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【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。藤田大和✖伊藤裕樹「淀みなさ&繋ぎの時間」

【写真】淀みないMMAに対し、その一カ所を関止める戦いという風でもあった (C)MMAPLANET

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑師範とともに見てみたい。

武術的観点に立って見た藤田大和✖伊藤裕樹とは?!


──藤田選手が判定3-2で競り勝ち、DEEP暫定フライ級王座を防衛した一戦です。

「武術的な見方でいうと、伊藤選手が藤田選手を居着かせていました。初回、そして2Rの途中までは。もとともスポーツとは居着くモノです。バッターボックスにいてセットアップした相手にしか、ピッチャーはボールを投げていけないです。つまり投げるピッチャーも、打つバッターも居着いています。

『ジャッジ、ジャッジ、レディ・ゴー』とレフェリーが声を出している時点で、MMAも居着きます。一方で武術はいつ、何が起こるか分からないところで揺れない自分を追求するという真逆のものです。MMAはそれでも色々な攻撃手段があるので、思いもしない攻撃があるかもしれないですが、それでも居着くことが暫定で、武術とは真逆なんです。

居着いているなかで、居着かないように戦う。そして伊藤選手の序盤は、藤田選手を居着かせていました」

──なぜ、居着かせることができたのでしょうか。

「伊藤選手の良さはパンチなのか、蹴りなのか、組みなのか分からないという淀みない攻撃でした。淀みないMMAに、本当に感心させられました。対して藤田選手はパンチに対しての反応、蹴りに対しての反応、そして組みに対しての反応という風に見えました。つまり起こりがあることに対応しているので、居着くんです。

伊藤選手はパンチ、蹴り、組みの間で攻めていました。パンチ一つ取ってもワンツーの間にはラグが生じています。ここに蹴りが加わると、さらにラグは積み重なります。ワンツー、蹴り、ダブルレッグ、さらにラグが加わりました。一つ、一つにラグがある。このラグを少なく動けているのが、伊藤選手なんです。一つのラグが短い、この積み重ねは戦っている間に大きな違いになります。一拍、ワンテンポ変わるだけで相手の体感スピードは著しく変化するというのが、私の師の教えです。

一つのアクションに反応する藤田選手と、つなぎ目が短い攻撃をする伊藤選手──これはきっと感覚的なモノなのでしょうが、アスリートとして相当に厳しい練習をしてきたであろう藤田選手と違いが明確でした」

──それこそクリスチャン・リーが言っていたウェルラウンディットとフーリーランディットの違いですね。

「一つ一つのスピードが仮に遅くとも、繋ぎの時間が短いと対戦相手は反応が遅れます。逆にパンチが速い、蹴りが速い、組みが速いという選手でも攻撃が繋がっていないと、それは一つ局面の動きでしかない。伊藤選手はパンチのスピードで藤田選手より遅くても、繋ぎがあるという優位性がありました。

ただしスタミナが切れたのか、ボディが効いたのか、パンチ・蹴り・組みと分かれてしまいました。そしてパンチのみの戦いになると、藤田選手のパンチの回転数が速いので伊藤選手はカウンターを当てられてしまう。つまり伊藤選手の淀みないMMAがなくなった時点で、試合は受け返しになりました。卓球のように打って、返すというスポーツの攻防ですね。こうなると、藤田選手の方が上手です。

それにしても、3Rなどはもうとにかく勝とうという執念が両者から見られて非常に素晴らしい試合でした。見ている者の共感を呼ぶ試合です。と同時に、ジャッジは共感で白黒をつけてはいけない。選手を強くする、そして日本のMMAを発展するには、そのように戦える選手が勝てる裁定基準になり、ジャッジはそこの技量を裁定することが欠かせないです。色々なプロモーションで、色々なルールがあるでしょうが、裁定基準がそうならなければ日本のMMAは強くなれないです。

なぜか、米国人、ロシア人、ブラジル人、フィリピン人を相手に真正面で根性の打ち合いをして勝つ確率と、負ける確率はどちらが高いのかってことなんです」

──ハイ。

「針の穴に糸を通すような作業をする。それがどれだけ疲れていても、心が折れかけていても最後の最後までやるべきことをやる。それは観客の共感を呼ぶことではないかもしれないし、そうするとプロモーターの喜ぶ試合にならないかもしれない。でも、それをしなければ世界でこのルールで勝つことはおろか、戦うことも難しくなってきます。

UFC以前にRIZINでも、藤田選手と伊藤選手のような試合で勝つということも難しくなっています。UFCでも、守りに入る選手が多いですしね。だから、あそこまで戦う姿勢を見せた藤田選手も伊藤選手も素晴らしかった。戦う姿勢を選手たちが持ち続けてほしいです。そして、その気持ちを持って針の穴に糸を通すことを選手が貫いた場合、評価されるMMAであってほしい。

繰り返しますが、選手を強くする方向性を決めるのはルールと裁定基準です。ONEがUFCと違う世界観を持っている。あの独自性のなかで、あの裁定基準で勝てるスタイルが強い。レスリングを見ても、ラストポイントを取るためにまるで序盤と終盤は違う動きになる。なぜ、最初からあの動きをしないか。それをすると、今のルールとポイントでは不利になるからです。

塩試合っていうけど、真剣勝負なのだからとにかく選手が欲するのは勝利。勝利が一番でないのなら、格闘技を戦う必要はないと思います。だから、そういう試合になっても選手には非がない。

日本のMMAもルール、裁定基準で選手の育ち方が決まります。プロモーション側のビジョンが、裁定基準に表れます。いくら選手がUFCだ、海外だ、北米だといってもそこで勝つ戦い方をしていないと、そこから先はただひたすら厳しくなるだけです。少しでも世界で戦える選手が育つ日本のMMAになってほしい──そういう気持ちを持っている人間を指導する身として思います」

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MMA ONE ONE Revolution オク・レユン クリスチャン・リー

【ONE Revolution】3R以降、圧されたクリスチャン。ダウン&ニアフィニッシュもオクに王座を明け渡す

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
オク・レユン(韓国)
Def.3-0
クリスチャン・リー(米国)

いきなり片ヒザをつく姿勢を2度、3度と見せたクリスチャン。オク・レユンがローを蹴る。クリスチャンが詰めてロー、オク・レユンもローを返す。組み際にヒザを軽く被弾しながらボディロック、テイクダウンからバックに回ったクリスチャンが前方に崩して足を一本フックしていく。外して真後ろにつき、両足を一気にフックしたクリスチャン。すぐに着地して、後方からヒザを突き上げる。

左足をフックしたクリスチャンが、ワキの下から右を突き上げる。オク・レユンは正対すると、一旦離れたクリスチャンが右を当ててシングルからボディロックへ、ウィザーのオク・レユンの首を抱えつつヒザを入れ、右を振るって離れる。クリスチャンの左ハイにワンツーでオク・レユンが前に出るが、右ハイを散らされる。左ジャブ、右ローを見せたクリスチャンは左ミドル、続く右ストレートを当てて時間となった。

2R、左リードフックからオク・レユンが右ローを蹴る。クリスチャンはカカト落としで下がらせるが、オク・レユンもワンツーで前に出る。右を当てると同時に組んだクリスチャンが、右腕を差して大内刈りへ。オク・レユンは倒れず、離れたクリスチャンがワンツーから組むと見せかけ、右を打って離れる。

