僕の中でオマリーとコナー・マクレガーを重ねていて、マクレガーもここで負けるだろうと思われている試合で勝ち続けて、オマリーもそういうキャリアだったと思うんですよ。マクレガーはネイト・ディアスに負けてライト級に上げてタイトルを獲っていますけど、最後はハビブ・ヌルマゴメドフにやられて、それからスーパーファイトを中心にやっていくスーパースター路線に行ったじゃないですか。じゃあオマリーはここで負けて、これからどうなっていくのかなと。そこにも凄く注目しています」

――さてマラブの次の挑戦者にとしてウマル・ヌルマゴメドフが噂されています。

「そこは僕、すごく楽しみなんですよ。ウマルもレスリング力があるから、そこでも勝負もできるし、打撃という部分ではウマルの方が上だと思うんですよね。だから打撃+レスリング力でどこまでマラブに対抗できるのかっていうところですよね」

――前回水垣さんにウマル・ヌルマゴメドフ×コリー・サンドハーゲンを解説していただきましたが、マラブよりもウマルの方が技の引き出しは多い印象です。

「例えばウマルが一回・一発のテイクダウン勝負で負けたとしても、そこからのスクランブル勝負で後ろに回るとか、下からでも組み勝つみたいなものを見せてくれたら面白いなと思います。何度か言っているようにマラブが立たせるタイプなので、仮にマラブに3回テイクダウンされても立ち続けて、逆にウマルがテイクダウンもしくはスクランブルで上を取ってキープする。それをしつこくやれば、ウマルも強いと思います。あとはクリーンテイクダウンできなくても、スタンドバックの攻防に持っていければ、ウマルがマラブにヒザをつけさせて殴って、もう一回立って打撃をやるとか、そういうことが出来れば、ウマルにもチャンスが出てくると思いますね。この試合はぜひ実現させてほしいです!」

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45 AB F1 MMA o ONE UFC   アルマン・ツァルキャン イリー・プロハースカ コナー・マクレガー ダスティン・ポイエー マイケル・チャンドラー

マイケル・チャンドラーがコナー・マクレガー戦を断念、11.16『UFC 309』でチャールズ・オリヴェイラと3年半ぶりの再戦

プロパー No.12 (ナンバー・トゥエルブ) 700ml 40度 並行品 Proper No. Twelve ブレンデッド アイリッシュ ウイスキー UFC コナー・マクレガー プロデュース Conor McGregor 洋酒 ナンバー・トゥエルヴ


6.29『UFC 303』コナー・マクレガー負傷欠場によりメインイベントがアレックス・ペレイラ vs. イリー・プロハースカ2に変更(2024年06月14日)

 こちらの続報。


 デイナ・ホワイトが「マイケル・チャンドラーはもう(コナー・マクレガーを)待つのを止めた。試合がしたいと言っている」とコメント。


 これに対しマクレガーは「チャンドラーは怖気づいた。小さなデブだ。今夜はフロリダでBKFCの大会がある。俺に新しい日程を教えろ!」とコメント。


 その後、11月16日にニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで開催する『UFC 309』でチャールズ・オリヴェイラ vs. マイケル・チャンドラーのライト級マッチが行われることを確認したとのこと。メインイベントではありませんが5ラウンドマッチで行われます。

 オリヴェイラは4月の『UFC 300: Pereira vs. Hill』でアルマン・ツァルキャンに判定負けして以来の試合。現在UFCライト級ランキング2位。

 チャンドラーは2022年11月の『UFC 281: Adesanya vs. Pereira』でダスティン・ポイエーに3Rリアネイキッドチョークで敗れて以来2年ぶりの試合。現在UFCライト級ランキング6位。

 両者は2021年5月の『UFC 262: Oliveira vs. Chandler』で対戦しており、この時はオリヴェイラが2R TKO勝ちしています。続きを読む・・・
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【UFC306】展望  チケット代250万円!! 史上最強のワンオフ大会メイン=世界バンタム級選手権試合を読む

【写真】これぞ、どちらが自分を通し切る我儘さを貫けるか──という一戦だ (C)MMAPLANET & Zuffa/UFC

14日(土・現地時間)、ラスベガス近郊のパラダイスにあるスフィアにて、NOCHE UFC 306が行われる。昨年9月にオープンしたばかり、世界中で話題の地球上最大の球形建造物におけるUFCの記念すべき初興行のメインを飾るのは、王者ショーン・オマリーに、ランキング1位のマラブ・デヴァリシビリが挑戦するバンタム級タイトルマッチだ。
Text by Isamu Horiuchi

ラスベガスに出現した巨大な輝く地球儀の如きアリーナ=スフィアは、NYのマジソン・スクエア・ガーデン社により、合計23億ドル(3200億円以上)という桁外れの建築費をかけて作られたエンターテインメント施設だ。建物の外壁、内壁ともに最高解像度の巨大LEDスクリーンが全面に張り巡らされている。


前代未聞の興行のメインイベンターとしてUFCが選んだのが、バンタム級王者のショーン・オマリー

常に何らかの形でライトアップされているその姿は、外から見ても壮観極まりない。昨年11月に実に41年振りに行われたF1ラスベガスGPでは、F1のオーナー企業であるリバティ・メディアはストリートコースが、スフィアが所有する土地を使用するためにレース期間中はこの奇抜な建築物に使用料を支払い、その間スフィアは閉館していたという逸話を持つ。F1ファンなら記憶に残っているだろうが、世界最速マシンが走るワキをこの球体上の建物は常に同GPのスポンサーの映像を流し続けていた。

さらに20000人収容可能なアリーナ内部においては、全視界を覆うスクリーンによる視覚効果だけでなく、あらゆる場所に響き渡る最高品質の音響システムと、風や香り、はたまた触覚までも刺激する4D技術を駆使した演出が可能で、誰もが人生で味わったことがないような「没入型」の体験が提供されるとのことだ。

そんな斬新すぎる巨大アリーナにおける初のプロスポーツ興行として、世界のエンターテインメント業界から注目を集めている今大会。ダナ・ホワイト代表の力の入れようも尋常ではない。サウジアラビアのリヤドで毎年開催される世界最大級の観光アトラクション「リヤド・シーズン」を開催する総合エンタータインメント庁をパートナーに得て、2000万ドル(約28億円)以上の金額を演出に注ぎ込んだという。

「これは一度きりのイベントだ。もう二度とないよ。ここでスポーツイベントを敢行した者は存在しない。私は今まで誰もやったことがないことを成し遂げたいんだ。不可能だと言われているけど、だからこそ最高に魅力的だ。そもそもスフィアは映画やコンサート用のシアターであり、我々が普段使っている照明設備も使えない。(スフィア初イベントとして行われた)U2のコンサートより、はるかに複雑な照明を使うことになる(※ちなみにU2のこけら落としライブは9月29日を皮切りに週に2、3回の頻度で2月まで実施されたが、F1ウィークの前後は11月4日から12月11日まで休演となっていた)」

昨年もメキシコ独立記念日に合わせて、ベガスのT-MobileアリーナでNOCHE UFC(ノーチェは古くからあるスペイン語で「夜」の意味。つまり「UFCナイト」といったところか)を開催したUFCだが、今回の大会の正式名称は「リヤド・シーズン・ノーチェUFC」となる。

「この大会は、メキシコのファイトカルチャーに向けた私からのラブレターさ」ともホワイト代表は語っている。選手たちも特殊効果の撮影に駆り出されているようで、照明設備や壁全面を覆うスクリーンがどう用いられるのか、入場シーン等で果たしていかなるスペクタクルが展開されるのか、それだけでも見逃せない注目のイベントとなっている。

