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【RTU ASIA2022】「全身全霊で挑む覚悟はできている」Road to UFCへ、松嶋こよみ─01─

【写真】タイトルの言葉通り。練習中の松嶋の姿だった(C)MMAPLANET

6月9日(木・現地時間)、シンガポールはカレンのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるRoad to UFC ASIA Episode02で松嶋こよみがホン・ジュンヨンと対戦する。

10月で30歳、日本人ファイターにとってはUFC出場への大きな障害となってきた年齢というハンデを払拭できる恰好の機会が、運よく訪れた。それでも言葉は静かな松嶋こよみの身の内に宿る想いを尋ねた。


──練習を少し拝見させていただいたのですが、すこぶる動きが良いように見ました。それと4年振りの北米ウェイトの影響が、ONEの時と試合前の体つきが違うように感じました。

「ONEのフェザー級より4キロほど落とさないといけないので、搾り方も今までとは違うというのはあります。ただ体調とかは余り変わりなく、良い感じで仕上がっています」

──変わりないということは、より良いということでもないと?

「そうですね……なんというか、最後の搾り切りをせずに試合をしてきたので、そこからもう一歩搾らないといけないということで、ガっと集中力も増している感じはあります」

──正直なところ、ここ数年に一番良い表情で話しているように見えます。特に3月、4月と比較すると別人かと。

「ハハハハ。ハイ、そうですね……本当に先が見えないところから、やっと……。チョット自分に嘘をついていたということではないですが、今、その場にいる時の感情で戦ってきてはいたのですが、本当に戦いたいのはUFCと気持ちがありました。今、堂々とUFCで戦いたいと言える状態になって、心の曇りが晴れたような感じはありますね」

──ONEを離れることを決めてから、思ったようにコトが運ばないことの連続だったことは4月のインタビューで読者にも伝えられました。最終的にRoad to UFC出場が決まった。トントン拍子で決まったわけでない、UFCに対する想いは他の出場選手とは違うという気持ちはありますか。

「間違いなくあると思います。ただ他の選手がどのような想いでいるのかは分からないので、比較することに意味があるとは思わないです。僕はコレに賭けているし、コレでダメなら先はないわけですから。だから全力で……全身全霊で挑む覚悟はできているし、そういう準備はしています」

──全身全霊で挑む戦いがUFCとの契約が懸かったトーナメントであるという状況は?

「道が見えている。ゴールが見えています。フィーダーショーなら、いつ引っ掛かるか分からない。ゴールが見えないなかで戦っているわけではないので。気合はいつでも入っているけど、これまでとは全然違う心持ちというのはあります」

──明確なタイムラインが見えないと、人間はしんどいモノです。マラソンでトラックに入ったのに、何週走ればゴールなんだっていう状況で記事を書くと筆は相当に乱れます(笑)。

「そういうことだと思います。何のコトか分からないですけど(笑)」

──そしてRoad to UFC、簡単な選手はいないという大前提で未知の中国勢も怖いですが、やはり韓国勢が最大のライバルになって来るかと。そして初戦の相手はコロナ禍のK-MMA界でドロドロに戦い、勝って来たAngel’s FCとDouble GFCフェザー級王者のホン・ジュンヨンになりました。

「何も思わないです。対戦相手に関しては……誰と戦っても勝たないといけない──本当は圧倒してトーナメントを締めくくりたいので。ONEで最初の相手がマラット・ガフロフと戦うことになった時のような『コイツか……』という気持ちは一切ないです。最初から映像も確認できる相手で、戦いやすいと思っています。

誰が相手でもやることは同じで。自分の創ってきたことを出すだけなので。次の相手は、コイツかという感覚です」

──とはいえ、あの精神的及び肉体的なタフさは出場選手随一でないかと思われます。自分の動きがデキていても、相手が構わず動き続ける。その辺りでリズムを失うことが一番怖い、そんな相手ではないかと。

「トノン戦はずっと相手のペースで戦って失敗をした部分があります。だからこそ今、あの時にデキていなかったことをやっています。今日のスパーリングのように5分間の間に色々な戦い方をする相手と向き合い、あらゆる部分が必要な練習をしています。泳いだり、走ったりするトライアスロンのように。なので、試合中でも切り替えはできるとは思っています。

もちろん相手のペースに飲まれることもあるはずです。でも彼がこれまで戦ってきた相手にはない距離の取り方、動き方をするので逆にわざと追わせたりできるんじゃないかと思っています」

──多くのMMAファンは松嶋選手の最後の印象が、足関節を防いでいる姿かと思います。あれから1年半、MMAファイター松嶋こよみはどの点が最も変わりましたか。

「トノンと戦った時も、キム・ジェウン戦からレベルアップはしていました。グラップリングに対する対処能力も上がっていたし。そこからさらに全体的に良くなっているかと思います。

倒せる技が増えたというか……これで倒せると思えるモノが多くなりました。技のレパートリーも増えましたし、そこを出せたら……。出せたらではなく、出すんですけど。試合間隔が1年半空いているので、勘とか鈍っているかもしれないです。でも、どうすれば倒せるのかを組み立てることができるようになったので、そこを試合で出します」

──打撃の種類というか、質が変わってきたと思います。特に蹴りが変化したかと思いますが、ボクシング&レスリングではなく、足技のある空手&レスリングの融合も進んでいるのでしょうか。

「蹴り終わりのテイクダウンもレパートリーのなかにあります。ただ僕はコンビネーションとか、何かの技のつなぎではなくテイクダウンに入る角度を意識しています。全般的に殴る時も蹴る時も、組む時も自分がどこにいるのかを意識して戦う。コンビネーションで何と何を組み合わせるのかということではなく、臨機応援に組み合わせることができるのが僕の強味で、その部分ことかなり進化していると思います」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
Episode01
6月9日(木・日本時間)
午後3時30分~UFC FIGHT PASS
Episode02
6月9日(木・日本時間)
午後6時30分~UFC FIGHT PASS
Episode03
6月10日(金・日本時間)
午後3時30分~UFC FIGHT PASS
Episode01
6月10日(金・日本時間)
午後6時30分~UFC FIGHT PASS

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode01対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
SASUKE(日本)
イー・チャア(中国)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
パラチン(中国)
キ・ウォンビン(韓国)

<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
風間敏臣(日本)
クルムアリ・マイマイティトゥハティ(中国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
チェ・スングク(韓国)
ラマ・スパンディ(インドネシア)

<ライトヘビー級/5分3R>
チャン・ミンヤン(中国)
トゥコ・タクコス(ウクライナ)

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode02対戦カード

<Road to UFCバンタム級T準々決勝/5分3R>
シャオ・ロン(中国)
キム・ミンウ(韓国)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
松嶋こよみ(日本)
ホン・ジュンヨン(韓国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
チウ・ルェン(中国)
ウォーレン・デルロサリオ(フィリピン)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
アイリヤ・ムラトベク(中国)
パワン・マーン・シン(インド)

<フライ級/5分3R>
ショーン・エチェル(豪州)
内田タケル(日本)

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode03対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
シェ・ビン(中国)
イ・ジョンヨン(韓国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
堀内佑馬(日本)
トップノイ・キウラム(タイ)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
アンシュル・ジュビリ(インド)
宇佐美正パトリック(日本)

<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
中村倫也(日本)
ググン・グスマン(インドネシア)

<女子ストロー級/5分3R>
ソ・イェダム(韓国)
ジョセフィン・クヌトゥソン(スウェーデン)

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode04対戦カード

<Road to UFCバンタム級T準々決勝/5分3R>
野瀬翔平(日本)
ウリジブレン(中国)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
キム・ギョンピョ(韓国)
アスクルバイ(中国)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
ルー・カイ(中国)
アンガ・ハンス(インドネシア)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
パク・ヒョンソン(韓国)
ジェレミア・シレガー(インドネシア)

<ウェルター級/5分3R>
ジョン・アダハー(フィリピン)
キム・ハンソル(韓国)

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【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。タン・カイ✖キム・ジェウン&ジヒン✖平田樹

【写真】一発で終わる──そんな空気が流れる立ち合いのなかで、キム・ジェウンとタン・ガイにどのような差があったのだろうか (C)Zuffa/UFC

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑師範とともに見てみたい。

武術的観点に立って見たタン・カイ✖キム・ジェウン、そしてジヒン・ラズワン✖平田樹とは?!