オク・レユンは左ジャブ、右から左を打ち、さらに左ミドルを蹴っていく。さらにローを入れたオク・レユン対し、クリスチャンがワンツーを入れる。やや大振りになったクリスチャンに、オク・レユンがローを当てる。ローにも右を当てたオク・レユンは、クリスチャンの左オーバーハンドをかわして、圧をかけていく。手数が減ったクリスチャンだが、跳びヒザをキャッチしてテイクダウンを決める。スクランブルでバックに回るや、両足を一気にフックしたクリスチャンが右腕を喉下に食い込ませる。ここで極められるかと思ったクリスチャンだが、オク・レユンはここで向き合って、絞めから逃れ──すぐに時間となった。

3R、左ハイのクリスチャン、オク・レユンがワンツーで前に出る。踏み込んで右を伸ばしたオク・レユンが左右のローを入れる。さらに右を入れ、ヒザを狙ったオク・レユンはクリスチャンの右からのダブルレッグを切る。

それでもクリスチャンはワンツーで前に出てテイクダウンでなくパンチを当てる。一旦離れたクリスチャンは、右を受けてヒザをつき、ヒザやパンチを纏められる。一気呵成に攻めるオク・レユンだが、逆に右を当てたクリスチャンがダウンを奪い、スクランブルでアナコンダへ。これも抜けたオク・レユンは、ネルソンにも離れて右アッパーから左ハイを狙う。クリスチャンは疲れたか、ダブルレッグも動きが完全に遅くなってしまい、左右のパンチから後ろ回し蹴りを受けそうになる。

さらに左を当てたオク・レユンが、動きが落ちたクリスチャンに対し、間合をはかる。残り1分、左ミドルを当てたクリスチャンだが力がない。息を整える両者、オク・レユンが右ボディから右、そして跳びヒザを繰り出す。ボディフックを当てたオク・レユンが、完全に流れを掴んだ。

4R、素早いパンチを振ったクリスチャンだが、オク・レユンが距離を取って離れる。中央でパンチが大きくなるクリスチャンに対し、オク・レユンが首相撲からヒザを突き刺す。ローを入れたクリスチャンも、呼吸を整えて待ちの展開に。オク・レユンも詰めずに時間が過ぎる。ローを蹴り合い、間合を図る両者。クリスチャンが右フックを当てる。残り半分、ヒザ蹴りからスピードを上げたオク・レユンが左ボディから右ローを蹴る。

オク・レユンの右をグローブで受けたクリスチャンは、右を被弾する。さらに右を当てたオク・レユンだが、前進に右を合わされる。右を当て、ワンツーからヒザを幾度となく狙い、さらにパンチを纏めていくオク・レユンが攻勢に。クリスチャンの右ハイをかわしたオク・レユンの右も届かず、この回もオク・レユンのペースのまま終わった。

試合の流れはオク・レユン。ニアフィニッシュはクリスチャンという展開で最後の5分へ。5R、ジャブを伸ばすオク・レユンに対し、クリスチャンはガードを固める。パンチをブロックしたクリスチャンがローを蹴り合い、ミドルからテイクダウンも離れて左ヒジを放つ。オク・レユンの左ハイ、ガードしたクリスチャンがカカト落としで前に出る。

オク・レユンはワンツーも、仕留めに行かない。右を当てたクリスチャンは、右を見せてテイクダウンへ。切ったオク・レユンはジャブの相打ちから左ミドル、クリスチャンは右ローを蹴る。右を見たオク・レユンは、オーバーハンドからのテイクダウン狙いを見切り、ミドルと後ろ回し蹴りのコンビを繰り出す。

ヒザをブロックしたクリスチャンが、挑発する。と、残り30秒でクリスチャンが右を当てると、オク・レユンの動きが止まる。ここでパンチを纏め、距離を取り直したクリスチャンは跳びヒザをかわして時間に。

結果、判定は3-0でオク・レユンに。ニアフィニッシュ&ダメージより攻勢点、北米ジャッジに近いジャッジの判断だったか。

いずれにせよ、激闘を制し新チャンピオンになったオク・レユンは、笑みを浮かべ「凄く嬉しいです。個人的にクリスチャン・リーのことを尊敬していて、凄く好きなんです。その彼からタイトルを手にし、何といって良いか言葉にならないです。近い距離で打撃を当てたことで勝てたと思います。初回は目が見えなくなってしまって、守りが固くなりました。4R、5Rは攻めることができましたが、もっと楽しめる試合がしたかったです」と話した。


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【ONE Revolution】ついにMMAデビュー、ブシェシャ「MMAでブシェシャの柔術を見てほしい」

【写真】マウス着用でフェイスオフ、バーチャルメディア会見も経験した(C)ONE

本日24日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE「Revolution」でブシェシャこと、マーカス・アルメイダがMMAデビュー戦でアンダーソン・シウバと対戦する。

ムンジアル13冠、ADCC2度制覇。不世出の柔術家ブシェシャが対戦相手が急遽変更したなか、ようやくMMA初陣を迎える。ONEデビュー戦前に、ブシェシャの心境を尋ねた。


──トーマス・ナルモから、対戦相手が同朋のアンダーソン・シウバに代わりました。

「最後の最後、試合の2週間前かな……対戦相手が代わったのは。4月も色々とあったし、もうこういうことには慣れたから問題ないよ。まぁ、なるようになるって感じだったね」

──4月にMMAデビューを戦う予定でしたが、スリナム相撲のチャンピオンであるウマウ・ケニ・ログログから韓国のカン・ジウォンに対戦相手が変更され、結果的に試合が行われませんでした。それでもいよいよMMAデビューです。

「ようやく実現するね(笑)。柔術からMMA転向を決めてから、1年以上が経ってしまったよ。最初は2月に試合をする予定だったのが、4月になり、ここまで延びた。去年の年末からずっと試合の準備をしてきて、これだけ時間が掛かったけどあとはやるだけだ。レッツゴー。僕らは起こった状況を受け入れて戦うだけだからね。そうやって、ずっと過ごしてきた。そして、試合が行われる。やるだけだよ」

──対戦相手となったアンダーソン・シウバは、ヘビー級キックボクシングで多くの実績を残しています。ただ対戦相手が代わっただけでないかと。

「う~ん、僕のやるべきことは変わりないからね。打撃には気を付けるということ。トーマス・ナルモもストライカーだったし、どの対戦相手だってデンジャラスだから。前に組まれた相手も、楽な相手は1人もいなかった。皆、危険な相手だったよ」

──柔術やグラップリングのトップステージでの経験値は文句なしのブシェシャですが、パンチがある戦いに挑むことで試合前の心境に違いはありますか。

「それを望んで転向してきたわけだからね。柔術とノーギを戦ってきて、今度はリアルファイトで自分の力をテストしたい。自分の柔術MMAが、どれだけ通じるかを試したい。居心地の良い場所から離れても、そういうチャレンジがしたかった。MMAだからといって、自分のやりたいことをやるわけだから柔術やノーギの時と気持ちに変りはないよ」

──今回の試合はATTで準備してきたのですか。

「そうだよ。そのためにフロリダに移り住んだ。ATTには多くの選手がいるけど、マルセーロ・ゴン、マルコス・アウジェリオ・ペイザォン、アントニオ・カルロスJr、そして同じ週末にUFCで戦うジャイルジーニョ・ホーゼンストライクらと準備してきたよ。対戦相手が代わっても、ストライカーはストライカーだし、ゲームプランもさほど変わらない、同じように皆と練習してきた」

