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【FIGHT&MOSH】これぞ修斗伝承! 安芸柊斗戦へ、猿丸ジュンジ─02─「最後までKOを狙っていく」

【写真】諦めない「Never GiveUp」の精神は受け継がれていく(C)MMAPLANET

2日(土)、東京都江東区にある豊洲PITで開催されるプロ修斗公式戦「FIGHT&MOSH」で、安芸柊斗と対戦する猿丸ジュンジのインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

猿丸は2007年7月に修斗でプロデビュー。2021年11月、5度目の挑戦で念願であった修斗のベルトをその腰に巻いた。修斗にこだわってきた男のラストファイト――途中であきらめていたら修斗のベルトを巻くことも、かつて自分が倒した相手の息子と最後の試合で対戦することもなかった。そんな猿丸ジュンジにとって現役選手としては最後となるメッセージを受け取ってほしい。これが修斗伝承だ。

<猿丸ジュンジ インタビューPart.1はコチラ


――その佳孝さんの息子である安芸選手との試合が、しかもラストマッチで実現するとは……。本当にこれが猿丸選手のラストマッチになるのですか。

「はい。これがラスト! 現役最後の試合にします」

――では、これが現役選手としては最後のインタビューとなります。ご自身のキャリアを振り返って、「こうしておけば良かった」あるいは「こうしていたから良かった」と考えることはありますか。

「何度もタイトルマッチで負けたけど、黒澤選手に勝ってチャンピオンになれたこと。諦めなくて良かったと思います。だから安芸選手も諦めないでほしい。安芸選手って今、何歳ですか?」

――22歳ですね。

「22歳だと、まだまだ体は大きくなりますね。フライ級に上げて、チャンピオンは同じ新井選手だけど諦めずに挑み続けてほしいです。自分もストロー級で試合をしているなかで、どんどん体が大きくなっていました。でもストロー級で何度もベルトに挑戦して負けていたからこそ、ストロー級でチャンピオンになろうと続けていましたから」

――試合を通じて、その想いも安芸選手に伝わってほしいですね。これまでのキャリアの中で一番思い出深い試合も教えてください。

「タイトルマッチ以外だと最初の黒澤戦(2015年5月、猿丸がKO勝ち)ですね。あの時もモブスタイル興行で――実は怪我していたんですよ。周りの人たちが『試合に出るな』って言うような状態でした。でも自分は『右手一本、残っているから大丈夫ですよ』と訳分からないことを言って(笑)。お世話になっているモブスタイルの興行だから、どうしても出たかったし。それで試合をして、KOで勝てた。やっぱり諦めないことが大事ですよ」

――なるほど。試合の話に戻すと、対戦相手が安芸選手に決まり、試合用の練習はいつ頃から行ってきたのでしょうか。

「モブスタイル興行の話を聞いてから練習はやめていないし、追い込みの練習もコンスタントに続けていました」

――コンスタントに! 確かに顔つき、体つきがすでに試合に向けて仕上がっているように見えます。

「そうですね。ずっと体もコンディションもキープしています。もともとストロー級の時から、減量がキツいから日頃からキープするようにはしていて」

――今回の試合はストロー級ではなくフライ級契約なのですね。

「もうストロー級に落とす意味がないですしね。タイトルマッチでもランキングに絡む試合ではないから、対戦相手が決まる前から『フライ級で試合したい』と伝えていました」

――それもまさに「運命」だと思いました。安芸選手もインタビューで「ストロー級は新井戦が最後だと決めていた」と以前からフライ級転向を考えていたようです。どちらかがストロー級を希望していたら、もしかしたらこの試合は実現しなかったかもしれない。

「アハハハ、ちょうど良かったですね。だからフライ級で戦うためのコンディションをキープし続けていました」

――『がんばれ元気』的な要素が強い試合ではありますが、実際のところ現在ストロー級3位の安芸選手と、同級4位の猿丸選手によるランカー対決でもあります。ラストファイトの相手としては、ランキング上位陣を希望していたのですか。

「相手は誰でも良かったです。モブスタイルの興行で、自分がラストファイトを戦うということのほうが重要で。ただ、その中でも一番良い相手に決まりましたね。ドラマもあるし、修斗伝承で」

――!!

「安芸選手も修斗で試合し続けてきて、俺もブレずに修斗だけで戦ってきた。そんな自分のラストファイトの相手が安芸選手になる――これが修斗ですよ」

――今回の出場メンバーに元シューティングジム横浜勢が多いことも、修斗伝承の意味合いを深めているのではないですか。

「揃いましたよね。マモルさんの引退エキシビジョンがあって、リオン武さんと田中半蔵さんが試合をする。半蔵さんのタイトル挑戦が後楽園ホール大会ではなく、このモブスタイル興行になったのは偶然かもしれないけど、それでも何か運命を感じられるようなマッチメイクになって。そういえばマモルさんのエキシの相手が、ウルシさん(漆谷康宏)になったじゃないですか(マモル引退エキシビジョンの相手は漆谷、清水清隆、そしてXとなっている)。ここ何年もウルシさんに打撃を教えてもらっているんですよ」

――おぉっ! あのウルシスタイル=MMAアウトボクシングを学んでいるのですか。

「そう思うでしょ? アウトボクシングはもちろんだけど、ウルシさんってインファイトもメチャクチャ強いんですよ。今でもスパーしたら、すごく強くて」

――その漆谷さんや清水清隆さんなど、かつて日本フライ級を盛り上げた人たちが集まるのも感慨深いです。

「でもね、それだけじゃダメなんですよ。もっと若いファイターが修斗を盛り上げてほしい。この試合で安芸選手にはガンガン来てもらいたいです。それも含めて修斗伝承だから」

――では対戦相手である安芸選手の印象を教えてください。

「強い選手ですよ。これから修斗でチャンピオンになったり、もっと上に行くファイターですよ。安芸選手と新井選手の試合も、メチャクチャ良い試合だったじゃないですか。新井選手がKO勝ちしたけど、安芸選手も効かせていて――どちらが勝ってもおかしくない試合で」

――安芸選手は「引退試合だからといって相手に花を持たせる気はない」と仰っています。

「こちらも同じ気持ちですね。ラストマッチといっても、これは試合だから。倒しにいくっていう気持ちは最後の試合まで変わらないです」

――猿丸選手としては打撃戦になると思いますか。

「最後はそうなっちゃうでしょうね。せっかくオールラウンドで戦えるようになったのに(笑)。安芸選手は腰が強くて、テイクダウしても立ち上がるのが巧いじゃないですか。だから自分も考えたけど……、最後は打撃戦になると思います。最後まで自分はKOを狙っていきます。ぜひ試合を楽しみにしていてください」

