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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC311 ウマル・ヌルマゴメドフ ダナ・ホワイト マシン マラブ・デヴァリシビリ

【UFC311】人間永久電池。序盤劣勢のデヴァリシビリがRが進むほどウマルを圧倒、3-0で防衛に成功

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
マラブ・デヴァリシビリ(ジョージア)
Def.3-0:49-46.48-47.48-47
ウマル・ヌルマゴメドフ(ロシア)

サウスポーに構えたウマル。デヴァリシビリと同様に、すぐに距離を詰めることはなく様子見で距離を取る。蹴りの間合いから、右ジャブを伸ばしたウマルはデヴァリシビリの左ローに左を合わせていく。直後に距離を詰めて、押し倒すように突っ込んだデヴァリシビリはすぐに起き上ったウマルにボディショットを入れる。続いてボディから左右のフックは空振りとなったチャンピオンは、続くシングルレッグを切られると同時に右フックを2発見せた。

ウマルが左ミドルを届かせ、右ミドルからワンツー。距離が近づくと、逆にシングルレッグを仕掛ける。反転して足を抜いたデヴァリシビリに、ウマルは跳びヒザを狙う。これは空を切り、ウマルは蹴りからテイクダウンへ。受けのレスリングも強いデヴァリシビリはパンチが届く距離で拳を振るう。しかし、間合いを取り直したところで右ストレートを被弾。インパクトで挑戦者がとってもおかしくないラウンドとなった。

2R、前足でハイを狙ったウマル。デヴァリシビリのジャブ後に、左を伸ばす。続いて組みにきたところでショートのコンビを入れる。それでも前に出るデヴァリシビリだが、ダブルは取れず未だにケージに押し込むこともできていない。と、右オーバーハンドからシングルを切ったウマルがスプロールからバックに回る。そのままワンフックでグラウンドに持ち込んだウマル。リストコントロールを切ったデヴァリシビリがスタンドに戻る。王者の右オーバーハンドからシングルにも足を掴ませないウマルは、逆に蹴りを見せて組みも仕掛ける。

デヴァリシビリはシングルを蹴って、ショートのワンツー。さらに左からボディを見せて、距離を詰める。ついに右を振って組んだデヴァリシビリが、ケージにウマルを押し込むことに成功する。ウマルは押し返してヒザ蹴り、オクタゴン中央に戻るとデヴァリシビリが離れた。ウマルは王者のステップインにカウンターを合わせようとして、右を当てる場面も。殴られても組もうとするデヴァリシビリを組ませないウマルが、この回も取った。

3R、ウマルは後ろ足だった右で前蹴りを見せ、そのまま前足としてサウスポーで構える。凄まじい圧とともに距離を詰めたデヴァリシビリのテイクダウン狙いも、姿勢こそ乱したが切ったウマルはスピニングバックフィストを簡単にかわす、デヴァリシビリは蹴りに右を合わせて、前に出る。そこに一発でなくコンビで待ち受けるチャレンジャーは、またもシングルレッグをスプロールする。

左インローが急所をかすめるが、試合は続きデヴァリシビリがショートを入れる。さらに右オーバーハンドで圧を掛けるなど、王者の勢いがウマルを上回り始める。ここでテイクダウンを狙ったウマルは、逆にシングルレッグで倒される。スタンドで待ち受けたデヴァリシビリは、いよいよエンジン全開となったかダブルレッグでテイクダウン──と思いきや、ウマルは後方にフリップしてスクランブルに持ち込む。

ケージに押し込まれながら笑顔を浮かべ、観客席を見やった王者はウマルが離れると右を振って前に出る。ウマルもカウンターの右フックを繰り出し、左インロー。そしてシングルレッグからバックに回る。尻もちをつかされたデヴァリシビリは、直ぐに立ち上がって観客席に右の拳を突き上げた……が、終盤にテイクダウンを許したことはどうジャッジに影響を与えるだろうか。

4R、圧を掛けるデヴァリシビリ。ウマルはカウンター狙いというよりも受け身となり──居着き始めたか。手数で上回るデヴァリシビリが、シングルレッグでテイクダウン。立たせて、ダブルレッグで尻もちをつかせる。懸命に立ち上がったウマルの顔には、完全に疲労の色が浮かんでいる。パンチ、テイクダウンと攻勢のチャンピオンが右ボディストレート。

ウマルは口が開いているが、それでもダブルをスプロールする。近い距離のパンチの打ち合いでも、圧で上回るデヴァリシビリが右をヒット。さらにボディを入れて、組みへ。対応したウマルは逆にシングルレッグも、序盤のような力強さはない。それでもカウンターを決めたウマルだが、勢い取り戻すことはできない。デヴァリシビリも当然疲れているが、能動的に動き続けている。チャンピオンの動きに反応するという動きが続くウマルは、シングルに出てヒザをついて動きを止めるシーンも。ならばと立ち上がったウマルに組みついたデヴァリシビリがテイクダウンを決めて、スクランブルでバックへ。組んでパンチを入れるデヴァリシビリは、完全に勢いでウマルを上回った。

最終回、ファンを煽ったデヴァリシビリは、すぐに距離を詰めることなく間合いを測る。スピニングバックフィストは空振りとなった王者は、直後にテイクダウンを狙う。ウマルは切って、ジャブを伸ばす──が、体が流れている。必死で続くシングルを切ったウマルに、連続でテイクダウンを仕掛けるチャンピオン。倒せなくとも、反応させパンチを見せて組んで一気にドライブ。ケージにウマルを押し込み、ボディロックへ。自ら離れたデヴァリシビリは左に回るウマルのシングルをスプロールし、右を届かせる、左を返したウマルも最後の力を振り絞る時間帯に入ったか。

ウマルは左ミドルを決め、真っ直ぐ飛び込んできたデヴァリシビリを押し返す。デヴァリシビリはシングルレレッグへ、腕を差して耐えたウマルが左を伸ばす。チャンピオンはニータップ、切ったウマルが左ハイを狙う。続いてジャブを当てたチャレンジャーは、シングルを切りスイッチで前に出る。残り40秒で、右をヒットさせたデヴァリシビリは動き止まったウマルをテイクダウン。そのままスタンドで待ち受けてファンに両手を広げてアピール。直後にダブルレッグで倒し、立ち上がったウマルをボディロックで後方に組み伏せたデヴァリシビリはパンチも落とさず、抑えもせずに観客に勝利をアピールして立ち上がって試合終了を迎えた。

凄まじいスタミナ、精神力。序盤は完全に試合をリードされながら、3Rで流れを変えて4Rと5Rは圧倒したデヴァリシビリ。ジャッジ48-47が2人、49-46が1人と王座初防衛に成功したデヴァリシビリは、ダナ・ホワイトに「言いわけしない。でもケガをしていたんだ。UFCは全てを与えてくれた。どれだけガッカリしたか……」と話し、ジョー・ローガンのインタビューへ。

「僕はマシン。実は6日前に足をカットし、感染した。今日はまあ動けた。でも、しっかりと練習できなかった影響はあった。ウマルはタフ、良いファイターだ。彼は僕を年寄りだと言ったけど、確かに年寄りだ。でも毎日、ハードワークをこなしている。オールドスクールはハードワークを信じている。皆、自分を過小評価してイジメないでくれ。自分を信じよう。なんでも可能になるから。僕はアンダードッグだった。でも、自分を信じていた」と絶叫した。

対してウマルは「1Rが終わって、拳を折ったみたいだ。だから自分の戦いができなかった。ビデオを見てみるけど、僕は負けていないと思う。彼はタフだと分かっていたけど、とにかく拳をやっちゃったから」と話した。


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45 AB BELLATOR o UFC アルマン・ツァルキャン イリー・プロハースカ ウマル・ヌルマゴメドフ キック クレイトン・カーペンター ショーン・オマリー ジョゼ・アルド ピョートル・ヤン ペイトン・タルボット ムイン・ガフロフ 中村倫也

UFC311:オッズ/予想と展望

イスラム・マカチェフ 1.28
アルマン・ツァルキャン 3.85
メラブ・ドバリシビリ 3.35
ウマル・ヌルマゴメドフ 1.34
イリー・プロハースカ 2.10
ジャマール・ヒル 1.77
ベニール・ダリウシュ 2.40
ヘナート・モイカ1.60
ケビン・ホランド 1.89
ライニアー・デ・リダー 1.93
ペイトン・タルボット 1.08
ハオニ・バルセロシュ 8.50
ジャイルトン・アウメイダ 1.21
セルゲイ・スピバック 4.60
ボグダン・グスコフ 1.33
ビリー・エレカナ 3.45
グラント・ドーソン 1.40
ジエゴ・フェヘイラ 3.05
ザカリー・リース 2.70
アザマト・ベコエフ 1.49
カロル・ホザ 1.39
アイリーン・ペレス 3.10
中村倫也 1.19
ムイン・ガフロフ 5.00
リッキー・トゥルシオ3.35
ベナルド・ソパイ 1.34
タギル・ウランベコフ 1.31
クレイトン・カーペンター 3.60