──当然のようにブシェシャにとっては、柔術が一番の武器です。MMAを戦うことで、どのような試合を見せたいと思っていますか。

「ずっと練習してきたことを出したい。どんな状況でも対応できるように準備してきた。スタンドでも、そうだよ。もちろん、グラウンドでもね。打撃を使うことも問題ない。とはいえ初めての試合だからどうなるかは……試合が始まらないと分からない。ただし、練習で十分に使えるように仕上げてきた」

──では、この試合のキーはどこになると考えていますか。

「う~ん、どうだろう……。距離、角度、レベルチェンジ、スマートに戦うことかな」

──柔術家がMMAで勝つと、柔術の勝利という見方が今もあります。キックボクサーやレスラーにはないことです。ブシェシャも柔術の優秀性を見せるために、MMAで戦うのでしょうか。

「自分は何をできるのか、それにチャレンジして証明したい。もう柔術のタイトルはこれ以上、必要ない。最高の記録を残してきた。今は自分が別の場所でやっていけるのか。そのチャレンジをしているんだ」

──ドゥリーニョなどはMMAとグラップリングを並行して戦っています。来年、ADCCもありますが、ブシェシャの出場は?

「もう出ないだろうね。僕の柔術家としてのキャリアは幕を閉じた。柔術はルールが大きく変わって、選手が戦いにいかない。ポイントで勝てば良い。そういう戦いは、僕はやる気が起きない。だから柔術で試合をすることは、もうないと考えている」

──ノーポイント&サブオンリーの方は?

「ノー、今の気持ちでは戦いたいとは思わない。これからの目標はパンチのある戦いで勝つことだから」

──ではMMAファイターとしての目標は、現状でどのように考えているのでしょうか。

「この試合に勝ってから一歩、一歩進んでいきたいと思っている。デビュー戦で学ぶこともあるだろうし、これからことのことはここが終わってから考える。今はこの試合に集中しているんだ」

──最後に日本のMMAファンだけでなく、柔術愛好家の皆にも一言メッセージをお願いできますか。

「僕はもう柔術やグラップリングの試合には出ない。でも僕の柔術をケージの中で見せる。僕の柔術を見ていてくれた人たちも、MMAでブシェシャの柔術を見てほしい」

■視聴方法(予定)
9月24日(金・日本時間)
午後8時00分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時00分~ONE Super App

■ ONE「Revolution」対戦カード

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] オク・レユン(韓国)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】メヂ・ザッツプッツ(アルジェリア)

<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ジョシュア・パシオ(フィリピン)
[挑戦者]猿田洋祐(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
マーチン・ウェン(豪州)
キム・ジェウン(韓国)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
アミール・アリアックバリ(イラン)
アナトリー・マリキン(ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ヴィクトリア・リー(米国)
ヴィクトリア・ソウザ(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ハシガトゥ(中国)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ペッダム・ペッティンディー・アカデミー(タイ)
内藤大樹(日本)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
マーカス・アルメイダ(ブラジル)
アンダーソン・シウバ(ブラジル)

<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
ペッタノン・ペットフォーガス(タイ)
ジャン・チェンロン(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ジェームス・ヤン(米国)
ロエル・ロサウロ(フィリピン)

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【ONE Revolution】ライト級王座防衛戦、クリスチャン・リー─02─「シンヤが勝ち続け挑戦したいなら…」

【写真】フェイスオフでもクリスチャンとオク・レユン。やはりフレームでは、オクが少し大きいか(C)ONE

本日24日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE「Revolution」でオク・レユンの挑戦を受けONE世界ライト級王座防衛戦を戦うクリスチャン・リー・インタビュー後編。

自らの均整のとれたMMAファイターでなく、完全なMMAファイターというクリスチャンは、たびたびONEで起こる判定問題に関しては、勝利への保障はフィニッシュすることだけと断言した。

<クリスチャン・リー・インタビューPart.01はコチラから>


──ウェルラウンディッドとフーリーラウンディッドですか。いや、その通りですね。とこでONEチャンピオンシップでは、先日のデニス・ザンボアンガ✖ハム・ソヒのように時折り、問題を残す判定結果が覆ったり、審議されるということが起こります。このようなことが繰り返し起こると、クリスチャンも判定にもつれ込んだ時の場合を想定して戦う必要があると感じますか。

「僕はフィニッシュを目指して戦っている。ケージに入って戦う時、自分の勝利を保障する手立ては一つ、フィニッシュすることだから。これまでドミネイトしてきたファイターの対戦相手が判定勝ちするという試合は、数多く見られてきた。もちろん、拮抗した試合になると、なおさらどっちが勝ったかなんて分からない。そうなると、勝利を手にする安全な方法はKOするか、サブミットするしかない。だから僕は判定を気にしないで戦えるよう、練習を続け5Rのうちに極めるか倒せるという技量を維持しているんだ」

──では妹のヴィクトリアと同じ大会で戦うことは、どう感じていますか。

「ワクワクしているよ。ヴィクトリアとイベントをシェアするのは初めてだからね。僕がプロMMAのキャリアをスタートさせた日は、姉のアンジェラも試合があった。アンジェラとはその後、何度も同じ日に試合をしている。興味深いのは、今は僕がチャンピオンで妹が同じ日に試合をするということ。以前とは状況が反対になったことだよ。僕がメインで、その前に妹が戦うんだ。

ヴィクトリアはこれまでの試合でもよくやっているし、あの2試合のパフォーマンスは僕も誇りに思う。3試合目も同じようにフィニッシュするだろう」

──クリスチャンはアンジェラのことを少し気にしていて、アンジェラはヘッドライナーでもクリスチャンのことを凄く心配している。そんな風だったと思います。

「アハハハハ。ホントだ」

──そして、お父さんのケンさんも2人を同時にケアしていましたが、今やヴィクトリアにほぼほぼ集中できるだけクリスチャンは成長したのではないでしょうか。

「本当にその通りだと思うよ。僕もアンジェラもとても若くて、子供だった。父は僕もアンジェラも同じように、心配していたはずだ。でも、僕はもう18試合をONEで経験した。落ち着いて試合を向かうことができる。もちろん、父は今でもサポートしてくれるけど、文字通りサポートであって、僕は大抵のことを自分で準備できるようになった。だから、父も今回はヴィクトリアの試合が終わるまで、彼女に付きっ切りになれるはずだよ。

そしてヴィクトリアが勝った後で、僕の隣に来てくれれば大丈夫だ。父も僕のことは、以前のように心配していないだろう」

──ところでCovid19対策もワクチン接種が広まったのち、国によって大きな変化が見られ、米国本土では以前のような経済活動を行う州もあります。その一方で、感染者数は増えている。ハワイではこの間、問題なく準備できる環境にあったのでしょうか。

「米国のほとんどの州では、行動規制が緩和されている。そして感染者は増加傾向にもある。幸運にはハワイは米国でも最も感染者数が少ない州で、それが可能なようにまたロックダウン状態だよ。ユナイテッドMMAも少し開放されていたのが、また閉めないといけなくなった。ジムやレストランに入るには、ワクチン接種証明が必要なんだ。

