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【Road to UFC2024Ep05&Ep06】準決勝でシェ・ビンと対戦、河名マスト「これまでの29年間を出せるか」

【写真】タフな展開に競り勝つ。そんな強さを見せて勝ち星を重ねている河名だ(C)TAKUMI NAKAMURA

23日(金・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでRoad to UFC2024 Ep05 & Ep06=Road to UFC Season03 Semi Finalsが開催され、フェザー級準決勝で河名マストがシェ・ビンと対戦する。
text by Takumi Nakamura

グラジエイターでの王座戴冠を経て、Road to UFC(RTU)出場のチャンスを得た河名。5月の一回戦=AFC王者ソン・ヨンジェとの対戦では、ヨンジェの打撃を浴びる場面があったものの、渾身のバックコントロールで判定勝利をもぎとった。準決勝ではイープークールーとの中国人対決を制したシェ・ビンとの対戦となり、「ケージの中でこれまで生きてきた29年間をどれだけ出せるか」と人生をかけた勝負になると語った。


──RTU準々決勝はソン・ヨンジェに判定勝利して初戦突破となりました。ヨンジェ戦を終えて、その後の練習や調整の状況はいかがでしたか。

「少しヨンジェ戦で怪我をしてしまったので1カ月半ほど休養して、そこからちょっとずつ上げてきた感じですね」

──RTUは短期間で試合が続く形ですが調整の難しさはないですか。

「そこは大丈夫ですね。デビュー1年目・2年目は一時期ほぼ毎月のように試合をしていた時期があったので、試合感覚が短くなって、練習できなくても焦りはなかったです」

──改めてヨンジェ戦を振り返っていただきたいのですが、ご自身で映像を見て、どんな感想を持ちましたか。

「自分自身、普段は1Rを濁して、2・3Rを確実に取って、判定で言うと29-28で、あわよくば30-27で決着つけられればいいかなという試合の進め方をするんですね。でも今回は1Rから飛ばしてみようという戦法だったので、そのせいかおかげか、1Rで見事にバテてました(苦笑)。それで2Rはどうしよう?となったところで、なかなかクリンチできずにボコボコ殴られる展開になって。

このパンチでKOされることはないとは思いつつ、こっちが攻撃をしているわけでもなかったので、暗いトンネルをずっと走っているような状況でした。ただ残り10秒の僕の縦ヒジがボコン!と入って、見るからにヨンジェがひよってくれたので、そこで視界が開けましたね。それもあって3Rは再び走り出すことができて、左のオーバーハンドがバチンと当たって、ここからはもう(勢いに)乗り続けるしかないと思いました」

──大事なトーナメントの1発目で、戦い方を変えるのは勇気も必要だと思ったのですが、なぜ戦い方を変えようと思ったのですか。

「僕が直近で負けた試合がGladiatorのパン・ジェヒョク戦で、あの試合は1Rで自分が行ききれなくて微妙で、その後の2~3Rを少し流しちゃったというか。お互いフワフワっとした試合展開になって、自分が判定負けしたんですよ。あの試合が自分のなかではものすごく悔いが残っていて、もう二度と後悔はしたくないっていうか。MMAは試合時間が15分と決められているわけじゃないですか。お前の人生は15分で決まるよって言われているのに、それで行かないのは……悔いが残りますよね」

──余力を残した自分が許せなかったですか。

「はい。そこでちゃんと出し切れる人間でありたいと思いました」

──そのなかでも一か八かのギャンブルではなくて、しっかり勝つ確率を上げたうえで1Rから飛ばしたわけですよね。

「過去のヨンジェの試合を見ていると、1Rで決着をつけていることが多くて、3Rまでいくとドロドロになって、ギリギリで勝っているんですよ。今までヨンジェがやってきたヤツらよりも僕の方がクリンチできる覚悟があると思ったので、自分を信じて1Rから飛ばしていこうと思いました」

──1Rはテイクダウン・バックコントロールで優勢に試合を進めてインターバルを迎えたわけですが、どういう状況でしたか。

「もう腕がパンパンで。本当にウェイトトレーニングだったら、その日のアームカールをオールアウトしましたぐらいの張り方でした(苦笑)。だからガードを上げる上げないとかそういう問題じゃなくて、それもあって2Rにケージ内をランニングしちょうような場面が来たんです」

──見ている側からすると、このままだ逆転されるんじゃないかという不安もありました。その展開を変えたのが縦ヒジですが、あれは練習している技だったのですか。

「絶対これで倒すっていうノリで鍛錬していた技じゃなくて、ちょっと遊びの動きの中でヒジを出したりしていたんですよ。そういう引き出しを一応用意しておきましたよみたいな感じで、それがギリギリのところで出てくれました」

──いい意味で遊びの技がピンチを救ってくれた、と。

「僕もMMAを初めて3年経ちましたけど、これまでずっと守破離で言うと、守るべき型をずっと作るという感じでやってきたんですね。その中で破=型を破ることも見つけながら試合ができているのかなって思います。それが今回で言えば左の縦ヒジですね」

――2R後のインターバルはかなり息を吹き返した状態ですか。

「はい。完全にヨンジェが萎えているのがわかったんで『よしよし!』と。もう一回捕まえれば『もうお前は終わりだろ?』ていう感じで捉えていましたね。セコンドの上久保(周哉)さんはからももう一回捕まえろみたいな指示が出ていて、あと5分だから頑張れ、と」

──河名選手の表現でいくと「暗いトンネルから光を見つけた」状態になると、体力的にも動けるものですか。

「そうですね。僕はレスリング時代から、3分2Rの中で自分の形でポイントを取れたら『この試合は勝てる!』というところまで、相手が諦めるまで頑張るスタイルだったんですね。それはMMAでもスタイル的には続けていて。そういう意味では本当は組み続けて、2Rまで相手にヒザをつかせて、立たせない状況にできれば一番良かったんですけど、それができないなかでヒジで明らかに相手を萎えさせる状態を作ることができたので、あとは頑張ろうと。MMAとレスリング、競技は違いますけど、そこはブレずにできているかなと思います」

──試合が終わった瞬間、1回戦を突破した時のお気持ちはいかがでしたか。

「もう本当に早く時間が過ぎ去ってくれみたいな感じの3Rだったので、やっと開放されたという感じでしたね」

──怪我の影響もあったかとの思いますが、準決勝のシェ・ビン戦に向けてはどんな準備を続けてきましたか。

「シェ・ビンは完全にジャブとワンツーでアウト(ボクシング)する、僕が一番嫌なタイプの選手です。なのでそこをどう捕まえるか。捕まえたあとにどうコントロールするかというところをやってきました」