チケットの最高価格は約250万円、一番安価の席でも約32万円という超高額の設定で販売開始したチケットはさすがに即完売とはいかず、変動価格制によって現在チケット代は半額ほどに下がっている。ゲート収入の見込みも大幅に下方修正され、演出費を賄うのがやっとの2100万ドルあたりを予想しているという(もっともこの数字でも、これまでの最高ゲート収入──UFC 205における1770万ドル──を大きく上回ってはいる)。素人目には果たして採算が取れるのかと心配になってしまうが、プロスポーツの枠を超越したイベントを開くことで新たなファンの獲得も期待され、長期的に考えれば大きな利益につながるという算段のようだ。

この前代未聞の興行のメインイベンターとしてUFCが選んだのが、バンタム級王者のショーン・オマリーだ。2017年のコンテンダーシリーズ2にて衝撃的なKO勝ちを収めてUFCとの契約を得て以来──薬物検査失格による2年のブランクはあったものの──順調にKO勝ちを重ねてボーナスの山を積み上げスターダムに駆け上がった。

2022年10月のアブダビ大会において元王者ピョートル・ヤンとの大激闘を判定2-1で制したオマリーは、昨年8月には長期政権を築いていた王者アルジャメイン・ステーリングとの大一番へ。

(C)Zuffa/UFC

2R、ステーリングのテイクダウンを巧みに凌ぐと強引に前に出てきた王者に対して、下がりながら完璧なタイミングの右ストレート一閃。

倒れ込んだステーリングに鉄槌とパウンドの追撃を浴びせ、鮮烈なTKO勝利をもって戴冠を果たした。そして今年3月の初防衛戦の相手には、UFCで唯一敗戦を喫しているチートことマルロン・ヴェラを指名。

(C)Zufffa/UFC

5ラウンドを通して打撃で一方的に試合を支配して判定3-0で完勝し、コナー・マクレガー以来のスーパースターへの道を着実に歩んでいる。

対するマラブ・デヴァリシビリは、ここまで10連勝中。底知れぬスタミナを武器にテイクダウンを仕掛け続け、相手が何度立ち上がろうと前に出て組み伏せ続ける、他には真似のできない戦い方を身上とする。2年前、ベガスのシンジケートMMAにて修行中の朝倉海と出会って意気投合したことで、朝倉のYouTube動画を通してその親しみやすい性格を知るファンも多いだろう。

デヴァリシビリは長いことトップコンテンダーの座にありながらも、チームメイトのステーリングが王座に君臨してきたためタイトル挑戦表明をせずにいた。英語を母国語としないジョージア共和国出身ということもあり、白星を重ねながらもなかなか北米のカジュアルファン層から注目を集められずにいた。

実は本人はUFCで初勝利を挙げた6年前からオマリーとの対戦希望を口にしていたが、オマリーは一切反応せず。昨年5月には、ステーリングと睨み合うオマリーのジャケットを背後から取り、自ら着用してケージに登ってアピールするという直接行動に出たデヴァリシビリ。

が、それでもオマリーは「なんとも馬鹿げた行動だよな。あの時俺は、どこかの従業員がこっちの上着を脱がしてくれているのかと思ったから、そのまま渡したんだよ。あれがマラブだったなんて気付きもしなかった。まあ、奴はこれでファンに少しは知られるようになったかもな。俺のジャケットを着ることができた人間という、ただそれだけの理由でね」とまるで相手にしなかった。

オマリー戴冠=ステーリング陥落により、ついにチャンスが巡ってきたかに見えたデヴァリシビリだが、新王者は話題性と自分のリベンジを優先し、ヴェラを初防衛戦の相手に指名した。その先にはフェザー級王者のイリア・トプリアとの対決を希望し「まあマラブのように注目度の低い選手の優先度は、どうしても低くなるよな」と語っていたオマリー。

(C)Zuffa/UFC

が、デヴァリシビリが今年2月にヘンリー・セフードに完勝し流れは変わった。

この試合結果を受けて、オマリーは自らのYouTubeチャンネルにて「俺はみんながイリア戦を望んでいると思っていたんだ。でもファンは『お前はマラブから逃げている』とか『次はマラブと戦うべきだろ』とかうるさく言ってくる。いいだろう、次はマラブだ。チートを倒したらね。KOしてやるよ。奴の動きは雑だ。対して俺は正確無比。奴には速すぎるし鋭すぎる。失神させてやる」と宣言した。

そして翌月オマリーは予告通りヴェラに完勝し、今回のスーパーイベントでの両者のタイトルマッチが決定したのだった。圧倒的な人気を誇るオマリーに先を越されてしまっていたデヴァリシビリだが、ひたすら勝ち続けることで説得力を得てファンの声を動かし、ついに実力で挑戦権を勝ち取った形だ。

UFC最大のスターである現王者オマリーと、自他ともに認める最強挑戦者デヴァリシビリによる頂上決戦となるこの一戦。自らを「スナイパー(狙撃手)」と呼ぶ王者オマリーは、卓越したタイミングで瞬時に相手の顎を撃ち抜く左右の拳を持つ。対するデヴァリシビリは、常に前に出て手を出してはテイクダウンを仕掛ける恐るべきハイペースの戦いを、5R完遂してしまう底無しの体力の持ち主だ。

つまりこの試合の戦いの構図は、先々月のエドワーズ対モハメッドのウェルター級タイトル戦、先月のデュプレッシー対アデサニャのミドル級タイトル戦と同様──圧をかけ間合いを潰しグラップリングに持ち込みたい総合格闘家と、フットワークと打撃を駆使してその圧力を無効化したいストライカーによる凌ぎ合いということになる。

上述の二戦ではいずれも圧力をかけて組みに持ち込んだ側が勝利しているが、だからと言って必ずしも今回デヴァリシビリが有利ということにはならない。たとえば先日モハメッドは、巧みなスイッチと打撃を用いてエドワーズを金網側に追いやり、逃げ場を塞いでからテイクダウンを決めてみせた。しかし──同様に打撃を駆使して組みに持ち込むタイプではあっても──デヴァリシビリの戦い方はまた異なるものだ。

常にオーソドックスから思い切り良く踏み込んでパンチを放ってゆくデヴァリシビリ。打撃勝負上等の姿勢を見せておいて、その距離から上体を下げて(レベルチェンジして)シングルを取りにゆく。あるいはワンツー等で踏み込んだその勢いのままレベルチェンジして組みにゆく。

つまり、先日のモハメッドのように打撃で圧をかけ相手の逃げ場を封じてからテイクダウンに行くのではなく、デヴァリシビリはテイクダウンをまるで打撃のコンビネーションの一部であるかの如く放つ。そして、何回振り解かれようがそれを続け、やがて相手を呑み込んでしまうのが真骨頂だ。

無敵のデヴァリシビリ・スタイルがオマリー相手には命取りになる?!