ロックダウンは9月13日からだったから、ホントに準備の最終局面になっていたし、大きな影響は受けていない。ニューヨークやカリフォルニアのような感染者数ではないからこそ、ロックダウンがまだ敷かれているという感じだね。健康面でいえば僕も家族も影響を受けていないことは幸運だけど、今もハワイはそういう状況だよ。他の州のようにワイドオープンにはなっていない」

──そんななか、タイトル防衛に向けてどれだけ自信があるかを教えていただけますか。

「100パーセント、自信がある。5Rのうちに試合を終わらせて、ベルトを守る。試合が判定にもつれ込むことはないし、オク・レユンが僕に勝つことはない。そう言い切れるだけの準備をしてきたよ」

──ではライバルであり、年嵩のいった友人である青木真也選手のこのところのパフォーマンスをどのように感じていますか。彼はまだライト級の第一戦で戦えることを今年の2試合で証明しているかと。

「シンヤは凄いよ。38歳になって、あれだけ試合をドミネイトできる。全く力が落ちていない。彼のゲームは盤石だよ。シンヤがずっと強いままでいるのを見られるのは嬉しいし、これからも勝ち続けてほしい。そうしたらチャレンジャーになるかも? とにかく僕はシンヤのことをリスペクトしている。彼が勝ち続け、僕に挑戦したいのであれば当然受けるよ。でも、僕の方からシンヤと戦いたいとは言いたくない」

──心情としてそうなるのですね。クリスチャン、今日はありがとうございました。最後に日本のファンに一言お願いします。

「日本の皆は僕のキャリア序盤から応援してくれた存在で、皆に良い試合を見せたいと思っている。そして心から、少しでも早く東京に戻って試合がしたい。またONEが東京でショーを開くことを願っているよ」

■視聴方法(予定)
9月24日(金・日本時間)
午後8時00分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時00分~ONE Super App

■ ONE「Revolution」対戦カード

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] オク・レユン(韓国)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】メヂ・ザッツプッツ(アルジェリア)

<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ジョシュア・パシオ(フィリピン)
[挑戦者]猿田洋祐(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
マーチン・ウェン(豪州)
キム・ジェウン(韓国)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
アミール・アリアックバリ(イラン)
アナトリー・マリキン(ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ヴィクトリア・リー(米国)
ヴィクトリア・ソウザ(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ハシガトゥ(中国)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ペッダム・ペッティンディー・アカデミー(タイ)
内藤大樹(日本)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
マーカス・アルメイダ(ブラジル)
アンダーソン・シウバ(ブラジル)

<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
ペッタノン・ペットフォーガス(タイ)
ジャン・チェンロン(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ジェームス・ヤン(米国)
ロエル・ロサウロ(フィリピン)

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【ONE Revolution】クリスチャン・リーに挑戦、オク・レユン「対戦相手に対して自信は持ちません」

【写真】凄く深いことを話してくれたオク・レユン(C)MMAPLANET

24日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE「Revolution」でクリスチャン・リーの持つONE世界ライト級王座にオク・レユンが挑戦する。

HEATでライト級チャンピオンになり、パンデミック後は母国のDouble GFCで王座を獲得した。とはいえ、ONE初戦から半年後に王座挑戦と、その間のエディ・アルバレス撃破はオク・レユン自身が想い描いていた未来予想図ではなかった。

ONEライト級戦線を一気に駆け上がったオク・レユンに、クリスチャン・リー戦への自信のほどを尋ねた。


──来週の金曜日にクリスチャン・リーに挑戦します(※取材は16日に行われた)。今、どのような気持ちでしょうか。

「この試合はキャリアで最も重要な試合です。それでも、凄く心は落ち着いています。プレッシャーもなく、体調もこれまでで一番良い感じです。ONEと契約した時、一番下から上を目指すつもりでいました。与えられた試合で勝利し、一歩一歩ステップアップしようと。

それが初戦の相手がマラット・ガフロフで、驚きました。初戦で元世界チャンピオンに勝てたことで、ここまで一気に話が進んだのかと思います」

──HEAT時代からオク・レユン選手を見てきて、ガフロフに勝つことは十分にあると思っていました。しかし、次の試合が同じ月にエディ・アルバレスになるとは想像できなかったです。

「もちろんエディ・アルバレスがONEで戦っていることは知っていました。常に頭にあったことは確かです。いつの日か、戦うことがあればとは思っていましたが、まさかこんなに早く実現するとは……でも、自分がONEの頂点に立つには最高のオファーでした。もちろん、その機会を逃したくなかったですし、試合を戦えて、勝てたことを心から感謝しています」

──エディのネームバリューは、クリスチャン・リーを上回っています。人生が変わったということはないですか。

「エディ・アルバレスと戦う前まで、自分は無名の選手でした。人々は自分のことを知りませんでした。この試合前にサクラメントのチーム・アルファメールに練習に行ったのですが……」

──おお、そうだったのですか。

「アルファメールで5週間、練習してきました。サクラメントにいる時に、皆が自分の顔を見ても誰かは認識はしていなかったです。でも、エディ・アルバレスに勝ったということが話題になると、皆が『あぁ、あの選手だったのか。試合を見たよ』と言っていました。そして、それから凄く親切に接してくれるようになりました。顔と名前は一致していなくても、本当に多く人が自分のことを知っていることが分かりました。それが人生で一番大きな変化ですね」

──HEAT時代から凄く礼儀正しく、少しシャイだったオク・レユン選手の顔が今は自信に満ちているように感じます。

「MMAファイターとは、強さを試合で証明するものです。試合で自分の力を見せて、理解してもらうしかない。それがエディ・アルバレス戦に勝ったことで可能になったと思います。自分がベストの1人だと思えるようになりましたし、何よりも周囲の人がそう思うようになりました。この事実は、自信を与えてくれました。特にジムで練習している時に、以前より自信を持ってトレーニングできています」

──今回アルファメールに練習に行ったのは? チームMADも十分に厳しいトレーニングが行われていると思います。

「米国を尋ねるのに、常に金銭的な問題がありました。とても費用が掛かります。ただ自分はまだ若いですし、もっと色々と勉強したいです。その経験をすることは、金銭よりも価値があると思いました。ただし自分は英語が話せないですし、コミュニケーション能力がありません。そして米国のことは何も知らないので、どこのジムに行けば良いかも分かっていなかったです。

そんな時、ONEのコンペティションチームにいるマイケル・パクさんが、以前にチーム・アルファメールで練習していて、実際にMMAでも戦っていたことを知りました。パクさんがユライア・フェイバーに連絡を取ってくれて、『いつでも大歓迎する』って言ってもらえたんです。そして、渡米して最高の環境で練習ができました。

韓国も米国も練習の強度、クオリティは同じだと言い切れます。ただし、両国を比較すると韓国での練習は小さな街で行うような感じで、対して米国はまさに大国で練習するというモノでした。世界中から多くのファイターが集まっている。有している技術も、選手の数が多いので、それだけ色々な知識を得ることができました。

それとジムの規模ですね。やはりアジアのジムと比較すると、アルファメールは巨大で、一カ所で全てのトレーニングを行うことができました。韓国では色々な場所で練習しないと、全てをフォローできないです。トレーニングパートナーの数、一カ所で全てのトレーニングができる違いは絶対的です。ただし、練習の質は韓国も同じです」