■プロフェッショナル修斗公式戦 FIGHT&MOSH 視聴方法
12月2日(土)
午後5時30分~ABEMA TV

<世界フェザー級選手権試合/5分5R>
SASUKE(日本)
田中半蔵(日本)

<ミドル級/5分3R>
岡見勇信(日本)
キム・ジェヨン(韓国)

<マモル引退エキシビジョンマッチ/5分2R>
マモル(日本)
漆谷康宏 & 清水清隆 & X(後日発表)

<68キロ契約/5分3R>
リオン武(日本)
内藤太尊(日本)

<フライ級/5分3R>
猿丸ジュンジ(日本)
安芸柊斗(日本)

<フライ級/5分3R>
内藤頌貴(日本)
石井逸人(日本)

<フェザー級新人王決定T準決勝/5分2R>
青井太一(日本)
ネイン・デイネッシュ(インド)

■プロフェッショナル修斗公式戦 COLORS02 視聴方法
12月2日(土)
午後0時30分~ABEMA TV

<世界女子アトム級選手権試合/5分5R>
澤田千優(日本)
中村未来(日本)

<54キロ契約/5分2R>
ソルト(日本)
ホ・ジュギョン(韓国)

<52キロ契約/5分3R>
KAREN(日本)
パク・ソヨン(韓国)

<女子アトム級/5分2R>
平田彩音(日本)
MIYU(日本)

<女子アトム級新人王決定トーナメント決勝/5分2R 延長1R>
川西茉夕(日本)
天天さくら(日本)

<グラップリングマッチ 51キロ契約/8分1R>
前澤智(日本)
山田海南江(日本)

<グラップリングマッチ 85キロ契約/8分1R>
緒方亜香里(日本)
奥谷晴加(日本)

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K-MMA MMA MMAPLANET o ONE TOP FC YouTube   オーディン キム・ジェヨン メルヴィン・マヌーフ 修斗 岡見勇信

【FIGHT&MOSH】岡見勇信、修斗での戦いへ─02─「格闘技は潰し合い。その本質を見失ってはいけない」

【写真】この試合のために格闘技の原点に立ち使えるような練習を続けてきた。(C)TAKUMI NAKAMURA

12月2日(土)東京都江東区にある豊洲PITで開催されるプロ修斗公式戦「MOBSTYLES presents FIGHT&MOSH」にて、岡見勇信がキム・ジェヨンと対戦する。
text by Takumi Nakamura

インタビュー前編では復帰の舞台として修斗を選んだ理由、その決断に至るまでの心境を明かしてくれた岡見。後編では“戦う”ことへの原点回帰、そしてジェヨン戦にぶつけるファイターとしての想いを語った。

<岡見勇信インタビューPart.1はコチラ


――そして岡見選手に用意されたジェヨンは極真出身、2004年からチーム・タックルでキャリアを開始したK-MMAのパイオニアで、韓国国内ではAngel’s FCとTOP FCでミドル級王座に就き、2018年にはロシアのACBにも参戦した猛者です。ファイトスタイルも前に前に出てくる選手で、まさに勇気を持って立ち向かわなければいけない相手です。

「最初にこの選手でどうですか?と打診されて、名前と顔が一致しなかったんですよ。でも試合映像を見たら、ああ、あの選手か!と。メルヴィン・マヌーフともやっていますし、韓国人選手らしいタフでガツガツ前に出る真っ向勝負する選手なので、いい相手を用意してもらえたと思います。今の自分にとって最高の相手ですね」

――この一戦に向けてどんなことを意識して練習してきたのですか。

「ンサン戦を振り返ると、ファイターとしての気持ちの部分が欠けていたと思います。どうしてもキャリアや年齢を重ねると、小手先の技術でかわしてしまうというか。あまりダメージをもらわずに勝つような動きをしてしまいがちなんですよね。自分としてはそんなつもりはなかったんですけど、ンサン戦はどこかしらにそういう気持ちがあったんだと思います。久々の試合ということもあって、ンサン戦の前は潰し合うようなスパーリングは控えていたし、その時はそれが正解だと思って120%費やしたんですけど、結果・内容ともに『これじゃダメだよな』ということが明らかになりました。

あれから1年、自分が“戦う”のであれば、どういう練習をすればいいのか。どんなコンディションを作ればいいのか。それをもう一度考え直しました。やっぱり格闘技は潰し合いだし、どれだけ相手にダメージを与えるか、どれだけ恐怖を与えるか。それがあった上での技術や戦術だと思うんですよ。そういう格闘技の本質を見失ったらいけないし、そこから逃げるんだったら格闘技をやる意味がないということがはっきり分かったし、今回は自分を追い詰める、ダメージを与えることもあればダメージを受けることもある、そういう覚悟を持って試合に近い練習を若手たちとやってきました」

――戦うことへの原点に立ち返る練習ですね。

「それこそ若い時はスパーリングが恐怖だったし、憂鬱だったし、練習行きたくないと思ったし(苦笑)。でもそういう練習をやらないと…ですよね。僕が4年前にATTポートランドに練習に行ったとき、毎週土曜日がハードスパーリングだったんですけど、コーチから『金曜日は練習するな。そんなことはやらずに土曜日のスパーリングに集中しろ。土曜日のスパーリングの内容ですべて評価する。そのくらいの気持ちを持って土曜日に臨んでくれ』と言われるですよ。ようは土曜日のハードスパーリングが試合と同じだと」

――一週間の練習の中にもあえて試合と同じピークを設定する、と。

「スパーの出来が悪くて『疲労が溜まっているから動けなかった…』は許されないし、そのくらい土曜日のハードスパーに集中して、変な言い訳をするなと。だから試合が決まっている選手は試合と全く同じで、土曜日の試合のために一週間のメニューや強度を考えるんです。自分も今回はそういう練習を取り入れてやってきました。ある意味、年齢的にも今の自分にはそれが合っていますし、一週間の中で練習の山を作って、いい準備ができました」