(C)Zuffa/UFC

昨年3月のピョートル・ヤン戦では、5R中に何と48回テイクダウンに入るという前人未到のUFC記録を達成。

その上で判定3-0完勝している。

(C)Zuffa/UFC

これまで、このデヴァリシビリの「打撃の如くテイクダウンを放ち続ける」戦い方を止めることができた者は一人として存在しない。

上述のヤンやセフード以外にもジョゼ・アルドという元UFC世界チャンピオンが達がことごとくその軍門に下っている

しかし、まさにこのスタイルがオマリー相手には命取りになるのでは、という見方も成り立つ。たとえば同じバンタム級トップコンテンダーのコリー・サンドハーゲンは、この試合について「マラブは距離を詰めるのがすごく上手いわけではないよね。特に試合やラウンドの序盤はそうだ。それは本当にマズいことだと思う。なぜなら、ショーン・オマリーは距離を保つことにおいてベストの一人だから。同時に、相手が自分に距離に入って来ようとしたところで、酷い目に合わせることにおいても彼はベストだ」とオマリー有利を予想している。

オマリーのヘッドコーチのティム・ ウェルチも「マラブのように足を残してバランスを崩した状態で振り回してくる相手をKOするのは、ショーンには難しいことではないよ」と語っている。

実際、昨年8月にオマリーがステーリングを仕留めたのは、2R、打撃を放つステーリングが──デヴァリシビリがよくやるように──強引に体を伸ばして前に出てきた瞬間だった。卓越した距離感とタイミング、一撃必殺の左右の拳を持つスナイパー=オマリーが「まあマラブがレスリングで戦おうとしてこようが、打撃で戦おうとしてこようがどっちでもいいよ。早いうちに奴の顎を捕らえるよ」と自信を覗かせるのには確固たる根拠があるのだ。

が、その試合をステーリングのセコンドとして目の当たりにしたデヴァリシビリもまた、「オマリーは優れたフットワークとスピードの持ち主で、下がりながらのカウンターも打てて確かに危険だ。でも僕がやるべきはオマリーではなく、自分であることに集中すること。奴が勝つには僕をKOする必要がある。それさえ起きなければこの試合はこっちのものだ。スタミナには自信があるし、パンチもテイクダウンもある。防がれても構わない。今までいくらでも経験済みだ。殴られてもいい。僕はそれで目覚めるだけだ。今まで誰にもKOされたことがない。奴をブレイクする(心身を打ち砕く)よ」と揺るぎない自信を見せている。

他の追従を許さないスピードとフットワークに加え、体の微妙な動きを用いたフェイントの精妙さも天下一品、そして侵入者はたちまち撃ち落としてしまうオマリーの制空圏。そこにノンストップ・カーディオモンスターのデヴァリシビリがいかに侵入し、突破を試みるのか。一瞬たりとも見逃せない。

■視聴方法(予定)
9月15日(日・日本時間)
午前8時30分~UFC FIGHT PASS
午後11時~PPV
午前8時00分~U-NEXT

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【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:7月 エドワーズ×モハメッド「モハメッドの良さを伝えたい」

【写真】決して派手なスタイルではない。だからこそモハメッドの試合にはMMAの奥深さが詰まっている(C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。
Text by Takumi Nakamura

大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾、良太郎というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は水垣偉弥氏が選んだ2024年7月の一番──7月27日に行われたUFC 304「Edwards vs Muhammad 2」のレオン・エドワーズ×ベラル・モハメッドについて語ろう。


――7月の一番として、レオン・エドワーズ×ベラル・モハメッドのUFC世界ウェルター級選手権試合を選んでもらいました。この試合を選んだ理由を教えてもらえますか。

「僕はモハメッドの地味強感が好きというか、彼はフィジカル的にすごく優れているわけでもないし、リーチが長かったり、なにか特徴があるわけでもない。バックボーンはレスリングですが、決してエリートレスラーというわけでもなくて、そういう選手がMMAファイターとしてUFCのトップ戦線で戦っている。しかもフィニッシュするのではなくて、5Rフルに使って戦って勝つというのが非常に僕好みですね。

今回はエドワーズ相手にモハメッドの良さがすごく出ていて、こういう試合をみなさんに伝えられたらなと思って選びました。おそらくもっと派手な試合、例えばエドワーズのKO勝ちを期待したファンの方も多いと思うんですけど、僕的には見たいものを見ることが出来た試合です」

――この取材前にモハメッドのプロフィールを調べたら、モハメッドは高校時代にレスリングをやっていたくらいの経歴なんですよね。それで開始早々にモハメッドがテイクダウンするという展開でスタートしました。

「まずそこがすごく驚きました。エドワーズのここ数戦を見て カマル・ウスマンやコルビー・コヴィントンといったテイクダウンが強い相手に対して(エドワーズは)はほとんどテイクダウンを許してないんですよ。そのエドワーズ相手にモハメッドは開始早々テイクダウンをとってるんですよね。その作り方もすごく上手いですし、この最初のテイクダウンが活きて、その後のラウンドも有利に試合を進めていくので、試合の作り方の上手さも感じました。

もちろん1個1個の格闘技の技術もバランスよく使うものは持ってるんですけど、それ意外の部分での試合巧者というか、相手の心理を読むというか。そういう心理戦がすごい上手いんじゃないかなと思います。それがまさに最初のテイクダウンで、あれはほぼファーストコンタクトに近いようなタイミングでのタックルでしたが、おそらくエドワーズはああいうタックルはが来るとは思っていなかったと思います」

――結果的に最初にモハメッドがテイクダウンを取ったことで、エドワーズはモハメッドのテイクダウンを警戒せざるをえなくなりましたよね。逆にモハメッドはテイクダウンだけでなく打撃でもいけると踏んだと思いますし、まさにあの一発目のテイクダウンが25分間の試合の流れを決めたと思います。

「そうなんですよ。エドワーズはいきなり予想外のタックルに入られて、焦ってテイクダウンを取られてしまった。 それで打撃・スタンド勝負でも、モハメッドは楽になったと思うんですよね。それで1Rの終わりぐらいにモハメッドが打撃をまとめるシーンがあるんですよ。あれはおそらくエドワーズがテイクダウンを警戒して自分の打撃ができなかったところに、モハメッドがパンチを当てて、明らかにエドワーズが嫌がったんです。

ここでモハメッドは打撃で攻めるんじゃなくて、もう一回タックルに入るんですよ。で、そこでもまた1発でテイクダウンを決めました。そういった試合運びの巧さというかクレバーさ。フィッシュを狙うファイターであれば、打撃であそこまで行けたら そのまま打撃で行くと思うんですよね。でもそこで自分がやることを明確にして、打撃からテイクダウンに切り替えることが出来る。相手が打撃を嫌がって意識が上に行ったら、タックルに行くという。そこをパっと切り替えられることの凄さですよね」

――またモハメッドは上(打撃)と下(テイクダウン)の散らしが絶妙ですよね。

「僕もモハメッドのテイクダウンの何がいいのかを考えて、僕は理由が2つあると思うんですよ。まず1つは位置取りですよね。モハメッドはたまにスイッチを使いながら、 ナチュラルに相手にケージを背負わせるんですよ。それで相手のバックステップを殺しておいて、パンチかタックルの2択にして、パンチを散らしてタックルって入っていますよね。あともう1つは左手=前手の使い方がすごく上手いです。ジャブだけじゃなく、アッパーも打ったり、左のパンチを散らすことができる。その2つの要素がモハメッドの試合の作りにすごく関係している気がします」

――エドワーズからすると知らないうちにケージに詰められていて、打撃を散らされてテイクダウンに入られていたわけですね。

「おそらく打撃の1発はそんなにないと思うんですよね。いざ打てば強いかもしれないですけど、そういう打ち方をしていない。相手としては(モハメッドのパンチを受けて)これなら大丈夫かなと自然にステップしていたら、いつの間にかケージを背負っていって『あっ!』と思った時には、目の前で左のパンチを散らされている。今度はそれを鬱陶しいなと思ったら、タックルに入られているみたいな。そういう作りが完成されている気がします」