──シェ・ビンのファイトスタイルが明確な分、自分がやるべきことも明確になっていますか。

「そうですね。自分の得意な形は一緒ですが、そこのバリエーションを相手に合わせて…というイメージですね」

──そこは順調に完成してきていますか。

「得意な形というか、とにかくマン振りする系の戦い方はできるようになってきたかなと思います。これに関しては試合でしか出せないし、練習で思いっきり人をぶん殴ることはできないからこそ、ケージに入った時の覚悟が試されるんじゃないかなと思います」

──今年の2試合は接戦を競り勝つという展開が続いていますが、そこで勝ち切れていることで自分の成長を感じることはありますか。

「15分みっちりじゃないですけど、人生にビバレッジをかけるべき時間は明確に定められていて、そのために練習したり、というのはあります。ケージの中でこれまで生きてきた29年間をどれだけ出せるかという部分は、ちょっとずつカッコつけず、後悔しないようにはやれてるかなと思います」

──RTUを勝ち上がることで、本戦契約まであと2勝です。今はUFCで戦うことも意識はしていますか。

「そうですね。目の前のことを1つずつやりながら、今回は(中村)倫也もセコンドに来てくれるので、UFCを経験している選手とイメージを共有しながら、UFCで戦うっていうこともイメージしてやろうと思います。今回は会場もUFC APEXなので、そういう意味でもいいイメージを作って臨めるかなと思います。

──APEXでの試合を経験している中村選手がセコンドについてくれるのは心強いですね。

「はい。前回はRTUを経験している上久保さんがついてくれて、今回は倫也がついてくれて。現地に入って試合までのスケジュールをある程度把握してくれているセコンドがいると、自分も動きやすいというのはありますね」

──RTUは河名選手の格闘技人生のターニングポイントになるものだと思いますが、そこにかける想いも強くなっていますか。

「結局、最後はケージに入ったら全部剥がされちゃうと思うので。そこまでに何をやってきたかはケージの中で全て明らかになるので、試合まで残り1週間ぐらいしかないですけど、やり残しがないようにやりたいですね。この1週間でまだまだ強くなれると思っているので」

──なるほど。もっと言うなら、試合直前まで勝つ確率を上げることはできますからね。

「そう思います。レスリング時代はある程度のところまで競技水準を持って行っていたので、試合までに強くなることはないから弱くならないように調整しようと思ってやっていたんです。でもMMAにおいては1週間あれば強くなれると思っているので、そこは信じてやっていきたいなと思います」

──今年UFCでは平良達郎選手がランキング入りして、朝倉海選手の参戦も発表されました。昨年と比べるとUFCそのものの注目度が上がっていると思いますが。そこをどう捉えていますか。

「特に朝倉選手がUFCに参戦して、日本人のファンをUFCに連れてくるということは、もの凄く価値のあることだと思っているんで、自分は乗れるものには乗っかります。そのためには勝たなきゃいけないんで、自分のやるべきことをやって、その流れに乗っていければなと思います」

──ちなみに河名選手はパリ五輪のレスリングは見ていましたか。

「見てました。女子に関しては全員金メダルを獲る可能性があるぐらい強いと言われて注目されていたのですが、そこで男子がめちゃくちゃ金メダルを獲って、金を獲れなかった選手も銀メダルを獲っていたじゃないですか。その姿を見ていて、僕はそれが羨ましいと嫉妬できるほどレスリングに取り組んでなかったなと思いました(苦笑)」

──レスリング時代の河名選手はそこまで競技に打ち込めていなかったのですか。

「どうしても同じ環境と同じメンバーで、同じ練習をずっとやっていると、自分ではそう思っていなくても、マンネリ化みたいになっちゃうんです。逆にMMAは本当にやることが多すぎて、毎日この日はこの練習をやってみようとか、練習終わってこれができなかったから明日はこれをやろうとか、自分の中で課題を持って練習のサイクルを回せるようにはなってきた感じはあります」

──レスリングは競技の形がある程度は決まっているので、その枠を超えることが難しいですか。

「それもありますし、特にグレコローマンはフリースタイルと違って、上半身しか攻めちゃダメなんで、本当に技術の幅が制限されるんですよ。制限されているからこそ、その中でどう工夫できるかというところがあって、今思うともっとそこで突き詰められる部分はあったんじゃないかなと思います。(レスリングから)離れて分かったことですけど。もちろんMMAは技術の終わりが見えないので、それはそれで大変ではあるんですけどね」。

──でもだからこそまた気持ちを新たにMMAに取り組めていますか。

「そうですね。技術も完璧に達しているものが1つもなくて、その意味ではずっと斜め上に右肩上がりに上がっていくわけじゃないですが、落ちたり上がったり、落ちたり上がったりという波を繰り返している中で、技術習得があるのかなと思います」。

──試合まで一週間、最後の最後まで強くなって、ケージの中で15分間自分をさらけ出して勝利を掴んできてください。

「それがダサくなるかカッコよくなるかはその時の自分次第だと思いますが、そこを信じて戦って勝ってきたいと思います」

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【Road to UFC2024Ep02】河名マストの準決の相手は、イーブ―クール―に快勝=シェ・ビンに

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
シェ・ビン(中国)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
イープークールー(中国)

ローを蹴られたイーブークールーが、飛び込んでパンチを狙う。見切って右インローを続けるシェ・ビンが、左ジャブを伸ばす。さらに左ローを蹴り、ジャブを当てる。イーブークールーの左にも、右を合わせていったシェ・ビンが圧で上回る。インローとジャブというリズムから、シェ・ビンが組みへ。ケージ際でのレベルチェンジの速い組手にもイーブークールーは反応して離れた。

そのイーブークールーが右アッパーで飛び込んだところに右のカウンターを当てたシェ・ビンが、ダウンを奪ってパウンドも、グラウンドは続けるスタンドに戻る。10日前のスクランブル発進のイーブークールーは既に息が切れているが、それでも右フックを当てる。シェ・ビンはダウンを奪えそうな左ジャブをヒットさせると、続く蹴りヲキャッチされて足を引き抜く際にバランスを崩す、そのまま見合い、初回が終わった。

2R、シェ・ビンは間合いをコントロールしてカウンター狙いも、イーブークールーもそこに飛び込んでいく。右を被弾したイーブークールーは左ミドルを入れるが、逆に右ミドルを効かされる。イーブークールーも右をカウンターで当て、シェ・ビンがヒザをつくシーンも。それでも攻勢をキープするシェ・ビンはジャブから右ストレートを当てる。さらに右ミドルに続き、ワンツーのコンビを決めたシェ・ビンに対し、イーブークールーも果敢に前に出る。残り90秒、右ストレートをヒットさせたシェ・ビンが左ジャブ、そして右ストレートから右ハイを狙う。シェ・ビンが右ミドル、右ボディストレートを当てて、この回も取った。