――今は目の前の試合がすべてだと思いますが、どんな試合をしたいですか。

「本当に今回は先のことを考えていなくて、12月2日の自分がどうなんだ?と。ここまでやるべきことはやってきて、どんな結果になっても後悔しないというファイトキャンプを送ることが出来ました。だからここからは気持ちですね。19日の修斗で宇野さんの試合を間近で見て、対戦相手側でしたけど、すごいものを見させてもらったし。他の仲間たちの試合もそうですけど、色んなものを見て自分に還元できているので、あとはその気持ちを試合にぶつけます。それがどうなのかは試合をやれば分かることなので」

――前回の修斗で試合後にケージを出た宇野選手に声をかける岡見選手の姿が印象的でした。

「宇野さんの戦う姿を対戦相手のセコンドとして見ることになるなんて思ってもいなかったです。僕が慧舟會に入った時から宇野さんはスターで、僕が道場にいった初日に宇野さんがスパーリングしてくれたんですよ。その時のうれしさや感動は今でも忘れないし、そんな宇野さんと教え子のオーディンが戦うことになって、それをこのタイミングで見るという部分にも感じるものがありました」

――それでは最後に岡見選手の試合を楽しみにしているファンにメッセージをいただけますか。

「久々の日本の試合、修斗という舞台に上がれることをうれしく思います。今振り返るとコロナ禍になり、守りに入っている自分がいました。正直ONEの日本大会の時でも、自分の精神状態は終わりに入っていて、心も体も尽きていたんです。でもそこでもう一勝負したいと思い、アメリカに練習に行って、そのなかでミドル級に戻して戦おうという想いを持って 帰ってきました。

守りに入っている自分が嫌で、戦っている仲間たちを見て自分も前に出なきゃ、勝負しなきゃと思ってンサンと戦ったのに、結果・内容ともに不甲斐ないものになって……あの時に辞めようと思いました。でも心のなかで、まだ自分が勝負していない・逃げていると思って、1年間で時間をかけて自分を作ってきました。本当にその総決算、今の岡見勇信をすべて出せるところまで持ってきたので、そんな自分を間近で見てもらえたらうれしいです」

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【FIGHT&MOSH】岡見勇信、修斗での戦いへ─01─「この決断は決して簡単ではなかった」

【写真】「自分から逃げずに、相手から逃げない。それが前に進むということ」。その言葉一つ一つに岡見の想いが詰まっている(C)TAKUMI NAKAMURA

12月2日(土)東京都江東区にある豊洲PITで開催されるプロ修斗公式戦「MOBSTYLES presents FIGHT&MOSH」にて、岡見勇信がキム・ジェヨンと対戦する。
text by Takumi Nakamura

ONEでのオンラ・ンサン戦から約1年、岡見が戦いの場に選んだのは日本、そして修斗の舞台だった。この決断と選択に至るまで、岡見の中でどんな葛藤や想いがあったのか。復帰戦に向けた…では収まらない、岡見勇信というファイターの現在を伝えるインタビューを前・後編に分けてお届けしたい。


――昨年11月ONEでのオンラ・ンサン戦以来、約1年ぶりの試合が決まりました。

「前回のンサン戦が終わって、地道にトレーニングを続けて徐々にコンディションを作っていました。そこで身体の状態が上がって、試合ができるところまで来たからこそ、試合をすることを決めたので、コンディションや仕上がりはここ4年間のなかで一番いいぐらいの状態ですね」

――ONEと修斗ではハイドレーションの有無もあり、減量や体重調整はいかがでしょうか。

「前回の試合はハイドレーションテストがある93kg契約だったので、減量そのものは楽と言えば楽なんですよ。でも今回のように83.9kgとなるとそうはいかないので、久々にちゃんと減量している感覚ですね。それこそONEに参戦する前、UFCで戦っていた時期以来なので、約4年ぶりの減量で、普段は食事制限してチートデイを入れたりだとか、そういう準備も新鮮ですね」

――12月を目途に試合を考えるというよりも、試合ができるコンディションを作る上で、12月に試合が決まったという流れのようですね。

「はい。夏くらいに自分の状態が上がっている感覚や手応えがあって、年内に1試合やって、自分がやってきたことを形にしたいという気持ちになっていました。ちょうどその時期に修斗の坂本(一弘)さんとお話しする機会があって…という流れですね。本当に色んなタイミングがあって実現した試合です」

――確認ですがONEとの契約は終わっているのですか。

「そうですね。ONEとは直接コンタクトをとって、なかなか試合が組まれない状況ではあるけれど、年齢的なことを考えても年内に試合をしたいということは伝えていて。ONEもこちらの想いを理解してくれて、一度ここで契約を終わりにしようという結論になりました。僕自身ONEには凄く感謝しているし、ONEからは『これからも頑張ってほしい』と声をかけてもらいましたね」

――YouTube「SHOOTO OFFICIAL」チャンネルの動画内でもコメントしていますが、なぜ復帰戦の場として修斗を選んだのですか。

「なかなかONEで試合が組まれない中で、日本で試合をして形を作りたいと思っていて。坂本さんとはEXFIGHTを通じて選手を(修斗に)出場させてもらったり、友好な関係を築かせてもらっていて、修斗のミドル級が機能しているところを見ていました。それで坂本さんに『僕が修斗で試合するのはどうですか?』と話をしたら、トントントン!と話が進んで実現に至りました。あとは僕も国内の主要団体でパンクラスとDEEPには何度も出ているのですが、修斗には出たことがなくて、それが自分のなかで引っかかっていたんですよね。動画でも話した通り、慧舟會時代の先輩たちはみんな修斗で戦っていたので、そういったことも修斗を選んだ理由ですね」

――岡見選手はデビュー当初パンクラスでも試合をしていましたが、修斗は70kg以下の軽量級の選手が多いイメージでした。

「確かにそんな印象がありましたよね。だから修斗の会場にはよく行ってたんですけど、セコンドと応援がほとんどで、自分が試合をする場所として見ることはなかったですね。ただ修斗には脳裏に焼きつく試合や場面が多くて、このタイミングで試合に出ることは光栄ですし、うれしいです」

――ファイター以外の部分で修斗に触れて、他のプロモーションとの違いや修斗の特徴をどう感じていますか。

「みなさんがおっしゃるように“歴史”ですよね。修斗には日本のMMAの歴史が詰まっているというか。坂本さん、中井(祐樹)さん、(佐藤)ルミナさん、(桜井)マッハ(速人)さん、宇野(薫)さん、五味(隆典)さん…修斗は僕らが憧れていた人たちが活躍していた舞台でしたよね」