──教え子である松嶋こよみ選手が離脱したONEフェザー級戦線で非常に高度な試合が見られたと感じました。

「互いにボクシングで戦っているなかで、動いて質量を養成するキム・ジェウンと定位置で質量を養成するタン・カイという対戦でした」

──その場で力を養成する選手、久方ぶりの登場です。

「タン・カイは倒れたキム・ジェウンに、即パウンドを落としていました。以前にも効かせた後の追撃で試合を決めるという場面がありました。1から2、2から3と動きが移行するなかで、タン・カイはラグなく動くことができます。それは──その場に質量があるからです。構えた時にエネルギーがあるので、それを目標に置くだけだからラグが生じないスムーズな攻撃が可能になります。

対してキム・ジェウンは動いて、エネルギーを創って打っています。凄く良いタイミングで右も左も打てているんです。ただし、タン・カイはきっと見えていたと思います」

──フィニッシュの左フック。完全にキム・ジェウンの右のタイミングを掴んでいたように感じました。それ以前の攻防で計っていたように。

「それは怖くないからできるんですよね。貰っても痛くない。見えている攻撃は、さほど痛くない。振りが大きくて強い感じがするパンチを打っているのはキム・ジェウンなんですが、タン・カイは見えていたと思います。

それとキム・ジェウンの構えでは、お腹が死んでしまいます。中心を無くしている。頭を振ったり、上半身を揺らして相手の攻撃を避ける。キム・ジェウンはそういう風に動くことが、動きやすくなっているんだと思います。ただし中心を無くしているので、体が一つにまとまらないようになっています。

中国武術の口訣(※カオチェ=「くけつ」。文書に認めず口で伝える奥義)のなかに外三合(ワイサンフウォ=「そとさんごう」、あるいは「がいさんごう」)という言葉がありますが──腕と脚、ヒジとヒザ、肩と股関節が揃って動いた時に力が出るとされています。この試合ではキム・ジェウンでなく、タン・カイの方が外三合でした」

──タン・カイが中国人だからということは関係ありますか。

「う~ん、彼のベースが何か分からないですが、打撃を続けてきたことで自然と……結果的にそうなったのだと思います。体が一つにまとまっていて、ブレがない。勢いでなく、強いパンチが打てるのは、打つ前からそういう状態にあるからです。

質量も当然タン・カイが高く、結果として間もタン・カイになります。あの空間に入り込むと、キム・ジェウンはぶっ飛ばされます。実はこの試合を見ている最中にネット環境が良くなかったのか、ABEMAの中継がフリーズしてしまったんです。ただし、その空間が見えていたので、この試合はよほどのことが起こらない限りタン・カイが倒せるなと思っていました。そして画面が動くようになると、タン・カイが勝っていたんです(笑)」

──強いパンチが打てる状態。つまり定位置でエネルギーを養成できていると。

「ハイ。動きながらエネルギーを創るのと、存在しているエネルギーを運ぶことは全く違います。とはいえ、これは武術でなくボクシング、キックボクシング、MMAファイターにもそういう選手はいます。そして、一目瞭然です」

──なるほどぉ。それにしてもタン・カイは強かったですね。

「定位置で要請しているエネルギーがあっても精神的な状態で試合に生かせる、生かせないがあります。それを試合で生かすことができるのは、タン・カイが日々厳しい稽古を課しているからです。キム・ジェウンを相手にビビらず、臆することなく戦っていたからですね。

強そうなのは平田。体力やセンスも平田だろう。では平田はどこでジヒンに遅れを取ったのだろうか

いや、今回のONEを見ているとアジア勢の成長に日本はついていけていない現状が見え隠れしましたね。

平田樹選手に勝ったジヒン・ラズワン、あの素人みたいな構え。

『これは相手にならないわ』と実は思ったんです。そうするとあの詠春拳のような素人構えのジヒンが左右にステップを踏んだ。アレをやられると、ボクシングが本当に身についていなくて、形だけ半身の平田選手の打撃ではジヒンを捕らえることができなくなります。

あの構えで蹴りを使っても、効果の得られないのに繰り返してキャッチされていましたし。組み勝てるなら、そうすれば良い。ただし、投げ勝てても組み勝ててはいなかった。

それもジヒンがあの構えで正面に立っているだけなら、そうはならないです。ただ彼女は左右にステップを踏んだ。アレは何かの武術なのかと思ったほどです。ジヒンはテイクダウンして寝技に行こうというなかで、打撃で勝とうとしていないです。グラップラーが下手にボクシングをすると、組みの圧力が落ちます。組みが強い選手が、組み力を犠牲にしない打撃が必要で」

──それがジヒン・ラズワンにあったということですか。

「ハイ。打撃で平田選手を攻めさせなかったのは、理論的でなく偶然だったかもしれないです。ただし、彼女があの構えをして動いていたのは組むため。平田選手は組まれるのが嫌になり、かといって打撃でもジヒンを捕らえることができなかった。ジヒン、ジヒンの指導者には感心させられましたよ。

結果論ですが、マレーシアの女子選手の方がしっかりとMMAを考えて戦っていた。きっと環境は日本より良くないでしょう。でも、平田選手より自分の組みを犠牲にしない打撃を使っていたんです。陣営としてジヒンの方が、平田選手より優っていた。平田選手はジヒンが嫌がる攻撃をしていなかった。対して、ジヒンは平田選手が嫌がることをやっていました。戦いの基本姿勢がそこには存在していたということです」

──う~ん、非常に興味深い話です。そして色々と考えさせられる。そんななか話をタン・カイに戻しますと──下世話な話ですが、松嶋こよみ選手はタン・カイと戦って勝っていたでしょうか。

「いつだったか、一度オファーがあり鼻の骨が折れていて断ったことがあったと記憶しています。まぁ指導している人間のことなので、色んな事は言いたくないですが──私のMMAを見る姿勢として、ボクシングだけの人と蹴りがある人ということです。2本と4本では、どっちの武器が多いのかと。注意するのも2つと4つでは違います。

だからといってボクシングがデキる選手が、蹴りを入れることで2+2が4になるかというと、これが相当に違います。キックボクシングで2+2ができていてもテイクダウンのあるMMAでは話が違ってくる。キックの打撃がMMAで生きるかといえば、それも別問題で。それがMMAの難しさであり、面白さなんです。

MMAグローブで戦うけど、練習で思い切りぶん殴ることなんてできない。だからMMAは難しいです。ONEでMMAグローブのムエタイを始めた当初、一流のムエタイの選手も戦い方が崩れていましたよね。ただし、今は作り直してMMAグローブ用のムエタイを彼らは見せるようになった。

そうですね、タン・カイやキム・ジェウンがMMAグローブでぶん殴って来る。それを想定して、ジャブ、ジャブ、ジャブっていう戦いができるのか。そこを見て稽古する必要があるということです。MMAとは、そういうことだと思います。とはいってもタン・カイにも弱点はありました」

──あの試合で弱点が見られたのでしょうか。

「ハイ。タン・カイは居着いています」

──居着く……。あっ、キム・ジェウンの攻撃を計っていた。

「そうです。相手の攻撃を見ていた。つまり、居着いていたんです。計るということは、相手の攻撃に自分を合わせてしまっているんです。だから後の先を取れたのですが、キム・ジェウンがナイフを持っているような武器があれば、あの戦いをタン・カイはできないです。