――技術的なところで言えば、股下で腕をクラッチして相手を持ち上げるテイクダウンが目立っていました。

「僕はあれをクレイ・グイダ・スローと呼んでいるんですよ。クレイ・グイダがネイト・ディアスを投げた時の技があれだったので(笑)」

――確かにクレイ・グイダがやっているイメージがあります(笑)。

「ハイクロッチから股下でクラッチして持ち上げる技なんですけど、あれはサクラバアームロック(キムラロック)を取られた時のカウンターでやると有効なんですよね」

――モハメッドはバックを取った時でも、すぐに両足フックせずにレスリング的なコントロールで上手く時間を使っていました。

「時間の使い方もすごい上手いですよね。バックキープはしつつも、あまりそこには固執せず。下になったシーンもありましたけど、基本的にはもう1回上を取りに行っている。あの辺りのポジションコントロールも、いい意味でフィニッシュにこだわりすぎていない。 本人もインタビューで言っているように、ドミネイトして制圧して強さを見せることが好きなんでしょうね。僕もそういう戦い方は好きですね」

――しかもそういった試合運びをエドワーズにやったことがすごいと思います。

「エドワーズはウスマンやコビントンのテイクダウンを切って、逆にテイクダウンするぐらいの選手なので、このレスリング力で、あの打撃があったら、なかなか崩せる選手はいないだろうなと思っていたところで、モハメッドが開始早々にテイクダウンを取って。モハメッドがMMAというものを見せてくれた感じがして、すごくよかったです」

――年齢的にも36歳での王座戴冠でした。

「階級がウェルター級なので、軽量級よりも多少は競技寿命が長いと思うのですが、身体能力に頼った戦い方ではないですよね。反射神経や瞬発力に頼らず、試合運びや駆け引きを武器として戦ってる選手なので、基本的な技術プラス試合作りが上手いですよね。その試合作りで言うと、3Rにエドワーズにバックを取られた時点で、僕はモハメッドがラウンドを捨てたような印象があるんですよ。このラウンドを取られてもいいから、体力回復にあてよう、みたいな。だから僕は5Rこそモハメッドの良さが出る気がしています」

――ポイントを計算できるからこそ、そういった戦い方もできる、と。

「3Rも最初はモハメッドが攻めに行って、スクランブルの攻防でバックを取られちゃって、その瞬間に、フィニッシュさえされなければいいやと思ったんじゃないのかなと。僕は見ていてそう感じていて、そういったラウンドを捨てる潔さもいいなと思いました。

例えなハビブ(・ヌルマゴメドフ)の過去の試合を見てみると、試合中に休むんですよね。1・2Rを明確に取ったら3Rは休む、みたいな。ただハビブの場合はポジションを許して休むのではなくて、攻めのテンションを一旦落ち着けて休むみたいな戦法で。モハメッドの場合は先に攻めたんだけど、守勢に回る展開になって、そこで休むことを選択したように見えました。そこでの切り替えの良さというか、すごくクレバーだなと思いましたね」

――なるほど。3Rはサブミッションさえ凌いで休めればいいという判断だったんですね。

「僕はそう思いました。バックを取られて相手に首を絞められたり、うつ伏せで潰されてしまうとダメですが、モハメッドのようにエドワーズを下にして、自分が天井を見ているような状態でバックを取られている分には強い打撃をもらうことはないと思うんです。

だからダメージもそんなに受けないし、サブミッションだけ気をつけていれば意外に疲れないのかなと。もちろん寝技が超一流の相手にバックを許して休むのは危険ですけど、エドワーズからはそういった危険を感じなかったと思うんですよね。だから一本を取られないようにディフェンスして、休もうという感覚もあったのではないかと思います」

――少し話題はずれますが5Rにモハマッドがバックを取っていて、最後の最後にエドワーズが正対して肘で流血させたじゃないですか。ああいう展開でエドワーズにポイントが入ることもありえそうですね。

「それはあると思います、ダメージ重視の視点でいくと」

――バックを取られて相手に攻めさせないで守るというのも戦法の一つとしてありえるのかなと思いました。

「自分と相手の技量を比べて極められない自信があって、ポイント的にもリードしているという、非常に限定されたシチュエーションにはなりますけど、5Rマッチであればそういう選択もありなのかもしれません。

もちろんモハメッドがバックを取られた状態から粘るのが得意だったのかもしれないし、その辺も含めて自分が持ってる引き出しと使い方、それを完全に熟知して戦っていると思います。ずば抜けて特別なものを持った選手ではないけれど、自分が持っている引き出しをどう使えばいいかを分かっている。だから勝つ。そういう選手なんだと思います。僕もそういう戦い方をしたかったので、モハメッドにはすごく惹かれますね」

――今のUFCチャンピオンの顔ぶれを見ると、また新たな個性を持ったチャンピオンが誕生しましたよね。

「ぶっちゃけ人気は出ないと思うんですよ(笑)。PPVが売れなくて、ダナ・ホワイトがキレる姿を想像しちゃいますけど、間違いなく通好みの選手ではあるので。MMA好きはチェックすべき試合、選手だと思います」

――確かに派手さはないかもしれませんが、例えば選手サイドからすると参考になる点が多い選手かもしれませんね。

「この企画でも以前話したことですが、教科書にしていい選手としちゃいけない選手がいて、ショーン・オマリートやコナー・マクレガーを真似するのは相当難しいと思うんです。そういう選手に憧れる気持ちは分かりますが、僕のような凡人が(笑)憧れる選手、見本とする選手は今回のムハマッドだったり、僕は結構ベンソン・ヘンダーソン戦い方が好きだったんですけど、そういう真似できる可能性がある選手を見るべきだと思いますね」

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【Special】アジアの猛者たち─02─パク・シウォン「Global Tで優勝すればRIZIN王座奪取は朝飯前」

【写真】2002年4月4日、ソウル生まれでコヤン市イルサン育ちのパク・シウォン(C)MMAPLANET

UFC、RIZIN、北米フィーダーショー、日本のプロモーションと世界中のMMAを見渡してアジア勢が台頭しつつある。もちろん、アジアといっても広い。その勢いの中心は東アジアではなく、中央アジアだということも百も承知だ。MMAPLANETでは6月から日本人ファイターと肌を合わせた経験がある──あるいは今後その可能性が高いアジアのファイター達にインタビューを続けてきた。

題して「アジアの猛者たち」──第2弾は韓国からパク・シウォンのインタビューをお届けしたい。
Text by Manabu Takashima

8月31日(土・現地時間)に韓国はウォンジュのウォンジュ総合体育館で開催されるRoad FC69で戦いの火蓋が切って落とされるGlobal Tournament。昨年は負傷欠場したRoad FCライト級最強の男、パク・シウォンが今年は出場を果たす。

22歳、キャリア6勝0敗のパク・シウォンは中央アジア、ロシア、ブラジル人ファイターが参戦する同トーナメントを経験の積む場――ワールドクラスのファイターに成長を遂げるステージとしている。そしてRIZINと協力関係のあるRoad FCのトップファイターは「日本の格闘技文化に惚れた」と言いつつ、「このトーナメントで優勝すれば、RIZINライト級王座を取るのは朝飯前」と断言した。


韓国でこれだけのメンバーが集まる大会は他にない

――キャリア6勝0敗、底知れぬポテンシャルを感じさせるパク・シウォン選手です。長期離脱前に「K-MMAの青木真也だ」と韓国の格闘技記者から聞いた時から、インタビューをさせていただきたいと思っていました。

「ありがとうございます(笑)」

――初めて対面させてもらったのですが、物凄く大きいですね。ウェルター級やミドル級に感じるほどです。

「身長が186センチか187センチあるので。そういう風に見えるんだと思います。ただリーチはそれほどでなくて、身長と同じぐらいなんです」

――とはいえ190センチ近くてライト級……。それはアドバンテージになりますね。そんなパク・シウォン選手ですが、いつぐらいからMMAに興味を持つようになったのですか。

「14歳の時にMMAを見始めて、15歳になって試合に出たくなり練習を始めました。UFCのジョゼ・アルド×コナー・マクレガーに夢中になり、Road FCのチュモギンダ(拳が鳴る)というリアリティTVショーを視て、自分もやろうと思ったんです。

イルサンにチームMAXというジムがあり、そこに入門してプロデビューをしたのもチームMAX時代です」

――それまでに格闘技の練習をした経験は?