メイン・セミのタイトルマッチに出場する4人全員がコーカサス地方(ダゲスタン、アルメニアジョージア)出身。

メインのライト級タイトルマッチでは、ツァルキャンがタイトル初挑戦。両者はツァルキャンのUFCデビュー戦で対戦している。ツァルキャンがマカチェフ相手にレスリング勝負を挑み、マカチェフがUFCで初めてテイクダウンを奪われている(UFCで16戦した現在も2度のみ)。レスリングでマカチェフとやりあえる唯一の選手かもしれない。

前回は時間が経つにつれてマカチェフが上回っていき差が開いていった。今回は5Rマッチ。レスリング主体であることは変わりないが、打撃も強化してきているツァルキャン。前回はレスリング勝負を仕掛けたツァルキャンだが、同じ展開であれば、大きく差が開いていることはないだろう。マカチェフにとって数少ない、レスリングを警戒する必要があるツァルキャンであれば、タックルを餌にした打撃が突破口を開く鍵となるかもしれない。

マカチェフ判定勝ち。

セミでは王者ドバリシビリに対し、一族2人目のUFC王座獲得を狙うウマルが挑戦するバンタム級タイトルマッチ。ドバリシビリがタイトルを獲得した際、ランキング2位で無敗のウマルが当然挑戦者となることが予想されていたが、ドバリシビリはショーン・オマリーやピョートル・ヤンとの再戦に意欲を見せる発言をしており、さらに、防衛戦の時期として3月を示唆したため、ラダマンで3月の試合をラダマンで避けたいウマルの挑戦の機会が伸びるかと思われた。しかし、ウマルがSNS上で王者に逃げていると挑発すると、それが功を奏したのかは不明だが、1月にタイトル戦が実現することに。

ノンストップ・テイクダウンマシーンのドバリシビリだが、UFCで唯一テイクダウンを奪えなかったジョゼ・アルド戦では、ケージ押し込みでアルドを封じ込めて判定勝ちしている。また、ピョートル・ヤンとの対戦では、テイクダウンしてもすぐに立たれてコントロールする時間は短かったものの、スタンドでのカーフキック、タックルを餌にしたジャブを効かせて、ヤンの目を腫らせて完勝。タックルだけが引き出しではない。

ウマルは来週試合を控えているBellatorライト級王者ウスマンの兄で、弟同様ムエタイベースの打撃が強く、当然レスリングも強力。UFCでは6試合でテイクダウンを奪われたことがない。ドバリシビリの打撃が削っていくためのものなら、ウマルは倒せる打撃を持っている。

打撃もテイクダウンディフェンスもウマルが上かもしれないが、ドバリシビリが5R無尽蔵のスタミナで攻め続けた時、最後まで失速しないでいられるのか。あるいは、その前にウマルが打撃をヒットさせて大きなダメージを与えるのか。

ウマルKO勝ちと予想。

第3試合ではRoad To UFCシーズン1ウィナーの中村倫也UFC本戦3試合目を行う。前戦ではカーロス・ヴェラの引き込んで足関を狙ってくる、ある種負け覚悟の戦法に対し、完全に対応したものの、仕留めきることができず、1戦目に続いての判定勝ちに。今回の相手のムイン・ガフロフも1勝2敗と、ステップアップするための踏み台としては物足りない相手なので、今度こそフィニッシュ勝利したいところ。

第1試合開始は19日朝8時。アーリープレリムは8時~10時の2時間枠に5試合組まれているので、中村倫也の試合は前の試合が早めに終わった場合、9時よりも前に開始になる可能性もある。

速報します。

 

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【UFC311】展望 世界バンタム級選手権試合。無尽蔵のスタミナ=王者マラブ×TD防御&蹴りの挑戦者ウマル

【写真】ロシア帽対決。世界最高峰のせめぎ合いが見られるに違いない(C)Zuffa/UFC

18日(土・現地時間)、カリフォルニア州イングルウッドのインテュイット・ドームでUFC 311「Makhachev vs Tsarukyan 2 」が行われる。二大タイトルマッチを売り物にしている2025年最初のUFCナンバーシリーズのコメインは王者マラブ・デヴァリシビリに、無敗の挑戦者ウマル・ヌルマゴメドフが挑むバンタム級タイトルマッチだ。
Text Isamu Horiuchi

(C)Zuffa/UFC

王者デヴァリシビリは、2018年9月から実に6年間にわたってUFC10連勝を記録。

ついに昨年9月、ラスベガスの球形建造物スフィアで行われたメガイベント「ノーチェUFC 306」のメインイベントにてショーン・オマリーへの挑戦を実現させた。この大舞台でデヴァリシビリは、持ち前の唯一無二の戦い方を見事に貫き──無尽蔵のスタミナを武器に常に動き続けると、オマリーの打撃を避けてテイクダウンを何度も成功させ、組技で圧倒し続けた末に3-0の判定で完勝。フェザー級元王者イリア・トプリアに続きジョージア共和国出身者として二人目のUFC王座に輝いた。


対するウマルは、そのファミリーネームが示すように29戦無敗のまま引退した元ライト級王者カビブ・ヌルマゴメドフの従兄弟にして、Bellatorで無敵を誇るライト級王者ウスマン・ヌルマゴメドフの兄。幼少時から取り組んできた打撃と、カビブの父である故アブドゥルマナプ門下で鍛え上げたレスリング力を武器にここまで18戦無敗、UFCでは6連勝中だ。

(C)Zuffa/UFC

あまりの強さが原因となったか、ウマルは上位勢から対戦がなくランキング上位に顔を出せなかった。

ようやく昨年8月にランキング2位のコリー・サンドハーゲン戦が実現。リーチに勝るサンドハーゲンの打撃を巧みに捌き、テイクダウンやバック取りを成功させスクランブルも制し、中盤以降は打撃でもペースを握って3-0で快勝し挑戦権を手にした。

さて同じ東欧系の両者だが、戦前は周囲が呆れるほど派手な言い合いを展開している。発端はウマルがSNS等で、新王者の座に就いたデヴァリシビリが自分以外の相手を挑戦者候補として挙げたことを受け「マラブは俺を恐れ、避けている」と書いたこと。これを見たデヴァリシビリは怒り心頭。先月の記者会見前の舞台裏でウマルを見かけるやいなや「お前はなぜ俺を侮辱する! こっちに来い!」と迫って関係者に制止された。

頭に血を昇らせたまま臨んだ記者会見にて王者は「俺はいつもウマルに敬意を表してきたのに、突然俺にトラッシュトークを仕掛けやがった!」、「こいつは苗字がヌルマゴメドフだというだけで、実績も資格もないのにタイトルマッチをプレゼントされたんだ。お前などレスリングがまったくできないサンドハーゲンに勝っただけじゃないか!」とまくし立てる。

対するウマルは笑って「カイ・アサクラなんてデビュー戦でタイトル戦を与えられたぞ。実績とか資格があるとか、誰も気にしないだろう」と、マラブの友人でもある朝倉海を引き合いに出して切り返す。が、王者は聞く耳を持たず「お前は男になりやがれ! お前は男じゃない。クソ野郎だ! お前へのリスペクトを完全に失った。本物の男はオンラインでトラッシュトークなどしない!」と声を荒げる。

ウマルが「ちょっと落ち着いてくれよ。俺はあんたの国についても、国民についても、あんたの性格について何か言ったか? 何も言っていないよな。ただあんたが俺を避けていると言っただけだぞ」と指摘するも、ますますヒートアップした王者は「嘘を言うな! お前は自分が書いたことを忘れたのか。お前の言葉は全て嘘じゃないか!」と止まらない。やがて両者とも母国語ではない英語でお互いの言葉に被せ合い収拾が付かない状況になると、見かねたデイナ・ホワイト代表が介入して「次の質問に行ってくれ」と強引に話を打ち切り、場内からは笑い声が漏れた。

が、その後も王者は──ノンストップでテイクダウンを仕掛け続けるオクタゴン上とまったく同じ要領で──甲高い声で挑戦者に罵声を浴びせ続け、ウマルも返すが、止まらない王者がそこに言葉を重ねて訳が分からなくなる展開が続く。結局両者は似たような口論を延々と繰り広げては、誰かが割って入って強制終了される場面を合計三度繰り返したのだった。

今まで「強いだけで面白味のない人間」としてスポットライトを与えられる機会が少なかった王者デヴァリシビリだが、今回の一件を経て「ヤバい奴」というイメージが完全に定着。良い意味でも悪い意味でもキャラが立ち、ファンの注目を浴びる存在となった。

ちなみに、このたび完全に貰い事故で王者にディスられてしまったサンドハーゲンは、今回の試合ではウマル応援派となることを宣言している…。

そんな因縁の両者による対決だが、下馬評ではウマルが大きくリードしている。挑戦者優位説の最大の根拠は、ウマルは王者の最大の武器であるテイクダウンを防ぐだけのレスリング力があると思われること、さらに打撃の技術で大きく王者を上回っているということだ。