──質が同じでも、量が違う。それがアルファメールの環境なのですね。世界中から集まってくる選手はハングリーではなかったですか。

「その通りですね。世界中のファイターが豊かではないです。ビッグステージ、いえビッグステージのトップでないと。米国で練習するということは、それだけ元手が掛かります。そうしている選手たちは、よりハングリーでやる気に満ち溢れていました。

米国にいた時、誰も知り合いはいなかったです。唯一の友人がMMAでした。韓国人選手が韓国にいる場合、日本人選手が日本にいるケースも、家族が近くにいてくれます。友人もいます。十分にお金がなくても、誰かが助けてくれます。助けがなくても、働くことができる。でも米国に行くと、自分たちは働くこともできない。そんな状況で強くなるためだけに米国に練習にいく選手たちは、シリアスでハングリー、覚悟が違っていました」

──そのアルファメールで、日本人選手と練習もしましたか。

「ミチノリ・タナカ選手やテルト・イシハラ選手、あとDEEPのチャンピオン(川原波輝)がいましたが、彼らはライト級の自分と比べると小さくてMMAの練習をほとんど一緒にしていません。ただ、2Rのキックボクシング・スパーをテルト選手とした時に、彼はサウスポーでホントに距離が取り辛くて、驚かされました」

──では王者クリスチャン・リーの印象を教えてください。

「クリスチャン・リーは良くバランスの取れた選手ですが、自分もそうだと思っています。どの局面でも戦える。ただ、クリスチャンはどちらかといえばレスリング、そしてグラップリング系で、自分はストライカーに近いウェルラウンダーです。スタイル的に自分には合う相手だと考えています。

彼は若く、ハングリーで毎試合成長しています。凄くアグレッシブで、前に出る選手です。ただし、先ほども言いましたが、自分には手の合う相手です」

──彼の際の無い、全てが繋がった動きは驚異ではないですか。

「確かにそうです。ただし、その連動も全て対戦相手をテイクダウンして、グラウンドに持ち込むためのものです。そこを逆算すれば、対応できます。テイクダウンを切る、テイクダウンされてもスクランブルに持ち込む。それができれば、良い結果がついてくると思っています」

──自信のほどは?

「正直にいえば対戦相手への自信は、誰と戦おうが持ち合わせていません。ただし、自分がやってきたトレーニングに自信を持っています。それだけ練習してきたので、自然と淀みなく動くことができます。特定の状況を設定して、練習を繰り返してきました。そして、常にここにいると、何が起こるのかということを頭に入れて動くようにしてきました。その状況が訪れた時、自分は凄く自信を持って戦えます。何百回、何千回と繰り返してきたことを実践すれば良いことだからです。ただし、クリスチャン・リーに対して自信は持ちません。

それは過信に繋がります。相手に対して自信があると、試合で痛い目にあいます。絶対に対戦相手を軽視することはないです。自信があるのは、自分が練習してきた状況に対してです」

──素晴らしい話です。オク・レユン選手、今日はありがとうございました。最後に韓国に次ぎ、オク・レユンを認識していた日本のファンに一言お願いします。

「日本はいつも、特別の国です。初めてチャンピオンベルトを巻いたのは日本のHEATでした。その国のことは、常に自分の心に残っています。日本は隣の国で、訪れるのも簡単です。だから試合でなく、旅行をしたいと思っていたらコロナパンデミックになってしまいました。昔から自分を応援してくれた日本の人たちをガッカリさせない試合をするため、ハードトレーニングをしてきました。最高のオク・レユンをクリスチャン・リー戦では見せます。カムサハムニダ」

■視聴方法(予定)
9月24日(金・日本時間)
午後8時00分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時00分~ONE Super App

■ ONE「Revolution」対戦カード

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] オク・レユン(韓国)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】メヂ・ザッツプッツ(アルジェリア)

<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ジョシュア・パシオ(フィリピン)
[挑戦者]猿田洋祐(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
マーチン・ウェン(豪州)
キム・ジェウン(韓国)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
アミール・アリアックバリ(イラン)
アナトリー・マリキン(ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ヴィクトリア・リー(米国)
ヴィクトリア・ソウザ(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ハシガトゥ(中国)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ペッダム・ペッティンディー・アカデミー(タイ)
内藤大樹(日本)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
マーカス・アルメイダ(ブラジル)
アンダーソン・シウバ(ブラジル)

<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
ペッタノン・ペットフォーガス(タイ)
ジャン・チェンロン(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ジェームス・ヤン(米国)
ロエル・ロサウロ(フィリピン)

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【ONE Revolution】ONE世界ストロー級王者ジョシュア・パシオ─02─「僕の方からTDも奪いにいける」

【写真】まだまだ伸び盛りであることは確かなので、これだけ試合がなかったことが逆に怖いパシオだ(C)MMAPLANET

24日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE「Revolution」で、猿田洋祐の挑戦を受けてONE世界ストロー級王座防衛戦を戦うジョシュア・パシオ・インタビュー後編。

1年9カ月振りの防衛戦を前に、チーム・ラカイのオールラウンダー世代は成長し、パシオはウェルラウダ―であることを強調した。そして、このレイオフが彼に自信を与えていた。

<ジョシュア・パシオ・インタビューPart.01はコチラから>


──リトは同じ日にハシガトゥと対戦するので、ちょうど良かったですね。

「そうだね。リトともそうだし、今では多くのスパーリングパートナーがいるからね。スティーブン・ローマン、ジェレミー・ピカティウ、ダニー・キンガド、僕らは互いを助け合っている」

──チーム・ラカイのウェルラウンダー世代ですね。ところで猿田選手との試合は、テイクダウンディフェンスが鍵になりそうですか。

「特にそうは思っていないよ。今、僕らがウェルラウンダーだと言われてように、どの局面で戦えるように練習し続けてきた。別にサルタと戦うからといって、テイクダウンディフェンスにフォーカスすることはないよ。全ての局面を満遍なく強化しているから。一つに特化して練習することはない。それがウェルラウンディッド・ファイターになるということだからね。

打撃の距離、テイクダウンディフェンスを頭に入れて練習するのはそうだけど、防御だけじゃない。僕の方からテイクダウンも奪いにいける。全ての技術をサルタ戦に向けて、磨いてきたんだ。

サルタはとても積極的なアスリートだよ。サルタのような選手がいてくれることで、僕もより強くなろうというモチベーションを保つことができるんだ。サルタがナイトウに勝った試合は本当に良い試合だった。レスリング、グラップリングの両面で素晴らしい攻防が見られて、何よりサルタの勝ちたいという気持ちが伝わってきた。サルタはランキング1位に相応しい選手だよ」

──猿田選手は前回のジョシュアとの試合で、楽をしようという選択をしてしまった。それが敗因になったと言っていました。

「マーシャルアーツは負けて、学ぶことが多い。僕も同じだ。サルタに負けたことが、良いレッスンになった。それがマーシャルアーツの一番、素晴らしい点だよ。素晴らしい選手に敗れることが、学びになる。彼だけじゃない、サルタとの2試合によって僕もマーシャル―チストとして成長させてもらった。サルタのおかげだ」

──初戦は互角の攻防で判定負けでした。2度はKO勝ち。この勝ち方は自信になっていないですか。

「9月24日には、もっと自信のあるジョシュア・パシオを見てもらうよ。マーシャルアーチストとしては当然で、また闘士としてユースケ・サルタは優れている。何があっても彼を軽視することはない。もちろん、それはサルタだけでなく全ての対戦相手にいえることだけど。