最終回、イーブークールーの前蹴りに右を合わせたシェ・ビンが、右ミドルを決める。ス左ピニングバックフィストから右フックと変則のコンビを繰り出したイーブークールーだが、攻め手がなくなっている証か。ジャブ、ハイ、右ストレートと正攻法でリズムを待って攻めるシェ・ビンが、ジャブを続ける。イーブークールーの右フックに、シェ・ビンは右を返す。ワンツーから右ハイのシェ・ビンだが、またも軽い右フックをもらうと方ヒザをつく。その後はペースを取り戻し、右を当てたシェ・ビンがそのままの流れで大きな被弾もなく、試合は終盤へ。

残り90秒を切り、右ボディを効かされた風のイーブークールーだが、シェ・ビンが仕留めに掛かる動きは見せない。イーブークールーの左オーバーハンドは空振りに。最後まで左ジャブ、右ハイで試合を支配したシェ・ビンが3-0の判定勝ちを収め、準決勝で河名マストと戦うことが決まった。そして上海PIのキャンプでライト級の相手と練習し自信をつけたというシェ・ビンは「心身ともに契約する準備はできている」と話した。


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【Road to UFC2024#01】フェザー級で再チャレンジ、原口伸「理想のMMA、シン・シン・ハラグチを」

【写真】予備計量直後の原口伸 (C)KEI MAEDA

明日18日(土・現地時間)に中国は上海のUFC PI上海で開催されるRoad to UFC2024Ep01で、原口伸がホン・ジュンヨンと対戦する。前回のRoad to UFCではライト級で準優勝、惜しくも契約を逃し──キャリア初黒星も喫した。
Text by Manabu Takashima

その原口、当初はRoad to UFCに出場せずにスキルアップと、本戦契約を狙うという選択をしてきた。階級を下げての連続参戦はないという風な話も聞かれていたが、一転フェザー級での再チャレンジへ。

とはいえ、この短期間で前回の参戦で見えた課題を克服し、MMAファイターとしての完成度は上がったのか。そして、初めてのフェザー級で戦うことで、以前とはどこかが違うのかを計量終了後の原口伸に尋ねた。


──2月にRoad to UFCライト級決勝戦に敗れ、その後に話を伺った時には今回のRoad to UFCには出場せず、本戦契約の機会を待つ。また前回のトーナメントであぶり出された課題を克服してMMAファイターとして完成度を上げることを今後の目標として掲げていました。それが一転、Road to UFCに出場することになったのは?

「絶対的にフェザー級でRoad to UFCに出場できる機会があったことにつきます。フェザーで戦いたい。それなら自分の力でRoad to UFCに再チャレンジして、契約を勝ち取ろうという気持ちになって決めました」

──ではフェザー級、1ポンド・オーバー規約で66.2キロの体は上手く創れましたか。

「そうですね。大学の1年と2年時は前日計量だったので、66キロ級でした。それが当日計量に変わったので70キロに上げただけで。MMAを始めて体は大きくなっているので、しっかりと上手く落とせました。自分が思っている通りの感じで落とせましたね。これまでの経験とタケさんに水抜きのアドバイスを頂いて。

今回1カ月前に決まったので、そのなかで照準を合わせて落とせました。Road to UFC以前に1カ月の準備期間があることはなかったので。ただ、もう少し時間的な猶予があった方がより創りやすいかと思います」

──この間のMMAファイターとして完成度を上げるという練習は一旦置いて、対策練習をしてきたことになるかと思います。

「そうですね、ホン・ジュンヨン対策を主な練習としてきました。ただすぐに成果が出るということではないですが、武田(光司)さんに紹介してもらってBrave世田谷でタケ(大宮司岳彦)さんにムーブメントの指導を受けるようになりました。

(中村)倫也さんとも情報をシェアして、アドバイスを貰ったりするようになったり。そこで得た知識や動きをBraveに持ち帰って、スパーリングで試しています。スパーリングはBraveだけですね。ここで出稽古を増やすと、整理できなくなってしまうので」

──前回大会はレスリング勝負でした。決勝の敗戦から3カ月で、この間採り入れたこともあり、何かファイトとして変わることは出てきますか。

「できることは増えたと思っています。テイクダウンしてからのコントロールも、体の使え方を変えてバリエーションが増えたという感覚でいます。立ちでの体の使い方はタケさんが創ってくれて、組みに関しては……自分は爆発力でなく筋持久力タイプなので、しっかりと時間をかけて倒す。テイクダウンにしても、そんな風に創ってきました」

──筋持久力タイプ……テイクダウンとパウンドの爆発力を考えると瞬発系だとばかり思っていました。

「レスリングの時もパワーや瞬発力でなく、MMAでは余裕がある時に瞬発力を出すという感じです。短距離走より、長距離走の方が全然得意だったので。そういう部分で、自分の強味を見直した時に、爆発力でなく時間をかけてテイクダウン、そしてパウンドという風になっています。

ただ練習でしか分かっていないことが多いので、答え合わせを明日するっていうことですね。自分ではどれぐらいできるのか、客観的に見ることはできないです。やっぱり新たに採り入れて来たことは期間がまだ短いので、やることを2、3と決めてそこを徹底してやります」

──では答え合わせの相手、ホン・ジュンヨンの印象を教えてください。

「典型的な韓国人ファイターですね。

頑丈でタフ、最後まで諦めない」

──どう諦めさせないといけなと考えていますか。

「相手が僕のレスリング力を甘く見ていれば、勝手に折れてくれます。そうでなくても、打撃を織り交ぜて戦えば、削って行けると思っています」

──伸選手のレスリング能力を軽視する相手はいないと思いますが(笑)。

「アハハハ。確かに、そうなりますよね。ただロン・チュウ戦を参考にしてくるようなら、あんな風にはならないです。あれだけテイクダウンを警戒しているなかで、突っ込んで行って僕の方が削られてしまったので。今回は良い意味で焦らす。焦らして相手からすると、『まだ来ないのか』という感じにさせたいですね。

15分を通したファイトを考えられるようになりました。それが昨年の敗北を通して、技術だけでなくMMAの完成度を高める要因になっていると思っています」

──ところで大宮司トレーナーも、倫也選手も同じトーナメントで出ている河名マスト選手の盟友といえる間柄ですが。

「そうですね。まず試合をすることになると、戦略的な指導を受けないことは予め話をしました。だから、そこに関しては深く考えていないです。試合が決まれば、戦う。そして強い方が勝つ。

レスリングでは対戦相手とも練習するものですし。大学3年の時のインカレの決勝の相手は、国士館大の1年後輩でした。同門対決も3度はやっていますね。なので強くなることが大切で、そういうことは気にしないです。戦略だけで勝てるなら、全員が勝つわけですし」