この意見を代表するのが、前戦にてウマルに敗れたサンドハーゲンだ。「マラブの勝ち筋が見えないよ。打撃でも上回れないし、テイクダウンも取れるとは思わない。ウマルがテイクダウンを凌いで打撃の距離をキープして勝つだろう。ウマルはスナイパーさ。みんな彼がどれだけ速いか分かっていない。蹴りがどこから来るかも分からないんだよ」と、実際にウマルの強さを体験した者ならではの意見を披露している。(もっとも彼は、例の記者会見以来アンチ・デヴァリシビリであることを宣言しているので、そこは差し引く必要があるかもしれない)

ここで留意すべきは、王者の真の強さはテイクダウン技術の高さや成功率自体にあるわけではないということだ。むしろ、相手にどれだけ凌がれようが立たれようが、幾度でもテイクダウンを試み続けることのできる底無しのスタミナにこそ、デヴァリシビリの真骨頂がある。

2022年8月のジョゼ・アルド戦ではなかなかテイクダウンを取れなかったデヴァリシビリだが、ケージに押し込み続けてアルドにテイクダウンの防御以外何もさせずに勝利。続く2023年3月のピョートル・ヤン戦では、なんと5Rで合計49度テイクダウンに入るという目が眩むようなUFC記録を叩き出し、ヤンに反撃の機会を与えずに完勝している。

(C)Zuffa/UFC

続く翌年2月のフリースタイルレスリング五輪王者ヘンリー・セフード戦では、1Rに上を取られてコントロールを許したデヴァリシビリ。

しかし2R以降は持ち前の超ハイペースで攻め続けてセフードを消耗させ、やがてレスリングでも圧倒。最終3Rでは高々と抱え上げ叩きつける派手な場面まで作って快勝した。

驚異的なスタミナで動き続け、レスリング技術で自らに勝る相手をも波状攻撃で疲弊させ、最後には呑み込んでしまう。誰もが分かっているはずの戦い方を、まだ誰も攻略できていない。

誰よりもMMAレスリングを熟知するカビブ・ヌルマゴメドフの教えを受け、同日にメインで防衛戦を戦うライト級絶対王者イスラム・マカチェフらダゲスタンの超弩級レスラーたちと日々を過ごしているウマルは、王者のノンストップ・テイクダウン攻勢をどのような形で無効化するつもりなのか。

ウマルは前回のサンドハーゲン戦においてトラックポジションからバックに移行する等、コントロールの引き出しの多さを見せている。もし王者のテイクダウンを防ぐだけでなく、背中を制する、上を取ることができれば波状攻撃自体を止めることができる。が、それを序盤だけでなく中盤以降も続けることができるのか、それとも今までの対戦相手同様、後半には呑まれていってしまうのか。最高レベルのテイクダウン&スクランブルの攻防、その長期的展開がこの試合の最大の見どころとなる。

もう一つ着目したいのは、スタンドの攻防におけるウマルの蹴り技だ。弟のウスマンとともに幼少時からムエタイを習っていたとのことだが、むしろ空手を想起させるしなやかな二段蹴りや伸びのある前蹴りを使いこなす。もちろん、相手の片足を抱えて軸足を刈って倒すことを得意とする王者に対して、掴まれる可能性のある高い蹴りを放つことにリスクはある。

ところで前戦のオマリー戦においてデヴァリシビリが唯一ピンチに陥ったのは、5Rに前蹴りで腹を効かされた場面だった。挑戦者が王者のテイクダウンを封じ続け、やがてその波状攻撃の勢いが弱まった時、ウマルの蹴りが試合の行方を大きく左右するダメージを王者に与える可能性はありそうだ。

天下無敵のデヴァリシビリ・スタイルに、最高レベルの組技と打撃を併せ持つ、世界最強ヌルマゴメドフ一族のウマルがいかに立ち向かうか。限りなく高いMMAの頂点をめぐる戦いを、堪能したい。

■視聴方法(予定)
1月19日(日・日本時間)
午後8時00分~UFC FIGHT PASS
午前12時~PPV
午後7時 30分~U-NEXT

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45 MMA MMAPLANET o Special UFC アルジャメイン・ステーリング ウマル・ヌルマゴメドフ コナー・マクレガー コリー・サンドハーゲン シャーウス・オリヴィエラ ショーン・オマリー ジョゼ・アルド ダナ・ホワイト ネイト・ディアス ピョートル・ヤン ボクシング マラブ・デヴァリシビリ ライカ 大沢ケンジ 柏木信吾 水垣偉弥 良太郎

【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:9月 マラブ×オマリー「マラブは変な人。だからあれをやりきれる」

【写真】ファイトスタイルそのものは疲れるスタイル。それを5Rやりきってしまうのがマラブの強さだ(C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客が気になった試合をピックアップして語る当企画。背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。
Text by Takumi Nakamura

大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾、良太郎というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は水垣偉弥氏が選んだ2024年8月の一番──9月14日に行われたNOCHE UFC 306のマラブ・デヴァリシビリ×ショーン・オマリーについて語ろう。


――9月の一番はマラブ・デヴァリシビリ×ショーン・オマリーの一戦を選んでいただきました。この試合はマラブの強さが目立った試合だったと思います。

「色々と僕の中でも見どころがあった試合で、マラブのようなタックルマシーンに対して、オマリーのようなストライカーがどう戦うのか。そこは自分自身の現役時代からの永遠のテーマでもあり、この試合でもそこを主に見たい、もっと言うならオマリーがどういう戦い方をするのかを見たかったんですね。結果的にはオマリーがストライカー病というか、マラブのタックルを警戒して手が出ないという、よくあるパターンにハマっちゃったなっていう感じでしたね。と同時に、このテーマはまだまだ続くなと思ったのが正直な感想です」

――試合全体を通して見ると、1Rに2回組まれてテイクダウンを許してしまったことが、2R以降の試合展開に影響を与えたと思います。

「ずばりそれだと思いますね。1Rが始まってテイクダウンされるまでのオマリーは、割と前蹴りだったり攻撃が出ていたんですよね。逆にマラブはいつもよりちょっとな控えめで、タックルに行きにくそうに見えました。でもそこで1回マラブがテイクダウンを取ったことで、徐々にオマリーの手が出なくなってきて。オマリーからすると打撃を出すとマラブに触れる、警戒して打撃を出せないというパターンにハマっていった印象です」

――仮に組まれたとしてもマラブのクリンチをはがしたり、完全には寝かされない状況を作っていれば違ったと思うのですが、しっかり組まれてしまった印象があります。

「そうなんですよね。結構ちゃんと組まれてしまって、その後のラウンドもすぐに立ち上がることができない展開になってましたよね。それだけ1Rにテイクダウンされた時に、もうテイクダウンされたくないなというのがオマリーの中で出てきちゃったんだと思います。マラブは割とテイクダウンしても相手を立たせるタイプなんですけど、オマリーは一度組まれて尻餅をつかされると、そのまま動きが止まったり、下になる展開が長かったように見えました」

――もちろんオマリーもレスリング・組み技への対応はできる選手だと思いますが、マラブのような超トップ選手との対戦は少なかったと思います。

「まさにそれもあって、正直過去の対戦相手を見ると、あまりマラブのようなタイプとはやってないんですよね。アルジャメイン・ステーリングとやった試合が初めてレスリングが強力な相手とやった試合だと思うんですけど、アルジャメイン戦も2R開始直後にパコーン!と一発で倒しちゃったので、レスリングや組みの技術をちゃんと見ることが出来ないままだったんですよね。そういう部分で、マラブとやってどうなのかなと思っていたのですが、 やや安易にグラウンドで下になったり、ガードポジションを取ったりしていて。オマリーはグラウンドで下からガンガン戦えるタイプでもないと思うのですが、そこで立ちに行く感じでもなかったので、組まれる・テイクダウンされるとキツいというのが見えちゃいましたよね」

――どうしてもマラブクラスのレスリング力がある選手と対戦すると、その部分で差が出てしまいますよね。

「そこは相性の問題もあると思います。ストライカーとレスラーは、単純に言うとどうしてもストライカーは相性が悪くて、その相性の悪さがもろに出ちゃったのかなと。例えばジョゼ・アルドやピョートル・ヤンがマラブとやった時、アルドは下がりながらテイクダウンに対処する感じで、テイクダウンは許さなかったんですけど、その代わりにケージに押し込まれ続けたんですよね。で、ヤンはスイッチを使いながら対応しようとしたのですが、マラブにそこを上回られてしまうという試合でした。じゃあオマリーはどうなんだ?というところだったのですが、結果的にオマリーはアルドやヤンのところまではいかなかったなというのが正直なところですかね」

――見ている側からすると、テイクダウンをディフェンスできないなら、打撃を思い切り当てにいくという選択肢はなかったのかと思うのですが、そこはファイター側からするとどうなのでしょうか。

「あとは一発を当てに行きたいは行きたいんですけど、結局そこで組まれちゃうんで。一発を当てるタイミングを探っているうちに結局(試合が終わる)なんですよね。ようは一発を当てるための距離になる=組まれる距離なので、行ったら組まれるという感覚もあるんですよ、タックル系の選手に対しては。だから一発を当てるための行き方が難しいんですよね、単純に思いっきりいけないという」