彼も全力で僕に向かってくるだろう。僕も全力で彼を倒しに行く。爆発力のある最高のファイトになることは間違いない」

──前回の試合から、一番成長したのはどこでしょうか。

「さっきも言ったように、どこかの一つの局面を鍛え上げるということはなくて、全ての局面において成長してきた。弱点を克服し、強い部分を伸ばしてきた。次の試合では全ての局面において、以前より自信を持っていることを証明する。打撃、レスリング、グラップリングの全てにおいて、ね」

──ONEストロー級王座は、疑うことない世界の頂点です。MMAには多くの世界王座、ベルトが存在していますが、ヘビー級からフライ級までUFCが王座を制定しています。この最軽量の階級で世界一であることをどれだけ誇りに思っていますか。

「そりゃあ、凄く誇りに思っているよ。ストロー級はアジアにあって最強の階級だ。アジアには、欧米のように長身で大きな選手は多くない。僕は背も低くて小さい(笑)。この体格で世界一のONE世界ストロー級チャンピオンであることは、何にもまして僕が誇るべきことだよ」

──とはいえONEストロー級もアジア以外の選手の台頭があります。

「ボカン・マスンヤネだね」

──今は猿田選手との防衛戦に集中しないといけないですが、ボカン・マスンヤネやジャレッド・ブルックスについてはどのように思っていますか。チーム・ラカイやフィリピン勢はアジアでの最強のフィジカルの持ち主ですが、ボカンのフィジカルはそれ以上だろうと思われます。

「確かにボカン・マスンヤネの身体能力は高い。ベースがレスリングだし、レスラーのフィジカルが優れているのは、まぁ普通のことだよ(笑)。パワーがあって柔軟だよね。ボカン・マスンヤネの試合を見るのが楽しみなんだ。爆発力があるアスリート、ファイターだから。ただ、今は彼を対戦相手として見ることはできない。僕にはユースケ・サルタ戦が控えているからね」

──その猿田選手との防衛戦、どのような試合にしたいですか。

「さっきも言ったけど、以前より成長して、自信を得ることができたジョシュア・パシオを披露したい。ここまで努力してきたことを、試合に出したい。そして、どれだけウェルラウンド・アスリートになっているか見てほしい」

──では最後に日本のファンに一言お願いします。

「全ての日本のファンへ、いつも僕らをサポートしてくれることを感謝している。ONEが日本大会を開いた時も、訪れることができなかった。コロナが終わったら、すぐにも日本に行きたいと思っている」

■視聴方法(予定)
9月24日(金・日本時間)
午後8時00分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時00分~ONE Super App

■ ONE「Revolution」対戦カード

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] オク・レユン(韓国)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】メヂ・ザッツプッツ(アルジェリア)

<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ジョシュア・パシオ(フィリピン)
[挑戦者]猿田洋祐(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
マーチン・ウェン(豪州)
キム・ジェウン(韓国)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
アミール・アリアックバリ(イラン)
アナトリー・マリキン(ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ヴィクトリア・リー(米国)
ヴィクトリア・ソウザ(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ハシガトゥ(中国)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ペッダム・ペッティンディー・アカデミー(タイ)
内藤大樹(日本)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
マーカス・アルメイダ(ブラジル)
アンダーソン・シウバ(ブラジル)

<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
ペッタノン・ペットフォーガス(タイ)
ジャン・チェンロン(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ジェームス・ヤン(米国)
ロエル・ロサウロ(フィリピン)

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【ONE Revolution】猿田洋祐の挑戦を受けるジョシュア・パシオ─01─「仕事の依頼を受けるのは当然」

【写真】ZOOM取材でもヘアスタイルをしっかりとしてくるのが、ジョシュア・パシオだ(C)MMAPLANET

24日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE「Revolution」でジョシュア・パシオが、猿田洋祐の挑戦を受けてONE世界ストロー級王座防衛戦を戦う。

パンデミック後、チーム・ラカイ勢はコンディションにバラツキが見られる。それでも戦い続けるチームリーダー=エドゥアルド・フォラヤンの背中を見て、若きチャンピオンはどのように思っているのか。1年9カ月振りの実戦を前に、パシオに話を訊いた。


──10日後に猿田洋祐選手の挑戦を受けます(※取材は9月14日に行われた)。今の気持ちを教えてください。

「最高だよ。もう準備はできている。早くシンガポールに行きたくて、ムズムズしているんだ」

──2020年1月以来の実戦になります。この間、昨年11月に猿田選手の挑戦を受けることが決まっていたのですが、この時は実現しませんでした。何があったのでしょうか。

「パンデミックが起こり、とにかく全てが大変な状況に陥ってしまった。去年の11月は……コロナの影響で日常生活も、トレーニングも以前とは違っていると感じていて、まだ試合ができる状況じゃなかった」

──確かに去年の10月からONEの国際大会が復活して、チーム・ラカイのメンバーはコンディションが整っていなかったことが多かったように感じました。

「そうだね。去年はジムで練習すること自体が難しくて。今年になってからは、徐々に普通に戻って来たけどね。ジムでもジム以外でもトレーニングできるようになったし、そこは凄く改善されたよ。でも、僕自身は3月に感染して……しばらく練習できなくなっていたんだ」

──そうだったのですか!!

「ずっと自分の部屋にいないといけなくて、凄く退屈だった。でも、後遺症もないし、そこは本当に助かったよ。陽性になったときも無症状だったし、だいたいいつ感染したのかも覚えがない。そんな状況だったんだ。熱もなかったし。ただ無症状で練習をして、チームメイトに感染させていたらと考えるとぞっとする。あの時、検査で陽性だと分かった良かった」

──それがCovid19の怖いところですね。今も、練習環境や普段の生活は問題ないですか。

「チーム・ラカイの練習は元に戻っているよ。バギオやその一帯は、以前のように戻りつつあるから大丈夫だよ。でも、マニラは酷い状態なんだ。コミュニティ隔離措置が一度は制限緩和することが決まったけど、感染状況が悪くて継続されることになったんだ(アラート4を呼ばれる措置で、屋外飲食サービスはキャパの30パーセントまで。屋内飲食はワクチン接種をした者に限られ、かつキャパの10パーセントまでしか認められない。パーソナルケアサービスは美容院、ネイルサロンなどが飲食と同じ条件でサービスが許されるが、ミーティング、展示会、カンファレンスなどは禁止されている)」

──この間、ジョシュアが試合に出ていなかった間に。スティーブン・ローマン、ジェレミー・ピカティウ、さらにマーク・サンジャオ・コーチの息子であるジャンロ・サンジャオがONEとサインをしました。

「マーシャルアーツの最大の舞台の一つで彼らも戦えるようになり、とても嬉しいよ。もう、これまでに実力があることは証明しているしね。スティーブンとジャレミーはすぐにトップ戦線で戦い、ONEでもチャンピオンになれる可能性は十分にある。僕はそう思っているよ」

──その一方でチームを長年引っ張ってきたエドゥアルドは、厳しい状態が続いています。なぜ、彼はオファーを断ることなく試合を受け続けるのでしょうか。ジョシュアはエドゥアルドがオファーに応じ続けることをどのように思っていますか。

「言いたいことは分かるよ。でも、エドゥアルドも試合後は体を休めているし、練習に戻ってくるとどこも問題なく動けている。今日もエドゥアルドは朝の練習に参加していた。そして、弱点を克服するためにハードにトレーニングを続けている。新しい技術を学び、ドリルで身につけようと努力しているんだ。僕はエドゥアルドは戦い続けることができると信じている。