──その通りですね。日本人が潰し合おうが、勝てるだけ勝って日本人選手に契約を勝ち取って欲しいです。ではフェザー級の原口伸、どこがライト級と違うか教えていただけますか。

「今の感覚だと、足を使って自分のやりたいMMAが表現できるように思います。スクランブルをどんどんする。体も軽くなっているので、どんどん動いてスクランブルを創っていきます。シン・シン・ハラグチを見せます」

──なぜ、そこは英語の順番に(笑)。

■視聴方法(予定)
5月18日(土)
Ep01午後7時~ UFC Fight Pass
Ep02午後9時~UFC Fight Pass
Ep01&02午後6時45分~U-NEXT

■Road to UFC2024 Ep02対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
シェ・ビン(中国)
イープークールー(中国)

<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
シー・ミン(中国)
ソ・ユダン(韓国)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
河名マスト(日本)
ソン・ヨンジェ(韓国)

<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
プリヤ・シャルマ(インド)
ドン・フアシャン(中国)

<女子フライ級/5分3R>
ワン・ソン(中国)
パウラ・ルナ(ペルー)

■Road to UFC2024 Ep01対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
チュウ・カンチエ(中国)
安藤達也(日本)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
原口伸(日本)
ホン・ジュンヨン(韓国)

<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
フン・シャオカン(中国)
キラン・シン(インド)

<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
本野美樹(日本)
フォン・フェイアール(中国)

<ウェルター級/5分3R>
バーハートゥブールゥ・アトゥボラティ(中国)
キム・ハンソル(韓国)

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【Road to UFC2024Ep01&Ep02】計量終了 河名マスト、ラストミニッツでパス「明日、ぶちかまします」

【写真】ギリギリのタイミングでパス。すぐにフェイスオフに(C)GINJI ARAI

明日18 日(土・現地時間)に中華人民共和国は上海のUFC PI上海で開催されるRoad to UFC2024 Ep01&Ep02の計量が17日(金・同)に行われ安藤達也、原口伸、本野美樹、河名マストの日本人4選手は無事クリアした。
Text by Manabu Takashima

敢えて無事と表現したのは仮計量が始まり、次々と出場選手たちが控室のスケールで体重をチェックするなか、河名マストがなかなか姿を見せない──という情報が、本計量開始10分ほど前に現地から伝わってきたからだ。


上海時間の午前9時から11時までの計量時間、河名は10時前に現れ予備計量で1.5ポンド(約680グラム)オーバーに。今回、コーナーに上久保周也を帯同した河名は、本計量開始の1時間前で1キロオーバーの状態だったことが分かった。

1時間で400グラム近く落としていることになるが、このままパスをしないと対戦相手のソン・ヨンジェがキャッチ戦を受け入れるのか、代替選手との対戦になるのか。体重を創れてない女子選手もいたことと相まって(女子ストロー級は代役がいない状態)、計量会場は慌ただしい空気に。

実は河名は2月のGLADIATOR CHALLEGER SERIESでも残りの700グラムが落ちなく計量開始から遅れて計量会場入りしたということがあった。結果、500グラム・オーバー──今回でいえば1ポンド・オーバー規約──のない状態でパスをした河名だったが、人生が懸かった大一番で痛恨の計量ミスとなるのか。

本計量終了時間が迫ってくるなか、河名が控室に再び姿を見せ予備計量台へ。結果は、リミット丁度の146ポンドでパス!! 最後はUFC PI上海のスタッフが計量終了時間の10分前までタオル蒸しなど水抜きのサポートがあり、河名は晴れてUFCとの契約が懸かった戦場に立つ権利を得た。河名からはMMAPLANETに「心配おかけしてすみません。明日、ぶちかましてきます!!」というメッセージが届いている。

なお本野美樹と対戦予定だったフォン・フェイアールは116.7ポンドと計量失敗。本野はキャッチ戦でなく、不戦勝で準決勝進出を決めている。

■視聴方法(予定)
5月18日(土)
Ep01午後7時~ UFC Fight Pass
Ep02午後9時~UFC Fight Pass
Ep01&02午後6時45分~U-NEXT(Ep01から続き)

■Road to UFC2024 Ep02対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
シェ・ビン(中国)
イープークールー(中国)

<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
シー・ミン(中国)
ソ・ユダン(韓国)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
河名マスト(日本)
ソン・ヨンジェ(韓国)

<Road to UFC女子ストロー級準々決勝勝/5分3R>
プリヤ・シャルマ(インド)
ドン・フアシャン(中国)

<女子フライ級/5分3R>
ワン・ソン(中国)
パウラ・ルナ(ペルー)

■Road to UFC2024 Ep01対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
チュウ・カンチエ(中国)
安藤達也(日本)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
原口伸(日本)
ホン・ジュンヨン(韓国)

<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
フン・シャオカン(中国)
キラン・シン(インド)

<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
本野美樹(日本)
フォン・フェイアール(中国)

<ウェルター級/5分3R>
バーハートゥブールゥ・アトゥボラティ(中国)
キム・ハンソル(韓国)

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MMA MMAPLANET o WKG&M-1Global イープークールー 川名雄生

【WKG&M-1Global】明確な差のない打撃戦、川名が判定でイープークールーに敗れる

<ライト級/5分3R>
イープークールー(中国)
Def.3-0
川名雄生(日本)

サウスポーのイープークールーがアウトロー。川名がインローを返すと、これがローブローとなってしまう。再開後、川名が右ミドルから左フック。イープークールーも左ストレートから右フックを返す。お互い細かくパンチのフェイントを見せる中、イープークールーが左ミドルを当てる。

川名がイープークールーの左ミドルに右ローを蹴り返すと、これが2度目のローブローとなり、場内からはブーイングが起きた。レフェリーから川名に注意が促され、試合は再開。イープークールーが右アウトロー、川名が右ストレートと右ミドルを見せるが、大きなコンタクトがないまま、ラウンド終了となった。

2R、川名が右ストレートからニータップを狙う。これは決まらなかったが、川名がジャブを見せながら右ストレートで前に出る。イープークールーも左ストレートを打ち返し、小刻みにステップを続ける。川名が右ミドル、イープークールーは左ミドル・左の前蹴りから右フックにつなげる。

ケージ内をサークリングして深追いはしないイープークールー。川名はダブルレッグを見せつつ、右ミドル・右ストレート。終了間際、イープークールーの左ストレートと川名の右ストレートが交錯し、イープークールーが飛びヒザ蹴りを繰り出した。

3R、イープークールーが左ミドルを蹴って、左右のストレートを放つ。1・2R同様に足を使って距離を取るイープークールー。川名がシングルレッグを見せるが深く組むことができない。

イープークールーの左の蹴りに左フックを狙う川名。お互いミドルを蹴り合うなか、イープークールーが右ジャブ・右フック、川名が左フックを返す。残り1分、初めてイープークールーがダブルレッグを見せる。