――僕も岡見選手の同世代ですが、ファン時代はMMAグローブをつけているのが修斗というイメージで、MMAとして修斗から受けた影響は大きいです。

「慧舟會に入る前から修斗やバーリトゥードジャパンの試合を見て『すごい世界があるんだな』と思っていましたし、憧れも持っていたので、だからこそ修斗で試合をしていないことが引っかかっていたし、チャンスがあれば修斗で戦いたいと思っていました」

――岡見選手のキャリアや実績があれば、日本で試合をする場合、修斗以外にも色んな選択肢があったと思います。例えば興行の規模的にRIZINで復帰戦をやりたいという考えはなかったですか。

「なんだろうな…RIZINは素晴らしいイベントだし、今の選手や若い子たちが活躍して勢いをつけている舞台だと思うんですよね。でもそれと自分が戦う場所は別物というか。自分が見て学ぶ舞台と自分が戦う舞台は別で、自分が戦う舞台としては見ていなかったんですよね。だからRIZINで試合をするということは頭にはなかったです。それは他の団体も同じで、今の自分にとって選択肢になかったというか。自分が試合できる時期、大会のスケジュール…そういったものが上手く重なっていたのが修斗で、どこで復帰戦をやるかというよりも、自分が年内に試合をするということが第一で、そのなかで色々なタイミングが重なったのが修斗でした」

――YouTube「SHOOTO OFFICIAL」チャンネルでは「岩﨑大河選手がミドル級を引っ張っていて、こういう若い選手と戦うことに意義があるのかなと思った」というコメントもありました。こちらの発言についても聞かせてください。

「変な話、おじさん同士で戦っても、今の自分の実力は分からないじゃないですか。若い選手やこれからの選手と戦うことで、今の自分の実力がはっきり分かる。そこを明確にするために、岩﨑くんとかそういう選手たちと勝負したいと思いました。見ている人も同じだと思うんですよ、『若い選手と42歳の岡見勇信が戦ったらどうなるんだろう?』や『今の岡見勇信の実力はどうなんだ?』って。そうやってみなさんに興味を持ってもらえる試合をするという意味でも自分の進むべき道が見えました」

――これは個人的な考えです。僕はもう岡見選手は自分の実力がはっきり分かる試合をやらなくてもいい、そうやって格闘技人生を終えてもいい、それだけのことをやってきた選手だと思います。実際にそういった道を望む選手もいると思うのですが、岡見選手は自分がチャレンジする試合をやりたいという想いが勝ったのでしょうか。

「そうですね………この決断は決して簡単ではなかったんですよ。そういう戦いに挑むことは怖い部分もあるし、このまま守りに入ってキャリアを終えて新しい道に進むことも考えました。キャリアの終わりを汚す必要はないんじゃないのかなって何度も思いました。でもGSAで練習していて、同世代の水野竜也やストラッサー(起一)さんが前を向いて戦っている姿を見て、もちろん勝ったり負けたりはありますけど、みんなが前に進んでいるパワーを感じると刺激になります。それと同時に内藤由良とか三上ヘンリー大智とか若い選手たちと練習して、彼らからも刺激や力をもらって、まだまだ勝負できると思いました。そうやってまだ戦える・勝負できる状態なのに、それをやらないのは、自分としては『ない』と思いましたね」

――なるほど。「今の岡見勇信の実力はどうなんだ?」という戦いに挑み、それをファンに見せる。それは岡見選手の格闘技人生のテーマのような気がしました。キャリアの初期から海外に挑戦し、UFCでキャリアを積み、ONEにも参戦して……その時々で目の前にある壁から逃げずに立ち向かっていったのが岡見選手だと思います。

「それは……僕も逃げたくなることありましたよ。でもそこと向き合っている時が一番充実しているんですよね。僕もたくさん負けて悔しい想いをしてきたんですけど、何かしらの光を見つけることができたし、だからこそここまで続けてこれたと思うし。おかげさまで大きな怪我をすることもなく、キャリアを積むことができて、何とか気持ちも続いています。自分から逃げずに、相手から逃げない。憂鬱になるような相手と戦うこともありますけど、それが前に進むということだと思います」

<この項、続く>

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【Special 】K-MMA、2023年・秋。修斗で岡見勇信戦、キム・ジェヨン「衰えたという声に負けない」

【写真】この試合に向けて取材後に米国で練習をしてきたという話も伝わってくる――キム・ジェヨンだ(C)MMAPLANET

日本と韓国、MMAにおいても永遠のライバルである両国。Road FCを頂点とするK-MMAは規模的には日本のRIZINのようなビッグステージを持たない。対してUFCファイターの評価は引退したコリアンゾンビに代表されるように、韓国勢の方が高い。9月のDEEP vs BLACK COMBATで後者が日本の老舗を圧倒した。日韓関係に少し変化が見られるようにもなった10月最終週に訪韓、K-MMAの今を歩いた。
Text by Manabu Takashima

特集「K-MMA、2023年・秋」。遅まきながら第二弾は12月2日(土)に東京都江東区の豊洲PITで開催されるプロ修斗公式戦=FIGHT&MOSHで岡見勇信と戦うキム・ジェヨンの声をお届けしたい。

MMAデビューは2004年2月――キャリア19年、K-MMA界の生き字引といえるキム・ジェヨンにとっての岡見勇信戦とは。


――12月2日に修斗で岡見選手と戦うことが決まりました。今の気持ちを教えてください(※取材は10月25日に行われた)。

「岡見選手のようなメジャーなファイターと戦うことは、自分の格闘技人生のなかで、一番のチャンスが来たという感じです。岡見選手と戦える日が来るとは、全く期待をしていなかったので。これが2年振りの試合になるのですが、この間にケガもあり潮時かと考えることもありました。でもまだ辞められないと1年前に思い直し、トレーニングに戻りました。そのような過程があったので、今回のオファーは本当に嬉しかったです」

――2004年にソウルで行われたGladiatorの旗揚げ戦を取材した際、初めて韓国のMMAジムを訪れさせてもらったのですが、チーム・タックルに既にキム・ジェヨン選手が在籍しており極真空手出身だと聞かされたことが思い出されます。いわば韓国MMA界のパイオニアです。

「あの頃は情熱と根性だけでMMAをやっていました(笑)。その情熱は自分だけでなく、大韓民国のMMA関係者が持っていたのでキム・ドンヒョンやジョン・チャンソン、チェ・ドゥホら有名な選手が生まれたと思います。自分の韓国のMMAの発展に役立とうと頑張ってきました」