――その一発を当てるためには組み立ても必要だし、そうしているうちに組まれるリスクが大きいということですね。

「一発にかけるということは、ある程度の強打を当てて、その一発でKOするなり、ダウンさせるなり、大ダメージを与えるのが欲しいじゃないですか。リスクを追う分の見返りが欲しいというか。それに見合う一発を当てる距離まで詰めるというと、またそこですごく難しくなってきますよね」

――あとマラブの方もテイクダウン以外でかなり細かいパンチのフェイントを入れたり、目線を散らしたり、体を上下させたり、常に動き続けていますよね。

「動きそのものが多いですよね。絶対打撃が届かない距離でもシャドーボクシングやスイッチしたり、地味な動きなんですけど、それをずっと繰り返している。ただタックルだけ狙っているより、こういう動きをやられると嫌ですよね」

――相手からすると、あれだけちょこちょこ動き続けられると、フェイントだと分かっていても引っかかってしまうものですか。

「あとはやっぱりああやって動いている中で、本物と偽物の(動きの)違い、本当に来る時と来ない時って、 何もしないでバッ!と来るより、色々と動いてる中でバッ!と来る方が、対応も遅れると思うんですよね。そういう部分はあると思います。だからあれだけ目の前で動き続けられていたら、やりにくいと思いますね」

――オマリーも5Rに三日月蹴りを効かせる場面がありました。メラブは試合後に「効いていない」と言っていましたが……。

「あれは効いていたと思います。分かりやすくお腹をさすってましたからね」

――右の三日月蹴りをもらったあとのシーンですが、あの前の左の三日月蹴りも効いていたと思います。

「あれも絶対効いてましたね。ボディが効いたかどうかは本人しか分からないし、効いていても『効いてない』って言い張ると思うんですけど、セラ・ロンゴ・ファイトチームで一緒に練習していた(井上)直樹くんの話だと、練習でもマラブは腹を効かされていたことが結構あると言っていたんで、マラブは腹が弱いんじゃないか説も出てますね。だから試合展開や相性もあるんですけど、あれがもっと早い段階で来ていたら、面白かったのかなという気もしますよね」

――それまでの打撃とは違い、明らかにオマリーのプレッシャーがかかっていた時間でした。

「そうですね。あれはオマリーが5Rに判定で勝つのがほぼダメだろうと思っていた中での開き直りがあったから、また前に出始めたんだと思います。もうテイクダウンされてたとしてもしょうがないって気持ちがあったからこそ、もう1回(打撃を)作り直したんじゃないかなと思います」

――5Rに弱みを見せたメラブですが、あのテイクダウンを軸にしたファイトスタイル&無尽蔵のスタミナは真似できないですよね。

「あのスタミナは異常ですね。ファイトスタイルそのものは疲れるスタイルだと思うんですよね。今回の試合はトップを取ってからキープする時間が長かったですが、他の試合では結構立たせるんです。で、また倒す。倒して、立たせて、倒して…を繰り返して倒してテイクダウンの数で印象つけるみたいな、めちゃめちゃしんどい戦い方をしているので、それが出来るスタミナは尋常じゃないですね。対戦相手=タックル受ける側としては、やっぱりしつこくタックルを切って切って、マラブが疲弊してきてタックルに入れなくさせるというのも1つの作戦としてあると思うんですよね。ただマラブは疲弊しないから、その希望がなくなってしまうという」

――あれだけスタミナがあるとテイクダウンの攻防でマラブを疲れさせるという作戦もチョイスできません。

「テイクダウンそのものもバーン!と入って綺麗に倒しちゃうじゃないですか。一回ケージに押し込んで、低い姿勢でケージレスリングを頑張って倒すという展開が少ない。テイクダウン能力の高さも、マラブがバテにくい要素だと思います」

――水垣選手はどういうタイプだったらマラブを攻略できると思いますか。

「攻略法がなかなかないですよね(苦笑)。それこそシャーウス・オリヴィエラみたいに打撃があって、グラウンドで下になっても戦えるとか。そういうファイターだったら可能性があるのかなっていう気はするんですけどね」

――マラブとレスリング勝負できるか、レスリングそのものを捨てて勝負するか。

「そうなんですよ。さっきも話したようにジョゼ・アルドはほとんどテイクダウンを許していないんですけど、テイクダウンディフェンスするためにずっと押し込まれたままで判定負けしているんです。テイクダウンされないことに集中すると打撃が出せないし、相手がバテない限りは押し込まれ続けるので、ポイントを取られちゃいますよね。だからメラブ攻略は本当に難しいです。

あと試合とは関係ないですけど、メラブってちょっとおかしいじゃないですか。試合が始まった瞬間、オマリーのセコンドと言い合ったり、試合中にオマリーにキスしてハーブ・ディーンにめちゃくちゃ怒られたり。あとは試合前にインスタグラムで氷が張ってる湖に飛び込んで、練習でカットしたところを縫ってる動画をアップしてダナ・ホワイトに『アイツはレベルが違うバカだ』ってキレられてましたよね。普通はあんなことしないですよ(笑)」

――大分変わっていると言えば変わっていますね…。

「基本的に変な人なんだと思います(笑)。でも、だからこそああいうファイトスタイルをやりきれちゃうというか。普通は5Rマッチでああいう試合はやろうと思わないし、それをやっちゃうというのは何かぶっ飛んでる新しいタイプですよね」

――敗れた方のオマリーについても一言いただけますか。

「あと僕の中でオマリーとコナー・マクレガーを重ねていて、マクレガーもここで負けるだろうと思われている試合で勝ち続けて、オマリーもそういうキャリアだったと思うんですよ。マクレガーはネイト・ディアスに負けてライト級に上げてタイトルを獲っていますけど、最後はハビブ・ヌルマゴメドフにやられて、それからスーパーファイトを中心にやっていくスーパースター路線に行ったじゃないですか。じゃあオマリーはここで負けて、これからどうなっていくのかなと。そこにも凄く注目しています」

――さてマラブの次の挑戦者にとしてウマル・ヌルマゴメドフが噂されています。

「そこは僕、すごく楽しみなんですよ。ウマルもレスリング力があるから、そこでも勝負もできるし、打撃という部分ではウマルの方が上だと思うんですよね。だから打撃+レスリング力でどこまでマラブに対抗できるのかっていうところですよね」

――前回水垣さんにウマル・ヌルマゴメドフ×コリー・サンドハーゲンを解説していただきましたが、マラブよりもウマルの方が技の引き出しは多い印象です。

「例えばウマルが一回・一発のテイクダウン勝負で負けたとしても、そこからのスクランブル勝負で後ろに回るとか、下からでも組み勝つみたいなものを見せてくれたら面白いなと思います。何度か言っているようにマラブが立たせるタイプなので、仮にマラブに3回テイクダウンされても立ち続けて、逆にウマルがテイクダウンもしくはスクランブルで上を取ってキープする。それをしつこくやれば、ウマルも強いと思います。あとはクリーンテイクダウンできなくても、スタンドバックの攻防に持っていければ、ウマルがマラブにヒザをつけさせて殴って、もう一回立って打撃をやるとか、そういうことが出来れば、ウマルにもチャンスが出てくると思いますね。この試合はぜひ実現させてほしいです!」

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45 AB Special UFC UFC ABC07 ウマル・ヌルマゴメドフ コリー・サンドハーゲン ブログ

【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:8月 ウマル×サンドハーゲン「ウマルが5R制で見せた変化と対応力」

【写真】この取材後にマラブ・デヴァリシビリがショーン・オマリーに勝利。マラブ×ウマルを俄然見たくなる内容になっています(C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客が気になった試合をピックアップして語る当企画。背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。
Text by Takumi Nakamura

大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾、良太郎というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は水垣偉弥氏が選んだ2024年8月の一番──8月3日に行われたUFC ABC07「Sandhagen vs Nurmagomedov」のウマル・ヌルマゴメドフ×コリー・サンドハーゲンについて語ろう。



――8月の一番では、 ウマル・ヌルマゴメドフ×コリー・サンドハーゲンを選んでもらいました。

「この試合は組まれた時点でめちゃくちゃ楽しみだったんですよ。僕のなかではタイトルマッチ級に楽しみで『マッチメーカー、いいとこついてくるな!』と言いたくなるぐらい(笑)、楽しみでそそられるカードでした。実際の試合内容もすごく良かったですし、予想通りの部分と予想外の部分があって、本当に見どころが多かったなと思いました」

――予想通りだったところと予想外だったところ、それぞれ教えていただけますか。

「まず予想通りだったのは、ウマルがテイクダウンで試合を作っていくというところで、予想外だったのはスクランブルの攻防でもウマルが負けていなかったところですね。どちらかというとウマルはしっかりトップを取って、ある程度ポジションを取っていくタイプだと思っていたので、スクランブルになったらサンドハーゲンがトップを取ったり、スタンドに戻したり、有利に試合を進めると思っていたんです。でも実際の試合ではスクランブルでもウマルがツイスターを狙うような動きを見せたり、予想外の動きや色んな引き出しを持っていることが分かりました」