キム・ジェウンが先の先が取れていると、キム・ジェウンが勝てた試合です。タン・カイは後の先を取るのではなく、取ろうとして戦っていたので。つまり試合中のほとんどの時間で取れていなかったことになります。取るために戦っていた。なら、先の先を取っていれば勝てた。キム・ジェウンが数センチ、足の位置をずらしていれば……例えば蹴りを見せていれば、タン・カイは反応するのであの戦い方はできなかった。そうなればキム・ジェウンは先の先が取れていた。そうなっていればタン・カイは受けに回ることになります。受けに回る、それが居着くということです。

この試合ではカウンターが取れたので、後の先が取れたことになります。取れなければ、居着いていた。相手を居着かせるのが、武術の究極の目的であり、そういう戦い方が存在します。数センチの違いであれだけ強いタン・カイをキム・ジェウンは倒す可能性もあった。非常に興味深い試合でした」

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【ONE130】チャトリ大会総括「ベストバストは秋元×カピタン」&「遼伍が勝っていた」&「秋山の勝利は」

【写真】チャトリが試合後に満足度のある笑みを浮かべることは珍しい(C)MMAPLANET

26日(土・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアセンターで開催されたONE130「ONE X」。第1試合のスタートがシンガポール時間で午後1時20分、メインイベントが終わったのは午後11時50分。20試合、10時間30分の10周年ロングラン・イベントはONEという一風変わったファイト・プロモーションが過去に形を創ってきた外枠に対し、中身が詰まりつつあることが感じられる──これからの10年に向けてスタートを切る大会だった。

イベント終了直後の記者会見で開口一番「世界にONEを訴えかけることができるイベントになった。特にメインとコ・メインは、世界中の人々に楽しんでもらえる試合だったと思う」と話した──チャトリ・シットヨートンの言葉を抜粋してお届けしたい。


「スペシャルルール(ミックスファイト)の試合を今後も組んでいくことになると思う。凄く興味深い戦いだった。どんな選手でも登用していくし、マット・ヒュームともどんなクレイジーなアイデアだろうが、ファンに少しでも喜んでもらえることを実現していこうと話した。

来週、このことについてもより深く話し合いを持とうと思っている。DJが2Rに一本勝ちすることは予想できたけど、初回に逃げ回ることなく打撃で対抗したのには本当に驚かされた。殴って、蹴っていったんだよ」

ハム・ソヒはデニスに勝ったから、次のタイトルコンテンダーに相応しいと思う。今日のパフォーマンスに関しては、十分じゃなかったけど誰だって良い日と悪い日がある。彼女はこのスポーツのレジェンドで、どの局面でも戦える技量の持ち主だ」

「ベストファイトはヒロキ・アキモト×カピタンだ。ベリー・ベリー・ベストファイト・オブ・ザ・ナイトだよ。世界最高のキックボクシングだった。カピタンが首相撲を多用し、レフェリーがイエローカードを出したことが論議になっている点だけ残念だ」

ライニアがガルバォンにあれだけの試合ができたことには、ビックリさせられた。アンドレがパスをしてマウントを取ったけど、寝技では勝負にならないと思っていたんだ。いくら彼がMMAでミドル級からヘビー級まで制しようというファイターでも。とんでもない柔術のスキルを見せたね」

アキヤマの勝利によりONEにとって初の韓国大会開催の追い風となった。オク・レユンという世界ライト級チャンピオンもいる。凄く可能性は高まったよ。アキヤマはショックを与えた。

アオキが最初の30秒でバックを取った。これはもう終わりの始まりだ。立って粘ったことが勝因になったね。しっかりと落ち着いて戦っていた。2Rになりアオキの顔を見えると、自信を失っていたよ」

「エドゥアルドは速くて、強すぎた。5年前のジョン・ウェイン・パーだったらね……。でも最後のラウンドの最後の20秒で彼は魅せてくれた。ジョン・ウェインはジョン・ウェインのままだったよ。

散打×空手、エドゥアルド×セイジ・ノースカットの一戦をアピールしていたけど良いアイデアだ。ONE Super Seriesでそういう力のある者同士の対戦も組んでいければと思う」

「ゴードン・ライアンは今年の後半にサブミッション・グラップリングでONEデビューする」

「タン・カイがタン・リーに挑戦するかって? 十分にあり得る。皆、どう思う? 完全に試合を掌握していたよね。信じられないよ、キム・ジェウンを相手に。

彼は80、90パーセントのKO率を誇っているんじゃないかな」

「フランシスコ・ガヌーのことは好きだけど、特に興味があるわけじゃない。アナトリ―・マネキン(ONE世界ヘビー級暫定王者)はロシアのナショナルチーム・レスラーだ。速くてサブミッションでもヨーロッパのチャンピオンで、フランシスコよりずっと寝技が強い。アルジャー・ブラー(ONE世界ヘビー級正規王者)のレスリングとボクシングと比較してもね。

フランシスコは寝技はそれほどでなく、パンチ力はあるけどテクニカルじゃない。まだ発表はしていないけど、何人かヘビー級とサインするし、今年はヘビー級が本格的に活動してUFCに対抗できるディヴィジョンになるだろう」

「今年はシンガポール以外にも戻るよ。バンコク、マニラ、東京、そしてソウルを視野にいれている」

「ダニエラ・ケリーへのボーナス? 彼女は良い試合をしたよ。ただグラップリングマッチは一方が攻めても、もう一方が固めると良い試合にはならない。

今夜のメイはずっと守っていた。クローズドガードの時だけでなく、オープンガードになっても攻めることがなかった。そこは残念だったけど、そういうことはありえるんだ。

私はメイのことが好きだよ。ONEを形成する大切な1人だ。すぐにまた試合をする。強調しておきたいことは、メイはMMAファイターでサブミッション・グラップラーじゃないということ。もっとエキサイティングな試合になるかと期待したけど、彼女はベストを尽くしたんだ」

「コロナで制限があってもファンがアリーナに戻ってきた。コロナ予防対策で非常に窮屈な感染であっても、エネルギーを感じることができた」

「正直に言えば、アミール・カーンは負けていた。タカハシも勝利を決定するには不十分だったかもしれないけど、ホームタウンの観客の声援が影響したかな。でもリョーゴの方がダメージを与えていたし、効果的な打撃を当てていた。

アミールの粘りは本当に印象的だったよ。彼は私の大切な友人の1人だ。でも勝っていない。負けていたよ」

「私は100万のミスを犯してきた。今年に入っても毎日失敗の連続だ。でも素晴らしいチーム、素晴らしい選手たち、最高のファンに支えられている。彼らなくして、私は今ここにいない。でもまだDAY 1だ。今日は序章に過ぎないよ。数週間以内に米国での中継に関して、ビッグニュースを発表するし、新たな契約選手のアナウンスも行う予定だ」

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【ONE130】宣言通り!? タン・カイがテクニカルな打撃戦から衝撃の左フックでキム・ジェウンを沈める

【写真】序盤からタン・カイが左フックのタイミングを合わせに行っていた(C)MMAPLANET

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
Def.1R2分26秒 by KO
タン・カイ(中国)

タン・カイが鋭い左ジャブを伸ばす。キム・ジェは右ローと左フック。タン・カイのパンチにキム・ジェウンが右ローを合わせる。タン・カイの左ジャブよりキム・ジェウンの右ローのほうがヒット率は高いか。タン・カイが距離を詰めると、キム・ジェウンが右クロスを打ち下ろす。タン・カイは、その右ストレートに左ジャブを合わせるようになる。キム・ジェウンの左ハイをバックステップでかわしたタン・カイは、左を返す。そしてキム・ジェウンが近づいた瞬間、タン・カイの右ショートから返しの左フックがキム・ジェウンの顔面を捉えた。背中から崩れるキム・ジェウン、すぐにレフェリーが試合をストップした。


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【ONE130】ガルバォンと組み技戦、二階級王者ライニア・デリア―「ガルバォンは15分間サバイブできない」

【写真】ガルバォンのボディがヤバい……(C)MMAPLANET

本日26日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE130「ONE X」でONE世界ミドル級&ライトヘビー級世界王者ライニア・デリガーがアンドレ・ガルバォンとグラップリングマッチを戦う。

