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45 AB F1 MMA MMAPLANET o Shooto Shooto2024#08 UFC キム・ジェヨン 修斗 岡見勇信

【Shooto2024#08】43歳・岡見勇信がジェヨンに5R判定勝利。キャリア初の王座戴冠で「本当にうれしい」

【写真】前に出続けるジェヨンに対し、岡見は自分の距離をキープして左の攻撃をヒットさせた。(C)MMAPLANET

<修斗世界ミドル級王座決定戦/5分5R>
岡見勇信(日本)
Def.3-0:48-47.48-47.48-47.
キム・ジェヨン(韓国)

サウスポーの岡見が右手を伸ばしてプレッシャーをかける。ジェヨンは外に回って左のアウトローを蹴りつつ、前に出るタイミングを測る。岡見はジャブを返し、左ストレートを狙う。ジェヨンはインローを蹴って、細かくフェイントを入れる。岡見はジャブを突いて左の三日月蹴りとヒザ蹴り、ジェヨンは変わらず左のアウトローを蹴って前に出て右ボディを打つ。

ジェヨンが右アウトロー、岡見は左ストレート。岡見はジャブと左のヒザ蹴り、ジェヨンがパンチで前に出ると組みついた岡見がジェヨンをケージに押し込む。岡見は首相撲からヒザ蹴りを突き上げると、ジェヨンが離れる。ジェヨンは組みつくフェイントも入れつつ、右フックを振る。距離を取った岡見は左の三日月蹴り、ジェヨンが右ボディを返す。

2R、先に前に出ていくのは岡見。ジェヨンは上体を上下左右に振って左のアウトロー、プレッシャーをかけて右ストレートを打つ。岡見は左のヒザ蹴りを返すが、ジェヨンが右を振って飛び込む。サークリングして距離を取った岡見が左の三日月蹴り、ジェヨンが前に出てくるとカウンターの左のヒザ蹴りを突き差す。岡見は距離を取りながら左ストレート、ジェヨンは右ミドルとインローを蹴る。

岡見も自分から前に出て、ジェヨンのアウトローに右ジャブを当てる。岡見はジェヨンの前進を捌いてジャブ、左ストレートをヒットさせる。ジェヨンが前に出てパンチを振るが、岡見はそれを空振りさせる。ジェヨンが右ミドル、岡見が左ストレートを当てる。ジェヨンがジャンプしての右ミドルを蹴ると、岡見は左の三日月蹴りを突き差した。

3R、ジェヨンが前に出て右ストレートと左ボディ。岡見は距離を取って左のヒザ蹴りを返す。ジェヨンは変わらず前に出て右ストレートを顔とボディに打ち分ける。これでケージを背負う岡見だったが、距離を取り直すとジャブを当てる。岡見は組みも見せつつ、左のヒザ蹴りをボディに突き刺す。前に出るジェヨンが左フック。岡見がそれにに合わせて組みつき、首相撲に捉えるがジェヨンが突き放す。試合がスタンドに戻ると岡見は左の三日月蹴りとヒザ蹴りを当てる。

構わず前に出るジェヨンが右ミドルと右フック、岡見の左ストレートをもらっても、すぐに右フックを打ち返す。距離を取った岡見はジャブと左ミドル、下がりながらジャブと左ストレートを当てる。そして距離が離れると、岡見が強烈な左ミドルをヒットさせる。残り30秒でジェヨンがシングルレッグに入るが、岡見はそれを切る。岡見がパンチで前に出て、左ミドルでボディを狙った。

4R、前に出るジェヨンが右ボディストレート、岡見はサークリングしてジャブを返す。ジェヨンがアウトカーフ、岡見はそこにも右フックを合わせ、左ストレートから右フック、左ミドルを蹴る。ジェヨンは岡見の前足に左右のローを蹴るが、岡見は足を引いて空振りさせる。

岡見がジャブから前に出て左ストレート、ジェヨンは体を左右に振って前に出る。岡見はそこに左のヒザを突き差し、ジャブで距離を取りつつ左ストレートにつなげる。この左を立て続けに当てた岡見は、細かくジャブと右フックを打って、左の三日月蹴りを突き差す。タフなジェヨンは下がることなく前に出てインロー、岡見はワンツーと左ミドルを返す。

5R、すぐに前に出ていくジェヨンが右ボディと右ミドル。岡見もジャブと左ストレート、右フックを打ち込む。岡見は距離を取りつつ左の三日月蹴りと右フック、左ストレートを当てる。丁寧にジャブを突く岡見が左のヒザ蹴り、自分から前に出て左ストレートを放つ。さらに岡見は左ストレートから右アッパー、ジェヨンをケージに押し込む。

ここは距離が離れると岡見は左ミドル、前に出るジェヨンもインローを蹴る。距離を取る岡見がワンツー、左ストレート、左のヒザ蹴り。ジェヨンは岡見の攻撃を被弾しても前に出続けるが、岡見がカウンターのヒザ蹴りを当てる。岡見は左ストレートと右ジャブ。残り30秒を切るとジェヨンがインロー、右ストレート、アッパー、右フック。岡見は足を使って距離を取る。

判定はジャッジ3名とも48-47で岡見が勝利。判定結果が告げられた岡見は喜びの咆哮のあと、ジェヨンと抱擁を交わして健闘を称えあった。43歳で初のベルトを巻いた岡見は「本当にありがとうございました。苦しい戦い、練習でした。怪我も多くて自分のファイトスタイルを貫こうと思えなかったです。そのうえでどうしたらいいのか。勝たなきゃいけない。こういう戦いを選択しました。

賛否両論あると思いますが、キム・ジェヨン選手に勝ってベルトを巻くことだけが僕の使命でした。家族、仲間、サポートしていただいたみなさんがたくさんいて、UFCでベルトに挑戦して失敗して、他の団体でも失敗して…苦しい時間があったんですけど、修斗のベルトを巻けて本当にうれしいです!今の自分の精一杯の戦いでした。ありがとうございました!」とコメント。最後は家族を交えて記念撮影に収まった。


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Interview J-CAGE Shooto2024#08 キム・ジェヨン ブログ 岡見勇信

【Shooto2024#08】修斗世界戦へ。岡見勇信「ファイターは自分が一番大切。そんな自分に限界を感じる」

【写真】年を重ねると覚悟とは、決めるものでなく備わっているモノになる。それを岡見から感じた(C)MMAPLANET

本日30日(土)東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2024#08のメインで岡見勇信が、キム・ジェヨンと修斗世界ミドル級王座決定戦を戦う。
Text by Manabu Takashima