――今、名前が挙がった選手たちはUFCファイターになれました。一方でキム・ジェヨン選手はあの場で戦うことがなくても、ここまでキャリアを積んできました。

「UFCが30歳になった選手と契約したがらないのは、その後の伸びしろを考えても理解できます。同時に30代の壁を感じ取る人が多いことは知っています。ただしMMAは五輪競技ではないので、精神力や技術力で乗りこえるモノがあります。自分自身、UFCがMMAを続ける上での唯一の目標ではなかったです。そして30歳を過ぎても、強くなれる方法は存在しています」

――なるほどぉ。UFCだけが目標でなかった。では、キム・ジェヨン選手はなぜMMAを始めようと思ったのですか。

「もう大昔の話ですね(笑)。自分が極真空手を始めたのは、強くなりたいと思ったからです。そしてMMAを見た時、ここで勝つことが強さに通じると思って始めました」

――当時の韓国のMMAはイベントができても、継続して活動できるところがSprit MC以外はほとんどなかったです。当時、MMAが韓国に根付くという希望を持っていましたか。

「何度も『もう少しだけ耐えてみよう』という繰り返しでしたね。Sprit MC以外でも自分が競技生活を続けることができたのは、応援してくれる方の支えがあったからです。まぁ韓国国内だけでなくMMAにはUFCやPRIDEがあったので、ジムの指導をしてスポンサーの協力を得られてことで、生活はできました。ただABCを始め海外で戦うことで、国内の選手よりも待遇は良くなり、その時に『やっていける』と思うようになりました。若い頃はガムシャラに突っ走って、やるだけやろうという風でした(笑)」

――韓国のMMAは活動開始同時は打撃が強く、組みに課題があるという時代もありました。その後の技術の変革を常に向き合ってきたかと思います。

「MMAデビュー直後は自分も極真空手出身のアグレッシブなストライカーでした。今も指導をしてくれているパク・ヒョンウク監督に出会ってから、MMAに合う打撃、MMAに合うクリンチ・レスリング、MMAのための寝技を教えてもらいウェルラウンダーに成長することができました」

――技術力が進歩してくると、最終的には気持ちの強さが欠かせないのもMMAだと思います。そのなかで極真でガンガンとやりあってきた経験というのは生きてくるものでしょうか。

「自分の考えでは、極真空手はMMAにあまり役立たないです。自分は極真の癖を直すために苦労をした口です(苦笑)。やはり極真がガンガンとやりあえるのは、顔面を守る必要がないからで。あの距離をMMAで戦うには、それだけの防御と攻撃が必要になってきますが、極真はそこを省いてあの攻防があるわけなので」

――精神的な支柱にもならないですか。

「MMAと極真は別物です。自分はミドル級としては背も低く、リーチも短いので精神論を武器に戦うことはできない」

――押忍、忌憚のないご意見をありがとうございます。ではキム・ジェヨン選手が40歳になるまでMMAを続けることができたモチベーションとはどこにあったのでしょうか。

「プロMMAファイターを続けることができたモチベーションは、チームの存在です。このチームで皆で練習を続けることが、MMAを戦う目的であり、どこそこで戦いということが目標ではなかったので。このチームで活動し、皆と刺激しあい成長することが自分のモチベーションですね。

引退するまで、世界中の強者と可能な限り戦いたいと思っています。過去のキャリアを振り返ると、拘り過ぎることがあり過ぎたり――反省することが多いです。もっとできることもあったと思います。後悔することも多かったですが、そういう時にもチームの皆が支えてくれました」

――さすがACBで戦った選手の言葉は説得力があります。

「ACBはUFCで戦う力がある選手だらけだと聞いて、戦ってみたいと思いました。当時は米国のサイトでアジアのミドル級で1位だったので、やってやろうと気持ちになったんです。だからこそ、今回は岡見選手のような強い選手と戦えて嬉しいです」

――最近の岡見選手のパフォーマンスを見て、どのような印象を持っていますか。

「最近の岡見選手は、以前より衰えたという風に見られていますが、だからこそ強くなれる。自分もそのような声……衰えたという声に負けないように努力して、強くなっています。だから、岡見選手を相手に全く気を緩めることはないです。岡見選手はクリンチが強く、プレッシャーも凄いです。そこに負けないように対策し、岡見選手だけでなく30年間、格闘技をやってきたキム・ジェヨンを倒せる試合をしたいです」

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【FIGHT&MOSH】修斗初参戦の岡見勇信がキム・ジェヨンと対戦、王者SASUKE×挑戦者 田中半蔵も決定

【写真】(C)ONE & MMAPLANET
2日(木)YouTube「SHOOTO OFFICIAL」チャンネルにて、12月2日(土)に東京都江東区にある豊洲PITで開催される「MOBSTYLES presents FIGHT&MOSH」の追加対戦カードが発表された。
Text by Takumi Nakamura

修斗をはじめ多くのファイターをサポートするスポーツギアブランド=MOBSTYLES(モブスタイル)と修斗がタッグを組んで開催する「MOBSTYLES presents FIGHT&MOSH」。約3年9カ月ぶり・3度目の開催となる今大会では第1弾対戦カードとしてリオン武×内藤太尊、猿丸ジュンジ×安芸柊斗の2試合が発表されていた。

新たな追加カードとして修斗初参戦の岡見勇信とキム・ジェヨンの一戦が発表された。サステインの坂本一弘代表が「まさかこの選手が修斗のケージに上がってくれるとは思っていなかった」、MOBSTYLESの田原洋代表も「ライブハウスの大会にフェスが来た。(アーティストに例えると)矢沢永吉ですね」と話す岡見のサプライズ参戦となったが、これは岡見本人からリクエストがあったもの。


(C)ANGEL’S FC

対戦相手のジェヨンは極真出身、2004年からチーム・タックルでキャリアを開始したK-MMAのパイオニアで、2012年からはNOVA MMAに所属。

(C)ONE

韓国国内ではAngel’s FCとTOP FCでミドル級王座に就き、2018年にはロシアのACBにも参戦した猛者で、日本と韓国のMMAをけん引してきた「日韓レジェンド対決」(坂本代表)となった。

岡見にとっては昨年11月のオンラ・ンサンに敗れて以来の再起戦となり、日本のプロモーションでの試合は2016年7月のパンクラス参戦から実に7年5カ月振りとなる。動画内では岡見が修斗参戦への経緯、そして修斗で戦うことへの抱負を語った。