「柔道を町道場で半年ほどやっていたぐらいです。実はMMAの練習をしたくて親に話すと許してもらえず、柔道なら良いということなので仕方なく習うようになったんです。でも半年ぐらい経ってMMAのジムに通うことを認めてもらえて、柔道は辞めました。だから格闘技歴はほぼMMAだけです」

――中学生がMMAの練習をする。どのような内容だったのでしょうか。

「Road FCのフライ級王者だったソン・ミンジョン選手がやっていたMMAのプロ練習にいきなり参加していました。当時から身長は180センチを超えていて、体重は60キロぐらいしかなかったのですが……。まぁ毎日、しこたま殴られましたね(笑)。もちろん、本気じゃないです。でも自分がMMAの手ほどきを受けたのは、間違いなくソン・ミンジョン選手からです」

――根性ファイトが信条のファイターでした。

「メチャクチャ腹が据わっていました。ただ下の人間には本当に優しくて、今でも尊敬している先生であり人物です。自分の人生のなかでも、最も誠実な人です。チームMAXで練習をしていたのは3年ほどでしたが、あの時に鍛えられたことで、今の自分がいると思っています」

――チームMAXを離れてからは、どのように練習をしてきたのでしょうか。

「チームMAXで練習を始めて2年4カ月後にプロデビューをしました。そこからチーム・スタンガンに移り、2年ほどしてフリーになり、2022年7月のパク・スンモ選手と戦う前からカウボーイMMAに合流しました。

カウボーイMMAからコーチが離れ、ダイヤMMAを立ち上げて今に至る感じです」

――デビューから2年目にコロナ・パンデミックが起り、練習も試合も大変な時期を経験したかと思います。もともとRoad FCでキャリアを積もうと考えていたのですか。

「それこそコロナの時にARCというRoad FCが行なっていた大会で戦っていたので、Road FCと契約をした形です。あの時は実はチームメイトが欠場し、代役出場だったんです。まだ19歳でしたが、長期契約を結ぶことでMMAを戦って収入を得ることができるからRoad FCで戦うことを決めました」

――今もデビューした時にサインした契約下で戦っているのですか。

「いえ、今年になって契約を更新しました。結果、2022年12月に巻いたベルトを返上して、今回のトーナメントで再びベルトを目指すことになったんです」

――タイトルは返上したのですか!!

「Road FCはチャンピオン制からグランプリ制に移行しました。結果としてRoad FCライト級最後のチャンピオンをいう肩書を持てるようになりました」

――コロナ後、Road FCから離れRoad to UFCで戦うチャンピオンやBlack Combatに移る選手も出てきましたが、パク・シウォン選手はRoad FCに継続参戦を決めたということですね。

「色々な選択肢がありました。そのなかでRoad FCが提示してくれた条件は非常に満足がいくものでした。同時にチャンピオンは適正な挑戦者が現れるのを待たないといけないのですが、トーナメントは勝てば確実に3試合が戦えます。

自分はまだまだ経験が浅いファイターです。もっと試合をしないといけないですし、Road FCが海外の強豪をトーナメントに出場させると約束をしてくれたので。それもあってRoad FCで戦うことに満足しています。

昨年のトーナメント優勝のアルトゥル・ソロヴィエフ、UAEWのライト級王者アレックス・ダ・シウバ。それにBRAVE CFでライト級王座挑戦経験のあるカミル・マゴメドフ。修斗のキャプテン☆アフリカ選手も出場します。韓国でこれだけのメンバーが集まる大会は他にないです。こんな選手を呼んで大会を開く力があるのはRoad FCだけだと思います。なので、このトーナメントに出ないという選択はなかったです。

アジアより中央アジア、ロシア、ブラジル人と戦う経験がいずれは自分のキャリアに役立つと思っています。それが可能になるRoad FCで戦うことは今の自分に最適です」

日本の格闘技文化に惚れてしまいました(笑)

――単刀直入に伺いますが、Road FCは縛りが強い印象があるなかでRIZINとは協力関係にあります。RIZINで戦いたいという気持ちはありますか。

「4月にRIZINを観戦したのですが、日本の格闘技文化に惚れてしまいました(笑)。とにかくお客さんがファイターを尊敬してくれています。鈴木千裕選手が入場した時と勝った時のお客さんの反応が凄まじかったです。自分もああいう選手になりたいと素直に思いました。

同時に、あれだけ高額のチケット代を支払ってまでファンがMMAの試合を見ることは韓国では考えられないです。その事実を知った時は正直、ショックでした」

――今後はまずグローバルTに集中することになるかと思いますが、最短でいつ頃RIZINで戦いたいという希望を持っていますか。

「Road FCのチャンピオンだったのでRIZINで戦うチャンスは、あるはずです。でも今はトーナメントに集中しないといけない。トーナメントで優勝することしか考えていないです」

――今回のトーナメントで優勝をして、箔をつけてRIZINライト級に殴り込みという青写真を描くこともできますね。

「この厳しいトーナメントで優勝できれば、RIZINのライト級でチャンピオンになるのは朝飯前です。アハハハハハ」

――そのグローバル・ライト級トーナメントに向けて、日本のファンにパク・シウォンとはどういうMMAファイターかアピールしてもらえないでしょうか。

「いつでも相手を仕留めることができる。それが持ち味です。キックでもパンチでも、寝技でもフィニッシュできます。それにトラッシュトークも任せてください。力もあり、口も達者です(笑)。

ワールドクラスになるには全てが万能でないといけないです。まさにイスラム・マカチェフの試合を見てもレスリングも打撃も寝技も全てトップクラスです。自分はまだまだ足りないと感じています。これから、そこは勉強に行きます」

――ところでトラッシュトークも任せてくださいという言葉ありましたが、Road FCでは100秒のキックルールのような試合を組むようになりました。あの試合に関して、パク・シウォン選手はどのように感じていますか。

「格闘技としては『どうかな?』とは思っています。ただ、あの試合をフォローする人も多いですし、コア層以外にRoad FCを知ってもらうための宣伝としては良いかと。自分のやるべきことは、そうファンにMMAの方が面白いと思ってもらえるよう戦うことです」

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45 AB ABEMA K-1 MMA MMAPLANET o RIZIN SUPER RIZIN03 YouTube キック コナー・マクレガー チャンネル ボクシング 平本蓮 朝倉未来 海外