――バックの取り方をとっても、いわゆるツイスター系、シングルバック系、クルスフィックス系と多彩でした。

「僕もダゲスタン系、要はハビブ(・ヌルマゴメドフ)なんですけど、ウマルもある程度ポジションを取るところまで持っていて、そこで抑える・殴るイメージだったんです。でもウマルはある程度スクランブルの攻防をやって、そこからバックを取りにいくスタイルで。決して殴りやすいポジションではないと思うんですけど、そこから次の展開を狙っていたのかなと思いました。その先の技術はこの試合では見れなかったのですが、その先の技術がありそうな予感もさせてくれましたし、ちょっとダゲスタン系のイメージとは違う、寝技やグラップリングをやるんだなというところが印象が深かったです」

――いい意味でレスリング色が薄いというか、グラップリングの要素が強いスタイルだと感じました。

「ウマルのを構えを見てみると、ハビブもそうなんですけど、アメリカのレスラーみたいに前傾気味に構えずに、どちらかいうと体が起きている・立っている構えなんですよ。あそこからタックルに入ってテイクダウンするのはすごいなと思いました。ハビブは一回組むと当たり前のように引っこ抜いちゃうんで、あまりそこに意識がいかなかったんですけど、今回のウマルを見ていると、あれだけ体が立った状態からタックルに入ってテイクダウンするのは驚きでしたね」

――いわゆるレスリングスタイルとは違いますよね。

「そうなんですよ。ウマルの場合は蹴りも使うし、よりアップライト気味の構えですが、しっかりタックルを取っている。ハビブはあまり蹴りのイメージはなくて、パンチを散らしてから(タックルに)入っていますが、やっぱり体が起きているんですよね。あの構えからタックルでテイクダウンを取るすごさを改めて感じたところではありますね」

――水垣さんから見て、あの構えでテイクダウンを取れるのはなぜだと思いますか。

「普通はあれだけ体が起きていると、タックルに入るのが難しいと思うんですよね。どうしても足を取りに行くまでの距離が遠くなるので。ウマルはそこを打撃で崩す・散らしているのがいいと思うんですけど……正直僕もなんであの構えでタックルが取れるのかは分かりません(笑)! ハビブの場合はケージを使って(タックルに入る)というのがあったんですけど、 今回に関しては割とさくっと足を触ってるんですよね」

――確かに。だからどこか触れることができたらテイクダウンできるという自信があるのかもしれないですね。

「その流れの話の続きになるんですけど、 試合序盤、ウマルはあまり上手くテイクダウン出来ていないんですよ。だから1Rは打撃でサンドハーゲンについてもおかしくない展開だったと思います。スコアカードを見ると割とウマルにつけているジャッジもいるんですけど」

――水垣さんとしては1Rのポイントはどう見ましたか。

「僕的にはダメージの部分でサンドハーゲンだなと思いました。で、ウマルがテイクダウンに苦戦するとなると、あのままズルズルとサンドハーゲンのペースになっていくと思ったんです。でもウマルは綺麗にテイクダウンを取り切れないなかでも、少しずつテイクダウンの入り方・種類を変えているんですよね」

――ウマルはどうテイクダウンのやり方を変えていったのですか。

「最初は(サンドハーゲンの)背中をつけることを狙っていて、そこから尻餅をつかせてバックというパターンだったんです。でも3R以降はサンドハーゲンにタックルをスプロールさせた状態でバックを狙ってスタンドバックに回るという動きに変えていたんですよね。あれが上手くいきましたよね。ああいうテイクダウンの取り方のバリエーションの多さ、試合中に相手に合わせてアジャストしていく器用さは見ていて面白かったです」

――この試合はライブで見ることが出来なくて、取材前にチェックしたのですが、1Rを見た時によくこの展開からウマルが勝ったなと思いました。

「足も効かされているし、結構これはやばいなと思いますよね」

――1Rにバックやテイクダウンを取った面など、かなり強引な入り方に見えたので、2R以降は失速するだろうな、と。

「打撃で削られてズルズルいっちゃう…みたいな感じですよね? でも最終的にはウマルペースで終わるという。僕の予想ではウマルが勝つとしたら、しっかり上を取って殴る。それを続けてバックまでいければいいかなという攻め方をすると思ったんです。でもそれが出たのが5Rの最後の最後だったんですよね」

――もしそういう展開になるなら、前半にウマルがクリーンテイクダウンやトップキープに成功して、後半はそれが出来ずに逃げ切るという展開を予想していたので、完全に真逆の試合展開でした。

「序盤は打撃で劣勢だったのに、試合が進むに連れてウマルペースになっていって、3R以降は打撃もウマルの方が当てるようになっていましたからね」

――組みの選手が崩れてかねない展開のなか、自分のペースに持っていくのは普通じゃないですよね。

「はい。事前の予想にはなかった動き、スクランブルの攻防を見せたり、タックルの種類を変えたり。試合中にそれを変えられる器用さを見ることが出来て、対戦相手からするとかなり厄介だと思います」

――一本勝ちじゃなかったからこそ、ウマルの強さが見えた試合でしたか。

「まさにウマルのMMAの奥深さですよね。最後はサンドハーゲンの方が消耗していたように見えたし、最後はややサンドハーゲンの心が折れたというか。5Rのテイクダウンの攻防で背中をついてしまって、あそこで勝負がありだったかなと思います」

――9.14NOCHE UFC 306ではショーン・オマリーとマラブ・デヴァリシビリのタイトルマッチが組まれていて。おそらくウマルは次期挑戦者になると思われます(取材は9月9日に行われた)

「5Rマッチをやったというのは、タイトル挑戦が近い証拠ですよね。マラブとオマリーがどういう結果と内容になるかによりますけど……もしオマリーがマラブにテイクダウンを許さずに打撃で勝っちゃったら、ウマルはオマリーをどう攻略するんだろう?と思いますし、逆にマラブがオマリーに勝ってウマルとやることになったら、僕好みの試合になると思いますね(笑)」

――ぜひどちらとも戦ってもらいたいと思うところですが(笑)、改めて今回の試合は5Rの面白さ、5Rで勝つために必要なものが見えた試合でもあったと思います。

「そうですね。たらればになってしまいますが、もし3Rだったらサンドハーゲンが勝つ可能性もなくはないんですよね。ジャッジ1名は50-45で全ラウンドをウマルにつけていましたけど、残り2名のジャッジは1・2Rでポイントが割れているので、そう考えるとジャッジによってはサンドヘイゲンが1・2Rを取っていた可能性もあったわけで。だからこの試合は5Rマッチの面白さ、5Rマッチでのウマルの強さが出た試合だったと思います」

――3Rだったら勢いで誤魔化せるものが、5Rでは誤魔化せない。技術がめくれていくというか、そういう印象があります。

「だからタイトル挑戦に近い選手が5Rでやるというのは本当に意味があることだと思います。3Rだったら持っている武器の数が限られていても、その武器をバーン!とぶつける勝負に持ち込めば十分に勝機があるとと思うんです。でも5Rになるとそういう訳にはいかない。こんな武器も持っている、あんな武器も持っているというのが求められるし、駆け引きの上手さも必要ですよね。僕も5Rの試合をやったことがありますけど、めちゃくちゃキツイですからね」

――それがチャンピオンやタイトルマッチには求められるということですね。

「3Rから5Rに変わると、短距離走が短距離走じゃなくなっちゃう感じですよね。3Rだったら全力ダッシュして1・2Rを取っちゃえば、3Rはフィニッシュされなければ勝ちに持っていけますが、5Rだと3・4・5Rで挽回されると逆転負けになっちゃいますからね。あとは5Rフルで行き続けるのは難しいので、どこで休むか。それこそハビブは1~3Rを取ったら少し休むとか、そういう試合の作り方をしていたので、5Rは5Rにしかない面白さがあるので、ぜひそういう部分にも注目してもらいたいです」

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45 AB MMA MMAPLANET o Report UFC UFC ABC07 ウマル・ヌルマゴメドフ コリー・サンドハーゲン ブログ

【UFC ABC07】蹴り足キャッチ、ダブル、シングル~バック奪取のウマル・ヌルマゴがサンドハーゲンに快勝

<バンタム級/5分5R>
ウマル・ヌルマゴメドフ(ロシア)
Def.3-0:50-45.49-46.49-46
コリー・サンドハーゲン(米国)

左右に回るウマルを追うサンドハーゲンが、ローを蹴る。左ローを返したウマルはシングルレッグ、ハイクロッチから一気にバックに回る。足のフックは諦めたウマル、すぐにサンドハーゲンが胸を合わせて離れる。左ストレートを入れたウマルだが、直後にサンドハーゲンが右カーフを蹴り、右ストレートから左ローを続ける。ウマルは蹴りからシングルレッグに出るが、サンドハーゲンがしっかりと対応する。

スイッチして左前蹴りのサンドハーゲンが、構えを変えて足への蹴りを続ける、右を伸ばした際にバランスを崩したウマルは、ジャブを当てて前足を蹴られる。互いに右を軽く当て、サンドハーゲンがカーフからジャブを入れる。スイッチして右ミドルを蹴ったサンドハーゲンは、残り20秒でダブルレッグでテイクダウンを奪われスクランブルでバックを許す。前転についていったウマルは、ツイスターを狙う素振りを見せたが時間に。