2月にウェルター級王者キャムラン・アバソフの挑戦を一蹴し、その組み技力の高さを改めて見せたデリダ―が、柔術界のレジェンドとの戦いに向け――自信のほどを口にした。


――2月25日にキャムラン・アバソフを一方的な展開で下し、その時にマイクアピールをしていたアンドレ・ガルバォンとのグラップリングマッチが実現します。それにしてもアバソフを一方的に下したミドル級の防衛戦には驚かされました。

「上手くいったね。試合はいつだって一方的にドミネイトしたいと考えているし、少しでも早く極めたいと思っている。いつもそうなるとは限らないから、凄く達成感があるよ。あの試合後、少しだけ家族と過ごしてシンガポールをまた訪れることが楽しみだよ(※取材は3月16日に行われた)」

――ライニアは打撃でKOをするタイプではないですが、しっかりと相手の打撃を見ることができる。そして組み技につなげて、最後はグラウンドで仕留めるウェルラウンダーだと再確認できました。

「だって毎日のようにオランダのキックボクサーと練習しているからね。常に進歩しているよ。打撃の練習も好きだし、楽しんでいる。けど常に僕は柔術を代表して戦っているつもりだ。いつか僕のテイクダウンをストップする相手が現れた時は、打撃をもっと披露することになるだろうね」

――その柔術に関して、以前のインタビューで「ポイント制でホールドするのが嫌いで、柔術の試合には出ないようになった」と言っていました。そのライニアがサブオンリーでガルバォンというレジェンドとサークルケージの中で戦います。

「なぜ、試合場に来て戦わずに守ることばかりを考えるのか、僕には理解できないんだ。生き残れば良いのかな? 僕は自分の培ってきた技術の全てを駆使して、ガルバォンを倒しに行く。僕のグラップラーとしてのキャリアのなかでも、ガルバォンのような強豪と戦うのは初めてだし、凄く楽しみにしている。もっと楽しみなのが、彼に勝つこと。この機会を得ることができて、本当にハッピーだよ」

――とはいえ、ここ数年のガルバォンのADCCでのスーパーファイトはポイントを取って守るというものです。それでもポイントがあれば、まだ観客は勝ち負けの目安が観客も分かります。今回はサブオンリーで、観客にもタフなファイトになるかもしれないです。

「試合はケージで行われる。ガルバォンは逃げる場所がないよ」

――防御能力の高さ、それがIBJJFのトーナメントで優勝できる選手の共通項です。そのガルバォンが守りに徹すると、相当に難しい試合になるかと。

「対戦相手が何をするか、それは関係ない。僕がこれまでどういう試合をしてきたか。今回も同じように、完全にドミネイトすることを考え。少しでも早くフィニッシュするために戦うよ。ガルバォンは15分間もサバイブできない。

彼はテイクダウンから試合を組み立てていく。立ち技ではスナップダウンがとても巧妙だ。スナップダウンに引っかからないよう、しっかりと間合いを考えて戦う必要がある。ガルバォンがトップを取ると安全策を取って厄介になるからね。でも、僕がテイクダウンを奪われることはないよ」

――いなしに注意。そこが楽しめるファンは相当にコアですね。ところでMMAでは上攻めのグラップラーですが、パンチがないグラップリング戦だと下になる選択はありますか。

「ノー。僕が引き込むことはないよ。テイクダウンされたり、スイープされてボトムを取ることはあっても、自分から下にはならない。狙いはテイクダウン、トップを取ってバックに回ることだよ。MMAから打撃を抜いた組み技をする。引き込むことはない」

――15分間だと、ガルバォンも慎重になるでしょうね。スタミナを切らさないために。

「その通りだ。だから僕はプッシュし続ける。15分間、動き続けるだけのコンディションを創っているしね。動いて、ガルバォンをもっと疲れさせるんだ。彼のゆっくりしたペースを速く動いて、崩す必要があるからね」

――キック、ムエタイ、MMAのなかで行うグラップリング。観客には知識と我慢が必要なのがグラップリングです。その状況でどうファンを満足させたいと考えていますか。

「積極的に動いて、極めを狙う。そしてキックやムエタイ、MMAの試合を楽しんでもらうストラクチャーの役割を果たすよ。僕はヘッドライナーじゃないし、自分の試合を楽しんでから、ビールでも飲みながら他の試合を視て楽しむよ。それにこの歴史的なショーに参加できること自体が嬉しいしね」

――今後もグラップリングマッチを戦うことはありますか。

「もちろんMMAが僕のメインフォーカスだ。ただビッグネームと戦えるなら、グラップリングファイトもチャレンジしたい。ブシェシャ、ゴードン・ライアン、そんなビッグネームとならグラップリングでも戦いたい」

――ではMMAファイターとしての今後は?

「ヘビー級のベルトを狙いたい。正規王者のアージャン・ブラーと暫定王者のアナトリ―・マリキンがまずは戦うべきなんだろうけど。マリキンはロシア人だから、この先ONEで戦えるのか……。そこも関係してくるね」

――ライニア、今日はインタビューを受けていただきありがとうございました。最後に日本のファンに一言お願いします。

「実は今、リキ・フクダ(福田力)と練習しているんだ。リキはUFCやアジア(※Road FC)で戦ってきた、本当のナイスガイだ。日本はMMAで長い歴史を持っている。そんな日本のファンにも僕とガルバォンのグラップリングマッチを楽しんでほしい。そして、いつの日が僕も日本で戦いたいと思っている」

■放送予定
3月26日(土・日本時間)
午後1時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時00分~ABEMA PPV ONLINE LIVE

■ONE130 「ONE X」対戦カード

<ONE世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アンジェラ・リー(米国)
[挑戦者]スタンプ・フェアテックス(タイ)

<フリースタイル・フライ級(※61.2キロ)/3分4R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
デメトリウス・ジョンソン(米国)

<ONE世界フライ級 (※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
[挑戦者] 若松佑弥(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
秋山成勲(日本)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
ウェイン・パー(豪州)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者]マラット・グレゴリアン(アルメニア)

<ムエタイ世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
[挑戦者] フィリッピ・ロボ(ブラジル)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】秋元皓貴(日本)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
ジヒン・ラズワン(マレーシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
タン・カイ(中国)

<キック・フェザー級ワールドGP決勝/3分5R>
チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<グラップリング・ミドル級 (※93.0キロ)/15分1R>
ライニア・デリダー(オランダ)
アンドレ・ガルバォン(ブラジル)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
ニキー・ホルツケン(オランダ)
シムサット・クリンミー(タイ)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ジャレミー・ミアド(フィリピン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
スティーブン・ローマン(フィリピン)
佐藤将光(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
高橋遼伍(日本)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
ポール・エリオット(英国)

<グラップリング女子アトム級(※52.2キロ)/12分1R>
山口V.V芽生(日本)
ダニエラ・ケリー(米国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
澤田龍人(日本)
仙三(日本)

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【ONE130】アジア最高峰のフェザー級戦=キム・ジェウン戦へ、タン・カイ「全世界に衝撃を与える」

【写真】この2人とやりあえる日本人ファイターが、どれだけいるのか。いや、両者の戦いに割って入る日本人選手が現れてほしい(C)MMAPLANET

本日26日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE130「ONE X」でタン・カイがキム・ジェウンと対戦する。

1月28日に対戦する予定だった――このアジア最高峰のフェザー級マッチは、試合当日はキャンセルとなった。ボーナス獲得まで青写真を描いていたタン・カイに、仕切り直しの一番を記念大会で戦うことになった心境を尋ねた。


――1月28日に対戦が決まりながら、流れたキム・ジェウン戦がついに実現します。

「あの時は試合当日にキムが陽性になったことが分かったんだ。僕が知ったのも、大会当日のお昼で会場に向かう数時間前だった。ホント、あの時は落ち込んだよ。どのように試合を終わらせるかをずっと頭の中に描くだけでなく、5万ドルのボーナスを手にすることも思い描けていた。それが全てなくなってしまって、もう言葉もなかったよ」