切った川名はスタンドの攻防を選び、右ミドルを2発。イープークールーは左のヒザ蹴り・左ミドル。左右のフックを振り回し、川名も同じように左右のフックを返す。どちらも決定打がないまま試合は終わり、判定でイープークールーの勝利となった。


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【WKG&M-1Global】川名雄生、中国での再起戦に向けて――「今回の遠征で必死さを取り戻したい」

【写真】現地入りして様々な撮影に応じる川名。試合に向けて過度な緊張はないようだ。(C)CFP

26日(土・現地時間)に中国は広東省(クウントン・シュン)の深圳(シェンチュン)にある深圳南山文体育中心(シェンチェン・ナンシャン・チュウワン・ウェンティーヂョンシン)で開催されるWKG & M-1 Global。今大会では川名雄生が2018年のPFL参戦以来の海外進出を果たし、Road to UFCで神田コウヤと熱戦を繰り広げた中国のイープークールーと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

過去10試合で3勝7敗と大きく負け越している川名が新たなチャレンジの場として選んだのが中国だった。今の自分に足りないものは勝利を掴む必死さだといい、成長著しい中国のMMAプロモーションで再浮上を目指す川名。現地で試合を目前に控えた中、再起に向けた心境を訊いた。

――中国での試合を目前に控えた川名選手です。体調はいかがですか。

「思った以上にコンディションは悪くないですね。日本からおかゆやみそ汁だったりリカバリー食も持ち込んでいるので、計量後はそれでしっかりリカバリーしようと思います」

――日本とは興行スケジュールなど勝手も違うと思いますが、そこは問題ないですか。

「そこまで大きく日本と違うことはないですね。むしろある程度余裕を持ってスケジュールを組んでもらっているので、その部分でストレスを感じることはないです」

――中国で試合をするのは初めてですよね。

「はい。PFLで海外の試合は経験していますが中国は初です」

――今回の試合オファーを受けた時の心境を聞かせてください。

「自分ちょっとお腹が弱くて、すぐお腹を壊すんですよ。だから中国に来て、水が合わなかったりしたら嫌だなと。さすがに腹を下したまま試合をするのはリスクがあるので(笑)。何か思うことがあるとしたら、そのくらいですかね」

――まずはお腹のコンディションが心配だった、と(笑)。国内では修斗・RIZIN・DEEPで戦ってきた川名選手がこのタイミングで中国のプロモーションに出ることになり、なにか心境の変化や違いはありますか。

「どうだろうな。良くも悪くも今までと変わらないんですよね。PFLに出た時もそうなんですけど。神経が図太いんですかね。僕は天才でもなんでもないので、どこでやっても変わらないです」

――ではあくまで一つのオファーとしてWKGに参戦するという感覚なのでしょうか。

「そうですね。国内で試合が決まるときと同じで、特に緊張をすることもなく、体調だけ気をつけて当日を迎えようと思います。23日の深夜に現地入りして、一度トレーニングで息上げすることもできたので問題ないですね」

――対戦相手のイープークールーにはどんな印象を持っていますか。

「もともとモンゴル相撲の出身で、打撃を覚えてMMAにチャレンジしている選手らしく、5月のRTUで神田コウヤ選手と対戦しているんですよね。直近では6月に中国のDRAGON FCという大会で藤村健吾選手に勝っていて。タフな選手で打撃が光る、あとは体幹が強いんだろうなと思います」

――神田戦を見る限りですが、打撃は思い切がいい、下半身にアプローチするテイクダウン=タックル系のディフェンスは弱いと感じました。

「神田選手も低いタックルでテイクダウンを奪ってましたよね」

――実際コンタクトしないと分からない部分もあると思いますが、どんな試合をイメージしていますか。

「打撃・寝技すべてを使って戦おうと思います。イープークールー選手は対戦相手にある程度攻めさせておいて、疲れたところをカウンターで攻めていくという戦い方もしているので、相手に反撃する体力とスタミナが残らないように削り続けていきたいです」

――良くも悪くも相手の攻撃を「受ける」スタイルですよね。

「そうなんです。相手の攻撃を受け止められるレベルだと判断したら、相手に攻撃させちゃうんですよね。そこで変に焦らず、自分のペースを守ることが大事だと思っています」

――川名選手も年齢・キャリアを重ねて、これからのMMAでの目標やゴールをどう考えていますか。

「僕自身、ここ最近のレコードが大きく負け越しているので、今までとは違う環境で新しい発見や刺激が欲しいと思っていました。そこで結果を出すことで、また国内でも一歩前進できるかなと思って、今回の海外遠征を決めたところはあります」

――ご自分ではなにが負け越している要因だと感じていますか。

「技術面どうのこうのよりも、必死さが足りなかったですね。もともと自分は『相手より必死にやらなかったから勝てねえよ』と思っていたのに、最近の試合ではそこまで必死になれてなかったと思います。今回の試合ではそういう必死さを取り戻したいと思います」

――まだ川名選手のなかで上を目指すという気持ちは衰えていないようですね。

「全く衰えないですね。結果が出なくて、どうしたらいいんだろう?と迷子になった部分はありましたけど、もっともっと上に行きたいって気持ちは変わらないです。もしもういいかなと思っていたら引退していると思うんですよ。でも辞めてないってことは、自分のことを信じられているし、今回の中国遠征をきっかけに上を目指します」

――日本でもたくさんの人が応援してくれていると思います。どんな試合をしたいですか。

「情報の規制が多いらしく、どうやって日本から試合映像を見られるか分からないんですけど(笑)、SNSだったりを通じて、自分が勝ちに行くところを伝えられたらうれしいです」

■WKG & M-1対戦カード

8月26日(土・現地時間)
中国 広東省深圳(クウントン・シュン シェンチュン)
深圳南山文体育中心(シェンチェン・ナンシャン・チュウワン・ウェンティーヂョンシン)
World King Glory & M-1 Global

■ 対戦カード

<ライトヘビー級/5分3R>
ウィ・ヤオツン(中国)
ヘナト・ハンジェル(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
川名雄生(日本)
イープークールー(中国)

<フェザー級級/5分3R>
ツー・ワン(中国)
イエダーリ(中国)

<フェザー級/5分3R>
高木亮(日本)
アーハージャン(中国)

<フェザー級/5分3R>
シャア・リエンヤン(中国)
ウイシーバイ・チューハイイーフー(中国)

<バンタム級/5分3R>
イリャ・ツェルゲルニコフ(ロシア)
リー・ムーハ(中国)

<ウェルター級/5分3R>
キム・ジュンギョ(韓国)
チョウ・ニエンラ(中国)

<フェザー級/5分3R>
ガンゾリグ・エルデンバター(モンゴル)
ジュア・グーツェン(中国)