岡見勇信
「大先輩の宇野薫さんがチャンピオンになっていたり、慧舟會の先輩方が修斗に出ていて、セコンドや応援で何度も会場に足を運ばせてもらいました。ただファイターとしては縁がなく、僕も海外中心で戦ってきたのですが、いずれ日本で戦うときに修斗で戦ってみたいという気持ちは常々ありました。今、岩﨑大河選手がミドル級を引っ張っていて、こういう若い選手と戦うことに意義があるのかなと思い、坂本さんに『修斗で戦うことはできますか?』とお話させていただきました。

(ジェヨンは)歴戦の猛者、韓国らしく気持ちが強くて頑丈でどんどん前に出てくる選手だと思います。そんな相手と修斗で戦えることは光栄で、やりがいがあります。試合映像を見てそう感じました。気持ちの勝負が大きな割合を占めると思うし、こちらが気持ちでひくとドンドン出てくる選手です。気持ちを持ったつぶし合い、どちらが前に出られるかの勝負が一番大きいと思います。

(日本での試合について)緊張もすごくあり、ワクワクする感じもあります。1年間試合をしてなかったのですが、日本の舞台に帰ってくることが昔に戻るというか、また新しい冒険をするというか。42歳でこんなことやっていいのかなと思うんですけど(笑)、冒険という気持ちにさせていただけています。

(今後について)20代中盤の気持ちを持って戦っていこうと思います。選手としての終わりを考えるとか、そういうことはやめました。今出来る精一杯をやって、そこからら先が見えてくると思います。僕は今自分にすごく期待しています。引退するために試合する、最後に自分の試合を見てもらうとか、そういう感傷的なネガティブな気持ちは一切ないです。自分を信じて、自分に期待して、自分の背中を見せる。この先を見据えて戦いですが、全力でつぶし合いをします」

そして今大会のメインイベントとして修斗世界フェザー級タイトルマッチ、王者SASUKE×挑戦者 田中半蔵が決まった。Road to UFCで無念の2年連続敗退となったSASUKEは今回が2度目の防衛戦を迎えることなった。

田中は昨年5月に闘裸男・福岡大会でプロ修斗公式戦に約9年振りに参戦──結城大樹とロイベ・デ・オリベイラ・ネイトに連勝して王座挑戦のチャンスを掴んだ。両者は動画内でタイトル戦へ向けた意気込みを語った。

SASUKE
「対戦相手の候補が何人かいたのですが、チャンピオンである以上、ベルトをかけてやらないといけないと思い『防衛戦をやらせてください』と伝えました。(田中は)経験豊富なファイターで勝負どころが分かっていると思います。切れ味のあるストライカーだと思っていたのですが、最近の試合は勝負どころでは組みも出来る印象なので、スキルも高く侮れない相手だと思います。(田中は40代になっての挑戦だが)僕のジムには強い40代がいっぱいいるので、侮れないです。アグレッシブに戦って見ている人たちが退屈しないような、最後は立ち上がって手を叩くような試合をしたいです」

田中半蔵
「(SASUKEは)柔道出身で足技が上手くて一発があるので警戒しています。初の5Rなので、しっかり5Rかけて戦いたいと思います。年齢的に衰えているところもありますが、技術的に今が一番乗っています。今回は最後のチャンスだと思うので、チャンピオンになります」

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【Angel’s FC22】大晦日イブ。フェザー級王座決定戦で、清水俊一が5戦目の強者ユ・ジュサンと対戦

【写真】キャリア的には72戦目と5戦目……ただしフィジカルとレスリング力ではユが清水を上回る (C)BRAVE CF & MMAPLANET

30日(金・現地時間)、韓国はコヤンのキンテックス7AホールでAngel’s FCC22が開催される。

Double GFCとの共闘路線から、別々の道を歩むことになったAngel’s FCの2022年。その最終戦がソウルの北西、地下鉄で1時間ほどのベッドタウン=コヤンにある韓国最大級の展示・会場施設=キンテックスで行われる。


メインはDouble GFC王者キム・ハンスルとのダブルタイトル戦に敗れた元ウェルター級王者のコ・ソクヒョンが、ミドル級転向初戦でキム・ジェウンと同級王座決定に挑む。

10thPlanetの支部=チャンヤンMMA所属のキムはキャリア4勝4敗のグラップラーで、ADCC韓国大会などグラップリング大会で優勝経験がある。柔道家、投げでコンバットサンボ世界王者に輝いたコ・ソクヒョンは、MMAでもテイクダウンまでは力強く、そこからのフィニッシュ力は乏しいという印象がある。

寝技上等のキム・ジェヨンとしては投げられても、自らのフィールドに持ち込まれるのは都合が良く、この誰もが想像できる展開のなかでコ・ソクヒョンが、下からの対応をいかに捌いていけるのかに勝負は掛かっている。

またコメインでは日本の清水俊一が、フェザー級王座決定戦をユ・ジュサンと戦う。ユはプロボクサーのライセンスを保有しているストライカーだが、キム・ドンヒョン譲りのレスリング力も高いレベルにある。

ユ・ジュサンは4月にはBRAVE CF韓国大会で勝利し、9月には1月にGladiatorライト級王座に挑戦するグスタヴォ・ウーリッツァーにライト級マッチで判定勝ちを収めている。バンタム級で戦ってきた清水とは体格も違う。それ故に真っ向勝負は難しいとはいえ、清水は簡単に下にならない戦い──引き込むのであれば、ここ一番というタイミングで全力に極めに懸かるファイトを心掛けたい。

また第7試合にはコリアンゾンビMMA所属のチョ・ハンギルが出場し、新垣聖太と戦う。ハンギルは師匠譲りのゾンビファイターで、実際にキム・ドンキュウとの試合では前歯を3本へし折られても判定勝ちを手にしたブルファイターだ。この試合の勝者が、バンタム級王者ソン・ヨンジェとのタイトルマッチが有力視されている。

■AFC22対戦カード

<AFCミドル級王座決定戦/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
コ・ソクヒョン(韓国)

<AFCフェザー級王座決定戦/5分3R>
清水俊一(日本)
ユ・ジュサン(韓国)

<フライ級/5分2R>
パク・チャンビン(韓国)
キム・ジンミン(韓国)

<バンタム級/5分2R>
新垣聖太(日本)
チェ・ハンギル(韓国)

<無差別級DIEDIE決戦/5分2R>
アジベク・ガフロフ(ロシア)
キム・ヨンウ(韓国)

<フライ級/5分2R>
チョ・ジュンゴン(韓国)
キム・テフン(韓国)

