【写真】非常にリラックスしており、ファイトスタイルは泥臭いが会話はクールなクリス・ウェードだった(C)MMAPLANET
27日(金・現地時間)、フロリダ州ハリウッドのセミノール・ハードロックホテル&カジノでPFL2021#09が開催される。
プレーオフも3週目、最後の2階級=フェザー級とライトヘビー級のファイナルリストが決まる。そのフェザー級でシーズン前の予想を覆す活躍をしているのが、クリス・ウェードだ。
UFC時代から独特なレスリングを使い、ねちっこさでは右に出る者はいないというスタイルで、オクタゴンでも3勝2敗と勝ち越していた。その後、PFLに戦場を変えたウェードは2018年と2019年シーズンで、それぞれ4位&3位と連続でセミファイナリストのなり、契約を更新してきた。
迎えた2021年シーズン、ウェードはフェザー級に落としレギュラーシーズンは8P獲得──第2シードでプレーオフに進出を果たした。ジェンキンスはNCAA D-1を制したエリート・カレッジレスラーだ。対してウェードはD-3レスラー、何よりも同じフォークスタイル出身者同士とは思ないほど、両者のエスリングは違う。
日本で考えられている米国フォークスタイル・レスラーの概念とは違い、唯一無二の戦い方をするウェードに話を訊いた。
──金曜日にバッバ・ジェンキンスとPFL2021フェザー級プレーオフ=準決勝を戦います。今、どのような気分ですか。
「最高だよ。今は減量に集中していて、精神的にもファイトナイトを我慢して待っている感じだよ」
──デビュー10年目の今年から、145ポンドに落としました。フェザー級の体を作るのにも慣れましたか。
「そうだね、アジャストしている最中だ。今日、体重を測ったら155ポンドという以前の試合体重までは落ちている。ここから1日半、言うと大変な思いをするわけだけど、ファイトデーの状態を考えると、それだけ苦しむ価値はあるんだ」
──ところでレギュラーシーズンはニュージャージーで開催されましたが、プレーオフはフロリダです。フロリダは経済活動が再開され、コロナパンデミック以前のような雰囲気もあります。
「そうだね。でも、僕らはバブルの中にいてホテルから出ることは許されない。コーナーマンやコーチとの接触もしちゃいけないから、今もちょっとしたチャレンジングな気分になっているよ。
フロリダでは外を出歩いて、グロッサリーストアに行くことだって許されているのにね。ただ、隔離措置が短くなっていることは有難いことだよ」
──トレーニング・キャンプはいかがでしたか。
「ノーマルだよ。問題ない。僕らのホーム、ロングアイランドはもうロックダウンの類の政策は行われていないからね。ワクチン接種を終えて、普通の練習をすることができているよ。練習は全てロングアイランドでやっているし、50マイルも離れたNYに行くような用事もないしね(笑)」
──クリスはこれまで2度、ライト級時代にプレーオフを経験しています。そしてどちらも準決勝で敗れました。ただし、今回は4人制ワンナイトトーナメントでなく、準決勝1試合です。このフォーマットの変化をどのように捉えていますか。
「大歓迎だよ。4人制ワンナイト・プレーオフは体に与えるダメージが大きいし、特に2試合目はしっかりとした準備もできない。2018年に準決勝でナタン・シュルチと戦った時は準々決勝を終えてから試合まで2時間のインターバルがあった。でも2019年はクォーターファイナルを終えて、セミファイナルでロイック・ラジャポフと戦うためにケージに向かうまで50分しかなかった……。
あの状況は楽しくはないよね。なんというのかな。違いを見せるために、やり過ぎなフォーマットだった。だから、今年のようにプレーオフといっても1試合だけの方がずっと戦いやすい。いつものワンマッチと変わりなく戦うことができるからね」
──それなのにエルボーは使えないですよね。
「ノー、ヒジ攻撃は認められてない」
──ワンマッチで、決勝まで2カ月のインターバルがあるのに。
「下らない判断だよ(笑)。普通にMMAを戦わせてくれれば良いのに。エルボーでカットがあっても、どれだけファイナルに影響があるんだって(苦笑)。バカげているね。全く意味がないことだ。2カ月あればリカバリーできるからね。まぁ、決まっていることだからルールを守って戦うだけだけどね」
──そのワンマッチになったプレーオフでは、バッバ・ジェンキンスと戦いますが、彼は2連覇中のランス・パーマーを破りました。そして、そのランスはモヴィッド・ハイブラエフにも後れを取り、レギュラーシーズン敗退に終りました。クリスはランスの敗北をどのように見えていますか。
