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【Angel’s FC32 X HEAT54】初回にマウントを奪取した平井が、チュオンをユナニマス判定で下す

<バンタム級/5分2R+ExR>
平井総一郎(日本)
Def.3-0
グエン・グエン・チュオン(ベトナム)

やや小さめのケージで行われる今大会。サウスポー同士の一戦は開始早々、平井が飛び出した。ケージを背負ったチュオンがワンツー、左三日月蹴りを伸ばす。平井はシングルレッグで組みつき、ボディロックに切り替えてチュオンをケージに押し込む。足で削ってからシングルレッグに切り替えるも、これをカットしたチュオンに押し込まれてしまう。バックを奪われた平井だったが、チュオンがボディロックからグラウンドに持ち込もうとしたところで、スクランブルからトップに回る。

チュオンもパウンドを受けてからスクランブルに持ち込み、トップへ。平井は下からチュオンの右足を抱え、外ヒールを狙うも極めることはできず。立ち上がりボディロックからドライブした平井だが、離れ際にパンチを受ける。さらに左右ストレートで平井を追い立てるチュオンが、首相撲からヒザを突き上げた平井を押し倒して背中を着かせた。平井はチュオンの右足に外ヒールを狙う。チュオンが回転すると、平井は再度セットアップしたが、極まらないとみるや立ち上がった。ラウンド終了間際にテイクダウンを奪った平井がマウントを奪取し、パンチを落としていった。

最終回、平井がガードを固めて距離を詰め、ニータップで飛び込んだ。チュオンが立ち上がると一度は離れたが、再びボディロックで組みつく。しかし投げを打つもテイクダウンは奪えず。チュオンが切り返してバックを狙う。左ヒザを差し入れて防ぐ平井は左足でチュオンの左足を抑えつつ、左腕をキムラで抱えた。チュオンがクラッチしたままテイクダウンを狙ったが、ここは平井が反転してトップへ。

ハーフガードのチュオンをパスした平井はマウントに移行し、伸ばしてきた左腕に対し十字を狙いつつ、バックに回った。チュオンは反転してトップを奪うも、平井が下から首を抱えて絞め上げる。頭を抜いたチュオンのパスをフックガードで防ぎながらも、平井はボトムで試合を終えた。

1Rは平井が取ったと考えていいだろう。2Rはチュオンが優勢だったか――ラウンドごとではなく試合全体を通じて下される裁定で、平井がユナニマス判定勝ちを収めた


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【Angel’s FC32 X HEAT54】HEATバンタム級王者ユン・テスン、王座奪取とベトナム遠征!!

【写真】かつて師が巻いていたベルトを自身が巻く。感激ひとしお、そして背負うモノも増えただろう(C)SHOJIRO KAMEIKE

6日(土・現地時間)、ベトナムのプンタウにあるザ・グランド・ホー・トラム・ストリップで開催されるAngel’s FC32 vs HEAT54で、ユン・テスンがレ・ヴァン・トゥアンと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

ユン・テスンは韓国籍だが、生まれ育ちは名古屋という在日コリアンだ。志村道場でMMAを始め、2020年9月にHEATでプロデビュー。ここまで6勝1敗というレコードで、今年4月には堀友彦をKOして同じバンタム級王座に就いている。とにかく前に出ることで相手の良さを消し、フィニッシュする力も持っているファイターのユン・テスン。ここでは堀戦後の5月11日に行われたインタビューを掲載したい。


――見事なKO勝利を収め、ベルトを巻きました。

ユン・テスン選手がどんどんアタックを仕掛けていき、堀選手のようなベテランを飲み込むという試合に驚きました。

「ありがとうございます。自分としては試合前から自信があるかないか、そういうことではなくて『やってみないと分からない』という気持ちで。結果、勝ちきることができました。ただ、堀選手は勢いだけでどうにかなる相手ではないし、自分は相手の強いところを警戒しながら戦いました」

――ユン・テスン選手が警戒していた「堀選手の強いところ」とは、どのような点だったのでしょうか。

「たとえば右のカウンターですね。ジャブみたいに速く右のカウンターを当てるのが巧くて、いちファイターとしても参考にしたいと思うぐらいでした。そのカウンターをマトモに食らうことがないよう……自分もスパーリングだと、真っ直ぐ突っ込みがちで。