――結果、ONE XというONEの歴史で最大のイベントで戦うことになりました。

「ONEの10周年記念大会で戦えることは、とても光栄に思っている。特に僕は今大会に出場する唯一の中国人選手だし。この試合は僕を応援してくれるファンが待ち望んだ試合で、このビッグショーでONEが試合を組んでくれたことは、僕がそれだけ買われている表れだと思っている。その期待に応えるために、良い試合をしたい」

――20試合が組まれた今大会でも、ボーナスを獲得する自信はありますか。

「自信? メチャクチャあるよ。20試合、40人の選手が戦うイベントでボーナスを獲得するにはただフィニッシュするだけじゃ物足りない。見た目も最高のKOで勝ちたい。必ず、そんなKOを皆に見てもらうよ。全世界に衝撃を与えるようなKO勝ちを、ね」

――派手な打ち合いの方がボーナスは貰いやすいです。そんな殴り合いか、一方的な勝利か、どちらを望みますか。

「そりゃあドミネイトしたいよ。でも、簡単に行くわけがない。キム・ジェウンはそれだけの強豪だからね。結果、ギリギリの殴り合いにならざるをえないだろう。と同時に、僕とキムの試合はONE Xにおいて、もっともテクニカルな戦いになるはずだ」

――キム・ジェウンは本当にタフな相手です。この一番がタイトル挑戦に向け、とても重要になってくるはずです。

「うむ……3月11日の大会後の会見で、チャトリが僕らの試合の勝者がタイトル挑戦権を手にできると発言したはずだ。だから、次のタイトルチャレンジャーは僕になる」

――それだけの自信、どこから湧いてくるのでしょうか。

「絶対的に打撃は僕の方が上だ。スピード、移動、フットワークも僕の方が優れている。どの状況になっても、少し僕の方が速いと思う。それが僕のアドバンテージだ」

――ターゲットであるタン・リーが、56秒でゲイリー・トノンを破ったことについて、どのような印象を持っていますか。

「タン・リーは素晴らしい試合をした。ゲイリー・トノンはとても危険なファイターだけど、皆が知っているようにウェルラウンディット・ファイターじゃない。柔術に関しても、超一流だ。ただし、打撃など弱点もある。それにしても、あの足関節にパニックにならず冷静に対処し、パウンドで失神させるなんてタン・リーは本当に良い仕事をしたよ」

――グラップリング、ムエタイ、キック、フリースタイル、MMAが混在する中で、キムとの本格派対決でどのような試合を世界に見せたいと思っていますか。

「さっきも言ったようにお祭りのようなイベントのなかで、僕らの試合は最高にテクニカルな試合になるだろう。そんなタフな試合で、自分の知る限りの知識を使い、できる限り最高の動きをする。現状で最高のタン・カイの戦いをすることを約束するよ」

■放送予定
3月26日(土・日本時間)
午後1時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時00分~ABEMA PPV ONLINE LIVE

■ONE130 「ONE X」対戦カード

<ONE世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アンジェラ・リー(米国)
[挑戦者]スタンプ・フェアテックス(タイ)

<フリースタイル・フライ級(※61.2キロ)/3分4R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
デメトリウス・ジョンソン(米国)

<ONE世界フライ級 (※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
[挑戦者] 若松佑弥(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
秋山成勲(日本)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
ウェイン・パー(豪州)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者]マラット・グレゴリアン(アルメニア)

<ムエタイ世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
[挑戦者] フィリッピ・ロボ(ブラジル)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】秋元皓貴(日本)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
ジヒン・ラズワン(マレーシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
タン・カイ(中国)

<キック・フェザー級ワールドGP決勝/3分5R>
チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<グラップリング・ミドル級 (※93.0キロ)/15分1R>
ライニア・デリダー(オランダ)
アンドレ・ガルバォン(ブラジル)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
ニキー・ホルツケン(オランダ)
シムサット・クリンミー(タイ)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ジャレミー・ミアド(フィリピン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
スティーブン・ローマン(フィリピン)
佐藤将光(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
高橋遼伍(日本)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
ポール・エリオット(英国)

<グラップリング女子アトム級(※52.2キロ)/12分1R>
山口V.V芽生(日本)
ダニエラ・ケリー(米国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
澤田龍人(日本)
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【ONE130】2月17日に秋山成勲が語っていた青木真也戦「青木君ってビビり、あの子も臆病ですよね」

【写真】本計量から5時間近くを経て、セレモニアル計量で対峙した両者。リカバリーがあるとはいえ凄まじい肉体を誇る秋山と通常体重の青木(C)MMAPLANET

本日26日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE130「ONE X」。同大会で青木真也と秋山成勲が対戦する。

DREAM時代からの因縁、両者の立ち位置が違ってきても水と油であることは変わりなかった両者の一戦は、昨年10月のRoad to ONEでの青木のマイクアピールより、遺恨が表面化し対決の時を迎えた。

両者がケージに相対する時が刻々と迫る中、同カードが決定し発表前に取材した秋山の声をあえたこのタイミングでお届けしたい。2月17日に秋山成勲が語っていた青木真也戦――とは。


――まずONE10周年記念大会での青木真也戦が決まった秋山選手です。正直、青木真也側のマッチアップであり、秋山選手にとっては貰い事故ではないかと。

「アハハハハ、貰い事故。良い例え方しますね。まぁ、貰い事故という言い方をすると青木君が悪くなってしまうので。喧嘩でも、喧嘩両成敗ということがあるようにどっちがどうこうというのはないと思うのですが、青木選手の階級に自分が行くということで、そういう風に見えてしまうのは仕方ないと思います。

単純に自分が水抜き減量なしで、77キロで戦うことがなかったのでリスキーはリスキーです。そこに関しては不利でしかないというのもあります。でも、それも全部踏まえて俺の人生の1ページなので。長い目で見ると、楽しい思い出になるとは思っています。気負っているとか、そういう変な意味でなく。この年になると、人生を長く見るような形になってきてしまうので。それはそれで受け入れて、勝ちをもぎ取るというほうが人間として恰好良いかなと思っていて。まぁ、巻き込まれているという言い方をされるのも分かりますし……そうですね、良いところをついた表現ですよね、貰い事故というのは」

――秋山選手がONEでやるべきことは、韓国のMMAをONEとともに盛り上げる。底上げするということが第一だったと思っています。

「うん、そうなんですよ。そこは、本当に」

――韓国の将来のために、世代交代マッチならいざしらず。青木選手主導の遺恨マッチによく足を踏み入れたな。うまみの無いファイトの相手役を受けたという印象が強いです。

「アハハハハ、そうですよね。まぁ青木君とABEMAの北野(雄司)さんの目論見じゃないですか(笑)。この試合はそうですよ。それに俺が乗っかったようなもので」

――ただし、昨年10月のあの青木選手のマイクに対し、秋山選手が馬鹿丁寧に正論で言葉を返した。あの返答、ファンもついてこられないような両者のズレで青木ワールドだけでなく、秋山色に染まった感がありました。あれは面白かったですよ。

「あぁ、そうなんですか(笑)。ありがとうございます」

――あの「年上の人間に口の利き方が――」というな道徳の教科書かっていう返しで(笑)。

「あの日、何かを言われるとは思っていましたけど、答えを用意して解説をしていたわけではなかったです。それにセリフじみたことを言っても、皆にばれちゃいますし。でも生中継中で、だんまりを決め込むわけにもいかない。なら正直に話すことが何よりも皆に伝わると思いました。ケガをして戦えないのだから、無理なものは無理で。なら、ごめんねと伝える。それだけのことだと思うんです。だから。それについてガタガタ言われても……それよりも、年上にはちゃんと喋らないといけないでしょ、みたいな」

――アハハハ。それが絶妙でした。

「あの興行は俺が創って、青木君のファイトマネーも俺が払ってんだよって。そこは言いたくなかったけど(笑)。なんで、興行主にそんな唾を吐いてくるんだとは思っていたんです。でも、そこはぐっと我慢して口にせず、『いやいやいや』と。それだけですよ」