43歳になった本当の意味でのJ-MMA界のレジェンドが、昨年12月に集大成といっても過言でない激闘の末に下したキム・ジェヨンとタイトルを掛けて再び対峙する。

何もやり残すことがないだけ戦い続けてきた岡見には、守るべき家族や育てるべき若い選手たちが存在している。自らの現役生活を自己満足と断言すると同時に、自己中心にならざるを得ない現役生活をいつまで続けるのかを自問自答する。

それでもケージに戻る岡見は、今回の試合に向けて「楽をする」という境地に至ったという。いつ終わってもおかしくないファイター人生、そしてやり遂げてきたことの大きさ。岡見だからこそ行き着いた境地を胸に刻み込んで、MMAPLANETの読者の皆さんには今夜の試合を迎えてほしい。


楽をする方向でやってきました

──元気なように振舞っていただいていますが、やはり疲労感は伝わってきます。

「ぶっちゃけると年齢的にケガだとか、回復力は一つレベルが違う崖が来ています(笑)。そこは感じているんですけど、今回は今までのファイトキャンプとはちょっと感覚が違うんですよ。言葉にするのは難しいんですけど。

ただ自分を追い込むというモノから、こんなこというのはアレですけどチョット楽をする方向でやってきました」

──楽をする……。楽しむではなく、「楽をする」ですか。

「楽しむんじゃない。これは前回の試合を経験できたからだと思います。もっと楽をしようと」

──昨年12月のキム・ジェヨン戦はキャリアの集大成というか、ある意味勝敗以上に岡見選手が最後にしないといけない。そんな戦いができたかと思います。あの時点で、これからのキャリアはどのように考えていたのですか。

「う~ん、『ここで終えても良い』という気持ちはありました。同時に『ここで終えて、本当に良いのだろうか』とも。で、待とうと思いました。どういうオファーが来るのか。オファーもないのか。ちょっと待とうと。ある意味、前回の試合で自分が目指してきた……あの試合に関しては、やらないといけないことが達成できました。

UFCやONE、WSOFでチャンピオンを目指してやってきて、なかなか叶わず。で、修斗に出た。修斗に出た意味は、オンラ・ンサンとの試合で自分の不甲斐なさを痛感して、それを払拭するため。それだけが目標でした。それは内容的には色々ありますが、達成できました」

──正直、ここ数年は相手のアタックでダメージでない倒れ方をしていたように見えました。心折れダウンだと。それって、でももう症状であって。岡見選手に限らず、乗り越えることを求めることは間違っていると最近では思うようになっていたんです。それがキム・ジェヨン戦ではサイドバックやバックからパンチを受けて、折れなかった岡見選手がいた。

「ハイ」

──もう、これで終わりで構わへんやん。有終の美だと勝手ながら思っていました。

「確かに、もう想い残すことはなかったです。本当に終わっても良いんですけどね。でも、何だろうなぁ……。格闘技は難しいですよ。まぁ今回の試合に関しては、妻は反対しました」

──それはそうかと……。ようやく終わったと奥様も思われたでしょうし。

「自己満って言われています(苦笑)。まぁ、そうなんですけど……坂本(一弘)さんから、前回の試合からさほど時間が経っていない時に『修斗のベルトを賭けて戦って欲しい』と熱く伝えてもらったことがあって。そこは素直に凄く嬉しかったです。年末あたりにその話を頂いて、そこはずっと気持ちのなかにありました。

だけどファイターを続けている限り、普段の生活から自分中心になる。それが辛くなってきているんです。EX FIGHTの選手たち、GENで練習しているチームメイト、家族、息子がいてもファイターでいる限り、自分が一番大切になります。そう思っている自分に限界を感じてきています」

──そんな自分に疲れた?

「疲れる。疲れてくるのとは、また違うんですよ。でも、しんどい。試合をして、得らえるモノは何なのかってなるじゃないですか。分かりやすく言えば金銭面。それに家族にも、試合をしてどれだけ還元できるのか。LDHにどれだけ還元できるモノがあるのか。

単純にファイターを続けていれば良いということではなくなってきています。それはンサンとの試合が終わってから、感じてきたことです。自己満をどこまで続けるのかって。息子も10歳になって色々と分かってはいると思うのですが、『横になっているのも、パパの仕事なんだよ』とか言ってね(苦笑)。一般の方々は子供が学校に行く頃には、先に仕事に出ている。でも、僕はずっと寝ている。そんな特殊な生活をしてきて……でも、もう自分中心ではいられなくなってきています。

それは下の選手たちにも同じ気持ちで。もっと、色々とやってあげたい自分もいる。でもファイターである限り、そこまで労力を割けない……」

焦らない。無理にいかない。勝負しない

──それでも戦うと決めたのは、いつ頃ですか。

「9月には正式なオファーが来て、そこからは自分中心に戻るという決意をしてやってきました」

──GENの選手たちから、試合が決めると岡見さんは変わった。昔のような岡見さんに戻ったという言葉を聞きました。

「ハイ。そこの感覚が違うから、良い感じできています。それは楽をしようというのが、上手く行っているからなんです」

──そこには理解が及ばないです。楽をして、そのスイッチに入れるというのは……。

「それが今回はできているんですよ。楽をするために、練習仲間に嫌なことをする。もう焦らない。無理にいかない。勝負しない。このポイント3つをスパーリングでも、忘れずにやっています。

前までの僕の感覚だと、体が持たない。厳しいメニューは課しています。過去5年で最高の強度だと言えます。だからこそ、楽をする。楽の仕方が上手くいっているから、継続してできている。今日が追い込みの最終練習でしたが、良いモノになったと改めて思います」

──押忍。ところでタイトル戦だとしても、相手が前回勝ったキム・ジェヨンになったことについてはどのように思いましたか。

「キム・ジェヨンが相手になるとは全く思っていなかったです。岩﨑(大河)君だと思っていました。それこそが唯一、自分も修斗も盛り上がる相手だったので。ベテランだからこそ、若い選手と戦いたいと思ってきて。岩﨑君一択でした。ただ、まあ彼にも色々とプランがあるだろうし……それでもキム・ジェヨンだと聞いた時は『えぇ? うわぁ、来たよぉ』とはなりましたね(笑)」