僕も試合ができる状態なら、オファーを断ることはないよ。チーム・ラカイのメンバー、皆がそうだろう。僕らはプロフェッショナル・アスリートだから。これは僕らの仕事でもあるしね。仕事ができる状態なら、仕事の依頼を受けるのは当然のことだよ。ホント、それだけのことだからね」

──それがチーム・ラカイに浸透している考えなのですね。ところでこの間、チームメイトのリト・アディワンが同じストロー級でも存在感を増してきました。

「リトは去年、お母さんを亡くすという本当に辛い時間を過ごした。そこを乗り越えて試合に出て、KO勝ちしたんだ。フィジカルだけでなく、メンタルでもハードなチャレンジを自らに課して、乗り越えた。個人的にも彼は本当にハートが強くなったと思う。あの状況で試合を戦ったことで、リトはさらに強くなった。今ではリトは僕の最高のパートナーの1人だよ」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
9月24日(金・日本時間)
午後8時00分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時00分~ONE Super App

■ ONE「Revolution」対戦カード

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] オク・レユン(韓国)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】メヂ・ザッツプッツ(アルジェリア)

<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ジョシュア・パシオ(フィリピン)
[挑戦者]猿田洋祐(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
マーチン・ウェン(豪州)
キム・ジェウン(韓国)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
アミール・アリアックバリ(イラン)
アナトリー・マリキン(ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ヴィクトリア・リー(米国)
ヴィクトリア・ソウザ(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ハシガトゥ(中国)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ペッダム・ペッティンディー・アカデミー(タイ)
内藤大樹(日本)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
マーカス・アルメイダ(ブラジル)
トーマス・ナルモ(ノルウェー)

<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
ペッタノン・ペットフォーガス(タイ)
ジャン・チェンロン(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ジェームス・ヤン(米国)
ロエル・ロサウロ(フィリピン)

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【ONE X】12月5日に10周年記念大会、2つの世界戦に加え──ロッタン✖DJの混合マッチが決定!!

【写真】最高の食材が揃ったゲテモノ料理となるのか、新たなメインディッシュとなるのか(C)ONE

16日(木)、ONE Championshipが12月5日(日・現地時間)に10周年記念大会=『ONE X』を開催すること2つの世界戦、そしてムエタイとMMAの混合ルールでロッタン・シットムアンノンとデメトリウス・ジョンソンが対戦することが発表された。

グラップリングではなくプロ修斗公式戦、つまり岩本がMMAデビューを迎えることとなった。2011年9月3日の第1回大会から10年が過ぎ、世界のMMA界においてアジアを代表する存在となったONEが、10周年記念大会である意味、ONEらしいマッチアップを発表した。


ONEムエタイ世界フライ級王者でキックでも同級ランク1位のロッタンは2018年のONE初出場以来、MMAグローブでの立ち技戦で圧倒的な強さを見せ、10連勝中だ。

一方のDJはフライ級ワールドGPを制したものの今年の4月にアドリアーノ・モライシュの持つONE世界フライ級王座に挑戦し、人生初のKO負けを喫した。

立ち技では世界最高のロースターを誇るONEを代表する若き鉄人ロッタンと、MMAに至宝といえる全ての局面を融合させたDJの戦い。10周年記念大会のお祭り的な意味もあり、ONEの発表自体にone-of-a-kind battle(唯一無二のバトル)という表記も見られるが、最高の役者の顔合わせで格闘技的にも興味深い局面はいくつも考えられる。とはいっても、勝負の鍵を握るのはルール設定──以前にムエタイとMMAのどちらを先に持って来るのかという点に尽きる。

MMAグローブ着用で行われるようだが、ラウンド数や1Rが何分になるなどは明らかになっていない。重ねてルール設定がまず鍵となる一戦だけに正式発表を待ちたい。

またONE世界バンタム級選手権試合=王者ビビアーノ・フェルナンデス✖ジョン・リネケル、そしてONE世界フェザー級選手権試合=王者タン・リー✖ゲイリー・トノンという2試合もアナウンスされた。

前者は柔術✖ボクシングのブラジリアン同朋対決、後者はテコンドー系トータルファイターと至宝のグラップラーのマッチアップ、異種格闘技の香りがするMMA世界戦も要注目だ。

なおONE Xはさらに複数の世界が予定され、ONE10年の歴史を彩ったファイター、これからの10年を創っていく選手が勢揃いするという話も伝わってくる。そうなれば、「試合のオファーがあった」とSNSで発したあの人の参戦も十分に有り得る。出場メンバー、対戦カードの続報が気になる10周年記念興行だ。

■ONE「Revolution」視聴方法(予定)
9月24日(金・日本時間)
午後8時00分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時00分~ONE Super App

■ONE「Revolution」対戦カード

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] オク・レユン(韓国)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】メヂ・ザッツプッツ(アルジェリア)

<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ジョシュア・パシオ(フィリピン)
[挑戦者]猿田洋祐(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
マーチン・ウェン(豪州)
キム・ジェウン(韓国)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
アミール・アリアックバリ(イラン)
アナトリー・マリキン(ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ヴィクトリア・リー(米国)
ヴィクトリア・ソウザ(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ハシガトゥ(中国)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ペッダム・ペッティンディー・アカデミー(タイ)
内藤大樹(日本)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
マーカス・アルメイダ(ブラジル)
トーマス・ナルモ(ノルウェー)

<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
ペッタノン・ペットフォーガス(タイ)
ジャン・チェンロン(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ジェームス・ヤン(米国)
ロエル・ロサウロ(フィリピン)

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【ONE Revolution】パシオと決着戦、猿田洋祐「リベンジがしたいわけじゃない。狙っているのはベルト」

【写真】ブレがない猿田。手術痕を誇示してポーズ!!(C)MMAPLANET

24日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE「Revolution」で猿田洋祐が、ジョシュア・パシオの持つONE世界ストロー級王者に挑戦する。

ONE世界ライト級選手権試合=王者クリスチャン・リー✖ 挑戦者オク・レユン、ONEキック世界バンタム級選手権試合=王者カピタン・ペッティンディーアカデミー✖挑戦者メヂ・ザッツプッツと並び、トリプルクラウンが組まれた同大会で、猿田が3度目のパシオ戦に挑む。

昨年9月のRoad to ONE、内藤のび太を破ってから1年が過ぎ、ついにタイトル挑戦の日が決まった猿田の心境、王座奪取に賭ける想いを尋ねた。


──去年9月にRoad to ONEで内藤のび太選手に勝利してから1年が経ち、パシオへの挑戦となりました。内藤のび太戦ですが、今から振り返るとONEと契約している選手が日本で日本人選手と試合をする。なかなかリスキーなことで、大抵の選手は嫌がる状況下での試合を猿田選手は率先して戦いました。これこそ猿田選手のタイトルへの想いが表れた試合だったかと。

「確か1カ月ぐらい前だったと思うんですよね、オファーが来たのが。内藤のび太選手と試合をやるのに準備期間が1カ月、他の選手だったら断るかもしれないですね。でも自分はなんか、あまり試合を断ったことがなくて……というか断ったことは1度もないと思うんですよね。2週間前とかのオファーでも受けてきたので、のび太選手との試合も即決しました。