――ニュー秋山カラーというのか。実際、ヌルヌル事件にしましても、そこをずっと言及されるのも事実だし、キレーごとを言いやがってと捉える人もいると思います。ただ、自分は2015年11月のUFCソウル大会、あの場で韓国語で韓国人の記者と、韓国社会の中に入ってやりとりをしている秋山選手の姿を見て、どれだけのことを乗り越えてきたんだろうと思ったことがありました。

「いろいろと敏感なところ、その狭間で生きてきた人間が韓国社会に受け入れられるまでに凄く叩かれたこともありました。だからといって、桜庭さんと戦った時にやったこととは別です。違う話です。それは一生背負っていかないといけないもので、秋山は変わったと思われ、そこをチャラにできるとは思っていないです。仮に今の私を見て、そのように思ってくださる人がいればありがたいということで。

今回の青木君との試合を見て、そんな風に思ってくれる人がいるなら、それもありがたいです。でも、なかったことにはできないですからね」

――青木真也ペースのなかで、この試合を受けた。そして、自分のモノにしようという気持ちもあるかと思います。それが今の秋山成勲なのかと。

「そこまで考えてやっていることではないです。ただ、やるしかない。やるしかないのだからやります。今、韓国はオク・レユンがONEの世界ライト級王者になり、キム・ジェウンがマーチン・ウェンをKOした。キム・ウォンイルもケビン・ベリンゴンをKOしています。

ここで僕が負けると、ONEの韓国大会を頭とってやれる状況でなくなってしまいますからね。この試合、実は韓国では心配されているんですよ。身内になると優しいので、77キロで戦えるのか――って、オカンみたいに見守られている感じです(笑)」

――改めてONE10周年記念興行で戦うことに関しては、もう異論はなかったですか。

「戦える状態なので試合をするのは当然なんですけど、やはり体重のことがあったので、階級が違うから契約体重でも良いのではないかと提案はしました。そうしたら完全に蹴られたので、『なんだ、こいつ。プロレスラーじゃねぇなんだな』と思いつつ、自分が頑張るしかないなと思って受けたという形ですね。

それが青木君の勝ちにこだわる。素晴らしい点だと思います。だから素晴らしい選手と戦えるということをモチベーションにしないといけないですよね。正直、1カ月ちょいあっても体重がなかなか落ちなくても、ヤキモキしている状態です。その殻を破ることがストレスにめちゃくちゃなっているのですが、それ以上に青木選手と戦えることを楽しみに感じないと体重は落ちないと思います。

だからムカつくとか、ああだこうだは置いて素晴らしい選手と戦える……強いやつと戦いたい、それが嬉しいという子供のような気持ちでいないと、マジで厳しいですね。それぐらいリスキーな部分が……、これまでやったことがないので、やはり思います。でも、その初戦でチャンピオンクラスの人と戦えるのは、格闘家として良いことで。この試合はチャンスだと捉えないと、やっていられないなと思います」

――その慎重さ、気持ちの作り方は臆病さの表れでもあるかと思っています。同時に怖さを克服するという部分こそ、勝敗を別にすると何よりも大切なことだと思えるんです。

「ホンマ、そうですね。77キロに落としても力で勝負したいです。正直、83キロより全然力は落ちると思います。77キロの青木君の方があるかもしれない。でも『なんだ、こいつ』と思わせたいです。柔道から培ってきた貯金を上手く使いながら、青木君を面食らわせたいですね。

青木君ってビビり、あの子も臆病ですよね。だから勝ちにこだわる。その臆病な部分を引き出すことができれば、勝ちにつながる。そこが自分の勝負どころだと思います」

■放送予定
3月26日(土・日本時間)
午後1時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時00分~ABEMA PPV ONLINE LIVE

■ONE130 「ONE X」対戦カード

<ONE世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アンジェラ・リー(米国)
[挑戦者]スタンプ・フェアテックス(タイ)

<フリースタイル・フライ級(※61.2キロ)/3分4R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
デメトリウス・ジョンソン(米国)

<ONE世界フライ級 (※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
[挑戦者] 若松佑弥(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
秋山成勲(日本)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
ウェイン・パー(豪州)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者]マラット・グレゴリアン(アルメニア)

<ムエタイ世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
[挑戦者] フィリッピ・ロボ(ブラジル)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】秋元皓貴(日本)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
ジヒン・ラズワン(マレーシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キジュ・ジェウン(韓国)
タン・カイ(中国)

<キック・フェザー級ワールドGP決勝/3分5R>
チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<グラップリング・ミドル級 (※93.0キロ)/15分1R>
ライニア・デリダー(オランダ)
アンドレ・ガルバォン(ブラジル)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
ニキー・ホルツケン(オランダ)
シムサット・クリンミー(タイ)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ジャレミー・ミアド(フィリピン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
スティーブン・ローマン(フィリピン)
佐藤将光(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
高橋遼伍(日本)

<ヘビー級(※70.3キロ)/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
ポール・エリオット(英国)

<グラップリング女子アトム級(※52.2キロ)/12分1R>
山口V.V芽生(日本)
ダニエラ・ケリー(米国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
澤田龍人(日本)
仙三(日本)

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【ONE Only the Brave】和田竜光と対戦、坂野周平最後の相手=ワン・シュオ「勝つ確率は80%から90%」

【写真】インタビュー当日(※24日)、上海在住のONE China PRチームとのZOOMでのやり取りが上手くいかず、20分ほど放置された形になったワン・シュオはその間も全くイライラした素振りもなくジッと待ち続けてくれていた (C)MMAPLANET

28日(金・現地時間)に、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Only the Braveで、和田竜光と対戦するワン・シュオ。

2015年に1度だけONEで戦い、昨年4月に6年振りにサークルケージに戻ってきた。この間、Revel FCでバンタム級王座を獲得したワン・シュオ、その時の対戦相手が日本の坂野周平だった。

2年4カ月振りの日本人選手との対戦を控えたワン・シュオをインタビューした。


──ワン・シュオ選手、和田選手との試合に向けて今の調子はいかがですか。

「ベストコンディションだし、凄く楽しみだよ」

──和田選手の印象は?

「対戦相手の試合映像はたくさん見てきた。彼はグラップラーであり、レスラーだ。テイクダウンのスピードが速い。あの速さはこれまでに見てきた選手のなかでも特別だと思う。凄く良い選手だよ」

──ワン・シュオ選手については、日本ではまだまだ未知の部分が多いです。なぜMMAを始めたのかを教えていただけますか。

「MMAの練習を始めたのは2015年で、ベースはムエタイ的だよ。そしてシンジャン・ファイトクラブのリーダー的な役割にあるんだ」

──シンジャン・ファイトクラブには今大会に出場するタン・カイ選手も所属していますね。

「タン・カイ、シェ・ウェイ、ミャオ・リータオというONEで活躍する中国人選手は僕のトレーニングパートナーだよ。シンジャン・ファイトクラブは中国で最高のMMAクラブの一つだと断言できるよ」

──2015年に1度だけONEで戦い、その後は他のプロモーションで戦ってきましたね。

「2015年の6月にONEで戦った時、僕はただのムエタイ・ファイターでMMAファイターではなかった。あの時、ONEは中国で選手の発掘的なトーナメントを開き、コーチの勧めもあって出たんだ。僕はあの試合で負けてから3、4カ月後に当時所属していたジムを離れ、シンジャン・ファイトクラブで本格的にMMAの練習をするようになったんだ。ONEで戦ったのは前に所属していたクラブからだったし、離れたことでONEで戦うルートがなくなったんだよ。

でもシンジャン・ファイトクラブでしっかりとMMAのトレーニングを積めて良かったと思っている。結果、MMAファイターとして力をつけてまたONEで戦えるようになったからね」