──ハハハハハ。

「また、やんのって(笑)。向うからするとベルトが懸かったリベンジ戦、最高に燃える試合ですよ。僕は……『えぇ……』みたいな。でも、だからこ今回の境地になることができたと思います。5Rで、あの試合はできない。あれはできないですよ。逆にあれを5Rやると勝てないです」

──アレで戦わないで、どう戦うと岡見選手に勝機があるのでしょうか。

「それは試合を見てください!!」

試合をしてダメなら、それまで。そこはハッキリさせますから

──ハイ。現実的に戦力を分析する以前に、キム・ジェヨンはタイトル戦はやりたいが3Rにしてほしいと交渉していたという話を聞きました。つまりは彼も5Rは、あの戦い方ができない。

「どういう戦い方で来るのか。基本的にキム・ジェヨンがやることは変わらないと思います。前に出てきて打撃、グラップリングを要所で仕掛けてくる。彼の気持ちが折れることはないでしょう」

──そこに対して焦らないということは理解できますが、無理にいかない。勝負しない。この2つはファイトする上で、一歩間違えると消極的になる要因とはならないでしょうか。

「攻撃してないようで、している──みたいな。そういう感覚です。前は完全に距離を外して、相手の攻撃を受けずに自分の攻撃だけしてポイントを取るという戦いをしていました。でも、それじゃダメだと切り替えて」

──前に出る。戦う。その命題こそ、岡見勇信のMMAの歴史といっても過言でないと思います。その実、どっしり構えている時の強さが発揮されるのか。

「試合ですからね。勝つために戦います。そして、攻めないと勝てないです。以前に戻るわけではなくてダメージを与える、しっかりとポイントを取る。そこは変わらないです。ただ焦らない、無理から戦わない。その絶妙なバランスをいかに創れるのか。それが勝負になります」

──その後に関しては……。

「絶対に聞かれるとは思いました。でも、そこは考えていないです。結果は出ますから。試合をしてダメなら、それまで。そこはハッキリさせますから。自己満をずっと続けているわけにはいかない。それは間違いないです」

■視聴方法(予定)
11月30日(日)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■Shooto2024#08

<修斗世界ミドル級王座決定戦/5分5R>
岡見勇信(日本)
キム・ジェヨン(韓国)

<修斗環太平洋ライト級王座決定戦/5分3R>
エフェヴィガ雄志(日本)
マックス・ザ・ボディ(カメルーン)

<2024年フライ級新人王決定T準決勝/5分2R>
中池武寛(日本)
シモン・スズキ(日本)

<バンタム級/5分3R>
平川智也(日本)
杉野光星(日本)

<フライ級インフィニティリーグ/5分2R>
須藤晃大(日本)
亮我(日本)

<フェザー級/5分2R>
たてお(日本)
島村裕(日本)

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45 BELLATOR Eterna MMA MMAPLANET o Road to UFC SASUKE Shooto Shooto2024#08 UAEW UFC エフェヴィガ雄志 エマニュエル・サンチェス キム・ジェヨン ジョングウェン・パン マックス・ザ・ボディ 修斗 岡見勇信 工藤諒司 椿飛鳥 海外 田中半蔵 西尾真輔 飯田健夫 齋藤翼

【Shooto2024#08】SASUKEが椿飛鳥と3度目の防衛戦、環太平洋王座戦でエフェヴィガ×マックス

【写真】昨年12月の田中半蔵戦以来、3度目の防衛戦となるSASUKE(C)MMAPLANET

11月30日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2024#08。今大会では世界ミドル級王座決定戦=岡見勇信×キム・ジェヨンに続いて、2つのタイトルマッチが追加決定した。
text by Takumi Nakamura

新たに決まったのは世界フェザー級王者SASUKE×挑戦者・椿飛鳥、環太平洋ライト級王座決定戦=エフェヴィガ雄志×マックス・ザ・ボディだ。


SASUKEは2021年7月に工藤諒司に判定勝利して世界王座を獲得。 Road to UFCは2年連続敗退に終わっているが、修斗ではたてお(飯田健夫)と田中半蔵を下して2度の王座防衛に成功し、今年5月には中国・YFUからの刺客ジョングウェン・パンにスロエフ・ストレッチを極めて圧倒的な強さを見せている。

SASUKEに挑む椿は同級1位、2023年1月の試合で左ヒジを脱臼する大怪我を負うも、復帰後は齋藤翼、結城 大樹、たておを下して3連勝を飾っている。このレコードもさることながらSNS上でSASUKEに対して挑発的な発言を繰り返し、王座挑戦のチャンスを掴んだ。

そのキャラクターと言動がクローズアップされる椿だが、今月10月に決まっていた某所でのグラップリングマッチを回避してSASUKE戦に備えるなど、王座戦にかける想いは強い。受けて立つSASUKEはUAEWやZFNからオファーがあり、Eternal MMAではタイトル戦も予定されていたが実現には至らず。そういった海外での試合に向けて、修斗において片づけておくべき相手として椿を捉えている。

実力・実績的にはSASUKE有利だけに、椿が王座戦にかける想いと共に、どんな戦略・対策を持って試合に臨むかが勝負の流れを決める試合になるだろう。

そして8月の「TTF CHALLENGE10」で元Bellatorファイターのエマニュエル・サンチェスをKOし、無敗記録を8に伸ばしたエフェヴィガが自身初のタイトル戦に臨む。当初は9月の後楽園大会でマックスにKO勝利した西尾真輔とエフェヴィガによる王決定戦が計画されていたが、王座戦を打診された西尾サイドと調整がつかず、マックスに白羽の矢が立った。

エフェヴィガとしては自身が希望する海外での試合を見据え、VSマックスだけでなく、どれだけ自分のクオリティを上げて試合に臨めるがテーマになってくる。逆にマックスとしては偶発的に巡ってきたチャンスをモノにする力があるか試される王座戦だ。

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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE Championship Shooto Shooto2024#08   キム・ジェヨン 修斗 岡見勇信

【Shooto2024#08】11.30後楽園、岡見勇信が世界ミドル級王座をかけてキム・ジェヨンと再戦

【写真】約2カ月後に世界王座をかけて戦うケージで、岡見は自らを鼓舞した(C)MMAPLANET

11月30日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2024#08にて、修斗世界ミドル級王座決定戦=岡見勇信×キム・ジェヨンが決定した。
Text by Takumi Nakamura