堀選手との試合でも最初は強引に行ってしまう場面もあったので、2Rからは頭を振って斜めの動きとかも増やしていったんです。そこに勢いも加わって、試合の流れを自分のほうに持ってくることができたんじゃないかと思います」

――確かに1Rはユン・テスン選手が前のめりになっていることも多かったです。それはリスクがある一方、ユン・テスン選手の強みでもあります。MMAでは以前から打撃を中心としたスタイルだったのですか。

「学生時代にアマチュアのボクシングジムに通っていて、MMAのベースにもボクシングはあると思います。普段は練習でも試合でも、自分から組みに行くことはあるんですよ。でも堀選手との試合でいえば――堀選手って自分からどんどんテイクダウンに行くタイプではないですよね。どちらかというと、自分が仕掛けた時にどうなるのか。

それでいざ試合で組んだ時、首相撲やダーティボクシングがメチャクチャ巧かったんです。ベテランだから、さらに何をしてくるか分からない。まず自分が低い体勢からテイクダウンを狙いに行くのはやめる。組みの展開になったら、自分としては防いで離れて殴る、と」

――2R終盤にはコーナー際でマットに背中を着けたままの堀選手に対して、連続でフットスタンプを繰り出していました。堀選手に足を取られ、グラウンドに持ち込まれるリスクもあったと思います。

「だからこそフットスタンプだったんですよね。相手のガードの中に入ってパウンドを打とうとすると、それこそ何をしてくるか分からなくて。自分がスタンドの状態でいるためには、あの場面だとフットスタンプなのかなと思いました。僕としては、あまり無理に突っ込むようなことはしたくなかったです」

――それだけ試合中は冷静に戦うことができていたのですね。

「はい、メチャクチャ集中できていました。志村道場で春日井“寒天”たけしさんから『勝つか負けるかは未来のこと。そんな未来のことに捕らわれるよりも、目の前のことに集中する』と教わっていて。自分も堀戦では、そのことを心がけていました」

――本来は『待ちの選手』であろう堀選手のほうから組みに来たのは、意外でしたか。あるいは『待っていました!』と感じましたか。

「どちらかといえば、『もう後がないんだろうな』と思いました。自分としてもシングルレッグに対して反応が遅れてしまいましたけど、堀選手も力がなくなってきていたんですよ。だから僕としては、それほど苦もなくディフェンスすることできましたね。

2Rまでに僕がダウンも奪っていたし、ダメージは与えていて。3R開始前には堀選手のほうにドクターチェックも入っていました。ダメージだけでなく、そこまで傷が深いというのは、相手に不利な条件ばかりになっていますよね。それでも僕は、安心はできなかったです」

――ではフィニッシュシーンについては、最初から狙っていたものだったのでしょうか。それとも試合の流れから生まれたフィニッシュだったのか。

「後者ですね。僕は『つまらない内容になっても、試合が終わって自分の手が挙げられればいい』と思っていました」

――えっ!? 1Rからガンガン攻めていて、いわゆる『つまらない試合』にはなっていませんでした。

「アハハハ! 自分でも……どうなんでしょうね(笑)」

――HEATのベルトに対する想いは強いですか。

「それはもう――試合が決まった時は『自分がタイトルマッチ!?』と思っていました。今でも『ベルトを巻いている』のではなく『ベルトに巻かれている』と感じるぐらいで(苦笑)。ただ、どこの誰か分からない選手に勝ってチャンピオンになったのではなく、堀選手に勝ってベルトを巻くことができたのは嬉しいです。

最初は堀選手のことをよく知りませんでした。でも調べれば調べるほど『凄い選手なんだな』と分かってきて。その選手に勝って巻いたベルトに対して、しっかりと責任を持っていかなければいけないと思っています」

――なるほど。少しキャリアについてお聞きしたいのですが、ユン・テスン選手は国籍が韓国で、生まれ育ちは名古屋なのですね。

「そうです。だから韓国に行ったことがなくて、初めて韓国に入ったのが去年、Angel’s FCとの対抗戦の時でした。HEATの代表として対抗戦に選ばれたことが嬉しかったです」

――まずMMAを始めた経緯から教えてください。

「もともとは子供の頃に、空手を習い事としてやっていました。そのあと趣味でボクシングを始めて、ボクシングの選手になりたいという気持ちがなかったわけではないです。でも自分の中に、選手になる覚悟がなかったというか。