「ランスがバッバに敗れることは、ある程度想定内だったよ。レスリング時代の因縁もあってマッチアップされたけど、バッバはタフなファイターだし、互角の試合が予想された。つまり50パーセントはランスが負けるという試合だったんだ。
加えてスタイルマッチアップとして、バッバの方が有利だと僕は予想していた。だからといって、僕がバッバを恐れることはない。僕とランスはタイプが違うレスラーだからね。何よりも、今年のランスはもうモチベーションがなかった。PFLで戦い続けることがどうなのかっていうこともあっただろうし。だからランスがバッバに勝つ確率の方が低いと考えていたんだ」
──ジェンキンスはNCAAレスラーとして、MMA界でもベストの1人です。ランス・パーマーを破るほどレスリングが強い。ただし今、クリスは『ランスとはタイプが違う』と言いました。
「そうだね」
──クリス・ウェードは、ランス・パーマーだけでなくMMA界を見ても似たスタイルのファイターはいないと思います。UFCで戦い始めた頃からヒップトス……首投げや払い腰を多用し、ダックアンダーから直接クレイドルに入ったシーンなど見たことなかったです。
「フフフフ。僕は他のレスラーとは違うからね」
──特にがぶられたりした時に、クリスはスクランブルで立って離れるのではく、ヒザをつきながら腕を伸ばしていてもレッスルアップして、リバーサル。上を取るという動きを見せてきました。
「アンオーソドックス・レスラーなんだ(笑)。投げが好きで。でもスクランブルだって好きだよ。ただし、今指摘されたように立って離れるんじゃなくて、スクランブルを使って相手を混乱させてトップを取りたいんだ。
ただ立ち上がるだけじゃないというのは、その通りで。上を取り、コントロールしてチョークで絞めあげる。アームロックやニーバーを仕掛けるために、スクランブルからトップを取る。だからバッバのレスリングとは、別物だよね。
バッバのレスリングはNCAAのそのものだ。僕は腰に乗せて、自分の得意なところで戦う。そうだね、バッバがフォークスタイル・レスリングを仕掛けてきたとき、僕は皆を驚かせることができる。金曜日の夜は、そんなシーンを見せることになると約束するよ。
バッバは伝統的に従ったレスリングの使い手だ。僕はそんなレスリングはしない」
──クリスはハイスクールやカレッジでレスリングをしている時から、あのようなユニークなスタイルのレスラーだったのでしょうか。
「少しだけね。でも高校やカレッジの頃は今、MMAで戦っているようなレスリングではなかった。このレスリングはサブミッションを仕掛けるためだから。今年戦った2試合で、僕は1度もシングルレッグやダブルレッグというシュートを使っていないんだ。それでも僕には投げがある。
柔道を取り入れ、トラディショナルなグレコローマンを取り入れているのが僕のレスリングだ。僕は腰を使う……腰を使った攻撃をしたいと思っているからね」
■視聴方法(予定)
8月28日(土・日本時間)
午前7時30分~Official Facebook
■ PFL2021#09対戦カード
<フェザー級準決勝/5分3R>
ブレンダン・ラウネーン(英国)
モヴィッド・ハイブラエフ(ロシア)
<フェザー級準決勝/5分3R>
クリス・ウェード(米国)
バッバ・ジェンキンス(米国)
<ライトヘビー級準決勝/5分3R>
エミリアーノ・ソルディ(アルゼンチン)
アントニオ・カルロス・ジュニオール(ブラジル)
<ライトヘビー級準決勝/5分3R>
セザー・フェレイラ(ブラジル)
マールシン・ハムレット(ノルウェー)
<フェザー級/5分3R>
シェイモン・モラエス(ブラジル)
ラジャー・ストヤディノビッチ(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
クリス・カモージ(米国)
コリー・ヘンドリックス(米国)
<フェザー級/5分3R>
アントニー・ディジー(フランス)
ジェシー・スターン(米国)
<フェザー級/5分3R>
ジェイソン・ナイト(米国)
ボビー・モフェット(米国)
<フェザー級/5分3R>
アレハンドロ・フロレス(メキシコ)
カール・ディートン3世(米国)
<ライト級/5分3R>
ジェイコブ・キルボーム(米国)
ブランドン・ジェンキンス(米国)
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