修斗世界ミドル級王座はシアー・バハドゥルザダが保持しているが、2020年4月のONE Championship公式サイトに掲載されたインタビューでバハドゥルザダが現役引退とコーチ業に専念することを表明していた。


岡見とジェヨンは昨年12月「MOBSTYLES presents FIGHT&MOSH」で対戦し、判定2-1で岡見が勝利。約1年のぶりの再戦は世界タイトルをかけたダイレクトリマッチとなった。このカードは9.22S修斗後楽園大会内で発表され、修斗での世界戦が決まった岡見がケージでの挨拶に立ち、ジェヨンのコメントも代読された。詳細は以下の通り。

岡見勇信
「もう今も緊張しています。修斗からこのオファーをいただいて熟考しました。、今の自分に歴史ある修斗のベルトをかけて戦うことができるのか。もう一度、キム・ジェヨンという強いハードなファイターと5分5R戦うことができるのか。何度も問いかけました。怖かったですけど、自分の奥底に残っている炎がベルトをかけて戦えるなら、やらないわけにはいかないだろうと(怖さを)押し切りました。

先輩たちが修斗でたくさん戦って ベルトを巻く姿、そして激闘する姿を見てきました。修斗後楽園で戦えることがうれしく思います。そして今自分は43歳、これが最後のチャンスだと思っています。ここまで来たらやるしかないと思っています。今自分は若い子たちを指導していますけど、彼らと一緒に戦うことが恥ずかしいという想いもあります。でもそれもどうでもいいです。ベルトが欲しい、ベルトを獲るんだ、その姿を見せるので応戦よろしくお願いします」

キム・ジェヨン
「最も歴史が伝統がある修斗でチャンピオンになるということは誰もが一度は夢見ることです。そして日本の極真空手からスタートした自分にとって光栄極まりないことです。そしてこうして再戦するチャンスをもらえたことに感謝しています。前回を超える素晴らしい試合をしましょう」

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45 HEAT54 J-CAGE K-MMA Report キム・ジェヨン ブログ 磯部鉄心

【Angel’s FC32 x HEAT54】左フックでダウンを奪い、TDから肩固めでキム・ジェヨンが磯部鉄心を一蹴

<ミドル級/5分2R+ExR>
キム·ジェヨン(韓国)
Def.1R2分32秒by 肩固め
磯部鉄心(日本)

キム·ジェヨンが左インローから、右オーバーハンドを当てる。続いて踏み込んで左ボディフック、直後の左フックで磯部がダウン。磯部はヒザ十字を仕掛け、ヒザを抜かれると試合はスタンドへ。ボディを殴るキム・ジェヨンが打撃の圧を与え、組むとボディロックテイクダウンを決める。

亀で殴られる磯部は横回転で逃げようとしたタイミングで、キム・ジェヨンがマウントを奪う。右のパンチ、鉄槌を落とすキム·ジェヨンは腕を取りに来た磯部に対し、肩固めへ。そのまま体をスライドさせて絞めあげると、磯部は敢え無くタップした。


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45 AB HEAT54 MMA MMAPLANET o YouTube キム・ジェヨン キム・ドンヒョン ユン・テスン 倉本拓也 岡見勇信 平井総一郎 清水俊一 磯部鉄心

【Angel’s FC32 × HEAT54】ベトナムでAngel’s FC×HEATの対抗戦。日本から7選手が出場!

【写真】過去5試合、韓国、韓国、グアム、タイ、ベトナムで戦ってきた清水俊一(C)MMAPLANET

6日(土・現地時間)、ベトナムのリゾート地プンタウにあるザ・グランド・ホー・トラム・ストリップでAngel’s FC32 vs HEAT54が開催される。韓国のAngele’s FCとHEATの対抗戦は昨年4月の韓国、8月の東京に続き3度目──そして場所はベトナムになる。
Text by Manabu Takashima

これまでが日韓対抗戦だったのに対し、今回は日本×ベトナムが3試合、日韓戦が3試合、日中戦と韓国×ベトナム戦が1試合ずつになっている。とはいっても、今やこのブンタウはAngel’s FCの本拠地といえる場所でHEAT勢を名乗る日本チームが、Angel’s FCの多国籍軍と戦うという図式だ。


ベトナムMMA界では、このAngel’s FCと共産党政府系MMA連盟が主催するLion Championshipが継続的に活動を続けているが、ベトナム人ファイター達の力は今も未知数だ。

そういう意味で清水俊一と戦うクアン・バン・ミンは戦績が4勝0敗、HEATバンタム級王者ユン・テスンと戦うレ・ヴァン・トゥアンは4勝3敗とそれ相応のキャリアの持ち主だ。今大会に出場するご当地ファイターのなかでも、今のベトナムを測る物差しになるかもしれない。

加えて韓国勢では3人目のキム・ドンヒョン(×ふくやーまん)、さらに昨年12月に岡見勇信と激闘を繰り広げた鉄人キム・ジェヨン(×磯部鉄心)に注目だ。

また日本からは上に記した選手以外に平井総一郎、倉本拓也、マーシーグローブTVが出場し、試合は全て5分2R&EXRとなっている。

■視聴方法(予定)
6月29日(土・日本時間)
午後8時~Angel’s FC YouTube Channel

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MMA MMAPLANET o Special キム・ジェヨン ブログ 岡見勇信

【Special】J-MMA2023─2024、岡見勇信「やっぱり僕は自分が信じた武器をぶつけるしかない」

【写真】試合後に自嘲気味な笑みでなく、会心の笑みが見られたのは嬉しい限りだ (C)TAKUMI NAKAMURA

2023年も残り僅か、2024年という新たな1年を迎えるには当たり、MMAPLANETでは2023年に気になった選手をピックアップ──過行く1年を振り返り、これから始まる1年について話してもらった。
Text by Takumi Nakamura

J-MMA 2023-2024、第三弾は12月2日のプロ修斗公式戦「FIGHT&MOSH」でキム・ジェヨンに判定勝利した岡見勇信に話を訊いた。2023年の試合はこのジェヨン戦のみだったが、この試合に向けた取り組み、そして試合で見せた必死な姿は見るものの心に響いた。岡見がジェヨン戦で何と戦っていたのか。

■2023年岡見勇信戦績

12月2日 プロ修斗公式戦FIGHT&MOSH
〇2-1 キム・ジェヨン(韓国)