<バンタム級/5分3R>
リ・ファンヒョン(韓国)
シャア・ミンチェン(中国)

<フライ級/5分3R>
リーツー・ソンウーウ(中国)
サイヴァリ・サイドフ(タジキスタン)

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【Road to UFC2023Ep05】豪腕カイウェンと準決勝。神田コウヤ─02─「ぺースを握ってタフファイトに」

【写真】恐怖心を持ちつつ、勇気で上回ることが求められるタフファイトへ (C)MMAPLANET

27日(日・現地時間)、シンガポールのインドアスタジアムで開催されるRoad to UFC 2023 Ep05のフェザー級準決勝で、リー・カイウェンと対戦する神田コウヤのインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

今年5月のRTU初戦は、イープークールーをタフファイトの末に判定で下した。上海開催で対戦相手は中国人ファイターという、完全アウェイの中で神田は何を感じたのか。次戦の相手も同じ中国のリー・カイウェンだ。RTUフェザー級随一のハードヒッターとの決戦を控えた神田が、その決意を語る。

<神田コウヤ・インタビューPart.01はコチラから>


――RTU準々決勝のイープークールー戦はハードな乱打戦となりました。あれだけのタフファイトになることは想定していましたか。

「想定はしていましたね。当日の第1試合で、グラジエーターのベルトを獲ったニャムジャルガル選手がすごいタフファイトをやっていたじゃないですか。相手のトップノイも1Rから飛ばしまくって、お互いドロドロになりながらフルラウンド戦っていましたよね。あの試合を見て、セコンド陣と一緒に青ざめていたんです。『これはキツいぞ。お前の試合も同じような展開になるから覚悟しておけ』と言われて」

――やけに不安を煽る言葉ですね。誰に言われたのですか。

「代表の鶴屋(浩)さんです。『15分間、絶対にキツい試合になる。でもファイターとしての仕事だから、キッチリと仕事をこなせよ』って。鶴屋さんは試合前に結構そういうことを言いますよ(笑)」

――そのような言葉をプレッシャーに感じることはないでしょうか。

「人によってはプレッシャーに感じるかもしれないけど、僕は一切ないですね。自分は最初から『試合ってキツいものだ』ということが分かっているし、鶴屋さんも僕のことを分かっているからこそ、そういう風に言ってくれるのかもしれないです」

――鶴屋代表も神田選手のことを幼少期から見ていますから、性格も分かっているのでしょうね。プレッシャーでいえば、今年のRTUは中国人ファイターのためのRTUという要素は強いです。完全アウェイの状況で戦うことに対し、プレッシャーはありませんでしたか。

「いや、それも無かったですね。まずUFCのスタッフさんは選手のことを平等に扱ってくれますし――確かに歓声とかは完全にアウェイでした。でも自分にとっては完全アウェイという状況が、良い影響を与えてくれたと思います。逆に日本開催だと、僕のほうがプレッシャーも大きかったでしょうし。日本だと応援してくれる方も多いので」

――パラエストラCNWは会場に駆けつけてくれる応援団が多いですしね。

「前回は上海開催だから、いつも来てくれる応援団の方々は一人もいない。そのぶん気楽に戦うことができました。それとRTU初戦というのも大きかったです。イープークールー選手が初戦で誰か日本人選手を倒して、次に自分と試合するという状況だったら、また違ってくると思います。僕はその日本人選手と比べられるわけで――そんな比較対象もなくて、プレッシャーなく戦えましたね。

相手のほうが中国開催だからプレッシャーはあったんじゃないですか。試合映像を見返すと、イープークールー選手は後頭部に円形脱毛症みたいなものがあって……。めちゃくちゃストレスが大きかったと思います。試合当日は応援団が多いし、普段からUFC PIという恵まれた環境で練習している。自分がイープークールー選手の立場なら『ここで負けるわけにはいかない』と考えてしまいますよね。それだけ自分や中国のMMAに投資してくれている人がいるわけで。相手にとっては、それがプレッシャーになったかもしれないです」

――なるほど。では神田選手にとっては、自分の力を出し切れた試合でしたか。

「はい、出し切った感はありました。根負けもしなかったですし。こういうタフな試合に勝つのは、自分にとっても良い経験になると思っています。今後の糧になるというか。一番嫌なのは先に相手から攻められ、良いパンチをもらって自分が失神するような展開ですよね。8秒でKOされた2試合目のように」

――準決勝の対戦相手、リー・カイウェンは先にガンガン攻めて来るファイターです。

「前回のルー・カイ戦は会場で見ることができなかったんですけど、あとで試合映像を視て、まず『強いな』って思いました。今回のRTUのフェザー級はリー・カイウェンとイー・チャアを決勝で戦わせたい構図なのかもしれないですね」

――中国サイドからすれば、その組み合わせが一番盛り上がるでしょう。ただ、神田選手としてはそうなるわけにはいかない。リー・カイウェンの印象を教えてください。

「まさに剛腕ですよね。一発のある、厄介な相手です。ただ、剛腕なだけじゃなくて冷静さもありますよね。ルー・カイ戦のKOも最初にフックで頭を下げさせ、そこに右アッパーを突き上げているので。打撃の精度はメチャクチャ高いと思います」

――あれだけ打撃で攻めてくる相手との対戦経験はありますか。

「打撃が得意な選手はいました。青井人選手や五明宏人選手とか。でも、リー・カイウェンのような剛腕タイプはいなかったです」

――初めてのタイプとの対戦に向けて、すでに対策はできているのでしょうか。

「自分がやることは決まってきています。相手がパンチを振ってくる時に、自分がどう動くかが大切だと思うんですよ。そこで下がってはいけない。自分からも攻めていくことが、最大の防御になりますね」

――剛腕タイプに対しては、真っ直ぐ下がってしまうと危険ですよね。

「真っ直ぐ下がってしまうと、走ってパンチを振りながら追いかけてくるでしょうね。1Rだけ――いや、1分間だけの勝負ならリー・カイウェンが一番強いと思いますよ。まずは自分からペースを握って、タフファイトに持ち込みたいです」

――では最後に、RTU準決勝への意気込みをお願いします。

「自分としてはいつもどおり、勝つために最善を尽くすのみです。今回もU-NEXT、あるいはUFCファイトパスで中継されますので、入会されている方には視ていただきたいです。まだ入会されていない方も、この機会にご入会ください!」

――その辺り、定番の締めコメントになっていますね。

「格闘技は会場であっても中継であっても、ライブが一番面白いですから。海外の試合を日本で視られるのは凄いことだと思うので、皆さん宜しくお願いします」

■視聴方法(予定)
8月27日(日・日本時間)
Ep.05午後5時~UFC FIGHT PASS
Ep.06午後7時~UFC FIGHT PASS
午後4時30分~U-NEXT

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【WKG&M-1Global】川名雄生&高木亮が出場。急激に力をつける中国勢。国内イベントでの実力の程は?