<無差別級DIEDIE決戦/5分2R>
キム・イゴル(韓国)
サルマン・カン(韓国)

<ライト級/5分2R>
ペク・スンデ(韓国)
チェ・ジス(韓国)

<無差別級DIEDIE決戦/5分2R>
ジャン・スンヒョ(韓国)
ジャン・ドヒョン(韓国)

<バンタム級/5分2R>
ソン・ヒョンジョン(韓国)
パク・ミンジェ(韓国)

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UFCが2023年第1四半期(1~3月)の大会スケジュールを発表/2.5韓国大会は消滅か

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 UFCが2023年第1四半期(1~3月)のスケジュールを発表。

1月14日 『UFC Fight Night: Gastelum vs. Imavov』ネバダ州ラスベガス、UFC APEX
1月21日 『UFC 283』ブラジル・リオデジャネイロ
2月12日 『UFC 284: Makhachev vs. Volkanovski』西オーストラリア州パース
2月18日 『UFC Fight Night』ネバダ州ラスベガス、UFC APEX
2月25日 『UFC Fight Night』ネバダ州ラスベガス、UFC APEX
3月04日 『UFC 285』ネバダ州ラスベガス、T-モバイル・アリーナ
3月11日 『UFC Fight Night』ネバダ州ラスベガス、ヴァージンホテルズ・ラスベガス・シアター
3月18日 『UFC 286』イングランド・ロンドン、The O2
3月25日 『UFC Fight Night』テキサス州サンディエゴ、AT&Tセンター


 MMAJunkieも指摘していますが、2月5日の韓国・ソウル大会が入っていません。


 つまり2月4日にソウル大会が、スケジュールから外れていることになる。同大会はコリアンゾンビことジョン・チャンソンのUFCラストマッチを筆頭にチョン・ダウン、チェ・ドゥホ、キム・ジェヨンパク・ジュンヨンという韓国勢が集結し、日本から平良達郎の3戦目=ヘスス・アギラー戦、木下憂朔のオクタゴンデビュー戦=アダム・フューギット戦、さらにはRoad to UFC決勝戦4試合が組まれることが確実視されていた。

 しかし、今回のオフィシャルとしてのスケジュールにソウル大会の含まれておらず、キャンセルになったという見方もできる。

 事実、目玉であるジョン・チャンソンの試合が決定しておらず、彼の試合が流れるようであれば現在、韓国でUFCのメディアパートナーとなっているCJ ENM──Mnet Asian Music Awardsを主宰するなどエンターテイメントの大手──が、同大会の実施に難色を示していたという話は伝わって来ていた。

 とはいえ現時点で出場選手のマネージメントにまだソウル大会がキャンセルされたという連絡は届いておらず、Road to UFCファイナル出場者で負傷などを理由に欠員が出ても、代替出場はなくその階級の決勝は延期されるという通達があったばかりだとも聞く。

 大会まで2ヶ月を切った段階で正式発表が無いということは、開催する可能性はかなり低いのではないでしょうか。

MLB、韓国での100年ぶりの試合が中止「継続的な契約上の問題を抱えており…」 AP報道(日刊スポーツ・2022年10月29日)

 最近もメジャーリーグの韓国ツアーが中止されたことがありました。続きを読む・・・
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【UFC】上四半期のスケジュール発表。平良&木下揃い踏み、RTU決勝のソウル大会は……キャンセル??!!??

【写真】2019年12月のプサン大会でヘッドライナーだったジョン・チャンソン。3年2カ月振りのUFC韓国大会の行方は……(C)CHONG SUNG OUK

8日(木・現地時間)、UFC282ファイトウィークのUFCが2023年度上四半期のスケジュールを発表した。

UFCの2023年は1月14日のラスベガスApex大会からスタートし、21日にはブラジルのリオでUFC283。そして2月11日に豪州パースでUFC284、さらには18日&25日にApex。3月にはベガスのTモバイル・アリーナでUFC285、11日が同じくベガスのザ・シアター・アット・ヴァージンホテルズ(旧ジョイント)大会、そして18日はロンドンでUFC286。25日がテキサス州サンアントニでUFNが開かれることとなっている。

つまり2月4日にソウル大会が、スケジュールから外れていることになる。同大会はコリアンゾンビことジョン・チャンソンのUFCラストマッチを筆頭にチョン・ダウン、チェ・ドゥホ、キム・ジェヨンパク・ジュンヨンという韓国勢が集結し、日本から平良達郎の3戦目=ヘスス・アギラー戦、木下憂朔のオクタゴンデビュー戦=アダム・フューギット戦、さらにはRoad to UFC決勝戦4試合が組まれることが確実視されていた。


しかし、今回のオフィシャルとしてのスケジュールにソウル大会の含まれておらず、キャンセルになったという見方もできる。

事実、目玉であるジョン・チャンソンの試合が決定しておらず、彼の試合が流れるようであれば現在、韓国でUFCのメディアパートナーとなっているCJ ENM──Mnet Asian Music Awardsを主宰するなどエンターテイメントの大手──が、同大会の実施に難色を示していたという話は伝わって来ていた。

とはいえ現時点で出場選手のマネージメントにまだソウル大会がキャンセルされたという連絡は届いておらず、Road to UFCファイナル出場者で負傷などを理由に欠員が出ても、代替出場はなくその階級の決勝は延期されるという通達があったばかりだとも聞く。

ようやく追い風が吹いてきた日本でのUFC、平良と木下の揃い踏みに加えRoad to UFバンタム級決勝=中村倫也✖風間敏臣がマッチアップされたソウル大会──なんとか実施される大逆転に一縷の望みを持ち続けたい。

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K-MMA MMA キム・ジェウン キム・ジェヨン ユ・サンフン

【Angel’s FC】最後のパイオニア世代キム・ジェヨン、ユ・サンフンのハイ、ヒザ、フックに王座陥落

<Angel’s FCミドル級選手権試合/5分3R>
キム・ジェヨン(韓国)
Def.2R4分10秒by TKO
ユ・サンフン(韓国)

距離を取り、上半身を振るキム・ジェヨンに対し、ユ・サンフンがローを蹴って回る。追いかけてショートのコンビを繰り出したキム・ジェヨンだが、体を入れ替えたユ・サンフンがヒザ蹴りをボディに入れて離れる。ユ・サンフンは左ロー、続く右をかわしたキム・ジェヨンはレベルチェンジが組んでケージに押し込む。体を入れ替えて離れたユ・サンフンは、スイッチしたキム・ジェヨンに右ハイを蹴っていく。