――キム・ジェヨン戦は約4年ぶりの勝利でした。試合を終えた時は率直にどのような心境でしたか。

「色んな感情がありましたよね。カード発表動画でも言ったように、ジェヨン戦は終わりを考えずに気持ちはフレッシュに新たな冒険に出る、終わりを見据えた戦いはよくないと思う試合でした。そういった意味で再スタートを切れるのか、それとも終わってしまうのか。そのどちらかという試合だったので、勝つことが出来てホッとしていますし、厳しい戦いでしたけど、自分がやろうとしていた前に出る姿勢は貫けたかなと思います。

そういうファイターとして大事な部分をオンラ・ンサン戦からずっと考えていて、その課題を自分に問う試合だったので、そこでなんとか…なんとか…なんとか……ファイターとして戦いきれたことがホッとした感じがありますね」

――試合そのものは打撃でプレッシャーをかけて何度もテイクダウンにトライするという展開でした。それを想定して練習にも取り組んでいたのですか。

「もちろん練習と試合は違う部分がありますが、まさにそういう練習をやっていました。どうしても経験や技術が増えると、そこに頼りがちになって、特に練習ではそうなってしまうんです。言葉は悪いけど小手先の技術でごまかしてしまうというか。決してそれが間違っているわけではないんですけど、自分がダメージを負わない代わりに、相手にもダメージを与えていない。でも試合としては上手く勝つ。いつからか自分もそういう練習や試合をするようになっていました。

僕自身、ンサン戦が終わって、いつからそうなったんだろう?と考えたら、2017年にUFCに復帰してから、特にそういう部分が出てきていたなって。この5~6年はファイターとしての本質的な部分が欠けた姿勢や練習をやっていました。だから今回のトレーニングキャンプでは逃げずに戦う姿勢を持つ。自分がダメージを受けるリスクもあるけれど、相手にダメージを与える。そこをやらなきゃいけないと思って、内藤由良と16オンスのグローブで、ヘッドギアなしの本気のMMAスパーをやってたんです。そのスパーが試合と同じような練習だったんですよ。試合中にも『これって由良とやったスパーのまんまだな』って思うぐらい。

由良はレスリングがバックボーンで動きも早いから、なかなかピュアレスリングではテイクダウンが取れないんです。だから打撃で前に出てケージに押し込んで押し潰して、MMAのレスリングで勝負しないといけない。その中間で組みつきに行ってもいなされるし、少しでも弱気な姿勢を見せたらやられるので、由良とスパーしながら勝つためには前に出ることがベストな選択だと感じていました。そういうシチュエーションが試合で何度も訪れたんですよね」

――例えば1Rに岡見選手がバックコントロールしようとして、グラウンドで下になってしまい、亀になって立とうとしたところでパンチを浴びました。結果的に立ち上がることはできましたが、ああいった場面でもキツイことをやるという練習が試された場面だと思いました。

「あの場面は僕がバックをとろうとしたところで、ジェヨン選手に上手く重心移動されて、最終的に僕がバックをとられたんです。あの時に『これは簡単な試合にならない』と痛感しました。でもそれは試合前にジェヨン選手の試合映像を見た時点で、タフな試合になりそうだと思ったし、今回はバックステージがそこまで広くなかったのでジェヨン選手のアップを試合前に見かけたんですけど、入場直前までものすごくアップをしてるんですよ。本当に入場1分前までずっと対人練習をしていて、これはしんどくなるぞと(苦笑)」

――もしかしたらジェヨン選手も岡見選手とやるにあたってタフな展開になることを覚悟していたかもしれませんね。

「実はキム・ドンヒョンのジムで彼とは練習したことがあって、なんとなくやりづらい選手だなと思った記憶があるんです。案の定、1Rに自分がグラウンドで下になって、練習でやっていたことが出来ずに、パウンドをもらってポイントをとられましたけど、そこは冷静にやるべきことをやろうと。あの時点で改めてスイッチを入れ直しました」

――ジェヨン選手はこの試合のためにATTワシントンでも練習を行うなど、この試合にかける想いは強かったと思います。ファイトスタイルも含めて、岡見選手が取り組んできた練習が試された相手だったと。

「色んな相性もありますけど、どちらかと言えばジェヨン選手は僕が苦手としているブルファイター。どんどん前に出て殴ってくる。粘り強い典型的な韓国人ファイターで、こっちも絶対に気持ちが折れちゃいけない相手でした。まさに自分自身に課していたものを彼が対戦相手として立ちはだかってくれたと思います」

――試合を見ていて感じたのは、岡見選手は対戦相手のジェヨン選手だけでなく、自分とも戦っていたんじゃないかなと。事前のインタビューで岡見選手が「自分に克つ」という言葉を口にしていたので余計にそう感じました。

「確かに自分と対話している時間が長い試合だったと思います。身体はキツかったんですけど、意外と頭は冷静だったというか。今回は客席の声や言葉もはっきりと聞こえてきて、それも聞きながら自分と対話ができました。今まで戦ってきたイベントと会場の大きさが違う部分もあると思いますが、しんどい展開の中でも色んな言葉が入ってきました」

――まるでキャリアの浅い・若い選手が先輩に煽られて何度もテイクダウンに入る。そんな光景にも見えました。

「ホントにその通りです。それを自分で自分にやっていましたね。試合後にも言った通り、ダメージとは違う部分で本当に身体がしんどかったのですが、だからこそ自分で自分に檄を飛ばしていました。今回は試合に勝つのはもちろん、自分の弱さに負けたくないという気持ちがすごくあったんですよ。

僕は格闘技を通じて常に自分の弱さと向き合ってきて、試合を楽しめる選手がうらやましいんです。試合前に堀口(恭司)くんのYouTubeチャンネルを見たんですけど、彼は試合前日もすごく楽しそうにしているし、計量後にみんなでご飯を食べて『よっしゃ、行くぞ!』みたいな動画をアップしているんですよ。僕はあれにすごく感動して。本当の意味で世界で勝っていく男ってこういうマインドなんだなと思いました」

――堀口選手のYouTubeを見て、そんなことを感じていたんですね。

「もちろん堀口くんも色んなプレッシャーや感情はあるだろうけど、リアルにあの動画のまま試合に入って、勝ち負けはあっても素晴らしいパフォーマンスを発揮するわけじゃないですか。しかもそれを世界のトップレベルでやるわけだから、本当にすごいと思いますよ。彼と比較すると、僕はそこまで試合を楽しめないし、ずばり彼は自分とは違う人間だなと思います。だからこそ彼のような選手から吸収したいこともあるし、今回は試合が近づくにつれて、自分を追い詰めすぎずに楽な気持ちで楽しむべきなのか?とか、色んなことも考えました。