【写真】WGKのオクタゴン・リング。はRoad FC、ONE、RIZINに肩を並べる規模でイベントが行われているのか……(C)CFP

12日(土)、CFPより26日(土・現地時間)に中国は広東省(クウントン・シュン)の深圳(シェンチュン)にある深圳南山文体育中心(シェンチェン・ナンシャン・チュウワン・ウェンティーヂョンシン)でWKG & M-1 Globalが開催され、日本から川名雄生&高木亮が出場することが発表されている。
Special Thanks to Mr.Hiroyuki Iwakuma
Text by Manabu Takashima

CPFのリリースよるとWGK=World King Gloryとは中国の投資家であるトン・リーなる人物が、中国国内のMMAの近代化とより優秀な選手の育成を目的として2016年から活動を開始したプロモーションで、活動開始時よりロシアのM-1Globalと提携関係を結んでいるという。


WKGでは8角形のリングが使用され、試合タイムは5分✖3R。ルールはユニファイドがベースながらグラウンドでの頭部へのヒジ打ちは禁止、裁定方法はラウンドマストとなっている。

2人参戦する日本勢、高木亮の対戦相手アーハージャンはキャリア12勝3敗。正確な後ろ回し蹴りを駆使するなどアグレッシブで打撃が切れるウェルラウンダーだ。積極的な余り防御が疎かにある部分もあるので、高木としては勢いに飲み込まれずに戦いたい。

また過去10試合で3勝7敗と厳しい状態にある川名が、2018年のPFL参戦以来となる海外進出で、Road to UFCで神田コウヤと熱戦を繰り広げたイープークールーと対戦する。イープークールーは7月22日にDRAGON FCで藤村健悟をヒザ蹴りでKOしており、3カ月で3度目の日本人対決となっている。

世界を動かす経済大国の人材育成MMAプロモーション=WKG。ロシア、ブラジル、タジキスタン、モンゴル、韓国、日本勢を食って強化に挑む。とはいえアーハージャンとイープークールーの戦績は抜けているものがあり、この辺りは×日という部分は興行の軸になっているのかもしれない。

経済の論理が、まま強さの真理に通じる格闘技にあって、Road to UFCで明らかになったように日本が中国をリードしているとはもう言えないのが現実だ。そんななか、アーハージャン&イープークールーの両者ばかりか、7勝2敗でONE Hero Series & ONE Friday Fightsベテランのシャア・リエンヤンや主催者発表では5勝0敗のジュア・グーツェンらが、どのようなパフォーマンスを見せるのかが非常に気になる。

■WKG & M-1対戦カード

<ライトヘビー級/5分3R>
ウィ・ヤオツン(中国)
ヘナト・ハンジェル(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
川名雄生(日本)
イープークールー(中国)

<フェザー級級/5分3R>
ツー・ワン(中国)
イエダーリ(中国)

<フェザー級級/5分3R>
高木亮(日本)
アーハージャン(中国)

<フェザー級/5分3R>
シャア・リエンヤン(中国)
ウイシーバイ・チューハイイーフー(中国)

<バンタム級/5分3R>
イリャ・ツェルゲルニコフ(ロシア)
リー・ムーハ(中国)

<ウェルター級/5分3R>
キム・ジュンギョ(韓国)
チョウ・ニエンラ(中国)

<フェザー級/5分3R>
ガンゾリグ・エルデンバター(モンゴル)
ジュア・グーツェン(中国)

<バンタム級/5分3R>
リ・ファンヒョン(韓国)
シャア・ミンチェン(中国)

<フライ級/5分3R>
リーツー・ソンウーウ(中国)
サイヴァリ・サイドフ(タジキスタン)

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【Road to UFC2023Ep03】ロン・チュウ戦へ─脱力KTTホン・ソンチャン「イケメンなのでボコボコに(笑)」

【写真】メチャクチャハードな練習をしていながら、こんな風にRoad to UFCに向き合えるのも素敵だ (C)MMAPLANET

27日(土・現地時間)&28日(日・同)の両日に、中国は上海のUFC PIにおいて開催されるRoad to UFC。2日目のエピソード03に出場し、元UFCファイターのロン・チュウと対戦するホン・ソンチャン。

TOP FC時代に日本のファンの記憶にも残っているであろう──佐藤豪則と2度に渡る急所蹴り→ノーコンテストという珍事を経験し、その後は4年近いブランクがあった。

その激しい練習に知られたKTTで自らを苛め抜く日々を送りながら、ホン・ソンチャンはRoad to UFCに対して非常に肩の力が抜けた向き合い方をしていた。


──気を悪くされると申し訳ないのですが、ホン・ソンチャン選手といえばどうにも佐藤豪則選手と2度に渡り急所蹴りでノーコンテストになった事件が忘れられないです。

「まだ、覚えているのですか(苦笑)」

──いやぁ、忘れられないですよ(笑)。

「佐藤選手との試合以降、ヒザより上は蹴られないようにしています(苦笑)」

──アハハハハ。

「あれは100パーセント、自分のミスなので。今でも佐藤選手には申し訳ない気持ちでいっぱいです。申し訳ありませんでした」

──2017年7月の佐藤選手との2戦目から、2021年5月まで3年10カ月もの長期間ブランクがありました。

「練習自体していない時期が凄く長かったです。プロMMAファイターを続けていると経済的な問題を抱えていましたし、自分のやりたかったこともったので。その後、親しい先輩とジムを運営することになり、そこで軽く汗を流しているとやっぱりMMAは楽しくて。それで復帰を決めました」

──このハードなKTTの選手練習に戻ってこられるものなのですね。

「運営しているジムがKTTの支部ですし、KTTで練習するからこそ、遣り甲斐を感じることができます。KTTでの練習後に食事をすることが、一番の楽しみです(笑)」

──復帰する際の目標はどこにあったのでしょうか。

「特定の目標はなかったのですが、ジム運営をしながらちゃんと生活の基盤を持ちつつ、機会があれば試合に出よう。それぐらいでした。ただ、ここにきてRoad to UFCで戦うという流れになり、もう簡単な気持ちではやれないですよね(苦笑)」

──勝てばUFCというRoad to UFCだからこそ、世界最高峰を目指そうという気になったのですか。

「そうですね。負けたらどうしようとかという気持ちもありますが、それでも自分がやるだけやって試合に出れば満足できるんじゃないかなと思っています」

──ライト級には原口伸選手が出場しています。互いに勝ち続ければ絶対に当たることになるのですが、彼が昨年11月にチームメイトのキム・サンウォン選手に勝っていることは意識しますか。