自分が通っていたジムは、アマチュアで強豪選手を生み出しているところで。だけど自分は怖がりというか、そういう選手とのスパーも避ける傾向にありました。とにかく海外の試合を視るのは好きで、今も『好きな選手は誰か?』と訊かれたら、MMAファイターよりもボクサーの名前を挙げるぐらいです」

――ちなみに好きなボクサーは誰ですか。

「一番はギジェルモ・リゴンドーやユリキオス・ガンボアが好きで。キューバ以外でもシェーン・モズリーやザブ・ジュダーとか、スピードが速くて倒せる選手が好きなんです。そういうファイトスタイルの選手に浪漫を感じます」

――速いジャブ、速いフットワーク、そして速いカウンターで倒すようなタイプですね。それだけボクシングが好きなのに、なぜMMAを?

「蹴りや投げを含めた戦いに憧れがあったんです。怖がりなのに戦いを視るのは好きで(笑)。最初は『ボクシングは好きだけど、MMAも並行してやってみたい』という感じでした。選手としてやるかどうかはともかく」

――競技は何であれ、とにかく強さを追い求めてきたのですね。

「弱い自分を克服したかったんですよ。それで大学時代は京都で下宿していて、卒業が近くなった頃にMIBUROや京都成蹊館に体験で行ったりしていました。でも本格的に始めたのは大学卒業後、地元に帰って近くにあった志村道場に入ってからです」

――MMAを始めて、弱い自分を克服することはできたのでしょうか。

「気持ちの面で成長できたのは、どちらかというと最近のことかもしれませんね。去年、韓国の試合(2023年4月、チュ・ドンジュにKO勝ち)で眼窩底骨折してしまったんです。その状態で30歳の誕生日を迎えた時、いろいろ将来のこととか考えて……」

――……。

「以前から、いろいろ考えすぎて体調を崩すことはあったんですよ。その時も1年ぐらい試合をしなくなって。だけど今は強くなったというか、自分の感情をコントロールできるようになったというか――大人になったんですかね(苦笑)」

――試合前に自分で調べれば調べるほど、堀選手の凄さが分かってきた。そこで自身は逃げることなく立ち向かい、そして勝利したからこそ、気持ちも強くなれたのではないですか。

「あぁ、なるほど……うん。今まで自分の戦績が良いのかどうか、なんて考えたこともなかったです。連勝している頃でも、自分が強くなっているかどうかなんて分からないままで。でも言われてみれば、そういうことなのかもしれません」

――最後に、今後の目標を教えてください。

「……MMAを始めた時から、『チャンピオンになりたい』とか『UFCに出たい』とか思ったことはないんです。とにかく強くなりたい。ただ、それだけなんですよ。今も寒天さんをはじめ一緒に練習している凄い人たちと並びたいし、そのための舞台に立ちたいです。

まずは7月6日にベトナム大会に出ます。対戦相手はまだだけど大会開催と、日本から僕と倉本選手が出ることは決まっていて(その後、ベトナムのレ・ヴァン・トゥアンと対戦することが決定している)。自分としては誰々と戦いたい、という希望はないです。目の前にある試合で、一つひとつ勝っていきます。これからもよろしくお願いします!」

■視聴方法(予定)
7月6日
午後8時00分~ Angel’sFC YouTubeチャンネル

■ Angel’s FC32 vs HEAT54対戦カード

<フェザー級/5分2R+ExR>
清水俊一(日本)
クアン・ヴァン・ミン(ベトナム)

<バンタム級/5分2R+ExR>
ふくやーまん(日本)
キム·ドンヒョ(韓国)

<バンタム級/5分2R+ExR>
平井総一郎(日本)
グエン・グエン・チュオン(ベトナム)

<バンタム級/5分2R+ExR>
ユン・テスン(日本)
レ・ヴァン・トゥアン(ベトナム)

<フェザー級/5分2R+ExR>
倉本拓也(日本)
チョン·ソンファン(韓国)

<ライト級/5分2R+ExR>
マーシーグローブTV(日本)
ワン・シュアン(中国)

<ミドル級/5分2R+ExR>
磯部鉄心(日本)
キム·ジェヨン(韓国)

<ライトヘビー級/5分2R+ExR>
ジン・チェン・ファム(ベトナム)
イ・スンファン(韓国)

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