僕も戦績的にただ勝つだけだったら、たくさん勝ってきました。そのなかで本当の意味で勝つ、楽しむ、実力を出し切っていいパフォーマンスを見せる…そういうものを求めて、自分の弱さとも向き合って、それを克服しようとしてきたんだなと思い起こして。だから今回は絶対に自分の弱さに勝つ・絶対にそこをクリアすることが大きかったんですよね。それが分かりやすく言えば前に出ることだったし、それがトレーニングキャンプで取り組んだことです」

――岡見選手のようにキャリアを重ねると「この団体のベルトが欲しい」や「この相手に勝ちたい」という外的な目標だけでなく、それ以外の部分で何を目標にして戦うかも大事になると思います。岡見選手の場合は弱い自分に勝つことがそうだったと思うし、僕はまさにMMAがそういう競技だと思うんです。MMAは局面が多くて色んなことをやる必要がある分、言い方を変えれば妥協する・諦めるポイントも多いじゃないですか。

「確かにそうですね」

――だからこそMMAで勝つためには自分の弱さと向き合うことが必要で、今回の試合で岡見選手が見せてくれたものこそMMAの強さの追求だと感じました。

「僕は打ち合う・殴り合うことが勇気だとは思っていないし、弱い自分が出てきたときにMMAは色んなことができる分、誤魔化しが利いてしまう。練習でもごまかす方にいってしまいそうになるんです。でもそうじゃないだろ、と。今、自分がやっていることが次の相手や目指している選手に通用するのかと。格闘技は対人競技だから、相手に軸を置いてしまうと、練習相手のレベルによってやりたいことができちゃうし、誤魔化すのも簡単なんです。

でもそれで試合に臨んだ時に。相手のスキルやレベルが高ければやってきたことが通用しない。そこがMMAの難しいところで、どこに自分の軸を置くかが大切なんですけど、やっぱり僕は自分が信じた武器をぶつけるしかないと思うんです。結局そこで通用しなかったら相手が強かったと認めるしかないし、そこをぶつけずに誤魔化して戦うことが自分の弱さだなって。練習相手には誤魔化すことが出来たけど、試合で競った相手にトライしたら通用しない。それが逃げだと思うんですよね。

だったらこれが岡見勇信の武器だと思ったものを全力でぶつける。それが通用しなかったら、それは相手が強いということ。それをぶらさずに練習にも試合にも取り組んで、上手くいかないこともあったけど、自分がやろうとしていたことは多少できたかなと思います。自分の武器を相手にぶつけること、それが自分にとって勇気だったと思います」

――試合後に岡見選手のX(旧)を見させてもらったのですが、MMAPLANETのコラムでも振れた客席からの「こんな試合が見たいんじゃないぞ!」という声の主は岡見選手を長年応援している方の声だったそうですね。

「実はそうなんですよ。僕がデビューして2~3年目、UFCに出る前から応援してくれている方で、それこそUFCのブラジル大会にも来てくれて。だから僕の弱いところを知ってくれているから、あえてああいう言い方で檄を飛ばしてくれました。僕も試合中に誰の言葉かすぐに分かりましたし、言葉だけを聞くと野次のように聞こえたかもしれませんが、愛を持って接してくれている方の言葉です。でもああいうコラムを書いてくれた髙島さんの想いも嬉しいし、あの試合に対するみなさんの気持ちが嬉しいです」

――2023年を勝利で終えることが出来ました。この一戦にかけていたと思うので、先のことは考えていなかったと思いますが、来年はどんな試合をやっていきたいですか。

「今はまだそこまで深くは考えてはいなくて。今回の試合をやってファイターとしての新しい景色が見られたと思うんですよ。今までとは違う景色が見られて、新しい自分と出会えることが出来た。こうやってみたいとか、これをやったらどうだろうという色々なイメージもあります。次はいつどこで戦うということは考えず、僕もただ試合をやればいいというキャリアでもないので、また自分と向き合って身体を創って、その時にふさわしい舞台や意味のある相手と戦いたいと思います」


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【Deep Emotion】自分に克つ──岡見勇信

【写真】この時の岡見は無心だったのか、あるいはこれだけ必死なかに「自分に克つ」という意識を持ち続けていたのだろうか (C)MMAPLANET

「こんな試合が見たいんじゃないぞ!」。12月2日、プロ修斗公式戦「FIGHT&MOSH」のコメイン、岡見勇信✖キム・ジェヨン戦の──確か2Rの途中、岡見が必死にキム・ジェヨンをケージに押し込んでいる時に聞こえた、野次だ。

恐らくは、打撃でガンガンやり合えという意味で野次を飛ばしたのだろう。その声の主とはまるで違った想いではあるものの、岡見勇信であるならばキム・ジェヨンを最初のテイクダウンからコントロールし続け、削る。2Rに入っても同じ展開を続け、あわよくばキム・ジェヨンが気力と体力を切らしてパウンドアウトする。そんな試合が見たかったのも事実だ。

とはいえ15年も16年も昔にオクタゴンのなかで見せたような試合が、この日に岡見ができるとも思っていなかった。


練習仲間の後輩が何と言おうがケージの中でのパフォーマンスは落ちている。加えていえば、今のMMAのテイクダウン防御力と倒されて立つスクランブルの技術の進化を考えると、岡見が当時のようにテイクダウンからコントロールして完封する試合が実現するなどいう楽観論など持てるわけもなかった。

逆に彼が無残な負け方をした時、自分自身の平穏を保つために「フック一発で、心が折れて動きが止まる。そのままTKO負けする」ような試合になると心の準備をし、実際に口にもしていた。何があっても岡見勇信がMMA界に残してきた功績は傷つかない。今、彼がどのような姿を見せようが──あの頃の岡見を知らない連中に、何も言わせてたまるものかという想いと共に。

キム・ジェヨンは、やはり岡見の思い通りになるような戦いはさせなかった。決して輝かしいスポットライトを浴びたとはいえないが、20年に渡りK-MMA界の屋台骨を支えてきたベテランファイターは、岡見戦の前に渡米をしてATTワシントンでファイトキャンプを行っている。NCAAで結果を残したファイターや、ムンジアルで活躍した柔術家と、徹底的に岡見対策をしての来日だった。