──REBEL FCで坂野周平選手と対戦し、バンタム級王座を獲得。あの試合を最後に坂野選手は負傷もあり、MMAで戦って生きていくことに区切りをつけました。ワン・シュオ選手と戦い、どれだけ努力しても届かない世界との差を痛感したという風にも聞いています。

「えっ、それは坂野選手が引退したのは僕との試合があったからということ? それは知らなかった。彼と戦ってから……いつだったか、インスタで話したんだけど、ケガがあり……ジムもパンデミックの影響もあり閉めることになるからリタイアすると聞いたよ。坂野選手は僕が原因とは言っていなかったけど、もしそうなら申し訳ないことをした」

──謝る必要は一切ないと思います。それがファイト・ライフです。自分より強い選手と戦って、負けて諦めるのは。

「坂野選手は本当にグラップリングが強かった。彼とケージのなかで死力を尽くして戦えたことを光栄に思うよ。今、そしてこれから彼が人生で成功することを願っている」

──今回はその坂野選手と戦って以来の日本人選手との試合になります。坂野選手はフィジカルの差が歴然だったと試合を振り返っていましたが、和田選手と戦う際もフィジカル・アドバンテージがあると考えていますか。

「アドバンテージはフィジカルでなく、打撃になるはずだよ。立ち技は彼よりずっと上という自信はある。それに今言ってもらったようにパワー、体力でもリードしているから。そうだね──だからフィジカルと打撃で僕にアドバンテージがあるのは確かだ」

──和田選手は経験豊かなファイターですが、自信の程は?

「僕が勝つ確率は80パーセントから90パーセントはあると思っているよ。と同時にこの試合を見てくれるファンの人たちに喜んでもらう試合をするよ」

■放送予定
1月28日(金・日本時間)
午後7時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後7時30分~ONE Super App

■ONE Only the Brave対戦カード

<キック・フェザー級ワールドGP準決勝/3分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
ダビット・キリア(ジョージア)

<キック・フェザー級ワールドGP準決勝/3分3R>
ジョー・ナタウット(タイ)
チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
タン・カイ(中国)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(キルギス)
ラスラン・エミルベク(キルギス)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチッチ(セルビア)
フランシェスコ・エクシャジャ(アルバニア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
箕輪ひろば(日本)
ジャレッド・ブルックス(米国)

<キック・フェザー級ワールドGP補欠戦/3分3R>
イヴァン・コンドラチェフ(ロシア)
ドビダス・リムクス(リトアニア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
ワン・シュオ(中国)

<ウェルター級(※77.1キロ)/5分3R>
手塚裕之(日本)
エジソン・マルケス(ブラジル)

<キック・108キロ契約/3分3R>
ポール・エリオット(英国)
アンダーソン・シウバ(ブラジル)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
プレウ・オトゴンジャルガル(モンゴル)
ミカエル・デ・ジェズウス(ブラジル)

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【ONE Only the Brave】箕輪ひろばと対戦、ジャレッド・ブルックス「世界は僕を中心に回っている」

【写真】RIZIN時代は封印していたトラッシュトークが、じわる感じで復活しつつあるブルックス (C)MMAPLANET

28日(金・現地時間)に、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Only the Braveで、箕輪ひろばとジャレッド・ブルックスが戦う。

ONE参戦から2戦目、初戦は箕輪が2-1のスプリット判定勝ちを収めたリト・アディワンを肩固めで一蹴しているブルックス。箕輪の力を低く見積もることなく、しっかりと研究した上でゆるぎない自信を持つブルックスは、トラッシュトークではなくとも自信のほどを言葉にし続けた。


──インタビュー、宜しくお願いします。

「もちろん。パンクラスで日本に行った時から、ずっと取材をしてくれてありがとう」

──いえ、前回など飛行機の遅延で厳しいスケジュールのなかインタビューを受けてもらって感謝しています。今回は問題なくシンガポール入りできましたか。

「悪くなかったよ。27時間の長旅だったけどね。ずっと3席を占領できたし、それこそ貧乏人のファーストクラスだよ(笑)」

──アハハハハ。前回のONE初陣ではリト・アディワンを完封し、肩固めで一本勝ちしました。ルール、計量方法など全てが新しい体験でしたが、戸惑うことはなかったですか。

「特にそんなことはなかったよ。他の団体に出る選手は凄い減量をしているけど、僕は人生でああいう減量をしたことはほとんどないんだ……そうパンクラスとRIZINで115ポンドまで落とした時以外はね。115ポンドにするのはハードだったけど、今は普段から123ポンドや124ポンドだから、ONEのストロー級の125ポンドで戦うのに適している。

減量ゲームの必要がなく、毎日のように食事を摂ることができている。ステーキを毎日食べて試合ができるのは最高だよ。。今日、今からだって試合はできるよ(※取材は1月24日に行われた)。本当に準備は整っている」

──UFCと契約をしたことで実現はしなかったですが、パンクラスで3階級制覇を宣言したこともありました。そんなジャレッドがONEで修斗の世界ストロー級王者でもある箕輪選手と戦います。

「修斗は選手に甘くない団体だよ。強い選手が揃っているからね。もちろん、ヒロバのことを見落としているはずもない。特に前にオファーがあってからは、しっかりと意識してきた。15分ほど前にヒロバと初めて顔を合わしていたんだけど、火花を散らすような感覚が既にあったよ──彼もしっかりと意識していただろう。

ヒロバはスマートな選手で、どう戦えば勝てるかを理解して戦っている。将来性が抜群の選手だと思う。若くて良い選手だけど、現時点で僕に勝てるだけの力はない。彼がジュニア修斗からMMAをやってきたことも知っている。ヒロバのことは、少し詳しいよ(笑)。勘違いしないで欲しいのは、僕は彼がタフだと理解しているということだよ」

──リト・アディワン戦というフィルターを通すと、勝ち方に違いがあるのは明白だとインタビューで彼に伝えると、ジャレッドがあそこまでレスリングに集中して戦えたのは、彼とアディワンの試合を見たからという発言がありました。

「知っているよ。ツイッターで、その意見に対して彼にはメッセージを送っている。良いかい? 僕がMMAを始めた時、彼は何をしていたと思う? 高校でチョコレートミルクを飲んでいたんだよ(笑)。22歳の選手が、リトと戦った試合を見て僕が参考にしたって?(笑)。

もちろん試合映像はチェックしたよ。そして研究もした。それも間違いない。だからって、僕がヒロバとリト・アディワンの試合を見たから、ああいう勝ち方ができたって? 勘弁してくれよ(笑)。リト・アディワンに勝てたのは、僕の方がより優秀なファイターで、強かったからだ。少しテクニックで上回っていたしね。まぁヒロバが何て言おうが、気にしないよ」

──この試合で勝てば、タイトル挑戦権獲得もあり得ます。ONEストロー級の頂点に立つことに関して、自信のほどは?