【SUPER RIZIN03】平本蓮 in アイルランド─02─「組み技をやるからこそ思う。やっぱり打撃は難しい」

【写真】組み技・MMAをやることによって、逆に打撃の奥深さに気づき、打撃技術を深く追求している(C)ABEMA

28日(日)、さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで行われる超RIZIN03で、平本蓮が朝倉未来と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

3月16日に朝倉との対戦が発表されたあと、平本はアイルランド・ダブリンへ渡り、コナー・マクレガーが所属すSBGアイルランドで約1カ月間の武者修行を行い、その密着動画がABEMA格闘チャンネルにて配信されている。

MMAPLANETではアイルランド滞在時の平本をキャッチし、マクレガーとの遭遇だけでなく、現地でのトレーニング内容について話を訊いていた。今回はインタビューの後編を公開。より深い打撃論について語ってくれた。

<平本蓮インタビュー Part.01はコチラから>


――全局面であらゆる打撃を使えるという意味ではMMAが平本選手に合っているかもしれませんね。

「組み技をやっているからこそ思うのが、やっぱり打撃は難しいんですよ。例えば空手の型をしっかりやって、それをミット打ちでできるようになって、対人で当てる練習をして、実際の試合で出す…そこまでが必要になりますからね。だからMMAを始めてからの方がキックの試合を見る回数が増えたんですよ。K-1時代はMMAの試合を見ても選手が何を狙っているか分からなくて、今は段々とそれが分かるようになってきたんですね。逆に今はキックの試合を見ても選手が何を狙っているか分からなくなってきて、そのくらい視点がMMA寄りになってるんです。だから自分のオリジナリティを出すために色んなスタイルにも挑戦しているし、毎回毎回スタイルを変えてやっています。今はそれをアイルランドでも模索しているところで、この作業は楽しいですね」

――しかもその作業・練習を海外でやるのもいいですね。

「海外に来て思ったのが、キックボクシングをやっている選手は頭がおかしいと思われてますよ(笑)」

(C)ABEMA

――そうなんですか!

「僕もK-1やキックをやっていたと言うと、あんなキツイことをやっていたのか!と驚かれます。頭がおかしいは言い過ぎだけど(笑)、普通はやらないことをやっているという部分でリスペクトされますね。確かに3分3R・パンチと蹴りだけでひたすら打ち合うのは過酷ですよ」

――以前、平本選手がMMAの練習を始めた当初にジムで会った時に「今思うとK-1ルールの練習はマジでキツイです」と言っていたのを思い出しました。

「自分も長く格闘技を続ける意味でも、レベルが高い相手とスパーリングするときは強度が強めのマスにして、お互いの技術を交換するくらいにしてるんですよ。双方にダメージを与えないように。技術があるもの同士のちょうどいい力感があるんで。でもそれって技術を伸ばすための練習にはなるんですけど、いざ試合になった時の倒しに行く練習にはならない。だから倒す気持ちでやる練習やスパーリングをやっておかないと、K-1時代の倒す感覚が薄れちゃうなと思いました。海外は選手がたくさんいるので、比較的そういうスパーリングが出来るんですけど、日本ではなかなか難しい部分があるので、打撃専門のジムに練習にいくかスパーリングパートナーを探そうかなと思っています」

――もちろんわざと怪我させたり、壊したりするようなことはしないと思いますが、そのギリギリのラインのスパーリングも必要ではあるということですね。

「スパーリングの強度や頻度は相手のことも考えないといけないし、相手と信頼関係があるからこそ出来ることだとは思いますけどね。多少こっちが攻めることが出来て、やられるリスクがない・色んな技を試すことができる、そういうスパーリングができる環境を整えたいです」

――いざ試合中に「倒しに行け!」と言われても、その経験や感覚がなかったら、何をやっていいか分からなくなりますよね。

「はい。だからアイルランドに来る前に岩﨑(達也)先生や大塚(隆史)さんと『強い選手ともスパーリングするし、余裕を持ってMMAが出来る相手や色んな相手と手を合わせてきます』と話していて。細かい対策は日本でチームを組んでやるので、アイルランドではそれ以外の練習・スパーリングを大事にしています。もちろん強い相手とスパーリングするとディフェンスの集中力が上がるので、ディフェンス技術は上がるんですよ。でもそれと攻める・倒す技術は別物なので。ちゃんと目的を持って取り組んでいきたいです」

――先ほどはマクレガーのチームの話もありましたが、トップ選手の中には強い・レベルが高い選手たちだけでチームを構成するのではなく、スパーリングや技の受け役になるようなメンバーを用意していることも多いですよね。

「そうなんですよ。ちょうどコナーのチームにも動きがガチガチに固くて『これで大丈夫?』みたいな選手がいたんですけど(笑)、おそらく目的に合わせてスパーリングパートナーを用意しているんだと思います」

――特に平本選手の場合はK-1からMMAに転向して、よりレスリング・組み技に時間を割くことが多くて、倒す感覚が鈍っていた部分はありますか。

「はい。あとは組みを覚えたことじゃなくて、スタンドだけじゃなくてパウンドとか、もっとトータル的に打撃を強化したいというか。いい意味でスタンドにこだわりすぎずに自由に打撃をやりたいと思います」

――練習環境や練習相手をどう整えるのかもセンスですよね。

「それについては大塚さんがそばにいることの安心感が強いです。大塚さんは本当にMMAのことを常に考えている人なんで。大塚さんはレスリング出身で、僕も目指すところは組みやグラップリングでも自分から攻める選手だから、そういう練習もやっているし、そこに中原(由貴)さんがいることも心強いです」

(C)ABEMA

――ここから試合まではどこを意識して練習いこうと考えていますか。

「とにかく自信を持って試合をやるために。アイルランドに来た理由もコナーに触れるのもそうですけど、強くなりたくて来たわけだから。努力した方が勝ちというわけじゃないし、勝った方が正義なんですけど、僕は悔いなくやりたい」

――平本選手は自分に必要だと思ったことはやらないと気が済まないタイプですか。

「そうなんですよ。試合前に不安になるのが嫌なんで、試合のためにやりたいことは全部やって試合を迎えたいと思っています。それで今の自分はいい意味で頑張っていないというか『俺、頑張ってます!』みたいな感じがないんですよ。誰かに見せるためじゃなくて、自分のためにやりきりたいから」

――以前、SNSで「練習動画を出すのは好きじゃない」ということも発信していました。

「僕は試合で一番カッコいい自分を見せたいし、そのためにはトレーニングと練習が必要だけど、それを試合以外で見せるのが嫌なんですよ。周りから『平本は練習を頑張っている』と思われるのも嫌だし、なんか同情してもらおうとしているみたいで好きじゃないです」

――多くの注目を集めている朝倉未来戦、どんな試合を見せたいですか。

「試合としては1Rでスパっと勝つのが理想ですけど、そう簡単にはいかないことも想定しています。最近はK-1時代の地力の強さをMMAで出せるようになってきたことが強みになっていて、技術だけじゃなくて身体能力も上げていきたいし、今まで見せてなかったスタイルを見せたいなと思っています。試合までに色んなスタイルを作って、当日を迎えるので楽しみにしていてください」


■視聴方法(予定)
7月28日(日)
午後2時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

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【SUPER RIZIN03】平本蓮がアイルランドで語ったこと ─01─「一瞬の打撃を自分のMMAに落とし込む」

【写真】アイルランドでの武者修行でコナー・マクレガーとの遭遇を果たした平本。アイルランドで平本は何を感じたのか(C)ABEMA

28日(日)、さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで行われる超RIZIN03で、平本蓮が朝倉未来と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