極真空手家からウェルラウンダーとなるべきトレーニングを続けてきたキム・ジェヨンにとっても、この試合は自らの総決算として良い。その意地とプライドが岡見のテイクダウンを切り、バックを許しても前方に落としてパウンドを打ちつけるファイトに表れていた。これは危ない。いつ、岡見の動きが止まってもおかしくない。そんなシーンが初回から幾度も見られた。

その度に岡見はキム・ジェヨンと正対して組みつき、あるいは向き合って拳を振るい、両手で圧し払う様な動きを3度も見せた。

「前に出る」ファイト。金網のなかで戦うようになった20年近くも前から岡見が自らに課すことは変わらない。キム・ジェヨン戦前の取材で、岡見はオンラ・ンサン戦の自らのファイトを悔やみ、「自分に克つ」と何度も口にしていた。そうはならない……そう、できない自分になることを誰よりも承知し、恐れているにも関わらず。

ンサン戦は手っ取り早い例えでしかない。前に出る。自分に勝つ。MMAを戦うようになってから、常に思い続けてきた永遠の課題だ。弱い自分に勝つために、UFC世界ミドル級王座に挑戦し、WSOFやONEで戦い続けてきた。それなのに──ンサン戦では、過去最悪といって良いほど自分の弱さを露呈した。

ンサン戦は、完全に自分に負けた。このままでは終われない。ただし、繰り返すと終焉の時を迎えることになる。キム・ジェヨンでなく、自分に負ければ──次はない。日本人MMAファイターの誰もができない戦いしてきた。その思い出とともに、もうケージを下りるのみ。そんな状況下で岡見は時より弱気の顔を覗かせながら、すぐに自らを奮い立たせ、拳を振るい、組みついていった。

岡見のMMAフィロソフィーに打撃戦はあっても殴り合いはない。それでも、殴り合った。

パンチを打たれて間合いを外すのではなく、前に出た。下がっていたらキム・ジェヨンの右ハイでアゴを射抜かれていただろう。

前に出て戦ったから、蹴りをガードできた。ただし、パンチは被弾した。

そして、15分を戦い切り、キャンバスの上で大の字になり、しばらく起き上ることすらできなかった。まさに精魂尽き果てた姿が見られた。

組みへの評価が異様に低くなっている昨今のMMAを象徴しているかのように、ジャッジ……いやサブレフェリーの裁定は割れたが、岡見はスプリットで判定をモノにできた。

MMAは勝敗が全て。勝利以上に大切なモノはない。この軸が崩れると、MMAは殴って、蹴って、行って来いショーに成り下がってしまう。

それは百も承知で、人生は勝ち負けが全てではないと書き記したい。この夜、岡見勇信は自分に克った。彼の周囲には、ここまで思いつめなくても、ビビらなくても、あのような戦いができる人間がいくらでもいる。

でも、岡見勇信は違う。人一倍、恐怖を感じてケージに上がり、そして勝利を手にしてきた。ある意味、自分に勝てなくても試合に勝てるファイトもあった。

以前のように試合で勝てなくなったのは、彼の人生が試合に勝つよりも、本当の意味で勝利が必要なターンに入ったからだろう。それこそが、自分に克つことだった。岡見にとってキム・ジェヨン戦は、試合に負けたとしても、これから生きていくうえで欠かせない大切なモノを手にした戦いとなったはずだ。そのうえで、判定勝ちも手にできた──。この2つの勝利を得て、彼が今後にどのような決断、判断をするのかは分からないけど、最強ではないが最高の岡見勇信を見ることができた──と思う。

「こんな試合が見たいんじゃないぞ!」だって? あんたが見たいモノ以上の戦いを拝めることができたことを──感謝してください。


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【修斗】プロフェッショナル修斗2023 Vol.8“FIGHT&MOSH”

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お昼のCOLORS Produce by SHOOTO Vol.2 “FIGHT&MOSH”に続いて豊洲PITで開催されたプロフェッショナル修斗2023 Vol.8“FIGHT&MOSH”。こちらもメインでは世界フェザー級チャンピオンシップが配置され、さらにはレジェンド岡見勇信の修斗初参戦。そして修斗で初めて2階級制覇を達成したマモルの引退エキシビションマッチなどバリエーション豊かな大会になりました。


【第2試合 フライ級】
×内藤頌貴(パラエストラ松戸)
(2R 三角絞め)
○石井逸人(TRIBE TOKYO MMA)
前進してパンチをでプレスを掛けていた内藤。しかし逆に石井のパンチを被弾するとテイクダウンを許して形勢逆転。2Rに内藤の飛び膝をかわした石井がまたもテイクダウン。バックに周ってチョーク、下になりながら腕十字と仕掛けて最後は三角絞め。これで内藤は失神して石井が鮮やかな一本勝ち。まさかここまで差が出るとは。。。フライ級に戻して石井は凄味を増している。試合後にはフライ級王者の新井丈に宣戦布告。落ち着いたかに見えた修斗フライ級がまた荒れてきた。


【第3試合 フライ級】
〇猿丸ジュンジ(修斗ジム東京)
(1R TKO)
×安芸柊斗(MMAZジム)
予想外の短時間決着。勢いと若さで安芸が圧倒するかと思いきや、開始直後に猿丸のパンチがヒット。安芸がバランスを崩したところを上になってあっと言う間にパウンドアウト。現在進行形で現役バリバリの安芸に勝って引退なんてもったいないけど、かっこよすぎる。試合後の「修斗がずっと続きますように」というマイクも痺れました。


【第4試合 68kg契約】
〇リオン武(RISING SUN)
(2R TKO)
×内藤太尊(ROOTS)
4年半ぶりに復帰したリオンですが見えない右ストレートは今だ錆び付かず。じわじわと前に出てくる内藤に対して距離を取ってカウンターの右ストレート一閃。パンチが効いて背中を向けた内藤に右のパンチで追撃してTKO勝利。継続して試合をするかは別にして定期的に試合をするとなれば、バンタム級、フェザー級の台風の目になる可能性も。。。


【第5試合 マモル引退エキシビションマッチ】
マモル
(勝敗なし)
漆谷康宏&清水清隆& 佐藤ルミナ
Xとなっていた対戦相手の最後の1枠はまさかのルミナ。何とも心憎い演出。令和のRIZIN世代にはピンと来ないかもしれませんが、マモルはMMA冬の時代の軽量級戦線を支えてきた立役者。修斗で2階級を制覇したばかりか、パンクラスでも王座を戴冠した戦績はレジェンドと言うに相応しいでしょう。引退セレモニーもシンプルかつアットホームで非常によい雰囲気。マモルが指導した選手が修斗で活躍してくれる事に期待。お疲れ様でした!