のび太選手とはやるだろうとイメージしていたので、即答できたというのもあります。ずっと戦いたい相手だったので。それがONEのタイトルマッチでメインイベントとかでできたら最高だなっていうイメージをしていました。だから、自分はすぐに飛びつきました。

迷いはなかったし、あとランキングも発表されていたじゃないですか。1位と2位の対戦、もちろんONEの本戦で戦うことができれば1番のアピールになっていたと思います。でも、ただ待っていてもチャンスは巡って来ないので。O-EASTで試合をしても、その結果は必ずメディアが報じてくれます。良いアピールになるので迷いはなかったです。あの試合があったから、1年という時間は掛かりましたけどタイトル戦が決まったという想いではいます」

──内々では昨年の11月か12月にパシオへの挑戦が決まっていたかと。

「ハイ、11月でした」

──パシオのケガで流れたという話もありましたが、当時のラカイは選手の感染もあったようでメディアでは正確な情報が掴み辛かったです。

「僕もパシオの怪我だと聞きました。ただ、それで精神的な上下というのはなかったです。そういうのはあまりないんですよね。以前はありましたけど、大沢さんに変えてもらって。昔は修斗のチャンピオンを目指していて、そこがゴールだと思っていました。そのためにHEARTSに移籍して、チャンピオンになりました。そこでは『防衛していって引退するのかな』っていうイメージしかなかったです。でも試合が終わった直後に大沢さんから『他の団体でも獲れよ』、『2階級、やれよ』と言ってくれて。

それに乗せられたというか(笑)。大沢さんのような人がいないと、やっぱり自分で考えているだけだったら、上を目指せていなかったです。大沢さんがいてくれて助かりました。自分のスタイルというか、試合は華がある感じではないので……」

──何て返せば良いのか……。

「パッと見で注目されるような試合はできないので、どうすれば注目してもらえるのかを考えた時、大沢さんが『いっぱい試合をしろ』ってアドバイスをくれました。チャンピオンになっても2カ月に1度試合をするとか。団体を渡り歩いて、試合をしていくとか。他のチャンピオンがやらないことをやっていこうと。それしかないと言ってもらえましたね」

──シュガー・レイ・レナードではなくて、トーマス・ハーンズということですね。

「いやぁ、分からないですけど(笑)」

──スーパースターになって大きな試合だけやっていくのか、ランキングを上がってきたボクサーと従来通り防衛していくのか。前者は負けても、それほど傷ついたイメージはなかったです。でも、後者のハーンズはそうやって試合を続けていると、ビックネームを相手にしていなくても負ける可能性がある。そんなハーンズが、どんどん格好良くなっていったんですよね。

「まぁ、そうですね。そういう姿勢を見せていきたいです」

──そういう風に考えると、ストロー級で海外、国際戦で戦っていける。そういう舞台がONEにできたことは猿田選手のキャリアでも本当に大きなことでしたね。それでも11月予定が、10カ月遅れで実現というのはなかなか気持ち的にも難しい時期があったのではないでしょうか。

「そうですね。11月にあるかもと言われていた試合がなくなって、次は1月、それから4月となく、7月ぐらいにあるかもしれないと言われていたので、その度に試合に向けて創っていく、それだけでした。あと今年に入ってから、ちょっとヒジの調子が悪くなって……もともと痛めていたのですが、頭や顔を洗うこともできないとか日常生活にも影響が出てきてしまって」

──それはかなりの症状ですね。

「それこそヒジに抜けそうになっていて、どこかのタイミングで手術をしないといけないと考えていました。でも4月にタイトル戦があるかもしれないということで、テーピングを巻きながら練習はしていたんです。結果、2月の終わりぐらいに4月はないということが分かって、それならこのままずっとやっていても良い練習はできないし、この状態で試合をしても後悔してしまう。そう思ったので、4月の頭に手術をしました。

先生は『普通だったら試合に出たり、練習ができるようになるまで半年は掛かる』と言われていたのですが、結局1カ月間で練習に復帰しました(笑)」

──それだけ、治癒が早かったと。頑丈ですね。

「頑丈なんですかね(笑)。でも、自分でも先生に『1カ月半、2カ月あれば治ると思います』って話していたんです。そのイメージでいたら、そうなりました(笑)。そうしないと間に合わないと思っていたので。だからリハビリに関しても、7月に試合をするイメージでやっていました」

──イメージすることが、そこまで大切だったとは。自分も五十肩が治るイメージを持つようにします(笑)。ところでこの間に挑戦権が、他の選手に回るという不安はなかったですか。

「う~ん、そうなるならそれで全然構わないし、別に順番はどうでも良いです。もっと言ったら、別にパシオでなくても良い。狙っているのは、ONEのストロー級王座なので。世界一のタイトルを持っているのが、今パシオ選手だから挑戦したいだけで、別に前回のリベンジをしたいわけじゃないし、彼と絶対に戦いたいというわけではないんです。現段階のチャンピオン、強い奴とやりたいだけで。常にそれは思っています」

<この項、続く>

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【ONE Revolution】9月24日にクリスチャン・リー✖オク・レユン。そしてパシオ✖猿田の決着戦

【写真】ようやくPacio vs Saruta IIIが実現する(C)MMAPLANET

17日(火・現地時間)、ONE Championshipのチャトリ・シットヨートンが自らのSNSで、9月24日(金・同)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムでONE「Revolution」を開催することと、タイトル戦3試合を発表している。

9月3日(金・同)のオール女子イベント=Empowerからオンリー・ライブ中継イベントが復活するONEが、早くもその次のイベントでMMA2階級、ムエタイ1階級のトリプルクラウンを組むことを明らかとした。


その3階級とはMMAがライト級で王者クリスチャン・リーにオク・レユンが挑む一戦と、日本の猿田洋祐がジョシュア・パシオとの決着戦に挑むONE世界ストロー級選手権試合の2試合、そしてキックの世界バンタム級選手権試合=王者=王者カピタン・ペッティンディーアカデミー✖挑戦者メヂ・ザッツプッツ戦だ。

クリスチャン・リーにとって3度目の王座防衛戦は、韓国からのチャレンジャー=オク・レユンを迎え撃つこととなった。オク・レユンは4月のTNTシリーズでマラット・ガフロフ戦勝利に続き、エディ・アルバレスの3大メジャー制覇の夢を潰し、挑戦権を掴んだ。

パシオ✖猿田のトリロジー決着戦は、昨年の国際大会再開期に一度決定していたが、パシオの負傷で流れたという背景がある。去年はパンデミック化で、リスクの高い国内大会=Road to ONEに出場して、内藤のび太に勝利した猿田。それだけタイトル奪回への想いは強い。

またONEにとって2021年9月は活動開始から10年の記念月間。年末まで記念シリーズが続くという話も伝わって来ていたが、10周年に相応しいカードの発表を待ちたい。

■ONE Battle Ground03視聴方法(予定)
8月27日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ ONE Battle Ground03対戦カード

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)

<57.7キロ契約/5分3R>
デェダムロン・ソーアミュアイシルチョーク(タイ)
バンマードォーチー(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
キム・デフォン(韓国)
シェ・ウェイ(中国)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ビー・ニューイェン(米国)
ジェネリン・オルシム(フィリピン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ティオル・タン(米国)
ソン・ミンジョン(韓国)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
プレウ・オトゴンジャルガル(モンゴル)
ベン・ロイル(英国)

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