「もちろんですよ。当然じゃないですか(笑)。ただ、まずは1回戦のロン・チュウです。元UFCファイターですし、今は彼だけに集中しています。自分よりも経験豊富ですし、上手い選手です。しっかりと準備もしてきました。イケメンなのでボコボコに殴ってやりたいです(笑)」

■視聴方法(予定)
5月27日(土・日本時間)
Episode01
午後7時00分~UFC FIGHT PASS
午後6時30分~U-NEXT

Episode02
午後9時00分~UFC FIGHT PASS
午後8時50分~U-NEXT

5月28日(日・日本時間)
Episode03
午後7時00分~UFC FIGHT PASS
午後6時30分~U-NEXT

Episode04
午後9時00分~UFC FIGHT PASS
午後8時50分~U-NEXT

■ROAD TO UFC AISA2023 Episode01対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
SASUKE(日本)
キム・サンウォン(韓国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
マーク・クリマコ(米国)
イ・ジョンヒョン(韓国)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
イー・チャア(中国)
ウズアズベク・ジャフフ(中国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
鶴屋怜(日本)
ロナル・シアハーン(インドネシア)

<フライ級/5分3R>
トップノイ・キウラム(タイ)
ナムジャルガル・トゥメンデムベレエル(モンゴル)

■ROAD TO UFC AISA2023 Episode02対戦カード

<Road to UFCバンタム級T準々決勝/5分3R>
リー・カイウェン(中国)
ルー・カイ(中国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
スミット・クマール(インド)
チェ・スングク(韓国)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
イープークールー(中国)
神田コウヤ(日本)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
チーニョーシーユエ(中国)
ビリー・パスラタン(インドネシア)

<ウェルター級/5分3R>
タイラークゥ(中国)
キム・ハンスル(韓国)

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode03対戦カード

<Road to UFCライト級T準々決勝/5分3R>
ホン・ソンチャン(韓国)
ロン・チュウ(中国)

<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
上久保周也(日本)
チィルイイースー・バールガン(中国)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
丸山数馬(日本)
キム・サンウク(韓国)

<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
シャオ・ロン(中国)
野瀬翔平(日本)

<ウェルター級/5分3R>
クリス・ホフマン(フィリピン)
ユ・サンフン(韓国)

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode04対戦カード

<Road to UFCライト級T準々決勝/5分3R>
キ・ウォンビン(韓国)
バーハートゥブールゥ・アトゥボラティ(中国)

<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
イ・チャンホ(韓国)
ラナルドラ・プラタップ・シン(インド)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
ウィンドリス・パティリマ(インドネシア)
原口伸(日本)

<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
エプライム・ギンディン(インドネシア)
ダールミス・チャウパスゥイ(中国)

<フライ級/5分3R>
ピーター・ダナソー(タイ)
シャン・シンカイ(シンガポール)

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MMA MMAPLANET o Road to UFC Road to UFC2023 Road to UFC2023Ep02 UFC イープークールー 神田コウヤ

【Road to UFC2023Ep02】乱打戦に引かず。テイクダウン込みのMMAで神田がイープークールーに3-0勝利

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
神田コウヤ(日本)
Def.3-0:30-27.30-27.29-28
イープークールー(中国)

すぐにダブルレッグでドライブした神田が、エルボーを打っていく。ケージにイープークールーを押し込み、もう一発ヒジを見せた神田は体を入れ替えらえケージに押し込まれる。小外で押し込み返した神田は、再び金網を背負うがレフェリーがブレイクを命じた。右ハイをキャッチされ右を打たれた神田は、当たってはいないが印象は良くないか。それでも神田は直後にダブルレッグでテイクダウンを奪う。

クローズドガードのイープークールー、神田は上体を起こすがしがみつかれた状態が続く。腰を上げて左のパンチを落とした神田は足を抜きに掛かる。左足を抜いてハーフでトップとになると、イープークールーが左腕を差す。腰を引いて立ち上がったイープークールーが離れる。神田はヒザ蹴りに組みつき、ヒザを突き上げる。さらに両ワキを差した神田は、右エルボーを入れて離れて右を当てる。ここから間合いを測る状態となり、初回が終わった。

2R、キャッチされるの警戒して蹴りを見せない神田はダブルレッグを切られる。逆にハイを受けそうになったが、ヒザをボディに入れた神田。続いてローに右を打たれる。イープークールーのローに組みついた神田はすぐに離れ、ワンツーで左を伸ばす。イープークールーはカウンター狙いで待ちの姿勢だ。神田は左を振るって前に出て、ようやく右ハイを出す。さらに右ローを蹴った神田は、腹から上の蹴りを使いエルボーを狙う。

狙い過ぎか、イープークールーが左をヒット。神田は左ロー、左を伸ばすがイープークールーがブロックする。イープークールーが右ジャブを当て、神田も右から左を返す。組みに右を当てたイープークールーは、左の相打ちから右を空振り。これでPIに来たファンが大きな歓声を挙げる。残り30秒、ダブルレッグでテイクダウンを決めた神田はエルボーも、イープークールーがシングルから立ち上がった。

最終回、左フックで鼻をカットしている神田は両ラウンドを取っている可能性も、落としてる可能性もある。「最後だから頑張れ」とセコンドに送り出され、ジャブから左を伸ばした神田がエルボーを狙う。さらにイープークールーの飛び込みヒザを見せると、スイッチして右の蹴りを見せる。組みから殴る神田に対し、イープークールーも左を入れる。

再びオーソで構え、右リードから前に出る神田は姿勢を乱したイープークールーにヒザを狙う。イープークールーがここでクリンチを選択して、流れを止めてから離れる。右を入れた神田だが、イープークールーも打たれると打ち返す。左ミドルに右を当てた神田。しかし、パンチを受けたイープークールーは必ずといってよいほど打ち返す。

残り2分30分、組んだ神田は離れて打ち合いのなかでもテイクダウンを狙う。この動きが効いたか左を入れた神田だったが、直後にイープークールーが右をヒットさせる。疲れたイープークールー、神田も疲れたが蹴り足を振り払ってテイクダウンを奪う。神田は立ち上がったイープークールーにヒザを入れる。

残り1分、右から左を神田が当てる。中国人ファンは全く神田のパンチに声を挙げないが、神田のヒット率は完全に上回っている。イープークールーは組みに行き、切った神田を殴る。最後は両者、体の軸が崩れつつパンチを繰り出して時間に。

結果、神田は3-0の判定勝ちを手にし、「まずは対戦していただいたイープークールー選手、会場を盛り上げてくれた上海のファンの皆さん、ありがとうございます。色々な手続きを経てここ上海まで来ましたので、決して負けるわけにはいかなかったです。最後は被弾覚悟、玉砕覚悟という言葉が日本にはあるのですが、そのような覚悟で3Rは挑みました」と話した。


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