2R、ウマルが左ミドル、カーフのサンドハーゲンがシングルレッグを仕掛ける。頭を押しい、ヒザをつけたサンドハーゲンのワキを潜ってオマルがバックに回る。サンドハーゲンは胸を合わせて離れると、左ジャブをヒット。左リードフックも当てたサンドハーゲンは、オーソで構えた時に左がよく当てるようになる。テイクダウンに帰結するパンチを伸ばすウマルは右ミドルを捌いて、左ローを蹴る。

サンドハーゲンが踏込み、頭が下がるとすかさず左ハイを狙ったウマル。ダブルジャブのサンドハーゲンは右の蹴りを掴まれ、またもバックを取られる。トラックポジションからRNCを狙ったウマルは右手をも制しているが、ここはリリースし真後ろを取りに行く。腹ばいになりながら立ち上がったサンドハーゲン、ウマルは大外刈りに加えて手で足を取りに行ってテイクダウンへ。両者がすぐに立ち上がり、2Rが終わった。

3R、構えをかえてジグザクのステップも駆使するサンドハーゲンは、左ミドルから右カーフを蹴る。サンドハーゲンは左で腹、右で左足を蹴っていく。ウマルも左ローを返し、組めるタイミングを測っているか。互いに動きは途切れないが、手数が減るなか──ウマルが蹴り足を掴んでバックに。サンドハーゲンはここもすぐに胸を合わせて離れる。サンドハーゲンの左ハイをスウェイでかわしたウマルは、前足でハイを蹴る。サンドハーゲンは飛びヒザも距離が合わず、ウマルは残り20秒になるとまたも蹴り足をキャッチしてバックに。サンドハーゲンの前転にも後ろについたままラウンド終了を迎えた。

4R、サンドハーゲンが前に出ると、ウマルが軽くハイキックを入れる。下がらないサンドハーゲンは、これまでもより近い距離で打撃を出そうとしているか。足を使って圧から逃れようとするウマルに対し、サンドハーゲンが前に出続ける。ウマルも左を伸ばすが、パンチはさほど重くない。それでもワンツーをウマルが伸ばすが、サンドハーゲンはさらに圧を掛けて前に出る。カウンターを受けても、オーバーハンドが顔面をかすめてもサンドハーゲンは前に出る。そして左フック、右アッパーを打って行くと、ウマルもショートのコンビを打ち返す。

続くワンツーからスリーをガードしたサンドハーゲンが右カーフ。この回も残り30秒になると、ダブルレッグからウマルがバックに回る。この試合で2度、3度と見せた前転も、サンドハーゲンは背中を取られたままで4Rを戦い終えた。

5R、打撃の鍔迫り合いがここまでの20分と同じように続き、サンドハーゲンがシングルレッグを仕掛けて切られる。ボディを殴り合い、サンドハーゲンが再びシングルレッグへ、切られた直後に、同じ踏込みでワンツーを狙ったサンドハーゲンだが、クリーンヒットはしない。残り2分半、ウマルはシングルからバックに回り、寝技に持ち込むとサンドハーゲンがクローズドガードを取る。スクランブルでバックに回ったウマルはサンドハーゲンの前転も、これまでと同様に対処しトップを取り切る。ガードの中で最後の10秒を過ごし、試合終了のホーンがなる直前にラッシュを掛けようとしたウマルが、3-0でサンドハーゲンを破りデビュー以来の連勝を17に伸ばした。

「全てのラウンドでテイクダウンを狙っていたけど、ディフェンスが上手かった。自分の力を信じて戦った。次? タイトルショットだ。誰が相手でも構わない。戦いたいのはタイトルショットだ」とウマル・ヌルマゴメドフは話した。


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45 AB BELLATOR o UFC ウマル・ヌルマゴメドフ キック ピョートル・ヤン ロブ・フォント

UFC on ABC7:メインイベント・コーリー・サンドヘイゲン vs. ウマル・ヌルマゴメドフ

バンタム級

サンドヘイゲンは2021年10月にピョートル・ヤンとの暫定王座決定戦で判定負けしてから3連勝中。1年前にヌルマゴ戦が組まれていたが、ヌルマゴが肩の負傷のために欠場し、サンドヘイゲンは代役のロブ・フォントと対戦。タックルからのテイクダウンという、元キック王者と思えない攻めで判定50-45×3で完勝。しかし試合中に筋断裂したため、その後欠場し、ほぼ1年ぶりの試合となる。32歳。

ウマルはハビブのいとこで、Bellatorライト級王者ウスマンの2歳上の兄。29戦全勝で引退したハビブ、18戦無敗(17勝0敗1NC)の弟と同じく、キャリア17戦全勝。組みの強さだけでなく打撃も強い。初の上位ランカーとの対戦となるサンドヘイゲン戦を欠場した後、今年3月の復帰戦では、他のランカーとの試合が避けられているのか、UFC初参戦のカザフスタン人ベクザト・アルマカーンとの対戦となり、テイクダウンからドミネイトしての完勝。キャリア17戦全勝で、今回が初メインとなる28歳。

ウマルシングルレッグ。倒すとバックに回った。そのまま背中に乗るが、足のフックを解除したサンドヘイゲン。離れる。打撃でプレッシャーをかけるサンドヘイゲン。カーフキック。またシングルレッグに入るウマル。片足でこらえるサンドヘイゲン。振って倒そうとするウマルだが切ったサンドヘイゲン。打撃でプレスするサンドヘイゲン。ミドルを蹴る。ジャブ。カーフキック。ケージを背負うウマル。またカーフ。ミドル。スイッチキック。ウマル今度はダブルレッグでテイクダウン。サンドヘイゲンスクランブルで逃れようとしたが、ついていくウマル。しかし上半身を起こして鉄槌を入れたサンドヘイゲン。ホーン。

1Rはサンドヘイゲン。

2R。ウマルシングルレッグ。ヒザをついてこらえるサンドヘイゲンだが、ウマルドライブしてバックに回った。スタンドバックから片足をフックするが、サンドヘイゲン解除して正対し離れる。パンチで出るサンドヘイゲン。前蹴り。カーフキック。蹴られた足を引いてスイッチしたウマル。ミドルを蹴るサンドヘイゲン。打撃で出るサンドヘイゲン。右ハイ。インロー。ジャブを返すウマルだがそこにまたカーフキック。サンドヘイゲンのローをキャッチしたウマルがバックに回ると後方に引き込んだ。チョークを狙うが足のフックを解除して立ったサンドヘイゲン。スタンドバックから正対。ウマルすぐに大外刈りで倒したが離れたところで立ったサンドヘイゲン。ホーン。

2Rサンドヘイゲン。ウマルちょっと手詰まりになってきた。

3R。ジャブで出るサンドヘイゲン。ウマルがミドルを入れるとサンドヘイゲンも返す。蹴り合い。ウマルのハイの打ち終わりにカーフキックを入れるサンドヘイゲン。蹴られた足をつかもうとするウマル。サンドヘイゲンのローに合わせて組み付いてドライブしてバックに回ったウマル。しかしスタンドバックでクラッチを切り離れた。左ボディを入れたウマル。逆にウマルがスタンドで詰める。サンドヘイゲンの蹴りに合わせてまたバックに回った。前転するサンドヘイゲンのバックに。ホーンj。

3Rは打撃のヒットの差でウマルか。

4R。詰めるサンドヘイゲンだが、ウマルが下がりながらパンチを入れていく。ジャブの刺し合い。サンドヘイゲンのジャブにワンツーを返す。手数を増やしてきたウマル。距離がつまりパンチの撃ち合いになるが、最後にパンチを打ち込んだのはウマル。サンドヘイゲンの前蹴りは空振り。残り40秒でウマルこのラウンド初めてのタックル。バックに回った。ローリングするサンドヘイゲンについていくウマル。上になるとがぶった。ホーン。

4Rもウマルか。

5R。ライブオッズは大差でウマルに。カーフを蹴るサンドヘイゲン。サンドヘイゲンが意表をつくタックルを見せた。ウマルワンツー。サンドヘイゲンまたシングルレッグ。切られる。そこまでテイクダウンに固執していないか。パンチの3連打を入れたウマル。サンドヘイゲンの蹴りに合わせてまた組み付いたウマル。上になったウマル。サンドヘイゲン三角を狙ったが、ガードの中に入ったウマル。サンドヘイゲン、初めてマットに背中を付けた。下からヒジを入れるサンドヘイゲン。ウマルバックに回る。ローリングして上を取ろうとするサンドヘイゲンだが、どんな体制になっても上を取るのはウマル。残り1分。ハーフで押さえ込んだウマル。ヒジ・パウンド。サンドヘイゲンガードに戻すが、密着されて下から仕掛けられない。タイムアップ。

50-45、49-46×2の3-0でウマル・ヌルマゴメドフがランキング2位サンドヘイゲンを下す。

序盤はサンドヘイゲンがタックルを切って打撃で優勢だったが、途中からサンドヘイゲンの土俵の打撃でも上回るようになり、組みでもサンドヘイゲンが次第に逃れられなくなってじわじわとウマル優勢に。5Rはついにテイクダウンから固めての勝利。