3月16日に朝倉との対戦が発表されたあと、平本はアイルランド・ダブリンへ渡り、コナー・マクレガーが所属すSBGアイルランドで約1カ月間の武者修行を行い、その密着動画がABEMA格闘チャンネルにて配信されている。

MMAPLANETではアイルランド滞在時の平本をキャッチし、マクレガーとの遭遇だけでなく、現地でのトレーニング内容について話を訊いていた。動画に合わせてMMAPLANETでもインタビューを公開。アイルランドで平本が何を感じ、そして帰国後にどんなトレーニングを続けて朝倉戦に備えているのか。ぜひ決戦を前に平本の言葉に耳を傾けていただきたい。


――今回コナー・マクレガーが所属するSBGアイルランドにて約2カ月間の武者修行を行うことになりました。いつかマクレガーがいるジムで練習したいという想いはあったのですか。

「行きたいと思っていても、実際に行けるとは思っていなかったので、最初は『本当に行けるの?』って感じでしたね。(マクレガーが所属する)SBGがどういうジムかも詳しく分かっていなくて、例えばメイウェザーのような位置にいる選手は、練習そのものをシークレットにしているイメージだったんです。コナーもそのスタイルだと思っていたので、こんな簡単にジムに来て練習するんだというのが驚きでした」

――僕もプライベートジムで限られたメンバーと練習しているイメージでした。

「おそらくマクレガーも個人のプライベートジムを持っていて、そことSBGを使い分けている感じですね」

――SBGそのものはどんな雰囲気だったのですか。

「SBGの会長のジョン・カヴァナが無茶苦茶いい人で、カヴァナのサポートが本当に手厚くて、大きな心配もなく練習に参加することが出来ました。大前提としてそれが大きかったです。僕が2021年に練習に行ったルーファスポーツのデューク・ルーファスとも仲がいいみたいで、コミュニケーションはとりやすかったです」

(C)ABEMA

――そしてマクレガーとの初対面ですが、あの時はどんな心境でしたか。

「ちょうど週末で疲れがたまっていて時差ボケもあったんですけど、練習中にコナーがジムに来て、一気に疲れが吹っ飛びました(笑)。そのくらいコナー本人が発するオーラとかパワーがすごかったです」

――その後はマクレガーがオーナーを務めるアイリッシュパブ=The Black Forgw Innでマクレガーと会話する一幕がありましたね。

「ジムで僕が練習しているところや僕のダイジェスト映像も見てくれて『パンチがいい。早いね』みたいな。朝倉未来とやることも知っていて、むちゃくちゃうれしかったです。そのあともコナーは自分のことを気にかけてくれて、ジムで一緒になった時も(怪我していた)目は大丈夫か?みたいに言ってもらいました」

――練習風景の動画を見ると他の選手たちに混じって練習する形だったんですね。

「そうですね。グラップリングの練習はみんなと同じ練習に参加してやっています。時期的にはちょうどコナーがマイケル・チャンドラー戦に向けたファイトキャンプに入るタイミングで(※マクレガーの怪我で試合は中止)、コナーの細かい練習内容に触れることはできなかったですが、朝倉未来戦が決まってコナーと同じジムで練習できるというのは刺激でしかないですね。モチベーションにしかならないです」

――ここからはSBGでの練習についても聞かせてください。

「コナーもそうだったんですけど、SBGの選手たちはみんなデカかったです。同じフェザー級の選手でも『本当に階級が一緒?』と思いました。ただ身体のデカさを感じる一方、それだけじゃないよなとも思って。例えばセルジオ(・ペティス)もデカいと言えばデカいですが、いざコンタクトしてみるとバンタム級の選手だなって感じなんです。パッチー・ミックスくらい規格外のデカさがあったら影響しそうですけど。組み技に関しては自分も色んなことを考えながらやってます」

――身体のサイズよりもコンタクトする感触が重要な部分でもあります。

「ルーファスポーツに行ったときの僕の組み技は素人に毛が生えたくらいのレベルだったので、今回は組み技の練習するのも楽しいですね。日本でグラップリングの練習をすると試合と同じように漬ける・削るスタイルの選手も多いですが、こっちの選手はどんどんトライする感じなんですよ。ドリルはドリル、テクニックはテクニックでやって、最後にスパーリングなんですけど、スパーリングではみんなどんどんトライするイメージでした。奇想天外な動きをしてくる選手もいるし、やっていて楽しいです」

(C)ABEMA

――打撃に関してはいかがでしたか。

「まず僕自身が原点に戻ったクラシカルなボクシングって言うんですかね、去年くらいからそういう練習を大事にしているんですよ。それでトレーナーが初めてミットを持ってくれた時に『俺は君みたいなオールドスクールの綺麗なボクシングが好きだ』と言ってくれて、それがうれしかったですね。MMAでは王道の綺麗なボクシングをする選手は少ないみたいで。ジムにいた全員の選手とスパーリングしたわけじゃないですけど、全体的な印象としてみんなキックボクシングが上手かったです。アメリカの選手はレスリングと打撃をミックスするんで、体を上下させたり小刻みに動く選手が多いですけど、SBGの選手たちはしっかり構えて蹴りも蹴って、という感じです」

――それこそイメージ的にはセルジオ・ペティスやルーファスポーツのスタイルをよりキックボクシング色を強くしたイメージですか。

「そうですね。僕はレスリングベースの選手の一番の強みは組んだ時のスタミナ、組んだ時に疲れないことだと思っているんですよ。レスリングで苦しい練習をやってきたからこその体力というか。だから僕もそこにしっかりと対応しつつ、あとはいかに相手にダメージを与えるか、意識を刈り取るか。そこを考えるようになってますね。急いでKOを狙うわけではなく、打撃を当てられるところで確実に削ってダメージを蓄積させていく、みたいな。そういう強さも見せたいかなと思います」

――相手を痛めつけるマインドが打撃には必要ですよね。

「どうしても組み技に自信がないと、一回(組みを)切ることに専念して、そこから打撃って感じだったんですね。でも今は組みが出来るようになってきたから、その際で打撃を入れられるポイントが分かってきたんですよね。で、そこでただ打撃を入れるだけじゃなくて確実に効かせる。そこに意識がいくようになってからはK-1時代に使っていた一瞬の打撃とか組み際・離れ際の打撃が使えるようになってきて。そこのスピードは自分も自信を持っているところなんで。そういう打撃をもっと磨いて、自分のMMAに落とし込むことが出来たら“化ける”んじゃないかなと思っています」

<この項、続く>


■視聴方法(予定)
7月28日(日)
午後2時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

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【UFC303】バンタム級の新鋭ペイトン・タルボット「安全なポイントゲームなんて、やりたくない」

【写真】スクショを撮る際に、5秒以上も目を剝いて待ってくれていたタルボット。実はいいヤツ (C)MMAPLANET

29日(土・現地時間)、米国ネヴァダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催されるUFC303「Pereira vs Prochazka 2」で、ペイトン・タルボットがヤニス・ゲムリと戦う。
Text by Manabu Takashima