【セミファイナル 第6試合 ミドル級】
〇岡見勇信(EXFIGHT)
(判定2-1)
×キム・ジェヨン(NOVA MMA)
岡見の試合をまた日本で、しかも修斗で見る事になるとは。。。どこか非現実感のある対戦カード。UFCで活躍していた全盛期の圧倒的な攻撃力はありませんでしたが、最後まで泥臭く組み付いてパンチ打っていく姿もまたMMA。アスリートとしてピークを越えてもなお現役に拘る岡見に最敬礼。


【メインイベント 第7試合 修斗世界フェザー級チャンピオンシップ】
〇SASUKE(マスタージャパン東京)
(3R TKO)
×田中半蔵(FUN'S)
2年連続でROAD TO UFCに出場してUFC参戦を目指したものの成就しなかったSASUKE。心機一転しての修斗参戦。絶対に負けられない試合でしたが、やっぱり修斗での安定感は抜群。3Rには膝蹴りを効かせてダウン気味にタックルにきたのを潰してパウンドアウト。王座防衛に成功しました。修斗では抜きん出た存在だけにやはりUFC参戦に拘りを見せるかのか。個人的には群雄割拠のRIZINフェザー級に打って出ると俄然面白くなると思いますが。。。2024年のSASUKEに注目が集まります。
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【FIGHT&MOSH】「42年間で一番キツかった5分3R」攻め続ける岡見、キム・ジェヨンにスプリット判定勝ち

【写真】フラフラになりながらも岡見は前に出続けた(C)MMAPLANET

<ミドル級/5分3R>
岡見勇信(日本)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29.
キム・ジェヨン(韓国)

サウスポーの岡見がジワリジワリと距離を詰める。左手を伸ばしてサークリングするキム・ジェヨンは、ダッキングしながら左カーフキックを見せた。キム・ジェヨンがプレスを強めると、岡見が左ジャブを突く。キム・ジェヨンが左右フックを振りながら突進し、ケージを背負った岡見の顔面に左フックを当てる。しかし岡見も首相撲からヒザを突き刺して、ケージ際を脱する。ケージ中央から組みついた岡見が、右腕を差し上げ左腕を首に置いてキム・ジェヨンをケージに押し込む。ダブルレッグに切り替え、すくい上げてキム・ジェヨンに尻もちを着かせた。

立ち上がったキム・ジェヨンをボディロックからグラウンドに引きずりこんだ岡見はバックに回る。バックコントロールからバックグラブへ。立ち上がるキム・ジェヨンに対し、右足を差し入れてグラウンドに戻るも、キム・ジェヨンがトップを奪った。ガードから亀になる岡見に、キム・ジェヨンがパンチの連打を浴びせていく。スタンドに戻った岡見の表情は、キム・ジェヨンのパンチが効いているようにも見える。岡見は右ジャブから左ストレートを当てる。キム・ジェヨンも左ハイを繰り出した。岡見は右ジャブを当てて初回を終えた。

2R、キム・ジェヨンは頭を振りながら左右に回り、左カーフキックを叩きつける。岡見は左ストレートをかわされるも、左ミドルをボディに突き刺した。しかしキム・ジェヨンのパンチを食らうと、岡見の動きが一瞬止まる。ダブルレッグで入った岡見が、シングルレッグに切り替えてキム・ジェヨンをケージに押し込む。これでも倒せず、ダブルレッグからシングルレッグと崩しにかかるが、キム・ジェヨンを倒すことができない。ならばと後方へ投げるも、キム・ジェヨンがはねのけて立ち上がった。

左ハイを見せた岡見に対し、キム・ジェヨンが右ローを放つと、これがローブローとなった。再開後、岡見が一気に距離を詰める。左ローを放ったキム・ジェヨンを押し倒し、ボディロックからバックへ。立ち上がろうとするキム・ジェヨンだが、岡見がバックグラブからコントロールする。キム・ジェヨンがスタンドに戻って離れると、前に出て右ミドルを打ち込む。プッシュから右フックを放った岡見が、キム・ジェヨンの右を受けながらケージへドライブした。しかし離れてケージ中央で見合いながらラウンドを終えた。

最終回、岡見がワンツーを放つと、キム・ジェヨンはインサイドから左右フックを振り回す。岡見の右ジャブ、右ミドルを当てるがキム・ジェヨンの前進を止めることができない。岡見はダブルレッグからドライブするも、キム・ジェヨンが右腕を差し上げて上体を起こした。ダブルレッグで崩した岡見はバックを狙うも、なかなかキム・ジェヨンをコントロールできない。無理にバックを狙ったところで、切り返したキム・ジェヨンが右腕を差し上げて岡見をケージに押し込む。

ケージ際から離れた岡見に、キム・ジェヨンがパンチと右ミドルを打ち込んだ。岡見はダブルレッグから首相撲へ。右ヒザを突き上げてからダブルレッグに切り替えるも、キム・ジェヨンがディフェンスする。岡見のダブルレッグ、シングルレッグをスプロールしたキム・ジェヨンは、岡見のテイクダウンをかわしてバックに回る。明らかに疲労がみえる岡見は、離れてパンチを振るうもキム・ジェヨンの左ハイを受けた。残り1分で組みつくが、キム・ジェヨンをテイクダウンすることはできない。キム・ジェヨンの左右ボディブローで、完全に岡見の動きが止まった。右アッパー、右ハイ、右ストレートを受けながら距離を詰める岡見だが、このラウンドはキム・ジェヨンが取ったか。

判定はスプリットで岡見へ。全力を出し切った岡見は、キム・ジェヨンと抱き合ったあとケージに倒れ込んだ。4年振りとなる日本での試合で判定勝ちを収めた岡見は、フラつきながら「42年間で一番キツい5分3Rでした。心と心で勝負して、ここまで来ることができました。今日、自分に打ち勝てたことは今後の人生の糧となります。本当に今日はありがとうございました!」と挨拶した。


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