試合後のインタビューでは9月のノーチェUFCでのオマリー vs. ドバリシビリの勝者への挑戦をアピール。

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【UFC ABC07】トニー・ファーガソンが対戦、マイケル・キエーザ「僕は日本で戦わなければならない」

【写真】さすがはカラーコメンテーター。非常に整理整頓された言葉が続いた(C)MMAPLANET

3日(土・現地時間)、UAEはアブダビのエティハド・アリーナでUFC ABC07「Sandhagen vs Nurmagomedov」が開催され、マイケル・キエーアがトニー・ファーガソンと対戦する。
Text by Manabu Takashima

今やファイターだけでなく、UFC中継の解説者としても活躍中のキエーサに解説業とファイター人生を尋ねた。「自由になれれば強くなれる」という彼の言葉はオクタゴンの内外で当てはまる。非常に穏やかでキエーザだが、日本のファンへの一言という紋切り型の締めに対し、それまで以上に声が籠るという一面が見られた。


――トニー・ファーガソン戦が今週末に行われます(※取材は7月30日に行われた)。今の気持ちを教えてください。

(C)Zuffa/UFC

「凄く良いよ。

2016年にトニー・ファーガソンと試合が組まれたけど実現しなかった。僕はウェルター級に階級を上げたし、もう戦うことはないかと思っていたんだ。たけど、トニーがウェルター級に転向して僕を指名した。あの時は凄く興奮したよ。トニーは素晴しいファイターで、将来は殿堂入りするだろう。そんな彼と彼と戦うことができて本当に嬉しい」

──マイケルは3連敗、トニーは7連敗中です。この状況は勝利を目指すためにモチベーションになるのか、それともプレッシャーになるのでしょうか。

「3連敗もしていたら、本来はプレッシャーを感じるものだろうね。でも、今の僕は人生で一番大切なモノは何かが分かったから、プレッシャーを感じていないんだ。家族、友人たちとの関係は勝ち負けに左右されるものじゃない。勝とうが負けようが、彼らは僕を愛してくれている。

以前は試合に負けてファンがSNSに書き込む悪口や無神経な言葉に影響を受けることがあった。でも年を重ねて、人として成熟するとSNSの声なんて、何も重要でないと思えるようになった。僕には愛する人達、僕を愛してくれる人たちが近くにいてくれる。そんな愛すべき人々の存在が、僕からプレッシャーを取り除いてくれた。

何も縛られることなく戦うよ。そのために練習でベストを尽くしてきた。トニーが今、どのような心境で戦うのかは知る由もないけど、今の僕はそんな感じなんだ」

──自分の大切な人が理解してくれていると、顔も名前もしらない人間の書き込みなんてどうでもよくなりますよね。

「正直、今朝も色々と言われているよ。トニーは、多くのサポーターがいるからね。トニーを崇拝している分、僕に口撃をしてくるんだ(笑)。でも、僕がやるべきことはオクタゴンに上がって、勝利を得るために戦うだけだから。

家族を信じて生きるって、実は生き方を楽にしてくれるんだ。だって、それ以上に大切なモノは存在しないんだから。26歳の頃は、勝敗を生死のように捉えていた。でも、そんな風に考えることがなくなって、ファイターとしても成長していると感じている。自由でいることは競技者を強くする。今、僕は3連敗中だけど、人生においてその差は収入の差でしかない。勝てば、もっと収入が増えていたんだけどね(笑)」

──ハハハハ。そんなマイケルですが、もう6年ほど現役ファイターでありながら、UFC中継で解説者としても活躍しています。解説という仕事をすることが、MMAファイターとして役に立つことはありますか。

「もちろん、あるよ。絶対的にね。中継で解説をすることで、ファイトをするだけの自分とは違うビジョンが見えてくるようになった。ファイターの多くは自分の試合と対戦相手の試合しか、真剣にチェックしないものだ。

でも、少しでも良い解説者になろうとすればあらゆる選手のことを知らないといけない。そのためにチェックする試合の数が劇的に変わった。その結果、MMAについて理解が深まったよ。MMAは99パーセントの精神力と1パーセントの体力で戦うスポーツだ。解説の仕事をして、精神的に良い影響が出るようになった。ほとんどのファイターが、僕のような環境下で過ごしていないからね」

──TV解説は一般層にMMAを理解してもらうのに、とても大切な役割を担っていると思います。ただ殴り合いが見たいという視聴者に、MMAが何たるかを伝えることができる。そんな解説という仕事で、マイケルはどのようにMMAをジェネラル層に届かせ、より理解を深めてもらえるよう話していますか。

「まずファイトのストーリー性を伝え、興味を持たれるように心掛けている。DJは話しが面白いけど、知性を持ち合わせた解説をしている。ドミニク(クルーズ)は、技術の説明が秀でている。カラー・コメンテーターにも、それぞれ特徴がある。UFCの解説者に同じような人間はいない。ローラ(サンコ)は凄くエネルギッシュだけよね。マイケル・ビスピンはリズムよく、視ているファンの気持ちを上げている。そして、分かりやすい話し方だ。

そんななかで系統としては、僕はドミニクのような解説者になりたいと思っている。ドミニクって言葉をただ発するだけでなく、理に適う知識を持って言葉にできるんだ。試合を視ながら、そこで必要な知識をさりげなく話している。結果、ファンのMMAへの理解力が深まっている。そんなドミニク・クルーズの良さを受け継ぐような解説者になりたい」

──解説者は視聴者のことを100パーセント考える仕事で、ファイターは自分が勝つために我儘を通さないといけない。まるで別モノですね。

「どちらもスイッチを入れることが大切だよ。自由になれると、戦いやすくなる。そこが土曜日の試合でも大切になってくるだろう。自分にプレッシャーを与えることなく、戦いたい。そうやって戦うと、新しい自分になっている。きっと土曜日の試合で、ファンの皆が見たことがない戦いができるだろう。その機会を得られたのだから、存分に楽しみたいと思っている」

──マイケル、今日はありがとうございました。最後に日本のファンに一言お願いします。

「このスポーツから足を洗う前に、僕は日本で戦わなければならない。以前、UFC日本大会を訪れた時に、『こんなファンの前で戦いたい』と心底思った。僕はPRIDEを見て育ったし、今でもRIZINをチェックしている。日本のファンこそ、世界でベストのファンだ。日本の人達はマーシャルアーツへの造詣が深い。『いつかの日か、さいたまスーパーアリーナで戦いたい』と神に祈っているよ」

──嬉しい限りの言葉です。

「それに日本でUFCが行われる日は、近づいている。タツロー・タイラはフライ級のトップランカーに成長し、カイ・アサクラがUFCにやってくる。僕はウェルター級だから、手の合う日本のスーパースターはいないかもしれないけど、対戦相手は見つかるはずだ。UFCが日本に戻った時、絶対にその場に一緒にいたい」

■視聴方法(予定)
8月4日(日・日本時間)
午前1時00分~UFC FIGHT PASS
午前0時45分~U-NEXT

■ UFC ABC07対戦カード

<バンタム級/5分5R>
コリー・サンドハーゲン(米国)
ウマル・ヌルマゴメドフ(ロシア)

<ミドル級/5分3R>
シャラブジン・マゴメドフ(ロシア)
ミハウ・オレキシェイジュク(ポーランド)

<バンタム級/5分3R>
マルロン・ヴェラ(エクアドル)
デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
トニー・ファーガソン(米国)
マイケル・キエーザ(米国)

<女子ストロー級/5分3R
マッケンジー・ダーン(ブラジル)
ルピタ・ゴディネス(メキシコ)

<ライト級/5分3R>
ヨエル・アルバレス(スペイン)
エルビス・ブレネウ(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
アロンゾ・メニフィールド(米国)
アザマット・ムルザハノフ(ロシア)

<ライト級/5分3R>
モハメド・ヤヒア(UAE)
カウエ・フェルナンジス(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
シャミル・ガジエフ(バーレーン)
ドンテイル・メイス(米国)

<ライト級/5分3R>
グラム・クタテラデス(ジョージア)
ジョーダン・ブシニック(英国)

<女子ストロー級/5分3R>
ヴィクトリア・ダダコワ(ロシア)
サム・ヒューズ(米国)

<ライト級/5分3R>
ジェイ・ハーバート(英国)
ロランド・ベドヤ(ペルー)

<ミドル級/5分3R>
セドリクス・デュマ(米国)
デニス・チュルリン(ロシア)

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45 MMA MMAPLANET o UFN UFN238 ウマル・ヌルマゴメドフ ベクザット・アルマカーン

【UFN238】アルマカーンの右でダウンを喫したウマル・ヌルマゴが、TDを決め続け殴って大差の判定勝ち

<バンタム級/5分3R>
ウマル・ヌルマゴメドフ(ロシア)
Def.3-0:30-25.30-26.30-26
ベクザット・アルマカーン(カザフスタン)