ブロックしたチャンピオンがローから距離を詰めてフック、ケージに押し込むも、ユ・サンフンは離れて右前蹴り、左ミドルを蹴り込む。さらに左ロー、回って右ハイを蹴ったユ・サンフンだったが、右を伸ばして距離が詰まったところで右ショートフックを受けて倒れる。

すかさずマウントからバックマウントを取ったキム・ジェヨンだが、ユ・サンフンはスクランブルに持ち込んで立ち上がる。パンチを入れながら離れた王者は構えを小刻みに変え、ボディを打ち込むと、組んでテイクダウンへ。ここもユ・サンフンはすぐに立ち上がり、打撃の間合いになると勢いのある右ハイを蹴る。キム・ジェヨンが組んでケージに押し込んだところで初回が終わった。

2R開始直後に左ハイを蹴ったユ・サンフンが、ショートのワンツーを打って離れる。すぐに組みついたキム・ジェヨンはボディロックテイクダウンを決めスクランブルでバックに。巻き込んで上を取ったユ・サンフンは、自ら立ち上がってスタンドに戻ると、ケージを背負ったキム・ジェヨンに前蹴り、アッパーを打っていく。

ここから蹴りで戦ったユ・サンフンは、キム・ジェヨンの前進を許すが前蹴りで突き放す。ユは前蹴り、続いてワンツーをヒットするなど、圧負けしないファイトを展開する。対してキム・ジェヨンは組んでも自ら離れるなど、疲れが目立つ。

またも組んで離れたキム・ジェヨンに左ハイを蹴ったユ・サンフンは、ローに続く左フックをかわす。前蹴りで腹を蹴り、パンチも顔面を捕らえるようになったユ・サンフンは、組んでケージに押し込まれても簡単に離れ左前蹴り、組んでボディを殴る。

アッパーを返したキム・ジェヨンは間合いを取り直したユ・サンフンに左フックを振るうが、腹への前蹴りを効かされている。それでも前に出たキム・ジェヨンだったが、左ハイを受けて動きが落ちち、仕留めに来たユ・サンフンとフックを打ち合う。

ここでユ・サンフンは首相撲から跳びあがってヒザを突き上げると、ケージにキム・ジェウンが下がる。ユ・サンフンはパンチから再度、首相撲に捕え飛びあがってのヒザ蹴りを2つ、完全に動きが止まったキム・ジェヨンは連打に晒されると最後は右フックにマウスピースを吐きだし、勝負は決した。

K-MMAが本格的にスタートを切った2004年4月のSprit MCから戦ってきたキム・ジェヨンの王座陥落。新時代の扉を開いたユ・サンフンは──本来はウェルター級の新チャンピオンは「2週間前のオファーで体重を落としました。キム・ジェヨン選手を相手に断る理由はなかったです。作戦勝ちでした。レスリング勝負に来ると分かっていたので、必ず疲れるという自信がありました。もうすぐ2人目の子供が生まれるので、自分の父親になれて良かったです」と勝利者インタビューで話した。


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DEEP K-MMA MMA ROAD FC UAEW YouTube アン・ジョンギ キム・サンウク キム・ジェヨン パク・ヒョンソン ユ・サンフン 海外

【Angel’s FC18】キム・ジェヨン✖ユ・サンフンの新旧対決。コムンベレー出身キム・サンウクに注目!!

【写真】 昨日の計量では挑戦者が83.85キロ、王者が 84.25キロでパスしている(C)ANGEL’S FC

本日23日(金・現地時間)、韓国はソウルのシンドリム・テクノマート11階・特設ケイジでAngel’s FC18が開催される。

メインではAFCミドル級選手権試合=王者キム・ジェヨン✖挑戦者ユ・サンフンが組まれている。本来、キルギスのトルスンベク・アシルガジエフが挑戦者の予定だったが、韓国のコロナ陽性者増加により入国が難しくなりユ・サンフンがキム・ジェヨンの2度目の王座防衛戦の相手に抜擢された。


チームMAD所属のユ・サンフンはアジア・ゲームスの散打で銀メダルを獲得しており、MMAでは6勝2敗──この黒星はコンテンダーシリーズとUAEWで喫したものだ。AFCでは5連勝中でデビュー戦は日本のHEATというキャリアの持ち主だ。

31歳のチャレンジャーに対し、38歳の王者キム・ジェヨンは極真空手出身──MMA歴17年になるK-MMA界の歴史の証人といえるファイターだ。2004年4月──Sprit MCでMMA初戦を戦って以来、Road FCからTOP FC、そしてAFCと常にミドル級のトップを張ってきた。

北米メジャー出場経験こそないが、ACBで1勝2敗という骨太キャリアの持ち主で──日本でキャリアを積むことが多かったこの世代の韓国人選手には珍しく、2005年のDEEPと2009年のM-1Challenge程度しか来日経験はない。

ラッシングパワーは健在のキム・ジェヨンに対し、長身&リーチで優るが本来はウェルター級のユ・サンフンが圧力を捌き、有効打を当てて疲れさせることができるか──が、勝負の鍵となろう。

この他、キャリアの少ない選手が中心のカードでは、第6試合のウェルター級戦=キム・サンウク✖アン・ジョンギに注目だ。

キム・サンウクはキム・ドンヒョンの愛弟子で韓国軍特殊司令部=コムンベレー出身──4勝1敗の期待の新鋭だ。対戦相手のアン・ジョンギは戦績こそ2勝2敗だがレスリングの国家代表だったファイターで、Double GFCでは既にタイトル戦を経験している。

K-MMA界は今日のAngel’s FCを終えると、1週間後のDouble GFCで2021年の終幕を迎える。そのDouble GFCでは日本の中西哲夫がコメインでパク・ヒョンソンとDouble GFCフライ級王座決定戦を戦うこととなっていたが、トルスンベク・アシルガジエフと同様にオミクロン株の発生により海外からの入国者の隔離免除が取り消されたことで訪韓が不可能となり、キム・ジュハンが代役を務めることとなった。

とはいえDouble GFCでは中西に2週間の隔離措置を実施したうえで、同大会へ招聘するという発表をしていたため、この欠場理由は筋が通っていない。この点について韓国人記者を通し、確認を行っているが10日間に渡り返答がない状況だ。

■視聴方法(予定)
12月23日(木・現地時間)
午後5時00分~Angel’s FC YouTube Channel

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