2023年のコンテンダーシリーズでUFCと契約し、2試合連続でKO勝ちのタルボット。キャリアは8戦8勝、負け無しの新鋭は自らの一番の武器はペースだと言い切った。


MMAに求められるのは、アクションだから

――今週末にヤニス・ゲムリ戦を控えたペイトンです。調子はいかがですか(※取材は26日に行われた)。

「最高だよ。ヤニス・ゲムリとは良い顔合わせだと思う。殴り合って、エキサイティングなファイトをするよ」

──UFCで2度戦って2つのKO勝ち、判定勝ちだったコンテンダーシリーズのファイトも素晴らしいパフォーマンスでした。そんなペイトンのことを我々は、まだまだ分かっていないのですが、なぜMMAを始めたのですか。

「2017年、18歳の時にコナー・マクレガーの影響を受けて、試しにジムに行くようになった。すぐにマーシャルアーツに夢中になったよ。トレーニングをしていると、試合に出るようになって。そうなると、日に日にMMAへの想いが強くなっていった」

──MMAを始める前に格闘技の経験はあったのでしょうか。

「凄く小さな時にボクシングをやったことがあったけど、全然ダメで2カ月ほどで辞めてしまった。経験という経験があったのはレスリングだけで。レスリングはハイスクールを中心に4年ほどやっていた。けど、コレといって目立った戦績は残していない」

──それでもレスリングというベースがあったのですね。ファイトスタイルから、打撃系格闘技の経験の持ち主だと勝手に思っていました。

「う~ん、打撃が自分の一番の武器だとは思っていないよ」

──そうなのですか。

「僕の武器は体力だ。ハイペースで15分間、戦い続けることができる。結果、対戦相手は疲れて僕の打撃の餌食になるんだ」

──まさに現代MMAの申し子ですね。

「だって皆、それが見たいだろう? テイクダウンをされて、ガードの中に相手を入れて止まるなんて試合は誰も見たくないはずだ。MMAに求められるのは、アクションだから。それにケージのなかでは動きが多い方が、勝つ確率も高くなる。だから、常に動いてペースの速い試合を心掛けている」

──そして、フィニッシュを狙うのがコンテンダーシリーズ世代ですね。

「もちろん、フィニッシュを狙うのは当然だ。もともと、組んで倒してコントロールする試合なんか、好きじゃなかったし。そうやって勝つファイターがいることは分かっている。それはそれで構わないけど、そんなことがしたくてMMAを戦っているわけじゃないから。

結果的に僕は自分がやりたいことをするためにオクタゴンに上がっている。それこそが、コレをやって金を稼ぐのに相応しいファイトだと思っている。安全なポイントゲームなんて、やりたくない」

日本のアニメから受けた影響も絶大だよ

──それこそ、コナー・マクレガーに感化されてMMAを始めたペイトンらしいファイト・フィロソフィーですね。

「実際にMMAのトレーニングを始めてからも、コナーから受けた影響は大きい。あとはマックス・ホロウェイ、そしてネイト・ディアズ……でも、子供の頃に日本のアニメから受けた影響も絶大だよ(笑)。ドラゴンボールZに、幽遊白書からファイティング・スプリットとは何かを学んだんだ」

──なるほどぉ。では日本のMMAに興味を持ったことは?

「それは……余りないかなぁ。なんか、凄いステージがあって、ダンスをしたりしているのは受けたけど(笑)。ファイターでは、UFCとサインをしたばかりの……。そう、カイ・アサクラだ。彼のハイライトは見たよ。良い選手だよね」

──では同じバンタム級でUFCデビューを果たし、連勝中の中村倫也選手の印象を教えてください。

「う~ん、ちょっと分からないなぁ……。あのレスラーかい?」

──そうです、レスリングがベースです。

「まぁ、視界に入ってくれば気にかけるようにするよ」

──……押忍。では、土曜日に戦うゲムリの印象は?

「きっと、たくさん蹴ってくるだろうね。そしてカウンターの一発を狙って、我慢強く戦ってくるはずだ。ちょっとフラストレーションがたまる試合になるかもね。あの動きを僕のグルーブに誘い込むのは、ちょっと面倒くさいと思う。

ちょっと変な打撃だろう? なんか蹴りとパンチのコンビネーションがおかしいんだよ」

──確かに。構えも特徴的で。ただ、時折り力強いクリンチゲームも展開します。

「あんまり寝技の展開は見たことがないけど、上半身を固める組みを使うのは確かだ。でも、あんな風に固めてくるとスタミナを無駄にするだけだ。そこから先は、彼のやりたい試合にはならない。まぁ、何分間も相手をケージに押し込むようなヤツだよ。

だからこそ、動きまくって肉弾戦を皆に見てもらいたい。まだ僕のことを認識していないファンがいれば、きっと考え方が変わる試合になる。もう意識しないわけにはいかなくなるよ。しっかりと皆が喜ぶ試合をし続けるよ」

──その先に狙うは、タイトル挑戦と。

「そうだね、上手くいけば1年半後ぐらいにはトップに立っているだろう」

──ペイトン、今日はインタビューに時間を割いてくれてありがとうございました。最後に日本のファンに一言お願いします。

「ハイ。アリガトゴザイマス。オヤスミ」

■視聴方法(予定)
6月30日(日・日本時間)
午前7時分~UFC FIGHT PASS
午後11時~PPV
午前6時30分~U-NEXT

■ UFC303対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]アレックス・ポアタン・フェレイラ(ブラジル)
[挑戦者] イリー・プロハースカ(チェコ)

<ライト級/5分3R>
ブライアン・オルテガ(米国)
ディエゴ・ロピス(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
アンソニー・スミス(米国)
ロマン・デリツ(ジョージア)

<女子バンタム級/5分3R>
マイラ・ブエノ・シウバ(ブラジル)
メイシー・シェエソン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
イアン・ギャリー(アイルランド)
マイケル・ペイジ(英国)

<ミドル級/5分3R>
ジョー・パイファー(米国)
マフクアンドレ・バリユー(カナダ)

<フェザー級/5分3R
カブ・スワンソン(米国)
アンドレ・フィーリ(米国)

<フェザー級/5分3R>
シャルル・ジョーダン(カナダ)
ジアン・シウバ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
ペイトン・タルボット(米国)
ヤニス・ゲムリ(フランス)

<女子ストロー級/5分3R>
ミッシェレ・ウォーターソン・ゴメス(米国)
ジリアン・ロバートソン(カナダ)

<ヘビー級/5分3R>
アンドレイ・オルロフスキー(ベラルーシ)
マルティン・ブダイ(スロバキア)

<フライ級/5分3R>
カーロス・ヘルナンデス(米国)
鶴屋怜(日本)

<バンタム級/5分3R>
リッキー・シモン(米国)
ヴィニシウス・オリヴェイラ(ブラジル)

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6.29『UFC 303』ジャマール・ヒル負傷欠場によりアンソニー・スミスがカーロス・アルバーグと対戦

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6.29『UFC 303: McGregor vs. Chandler』のセミファイナルはジャマール・ヒル vs. カーロス・アルバーグ(2024年05月24日)

6.29『UFC 303』コナー・マクレガー負傷欠場によりメインイベントがアレックス・ペレイラ vs. イリー・プロハースカ2に変更(2024年06月14日)

 こちらの続報。


 UFCが6月29日にネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催する『UFC 303: Pereira vs. Prochazka 2』でカーロス・アルバーグと対戦予定だったジャマール・ヒルが負傷欠場、代わりにアンソニー・スミスがアルバーグと対戦することをデイナ・ホワイトが発表。

 アンソニー・スミスは5月の『UFC 301: Pantoja vs. Erceg』でヴィトー・ペトリーノに1Rギロチンチョークで勝利して以来の試合。現在UFCライトヘビー級ランキング10位。続きを読む・・・