サウスポーのウマルに対し、アルマカーンが右ハイを蹴る。ブロックされると、次はミドルを狙ったアルマカーンが右オーバーハンドでダウンを奪う。起き上がりつつシングルレッグでトップを取ったウマルは、ギロチンを防いでサイドで抑える。袈裟の要領で抑えてヒジを落としたウマルが、バックに回る。アルマカーンは後方から殴られ、必死に尻をずらそうとするがウマルはボディトライアングルに取り、右パンチと右鉄槌を両サイドから打ち込む。

残り1分30秒を切り手首を掴んで耐えるアルマカーンに対して、ウマルは胸を合わせてトップを選択。アルマカーンはクローズドガードに取るが、左エルボーを落とされる。パンチからエルボーで攻めたウマルが逆転で初回を取った。

2R、間合いの測り合いが続き、ウマルがオーソに構えて前蹴りを見せる。左を伸ばして前に出たアルマカーン。ウマルの左ハイは空を切ったが、直後に右を当ててからハイクロッチでクリーンテイクダウンを奪う。ハーフで上を取ったウマルがボディロックからパス。。アルマカーンはブリッジで上を取り、スクランブルから立ち上がろうとしたウマルの顔面に蹴りを狙う。

ウマルはハイクロッチでテイクダウンを決めると、マウントを奪取。左右のパンチを速射砲のように落とすが、アルマカーンも左腕を差して一瞬にして立ち上がる。ウマルはここもハイクロッチ、そしてバックに回ると寝技に持ち込んで再びマウントに。低い位置のマウントから連打を打ち込むウマルは、アルマカーンにスクランブルを許さず、バックを制して後方からパンチを入れる。アルマカーンも粘って正対しにいったが、一方的に攻められた5分となった。

最終回、序盤は互いに様子見のなかでアルマカーンが右を強振する。左フックにシングルレッグを合わせてテイクダウンを決めたウマルは左足を抜いて、左ヒジを落とす。頭を胸につけた状態で鋭いヒジ、拳を落とすウマルはアルマカーンにエビをさせず、背中に回ると両足をフック。背中を伸ばされてもアルマカーンは粘り、片ヒザ立ちで我慢し続ける。最終的にアルマカーンは引き込むように背中をつけ、マウントを取ったウマルがパンチの連打で試合を締めた。

大差の判定勝ちを手にしたウマルは「(ダウンを喫した)右は見えなかった。でも、目を覚ましてテイクダウンを決めたんだ。でも結果はこうだ。殺すまではいかないけど、相当に痛めつけた。テイクダウンを簡単にとることができたからね。コーリー・サンドヘーゲンと戦いたい」と話した。


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【UFN238】計量終了 モカエフがついにタイトル挑戦経験者と。吉野に勝ったオリヴェイラ×ソパイも注目

【写真】歴史の浅い――しかも仕切り直しがあった階級だからこそ、これから動きも大きくなるはずだ(C)MMAPLANET

2日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN238: UFN on ESPN+96「Rozenstruik vs Gaziev」の計量が行なわれ、全選手が滞りなくクリアしている。
Text by Manabu Takashima

メインはヘビー級のジャイルジーニョ・ホーゼンストライク×シャミル・ガジエフという今大会だが、日本のファンからすると気になるのは軽量級、やはりフライ級とバンタム級の戦いだろう。


フライ級では平良達郎がコールアウトしたムハマド・モカエフが、ついにタイトル挑戦経験のあるファイター=アレックス・ペレスと対戦する。2020年11月にデイヴィソン・フィゲイレドの持つ世界フライ級王座に挑戦して敗れたぺレスは、その後の3年4カ月で流れた試合数は「9」、実際にオクタゴンに足を踏み入れたのはたったの1度でアレッシャンドリ・パントージャに91秒でRNCで一本負けを喫している。

いえばこの40カ月でペレスは、僅か3分28秒しか戦っていない。対するモカエフは、この間にNCを含めると9試合を経験してきた。ペレスにケージロスがあるかどうは分からないが、勢いがあるのはモカエフであることは間違いない。ペレスがタイトル戦線に再浮上するためには、キャリア10連勝の新鋭に初黒星を与えることが必須だ。

そんなペレスとの対戦が4度に渡り流れたマット・シュネルと戦うスティーブ・アーセグは、Eternal MMAフライ級王者から昨年6月にスクランブル出場でオクタゴン初陣を戦った。そしてダヴィッド・ドヴォルザークを下し、2戦目でシュネルと戦うことが決まっていたが、シュネルの欠場で試合が不成立に。結果、代役アレッサンドロ・コスタに判定勝ちを収めている。

仮にアーセグがシュネルを下して3連勝とすれば、今後数カ月で平良の対戦相手になることは十分にあるだろう。

平良、そして鶴屋怜目線で眺めるフライ級に対し、中村倫也&風間敏臣視線で俯瞰すべきなのがバンタム級戦線だ。メインカードではウマル・ヌルマゴメドフとベクザット・アルマカーンという16勝0敗×16勝1敗という凄まじい戦績の持ち主同士がぶつかる。とはいえ、アルマカーンは今回がUFC初陣ということもあり、フライ級の同胞アザット・マクスンの例を見るまでもなく16勝1敗という数字は参考記録に留めるべきだろう。

UFCデビュー戦といえば、ヴィニシウス・オリヴェイラと対戦するスウェーデンのベルナルド・ソパイは、今大会に初めて世界最高峰の舞台に上がる。ライオンキングの異名を持つ、アルバニア系スウェーデン人選手はコロナ禍の2020年8月にスロックホルムで無観客ウィークリショーを開いたBRAVE CFに出場し、一躍注目を集めるようになった。

その流れでバーレーンで戦ったことがあるソパイだが、ほぼスウェーデン国内で経験を積み、UFCにたどり着いたレア・ファイターだ。キックボクシングを思わせる近い距離で、右オーバーハンドの強さが目立ったソパイだが、執拗なテイクダウン狙いには手を焼く――BRAVE CF時代はそんなヤングブラッドだった。

あれからほぼ3年が過ぎ、UAEWで吉野光をKOしているオリヴェイラの打撃に対し、どのような幅のある戦いを見せることができるのか。粗いが当たれば倒す、そしてなぜか当たるオリヴェイラのパンチ。その分KOパンチを被弾することも少なくないオリヴェイラとの距離、振りの大きさの対比が楽しみな一戦となる。

オリヴェイラ×ソパイ戦の前に組まれた試合順に、不満を抱いていて然りなのがジャビッド・バシャラットだろう。キャリア14勝0敗1NC、前戦ビクター・ヘンリー戦こそローが急所に入りNCとなったが、オクタゴン3連勝でランカーとの対戦を強く要望してきた。

そのなかでUFCで4勝2敗のザハビとのマッチアップ、グラップリングに特化した相手をジャブと蹴りで突き放し、完全ドミネイトもしくはポイントアウトの遂行していくに違いない。だからこそ、注目すべきはザハビの戦い方だ。実兄である名将フィラスが控えるザハビは、前述したようにグラップリングに特化したという印象を利して、予測不能な打撃を有効な武器としつつある。

バシャラットが持ち味である徹底して落ち着き払ったファイトで、やるべきことを選択すればザハビに勝ち目はない。しかし、少しでも奢りを見せ、ザハビを軽視するような心の隙があれば……そこが命取りになるやもしれない。

■視聴方法(予定)
3月3日(日・日本時間)
午前3時30分~UFC FIGHT PASS
午前2時45分~U-NEXT

■UFN238計量結果

<ヘビー級/5分5R>
ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク: 257ポンド(116.57キロ)
シャミル・ガジエフ: 261ポンド(118.38キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ヴィトー・ペトリーノ: 205.5ポンド(93.21キロ)
タイソン・ペドロ: 205.5ポンド(93.21キロ)

<フライ級/5分3R>
アレックス・ペレス: 126ポンド(57.15キロ)
ムハマド・モカエフ: 126ポンド(57.15キロ)

<バンタム級/5分3R>
ウマル・ヌルマゴメドフ: 136ポンド(61.69キロ)
ベクザット・アルマカーン: 136ポンド(61.69キロ)

<フライ級/5分3R>
マット・シュネル: 126ポンド(57.15キロ)
スティーブ・アーセグ: 126ポンド(57.15キロ)

<ミドル級/5分3R>
エリク・アンダース: 185.5ポンド: 186ポンド(84.37キロ)
ジェイミー・ピケット(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
ヴィニシウス・オリヴェイラ: 135.5ポンド(61.46キロ)
ベルナルド・ソパイ: 135.5ポンド(61.46キロ)

<バンタム級/5分3R>
ジャビッド・バシャラット: 136ポンド(61.69キロ)
エイマン・ザハビ: 135.5ポンド(61.46キロ)

<ミドル級/5分3R>
クリスチャン・レロイ・ダンカン: 186ポンド(84.37キロ)
クラウジオ・ヒベイロ: 185.5ポンド(84.14キロ)

<ライト級/5分3R>
ルドヴィット・クライン: 156ポンド(70.76キロ)
AJ・カニンガム: 155.5ポンド(70.53キロ)

<ライト級/5分3R>
ロイック・ラジャポフ: 155.5ポンド(70.53キロ)
アブドゥルカリーム・アルセルワディ: 156ポンド(70.76キロ)

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