「自信はあるよ。自分を信じている。普通、人間って70パーセントはネガティブなことを考えがちで、だから実際にネガティブなことが起こるんだよ。ネガティブなことを思うのではなく、ポジティブに力強く考えることができていると、良いことが起こる。僕は最高の状態を頭において生きている。

そうだね、ミノワには頑張って欲しいよ。僕は彼のことを研究してきた。それだけ彼のことを尊敬している。でも、これは僕の仕事で、人生の途中で与えられた絶好の機会なんだ。この機会を逃すことはない」

──金曜日の試合、リト・アディワン戦のようにスマートで、洗練された試合を見せることを望んでいますか。

「あのさ、世界は僕を中心に回っているんだ。僕が思い描く試合をする。きっとテクニカルだけど、エキサイティングな試合になるだろう。MMAに必要なすべての要素を見ることができるに違いない。皆がKOを期待していることは分かっている。

その期待に応えるつもりだし、そうでなくても1秒で早く勝つことを常に心がけている。ヒロバを少しでも早く、彼の大切な家族のところに送り返す。結局、これはストリートファイトなんだ。ヒロバをぶっ飛ばすよ」

──ジャレッド、最後にこの試合を楽しみにしている日本のファンに一言お願いします。

「日本のファンの皆、心の底から愛している。アリガトウゴザイマス。日本人選手と戦うことになったけど、皆の心に僕があることを願っている。絶対に盛り上がる試合をするから、楽しみにしてほしい」

■放送予定
1月28日(金・日本時間)
午後7時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後7時30分~ONE Super App

■ONE Only the Brave対戦カード

<キック・フェザー級ワールドGP準決勝/3分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
ダビット・キリア(ジョージア)

<キック・フェザー級ワールドGP準決勝/3分3R>
ジョー・ナタウット(タイ)
チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
タン・カイ(中国)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(キルギス)
ラスラン・エミルベク(キルギス)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチッチ(セルビア)
フランシェスコ・エクシャジャ(アルバニア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
箕輪ひろば(日本)
ジャレッド・ブルックス(米国)

<キック・フェザー級ワールドGP補欠戦/3分3R>
イヴァン・コンドラチェフ(ロシア)
ドビダス・リムクス(リトアニア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
ワン・シュオ(中国)

<ウェルター級(※77.1キロ)/5分3R>
手塚裕之(日本)
エジソン・マルケス(ブラジル)

<キック・108キロ契約/3分3R>
ポール・エリオット(英国)
アンダーソン・シウバ(ブラジル)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
プレウ・オトゴンジャルガル(モンゴル)
ミカエル・デ・ジェズウス(ブラジル)

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【ONE Only the Brave】キム・ジェウン戦へ、タン・カイ「KOする。組みの展開になることもない」

【写真】中国人ファイターは赤……ではなく紅が似合う (C)MMAPLANET

28日(金・現地時間)に、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Only the Braveで、フェザー級の非常に興味深い中韓対決=タン・カイ×キム・ジェウンが組まれている。

2009年1月のONE参戦以来、5連勝中で3つのKO勝ちを誇るタン・カイは高橋遼伍、ユン・チャンミンと連続初回KOで今回の試合を迎える。

先に掲載したキム・ジェウンのインタビューでの受け答えと、タン・カイの言葉を見比べても両者が打撃に絶対の自信を持つことは明らかだ。だからといって打撃戦にならないのが、MMAの妙でもあるが──果たして……。


──キム・ジェウンとのタフマッチが迫ってきました。今の気持ちを教えてください。

「凄く落ち着いていて、気持ちが昂るということはないよ。試合まで、このままリラックスして過ごそうと思う」

──そのキム・ジェウンは昨年9月に前ONE世界フェザー王者のマーチン・ウェンに勝利しており、実績的にはタン・カイ選手を上回っています。

「キム・ジェウンと戦うことに関して、彼がマーチン・ウェンに勝利していることは全く関係ないよ。彼は運よくマーチン・ウェンに勝てたけど、あの日はマーチンに運がなかっただけだから。まぁ、あの夜のマーチンの動きなら、僕が戦っていても絶対に勝てただろう。キムは運が良かった。キムがマーチンに勝っていることで、僕がプレッシャーを受けることは一切ないよ」

──なるほどぉ。実はMMAPLANETが行ったキム・ジェウンのインタビューで、彼は『タン・カイは自分と同じレベルの相手と戦っていない』と言っていました。

「まぁ僕とキム・ジェウンは同じ人間じゃないんだから、そんなこと言ってもしょうがないよね。彼は僕がどれだけ強靭な体の持ち主で、どれほどパワフルな攻撃ができるのかを体感したことがないんだから、僕の対戦相手がどういう状況だったか理解できないはずだ。

今はそんな風にトラッシュトークもどきの言い方をしているようだけど、金曜日の夜にケージのなかでは赤ん坊のように泣きじゃくることになるよ(笑)。今のうちに、そういうことを言っておけば良い(笑)」

──ではMMAファイターとしてはキム・ジェウンにはどのような印象を持っていますか。

「立ち技がかなり優れているファイターだと思う。グラップリングも考慮したストライカーで、なんといってもパンチ力もあるね」

──そのようにしっかりと評価はしているのですね。どちらも優秀なストライカーであることは間違いないです。ところでキム・ジェウンは既に試合中にテイクダウン防御能力を見せてきました。一方でタン・カイ選手はエドワード・ケリーとイ・ソンジョンをテイクダウンしていますが、ほとんど組みや寝技は見せていないです。今回の試合ではレスリングやグラップリングという部分に関して、どれだけ自信がありますか。

「う~ん、そうだね……キム・ジェウンが僕を寝技に持ち込むことは、一切できないよ。その機会は訪れない。スタンドの展開で、僕は彼を倒す。とてもじゃないけど、キム・ジェウンが組んで寝技に持ち込むような試合にはならない。KOする。だから、組みの展開になることもない。

この試合のための準備期間は1カ月だけだった。特別にキム・ジェウンの対策ができたかといえば、そうじゃない。でも、常にどのような状況になっても戦えるよう準備はしている。そしてキム・ジェウンのスタイルに応じるのではなく、自分がどんな風にでも戦えるよう臨機応変、柔軟に戦えるように普段から心掛けているんだ。トレーニングキャンプでも、凄くリラックスして調整してきたよ」

──確かな自信があり、過度に興奮するということがなさそうですね。

「そう戦えるよう練習してきたからね」

──この後、3月のONE Xまでにタン・カイ選手がターゲットとするONE世界フェザー級王者タン・リーがゲイリー・トノンの挑戦を受けることが決まっています。どちらが勝つと予想していますか。

「僕はタン・リーが勝つと思っている。ゲイリー・トノンの寝技は素晴らしいけど、打撃ができなさ過ぎる。タン・リーは打撃が得意だし、柔術にもある程度は対応できるから、トノンの得意な形に持ち込ませないで戦うだろう。そして打撃で仕留めるよ」

──分かりました。では金曜日に試合に向けて、日本のMMAファンに一言お願いします。

「日本では素晴らしいテクニックがあり、スピーディーなMMAが行われている。僕も金曜日の夜には、そんな試合を見慣れている日本のファンに喜んでもらえる試合をしてキム・ジェウンをKOしたい。そして、いつか日本で戦える日が来ることを楽しみにしているよ。

去年、日本のリョーゴ・タカハシと戦った時は。僕を応援してくれる日本のファンはいなかっと思うけど、今回は僕のことをサポートしてもらえると嬉しい。僕らはケージの中では対戦相手ではあって、外では兄弟のようなモノだ。何より僕は僕は中国人として、日本の精神文化から多くのことを学んでいる。そんな日本という国のファンのためにも、最高のファイトがしたい。日本と中国、両国の皆が愛と平和を学び合えることができればと思っている。とにかくコロナが終息すれば、シンジャン・ファイトクラブに取材に来て欲しい。試合のたびに僕の声を日本のファンに届けてくれて感謝しているよ。謝謝」

■放送予定
1月28日(金・日本時間)
午後7時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後7時30分~ONE Super App

■ONE Only the Brave対戦カード

<キック・フェザー級ワールドGP準決勝/3分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
ダビット・キリア(ジョージア)

<キック・フェザー級ワールドGP準決勝/3分3R>
ジョー・ナタウット(タイ)
チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
タン・カイ(中国)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(キルギス)
ラスラン・エミルベク(キルギス)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチッチ(セルビア)
フランシェスコ・エクシャジャ(アルバニア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
箕輪ひろば(日本)
ジャレッド・ブルックス(米国)

<キック・フェザー級ワールドGP補欠戦/3分3R>
イヴァン・コンドラチェフ(ロシア)
ドビダス・リムクス(リトアニア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
ワン・シュオ(中国)

<ウェルター級(※77.1キロ)/5分3R>
手塚裕之(日本)
エジソン・マルケス(ブラジル)

<キック・108キロ契約/3分3R>
ポール・エリオット(英国)
アンダーソン・シウバ(ブラジル)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
プレウ・オトゴンジャルガル(モンゴル)
ミカエル・デ・ジェズウス(ブラジル)

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